JP5291999B2 - 脂肪組織検出方法および脂肪組織検出装置 - Google Patents

脂肪組織検出方法および脂肪組織検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、生体等の物体内部における脂肪組織の検出方法に関し、さらに詳細には超音波速度変化算出データを利用した脂肪組織の検出方法に関する。
心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などは生活習慣病と呼ばれる。これら生活習慣病の危険因子のひとつに内蔵脂肪型肥満が挙げられている。内蔵脂肪型肥満により生活習慣病になる危険度の高い人をメタボリック症候群と診断して、予防医療の観点から病気を防ぐための取り組みがなされている。そしてメタボリック症候群であるかを診断するため、画像診断によって内臓脂肪を測定する内臓脂肪検査が行われている。
また、乳癌検診において、しこりが発見されたとき、そのしこりが単に脂肪のかたまりであって良性のものであるか、そうではなく、悪性腫瘍であるかを検査する必要がある。その場合に、しこりが脂肪組織か否かが簡単に検出できれば、良性、悪性の判定に参考になる。
このように、生体内の関心部位の組織が脂肪であるかを検査することが必要になる場合がある。その場合にX線CT装置を用いた画像診断により、脂肪組織を検出することができる。しかしながらX線CT装置を用いた場合に被検体に対する放射線被爆の問題がある。
そこで、放射線被爆の問題が発生しないより安全な画像診断方法として、超音波を利用して断層画像を得る超音波トモグラフィによる脂肪検査が提案されている(非特許文献1参照)。
一般に、水中を伝播する音速は1524m/秒、脂肪中の音速は1412m/秒である(ただしいずれも温度が37℃のとき)。水分が多く含まれる筋肉や内蔵(腸、腎臓)を伝播する超音波の音速、および、送受信器と体表との間で用いられるスタンドオフ(例えば高分子ゲル材)を伝播する超音波の音速は1500m/秒以上である。これに対し、脂肪組織内を伝播する超音波の音速は1500m/秒以下であることから、被検体の測定部位(例えば腹部)を構成する組織の音速を計測して、音速が一定値(1500m/秒)以下であるかを判定することができれば、音速データから腹部脂肪分布を検出することができることになる。
上記文献に開示された超音波トモグラフィによれば、この物質ごとの音速の差を利用して、内臓脂肪を測定するようにしている。
すなわち、被検体の腹部断面の内臓脂肪を測定する際に、超音波の送波器と受波器とを、腹部を挟むようにして対向配置し、超音波の透過信号による伝播時間を測定する。
超音波トモグラフィにおいて透過型測定による伝播時間データは、超音波が通過した腹部組織の音速と超音波が通過した腹部組織の厚さとに依存する情報である。したがって、この伝播時間データに含まれる厚さと音速とを分離して、音速だけを得ることが必要になる。そのため、上記超音波トモグラフィでは、対向する送波器と受波器を腹部の回りで移動させて、複数の方向からの透過伝播時間を求めて、X線CTと同様のCTアルゴリズムによる複雑なトモグラフィ計算を行うことにより、厚さ情報を除いて、音速情報を抽出している。
一方、通常の反射型超音波診断装置を利用するとともに、測定領域を光で照射する機構を設け、光を照射していない時と光照射後との超音波エコー信号の速度変化を算出して、光照射による測定領域の超音波速度変化分布の断層画像(光吸収分布の断層画像)を得ることが提案されている(特許文献1参照)。
この超音波速度変化の断層画像(光吸収分布の断層画像)は、照射された光の吸収による測定領域の温度変化の断層画像を現している。つまり、生体内に光を照射したときに、それぞれの部位の光吸収特性に応じて生体内に温度分布が生じる。生体内を伝播する超音波の音速は、温度に依存して変化することから、光照射前と光照射後の超音波エコー信号の音速変化を各部位ごとに求めて断層画像化することにより、超音波速度変化分布、あるいは温度変化分布、光吸収分布の断層画像が表示されることになる。
