図1は、従来技術による表面弾性波を用いたタッチスクリーン100を示す図である。この種のタッチスクリーンは、陰極線管(すなわちCRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(すなわちLCD)、または他の種類のディスプレイとともに利用することが好ましい。一般的な種類の音響タッチスクリーンは、レーリ波を採用する。本明細書において、レーリ波の用語は、準レーリ波を含むものとして使用される、レーリ波タッチスクリーンについて、Adlerらに付与された米国特許第4,642,423号、第4,645,870号、第4,700, 176号、第4,746,914号、第4,791,416号、および再発行特許第33,151号、Brennerらに付与された4,825,212号、第4,859,996号、第4,880,665号、Davis-Cannonらに付与された米国特許第4,644,100号、第5,739,479号、ならびにKentに付与された米国特許第5,708,461号、第5,854,450号に開示されている。ラム波や横波等の他の種類の音波、または(レーリ波を含む)他の種類の音波が組み合わされたものを採用する音響タッチスクリーンも知られている。こうした音響タッチスクリーンは、Kentに付与された米国特許第5,591,945号および第5,854,450号、Knowlesに付与された米国特許第5,072,427号、第5,162,618号、第5,177,327号、第5,243,148号、第5,329, 070号、第5,573,077号、およびKnowlesに付与された米国特許第5,260,521号に記載されている。本願明細書で引用された文書は、あらゆる目的において、ここに一体のものとして統合される。ここで表面弾性波タッチスクリーンについて簡潔に説明し、本発明をより詳細に理解することを支援する。
タッチスクリーン100は、表面弾性波、たとえばレーリ波、ラブ波、および表面上のタッチ(接触)に敏感な他の波を伝播するのに適した基板101を有する。システムは、送信トランスデューサ105、受信トランスデューサ107、および一対の関連する反射アレイ109,111を有し、x軸103に沿ったタッチ座標軸を決定する。同様のシステムが、送信トランスデューサ115、受信トランスデューサ117、および関連する反射アレイ119,121を有し、y軸113に沿った座標軸を決定する。送信トランスデューサ105,115は、通常、プロセッサ125により制御されるコントローラ123に接続される。同様に、受信トランスデューサ107,117は、信号処理システム127を含むコントローラ123に接続される。トランスデューサ105,115に同時に信号を供給してもよいが、2つの座標検知チャネルの間のインタフェースおよびクロストークを低減するために、順次に信号を供給することが好ましい。順次に信号を検知する手法によれば、多くの必要とされる回路を交互に利用することができるので、重複した回路を設ける必要性を排除して、回路の煩雑さを低減することができる。また回路の複雑さをさらに低減するために、通常、両方の送信トランスデューサ105,115は、同一周波数を有するバーストを送信する。
以下に、一方の検知チャネルについて詳細に説明する。以下のチャネルについての説明は、第2の検知チャネルに等しく適用される。基板101におけるx軸103に沿ったタッチ座標を決定するために、送信トランスデューサ105は、経路129に沿ったバースト音波(たとえば、約5マイクロ秒のバースト音波)を発する。このバースト音波が有するバンド幅が比較的広いため、周波数はあまり明確に限定されていない。反射アレイ109は、経路129に沿って配置される複数の反射素子131を有し、各反射素子は、経路129に対し約45度の角度で傾斜するように配置されている。各反射素子131は,経路129に沿って伝播する音波から、複数の波成分133を抽出し、その波成分133が好適にはy軸113に沿って基板101の表面に沿って伝播するように設計される。反射アレイ109のパターンは、個々の反射素子131により反射された個々の波成分がコヒーレントに足し合わされることにより、振幅が実質的に均一の直線的な波面を生成するように設計される。これらの波成分133は、反射アレイ111内の複数の反射素子135により再び結合され、各反射素子135により、経路137に沿って波成分を受信トランスデューサ107に仕向けられる。アレイの個々の反射素子135は、経路137に沿って配置され、経路に対して約45度の角度で傾斜する要に配置されている。受信トランスデューサ107は、送信トランスデューサ105から発せられた音波が、基板101に付随する音速によって変化する時間遅延に起因して、短いバーストというより、比較的に長期間の信号(たとえば約150マイクロ秒)を受信する。
