JP5288367B2 - 埋込型動作補助装置及びその制御方法及びプログラム - Google Patents

埋込型動作補助装置及びその制御方法及びプログラム Download PDF

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本発明は埋込型動作補助装置及びその制御方法及びプログラムに係り、特に関節の動作を補助または代行するように駆動力を発生させる埋込型動作補助装置及びその制御方法及びプログラムに関する。
例えば、関節の病気により腕や足が動作しにくかったり、あるいは筋力の低下により関節が動作しにくい場合、動作補助具を腕や足に装着して関節の動作を補助する装着式動作補助装置が開発されつつある(特許文献1参照)。
この装着式動作補助装置は、装着者の意思に基づいて発生する生体電位を検出し、この生体電位信号からモータを制御する制御信号を生成する構成であるので、動作補助具の駆動力を自分の筋力と同じように腕や足に伝達することが可能になる。
特開2005−95561号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された埋込型動作補助装置では、装着者の外側から動作補助具を装着してベルト等で身体に固定するものであるので、身体に装着したり身体から外す作業に手間がかかり、手が不自由な人の場合には、誰かに手伝ってもらわないと装着することも外すこともできないといった問題がある。
さらに、上記のような埋込型動作補助装置は、腕や足の関節が損傷している場合には、関節の負担が大き過ぎてしまい、使用することができないおそれがある。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、動作補助具を関節に埋め込むことにより上記課題を解決した埋込型動作補助装置及びその制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
(1)本発明は、関節の動作を補助あるいは代行する埋込型動作補助装置であって、
前記関節の第1の骨に結合される第1のリムと、
前記関節の第2の骨に結合される第2のリムと、
前記第1のリムと前記第2のリムとの間に設けられ、前記第1のリムに対して前記第2のリムを前記関節の回動方向に駆動する駆動手段と、
前記駆動手段と一体に設けられ、前記駆動手段に制御信号を出力する制御手段と、
前記関節の動作に関する物理量を検出する物理量検出手段と、
前記関節を動作させる際に発生する生体信号を検出する生体信号検出手段と、
前記駆動手段と一体に設けられ、前記駆動手段の駆動履歴、前記物理量検出手段及び前記生体信号検出手段により検出した物理量及び生体信号を含む情報信号を体外に送信し、体外からの制御信号を受信する無線通信手段と、
を備えることにより、上記課題を解決するものである。
(2)本発明は、(1)に記載の埋込型動作補助装置であって、
前記物理量検出手段は、
前記第1のリムに対する前記第2のリムの回転角を検出する角度センサと、
前記駆動手段による駆動トルクを検出するトルクセンサと、
前記第1のリム及び前記第2のリムに作用する応力を検出する応力センサと、
を有することにより、上記課題を解決するものである。
(3)本発明は、(1)に記載の埋込型動作補助装置であって、
前記物理量検出手段は、前記駆動手段に供給される駆動電流から前記第1のリムに対する前記第2のリムの回転角及び駆動トルクを演算する演算手段を有することにより、上記課題を解決するものである。
(4)本発明は、(1)乃至(3)の何れかに記載の埋込型動作補助装置であって、
前記制御手段は、前記物理量検出手段により検出された駆動トルク及び応力から前記関節に作用するトルクを求め、このトルクが予め設定された許容値以上になったとき、前記駆動手段の駆動トルクを制限するように駆動電流を制御することにより、上記課題を解決するものである。
(5)本発明は、(1)乃至(4)の何れかに記載の埋込型動作補助装置であって、
前記関節を動作させるための信号を、前記生体信号検出手段により検出された生体信号から取得する生体信号処理手段と、
前記生体信号処理手段により取得された信号を用い、前記装着者の意思に従った動力を前記駆動手段に発生させるための随意的制御信号を生成する随意的制御手段と、
前記随意的制御手段により生成された随意的制御信号に基づいて、前記生体信号の信号に応じた電流を生成し、前記駆動手段に供給する駆動電流生成手段と、
を備えることにより、上記課題を解決するものである。
(6)本発明は、(5)に記載の埋込型動作補助装置であって、
さらにタスクとして分類した装着者の動作パターンを構成する一連の最小動作単位(フェーズ)の各々の基準パラメータを格納したデータベースを備え、
前記随意的制御手段は、前記物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を前記駆動手段に発生させるための随意的制御信号を生成することにより、上記課題を解決するものである。
(7)本発明は、(1)乃至(6)の何れかに記載の埋込型動作補助装置であって、
前記生体信号検出手段により検出された生体信号を用い、前記装着者の意思に従った動力を前記駆動手段に発生させるための随意的制御信号を生成する随意的制御手段と、
タスクとして分類した装着者の動作パターンを構成する一連の最小動作単位(フェーズ)の各々の基準パラメータを格納したデータベースと、
前記物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を前記駆動手段に発生させるための制御信号を生成する自律的制御手段と、
前記随意的制御手段からの随意的制御信号および前記自律的制御手段からの自律的制御信号を合成する制御信号合成手段と、
前記制御信号合成手段により合成された総制御信号に応じた総電流を生成し、前記駆動手段に供給する駆動電流生成手段と、
を備えることにより、上記課題を解決するものである。
(8)本発明は、(7)に記載の埋込型動作補助装置において、
前記データベースは、前記随意的制御信号と前記自律的制御信号との比(ハイブリッド比)を、前記フェーズの基準パラメータと所要の対応関係となるように格納し、
前記制御信号合成手段は、前記自律的制御手段により推定されたタスク及びフェーズに応じ、前記対応関係に基づいて規定されるハイブリッド比となるように、前記随意的制御信号および前記自律的制御信号を合成することにより、上記課題を解決するものである。
(9)本発明は、(7)または(8)に記載の埋込型動作補助装置であって、
前記関節の駆動手段を動作させる指令信号を、前記生体信号検出手段により検出された生体信号から取得する生体信号処理手段を備え、
前記駆動電流生成手段は、前記生体信号処理手段により取得された指令信号に応じて生成したパルス電流の供給により、前記駆動手段の動作を開始させることにより、上記課題を解決するものである。
(10)本発明は、(7)に記載の埋込型動作補助装置であって、
前記随意的制御手段は、前記物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を前記駆動手段に発生させるための随意的制御信号を生成することにより、上記課題を解決するものである。
(11)本発明は、(1)乃至(10)の何れかに記載の埋込型動作補助装置であって、
タスクとして分類した装着者の動作パターンを構成する一連の最小動作単位(フェーズ)の各々の基準パラメータを格納したデータベースと、
前記物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を前記駆動手段に発生させるための自律的制御信号を生成する自律的制御手段と、
前記自律的制御信号に応じた電流を生成し、前記駆動手段に供給する駆動電流生成手段と、
を備えることにより、上記課題を解決するものである。
(12)本発明は、(1)乃至(11)の何れかに記載された埋込型動作補助装置であって、
前記駆動手段から付与された負荷としての駆動力に対する生体信号を前記生体信号検出手段によって検出し、この検出信号に基づいて補正値を設定するキャリブレーション手段を備えたことにより、上記課題を解決するものである。
(13)本発明は、(12)に記載された埋込型動作補助装置であって、
キャリブレーション手段は、
動作補助ユニットが前記装着者に装着された状態で前記駆動源からの所定の駆動力を外的負荷として付与する負荷発生手段と、
該負荷発生手段により付与された駆動力に抗して発生した生体信号を前記生体信号検出手段によって検出し、この検出信号に基づいて前記駆動電流生成手段が行う演算処理のパラメータを生成し、このパラメータを当該装着者固有の補正値として設定する補正値設定手段と、
を備えたことにより、上記課題を解決するものである。
(14)本発明は、(13)に記載された埋込型動作補助装置であって、
前記生体信号検出手段により検出された前記生体信号と前記駆動手段を制御する制御信号との対応関係のデータが格納されたデータベースを有し、
前記補正値設定手段は、前記データベースに格納された制御信号を前記補正値に補正することにより、上記課題を解決するものである。
(15)本発明は、(1)乃至(14)の何れかに記載の埋込型動作補助装置であって、
前記駆動手段は、電動モータからなり、
前記第1のリム及び第2のリムの少なくとも何れか一方に、前記電動モータに電流を供給する充電式バッテリを設け、
前記充電式バッテリは、電磁誘導により体外から充電されることを特徴とする埋込型動作補助装置。
(16)本発明は、(1)乃至(15)の何れかに記載の埋込型動作補助装置であって、
前記駆動手段及び前記無線通信手段は、防水構造とされたケースに収納されていることにより、上記課題を解決するものである。
(17)本発明は、(1)乃至(16)の何れかに記載の埋込型動作補助装置であって、
前記制御手段に任意の制御信号を入力するリモートコントローラを備えることにより、上記課題を解決するものである。
(18)本発明は、(17)に記載の埋込型動作補助装置であって、
前記リモートコントローラは、
任意の入力操作を行なう入力手段と、
前記駆動手段の動作状態を示す情報を表示する表示手段と、
前記駆動手段に対して任意の制御信号を無線信号に変換して送信し、前記無線通信手段を介して制御信号を前記制御手段に入力する通信手段と、
を有することにより、上記課題を解決するものである。
(19)本発明は、(1)乃至(18)の何れかに記載の埋込型動作補助装置の制御手段が実行する制御方法であって、
前記制御手段が、
関節を動作させるための指令信号を生体信号センサにより検出された生体信号から取得する手順と、
前記生体信号から取得された指令信号を用い、装着者の意思に従った動力を前記関節の駆動手段に発生させるための随意的制御信号を生成する手順と、
前記随意的制御信号に基づいて、前記生体信号の信号に応じた電流を生成し、駆動手段に供給する手順と、
前記関節に設けられた物理量検出手段により前記関節の動作に関する物理量を検出する手順と、
を実行することにより、上記課題を解決するものである。
(20)本発明は、(19)に記載の埋込型動作補助装置の制御方法であって、
前記制御手段が、
タスクとして分類した装着者の動作パターンを構成する一連の最小動作単位(フェーズ)の各々の基準パラメータをデータベースに格納する手順と、
前記物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を前記駆動手段に発生させるための制御信号を生成する手順と、
をさらに実行することにより、上記課題を解決するものである。
(21)本発明は、(1)乃至(18)の何れかに記載の埋込型動作補助装置の制御手段が実行する制御方法であって、
前記制御手段が、
タスクとして分類した装着者の動作パターンを構成する一連の最小動作単位(フェーズ)の各々の基準パラメータをデータベースに格納する手順と、
関節を動作させるための指令信号を生体信号検出手段により検出された生体信号から取得する手順と、
前記生体信号から取得された指令信号を用い、前記装着者の意思に従った動力を前記関節の駆動手段に発生させるための随意的制御信号を生成する手順と、
前記関節の動作に関する物理量を検出する物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を前記駆動手段に発生させるための自律的制御信号を生成する手順と、
前記随意的制御信号と前記自律的制御信号とを合成する手順と、
合成された総制御信号に応じた駆動電流を生成し、前記駆動手段に供給する手順と、
