JP5284171B2 - 鉄筋断面欠損率の推定方法、推定装置及び推定プログラム - Google Patents

鉄筋断面欠損率の推定方法、推定装置及び推定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、鉄筋断面欠損率の推定方法、推定装置及び推定プログラムに関する。さらに詳述すると、本発明は、臨海部や海洋の鉄筋コンクリート構造物における塩害による鉄筋の腐食の程度の推定に用いて好適な技術に関する。
臨海部や海洋に建設された鉄筋コンクリート構造物で供用開始から数十年以上を経過したものにおいて特に、塩害による鉄筋の腐食やそれに伴うひび割れの発生やかぶりコンクリートの剥落などの損傷が認められる場合がある。一般に、鉄筋コンクリート構造物において鉄筋が腐食するとコンクリートにひび割れが発生し、その部分から錆が浸出して構造物の美観が損なわれるのみならず、鉄筋の断面積の減少に伴う耐荷力の低下が引き起こされるという問題がある。
ここで、鉄筋コンクリートの鉄筋はコンクリート内部に存在するものであってコンクリートで覆われているので、鉄筋の腐食状態を直接観測しようとすると鉄筋コンクリートの一部を観測用サンプルとして切り出すことが必要になる。しかしながら、鉄筋も含めてコンクリートの一部を切り出すことによって当該部分の強度が低下することになると共に当該部分が新たな腐食の発生源になる虞がある。このため、非破壊でコンクリート内部の鉄筋の腐食状態を適確に推定する手法が必要とされる。
非破壊でコンクリート内部の鉄筋の腐食状態を推定する従来の手法としては、例えば、かぶりコンクリート表面のひび割れ幅から内部の鉄筋腐食量を推定する方法がある(非特許文献1)。この方法は、図7に示すように、かぶりコンクリート部分の応力状態を直径φ1の鉄筋の径方向内向きの応力q0と直径φ1の中空部を有する外径φ2の腐食生成物の径方向外向きの応力q0及び径方向内向きの応力q1とを合成した状態であるとし、コンクリート部を内径がφ2であると共に幅δwの切断部分を有する肉厚tpのリングであると仮定して径方向外向きに均一な腐食膨張圧q1によってひび割れと見立てた切断部分が開口するモデルを用いて鉄筋腐食量を推定するものである。
堤知明・松島学・村上祐治・関博:既設構造物のひび割れ幅から鉄筋腐食量の推定,コンクリート工学年次論文報告集,Vol.18,No.1,pp.789-794,1996年
しかしながら、非特許文献1の鉄筋腐食量の推定方法では、腐食が鉄筋表面で均一に発生すると仮定していることなどを原因として、鉄筋腐食量を過小に評価する結果になってしまうという問題がある(田森清美・丸山久一・小田川昌史・橋本親典:鉄筋の発錆によるコンクリートのひびわれ性状に関する基礎的研究,コンクリート工学年次論文報告集,Vol.10,No.2,pp.505-510,1988年)。このため、鉄筋腐食量を適確に推定するものであって信頼性が高い推定方法であるとは言い難い。
そこで、本発明は、非破壊でコンクリート内部の鉄筋の腐食状態を適確に推定することができる鉄筋断面欠損率の推定方法、推定装置及び推定プログラムを提供することを目的とする。
本発明者は、鉄筋コンクリート内部の鉄筋の腐食状態を適確に推定する方法の検討において、かぶりコンクリート表面に発生したひび割れの性状と内部の鉄筋の腐食状態との間の関係を把握するための試験を行う中で、かぶりコンクリート表面のひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との間には相関があり、両者の相関には、鉄筋のかぶりの厚さ,主鉄筋の径,配力筋の有無,主鉄筋の配筋の位置が影響を及ぼすことを知見した。
なお、本発明の説明において、主鉄筋の径のことを単に鉄筋の径若しくは鉄筋径といい、主鉄筋の配筋の位置のことを単に配筋の位置若しくは配筋位置という。
請求項1記載の鉄筋断面欠損率の推定方法は、前記知見に基づくものであり、鉄筋のかぶり厚さと鉄筋の径と配力筋の有無と配筋位置の種類とについての条件を設定するステップと、鉄筋のかぶり厚さcを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋のかぶり厚さの影響関数f(c)及び影響係数α(c)の値を鉄筋のかぶり厚さの条件を用いて算出するステップと、鉄筋の径φを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋径の影響関数f(φ)及び影響係数α(φ)の値を鉄筋の径の条件を用いて算出するステップと、配力筋の有無を表す変数sを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配力筋の有無の影響関数f(s)及び影響係数α(s)の値を配力筋の有無の条件を用いて算出するステップと、配筋位置の種類を表す変数aを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配筋位置の影響関数f(a)及び影響係数α(a)の値を配筋配置の種類の条件を用いて算出するステップと、かぶりコンクリート表面のひび割れ幅Lの値を設定するステップと、鉄筋断面欠損率ΔWをΔW=f(c)f(φ)f(s)f(a)L+α(c)α(φ)α(s)α(a)によって算出するステップとを有するようにしている。
また、請求項2記載の鉄筋断面欠損率の推定装置は、鉄筋のかぶり厚さと鉄筋の径と配力筋の有無と配筋位置の種類とについての条件を読み込むと共にかぶりコンクリート表面のひび割れ幅Lの値を読み込む手段と、鉄筋のかぶり厚さcを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋のかぶり厚さの影響関数f(c)及び影響係数α(c)の値を鉄筋のかぶり厚さの条件を用いて算出する手段と、鉄筋の径φを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋径の影響関数f(φ)及び影響係数α(φ)の値を鉄筋の径の条件を用いて算出する手段と、配力筋の有無を表す変数sを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配力筋の有無の影響関数f(s)及び影響係数α(s)の値を配力筋の有無の条件を用いて算出する手段と、配筋位置の種類を表す変数aを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配筋位置の影響関数f(a)及び影響係数α(a)の値を配筋配置の種類の条件を用いて算出する手段と、鉄筋断面欠損率ΔWをΔW=f(c)f(φ)f(s)f(a)L+α(c)α(φ)α(s)α(a)によって算出する手段とを有するようにしている。
また、請求項3記載の鉄筋断面欠損率の推定プログラムは、鉄筋のかぶり厚さと鉄筋の径と配力筋の有無と配筋位置の種類とについての条件を読み込む処理と、鉄筋のかぶり厚さcを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋のかぶり厚さの影響関数f(c)及び影響係数α(c)の値を鉄筋のかぶり厚さの条件を用いて算出する処理と、鉄筋の径φを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋径の影響関数f(φ)及び影響係数α(φ)の値を鉄筋の径の条件を用いて算出する処理と、配力筋の有無を表す変数sを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配力筋の有無の影響関数f(s)及び影響係数α(s)の値を配力筋の有無の条件を用いて算出する処理と、配筋位置の種類を表す変数aを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配筋位置の影響関数f(a)及び影響係数α(a)の値を配筋配置の種類の条件を用いて算出する処理と、かぶりコンクリート表面のひび割れ幅Lの値を読み込む処理と、鉄筋断面欠損率ΔWをΔW=f(c)f(φ)f(s)f(a)L+α(c)α(φ)α(s)α(a)によって算出する処理とをコンピュータに行わせるようにしている。
したがって、この鉄筋断面欠損率の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、かぶりコンクリート表面のひび割れ幅に基づいて内部の鉄筋の断面欠損率を推定する際にかぶりの厚さ,鉄筋の径,配力筋の有無,配筋の位置を考慮するようにしているので、かぶりコンクリート表面のひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との間の関係に影響を及ぼす要因を評価に取り込んだ適確な鉄筋断面欠損率が推定される。
