本発明によるPOS端末装置は、少なくとも、情報処理を行う演算素子を搭載したマザーボードと、電源ユニットと、マザーボードおよび電源ユニットを取り出し可能に収容および支持する筐体とを有している。
筐体は、フレームと、フレームに取り外し可能に装着されるカバーとによって構成されている。
特に、本POS端末装置においては、マザーボード、電源ユニットおよびカバーはそれぞれ、フレームに工具無しで取り外し可能に固定される。尚、本発明において、フレームに固定されるとは、フレームに直接固定されるだけではなく、フレームに他部材を介して間接的に固定される場合をも含むものとする。
即ち、本発明においては、複数の内蔵デバイスのうち、一般に広面積の板面を有し、他の内蔵デバイスとオーバーラップした配置であることが多いマザーボードを含む全ての内蔵デバイスと、内蔵デバイスを覆うカバーとの全てが、フレームに工具無しでフレームに取り外し可能に固定される。
上記構成により、本発明は、内蔵ユニットの筐体からの着脱作業性に優れ、組立、保守点検、および修理が容易である。
以下、図面を参照して、本発明のより具体的な実施例を詳細に説明する。
本発明の実施例によるPOS端末装置は、情報処理装置の一種であり、例えば、ファストフード店の接客カウンタ上に設置される。
図1(a)および(b)を参照すると、本POS端末装置は、装置本体10と、装置本体10に取り付けられたタッチパネル式のディスプレイ部20とを有している。
図中、矢印F側が装置本体10もしくは後述する筐体の前面である。この前面は、接客カウンタの内側に向けられ、店員が面することになる。一方、矢印R側が装置本体10もしくは筐体の背面である。この背面は、接客カウンタの外側に向けられ、顧客が面することになる。したがって、ディスプレイ部20は、店員が視認およびタッチ操作するものである。
本POS端末装置は、CPUやRAM等のデバイスを搭載したマザーボード171(図11(c)等)、電源ユニット13(図6(c)等)、周辺機器用インターフェースとしてのI/Oボード141(図19等)、各種のデータを格納するストレージデバイス151、161(図27(a)、図28(a)等)等の内蔵デバイスと、これら内蔵デバイスを取り外し可能に収容および支持する筐体とを有している。
特に、本POS端末装置においては、マザーボード171、電源ユニット13、I/Oボード141、ストレージデバイス151、161、ならびに、カバーはそれぞれ、フレームに対して直接または間接的に、工具無しで取り外し可能に固定される。
即ち、本発明においては、複数の内蔵デバイスのうち、一般に広面積の板面を有し、他の内蔵デバイスとオーバーラップした配置であることが多いマザーボード171を含む全ての内蔵デバイスと、これら内蔵デバイスを覆うカバーとの全てが、ドライバ等の工具無しで、即ち、手作業にて、フレームに直接または間接的に取り外し可能に固定される。
さて、実施例1では、カバーが工具無しでフレームに対して直接または間接的に取り外し可能に固定されることを説明する。また、実施例2以降では、各内蔵デバイスが工具無しでフレームに対して直接または間接的に取り外し可能に固定されることを説明することとする。
本POS端末装置の筐体は、上記内蔵デバイスが固定される主に金属から成るフレームと、フレームに取り外し可能に装着される主に樹脂材料から成る複数のカバーと、図1(a)および(b)において装置本体10の下方に図示された、フレームに取り付けられる台座部とによって構成されている。
フレームは、筐体の下方に位置し、枠状を呈するベースシャーシ11B(図2(a)等)と、ベースシャーシ11Bの左右に固定されたサイドブラケット11S(図24(a)等)および11S2(図23(a)および(b)等)と、メインボードブラケット11M(図11(b)等)および中間ブラケット11I(図24(b)等)と、メインボードブラケット11M、中間ブラケット11Iおよび両サイドブラケットの少なくともいずれかを介して間接的にベースシャーシ11Bに固定された電源ユニットブラケット11T(図10(a)〜(c)等)およびストレージブラケット11H(図26(b)等)とによって構成されている。
これらシャーシならびブラケットは、例えば、亜鉛メッキ鋼板等の金属板をプレス加工して製造されており、導電性を有している。
一方、カバーは、トップカバー12T(図1(a)および(b)等)と、フロントカバー12F(図2(c)等)と、リアカバー12R(図14(a)等)と、2つのサイドカバー12S(図16(b)等)とによって構成されている。
これらカバーは、軽量化等を目的として、基本的に、ABS等の樹脂材料から射出成形して製造されている。また、各カバーには、必要に応じて、係合箇所等の強度向上、静電気防止、不要輻射電波の出入りの防止およびリサイクル性の向上等を目的として、金属製の部品が取り付けられるか、インサート成形されている。例えば、亜鉛メッキ鋼板等の金属板をプレス加工して製造されており、導電性を有している。さらに、必要に応じて、これらカバーのいずれかには、筐体内に通気性をもたらす通気孔が形成されている。
以下、各カバーについて、詳しく説明する。
[トップカバー]
図1(a)および(b)に示されたドーム形のトップカバー12Tは、サイドブラケット11Sおよび12S2を介してベースシャーシ11Bに間接的に固定されている。
また、トップカバー12Tの筐体前面側には、ディスプレイ部20がヒンジ機構を介して取り付けられている。
さらに、図5(c)において破線で示されるように、トップカバー12Tの筐体前面側の下端部の内側には、下向きに開口した凹部(スリット部)122TFが形成されている。同様に、図11(a)において破線で示されるように、トップカバー12Tの筐体背面側の下端部の内側にも、下向きに開口した凹部(スリット部)122TRが形成されている。
尚、通常、トップカバー12Tを取り外して内蔵デバイスの出し入れをすることはないため、トップカバー12Tは、筐体の強度を向上させるべく、サイドブラケット11Sおよび12S2にネジを用いて固定されている。
また、トップカバー12Tは、樹脂材から成るが、サイドブラケット11Sおよび12S2への取付部、ディスプレイ部20のヒンジ機構の取付部、フロントカバー12Fの後述する金属製の爪と係合する凹部122TFならびにリアカバー12Rの後述する金属製の爪と係合する凹部122TRには、ある程度の強度が必要であるため、トップカバー12Tの内部におけるこれらの箇所には金属製の部材が設けられ、それぞれ補強がなされている。
[フロントカバー]
図1〜図5を参照して、フロントカバー12Fの構造と、フロントカバー12Fがフレームのベースシャーシ11Bに対して直接または間接的に工具無しで取り外し可能に固定されることとを、説明する。
図2(c)を参照すると、フロントカバー12Fは、樹脂材から成り、略角板状を呈している。フロントカバー12Fの板面には、通気スリットが形成されている。また、内側面には、複数の角孔が開けられた金属板が嵌め込まれている。この金属板には、板金加工により、後述する3個の爪122Fならびに2個のフック状の爪123Fが形成されている。
図1(a)を参照すると、図示されたフロントカバー12Fの右下には、四角い蓋が取り付けられている。この蓋を開くか取り外すと、主電源ボタンおよびリセットボタンの他に、USB規格等の保守用の通信ポートが設けられている。したがって、保守用の機器を本POS端末装置の前面に接続して保守を行うことができる。よって、保守用機器を本POS端末装置の裏面や側面に接続できない場合に極めて有効である。
前述したように、ベースシャーシ11Bに間接的に固定されているトップカバー12Tの筐体前面側には、凹部(スリット部)122TFが形成されている。
また、図2(a)および(b)に示されるように、ベースシャーシ11Bの筐体前面には、2個の凹部(孔部)113Fが形成され、操作に応じて引張バネによって復帰可能にスライドする可動部材(スライド部材)114Fを備えている。
一方、フロントカバー12Fは、トップカバー12Tの凹部122TFに対応した3個の爪122Fと、可動部材114Fの凹部113Fに対応した、2個のフック状の爪123Fと備えている。
また、ベースシャーシ11Bの可動部材114Fは、操作ツマミ115Fを備えている。操作ツマミ115Fは、フロントカバー12Fがベースシャーシ11Bに装着された時に筐体の下方に露出している。つまり、一見上分かり難い位置に露出している。これは、本POS端末装置の保守点検を行うサービスエンジニア以外の者が不用意にフロントカバー12Fを開くことを防止するためである。
さて、装置本体10にフロントカバー12Fを装着するとき、ユーザは、トップカバー12Tの凹部122TFに、斜め下方からフロントカバー12F上端に形成された爪122Fを挿入した後、フロントカバー12Fの上端を中心にしてフロントカバー下端を筐体に押し付ける向きに回動させる。このとき、フロントカバー12Fの下端から内側に向かって突出した2個の爪123Fが、ベースシャーシ11Bの可動部材114Fに形成された2個の凹部113Fに押し付けられる。これにより、可動部材114Fが引張バネの復帰力に抗う方向にスライドし、2個の凹部113Fが押し拡げられる。さらにフロントカバー12Fが押し付けられると、爪123Fのフック面が凹部113Fを貫通し、可動部材114Fが引張バネによって復帰方向にスライドし、2個の凹部113Fが狭くなる。この結果、図4(b)に示されるように爪123Fがラッチされ、フロントカバー12Fは、筐体に固定される。
