JP5294559B2 - クロライドチャンネルオープナーとしてプロスタグランジンアナログを含む腸溶性組成物 - Google Patents

クロライドチャンネルオープナーとしてプロスタグランジンアナログを含む腸溶性組成物 Download PDF

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Description

本発明はその活性成分としてクロライドチャンネルオープナーを含む経口投与のための腸溶性組成物に関する。
プロスタグランジン類(以後プロスタグランジンはPGとして示す)はヒトまたは他の哺乳類の組織または器官に含有され、広範囲の生理学的活性を示す有機カルボン酸の1群である。天然に存在するPG類(天然PG類)は一般的に、式(A)に示すプロスタン酸骨格を有する。
Figure 0005294559
一方天然PG類の幾つかの合成アナログは修飾された骨格を持っている。天然PG類は5員環部分の構造特性によって、PGA類、PGB類、PGC類、PGD類、PGE類、PGF類、PGG類、PGH類、PGI類およびPGJ類に分類され、さらに炭素鎖部分の不飽和の数と位置によって以下の3タイプに分類される。
(下付1)...13,14−不飽和−15−OH
(下付2)...5,6−および13,14−ジ不飽和−15−OH
(下付3)...5,6−、13,14−および17,18−トリ不飽和−15−OH。
さらに、PGF類は9位および11位の水酸基の配置によってα(水酸基がアルファー配置である)およびβ(水酸基がベータ配置である)に分類される。
PGE、PGEおよびPGEは血管拡張、血圧降下、胃液分泌減少、腸管運動亢進、子宮収縮、利尿、気管支拡張および抗潰瘍活性をもつことが知られている。また、PGF1α、PGF2αおよびPGF3αは血圧上昇、血管収縮、腸管運動亢進性、子宮収縮、黄体退行および気管収縮特性を有することが知られている。
本発明者は、プロスタグランジン化合物が、クロライドチャンネル、特にClCチャンネル、より具体的にはClC−2チャンネルをオープンすることを既に見いだしている(米国特許出願公開第2003-0130352号、この参考文献は引用によりその内容が本出願に含まれる)。さらに、本発明者は、クロライドチャンネルオープナーが広範な薬理活性を有することも既に見いだしている (米国特許出願公開第2003-0130352号および2003-0166632号、これらの参考文献は引用によりその内容が本出願に含まれる)。
便秘の処置のためのクロライドチャンネルオープナーは、悪心などの有害事象を伴うことが報告された(Annual Meeting of the Digestive Disease Week. 372, 2003 (Abstract))。
しかしながら悪心などのクロライドチャンネルオープナーの有害事象をいかにして緩和しうるかは知られていない。
本発明の目的は、生体への薬剤効果が向上し、悪心などの副作用が低減されうるクロライドチャンネルオープナーの経口投与のための組成物を提供することである。
即ち本発明は、その活性成分としてのクロライドチャンネルオープナーおよび腸溶コーティングを含む、経口投与のための腸溶性組成物に関する。
発明の詳細な説明
本発明において用いられるクロライドチャンネルオープナーは特に限定されず、クロライドチャンネルをオープンする活性を有する限りいずれの化合物であってもよい。クロライドチャンネルをオープンする活性は、細胞の内側から外側、またはその逆の方向で、細胞膜におけるクロライドチャンネルを通過するクロライドイオンの流れの上昇を測定することによって確認することが出来る。例えば、パッチクランプ技術などの公知のアッセイ戦略を用いることにより、クロライドチャンネルをオープンする活性について化合物をスクリーニングすることが可能である。好ましいクロライドチャンネルオープナーはClCチャンネルオープナー、特に、ClC−2チャンネルオープナーである。
ClC−2 チャンネルをオープンする活性を有する化合物の例としては、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症薬(例えば、イブプロフェンおよびエブセレン)、プロテインキナーゼA、オレイン酸、エライジン酸、アラキドン酸、細胞成長因子 (例えば、トランスフォーミング成長因子-α(TGFα)およびケラチノサイト成長因子 (KGF))、ベンズイミダゾール誘導体およびプロスタグランジン化合物が挙げられる。本発明に用いられる好ましい化合物はプロスタグランジン化合物である。
本発明のPG化合物の命名に際しては、前記式(A)に示したプロスタン酸の番号を用いる。
前記式(A)はC−20の基本骨格のものであるが、本発明では炭素数がこれによって限定されるものではない。即ち、式(A)においてPG化合物の基本骨格を構成する炭素の番号はカルボン酸を1とし5員環に向かって順に2〜7までをα鎖上の炭素に、8〜12までを5員環の炭素に、13〜20までをω鎖上に付しているが、炭素数がα鎖上で減少する場合、2位から順次番号を抹消して命名する。炭素数がα鎖上で増加する場合、カルボキシル基(C−1)の代わりに2位において対応する置換基を有する置換化合物として命名する。同様に炭素数がω鎖上で減少する場合、20位から順次番号を抹消して命名する。また、炭素数がω鎖上で増加する場合、21番目以後の炭素原子は置換基として命名する。また、立体配置に関しては、特に断りのない限り、上記基本骨格(A)の有する立体配置に従うものとする。
