JP5294005B2 - 顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は顕微鏡に関し、特に、絞りを容易に調節できるようにした顕微鏡に関する。
顕微鏡においては、照明用の光源が設けられており、光源からの照明用光が照明用光学系に案内されて対物レンズを介して試料を照明する。試料からの光は対物レンズで集光され、観察用光学系を介して接眼レンズまで案内される。ユーザは接眼レンズを介して試料の像を観察することができる(例えば、特許文献1)。
照明用の光学系の途中には絞りが配置されており、ユーザはその絞りを調節することで、試料が適切に照明されるように照明状態を調節する。
特開2005−234279号公報
ところで光源は照明用光を発生するとき、合わせて熱も発生する。この熱が試料に作用すると、試料が変化してしまうおそれがある。そこで、照明用の光源は顕微鏡本体、特に試料を載置するステージから最も離れた位置に配置される。
従来の顕微鏡においては、照明用の光源からの照明用光が対物レンズに向かう光路は、顕微鏡を上面から見た場合、奥行き方向(すなわち、前後方向)に配置されていた。その結果、照明用光学系の途中に配置される絞りの位置(顕微鏡を上面から見た場合の位置)が、ユーザから遠い位置になる。
例えば、照明用光源の直後に配置されるコレクタレンズのために40乃至50mm、その後のリレー光学系のために100乃至250mm、さらにその後のフィールドレンズ群のために80乃至120mmの光路長が必要となる。ここまでの長さの光路を水平に配置し、その後の光路を垂直に偏向して対物レンズに案内するようにした場合、水平な光路の長さは約220mm乃至420mmとなる。実際にはそれに加えて、さらに観察用光の光路が必要となる。
このように、上面から見た場合の照明用光学系の光路を奥行き方向に配置すると、絞りを調節する部材の位置がユーザから遠くなり、ユーザが接眼レンズを介して試料を観察しながら絞りを調節する場合の操作性が必ずしも良好ではなかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、絞りを容易に調節することができるようにするものである。
本発明は、光源からの光束で試料を照明する照明用光学系と、対物レンズを介して前記試料の像を形成するとともに、該像を接眼レンズに案内する観察用光学系とを有する顕微鏡において、前記顕微鏡を上面から見た場合の前記接眼レンズの光路と平行な方向を縦方向としたとき、前記照明用光学系は、少なくともその一部に、前記光源からの光束を横方向であって、前記接眼レンズの光路から離れる向きに案内する光路を有し、その横方向の光路内に、前記光源からの光束を制御する絞り部材が配置されている顕微鏡である。
本発明においては、顕微鏡を上面から見た場合の接眼レンズの光路と平行な方向を縦方向としたとき、照明用光学系は、少なくともその一部に、光源からの光束を横方向に案内する光路を有し、その横方向の光路内に、照明用光学系の絞りが配置されている。
以上のように、本発明によれば、光源からの光束を横方向に案内する光路内に、照明用光学系の絞りが配置されているので、絞りを容易に調節することができる。
以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図3は、本発明を適用した顕微鏡の一実施の形態の構成を表している。顕微鏡51の本体61の右側上方には、レボルバ62が回転自在に配置されている。このレボルバ62にはいくつかの対物レンズが着脱自在とされており、ユーザは必要に応じてレボルバ62を回転し、装着された対物レンズのうち所望の1つの対物レンズを予め定められた所定の位置に配置することで、使用する対物レンズを選択することができる。図1には、対物レンズ120が1個だけ装着されている状態が示されている。