前記関節に設けられた物理量検出手段により前記関節の動作に関する物理量を検出する手順と、
を実行することにより、上記課題を解決するものである。
(22)本発明は、(21)に記載の埋込型動作補助装置の制御方法であって、
前記制御手段が、
前記物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を前記駆動手段に発生させるための制御信号を生成することにより、上記課題を解決するものである。
(23)本発明は、(1)乃至(18)の何れかに記載の埋込型動作補助装置の制御手段が実行する制御方法であって、
前記制御手段が、
タスクとして分類した装着者の動作パターンを構成する一連の最小動作単位(フェーズ)の各々の基準パラメータをデータベースに格納する手順と、
物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を駆動手段に発生させるための自律的制御信号を生成する手順と、
前記自律的制御信号に応じた駆動電流を生成し、該駆動電流を前記駆動手段に供給する手順と、
前記装着者の関節に設けられた前記物理量検出手段により前記関節の動作に関する物理量を検出する手順と、
を実行することにより、上記課題を解決するものである。
(24)本発明は、(19)乃至(23)の何れかに記載された埋込型動作補助装置の制御方法であって、
前記制御手段が、
前記駆動手段から付与された負荷としての駆動力に対する生体信号を前記生体信号検出手段によって検出し、この検出信号に基づいて補正値を設定するキャリブレーション処理を実行することにより、上記課題を解決するものである。
(25)本発明は、(19)乃至(24)の何れかに記載された制御方法を、埋込型動作補助装置を制御するためのコンピュータに実行させることにより、上記課題を解決する。
本発明によれば、関節に埋め込まれた制御手段によって生成された駆動情報信号を関節に埋め込まれた駆動手段に入力するため、体外に動作補助具を装着する場合よりも装着脱作業が不要になると共に、動作補助具が体外に突出することがないので、装着者の負担を軽減することができるばかりか、外観的にも装着していることが分かりにくいので、通常の人と同じように生活することが可能になる。また、無線通信手段により駆動手段の駆動履歴、物理量検出手段及び生体信号検出手段により検出した物理量及び生体信号を含む情報信号を体外に送信し、体外からの制御信号を受信するため、上記情報信号により判明した状況を装着者やメンテナンス要員に報知することができる。


また、本発明によれば、電動モータに電流を供給するバッテリ部への充電を体外からの電磁誘導により行えるので、装着者に電源供給のためのケーブルを埋め込む必要がなく、充電作業も簡単に行うことができる。
また、本発明によれば、体内に埋め込まれた駆動手段及び無線通信手段が防水構造とされたケースに収納されるため、体液が浸入することが防止され、体液との接触による作動不良を解消することができる。
また、本発明によれば、関節に作用するトルクを求め、このトルクが予め設定された許容値以上になったとき、駆動手段の駆動トルクを制限するように駆動電流を制御するため、装着者の骨格に無理なトルクをかけないようにして骨格が駆動手段の駆動トルクによって破損することを防止することが可能になる。
また、本発明によれば、リモートコントローラを操作して関節に埋め込まれた制御手段に任意の数値(データ)を入力することが可能なため、制御手段に直接ケーブルを接続しなくても各種の信号入力やデータ入力を簡単に行なうことが可能になる。そのため、装着者自身がリモートコントローラを操作して自分の体調に合った駆動力が得られるように設定値を(パラメータ)を適宜変更することも可能になり、専門知識を有する技術者でなくても、制御手段により制御される駆動手段の駆動力の大きさやレスポンスなどを微調整することも可能になる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明による埋込型動作補助装置の装着状態の一実施例を示す斜視図である。図2Aは動作補助ユニットの構成を示す正面図である。図2Bは動作補助ユニットの構成を示す側面図である。尚、図1においては、例えば4肢のうち腕の肘関節に動作補助具を埋め込んだ場合を例に挙げて説明するが、本発明の動作補助具を両腕の肘、両足の膝の各関節に埋め込むことも可能である。
図1及び図2A、図2Bに示されるように、埋込型動作補助装置10は、関節の動作を補助する装置であって、装着者の関節20に装着される動作補助ユニット30と、動作補助ユニット30に対して無線により体外から入力操作するリモートコントローラ40とから構成されている。リモートコントローラ40は、無線信号を介して動作補助ユニット30の電源のオン・オフ操作やモータ動作情報を読み込んでモニタしたり、あるいは駆動電流を生成する過程で演算処理される際のパラメータを装着者の体調に合わせて調整するといった操作を行える。
動作補助ユニット30は、肘の関節20の上腕骨からなる第1の骨22に結合される第1のリム50と、関節20の肘より下方にある親指側の橈骨及び小指側の尺骨からなる第2の骨24に結合される第2のリム60と、第1のリム50と第2のリム60との間に設けられ、第1のリム50に対して第2のリム60を関節の回動方向に駆動するモータユニット(駆動手段)90とを有する。第1のリム50の上端には、第1の骨22に結合される結合部52が突出しており、第2のリム60の下端には、第2の骨24に結合される結合部62が突出している。
第1のリム50及び第2のリム60の結合部52,62は、骨に直接結合されるため、例えば、チタン、チタン合金またはセラミックス等の腐蝕しにくい材質によって形成されている。また、結合部52,62と骨との結合方法としては、例えば、チタン、チタン合金またはセラミックス等の腐蝕しにくい材質によって形成されたビスやリベットなどの締結部材によって締結される方法が用いられる。
また、モータユニット90の側面には、モータユニット90の駆動履歴などの情報を体外に送信し、リモートコントローラ40からの操作信号を受信する無線送受信機(無線通信手段)80と、モータユニット90に駆動電流を供給する制御部(制御手段)100とが設けられている。尚、制御部100は、外部からの衝撃を受けないように装着側の内側面に配置され、無線送受信機80は電波を送受信しやすい外側面に配置される。
さらに、モータユニット90は、DCモータまたはACモータなどからなる電動モータ(以下「モータ」と称する)92を有する。モータ92は、固定子と回転子とを組み合わせた構成であり、固定子または回転子の一方がコイルで、他方が永久磁石である。モータ92による駆動力は、固定子と回転子との間の相対な回転を減速ギヤ等の減速機構を介して第2のリム60に伝達される。また、モータ92としては、設置スペースが小さく済むように薄型化された超音波モータを用いても良いのは勿論である。
そして、制御部100は、マイクロコンピュータからなり、リモートコントローラ40から送信された入力信号に基づいて動作条件(各種パラメータ)を適宜変更し、装着者自身の体調に合った駆動電流を生成し、この駆動電流をモータ92のコイルに供給することで第1のリム50に対して第2のリム60を回動させる。尚、制御部100(100A〜100F)の取付け位置は、各実施例で共通であるが、各実施例での制御処理が夫々異なるので、実施例1においては、制御部100Aが後述する各制御処理を実行し、他の実施例2〜6では、夫々制御部100B〜100Fが各制御処理を実行するものとして以下説明する。
また、モータユニット90の制御部100には、上腕部の生体電位を検出する生体電位センサ110(生体信号検出手段)が接続されている。装着者は、脳からの神経系統では腕を動作させようとすると、神経伝達信号を発生する。そのため、生体電位センサ110は、上腕の筋肉に埋め込まれるため、筋電位信号や神経伝達信号などの生体電位信号を皮膚を介さないで直接検出することが可能になり、上腕の皮膚表面に貼着されるよりも生体電位信号(生体信号)を正確に検出することができる。
また、上記生体電位センサ110により検出される生体電位信号としては、例えば、心臓の心拍数や心電図を得るため検出される心電位や脳波などがある。
第1のリム50及び第2のリム60の内部には、夫々充電式バッテリユニット120が収納されている。充電式バッテリユニット120は、外部から非接触で充電が行なわれる充電ユニット122と充電式バッテリ124とからなる。充電式バッテリユニット120は、一対ずつ設けられており、一方がメイン電源で、他方が予備電源である。そのため、動作補助ユニット30では、一方の充電式バッテリ124の電圧が低下しても他方の充電式バッテリ124に自動的に切り替わり、電池切れによって突然駆動停止することが防止される。また、充電式バッテリユニット120は、体内に装着された状態のまま充電することができるので、充電寿命が切れるまで長時間(充電可能回数の範囲内)体内に装着したまま使用することが可能である。尚、充電式バッテリユニット120は、第1のリム50及び第2のリム60の夫々に設けても良いし、あるいは何れか一方のリム内部に設けるようにしても良い。
また、モータユニット90は、供給された駆動電流によって発生したトルクTを検出するトルクセンサ(物理量センサ)94と、第1のリム50と第2のリム60との回転角θを検出する角度センサ(物理量センサ)96とを有する。トルクセンサ94及び角度センサ96は、検出したトルク及び角度の検出信号をモータユニット90の制御部100に出力する。トルクセンサ94としては、回転駆動力を伝達する軸の歪みを検出する磁歪式トルクセンサ、あるいはモータ92の駆動側ギヤと負荷側ギヤの位相差を電磁的に検出する電磁式トルクセンサなどが用いられる。また、角度センサ96としては、例えば、回転角に応じた数のパルスを出力するロータリエンコーダや回転角に応じた抵抗値に変化するポテンショメータなどが用いられる。
さらに、第1のリム50及び第2のリム60の外周には、モータ駆動時に作用する応力(歪み)を検出する応力センサ(物理量センサ)130が設けられている。この応力センサ130は、歪みゲージからなり、第1のリム50及び第2のリム60に作用した応力に応じた検出信号をモータユニット90の制御部100に出力する。
制御部100は、トルクセンサ94、角度センサ96、生体電位センサ110、応力センサ130により検出された各検出信号を無線送受信機80を介してリモートコントローラ40に無線により送信する。そのため、リモートコントローラ40は、制御部100から送信された各データを表示してモニタすることができ、例えば、モータ92の駆動力低下やバッテリの電圧低下に伴う充電時期の予測などを簡単に確認することが可能になる。
また、上記トルクセンサ94、角度センサ96を設ける代りにモータ92に供給される駆動電流に基づいてモータ92から第1のリム50、第2のリム60に伝達されるトルク、及び第1のリム50、第2のリム60の相対的な回転角を演算して求めることも可能である。そのため、モータユニット90にトルクセンサ94、角度センサ96を設けることができない場合、あるいはモータユニット90を小型化、軽量化を図るためにトルクセンサ94、角度センサ96を除去して動作補助ユニット30によるトルク、回転角を演算処理により行なうことも可能である。
上記無線送受信機80、モータ92、トルクセンサ94、角度センサ96は、モータユニット90のケース97,98に収容されている。一方のケース97は、第1のリム50のロッド54と一体的に連結され、他方のケース98は第2のリム60のロッド64と一体的に連結されている。ケース97,98は、互いに回動可能に連結されており、連結部分はシール部材によって液密にシールされている。そのため、関節20の内部に装着されたモータユニット90は、体液がケース内側に浸入しない防水構造になっており、体液によってモータ92が作動不良を起こさないように構成されている。
また、ケース97,98は、充電式バッテリ124を充電する際の電磁波やモータ駆動時の磁界を遮蔽するシールド材によって形成されている。
図3は動作補助ユニット30とリモートコントローラ40の概略構成を示すブロック図である。図3に示されるように、動作補助ユニット30の無線送受信機80は、電波を送受信するアンテナ82を有する。アンテナ82は、フィルム状の基板状にアンテナパターンが形成されており、体外との送受信が可能となるようにケース97,98の外側に設けられている。