受信トランスデューサ107は、経路137に沿って受信される波信号を電気信号に変換する。この電気信号は、たとえば受信波の到着時間について解析される。図2は、そのような波の典型的な時間解析を示すグラフである。時間に対する、受信された波の振幅、すなわちRF(高周波)信号の包絡線が図示されている。時刻t1において、信号が信号源123からトランスデューサ105に提供される。時刻t2において、最初に波信号がトランスデューサ107により受信される。時刻t1とt2の間の遅延時間は、波がトランスデューサ105から発させられ、アレイ109の最初の反射素子139に到着し、パネル101の表面に渡って伝播し、アレイ11の最初の反射素子によって反射されるまでの遅延時間に対応する。時刻t3において、最後の波がトランスデューサ107に到達する。アレイの反射素子の間隔および設計に依存するが、波が遮られない場合、時刻t2から時刻t3までの包絡線の振幅は比較的一定である。
図3は、トランスデューサ107によって受信される波形の2つ目のグラフである。時刻ttにおいて、波形の振幅は、くぼみ301を有することが図示されている。くぼみ301は、基板101上のある位置143における音波の減衰によるものである。信号プロセッサ127は、プロセッサ125と協働して、t1からttまでの遅延時間を解析することにより、タッチ143のx座標を計算することができる。同様に、プロセッサ125,127は、信号源123、トランスデューサ115,117および反射アレイ119,121と協働して、タッチ143のy軸を計算することができる。図4は、トランスデューサ117が受信した波形のグラフであり、タッチ143による減衰くぼみ401を示している。
図5および図6は、本発明の適応可能なコントローラに関連した基本的な処理手順を示すフローチャートである。図5に示される方法は、ユーザサイド(ユーザの使用場所)で行ってもよいが、タッチスクリーンシステムの製造過程において行うことが最も好ましい。ステップ501において、特定のタッチスクリーンの1つまたはそれ以上の特性周波数が、既知の種々のテスト技術のうち任意のものを用いて決定される。たとえば製造現場でテストされる場合、タッチスクリーンは検査用治具内に配置され、音波が基板の表面を横断するように形成される。タッチスクリーンの1またはそれ以上の特性周波数が決定された後において、そのタッチスクリーンとともに用いられる予定のコントローラの周波数は、測定されたタッチスクリーンの周波数に適応するように調整される(ステップ503)。一般には、コントローラの周波数は、所望の周波数が得られるまで調整される。択一的には、コントローラは、得られた出力周波数に応じたコントローラ設定値を記録したルックアップテーブルを有していてもよい。好適には、ルックアップテーブルは個々のコントローラに固有のものであって、すなわち各コントローラはそれぞれのばらつきにより左右されるルックアップテーブルを有する。特定のタッチスクリーンの動作周波数が決定された後、そのタッチスクリーンとカップリングされるコントローラのルックアップテーブルを用いて、コントローラが適正に設定される。コントローラを調整する方法の如何によらず、一旦、コントローラが基板に適応されると、タッチスクリーンシステムをアセンブリすることができる(ステップ505)。
図6に示す方法によれば、コントローラとタッチスクリーンの2つの周波数を適応させようとする前に、コントローラとタッチスクリーンとをカップリングする(ステップ601)。その後、タッチスクリーンシステムとしてのインストールが完了し(ステップ603)、システムの初期化が開始される(ステップ605)。システムの初期化中、タッチスクリーンをテストして、1つまたはそれ以上の特性周波数を決定する(ステップ607)。好適には、このテスト過程において、単一のバーストテストモードで動作するタッチスクリーンの標準的な送信/受信トランスデューサ(105/107および/または、115/117など)を使用する。択一的には、一対の専用トランスデューサを用いてもよい。基板の1つまたそれ以上の特性周波数が決まると、コントローラの周波数を調整して(ステップ609)、システムを通常動作できるよう準備する(ステップ611)。
上述の方法の図6に示す変形例において、タッチ動作中に、周期的にコントローラを調整するようシステム設計することにより、最適な周波数適応を保証することができる。ただし上述のシステムとは対照的に、タッチスクリーンを再テストし、コントローラを再調整するという周期的なテストシーケンスを実行する(ステップ613)。システムが起動シーケンスに入る毎に、または所定の期間が経過する毎に、コントローラを再調整するようにしてもよい。一般に、タッチスクリーンの基板またはコントローラが温度に起因して変動しやすい場合には、コントローラを周期的に調整することが好ましい。ポリマ製の基板が用いられた場合、基板における音波の速度は周囲温度の変化に伴い変動しやすい。同様に、コントローラが、水晶発振器を使用しない場合、基準周波数はドリフト(変動)しやすいので、コントローラを頻繁に適応させる必要がある。