レボルバ62の上方には、本体61に対して水平に固定板63が取り付けられている。ステージ64、65は、固定板63に対して、それぞれX軸方向(図2において左右方向)とY軸方向(図2において上下方向)に沿って移動自在に配置されている。レボルバ62の右側に下方に伸びるように配置された調節軸68には、その下方に、調節部材69と調節部材70が回転自在に取り付けられている。ユーザが調節部材69または調節部材70を時計方向または反時計方向に回転すると、ステージ64またはステージ65が、X軸方向またはY軸方向に沿ってそれぞれ移動される。
ステージ64には試料ホルダ66が着脱自在に配置されている。ユーザは観察する試料90に応じて複数の試料ホルダ66の中から所定のものを選択し、ステージ64上に装着し、その上に試料90を載置する。試料ホルダ66の中央には孔67が形成されており、対物レンズ120からの光束が、この孔67を介して試料90に照射される。従って、ユーザは調節部材69と調節部材70を回転調節することにより、ステージ64上に配置された試料90の水平面内(xy平面内)の所定の位置を観察することができる。
本体61の右側面には焦準ハンドル71が、左側面には焦準ハンドル71’と、焦準ハンドル72が、それぞれ回転自在に取り付けられている。ユーザは焦準ハンドル71または焦準ハンドル71’を回転調整することで、対物レンズ120が装着されたレボルバ62を試料90に対して微動で近づけたり、遠ざけたりするので、対物レンズ120によるフォーカス状態を微調整することができ、焦準ハンドル72を回転調整することで、レボルバ62を試料90に対して粗動で近づけたり遠ざけたりするので、フォーカスを粗調整および微調整することができる。
本体61の正面であって、接眼レンズ76の右斜め下方には、開口絞り調節用の調節部材73と視野絞り調節用の調節部材74とからなる調節部材75が回転自在に取り付けられている。ユーザは、調節部材75(開口絞り調節用の調節部材73または視野絞り調節用の調節部材74)を回転調節することで、後述する絞り部材117(開口絞り115または視野絞り116)の開き具合を調節することができる。
本体61の左前上方には、接眼レンズ76が配置されている。接眼レンズ76は、ステージ64よりも上方に配置されている。ユーザは接眼レンズ76を介して試料90の画像を観察することができる。また、接眼レンズ76から視線を外せば、肉眼で試料90を確認することができる。なお、この接眼レンズ76は一つまたは複数のレンズから構成された接眼光学系であってもよい。
本体61の左側面の後方には、図8を参照して後述するフィルタ151や偏光素子などの光学部材を光路中に配置したり、それを交換するとき操作される操作部91が設けられている。
本体61の背面の左側後方には収容部81が配置されている。収容部81には、図4を参照して後述する照明用の光源111が内部に収容されている。収容部81の側面には、光源111で発生された熱を逃がすための放熱用のフィン81Aが形成されている。収容部81は光源111から発生する熱が試料90に影響しないように、また接眼レンズ76を覗くユーザに不快感を与えないように、ステージ64の試料ホルダ66の取り付け位置、並びに接眼レンズ76からの距離が長くなる位置に配置されている。
図4は本体61の内部の光学系の構成を表している。この光学系は照明用の光源111からの光束を案内し、対物レンズ120を介して試料90を照明する照明用光学系101と、対物レンズ120を介して試料の像を観察できるように、試料からの反射光を接眼レンズ76に案内する観察用光学系102とにより構成されている。
照明用光学系101において、ハロゲンランプなどよりなる光源111は照明用の光束を射出する。照明用の光束は光路P11の方向に配列されたコレクタレンズ112、リレー光学系113及びミラー114の順に進行する。光源111はコレクタレンズ112の前側焦点面近傍に配置されており、コレクタレンズ112は光源111からの発散光をほぼ平行光に変換する。リレー光学系113は光源111の像である光源像を開口絞り115の位置に形成する。ミラー114はこの光源像とリレー光学系113の間に配置され、光源111からほぼ水平にユーザの方向(上面から見て接眼レンズ76の方向)に向かう光路P11を進行した光束を、右方向に偏向し、光路P12の光束とする。すなわち、顕微鏡を上面から見た場合の図2において、紙面と平行に下方向に向かう光源111の直近の光路P11と平行な方向を縦方向とするとき、その光路は横方向の光路P12に偏向される。