充電バッテリユニット120の充電ユニット122は、充電式バッテリ124に電流を供給する2次コイル126を有する。充電式バッテリ124を充電する充電器140は、2次コイル126に1次コイル142を近接させて電磁誘導により2次コイル126に2次電流を発生させるように構成されている。従って、充電式バッテリ124は、定期的に充電器140によって体外から充電されることで制御部100及びモータ92に電流を安定供給することが可能になる。また、制御部100は、各制御プログラムや演算処理を行なう際の各パラメータが格納されたメモリ102を有する。
リモートコントローラ40は、電源スイッチ150と、テンキー151と、メモリ152と、キャリブレーションスイッチ154と、データ要求スイッチ156と、液晶パネル(LCD)からなる表示器160と、制御回路170と、無線信号を送受信する無線送受信機(通信手段)180と、充電バッテリユニット190とを有する。充電バッテリユニット190は、前述した充電バッテリユニット120と同様に、充電ユニット122と充電式バッテリ124とを有する。従って、充電バッテリユニット190は、定期的に充電器140によって充電されることで表示器160及び制御回路170に電流を安定供給することが可能になる。
キャリブレーションスイッチ154は、後述するキャリブレーション処理(自動的に行なうように設定されている)を任意のタイミングで行なう際に操作されるスイッチである。
データ要求スイッチ156は、例えば、装着者自身が動作補助ユニット30の動作状態、充電式バッテリ124の残量及び充電の要否、モータ92のトルクや回転角、無線による制御信号に対する応答性などの動作情報を知りたいときに操作するスイッチである。
また、テンキー151を操作して、任意の数値を入力することで、例えば、モータ82のトルクを増減したり、パラメータを微調整して装着者が使いやすいように各種設定値を修正することも可能である。尚、リモートコントローラ40は、各種設定値を修正する場合、予め設定されたパスワードを入力することによって装着者本人や特定のメンテナンス要員、医師などのみが操作可能となるようにプログラムされている。
表示器160は、データ要求スイッチ156がオンに操作されてモータユニット90の制御部100から送信された情報(例えば、動作補助ユニット30の動作状態、充電式バッテリ124の残量及び充電の要否、モータ92のトルクや回転角、無線による制御信号に対する応答性などの動作情報)を表示して装着者やメンテナンス要員に報知することができる。
無線送受信機180は、アンテナ180aにより電波の送受信を行なっており、動作補助ユニット30の無線送受信機80との間で微弱無線と呼ばれる通信方式を用いて通信を行なうように設定されている。
図4は埋込型動作補助装置10の保守管理システム181を示すシステム系統図である。図4に示すように、保守管理システム181は、使用者側に配備される埋込型動作補助装置10と通信を行なう無線中継装置182と、並びに供給者側に配備されるとともに前記使用者側の無線中継装置182にインターネット等の通信ネットワーク183を介して接続された情報管理装置184とを有する。
情報管理装置184は、埋込型動作補助装置10の動作状況を管理するセンタに設置されており、通信ネットワーク183に接続された通信装置185と、通信装置185から入力された各埋込式動作補助装置10の動作状況の情報(モータ92の履歴情報、バッテリ残量などの情報を含む)を逐次格納するデータベース188を有する記憶装置(記憶手段)186と、記憶装置186に格納された各動作状況の情報から当該埋込式動作補助装置10に対する分析を行なう分析装置(分析手段)187とを有する。
また、分析装置187は、データベース188に格納された履歴情報を分析して当該モータユニット90の寿命や過負荷状態の有無などの分析情報を作成するとともに、分析結果の重要度が高い場合にその分析情報を当該埋込型動作補助装置10及びリモートコントローラ40に送信する
通信装置185は、モータユニット90から無線中継装置182及び通信ネットワーク183を介して送信されたモータ92の駆動状態や充電式バッテリ124の残量、寿命などの履歴情報を受信する受信部185Aと、分析手段によって得られた分析結果からモータ92や充電式バッテリ124のメンテナンスが必要であると判定された場合、当該モータユニット90の制御部100に対してメンテナンス情報を送信する送信部185Bとを有する。
埋込型動作補助装置10は、上述のようにモータユニット90が無線送受信機80を有する。そのため、情報管理装置184には、複数の埋込型動作補助装置10から情報が送信され、データベース188上で一括して管理する。
このように、動作補助装置の動作状況を管理するセンタのデータベース188に、複数のモータユニット90から無線送受信機80及び通信ネットワーク183を介して送信されたモータ92の駆動状態の履歴情報や充電式バッテリ124の残量、寿命などの情報を格納し、データベース188に格納された履歴情報を分析する。そして、当該モータユニット90の寿命や過負荷状態の有無などの情報に基づいて得られた分析結果から当該モータユニット90に対してメンテナンス情報を送信することにより、モータユニット90が正常か否かを常時分析することが可能になると共に、モータユニット90で何らかの異常が発生した場合には直ちに警報を無線信号により発して装着者に報知することが可能になる。
図5は実施例1の埋込型動作補助装置の制御系の信号処理を示すシステム系統図である。図5に示されるように、制御部100Aは、演算処理を行なうコンピュータであり、メモリ102から制御プログラムを読み込むことにより後述する各制御処理を実行する。尚、図5の制御部100Aは、図3の制御部100の一例である。
本実施例において、モータユニット90は、生体電位センサ110により検出された生体電位から指令信号を取得する生体電位処理手段(生体信号処理手段)200と、神経伝達信号bおよび筋電位信号cに基づいて動作補助ユニット30のモータユニット90の駆動を制御する随意的制御手段212と、随意的制御手段212から出力された制御信号に応じた駆動電流をモータユニット90に印加する駆動電流生成手段220とを有する。
随意的制御手段212は、後述するように、装着者の意思により腕を動作させる際に生じる生体電位信号aから神経伝達信号bおよび筋電位信号cを生成する生体電位処理手段200からの指令信号に基づいて制御信号を駆動電流生成手段220に出力する。駆動電流生成手段220は、随意的制御手段212からの制御信号に応じた駆動電流を生成してモータユニット90に出力する。
生体電位センサ110は、上腕の内部で発生する生体電位信号aを検出して生体電位処理手段200に入力する。生体電位処理手段200は、生体電位信号aから神経伝達信号bおよび筋電位信号cを抽出して随意的制御手段212に入力する。随意的制御手段212は、装着者の意思で動作補助ユニット30が装着された腕の関節20を動作させる際に生じる生体電位信号aから得られた神経伝達信号bおよび筋電位信号cに基づいて随意的制御信号d1を生成する。
すなわち、随意的制御手段212は、生体電位信号aに含まれる神経伝達信号bおよび筋電位信号c(腕の状態によって検出レベルが低下している場合もある)を用い、装着者の意思に従った動力をモータユニット90に発生させるための随意的制御信号d1を生成する。随意的制御手段212での制御則としては、比例制御を適用することができる。この比例制御により随意的制御信号d1と駆動電流eとが比例関係になる。さらに、モータユニット90の特性により駆動電流値とモータユニット90の発生トルク値とが比例関係になる。尚、随意的制御手段212での制御則としては、比例制御と微分制御および/または積分制御とを組み合わせたものを適用しても良い。
例えば、装着者が関節20を動作させようとすると、腕の内部に設けられた生体電位センサ110は腕の内部から生体電位を直接的に検出し、検出された生体電位に応じた生体電位aを生体電位処理手段200に出力する。このように、生体電位センサ110は、生体電位信号aを上腕の筋肉から直接検出するため、皮膚表面で検出される場合よりも検出精度が高く、微弱な信号でも正確に検出することが可能である。
生体電位処理手段200から神経伝達信号bと筋電位信号cとからなる指令信号を入力された随意的制御手段212は、神経伝達信号bと筋電位信号cから制御信号d1を生成して駆動電流生成手段220に出力する。
駆動電流生成手段220は、随意的制御手段212からの制御信号dに基づいてモータ駆動電流eを生成してモータユニット90のモータ92に供給する。これにより、モータユニット90の駆動力により第1のリム50に対して第2のリム60を回動させる。そのため、動作補助ユニット30を設けられた腕の関節20が角度θを変える方向に回動動作する。
尚、埋込型動作補助装置10は、関節20を構成する骨格が損傷した場合に動作補助手段として有効に作用するものであるので、神経系統が正常である場合には、モータユニット90からのトルクや回転角を装着者自身が神経系統によって感じ取ることができる。
また、装着者が骨格を損傷すると共に、神経系統が麻痺して関節20の動きを装着者自身が感じにくい場合は、装着者の皮膚に貼り付けた振動部材やスピーカなどにより感覚的に感じることができるように例えば、各物理量センサ(トルクセンサ94、角度センサ96、応力センサ130)で検出されたセンサ信号fを感覚的にフィードバックする方式を採用することも可能である。この場合、装着者は、センサ信号fを振動部材など介して伝達されることで関節20の動作状態を間接的に認識することが可能になる。これにより、装着者は、動作補助ユニット30が内蔵された腕を自分の腕と同じように動作させることが可能になる。
図6は生体電位信号から各制御信号を生成する過程を示す図である。図6に示されるように、生体電位センサ110により検出された生体電位信号aは、神経伝達信号bおよび筋電位信号cを有する。神経伝達信号bは意思伝達信号とも言えるもので、筋電位信号の先頭領域と重なっている。神経伝達信号bの周波数は,一般に筋電位信号cの周波数より高いので、異なるバンドパスフィルタを用いることにより分離することができる。
神経伝達信号bは、生体電位信号aを増幅器202により増幅した後、例えば33Hz〜数KHzの高帯域バンドパスフィルタ204により取り出すことができる。また、筋電位信号cは、生体電位信号aを増幅器202により増幅した後、例えば33Hz〜500Hzの中帯域バンドパスフィルタ206により取り出すことができる。尚、図5において、各フィルタ204,206は並列に接続されているがこれに限定されず、両フィルタ204,206が直列に接続されていても良い。
また、神経伝達信号bは、筋電位信号cの先頭領域のみならず、先頭領域以降についても重なる場合が有り得る。この場合には、神経伝達信号bの先頭領域のみを後述するパルス電流の生成に利用するようにすれば良い。
神経伝達信号bおよび筋電位信号cには、スムージング処理を行う。各電流は、生体信号処理手段200からの信号をスムージングして得た制御信号を入力とし、駆動電流生成手段220によって生成される。
神経伝達信号bは、時間軸上の幅が狭いので、スムージング処理だけでもパルス状となり、この神経伝達信号bに基づいて駆動電流生成手段220によって生成される電流もパルス状となる。尚、神経伝達信号bに基づいて得られる電流(パルス電流)e1は、矩形波状となる。一方、筋電位信号cは、時間軸上の幅が広いので、スムージング処理することにより実質的に筋電位に比例する山状となり、この筋電位信号cに基づいて駆動電流生成手段220によって生成される電流e2も山状となる。
神経伝達信号bに基づいて生成されるパルス電流e1と、筋電位信号cに基づいて比例的に生成される電流e2との総電流(随意的制御信号)eがモータユニット90に供給されると、この総電流eに比例する大きさのトルクをモータ92が発生する。モータユニット90のモータ92に入力される各電流e,e1,e2の大きさは、装着者の動作時の感覚により適宜設定される。
ここで、総電流eは十分に大きな電流に設定してあるので、装着者の動作意思に遅れなくモータユニット90が駆動され、装着者は自分の意思に従った関節20の動作を違和感なく行うことができる。尚、パルス電流e1を特に大きく示しているが、これはその役割を強調するためで、実際のパルス電流と筋電位信号から得られた駆動電流e2との関係を示すものではない。