本発明の鉄筋断面欠損率の推定方法、推定装置及び推定プログラムによれば、かぶりコンクリート表面のひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との間の関係に影響を及ぼす要因を評価に取り込んだ適確な鉄筋断面欠損率を推定することができるので、非破壊でのコンクリート内部の鉄筋の腐食状態の推定の精度の向上を図り、鉄筋腐食状態の非破壊での評価の信頼性の向上を図ることが可能になる。
本発明の鉄筋断面欠損率の推定プログラムの実施形態の一例を説明するフローチャートである。 本発明の鉄筋断面欠損率の推定装置の実施形態の一例を説明する機能ブロック図である。 実施例の鉄筋のかぶり厚さが及ぼす影響並びに配力筋の有無が及ぼす影響を把握するために行った試験のひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との測定結果を示す図である。 実施例の鉄筋の径が及ぼす影響を把握するために行った試験のひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との測定結果を示す図である。 実施例の配筋位置の種類が及ぼす影響を把握するために行った試験のひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との測定結果を示す図である。 実施例の鉄筋断面欠損率の測定値と推定値との比較結果を示す図である。 コンクリート内部の鉄筋の腐食状態を推定する従来の手法を説明する図である。
以下、本発明の構成を図面に示す形態に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に、本発明の鉄筋断面欠損率の推定方法、推定装置及び推定プログラムの実施形態の一例を示す。本発明の鉄筋断面欠損率の推定方法は、鉄筋のかぶり厚さと鉄筋の径と配力筋の有無と配筋位置の種類とについての条件を設定するステップ(S2−1)と、鉄筋のかぶり厚さcを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋のかぶり厚さの影響関数f(c)及び影響係数α(c)の値を鉄筋のかぶり厚さの条件を用いて算出するステップ(S1−1,S2−2)と、鉄筋の径φを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋径の影響関数f(φ)及び影響係数α(φ)の値を鉄筋の径の条件を用いて算出するステップ(S1−2,S2−3)と、配力筋の有無を表す変数sを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配力筋の有無の影響関数f(s)及び影響係数α(s)の値を配力筋の有無の条件を用いて算出するステップ(S1−3,S2−4)と、配筋位置の種類を表す変数aを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配筋位置の影響関数f(a)及び影響係数α(a)の値を配筋配置の種類の条件を用いて算出するステップ(S1−4,S2−5)と、かぶりコンクリート表面のひび割れ幅Lの値を設定するステップと、鉄筋断面欠損率ΔWをΔW=f(c)f(φ)f(s)f(a)L+α(c)α(φ)α(s)α(a)によって算出するステップ(S2−6)とを有する。
また、本発明の鉄筋断面欠損率推定装置は、鉄筋のかぶり厚さと鉄筋の径と配力筋の有無と配筋位置の種類とについての条件を読み込むと共にかぶりコンクリート表面のひび割れ幅Lの値を読み込む手段と、鉄筋のかぶり厚さcを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋のかぶり厚さの影響関数f(c)及び影響係数α(c)の値を鉄筋のかぶり厚さの条件を用いて算出する手段と、鉄筋の径φを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋径の影響関数f(φ)及び影響係数α(φ)の値を鉄筋の径の条件を用いて算出する手段と、配力筋の有無を表す変数sを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配力筋の有無の影響関数f(s)及び影響係数α(s)の値を配力筋の有無の条件を用いて算出する手段と、配筋位置の種類を表す変数aを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配筋位置の影響関数f(a)及び影響係数α(a)の値を配筋配置の種類の条件を用いて算出する手段と、鉄筋断面欠損率ΔWをΔW=f(c)f(φ)f(s)f(a)L+α(c)α(φ)α(s)α(a)によって算出する手段とを備えている。
上述の鉄筋断面欠損率推定方法及び推定装置は、本発明の鉄筋断面欠損率推定プログラムをコンピュータ上で実行することによっても実現される。本実施形態では、鉄筋断面欠損率推定プログラムをコンピュータ上で実行する場合を例に挙げて説明する。
鉄筋断面欠損率推定プログラムをコンピュータ上で実行することにより、具体的には、図1に示すように、鉄筋のかぶり厚さと鉄筋の径と配力筋の有無と配筋位置の種類とについての条件を読み込んでそれらを鉄筋断面欠損率の推定条件として設定する処理(S2−1)と、鉄筋のかぶり厚さcを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋のかぶり厚さの影響関数f(c)及び影響係数α(c)の値を鉄筋のかぶり厚さの条件を用いて算出する処理(S1−1,S2−2)と、鉄筋の径φを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋径の影響関数f(φ)及び影響係数α(φ)の値を鉄筋の径の条件を用いて算出する処理(S1−2,S2−3)と、配力筋の有無を表す変数sを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配力筋の有無の影響関数f(s)及び影響係数α(s)の値を配力筋の有無の条件を用いて算出する処理(S1−3,S2−4)と、配筋位置の種類を表す変数aを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配筋位置の影響関数f(a)及び影響係数α(a)の値を配筋配置の種類の条件を用いて算出する処理(S1−4,S2−5)と、かぶりコンクリート表面のひび割れ幅Lの値を読み込むと共に鉄筋断面欠損率ΔWをΔW=f(c)f(φ)f(s)f(a)L+α(c)α(φ)α(s)α(a)によって算出する処理(S2−6)とをコンピュータが行う。
鉄筋断面欠損率推定プログラム17を実行するための本実施形態の鉄筋断面欠損率推定装置10の全体構成を図2に示す。この鉄筋断面欠損率推定装置10は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14及びメモリ15を備え相互にバス等の信号回線により接続されている。また、鉄筋断面欠損率推定装置10にはデータサーバ16がバス等の信号回線により接続されており、その信号回線を介して相互にデータや制御指令等の信号の送受信(即ち出入力)が行われる。
制御部11は記憶部12に格納されている鉄筋断面欠損率推定プログラム17によって鉄筋断面欠損率推定装置10全体の制御並びに鉄筋断面欠損率の推定に係る演算を行うものであり、例えばCPU(即ち中央演算処理装置)である。記憶部12は少なくともデータやプログラムを記憶可能な記憶手段であり、例えばハードディスクである。メモリ15は制御部11が各種の制御や演算を実行する際の作業領域であるメモリ空間となるものであり、例えばRAM(Random Access Memory の略)である。
入力部13は少なくとも作業者の命令を制御部11に与えるためのインターフェイスであり、例えばキーボードである。
表示部14は制御部11の制御により文字や図形等の描画・表示を行うものであり、例えばディスプレイである。
そして、鉄筋断面欠損率推定プログラム17を実行することによって鉄筋断面欠損率推定装置10の制御部11には、鉄筋断面欠損率の推定式を定式化する処理(S1:S1−1〜S1−4)を行うものとして、鉄筋断面欠損率推定式の鉄筋のかぶり厚さを説明変数とする関数若しくは定数として鉄筋のかぶり厚さの影響関数及び影響係数の設定を行う鉄筋かぶり厚さ影響設定部11aと、鉄筋径を説明変数とする関数若しくは定数として鉄筋径の影響関数及び影響係数の設定を行う鉄筋径影響設定部11bと、配力筋の有無を表す変数を説明変数とする関数若しくは定数として配力筋の有無の影響関数及び影響係数の設定を行う配力筋有無影響設定部11cと、配筋位置の種類を表す変数を説明変数とする関数若しくは定数として配筋位置の影響関数及び影響係数の設定を行う配筋位置影響設定部11dとが構成される。
