JP5280271B2 - 移動体の監視装置および監視システム - Google Patents
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Description
近年、このような業務車両において、その運転員を襲って積載された金品を強奪する、いわゆるタクシー強盗などの犯罪行為が増加しており、社会的に問題となっている。
特許文献1には、運転席と後部客室との間にアクリル板やワイヤーなどからなる仕切りバーを設けるとともに、非常時には運転員の操作により当該仕切りバーが傾倒して後部客室の乗客を拘束する自動車の防犯装置が開示されている。
すなわち、ワイヤーなどの抑止部材で間仕切りした場合には後方の視界が物理的に阻害され、アクリル板などの透明部材で間仕切りした場合には光の反射により後方が確認しづらくなるという問題がある。
さらに、後部客室に乗車する乗客からするとパネルが存在することに威圧感を感じるおそれもあり、運転員と乗客とのコミュニケーションが悪化する可能性もある。
これにより、前部席と後部客室とを隔てることなく、移動体における犯罪行為を抑止することが可能となる。また、かかる仕組みが広く周知されれば、移動体において犯罪行為を行うリスクが高いことが認知され、一層に犯罪抑制効果の向上を得ることができる。
これにより、前部席と後部客室と物理的に隔てることなく、タクシー強盗などの犯罪行為を抑止することができ、また、かかる仕組みが広く周知されることで、移動体において犯罪行為を行うリスクが高いことの認知を図ることができ、一層に犯罪抑制効果の向上を得ることができる。
図1は、本発明の移動体の監視装置を用いた移動体の監視システムを示す構成図である。移動体の監視システムは、移動体としてのタクシー車両1と、車両内部に搭載される被制御対象としての車載収納庫2と、車両内部に設けられる監視装置3と、監視装置3と無線通信網4を介して接続されたセンタ装置5とを含んで構成される。
本実施形態では、移動体としてタクシー車両1を例に説明する。なお、移動体はこれに限定されず、バスやトラックなど他の車両や船舶や飛行機など、搭乗が可能な乗り物であれば何れであってもよい。
タクシー車両1の運転員は、売上金として乗客から受け取った一万円札を、紙幣投入口24から投入し、収納部23に収納する。即ち、一万円札はお釣りとして乗客に渡すこともなく、そのままでは業務上の必要資金として利用されることはない。また、一万円札を不用意に収納しているとタクシー強盗に襲われる原因となってしまう。そこで、本実施形態では一万円札を車載収納庫2に収納し、この車載収納庫2の作動を監視することで収納物を狙った強盗行為を抑制しようとしている。
例えば、タクシー1が車庫にもどって売上金を取り出す場合や、収納された一万円札を乗客用のお釣りとして両替などする場合など、運転員1人が搭乗しているときに監視装置3の操作部31を操作して、運転員は収納物取出し扉22を解錠状態として収納物を取り出すのである。
監視員は、かかる画像データを見てタクシー車両1が正常であることを確認する。ここで、万が一不審者による異常が発生していると判断すると、警察や対処員などに対処依頼を行う。また、タクシー車両1に設置されている車両無線により、遠隔から犯行を踏みとどまるよう警告などを行う。
次に、図3を用いて監視装置3の詳細について説明する。図3は、監視装置3の構成を示すブロック図である。
監視装置3は、操作部31を運転席近傍に配して車両ダッシュボードやインストルメントパネル下などに設置され、車載バッテリより電源供給を受けて作動する。
監視装置3は、カメラユニット6と接続されて車室内の画像データの入力を受ける画像取得部32と、車載収納庫2の施解錠部25と接続される接続部33と、利用者による車載収納庫2の利用開始の操作入力を受け付ける操作部31と、画像データやプログラムなどを記憶する記憶部34と、無線通信網4を介してセンタ装置5と接続される無線通信部35と、これら各部の制御を行う制御部36とを有して概略構成される。
接続部33は、車載収納庫2の施解錠部25と接続され、後述する制御部36の処理により解除信号や禁止信号を出力し、また、車載収納庫2の施解錠部25から扉開放又は閉鎖、及び解錠又は施錠の検知信号の入力を受ける入出力I/Fとして機能する。
記憶部34は、ROMやRAM、又はHDDにて構成され自己を特定するための識別情報と各種プログラムなどを記憶しており、更に後述する判定に用いる通常搭乗している利用者の数(本実施形態では1名)と、利用者を識別するための利用者登録情報とを記憶する。また、記憶部34は、過去所定回数の検出結果である通信可否判別結果が記憶される通信可否情報と、センタ装置5に送信すべき画像データが記憶されていることを示す未送信フラグを記憶する。また、記憶部34は、カメラユニット6から入力される画像データを記録する画像記憶部を有している。
