JP5280412B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技媒体が始動領域に進入したことにもとづいて識別情報の可変表示を開始し表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、あらかじめ定められた特定表示結果が可変表示手段に導出表示された場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御するパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示(「変動」ともいう。)可能な可変表示手段が設けられ、可変表示手段において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合に、所定の遊技価値を遊技者に与えるように構成されたものがある。
遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
パチンコ遊技機では、始動入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて可変表示手段において開始される特別図柄(識別情報)の可変表示の表示結果として、あらかじめ定められた特定の表示態様が導出表示された場合に、「大当り」が発生する。なお、導出表示とは、図柄を停止表示させることである。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。以下、大入賞口の開放期間をラウンドということがある。
また、可変表示手段において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果のうちの特別な特定表示結果(特別表示結果)になる等の特別の条件が成立すると、以後、特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行しやすい遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、確変状態)に移行するように構成されたものもある。
また、所定の条件が成立すると、特別図柄や普通図柄の可変表示時間が短縮されたり可変入賞装置として構成された始動入賞口の開放時間を長くしたり始動入賞口の開放回数を多くしたりする時短状態(高頻度進入可能状態の一例)に移行するように構成された遊技機がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された遊技機は、さらに、特定遊技状態が終了したときに、時短回数(時短状態において実行可能な可変表示の回数)を抽選によって決定し、また、抽選演出を実行する。
特開2002−852号公報
特許文献1に記載された遊技機は、特定遊技状態が終了したときに、抽選演出によって複数種類の時短回数から1つの時短回数を選択する。しかし、時短回数が何回であっても遊技状態が時短状態であることには変わりはない。すなわち、時短回数が多い/少ないは、遊技者がさほどの興味を示す事項ではない。
そこで、本発明は、高頻度進入可能状態における可変表示の継続回数によって遊技者に高い興趣を与えることができる遊技機を提供することを目的とする。
本発明による遊技機は、遊技媒体が始動領域(例えば、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14)に進入したことにもとづいて識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示を開始し表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8b)を備え、あらかじめ定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄)が可変表示手段に導出表示された場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御し、所定の条件が成立すると特定遊技状態が終了した後の遊技状態を特定遊技状態に制御される確率を通常遊技状態に比べて高くする特別遊技状態(例えば、確変遊技状態)とする遊技機であって、遊技媒体が始動領域に進入したことにもとづいて、可変表示手段に表示結果が導出表示される前に、特定遊技状態に制御するか否かを決定し、かつ、特定遊技状態に制御する場合の特定遊技状態の種類を、該特定遊技状態が終了した後の遊技状態を通常遊技状態とする第1特定遊技状態(例えば、大当りC、F)と特別遊技状態とする第2特定遊技状態(例えば、大当りA、B、D、E)とを含む複数種類のうちから選択する事前決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS61,S64の処理を実行する部分)と、特定遊技状態が終了した後、遊技媒体が始動領域に進入する頻度が低い低頻度進入可能状態(例えば、低ベース状態)、または低頻度進入可能状態に比べて遊技媒体が始動領域に進入する頻度が高い遊技者に有利な高頻度進入可能状態(例えば、高ベース状態)に制御する進入可能状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS244,S474,S476,S478,S482,S484,S485の処理を実行する部分)と、事前決定手段が特定遊技状態を決定したときの遊技状態と事前決定手段が決定した特定遊技状態の種類とにもとづいて、低頻度進入可能状態にするか高頻度進入可能状態にするかを決定し、高頻度進入可能状態にする場合に高頻度進入可能状態における可変表示の実行可能回数である継続回数を決定する進入可能状態決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS75,S76の処理を実行する部分)と、特定遊技状態が終了した後の識別情報の可変表示の実行回数を計数する実行回数計数手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS102の処理を実行する部分)と、事前決定手段が第2特定遊技状態に制御すると決定した場合の該特定遊技状態が終了した後の実行回数が継続回数よりも多い回数である所定回数(例えば、100回)に達するまでは特別遊技状態に制御し、該所定回数に達した後は通常遊技状態に制御する遊技状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS474,S476,S482,S484,S239の処理を実行する部分)と、遊技状態が通常遊技状態であるのか特別遊技状態であるのかに関わらず共通演出(例えば、演出表示装置の表示画面の背景色による演出)を実行する共通演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS886の処理を実行する部分)とを備え、特定遊技状態を決定したときの遊技状態が通常遊技状態かつ低頻度進入可能状態であるときは、特別遊技状態かつ低頻度進入可能状態であるときに比べて、進入可能状態決定手段による決定結果が遊技者に有利となり(図8および図9に示すように、低確率低ベース状態では、高確率低ベース状態であるときに比べて、高ベース状態になりやすい。)、進入可能状態決定手段は、高頻度進入可能状態にする場合であって、特定遊技状態が終了した後の遊技状態が通常遊技状態であるときには、特定遊技状態が終了した後の遊技状態が特別遊技状態であるときに比べて継続回数の期待値が小さくなるように決定する(大当り後の遊技状態(確率状態)が低確率状態になる場合には、高確率状態であるときに比べて、時短回数の期待値が小さくなる:図8および図9参照)ことを特徴とする。
そのような構成によれば、特定遊技状態にすると決定された場合に、特定遊技状態が終了した後の遊技状態が通常遊技状態かつ高頻度進入可能状態になるときには、特別遊技状態かつ高頻度進入可能状態になるときに比べて継続回数の期待値は小さいが、その後に継続回数分の可変表示が実行された後の遊技状態(このときには、低頻度進入可能状態である。)は通常遊技状態である可能性が高く、また、通常遊技状態かつ低頻度進入可能状態では事前決定手段が特定遊技状態にすると決定した場合の進入可能状態決定手段による決定結果は、特別遊技状態かつ低頻度進入可能状態であるときに比べて遊技者に有利であるから、高頻度進入可能状態が終了して遊技者は落胆してしまうが次に特定遊技状態にすると決定されるときには上記のように特別遊技状態かつ低頻度進入可能状態であるときに比べて有利になることが期待できるので、少ない継続回数で高頻度進入可能状態が終了する場合でも遊技者に高い興趣を与えることができる。
進入可能状態決定手段は、継続回数を複数種類(例えば、50、70、70、90)のうちから選択し、複数種類のうちの最小の継続回数(例えば、50)を、特定遊技状態が終了した後の遊技状態が通常遊技状態である場合にのみ選択する(図8および図9参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、最も少ない継続回数で高頻度進入可能状態が終了したときの遊技状態は通常遊技状態かつ低頻度進入可能状態であり、最も少ない継続回数が遊技者に与える興趣は高い。
共通演出実行手段は、共通演出を複数種類(例えば、共通演出A、共通演出B、共通演出C)のうちから選択し、遊技状態が通常遊技状態である場合に、特別遊技状態である場合の共通演出の選択割合とは異なる選択割合で共通演出を選択する(図45参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、基本的には共通演出が実行されることによって遊技者は遊技状態が特別遊技状態であるのか通常遊技状態であるのかを把握することは難しいが、共通演出の発生頻度によって、ある程度遊技状態を把握することができ、共通演出による効果を高めることができる。
識別情報の可変表示態様を、リーチ演出を含む可変表示態様とリーチ演出を含まない可変表示態様とのうちから選択する可変表示態様選択手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS90〜S97の処理を実行する部分)を備え、事前決定手段は、低頻度進入可能状態において、特定遊技状態の種類として、特別遊技状態であるか通常遊技状態であるかに関わらず該特定遊技状態が終了した後に進入可能状態制御手段により高頻度進入可能状態に制御される第3特定遊技状態(例えば、大当りBや大当りEにもとづく大当り遊技状態:図8および図9参照)と、通常遊技状態であることを条件に該特定遊技状態が終了した後に進入可能状態制御手段により高頻度進入可能状態に制御される第4特定遊技状態(例えば、大当りAや大当りCにもとづく大当り遊技状態:図8および図9参照)とを選択可能であり、可変表示態様選択手段は、特別遊技状態かつ低頻度進入可能状態において、事前決定手段が特定遊技状態の種類を第3特定遊技状態に決定した場合には、実行回数計数手段が計数した実行回数に関わらず同じ割合でリーチ演出を含む可変表示態様を選択し(図10および図12に示すように、大当りの種別が大当りBや大当りEに決定されたときには、いずれの変動パターンテーブルが使用される場合にも、必ずリーチ演出が実行される。)、事前決定手段が特定遊技状態の種類を第4特定遊技状態に決定した場合には、特別遊技状態において実行回数計数手段が計数した実行回数が所定回数(例えば、100)よりも少ない回数である特定回数(例えば、76)以上であるときに、該特定回数未満であるときに比べて低い割合でリーチ演出を含む可変表示態様を選択する(図10および図12に示すように、大当りの種別が大当りAや大当りDに決定されたときには、変動回数カウンタの値が1〜75の場合に使用されるテーブルAに比べて、変動回数カウンタの値が76〜100の場合に使用されるテーブルBの方がリーチ演出を発生させにくい(図12参照))ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、実行回数が所定回数に達した後は特別遊技状態の種類が第4特定遊技状態に決定されると遊技者にとって有利な高頻度進入可能状態に制御されるので、実行回数が所定回数に達する前(特に、達する直前)では、遊技者は、第4特定遊技状態に決定されるよりもはずれに決定されることを期待する。そして、実行回数が所定回数に達する前(具体的には、実行回数が特定回数以上であるとき)においてリーチ演出が出現しづらくなるようにすることができ、リーチ演出は特定表示結果に対する期待を示すのではなく、リーチ演出の発生は遊技者にとって有利な状態になりやすいことを示すものとなり、遊技者の期待感をより向上させることができる。
識別情報の可変表示時間を決定するための可変表示決定用データ(例えば、図12に示す変動パターンテーブル)を有し、可変表示態様選択手段は、特別遊技状態であって低頻度進入可能状態であるときに、実行回数計数手段が計数した実行回数が特定回数未満である場合に可変表示決定用データのうちの第1データ(例えば、図12に示すテーブルA)にもとづいて可変表示態様を選択し、特定回数以上である場合に可変表示決定用データのうちの第2データ(例えば、図12に示すテーブルB)にもとづいて可変表示態様を選択するように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、所定回数と実行回数との差が小さくなって実行回数が所定回数に達することを遊技者が強く期待するときであるか否かに応じて、使用する可変表示決定データを変えることによって、表示結果が第4特定遊技状態に応じた特定表示結果になるときの識別情報の可変表示におけるリーチ演出の出現頻度を容易に選定することができる。
第2データは、第1データに比べて、事前決定手段が特定遊技状態に移行させないと決定した場合に高い割合でリーチ演出を含む可変表示態様が選択されるように構成されている(図12に示すテーブルA,Bにおける(はずれの場合)参照)ことが好ましい。