さらに、S1の処理によって定式化された鉄筋断面欠損率の推定式を用いて鉄筋断面欠損率を推定する処理(S2:S2−1〜S2−6)を行うものとして、鉄筋のかぶり厚さと鉄筋の径と配力筋の有無と配筋位置の種類とについての条件を読み込むと共にかぶりコンクリート表面のひび割れ幅Lの値を読み込んでそれらを鉄筋断面欠損率の推定条件として設定する推定条件設定部11eと、鉄筋のかぶり厚さの条件を用いて鉄筋のかぶり厚さの影響関数の値及び影響係数の値を算出する手段としての鉄筋かぶり厚さ影響算出部11fと、鉄筋径の条件を用いて鉄筋径の影響関数の値及び影響係数の値を算出する手段としての鉄筋径影響算出部11gと、配力筋の有無の条件を用いて配力筋の有無の影響関数の値及び影響係数の値を算出する手段としての配力筋有無影響算出部11hと、配筋位置の種類の条件を用いて配筋位置の影響関数の値及び影響係数の値を算出する手段としての配筋位置影響算出部11iと、かぶりコンクリート表面のひび割れ幅の値と上記の各種影響関数の値及び影響係数の値とを用いて鉄筋の断面欠損率の推定を行う手段としての鉄筋断面欠損率推定部11jとが構成される。
本発明では、本発明者が行った検討によって得られた知見に基づき、かぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅とコンクリート内部の鉄筋の断面欠損率との間には数式1に示す関係が成り立つと仮定する。なお、本発明においては、数式1に係る影響関数及び影響係数は相互に影響を及ぼし合うことはなくそれぞれ独立であると仮定する。
(数1) ΔW=f(c)f(φ)f(s)f(a)L+α(c)α(φ)α(s)α(a)
ここに、ΔW:鉄筋断面欠損率〔%〕,
L:かぶりコンクリート表面のひび割れ幅〔mm〕,
f(c):鉄筋のかぶり厚さの影響関数,
f(φ):鉄筋径の影響関数,
f(s):配力筋の有無の影響関数,
f(a):配筋位置の影響関数,
α(c):鉄筋のかぶり厚さの影響係数,
α(φ):鉄筋径の影響係数,
α(s):配力筋の有無の影響係数,
α(a):配筋位置の影響係数
c:鉄筋のかぶり厚さ〔mm〕,
φ:鉄筋径〔mm〕,
s:配力筋の有無を表す変数,
a:配筋位置の種類を表す変数
をそれぞれ表す。
そして、本実施形態の処理の実行にあたっては、制御部11は、まず、鉄筋断面欠損率の推定式である数式1を定式化する処理(S1:S1−1〜S1−4)を行う。
具体的には、制御部11の鉄筋かぶり厚さ影響設定部11aは、鉄筋断面欠損率推定式の鉄筋のかぶり厚さの影響関数及び鉄筋のかぶり厚さの影響係数の設定を行う(S1−1)。
本実施形態では、かぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅とコンクリート内部の鉄筋の断面欠損率との間の関係に鉄筋のかぶり厚さが及ぼす影響を取り込むための鉄筋のかぶり厚さの影響関数を数式2−1のようにおくと共に鉄筋のかぶり厚さの影響係数を数式2−2のようにおく。なお、本実施形態では鉄筋のかぶり厚さの影響関数及び影響係数を鉄筋のかぶり厚さを説明変数とする一次関数形で表すようにしているが、関数形はこれに限定されるものではなく、例えば指数関数形を用いるようにしても良い。また、影響関数と影響係数とは、例えば鉄筋のかぶり厚さによってとり得る値が選択される定数であっても良い。
(数2−1) f(c)=kfcc+mfc
(数2−2) α(c)=kαcc+mαc
ここに、f(c):鉄筋のかぶり厚さの影響関数,
α(c):鉄筋のかぶり厚さの影響係数,
c:鉄筋のかぶり厚さ〔mm〕,
fc,mfc,kαc,mαc:回帰係数
をそれぞれ表す。
ここで、数式2−1の回帰係数kfc,mfc及び数式2−2の回帰係数kαc,mαcは、i)試験を行うと共に当該試験の結果を用いて回帰分析を行って設定するようにしても良いし、ii)既に求められているものを用いるようにしても良い。なお、本発明の説明においては、回帰式の係数項の係数と定数項とを区別することなくどちらも回帰係数と呼ぶ。
i)試験を行って回帰係数を設定する場合
試験を行って回帰係数kfc,mfc,kαc,mαcを設定する場合には、まず、鉄筋のかぶり厚さ〔mm〕と鉄筋断面欠損率〔%〕との間の関係を把握するため、鉄筋のかぶり厚さのみが異なりその他の条件を同じにした複数の試験体を用い、人為的に鉄筋の腐食反応を促進させコンクリートにひび割れを発生させてかぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅と内部の鉄筋の腐食状態との間の関係を把握する試験を実施する。
試験体の構成や使用する材料は鉄筋断面欠損率の推定の対象になっている実際のコンクリートも参考にしながら適宜設定すれば良い。なお、具体的には例えば内部の鉄筋の径,配力筋の有無,配筋位置,セメントや骨材等の使用材料及び配合条件といったコンクリートの条件を同じにして鉄筋のかぶり厚さが異なる(鉄筋のかぶり厚さの分だけ断面の寸法が異なる)複数の試験体を作製する。
ここで、試験体における鉄筋の腐食反応を促進させるため、コンクリートに塩化ナトリウム(NaCl)を練り混ぜ時に混入させる。なお、コンクリート表面のひび割れ発生以降の鉄筋腐食については酸素及び水分の供給が腐食反応の支配的要因であるので、塩化ナトリウムの混入はひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との間の関係には影響を与えない。
試験手順としては、具体的には例えば、試験体を打設して養生を行った後に恒温試験槽に搬入して鉄筋の腐食反応を促進させて試験を行う。そして、定期的に全試験体を恒温試験槽から搬出してコンクリート表面のひび割れ幅と長さとの測定を行う。なお、養生としては28日間の水中養生を行うことが考えられ、恒温試験槽内の試験環境は鉄筋の腐食反応を促進させるために温度40〔℃〕,湿度60〔%〕とすることが考えられ、ひび割れ幅等の測定は2週間から1ヶ月程度の間隔で行うことが考えられるが、いずれの条件についてもこれらに限定されるものではない。
コンクリート表面のひび割れ幅〔mm〕は例えばクラックゲージで測定する。また、鉄筋の腐食量の測定は社団法人日本コンクリート工学協会規準「コンクリート構造物の腐食・防食に関する実験方法ならびに規準(案)」(1987年)に準拠して行う。具体的には、60℃のクエン酸2アンモニウム10%溶液に24時間浸漬し鉄筋表面の腐食生成物を除去して鉄筋の重量減少を測定し、その値を鉄筋の全表面積で除すことによって腐食量〔g/cm2又はmg/cm2〕を求める。なお、本発明においては、腐食量に基づいて算出される鉄筋断面欠損率〔%〕を指標として用いる。
そして、測定によって得られたデータを、鉄筋のかぶり厚さ毎に(言い換えれば、鉄筋のかぶり厚さの値と関連づけて)かぶりコンクリート表面のひび割れ幅の値と鉄筋断面欠損率の値との組み合わせのデータとして整理し、鉄筋かぶり厚さ影響データベース16aとしてデータサーバ16に予め蓄積しておく。
鉄筋かぶり厚さ影響設定部11aは、鉄筋のかぶり厚さ毎に、ひび割れ幅の値と鉄筋断面欠損率の値との組み合わせデータを鉄筋かぶり厚さ影響データベース16aから読み込み、両者の関係を表す回帰式を算定する。本実施形態では、回帰式を数式3のようにおく。なお、回帰式の算定方法は特定の方法に限定されるものではなく例えば最小二乗法を用いて行う。
(数3) ΔWi=fciL+αci
ここに、ΔWi:鉄筋のかぶり厚さi〔mm〕での鉄筋断面欠損率〔%〕,
L:かぶりコンクリート表面のひび割れ幅〔mm〕,
ci,αci:鉄筋のかぶり厚さi〔mm〕毎の回帰係数
をそれぞれ表す。
ここで、数式3は、数式1の鉄筋のかぶり厚さの影響関数f(c)及び影響係数α(c)以外の影響関数f(φ),f(s),f(a)及び影響係数α(φ),α(s),α(a)を1とした上で、鉄筋のかぶり厚さi毎の鉄筋のかぶり厚さの影響関数f(c)を回帰係数fciとおくと共に影響係数α(c)を回帰係数αciとおいたものである。
そして、鉄筋かぶり厚さ影響設定部11aは、鉄筋のかぶり厚さi毎に算定された回帰式の回帰係数fciの値とαciの値との組み合わせを鉄筋のかぶり厚さiの値を関連づけた上でメモリ15に記憶させる。
鉄筋かぶり厚さ影響設定部11aは、さらに、鉄筋のかぶり厚さiの値と関連づけられた回帰係数fciの値をメモリ15から読み込み、これら鉄筋のかぶり厚さiの値と回帰係数fciの値との組み合わせデータを用い数式2−1を回帰式として回帰分析を行って回帰係数kfc及びmfcを算定する。なおこの際、数式2−1の変数f(c)としてfciの値を与えると共に変数cとしてiの値を与える。
また、鉄筋かぶり厚さ影響設定部11aは、鉄筋のかぶり厚さiの値と関連づけられた回帰係数αciの値をメモリ15から読み込み、これら鉄筋のかぶり厚さiの値と回帰係数αciの値との組み合わせデータを用い数式2−2を回帰式として回帰分析を行って回帰係数kαc及びmαcを算定する。なおこの際、数式2−2の変数α(c)としてαciの値を与えると共に変数cとしてiの値を与える。
そして、鉄筋かぶり厚さ影響設定部11aは、算定した回帰係数kfc,mfc,kαc,mαcの値をメモリ15に記憶させる。