ここで、図5に示す上記制御システムにおける動作補助ユニット30の制御部100Aが実行する制御処理の手順について図7のフローチャートを参照して説明する。制御部100Aは、メモリ152に格納された制御プログラムを読み込んで図7の制御処理を実行する。
図7のSA11において、リモートコントローラ40の電源スイッチ150がオンに操作されると、SA12に進み、生体電位センサ110によって検出された生体電位信号aが受信されたか否かをチェックする。ここで、装着者が自らの意思で動作補助ユニット30が装着された関節20を動作させようとすると、生体電位センサ110により生体電位信号aが検出されるため、SA13の処理に進む。
SA13では、生体電位センサ110により検出した生体電位信号aから神経伝達信号bおよび筋電位信号cを取得する(生体電位処理手段)。続いて、SA14に進み、神経伝達信号bに基づいてパルス電流e1を生成し、且つ筋電位信号cに基づいて電流e2を生成する(駆動電流生成手段)。
次のSA15では、神経伝達信号bに応じたパルス電流e1がモータの駆動開始可能電流の下限値It以上か否かをチェックする。このSA15において、パルス電流e1がモータ92の駆動開始可能電流の下限値It以上でない場合(NOの場合)、SA16に進み、パルス電流e1が駆動開始可能電流の下限値It以上になるように、パルス電流e1を増幅する。
また、SA15において、パルス電流e1がモータ92の駆動開始可能電流の下限値It以上の場合(YESの場合)、SA17に進み、パルス電流e1に応じた指令信号を生成する。続いて、SA18では、筋電位信号cに基づく駆動電流e2をモータ92に出力する。これで、関節20は、動作補助ユニット30のモータ92の駆動力によって回動動作を行なう。
次のSA19では、関節20の動作に伴って動作補助ユニット30から送信された各物理量センサ(トルクセンサ94、角度センサ96、応力センサ130)のセンサ信号fを受信したか否かをチェックする。
続いて、SA20に進み、モータ92の駆動力による関節20の動作に伴って応力センサ130により検出された第1のリム50及び第2のリム60に発生した応力が予め設定された許容値以下か否かをチェックする。この許容値は、第1のリム50及び第2のリム60の結合部52,62と骨との結合強度、及び第1のリム50、第2のリム60が連結された各骨自体の強度に応じて選択的に設定されている。これにより、モータ92の駆動力が結合部52,62と骨との結合強度、及び第1のリム50、第2のリム60と骨の強度を超えないように制御しており、モータ92の駆動力による骨折を防止する。
従って、SA20において、第1のリム50及び第2のリム60に発生した応力が予め設定された許容値以下の場合(YESの場合)、SA21に進み、各物理量センサ(トルクセンサ94、角度センサ96、応力センサ130)の検出値(物理情報)及び関節トルク、駆動トルク、心電位(心拍数、心脈)、脳波等の生体電位信号をリモートコントローラ40の表示器160に表示させる。これにより、装着者は、表示器160の表示から関節20の動作状態及び動作補助ユニット30の動作状態を認識することが可能になる。
また、上記SA20において、第1のリム50及び第2のリム60に発生した応力が予め設定された許容値以上の場合(YESの場合)、SA22に進み、モータ92に供給される駆動電流eを例えば、10%下げる。尚、駆動電流eの下げ幅は、任意の値に設定することが可能であり、例えば、1〜10%の範囲内で設定変更することができる。
そして、SA23では、上記のように制限された駆動電流をモータ92に出力する。これにより、モータ92は結合部52,62と骨との結合強度、及び第1のリム50、第2のリム60と骨の強度を超えないように制限されたトルク、回転角を第1のリム50と第2のリム60との間で発生させる。
続いて、SA24に進み、制限された駆動電流のデータをリモートコントローラ40の表示器160に表示させる。この後は、上記SA19に戻り、関節20の動作に伴って各物理量センサ(トルクセンサ94、角度センサ96、応力センサ130)のセンサ信号fを受信したか否かをチェックしてSA19以降の処理を行なう。
これにより、モータ92の駆動力が許容値以上のときは、駆動電流eを段階的に下げて関節20の骨の強度(結合部52,62と骨との結合強度、及び第1のリム50、第2のリム60と骨の強度)に対して過剰なトルクが伝達されることを防止して腕の骨折を防止する。
このSA11〜SA24の処理は、リモートコントローラ40の電源スイッチ150がオフになるまで繰り返し実行される。これにより、モータ92は、装着者の意思に応じた動作を行なうように駆動制御される。
図8は実施例2の埋込型動作補助装置の制御系の信号処理を示すシステム系統図である。尚、図8において、前述した実施例1の図4と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図8に示す実施例2の制御部100Bは、生体電位処理手段200、随意的制御手段212、データベース300、駆動電流生成手段220を有する。尚、動作補助ユニット30は、前述した実施例1と同じ構成であるので、その説明を省略する。また、図8の制御部100Bは、図3の制御部100の一例である。
制御部100Bのデータベース300は、装着者の関節20の回転角及び角速度等を、全タスクの全フェーズについて経験的に求め、それらの基準パラメータ(基準の回転角及び角速度等)を格納している。そして、随意的制御手段212は、動作補助ユニット30(図1乃至図3を参照)のモータ92の随意的制御を行う際、装着者の動作に関する物理量からデータベース300からタスク及びフェーズを推定し、推定したフェーズに対応するパワーアシスト率となるように駆動力をモータ92に発生させる。
ここで、上記タスク(Task)およびそのフェーズ(Phase)について説明する。タスクとは装着者の各動作パターンを分類したもので、フェーズは各タスクを構成する一連の最小動作単位である。
図9は、人間の基本動作として、歩行(タスクA)、立ち上がり(タスクB)、座り(タスクC)、および階段の昇りまたは降り(タスクD)を例示する図である。尚、本実施例では図1〜3に示されるように、腕の関節20(肘)に動作補助ユニット30を実装した場合について説明しているが、ここでは、説明の便宜上、人間の全身運動動作を例に挙げて説明する。
図9において、各タスクは上記フェーズからなり、例えば歩行タスクAは、両足が揃ったフェーズB1と、右足が前に出たフェーズB2と、左足が前にでて両足が揃った状態になったフェーズB3と、左足が前に出たフェーズB4からなる。
これと同様に動作補助ユニット30による腕の動きも上げ(タスクE)、下げ(タスクF)、腕を水平に旋回(タスクG)といった具合に複数のタスクが規定されており、各タスク毎に肩の動き(フェーズE1)、肘の動き(フェーズE2)、手首の動き(フェーズE3)からなる。
このような一連のフェーズをフェーズ・シークエンス(Phase Sequence)という。装着者の動作を補助するのに適切な動力はフェーズ毎に異なる。そのため、各フェーズによって異なるパワーアシスト率PAR1,PAR2,PAR3,PAR4を付与することにより、フェーズ毎に最適な動作補助を行うことができる。
装着者の動きを分析すると、各フェーズにおける各関節の回転角及び角速度、動作速度及び加速度、姿勢、重心の移動等が決まっていることが分かる。例えば、装着者の典型的な腕の動作パターンは決まっており、そのパターンで腕を動作させるときに最も自然に感じる。従って、装着者の各関節の回転角及び角速度等を、全タスクの全フェーズについて経験的に求め、それらを基準パラメータ(基準の回転角及び角速度等)としてデータべース300に格納しておけば良い。
尚、片腕に動作補助ユニット30が装着された障害者の場合、腕の関節20を動作させて関節20の回転角及び角速度等を、全タスクの全フェーズについて求めることができない場合がある。その場合は、予め動作補助ユニット30を装着する当該装着者と身長及び体重が似ている別人から得た各フェーズにおける基準パラメータ(基準の回転角及び角速度等)を作成してデータべース300に格納するようにする。
図10Aはデータベース300に格納されている各タスク及び各フェーズを模式的に示す図である。図10Bは、物理量を基準パラメータと比較することにより装着者が行おうとしているタスク、およびその中のフェーズを推定するプロセスを示す図である。図10A、図10Bに示すタスクおよびフェーズは、図9に示すものである。例示したタスクA(歩行)、タスクB(立上り)、タスクC(座り)・・・腕の上げ(タスクE)、下げ(タスクF)、腕を水平に旋回(タスクG)は、それぞれ、一連のフェーズ(フェーズA1、フェーズA2、フェーズA3・・・、フェーズB1、フェーズB2、フェーズB3・・・等)により構成されている。
装着者が腕の動作を開始すると、物理量センサとしてのトルクセンサ94、角度センサ96、応力センサ130で検出されたセンサ信号により得られた各種の物理量の実測値をデータベース300に格納された基準パラメータと比較する。この比較は、図10B中のグラフで概略的に示す。このグラフでは、膝の回転角θおよび角速度θ’、腰の回転角θおよび角速度θ’、および重心位置COGおよび重心位置の移動速度COG’を示しているが、勿論比較する物理量はこれらに限定されない。
一定の短い時間間隔で実測の物理量と基準パラメータとを比較する。この比較処理は、全てのタスク(A,B,C・・・)における一連のフェーズについて行う。つまり、図9Aの上部表に示す全てのフェーズ(A1,A2,A3・・・,B1,B2,B3・・・,C1,C2,C3・・・)をマトリックス状に取り出し、実測の物理量と比較することになる。
図10Bのグラフに示すように、例えば時間t1,t2,t3・・・ごとに比較していくと、実測の物理量が全て一致する基準パラメータを有するフェーズを同定することができる。一致の誤差を排除するために、複数の時間で一致することを確認した後で、フェーズの同定を行えば良い。例えば図示の例で、実測値が複数の時間でフェーズA1の基準パラメータと一致したとすると、現在の動作はフェーズA1の動作であることが分かる。勿論、実測値と一致する基準パラメータを有するフェーズは、タスクの最初のフェーズ(A1,B1,C1等)とは限らない。
図11は実施例2の制御部100Bの制御処理を示すフローチャートである。制御部100Bは、メモリ152に格納された制御プログラムを読み込んで図11の制御処理を実行する。
尚、図11のSB11,SB12およびSB14〜SB17、SB24〜SB29は、実質的に図7のSA11〜SA16、SA19〜SA24と同じ処理であるので、それらの説明は省略し、ここではSB13、SB18〜SB23の処理について主に説明する。
図11に示すSB13では、関節20の動作に伴って発生する各物理量(トルク、回転角、応力)を検出したトルクセンサ94、角度センサ96、応力センサ130の検出信号の無線信号が受信されたか否かをチェックする。SB13において、トルクセンサ94、角度センサ96、応力センサ130の検出信号が受信されると、SB14に進む。
SB18では、各センサにより検出された物理量(実測値)とデータベース300に格納された各フェーズの基準パラメータと順次比較する。図10A、図10Bを参照して説明したように、全てのタスクおよび各タスク毎のフェーズは、マトリックス状に存在するので、物理量の実測値と各フェーズの基準パラメータとを、例えばA1,A2,A3・・・,B1,B2,B3・・・,C1,C2,C3・・・との順番で順次比較する。データベース300に格納された基準パラメータは、全てのタスク及びフェーズ(以下では、単に「タスク/フェーズ」という)の間で重複しないように設定されているので、全てのタスク及びフェーズの基準パラメータとの比較を行うと、物理量の実測値と一致する基準パラメータを有するタスク及びフェーズを抽出することができる。
次のSB19では、各センサにより検出された物理量(実測値)とデータベース300に格納された各フェーズの基準パラメータとが一致したか否かをチェックしており、不一致の場合は上記SB18の処理に戻り、SB18,SB19の処理を繰り返す。また、SB19において、各センサにより検出された物理量(実測値)とデータベース300に格納された各フェーズの基準パラメータとが一致した場合は、SB20に進み、センサにより検出された物理量(実測値)とデータベース300に格納された各フェーズの基準パラメータとが一致した回数が予め設定された所定回数に達したか否かをチェックする。
