JP5298460B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置および照明装置 - Google Patents
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Description
3.前記一般式(3)のL21が、下記一般式(a)で表されることを特徴とする第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.前記一般式(3)のL21が、下記一般式(b)で表されることを特徴とする第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
5.前記一般式(3)のL21が、下記一般式(c)で表されることを特徴とする第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
6.前記一般式(3)のL21が、下記一般式(d)で表されることを特徴とする第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
7.前記発光層よりも陽極側にある少なくとも一つの層に含有される化合物が下記一般式(4)で表されることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
8.第1項から第7項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする表示装置。
ここで、本発明に係るHOMO,LUMOの値は、米国Gaussian社製の分子軌道計算用ソフトウェアであるGaussian98(Gaussian98、Revision A.11.4,M.J.Frisch,et al,Gaussian,Inc.,Pittsburgh PA,2002.)を用いて計算した時の値であり、キーワードとしてB3LYP/6−31G*を用いて構造最適化を行うことにより算出した値(eV単位換算値)と定義する。この計算値が有効な背景には、この手法で求めた計算値と実験値の相関が高いためである。
本発明に係る、一般式(1)で表される化合物について説明する。
本発明に係る一般式(1A)で表される化合物について説明する。
本発明に係る立体パラメータ(Es値)について説明する。
X−CH2COORX+H2O→X−CH2COOH+RXOH
で表される、酢酸のメチル基の水素原子1つを置換基Xで置換したα位モノ置換酢酸から誘導されるα位モノ置換酢酸エステルを酸性条件下で加水分解する際の反応速度定数kXと、次の化学反応式
CH3COORY+H2O→CH3COOH+RYOH
(RXはRYと同一)で表される、上記のα位モノ置換酢酸エステルに対応する酢酸エステルを酸性条件下で加水分解する際の反応速度定数kHから下記式で求められる。
置換基Xの立体障害により反応速度は低下し、その結果kX<kHとなるのでEs値は通常負となる。実際にEs値を求める場合には、上記の二つの反応速度定数kXとkHを求め、上記の式により算出する。
本発明において、電子供与性の置換基とは下記に記載のハメットのσp値が負の値を示す置換基のことであり、そのような置換基は水素原子と比べて結合原子側に電子を与えやすい特性を有する。
本発明に係る、発光層よりも陽極側にある少なくとも一つの層に含有される化合物にういて説明する。
本発明に係る一般式(2)で表される化合物について説明する。
ここで、本発明に係る電子供与性基としては、ハメットの置換基定数σpが0以下のものを表し、例えば、メチル基(−0.17)、エチル基(−0.15)、イソプロピル基(−0.15)、n−ブチル基(−0.16)、シクロプロピル基(−0.21)、シクロヘキシル基(−0.22)、tert−ブチル基(−0.20)、−CH2Si(CH3)3(−0.21)、アミノ基(−0.66)、ヒドロキシルアミノ基(−0.34)、−NHNH2(−0.55)、−NHCONH2(−0.24)、−NHCH3(−0.84)、−NHC2H5(−0.61)、−NHCONHC2H5(−0.26)、−NHC4H9(−0.51)、−NHC6H5(−0.40)、−N=CHC6H5(−0.55)、−OH(−0.37)、−OCH3(−0.27)、−OCH2COOH(−0.33)、−OC2H5(−0.24)、−OC3H7(−0.25)、−OCH(CH3)2(−0.45)、−OC5H11(−0.34)、−OCH2C6H5(−0.42)等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
本発明に係るハメットのσp値とは、ハメットの置換基定数σpを指す。ハメットのσpの値は、Hammett等によって安息香酸エチルの加水分解に及ぼす置換基の電子的効果から求められた置換基定数であり、『薬物の構造活性相関』(南江堂:1979年)、『Substituent Constants for Correlation Analysis in chemistry and biology』(C.Hansch and A.Leo,John Wiley&Sons,New York,1979年)等に記載の基を引用することができる。
本発明に係る一般式(3)で表される化合物について説明する。
一般式(3)において、L21で表される2価の連結基の好ましい態様としては、上記一般式(a)、(b)、(c)または(d)で表される基が挙げられる。
一般式(a)において、R31で表される置換基は、一般式(1)で表される燐光性化合物において、R1で表される置換基と同義である。
一般式(b)において、Ar41で表される2価の連結基は、一般式(2)において、Ar11で表される、2価の連結基と同義である。
一般式(c)において、Ar51で表される、芳香族炭化水素環または芳香族複素環から導出される3価の連結基とは、例えば、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(モノアザカルボリン環ともいい、カルボリン環を構成する炭素原子のひとつが窒素原子で置き換わった構成の環構成を示す)、トリアゾール環、ピロール環、ピリジン環、ピラジン環、キノキサリン環、チオフェン環、オキサジアゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、インドール環からなる群から導出される3価の基等が挙げられる。これらの基は、更に、一般式(1)で表される燐光性化合物において、R1で表される置換基を有してもよい。
