JP5284181B2 - 電池冷却構造 - Google Patents

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Description

本発明は、電池(特に組電池)の冷却構造に関する。特に電池を冷却風によって冷却する空冷式の電池冷却構造に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車などには、動力源として二次電池を集合させた組電池が用いられている。充電や放電の過程において、電池が過熱したり電池間の温度差が大きくなったりすると、電池の性能が低下したり、電池が損傷することが起こるため、通常、これら組電池を電池ケースに収納して、冷却風を電池ケース内に送り込んで組電池を冷却することが行われる。
冷却にあたっては、組電池を構成する複数の電池の温度を極力均一化し、かつ、効率的に電池を冷却することが必要であり、そのために、さまざまな電池冷却構造が提案されるに至っている。
例えば、特許文献1には、電池ケースの冷却風導入口側に、複数の導風板を設けて、導風板の間を通過した冷却風が、バッテリーモジュールの間に向かうようにした冷却構造が開示されている。また、特許文献2には、電池ケースに冷却風を供給する冷却風導入口に、冷却風の流れを組電池から遠ざかる方向に変化させる冷却風流れ変更部材を設けた電池冷却構造が開示されている。
特開2004−71349号公報 特開2007−250515号公報
しかしながら、これら従来の電池冷却構造は、電池が均一に冷却されるよう、組電池の周辺の空気の流れを最適化しようとするものであるが、実現される冷却風の流れは定常的な流れである。そのため、一旦電池冷却構造の構造を決定すると、それによって、定常的な流れの場が決定してしまうため、流れがよどむ場所や流れが強い場所が生じていたとしても、設計変更を行うことなしには、それ以上流れの場を変更・改善することができず、その結果、流れがよどむ場所では電池が高温となり、流れが強い場所では電池が低温になって、電池を均一に冷却することに限界が生じていた。
したがって、本発明の目的は、組電池を構成する電池の温度がより均一になるように冷却できるような電池冷却構造を提供することにある。
本発明の発明者は、鋭意検討の結果、電池ケースの上流に通気性多孔質素材をプリーツ折りした通気性多孔質部材を設けると、冷却風の流れが非定常流となり、電池の周辺の流れの場に時系列的な変動が生じ、組電池を構成する電池の温度をより均一化できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、電池ケース内に、棒状又は平板状又はブロック状の複数のバッテリーモジュールからなる組電池を収蔵し、電池ケースに設けられた冷却風導入口から電池ケース内に冷却風を導入し、バッテリーモジュールを冷却風により冷却し、電池ケースに設けられた冷却風導出口から電池ケース外に冷却風を排出する電池冷却構造であって、電池ケース内部の組電池より上流となる領域には、電池ケース内部を下流側と上流側に区画するような通気性多孔質部材が設けられており、通気性多孔質部材は、通気性多孔質部材の下流側の冷却風流れが非定常な流れとなるようにプリーツ折りされた通気性多孔質素材により構成されており、通気性多孔質部材のプリーツ折りの方向がバッテリーモジュールの長手方向と平行となるように設けられていることを特徴とする電池冷却構造である。
通気性多孔質部材を設ける位置を、電池ケース内部に変えて、冷却風導入口に接続される吸気ダクトの内部としてもよい(請求項2)
本発明によれば、電池ケース内の電池へと流れる冷却風の流れが、プリーツ折りした通気性多孔質部材の下流領域で非定常に蛇行・偏向して流れるような流れとなるので、電池の周囲に冷却風がよどむ領域や冷却風が強すぎる領域が定常的に現れることが抑制され、組電池を構成する電池の温度を、より効果的に均一化できるという効果が得られる。特にバッテリーモジュールの長手方向とプリーツ折りの方向を略平行としたので、より効果的に電池温度の均一化が図れる。