破壊行為等によるタッチスクリーン基板の故障またはコントローラの故障により、タッチスクリーンシステムがユーザサイドで故障した場合、上述の適応可能コントローラは、明らかな利点を有する。コントローラの周波数を適応させることが可能であるため、新しいタッチスクリーンまたは新しいコントローラを、現地にて容易にインストールすることができる。これは、製造業社が修理するためにタッチスクリーンシステム全体を返送し、あるいは現地で交換するために、適応させたタッチスクリーン/コントローラをユーザサイドに送ることに比べて好ましいものである。たとえば既存のタッチスクリーンシステムのタッチスクリーンを交換する必要があるとき、古いコントローラは新たに初期化テストを実行して、新しいタッチスクリーンの1つまたはそれ以上の特性周波数を特定し、コントローラの周波数をその新しい特性周波数に適応させるようにリセットすることができる。択一的には、新しいタッチスクリーンの識別コードを用いて、上述のルックアップテーブルを参照して、コントローラの周波数を設定することができる。同様に、新しいコントローラがユーザサイドで必要となった場合、その新しいコントローラを初期化テストにより既存のタッチスクリーンに適応させるか、あるいはルックアップテーブル、および古いタッチスクリーンの識別コードを参照して設定してもよい。後者の手法によれば、コントローラは、製造業者の工場またはユーザサイドのいずれでも設定することができる。
本発明は数多くの実施形態を有し、各実施形態は、コントローラの周波数をタッチスクリーンの条件(周波数)に適応させる機能を提供する。これらの実施形態において、適応可能コントローラが調整する周波数不一致の発生原因が異なる。図7に示す実施形態は、「全体的な」周波数不適応エラー、すなわちコントローラとタッチスクリーンとの間の周波数適応性に全体的に影響を与えるエラーを課題とするシステムで利用されるものである。たとえば一片のガラスにおける音波の速度は、通常、まさにその組成に応じて変動する。すなわちガラスの組成が、ガラスの生産ロット間、またはガラス供給者間においてばらつきが生じるとき、周波数に影響を与えるファクタが十分に管理されているとしても、音波の速度がガラスの生産ロット間で変動するため、組成のばらつきによって生じるエラーが原因で、タッチスクリーンの全体の周波数特性が影響を受ける。特定の具体例によれば、タッチスクリーンの製造工程においてガラスの焼戻しステップがしばしば必要であるが、ガラスの焼戻しステップの時間および温度特性に依存して、個々のタッチスクリーン間で、特性周波数がばらつく場合がある。
(ガラス組成のばらつきに起因する)時間によらない全体的な周波数不適応エラーを有するタッチスクリーンにおいて、本発明に係る適応可能コントローラは、単一の適応周波数アルゴリズムを用いることが好ましい。この場合、コントローラとタッチスクリーンとの間の不適応が時間により変化しないならば、複数回または連続して周波数を適応させる必要はない。むしろ、この実施形態の意図するところは、無作為に選択されたタッチスクリーンと、無作為に選択されたコントローラ(すなわち、ペアリングされていないタッチスクリーンとコントローラの組)を、最終的なシステムアセンブリの際、またはシステム回復の際に、首尾よくペアリングできるようにすることである。したがって、この適用周波数アルゴリズムは、ペアリングされたタッチスクリーンとコントローラの初期起動シーケンス中に実行されることが好ましい。
図7に示される適応可能コントローラの実施形態は、アナログ信号処理技術を採用する。ただしデジタル信号処理も同様にこの実施の形態で採用できることを理解されたい。コントローラ700内には、所望の周波数に近い周波数で振動する水晶発振器701が設けられている。この基準発振器701からの出力は、コントローラ700内のマイクロプロセッサ705と、デジタル乗算器703(デジタル分周器ともいう。)に供給される。デジタル乗算器703は、マイクロプロセッサ705からデジタル乗算器703に送られる指令に基づいて、(たとえば水晶発振器の周波数に有理数A/Bを乗じることによって)水晶発振器からの出力を数学的に変更し、所望の周波数を生成する。すなわち水晶発振器701と協働するデジタル乗算器703は、タッチスクリーンに付随するアナログ部品のための主発振器704を構成する。
デジタル乗算器703からの出力信号を用いてトーンバーストが生成され、トーンバーストは、アナログライン707に沿って、タッチスクリーンの送信トランスデューサ(たとえば図1のトランスデューサ105,115)に出力される。トーンバーストは、乗算器703によって出力される周波数を有し、マイクロプロセッサ705に接続されるバースト回路709によって決定されたバースト長を有する。トーンバーストは、通常、送信トランスデューサに送信される前に、バースト増幅器711により調整され、増幅される。
所望の動作周波数を決定するために、受信トランスデューサ(図1の107,117)からの出力信号は、ライン713に介してミキサ内蔵回路715に送信される。好適には、トランスデューサからの出力信号は、まずバンドバスパスフィルタ717およびRF増幅器719を通過する。通常、固定型広帯域フィルタであるバンドバスフィルタ717を、主としてノイズ抑制回路として用いて、RF入力信号を調整する。RF増幅器719は、所望のレベルまで信号を増幅する。ミキサ内蔵回路715は、調整され、増幅された受信トランスデューサからの信号の周波数成分を、デジタル乗算器703からの出力信号と比較し、相当に緩やかに変動する実質的なDCベースバンド信号を出力する。ミキサ内蔵回路715からの出力信号は、ADコンバータ723によりデジタル化され,マイクロプロセッサ705に供給される。任意ではあるが、デジタル化の前に、ローパスフィルタ721がミキサ内蔵回路の出力信号を追加的に調整するが、通常ミキサ内蔵回路が制限的な狭帯域フィルタ処理を行う。
