JP5296247B1 - 音処理装置及びフィードバックキャンセル方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な処理を用いることなく、安定してフィードバックキャンセラを機能させる技術を提供する。
【解決手段】音処理装置に適用されるフィードバックキャンセラ20は、補聴処理部12で補聴(増幅)処理された後の音信号を適応フィルタ22の参照信号u(n)とし、適応フィルタ係数w(n)を用いて適応フィルタ出力信号y(n)を形成する。また、マイクロホン10に入力される周囲音の入力信号s(n)及びフィードバックパス16からのフィードバック信号b(n)の和を適応フィルタ22の所望信号d(n)とし、適応フィルタ出力信号y(n)と所望信号d(n)との差である誤差信号e(n)を補聴処理部12に提供してハウリングを抑制する。適応フィルタ係数計算部24は、NLMS適応フィルタとSLMS適応フィルタに用いられる2つのアルゴリズムを合成した更新式を用いて適応フィルタ係数w(n)を更新する。
【選択図】図1

Description

本発明は、補聴器等で起きるハウリングの抑制に適した音処理装置及びフィードバックキャンセル方法に関する。
従来、補聴器等のハウリングを抑制するフィードバックキャンセラ(AFBC:Adaptive Feedback Canceller)に関して、各種の適応フィルタを用いた先行技術(特許文献1〜3)が知られている。
例えば第1の先行技術として、聴覚補助装置(補聴器)のフィードバックキャンセラに急速適応動作を行う適応フィルタと低速適応動作を行う適応フィルタの2つを備え、これら2つの適応フィルタをユーザ操作によって切り替える手法がある(特許文献1参照。)。この手法では、デフォルトで低速適応を開始しておき、音環境の変化等でユーザに好ましくないノイズが感じられると、ユーザ操作によって急速適応動作に切り替え、直ちにハウリングを抑制することができる。
また第2の先行技術(特許文献2)として、聴覚装置に固有の不変フィードバックパスをモデル化した固定フィルタとともに、フィードバックパスの変動部分をモデル化する適応フィルタを備え、適応フィルタには、適応速度が異なる緩変動型と急変動型の2つを用いた手法がある。この手法では、2つの適応フィルタのいずれをアクティブにするかを制御スイッチによって自動的に切り替えることができる。
その他に第3の先行技術(特許文献3)として、補聴器の内部回路に第1の適応フィルタと第2の適応フィルタを設け、このうち第1の適応フィルタをフィードバックキャンセラとして働かせるときに、その適応速度を第2の適応フィルタで最適化する手法がある。この手法では、第1の適応フィルタに適応速度の緩やかな正規化最小二乗平均(Normalised LMS)アルゴリズムを採用しているが、第2の適応フィルタの出力は主要信号処理(音処理)に影響しないため、より高速な符号最小二乗平均(Signed LMS)アルゴリズムを用いて適応フィルタ係数を更新することができる。
特開平6−189397号公報 特開2011−254468号公報 特表2004−509543号公報
上述した第1,第2の先行技術(特許文献1,2)はいずれも、必要に応じて適応速度を切り替える手法であり、フィードバックキャンセラを適切に機能させるためには、適応速度を切り替えるタイミングを正しく判断しなければならない。このため、第1の先行技術のようにユーザ操作で適応速度を切り替える場合、日常的にユーザの負担が大きくなってしまうという問題がある。また、第2の先行技術のように自動で適応速度を切り替える場合であっても、制御上で切り替えタイミングを判断する処理が必要となり、その分の処理負荷が大きくなるという問題がある。
第3の先行技術(特許文献3)については、主要信号経路に用いる適用フィルタが1種類だけであり、2つの適用フィルタの切り替えタイミングを判断する必要はない。しかし、主要となる第1の適応フィルタ(NLMS)の適応速度を第2の適応フィルタ(SLMS)で高頻度に変化させるため、それだけ複雑な計算処理を必要とする。また、第2の適応フィルタが安定性を欠くと、本来のフィードバックキャンセラが正しく機能しなくなるおそれがある。
そこで本発明は、複雑な処理を用いることなく、安定してフィードバックキャンセラを機能させることができる技術の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の解決手段を採用する。