ここで、フロントカバー12Fの内側に取り付けられている金属板の適宜の箇所に板金加工によって弾性を有する舌片を形成しておくことにより、フロントカバー12Fが筐体に固定されているときに、金属板とベースシャーシ11B等とを電気的に導通させることにより、静電気防止や不要輻射電波の出入りの防止を実現できる。
装置本体10からフロントカバー12Fを取り外す場合、ユーザは、筐体下方に露出している操作ツマミ115Fをスライドさせることにより、図4(a)に示されるように爪123Fのラッチを解除する。これに引き続いて、ユーザは、フロントカバー12Fの上端を中心にしてフロントカバー下端を筐体から少しだけ引っ張る向きに回動させる。この操作により、爪123Fが凹部113Fから完全に抜き取られる。この後は、操作ツマミ115Fから手を離し、トップカバー12Tの凹部122TFから、斜め下方にフロントカバー12F上端に形成された爪122Fを抜去する。これにより、フロントカバー12Fが筐体から取り外される。
フロントカバー12Fを筐体から取り外すことにより、筐体前面の内蔵デバイスのための導入口が現れる。筐体前面の内蔵デバイスの導入口を用いて、電源ユニット13を取り外し可能に搭載することができる。電源ユニット13については、実施例2で説明する。
尚、ディスプレイ部20は、通常時、フロントカバー12Fの手前に位置している。しかし、その奥に位置するフロントカバー12Fを取り外して筐体内の作業を行う時に、ディスプレイ部20は、ヒンジ機構によってそのカバーの手前から退避するように構成されている。
[リアカバー]
リアカバー12Rは、フレームのベースシャーシ11Bに対して直接または間接的に工具無しで取り外し可能に固定される。このための構成は、フロントカバー12Fとほぼ同様である。このため、一部、図示と詳細な説明を省略する。
図1(b)ならびに図14(a)および(b)等に示されたリアカバー12Rは、樹脂材から成り、略角板状を呈している。リアカバー12Rの板面下方には、通気スリットが形成されている。また、内側面には、複数の角孔が開けられた金属板が嵌め込まれている。この金属板には、板金加工により、後述する爪ならびにフック状の爪が形成されている。
前述したように、ベースシャーシ11Bに間接的に固定されているトップカバー12Tの筐体背面側には、凹部(スリット部)122TRが形成されている。
また、ベースシャーシ11Bの筐体背面には、凹部(孔部)が形成され、操作に応じて引張バネによって復帰可能にスライドする可動部材(スライド部材)を備えている。
一方、リアカバー12Rは、トップカバー12Tの凹部122TRに対応した爪と、可動部材の凹部に対応した、フック状の爪と備えている。
また、ベースシャーシ11Bの可動部材は、図14(b)に示されるように、操作ツマミ115Rを備えている。操作ツマミ115Rは、リアカバー12Rがベースシャーシ11Bに装着された時に筐体の下方に露出している。つまり、一見上分かり難い位置に露出している。これは、本POS端末装置の保守点検を行うサービスエンジニア以外の者、特に、ファストフード店の顧客が不用意にリアカバー12Rを開くことを防止するためである。
さて、装置本体10にリアカバー12Rを装着するとき、ユーザは、トップカバー12Tの凹部122TRに、斜め下方からリアカバー12R上端に形成された爪を挿入した後、リアカバー12Rの上端を中心にしてリアカバー下端を筐体に押し付ける向きに回動させる。このとき、リアカバー12Rの下端から内側に向かって突出した爪が、ベースシャーシ11Bの可動部材に形成された凹部に押し付けられる。これにより、可動部材が引張バネの復帰力に抗う方向にスライドし、凹部が押し拡げられる。さらにリアカバー12Rが押し付けられると、爪のフック面が凹部を貫通し、可動部材が引張バネによって復帰方向にスライドし、凹部が狭くなる。この結果、爪がラッチされ、リアカバー12Rは、筐体に固定される。
ここで、リアカバー12Rの内側に取り付けられている金属板の適宜の箇所に板金加工によって弾性を有する舌片を形成しておくことにより、リアカバー12Rが筐体に固定されているときに、金属板とベースシャーシ11B等とを電気的に導通させることにより、静電気防止や不要輻射電波の出入りの防止を実現できる。
装置本体10からリアカバー12Rを取り外す場合、ユーザは、筐体下方に露出している操作ツマミ115Rをスライドさせることにより、爪のラッチを解除する。これに引き続いて、ユーザは、リアカバー12Rの上端を中心にしてリアカバー下端を筐体から少しだけ引っ張る向きに回動させる。この操作により、爪が凹部から完全に抜き取られる。この後は、操作ツマミ115Rから手を離し、トップカバー12Tの凹部122TRから、斜め下方にリアカバー12R上端に形成された爪を抜去する。これにより、リアカバー12Rが筐体から取り外される。
リアカバー12Rを筐体から取り外すことにより、筐体背面の内蔵デバイスのための導入口が現れる。筐体背面の内蔵デバイスの導入口を用いて、マザーボード171を取り外し可能に搭載することができる。マザーボード171については、実施例3で説明する。
尚、図30(a)および(b)を参照すると、図示された例は、装置本体10’の前面側のディスプレイ部20Fと、背面側のディスプレイ20Rとを備えたツインディスプレイタイプである。このため、通常時、ディスプレイ部20Fがフロントカバー12Fの手前に位置していることに加え、ディスプレイ部20Rがリアカバー12Rの手前に位置している。図31(a)および(b)に示されるように、ディスプレイ部20Fの奥に位置するフロントカバー12Fを取り外して筐体内の作業を行う時に、ディスプレイ部20Fがヒンジ機構によってそのカバーの手前から退避するように構成され、かつ、することにより、ディスプレイ部20Rの奥に位置するリアカバー12Rを取り外して筐体内の作業を行う時に、ディスプレイ部20Rがヒンジ機構によってそのカバーの手前から退避するように構成されている。
[サイドカバー]
図16〜図18を参照して、サイドカバー12Sの構造と、サイドカバー12Sがフレームのベースシャーシ11Bに対して直接または間接的に工具無しで取り外し可能に固定されることとを、説明する。
図16(b)に示されるように、サイドカバー12Sは、樹脂材から成り、略台形板状を呈している。サイドカバー12Sの板面には、通気スリットが形成されている。
図16(a)に示されるように、ベースシャーシ11Bに間接的に固定されているサイドブラケット11Sには、9個の凹部(孔部)112Sが形成されている(6個のみ図示)。
また、図17(a)および(b)ならびに図18(a)および(b)に示されるように、ベースシャーシ11Bの筐体側面には、2個のスタッド113Sが形成され、操作に応じて引張バネによって復帰可能にスライドする可動部材(スライド部材)114Sを備えている。
一方、図16(b)に示されるように、サイドカバー12Sは、サイドブラケット11Sの凹部112Sに対応した9個の上向きの爪122Sと、可動部材114Sのスタッド113Sに対応した、凹部が形成された2個のフック123Sと備えている。
また、ベースシャーシ11Bの可動部材114Sは、操作ツマミ115Sを備えている。操作ツマミ115Sは、サイドカバー12Sがベースシャーシ11Bに装着された時に筐体の下方に露出している。つまり、一見上分かり難い位置に露出している。これは、本POS端末装置の保守点検を行うサービスエンジニア以外の者が不用意にサイドカバー12Sを開くことを防止するためである。
さて、装置本体10にサイドカバー12Sを装着するとき、ユーザは、サイドブラケット11Sの9個の凹部112Sに、外側からサイドカバー12Sに形成された9個の上向きの爪122Sを挿入してサイドカバー12Sをサイドブラケット11Sに密着させた後、サイドカバー12Sを上方に向けてスライドさせる。このとき、サイドカバー12Sの下端に形成されたフック123Sの楔形状の斜面が、ベースシャーシ11Bの可動部材114Sに形成された2個のスタッド113Sに押し付けられる。これにより、可動部材114Sが引張バネの復帰力に抗う方向にスライドし、2個のスタッド113Sがサイドカバー12Sのフック123Sの斜面に沿って移動する。さらにサイドカバー12Sが上方にスライドされると、スタッド113Sがフック123Sの斜面から外れ、可動部材114Sが引張バネによって復帰方向にスライドし、2個のスタッド113Sが初期位置に復帰する。この結果、図18(b)等から分かるようにスタッド113Sがフック123Sによってラッチされ、サイドカバー12Sは、筐体に固定される。
ここで、サイドカバー12Sの内側に金属板を設け、さらにその金属板の適宜の箇所に板金加工によって弾性を有する舌片を形成しておくことにより、サイドカバー12Sが筐体に固定されているときに、金属板とベースシャーシ11B等とを電気的に導通させることにより、静電気防止や不要輻射電波の出入りの防止するようにしてもよい。