図8は、特許文献1に記載された光吸収分布の断層画像を表示するための装置構成を示す図である。被検体100は、赤外線レーザからなる光源40により光照射を受ける。光源40の出射側には、被検体100への光照射を断続するシャッタ42が設けられている。このシャッタ42は、光吸収解析部60により開閉制御される。
超音波の送受は、アレイ型探触子50により行われる。アレイ型探触子50は、送受信部52からの駆動信号により励振されて超音波信号を発し、この超音波信号に対する被検体内からの受波信号(超音波エコー信号)を送受信部52に受信返す。走査制御部54によって、送受波を行う振動子を順に切り換えることにより、アレイ型探触子を走査する。
アレイ型探触子50の受波信号は、Bモード信号処理回路56及び光吸収解析部60に入力される。Bモード信号処理回路56は、その受波信号に対して通常のBモード断層画像形成処理を行ってアレイ型探触子走査範囲の断層画像を形成し、DSC(デジタルスキャンコンバータ)58に書き込む。また、光吸収解析部60は、受波信号を解析してアレイ型探触子走査範囲の光吸収分布(すなわち超音波速度変化分布)の画像を形成する。この超音波速度変化は、光照射前と光照射後のエコー信号の位相変化(波形シフト量)を計算することにより求められる。
上記装置による光吸収分布画像を得るための制御の手順を以下に説明する。まず、光吸収解析部60は、シャッタ42を閉じ、被検体100に光吸収による温度上昇がない状態での探触子50の受波信号(Bモード画像用の受波信号)を1走査分記憶する。このとき、光吸収解析部60は、走査制御部54からの走査情報に基づき、受波信号を走査線(ビーム)ごとに区別して記憶する。次に光吸収解析部60は、シャッタ42を開いて被検体100に光照射を行い、被検体各部に検出可能な温度上昇が起こる程度の時間(これは予め実験で求めて設定しておく)の経過後、再び探触子50の受波信号を1走査分取得する。そして、光吸収解析部60は、1走査線ずつ、光吸収前と光吸収後の受波信号について比較し、位相変化から超音波の音速変化を解析する。この解析結果はDSC58に書き込まれる。DSC58は、この光吸収解析部60の解析結果である光吸収分布画像(すなわち超音波速度変化分布)を表示装置62に表示する。このときBモード画像に重畳して光吸収分布画像をカラー表示するようにしてもよい。例えば、光吸収分布は、被検体各部の温度上昇に対応しているので、暖色系の色を用い、吸収率が高いほど(照射前後の位相差が大きい)明度の高い色になるようにするなどの形態をとれば、画像診断者に直感的に把握しやすい画像が得られる。
このようにして、超音波エコー信号強度(反射強度)(Bモード画像)とは別に、光吸収特性の分布(すなわち超音波速度変化分布)という異なる物理量の分布を表示することができ、被検体組織の多面的な把握が可能になる。
また、光照射前後の超音波エコー信号から超音波速度変化を解析する際に、各超音波エコー信号それぞれの信号波形の包絡線を抽出し、包絡線データに基づいて光照射前後の各超音波エコー信号の信号波形における関心信号区間を抽出するようにして、非照射時超音波エコー信号および光照射後超音波エコー信号の関心信号区間内の信号に基づいて超音波速度変化を求めることにより、アーチファクトの影響をなくして、正確な超音波速度変化の断層画像を表示することが提案されている(特許文献2参照)。
Proceedings of Symposium on Ultrasonic Electronics, Vol.28,(2007),pp.339-340 14-16 November. 2007 特開2001−145628号公報 特開2008−80101号公報