そのような構成によれば、所定回数と実行回数との差が小さくなって実行回数が所定回数に達することを遊技者が強く期待するときに、表示結果が第4特定遊技状態に応じた特定表示結果になるときの識別情報の可変表示におけるリーチ演出の出現頻度が低くなるために、所定回数と実行回数との差が大きいときに比べて有利な状態になりやすい可能性を示唆するリーチ演出が出現しづらいと遊技者が不満に感ずることが考えられるが、所定回数と実行回数との差が小さい場合に、遊技者にとって有利な第4特定遊技状態よりもはずれに決定されるときには所定回数と実行回数との差が大きいときよりもリーチ演出の出現頻度を高くすることによって全体としてのリーチ演出の出現率を低下させないようにすることができ、上記の遊技者の不満を生じさせないようにすることができる。
特定遊技状態の種類として、該特定遊技状態が終了した後に、進入可能状態制御手段により低頻度進入可能状態に制御され、かつ、通常遊技状態に制御される第5特定遊技状態(例えば、大当りC−1、C−3、C−5や大当りF−1、F−3、F−5)が含まれ、可変表示態様選択手段は、第5特定遊技状態が終了した後、実行回数計数手段が計数した実行回数に関わらず、リーチ演出を含む可変表示態様を同じ割合で選択する(図10(B)参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、特定遊技状態が終了した後第4特定遊技状態とすることに決定されると当該特定遊技状態の終了後に常に高頻度進入可能状態に制御される場合にリーチ演出の出現頻度が変化してしまって実行回数が所定回数に達する直前に第4特定遊技状態とすることに決定された場合に低頻度進入可能状態に制御されてしまうと遊技者を誤解させることを防止することができる。
遊技機に設けられている演出装置(例えば、演出表示装置9)を用いて所定の演出を実行する演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100)を備え、演出実行手段は、第2特定遊技状態が終了した後と第5特定遊技状態が終了した後とにおいて実行回数計数手段が計数した実行回数が特定回数未満であるときには共通の演出(例えば、図28(A)に示す演出A)を実行し、実行回数が特定回数以上であるときには異なる演出(例えば、図28(B)に示す演出Bや図29(C)に示す演出C))を実行する(例えば、ステップS822の処理で、遊技状態(確率状態およびベース状態)に応じたプロセステーブルを選択し、ステップS841〜S842の処理で、選択したプロセステーブルに従って演出装置を制御する)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、実行回数が特定回数に達するまでは第4特定遊技状態が終了した後であるのか第5特定遊技状態が終了した後であるのかを遊技者が把握しづらくすることができ遊技の興趣を向上させることができるとともに、遊技者に不審感を与えないようにすることができる。
パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。 演出制御基板、ランプドライバ基板および音声出力基板の回路構成例を示すブロック図である。 主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。 4msタイマ割込処理を示すフローチャートである。 各乱数を示す説明図である。 大当り判定テーブルを示す説明図である。 大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 変動パターンの振り分け方を示す説明図である。 変動パターンの振り分け方を示す説明図である。 変動パターンテーブルを示す説明図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。 始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。 保留バッファの構成例を示す説明図である。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理を示すフローチャートである。 表示結果特定コマンド送信処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動中処理を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 大入賞口開放前処理を示すフローチャートである。 大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。 大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 遊技状態に応じた演出例を説明するための説明図である。 遊技状態に応じた演出例を説明するための説明図である。 共通演出を説明するための説明図である。 演出制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。 コマンド解析処理を示すフローチャートである。 コマンド解析処理を示すフローチャートである。 コマンド解析処理を示すフローチャートである。 演出制御用マイクロコンピュータが用いる乱数を示す説明図である。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。 飾り図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 プロセスデータの構成例を示す説明図である。 プロセステーブルの内容に従って実行される演出を説明するための説明図である。 飾り図柄変動中処理を示すフローチャートである。 飾り図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 大当り表示処理を示すフローチャートである。 大当り終了演出処理を示すフローチャートである。 演出選択テーブルを示す説明図である。 第2の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータにおける変動パターンテーブルを示す説明図である。 演出制御用マイクロコンピュータにおける変動パターンの振り分け方を示す説明図である。 演出制御用マイクロコンピュータにおける変動パターンの振り分け方を示す説明図である。 演出制御用マイクロコンピュータにおける変動パターンテーブルを示す説明図である。 演出制御用マイクロコンピュータにおける変動パターンテーブルを示す説明図である。 第2の実施の形態における飾り図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9を用いて演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9を用いて演出表示を実行するので、遊技者は、遊技の進行状況を把握しやすくなる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと(遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過することでもよい)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。入賞が生ずると、あらかじめ決められている数の遊技球が景品として遊技者に払い出される。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面における下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。高ベース状態(時短状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、ランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および飾り図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機にしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9に停止図柄が導出表示される場合に、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様「非リーチ」の可変表示態様という。
また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9に停止図柄が導出表示表示される場合に、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となりリーチ演出が実行された後に所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を「リーチ」の可変表示態様という。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される飾り図柄を用いて実行される。上記のように、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合でも、リーチ演出が実行される場合とされない場合とがある。この実施の形態において、リーチ演出は、一例として、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば、左中右図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定の表示結果(例えば、左中右の飾り図柄が同じ。)と一致している状態(リーチとなった状態)で停止、揺動、拡大縮小または変形している状態であって、最終結果が表示される前に特定の表示結果になる可能性が継続している状態(リーチ状態)において行われる演出である。ただし、そのような演出は一例であって、最終結果が表示される前に特定の表示結果になる可能性があることを遊技者に容易に認識させることが可能であれば、他の演出態様を用いてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する大当りA〜F)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(3)ランダム3(MR3):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム4(MR4):ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(3)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2)または初期値用乱数(ランダム4)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図7は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(通常遊技状態:確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。なお、図7に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8および図9は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図8および図9に示す大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を大当りA〜Fのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ただし、CPU56は、第1特別図柄の変動を開始するときには、大当りの種別を大当りA〜Cのうちのいずれかに決定し、第2特別図柄の変動を開始するときには、大当りの種別を大当りD〜Fのうちのいずれかに決定する。
図8には、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(低確率時の第1特別図柄用)が示されている。図9には、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)が示されている。
「1秒開放15R」は、大当り遊技中に15ラウンドの大入賞口の開放が行われるが、それぞれの開放時間が1秒であることを示す。すなわち、「1秒開放15R」の大当りである大当りA,Cにもとづく大当り遊技中において、遊技者はほとんど賞球を期待できない。「29秒開放15R」は、大当り遊技中に15ラウンドの大入賞口の開放が行われるが、それぞれの開放時間が29秒であることを示す。
また、図8および図9には、大当りA〜Fのそれぞれについて、大当り遊技が終了したときの確率状態(確変状態または通常状態、すなわち高確率状態または低確率状態)と、高ベース状態になる場合の大当り遊技終了後の時短回数(時短状態すなわち高ベース状態において実行可能な変動回数)とが示されている。なお、大当りA,C,D,Fについては、大当りの決定がなされるときの遊技状態が確変状態(高確率状態)であって低ベース状態であるとき(高確率低ベース状態である)に、大当り遊技が終了した後に低ベース状態になる。高確率低ベース状態以外(高確率高ベース状態、または低確率状態)の場合に、大当り遊技が終了した後に高ベース状態になる。
なお、大当りA,C,D,Fは、大当りの決定がなされるときの遊技状態に応じて大当り遊技後のベース状態が異なり、また、高ベース状態になった場合の時短回数(時短状態における特別図柄の変動可能回数)が異なるので、便宜上、−1,−2,−3,−4,−5,−6を付して分けられている。例えば、大当りAは、大当りA−1、大当りA−2、大当りA−3、大当りA−4に分けられている。
また、この実施の形態では、確率状態を高確率状態(確変状態)にする大当り(大当りA,B,D,E)が発生した場合には、大当り遊技状態が終了した後、100回の可変表示が実行されるまで高確率状態であり、その後、低確率状態になる。以下、確率状態を高確率状態(確変状態)にする大当り(大当りA,B,D,E)を確変大当りともいう。
ただし、リミッタが作動したときには、大当り遊技が終了したときに、確率状態は通常状態(低確率状態)になる。リミッタ機能が作動するとは、確変大当りの連続発生回数が、あらかじめ決められている上限数(例えば、10)に達したことを意味する。
また、この実施の形態では、高ベース状態は時短状態であり、第2始動入賞口14が、低ベース状態であるときに比べて、高い割合で開放状態に制御される。