本発明の実施形態の電池冷却構造を示す断面図である。 本発明における通気性多孔質部材のプリーツ折りの形状を示す正面図である。 本発明の実施形態における通気性多孔質部材を通過する冷却風流れを示す模式図である。 本発明の実施形態における通気性多孔質部材の下流の冷却風流れのシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態での別の時刻における通気性多孔質部材の下流の冷却風流れのシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態での別の時刻における通気性多孔質部材の下流の冷却風流れのシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態での別の時刻における通気性多孔質部材の下流の冷却風流れのシミュレーション結果を示す図である。 本発明の他の実施形態の電池冷却構造を示す断面図である。
本発明の電池冷却構造の実施形態を、図面に基づいて、ハイブリッド自動車用の組電池を収容する電池ケースを例にして説明する。図1は本発明の電池冷却構造の実施形態の冷却風の流れ方向に沿った断面図である。
箱状の電池ケース1の内部空間には、棒状のバッテリーモジュール2,2が所定の間隔で平行に配置されている。バッテリーモジュール2,2は直列あるいは並列に電気的に接続されて組電池を構成する。本実施形態においては、バッテリーモジュールを構成する電池はニッケル水素バッテリーであり、電池を直列に接続したバッテリーモジュール2は円柱状の棒状の形状となっている。
図1では、紙面奥行き方向にバッテリーモジュール2、2が配置されており、14本のバッテリーモジュールが2列×7本の列状に配置されている。各バッテリーモジュール2,2は、電池ケース1の内面や隣接するバッテリーモジュールとの間に所定の間隔(隙間)を有し、その隙間に冷却風が流れるように、箱状の電池ケース内部に収容、支持されている。
電池ケース1は金属や合成樹脂により成形された中空の箱状の部材であり、電池ケース1には冷却風導入口11と冷却風導出口12が設けられて、電池ケース1の内部空間が冷却風通路を構成する。そして電池ケース1は、冷却風導入口11や冷却風導出口12がダクトや送風ファンなどの周辺部材と接続されて一連の冷却風通路となって、組電池の冷却に使用される。
本実施形態では、冷却風導出口12の下流側に送風ファン(図示せず)が設けられて、図の左側の冷却風導入口11の上流側に接続される冷却風ダクト(図示せず)から、冷却風が電池ケース1の内部に流れ込み、バッテリーモジュール2,2の周囲の隙間を通りながら電池を冷却して、冷却風導出口から図の右側へと冷却風が流れ出ていく。
本実施形態においては、電池ケース1の内部に、電池ケースの内部空間を冷却風導入口側と冷却風導出口側を仕切り、冷却風の流れをさえぎるように、通気性多孔質部材13が設けられている。そして、通気性多孔質部材13は、バッテリーモジュール2,2(組電池)よりも上流側となる位置に電池ケース1に対して一体に取り付けられている。電池ケース1の内部空間は、通気性多孔質部材13を通じて上流側と下流側が連通するようにされており、下流側に設けられた組電池(バッテリーモジュール2、2)は、通気性多孔質部材13を通過した冷却風により冷却される。
通気性多孔質部材13は、薄板状あるいはシート状の通気性多孔質素材を所定の折幅で複数の山谷が連続するように平行にプリーツ折り(ひだ折り)した部材である。本実施形態では上流側に山折り部が8個並ぶようにプリーツ折りされており、プリーツ折りの方向(すなわち、折り線の方向)が、バッテリーモジュールの長さ方向に沿って(図1で紙面奥行き方向に)、バッテリーモジュール2と略平行になるように設けられている。また、本実施形態において、プリーツ折りの様態は、上流側、下流側ともに、隣接する折り縁の山と山の間の谷の部分で通気性多孔質素材が互いに隙間を有するような様態とされており、通気性多孔質素材が互いに密着しないようにプリーツ折りされている。
図2は、通気性多孔質部材13を図1の矢視方向から見たX−X断面の図であり、通気性多孔質部材13のプリーツ折りは、バッテリーモジュール2,2の長さ方向に沿って、通気性多孔質部材13のほぼ全長にわたって設けられている。電池ケースの内部が、冷却風の流れ方向に沿って設けられた板状区画部材などによって、複数の冷却風通路に区画されている場合には、通気性多孔質部材13のプリーツ折りはそれぞれ区画された冷却風通路のバッテリーモジュールの長さ方向の幅全体にわたって設けるようにすることが好ましい。