上述のように、構成部品703は、好適にはA/Bデジタル乗算器である。ただし包括的には、構成部品703は単なる周波数変更回路であり、マイクロプロセッサ705からの制御信号に応答して水晶発振周波数を変更する任意のデジタル電子回路、アナログ電子回路、またはデジタル/アナログ混合電子回路であってもよい。
用途によるが、バースト中心周波数または受信中心周波数を適応させるだけで足りる場合がある。バースト中心周波数を適応させるだけで足りる場合、回路715は、デジタル乗算器703からの入力信号を必要としない。したがって、このコントローラに一般にみられる、より標準的な検知器で置換してもよい。受信中心周波数を適応させるだけで足りる場合には、デジタル乗算器703とバースト回路709との間を接続する必要はない。
図8は、デジタル乗算器703の周波数を調整して、これに接続されるタッチスクリーンの周波数を適応させるために使用される技術を説明するフローチャートである。上述したように、この実施形態は、起動時(ステップ801)に、コントローラの周波数をタッチスクリーンの周波数に適応させるものである。択一的には、このシステムは、周期的に、または最初の起動サイクル時にのみ、コントローラの周波数適応を実施するように設計してもよい。
起動ステップ801の後、マイクロプロセッサ705は、所定の周波数範囲を通して、デジタル乗算器703の出力信号を掃引する(ステップ803)。コントローラは、好適には、まず大まかに(粗く)調整処理を実行した後、緻密に(細かく)調整処理を実行するが、これら2つの調整処理を組み合わせて、単一の走査シーケンスを行うことができる。したがってステップ803では、所定の周波数範囲が比較的大きい周波数ステップを用いて走査される。各周波数ステップに対するADコンバータ723の出力信号が収集され(ステップ805)、主発振器の出力信号とタッチスクリーンとの間の最も近い適応を示す最大信号振幅が選択される(ステップ806)。次に、より小さい周波数ステップを用いて、先に選択された周波数付近で主発振器の出力周波数を走査することにより、この走査/最適化処理を繰り返して行う(ステップ807−809)。そしてタッチスクリーンの特性周波数に最も近いものとしてステップ809で決定された周波数が、メモリに入力され(ステップ811)、主発振器回路の出力信号の周波数を所望の周波数に確実に維持することができる。
図8は2段階の周波数走査方法を示すものであるが、所望の出力周波数を決定するために他の数多くの技術があることを当業者ならば理解されるところである。本発明は、たとえばディザ法または逐次近似法も採用することができる。
図8の基本的なアルゴリズムは、ADコンバータの合計の使用を必要としない。一般に、ステップ805,808は、周波数不適応の程度を示唆する任意の測定可能量を収集することを表し、ステップ806,809は、許容範囲内の小さな周波数不適応に相当する測定可能量を選択することを表すものである。たとえば、マイクロプロセッサ705は、所定の時間間隔において、受信信号およびデジタル乗算器703の出力信号の両方のRFサイクル数をカウントしてもよい。RFサイクル数の差により周波数不適応を測定することができる。同じ目的を達成する他の回路および技術が当業者に広く知られている。
図9は、ミキサ内蔵回路715の例示的な具体例として、クアドラチャ・サム(quadrature-sum)検知器を示す。調整されたRF入力信号901は、ミキサ903のデジタル乗算器703から出力された発振器と混合される。ミキサ903は、2つの入力周波数の和周波と、差周波を出力する。和周波は、約10MHzであり、ローパスフィルタ905を用いて除去される。残った周波数は、0に近い、即ちベースバンドである。上述の単一のミキサ回路を用いて、ベースバンド信号を出力するが、その出力信号は、発振器出力とRF入力信号の相対的位相に依存する。相対的な位相の独立性を達成するために、すなわちADコンバータ723によりデジタル化された波形のビートパターンを避けるために、クアドラチャ・サム検知器は、図9に示すように2つのチャネルを有する。図示のように、第2のミキサ907を用いて、発振器から入力される周波数の位相を90度で位相シフトする。第2のミキサ907の出力信号は、別のローパスフィルタ905を通過した後、クアドラチャ・サム回路909において第1のチャネルからの出力信号と合計される。回路909の出力信号は、ビートパターンのないベースバンド信号911であり、受信された信号の正確な位相から独立している。事実上、図9のクアドラチャ・サム検知器は、その中心周波数が調整可能で、デジタル乗算器703の出力の周波数によって制御される狭帯域バンドバスフィルタを提供する。
図9に示すミキサ903,907は、他の利用可能なミキサ内蔵回路の構成部品であると同様に、クアドラチャ・サム検知器の必須の構成部品である。ミキサ903は、たとえばライン713からの信号とソース704の出力信号とを結合して、2つの入力信号の関数であり、それらの周波数の差の関数である所望の出力を得る。クアドラチャ・サム検知器全体を必要としない場合がある。たとえば、バースト周波数のみを調整する必要がある場合、必要とされる出力信号の値は、ライン713からの信号とソース704からの信号との差のビートである。そのような差周波信号は、ダイオードミキサにより容易に生成できる。もちろん、他のミキサデバイスが当業者に知られており、本発明の変形例において利用することができる。
