JP5287000B2 - 管網シミュレーション装置 - Google Patents
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Description
本発明は、管網シミュレーション装置に関し、特に画像処理により検出した地図のエッジ情報を利用してなる管網シミュレーション装置に関する。
従来、地理情報システムを利用して配電線網や、ガス・水道管網を管理するシステムがある。地図情報システムは、地図に関する属性情報(構造物、人口密度、土地利用などの情報)を持ち、これら属性情報を加工して都市計画や土地管理・マーケティング等を支援するための情報を得ることができる。例えば、下水道分野においては、人口密度や土地利用状態を考慮して下水道の管網シミュレーションを行うことにより、近年の都市化の影響によって懸念される降雨時の急激な雨水増量による浸水等の状態を予測したり把握・検討したりすることができる。
また、特許文献1、非特許文献1、非特許文献2には、排水面積に対する不浸透域の割合である不浸透面積率を求める方法として以下の方法が開示されている。
1)サンプリング法:航空写真あるいは土地利用図に適当なメッシュを切り、乱数でいくつかのメッシュを選び出し、選んだメッシュ内の表面工種が浸透面か不浸透面かを読み取り、その割合から全体の不浸透面積率の推進値とする方法である。
2)画像処理法:航空写真あるいは土地利用図に対し、色抽出処理によって緑地や土部分を抽出し、不浸透面積率を求める方法である。
1)サンプリング法:航空写真あるいは土地利用図に適当なメッシュを切り、乱数でいくつかのメッシュを選び出し、選んだメッシュ内の表面工種が浸透面か不浸透面かを読み取り、その割合から全体の不浸透面積率の推進値とする方法である。
2)画像処理法:航空写真あるいは土地利用図に対し、色抽出処理によって緑地や土部分を抽出し、不浸透面積率を求める方法である。
上述したような管網シミュレーションに人口密度の推定値を用いる場合、この人口密度の推定値を求める手段として、上述したサンプリング法、画像処理法を利用することが考えられる。しかしながら、上述した従来の手法を利用して人口密度の推定値を求める場合には次のような問題があった。
1)サンプリング法
(イ)作業量が膨大で調査に時間がかかる。
(ロ)作業者によって調査結果にバラツキが生じる場合がある。
(イ)作業量が膨大で調査に時間がかかる。
(ロ)作業者によって調査結果にバラツキが生じる場合がある。
2)航空写真に対する画像処理法
(イ)夕日や朝日などの太陽光やカメラ感度などの撮影条件により写真の色状態が一定ではないため、同じ地区の航空写真であっても撮影日時の異なる航空写真に対してそのまま色抽出すると結果が異なる可能性がある。
(ロ)航空写真を貼り合せて広域の画像にする場合、撮影時刻、天候、太陽光、カメラ感度などの撮影条件が異なることにより写真の境界線で色と明暗が不連続になり境界線にノイズができる可能性がある。
(イ)夕日や朝日などの太陽光やカメラ感度などの撮影条件により写真の色状態が一定ではないため、同じ地区の航空写真であっても撮影日時の異なる航空写真に対してそのまま色抽出すると結果が異なる可能性がある。
(ロ)航空写真を貼り合せて広域の画像にする場合、撮影時刻、天候、太陽光、カメラ感度などの撮影条件が異なることにより写真の境界線で色と明暗が不連続になり境界線にノイズができる可能性がある。
このような問題により、管網シミュレーションを煩雑にし、またシミュレーションの精度を低下させるおそれがあった。
このようなことから本発明は、簡単な構成で高精度に管網シミュレーションを行うことが可能な管網シミュレーション装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明に係る管網シミュレーション装置は、地図の画像を読み込む画像入力手段と、画像処理により前記画像入力手段によって取り込んだ入力画像上の線の輪郭を抽出するエッジ検出手段と、取り込んだ画像を予め設定する大きさの領域に分割する画像分割手段と、前記画像分割手段によって区切られた領域ごとのエッジの量を求めるエッジ量カウント手段と、前記エッジ量カウント手段によって求めたエッジの量に基づいて人口密度の推定値を算出する人口密度推定手段と前記人口密度推定手段によって求めた人口密度の推定値を用いて上下水道の設備の状態変化を求める管網シミュレーション手段とを備えることを特徴とする。