本実施形態における電池ケース1や通気性多孔質部材13の主要な具体的寸法は以下のとおりである。電池ケース1の高さ(図1で上下方向)は84mmであり、長さ(図1で左右方向)は330mmである。また、冷却風導入口11の高さは82mmと、電池ケース1の高さと略等しく設けられると共に、冷却風導出口12の高さは42mmと電池ケース1の高さから若干流れを絞る高さとされている。バッテリーモジュール2の直径は28mmである。
通気性多孔質部材13は厚み2.6mmであり、プリーツ折りの間隔(ピッチ)は8mm、プリーツの折り高さは40mmとなっている。そして、通気性多孔質部材13は、冷却風導入口11が電池ケース内部空間に向けて開口する部分から下流側に離間した位置に設けられ、最上流に位置するバッテリーモジュール2、2からは、上流側に50mm離れた位置に設けられている。
通気性多孔質部材を構成する通気性多孔質素材としては、ろ紙、不織布、織布、発泡樹脂などのシート状の多孔質通気性素材が使用でき、特に、ろ紙や不織布が好ましく使用できる。ろ紙や不織布を構成する繊維は特に限定されるものではないが、パルプなどの天然繊維やポリエステル繊維などの合成樹脂繊維が好ましく使用できる。本発明に好適に使用できる多孔質通気性素材の通気度は、JIS L 1096−1996 の6.27.2に記載されたB法(空気透気度試験機を使用した通気性試験方法)で測定して、0.1〜10sec (10mmφ、300cc)程度である。通気度が大きすぎると、通気性多孔質部材の下流の流れの場が非定常化しにくくなり、通気度が小さすぎると、冷却風を送風する際の通気抵抗が過大となる。
プリーツ折りの形状を維持するための手段は特に限定されるものではないが、必要に応じて、多孔質通気性素材を合成樹脂製の枠体にインサート成形したり、格子状の支持部材を設けたり、多孔質通気性素材をバインダーで固めたりする手段を用いることができる。プリーツ折りの形状を維持し、電池ケース1への取り付けを容易とするためには、プリーツ折りした多孔質通気性素材を合成樹脂製の枠体に一体化して多孔質通気性部材として、電池ケース1に脱着可能に設けることが好ましい。
通気性多孔質部材を構成する通気性多孔質素材の通気度は、バインダー樹脂やオイルを塗布したりして調整することができる。本発明においては、プリーツ折りされた通気性多孔質素材の下流側の折り縁131部分の通気度が他の部分に比べて抑えられていることが特に好ましい。通常、通気性多孔質素材をプリーツ折りすると、折り縁の部分では通気性多孔質素材が折り加工によって圧縮されて、折り縁部分の通気度は他の部分に比べて低く抑えられる。また、オイルなどを通気性多孔質素材に含浸させた場合にも、通常、冷却風の流れによって、含浸されたオイルが下流側に移動して、下流側の折り縁部分に多くのオイルが存在するようになり、下流側折り縁部分の通気度が他の部分に比べて低く抑えられる。また、下流側折り縁部分の通気度を他の部分に比べて低く抑えるために、下流側折り縁131部分のみにバインダーを含浸させて目止め処理をしてもよい。
上記電池冷却構造を有する電池ケースの製造方法は、公知の製造方法により行うことができ、例えば、電池ケース1は開口状の箱と蓋に分けたケース部材を合成樹脂(例えばポリプロピレン樹脂)の射出成形により形成することができる。通気性多孔質部材13は通気性多孔質素材をプリーツ加工して形成することができ、可能であれば、電池ケース1のケース部材にインサート成形などにより一体成形してもよい。もちろん、通気性多孔質部材13を、ケースとは別体に作成して、電池ケース組み立て時に所定位置に取り付けるようにしてもよい。
電池ケース1内の所定位置にバッテリーモジュールを並べて、バッテリーモジュール間の配線を確立し、通気性多孔質部材を組み込んだ状態で電池ケースの蓋を閉じて、上記実施形態の組電池が収蔵された電池ケースおよび電池冷却構造が完成される。
本発明の電池冷却構造による作用と効果を説明する。
本発明の電池冷却構造においては、通気性多孔質部材13が略平行にプリーツ折りされた通気性多孔質素材により構成されていることにより、通気性多孔質部材13の下流の流れが、非定常的に変化する流れの場となる。