なお、鉄筋のかぶり厚さ毎にかぶりコンクリート表面のひび割れ幅の値と鉄筋断面欠損率の値との組み合わせデータが少なくとも二組あれば(すなわち、例えば二時点の測定結果があれば)回帰係数fci及びαciの値を算定することが可能であり、そして、少なくとも二つの鉄筋のかぶり厚さiについてこれら組み合わせデータがあれば回帰係数kfc,mfc,kαc,mαcの値を算定することが可能であるが、回帰関数式として曲線を用いて回帰分析を行う必要がある場合を考慮すると、組み合わせデータは少なくとも三組あることが望ましく、そして、少なくとも三つのかぶり厚さiについてのデータがあることが望ましい。
ii)既に求められている回帰係数を用いる場合
一方、既に求められている回帰係数kfc,mfc,kαc,mαcを用いる場合には、これら回帰係数の値を鉄筋断面欠損率推定プログラム17に予め規定しておくか或いは記憶部12に係数データファイルとして予め格納しておき、鉄筋かぶり厚さ影響設定部11aがこれらから回帰係数の値を読み取り若しくは読み込むようにしても良い。
そして、鉄筋かぶり厚さ影響設定部11aは、鉄筋断面欠損率推定プログラム17から読み取った若しくは記憶部12から読み込んだ回帰係数kfc,mfc,kαc,mαcの値をメモリ15に記憶させる。
次に、制御部11の鉄筋径影響設定部11bは、鉄筋断面欠損率推定式の鉄筋径の影響関数及び鉄筋径の影響係数の設定を行う(S1−2)。
本実施形態では、かぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅とコンクリート内部の鉄筋の断面欠損率との間の関係に鉄筋の径が及ぼす影響を取り込むための鉄筋径の影響関数を数式4−1のようにおくと共に鉄筋径の影響係数を数式4−2のようにおく。なお、本実施形態では鉄筋径の影響関数及び影響係数を鉄筋径を説明変数とする指数関数形や一次関数形で表すようにしているが、関数形はこれらに限定されるものではなく、それぞれ他の関数形を用いるようにしても良い。また、影響関数と影響係数とは、例えば鉄筋径によってとり得る値が選択される定数であっても良い。
Figure 0005284171
(数4−2) α(φ)=kαφφ+mαφ
ここに、f(φ):鉄筋径の影響関数,
α(φ):鉄筋径の影響係数,
φ:鉄筋径〔mm〕,
,m,kαφ,mαφ:回帰係数
をそれぞれ表す。
ここで、数式4−1の回帰係数k,m及び数式4−2の回帰係数kαφ,mαφは、i)試験を行うと共に当該試験の結果を用いて回帰分析を行って設定するようにしても良いし、ii)既に求められているものを用いるようにしても良い。
i)試験を行って回帰係数を設定する場合
試験を行って回帰係数k,m,kαφ,mαφを設定する場合には、数式2−1及び2−2の回帰係数の算定と同様の手順で行う。すなわち、まず、鉄筋径〔mm〕と鉄筋断面欠損率〔%〕との間の関係を把握するため、鉄筋径のみが異なりその他の条件を同じにした複数の試験体を用い、人為的に鉄筋の腐食反応を促進させコンクリートにひび割れを発生させてかぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅と内部の鉄筋の腐食状態との間の関係を把握する試験を実施する。
そして、測定によって得られたデータを、鉄筋径毎にかぶりコンクリート表面のひび割れ幅の値と鉄筋断面欠損率の値との組み合わせデータとして整理し、鉄筋径影響データベース16bとしてデータサーバ16に予め蓄積しておく。
鉄筋径影響設定部11bは、鉄筋径毎に、ひび割れ幅の値と鉄筋断面欠損率の値との組み合わせデータを鉄筋径影響データベース16bから読み込み、両者の関係を表す回帰式を算定する。本実施形態では、回帰式を数式5のようにおく。
(数5) ΔWj=fφjL+αφj
ここに、ΔWj:鉄筋径j〔mm〕での鉄筋断面欠損率〔%〕,
L:かぶりコンクリート表面のひび割れ幅〔mm〕,
φj,αφj:鉄筋径j〔mm〕毎の回帰係数
をそれぞれ表す。
ここで、数式5は、数式1の鉄筋径の影響関数f(φ)及び影響係数α(φ)以外の影響関数f(c),f(s),f(a)及び影響係数α(c),α(s),α(a)を1とした上で、鉄筋径j毎の鉄筋径の影響関数f(φ)を回帰係数fφjとおくと共に影響係数α(φ)を回帰係数αφjとおいたものである。
そして、鉄筋径影響設定部11bは、鉄筋径j毎に算定された回帰式の回帰係数fφjの値とαφjの値との組み合わせを鉄筋径jの値を関連づけた上でメモリ15に記憶させる。
鉄筋径影響設定部11bは、さらに、鉄筋径jの値と関連づけられた回帰係数fφjの値をメモリ15から読み込み、これら鉄筋径jの値と回帰係数fφjの値との組み合わせデータを用い数式4−1を回帰式として回帰分析を行って回帰係数k及びmを算定する。なおこの際、数式4−1の変数f(φ)としてfφjの値を与えると共に変数φとしてjの値を与える。
また、鉄筋径影響設定部11bは、鉄筋径jの値と関連づけられた回帰係数αφjの値をメモリ15から読み込み、これら鉄筋径jの値と回帰係数αφjの値との組み合わせデータを用い数式4−2を回帰式として回帰分析を行って回帰係数kαφ及びmαφを算定する。なおこの際、数式4−2の変数α(φ)としてαφjの値を与えると共に変数φとしてjの値を与える。
そして、鉄筋径影響設定部11bは、算定した回帰係数k,m,kαφ,mαφの値をメモリ15に記憶させる。
ii)既に求められている回帰係数を用いる場合
一方、既に求められている回帰係数k,m,kαφ,mαφを用いる場合には、これら回帰係数の値を鉄筋断面欠損率推定プログラム17に予め規定しておくか或いは記憶部12に係数データファイルとして予め格納しておき、鉄筋径影響設定部11bがこれらから回帰係数の値を読み取り若しくは読み込むようにしても良い。
そして、鉄筋径影響設定部11bは、鉄筋断面欠損率推定プログラム17から読み取った若しくは記憶部12から読み込んだ回帰係数k,m,kαφ,mαφの値をメモリ15に記憶させる。
次に、制御部11の配力筋有無影響設定部11cは、鉄筋断面欠損率推定式の配力筋の有無の影響関数及び配力筋の有無の影響係数の設定を行う(S1−3)。
本実施形態では、かぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅とコンクリート内部の鉄筋の断面欠損率との間の関係に配力筋の有無が及ぼす影響を取り込むための配力筋の有無の影響関数及び配力筋の有無の影響係数を数式6−1,6−2のように配力筋の有無別に選択される定数として取り扱う。なお、本実施形態では配力筋の有無の影響関数及び影響係数を配力筋の有無によってとり得る値が選択される定数として設定するようにしているが、影響関数及び影響係数の設定の仕方はこれに限られるものではなく、配力筋の有無を説明変数とする一次関数や指数関数などの関数として設定するようにしても良い。
(数6−1) f(s)=kSs
(数6−2) α(s)=mSs
ここに、f(s):配力筋の有無の影響関数,
α(s):配力筋の有無の影響係数,
Ss,mSs:定数(配力筋有無別),
s:配力筋の有無を表す変数
(配力筋ありの場合はs=1,なしの場合はs=0)
をそれぞれ表す。
数式6−1,6−2の定数kSs,mSsは、i)試験を行うと共に当該試験の結果を用いて回帰分析を行って設定するようにしても良いし、ii)既に求められているものを用いるようにしても良い。
i)試験を行って定数を設定する場合
試験を行って定数kSs,mSsを設定する場合には、配力筋の有無と鉄筋断面欠損率〔%〕との間の関係を把握するため、配力筋の有無のみが異なりその他の条件を同じにした複数の試験体を用い、人為的に鉄筋の腐食反応を促進させコンクリートにひび割れを発生させてかぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅と内部の鉄筋の腐食状態との間の関係を把握する試験を実施する。
そして、測定によって得られたデータを、配力筋の有無別のかぶりコンクリート表面のひび割れ幅の値と鉄筋断面欠損率の値との組み合わせデータとして整理し、配力筋有無影響データベース16cとしてデータサーバ16に予め蓄積しておく。
配力筋有無影響設定部11cは、配力筋の有無別に、ひび割れ幅の値と鉄筋断面欠損率の値との組み合わせデータを配力筋有無影響データベース16cから読み込み、回帰式を算定する。本実施形態では、回帰式を数式7のようにおく。
(数7) ΔWs=fSsL+αSs
ここに、ΔWs:配力筋有無別の鉄筋断面欠損率〔%〕,
L:かぶりコンクリート表面のひび割れ幅〔mm〕,
Ss,αSs:配力筋有無別の回帰係数,
s:配力筋の有無を表す変数
(配力筋ありの場合はs=1,なしの場合はs=0)
をそれぞれ表す。
ここで、数式7は、数式1の配力筋の有無の影響関数f(s)及び影響係数α(s)以外の影響関数f(c),f(φ),f(a)及び影響係数α(c),α(φ),α(a)を1とした上で、配力筋有無別の配力筋の有無の影響関数f(s)を回帰係数fSsとおくと共に影響係数α(s)を回帰係数αSsとおいたものである。