また、第2の発明に係る管網シミュレーション装置は、第1の発明に係る管網シミュレーション装置において、地図上の二地点以上の位置における人口密度の真値に基づいて人口密度の推定に用いる係数を演算する係数演算手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理による人口密度推定装置。
上述した第1の発明に係る管網シミュレーション装置によれば、通常の人口密度は広域をひとまとめにした人口密度で表されるのに対し、地図上の局所的で多地点の人口密度がわかることにより、等高線表示のような局所的な人口密度分布が容易に作成でき、より高精度に管網シミュレーションを行うことが可能となる。
また、航空写真を用いる場合、撮影時刻、天候、太陽光、カメラ感度などの撮影条件により写真にバラツキが生じるおそれがあり、画像処理の結果にバラツキが生じる可能性があるのに対し、本発明では描写にバラツキのない地図を用いるため画像処理による人口密度の推定結果にバラツキが生じるおそれがないという利点がある。
さらに、航空写真を用いる場合、複数の航空写真をタイル状に繋ぎ合わせて全体の写真を構成する必要があるため、繋ぎ合わせる際に境界部分が不連続になりこれがノイズになるおそれがあるのに対し、本発明では地図を利用するためこのような境界線によるノイズが生じるおそれがなく人口密度の推定をより確実に行うことができるという利点がある。
さらに加えて、地図から得たエッジ量を管網シミュレータで解析することにより、次の利点がある。
上水道分野では、人口密度から配水状態や配水バランスのシミュレーションができるため、配水地やポンプやバルブ等設備の状態変化の把握ができる。さらに設備の運用方法の検討や課題の対策ができる利点がある。
下水道分野では、土地利用状態や人口密度から下水道の管網シミュレーションができるため、近年の都市化による雨水の浸水状態の把握や対策ができる利点がある。
また、第2の発明に係る管網シミュレーション装置によれば、二地点以上の人口密度の真値をもとに算出した係数を用いて人口密度の推定値を求めるので、多地点の人口密度を推定するための係数としてより信頼性が高い係数を得ることができ、管網視乳レーションをより高精度に行うことができる。
本発明の実施形態の詳細を以下の実施例において説明する。
図1乃至図5を用いて本発明の第1の実施例を説明する。図1は本実施例に係る地図のエッジ情報を利用してなる管網シミュレーション装置の構成を表すブロック図、図2は本実施例に係る地図のエッジ情報を利用してなる管網シミュレーション装置における処理の流れを示すフローチャート、図3は画像を複数の領域に分割する例を示す説明図、図4は画像中の輪郭を抽出した例を示す説明図、図5は本実施例により得られる人口密度を等高線表示した例を示す説明図である。
図1に示すように、本実施例に係る地図のエッジ情報を利用してなる管網シミュレーション装置は、画像入力手段11、エッジ検出手段12、画像分割手段13、エッジ量カウント手段14、人口密度推定手段15、及び、管網シミュレート手段16を備え、一般的な地図を利用してこの地図上に表示された家屋やビル等といった建造物を画像処理によりエッジとして抽出し、得られたエッジの量に基づいて推定した人口密度を利用して管網シミュレーションを行うものである。なお、人口密度の推定は、図1中破線で囲んだ部分で行われる。
画像入力手段11は国土地理院等が発行する属性情報のない一般的な地図を例えばスキャナー装置等により入力画像として本装置のメモリへ読み込む手段である。以下、例として、図3に模式的に示した地図から人口密度を推定する場合について説明する。
エッジ検出手段12は、画像入力手段11によって読み込んだ例えば図3に示すような入力画像に対し、sobelフィルタや微分フィルタにより入力画像中に表示されている線、即ち、家屋やビル等といった建造物などの輪郭を抽出し、これをエッジとして検出する手段である。該エッジ検出手段12では、例えば図4に示すように、検出したエッジ部分を白色、それ以外の部分を黒色として出力する。
画像分割手段13はエッジ検出手段12によってエッジを検出された入力画像を予め設定された単位面積に対応するメッシュで縦横に区切り、複数に分割する手段である。例えば、入力画像を横方向に31分割、縦方向に23分割した場合は、図4に示すような領域に区切られる。