図10−12に示す本発明の別の実施形態において、コントローラは、全体的な変動、すなわちタッチスクリーン全体の特性周波数に一定の影響を与える周波数変動、および部分的な変動、すなわちタッチスクリーンの部分的な領域内における周波数変動の両方に適応できるようにプログラムすることが可能である。例示的な目的において、この実施形態はデジタル信号処理技術を用いる。ただし、この実施形態は、同様にアナログ信号処理技術を用いて実行できることを理解されたい。
図10は、この実施形態に関連した手順を説明するフローチャートである。必要とされるアレイ堆積ステップ、およびガラス焼戻しステップを含むタッチスクリーン基板の製造が完了した後、アレイの部分的変形の影響を含むタッチスクリーンの特性周波数が測定される(ステップ1001)。好適には、これらの測定は、製造フロアテスト設備を用いて製造工場内で行われる。これらの測定に基づいて、通常、一連の周波数補正値がx軸座標およびy軸座標の両方に対する遅延時間の関数として計算される(ステップ1003)。その後、個々のタッチスクリーンに固有の補正値の組は、その後、この特定のタッチスクリーンとカップリングされる(ステップ1007)適応可能コントローラ1100のメモリにロードされる(ステップ1005)。ステップ1005およびステップ1007は、順番が逆になってよく、タッチスクリーン基板の周波数変動の測定ステップ1001は、補正値計算ステップ1003と組み合わせてもよいことが理解される。
図10に示す方法を若干変更した変形例によれば、各タッチスクリーン基板に識別コードが付与される。好ましくは製造業社、販売者またはその両方により、識別コードと、各識別コードに付随する固有の補正値とに関するテーブルが記録される。すなわち、たとえば破損等によりコントローラを交換することが必要になった場合、ユーザは、必要な補正値を事前に読み込んだ新しいコントローラを入手するために、識別コードを通知するだけでよい。
本発明に係る図11および図12の実施形態において、適応可能コントローラ1100は、基準用として、発振器1101を利用する。周波数ソースとして、安定した水晶発振器を利用することが好ましい。発振器1101からの出力信号は、分周器/位相シフタに送られる。その分周器/移相器は、約22Mhzの周波数から約5.53MHzの所望の周波数まで周波数を分周し、出力信号の一部を90度だけ位相をシフトする(移相する)。そして位相シフトされない発振周波数1105および位相シフトされた発振周波数1107は、ミキサ1109,1111内において、適当にフィルタ処理され、増幅された受信トランスデューサのRF信号と混合される。コントローラ700の場合と同様に、タッチスクリーン受信トランスデューサからのRF信号は、通常、固定型の広帯域フィルタである帯域フィルタ1113でフィルタ処理され、種々のノイズ成分を除去し、所望の信号レベルを達成するために増幅器1115により増幅される。
ミキサ1109,1111の出力信号は、複素平面におけるx信号およびy信号の振幅を表す。すなわち一対のミキサと、一方が90度の位相シフトされた一対の基準信号とを用いることにより、位相と、位相とは無関係の複素表示の振幅を特定することができる。ミキサ1109,1111の出力信号はそれぞれ、一対のローパスフィルタ1117,1119を通過した後、ADコンバータ1121,1123でそれぞれデジタル化される。そして、これらの信号は、デジタル信号プロセッサ(すなわちDSP)1125に送信される。
DSP1125は、中心周波数とバンド幅の両方を数学的に制御することができる周波数フィルタとして機能する。DSP1125を数学的に制御して、制御可能なバンド幅および中心周波数を得る方法は、当業者に広く知られているので、ここでは詳細に説明しない。メモリ1127がDSP1125に接続される。メモリ1127は、特定のタッチスクリーン(すなわちコントローラ1100とカップリングされたタッチスクリーン)の周波数特性を測定することによって得られる補正値を格納する。DSP1125は、メモリ1127内に格納された補正値に基づいて、特定の中心周波数に応答する。好適には、DSP1125は、遅延信号に応じて変化する中心周波数に応答し、音波反射アレイにおける部分的変動に起因する変動を参酌する。
図11のアイテム1125は、その一般的な用語の意味において、デジタル信号プロセッサ(すなわちDSP)である。デジタル信号処理とは、ADコンバータ1121,1123からのデジタル信号の数学的またはデジタル的な処理を意味する。DSP1125は数多くの方法で実現することができる。たとえば、DSP1125はマイクロプロセッサ1131により実行されるプログラムコードであってもよい。択一的には、DSP1125は音波タッチスクリーン用コントローラのためにカスタム設計されたデジタル回路であってもよい。さらに、デジタル信号処理は、それに限定されないが、電子エンジニアがしばしば引用する「DSPチップ」というパッケージ化されたシリコンチップで行ってもよい。