本発明の音処理装置は、内部で入力された音信号を音処理手段により増幅処理し、その増幅処理後の音信号に基づいてスピーカから音を出力する一方で、マイクロホンで採取した周囲音を入力信号としつつ、スピーカから出力された音がマイクロホンに到達して得られる帰還成分をフィードバック信号として共にマイクロホンに入力する構成を基本とするが、上記の帰還成分に起因して生じるハウリングを抑制するため、適応フィルタを用いたフィードバックキャンセラとしての機能を有している。
フィードバックキャンセラとしての機能を実現するため、音処理装置は適応フィルタ、帰還成分除去手段及び適応フィルタ係数計算手段としての構成を有する。本発明のフィードバックキャンセル方法は、音処理装置の機能を用いて実現される。
すなわち、適応フィルタは、増幅処理後の音信号を参照信号として、この参照信号に適応フィルタ係数を畳み込みして帰還成分を推測した出力信号を形成する。また、帰還成分除去手段は、マイクロホンの入力である入力信号とフィードバック信号との和を適応フィルタの所望信号とし、この所望信号と出力信号との差である誤差信号を音処理手段に対して増幅処理前の音信号として入力することにより、音処理手段による増幅処理後の音信号から帰還成分を除去する。これにより、スピーカから出力される音がマイクロホンに帰還入力して生じるハウリングを抑制することができる。
また、適応フィルタ係数算出手段は、適応フィルタによる出力信号の算出に必要な適応フィルタ係数を、参照信号と誤差信号とを個別に用いる正規化LMS(Normalized Least Mean Square:以下「NLMS」という。)アルゴリズムと符号付きLMS(Signed Least Mean Square:以下「SLMS」という。)アルゴリズムとを結合して得られる1つの計算式を用いて更新することができる。
このように、本発明の音処理装置及びフィードバックキャンセル方法は、適応フィルタ係数の更新に際してNLMS及びSLMSという複数通りのアルゴリズムを適用しているものの、実際の適応フィルタ係数の算出には、2つのアルゴリズムを結合して得られる1つの計算式を用いている。すなわち、NLMS及びSLMSという複数通りのアルゴリズムは合成された1つのアルゴリズムとなるため、個別の計算過程は必要でない。
その上で本発明では、適応フィルタ係数を更新していく過程で、例えば(1)初期適応速度は速いが、ある程度収束すると係数の更新がほとんどストップするアルゴリズム(SLMS)と、(2)適応速度は緩やかでも長時間の安定性に優れるアルゴリズム(NLMS)の両者を共存させることで、それぞれの利点を最大限に発揮させることができる。これにより、NLMS又はSLMSのいずれか単独の適応フィルタだけでは「適応速度」と「安定性」といった所望の特性がトレードオフの関係となっていても、複数種類の適応フィルタが持つそれぞれの利点を相補的に作用させることで、全体として理想的な適応フィルタを構築することができる。
また本発明によれば、フィードバックキャンセラとしての機能において、NLMS適応フィルタとしての機能とSLMS適応フィルタとしての機能を併存させることができる。したがって、例えばハウリング発生初期では、より収束速度の速いSLMS適応フィルタとしての機能を活用してハウリングを素速く抑制しつつ、その後にSLMS適応フィルタが顕著に動作しなくなった場合、NLMS適応フィルタとしての機能により高い精度の適応を維持しつつ安定性の維持を図ることが可能となる。
以上のように、本発明の音処理装置及びフィードバックキャンセル方法によれば、複雑な処理を用いることなく、安定してフィードバックキャンセラを機能させることができる。
音処理装置の構成を概略的に示すブロック図である。 補聴器モデルにNLMS適応フィルタ(ステップサイズ大)を単独で適用した場合に得られる特性を示す図である。 補聴器モデルにNLMS適応フィルタ(ステップサイズ小)を単独で適用した場合に得られる特性を示す図である。 補聴器モデルにSLMS適応フィルタを単独で適用した場合に得られる特性を示す図である。 特有のアルゴリズムを用いた適応フィルタの特性を示す図である。 補聴器に2種類の適応フィルタを実装した場合に想定されるモデルを表したブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態の音処理装置の構成を概略的に示すブロック図である。音処理装置は、例えば補聴器1としての用途に好適する。以下、補聴器1としての実施形態を例に挙げて説明する。また、以下の説明を通じて、音処理装置を用いて実現されるフィードバックキャンセル方法も明らかとなる。