エッジ量カウント手段14は画像分割手段13によって区切られた領域、例えば図4に示すそれぞれの位置(i,j)(但し、1≦i≦31、1≦j≦23)の領域ごとにエッジの量をカウントし、各領域のエッジ量e(i,j)を求める手段である。該エッジ量カウント手段14では、例えば、図4に示すそれぞれの領域ごとに輝度を計測し、この輝度を各々の位置(i,j)におけるエッジ量として出力する。
人口密度推定手段15は下記(1)式に示すようにエッジ量カウント手段14によってそれぞれの領域ごとに計測されたエッジ量e(i,j)に係数kを乗じて、画像分割手段13によって区切られた領域ごとの人口密度の推定値d(i,j)を算出する手段である。なお、係数kは予め実験的に求めた値とする。
d(i,j)=k・e(i,j) ・・・(1)
管網シミュレート手段16は所定の地点のエッジ量に基づき上下水道の設備の状態変化を求める手段である。
次に、図2を用いて本実施例における管網シミュレートの流れの一例を説明する。図2に示すように、本実施例においてはまず画像入力手段11において人口密度推定の対象とする領域の地図を入力画像として本装置のメモリに読み込み(ステップS1)、エッジ検出手段12によって画像中に表示された家屋やビル等をエッジとして検出する(ステップS2)。
続いて、画像分割手段13によって画像を予め設定する単位面積に区切り(ステップS3)、エッジ量カウント手段14でそれぞれの領域ごとのエッジ量e(i,j)をカウントし(ステップS4)、人口密度推定手段15において上述した(1)式の演算を行ってそれぞれの領域ごとの人口密度の推定値d(i,j)を算出する(ステップS5)。そして、それぞれの領域ごとの人口密度の推定値d(i,j)を算出したら、この推定値d(i,j)を利用して、既知の手法により管網シミュレーションを行う(ステップS6)。
その後、画像の入力が終了したか否かの判定を行い(ステップS7)、画像の入力が終了していない場合(No)はステップS1の処理に戻りステップS1〜ステップS6の処理を繰り返す。一方、ステップS7における判定の結果、画像の入力が終了したと判定された場合(Yes)は人口密度推定処理を終了する。
以上に説明した本実施例に係る地図のエッジ情報を利用してなる管網シミュレーション装置によれば、通常の人口密度が広域をひとまとめにして表されるのに対し、地図上の局所的で多地点の人口密度がわかる利点がある。これにより、例えば図5に示すような局所的な人口密度分布が容易に作成できる利点がある。なお、図5は人口密度が多いと推定される部分が濃色となるように表した例である。
また、航空写真を用いる場合、撮影時刻、天候、太陽光、カメラ感度などの撮影条件により写真にバラツキがあり、そのまま画像処理すると結果にバラツキが生じることが考えられる。これに対し本実施例に係る管網シミュレーション装置によれば、地図にバラツキがないため画像処理の結果にバラツキが生じることが無い。
さらに、航空写真を用いる場合、航空写真をタイル状に繋ぎ合わせて全体の写真を構成する必要があるため、繋ぎ合わせる際に境界線の部分が不連続になりこれがノイズになるおそれがあるのに対し、本実施例では地図を利用することにより境界線によるノイズが生じるおそれがない。
また、地図から得たエッジ量を管網シミュレータで解析することにより、次の利点がある。
上水道分野では、人口密度から配水状態や配水バランスのシミュレーションができるため、配水地やポンプやバルブ等設備の状態変化の把握ができる。さらに設備の運用方法の検討や課題の対策ができる利点がある。
下水道分野では、土地利用状態や人口密度から下水道の管網シミュレーションができるため、近年の都市化による雨水の浸水状態の把握や対策ができる利点がある。
図6乃至図8を用いて本発明の第2の実施例を説明する。図6は本実施例に係る地図のエッジ情報を利用してなる管網シミュレーション装置に利用する人口密度の推定値を求める装置の構成を表すブロック図、図7はエッジ量と人口密度真値との関係の一例を表すグラフ、図8はエッジ量と人口密度真値との関係の一例を表す他のグラフである。