光路P12には、開口絞り115、視野絞り116及びフィールドレンズ群118及びハーフミラー119が順次配置されている。開口絞り115は、光路P12内の、コレクタレンズ112およびリレー光学系113による光源111の像が形成される位置に配置される。視野絞り116は光路P12内の、コレクタレンズ112の後ろ側焦点面と略共役な関係であり、リレー光学系113によりコレクタレンズ112の後ろ側焦点面の像が形成される位置の近傍に配置される。フィールドレンズ群118は、視野絞り116の像を試料90の観察面上に投影するために、その前側焦点面が視野絞り116に重なるように配置される。
光束合成部材としてのハーフミラー119は、フィールドレンズ群118からの照明用の光束の光路P12を、垂直方向(図1において上方向)に偏向し、対物レンズ120に向かう光路P13とする。この光路P13は対物レンズ120の光軸を中心とした光路となっており、ハーフミラー119により、照明用の光路P13の光軸が対物レンズ120による観察用の光路P14の光軸と一致される。光路P13に偏向された光束は、対物レンズ120の瞳の位置で光源111の像を形成し、対物レンズ120により略平行光となって、例えば金属などよりなる試料90を照明する。
観察用光学系102において、試料90で反射または散乱された光を観察用の光束とするために、対物レンズ120により集光され、試料90の各点からの光束が対物レンズ120により平行光束となって、試料90の載置面から垂直下方向を指向する対物レンズ120の直近の光路P14の光束となる。この光束はハーフミラー119を透過することで照明用の光束と分離される。すなわちハーフミラー119と対物レンズ120は、照明用光学系101と観察用光学系102の両方の機能を有しており、光路P13は照明用光学系101と観察用光学系102の共通光路となる。光路P14に配置された第2対物レンズ131はハーフミラー119を透過した光束を集束し、試料90の像90Iを形成する。
ミラー132は、ほぼ垂直な光路P14をほぼ水平に、図1と図4において左方向に偏向し、光路P15とする。従って、光路P15は光路P12とほぼ平行であり、図2に示されるように、上面から見たときその光路は同じ1本の直線上に位置する。
光路P15では、第2対物レンズ131によって形成された試料90の中間像である1次像が形成される。そして、中間像を形成した光束はリレーレンズ133を介してミラー134に入射され、ミラー134によりほぼ垂直上方向に偏向され、光路P16に進行する。リレーレンズ133とリレーレンズ135は、1次像を接眼レンズ76の光軸へ導くために結像光をリレーする。ミラー134からの光束は、光路P15内に配置されたリレーレンズ133とともにリレー光学系を構成する光路P16内に配置されたリレーレンズ135でリレーされ、光路P16内の結像レンズ136に入射する。結像レンズ136より射出された光束は、プリズム137により反射されるとともに、図示していない光路分割光学素子により2つの光路に分割され、光路P17に沿って接眼レンズ76に入射される。従って、ユーザはその眼140により接眼レンズ76を介して試料90の拡大された画像を観察することができる。
図5は、上面から見た照明用光学系101と観察用光学系102の光路の関係を表している。照明用の光路P11と接眼レンズ76の光路P17は、顕微鏡51の奥行き方向(図2の上下方向、図3の左右方向)とほぼ平行な光路であり、光源111から接眼レンズ76(ユーザの眼140)に向かう方向の光路である。したがって、光源111は観察者に対して、十分遠ざかる位置に配置可能な配置構成となる。また、光路P12と光路P15は、光路P11、従って光路P17とほぼ垂直な光路である。そのため、ステージがユーザに対して左右の方向に配置されているので、接眼レンズ76を覗きながら、ステージ上に配置された試料90に手が届き易い。