そして、配力筋有無影響設定部11cは、配力筋有無別に算定された回帰式の回帰係数fSsとαSsとの値を配力筋の有無を関連づけた上でメモリ15に記憶させる。
配力筋有無影響設定部11cは、さらに、配力筋の有無別の回帰係数fSs,αSsの値をメモリ15から読み込み、配力筋ありの場合の定数kS1を数式8−1によって算出すると共に配力筋ありの場合の定数mS1を数式8−2によって算出する。
(数8−1) kS1=fS1/fS0
(数8−2) mS1=αS1/αS0
ここに、kS1,mS1:配力筋ありの場合の定数,
S1,αS1:配力筋ありの場合の回帰係数,
S0,αS0:配力筋なしの場合の回帰係数
をそれぞれ表す。
本実施形態では、数式8−1,8−2によって配力筋ありの場合の定数kS1,mS1を算定するようにすることにより、配力筋なしの場合を基準として配力筋があることによるかぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅とコンクリート内部の鉄筋の断面欠損率との間の関係に与える影響を考慮するようにしている。したがって、配力筋なしの場合の定数kS0=mS0=1.0である。
そして、配力筋有無影響設定部11cは、算定した定数kS0,mS0,kS1,mS1の値をメモリ15に記憶させる。
ii)既に求められている定数を用いる場合
一方、既に求められている定数kSs,mSsを用いる場合には、これら定数の値を鉄筋断面欠損率推定プログラム17に予め規定しておくか或いは記憶部12に係数データファイルとして予め格納しておき、配力筋有無影響設定部11cがこれらから定数の値を読み取り若しくは読み込むようにしても良い。
そして、配力筋有無影響設定部11cは、鉄筋断面欠損率推定プログラム17から読み取った若しくは記憶部12から読み込んだ定数kS0,mS0,kS1,mS1の値をメモリ15に記憶させる。
次に、制御部11の配筋位置影響設定部11dは、鉄筋断面欠損率推定式の配筋位置の影響関数及び配筋位置の影響係数の設定を行う(S1−4)。
本実施形態では、かぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅とコンクリート内部の鉄筋の断面欠損率との間の関係に配筋位置が及ぼす影響を取り込むための配筋位置の影響関数及び配筋位置の影響係数を数式9−1,9−2のように配筋位置の種類別に選択される定数として取り扱う。なお、本実施形態では配筋位置の影響関数及び影響係数を配筋位置の種類によってとり得る値が選択される定数として設定するようにしているが、影響関数及び影響係数の設定の仕方はこれに限られるものではなく、配筋位置の種類を表す変数を説明変数とする一次関数や指数関数などの関数として設定するようにしても良い。
(数9−1) f(a)=kAa
(数9−2) α(a)=mAa
ここに、f(a):配筋位置の影響関数,
α(a):配筋位置の影響係数,
Aa,mAa:定数(配筋位置の種類別),
a:配筋位置の種類を表す変数
をそれぞれ表す。
本実施形態では、1本の鉄筋がコンクリート断面の左右中心位置に配筋されているか隅角部(即ち左右中心位置からずれた位置)に配筋されているか、及び、複数の鉄筋が配筋されている場合にかぶりよりも鉄筋間隔が大きいか小さいかを配筋位置の種類として設定する。
数式9−1,9−2の定数kAa,mAaは、i)試験を行うと共に当該試験の結果を用いて回帰分析を行って設定するようにしても良いし、ii)既に求められているものを用いるようにしても良い。
i)試験を行って定数を設定する場合
試験を行って定数kAa,mAaを設定する場合には、配筋位置の種類と鉄筋断面欠損率〔%〕との間の関係を把握するため、配筋位置の種類のみが異なりその他の条件を同じにした複数の試験体を用い、人為的に鉄筋の腐食反応を促進させコンクリートにひび割れを発生させてかぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅と内部の鉄筋の腐食状態との間の関係を把握する試験を実施する。
そして、測定によって得られたデータを、配筋位置の種類別のかぶりコンクリート表面のひび割れ幅の値と鉄筋断面欠損率の値との組み合わせデータとして整理し、配筋位置影響データベース16dとしてデータサーバ16に予め蓄積しておく。
配筋位置影響設定部11dは、配筋位置の種類別に、ひび割れ幅の値と鉄筋断面欠損率の値との組み合わせデータを配筋位置影響データベース16dから読み込み、回帰式を算定する。本実施形態では、回帰式を数式10のようにおく。
(数10) ΔWa=fAaL+αAa
ここに、ΔWa:配筋位置種類別の鉄筋断面欠損率〔%〕,
L:かぶりコンクリート表面のひび割れ幅〔mm〕,
Aa,αAa:配筋位置種類別の回帰係数,
a:配筋位置の種類を表す変数
(単数の鉄筋が断面隅角部に配筋されている場合はa=1,
複数鉄筋でかぶりよりも鉄筋間隔が小さい場合はa=2,
その他の場合はa=0)
をそれぞれ表す。
ここで、数式10は、数式1の配筋位置の影響関数f(a)及び影響係数α(a)以外の影響関数f(c),f(φ),f(s)及び影響係数α(c),α(φ),α(s)を1とした上で、配筋位置種類別の配筋位置の影響関数f(a)を回帰係数fAaとおくと共に影響係数α(a)を回帰係数αAaとおいたものである。
そして、配筋位置影響設定部11dは、配筋位置種類別に算定された回帰式の回帰係数fAaとαAaとの値を配筋位置の種類を関連づけた上でメモリ15に記憶させる。
配筋位置影響設定部11dは、さらに、配筋位置の種類別の回帰係数fAa,αAaの値をメモリ15から読み込み、単数の鉄筋が断面隅角部に配筋されている場合の定数kA1を数式11−1によって算出すると共に定数mA1を数式11−2を用いて算出し、さらに、複数鉄筋でかぶりよりも鉄筋間隔が小さい場合の定数kA2を数式11−3によって算出すると共に定数mA2を数式11−4を用いて算出する。
(数11−1) kA1=fA1/fA0
(数11−2) mA1=αA1/αA0
(数11−3) kA2=fA2/fA0
(数11−4) mA2=αA2/αA0
ここに、kA1,mA1:単数の鉄筋が断面隅角部に配筋されている場合の定数,
A2,mA2:複数鉄筋でかぶりよりも鉄筋間隔が小さい場合の定数,
A1,αA1:単数の鉄筋が断面隅角部に配筋されている場合の回帰係数,
A2,αA2:複数鉄筋でかぶりよりも鉄筋間隔が小さい場合の回帰係数,
A0,αA0:単数の鉄筋が断面中心位置に配筋されている場合の回帰係数
をそれぞれ表す。
本実施形態では、数式11−1〜11−4によって配筋位置の種類別の定数kAa,mAaを算定するようにすることにより、単数の鉄筋が断面中心位置に配筋されている場合を基準として配筋位置の種類によるかぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅とコンクリート内部の鉄筋の断面欠損率との間の関係に与える影響を考慮するようにしている。したがって、単数の鉄筋が断面中心位置に配筋されている場合の定数kA0=mA0=1.0である。
そして、配筋位置影響設定部11dは、算定した定数kA0,mA0,kA1,mA1,kA2,mA2の値をメモリ15に記憶させる。
ii)既に求められている定数を用いる場合
一方、既に求められている定数kAa,mAaを用いる場合には、これら定数の値を鉄筋断面欠損率推定プログラム17に予め規定しておくか或いは記憶部12に係数データファイルとして予め格納しておき、配筋位置影響設定部11dがこれらから定数の値を読み取り若しくは読み込むようにしても良い。
そして、配筋位置影響設定部11dは、鉄筋断面欠損率推定プログラム17から読み取った若しくは記憶部12から読み込んだ定数kA0,mA0,kA1,mA1,kA2,mA2の値をメモリ15に記憶させる。
続いて、制御部11は、S1の処理によって定式化された鉄筋断面欠損率の推定式を用いて鉄筋断面欠損率を推定する処理(S2:S2−1〜S2−6)を行う。
具体的には、制御部11の推定条件設定部11eは、鉄筋断面欠損率の推定を行うために必要な条件の設定を行う(S2−1)。
推定条件設定部11eは、鉄筋のかぶり厚さの値の入力を要求する内容のメッセージを表示部14に表示すると共に入力部13を介して入力された値を鉄筋のかぶり厚さcの値としてメモリ15に記憶させる。
推定条件設定部11eは、また、鉄筋径の値の入力を要求する内容のメッセージを表示部14に表示すると共に入力部13を介して入力された値を鉄筋径φの値としてメモリ15に記憶させる。
推定条件設定部11eは、また、配力筋の有無に係る条件設定の入力を要求する内容のメッセージを表示部14に表示すると共に入力部13を介して入力された条件に基づいて、配力筋がある場合には配力筋の有無を表す変数s=1とし、配力筋がない場合にはs=0とする。