一方、装置本体10からサイドカバー12Sを取り外す場合、ユーザは、筐体下方に露出している操作ツマミ115Sをスライドさせることにより、スタッド113Sをフック123Sによるラッチから解放する。これに引き続いて、ユーザは、サイドカバー12Sを下方にスライドさせる。この操作により、スタッド113Sがフック123Sから完全に離脱する。この後は、操作ツマミ115Sから手を離し、サイドブラケット11Sの凹部112Sから、サイドカバー12Sに形成された爪122Sを外側に抜去する。これにより、サイドカバー12Sが筐体から取り外される。
サイドカバー12Sを筐体から取り外すことにより、筐体側面の内蔵デバイスのための導入口が現れる。筐体側面の内蔵デバイスの導入口を用いて、I/Oボード141、ハードディスクドライブ151、161を取り外し可能に搭載することができる。I/Oボード141については実施例4で、ハードディスクドライブ151、161については実施例5で説明する。
尚、以上、筐体正面に向かって右側のサイドカバー12Sについて説明して来たが、本実施例の左側のサイドカバー12S2(図1(b)、図30(b)、図31(b))は、フレームにネジ止めされており、フレームから工具無しで取り外し可能には固定されていない。このため、図示と詳細な説明を省略する。
実施例2は、実施例1の構成を備え、さらに、以下の構成を備えている。
電源ユニット13は、前述したごとくディスプレイ部20を退避させると共にフロントカバー12Fを取り外すことにより現れる装置本体10(筐体)の前面の導入口を通して、フレームのベースシャーシ11Bに対して直接または間接的に、工具無しで取り外し可能に固定される。以下、この構成を主に図5〜図10を参照して説明する。
図6(c)を参照すると、電源ユニット13は、予め矩形の板金ケースに収められたユニット状を呈しており、長手方向の一端部からマザーボード171等への電源供給ケーブルが導出されている(図示せず)一方、他端部には商用電源からのプラグコードが挿入されるコネクタを有している。また、図示の例では、商用電源コネクタが設けられているのと同じ端面に、冷却ファンの通気口も形成されている。尚、電源ユニット13として、ATX規格、SFX規格等に準拠した電源ユニットが用いられる場合もある。
他方、図10(a)〜(c)に示された電源ブラケット11Tが、ベースシャーシ11Bに直接的かつ間接的にネジ等を用いて固定されている。
図10(a)〜(c)を参照すると、電源ブラケット11Tは、電源ユニット13を収容すべく、亜鉛メッキ鋼板等を板金加工して形成され、半容器状を呈している。電源ブラケット11Tは、図10(a)〜(c)における右側に形成され、電源ユニット13の一端部(図6(c)における右側端部)を抜去可能にホールドする爪113Tと、同図における左側に設けられ、電源ユニット13の側面を解放可能にホールドする蝶番式の電源ホルダ115Tとを有している。
電源ブラケット11Tはさらに、半容器の底面に板金加工によって形成された複数のバネ片と、底面の両端部に形成された対のリブ114Tとを有している。バネ片は、爪113および電源ホルダ115Tと協働して電源ユニット13を、図5(c)に示されるように電源ブラケット11T内に固定する。また、対のリブ114Tは、電源ブラケット11Tに収容された電源ユニット13の長手方向の位置を規制するものである。対のリブ114Tにより、図5(c)に示されるように電源ブラケット11Tに収容された状態の電源ユニット13から商用電源プラグコードを挿抜するときであっても、電源ユニット13は長手方向に位置ズレすることがない。尚、図5(c)には示されていないが、電源ユニット13に挿入された商用電源プラグコードは、ベースシャーシ11Bに形成された孔を経て装置本体10の底面から導出される。装置本体10から導出された電源プラグコードは、本POS端末装置を設置する店舗のカウンタ等に予め形成された配線用孔部を経て下方に導出されるか、あるいは、本POS端末装置の台座部の複数のゴム足間から横向きに導出される。
図10(a)〜(c)に示されるように、蝶番式の電源ホルダ115Tは、同図における下側の基端がピンとネジを用いた中心軸を中心として回動するように構成されている。一方、電源ホルダ115Tの自由端には、電源ブラケット11Tに形成された孔部117Tに対して解除可能に係合する解除ツマミ116Tが取り付けられている。図8に示されるように、解除ツマミ116Tは、電源ホルダ115Tの自由端側の板面にカシメ固定される筒部と、圧縮コイルバネを嵌めてから筒部に挿通される棒部と、棒部の上端に取り付けられるツマミ部とにより構成されている。図7(a)および(b)をも併せ参照すると、ユーザが解除ツマミ116Tのツマミ部を圧縮コイルバネの力に抗って持ち上げると、棒部の下端が格納され、電源ブラケット11Tの孔部117Tに対する係合が解除される。一方、ユーザが解除ツマミ116Tから手を離すと、圧縮コイルバネの伸張力により、棒部の下端が突出して電源ブラケット11Tの孔部117Tに係合する。
さて、装置本体10に電源ユニット13を内蔵させるとき、予め、ユーザは、図5(a)に示されるごとくディスプレイ部20を退避させると共に、図5(c)に示されるごとくフロントカバー12Fを取り外しておく。この後、ユーザは、電源ユニット13を装置本体10の前面の導入口から導入する。電源ブラケット11Tの容器底面と爪113との間に、左手前から電源ユニット13の一端部を挿入した後、電源ユニットの一端部を中心にして電源ユニット13の他端部を電源ブラケット11Tの容器底面に押し付ける向きに回動させる。このとき、電源ユニット13の長手方向の両端は、電源ブラケット11Tの対のリブ114T間に収められ、電源ユニット13は、電源ブラケット11Tに仮収容される。引き続いてユーザは、蝶番式の電源ホルダ115Tを閉じる。このとき、電源ホルダ115Tの内側面によって電源ユニット13が電源ブラケット11Tの容器底面に向けて押し付けられると共に、電源ホルダ115Tの自由端に取り付けられた解除ツマミ116Tの棒部先端が、電源ブラケット11Tの孔部117Tの手前に形成された斜面を摺動する。このとき、解除ツマミ116Tの棒部先端は、電源ブラケット11Tの斜面によって格納方向に押し付けられることになる。さらに電源ホルダ115Tが閉じられると、解除ツマミ116Tの棒部先端が電源ブラケット11Tの孔部117Tに挿入され、図5(c)および(e)ならびに図7(a)に示されるように電源ホルダ115Tが電源ブラケット11Tに係合し、電源ユニット13は、電源ブラケット11T内に固定される。尚、電源ブラケット11Tは前述したように直接的かつ間接的にベースシャーシ11Bに固定されているため、電源ユニット13は、筐体内に固定されることになる。この後、ユーザは、電源ユニット13から導出されている電源供給ケーブルを必要な箇所に接続する。一方、商用電源プラグコードは、電源ユニット13が筐体内に固定される前後どちらの時点で電源ユニット13に挿入されてもよい。この後、ユーザは、フロントカバー12Fを筐体に取り付けると共に、ディスプレイ部20を通常の向きに下降させる。
一方、装置本体10から電源ユニット13を取り出す場合、予め、ユーザは、図5(a)に示されるごとくディスプレイ部20を退避させると共に、図5(c)に示されるごとくフロントカバー12Fを取り外しておく。さらに、ユーザは、電源ユニット13から導出されている筐体内で必要な箇所に接続されている電源供給ケーブルを抜去する。一方、商用電源プラグコードは、電源ユニット13を筐体から取り出す前後どちらの時点で電源ユニット13から抜去されてもよい。この後、ユーザは、電源ブラケット11Tの孔部117Tに係合している解除ツマミ116Tを引っ張り上げることにより、図7(b)に示されるように係合を解除し、図6(a)に示されるように電源ホルダ115Tを全開にする。このとき、電源ユニット13は、電源ブラケット11Tに半収容されているため、落下することはない。これに引き続いて、ユーザは、図6(b)に示されるように、電源ユニット13の一端部を中心にして他端部を電源ブラケットから取り出す向きに少しだけ回動させる。この操作により、電源ユニット13の一端部が爪113Tから完全に抜き取られる。この後、ユーザは、電源ユニット13を装置本体10の前面の導入口から導出する。
尚、図16(a)に示されるように、電源ユニット13は、実施例3で詳述するマザーボード171と、装置本体10(筐体)の前後方向に並んで筐体に収容および支持される。さらに、電源ユニット13は、筐体の前面側から取り出し可能に収容される。一方、マザーボード171は、筐体の背面側から取り出し可能に収容される。これにより、電源ユニット13は、マザーボード171と個別に取り出し可能に筐体に収容される。
実施例3は、実施例1,2の構成を備え、さらに、以下の構成を備えている。