なお、接眼レンズ76がその光軸方向を光路P16を基準に回動できる場合には、少なくとも光路P17が、照明用光学系101の光路P12または観察用光学系102の光路P15に対して、顕微鏡51を上面から見て縦・横の関係を有する状態にすることができるものが、本発明に該当する。また、本顕微鏡51は照明用光学系101及び観察用光学系102の最も試料側に近い光路P13が共通光路にして落射照明が可能となっている。そのため、重い試料をステージに置くことが容易な倒立型顕微鏡に最適でかつ顕微観察中に容易に手が試料に届きやすくなっている。
図6は、照明用光学系101の光路内に配置された光学部材の位置関係の詳細を表している。光源111と開口絞り115が共役であり、さらに図4の対物レンズ120の後ろ側焦点面が略共役である。光源111から光軸と平行に発した光がコレクタレンズ112により集束するコレクタレンズ112の焦点面F112と、視野絞り116が共役である。また、焦点面F112と視野絞り116の中心を通る光束は、フィールドレンズ群118により平行光に変換されるため、対物レンズ120により試料90の観察面とも共役になる。
このように、本実施の形態においては、接眼レンズの光路P17と平行な光路P11の方向(図6の上下方向)、すなわちユーザが顕微鏡51を使用するとき、ユーザが向く方向を縦方向としたとき、偏向部材としてのミラー114により光源111からの光束が横方向、すなわちユーザから見て左右方向に偏向される。そして、開口絞り115と視野絞り116よりなる絞り部材としての絞り部材117が横方向の光路P12内に配置される。公知の構造で絞り部材117を調節する調節部材75は、絞り部材117の近傍に配置される。従って、絞り部材117を調節する調整部材75(開口絞り調節用の調節部材73と視野絞り調節用の調節部材74)を、本体61の正面(すなわち、ほぼ直方体形状の本体61の4つの側面のうちの、接眼レンズ76に最も近い面)に配置することができ、接眼レンズ76に対して眼140を近接させながら作業をするユーザの調節部材の操作が容易となる。
また、光路P12を横方向に配置したので、光路P12を光源111の直近の光路P11と同じ1本の直線上に縦方向に配置するようにした場合に比べて、奥行き方向の長さを短くすることができ、操作部91の位置を接眼レンズ76に近い位置に配置することができる。従って、ユーザはユーザはフィルタの交換などの作業を容易に操作することが可能となる。
なお、上面から見た場合の接眼レンズ76の直近の光路P17(光路P17と平行な光源111の直近の光路P11)と光路P12の角度、すなわち接眼レンズ76の直近の光路P17の方向を縦方向とする場合における横方向の角度は、必ずしも正確に垂直である必要はなく、開口絞り115や視野絞り116を調節するための調節部材75を本体61の正面に配置することができる角度であれば、若干鈍角あるいは鋭角な角度とすることができる。
また、図7に示すように、照明用光学系101において、ミラー114を省略し、光源111、コレクタレンズ112、リレー光学系113からなる光路P11を、光路P12と平行にし、すなわち、照明用光学系101の光路を1本の直線状にして、接眼レンズ76の光路P17の縦方向に対して全体を横方向(左右方向)に配置するようにしてもよい。しかしながら、照明用光学系101の光路を一本の直線状にした場合、光源111の収容部81が観察者から近くなる。そのため、収容部81に誤って触れてしまい、ユーザに不快感を与える可能性が高くなるので、本実施の形態のように光路P11と光路P12の方向を変えるようにすることが好ましい。
開口絞り115と視野絞り116を共に光路P12上に配置するためには、視野絞り116を対物レンズ120の光路P13に近付ける必要がある。本発明者は、そのために、フィールドレンズ群118の焦点距離f1、並びにフィールドレンズ群118の視野絞り116から最も離れた面と、視野絞り116の面との光軸に沿った距離L1を、次の式(1)の関係を満たすようにした。
1<L1/f1<1.2 (1)