また、例えばPGD、PGE、PGFは、9位および/または11位に水酸基を有するPG化合物をいうが、本発明では、9位および/または11位の水酸基に代えて他の基を有するものも包含する。これらの化合物を命名する場合、9−デヒドロキシ−9−置換−PG化合物あるいは11−デヒドロキシ−11−置換−PG化合物の形で命名する。なお、水酸基の代わりに水素を有するPG化合物は、単に9−あるいは11−デヒドロキシ−PG化合物と称する。
前述のように、PG化合物の命名はプロスタン酸骨格に基づいて行うが、上記化合物がプロスタグランジンと類似の部分構造を有する場合には、簡略化のため「PG」の略名を利用することがある。この場合、α鎖の骨格炭素数が2個延長されたPG化合物、すなわちα鎖の骨格炭素数が9であるPG化合物は、2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−PG化合物と命名する。同様に、α鎖の骨格炭素数が11であるPG化合物は、2−デカルボキシ−2−(4−カルボキシブチル)−PG化合物と命名する。また、ω鎖の骨格炭素数が2個延長されたPG化合物、すなわちω鎖の骨格炭素数が10であるPG化合物は、20−エチル−PG化合物と命名する。なお、命名はこれをIUPAC命名法に基づいて行うことも可能である。
アナログ(置換体を含む)または誘導体の例は、上記PG類のα鎖末端のカルボキシル基がエステル化された化合物、α鎖が延長された化合物、それらの生理学的に許容し得る塩、2−3位の炭素結合が2重結合あるいは5−6位の炭素結合が3重結合を有する化合物、3位、5位、6位、16位、17位、18位、19位および/または20位の炭素に置換基を有する化合物、9位および/または11位の水酸基の代りに低級アルキル基またはヒドロキシ(低級)アルキル基を有する化合物等である。
本発明において3位、17位、18位および/または19位の好適な置換基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基があげられ、特にメチル基、エチル基があげられる。16位の好適な置換基としては、メチル、エチル等の低級アルキル、ヒドロキシ、塩素、フッ素等のハロゲン原子、およびトリフルオロメチルフェノキシ等のアリールオキシが挙げられる。17位の好適な置換基としては、メチル、エチル等の低級アルキル、ヒドロキシ、塩素、フッ素等のハロゲン原子、およびトリフルオロメチルフェノキシ等のアリールオキシが挙げられる。20位の好適な置換基としては、C1−4アルキルのような飽和または不飽和の低級アルキル基、C1−4アルコキシのような低級アルコキシ基、C1−4アルコキシ−C1−4アルキルのような低級アルコキシアルキルを含む。5位の好適な置換基としては、塩素、フッ素などのハロゲン原子を含む。6位の好適な置換基としては、カルボニル基を形成するオキソ基を含む。9位および/または11位にヒドロキシ基、低級アルキルまたはヒドロキシ(低級)アルキル置換基を有する場合のPG類の立体配置はα,βまたはそれらの混合物であってもかまわない。
さらに、上記アナログまたは誘導体は、ω鎖が天然のPG類より短い化合物のω鎖末端にアルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、フェノキシ基、フェニル基等の置換基を有する化合物であってもよい。
本発明において用いられる好適なプロスタグランジン化合物は下記式(I)で表される:
Figure 0005294559
[式中、L、MおよびNは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソ(ここでLおよびMの少なくとも1つは水素以外の基であり、五員環は少なくとも1つの二重結合を有していてもよい);
Aは、−CH、または−CHOH、−COCHOH、−COOHまたはその官能性誘導体;
Bは、−CH−CH−、−CH=CH−または−C≡C−;
Zは、
Figure 0005294559
(ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、ただし、RおよびRが同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはない);
は、非置換またはハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基で置換された飽和または不飽和二価低〜中級脂肪族炭化水素残基であり、脂肪族炭化水素における少なくとも1つの炭素原子は任意に酸素、窒素または硫黄によって置換されていてもよい;そして、
Raは、非置換またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基で置換された飽和または不飽和の低〜中級脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基または複素環オキシ基]。