高ベース状態では、遊技球が第1始動入賞口13に入賞することに比べて、遊技球が第2始動入賞口14に入賞する機会が多いので、図9に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルが使用される機会が極めて多い。また、低ベース状態では、遊技球が第2始動入賞口14に入賞する機会はないので、図8に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルが使用される。
図8および図9に示す大当り種別判定テーブルには、大当りの種別に対応する判定値が設定されている。なお、図8および図9には、判定値そのものではなく、判定値数が示されている。
また、この実施の形態では、一例として、大当りAになるときの特別図柄の停止図柄は「2」であり、大当りBになるときの特別図柄の停止図柄は「4」であり、大当りCになるときの特別図柄の停止図柄は「6」であり、大当りDになるときの特別図柄の停止図柄は「1」であり、大当りEになるときの特別図柄の停止図柄は「5」であり、大当りFになるときの特別図柄の停止図柄は「7」である。すなわち、大当りの種別と特別図柄の停止図柄の種別とは対応している。
なお、この実施の形態では所定の乱数を用いて大当りの種別を決定するが、所定の乱数を用いて特別図柄の停止図柄を決定し、決定された特別図柄の種別に応じて大当りの種別が決まるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当りの種別は大当りA〜Fに大別されているが、−1,−2,−3,−4,−5,−6を付して分けられている種類までも大当りの種別が異なるとして、特別図柄の停止図柄の種類を異ならせるようにしてもよい。その場合には、停止図柄の種類数が多くなるので、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bとして、それぞれ、例えば2桁の数値を表示可能な表示器が用いられる。
図8に示すように、この実施の形態の遊技機では、低ベース状態では遊技者が賞球払出を期待できる大当り(大当りB,E)の発生確率は低い。従って、遊技者は、高ベース状態になって第2始動入賞口14が高い頻度で開放される状態になってから賞球払出を期待できる大当り(大当りD,E,F)が発生するまで多くの賞球払出を受けることができない。従って、遊技者は、高ベース状態になることを期待する。
ベース状態が低ベース状態から高ベース状態に移行する条件は、大当りB,Eが発生することの他、低確率状態において、大当りA,C,D,Fが発生することである(図8および図9参照)。従って、遊技状態が低確率状態になることは、遊技者にとって有利なことである。そして、遊技状態が低確率状態になる条件は、高確率状態にすることになる大当り遊技状態が終了した後、100回の可変表示(表示結果を大当り図柄にしない可変表示)が実行されることである。なお、リミッタが作動した場合にも、遊技状態は低確率状態に移行する。
従って、遊技者は、高確率状態である場合に、可変表示の実行回数が100に近いときには、大当りが発生しないことを期待する。発生した大当りが大当りB,Cであればよいが(大当り遊技終了後に直ちに高ベース状態になるので:図8および図9参照)、発生確率が高い大当りA,Dが発生した場合には変動回数カウンタの値が0に戻されるからである。そして、可変表示の実行回数が100を越えた場合には、遊技状態は低確率になり、いずれの種別の大当りが生じても遊技状態は高ベース状態になるので(図8および図9参照)、大当りが発生することを期待する。
そこで、この実施の形態では、可変表示の実行回数が100に近づいているときに、大当りA,Dが発生するときにはリーチ演出が実行される割合を小さくする。なお、大当りC,Fが発生するときにも、それらの大当りにもとづく大当り遊技における大入賞口の開放時間は短いので(図12参照)、リーチ演出が実行される割合を小さくする。可変表示の実行回数が100に近づいているときにリーチ演出が実行される割合が大きいと、リーチ演出によって期待を持った遊技者を落胆させてしまう機会が多くなってしまうからである。また、可変表示の実行回数が100を越えた場合には、それ以前に比べて、リーチ演出が実行される割合を大きくする。
なお、時短回数の残り回数が0になる前では、遊技者は、大当りが発生することを期待する。この実施の形態では、時短回数の残り回数が0になる前では、確率状態はほぼ高確率状態である。すなわち、ほぼ高確率高ベース状態である。高確率高ベース状態では、いずれの種別の大当りが発生しても、ベース状態は高ベース状態に維持される(図8および図9参照)。
また、図8および図9に示すように、低ベース状態において、大当りの種類として、確変状態であるか通常状態であるかに関わらず大当り遊技状態が終了した後に高ベース状態に制御される大当りB,D(第3特定遊技状態になる大当り)と、通常状態であることを条件に大当り遊技状態が終了した後に高ベース状態に制御される大当りA,C,D,F(第4特定遊技状態になる大当り)とがある。
また、通常状態かつ低ベース状態である場合に決定される時短回数(高ベース状態における可変表示の実行可能回数)の期待値は、確変状態(高確率状態)かつ低ベース状態である場合に決定される時短回数の期待値(図8および図9に示す例では0)よりも大きい。なお、この実施の形態では、確変状態(高確率状態)かつ低ベース状態である場合に決定される時短回数の期待値は0であるが、通常状態(低確率状態9かつ低ベース状態である場合に決定される時短回数の期待値の方が大きければ、確変状態かつ低ベース状態である場合に決定される時短回数の期待値は0でなくてもよい。
また、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を通常状態(低確率状態)にする場合に決定される時短回数の期待値が、確変状態にする場合に決定される時短回数の期待値よりも小さい。具体的には、通常状態にする場合に決定される時短回数の期待値は58%[(50×2%+40×2%+70×1%)/5%]であり、確変状態にする場合に決定される時短回数の期待値は66%[(60×45%+70×45%+90×5%)/95%]である。
ただし、期待値の58%は、リミッタが作動する場合(本来確変状態に制御するはずが通状態状態に制御される場合)を考慮していない。リミッタが作動する場合の時短回数は50回であるから、実際には、通常状態にする場合に決定される時短回数の期待値は58%よりも小さくなる。
なお、この実施の形態では、リミッタが作動して遊技状態が通常状態に制御される場合に、ベース状態が高ベース状態になるときには時短回数を一律に50回にするが、時短回数を一律にすることは必須のことではなく、それぞれが比較的少ない回数であれば、大当りの種別に応じて異なる回数であってもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常状態かつ低ベース状態であるときは、確変状態かつ低ベース状態であるときに比べて、高ベース状態にする割合を高くし、かつ、時短回数の期待値を大きくすることによって遊技者に有利なように決定するが、高ベース状態にする割合を高くすることと時短回数の期待値を大きくすることとのいずれかによって、遊技者に有利なように決定するようにしてもよい。
図10および図11は、変動パターンの振り分け方を示す説明図である。図10および図11に示す振り分け方に従って、すなわち、確率状態およびベース状態(以下、ベース状態も合わせて遊技状態ともいう。)と変動回数カウンタの値(大当り遊技後の変動回数を示す。)とに応じて、いずれのテーブル(変動パターンテーブル)を使用するのかが決定される。なお、この実施の形態では、遊技状態は、大当りの種別に応じて決まるので、変動パターンの振り分け方は、発生した大当りの種別と変動回数カウンタの値とに応じて決まるということもできる。
なお、この実施の形態では、変動回数カウンタは、表示結果をはずれにする変動(可変表示)が実行される度に+1されるカウンタである。
図10および図11に示す変動パターンの振り分け方において特徴的なことは、大当り遊技後に低確率低ベース状態になる大当りが発生した後(具体的には、大当り遊技終了後)では、変動回数カウンタの値に関わらず同じテーブルが使用されることである(図10(B)参照)。
図12は、ROM54に記憶されている変動パターンテーブルを示す説明図である。図12に示すように、変動パターンテーブルとして、テーブルA〜Dがある。また、各変動パターンテーブルには、大当りになる場合に使用されるテーブルと、はずれの場合に使用されるテーブルとがある。なお、テーブルBには、大当りB,Eになる場合に使用されるテーブルと、大当りA,C,D,Fになる場合に使用されるテーブルと、はずれの場合に使用されるテーブルとがある。
図12に示すテーブルA〜Dは、図10および図11に示されているテーブルA〜Dに対応する。つまり、図10および図11に示す変動パターンの振り分け方を用いてテーブルx(x:A〜Dのいずれか)を使用することに決定された場合には、図12に示すテーブルxが使用される。
図10および図11に示す変動パターンの振り分け方と、図12に示す変動パターンテーブルとを比較すると、高確率低ベース状態の場合(大当りA−1、大当りA−3、大当りD−1または大当りD−3が発生した後:図8参照)には、変動回数カウンタの値が1〜75であるときには、比較的大きな割合(この実施の形態では、一例として100%)でリーチが発生するが、変動回数カウンタの値が76〜100であるときには(テーブルBを使用する場合)、停止図柄を大当りにする場合にはリーチは発生しない。
なお、高確率低ベース状態の場合は、大当りA−1、大当りA−3、大当りD−1または大当りD−3が発生した後であるが、大当りA−2、大当りA−4、大当りD−2または大当りD−4が発生した後であって変動回数カウンタの値が61〜100(または、71〜100)であるときにも高確率低ベース状態である(60回(または、70回)の変動が実行されると時短状態すなわち高ベース状態から低ベース状態に移行するので)。
よって、図12に示すように、テーブルBを使用する場合には停止図柄を大当りB,Eに対応する大当り図柄以外にするときにはリーチが発生しないようにし、大当りA−1、大当りA−3、大当りD−1または大当りD−3が発生した後(高確率低ベース状態である)と、大当りA−2、大当りA−4、大当りD−2または大当りD−4が発生した後であって変動回数カウンタの値が60を越えた場合に、変動回数カウンタの値が76〜100であるとき(高確率低ベース状態である)にはテーブルBが使用されるようにする(図10参照)。
図10および図11に示す変動パターンの振り分け方と図12に示す変動パターンテーブルとを使用することによって、遊技状態が高確率低ベース状態である場合に、可変表示の実行回数が100に近づいているときには、大当りB,E以外の種別の大当りが発生する場合にリーチ演出が実行される割合を小さくする制御を実現することができる。
また、図12(A),(B)に示すように、テーブルB(第2データに相当)が使用されるときには、テーブルA(第1データに相当)が使用されるときに比べて、はずれの場合には、高い割合でリーチ演出を含む変動態様が選択される。よって、表示結果を大当り図柄にする場合のリーチ演出の出現率を低下させることができるとともに(特に、図12(B)における「大当りB,E以外の場合」参照)、全体としてのリーチ演出の出現率を低下させないようにすることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技状態の種類として、大当り遊技状態が終了した後に、低ベース状態に制御され、かつ、通常状態に制御される大当りC−1,C−3,C−5や大当りF−1,F−3,F−5(第5特定遊技状態に相当)が終了した後、変動回数カウンタの値(実行回数計数手段が計数した実行回数に相当)に関わらず、リーチ演出を含む変動態様を同じ割合で選択する(図10(B)参照)。よって、遊技者にとっての有利度が変化しないにも関わらずリーチ演出の出現率が変化することによって遊技者を誤解させることを防止することができる。
なお、停止図柄をはずれにするときには、テーブルBが使用される状況の前に使用されるテーブルA(図10(A),(C)参照)に比べて、リーチ演出が実行される割合を大きくすることによって、テーブルBが使用される場合の全体としてのリーチの発生割合を低下させないようにする。
また、図12に示す変動パターンの選択の仕方は一例である。テーブルDに比べてテーブルAの方がリーチを発生し難く、かつ、テーブルAに比べてテーブルBの方がリーチを発生し難いのであれば、他の振り分け方を用いてもよい。すなわち、判定値の割当数を変えてもよい。
また、この実施の形態では、テーブルBが使用される場合に、大当りB,Eになるときには100%の割合でリーチ演出を実行することにし、大当りB,E以外になるときにはリーチ演出を実行しないことに決定されるが、大当りB,Eになるときのリーチ演出を実行する割合を100%よりも小さくし、大当りB,E以外になるときにも小さい割合(ただし、大当りB,Eになるときのリーチ演出を実行する割合よりも小さいことを条件とする。)でリーチ演出が実行されるようにしてもよい。
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図12に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C07(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C07(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C07(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(以下、大当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が高ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が低ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(低ベース状態指定コマンド)である。高ベース状態指定コマンドと低ベース状態指定コマンドを、ベース状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドB101(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(高確率状態指定コマンド)である。コマンドB102(H)は、通常状態であることを指定する演出制御コマンド(低確率状態指定コマンド)である。高確率状態指定コマンドと低確率状態指定コマンドとを、確率状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。
コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、保留記憶数について、保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドが送信されるが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドD0XX(H)は、変動回数カウンタの値を示すコマンドである。「XX」には、変動回数カウンタの値が設定される。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図14は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS321)。また、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄の表示結果が導出表示された後、大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図15は、ステップS321の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS211Bに移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213A)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214A)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図16参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。なお、ステップS215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン判定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図16は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図16に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム2)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。また、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタや保留記憶数カウンタも、RAM55に形成されている。
また、CPU56は、第1特別図柄保留記憶表示器18aの点灯個数を1増やす(ステップS216A)。また、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS217A)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。
また、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。図16に示すように、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値と同数の保存領域が確保されている。CPU56は、ステップS215Bの処理において、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域に値を格納する。
また、CPU56は、第2特別図柄保留記憶表示器18bの点灯個数を1増やす(ステップS216B)。また、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS217B)。
図17および図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。換言すれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS57)。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図7参照)のいずれかに一致するか否か判定する(ステップS61)。なお、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較する処理)を行う。
遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りになる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、大当りA,B,D,Eとすることに決定された後、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。なお、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当りとすることに決定した場合には、ステップS62に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。大当りとしないことに決定した場合には、ステップS75に移行する。
ステップS62では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS63)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別を大当りの種別に決定する(ステップS64)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS65)。例えば、大当り種別が「大当りA」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「大当りB」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「大当りC」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「大当りD」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定され、大当り種別が「大当りE」の場合には大当り種別を示すデータとして「05」が設定され、大当り種別が「大当りF」の場合には大当り種別を示すデータとして「06」が設定される。
また、CPU56は、大当りの種別が大当りA、B、DまたはE(確変大当り:図8参照)であるか否か判定し(ステップS70)、大当りの種別が大当りA、B、DおよびE以外である場合には、ステップS74に移行する。大当りの種別が大当りA、B、DまたはEである場合には、確変連続回数カウンタの値を+1する(ステップS71)。確変連続回数カウンタの値が10になった場合には、リミッタが作動することを示すリミッタ作動フラグをセットする(ステップS72,S73)。また、確変連続回数カウンタの値を0に初期化する(ステップS74)。
また、CPU56は、大当りの種別が大当り遊技が終了した後に遊技状態が高ベース状態にするか否か確認する(ステップS75)。具体的には、現在の遊技状態が確変状態および時短状態(確変フラグおよび時短フラグがセットされている場合:高確率高ベース状態に相当)であってステップS64の処理で決定された大当りの種別が大当りA、C、DまたはFであるとき、または現在の遊技状態が通常状態(確変フラグがリセットされている場合:低確率状態に相当)であってステップS64の処理で決定された大当りの種別が大当りA、C、DまたはFであるときに(すなわち、大当りの種別が大当りA、C、DまたはFであって、現在の遊技状態が高確率低ベース状態でないとき)、高ベース状態にすると判定する(図8および図9参照)。また、大当りの種別が大当りBまたはEであるときにも高ベース状態にすると判定する(図8および図9参照)。高ベース状態にする場合には、大当りの種別(大当りA、B、C、D、E、F)と現在の遊技状態とに対応する時短回数(図8および図9参照)を、RAM55に保存する(ステップS76)。なお、RAM55に保存された時短回数は、大当り遊技状態が終了するときに、時短回数カウンタにセットされる。
ただし、リミッタ作動フラグがセットされているときには、大当りの種別が大当りAまたはDである場合であって高確率低ベース状態でない場合でも、RAM55に保存された時短回数として「50」が用いられ、大当りの種別が大当りBまたはEである場合であっても、RAM55に保存された時短回数として「50」が用いられる。
そして、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS77)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、「2」(大当りAの場合)、「4」(大当りBの場合)、「6」(大当りCの場合)、「1」(大当りDの場合)、「5」(大当りEの場合)、「7」(大当りFの場合)のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
その後、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS78)。
図19は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、現在の確率状態およびベース状態と変動回数カウンタの値とに応じて、変動パターンテーブル(図12に示すテーブルA〜Dのいずれか)を選択する(ステップS90)。
そして、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、テーブルBを使用することに決定されている場合には、テーブルBにおける大当りの種別に応じたテーブル(図12における[テーブルB]参照)を選択する(ステップS92,S93)。テーブルB以外を使用することに決定されている場合には、変動パターンテーブル(図12参照)のうちの大当りの場合に使用するテーブルを選択する(ステップS94)。そして、ステップS96に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、変動パターンテーブル(図12参照)のうちのはずれの場合に使用するテーブルを選択する(ステップS95)。そして、ステップS96に移行する。
ステップS96では、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS93、S94またはステップS95の処理で選択したテーブルを参照することによって、ランダム2にもとづいて変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS97)。なお、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定する。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS98)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS99)。
また、CPU56は、大当りフラグがセットされていない場合には変動回数カウンタの値を+1する(ステップS101,S102)。大当りフラグがセットされている場合には変動回数カウンタの値を0に初期化する(ステップS101,S103)。なお、変動回数カウンタは、はずれの連続回数をカウントするためのカウンタである。そして、変動回数カウンタの値を2バイト目(EXTデータ)に設定した変動回数指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動を開始させる(ステップS105)。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS106)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS107)。
図20は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS111)。セットされていない場合には、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS124)。そして、ステップS125に移行する。
大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が大当りAであるときには表示結果2指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS112,S113)、ステップS125に移行する。大当りの種別が大当りBであるときには表示結果3指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS114,S115)、ステップS125に移行する。大当りの種別が大当りCであるときには表示結果4指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS116,S117)、ステップS125に移行する。大当りの種別が大当りDであるときには表示結果5指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS118,S119)、ステップS125に移行する。大当りの種別が大当りEであるときには表示結果6指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS120,S121)、ステップS125に移行する。大当りの種別が大当りEでもないとき(大当りFであるとき)には表示結果7指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS120,S122)、ステップS125に移行する。