L1/f1の値が下限値より小さくなると、すなわち1以下になると、フィールドレンズ群118に強いテレフォト比をかけることになり、収差、特に像面湾曲が補正しきれなくなる。具体的には、像面湾曲はペッツバール和で評価することができるが、目安としてこの値が±0.015を超えると、平らな試料を観察するとき、中央と端とでピントが異なる状態を目視で認識できるようになってしまう。L1/f1の値が下限値より小さくなると、ペッツバール和の値を±0.015の範囲内に抑えることが困難になる。フィールドレンズ群118に、照明光が進む方向とは逆に、ハーフミラー119の方向から平行光を入射して光線追跡を行うと、その平行光は視野絞り116の面に結像する。その場合において、ペッツバール和の値が大きいと像面湾曲が発生するため、観察時に視野絞り116の像を試料90の面に重ねたとき、視野絞り116の開口径によってピントの合う面がずれていく現象が起き、操作性が悪化する。
また、L1/f1の値が上限値より大きくなると、すなわち1.2以上になると、視野絞り116とフィールドレンズ群118の間の光路長が長くなり、小型化に不利となる。その結果、顕微鏡全体の各部の配置の変更を余儀なくされたり、開口絞り115と視野絞り116を共に光路P12上に配置することが困難になり、操作部91が、観察者から遠くなり、操作性が悪化する。従って、L1/f1の値が式(1)の関係を満足するようにするのが好ましい。
さらに縦方向(奥行き方向)に配置した光路P11に対して、光路P12を横方向に配置するためには、リレー光学系113と開口絞り115の間に偏向部材としてのミラー114を配置する必要がある。そのために、本発明者は、リレー光学系113の焦点距離f2と、リレー光学系113の最も開口絞り115に近い光学部材の面から、開口絞り115の面までの光軸に沿った距離L2に、次の式(2)の関係を満足させればよいことがわかった。
0.70<L2/f2<1.0 (2)
リレー光学系113の後ろ側焦点の位置に開口絞り115が配置されるため、リレー光学系113と開口絞り115の間にミラー114を配置するには、リレー光学系113の最も開口絞り115側の面と焦点面までの距離、すなわちバックフォーカスを十分長くする必要がある。L2/f2の値が下限値を超えると、すなわち0.70以下になると、ミラー114を挿入する空間が狭くなる。このためミラー114の有効径を小さくする必要が生じ、その結果、照明のNAが小さくなってしまう。これに対して、L2/f2の値が上限値を超えると、すなわち1.0以上になると、必要な照明NAを満たすための光束の径が大きくなり過ぎ、リレー光学系113の口径が大きくなってしまう。従って、L2/f2の値が式(2)の関係を満足するようにするのが好ましい。
図8は式(1)のL1=54.7mm、f1=50mm、従って、L1/f1=1.09とし、式(2)のL2=56.4mm、f2=67.7mm、従って、L2/f2=0.83とした場合の照明用光学系101の構成を表している。この場合のペッツバール和の値は0.014である。なお、図8においてはコレクタレンズ112とリレー光学系113の間にフィルタ151が配置されている他、開口絞り115の直前に光を拡散する拡散板152が配置されている。また、距離L2は、リレー光学系113の最もミラー114に近い面とミラー114の光路に沿った距離L21と、ミラー114と開口絞り115の光軸に沿った距離L22の和である。
図9は、図8のフィールドレンズ群118に対して、照明光が進む方向とは逆に、ハーフミラー119の方向から平行光を入射して行った光線追跡を説明する図である。フィールドレンズ群118を構成する2つのレンズのうち、面s16を有する視野絞り116から遠いレンズは、視野絞り116から遠い方の面s11と近い方の面s12とを有している。視野絞り116に近い方のレンズは、視野絞り116から遠い方の面s13、中間の面s14、および近い方の面s15を有している。
Figure 0005294005
表1は、図9のフィールドレンズ群118の光線追跡の結果を表している。面s11乃至s16の曲率半径は、それぞれ60.000mm、−60.000mm、35.000mm、−40.000mm、75.521mm、0.000mm、とされている。