本発明において用いられるより好ましいプロスタグランジン化合物は、式(II)で表される:
Figure 0005294559
(II)
[式中、LおよびMは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソ(ただし、LおよびMの基のうちの少なくとも1つは、水素以外の基であり、5員環は少なくとも1つの二重結合を有していてもよい);
Aは、−CHまたは−CHOH、−COCHOH、−COOHまたはそれらの官能性誘導体;
Bは、−CH−CH−、−CH=CH−または−C≡C−;
Zは、
Figure 0005294559
(ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、ただし、RおよびRが同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはない)
およびXは、水素、低級アルキルまたはハロゲン;
は、非置換またはハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環で置換された、二価の飽和または不飽和の低〜中級の脂肪族炭化水素残基であり、脂肪族炭化水素における少なくとも1つの炭素原子は任意に酸素、窒素または硫黄によって置換されていてもよい;
は、単結合または低級アルキレン;そして、
は、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環または複素環オキシ]。
上記式中、RおよびRaの定義における「不飽和」の語は、主鎖および/または側鎖の炭素原子間の結合として、1つまたはそれ以上の二重結合および/または三重結合を孤立、分離または連続して含むことを意味する。通常の命名法に従って、連続する2つの位置間の不飽和結合は若い方の位置番号を表示することにより示し、連続しない2つの位置間の不飽和結合は両方の位置番号を表示して示す。
「低〜中級脂肪族炭化水素」の語は、炭素原子数1〜14の直鎖または分枝鎖(ただし、側鎖は炭素原子数1〜3のものが好ましい)を有する炭化水素基を意味し、好ましくは炭素原子数1〜10、特に1〜8の炭化水素基である。
「ハロゲン原子」の語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する。
「低級」の語は、特にことわりのない限り炭素原子数1〜6を有する基を包含するものである。
「低級アルキル」の語は、炭素原子数1〜6の直鎖または分枝状の飽和炭化水素基を意味し、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含む。
「低級アルキレン」の語は、炭素原子数1〜6の直鎖または分枝状の二価飽和炭化水素基を意味し、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン、ペンチレンおよびヘキシレンを含む。
「低級アルコキシ」の語は、低級アルキルが上述と同意義である低級アルキル−O−基を意味する。
「ヒドロキシ(低級)アルキル」の語は、少なくとも1つのヒドロキシ基で置換された上記のような低級アルキルを意味し、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチルおよび1−メチル−1−ヒドロキシエチルが挙げられる。
「低級アルカノイルオキシ」の語は、式RCO−O−(ここで、RCO−は上記のような低級アルキル基が酸化されて生じるアシル基、例えばアセチル)で示される基を意味する。
「シクロ(低級)アルキル」の語は、炭素原子3個以上を含む上記のような低級アルキル基が閉環して生ずる環状基を意味し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを含む。
「シクロ(低級)アルキルオキシ」の語は、シクロ(低級)アルキルが上述と同意義であるシクロ(低級)アルキル−O−基を意味する。
「アリール」の語は、非置換または置換の芳香族炭化水素環基を包含し、(好ましくは単環式基の)、例えばフェニル、トリル、キシリルが例示される。置換基としては、ハロゲン原子、ハロ(低級)アルキル(ここで、ハロゲン原子および低級アルキルは前記の意味)が含まれる。
「アリールオキシ」の語は、式ArO−(ここで、Arは上記のようなアリール)で示される基を意味する。