図3はプリーツ折りされた通気性多孔質部材13を通過する冷却風の流れを表した模式図である。冷却風は上流側(図の左側)からは、特に偏りのない均一な流れとして通気性多孔質部材13に供給される。そして、冷却風の大部分は、通気性多孔質部材13の平坦部133(即ち上流側折り縁132と下流側折り縁131の間の通気性多孔質素材が平板状に配置される部分)を通過して下流側に流れ出す。このとき、プリーツ折り構造により、通気性多孔質素材を通過した冷却風は下流側折り縁131,131の間の空間13Aで集合して下流側に吹き出していく。一方、下流側折り縁131の部分では、通気性多孔質素材の通気性が他の部分に比べ低く抑えられていたり、冷却風が集合する効果がなかったりするために、冷却風の流れが弱くなる。
その結果、通気性多孔質部材13の下流側直下の空間において、下流側折り縁131,131の間の空間13Aからは冷却風が層状に勢いよく吹き出し、一方、下流側折り縁131,131の下流では冷却風の流れが弱くなって、全体としては、空間13A,13Aから噴流状に吹き出す層状の流れが略平行に並んだような流れの場となる。すると、空間13Aから噴出す速い流れと下流側折り縁131部分の遅い流れとの境界部には、折り縁131に沿う方向に、それぞれ渦線が形成されることになる。これら渦線は冷却風の流れと共に成長しあるいは下流に流されて消えていく。
本発明では、通気性多孔質素材がプリーツ折りされて、下流側折り縁131が平行に並んで設けられているために、それぞれの下流側折り縁131の周縁部に発生するこれら渦線が互いに干渉し、空間13A、13Aから噴出する層状の冷却風を互いに近づけたり遠ざけたりする。その結果、通気性多孔質部材13とバッテリーモジュール2,2の間の空間で、通気性多孔質部材から吹き出す冷却風が互いに干渉しあって、まとまって流れたり、あるいは分離して流れたり、あるいは、(図1の)上側や下側に偏向したりと、不規則に変化するような、非定常な流れの場となる。
そのような非定常な流れの場を数値流体シミュレーションにより可視化した結果を、図4ないし図7に示す。流れのシミュレーションは、上記実施形態に即した形状の通気性多孔質部材に対して行ったものであり、シミュレーション結果は、流れの場が時間と共に変化するような非定常流れの解が得られた。図4ないし図7には、それぞれ特定の時刻における、通気性多孔質部材13を通過した流れの流速分布をプリーツ折り5山分の幅で示し、通気性多孔質部材13を通過した流れが蛇行したり離合したりして下流側に流れていく様子が示されている。なお、これらの図においては、流速が高い部分の色が明るく、流速が低くなるにしたがって色が暗くされている。
シミュレーション結果に示すように、下流側折り縁131,131の間の空間13Aから吹き出す速い流れの冷却風が互いに干渉しあって上下方向にランダムに蛇行し、偏向して、集合あるいは離間して非定常に変化しながら下流に流れていく。図4に示された流れの場に対して、図5は5ミリ秒後の流れの場を示しており、図6は10ミリ秒後の流れの場を示している。また、別の時刻においては、図7に示すように、大局的にみた流れが蛇行し、渦が発生している。
このように、通気性多孔質部材13を通過した流れが、非定常に変化しながら上下方向に蛇行して組電池の方に流れていくので、冷却風がバッテリーモジュールの上側に流れたり下側に流れたりして、各バッテリーモジュールの側面を流れる冷却風量が変化し、バッテリーモジュール周辺での局所的な流れが速くなったり遅くなったりすると共に、バッテリーモジュール周辺の流れが非定常的に変化するようになる。
このような冷却風流れの場の非定常的な変化は、プリーツ折りされた通気性多孔質部材13がない場合には現れず、その場合、流線が蛇行・偏向することはなく、また、時間を進めても流れの場が変化することもない。
このようにして、本発明の電池冷却構造においては、プリーツ折りされた通気性多孔質部材13を通過した冷却風の流れが非定常に変化する流れとなってバッテリーモジュール周辺を流れるため、冷却風の流れの場が定常的である従来の電池冷却構造のように、冷却風の流れがよどむ場所や冷却風の流れが強すぎる場所が固定化されてしまうことがなくなり、組電池全体をより均一に冷却できるようになる。