送信トランスデューサバーストを発するために、水晶発振器1101からの出力信号がデジタルバースト回路1129に供給される。バースト回路1129は、マイクロプロセッサ1131から受信した指示に従って、この出力信号を処理し、その後、永久メモリ1127から所望の中心周波数に関する指示を受信する。必要ならば、ライン1135を介して送信トランスデューサに送信される前に、デジタルバースト回路1129の出力が、バースト増幅器1133により増幅される。
図12は、デジタルバースト回路1129の具体例を示す概略図である。バースト回路1129は、マイクロプロセッサ1131に接続されたビットレジスタ1201(たとえば64×8ビットレジスタ)を内蔵する。マイクロプロセッサ1131は、所望のビットパターン(すなわち永久メモリ1127の出力信号に呼応して、マイクロプロセッサ1131により生成されたデジタルパターン)をレジスタ1201にロードする。そのビットパターンは、バースト中心周波数を決定する。各バーストについて、レジスタ1201にロードされたビットパターンは、バーストを生成するためにクロックアウトされるシフトレジスタ1203にラッチされる。理解されるように、異なるビットパターンを用いて、タッチスクリーンのx座標およびy座標についてバースト中心周波数を決定することにより、2つの軸の間の変動を参酌することができる。ビットパターンは、メモリ1127からの周波数補正データに呼応して、あるいはマイクロプロセッサ1131により計算されるか、あるいはメモリ1127に直接的に記録してもよいことに留意すべきである。
この実施形態に係る適応可能コントローラを利用できる別の具体例において、タッチスクリーンは、回折格子トランスデューサを用いる。回折格子トランスデューサにおいて、圧電素子が基板の後面に配設され、回折格子が基板の前面に配設される。回折格子を用いて、圧電素子により生成された圧力波をコヒーレントに回折して、基板の表面に沿って伝播する音波を生成する。こうした回折格子トランスデューサは、動作周波数がガラス厚共鳴周波数と一致するとき、最も効率的であることが確認されている。基板のガラス厚共鳴周波数は、基板の厚さに依存するので、好適には、まずガラス厚さを測定した後、最適動作周波数を計算し、その最適動作周波数に対する適当な反射アレイおよび回折格子が設計される。そして本発明に係る適応可能コントローラ、たとえばコントローラ1100を用いて、コントローラの周波数をタッチスクリーンの特性周波数に適応させる。ただしこの実施形態のいくつかの応用例と異なり、この具体例においては、適応可能コントローラが基準発振器の周波数から10〜20%程度、バースト周波数を変動させる機能を有することが必要である。任意の受信帯域フィルタ、たとえばフィルタ1113は、調整可能であるか、または十分に広帯域バンドであり、タッチスクリーンの特性周波数の変動範囲を十分にカバーすることが必要である。
図13は適用可能コントローラの別の実施形態を示す概略図であり、このコントローラは、タッチスクリーン基板に直接的に実装されるため、大きさと費用の両方の点で利点がある。この実施形態において、水晶発振器は、局部発振器1301と置換されるため、所望の大きさが得られる。局部発振器1301は、たとえばシリコンチップ上の回路部品だけで構成されるものであってもよい。水晶発振器に対して局部発振器1301にドリフトがあると、必要とされる周波数の安定を実現するために、フィードバックループが求められる。フィードバックループにより、コントローラ1300は、盛んに、すなわち反復して、発振周波数を所望の周波数に適応させる。
上述の実施形態と同様、タッチスクリーンの受信トランスデューサからのRF信号は、まず帯域フィルタ1303および増幅器1305を通過することにより調整される。調整されたRF信号は、ミキサ1307において局部発振器1301の出力信号と混合される。発振器1301は、たとえば入力電圧により周波数が制御される可変周波数発振器である。コンデンサ1308と発振器1301との間の適当なバッファ回路を用いて、発振器1301は、電流等の他の種類の電気的な入力信号を提供することができる。この実施形態において、局部発振器または基準発振器は、タッチスクリーンの周波数よりも大きい周波数で作動する。たとえば名目上、5.5MHzのタッチスクリーン周波数に対して、発振器1301は、約6MHzの周波数で作動するものであってもよい。その後、ミキサ1307からの出力信号は約500kHzの中間周波数に設定される。
ミキサ1307から出力される中間周波数信号は、弁別器1311に入力される前に、帯域フィルタ1309を通過する。弁別器1311は、中間周波数信号の周波数が弁別器1311の中心周波数よりも高いか低いかに依存する符号を有し、弁別器の中心周波数との差異の程度に依存する振幅を有する電圧を生成する。そして弁別器1311からの出力信号を用いて、バラクタダイオードにより、局部発振器1301の周波数を調整して、弁別器の出力信号の電圧をゼロ近くまで低減する。制御プロセッサ1314に接続されたスイッチ1313は、サンプルホールド回路の一部であり、これにより局部発振器1301をバーストサイクル/受信サイクルの間で先に特定された周波数で保持することができる。スイッチ1313は、受信サイクルの間閉じられる。