マザーボード171は、前述したごとくリアカバー12Rを取り外すことにより現れる装置本体10(筐体)の背面の導入口を通して、フレームのベースシャーシ11Bに対して直接または間接的に、工具無しで取り外し可能に固定される。以下、この構成を主に図11〜図15を参照して説明する。
図11(c)を参照すると、マザーボード171は、CPU、DRAM、RTC(Real Time Clock)用バッテリ、電源受容コネクタ、ストレージデバイス用コネクタ、標準コネクタ等が搭載されている。CPU上には、冷却ファンが取り付けられている。電源受容コネクタは、マザーボード171の同図における左端に搭載されており、電源ユニット13からの電源供給ケーブルコネクタ(図示せず)が基板面に垂直な方向に挿抜される。標準コネクタは、マザーボード171の同図における下端に複数個搭載されており、マザーボード171が装置本体10(筐体)に収容および支持された際に本POS端末装置の底面から露出すると共に、周辺機器等からのケーブルコネクタ(図示せず)が基板面に平行な方向に挿抜される。尚、図11(c)と、図11(a)等の他図においては、マザーボード171上の搭載物が一部異なっている。これは、ユーザや仕向け地に応じて仕様が異なるためである。例えば、図11(a)等においては、CPU上にヒ−トシンクが取り付けられ、また、標準コネクタの種類や数量が異なると共に周辺コネクタを覆う金属ブラケットが取り付けられている。尚、説明の便宜上、両マザーボードには、同じ符号171を付している。
マザーボード171はさらに、図11(c)の右端部に形成され、電気信号の入出力パターンが形成されたマザーボードタブ部173と、基板裏面から突出するように取り付けられた6個のフランジ付きのスペーサ174と、基板面に取り付けられたハンドル176とを有している。尚、本例において、当該電気信号は周辺機器用インターフェース信号であり、その入出力パターンは実施例4において説明される拡張用コネクタに電気的に接続される。ハンドル176は、後述するようにマザーボードタブ部173をこれを受容するコネクタに対して挿抜しつつマザーボード171全体をスライド操作する際に用いられる。したがって、マザーボードタブ部173や受容コネクタに不要なモーメントがかからないように、単一のハンドルであればマザーボードタブ部173の近傍に設けられることが好ましく、複数のハンドルであればマザーボードタブ部173を中心として対照的な位置に設けることが好ましい。図示の例では、ハンドル176は単一であり、マザーボードタブ部173から比較的離れた位置に設けられ、不要なモーメントが生ずる虞がある。しかし、ハンドル176と標準コネクタとがマザーボードタブ部173を中心として対照的に配置され、かつ、標準コネクタはソリッドな部品であり、比較的強固にハンダ付けされているため、第2のハンドルの代わりとして用いられる。
スペーサ174は、ポリプロピレン等の弾性を有する樹脂材から成るファスニング部材の一種である。スペーサ174は、図12(a)および(b)に示されるように、楔部と、二重フランジ部と、楔部と二重フランジ部との間の中間部とを備えている。図12(b)に示されるように、スペーサ174を用いることにより、マザーボード171を後に詳述するマザーボードブラケット11Mに対して間隔を置いて搭載し、不要な電気短絡を回避することができる。マザーボード171には孔部が形成されており、楔部は、マザーボード171の裏面から圧入され、圧入後は楔のエラがマザーボード171のおもて面に引っ掛かるため、不用意に抜けることはない。除去する必要がある際には、治具か工具を用いるか手作業にて、楔の拡がりを押さえ付けつつ、マザーボード171のおもて面から押し付け、裏面から抜去する。図11(c)に示されたマザーボード171と6個のスペーサとの組み合わせは、これらが一体に装置本体内に取り外し可能に収容されるため、マザーボードユニット17として取り扱うことができる。
一方、図11(b)に示されたマザーボードブラケット11Mが、ベースシャーシ11Bに直接的、かつ、ベースシャーシ11Bに固定されたサイドブラケット11Sや中間ブラケット11Iを介して間接的にネジ等を用いて固定されている。
図11(b)を参照すると、マザーボードブラケット11Mは、亜鉛メッキ鋼板等を板金加工して形成され、略平板状を呈している。マザーボードブラケット11Mは、マザーボードユニット17のスペーサ174に対応して形成され、スペーサ174を抜去可能にホールドする漏斗形状を呈する6個の孔部114Mと、この結果、マザーボード171の裏面に形成されたグランドパターンまたはグランドランドに対応した位置に板金加工によってブラケット本体と一体に形成された弾性を有する舌片と、マザーボード171の他端部175(図11(c))を解放可能にホールドする蝶番式のマザーボードホルダ115Mとを有している。
マザーボード171にスペーサ174が取り付けられて成るマザーボードユニット17は、スペーサ174の二重フランジ部がマザーボードブラケット11Mの孔部114Mの丸孔部分に挿入された後、漏斗形状の狭小部分が終わる位置までスライドされる。この終端位置までスライドされたマザーボード171は、当該スライド方向を逆行する向きへの動きを除き、固定される。尚、このように動きが固定されない方向について動きは、スペーサ174の二重フランジ部がマザーボードブラケット11Mの板厚を咥えるため、ある程度は抑制される。さらに確実にスライドを抑制する固定手段については、後述する。
図11(c)に示されたマザーボードタブ部173は、図13に示された中継基板18に搭載された基板コネクタ181に抜去可能に挿入される。
他方、図13に示された中継基板18は、図23(a)に示されるように、ベースシャーシ11Bに固定されたサイドブラケット11S2や中間ブラケット11Iを介してベースシャーシ11Bに間接的に固定されている。図13に示されるように、中継基板18には、フランジ付きの2個のスペーサ184が取り付けられている。スペーサ184は、マザーボード171に用いられるスペーサ174と全く同じものであり、中継基板18への取り付け方もマザーボード171への取り付け方と同じである。中継基板18にスペーサ184が取り付けられて成る基板ユニットは、図23(a)から分かるように、スペーサ184の二重フランジ部がサイドブラケット11S2に形成されている斜め向きの溝部に沿ってスライドされ、中継基板18のスライド方向の先端部(斜めにスライドするため、二端部)が中間ブラケット11Iとサイドブラケット11S2の切り起こしまたはベースシャーシ11Bの上面とに当接する。この終端位置までスライドされた基板ユニットは、当該スライド方向を逆行する向きへの動きを除き、固定される。尚、この基板ユニットは、サイドブラケット11S2等に基本的にネジ止めはされない。しかし、スペーサ184の二重フランジ部がサイドブラケット11S2の板厚を咥えるためある程度動きが抑制されることに加え、POS端末装置の組立時、運搬時、使用時および保守点検時のいずれにおいても基板ユニットに対して動きが固定されない方向に力が加わることはないため、基板ユニットが位置ズレしたり、脱落することはない。
図11(b)に示された蝶番式のマザーボードホルダ115Mは、同図における左側の基端がマザーボードブラケット11Mの板面に平行な中心軸を中心として回動するように構成されている。一方、マザーボードホルダ115Mの自由端には、その端部にバネ片が形成されていると共に、マザーボードブラケット11Mの板面に形成されたネジ孔部117M(図15(a))に対して螺出可能に螺入される手回しネジ116Mがマザーボードホルダ115Mから脱落しないように組み込まれている。このようなネジはSEMS(商標または登録商標)ネジとも呼ばれる。図15(a)および図14(d)をも併せ参照すると、マザーボードホルダ115Mを閉じて手回しネジ116Mをネジ孔部117Mに螺入することにより、マザーボード171の他端部175は、図中左側方向の動きが規制される。
さて、装置本体10にマザーボードユニット17(マザーボード171)を内蔵させるとき、予め、ユーザは、図14(a)〜(c)に示されるごとくリアカバー12Rを取り外しておく。一方、ユーザは、マザーボード171に6個のスペーサ174を予め装着し、マザーボードユニット17として構成しておく。さらに、ユーザは、筐体内にあるマザーボードブラケット11Mの手回しネジを緩めてマザーボードホルダ115Mを開いておく。この後、ユーザは、マザーボードユニット17を装置本体10の背面の導入口から導入し、スペーサ174の二重フランジ部をマザーボードブラケット11Mの孔部114Mの丸孔部分に挿入した後、ハンドル176と標準コネクタとを持って漏斗形状の狭小部分が終わる位置まで、装置本体10(筐体)の右側に向けてスライドする。このとき、マザーボードブラケット11Mの右側に鉛直に位置している中継基板18の基板コネクタ181にマザーボードタブ部173が挿入され、マザーボード171と、中継基板18を介した他の内蔵デバイスとの電気的接続がなされる。この状態のマザーボードユニット17は、左向きへの動き、即ち、マザーボードタブ部173が基板コネクタ181から抜去される向きの動きを除き、基板コネクタ181とマザーボードブラケット11Mによって支持された、仮固定状態である。引き続いてユーザは、蝶番式のマザーボードホルダ115Mを閉じ、手回しネジ116Mをネジ孔部117Mに螺入することにより、マザーボード171の他端部175は、図中左側方向の動きが規制される。即ち、マザーボードユニット17は、図14(c)および(d)に示されるようにマザーボードブラケット11M上に固定される。尚、マザーボードブラケット11Mは前述したように直接的かつ間接的にベースシャーシ11Bに固定されているため、マザーボードユニット17は、筐体内に固定されることになる。ユーザは、電源ユニット13から導出されている電源供給ケーブルをマザーボード171の電源受容コネクタに接続する。この後、ユーザは、リアカバー12Rを筐体に取り付ける。