なお、以下の式(1)〜(12)及び図1,図6において、斜体で示される各種シンボルは変数を表すものとする。便宜上、本文中では各種シンボルを標準体で表記するが、対応するシンボルが式(1)〜(12)及び図1,図6で斜体表記されているものは全て変数を表している。
例えば補聴器1としての音処理装置は、マイクロホン10、補聴処理部12及びスピーカ14を備えている。マイクロホン10に入力された音のアナログ信号は、図示しないA/Dコンバータでデジタル信号に変換される。補聴処理部12は、入力されたデジタル信号(音信号)を増幅(補聴)処理する。また、補聴処理部12で増幅処理された音信号は、図示しないD/Aコンバータでアナログ信号に変換され、スピーカ14から音として出力される。スピーカ14は、補聴器ユーザの耳(鼓膜)に出力音を提供する。
〔状態モデル〕
以上が補聴器1としての基本的な動作であるが、例えば離散時間系の状態空間モデルを考えると、一般的に補聴器1内部の補聴処理部12は、音の入力から出力の方向への伝達関数G(z)で表される(増幅+遅延)。また、スピーカ14から出力された音がマイクロホン10に帰還入力するため、この間のフィードバックパス16が逆向きの伝達関数F(z)で表される。なお、フィードバックパス16の伝達関数F(z)は、補聴器の形状や構造、装用者の身体構造や挙動、周囲の環境等によって変化する。
〔フィードバックキャンセラ(AFBC)〕
補聴器はフィードバックキャンセラ20を内蔵しており、このフィードバックキャンセラ20は、適応フィルタ22を用いてハウリングを抑制する。またフィードバックキャンセラ20は、適応フィルタ係数計算部24を有しており、この適応フィルタ係数計算部24により、適応フィルタ22で用いる適応フィルタ係数を更新(離散時間更新)している。
〔状態変数〕
補聴器モデルにおける状態変数は、マイクロホン10への周囲音の入力に相当する入力信号s(n)、フィードバックパス16からの帰還成分に相当するフィードバック信号b(n)となり、マイクロホン10には周囲音の入力信号s(n)とフィードバック信号b(n)を加算した音(=s(n)+b(n))が入力される。
フィードバックキャンセラ20は、補聴処理部12で増幅処理された音信号を適応フィルタ22の参照信号u(n)としたとき、この参照信号u(n)と適応フィルタ係数w(n)を畳み込み演算して適応フィルタ出力信号y(n)を出力する。
一方でフィードバックキャンセラ20は、マイクロホン10に入力された音(=s(n)+b(n))を適応フィルタ22の所望信号d(n)とすると、加算部26で所望信号d(n)から上記の適応フィルタ出力信号y(n)を減算し、その結果を誤差信号e(n)として補聴処理部12に入力させる。このとき適応フィルタ22は、フィードバックパス16の伝達関数F(z)を推定した伝達関数W(z)で表される。これにより、補聴処理部12による補聴(増幅)処理の対象は、スピーカ14の音がマイクロホン10に到達して得られる帰還成分が除去された誤差信号e(n)となる。
本実施形態の特徴は、適応フィルタ係数計算部24における適応フィルタ係数の更新アルゴリズムにある。具体的には、以下に示す一連の計算式を用いて適応フィルタ係数を更新する。
〔適応フィルタ出力信号〕
適応フィルタ22からの適応フィルタ出力信号y(n)は、以下の式(1)で表される。
ここに、
:適応フィルタ係数
M:適応フィルタ係数のタップ数
u:参照信号
である。上式(1)より、適応フィルタ出力信号y(n)は適応フィルタ係数と参照信号を時間畳み込みしたものとなる。
〔誤差信号〕
加算部26において、誤差信号e(n)は以下の式(2)で得られる。
〔適応フィルタ係数〕
適応フィルタ係数計算部24は、以下の式(3)により更新後の適応フィルタ係数w(k,n+1)を算出する。
ここに、
μ:正規化LMS(NLMS)のステップサイズ
「 ̄u」:参照信号uの二乗の時間平均値
μ:符号付きLMS(SLMS)のステップサイズ
「sign{}」:符号関数
である。
〔アルゴリズムの特徴〕
上式(3)の特徴は、NLMS適応フィルタとSLMS適応フィルタの2種類のアルゴリズムを1つの更新式に合成したところにある。すなわち、上式(3)の右辺第2項まではNLMS適応フィルタのアルゴリズムに相当し、右辺第3項はSLMS適応フィルタのアルゴリズムに相当する。以下、より詳細に説明する。