「複素環基」の語としては、置換されていてもよい炭素原子および、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1種または2種のヘテロ原子を1〜4個、好ましくは1〜3個含む、5〜14員環、好ましくは5〜10員環の、単環式〜3環式、好ましくは単環式の複素環基が含まれる。複素環基としては、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、フラザニル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジニル基、2−ピロリニル基、ピロリジニル基、2−イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、2−ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、インドリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、プリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズイミダゾリニル基、ベンゾチアゾリル基、フェノチアジニル基などが例示される。置換基としてはハロゲン、ハロゲン置換低級アルキル基(ここで、ハロゲンおよび低級アルキル基は前記の意味)が例示される。
「複素環オキシ基」の語は、式HcO−(ここでHcは上記のような複素環基)で示される基を意味する。
Aの「官能性誘導体」の語は、塩(好ましくは、医薬上許容し得る塩)、エーテル、エステルおよびアミド類を含む。
適当な「医薬上許容し得る塩」としては、慣用される非毒性塩を含み、無機塩基との塩、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩;または有機塩基との塩、例えばアミン塩(例えばメチルアミン塩、ジメチルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、ベンジルアミン塩、ピペリジン塩、エチレンジアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチルアミノ)エタン塩、モノメチル−モノエタノールアミン塩、プロカイン塩、カフェイン塩等)、塩基性アミノ酸塩(例えばアルギニン塩、リジン塩等)、テトラアルキルアンモニウム塩等が挙げられる。これらの塩類は、例えば対応する酸および塩基から常套の反応によってまたは塩交換によって製造し得る。
エーテルの例としてはアルキルエーテル、例えば、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、イソブチルエーテル、t−ブチルエーテル、ペンチルエーテル、1−シクロプロピルエチルエーテル等の低級アルキルエーテル;オクチルエーテル、ジエチルヘキシルエーテル、ラウリルエーテル、セチルエーテル等の中級または高級アルキルエーテル;オレイルエーテル、リノレニルエーテル等の不飽和エーテル;ビニルエーテル、アリルエーテル等の低級アルケニルエーテル;エチニルエーテル、プロピニルエーテル等の低級アルキニルエーテル;ヒドロキシエチルエーテル、ヒドロキシイソプロピルエーテル等のヒドロキシ(低級)アルキルエーテル;メトキシメチルエーテル、1−メトキシエチルエーテル等の低級アルコキシ(低級)アルキルエーテル;例えばフェニルエーテル、トシルエーテル、t−ブチルフェニルエーテル、サリチルエーテル、3,4−ジメトキシフェニルエーテル、ベンズアミドフェニルエーテル等の所望により置換されたアリールエーテル;およびベンジルエーテル、トリチルエーテル、ベンズヒドリルエーテル等のアリール(低級)アルキルエーテルが挙げられる。
エステルとしては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、1−シクロプロピルエチルエステル等の低級アルキルエステル;ビニルエステル、アリルエステル等の低級アルケニルエステル;エチニルエステル、プロピニルエステル等の低級アルキニルエステル;ヒドロキシエチルエステル等のヒドロキシ(低級)アルキルエステル;メトキシメチルエステル、1−メトキシエチルエステル等の低級アルコキシ(低級)アルキルエステルのような脂肪族エステル;および例えばフェニルエステル、トリルエステル、t−ブチルフェニルエステル、サリチルエステル、3,4−ジメトキシフェニルエステル、ベンズアミドフェニルエステル等の所望により置換されたアリールエステル;ベンジルエステル、トリチルエステル、ベンズヒドリルエステル等のアリール(低級)アルキルエステルが挙げられる。
Aのアミドは、式−CONR’R''(式中、R’およびR''はそれぞれ水素、低級アルキル、アリール、アルキル−またはアリール−スルホニル、低級アルケニルおよび低級アルキニル)で示される基を意味し、例えばメチルアミド、エチルアミド、ジメチルアミド、ジエチルアミド等の低級アルキルアミド;アニリド、トルイジド等のアリールアミド;メチルスルホニルアミド、エチルスルホニルアミド、トリルスルホニルアミド等のアルキル−もしくはアリール−スルホニルアミド等が挙げられる。
好ましいLおよびMの例は、ヒドロキシ、オキソを含み、特にMがヒドロキシでLがオキソであるいわゆるPGEタイプと称される5員環構造を有するものを含む。
好ましいAは、−COOH、その医薬上許容し得る塩、エステルまたはアミドである。
好ましいXおよびXの例は、フッ素であり、いわゆる16,16−ジフルオロタイプと称されるものを含む。
好ましいRは、炭素原子数1〜10であり、特に好ましくは炭素原子数6〜10の炭化水素残基である。脂肪族炭化水素における少なくとも1の炭素原子は酸素、窒素または硫黄で置換されていてもよい。
の具体例としては、例えば、次のものが挙げられる。