一方、装置本体10からマザーボードユニット17を取り出す場合、予め、ユーザは、図14(a)〜(c)に示されるごとくリアカバー12Rを取り外しておく。まず、ユーザは、マザーボードユニット17の電源受容コネクタに挿入されている電源供給ケーブルコネクタを抜去する。この後、ユーザは、筐体内にあるマザーボードブラケット11Mの手回しネジを緩め、図15(a)に示されるようにマザーボードホルダ115Mを開く。このとき、マザーボードユニット17は、マザーボードブラケット11Mと中継基板18に搭載された基板コネクタ181とによって固定されているため、落下することはない。これに引き続いてユーザは、図15(b)に示されるごとく、中継基板18の基板コネクタ181からマザーボードタブ部173を抜去するように、ハンドル176と標準コネクタとを持ってマザーボードユニット17全体を、装置本体10(筐体)の左側に向けてスライドさせる。このとき、スペーサ174の二重フランジ部は、マザーボードブラケット11Mの孔部114Mの丸孔部分にまで到達する。また、基板コネクタ181からマザーボードタブ部173が抜去され、マザーボード171と、中継基板18を介した他の内蔵デバイスとの電気的接続も断たれる。尚、この状態であっても、6個のスペーサ174がマザーボードブラケット11Mの孔部114Mの丸孔部分に引っ掛かるため、マザーボードユニット17は落下し難い。この後、ユーザは、マザーボードユニット17を装置本体10の背面の導入口から導出する。
尚、図16(a)に示されるように、マザーボード171(マザーボードユニット17)は、実施例2で詳述した電源ユニット13と、装置本体10(筐体)の前後方向に並んで筐体に収容および支持される。さらに、マザーボード171は、筐体の背面側から取り出し可能に収容される。一方、電源ユニット13は、筐体の前面側から取り出し可能に収容される。これにより、マザーボード171は、電源ユニット13と個別に取り出し可能に筐体に収容される。
実施例4は、実施例1〜3の構成を備え、さらに、以下の構成を備えている。
本発明の実施例によるPOS端末装置は、周辺機器用インターフェースとしてのI/Oボード141を有している。
I/Oボード141は、前述したごとくサイドカバー12Sを取り外すことにより現れる装置本体10(筐体)の側面の導入口を通して、フレームのベースシャーシ11Bに対して直接または間接的に、工具無しで取り外し可能に固定される。以下、この構成を主に図19〜図25を参照して説明する。
図19を参照すると、I/Oボード141には、拡張用コネクタ144が搭載されている。拡張用コネクタ144は、I/Oボード141の端部に複数個搭載されており、I/Oボード141が装置本体10(筐体)に収容および支持された際に本POS端末装置の底面から露出すると共に、周辺機器等からのケーブルコネクタ(図示せず)が基板面に平行な方向に挿抜される。尚、拡張用コネクタ144は、ユーザや仕向け地に応じて仕様が異なっている。ユーザ毎に異なる拡張用コネクタに対する要望に対応できることが望ましい。そこで、ユーザのニーズに対応して異なる拡張用コネクタ配列を有するI/Oボード141を用意しておき、ユーザ毎に簡単に取り替え可能にしておくことが望ましい。図19に示されたI/Oボード141は、拡張用コネクタ144として、2個のキャッシュドロアー用ポート、2個のUSBポート、2個のシリアルポート、及び、一個のパラレルポートを備えた標準的な仕様である。その他の仕様として、例えば、拡張用コネクタ144として、2個のキャッシュドロアー用ポート、5個のUSBポート、及び一個のパラレルポートを備えた仕様や、拡張用コネクタ144として、2個のキャッシュドロアー用ポート、1個のUSBポート、2個の電源ポート、2個のシリアルポート、及び1個のパラレルポートを備えた仕様等がある。
I/Oボード141はさらに、図19の右端部に形成され、拡張用コネクタに電気的に接続された電気信号の入出力パターンが形成されたI/Oボードタブ部143を有している。I/Oボードタブ部143は、図13に示された中継基板18に搭載された基板コネクタ182に抜去可能に挿入される。
ここで、図13に示された中継基板18には、基板コネクタ181と基板コネクタ182との間を接続するパターンが形成される。したがって、基板コネクタ181にマザーボードタブ部173が挿入されると共に基板コネクタ182にI/Oボードタブ部143が挿入されたときに、マザーボード171の電気回路とI/Oボード141の拡張コネクタ144とが電気的に接続され、この結果、両者間で周辺機器用インターフェース信号の入出力が可能となる。
I/Oボード141は、図20に示されたI/Oボードケース145に搭載されることにより、図21(a)等に示されたI/Oボードユニット14として取り扱うことができる。
図20を参照すると、I/Oボードケース145は、I/Oボード141を収容すべく、亜鉛メッキ鋼板等を板金加工して形成され、半容器状を呈している。I/Oボードケース145は、図20における左側にI/Oボードタブ部143が位置するようにI/Oボード141を収容する。I/Oボードケース145は、容器底面上に植設された例えば2本のボス145sを備えている。図19に示されたI/Oボード141は、そのネジ孔部141s(図19)を介してボス145s上にネジ止めされる。図20に示されるように、I/Oボードケース145は、長手方向に亘る壁部と、長手方向の端部にL字状に延びた壁部とを備えている。長い壁部には、図19に示されたI/Oボード141の拡張用コネクタ144に対応した孔部が形成されている。また、L字状の壁部の天面上には、ネジ孔部145cが形成されていると共に、ハーフピアスまたはエンボス加工等による丸みを帯びた先端を持つ突起145pが形成されている。さらに図21(a)および(b)を参照すると、I/Oボードケース145のネジ孔部145c(図20)には、図21(b)に示されたロックレバー146がネジを用いて回動可能に取り付けられている。図21(b)を参照すると、ロックレバー146は、ユーザが視認し易い色の樹脂材から成り、ネジ孔部145cに対応した回動中心をなす孔部146cと、レバーの一端に形成された操作部146aと、レバーの他端に形成されたU字状凹部146uと、孔部146cを中心とした例えば60度の円弧状に延びた溝部146gとを備えている。溝部146gは、円弧の両端部が貫通している一方、両端間の範囲は有底となっている。図21(a)に示されるようにI/Oボードケース145にネジ止めされたロックレバー146の溝部146g内には、I/Oボードケース145の突起145pが存在する。これにより、ロックレバー146は、I/Oボードケース145の端部から60度分突出した状態と、I/Oボードケース145の端部と面一になるように格納された状態(0度)との範囲で回動可能であり、かつ、0度および60度ではタップ感を伴って静止する。
他方、図23(a)および(b)ならびに図24(a)および(b)に示されるように、本POS端末装置のフレームの図示しないベースシャーシ11Bに直接的かつ間接的に固定されたサイドブラケット11Sおよび中間ブラケット11Iには、爪112Iおよび爪113Iがそれぞれ形成されている。爪112Iおよび爪113Iは、図に示されるように、I/Oボードケース145の外形に対応した位置に形成されており、I/Oボードユニット14が装置本体10(筐体)の右側面から筐体の幅方向に挿抜される際のガイドとして働くと共に、I/Oボードユニット14が完全に挿入されたときにユニットを支持するものである。また、図25に示されるように、サイドブラケット11Sには、直接的もしくは他のブラケットを介して間接的に、ロックスタッド117Iが形成されている。