上述した非特許文献1に記載の超音波トモグラフィによる脂肪検出方法によれば、透過型の超音波伝播速度測定による内蔵脂肪の計測が可能になる。しかしながら、透過型の超音波伝播速度測定を行うためには、測定領域(腹部)に対し、超音波の送波器および受波器を全周に配置して、多方向からの測定を行う必要があり、また、測定後の解析についてもCTアルゴリズムを用いた演算処理が必要となり複雑になる。
また、測定の際に超音波送受波器と体表との間で音響的カップリングを保つ必要があり、被検体の測定領域(腹部)全周に、音響カップリングのための媒体(例えばウォーターバッグ)を取り付けなければならず、被検体には大きな負担になる。さらに、測定精度を高めるには、超音波送波器および受波器の位置を正確に移動することが必要となり、そのための制御機構も複雑になる。
それゆえ、透過型ではなく反射型の超音波診断装置による脂肪検出が望まれる。そこで、本発明は通常の超音波診断装置を利用して、被検体の脂肪組織を検出することができる脂肪組織の検出方法および検出装置を提供することを目的とする。
一般に、水中および脂肪中を伝播する超音波速度は既述のとおり、37℃のとき水中音速が1524m/秒、脂肪中音速が1412m/秒であるが、温度変化に対する超音波速度変化を比較すると、以下のとおりである。
水: +2 m/秒・℃
脂肪: −4 m/秒・℃
すなわち、水分が多く含まれる筋肉や内蔵(腸、腎臓)は温度が上がると超音波速度が速くなるのに対し、脂肪部分では超音波速度が減少することになり、超音波速度変化の極性が反転する。
そこで、本発明では、透過型の超音波トモグラフィで法による超音波伝播速度を利用した脂肪領域の検出(非特許文献1)ではなく、測定領域を温度変化させたときの超音波速度変化を利用して脂肪領域の検出を行うものである。
測定領域からの
すなわち、上記課題を解決するためになされた本発明の脂肪検出方法は、(a)近赤外光を照射していないときに被検体の測定領域からの非照射時超音波エコー信号、および、近赤外光照射後の前記測定領域からの光照射後超音波エコー信号を計測する計測工程と、(b)非照射時超音波エコー信号と光照射後超音波エコー信号とに基づいて、前記測定領域における光照射前後の超音波速度変化を算出する超音波速度変化算出工程と、(c)算出された超音波速度変化データにおいて光照射後に超音波速度が負の変化を示す領域を脂肪領域として検出する脂肪領域検出工程とからなる。
本発明によれば、最初の計測工程で、近赤外光を照射していないときに被検体の測定領域から受波した非照射時超音波エコー信号、および、近赤外光照射後に測定領域から受波した光照射後超音波エコー信号を超音波探触子で受波する。
続いて超音波速度変化算出工程で、非照射時超音波エコー信号と光照射後超音波エコー信号とに基づいて、測定領域における光照射前後の超音波速度変化を算出する。
この超音波速度変化は以下の関係から求められる。
図9は非照射時超音波エコー信号と光照射後超音波エコー信号とを示す模式図である。
非照射時の超音波速度をV、光照射後の超音波速度をV’とする。また、非照射時にある境界間を超音波信号が伝播するときの時間をτとし、同じ境界間(距離一定)を光照射後に超音波信号の伝播時間をτ−Δτとする。すなわち、温度変化によりΔτだけパルス間隔が短くなるようにシフトしたとする。
このとき、
V・τ=V’・(τ−Δτ) (1)
の関係が成立し、
したがって、2つのエコー信号におけるパルス間隔の時間変化から超音波速度変化は次式で算出することができる。
V’/V = τ/(τ−Δτ) (2)
次に、脂肪領域検出工程において、算出された超音波速度変化データから、光照射後に超音波速度が負の変化を示す領域を脂肪領域として検出する。
すなわち、式(2)で求められた超音波速度比が1より大きいか小さいかを判断することにより、1より小さければ、その領域は温度変化に対する超音波速度変化が負になる脂肪領域であるとして検出する。