推定条件設定部11eは、また、配筋位置の種類に係る条件設定の入力を要求する内容のメッセージを表示部14に表示すると共に入力部13を介して入力された条件に基づいて、単数の鉄筋が断面隅角部に配筋されている場合には配筋位置の種類を表す変数a=1とし、複数の鉄筋が配筋されかぶりよりも鉄筋間隔が小さい場合にはa=2とし、単数の鉄筋が断面中心位置に配筋されている場合にはa=0とする。
そして、推定条件設定部11eは、配力筋の有無を表す変数sの値及び配筋位置の種類を表す変数aの値をメモリ15に記憶させる。
次に、制御部11の鉄筋かぶり厚さ影響算出部11fは、鉄筋のかぶり厚さの影響関数の値及び影響係数の値の算出を行う(S2−2)。
鉄筋かぶり厚さ影響算出部11fは、S1−1の処理においてメモリ15に記憶された回帰係数kfc,mfcの値とS2−1の処理においてメモリ15に記憶された鉄筋のかぶり厚さcの値とをメモリ15から読み込み、数式2−1によって鉄筋のかぶり厚さの影響関数f(c)の値を算出する。
さらに、鉄筋かぶり厚さ影響算出部11fは、S1−1の処理においてメモリ15に記憶された回帰係数kαc,mαcの値とS2−1の処理においてメモリ15に記憶された鉄筋のかぶり厚さcの値とをメモリ15から読み込み、数式2−2によって鉄筋のかぶり厚さの影響係数α(c)の値を算出する。
そして、鉄筋かぶり厚さ影響算出部11fは、鉄筋のかぶり厚さの影響関数f(c)の値及び影響係数α(c)の値をメモリ15に記憶させる。
次に、制御部11の鉄筋径影響算出部11gは、鉄筋径の影響関数の値及び影響係数の値の算出を行う(S2−3)。
鉄筋径影響算出部11gは、S1−2の処理においてメモリ15に記憶された回帰係数k,mの値とS2−1の処理においてメモリ15に記憶された鉄筋径φの値とをメモリ15から読み込み、数式4−1によって鉄筋径の影響関数f(φ)の値を算出する。
さらに、鉄筋径影響算出部11gは、S1−2の処理においてメモリ15に記憶された回帰係数kαφ,mαφの値とS2−1の処理においてメモリ15に記憶された鉄筋径φの値とをメモリ15から読み込み、数式4−2によって鉄筋径の影響係数α(φ)の値を算出する。
そして、鉄筋径影響算出部11gは、鉄筋径の影響関数f(φ)の値及び影響係数α(φ)の値をメモリ15に記憶させる。
次に、制御部11の配力筋有無影響算出部11hは、配力筋の有無の影響関数の値及び影響係数の値の算出を行う(S2−4)。
配力筋有無影響算出部11hは、S1−3の処理においてメモリ15に記憶された定数kSsの値とS2−1の処理においてメモリ15に記憶された配力筋の有無を表す変数sの値とをメモリ15から読み込み、変数sの値に基づいて数式6−1によって配力筋の有無の影響関数f(s)の値を決定する。
さらに、配力筋有無影響算出部11hは、S1−3の処理においてメモリ15に記憶された定数mSsの値とS2−1の処理においてメモリ15に記憶された配力筋の有無を表す変数sの値とをメモリ15から読み込み、変数sの値に基づいて数式6−2によって配力筋の有無の影響係数α(s)の値を決定する。
そして、配力筋有無影響算出部11hは、配力筋の有無の影響関数f(s)の値及び影響係数α(s)の値をメモリ15に記憶させる。
次に、制御部11の配筋位置影響算出部11iは、配筋位置の影響関数の値及び影響係数の値の算出を行う(S2−5)。
配筋位置影響算出部11iは、S1−4の処理においてメモリ15に記憶された定数kAaの値とS2−1の処理においてメモリ15に記憶された配筋位置の種類を表す変数aの値とをメモリ15から読み込み、変数aの値に基づいて数式9−1によって配筋位置の影響関数f(a)の値を決定する。
さらに、配筋位置影響算出部11iは、S1−4の処理においてメモリ15に記憶された定数mAaの値とS2−1の処理においてメモリ15に記憶された配筋位置の種類を表す変数aの値とをメモリ15から読み込み、変数aの値に基づいて数式9−2によって配筋位置の影響係数α(a)の値を決定する。
そして、配筋位置影響算出部11iは、配筋位置の影響関数f(a)の値及び影響係数α(a)の値をメモリ15に記憶させる。
次に、制御部11の鉄筋断面欠損率推定部11jは、鉄筋断面欠損率の推定を行う(S2−6)。
まず、鉄筋断面欠損率推定部11jは、コンクリート表面のひび割れ幅の値の入力を要求する内容のメッセージを表示部14に表示すると共に入力部13を介して入力された値をコンクリート表面のひび割れ幅Lの値として読み込む。なお、コンクリート表面のひび割れ幅の値をデータファイルとして記憶部12に予め格納しておいて当該データファイルからひび割れ幅の値を読み込むようにしても良い。
鉄筋断面欠損率推定部11jは、また、S2−2の処理においてメモリ15に記憶された鉄筋のかぶり厚さの影響関数f(c)及び影響係数α(c)の値と、S2−3の処理においてメモリ15に記憶された鉄筋径の影響関数f(φ)及び影響係数α(φ)の値と、S2−4の処理においてメモリ15に記憶された配力筋の有無の影響関数f(s)及び影響係数α(s)の値と、S2−5の処理においてメモリ15に記憶された配筋位置の影響関数f(a)及び影響係数α(a)の値とをメモリ15から読み込む。
そして、鉄筋断面欠損率推定部11jは、読み込んだ各種の値を用いて数式1によって鉄筋断面欠損率ΔWの値を算出する。
鉄筋断面欠損率推定部11jは、算出した鉄筋断面欠損率ΔWの値を必要に応じて表示部14に表示したり推定結果データファイルとして記憶部12に蓄積したりする。
そして、鉄筋断面欠損率推定部11jは、必要に応じ、具体的には鉄筋断面欠損率の推定を行うべきひび割れ幅のデータがあるときは、S2−6の処理を繰り返し行ってひび割れ幅別の鉄筋断面欠損率を算出する。
また、制御部11は、必要に応じ、S2−1の処理に戻ってS2−6までの処理を繰り返す。そして、鉄筋断面欠損率の推定を行うべき対象がなくなったときは処理を終了する(END)。
以上のように構成された本発明の鉄筋断面欠損率の推定方法、推定装置及び推定プログラムによれば、かぶりコンクリート表面のひび割れ幅に基づいて内部の鉄筋の断面欠損率を推定する際にかぶりの厚さ,鉄筋の径,配力筋の有無,配筋の位置を考慮するようにしているので、かぶりコンクリート表面のひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との間の関係に影響を及ぼす要因を評価に取り込んだ適確な鉄筋断面欠損率を推定することができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、各種の影響関数及び影響係数の設定を行う際に試験を行って回帰係数を設定する場合に、試験体を作製して人為的に鉄筋の腐食反応を促進させる試験を行い当該試験の結果を用いるようにしているが、各種の影響関数及び影響係数の設定の手順は本実施形態で説明した手順に限られるものではなく、まず試験を行い、或いは既存の試験や観測の結果を収集し、当該試験や観測の結果だけでは影響関数及び影響係数の設定のためのデータとして不十分である場合には既存データを補充・補完するために前記試験や観測の結果に基づいて例えば有限要素解析を用いて鉄筋腐食によるひび割れ発生試験の数値シミュレーションを行い、当該シミュレーションの結果と前記試験や観測の結果とを合わせて用いるようにしても良い。
また、本実施形態では、配筋位置の種類として単数の鉄筋が断面中心位置に配筋されている場合に対して単数の鉄筋が断面隅角部に配筋されている場合と複数鉄筋でかぶりよりも鉄筋間隔が小さい場合とを、かぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅とコンクリート内部の鉄筋の断面欠損率との間の関係に影響を及ぼすものとして特にとりあげるようにしているが、ひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との間の関係に影響を及ぼす配筋位置の種類はこれらに限られるものではなく、推定の対象とする実際のコンクリートの構成などを踏まえて両者の関係に影響を及ぼすと考えられる若しくは考慮すべきと考えられる配筋位置の種類を適宜設定するようにすれば良い。
本発明の鉄筋断面欠損率の推定方法、推定装置及び推定プログラムをコンクリート内部の鉄筋の断面欠損率の推定に適用した実施例を、推定結果の検証と合わせて図3から図6を用いて説明する。
本実施例では、まず、鉄筋断面欠損率推定式の鉄筋のかぶり厚さの影響関数及び鉄筋のかぶり厚さの影響係数の設定を行う(S1−1)ため、複数の試験体を作製して人為的に鉄筋の腐食反応を促進させかぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅と内部の鉄筋の腐食状態との間の関係を把握する試験を実施した。