さて、装置本体10にI/Oボードユニット14(I/Oボード141)を内蔵させるとき、予め、ユーザは、図22(a)および(b)から分かるように操作ツマミ115Sを操作し、サイドカバー12Sを取り外しておく。一方、ユーザは、ロックレバー146が取り付けられているI/Oボードケース145にI/Oボード141を予め搭載してI/Oボードユニット14として構成しておくと共に、ロックレバー146を図22(c)に示されるように、60度引き上げた状態にしておく。この後、ユーザは、図22(d)に示されるように、I/Oボードユニット14を、装置本体10の右側面(図中、左側)の導入口から導入し、爪112I(図24(a))および爪113I(図24(b))上を装置本体10(筐体)の左側に向けてスライドさせる(挿入する)。スライド途中で、ロックレバー146のU字状凹部146u(図21(b))がロックスタッド117I(図25)に当接することにより、ユーザは抵抗感を感じる。抵抗感を感じたユーザは、ロックレバー146を押し倒し、筐体側に設けられているロックスタッド117Iに係止する。これにより、I/Oボードユニット14は、図22(e)および(f)に示されるように筐体内に完全に収容され、かつ、固定される。即ち、I/Oボードユニット14は、図23(b)に示されるようにサイドブラケット11S2、中間ブラケット11Iおよびサイドブラケット11Sに固定される。尚、これらブラケットは前述したように直接的かつ間接的にベースシャーシ11Bに固定されているため、I/Oボードユニット14は、筐体内に固定されることになる。さらに、I/Oボードユニット14が完全に筐体に収容された状態では、図23(b)に示されるように、中間ブラケット11Iの右側に鉛直に位置している中継基板18の基板コネクタ182にI/Oボードタブ部143が挿入される。この結果、I/Oボード141の拡張コネクタ144(図19)と、中継基板18を介したマザーボード171との電気的接続がなされる。この後、ユーザは、サイドカバー12Sを筐体に取り付ける。
一方、装置本体10からI/Oボードユニット14を取り出す場合、予め、ユーザは、サイドカバー12Sを取り外して図22(e)に示される状態にしておく。この後、ユーザは、筐体に収容されているI/Oボードユニット14のロックレバー146を60度引き上げ、筐体側に設けられているロックスタッド117Iとの係止関係を解消する。ロックレバー146が引き上げられることにより、I/Oボードユニット14の固定が解除されるだけではなく、I/Oボードユニット14がある程度筐体から突出する。これに併せて、I/Oボード141のI/Oボードタブ部143が中継基板18の基板コネクタ182から抜去される。これに引き続いてユーザは、筐体から突出しているユニットを、そのケースまたはロックレバー146を把持してスライドさせる。爪113I(図24(b))および爪112I(図24(a))上を装置本体10(筐体)の右方に向けてスライドさせる(引き出す)。この後、ユーザは、I/Oボードユニット14を装置本体10の右側面の導入口から導出する。
尚、図16(a)に示されるように、I/Oユニット14(I/Oボード141)は、装置本体10(筐体)の前後方向における、実施例3で詳述したマザーボード171と、実施例2で詳述した電源ユニット13との間に、収容および支持される。また、マザーボード171は、筐体の背面側から取り出し可能に収容される。一方、電源ユニット13は、筐体の前面側から取り出し可能に収容される。他方、I/Oユニット14および実施例5で詳述するストレージデバイス151または161は、筐体の側面から取り出し可能に収容される。さらに、I/Oユニット14は、装置本体10(筐体)の上下方向において、ストレージデバイス151または161と並んで収容および支持される。これにより、I/Oユニット14、ストレージデバイス151または161、電源ユニット13およびマザーボード171は、相互に個別に取り出し可能に筐体に収容される。
実施例5は、実施例1〜4の構成を備え、さらに、以下の構成を備えている。
本発明の実施例によるPOS端末装置は、演算素子による処理データを書き換え可能に記憶するストレージデバイスをさらに有している。
ストレージデバイスは、前述したごとくサイドカバー12Sを取り外すことにより現れる装置本体10(筐体)の側面の導入口を通して、フレームのベースシャーシ11Bに対して直接または間接的に、工具無しで取り外し可能に固定される。以下、この構成を主に図26〜図29を参照して説明する。
図27(a)を参照すると、ストレージデバイス151は、3.5インチ型ハードディスクドライブ(HDD)であり、その両側面にネジ孔部が形成され、かつ、その一端面にコネクタ151cが設けられている。ストレージデバイスの種類は、ユーザや仕向け地に応じて仕様が異なっている。ユーザ毎に異なる要望に対応できることが望ましい。そこで、ユーザのニーズに対応して異なる種類のストレージデバイスを用意しておき、ユーザ毎に簡単に取り替え可能にしておくことが望ましい。例えば、図27に示された3.5インチ型HDDの他に、図28に示された2.5インチ型HDDや、ソリッドステートドライブ(SSD)が適宜選択され、さらに、各ドライブにおいて、種々の厚さ寸法のものや、様々な記憶容量のものが選択される。
図27(b)を参照すると、ストレージデバイスホルダ155は、例えばPC/ABS等のポリマーアロイ等の弾性を有し、かつ、例えばユーザが視認し易い色の樹脂材料を射出成形して形成されている。ストレージデバイスホルダ155は、ストレージデバイス151を収容すべく、ストレージデバイス151の幅寸法に対応した間隔を置いて対向する対の壁部156と、対の壁部156間を連結する156bと、対の壁部156の端部に形成された対のロックレバー157と、対のロックレバー157の外側に形成された爪157bとを、同一材料で一体に備えている。さらに、ストレージデバイスホルダ155の対の壁部156の内側面には、ストレージデバイス151の側面のネジ孔部に対応して、例えば4個の金属スタッド158が取り付けられている。金属スタッド158は、対の壁部156の内側面にて突出し、ストレージデバイスホルダ155に搭載されたストレージデバイス151のネジ孔部に入り込んで接触する部分と、対の壁部156に形成された漏斗形状の孔部にスライドして取り付けられる二重のフランジ部分とを備えている。ストレージデバイスホルダ155はその連結部156bをも含めて弾性材料から成るため、ユーザは、対の壁部156の間隔を引っ張り拡げることが可能である。特に、連結部156bの対の壁部156に近い領域は、波型を呈しており、撓み量が大きい一方で、不要な応力集中が起きることがなく耐久性に優れている。このような構成により、ユーザは、対の壁部156の間隔が引っ張り拡げられた対の壁部156間にストレージデバイス151を導入した後に、対の壁部156間の拡大を解除すると、金属スタッド158がストレージデバイス151側面のネジ孔部に挿入され、ストレージデバイス151はストレージデバイスホルダ155に固定される。
ストレージデバイスホルダ155に搭載されたストレージデバイス151は、図27(c)等に示されるように、ストレージユニット15として取り扱うことができる。
他方、図26(b)から分かるように、本POS端末装置のフレームの図示しないベースシャーシ11Bに直接的かつ間接的に固定されたサイドブラケット11Sおよび中間ブラケット11Hには、図27(d)に示される金属性のストレージブラケット11Hが取り付けられている。ストレージブラケット11Hは、ストレージユニット15(ストレージデバイスホルダ155)の外形に対応した空間部を規定する対の壁部と、ストレージデバイスホルダ155の対の爪157bに対応して対の壁部の一端に形成された対の孔部117Hと、対の壁部の一端に内側に向かって突出した対の突起118Hとを有している。ストレージブラケット11Hは、図26(c)に示されるようにストレージユニット15が装置本体10(筐体)の右側面(図中左側)から筐体の幅方向に挿抜される際のガイドとして働くと共に、図26(a)に示されるようにストレージユニット15が完全に筐体に挿入されたときにユニットを支持するものである。ストレージユニット15が完全に筐体に挿入されたとき、ストレージユニット15は、ストレージブラケット11Hの対の突起118Hに当接することにより、それ以上入り込まないようになっている。なおかつ、ストレージデバイスホルダ155の対のレバー片157の対の爪部157bがストレージブラケット11Hの対の孔部117Hに係合するため、所定の操作をしない限りは、トレージユニット15は筐体から取り出すことはできないようになっている。
さて、装置本体10にストレージユニット15(ストレージデバイス151)を内蔵させるとき、予め、ユーザは、図22(a)および(b)から分かるように操作ツマミ115Sを操作し、サイドカバー12Sを取り外しておく。一方、ユーザは、ロックレバー157が取り付けられているストレージデバイスホルダ155にストレージデバイス151を予め搭載してストレージユニット15として構成しておく。この後、ユーザは、図26(c)に示されるように、ストレージユニット15を、装置本体10の右側面(図中、左側)の導入口から導入し、ストレージブラケット11H内を装置本体10(筐体)の左側に向けてスライドさせる(挿入する)。ユーザが規定位置までストレージユニット15を押し込むと、ロックレバー157の爪157bがストレージブラケット11Hの孔部117Hにクリック感を伴って係合する。これにより、ストレージユニット15は、筐体内に完全に収容され、かつ、固定される。即ち、ストレージユニット15は、ストレージブラケット11Hを介して、サイドブラケット11S2、中間ブラケット11Iおよびサイドブラケット11Sに固定される。尚、これらブラケットは前述したように直接的かつ間接的にベースシャーシ11Bに固定されているため、ストレージユニット15は、筐体内に固定されることになる。ユーザは、マザーボード171および電源ユニット13のうち少なくともマザーボード171から導出されているケーブルコネクタをストレージデバイス151のコネクタ151cに挿入する。尚、対のロックレバー157はコネクタ151cよりも外側にて対向しているため、コネクタ151への相手コネクタの挿抜が阻害されることはない。この後、ユーザは、サイドカバー12Sを筐体に取り付ける。