ステップS125では、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器の点灯個数を1減らす。なお、ステップS119の処理では、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1特別図柄保留記憶表示器18aの点灯個数を1減らし、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2特別図柄保留記憶表示器18bの点灯個数を1減らす。また、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS126)。ステップS126では、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS127)。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄の停止時柄を導出表示し(ステップS127)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS128)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS129)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS231)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされている場合には、遊技状態を示すデータをRAM55に保存した後、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS232)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS233)。なお、遊技状態を示すデータとは、確変フラグおよび時短フラグの状態(オン(セット)を示す1またはオフ(リセット)を示す0)である。
また、大入賞口制御タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS234)。また、開放回数カウンタに開放回数をセットする(ステップS235)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS236)。なお、S235の処理では、CPU56は、15回をセットする。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(ステップS237)。セットされていない場合には、ステップS241に移行する。確変フラグがセットされている場合には、変動回数カウンタの値が100になっているときには確変フラグをリセットする(ステップS238,S239)。また、低確率状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS240)。
また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS241)。セットされていない場合には、ステップS246に移行する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS242)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS243)、時短フラグをリセットする(ステップS244)。また、CPU56は、低ベース状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS245)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS246)。
図23は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行うとともに(ステップS404)、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(ステップS406)。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS415)。なお、ステップS406の処理では、CPU56は、大当りの種別が大当りB、大当りD、大当りEまたは大当りFである場合には29秒に応じた値を設定し、大当りAまたは大当りCである場合には1秒に応じた値を設定する。
図24および図25は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(ステップS421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(ステップS422)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS423)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば、10)になっているか否か確認する(ステップS424)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS422の判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行う(ステップS425)。そして、入賞個数カウンタの値を0にする(ステップS426)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(ステップS430)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS431)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(ステップS432)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS433)。
開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS436)。
図26および図27は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが動作中であるか否か確認する(ステップS461)。すなわち、大当り終了表示タイマの値が0であるか否か確認する。大当り終了表示タイマが動作中でなければ(大当り終了表示タイマの値が0であれば)、大当りフラグをリセットし(ステップS470)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS471)。また、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定する(ステップS472)。そして、ステップS473に移行する。
大当り終了表示タイマが動作中である場合には、CPU56は、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS462)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS463)。経過していない場合には処理を終了する。大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS464)。
ステップS473では、CPU56は、大当りの種別が大当りAであるか否か確認する。大当りの種別が大当りAであった場合には、確変フラグをセットし、変動回数カウンタの値を0に初期化し、所定の場合(ステップS232の処理で保存されている遊技状態を示すデータが確変フラグのオフを示しているか、または確変フラグのオンおよび時短フラグのオンを示している場合)には時短フラグをセットする(ステップS474)。
大当りの種別が大当りBであった場合には(ステップS475)、確変フラグをセットし、変動回数カウンタの値を0に初期化し、時短フラグをセットする(ステップS476)。すなわち、必ず時短フラグがセットされ、ベース状態が必ず高ベース状態になる。
大当りの種別が大当りCであった場合には(ステップS477)、変動回数カウンタの値を0に初期化し、所定の場合(保存されている遊技状態を示すデータが確変フラグのオフを示しているか、または確変フラグのオンおよび時短フラグのオンを示している場合)には時短フラグをセットする(ステップS478)。
大当りの種別が大当りDであった場合には(ステップS481)、確変フラグをセットし、変動回数カウンタの値を0に初期化し、所定の場合(保存されている遊技状態を示すデータが確変フラグのオフを示しているか、または確変フラグのオンおよび時短フラグのオンを示している場合)には時短フラグをセットする(ステップS482)。
大当りの種別が大当りEであった場合には(ステップS483)、確変フラグをセットし、変動回数カウンタの値を0に初期化し、時短フラグをセットする(ステップS484)。すなわち、必ず時短フラグがセットされ、ベース状態が必ず高ベース状態になる。
大当りの種別が大当りEでなかった場合(大当りの種別が大当りFであった場合)には、変動回数カウンタの値を0に初期化し、所定の場合(保存されている遊技状態を示すデータが確変フラグのオフを示しているか、または確変フラグのオンおよび時短フラグのオンを示している場合)には時短フラグをセットする(ステップS485)。
なお、時短状態がセットされている状態は高ベース状態であるが、時短フラグは、例えば、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。また、時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされている場合には、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、時短フラグがセットされている場合には、時短フラグがセットされていない場合に比べて、普通図柄の変動表示結果を当りにするか否かの抽選における当り確率(当りに決定する割合)を高くする。
次いで、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS486)。なお、大当りA、C、DおよびFに関して、時短フラグは、ステップS474,S478,S482,S485の処理で、保存されている遊技状態を示すデータが確変フラグのオフを示しているか、または確変フラグのオンおよび時短フラグのオンを示している場合にセットされる。また、大当りB、Eの場合には、ステップS476,S484の処理で常に時短フラグがセットされる。
CPU56は、時短フラグがセットされている場合には、RAM55に保存されている時短回数(図18におけるステップS67参照)を、時短回数カウンタにセットする(ステップS487)。
また、CPU56は、リミッタ作動フラグ(図18参照)がセットされているか否か確認し(ステップS491)、リミッタ作動フラグがセットされている場合には、リミッタ作動フラグをリセットし(ステップS492)、確変フラグをリセットする(ステップS493)。
ステップS493の処理が実行されることによって、ステップS474,S476,S482,S484の処理で確変フラグがセットされても、遊技状態は否定確率状態(非確変状態:通常状態)に移行する。
次いで、CPU56は、確率状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS494)。すなわち、確変フラグがセットされている場合には、高確率状態指定コマンドを送信する制御を行う。確変フラグがセットされていない場合には、低確率状態指定コマンドを送信する制御を行う。
また、CPU56は、ベース状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS495)。すなわち、時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグがセットされている場合には、高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。時短フラグがセットされていない場合には、低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、CPU56は、確率状態指定コマンドおよびベース状態指定コマンドを、状態が変わった(図22に示すステップS232の処理が実行される前の状態と、ステップS494,S495の処理が実行されるときの状態との比較による。)ときにのみ送信するようにしてもよい。
図28および図29は、遊技状態に応じた演出例を説明するための説明図である。図28および図29には、演出として、図28(A)に示す演出A、図28(B)に示す演出B、および図29(C)に示す演出Cが例示されている。
なお、図28および図29において、矢印は、演出表示装置9における表示画面の左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて飾り図柄が変動していることを示す。
図28(A)に示す演出Aは、山のように表示される背景画面においてキャラクタ画像9aが山に向かって移動するような演出である。
図28(B)に示す演出Bは、山のように表示される背景画面においてキャラクタ画像9aが山に向かって移動するような演出であるが、演出Aに比べて、山の位置とキャラクタ画像9aの位置は近い。
図29(C)に示す演出Cは、山の頂上のように表示される背景画面においてキャラクタ画像9aが移動するような演出である。
演出Aは、低ベース状態である場合(高確率状態であっても低確率状態であっても)に、変動回数カウンタの値が76未満であるときに実行される。演出Bは、高確率状態であって低ベース状態である場合に、変動回数カウンタの値が76〜100であるときに実行される。