プリーツ折りされた通気性多孔質素材を通過した冷却風の噴流が互いに干渉しあって、通気性多孔質部材13の下流の流れを非定常に変化させるという、本発明の効果をより効果的に生じさせるための、プリーツ折りの折り高さやピッチなどの好ましい諸元を以下に示す。ここで、プリーツ折りの折り高さをH、プリーツ折りのピッチをP、通気性多孔質素材の厚みをT、通気性多孔質部材13と最上流のバッテリーモジュールの間の距離をL、バッテリーモジュールの直径をDBとする。
プリーツ折りのピッチPと、通気性多孔質素材の厚みTは、T<P<8Tの関係にあることが流れを非定常化する上で好ましく、2T<P<5Tとすることがより好ましい。厚みTが大きすぎると、プリーツ折りの下流側折り縁の間の隙間(空間13A)が確保しにくくなって、逆に、厚みTが小さすぎると、下流側折り縁直下の流れの遅い領域が小さくなって、通気性多孔質部材13を通過した冷却風の干渉が起こりにくくなって、流れが非定常化しなくなる傾向がある。
通気性多孔質部材と最上流のバッテリーモジュールの間の距離Lと、プリーツ折りのピッチPとは、0.5P<L<8Pの関係にあることが好ましく、P<L<6Pとすることがより好ましい。プリーツ折りのピッチPは流れが非定常化される流れ場のスケールに関連しており、LがPに対して過小であれば、非定常化される流れの変化が小さい間にバッテリーモジュールに流れがぶつかってしまい、流れ場の変化が小さくなってしまう。一方、LがPに対し過大であれば、スリットによって非定常化した流れが減衰して定常的な流れとなってしまってからバッテリーモジュールに到達することになってしまうほか、電池ケースのスペース効率上も好ましくない。
さらに、通気性多孔質部材と最上流のバッテリーモジュールの間の距離Lと、バッテリーモジュールの直径DBとは、0.5DB<L<3DBの関係にあることが好ましく、0.8DB<L<2DBとすることがより好ましい。LがDBに対して過小であれば、それぞれのスリットを通過した冷却風が非定常化しても、バッテリーモジュールの上側を通るようになったり下側を通るようになったりすることがなくなってしまい電池温度の均一化効果が発揮されにくくなるほか、LがDBに対し過大であれば、電池ケースのスペース効率上好ましくない。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその説明を省略する。
まず、通気性多孔質部材の変更例を説明する。通気性多孔質部材13のプリーツ折りは、バッテリーモジュールの長さ全体にわたって折られていることが好ましいが、通気性多孔質部材の強度といった要件に応じて、必要に応じてプリーツ折りを長さ方向に分断して設けて通気性多孔質部材を構成してもよい。また、上記実施形態では略平行にプリーツ折りされているが、プリーツ折りが完全に平行である必要はなく、非定常流れが発生するのであれば、若干斜めに折られたもの(例えば扇状に折られたプリーツ折り形状)であってもよい。
通気性多孔質部材のプリーツ折りのピッチPは等間隔(等ピッチ)に設けてもよいが、間隔を変更して不等ピッチで設けてもよい。等間隔とするほうが、一連のプリーツから層状に噴出する冷却風の干渉効果による非定常な流れが発生しやすいので、等間隔にプリーツ折りすることが好ましい。
また、通気性多孔質部材のプリーツ折りの折り方向(折り縁の延在する方向)は、棒状のバッテリーモジュールと略平行に設けられることが好ましいが、これに限定されるものではなく、冷却風の大局的流れの方向に沿って見て、バッテリーモジュールに対し、プリーツ折りの折り方向を斜め、あるいは略垂直となるように設けてもよい。棒状のバッテリーモジュールと略平行に設けた場合には、上記実施形態において説明したように、バッテリーモジュールの上側と下側に配分される冷却風の風量を積極的に変動させることができるようになるので、電池の温度の均一化に特に効果的である。
また、上記実施形態の説明においては、中空箱状の電池ケース1に組電池が収蔵される形態について説明したが、電池ケースの実施形態は、ケース専用に成形された中空箱状のものに限定されるものではなく、電池ケースは、パネル部材やブロック部材などの複数の部材を組み合わせて構成されるものであってもよい。例えば、車体のフロアパネル上に組電池を配置して、組電池を取り囲むように、断熱パネルや電極パネルを設けて、フロアパネルや断熱パネル、電極パネルの間を冷却風通路とした電池ケースを構成するようにすることもできる。このように、本発明における電池ケースには、専用の構成部材で構成された電池ケースのほか、組電池の周辺に配置される部材を利用・兼用して構成される電池ケースを含む。