また、別の観点からなされた本発明の脂肪検出装置は、測定領域に近赤外光を照射する光源と、測定領域に超音波信号を送波するとともに測定領域からの超音波エコー信号を受波する超音波送受機構と、近赤外光を照射していないときの測定領域から受波した非照射時超音波エコー信号と近赤外光照射後の測定領域から受波した光照射後超音波エコー信号とに基づいて測定領域への光照射に対する超音波速度変化を算出する超音波速度解析部と、算出された超音波速度変化データにおいて光照射後に超音波速度が負の変化を示す領域を脂肪領域として検出する脂肪領域検出部と、超音波速度変化データに基づいて超音波速度変化の分布に関する断層画像を表示するとともに、検出された脂肪領域を表示する画像表示制御部とを備えるようにしている。
本発明によれば、上述した脂肪検出方法を実現することによって、被検体の脂肪領域を検出することができる。
本発明の脂肪検出方法および脂肪検出装置によれば、透過型ではなく通常使われている反射型の超音波診断装置を利用して、脂肪検出を行うことができる。
また、透過型超音波装置を利用した音速測定で行われる複雑なCTアルゴリズムによる演算をする必要がなくなる。
さらに、被検体の測定領域(腹部)全周に、音響カップリングのための媒体(例えばウォーターバッグ)を取り付ける必要もなくなり、装置が簡単になりかつ被検体の負担が軽減する。
(装置構成)
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態である脂肪検出装置の構成を示すブロック図である。
脂肪検出装置1は、アレイ型探触子2、赤外線レーザ光源3からなるプローブ5と、送受信部6、走査制御部7、超音波速度変化解析部8(光吸収解析部)、包絡線データ抽出部14、関心信号区間抽出部15、脂肪領域検出部16、Bモード信号処理部9、DSC10(デジタルスキャンコンバータ(画像表示制御部))からなる制御系11(コンピュータ装置)と、表示装置12とを備えている。
プローブ5は、被検体100に押し当てられた状態で、アレイ型探触子2から超音波信号が送波されるとともに、赤外線レーザ光源3から700nm〜1000nmの近赤外光が照射される。赤外線レーザ光源3は、超音波速度変化解析部8により点灯制御される。
アレイ型探触子2は、一方向に配列された複数の振動子を有しており、各振動子は、送受信部6からの駆動信号により励振されて超音波信号を発し、この超音波信号に対する被検体内からの超音波エコー信号を送受信部6に返す。走査制御部7は、送受波を行う振動子を順に切り換えることにより、複数(例えば345本)の超音波信号を走査する。図2は1走査線の超音波エコー信号の受信波形の一例を示す図である。組織間の境界部分で振幅の大きな信号が発生している。
アレイ型探触子2の受信信号(超音波エコー信号)は、Bモード信号処理回路9及び超音波速度解析部8に入力される。図Bモード信号処理回路9は、その受信信号に対して周知のBモード断層画像形成処理を行ってビーム走査範囲の断層画像を形成し、DSC10に書き込む。図3は345本の走査超音波ビームの超音波信号から形成されたBモード画像の一例を示す図である。
一方、超音波速度解析部8は、受信信号(超音波エコー信号)を解析して超音波ビーム走査範囲の超音波速度変化の分布の画像を形成する処理を行うが、そのとき、包絡線データ抽出部14、関心信号区間抽出部15を制御する。
包絡線データ抽出部14は、受信信号である非照射時、光照射後の各超音波ビームのエコー信号波形についての包絡線を抽出する包絡線処理を実行する処理を行う。包絡線処理の演算自体は、周知のソフトを利用して行われる。図4(a)は包絡線データの一例であり、図4(b)に示した超音波エコー信号から抽出したものである。
関心信号区間抽出部15は、抽出された包絡線データ全体から、超音波速度の変化を算出する関心信号区間を抽出する処理を行う。すなわち、包絡線データ上で信号のピークが含まれる区間を関心信号区間として抽出する。このとき、予め閾値を設定しておき、閾値以上の信号ピークのみを抽出するようにして、小さなピークをアーチファクトとして除くことにより、処理時間を短縮するようにしてもよい。