〔NLMS適応フィルタ〕
一般に、NLMS適応フィルタの適応フィルタ係数更新式は、次式(4)で表される。
〔SLMS適応フィルタ〕
また一般に、SLMS適応フィルタの適応フィルタ係数更新式は、次式(5)で表される。
なお、上に挙げた2つの式(4),(5)は、いずれも単独で図1のモデルに適用した場合に成り立ち得るアルゴリズムである。したがって、図1の補聴器モデルにおいて適応フィルタ22に式(4)を単独で適用した場合、フィードバックキャンセラ20はNLMS適応フィルタとしての固有特性を表す。一方、図1の補聴器モデルにおいて適応フィルタ22に式(5)を適用した場合、フィードバックキャンセラ20はSLMS適応フィルタとしての固有特性を表すことになる。
〔NLMS適応フィルタの固有特性〕
上式(4)に示されているように、NLMS適応フィルタは、参照信号u(n)の平均パワーでステップサイズを除すアルゴリズムである。このためNLMS適応フィルタは、参照信号u(n)の振幅の大きさに適応フィルタの収束スピードが依存しない特性を有している。
したがって、NLMS適応フィルタは、ハウリングを抑制した後で参照信号u(n)が極端に小さくなっても、フィードバックパス16の伝達関数F(z)を推定し続けるため、ハウリングを抑制するだけでなく、フィードバックパス16に起因する残留ハウリング(いわゆるリンギング現象)も抑圧することが可能である。
またNLMS適応フィルタは、ステップサイズμの調整(大小調整)により、収束速度(ハウリング抑制スピード)を調整することができる。ただし、あまり収束を速く設定しすぎると、フィルタ係数の更新が不安定となり、発振が起きやすい。特に、純音性の高い(周期性の高い)信号が入力された場合に適応フィルタ係数の更新が不安定となったときは、エントレインメントが起きやすい。エントレインメントとは、補聴器における適応フィルタを用いたフィードバックキャンセラにおいて、このフィードバックキャンセラが誤動作して正弦波に近い入力信号を歪ませてしまうことをいう。このような現象を抑制するためには、ステップサイズμをできるだけ小さくする必要があるが、あまり小さくし過ぎると、かえってハウリングを抑制するまでの時間が長くなる。
図2及び図3は、補聴器モデルにNLMS適応フィルタを単独で適用した場合に得られる特性を示す図である。図2と図3の違いは、NLMS適応フィルタのステップサイズμの違いによるものであり、ステップサイズを比較的大きくした場合は図2の特性となり、ステップサイズを比較的小さくした場合は図3の特性となる。このとき図2中(A)及び図3中(A)は、ハウリング発生時からの音圧レベルの時間変化を表す。また、図2中(B)及び図3中(B)は、適応フィルタ係数のミスアライメントの時間変化を表している。
〔ミスアライメントの定義〕
ここで、ミスアライメント(M(w(n))は、ある時刻nにおいて、適応フィルタ係数w(n)が推定する伝達関数F(z)の正解値f(n)にどれだけ近づいているかを示す指標である。すなわち、ミスアライメントは、その値が小さいほど推定誤差が少ないことを意味しており、次式(6)で定義される。
ここに、|| ||はノルムを示している。w(n)が完全に正解値f(n)を推定できた場合、上式(6)よりミスアライメントは−∞[dB]となる。
なお、上式(6)において、シンボル「w」,「f」の太字表記はベクトルを意味するものであるが、本段落中では便宜的に標準体を用いている(以下でも同じ。)。
〔ステップサイズが大きい場合〕
図2中(A)に示されているように、NLMS適応フィルタのステップサイズμを比較的大きくすることで、ハウリングの抑制をより急速にすることが可能である。ただし、図2中(B)に示されているように、ハウリングを抑制した後もミスアライメントは変動し続けており、依然として動作が不安定であることがわかる。したがって、この間に純音性の高い音が入力されると、上記のように発振現象が起きやすい。
〔ステップサイズが小さい場合〕
これに対し、NLMS適応フィルタのステップサイズμを比較的小さくすると、図3中(A)に示されているように、ハウリングを抑制するのに長い時間を要することになる。その代わり、図3中(B)に示されるように、ハウリングを抑制した後でミスアライメントが減少傾向のみを示すため、動作が極めて安定的であることが分かる。したがって、この間に純音性の高い音が入力されても発振現象は起きにくい。
〔SLMS適応フィルタの固有特性〕