上記SB20において、一致した回数が予め設定された所定回数に達しない場合は、上記SB18の処理に戻り、SB18〜SB20の処理を繰り返す。また、上記SB20において、一致した回数が予め設定された所定回数に達した場合は、SB21に進み、物理量の実測値に一致した基準パラメータに対応するタスク及びフェーズを選択し、装着者の動作を選択したタスク及びフェーズと推定する。
次のSB22は、データベース300を参照することにより、補助すべき動作に対応するフェーズに割り付けたパワーアシスト率を選択し、このパワーアシスト率となる動力をモータユニット90に発生させるように上記随意的制御信号を調整する(随意的制御手段)。
続いて、SB23に進み、調整後の随意的制御信号に応じた電流(総電流e)を生成し、この総電流をモータ92に出力する。この後は、前述したSA19〜SA24と同じ処理をSB24〜SB29で行なう。
このように、実施例2の制御処理によれば、各センサから得られた物理量に基づいて装着者の動作及び関節20の動作を推定し、この推定されたフェーズ毎に最適化されたパワーアシスト率となるように随意的制御信号を生成するため、モータ92がこの随意的制御信号に応じた動力付与を行うことにより、正常な人の動作と同じように関節20の動作がスムーズな動作となる。よって、装着者は、腕の関節20に動作補助ユニット30(図1乃至図3を参照)を装着した状態でスムーズな動作を行うことができる。
図12は実施例3の埋込型動作補助装置の制御系の信号処理を示すシステム系統図である。尚、図12において、前述した図5及び図8と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図12に示す実施例3の制御部100Cは、生体電位処理手段200、随意的制御手段212、データベース300、自律的制御手段310、制御信号合成手段320、駆動電流生成手段220を有する。尚、動作補助ユニット30は、前述した実施例1と同じ構成であるので、その説明を省略する。また、図12の制御部100Cは、図3の制御部100の一例である。
制御部100Cの自律的制御手段310は、各センサにより検出されたセンサ信号f(物理情報信号)が受信されると、受信した各センサの検出値(物理量)とデータベース300に格納された基準パラメータとを比較することにより、装着者のタスク及びフェーズを推定し、推定したフェーズに応じた駆動力をモータ92に発生させるための自律的制御信号d2を生成する。また、制御信号合成手段320は、随意的制御手段212からの随意的制御信号d1および自律的制御手段310からの自律的制御信号d2とを合成して制御信号dを生成する。
自律的制御手段310は、図9および図10A、図10Bに示すように、動作補助ユニット30(図1乃至図3を参照)を装着した装着者が腕を動作する際、トルクセンサ94、角度センサ96、応力センサ130により検出されたトルク、回転角、応力の物理量が受信されると、受信した各センサの検出信号とデータベース300に格納された各タスクの各フェーズの基準パラメータとを比較することにより、装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力をモータ92に発生させるための自律的制御信号d2を生成する。
制御信号合成手段320は、随意的制御手段212からの随意的制御信号d1と自律的制御手段310からの自律的制御信号d2とを合成する。自律的制御では、例えばフェーズ毎に一定の動力を付与する。従って、制御信号合成手段320で合成された制御信号dは、動作の開始から終了まで変化する随意的制御による動力と、フェーズ毎に一定の自律的制御による動力とを加算した動力とをモータ92に発生させるように形成されている。
図13は実施例3の制御部100Cが実行する制御処理を示すフローチャートである。制御部100Cは、メモリ152に格納された制御プログラムを読み込んで図13の制御処理を実行する。
尚、図13のSC11〜SC13,SC15〜SC17,SC22〜SC27は、実質的に図7のSB11〜SB13,SB18〜SB20,SB24〜SB29と同じ処理であるので、それらの説明は省略し、ここではSC14、SC18〜SB21の処理について主に説明する。
図13に示すSC14では、生体電位センサ110により検出された生体電位信号aを用い、装着者の意思に従った駆動力をモータ92に発生させるための随意的制御信号d1を生成する(随意的制御手段)。尚、随意的制御信号d1は、前述した第1、2実施例と同様に、神経伝達信号に応じたパルス電流および筋電位信号に応じた駆動電流を生成するためのものとする。
SC18では、物理量の実測値に一致した基準パラメータに対応するタスク及びフェーズを選択し、装着者の動作を選択したタスク及びフェーズと推定すると共に、このタスク及びフェーズに対応するハイブリッド比(随意的制御信号/自律的制御信号)を規定する。また、ハイブリッド比は、各タスク及びフェーズ毎に、装着者1の動作を違和感なくアシストできるように予め設定され、データベース300に格納される。このハイブリッド比は、各センサによる実測の物理量とデータベース300に格納された基準パラメータとの比較によりフェーズが推定されると、上述したように制御部100Cによって自動的に規定される。
続いて、SC19に進み、推定したフェーズに応じた駆動力をモータ92に発生させるための自律的制御信号を生成する(自律的制御手段)。
次のSC20では、規定したハイブリッド比となるように随意的制御信号d1および自律的制御信号d2を合成して総制御信号dを生成する(制御信号合成手段)。
さらに、SC21に進み、この総制御信号dに応じて生成した駆動電流eに対応する指令信号を出力する。総制御信号dは、随意的制御信号/自律的制御信号の割合から得られる所要のハイブリッド比となるように生成される。そのため、動作補助ユニット30のモータ92は、総制御信号に応じた駆動電流eを供給されることにより、随意的制御信号及び自律的制御信号に応じた駆動力を発生することができ、関節20の動作が正常な腕の動作と同じようにスムーズな動作となる。よって、装着者は、腕の関節20に動作補助ユニット30(図1乃至図3を参照)を装着した状態でスムーズな動作を行うことができる。
図14は実施例4の埋込型動作補助装置の制御系の信号処理を示すシステム系統図である。尚、図14において、前述した図5及び図8及び図12と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図14に示す実施例4の制御部100Dは、生体電位処理手段200、随意的制御手段212、データベース300、自律的制御手段310、制御信号合成手段320、駆動電流生成手段220を有する。尚、動作補助ユニット30は、前述した実施例1と同じ構成であるので、その説明を省略する。また、図14の制御部100Dは、図3の制御部100の一例である。
制御部100Dの随意的制御手段212および自律的制御手段310は、各センサの検出値(物理量)とデータベース300に格納された基準パラメータとを比較することにより、装着者が行おうとしているタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じたハイブリッド比およびパワーアシスト率となるように、随意的制御信号d1および自律的制御信号d2を生成する機能を有する。
従って、随意的制御手段212は、神経伝達信号および筋電位信号に基づいてモータユニット90(図1乃至図3を参照)の駆動を制御する制御信号と、各センサにより検出された装着者の動作に関する物理量からデータベース300からタスク及びフェーズを推定し、推定したフェーズに対応するパワーアシスト率となるように駆動力をモータ92に発生させる制御信号とを生成する。
図15は実施例4の制御部100Dの制御処理を示すフローチャートである。制御部100Dは、メモリ152に格納された制御プログラムを読み込んで図15の制御処理を実行する。
尚、図15のSD11〜SD17,SD21〜SD27は、実質的に図13のSC11〜SC17,SC21〜SC27と同じ処理であるので、それらの説明は省略し、ここではSD18〜SD20の処理について主に説明する。
図15に示すSD18では、物理量の実測値に一致した基準パラメータに対応するタスク及びフェーズを選択し、装着者の動作を選択したタスク及びフェーズと推定すると共に、このタスク及びフェーズに対応するハイブリッド比(随意的制御信号/自律的制御信号)を規定する。さらに、データベース300を参照することにより、補助すべき動作に対応するフェーズに割り付けたパワーアシスト率を規定する。
次のSD19では、この推定したフェーズに応じた動力でモータ92を駆動するための自律的制御信号を生成する。
続いて、SD20に進み、上記のように規定されたハイブリッド比およびパワーアシスト率となるように随意的制御信号d1および自律的制御信号d2を合成して総制御信号dを生成する。これにより、SC21では、規定されたハイブリッド比およびパワーアシスト率となるように随意的制御信号d1および自律的制御信号d2を合成した総制御信号dに応じて生成した駆動電流eに対応する指令信号を生成する。
そのため、動作補助ユニット30(図1乃至図3を参照)のモータユニット90は、上記のように規定されたハイブリッド比およびパワーアシスト率となるように総制御信号に応じた駆動電流eを供給されることにより、随意的制御信号及び自律的制御信号に応じた駆動力を発生することができ、関節20の動作が正常な腕の動作と同じようにスムーズな動作となる。よって、装着者は、腕の関節20に動作補助ユニット30(図1乃至図3を参照)を装着した状態でスムーズな動作を行うことができる。
図16は実施例5の埋込型動作補助装置の制御系の信号処理を示すシステム系統図である。尚、図16において、前述した図5、図8、図12、図14と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図16に示す実施例5では、装着者の腕から生体電位信号aが得られない場合の制御システムであり、生体電位センサ110を用いない制御方法でモータユニット90(図1乃至、図3を参照)の駆動力を制御する。尚、動作補助ユニット30は、前述した実施例1と同じ構成であるので、その説明を省略する。また、図16の制御部100Eは、図3の制御部100の一例である。
実施例5の制御部100Eは、データベース300、自律的制御手段310、駆動電流生成手段220を有する。制御部100Eは、装着者から生体電位信号aが得られないため、随意的制御手段212が設けられていなく、自律的制御手段310によって生成される自律制御信号d2が駆動電流生成手段220に供給される。
自律的制御手段310は、各センサの検出値(物理量)とデータベース300に格納された基準パラメータとを比較することにより、装着者が行おうとしているタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じたハイブリッド比およびパワーアシスト率となるように、自律的制御信号d2を生成する。そのため、駆動電流生成手段220は、自律的制御信号d2に応じた電流を生成し、モータユニット90に供給する。
図17は実施例5の制御部100Eがモータ駆動力を制御する場合の制御方法を示すフローチャートである。制御部100Eは、メモリ152に格納された制御プログラムを読み込んで図17の制御処理を実行する。
尚、図17のSE11〜SE25は、実質的に図14のSD12,SD14を除いた処理手順であり、SD11,SD12,SD13〜SD17,AD19〜SD27と同じ処理であるので、それらの説明は省略する。ここでは、SE18の処理について説明する。
SE18では、規定されたハイブリッド比およびパワーアシスト率となるように自律的制御信号d2を生成する。これにより、規定されたハイブリッド比及びパワーアシスト率となる動力をモータユニット90に発生させることが可能になる。
このように、実施例5の制御部100Eは、装着者から生体電位信号aが得られない場合には、自律的制御手段310によって生成される自律制御信号d2に応じてモータユニット90のモータ92から駆動力が得られるので、関節20の動作がスムーズな動作となる。よって、装着者は、腕の関節20に動作補助ユニット30(図1乃至図3を参照)を装着した状態でスムーズな動作を行うことができる。
図18は実施例6の埋込型動作補助装置の制御系の信号処理を示すシステム系統図である。尚、図18において、前述した図5、図8、図12、図14、図16と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