包絡線データから関心信号区間を抽出する処理は、具体的には、次のようにして行う。図5(a)に示すように、包絡線データ上での1つの極大点jを中心として予め設定した所定区間M内の各データ(図3ではM=±160点と設定)について比較を行い、中心の極大点が所定区間Mにおける最大値である場合に、この極大点jを中心とする所定区間Mを関心信号区間のひとつとして抽出する。もし、中心の極大点j’が図5(b)に示すように、所定区間Mにおける最大値ではなかった場合は、その区間Mは関心信号区間ではないとして抽出を行わず、次の極大点が新たに中心となるように区間を移動して、同様の操作を繰り返す。例えば、図4の例においては、この方法により、4つの区間が抽出されている。関心信号区間以外については、アーチファクトとして処理されることになる。
そして、超音波速度変化解析部8は、抽出された各関心信号区間に対応する超音波エコー信号の部分(図4(b)の着色部分)に基づいて、非照射時と光照射後との超音波エコー信号それぞれにおける波形シフト量(Δτ)の計算を行う(実際にはシフトしたサンプリング点数(ΔM)をカウントして波形シフト量Δτとする)。また、組織の境界間の超音波伝播時間(τ)を算出する(隣り合う2つの関心信号区間のピークどうしの間のサンプリング点数をカウントして時間(τ)とする)。
例えば、超音波走査線345本のすべての超音波ビームの関心信号区間について同様の解析を行い、それぞれの伝播時間(τ)と波形シフト量(Δτ)を算出する。
そして式(2)に基づいて、各部位の超音波速度比(V’/V)を算出する。さらに超音波速度変化解析部8は超音波速度比の算出結果に基づいて超音波速度変化画像を形成し、DSC10に書き込む。
脂肪領域検出部16は、算出された各部位の超音波速度比(V’/V)に基づいて、この値が1より小さい部位を脂肪領域と判定する。そして脂肪領域画像を所定の色(たとえば青)で表示装置に表示されるようにDSC10に書き込む。
(測定動作)
次に、光トモグラフィ装置1による測定動作例について、図6のフローチャートを用いて説明する。
プローブ5を被検体の測定領域に向けてセットし、測定を開始する。赤外線レーザ光源3に対して光照射を行う制御信号が送られる(S11)。これにより、赤外線レーザ光源3の光が被検体100に照射される。
そして、照射開始から所定時間経過後に、走査制御部7が送受信部6に順次信号を送って、アレイ型探触子2を駆動し、パルス状の超音波信号を送波するとともに、被検体100からの受信信号である超音波エコー信号を受波する(S12)。ここで、光照射開始から超音波送受開始までの所定時間は、被検体100の各部位が十分な光エネルギーを吸収するのに要する時間であり、予め実験等で測定し制御系11の図示しない記憶部に設定しておく。走査制御部7はこれを参照して送受のタイミングを調整する。
そして、光照射状態で取得した超音波エコー信号(受信信号)の波形を、光照射後超音波エコー信号として記憶する(S13)。
光照射後超音波エコー信号の受信波形の記憶が終わると、光照射を停止する制御信号が送られる(S14)。これにより被検体100に対する光照射が停止される。
この照射停止から所定時間経過して被検体100が十分に温度低下したところで、走査制御部7が送受信部6に信号を送ってアレイ型探触子2を駆動し、超音波信号を送波するとともに、被検体100から超音波エコー信号を受波する(S15)。そして、光照射停止状態で取得した超音波エコー信号(受信信号)の波形を非照射時超音波エコー信号として記憶する(S16)。
続いて、光照射後と非照射時の超音波エコー信号に対して、包絡線データを抽出する(S17)。さらに包絡線データ上で所定の閾値以上の信号ピークを抽出し、これに基づいて関心信号区間を抽出する(S18)。続いて、光照射後と非照射時の超音波エコー信号について、関心信号区間から超音波伝播時間(τ)、波形シフト量(Δτ)を算出し、式(2)に基づいて各部位での超音波速度の変化(超音波速度変化比(V’/V))を算出する(S19)。