次に、上式(5)に示されているように、SLMS適応フィルタは、参照信号u(n)を「+1」と「−1」の二値へ符号化するアルゴリズムである。すなわち、参照信号u(n)の振幅がプラス側に振れているかマイナス側に振れているかに応じて、プラス側ならば「+1」を割り当て、マイナス側ならば「−1」を割り当てる。その結果、「+1」又は「+1」に割り当てた二値化信号をそのまま適応フィルタ係数の計算に使用する。このためSLMS適応フィルタには、計算量を比較的少なく済ませることができるという利点がある。
またSLMS適応フィルタは、ステップサイズμを適宜に選択することで、ハウリングを抑制するまでのスピードを速くしつつ、その抑制後は適応フィルタ係数の更新量が小さくなるに従い、適応フィルタ係数の更新を実質的にほとんど止めてしまう設定が可能である。したがって、ハウリングをなるべく速く抑制しながら、適応フィルタ係数の更新停止によって発振現象(エントレインメント)が起きにくいアルゴリズムを実現することができる。
しかし、SLMS適応フィルタの大きな問題は、ハウリングが一旦止まってしまうと、そこで適応フィルタ係数の更新もほとんど止まってしまうため、残留ハウリング(リンギング)現象を抑制できない点にある。
図4は、補聴器モデルにSLMS適応フィルタを単独で適用した場合に得られる特性を示す図である。ここでも同様に、図4中(A)はハウリング発生時からの音圧レベルの時間変化を表し、図4中(B)は適応フィルタ係数のミスアライメントの時間変化を表している。
図4中(A)に示されているように、SLMS適応フィルタは、ハウリングの抑制を極めて急速に行うことが可能であることがわかる。ただし、図4中(B)に示されているように、ハウリングを抑制した後は適応フィルタ係数の更新がほぼ止まり、それ以上は動作しなくなる。このため、上記のように残留ハウリング(リンギング)現象の抑制には不向きである。
〔本実施形態の適応フィルタの特性評価〕
図5は、本実施形態に特有のアルゴリズムを用いた適応フィルタの特性を示す図である。以下では、NLMS適応フィルタ及びSLMS適応フィルタをそれぞれ単独適用した場合の各特性との比較を通して本実施形態の有用性を評価する。
〔適応速度評価〕
図5中(A)に示されているように、本実施形態の適応フィルタを用いることで、発生から短時間(この例では1secより短い時間)内にハウリングを抑制することが可能となることがわかる。この適応速度は、NLMS適応フィルタのステップサイズを比較的大きくした場合(図2中(A))より速く、また、SLMS適応フィルタを単独で用いた場合(図3中(A))の速度に比肩する。
〔安定性評価〕
図5中(B)は、本実施形態のアルゴリズムで得られる適応フィルタ係数のミスアライメントの時間変化を表している。ここに示されるミスアライメントの変化は、本実施形態に特有のアルゴリズム全体に起因(依存)するものである。この場合、ハウリング発生時からフィルタ係数の計算値が急速に正解値に向かって近づいていき、ハウリングを抑制した後もフィルタ係数の更新が続けて行われることで、フィルタ係数はその後も正解値に近づき続けることができることが分かる。
すなわち、本実施形態に特有のアルゴリズムでは、SLMS適応フィルタに相当する部分はハウリングの素早い抑制に特化し、それ以外の状態ではほとんど動かない。その一方で、NLMS適応フィルタに相当する部分は、一旦ハウリングを抑制した後も更にフィードバック成分を精度よく推定するために動作し続ける。このためNLMSについては、比較的ゆっくりとした更新スピード(ステップサイズ小)に設定することが好ましい。これにより、ハウリングを素速く抑制しながらも、発振現象(リンギング)が生じにくく、エントレインメントの起きにくい状態を安定して維持することができる。
また本実施形態では、考え方としてNLMSとSLMSの2種類の適応フィルタを用いていたとしても、実際にはモデル内で別個新規な1つの適応フィルタ22が構築されている。したがって、どちらかの適応フィルタ係数を場合に応じて選択するという複雑な処理を必要としない。
さらに、比較的計算量の多いNLMS適応フィルタに相当する部分の収束スピードはゆっくりでよいため、SLMS適応フィルタに対して適応フィルタ係数の計算及び更新の頻度を大幅に低下させることができる。これにより、実際にハードウエアへの実装形態においてプロセッサの演算負荷を軽減し、消費電力を低く抑えることができる。
〔比較検討〕