また、無線通信部35は、基地局情報やGPSなどの位置取得手段を備え、取得した現在位置情報を所定間隔毎にセンタ装置5に送信する。現在位置情報を取得して定期的に外部に送信する方法については、既に広く知られるところであるので詳細な説明は省略する。
なお、通信可否の判別処理は、無線通信部35を介して基地局41から受信する電波の受信電界強度に基づき行われてもよい。
通信判別部361は、通信可否の判別処理を行い、その結果を記憶部34の通信可否情報に記憶する。
そして、画像送出部362は、解除制御部363からの入力に応じて、圧縮符号化された画像データを無線通信部35、または、記憶部34に出力する。無線通信部35は画像データが入力されると記憶部34に記憶された識別情報とともにセンタ装置5に送出し、記憶部34は画像データが入力されると画像記憶部に記憶する。また、画像送出部362は必要に応じて乗員検出部364に圧縮符号化された画像データを出力する。
他方、このとき通信不可であれば、解除制御部363は、画像送出部362に画像データを記憶部34に記憶させるとともに作動制限部365に解除信号を出力する。この場合、解除制御部363は、作動制限部365から収納物取出し扉22が施錠されたことを示す入力があれば、画像データの記憶を終了させる。
乗員検出部364は、入力された画像データについて、予め設定された車両1の窓部分に対応する領域をマスク領域とし、マスクされていない領域中において現在の画像データと予め無人状態で撮影した背景画像データとで互いに対応する画素同士の差分値を算出し差分画像を生成する。そして、生成した差分画像に含まれる各画素の輝度値と所定のしきい値との大小に基づいて差分画像を2値化して、輝度値の変動がしきい値以上となる変動画素を抽出した差分2値画像を生成する。これにより、輝度値の変動がしきい値以上であった変動画素からなる変動領域が抽出される。このとき、膨張・収縮や微小面積除外のフィルタリングによりノイズを除去した2値画像を生成することが好ましい。
判定された乗員の数は解除制御部363に出力される。
乗員が予め登録された利用者であるか否かの判定結果は解除制御部363に出力される。またこのとき、乗員検出部364にて車両室内1aに複数の乗員(顔または頭部に類似した領域)が検出されていれば、各乗員ごとに判定結果を出力する。
なお、この施錠制御は、施解錠部25を自動施錠型の電気錠として実現してもよい。この場合、施解錠部25は収納物取出し扉22が一度開放された後閉鎖状態になると収納物取出し扉22を施錠し、また、所定の開放許容時間(2分)を経過しても扉22が開放されない場合は収納物取出し扉22を施錠する。
次に、以上のように構成される移動体の監視システムの動作について説明する。図4は、監視装置3にて実行される移動体の監視プログラムの動作を示すフローチャートである。
監視装置3は、起動すると種々の初期設定を行いかかる処理を実行する。監視装置3は、操作部31からの入力を待ち受ける(ステップST1)。操作部31から車載収納庫2の利用開始の入力があると(ステップST1−Yes)、解除制御部363は、乗員検出部364に乗員数の検出処理を実行させて乗員数を検出する(ステップST2)。
照合部366は、乗員検出部364が抽出した顔または頭部に類似する領域について、記憶部に記憶している利用者登録情報に含まれる利用者の顔画像と照合する。ここで、乗員検出部364が抽出した顔または頭部に類似する領域が、予め登録された利用者であると照合できれば(ステップST5−Yes)、解除制御部363は、記憶部34の通信可否情報に記憶された最新の通信可否判別結果を参照する(ステップST6)。通信可能であれば(ステップS7−Yes)、解除制御部363は、画像送出部362にカメラユニット6が撮像する画像データを圧縮符号化してセンタ装置5に送出させる(ステップST8)。画像データは記憶部34に記憶された識別情報とともにセンタ装置5に送信される。そして、解除制御部363は、センタ装置5から通信接続にかかるレスポンスを待ち受ける(ステップST9)。所定時間経過してもレスポンスデータを受信しなければ、かかる処理を終了する。
他方、扉22が開放されずに開放許容時間(2分)を経過した場合(ステップST13−Yes)、作動制限部365は、施解錠部25を施錠させる禁止信号を出力する(ステップST15)。
そして、解除制御部363は、画像送出部362に画像データの送出処理を終了させ(ステップST16)、かかる処理を終了する。