本実施例のコンクリートの配合条件は、水セメント比55〔%〕,細骨材率42〔%〕,スランプ8〜12〔cm〕,空気量3〜5〔%〕とした。なお、使用材料として、セメントは普通ポルトランドセメント,粗骨材は最大寸法15〔mm〕の砕石,細骨材は砕砂を用いた。また、鉄筋の腐食反応を促進させるために16.5〔kg/m3〕のNaClをコンクリートの練り混ぜ時に混入した。
なお、鉄筋腐食量の測定における良好な精度の確保を考慮して本実施例では主鉄筋及び配力筋として丸鋼を用いるようにしたが、本発明の適用対象は丸鋼を利用した鉄筋コンクリートに限られるものではなく、それぞれ異形鉄筋であっても構わない。
本実施例の試験では、具体的には、試験体を打設して28日間の水中養生を行った後、温度40〔℃〕,湿度60〔%〕に調整された恒温試験槽に搬入して鉄筋の腐食反応を促進させる試験を開始した。そして、ひび割れが発生するまでは2週間毎に、ひび割れが発生してからは1ヶ月毎に試験槽から搬出してひび割れ幅と鉄筋腐食量との測定を行った。ひび割れ幅の測定はクラックゲージを用いて行い、鉄筋腐食量の測定は社団法人日本コンクリート工学協会規準「コンクリート構造物の腐食・防食に関する実験方法ならびに規準(案)」に準拠して行った。なお、本発明では、上記規準に準拠して測定した鉄筋腐食量を用いて鉄筋断面欠損率〔%〕を算出して試験の結果として用いた。
かぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅とコンクリート内部の鉄筋の断面欠損率との間の関係に鉄筋のかぶり厚さが及ぼす影響を把握するために行った試験の結果の例を図3に示す。図3のうち、ケース2(記号●)は、断面が150×150〔mm〕,直径φ=19〔mm〕の主鉄筋を断面中心位置に1本配置,鉄筋のかぶり厚さc=30〔mm〕,配力筋がない試験体についての結果である。また、ケース5(記号△)は、断面が200×250〔mm〕,鉄筋のかぶり厚さc=60〔mm〕でその他の条件はケース2と同一である試験体についての結果である。
ケース2の結果とケース5の結果との比較から、かぶりコンクリート表面のひび割れの発生時の鉄筋断面欠損率(すなわち、ひび割れ幅がゼロである縦軸切片の値)及び同じひび割れ幅に対する鉄筋断面欠損率はかぶりの大きさに応じて大きくなる傾向にあり、鉄筋のかぶり厚さがひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との間の関係に影響を及ぼすことが確認された。この理由は、鉄筋径が同じ場合はかぶりコンクリートが厚いほどひび割れ発生に必要な鉄筋の腐食膨張圧は大きくなるためであると考えられた。また、ひび割れ幅と鉄筋断面欠損率とはほぼ正の相関関係を示していることが確認された。
そして、本実施例では、上述のケース2及びケース5の結果も用い、鉄筋のかぶり厚さi=30,60,90毎に、数式3を回帰式としてひび割れ幅Lと鉄筋断面欠損率ΔWiとの間の関係についての回帰分析を行って回帰係数fci及びαciを算定した。
さらに、数式2−1を回帰式として鉄筋のかぶり厚さiと回帰係数fciとの間の関係についての回帰分析を行って回帰係数kfc=0.021,mfc=1.73が算定された。また、数式2−2を回帰式として鉄筋のかぶり厚さiと回帰係数αciとの間の関係についての回帰分析を行って回帰係数kαc=0.0085,mαc=1.59が算定された。
なお、S1−1の処理において、既に求められている回帰係数を用いる場合には、上述の検討によって導出されたkfc=0.021,mfc=1.73,kαc=0.0085,mαc=1.59が適当な組み合わせの一つであるので、これらの値を用いるようにしても良い。
また、鉄筋断面欠損率推定式の鉄筋径の影響関数及び鉄筋径の影響係数の設定を行う(S1−2)ため、複数の試験体を作製して人為的に鉄筋の腐食反応を促進させかぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅と内部の鉄筋の腐食状態との間の関係を把握する試験を実施した。
かぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅とコンクリート内部の鉄筋の断面欠損率との間の関係に鉄筋の径が及ぼす影響を把握するために行った試験の結果の例を図4に示す。図4のうち、ケース1(記号△)は、断面が150×150〔mm〕,直径φ=13〔mm〕の主鉄筋を断面中心位置に1本配置,鉄筋のかぶり厚さc=30〔mm〕,配力筋がない試験体についての結果である。また、ケース2(記号●)は主鉄筋の直径φ=19〔mm〕であり、ケース3(記号◇)は主鉄筋の直径φ=25〔mm〕であり、どちらのケースもその他の条件はケース1と同一である試験体についての結果である。
各ケースの結果の比較から、かぶりコンクリート表面のひび割れの発生時の鉄筋断面欠損率は概ね1〜3〔%〕であって鉄筋径が小さいほど断面欠損率は大きくなる傾向にあり、鉄筋の径がひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との間の関係に影響を及ぼすことが確認された。これは、ひび割れ発生に必要な鉄筋の腐食膨張圧は鉄筋径に関わらず同程度と推測され、その場合、鉄筋径が小さいほど腐食膨張圧を生じさせるための断面欠損率は大きくなる必要が生じるためと考えられた。
また、ひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との間の関係については、ひび割れ幅1〔mm〕程度までは、ひび割れ幅の増大に伴って鉄筋断面欠損率も概ね大きくなり、ほぼ正の相関関係を示すことが確認された。なお、ひび割れ幅1〔mm〕程度以降ではひび割れ幅が増大するにも関わらず鉄筋断面欠損率はほぼ一定値を示す傾向が観測されたが、鉄筋断面欠損率の増大なしにひび割れ幅が大きくなる現象は起こり得ないので、試験データのばらつきであると考えられた。
そして、本実施例では、上述の各ケースの結果を用い、鉄筋の径j=13,19,25毎に、数式5を回帰式としてひび割れ幅Lと鉄筋断面欠損率ΔWjとの間の関係についての回帰分析を行って回帰係数fφj及びαφjを算定した。
さらに、数式4−1を回帰式として鉄筋の径jと回帰係数fφjとの間の関係についての回帰分析を行って回帰係数k=39.34,m=−0.178が算定された。また、数式4−2を回帰式として鉄筋の径jと回帰係数αφjとの間の関係についての回帰分析を行って回帰係数kαφ=−0.057,mαφ=2.11が算定された。
なお、S1−2の処理において、既に求められている回帰係数を用いる場合には、上述の検討によって導出されたk=39.34,m=−0.178,kαφ=−0.057,mαφ=2.11が適当な組み合わせの一つであるので、これらの値を用いるようにしても良い。
また、鉄筋断面欠損率推定式の配力筋の有無の影響関数及び配力筋の有無の影響係数の設定を行う(S1−3)ため、複数の試験体を作製して人為的に鉄筋の腐食反応を促進させかぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅と内部の鉄筋の腐食状態との間の関係を把握する試験を実施した。
かぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅とコンクリート内部の鉄筋の断面欠損率との間の関係に配力筋の有無が及ぼす影響を把握するために行った試験の結果の例を図3に示す。図3のうち、ケース2(記号●)は、断面が150×150〔mm〕,直径φ=19〔mm〕の主鉄筋を断面中心位置に1本配置,鉄筋のかぶり厚さc=30〔mm〕,配力筋がない試験体についての結果である。また、ケース4(記号○)は、直径が9〔mm〕の配力筋を配筋し、その他の条件はケース2と同一である試験体についての結果である。
ケース2の結果とケース4の結果との比較から、かぶりコンクリート表面のひび割れの発生時の鉄筋断面欠損率及び同じひび割れ幅に対する鉄筋断面欠損率は配力筋がある場合の方がない場合に比べて大きくなる傾向にあり、配力筋の有無がひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との間の関係に影響を及ぼすことが確認された。この理由は、鉄筋の腐食膨張圧によるひび割れの開口を配力筋が拘束するためであると考えられた。
そして、本実施例では、上述のケース2及びケース4の結果も用い、配力筋のあり・なし別に、数式7を回帰式としてひび割れ幅Lと鉄筋断面欠損率ΔWsとの間の関係についての回帰分析を行って回帰係数fSs及びαSsを算定した。
さらに、数式8−1によって定数kS1=1.5が算定され、数式8−2によって定数mS1=1.0が算定された。なお、配力筋なしの場合の定数kS0=mS0=1.0とした。
なお、S1−3の処理において、既に求められている定数を用いる場合には、上述の検討によって導出されたkS0=1.0,mS0=1.0,kS1=1.5,mS1=1.0が適当な組み合わせの一つであるので、これらの値を用いるようにしても良い。