以上より、本実施形態に特有のアルゴリズムによる有用性は既に明らかとなっているが、本発明の発明者等はさらなる追求を行い、本実施形態に特有のアルゴリズムが2種類の適応フィルタの単なる集合物ではないことを明らかにしている。以下、この点について言及する。
図6は、補聴器(参照符号省略)に2種類の適応フィルタを単純実装した場合に想定されるモデルを表したブロック図である。このモデルは、単純にNLMS適応フィルタとSLMS適応フィルタの2つを同時(並列)に動作させることを想定した構成である。
この場合、補聴器は2つの独立したフィードバックキャンセラ40,50を備え、それぞれに種類の異なる適応フィルタ42,52が配置されることになる。ここでは、一方のフィードバックキャンセラ40にNLMS適応フィルタ42を使用し、もう一方のフィードバックキャンセラ50にSLMS適応フィルタ52を使用するものとする。したがって、各フィードバックキャンセラ40,50には、適応フィルタ42,52のアルゴリズムに応じてNLMS適応フィルタ係数計算部44、SLMS適応フィルタ係数計算部54が必要となる。
また、2つの独立したフィードバックキャンセラ40,50が1つの補聴器システムに組み込まれるため、いずれか一方がもう一方のループ内に取り込まれた形態(いわゆる「入れ子」の状態)になる。この場合、マイクロホン10から補聴処理部12までの間に2つの加算部56,46(方向順に示す)が置かれ、このうち前方の加算部56では所望信号d(n)と適応フィルタ出力信号y(n)との誤差信号e(n)が演算されるが、次の加算部46では、適応フィルタ出力信号y(n)と誤差信号e(n)との誤差信号e(n)が演算されることになる。
〔適応フィルタ更新の計算式〕
図6のモデルにおいて、適応フィルタの更新には以下に示す一連の計算式が必要となる。
〔SLMS適応フィルタ出力信号〕
SLMS適応フィルタ52の適応フィルタ出力信号y(n)は、以下の式(7)で計算(畳み込み演算)される。
ここに、
:SLMS適応フィルタ係数
M:適応フィルタ係数のタップ数
である。
〔誤差信号〕
前方の加算部56において、誤差信号e(n)は以下の式(8)で計算される。
〔SLMS適応フィルタ係数〕
SLMS適応フィルタ係数計算部54は、以下の式(9)により更新後の適応フィルタ係数w(k,n+1)を計算する。
〔NLMS適応フィルタ出力信号〕
内側ループにおいて、NLMS適応フィルタ42の適応フィルタ出力信号y(n)は、以下の式(10)で計算(畳み込み演算)される。
ここに、
:NLMS適応フィルタ係数
M:適応フィルタ係数のタップ数
である。
〔誤差信号〕
後方の加算部46において、誤差信号e(n)は以下の式(11)で計算される。
〔NLMS適応フィルタ係数〕
そして、NLMS適応フィルタ係数計算部44は、以下の式(12)により更新後の適応フィルタ係数w(k,n+1)を計算する。
〔本実施形態との比較〕
図6の単純モデルは、本実施形態と同等又は近似した性能を得られるものの、2種類の適応フィルタ42,52を並列に動作させるために2つの適応フィルタ係数を別々に計算する必要があり、それだけ計算量が多くなっている。
これに対し、本実施形態では1つの適応フィルタ22だけで最適に動作できる上、計算量は図6のモデルに比較して圧倒的に少なく済ませることができるという利点がある。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施可能である。一実施形態では、一般的なNLMS適応フィルタとSLMS適応フィルタの2種類のアルゴリズムを1つに合成して特有のアルゴリズムを構成しているが、その他の種類のアルゴリズムを合成してもよい。また、より細分化された複数種類に及ぶ適応フィルタのアルゴリズムを合成して適応フィルタ係数を計算することとしてもよい。
例えば、ミスアライメント等の応答特性が相補的な傾向を示す複数種類の適応フィルタを任意に取り合わせ、それぞれのアルゴリズムを合成して適応フィルタ係数の更新を行うことができる。どのような性質の適応フィルタを取り合わせるかには広汎な任意性があり、本発明の実施に際して特に制約はない。
本発明は補聴器としての実施形態だけでなく、例えば電話機、マイクミキシング機能付きの音響機器、拡声器、モニタ機能付き録音機、放送機器等の各種の音響装置としても実施可能である。また、各種の音響装置により本発明のフィードバックキャンセル方法を実現可能である。
10 マイクロホン
12 補聴処理部(音処理手段)
14 スピーカ(イヤホン)