また、車内の人物が予め登録されている乗員と判定された場合に作動制限部365が車載収納庫2を開放可能とすることで、車両盗難や車上荒しが正当な乗員のいない車両内で車載収納庫2を開放することを防止することができる。
さらに、このときの画像データをセンタ装置に送信することにより、遠隔の第三者に監視される状況において収納庫2に収納した一万円札を取り出して両替などの用に供することが可能となり、タクシー強盗などによる不正行為を抑制することが可能となる。
通信判別部361は、所定間隔ごと(例えば1秒)に無線通信部35が基地局41と通信ができる状態にあるか否かを判別する(ステップST51)。通信不能と判別すると(ステップST52−No)、記憶部34の通信可否情報に現在時刻と通信不能とを記憶して(ステップST53)、処理を終了する。
なお、上記実施形態では、被制御対象を車載収納庫とした例について説明したが、これに限定されるものではない。即ち、運転員など移動体における正当な利用者以外により作動させられることが好ましくないものであれば、何れであってもよい。この典型としては、例えば車両イグニッションである。この場合、車両イグニッションを被制御対象として、運転員1人であるときに限り作動を許可する構成としてよい。
その他、当業者は、本発明の範囲内で、実施される形態にあわせて様々な変形例を用いることができる。
1a 車両室内
2 車載収納庫
21 固定部
22 収納物取出し扉
23 収納部
24 紙幣挿入口
25 施解錠部
3 監視装置
31 操作部
32 画像取得部
33 接続部
34 記憶部
35 無線通信部
36 制御部
4 無線通信網
41 基地局
Claims (5)
- 移動体に備えられ一部に開口を有して外部から物品の投入を可能とした車載収納庫の作動を無効または有効に設定する移動体の監視装置であって、
前記車載収納庫の作動を電気的に禁止する無効状態または該禁止を解除する有効状態とする作動制限部と、
前記移動体内部に存在する乗員数を検出する乗員検出部と、
前記移動体の利用者に操作される操作部と、
前記操作部が操作されたとき前記乗員検出部にて乗員数が予め設定された数以下と判定されると前記作動制限部に解除信号を出力し有効状態とする解除制御部と、
を備え、
前記作動制限部は、前記有効状態になると前記車載収納庫を開放可能とし、前記無効状態になると前記車載収納庫を開放禁止にロックすることを特徴とした移動体の監視装置。
- さらに、
前記移動体の内部を撮像する撮像装置から画像データを取得する画像取得部と、
遠隔の監視センタと接続される通信部と、
前記操作部が操作されたとき前記画像データを前記監視センタへ送出する画像送出部と、を備える請求項1に記載の移動体の監視装置。
- さらに、
前記通信部による通信可否を判別する通信判別部と、
前記操作部が操作されたときに通信不能と判別された場合、前記画像データを記録する画像記憶部と、を備え、
前記画像送出部は、前記通信が可能になると前記画像記憶部に記録されている画像データを前記監視センタに送出する請求項2に記載の移動体の監視装置。
- さらに、前記移動体内部に存在する乗員が予め登録された人物であるか判定する照合部を備え、
前記解除制御部は、前記操作部が操作されたとき、さらに、前記照合部にて前記移動体内部の乗員が予め登録された人物と判定されることを加重条件として前記作動制限部に解除信号を出力する請求項1から3の何れかに記載の移動体の監視装置。
- 移動体に備えられ一部に開口を有して外部から物品の投入を可能とした車載収納庫の作動を有効または無効に設定する移動体の監視装置と、前記監視装置と通信する監視センタとを備える移動体の監視システムであって、
前記監視装置は、
前記車載収納庫の作動を電気的に禁止する無効状態または該禁止を解除する有効状態とする作動制限部と、前記移動体内部に存在する乗員数を検出する乗員検出部と、前記移動体の利用者が操作する操作部と、前記操作部が操作されたとき、前記乗員検出部にて乗員数が予め設定された数以下と判定されると前記作動制限部に解除信号を出力し有効状態とする解除制御部と、
を備え、
前記監視センタは、
前記監視装置と移動体の情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記監視装置から画像データを受信すると報知出力する報知部と、当該画像データおよび画像送出した監視装置または移動体の情報を表示する表示部と、
を備え、
前記作動制限部は、前記有効状態になると前記車載収納庫を開放可能とし、前記無効状態になると前記車載収納庫を開放禁止にロックすることを特徴とした移動体の監視システム。
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