一般式(d)において、Ar61で表される、芳香族炭化水素環または芳香族複素環から導出される3価の基は、一般式(c)において、Ar51で表される、芳香族炭化水素環または芳香族複素環から導出される3価の連結基と同義である。
本発明に係る一般式(4)で表される化合物について説明する。
本発明の有機EL素子の構成層について説明する。本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
本発明の有機EL素子においては、青色発光層の発光極大波長は430nm〜480nmにあるものが好ましく、緑色発光層は発光極大波長が510nm〜550nm、赤色発光層は発光極大波長が600nm〜640nmの範囲にある単色発光層であることが好ましく、これらを用いた表示装置であることが好ましい。また、これらの少なくとも3層の発光層を積層して白色発光層としたものであってもよい。更に、発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。本発明の有機EL素子としては白色発光層であることが好ましく、これらを用いた照明装置であることが好ましい。
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明に用いられるホスト化合物について説明する。
本発明に係る発光ドーパントについて説明する。
本発明に係るリン光ドーパントについて説明する。
蛍光ドーパント(蛍光性化合物)としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常、10nm〜1000nmの範囲、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれる。
一方、陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
本発明の有機EL素子に用いることのできる支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等とも言う)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
本発明に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量且つ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
有機EL素子は空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として光が素子側面方向に逃げるためである。
本発明の有機EL素子は基板の光取り出し側に、例えば、マイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば、素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
《材料のHOMO準位及びLUMO準位の計算》
以下に示す材料について、HOMO、LUMOの値を計算した。米国Gaussian社製の分子軌道計算用ソフトウェアであるGaussian98(Gaussian98、Revision A.11.4,M.J.Frisch,et al,Gaussian,Inc.,Pittsburgh PA,2002.)を用いて計算した時の値であり、HOMO、LUMOの値は、キーワードとしてB3LYP/6−31G*を用いた。結果を以下に示す。
陽極としてガラス上にITOを150nm成膜した基板(NHテクノグラス社製:NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をiso−プロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。この透明支持基板を、市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、5つのタンタル製抵抗加熱ボートに、α−NPD、CBP、Ir−12、BC、Alq3をそれぞれ入れ、真空蒸着装置(第1真空槽)に取付けた。
有機EL素子1−1の作製において、表3に記載のように正孔輸送材料、発光ドーパントを変更した以外は同様にして、有機EL素子1−2〜1−18を作製した。
得られた有機EL素子1−1〜1−18について室温下、2.5mA/cm2の定電流条件下による連続点灯を行い、初期輝度の半分の輝度になるのに要する時間(τ1/2)を測定した。発光寿命は、有機EL素子1−1を100とする相対値で表した。
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 透明電極付きガラス基板
108 窒素ガス
109 捕水剤
Claims (9)
- 基板上に少なくとも陽極と陰極を有し、該陽極と該陰極間に少なくとも一層の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機層の少なくとも一層は、下記一般式(1)または一般式(1A)で表される燐光性化合物を含有する発光層であり、かつ、該発光層よりも該陽極側にある少なくとも一つの層に含有される化合物が、分子軌道計算用ソフトウェア:Gaussian98を用い、かつキーワードとしてB3LYP/6−31G*を用いて構造最適化を行うことにより算出したHOMOのエネルギー準位が−4.65eV〜−3.50eVであり、LUMOのエネルギー準位が−1.05eV〜−0.05eVであって、下記一般式(2)で表されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする表示装置。
- 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする照明装置。
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