−CH−CH−CH−CH−CH−CH−、
−CH−CH=CH−CH−CH−CH−、
−CH−CH−CH−CH−CH=CH−、
−CH−C≡C−CH−CH−CH−、
−CH−CH−CH−CH−O−CH−、
−CH−CH=CH−CH−O−CH−、
−CH−C≡C−CH−O−CH−、
−CH−CH−CH−CH−CH−CH−CH−、
−CH−CH=CH−CH−CH−CH−CH−、
−CH−CH−CH−CH−CH−CH=CH−、
−CH−C≡C−CH−CH−CH−CH−、
−CH−CH−CH−CH−CH−CH(CH)−CH−、
−CH−CH−CH−CH−CH(CH)−CH−、
−CH−CH−CH−CH−CH−CH−CH−CH−、
−CH−CH=CH−CH−CH−CH−CH−CH−、
−CH−CH−CH−CH−CH−CH−CH=CH−、
−CH−C≡C−CH−CH−CH−CH−CH−、および、
−CH−CH−CH−CH−CH−CH−CH(CH)−CH−。
好ましいRaは、1−10炭素原子、より好ましくは1−8炭素原子を有する炭化水素である。Raは1の炭素原子を有する1または2の側鎖を有していてもよい。
上記式(I)および(II)における環、および、α−および/またはω−鎖の配置は、天然PG類の配置と同じであっても異なっていてもよい。しかしながら、本発明は、天然タイプの配置を有する化合物と非天然タイプの配置を有する化合物の混合物も包含する。
本発明において、Bが−CH−CH−、Mがヒドロキシ、Zがケト(=O)である式(II)のPG化合物は、11位のヒドロキシと15位のケト間のへミアセタール形成により、ケト−アセタール平衡を生ずる場合がある。
例えば、XおよびXの両方がハロゲン原子、特にフッ素原子の場合、式(II)の化合物は互変異性体、即ち単環式化合物に加えて二環式化合物を含むことが確認されている。このような互変異性体が存在する場合、両異性体の存在比率は他の部分の構造、置換基の種類および周囲の条件により変動し、場合によっては一方の異性体が圧倒的に存在することもあるが、本発明においてはこれら両者を含むものとする。本発明に用いられる化合物は、異性体の存在の有無にかかわりなくケト型の構造式または命名法によって化合物を表わすことがあるが、これは便宜上のものであってアセタール型の化合物を排除しようとするものではない。換言すると、15−ケト−PG化合物には、特に断りのない限り、その二環式互変異性体も含まれる。
15−ケト−PGの二環式互変異性体の典型的な例は下記式(III)で表される:
Figure 0005294559
(III)
[式中、Aは、−CH、または−CHOH、−COCHOH、−COOHまたはその官能性誘導体;
’およびX’は、水素、低級アルキルまたはハロゲン;
Yは、
Figure 0005294559
(ここでR’およびR’は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、ただし、R’およびR’が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはない);
は、非置換またはハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環で置換された、飽和または不飽和二価低〜中級脂肪族炭化水素残基であり、脂肪族炭化水素における少なくとも1つの炭素原子は任意に酸素、窒素または硫黄によって置換されていてもよい;
’は、非置換またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基で置換された飽和または不飽和の低〜中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基;そして、
’は、水素、低級アルキル、シクロ(低級)アルキル、アリールまたは複素環基]。
米国特許第6414016号(この参考文献は引用によりその内容が本出願に含まれる)は、二環式構造を有するプロスタグランジン化合物は、便秘の軽減または予防に有用であり、また、そのエンテロプーリング効果は二環式互変異性体の単環式互変異性体に対する比が上昇するにつれ促進されることを開示している。
後で試験例で記載するようにpH 2の条件下では5%を超える二環式互変異性体が対応する単環式互変異性体に変換される。このデータは、胃液などの酸性条件から腸溶コーティングによって二環式互変異性体を保護することにより、該条件下での二環式化合物の開環が有効に阻止され、二環式互変異性体の比が有効に維持されることを示唆している。本発明の一つの態様によると、式(III)の二環式化合物および腸溶コーティングを含む腸溶性組成物が提供される。組成物は該二環式化合物の単環式互変異性体をさらに含んでいてもよい。
米国特許第6414016号に示されるように、式(III)の二環式化合物を含む組成物は便秘患者における便秘の軽減または予防に有効であるだけでなく、患者の腸洗浄にも有用である。便秘の処置および/または腸の洗浄のためには、式(III)の二環式化合物の単環式互変異性体化合物に対する比は好ましくは少なくとも1:1、より好ましくは少なくとも20:1あるいはさらに大きく、実質的にすべて二環式化合物であるのが好ましい。