一方、装置本体10からストレージユニット15を取り出す場合、予め、ユーザは、サイドカバー12Sを取り外して図22(e)に示される状態にしておく。次いで、ユーザは、ストレージデバイス151のコネクタ151cに接続されているケーブルコネクタを抜去する。この後、ユーザは、対のロックレバー157をその対向間隔が狭くなるようにつまむことにより、対の爪157bのトレージブラケット11Hの対の孔部117Hに対する係合を解除し、そのまま、図26(c)に示されるようにストレージユニット15を引き出す。この後、ユーザは、ストレージユニット15を装置本体10の右側面の導入口から導出する。
前述したように、本発明によるストレージユニットは、ユーザのニーズに応じて、仕様の異なるストレージデバイスを用いることが可能である。その一例として、3.5インチ型HDDに代えて、2.5インチ型HDDを用いることができる。
図28(a)を参照すると、ストレージデバイス161は、2.5インチ型HDDであり、3.5インチ型HDDであるストレージデバイス161と同様に、その両側面にネジ孔部が形成され、かつ、その一端面にコネクタ161cが設けられている。
図28(c)を参照すると、ストレージデバイスホルダ165は、例えばPC/ABS等のポリマーアロイ等の弾性を有し、かつ、例えばユーザが視認し易い色の樹脂材料を射出成形して形成されている。ストレージデバイスホルダ165は、ストレージデバイス161、もしくは、上面に図28(b)に示されたヒートシンク163が積層されたストレージデバイス161を収容すべく、ストレージデバイス161の幅寸法に対応した間隔を置いて対向する対の壁部166と、対の壁部166間を連結する166bと、対の壁部166の端部に形成された対のロックレバー167と、対のロックレバー167の外側に形成された爪167bとを、同一材料で一体に備えている。
特に、先に説明した3.5インチ型HDD用のストレージデバイスホルダ155(図27(b))と異なる点は、(1)ヒートシンク163を押さえる突起が対の壁部の内側に形成されている点と、(2)対の壁部166が空間を置いた二重構造となっている点と、(3)後述する延長金具が設けられている点とである。
ストレージデバイスホルダ165は、ストレージデバイスの収容部が2.5インチ型HDDに適合する一方で、外形寸法および形状が3.5インチ型HDD用のストレージデバイスホルダ155と同じになる。この結果、本発明によるPOS端末装置は、収容するストレージデバイスのサイズに関わらず、共通のストレージブラケット11H(図27(d)、図28(e))を用いることができ、このブラケットを付け替える必要がない。
さらに、ストレージデバイスホルダ165の対の壁部166の内側面には、ストレージデバイス161の側面のネジ孔部に対応して、例えば4個の金属スタッド168が取り付けられている。金属スタッド168は、図27(b)に示された金属スタッド158と同じものであり、金属スタッド158と同様に対の壁部166の内側面にて突出し、ストレージデバイスホルダ165に搭載されたストレージデバイス161のネジ孔部に入り込んで接触する部分と、対の壁部166に形成された漏斗形状の孔部にスライドして取り付けられる二重のフランジ部分とを備えている。
ただし、対の壁部166が二重構造を呈しているため、金属スタッド168の裏面(外側面)は、対の壁部166の外側面には露出していない。このため、本例では、図29に示される延長金具169を各金属スタッド168の外側に設けている。図29を参照すると、延長金具169は、バネ性を有し、金属スタッド168の裏側面に当接する内側端部169iと、ストレージブラケット11Hに接触すべく対の壁部166から露出する外側端部169oとを備えている。これにより、サイズの小さいストレージデバイス161であっても、POS端末装置に挿入された際に、ストレージブラケット11Hを介して筐体フレームと電気的接続をなすことができる。
また、ストレージデバイスホルダ165はその連結部166bをも含めて弾性材料から成るため、ユーザは、対の壁部166の間隔を引っ張り拡げることが可能である。特に、連結部166bの対の壁部166に近い領域は、波型を呈しており、撓み量が大きい一方で、不要な応力集中が起きることがなく耐久性に優れている。このような構成により、ユーザは、対の壁部166の間隔が引っ張り拡げられた対の壁部166間にストレージデバイス161を導入し、対の壁部166間の拡大を解除すると、金属スタッド168がストレージデバイス161側面のネジ孔部に挿入され、ストレージデバイス161はストレージデバイスホルダ165に固定される。
ストレージデバイス161は、図28(b)に示されたヒートシンク163と共に、図28(c)に示されたストレージデバイスホルダ165に搭載されることにより、図28(d)に示されたストレージユニット16として取り扱うことができる。
ストレージデバイスホルダ165がストレージデバイス155と外形のサイズおよび形状が同じであるため、ストレージユニット16のPOS端末への収容および取り外しは、ストレージユニット15と同じ作業で実行可能である。したがって、その説明は、省略する。
尚、図16(a)に示されるように、ストレージデバイス151または161(ストレージユニット15または16)は、装置本体10(筐体)の前後方向における、実施例3で詳述したマザーボード171と、実施例2で詳述した電源ユニット13との間に、収容および支持される。また、マザーボード171は、筐体の背面側から取り出し可能に収容される。一方、電源ユニット13は、筐体の前面側から取り出し可能に収容される。他方、実施例4で詳述したI/Oユニット14およびストレージデバイス151または161は、筐体の側面から取り出し可能に収容される。さらに、ストレージデバイス151または161は、装置本体10(筐体)の上下方向において、I/Oユニット14と並んで収容および支持される。これにより、ストレージデバイス151または161、I/Oユニット14、電源ユニット13およびマザーボード171は、相互に個別に取り出し可能に筐体に収容される。
以上、幾つかの実施例を参照して本発明を説明したが、本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得る様々な変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施例の構成の一部または全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
また、以上説明した実施例の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
情報処理を行う演算素子を搭載したマザーボードと、電源ユニットと、前記マザーボードおよび前記電源ユニットを取り出し可能に収容および支持する筐体とを有し、
前記筐体は、フレームと、フレームに取り外し可能に装着されるカバーとによって構成され、
前記マザーボード、前記電源ユニットおよび前記カバーはそれぞれ、前記フレームに工具無しで取り外し可能に固定されることを特徴とするPOS端末装置(実施例1〜5)。
(付記2)
前記マザーボードは、その一端部に形成され、電気信号の入出力パターンが形成されたマザーボードタブ部と、その裏面から突出するように取り付けられたフランジ付きのスペーサとを有し、
前記フレームは、前記マザーボードの裏面に対応するマザーボードブラケットと、前記マザーボードの前記マザーボードタブ部が抜去可能に挿入される基板コネクタとを有し、
前記マザーボードブラケットは、その表面に前記マザーボードの前記スペーサに対応するように形成された漏斗形状の孔部と、前記マザーボードの他端部を解放可能にホールドする蝶番式のマザーボードホルダとを有し、
前記マザーボードブラケットの前記孔部に前記マザーボードの前記スペーサを差し込んだ後、該マザーボードをスライドさせて前記マザーボードタブ部を前記基板コネクタに挿入し、さらに、該マザーボードの前記他端部を前記マザーボードホルダによってホールドすることにより、該マザーボードは、該スペーサと共に前記フレームに取り外し可能に固定される付記1に記載のPOS端末装置(実施例3)。
(付記3)
前記フレームは、前記電源ユニットの一端部を抜去可能にホールドするように形成された爪と、前記電源ユニットの側面を解放可能にホールドする蝶番式の電源ホルダとを有し、