システム起動中、局部発振器1301は、相当のマージンで所望の周波数から逸脱して、フィードバックループが発振器を有効に安定化させることを阻害する場合がある。このとき好適には、コントローラ1300は、フィードバックループが機能するまで、局部発振器1301の周波数を徐々に調整するランプ機能を有する。ある動作モードにおいて、起動中、スイッチ1313は開いており、第2のスイッチ1315は閉じている。デジタルアナログ変換器(すなわち、DAC)1317は、マイクロプロセッサ1314の制御下で、発振器1301の周波数を調整し、検知器1319でミキサ1307の出力信号を見ながら、その周波数を増大(または低減)させる。検知器1319は、ADコンバータ1321を介してマイクロプロセッサ1314に接続されている。検知器1319の出力信号が、所定のしきい値を超えて、局部発振器1301が所望の周波数に近似していることを示すとき、マイクロプロセッサ1314は、フィードバックループが局部発振周波数を微調整できるように、スイッチ1315を開き、スイッチ1313を閉じる。択一的には、起動中に、スイッチ1313およびスイッチ1315の両方を閉じてもよい。このモードにおいて、発振周波数が帯域フィルタ1303の帯域内に入ると、マイクロプロセッサ1314は、スイッチ1315を開いて、この時点により以降、フィードバックループが周波数を微調整できるようにする。
上述の実施形態と対照的に、局部発振器1301の周波数は、所望のバースト周波数に調整されない。むしろ、局部発振器1301の周波数がタッチスクリーンの周波数に追随して、局部発振器の周波数とタッチスクリーンの周波数との間の差が一定となるように(この具体例では、500kHz)維持される。したがって、所望のバースト周波数を達成するために、局部発振器1301からの安定化させた出力信号は、第2のミキサ1323において中間周波数発振器1325からの出力信号と混合される。中間周波数発振器1325は、中間周波数帯域フィルタ1309と同じ周波数(この具体例では約500kHz)で作動する。ミキサ1323からの出力信号は、所望のバースト周波数(この具体例では約5.5MHz)を有する。帯域フィルタ(図示せず)は、ミキサ1323とバースト回路1327との間に挿入され、ミキサ1323からの所望の和周波または差周波のみを通過させる。上述の実施形態と同様、この周波数におけるトーンバーストの長さは、マイクロプロセッサ1314に接続されるバースト回路1327によって制御される。通常、トーンバーストは、タッチスクリーンの送信トランスデューサの1つに対するライン1331に沿って出力される前に、バースト増幅器1329により所望の振幅に増幅される。
図13における回路は、受信信号のRF周波数をより低い周波数だけシフトする回路の具体例であるが、シフトさせる周波数は、必ずしも約500kHz等のベースバンドではない。これは、適応可能な周波数コントローラの設計者により広く利用される技術である。より低い周波数の選択は、RF周波数とベースバンドとの間であればどこでもよい。その最適値は、特定の回路、ノイズ源等の詳細に依存する。
図14−15は、基板上の音波の速度が使用中に変動するタッチスクリーンに最も適した本発明の別の実施形態を示す。たとえば上述のように、ポリマ製基板上の音波の速度特性は温度に依存する場合がある。したがって、ポリマ製基板を有するタッチスクリーンは、使用中に(たとえば室温全体の変化に起因して)全体的変動、または(スクリーンの異なる部分により温度が異なることに起因して)部分的変動を生じる場合がある。図14および図15に示す実施形態は、こうした変動に適応できるように設計されている。
図14は、実施形態の方法を示すフローチャートであって、コントローラ1500は、頻繁に適応させる必要があるタッチスクリーンに接続されている。この実施形態において、第1のステップは、タッチスクリーンがタッチ(接触)を検知したか否かを判断することである(ステップ1401)。タッチを検知しない場合、コントローラ1500は、タッチスクリーンの周波数特性を決定するテストシーケンス(テストルーチン)を実行する。好適には、その最初のステップは、テストルーチンを最後に行ってから経過した時間を判断することにある(ステップ1403)。あらかじめ設定された時間が経過していない場合(ステップ1405)、そのシステムループは開始点に戻る。あらかじめ設定された時間が経過していた場合、システムは、基板のx座標およびy座標に対し、基板の周波数特性を測定し(ステップ1407)、1組の補正値を決定する(ステップ1409)。これらの補正値はコントローラのメモリに記録され(ステップ1411)、システムループは開始点に戻る(ステップ1413)。そしてタッチを検知すると(ステップ1415)、システムは、タッチ座標を特定し(ステップ1417)、これらの座標を動作システムに送る(ステップ1419)。