その内容を引用により本出願に含める米国特許第6583174号には、好ましくは炭素原子数6−24、特に炭素原子数6−20の脂肪酸のグリセリドに溶解することによって式(III)の二環式化合物が有効に安定化されることが開示されている。したがって、本発明の一つの態様において、組成物は式(III)の二環式化合物、グリセリドおよび腸溶コーティングを含んでいてよく、ここで二環式化合物は単環式互変異性化合物に対して少なくとも1:1、特に、20:1の比で存在する。該組成物はカプセルとして製剤してもよく、カプセルの外側表面を腸溶コーティングによって被覆してもよいし、腸溶性物質をカプセル基剤に配合してもよい。一方、式(III)の化合物はその単環式互変異性体を実質的に含まない固体製品としても提供され、本発明の一つの態様は式(III)の化合物および腸溶コーティングを含む組成物であって、該組成物が化合物の単環式互変異性体を実質的に含まないものも包含する。
本発明に用いられ得る化合物のなかには米国特許第5073569号、5166174号、5221763号、5212324号、5739161号および6242485号(これらの参考文献は引用によりその内容が本出願に含まれる)に開示の方法によって調製できるものもある。
本明細書において用いる「クロライドチャンネルオープナー」、「ClCチャンネルオープナー」または「ClC−2チャンネルオープナー」とは、クロライド、ClCまたはClC−2 チャンネルをオープンすることによりCl電流、Cl分泌、Cl輸送を活性化、促進または調節する化合物を含む。
本発明に用いうる腸溶コーティングは製薬において常套に用いられているいずれの腸溶コーティングであってもよい。腸溶コーティングの例としては、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、セルロースアセテートフタラート、セルロースアセテートブチラート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシナート、メタクリル酸コポリマー、例えば、メタクリラート-メタシラート(methacylate)メチルコポリマー、メタシラート(methacylate)およびメタシルラート(methacylrate)-アシレートエチルコポリマーなどが挙げられるがこれらに限定されない。腸溶コーティングは単一のものを用いてもよいし、1以上の別の腸溶コーティングと組みあわせて用いてもよい。WO2004/30658(その内容を引用により本出願に含める)に記載のもののような腸溶コーティングが好ましく用いられる。
腸溶コーティングは所望により医薬上許容される可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤の例としては、トリアセチン、クエン酸エステル、フタル酸エステル、ジブチルセバケート、セチルアルコール、ポリエチレングリコールおよびポリソルベートが挙げられるがこれらに限定されない。さらに腸溶コーティングは、添加剤、例えば、分散剤、着色剤、色素、ポリマー、付着防止剤、消泡剤などを含んでいてもよい。
本発明の腸溶性組成物の製剤方法は限定されない。常套のいずれの方法にしたがって製剤してもよい。例えば、散剤および顆粒剤は、腸溶コーティングを常套方法にしたがって被覆することによって製剤できる。さらに、カプセルは、常套のフィルム、例えばゼラチンフィルムの外側を腸溶コーティングで被覆して、腸溶性散剤または顆粒剤を常套のカプセルに充てんするか、またはカプセル基剤に腸溶性物質を配合することによって製剤することが出来る。さらに、錠剤は常套の錠剤の外側に腸溶コーティングを被覆するか、腸溶性散剤または顆粒剤を圧縮することによって製剤できる。
本発明の組成物は徐放性腸溶性製剤であってもよい。徐放性腸溶コーティングの例は、アミノメタクリラートコポリマー、アクリレートエチルメタクリラートメチルコポリマー、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマーが挙げられる。
投与量は動物の種類、年令、体重、処置されるべき症状、所望の治療効果、投与経路、処置期間等により変化する。1日1〜6分割用量で全身投与する場合、1日当たり0.001〜1000μg/kg、より好ましくは0.01〜100μg/kg、もっとも好ましくは0.1〜10μg/kgの投与量で満足な効果が得られる。
典型的な治療計画は、1日1〜3回、本発明による活性成分を約10〜約100μg含む組成物をヒト患者に投与することを必要とし、1日2回約15〜50μgが好ましい。経口投与用組成物は食事および/または水とともに投与してもそれらなしで投与してもよい。
本発明の組成物は生理学的に許容される添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤は本発明の化合物と併用される成分を含み、例えば、賦形剤、希釈剤、増量剤、溶剤、滑沢剤、補助剤、結合剤、崩壊剤、乳化剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤、保存剤、抗酸化剤、矯味剤、芳香剤、着色剤、機能性素材(例えばシクロデキストリン、生体内分解高分子など)、安定剤が挙げられる。これらは脂肪酸またはそのモノ、ジまたはトリグリセリドなどの好適な溶媒にさらに溶解すればよい。これらの添加剤は当該技術分野で周知であり、製剤学に関する一般書籍に記載されているものから適宜選択すればよい。