面s11と隣接する面s12との間隔は6mm、面s12と隣接する面s13との間隔は0.5mm、面s13と隣接する面s14との間隔は7.5mm、面s14と隣接する面s15との間隔は1.5mm、面s15と隣接する面s16との間隔は39.2mmとされている。
d線(Naランプを光源とした場合の輝線)の屈折率ndは、面s11と面s13では1.49782、面s14では1.65412とされている。アッベ数νdは、面s11と面s13では82.52、面s14では39.7とされている。
また、図8のリレー光学系113のレンズデータを表2に示した。なお、開口絞り115に近い面から光源111に向かって、面番号を付している。リレー光学系113を構成する2つのレンズのうち、開口絞り115から遠いレンズは、開口絞り115から遠い面s45、中間面s44、および近いほうの面s43を有している。開口絞り115から近いレンズは、開口絞り115から遠い面s42と、近い面s41を有している。
Figure 0005294005
表2は、図8のリレー光学系113の光線追跡の結果を表している。曲率半径と面間隔はいずれもミリメートル単位である。また、ndはd線の波長における屈折率を表し、νdはd線を中心波長にしたときのアッベ数を示している。また、リレー光学系113の最もミラー114に近い面とミラー114の光路中心に沿った距離L21は、26.4mmで、ミラー114と開口絞り115の光路中心に沿った距離L22は30.0mmであった。
図10は式(1)のL1=57.9mm、f1=50mm、従って、L1/f1=1.16とし、式(2)のL2=54.7mm、f2=69.7mm、従って、L2/f2=0.78とした場合の照明用光学系101の構成を表している。この場合のペッツバール和の値は0.009である。
図11は、図10のフィールドレンズ群118に対して行った光線追跡を説明する図である。フィールドレンズ群118を構成する2つのレンズのうち、面s27を有する視野絞り116から遠いレンズは、視野絞り116から遠い方の面s21、中間の面s22、および近い方の面s23を有している。視野絞り116に近いレンズは、視野絞り116から遠い方の面s24、中間の面s25、および近い方の面s26を有している。
Figure 0005294005
表3は、図11のフィールドレンズ群118の光線追跡の結果を表している。面s21乃至面s27の曲率半径はそれぞれ、34.800mm、−32.300mm、−64.922mm、23.120mm、−33.500mm、26.450mm、0.000mmである。
面s21と隣接する面s22との間隔は10mm、面s22と隣接する面s23との間隔は5.0mm、面s23と隣接する面s24との間隔は7.7mm、面s24と隣接する面s25との間隔は12.0mm、面s25と隣接する面s26との間隔は5mm、面s26と隣接する面s27との間隔は18.2mmとされている。
d線の屈折率ndは、面s21と面s24では1.49782、面s22では1.65412、面s25では1.7725とされている。アッベ数νdは、面s21と面s24では82.52、面s22では39.7、面s25では49.61とされている。
また、図10のリレー光学系113のレンズデータを表4に示した。なお、開口絞り115に近い面から光源111に向かって、面番号を付している。リレー光学系113を構成する4つのレンズのうち、開口絞り115から最も遠いレンズは、開口絞り115から遠い面s58、および近い面s57を有している。次いで開口絞り115から遠いレンズは、開口絞り115から遠い面s56、および近い面s55を有している。次いで、開口絞り115から2番目に近いレンズは、開口絞り115から遠い面s54、及び近い面s53を有している。開口絞り115から最も近いレンズは、開口絞り115から遠い面s52と、近い面s51を有している。
Figure 0005294005
表4は、図10のリレー光学系113の光線追跡の結果を表している。曲率半径と面間隔はいずれもミリメートル単位である。また、ndはd線の波長における屈折率を表し、νdはd線を中心波長にしたときのアッベ数を示している。