演出Cは、高確率状態であり低ベース状態であった場合に、変動回数カウンタの値が101以上であるときに実行される。具体的には、高確率状態から低確率状態に移行した後に実行される。また、低確率状態であって低ベース状態である場合に、変動回数カウンタの値が76以上であるときにも実行される。
図30は、共通演出を説明するための説明図である。共通演出は、遊技状態が確変状態であるときにも通常状態であるときにも実行されうる演出であるが、この実施の形態では、大当り終了処理において開始される。
また、この実施の形態では、共通演出として複数種類(この例では、3種類)の演出がある。図30(A)は、共通演出Aの演出例を示す説明図である。共通演出Aは、演出表示装置9の表示画面の背景色が青色で表示される演出である。図30(A)に示すように、共通演出Aは複数回の可変表示に亘って継続して実行されるが、例えば次に大当りが発生して大当り終了処理が実行されるまで継続する。
なお、図30において、下向き矢印は、飾り図柄の変動中であることを示す。また、図30には、演出表示装置9の表示画面に「時短中」の表示がなされている例が示されているが、高ベース状態(時短状態)では、共通演出の実行中に高ベース状態であることの報知が行われることを意味する。ただし、共通演出の実行中に高ベース状態であることの報知を行うことは必須のことではなく、そのような報知を行わなくてもよい。
図30(B)は、共通演出Bの演出例を示す説明図である。共通演出Bは、演出表示装置9の表示画面の背景色が緑色で表示される演出である。図30(C)は、共通演出Cの演出例を示す説明図である。共通演出Cは、演出表示装置9の表示画面の背景色が黄色で表示される演出である。図30(B),(C)に示すように、共通演出Aと同様に、共通演出B,Cは複数回の可変表示に亘って継続して実行されるが、例えば次に大当りが発生して大当り終了処理が実行されるまで継続する。
なお、この実施の形態では、共通演出は演出表示装置9の表示画面の背景色による演出であるが、背景色による演出は一例であり、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像等の他の要素を用いた演出であってもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図31は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S706の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13参照)であるのか解析する。
図32〜図34は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS615)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS616)。初期画面には、あらかじめ決められている飾り図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS617)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが変動回数指定コマンドであれば(ステップS629)、演出制御用CPU101は、変動回数指定コマンドの2バイト目に設定されている変動回数をRAMの変動回数記憶カウンタにセットする(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS633)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS636)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS637)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS638)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS642)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶数表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS643)。すなわち、第1保留記憶数表示部18cに表示されている画像(例えば、丸印)の数を1増やす。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS644)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS645)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶数表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS646)。すなわち、第2保留記憶数表示部18dに表示されている画像(例えば、丸印)の数を1増やす。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS652)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶数表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS653)。すなわち、第1保留記憶数表示部18cに表示されている画像(例えば、丸印)の数を1減らす。具体的には、表示されている画像のうち例えば最左の画像が消去され、他の画像が左側に移動される。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS655)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶数表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS656)。すなわち、第2保留記憶数表示部18dに表示されている画像(例えば、丸印)の数を1減らす。具体的には、表示されている画像のうち例えば最左の画像が消去され、他の画像が左側に移動される。
受信した演出制御コマンドが高確率状態指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、確変フラグをセットする(ステップS662)。受信した演出制御コマンドが低確率状態指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、確変フラグをリセットする(ステップS664)。
受信した演出制御コマンドが高ベース状態指定コマンドであれば(ステップS665)、演出制御用CPU101は、高ベース状態フラグをセットする(ステップS666)。受信した演出制御コマンドが低ベース状態指定コマンドであれば(ステップS667)、演出制御用CPU101は、高ベース状態フラグをリセットする(ステップS668)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS691)。そして、ステップS611に移行する。
図35は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図35に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、共通演出選択用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。なお、飾り図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
共通演出選択用乱数SR2は、共通演出の種類(図30参照)を決定するための乱数である。
図36は、図31に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
また、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図37は、図36に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図38は、図36に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から受信した変動パターンコマンドを読み出す(ステップS820)。また、受信した演出制御コマンド(例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド))にもとづいて、飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS821)。なお、決定された飾り図柄の表示結果は、RAMに形成されている飾り図柄表示結果格納領域に格納される。
演出制御用CPU101は、例えば、飾り図柄の停止図柄として、受信した表示結果特定コマンドが大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果2指定コマンド〜表示結果7指定コマンドである場合)、停止図柄として3図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。
具体的には、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った飾り図柄の組合せ)を決定する。
ただし、大当りA,C,D,F(大入賞口の開放時間が短い大当り遊技状態になる大当り)を示す表示結果特定コマンドを受信した場合には、停止図柄を3図柄が揃った飾り図柄の組合せにしなくてもよい。
そして、はずれの場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。リーチ演出を伴うか否かは、受信した変動パターンコマンドを用いて判定可能である。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブル(図39参照)を選択する(ステップS822)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS823)。
なお、ステップS822の処理で、演出制御用CPU101は、変動パターンと、遊技状態および変動回数記憶カウンタの値とに応じたプロセステーブルを選択する。
すなわち、低ベース状態である場合(高ベース状態フラグがセットされていない場合)に、変動回数記憶カウンタの値が76未満であるときには、変動パターンと演出A(図28(A)参照)とに応じたプロセステーブルを選択する。この場合、飾り図柄の変動演出とともに演出Aが実行される。また、高確率状態であって低ベース状態である場合(確変フラグがセットされ、高ベース状態フラグがセットされていない場合)に、変動回数記憶カウンタの値が76〜100であるときには、変動パターンと演出B(図28(B)参照)とに応じたプロセステーブルを選択する。この場合、飾り図柄の変動演出とともに演出Bが実行される。高確率状態であり低ベース状態であった場合(確変フラグがセットされ、高ベース状態フラグがセットされていない場合)に、変動回数記憶カウンタの値が101以上である(低確率状態であって低ベース状態である)ときには、変動パターンと演出C(図28(C)参照)とに応じたプロセステーブルを選択する。具体的には、高確率状態から低確率状態に移行した後に、変動パターンと演出C(図28(C)参照)とに応じたプロセステーブルを選択する。この場合、飾り図柄の変動演出とともに演出Cが実行される。また、低確率状態であって低ベース状態である場合(確変フラグがセットされていない状態であって、高ベース状態フラグもセットされていない場合)であって、変動回数記憶カウンタの値が76以上であるときにも、変動パターンと演出Cとに応じたプロセステーブルを選択する。
図39は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
図39に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。また、大当りの報知に関する演出や大当り遊技中の演出を実行するためのプロセステーブルも用意されている。
図40は、プロセステーブルの内容に従って実行される演出を説明するための説明図である。図40に示すように、演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおけるプロセスデータ(演出制御実行データ)に従って演出制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データに従って、演出表示装置9やLED等の発光体を制御する処理を繰り返すことによって、1回の飾り図柄の変動中の背景等の演出が実現される。
なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていない。飾り図柄の変動自体は、演出制御用CPU101によって、プロセステーブルを使用せずに直接制御される。
演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS824)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS825)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS826)。
なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の変動が実現される。
また、演出制御用CPU101は、画像データをVRAMの所定領域に書き込む場合に、実際には、例えば、Vブランク割込にもとづくVブランク割込処理で画像データをVRAMに書き込む制御を行う。従って、演出制御用CPU101は、RAMの所定領域にVRAMに書き込むデータを一時保存し、Vブランク割込処理でRAMの所定領域のデータをVRAMに書き込む制御を行う。Vブランク割込は、演出表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期でVDP109が発生する割込である。例えば、演出表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。この例では、Vブランク割込処理でVRAMにデータを書き込むが、他の処理において、VRAMにデータを書き込むようにしてもよい。他の処理は、例えば、演出制御用が内蔵するタイマにもとづくタイマ割込や、飾り図柄変動中処理である。なお、他の処理においてVRAMにデータを書き込む処理を実行する場合には、例えば定期的に、実行周期とVブランク割込の周期との同期を取るための処理を実行することが好ましい。
そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS827)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図41は、図36に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS844)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS851)、演出制御用CPU101は、左中右の飾り図柄の次表示画面(前回の飾り図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS852)。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動制御が実現される。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および飾り図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値(例えば、30msに相当する値)を再セットする(ステップS853)。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS854)。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS856)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS855)、演出制御用CPU101は、ステップS856の処理を実行する。
図42は、図36に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS8301)。
また、演出制御用CPU101は、大当りにすることに決定されているか否か確認する(ステップS8302)。大当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されていない場合には、ステップS8303に移行する。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、大当りの開始を報知する演出(ファンファーレ演出)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8304)。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8305)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8306)。さらに、演出用タイマに、大当り表示時間に相当する値をセットする(ステップS8307)。
その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8308)。
ステップS8303では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する。
図43は、図36に示された演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861)。大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、ステップS866に移行する。
大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS862)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS863)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS864)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置の制御状態を変更する(ステップS865)。
ステップS866では、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをリセットする。その後、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS867)。
図44は、図36に示された演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されている(動作中である)か否か確認する(ステップS881)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS891に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS882)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS883)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定する(ステップS883)。
次いで、演出制御用CPU101は、共通演出選択用乱数SR2を抽出する(ステップS884)。そして、共通演出選択用乱数SR2の値と遊技状態とに応じて共通演出の種類を決定する(ステップS885)。具体的には、共通演出選択用テーブルにおいて共通演出選択用乱数SR2の値に一致する判定値に対応する種類の共通演出選択する。
図45は、共通演出選択用テーブルの一例を示す説明図である。共通演出選択用テーブルには、図45(A)に示す低確率状態(通常状態)で使用されるテーブルと、図45(B)に示す高確率状態(確変状態)で使用されるテーブルとがある。
各々のテーブルには、共通演出A,B,C(図30参照)のそれぞれに対応する判定値が設定されているが、判定値の割り振りは、低確率状態で使用されるテーブルと、高確率状態で使用されるテーブルとで異なっている。図45に示す例では、低確率状態では共通演出Aが選択されやすく、高確率状態では共通演出Cが選択されやすい。なお、高確率状態であるか否かは、確変フラグ(図34におけるステップS662参照)がセットされているか否かによって確認される。
共通演出A,B,Cの各々は低確率状態と高確率状態とで共通的に使用される演出であり、遊技者は、共通演出A,B,Cが実行されることによって実際の遊技状態を把握することは困難であるが、低確率状態では共通演出Aが選択されやすく、高確率状態では共通演出Cが選択されやすいことから、共通演出Aの実行頻度が高い場合には遊技状態は低確率状態であるとある程度推測でき、共通演出Cの実行頻度が高い場合には遊技状態は高確率状態であるとある程度推測できる。
演出制御用CPU101は、共通演出の種類を選択したら、選択した種類の共通演出を実行する(ステップS886)。すなわち、演出表示装置9の表示画面の背景色を、共通演出の種類に応じた色にする(図30参照)。そして、大当り終了演出タイマに、大当り終了演出の期間に相当する値をセットする(ステップS887)。
なお、この実施の形態では、次に大当りが発生して大当り終了処理が実行されるまで共通演出は継続して実行されるが(図30参照)、大当り終了処理において共通演出を開始した後、所定回の可変表示が実行されたら共通演出を終了するようにしてもよい。また、図30に例示したように、高ベース状態(時短状態)では共通演出の実行中に高ベース状態であることを報知するように構成する場合には、演出制御用CPU101は、ステップS885の処理において、高ベース状態フラグがセットされているか否か確認し(図34におけるステップS666,S668参照)、高ベース状態フラグがセットされていたら、図30に例示したように高ベース状態であることの報知を開始する。演出制御用CPU101は、その報知(図30に示す例では、「時短中」の表示)を、高ベース状態フラグをリセットしたときに(図34におけるステップS668参照)消去する。
また、この実施の形態では、ベース状態に関わらず共通演出が実行されるが、演出制御用CPU101は、高ベース状態であることを条件に共通演出を開始するようにしてもよい。
ステップS891では、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS892)。経過していない場合には、処理を終了する。経過している場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS880)に応じた値に更新する(ステップS893)。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が遊技状態に応じてリーチ演出の発生頻度を制御したが、第2の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100がリーチ演出の発生頻度を制御する。
図46は、第2の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560における変動パターンテーブルを示す説明図である。第1の実施の形態の場合とは異なり、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるCPU56は、変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信するが、送信する変動パターンコマンドには、リーチ演出を実行するか否かの情報は含まれていない。
この実施の形態では、図46に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるCPU56は、遊技状態が高ベース状態である場合と低ベース状態である場合で異なる変動パターンテーブルを使用する。
図47および図48は、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている変動パターンの振り分け方を示す説明図である。図10および図11に示す第1の実施の形態における変動パターンの振り分け方と同様に、図47および図48に示す変動パターンの振り分け方によれば、確率状態およびベース状態(遊技状態)と変動回数記憶カウンタの値(大当り遊技後の変動回数を示す。)とに応じて、いずれのテーブル(変動パターンテーブルa〜e)を使用するのかが決定される。
図49および図50は、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている変動パターンテーブルを示す説明図である。
図49および図50に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを受信すると、具体的な(実際に使用する)変動パターンを決定する。なお、演出制御用CPU101は、例えば1〜120の値を取りうる変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンを決定する。図49および図50には、選択されうる変動パターンに対応する判定値が設定されている。演出制御用CPU101は、変動パターン決定用乱数に一致する判定値に対応する変動パターンを、使用する変動パターンとして決定する。なお、図49および図50には、判定そのものではなく、判定値数が示されている。
図49および図50に示す例では、テーブルaを使用する場合を例にすると、演出制御用CPU101は、変動パターン1の変動パターンコマンドを受信したときに、可変表示の表示結果を大当り図柄にする場合には、変動パターンを、変動パターン1−1または変動パターン1−2に決定する。また、変動パターン2の変動パターンコマンドを受信したときに、可変表示の表示結果を大当り図柄にする場合には、変動パターンを、変動パターン2−1または変動パターン2−2に決定する。
図49および図50に示すように、テーブルb〜dを使用する場合にも、変動パターンn(n:1、2、3または4)の変動パターンコマンドを受信したときに、演出制御用CPU101は、実際に使用する変動パターンを、変動パターンn−1、変動パターンn−2または変動パターンn−3に決定する。
なお、図49および図50に示す変動パターンテーブルを使用する場合、テーブルa〜dを使用するときのリーチ発生割合は、第1の実施の形態においてテーブルA〜D(図12参照)を使用するときのリーチ発生割合とほぼ同じである。また、全体としてのリーチ発生割合も、第1の実施の形態の場合とほぼ同じである。
なお、図49および図50に示すテーブルa〜dは、図47および図48に示されているテーブルa〜dに対応する。つまり、図47および図48に示す変動パターンの振り分け方を用いてテーブルx(x:a〜dのいずれか)を使用することに決定された場合には、図49および図50に示すテーブルxが使用される。
図51は、第2の実施の形態における演出制御用CPU101が実行する飾り図柄変動開始処理を示すフローチャートである。図38に示す第1の実施の形態における飾り図柄変動開始処理と比較すると、この実施の形態では、ステップS821の処理に代えてステップS821A〜S821Hの処理が実行される。
すなわち、演出制御用CPU101は、現在の確率状態およびベース状態と変動回数記憶カウンタの値とに応じて、変動パターンテーブル(図47および図48に示すテーブルa〜dのいずれか)を選択する(ステップS821A)。
そして、演出制御用CPU101は、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドが大当りを示すコマンドであるか否か確認する(ステップS821B)。大当りを示すコマンドである場合には、演出制御用CPU101は、テーブルbを使用することに決定されている場合には、テーブルbにおける大当りの種別に応じたテーブル(図49における[テーブルb]参照)を選択する(ステップS821C,S821D)。テーブルc以外を使用することに決定されている場合には、変動パターンテーブル(図49および図50参照)のうちの大当りの場合に使用するテーブルを選択する(ステップSS821E)。そして、ステップS821Gに移行する。