前記フレームの前記爪に前記電源ユニットの前記一端部を挿入した後、該電源ユニットの前記側面を前記電源ホルダによってホールドすることにより、該電源ユニットは、前記フレームに取り外し可能に固定される付記1または2のPOS端末装置(実施例2)。
(付記4)
POS端末装置と周辺機器とのインターフェースであるI/Oボードをさらに有し、
前記I/Oボードは、前記筐体の前記フレームに工具無しで取り外し可能に固定されるものであり、
前記I/Oボードはさらに、その裏面を支持するI/Oボードケースに搭載され、かつ、その一端部に形成され、電気信号の入出力パターンが形成されたI/Oボードタブ部を有し、
前記I/Oボードケースは、回動することによって前記フレームに解除可能に係止されるロックレバーを有し、
前記フレームは、前記I/Oボードケースの前記ロックレバーに対応するように形成されたロックスタッドと、前記I/Oボードの前記I/Oボードタブ部が抜去可能に挿入される第2の基板コネクタとを有し、
前記I/Oボードの前記I/Oボードタブ部を前記基板コネクタに挿入した後、前記フレームの前記ロックスタッドに前記ロックレバーを係合させることにより、該I/Oボードは、前記I/Oボードケースと共に前記フレームに取り外し可能に固定される付記1〜3いずれかのPOS端末装置(実施例4)。
(付記5)
前記演算素子による処理データを書き換え可能に記憶するストレージデバイスをさらに有し、
前記ストレージデバイスは、前記筐体の前記フレームに工具無しで取り外し可能に固定されるものであり、
前記ストレージデバイスはさらに、ストレージデバイスホルダに搭載され、
前記ストレージデバイスホルダは、その一端部に対向する他端部に、撓むことによって前記フレームに解除可能に係止されるロックレバーを有し、
前記フレームは、前記ストレージデバイスホルダの前記一端部が抜去可能に挿入される凹部と、前記ロックレバーが係合される凹部とを備え、
前記フレームの前記凹部に前記ストレージデバイスホルダの前記一端部を挿入した後、前記フレームの前記凹部に前記ロックレバーを係合させることにより、該ストレージデバイスは、前記ストレージデバイスホルダと共に前記フレームに取り外し可能に固定される付記1〜4いずれかのPOS端末装置(実施例5)。
(付記6)
前記カバーは、前記フレームの筐体前面に装着されるフロントカバーと、該フレームの筐体背面に装着されるリアカバーとを含み、
前記フレームは、その筐体前面に、第1の凹部が形成されていると共に、第2の凹部が形成された、操作に応じて復帰可能にスライドする第1の可動部材を備え、
前記フロントカバーは、前記フレームの前記筐体前面の前記第1の凹部に対応した第1の爪と、前記第1の可動部材の前記第2の凹部に対応した第2の爪と備え、
前記フレームはさらに、その筐体背面に、第3の凹部が形成されていると共に、第4の凹部が形成された、操作に応じて復帰可能にスライドする第2の可動部材を備え、
前記リアカバーは、前記フレームの筐体背面の前記第3の凹部に対応した第3の爪と、前記第2の可動部材の前記第4の凹部に対応した第4の爪と備え、
前記第1の可動部材は、操作ツマミを備え、該操作ツマミは、前記フロントカバーが前記フレームに装着された時に前記筐体の下方に露出し、
前記第2の可動部材は、操作ツマミを備え、該操作ツマミは、前記リアカバーが前記フレームに装着された時に前記筐体の下方に露出する付記1〜5いずれかのPOS端末装置(実施例1)。
(付記7)
前記カバーは、前記フレームの筐体側面に装着されるサイドカバーをさらに含み、
前記フレームは、その筐体側面に、第5の凹部が形成されていると共に、スタッドが形成された、操作に応じて復帰可能にスライドする第3の可動部材を備え、
前記サイドカバーは、前記フレームの筐体側面の前記第5の凹部に対応した第5の爪と、前記第3の可動部材の前記スタッドに対応した凹部が形成されたフックと備え、
前記第3の可動部材は、操作ツマミを備え、該操作ツマミは、前記サイドカバーが前記フレームに装着された時に前記筐体の下方に露出する付記6のPOS端末装置(実施例1)。
(付記8)
前記マザーボードと前記電源ユニットとは、前記筐体の前後方向に並んで該筐体に収容および支持され、
前記マザーボードは、前記筐体の前面側または背面側から取り出し可能に収容される一方、前記電源ユニットは、前記筐体の背面側または前面側から取り出し可能に収容され、これにより、前記マザーボードと前記電源ユニットとは、互いに個別に取り出し可能に前記筐体に収容される付記1〜7いずれかのPOS端末装置(実施例2、3)。
(付記9)
前記マザーボードと前記I/Oボードとは、前記筐体の前後方向に並んで該筐体に収容および支持され、
前記マザーボードは、前記筐体の前面側または背面側から取り出し可能に収容される一方、前記I/Oボードは、前記筐体の側面から取り出し可能に収容され、これにより、前記マザーボードと前記I/Oボードとは、互いに個別に取り出し可能に前記筐体に収容される付記4〜8いずれかのPOS端末装置(実施例3、4)。
(付記10)
前記マザーボードと前記ストレージデバイスとは、前記筐体の前後方向に並んで該筐体に収容および支持され、
前記マザーボードは、前記筐体の前面側または背面側から取り出し可能に収容される一方、前記ストレージデバイスは、前記筐体の側面から取り出し可能に収容され、これにより、前記マザーボードと前記ストレージデバイスとは、互いに個別に取り出し可能に前記筐体に収容される付記5〜9いずれかのPOS端末装置(実施例3、5)。
(付記11)
前記I/Oボードと前記ストレージデバイスとは、互いに前記筐体の上下方向に並んで該筐体に収容および支持され、これにより、前記I/Oボードと前記ストレージデバイスとは、互いに個別に取り出し可能に前記筐体に収容される付記5〜10いずれかのPOS端末装置(実施例4、5)。
(付記12)
I/Oボードおよびストレージデバイスは、筐体の前後方向にてマザーボードと電源ユニットとの間に収容および支持され、これにより、マザーボード、電源ユニット、I/Oボードおよびストレージデバイスは、相互に個別に取り出し可能に筐体に収容される付記11のPOS端末装置(実施例4、5)。
(付記13)
前記カバーは、少なくともその一部分が樹脂材料から成る一方、残部分が金属から成り、当該金属から成る部分は、前記カバーが前記フレームに装着された時に該フレームに接触する付記1〜12いずれかのPOS端末装置(実施例1)。
(付記14)
前記ストレージデバイスホルダは、弾性を有する樹脂から成り、
前記ストレージデバイスは、電気信号の入出力と電源供給のためのコネクタを有し、かつ、前記コネクタを前記ストレージデバイスホルダの前記他端側に向けて該ストレージデバイスホルダに搭載され、
前記ロックレバーは、ストレージデバイスホルダの本体と同じ材料で一体に形成され、かつ、前記ストレージデバイスの前記コネクタを避けるように間隔を置いて対向する対のレバー片を含み、
前記対のレバー片は、各先端に操作ツマミを備え、当該両操作ツマミを同時に内側に押すことで前記フレームの前記凹部に対する係合を解除して前記筐体から取り出し可能となる付記5のPOS端末装置(実施例5)。
(付記15)
前記ストレージデバイスは、対向する両側面に、内部回路のグランドと導通した金属製のネジ孔部を備え、
前記ストレージデバイスホルダは、前記ストレージデバイスの前記両側面に対応するように形成され、撓むことによって前記ストレージデバイスを解放可能にホールドする対の壁部と、前記対の壁部に前記ストレージデバイスの前記ネジ孔部に対応するように設けられ、該壁部が前記ストレージデバイスをホールドした時に該ネジ孔部内に挿入される金属スタッドとを有し、
前記対の壁部は、ストレージデバイスホルダの本体と同じ材料で一体に形成され、かつ、当該壁面を外側に撓ませることで前記ストレージデバイスに対するホールドを解放すると共に、前記金属スタッドを該ストレージデバイスの前記ネジ孔部から抜去し、
前記金属スタッドは、前記ストレージデバイスが前記ストレージデバイスホルダと共に前記フレームに取り外し可能に固定された時に前記フレームに接触する付記14のPOS端末装置(実施例5)。
(付記16)
前記ストレージデバイスとして、大幅の第1のストレージデバイスと、小幅の第2のストレージデバイスとが、選択的に用いられ、
前記ストレージデバイスホルダとして、選択された前記ストレージデバイスに応じて、前記対の壁部が大間隔の第1のストレージデバイスホルダと、該対の壁部が小間隔の第2のストレージデバイスホルダとが、選択的に用いられ、
前記第1および前記第2のストレージデバイスホルダは、前記対のレバー片をも含む外形寸法が互いに等しく、
前記第2のストレージデバイスホルダは、弾性を持つ金属から成り、前記金属スタッドの外側面から前記対の壁部の外側面まで延びる延長金具を備えている付記15のPOS端末装置(実施例5)。
(付記17)
ユーザーインターフェースとしてのディスプレイ部をさらに有し、
前記ディスプレイ部は、前記筐体に一体にヒンジ機構を介して前記カバーの手前に角度調整可能に取り付けられ、かつ、その奥に位置する前記カバーを取り外して前記筐体内の作業を行う時に、前記ヒンジ機構によって当該カバーの手前から退避するように構成されている付記1〜16いずれかのPOS端末装置(実施例1)。