また、リレー光学系113の最もミラー114に近い面とミラー114の光路中心に沿った距離L21は、25.0mmで、ミラー114と開口絞り115の光路中心に沿った距離L22は29.7mmであった。
図10におけるリレー光学系113を、図12に示されるように、前段の光学系113Aと後段の光学系113Bとに分割し、前段の光学系113Aと後段の光学系113Bの間にミラー114を配置することもできる。ただし、図10に示されるように構成した方が、試料90と接眼レンズ76を近づけることができ、全体をコンパクトにすることができる。
図13は式(1)のL1=65.8mm、f1=60mm、従って、L1/f1=1.10とし、式(2)のL2=50.0mm、f2=67.7mm、従って、L2/f2=0.74とした場合の照明用光学系101の構成を表している。この場合のペッツバール和の値は0.012である。なお、図13においては、図8の場合と同様に、コレクタレンズ112とリレー光学系113の間にフィルタ151が配置されている他、開口絞り115の直前に、光を拡散する拡散板152が配置されている。
図14は、図13のフィールドレンズ群118に対して行った光線追跡を説明する図である。フィールドレンズ群118を構成する2つのレンズのうち、面s36を有する視野絞り116から遠いレンズは、視野絞り116に遠い方の面s31と近い方の面s32を有している。視野絞り116に近いレンズは、視野絞り116から遠い方の面s33、中間の面s34、および近い方の面s35を有している。
Figure 0005294005
表5は、図14のフィールドレンズ群118の光線追跡の結果を表している。面s31乃至面s36の曲率半径はそれぞれ、71.000mm、−71.000mm、59.000mm、−41.500mm、263.308mm、0.000mmとされている。
面s31と隣接する面s32との間隔は6mm、面s32と隣接する面s33との間隔は0.5mm、面s33と隣接する面s34との間隔は7.5mm、面s34と隣接する面s35との間隔は1.5mm、面s35と隣接する面s36との間隔は50.3mmとされている。
d線の屈折率ndは、面s31と面s33では1.49782、面s34では1.654115とされている。アッベ数νdは、面s31と面s33では82.52、面s34では39.7である。
また、図13のリレー光学系113のレンズデータを表6に示した。なお、開口絞り115に近い面から光源111に向かって、面番号を付している。リレー光学系113を構成する2つのレンズのうち、開口絞り115から遠いレンズは、開口絞り115から遠い面s65、中間面s64および近い面s63を有している。開口絞り115から近いレンズは、開口絞り115から遠い面s62と、近い面s61を有している。
Figure 0005294005
表6は、図13のリレー光学系113の光線追跡の結果を表している。曲率半径と面間隔はいずれもミリメートル単位である。また、ndはd線の波長における屈折率を表し、νdはd線を中心波長にしたときのアッベ数を示している。
また、リレー光学系113の最もミラー114に近い面とミラー114の光路中心に沿った距離L21は、20.0mmで、ミラー114と開口絞り115の光路中心に沿った距離L22は30.0mmであった。
図13の構成は図8と図10の構成に比べて、リレー光学系113とミラー114の距離をより短くすることができる。リレー光学系113とミラー114の距離をより短くすることは、式(2)におけるL2/f2の値を小さくすることを意味する。リレー光学系113をミラー114に近づけると、リレー光学系113から射出されて開口絞り115に向かう集束光の径を小さくすることができるので、リレー光学系113の径とミラー114の径を小さくすることができる。
ただし、径を小さくし過ぎて式(2)の下限値を超えると、リレー光学系113とミラー114が接触してしまうので、それを避けて径を小さくすると、必要な光束径を確保することができず、照明のNAが小さくなってしまうのは上述した通りである。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