表示結果特定コマンドが大当りを示すコマンドでない場合には、演出制御用CPU101は、変動パターンテーブル(図49および図50参照)のうちのはずれの場合に使用するテーブルを選択する(ステップS821F)。そして、ステップS821Gに移行する。
ステップS821Gでは、演出制御用CPU101は、変動パターン決定用乱数を抽出する。そして、ステップ821D、S821Eまたはステップ821Fの処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS821F)。その他の処理は、図38に示す第1の実施の形態における処理と同じである。
なお、第2の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図19に示すステップS90〜S95の処理を実行しない。
第2の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560はリーチ演出を実行するか否か判定せず、演出制御用マイクロコンピュータ100がリーチ演出を実行するか否か判定するので、遊技制御用マイクロコンピュータ560の変動パターン決定に要する処理の負荷が軽減される。
以上に説明したように、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、進入可能状態決定手段)が、大当りとすることに決定したときの遊技状態が通常状態(低確率状態)かつ低ベース状態であるときは、確変状態(高確率状態)かつ低ベース状態であるときに比べて遊技者にとって有利になるような決定を行う。上記の実施の形態では、「遊技者にとって有利になるような決定」は、大当り遊技後に高ベース状態にすること(高ベース状態にする割合を高くすることも含む。)に決定したり、大当り遊技後の時短回数を多くすること(必ず多くすることと、時短回数の期待値が大きいことの双方を含む概念)に決定したり、高ベース状態にしかつ時短回数を多くすることに決定することである。
すなわち、進入可能状態決定手段は、事前決定手段が特定遊技状態を決定したときの遊技状態が通常遊技状態(例えば、通常状態)かつ低頻度進入可能状態(例えば、低ベース状態すなわち時短状態でない状態)であるとき(状態Aとする。)の決定結果を、特別遊技状態かつ低頻度進入可能状態であるとき(状態Bとする。)の決定結果に比べて遊技者に有利にするために、状態Aでは、高頻度進入可能状態にすることに決定する割合を高くするか(100%でもよい)、もしくは可変表示の実行可能回数である継続回数(例えば、時短回数)が多い回数に決定される割合を高くする(状態Bである場合に決定される最大回数に比べて、常に、多い回数に決定してもよい。)。すなわち、継続回数の期待値を大きくする。または、状態Aでは、状態Bである場合に比べて、高頻度進入可能状態にすることに決定する割合を高くするとともに、継続回数の期待値を大きくする。
つまり、進入可能状態決定手段は、通常遊技状態かつ低頻度進入可能状態である場合に、特別遊技状態かつ低頻度進入可能状態であるときに比べて高頻度進入可能状態にすると決定する割合を大きくし、および/または、高頻度進入可能状態とされるときに決定される継続回数の期待値が、特別遊技状態かつ低頻度進入可能状態である場合に決定される継続回数の期待値よりも大きくなるようにすればよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560または演出制御用マイクロコンピュータ100が、大当りの種別が大当りBや大当りEに決定されたときには、変動回数カウンタ(第2の実施の形態では、変動回数記憶カウンタの値)の値に関わらず同じ割合でリーチ演出を含む変動パターンを選択し(図12および図49において、いずれの変動パターンテーブルが使用される場合にも、必ずリーチ演出が実行される。)、遊技制御用マイクロコンピュータ560が大当りの種別を大当りAや大当りDに決定した場合には、確変状態において変動回数カウンタの値が所定回数(例えば、100)よりも少ない回数である特定回数(例えば、76)以上であるときに、特定回数未満であるときに比べて低い割合でリーチ演出を含む可変表示態様を選択する(図12および図49において、変動回数カウンタの値(第2の実施の形態では、変動回数記憶カウンタの値)が1〜75の場合に使用されるテーブルA(第2の実施の形態では、テーブルa)に比べて、変動回数カウンタの値が76〜100の場合に使用されるテーブルB(第2の実施の形態では、テーブルb)の方がリーチ演出を発生させにくい。)。よって、今回の変動の停止図柄が特定の大当り図柄(例えば、大当りA,Dに対応する大当り図柄)になるよりもはずれになることを遊技者が期待するような場合に、その特定の大当り図柄となる場合においては、リーチ演出が出現しづらくなるようにすることができ、リーチ演出は特定表示結果に対する期待を示すのではなく、リーチ演出の発生は遊技者にとって有利な状態になりやすいことを示すものとすることができる。
また、上記の実施の形態では、確変状態(高確率状態)であって低ベース状態であるときには、変動回数カウンタの値が76未満である場合にはテーブルAが使用され、変動回数カウンタの値が76以上である場合にはテーブルBが使用され(図10および図11参照)、大当りA,Dになる場合にはテーブルBを使用するときにリーチ演出は実行されないが、はずれになる場合にはリーチ演出が発生する(図12参照)。よって、全体としては(大当りとはずれとの双方を考慮した場合)、リーチ演出の発生割合を低下させないようにすることができる。
なお、上記の実施の形態では、リミッタ機能を備えた遊技機、すなわち、リミッタが作動した場合に大当り遊技が終了したときに確率状態が通常状態(低確率状態)になる遊技機を例にしたが、リミッタ機能を備えていない遊技機に対して本発明を適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、大当り遊技が終了したときにその後のベース状態が決定されるが、大当り遊技が終了する前にベース状態が決定されるように構成してもよい。
なお、上記の実施の形態では、大当り確率が1/42(通常時の確率)であるのに対して、時短回数として選択されうる回数として、50,60,70,90を例示したが、時短回数として選択されうる回数の最大値を、大当り確率の逆数と同程度に抑えるようにしてもよい。そのように構成した場合には、遊技者の景品獲得可能数を抑えることができ、遊技店の利益を損なわないようにすることができる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
本発明は、遊技媒体が始動領域に進入したことにもとづいて識別情報の可変表示を開始し表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、あらかじめ定められた特定表示結果が可変表示手段に導出表示された場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御するパチンコ遊技機などの遊技機に適用可能である。
1 パチンコ遊技機
8a 第1特別図柄表示器
8b 第2特別図柄表示器
9 演出表示装置
13 第1始動入賞口
14 第2始動入賞口
20 特別可変入賞球装置
31 遊技制御基板(主基板)
56 CPU
560 遊技制御用マイクロコンピュータ
80 演出制御基板
100 演出制御用マイクロコンピュータ
101 演出制御用CPU

Claims (8)

  1. 遊技媒体が始動領域に進入したことにもとづいて識別情報の可変表示を開始し表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、あらかじめ定められた特定表示結果が前記可変表示手段に導出表示された場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御し、所定の条件が成立すると前記特定遊技状態が終了した後の遊技状態を前記特定遊技状態に制御される確率を通常遊技状態に比べて高くする特別遊技状態とする遊技機であって、
    遊技媒体が前記始動領域に進入したことにもとづいて、前記可変表示手段に表示結果が導出表示される前に、前記特定遊技状態に制御するか否かを決定し、かつ、前記特定遊技状態に制御する場合の前記特定遊技状態の種類を、該特定遊技状態が終了した後の遊技状態を前記通常遊技状態とする第1特定遊技状態と前記特別遊技状態とする第2特定遊技状態とを含む複数種類のうちから選択する事前決定手段と、
    前記特定遊技状態が終了した後、遊技媒体が前記始動領域に進入する頻度が低い低頻度進入可能状態、または前記低頻度進入可能状態に比べて遊技媒体が前記始動領域に進入する頻度が高い遊技者に有利な高頻度進入可能状態に制御する進入可能状態制御手段と、
    前記事前決定手段が前記特定遊技状態を決定したときの遊技状態と前記事前決定手段が決定した前記特定遊技状態の種類とにもとづいて、前記低頻度進入可能状態にするか前記高頻度進入可能状態にするかを決定し、前記高頻度進入可能状態にする場合に高頻度進入可能状態における可変表示の実行可能回数である継続回数を決定する進入可能状態決定手段と、
    前記特定遊技状態が終了した後の識別情報の可変表示の実行回数を計数する実行回数計数手段と、
    前記事前決定手段が前記第2特定遊技状態に制御すると決定した場合の該特定遊技状態が終了した後の前記実行回数が前記継続回数よりも多い回数である所定回数に達するまでは前記特別遊技状態に制御し、該所定回数に達した後は前記通常遊技状態に制御する遊技状態制御手段と、
    遊技状態が前記通常遊技状態であるのか前記特別遊技状態であるのかに関わらず共通演出を実行する共通演出実行手段とを備え、
    前記特定遊技状態を決定したときの遊技状態が前記通常遊技状態かつ前記低頻度進入可能状態であるときは、前記特別遊技状態かつ前記低頻度進入可能状態であるときに比べて、前記進入可能状態決定手段による決定結果が遊技者に有利となり、
    前記進入可能状態決定手段は、前記高頻度進入可能状態にする場合であって、前記特定遊技状態が終了した後の遊技状態が前記通常遊技状態であるときには、前記特定遊技状態が終了した後の遊技状態が前記特別遊技状態であるときに比べて前記継続回数の期待値が小さくなるように決定する
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 進入可能状態決定手段は、継続回数を複数種類のうちから選択し、前記複数種類のうちの最小の継続回数を、特定遊技状態が終了した後の遊技状態が通常遊技状態である場合にのみ選択する
    請求項1記載の遊技機。
  3. 共通演出実行手段は、共通演出を複数種類のうちから選択し、遊技状態が通常遊技状態である場合に、特別遊技状態である場合の共通演出の選択割合とは異なる選択割合で共通演出を選択する
    請求項1または請求項2記載の遊技機。
  4. 識別情報の可変表示態様を、リーチ演出を含む可変表示態様とリーチ演出を含まない可変表示態様とのうちから選択する可変表示態様選択手段を備え、
    事前決定手段は、低頻度進入可能状態において、特定遊技状態の種類として、特別遊技状態であるか通常遊技状態であるかに関わらず該特定遊技状態が終了した後に進入可能状態制御手段により高頻度進入可能状態に制御される第3特定遊技状態と、前記通常遊技状態であることを条件に該特定遊技状態が終了した後に前記進入可能状態制御手段により前記高頻度進入可能状態に制御される第4特定遊技状態とを選択可能であり、
    前記可変表示態様選択手段は、前記特別遊技状態かつ前記低頻度進入可能状態において、前記事前決定手段が前記特定遊技状態の種類を前記第3特定遊技状態に決定した場合には、実行回数計数手段が計数した実行回数に関わらず同じ割合でリーチ演出を含む可変表示態様を選択し、前記事前決定手段が前記特定遊技状態の種類を前記第4特定遊技状態に決定した場合には、前記特別遊技状態において前記実行回数計数手段が計数した実行回数が前記所定回数よりも少ない回数である特定回数以上であるときに、該特定回数未満であるときに比べて低い割合でリーチ演出を含む可変表示態様を選択する
    請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の遊技機。
  5. 識別情報の可変表示時間を決定するための可変表示決定用データを有し、
    可変表示態様選択手段は、特別遊技状態であって低頻度進入可能状態であるときに、実行回数計数手段が計数した実行回数が特定回数未満である場合に前記可変表示決定用データのうちの第1データにもとづいて可変表示態様を選択し、特定回数以上である場合に前記可変表示決定用データのうちの第2データにもとづいて可変表示態様を選択する
    請求項4記載の遊技機。
  6. 第2データは、第1データに比べて、事前決定手段が特定遊技状態に移行させないと決定した場合に高い割合でリーチ演出を含む可変表示態様が選択されるように構成される
    請求項5記載の遊技機。
  7. 特定遊技状態の種類として、該特定遊技状態が終了した後に、進入可能状態制御手段により低頻度進入可能状態に制御され、かつ、通常遊技状態に制御される第5特定遊技状態が含まれ、
    可変表示態様選択手段は、前記第5特定遊技状態が終了した後、前記実行回数計数手段が計数した実行回数に関わらず、リーチ演出を含む可変表示態様を同じ割合で選択する
    請求項4から請求項6のうちのいずれかに記載の遊技機。
  8. 遊技機に設けられている演出装置を用いて所定の演出を実行する演出実行手段を備え、
    前記演出実行手段は、第2特定遊技状態が終了した後と第5特定遊技状態が終了した後とにおいて実行回数計数手段が計数した実行回数が特定回数未満であるときには共通の演出を実行し、前記実行回数が前記特定回数以上であるときには異なる演出を実行する
    請求項7記載の遊技機。
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