続いて、算出された各部位の超音波速度変化比(V’/V)に基づいて、この値が1より小さい部位を脂肪領域と判定する。
そして、解析結果の超音波速度変化の分布を画像化して表示装置に表示する(S20)。このとき脂肪領域は所定の色(たとえば青)で表示され、他の部位と明確に分けて表示される。
(測定例)
図7は、本発明の脂肪検出装置1を用いて撮影した断層画像例を示す図であり、図7(a)は測定対象試料を説明する図、図7(b)はそのBモード画像、図7(c)は超音波速度変化画像である。
測定対象試料は、光散乱物質であるイントラリピッド入り寒天を母体とし、その一部に、脂肪領域となるカーボン粉末入りの牛脂片を埋め込んである。カーボン粉末は光照射時に、牛脂片が効率的に加熱されるようにするためであり、造影剤として機能する。なお、参照用に、カーボン粉末入り寒天を、牛脂片と同程度の大きさにして埋め込んである。
この試料に対し、809nmのレーザ光を15秒程度照射(0.1W/cm)することにより超音波速度変化のデータを採取した。
図7(b)のBモード画像では、ほとんど区別がつかないが、図7(c)の本発明による超音波速度変化画像では,脂肪領域を明確に青色で表示させることができた。
本発明は、物体内の脂肪領域を検出する脂肪検出方法および脂肪検出装置として利用することができる。
本発明の一実施形態である脂肪検出装置の構成を示すブロック図。 1本の超音波エコー信号の受信波形の一例を示す図。 345本の超音波信号から形成されたBモード画像の一例を示す図。 包絡線の一例を示す図。 関心区間の抽出例を説明する図。 本発明の一実施形態である脂肪検出装置による測定動作手順を示すフローチャート。 本発明の脂肪検出装置を用いて撮影した断層画像例を示す図。 従来からの光吸収分布の断層画像を表示するための装置構成を示す図。 非照射時超音波エコー信号と光照射後超音波エコー信号とを示す模式図。
符号の説明
1: 脂肪検出装置
2: アレイ型探触子
3: 赤外線レーザ光源
5: プローブ
8: 超音波速度変化解析部
10: DSC(画像表示制御部)
12: 表示装置
14: 包絡線データ抽出部
15: 関心信号区間抽出部
16: 脂肪領域検出部

Claims (3)

  1. 脂肪組織の検出方法であって、
    (a)近赤外光を照射していないときに被検体の測定領域から受波した非照射時超音波エコー信号、および、近赤外光照射後の前記測定領域から受波した光照射後超音波エコー信号を計測する計測工程と、
    (b)非照射時超音波エコー信号と光照射後超音波エコー信号とに基づいて、前記測定領域における光照射前後の超音波速度変化を算出する超音波速度変化算出工程と、
    (c)算出された超音波速度変化データにおいて光照射後に超音波速度が負の変化を示す領域を脂肪領域として検出する脂肪領域検出工程とからなる脂肪組織の検出方法。
  2. 測定領域に近赤外光を照射する光源と、測定領域に超音波信号を送波するとともに測定領域からの超音波エコー信号を受波する超音波送受機構と、赤外光を照射していないときの測定領域から受波した非照射時超音波エコー信号と近赤外光照射後の測定領域から受波した光照射後超音波エコー信号とに基づいて測定領域への光照射に対する超音波速度変化を算出する超音波速度変化解析部と、算出された超音波速度変化データにおいて光照射後に超音波速度が負の変化を示す領域を脂肪領域として検出する脂肪領域検出部と、超音波速度変化データに基づいて超音波速度変化の分布に関する断層画像を表示するとともに、検出された脂肪領域を表示する画像表示制御部とを備えたことを特徴とする脂肪検出装置。
  3. 画像表示制御部は、光照射後に超音波速度が負の変化を示す領域を着色表示する請求項2に記載の脂肪検出装置。
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