また、鉄筋断面欠損率推定式の配筋位置の影響関数及び配筋位置の影響係数の設定を行う(S1−4)ため、複数の試験体を作製して人為的に鉄筋の腐食反応を促進させかぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅と内部の鉄筋の腐食状態との間の関係を把握する試験を実施した。
かぶりコンクリート表面に発生したひび割れの幅とコンクリート内部の鉄筋の断面欠損率との間の関係に配筋位置の種類が及ぼす影響を把握するために行った試験の結果の例を図5に示す。図5のうち、ケース2(記号●)は、断面が150×150〔mm〕,直径φ=19〔mm〕の主鉄筋を断面中心位置に1本配置,鉄筋のかぶり厚さc=30〔mm〕,配力筋がない試験体についての結果である。また、ケース6(記号△)は主鉄筋を断面隅角部に配筋し、ケース7(記号◇)は主鉄筋を4本配筋し、どちらのケースもその他の条件はケース2と同一である試験体についての結果である。なお、試験体の構成は具体的には、ケース6は主鉄筋の配筋位置を断面中心位置から水平方向に25〔mm〕ずらして上方のかぶり厚さは30〔mm〕になるようにしたものであり、ケース7は4本の主鉄筋を20〔mm〕間隔で水平方向横並びで配筋して上方のかぶり厚さは30〔mm〕で一定になるようにしたものである。
各ケースの結果の比較から、かぶりコンクリート表面のひび割れの発生時の鉄筋断面欠損率は概ね1〜2〔%〕の範囲であることが確認された。また、ひび割れ発生以降のひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との間の関係は各ケースとも概ね正の相関関係を示し、且つ、各ケースで増加傾向(具体的には勾配)に差異がみられ、配筋位置の種類がひび割れ幅と鉄筋断面欠損率との間の関係に影響を及ぼすことが確認された。なお、例えばケース6については、同じひび割れ幅に対する鉄筋断面欠損率は他のケースよりも小さい傾向にあり、これは、鉄筋腐食に伴うひび割れは隅角部二面方向に伸展し易く、ひび割れが発生して開口した場合に隅角部コンクリートは剥落し易く、相対的に小さな腐食膨張圧でひび割れが開口し易くなるためであると考えられた。
そして、本実施例では、上述の各ケースの結果も用い、配筋位置の種類別に、数式10を回帰式としてひび割れ幅Lと鉄筋断面欠損率ΔWaとの間の関係についての回帰分析を行って回帰係数fAa及びαAaを算定した。
さらに、数式11−1によって定数kA1=0.8が算定され、数式11−2によって定数mA1=1.0が算定され、数式11−3によって定数kA2=0.71が算定され、数式11−4によって定数mA2=1.37が算定された。なお、単数の鉄筋が断面中心位置に配筋されている場合の定数kA0=mA0=1.0とした。
なお、S1−4の処理において、既に求められている定数を用いる場合には、上述の検討によって導出されたkA0=1.0,mA0=1.0,kA1=0.8,mA1=1.0,kA2=0.71,mA2=1.37が適当な組み合わせの一つであるので、これらの値を用いるようにしても良い。
次に、本実施形態では、本発明による鉄筋断面欠損率の推定精度の検証を行うことも踏まえ、S1−1〜1−4の処理のために行った試験の試験体の諸元を推定条件として用いると共に測定によって得られたコンクリート表面のひび割れ幅を与えたときの鉄筋断面欠損率を算出し、当該算出結果と試験によって得られた鉄筋断面欠損率の測定結果とを比較した。
すなわち、上述の試験の各ケースの試験体の鉄筋のかぶり厚さ,鉄筋径,配力筋の有無,配筋位置の種類を推定条件とする(S2−1)と共にS1−1〜1−4の処理によって算出された回帰係数及び定数の値を用いてケース毎の各種の影響関数及び影響係数の値を算出した(S2−2〜2−5)。
そして、算出された各種の影響関数及び影響係数の値を用いると共に、試験の測定の結果得られたコンクリート表面のひび割れ幅の値を与えることにより、数式1によって、ケース毎にひび割れ幅の値別の鉄筋断面欠損率を算出した(S2−6)。
試験によって得られた鉄筋断面欠損率の測定値を横軸にすると共に、S2−6までの処理によって算出された鉄筋断面欠損率の推定値を縦軸にして整理した結果を図6に示す。この結果から、原点を通り横軸と縦軸との値が等しくなっている直線(図中符号E)上若しくは当該直線の近傍に結果が分布しているので推定結果が測定結果をよく再現しており、推定結果が良好な精度を有していることが確認された。
10 鉄筋断面欠損率推定装置
11 制御部
12 記憶部
13 入力部
14 表示部
15 メモリ
16 データサーバ
17 鉄筋断面欠損率推定プログラム

Claims (3)

  1. 鉄筋のかぶり厚さと鉄筋の径と配力筋の有無と配筋位置の種類とについての条件を設定するステップと、鉄筋のかぶり厚さcを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋のかぶり厚さの影響関数f(c)及び影響係数α(c)の値を前記鉄筋のかぶり厚さの条件を用いて算出するステップと、鉄筋の径φを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋径の影響関数f(φ)及び影響係数α(φ)の値を前記鉄筋の径の条件を用いて算出するステップと、配力筋の有無を表す変数sを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配力筋の有無の影響関数f(s)及び影響係数α(s)の値を前記配力筋の有無の条件を用いて算出するステップと、配筋位置の種類を表す変数aを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配筋位置の影響関数f(a)及び影響係数α(a)の値を前記配筋配置の種類の条件を用いて算出するステップと、かぶりコンクリート表面のひび割れ幅Lの値を設定するステップと、鉄筋断面欠損率ΔWをΔW=f(c)f(φ)f(s)f(a)L+α(c)α(φ)α(s)α(a)によって算出するステップとを有することを特徴とする鉄筋断面欠損率の推定方法。
  2. 鉄筋のかぶり厚さと鉄筋の径と配力筋の有無と配筋位置の種類とについての条件を読み込むと共にかぶりコンクリート表面のひび割れ幅Lの値を読み込む手段と、鉄筋のかぶり厚さcを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋のかぶり厚さの影響関数f(c)及び影響係数α(c)の値を前記鉄筋のかぶり厚さの条件を用いて算出する手段と、鉄筋の径φを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋径の影響関数f(φ)及び影響係数α(φ)の値を前記鉄筋の径の条件を用いて算出する手段と、配力筋の有無を表す変数sを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配力筋の有無の影響関数f(s)及び影響係数α(s)の値を前記配力筋の有無の条件を用いて算出する手段と、配筋位置の種類を表す変数aを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配筋位置の影響関数f(a)及び影響係数α(a)の値を前記配筋配置の種類の条件を用いて算出する手段と、鉄筋断面欠損率ΔWをΔW=f(c)f(φ)f(s)f(a)L+α(c)α(φ)α(s)α(a)によって算出する手段とを有することを特徴とする鉄筋断面欠損率の推定装置。
  3. 鉄筋のかぶり厚さと鉄筋の径と配力筋の有無と配筋位置の種類とについての条件を読み込む処理と、鉄筋のかぶり厚さcを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋のかぶり厚さの影響関数f(c)及び影響係数α(c)の値を前記鉄筋のかぶり厚さの条件を用いて算出する処理と、鉄筋の径φを説明変数とする関数若しくは定数として設定された鉄筋径の影響関数f(φ)及び影響係数α(φ)の値を前記鉄筋の径の条件を用いて算出する処理と、配力筋の有無を表す変数sを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配力筋の有無の影響関数f(s)及び影響係数α(s)の値を前記配力筋の有無の条件を用いて算出する処理と、配筋位置の種類を表す変数aを説明変数とする関数若しくは定数として設定された配筋位置の影響関数f(a)及び影響係数α(a)の値を前記配筋配置の種類の条件を用いて算出する処理と、かぶりコンクリート表面のひび割れ幅Lの値を読み込む処理と、鉄筋断面欠損率ΔWをΔW=f(c)f(φ)f(s)f(a)L+α(c)α(φ)α(s)α(a)によって算出する処理とをコンピュータに行わせることを特徴とする鉄筋断面欠損率の推定プログラム。
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