制御部100Fは、前述した駆動電流生成手段220、感覚フィードバック信号生成手段230の他に、キャリブレーションデータベース400、フェーズ特定手段410、差分導出手段420、パラメータ補正手段430、キャリブレーション制御手段440、負荷発生手段450を有する。尚、動作補助ユニット30は、前述した実施例1と同じ構成であるので、その説明を省略する。また、図18の制御部100Fは、図3の制御部100の一例である。
キャリブレーションデータベース400は、装着者が発生する筋力に対する筋電位(生体電位)の検出感度に応じて制御信号のパラメータを補正するためのデータ記憶手段である。
すなわち、キャリブレーションデータベース400は、動作補助ユニット30(図1乃至図3を参照)を腕の関節に装着した装着者が発する筋力および筋電位信号(生体電位信号)の第1の対応関係を予め格納した第1記憶領域と、装着者が所定の基本動作を行う過程で発する筋力および筋電位信号(生体電位信号)の第2の対応関係を予め格納した第2記憶領域とを有する。
各物理量センサによって検出された関節角度及び生体電位センサ110によって検出された筋電位信号は、キャリブレーションデータベース400に入力される。
そして、キャリブレーション制御手段440は、動作補助ユニット30が装着者の関節20に装着された直後、装着者による基本動作において発生する生体信号と第2の対応関係とに基づいて、第1の対応関係を満たすように生体電位信号に応じたモータ92(図1乃至図3を参照)による補助動力の補正を行う。
すなわち、キャリブレーション制御手段440は、装着者が腕の関節20に動作補助ユニット30が装着されて電源スイッチ150がオンに操作されたときに、キャリブレーション制御処理を実行して負荷発生手段450により駆動電流生成手段220に対してモータ92からの駆動力を負荷(入力トルク)として装着者に段階的に付与させ、この駆動力と拮抗するように装着者は筋力を発生させる。
その後、モータ92からの駆動力を付与された腕の関節20は、予め決められた所定のキャリブレーション動作(例えば、タスクA:着席状態から立ち上がる動作)を行って骨格筋から筋力を発生させる。これにより、上記キャリブレーション動作に伴って角度センサ96(図1参照)が関節角度を検出すると共に、生体電位センサ110が上腕の筋電位信号を検出する。
そして、フェーズ特定手段410では、角度センサ96により検出した関節角度をキャリブレーションデータベース400に格納された関節角度と比較することにより、装着者のキャリブレーション動作パターンのフェーズを特定する。
また、差分導出手段420では、キャリブレーション制御処理の開始により、負荷発生手段450により付与されたモータ92の負荷(入力トルク)と、生体電位センサ110により検出された上腕の筋電位信号(実測値)に対応する筋力(推定トルク)とを比較し、両者の差分を求め上記第2の対応関係を求める。
また、パラメータ補正手段430では、フェーズ特定手段410によって特定されたフェーズにおける差分導出手段420によって算出された負荷(入力トルク)と筋力(推定トルク)との差に基づいて、上記第1の対応関係を満足するようにパラメータKを補正する。負荷発生手段450により付与されたモータ92からの入力トルクと、生体電位センサ110により検出された筋電位信号(実測値)に対応する筋力との差がないときは、基準パラメータを補正しない。
しかし、負荷発生手段450により付与されたモータ92からの入力トルクと、生体電位センサ110により検出された筋電位信号(実測値)に対応する筋力との差があるときは、両者が一致するようにパラメータKを補正する。その際、補正パラメータK’は、入力トルクと推定トルクとが等しくなるように設定される。
そして、キャリブレーション制御手段440は、パラメータ補正手段430によって補正されたパラメータを当該装着者のパラメータとして設定し、次のフェーズに対するキャリブレーションを行う。
このように、キャリブレーションによって設定されたパラメータを用いて生体電位センサ110によって検出された生体電位信号に応じたアシスト力を発生するようにモータ92を制御するため、装着者のその日の状態(皮膚の抵抗値)や生体電位センサ110の取付位置のずれなどに拘り無くパワーアシスト率が所定値を保つように制御することが可能になる。
また、制御部100Fには、角度センサ96によって検出された関節角度及び生体電位センサ110によって検出された筋電位信号が供給されており、関節角度及び筋電位信号に応じた各フェーズ毎のモータ92からの駆動力をキャリブレーション制御手段440によって設定された補正パラメータK’を用いて演算し、その演算結果から得られた制御信号を駆動電流生成手段220に供給する。
また、キャリブレーション制御手段440は、リモートコントローラ40の電源スイッチ150がオンに操作される度にキャリブレーション制御処理を実行するようにしても良いし、あるいは、専用のキャリブレーションスイッチ460を設けることで、操作者が自らの操作でキャリブレーション制御処理を実行するようにしても良い。また、タイマスイッチ470を設けることで、予め設定された任意の時間(例えば、毎朝8時、あるいは月曜の8時といった具合)になるとキャリブレーション制御処理を自動的に実行することも可能である。
このキャリブレーション制御処理は、装着者が動作補助ユニット30の動作を練習する過程で動力補正を行なうために頻繁に実行されることが望ましいが、練習開始から1週間以上経過した場合には、任意の時間毎に実行するように切替えることができる。そのため、電源スイッチ150やキャリブレーションスイッチ460やタイマスイッチ470を使用回数(練習回数)に応じて使い分けるようにしても良いし、あるいはキャリブレーションスイッチ460またはタイマスイッチ470を適宜操作するようにしても良い。
ここで、実施例6の制御部100Fが実行する制御処理の手順について図19に示すフローチャートを参照して説明する。
図19に示されるように、制御部100Fは、S111で動作補助ユニット30(図1乃至図3を参照)が装着者の腕の関節20に装着された後にリモートコントローラ40の電源スイッチ150がオンに操作されると、S112に進み、電源オン操作が初回かどうかをチェックする。S112において、初回である場合には、S113に進み、初期設定モードに移行し、S114で初期設定キャリブレーション処理(請求項18のキャリブレーション手段)を実行する。
すなわち、S114では、モータ92から付与された負荷としての駆動力に対する生体電位センサ110によって検出された生体電位を受信し、この生体電位信号に基づいて補正値を求める。S115において、モータ92への印加電圧を1ランク上げて負荷を増大させる。続いて、S116に進み、負荷が予め設定された上限値に達したかどうかを確認する。S116において、負荷が予め設定された上限値でないときは、上記S114に戻り、S114〜S116の処理を繰り返す。
そして、S116において、負荷が予め設定された上限値に達したときは、S117に進み、上記キャリブレーションで得られたパラメータK’を設定する。
次のS117では、動作補助ユニット30を装着された装着者が静止状態でのキャリブレーションによって得られた装着者の筋力に応じた補正値(パラメータK’)を設定する。すなわち、S115では、装着者が関節20をほぼ90度の角度で曲げた状態で静止したまま1Nmの力を出したときの表面筋電位の値が1になるようにパラメータKを求める。この初回のキャリブレーションでは、モータ92の駆動力(トルクτm)を負荷(入力トルク)として装着者に段階的に付与させるのに対して、装着者はこの駆動力と拮抗するように筋力を発生させる。
このように、モータ92から付与された駆動力に抗して発生した生体電位信号を生体電位センサ110によって検出し、この検出信号に基づいて演算処理のパラメータを生成し、このパラメータを当該装着者固有の補正値としてデータベース400に格納する。
これにより、動作補助ユニット30が装着者に装着された直後に、装着者が所定の基本動作(キャリブレーション動作)を行う過程で発する動力および生体電位信号の対応関係とに基づいて、装着者が発する動力および生体電位信号の対応関係を満たすように生体信号に応じたモータ92の駆動力の補正を行うことが可能になる。
その後は、S118に進み、通常の制御処理を実行する制御モードに移行する。そして、S119において、電源スイッチがオフに操作されるまで、通常の制御モードが継続される。
また、上記S112において、電源オン操作が2回目以降である場合には、S120に進み、前述した再設定モードに移行する。そして、S121では、装着者がワンモーション(1回の動作)での補正値設定キャリブレーション(キャリブレーション手段)を実行し、所定のキャリブレーション動作(例えば、椅子に座った状態から立ち上がる動作に移行する動作パターン)を行うのに伴って得られた装着者の筋力に応じた補正値(パラメータK’)を設定する。その後は、上記S117〜S119の処理を実行する。
尚、本実施例では、2回目以降ワンモーションによるキャリブレーションを行うものとしたが、これに限らず、2回目以降も初回と同様に静止状態のまま補正値設定キャリブレーションを行うようにしても良い。
次に、各補正値設定モード毎の制御処理について図20乃至図22を参照して説明する。
図20は初期設定を行う初回キャリブレーションの制御手順を示すフローチャートである。尚、初回キャリブレーションの場合、前述したように、装着者がモータ負荷に対して関節20の静止状態を保つように筋力を発生させることにより補正値を設定する。
図20に示されるように、制御部100Fは、S131において、装着者が上腕を静止状態を保った状態でモータ92に所定駆動電流を供給して駆動力(入力トルク)を負荷として付与する。そのため、装着者は、着席状態ままモータ92の駆動力に拮抗するように筋力を発生させることになる。
次のS132では、生体電位センサ110によって検出された装着者の上腕の筋電位信号(生体電位信号)を取得する。次のS133では、実測された筋電位信号に基づいて仮想トルクを演算により推定する。
その後、S134に進み、負荷として付与された入力トルクと上記仮想トルクとを比較する。そして、S135において、入力トルクと仮想トルクとの比率を求める。次のS136では、キャリブレーションデータベース400に格納された各フェーズ毎の負荷に対するパラメータを読み出し、このパラメータに上記比率をかけて駆動電流生成手段220に供給される制御信号の補正値(補正パラメータ)を求める。続いて、S137に進み、補正パラメータを自律的制御のパラメータとして設定する。
このように、関節20に動作補助ユニット30が装着された装着者は、静止した状態ままその日の状態に応じた生体信号のキャリブレーションを自動的に行うことができる。そのため、キャリブレーションに要する労力と時間を大幅に削減することが可能になる。
さらに、筋力が衰えた装着者に対してキャリブレーションを行うために余計な負担を強いることがなく、当該装着者の状態に応じた補正値を設定し、装着者の筋電位信号に基づく駆動力を装着者の動作に連動して正確に付与することが可能になる。
よって、キャリブレーションを行う際に装着者の意思に沿ったアシスト力がモータ92から付与され、アシスト力が過大になったり、過小になったりせず、装着者の動作を安定的にアシストして埋込型動作補助装置の信頼性をより高めることができる。
特に装着者が初心者の場合のように、装着された動作補助ユニット30を思うように使うことが難しいと思われる状況においても、装着者は安心してキャリブレーションを行うことができる。
次に前述した再設定モード1(図19のS120参照)のキャリブレーション制御処理について図21を参照して説明する。
図21はワンモーション(1回の動作)による再設定キャリブレーションの制御手順を示すフローチャートである。尚、ワンモーションによるキャリブレーションを行う場合、装着者は、着席したまま腕を曲げ状態から腕を伸び状態に1回だけ動かすことになる。また、メモリ152には、キャリブレーションの動作に対応する基準筋電位が予め格納されている。
図21に示されるように、制御部100Fは、S141において、関節20の角度センサ96からの検出信号の有無を確認する。そして、装着者が着席状態で腕の伸縮動作を行うのに伴う関節20の関節角度の動きを角度センサ96によって検出されると、S142に進み、角度センサ96からの検出信号に基づいて関節20の動作角度を設定する。