頻繁に適応可能なコントローラ1500を図15に示す。このコントローラは、いくつかの一部変更点を除き、基本的にコントローラ1100と同じのものである。たとえば、永久メモリ1127を一時メモリ1501で置換している。コントローラ1100と同様、メモリ1501は、タッチスクリーンの特性周波数の変動を補正するために必要な周波数補正値を記憶する。この実施形態に係る一時メモリは、上述のように、コントローラ1500が補正値を周期的に更新するときに必要となる。さらにメモリは、周期的に更新する必要があるので、マイクロプロセッサ1131に対して双方向に通信する。したがって、特性テストシーケンスの際、マイクロプロセッサ1131は、DSP1125の出力信号を用いて、所望の周波数補正値を決定し、メモリ1501に記憶する。
図11に示す実施形態において、デジタルバーストプロセッサ1129は、所望のバースト周波数を有するバースト信号を出力する。さらに出力されたバースト信号の電力スペクトルは、一時メモリ1501に記憶された補正値に基づいて調整される。個々のRFパルスの位相の時間変調(たとえば、sin(x)/x曲線に基づくパルス位相)、バーストトレインの振幅変調(たとえば、異なる長さの一連のデジタルパルスの台形包絡線またはスタック)、またはRFサイクルのユニットにおける非積分バースト長を用いることなどを含む、さまざまな技術を用いて、バースト電力スペクトルを調整することができる。
図16に示す実施形態によれば、処理される受信信号の中心周波数のみが調整され、バースト信号の周波数は調整されない。この実施形態は、バーストが極めて短く、たとえばRF信号の10サイクル未満の期間を有し、タッチスクリーンの特性周波数における予期される変動をカバーするほど十分に広帯域であるとき、バースト信号の周波数を調整する必要がない場合において適用することができる。
図16に示すように、マイクロプロセッサ1601は、名目上のRF動作周波数を受信し、送信トランスデューサ(図示せず)を実行するバースト回路1603を起動する。上述の実施形態と同様に、バースト増幅器1605を用いて、バースト回路1603の出力信号を調整することができる。受信回路チェーンにおける狭帯域フィルタは可変帯域フィルタ1607である。可変帯域フィルタ1607の中心周波数はDA変換器1609により提供される電圧によって制御され、DA変換器1609はマイクロプロセッサ1601によって制御される。フィルタ1607等の可変帯域フィルタに関する適当な回路設計は、当業者により広く知られているので、さらに説明しない。受信トランスデューサ(図示せず)からの信号は、中心周波数を決定する可変帯域フィルタ1607を通過する前に、相対的に広い帯域フィルタ1611を通過し、増幅器1613により増幅してもよい。その信号は、検知器1615により、RF信号からベースバンド信号に変換され、ADコンバータ1617でデジタル化される。マイクロプロセッサ1601は、たとえば図8に示す処理を用いることにより、DA変換器1609に対する最適な設定を決定する。そして最適なDA変換器の設定はメモリ1619に記憶され、マイクロプロセッサ1601は通常のタッチ処理の間、記憶された値を用いる。x信号およびy信号に対して、個別のDA変換器の値を記憶してもよい。
上述の各実施形態において、タッチ検知に用いられるトランスデューサ、たとえばトランスデューサ105,107,115および117を用いて、コントローラをタッチスクリーンに適応させることが好ましい。すなわち、たとえばトランスデューサ105が発し、トランスデューサ107が受けた音波から生じた受信信号を、本発明に係る適応可能なコントローラの基準周波数として用いるか、あるいは従来式のタッチスクリーンと同一または類似の手法によりタッチ情報を提供するものとして用いることができる。ただし、タッチスクリーンの特性周波数を決定して、コントローラを適応させるために用いられるトランスデューサは、タッチ検知および情報収集のために用いられるトランスデューサと同じである必要はない。たとえば、図17に示すように、1対のトランスデューサ1701,1703を遅延ラインフィードバック発振器(図示せず)において用いて、タッチスクリーンの特性周波数を決定するが、タッチ検知の際に用いられるトランスデューサ105,107,115,117を追加することができる。択一的には、個別の反射アレイを有する別個の変換器を、タッチスクリーン基板の背面に設けてもよい。好適には、追加したトランスデューサの入力信号および出力信号は、コントローラ700のライン707,713、またはコントローラ1100,1300または1500の相当するラインで多重化される。この方法は、タッチ検知音波経路の必要性と独立して、周波数基準信号の特性を最適化する自由度が得られる。
本発明のいくつかの実施形態が、これまでに説明および図示されてきたが、本発明に係る適応方法を用いた他の実施形態が考えられることが理解されるべきである。加えて、上述の実施形態の種々の態様が、本発明から逸脱することなく変更できることを理解すべきである。たとえば、図13に示す実施形態で用いられる非水晶基準発振器およびフィードバックループは、図11および図12で示す実施形態で用いられる水晶発振器の代わりに用いてもよい。すなわち本発明は、その精神または必須の特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化できる。したがって、ここでの開示および説明は、特許請求の範囲で示される本発明の範囲を説明するために例示するものであって、限定するためのものではない。