本発明の顕微鏡の一実施の形態の構成を示す正面図である。 本発明の顕微鏡の一実施の形態の構成を示す上面図である。 本発明の顕微鏡の一実施の形態の構成を示す側面図である。 本発明の顕微鏡の一実施の形態の照明用光学系と観察用光学系の構成を示す斜視図である。 本発明の顕微鏡の一実施の形態の照明用光学系と観察用光学系の構成を示す上面図である。 本発明の顕微鏡の一実施の形態の照明用光学系の構成を示す上面図である。 本発明の顕微鏡の一実施の形態の照明用光学系の構成を示す上面図である。 本発明の顕微鏡の一実施の形態の照明用光学系の構成を示す上面図である。 光線追跡のためのフィールドレンズ群と視野絞りの構成を示す上面図である。 本発明の顕微鏡の一実施の形態の照明用光学系の構成を示す上面図である。 光線追跡のためのフィールドレンズ群と視野絞りの構成を示す上面図である。 本発明の顕微鏡の一実施の形態の照明用光学系の構成を示す上面図である。 本発明の顕微鏡の一実施の形態の照明用光学系の構成を示す上面図である。 光線追跡のためのフィールドレンズ群と視野絞りの構成を示す上面図である。
符号の説明
51 顕微鏡、 61 本体、 64,65 ステージ、 71,72 焦準ハンドル、 73,74 調節部材、 76 接眼レンズ、 81 収容部、 90 試料、 120 対物レンズ、 111 光源、 112 コレクタレンズ、 113 リレー光学系、 114 ミラー、 115 開口絞り、 116 視野絞り、 117 絞り部材、 118 フィールドレンズ群、 119 ハーフミラー

Claims (6)

  1. 光源からの光束で試料を照明する照明用光学系と、
    対物レンズを介して前記試料の像を形成するとともに、該像を接眼レンズに案内する観察用光学系とを有する顕微鏡において、
    前記顕微鏡を上面から見た場合の前記接眼レンズの光路と略平行な方向を縦方向としたとき、前記照明用光学系は、少なくともその一部に、前記光源からの光束を横方向であって、前記接眼レンズの光路から離れる向きに案内する光路を有し、その横方向の光路内に、前記光源からの光束を制御する絞り部材が配置されている顕微鏡。
  2. 前記顕微鏡を上面から見た場合、前記照明用光学系の最も前記光源に近い領域の光路は、前記接眼レンズの光路とほぼ平行であり、
    前記照明用光学系は、前記光源からの光束を前記横方向の光路に向けて偏向する偏向部材を有する
    請求項1に記載の顕微鏡。
  3. 前記照明用光学系は、前記光源からの光束を集光して光源像を形成するリレー光学系を有し、
    前記偏向部材は、前記リレー光学系からの光束を前記絞り部材に向けて偏向する
    請求項2に記載の顕微鏡。
  4. 前記絞り部材は視野絞りを含み、
    前記照明用光学系は、前記視野絞りの位置と前側焦点位置とが一致するように、前記視野絞りより前記対物レンズ側に配置されたフィールドレンズ群を有し、
    前記フィールドレンズ群の焦点距離をf1、前記フィールドレンズ群の最も前記視野絞りから遠い面と、前記視野絞りの面との光軸に沿った距離をL1とするとき、焦点距離f1と距離L1は、以下の式
    1<L1/f1<1.2
    を満足する
    請求項2または3に記載の顕微鏡。
  5. 前記絞り部材は前記リレー光学系の前記試料側に配置された開口絞りを含み、
    前記リレー光学系の焦点距離をf2、前記リレー光学系の最も前記開口絞り側の光学部材の面から、前記開口絞り面までの光軸に沿った距離をL2とするとき、焦点距離f2と距離L2は、以下の式
    0.7<L2/f2<1.0
    を満足する
    請求項3または4に記載の顕微鏡。
  6. 前記照明用光学系と前記観察用光学系の前記試料側の光路を共通光路とする光束合成部材を有し、前記光束合成部材よりも前記試料側に対物レンズを配置したことを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載の顕微鏡。
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