図6に示すように、本実施例において人口密度を推定する装置は、図1に示し上述した実施例1の地図のエッジ情報を利用してなる管網シミュレーション装置に係数演算手段16を追加した例である。その他の構成は図1に示し上述した実施例1の構成と概ね同様であり、以下、同様の作用効果を奏する部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施例において、係数演算手段16は地図上の二箇所以上の地点の人口密度の真値に基づきエッジ量カウント手段14において得たエッジ量eを人口密度の推定値dに変換するための係数kを算出する手段である。例えば、図7に示すように、ある地点Aにおけるエッジ量がea、人口密度の真値がdaであり、他の地点Bにおけるエッジ量がeb、人口密度の真値がdbである場合、係数kは以下の(2)式に示す値として算出される。
そして、人口密度推定手段15によって(2)式に示す係数kを用い、以下の(3)式に示す演算を行うことにより、人口密度の推定値dを求めることができる。
d−da=k・(e−ea) …(3)
以上に説明したように、本実施例に係る地図のエッジ情報を利用してなる管網シミュレーション装置によれば、二地点以上の人口密度の真値をもとに算出した係数を用いて人口密度の推定値を求めるので、多地点の人口密度を推定するための係数としてより信頼性が高い係数を得ることができるため、人口密度の推定を高効率に行うことができる。
なお、本実施例では係数kを二地点の人口密度の真値を用いて求める例を示したが、例えば図8に示すように、ある地点A,B,Cにおけるそれぞれのエッジ量ea,eb,ecに対して、人口密度の真値がda,db,dcである場合は、複数の点ごとに(3)式を立ててエッジ量カウント手段14において得たエッジ量eを人口密度の推定値dに変換するようにしてもよい。
即ち、エッジ量カウント手段14において得られたエッジ量eと地点A,B,Cにおけるそれぞれのエッジ量ea,eb,ecとを比較し、例えばエッジ量カウント手段14において得られたエッジ量eがeb<e<ecを満たす場合は、このエッジ量eを人口密度の推定値dに変換するための係数kとして、地点B,Cにおけるそれぞれのエッジ量eb,ec及び人口密度の真値db,dcから得られる係数k=k’を用いて上記(3)式からこの地点の人口密度の推定値dを求めるようにしても良い。
本発明は、地図のエッジ情報を利用してなる管網シミュレーション装置に適用して好適なものである。
1 管網シミュレーション装置
11 画像処理手段
12 エッジ検出手段
13 メッシュ分割手段
14 エッジ量カウント手段
15 人口密度推定手段
16 管網シミュレート手段
11 画像処理手段
12 エッジ検出手段
13 メッシュ分割手段
14 エッジ量カウント手段
15 人口密度推定手段
16 管網シミュレート手段
Claims (2)
- 地図の画像を読み込む画像入力手段と、
画像処理により前記画像入力手段によって取り込んだ入力画像上の線の輪郭を抽出するエッジ検出手段と、
取り込んだ画像を予め設定する大きさの領域に分割する画像分割手段と、
前記画像分割手段によって区切られた領域ごとのエッジの量を求めるエッジ量カウント手段と、
前記エッジ量カウント手段によって求めたエッジの量に基づいて人口密度の推定値を算出する人口密度推定手段と
前記人口密度推定手段によって求めた人口密度の推定値を用いて上下水道の設備の状態変化を求める管網シミュレーション手段と
を備えることを特徴とする管網シミュレーション装置。 - 地図上の二地点以上の位置における人口密度の真値に基づいて人口密度の推定に用いる係数を演算する係数演算手段
を備えることを特徴とする請求項1記載の管網シミュレーション装置。
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JP2008182943A JP5287000B2 (ja) | 2008-07-14 | 2008-07-14 | 管網シミュレーション装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008182943A JP5287000B2 (ja) | 2008-07-14 | 2008-07-14 | 管網シミュレーション装置 |
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JP2008182943A Active JP5287000B2 (ja) | 2008-07-14 | 2008-07-14 | 管網シミュレーション装置 |
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