続いて、S143に進み、関節20の動作角度に応じた基準筋電位をメモリ152から読み込む。次の、S144では、装着者の上腕の筋電位の実測値を生体電位センサ110から読み込む。そして、S145では、基準筋電位と筋電位の実測値とを比較する。
次の、S146では、基準筋電位と筋電位の実測値との比率を求める。そして、S147では、前述したキャリブレーションデータベース400に格納された関節20の動作角度に応じたパラメータを読み出し、このパラメータに上記比率をかけて駆動電流生成手段220に供給される制御信号の補正値(補正パラメータ)を求める。続いて、S148に進み、補正パラメータを随意的制御のパラメータとして設定する。
このように、2回目以降のキャリブレーションは、モータ駆動力を負荷として使わずに着席した状態で関節20を回動させる動作(ワンモーション)によってパラメータK’を補正することができるので、装着者の体力的な負担を大幅に軽減できると共に、動作補助ユニット30を装着されてからキャリブレーションに要する準備時間を短縮することが可能になる。そのため、2回目以降のキャリブレーションでは、動作開始が速やかに行えることになる。
次に前述した再設定モード2のキャリブレーション制御処理について図22を参照して説明する。この再設定モード2では、装着者が腕を上げ下げする動作を基準動作として行うものとする。
図22に示されるように、制御部100Fは、S151において、角度センサ96からの検出信号の有無を確認する。そして、装着者が腕を上げ下げする動作を行うのに伴って関節20の角度の動きを角度センサ96からの検出信号によって検出すると、S152に進み、角度センサ96からの検出信号に基づいてキャリブレーションデータベース400に格納されたタスクを選択し、装着者の基準動作を設定する。
次のS153では、腕の動作に応じた基準筋電位をメモリ152から読み込む。続いて、S154に進み、装着者の筋電位の実測値を生体電位センサ110から読み込む。そして、S155では、基準筋電位と筋電位の実測値とを比較する。
次の、S156では、基準筋電位と筋電位の実測値との比率を求める。そして、S157では、前述したキャリブレーションデータベース400に格納された関節20の動作角度に応じたパラメータを読み出し、このパラメータに上記比率をかけて駆動電流生成手段220に供給される制御信号の補正値(補正パラメータ)を求める。続いて、S158に進み、補正パラメータを随意的制御のパラメータとして設定する。
次のS159では、キャリブレーション動作のタスクが終了したかどうかを確認する。S159において、まだキャリブレーション動作のフェーズが残っている場合は、S160に進み、次のフェーズに更新して上記S153以降の処理を再度実行する。
また、上記S159において、キャリブレーション動作のタスクが終了した場合は、今回のキャリブレーション処理を終了する。
このように、2回目以降のキャリブレーションは、モータ92の駆動力を使わずにパラメータK’を補正することができるので、装着者の体力的な負担を大幅に軽減できると共に、動作補助ユニット30を装着してからキャリブレーションに要する準備時間を短縮することが可能になる。
従って、キャリブレーションの動作は、装着者が腕の伸縮動作や上げ下げ動作を組み合わせて行うことで表面筋電位のキャリブレーションを行っても良いし、その個人に合った動作によるキャリブレーションを行うことができるので、装着者が身体障害者の場合には動作可能な任意の動作でキャリブレーションを行うことも可能であり、他の動作(タスク)を基準動作とすることも可能である。
尚、実施例6においては、前述した実施例1の制御回路にキャリブレーション制御処理を付加した構成について説明したが、このキャリブレーション制御処理は、他の実施例2〜5においても同様に実行することができるように組み合わせることも可能であるが、その制御処理は上記図19〜図22に示す制御処理と同様であるので、他の実施例2〜5に係るキャリブレーション制御処理の説明は省略する。
ここで、動作補助ユニット30の変形例について説明する。図23は動作補助ユニット30の変形例を示す斜視図である。図23に示されるように、変形例の動作補助ユニット500は、関節510の外側に装着されている。関節510は、上腕骨520と橈骨530、尺骨540とを連結する部分であり、その左右両側にモータユニット550が密着している。モータユニット550は、薄型化されたモータを有しており、防水構造とされたケース内にモータが収納されている。また、モータユニット550の内側は、関節510の形状に応じて曲線状に形成されており、且つ関節510との摩擦を減らすため、摩擦係数の小さい低摩擦材により形成されている。
モータユニット550の上方には、第1のリム560が連結されている。第1のリム560は、上腕骨520に締結部材により固定されており、内部には薄型化された電磁誘導式の充電ユニットと充電式バッテリが収納されている。また、モータユニット550の上方には、第2のリム570が連結されている。第2のリム570は、橈骨530、尺骨540に締結部材により固定されており、内部には薄型化された電磁誘導式の充電ユニットと充電式バッテリが収納されている。
モータユニット550は、前述した各実施例と同様に制御部100(100A〜100F)によって制御される。尚、この変形例における制御処理は、前述した各フローチャートと同じ手順で実行されるため、その説明は省略する。
この変形例のように、動作補助ユニット500を関節510の外側に装着する構成とした場合でも、モータユニット550、第1のリム560、第2のリム570を薄型化することにより、外観から装着していることが分からず、装着脱作業が不用であるので、手足の不自由な身体障害者にとって利便性が向上する。
図24は実施例7のシステム系統を示す図である。尚、図24において、図1と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図24に示されるように、埋込型動作補助装置600は、装着者の関節20に装着される動作補助ユニット30と、動作補助ユニット30から無線により送信された各センサの検出信号を受信する端末装置610とから構成されている。端末装置610は、データを送受信する通信機能及び記憶装置を有する装置で、例えば、装着者が持ち歩くバック等に収納される。
また、端末装置610は、各物理量センサ(トルクセンサ94、角度センサ96、応力センサ130)の検出値(物理情報)及び関節トルク、駆動トルク、心電位(心拍数、心脈)、脳波等の生体電位信号を所定時間毎(例えば、10分毎)に記憶装置に格納し、それらの各検出値が蓄積されると、定期的(例えば、1週間毎)にインターネット等の通信ネットワーク620を介して保守管理システム630に送信する。
保守管理システム630は、前述した情報管理装置184を有しており、端末装置610から定期的に送信された各物理量センサの検出値を情報管理装置184において、定期的に一括して分析処理する。そのため、情報管理装置184では、複数の動作補助ユニット30で検出された情報から送信される回数が減少して演算処理の効率を高められ、不特定多数の装着者に対するメンテナンス管理を合理化することが可能になる。
尚、上記実施例では、装着者の腕の関節20に動作補助ユニット30を装着した場合を一例として挙げたが、これに限らず、右足、左足の膝関節または右腕、左腕の何れかに装着される場合、あるいは両腕、両足に動作補助ユニットが装着される場合にも本発明が適用できるのは勿論である。すなわち、本発明は、装着者の両足、両腕の4肢の何れかあるいは全てに装着される動作補助ユニットの駆動手段を制御するのに好適である。
また、上記実施例では、腕の関節20をモータ92で駆動する構成を一例として挙げたが、これに限らず、例えば、手首の関節や足首の関節を駆動する構成のものにも本発明が適用できるのは言うまでもない。
本発明による埋込型動作補助装置の装着状態の一実施例を示す斜視図である。 動作補助ユニットの構成を示す正面図である。 動作補助ユニットの構成を示す側面図である。 動作補助ユニット30とリモートコントローラ40の概略構成を示すブロック図である。 埋込型動作補助装置10の保守管理システム181を示すシステム系統図である。 実施例1の埋込型動作補助装置の制御系の信号処理を示すシステム系統図である。 生体電位信号から各制御信号を生成する過程を示す図である。 制御部100Aが実行する制御処理の手順を説明するためのフローチャートである。 実施例2の埋込型動作補助装置の制御系の信号処理を示すシステム系統図である。 人間の基本動作として、歩行(タスクA)、立ち上がり(タスクB)、座り(タスクC)、および階段の昇りまたは降り(タスクD)を例示する図である。 データベース300に格納されている各タスク及び各フェーズを模式的に示す図である。 物理量を基準パラメータと比較することにより装着者が行おうとしているタスク、およびその中のフェーズを推定するプロセスを示す図である。 実施例2の制御部100Bでモータ駆動力を制御する場合の制御方法を示すフローチャートである。 実施例3の埋込型動作補助装置の制御系の信号処理を示すシステム系統図である。 実施例3の制御部100Cでモータ駆動力を制御する場合の制御方法を示すフローチャートである。 実施例4の埋込型動作補助装置の制御系の信号処理を示すシステム系統図である。図12に同じく 実施例4の制御部100Dでモータ駆動力を制御する場合の制御方法を示すフローチャートである。 実施例5の埋込型動作補助装置の制御系の信号処理を示すシステム系統図である。 実施例5の制御部100Eがモータ駆動力を制御する場合の制御方法を示すフローチャートである。 実施例6の埋込型動作補助装置の制御系の信号処理を示すシステム系統図である。 実施例6の制御部100Fが実行する制御処理の手順を説明するためのフローチャートである。 初期設定を行う初回キャリブレーションの制御手順を示すフローチャートである。 ワンモーション(1回の動作)による再設定キャリブレーションの制御手順を示すフローチャートである。 設定モード2のキャリブレーション制御処理を説明するためのフローチャートである。 動作補助ユニット30の変形例を示す斜視図である。 実施例7のシステム系統を示す図である。
符号の説明
10,600 埋込型動作補助装置
20,510 関節
30,500 動作補助ユニット
40 リモートコントローラ
50,560 第1のリム
60,570 第2のリム
80,180 無線送受信機
90,550 モータユニット
92 電動モータ
94 トルクセンサ
96 角度センサ
97,98 ケース
100,100A〜100E 制御部
110 生体電位センサ
120,190 充電式バッテリユニット
122 充電ユニット
124 充電式バッテリ
126 電磁誘導コイル
130 応力センサ
140 充電器
150 電源スイッチ
152 メモリ
154 キャリブレーションスイッチ
160 表示器
170 制御回路
181,630 保守管理システム
182 無線中継装置
183,620 通信ネットワーク
184 情報管理装置
185 通信装置
186 記憶装置
187 分析装置
188 データベース
190 充電バッテリユニット
200 生体電位処理手段
212 随意的制御手段
220 駆動電流生成手段
300 データベース
310 自律的制御手段
320 制御信号合成手段
400 キャリブレーションデータベース
410 フェーズ特定手段
420 差分導出手段
430 パラメータ補正手段
440 キャリブレーション制御手段
450 負荷発生手段
610 端末装置

Claims (25)

  1. 関節の動作を補助あるいは代行する埋込型動作補助装置であって、
    前記関節の第1の骨に結合される第1のリムと、
    前記関節の第2の骨に結合される第2のリムと、
    前記第1のリムと前記第2のリムとの間に設けられ、前記第1のリムに対して前記第2のリムを前記関節の回動方向に駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段と一体に設けられ、前記駆動手段に制御信号を出力する制御手段と、
    前記関節の動作に関する物理量を検出する物理量検出手段と、
    前記関節を動作させる際に発生する生体信号を検出する生体信号検出手段と、
    前記駆動手段と一体に設けられ、前記駆動手段の駆動履歴、前記物理量検出手段及び前記生体信号検出手段により検出した物理量及び生体信号を含む情報信号を体外に送信し、体外からの制御信号を受信する無線通信手段と、