本発明の組成物中の上記化合物の量は組成物の形態にもよるが、通常0.00001〜10.0重量%、より好ましくは0.0001〜1.0重量%、もっとも好ましくは0.001〜0.1重量%である。
本発明において、「処置」の語は、予防、治療、症状の軽減、症状の減退、進行停止等、あらゆる管理が含まれる。
更に、本発明の組成物においては、本発明の目的に反しない限り、他の薬理活性成分を適宜含有させることもできる。
本発明は生体への薬剤効果を改善させることが出来るクロライドチャンネルオープナーの経口投与用腸溶性組成物を提供する。さらに錠剤、カプセル、散剤および顆粒剤などの腸溶性組成物は、上部消化管の刺激、例えば、悪心、嘔吐、胃酸逆流などを予防するのに有用であり、その結果クロライドチャンネルオープナー、特にプロスタグランジン化合物による刺激に起因する有害事象を軽減することが出来る。
以下、本発明を試験例によりさらに詳細に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
試験例 1
13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−PGE(化合物1)を含む腸溶性製剤と腸溶コーティングを有さない製剤との経口投与後の悪心の観察の相違を調べた。
結果は腸溶性製剤によると、腸溶コーティングを有さない製剤と比べて悪心が減少することを示唆していた。
試験例 2
以下に示す化合物1の単環式/二環式の比は条件に応じて変動させうる。固体化合物として提供すると、化合物 1は実質的にその100%が二環式構造として存在する。
Figure 0005294559
化合物1
化合物 1 (二環式構造、固体)をD2O-CD3OD(1:1)に溶解し、DClによってpH 2に調整した。pH2の溶媒中の化合物 1の単環式互変異性体/二環式互変異性体の比を1H-NMRによって決定した。結果は以下の表1に示す。
表 1. pH2の溶媒中の化合物 1の単環式互変異性体の比
Figure 0005294559
このデータは化合物 1の二環式互変異性体の二環式環がpH2溶媒中で開環し、5%を超える化合物が単環式互変異性体に変換されたことを示唆する。
試験例 3
実質的に100% 二環式互変異性体からなる化合物 2の固体調製物を用いた。
Figure 0005294559
化合物2
試験例 2の記載と同様にして、pH2の溶媒中の化合物2の単環式互変異性体/二環式互変異性体の比を1H-NMRによって決定した。結果は以下の表2に示す。
表 2.pH2の溶媒中の化合物2の単環式互変異性体の比
Figure 0005294559
このデータは化合物2の二環式互変異性体の二環式環がpH2溶媒中で開環し、5%を超える化合物が単環式互変異性体に変換されたことを示唆する。
製剤例
腸溶性カプセルを、13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−PGEが含まれているゼラチンソフトカプセルに、腸溶コーティングとしてヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラートを均一に噴霧することによって得た。

Claims (6)

  1. 活性成分として
    Figure 0005294559
    Figure 0005294559
    に示す二環式化合物、および腸溶コーティングを含む経口投与用組成物であって、該組成物中に該二環式化合物が、二環式化合物:その単環式互変異性体の比が少なくとも20:1で存在する、組成物
  2. 該二環式化合物が副作用として悪心を引き起こす請求項1記載の組成物。
  3. 該組成物が腸溶コーティングを有さない組成物と比較して悪心を誘導する効果の低下を示す請求項2に記載の組成物。
  4. 該組成物が、上部消化管の刺激を防ぐためのものである、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  5. 該組成物が、生体への薬剤効果を改善させるためのものである、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  6. 該腸溶コーティングが、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、セルロースアセテートフタラート、セルロースアセテートブチラート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシナート、およびメタクリル酸コポリマーからなる群から選択される、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
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