20 フィードバックキャンセラ
22 適応フィルタ
24 適応フィルタ係数計算部(適応フィルタ係数算出手段)
26 加算部(帰還成分除去手段)

Claims (2)

  1. 入力された音信号を増幅処理する音処理手段と、
    前記音処理手段による増幅処理後の音信号に基づいて音を出力するスピーカと、
    採取した周囲音を入力信号としつつ、前記スピーカから出力された音が前記マイクロホンに到達して得られる帰還成分をフィードバック信号として共に入力するマイクロホンと、
    前記音処理手段による増幅処理後の音信号を参照信号として、この参照信号に適応フィルタ係数を畳み込みして前記帰還成分を推測した出力信号を形成する適応フィルタと、
    前記マイクロホンの入力である前記入力信号と前記フィードバック信号との和を前記適応フィルタの所望信号とし、この所望信号と前記出力信号との差である誤差信号を前記音処理手段に対して増幅処理前の音信号として入力することにより、前記音処理手段による増幅処理後の音信号から前記帰還成分を除去する帰還成分除去手段と、
    前記適応フィルタによる前記出力信号の算出に必要な前記適応フィルタ係数を、前記参照信号と前記誤差信号とを個別に用いる正規化LMS(Normalized Least Mean Square)アルゴリズムと符号付きLMS(Signed Least Mean Square)アルゴリズムとを結合して得られる1つの計算式を用いて更新する適応フィルタ係数計算手段とを備え、
    離散時間系における前記所望信号をd(n)、前記出力信号をy(n)、前記誤差信号をe(n)、前記参照信号をu(n−k)、前記適応フィルタで用いられる前記適応フィルタ係数をw (k,n)、適応フィルタ係数のタップ数をMとしたとき、前記出力信号y(n)が次式(1)
    により得られ、かつ、前記誤差信号e(n)が次式(2)
    により得られるとき、
    前記正規化LMSアルゴリズムのステップサイズをμ 、前記符号付きLMSアルゴリズムのステップサイズをμ としたとき、前記適応フィルタ係数計算手段による更新後の前記適応フィルタ係数w (k,n+1)が次式(3)
    により算出されることを特徴とする音処理装置。
  2. 音処理装置内部の音処理部で入力された音信号を増幅処理し、この増幅処理後の音信号に基づいてスピーカから音を出力する一方、マイクロホンで採取した周囲音を入力信号としつつ、前記スピーカから出力された音が前記マイクロホンに到達して得られる帰還成分がフィードバック信号として共に前記マイクロホンに入力される過程で、
    前記音処理部による増幅処理後の音信号を前記音処理装置内部で適応フィルタの参照信号とし、この参照信号に対し前記適応フィルタにより適応フィルタ係数を畳み込みして前記帰還成分を推測した出力信号を形成し、
    前記音処理装置内部で前記マイクロホンの入力である前記入力信号と前記フィードバック信号との和を前記適応フィルタの所望信号とし、この所望信号と前記出力信号との差である誤差信号を前記音処理部に対して増幅処理前の音信号として入力することにより、前記音処理部による増幅処理後の音信号から前記帰還成分を除去しつつ、
    前記適応フィルタによる前記出力信号の算出に必要な前記適応フィルタ係数を、前記参照信号と前記誤差信号とを個別に用いる正規化LMS(Normalized Least Mean Square)アルゴリズムと符号付きLMS(Signed Least Mean Square)アルゴリズムとを結合して得られる1つの計算式を用いて更新するにあたり、
    離散時間系における前記所望信号をd(n)、前記出力信号をy(n)、前記誤差信号をe(n)、前記参照信号をu(n−k)、前記適応フィルタで用いられる前記適応フィルタ係数をw (k,n)、適応フィルタ係数のタップ数をMとしたとき、前記出力信号y(n)が次式(1)
    により得られ、かつ、前記誤差信号e(n)が次式(2)
    により得られるとき、
    前記正規化LMSアルゴリズムのステップサイズをμ 、前記符号付きLMSアルゴリズムのステップサイズをμ としたとき、前記適応フィルタ係数計算手段による更新後の前記適応フィルタ係数w (k,n+1)が次式(3)
    により算出されることを特徴とするフィードバックキャンセル方法。
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