    を備えることを特徴とする埋込型動作補助装置。
  2. 請求項1に記載の埋込型動作補助装置であって、
    前記物理量検出手段は、
    前記第1のリムに対する前記第2のリムの回転角を検出する角度センサと、
    前記駆動手段による駆動トルクを検出するトルクセンサと、
    前記第1のリム及び前記第2のリムに作用する応力を検出する応力センサと、
    を有することを特徴とする埋込型動作補助装置。
  3. 請求項1に記載の埋込型動作補助装置であって、
    前記物理量検出手段は、前記駆動手段に供給される駆動電流から前記第1のリムに対する前記第2のリムの回転角及び駆動トルクを演算する演算手段を有することを特徴とする埋込型動作補助装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の埋込型動作補助装置であって、
    前記制御手段は、前記物理量検出手段により検出された駆動トルク及び応力から前記関節に作用するトルクを求め、このトルクが予め設定された許容値以上になったとき、前記駆動手段の駆動トルクを制限するように駆動電流を制御することを特徴とする埋込型動作補助装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の埋込型動作補助装置であって、
    前記関節を動作させるための信号を、前記生体信号検出手段により検出された生体信号から取得する生体信号処理手段と、
    前記生体信号処理手段により取得された信号を用い、前記装着者の意思に従った動力を前記駆動手段に発生させるための随意的制御信号を生成する随意的制御手段と、
    前記随意的制御手段により生成された随意的制御信号に基づいて、前記生体信号の信号に応じた電流を生成し、前記駆動手段に供給する駆動電流生成手段と、
    を備えることを特徴とする埋込型動作補助装置。
  6. 請求項5に記載の埋込型動作補助装置であって、
    さらにタスクとして分類した装着者の動作パターンを構成する一連の最小動作単位(フェーズ)の各々の基準パラメータを格納したデータベースを備え、
    前記随意的制御手段は、前記物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を前記駆動手段に発生させるための随意的制御信号を生成することを特徴とする埋込型動作補助装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の埋込型動作補助装置であって、
    前記生体信号検出手段により検出された生体信号を用い、前記装着者の意思に従った動力を前記駆動手段に発生させるための随意的制御信号を生成する随意的制御手段と、
    タスクとして分類した装着者の動作パターンを構成する一連の最小動作単位(フェーズ)の各々の基準パラメータを格納したデータベースと、
    前記物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を前記駆動手段に発生させるための制御信号を生成する自律的制御手段と、
    前記随意的制御手段からの随意的制御信号および前記自律的制御手段からの自律的制御信号を合成する制御信号合成手段と、
    前記制御信号合成手段により合成された総制御信号に応じた総電流を生成し、前記駆動手段に供給する駆動電流生成手段と、
    を備えることを特徴とする埋込型動作補助装置。
  8. 請求項7に記載の埋込型動作補助装置において、
    前記データベースは、前記随意的制御信号と前記自律的制御信号との比(ハイブリッド比)を、前記フェーズの基準パラメータと所要の対応関係となるように格納し、
    前記制御信号合成手段は、前記自律的制御手段により推定されたタスク及びフェーズに応じ、前記対応関係に基づいて規定されるハイブリッド比となるように、前記随意的制御信号および前記自律的制御信号を合成することを特徴とする埋込型動作補助装置。
  9. 請求項7または8に記載の埋込型動作補助装置であって、
    前記関節の駆動手段を動作させる指令信号を、前記生体信号検出手段により検出された生体信号から取得する生体信号処理手段を備え、
    前記駆動電流生成手段は、前記生体信号処理手段により取得された指令信号に応じて生成したパルス電流の供給により、前記駆動手段の動作を開始させることを特徴とする埋込型動作補助装置。
  10. 請求項7に記載の埋込型動作補助装置であって、
    前記随意的制御手段は、前記物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を前記駆動手段に発生させるための随意的制御信号を生成することを特徴とする埋込型動作補助装置。
  11. 請求項1乃至10の何れかに記載の埋込型動作補助装置であって、
    タスクとして分類した装着者の動作パターンを構成する一連の最小動作単位(フェーズ)の各々の基準パラメータを格納したデータベースと、
    前記物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を前記駆動手段に発生させるための自律的制御信号を生成する自律的制御手段と、
    前記自律的制御信号に応じた電流を生成し、前記駆動手段に供給する駆動電流生成手段と、
    を備えることを特徴とする埋込型動作補助装置。
  12. 請求項1乃至11の何れかに記載された埋込型動作補助装置であって、
    前記駆動手段から付与された負荷としての駆動力に対する生体信号を前記生体信号検出手段によって検出し、この検出信号に基づいて補正値を設定するキャリブレーション手段を備えたことを特徴とする埋込型動作補助装置。
  13. 請求項12に記載された埋込型動作補助装置であって、
    キャリブレーション手段は、
    動作補助ユニットが前記装着者に装着された状態で前記駆動源からの所定の駆動力を外的負荷として付与する負荷発生手段と、
    該負荷発生手段により付与された駆動力に抗して発生した生体信号を前記生体信号検出手段によって検出し、この検出信号に基づいて前記駆動電流生成手段が行う演算処理のパラメータを生成し、このパラメータを当該装着者固有の補正値として設定する補正値設定手段と、
    を備えたことを特徴とする埋込型動作補助装置。
  14. 請求項13に記載された埋込型動作補助装置であって、
    前記生体信号検出手段により検出された前記生体信号と前記駆動手段を制御する制御信号との対応関係のデータが格納されたデータベースを有し、
    前記補正値設定手段は、前記データベースに格納された制御信号を前記補正値に補正することを特徴とする埋込型動作補助装置。
  15. 請求項1乃至14の何れかに記載の埋込型動作補助装置であって、
    前記駆動手段は、電動モータからなり、
    前記第1のリム及び第2のリムの少なくとも何れか一方に、前記電動モータに電流を供給する充電式バッテリを設け、
    前記充電式バッテリは、電磁誘導により体外から充電されることを特徴とする埋込型動作補助装置。
  16. 請求項1乃至15の何れかに記載の埋込型動作補助装置であって、
    前記駆動手段及び前記無線通信手段は、防水構造とされたケースに収納されていることを特徴とする埋込型動作補助装置。
  17. 請求項1乃至16の何れかに記載の埋込型動作補助装置であって、
    前記制御手段に任意の制御信号を入力するリモートコントローラを備えることを特徴とする埋込型動作補助装置。
  18. 請求項17に記載の埋込型動作補助装置であって、
    前記リモートコントローラは、
    任意の入力操作を行なう入力手段と、
    前記駆動手段の動作状態を示す情報を表示する表示手段と、
    前記駆動手段に対して任意の制御信号を無線信号に変換して送信し、前記無線通信手段を介して制御信号を前記制御手段に入力する通信手段と、
    を有することを特徴とする埋込型動作補助装置。
  19. 請求項1乃至18の何れかに記載の埋込型動作補助装置の制御手段が実行する制御方法であって、
    前記制御手段が、
    関節を動作させるための指令信号を生体信号センサにより検出された生体信号から取得する手順と、
    前記生体信号から取得された指令信号を用い、装着者の意思に従った動力を前記関節の駆動手段に発生させるための随意的制御信号を生成する手順と、
    前記随意的制御信号に基づいて、前記生体信号の信号に応じた電流を生成し、前記駆動手段に供給する手順と、
    前記関節に設けられた物理量検出手段により前記関節の動作に関する物理量を検出する手順と、
    を実行することを特徴とする埋込型動作補助装置の制御方法。
  20. 請求項19に記載の埋込型動作補助装置の制御方法であって、
    前記制御手段が、
    タスクとして分類した装着者の動作パターンを構成する一連の最小動作単位(フェーズ)の各々の基準パラメータをデータベースに格納する手順と、
    前記物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を前記駆動手段に発生させるための制御信号を生成する手順と、
    をさらに実行することを特徴とする埋込型動作補助装置の制御方法。
  21. 請求項1乃至18の何れかに記載の埋込型動作補助装置の制御手段が実行する制御方法であって、
    前記制御手段が、
    タスクとして分類した装着者の動作パターンを構成する一連の最小動作単位(フェーズ)の各々の基準パラメータをデータベースに格納する手順と、
    関節を動作させるための指令信号を生体信号検出手段により検出された生体信号から取得する手順と、
    前記生体信号から取得された指令信号を用い、前記装着者の意思に従った動力を前記関節の駆動手段に発生させるための随意的制御信号を生成する手順と、
    前記関節の動作に関する物理量を検出する物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を前記駆動手段に発生させるための自律的制御信号を生成する手順と、
    前記随意的制御信号と前記自律的制御信号とを合成する手順と、
    合成された総制御信号に応じた駆動電流を生成し、前記駆動手段に供給する手順と、
    前記関節に設けられた物理量検出手段により前記関節の動作に関する物理量を検出する手順と、
    を実行することを特徴とする埋込型動作補助装置の制御方法。
  22. 請求項21に記載の埋込型動作補助装置の制御方法であって、
    前記制御手段が、
    前記物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を前記駆動手段に発生させるための制御信号を生成することを特徴とする埋込型動作補助装置の制御方法。
  23. 請求項1乃至18の何れかに記載の埋込型動作補助装置の制御手段が実行する制御方法であって、
    前記制御手段が、
    タスクとして分類した装着者の動作パターンを構成する一連の最小動作単位(フェーズ)の各々の基準パラメータをデータベースに格納する手順と、
    物理量検出手段により検出された物理量と前記データベースに格納された基準パラメータとを比較することにより、前記装着者のタスク及びフェーズを推定し、このフェーズに応じた動力を駆動手段に発生させるための自律的制御信号を生成する手順と、
    前記自律的制御信号に応じた駆動電流を生成し、該駆動電流を前記駆動手段に供給する手順と、
    前記装着者の関節に設けられた前記物理量検出手段により前記関節の動作に関する物理量を検出する手順と、
    を実行することを特徴とする埋込型動作補助装置の制御方法。
  24. 請求項19乃至23の何れかに記載された埋込型動作補助装置の制御方法であって、
    前記制御手段が、
    前記駆動手段から付与された負荷としての駆動力に対する生体信号を前記生体信号検出手段によって検出し、この検出信号に基づいて補正値を設定するキャリブレーション処理を実行することを特徴とする埋込型動作補助装置の制御方法。
  25. 請求項19乃至24の何れかに記載された制御方法を、埋込型動作補助装置を制御するためのコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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