また、プリーツ折りされた通気性多孔質部材を設ける位置は、電池ケース内部に限定されるものではなく、冷却風通路内で電池やバッテリーモジュールの上流であれば良く、例えば、電池ケース1の空気導入口11に接続される吸気ダクトの内部に通気性多孔質部材を設けてもよい。即ち、図8に示すように、バッテリーモジュール2,2を収蔵する電池ケースの空気導入口11に中空角筒状の吸気ダクト3を接続して、吸気ダクト3の内部に、平板状の通気性多孔質素材をプリーツ折りしてなる通気性多孔質部材32を設け、通気性多孔質部材32によって吸気ダクト3の内部空間を上流側と下流側に区画するようにして、電池冷却構造を構成してもよい。本実施形態においても、図1に示した実施形態と同様、プリーツ折りされた通気性多孔質部材32の下流側の流れの場が非定常化して、電池周りの流れが非定常に変化するようになって、組電池を構成する電池の温度をより均一化できる。
組電池を構成する電池の種類には、一次電池、二次電池(リチウムイオンバッテリー、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池など)、二重電気キャパシタなどが例示できる。バッテリーモジュールは、上記実施形態においては、棒状特に円柱状のものについて説明したが、これに限定されず、角柱状、ブロック状のものであっても良いし、流れ方向に沿って配置されるような平板状のものであっても良い。これら種々の形態のバッテリーモジュールを効果的に冷却するためには、バッテリーモジュールの長手方向が、通気性多孔質部材のプリーツ折りの折り方向と略平行になっていることが好ましいことはこれまでの説明から明らかである。
組電池が使用される目的・用途も、自動車用に限定されるものではなく、例えば、風力発電装置や太陽電池発電装置などにおいて発電電力を平準化する目的で二次電池が使用される用途など、広い用途に使用できる。
本発明は、電気自動車や発電装置などに使用される大容量組電池の冷却に使用することができ、それら組電池を構成する電池を均一に冷却して、電池の性能を効果的に発揮させることができ、産業上の利用価値が高い。
1 電池ケース
11 冷却風導入口
12 冷却風導出口
13 通気性多孔質部材
131 下流側折り縁
132 上流側折り縁
133 平坦部
2 バッテリーモジュール
3 吸気ダクト
32 通気性多孔質部材

Claims (2)

  1. 電池ケース内に、棒状又は平板状又はブロック状の複数のバッテリーモジュールからなる組電池を収蔵し、電池ケースに設けられた冷却風導入口から電池ケース内に冷却風を導入し、バッテリーモジュールを冷却風により冷却し、電池ケースに設けられた冷却風導出口から電池ケース外に冷却風を排出する電池冷却構造であって、
    電池ケース内部の組電池より上流となる領域には、電池ケース内部を下流側と上流側に区画するような通気性多孔質部材が設けられており、
    通気性多孔質部材は、通気性多孔質部材の下流側の冷却風流れが非定常な流れとなるようにプリーツ折りされた通気性多孔質素材により構成されており、
    通気性多孔質部材のプリーツ折りの方向がバッテリーモジュールの長手方向と平行となるように設けられていることを特徴とする電池冷却構造。
  2. 電池ケース内に、棒状又は平板状又はブロック状の複数のバッテリーモジュールからなる組電池を収蔵し、電池ケースに設けられた冷却風導入口には吸気ダクトが接続され、吸気ダクトから冷却風導入口を介して電池ケース内に冷却風を導入し、バッテリーモジュールを冷却風により冷却し、電池ケースに設けられた冷却風導出口から電池ケース外に冷却風を排出する電池冷却構造であって、
    吸気ダクトの内部には、吸気ダクト内部を下流側と上流側に区画するような通気性多孔質部材が設けられており、
    通気性多孔質部材は、通気性多孔質部材の下流側の冷却風流れが非定常な流れとなるようにプリーツ折りされた通気性多孔質素材により構成されており、
    通気性多孔質部材のプリーツ折りの方向がバッテリーモジュールの長手方向と平行となるように設けられていることを特徴とする電池冷却構造。
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