JP5280260B2 - 繊維成形体 - Google Patents

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本発明は、繊維基材とバインダーとしての樹脂組成物とを含む繊維成形体に関する。
繊維基材とバインダーとしての樹脂組成物とを含む、いわゆる繊維成形体ではないが、樹脂組成物を主体とし、炭素繊維、ガラス繊維又はアラミド繊維などの強化繊維を補強材として含む繊維強化プラスチック(FRP)が下記特許文献1に記載されている。下記特許文献1には、強化繊維束を異なる配向角度に配向させて積層し接合一体化して等方性に優れる強化繊維のシートを作る技術も開示されている。かかる強化繊維シートによれば樹脂成形体の強度の向上は見込まれるが、昨今の環境保全意識の向上により注目されている環境負荷低減については考慮されていない。
特開2006−130698号公報
環境負荷低減の観点では植物資源の活用が期待されている。しかし、成形体に植物由来原料を含ませることは環境負荷低減の観点からは好ましいが、同時に強度を確保することは難しく、その用途展開には限界があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、植物由来原料を含む成形体において、植物由来原料を一定比率以上含有しつつも強度を確保可能とすることにある。
本発明は、植物繊維とアラミド繊維とを含む繊維基材と、植物由来成分を含むバインダーとしての樹脂組成物と、を含み、前記繊維基材に含まれる植物繊維と前記樹脂組成物に含まれる植物由来成分とを包含する植物由来原料の含有率が50重量%以上である繊維成形体である。前記繊維基材を植物繊維とアラミド繊維とを含む繊維束を多軸積層させて構成すれば、繊維成形体の物性が等方性に優れる点で好ましい。繊維成形体に含まれる前記樹脂組成物の含有率は25〜40重量%とするのが望ましい。前記繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率は25重量%以上であるのが望ましい。
本発明の繊維成形体によれば、植物由来原料の含有率を50重量%以上確保することができ植物由来原料を主体として構成されているため、環境負荷低減に貢献することができる。その上で、繊維基材に植物繊維が含まれるとともに樹脂組成物に植物由来成分が含まれており、繊維基材と樹脂組成物との双方に植物由来原料が含まれるため、繊維基材ないし樹脂組成物のどちらか一方に植物由来原料を含有するよりも効率的に植物由来原料の含有率を確保することができる。しかも、繊維基材にアラミド繊維を含むことにより成形体の強度を確保することが可能である。更に、繊維基材を植物繊維とアラミド繊維とを含む繊維束を多軸積層させて構成すれば、繊維成形体の物性が等方性を向上させることができる。また、繊維成形体に含まれる樹脂組成物の含有率が25〜40重量%であると、繊維基材を効率的に接着して良好な強度を確保しやすい。また、繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率が25重量%以上であると、繊維基材の強度がより効果的に向上するため繊維成形体の強度をより確保しやすい。
本発明の一実施形態に係る繊維基材の一部を拡大して示す平面図である。
本発明の繊維成形体(以下、成形体と略することがある。)は、植物繊維とアラミド繊維とを含む繊維基材にバインダーとして植物由来成分を含む樹脂組成物を付与し熱圧成形して成る。この成形体は、植物由来原料として、繊維基材を構成する植物繊維と樹脂組成に含まれる植物由来成分とを含有しており、植物由来原料の含有率が50重量%以上である。
繊維基材に含まれる植物繊維とは植物から採取される繊維であり、例えば、ラミー、ケナフ、リネン、ヘンプ、リネン、ジュート等の靭皮繊維、マニラ麻、サイザル麻、パイナップル等の葉脈繊維、マニラ麻、バナナ等の葉柄繊維、ココナツヤシ等の果実繊維、綿花、カポック等の種子毛繊維等が挙げられる。ここでの植物繊維には、植物から採取・解繊した形態のままの繊維だけでなく、それらを撚り合わせるなどして連続的な糸状に形成したものも含む。
繊維基材に含まれるアラミド繊維とは芳香族ポリアミドよりなる繊維であり、短繊維、長繊維、及びこれらを撚り合わせて連続的な糸状としたものなど種々の形態のアラミド繊維を用いることができる。
繊維基材の構造は、植物繊維及びアラミド繊維とが均一に配置されていれば、各繊維の方向が規則的に整えられているものであっても、ランダムであってもよい。繊維基材は、少なくともシートないしマット形状を保持できる程度に構成繊維が纏められているのが好ましい。繊維基材は、例えば、植物繊維とアラミド繊維とを含む繊維束を多軸積層することにより形成することができる。また、繊維基材は、繊維束を一軸配向させて形成し、或いは、ランダムな繊維をニードルパンチ等の種々の不織布成形方法にてシート状に成形したりして形成することもできる。もしくは織物あるいは編み物として成形してもよい。
植物繊維とアラミド繊維とを含む繊維束を多軸積層すれば、繊維の方向性が規則的に整えられた繊維基材を形成することができる。各層の繊維が相互に等角に交わるように積層されていれば、引張強度等の物性が等方性に優れる点で好ましい。かかる繊維基材11の構造の一例を図1に模式的に示した。図1に示される繊維基材11は、植物繊維13とアラミド繊維15とで構成されている。なお、図1においては、植物繊維13とアラミド繊維15との区別を容易にするためにアラミド繊維に格子模様を付して示した。繊維基材11は3層構造であって、第1層21、第2層31及び第3層41を積層してなる。第1層21、第2層31、及び第3層41の各層は植物繊維13:アラミド繊維15=2:1の割合で含む繊維束23,33,43を一方向へ配向させてなる。第1層21、第2層31及び第3層41は、各層を構成する繊維束23,33,43が相互に交差するように積層されており、他の2層を構成する繊維束23,33,43との角度θがそれぞれ60°の等角になるように積層されている。第1層21、第2層31及び第3層41は、ポリエステル等の糸で編み込まれて層間が接合されて形状が保持される。繊維基材11の基本構造は、3層に限らず、2層、あるいは4層以上の構造としてもよいし、使用目的によっては、特定の方向に配向させて該特定の方向の強度を高めた構成としても構わない。
繊維基材に含まれる植物繊維とアラミド繊維の含有率は、後で詳述する樹脂組成物に由来する植物由来成分の含有量も考慮して調整される。すなわち、繊維基材に含まれる植物繊維と樹脂組成物に含まれる植物由来成分とを包括した植物由来原料が成形体に50重量%以上含有される範囲内において繊維基材に含まれる植物繊維とアラミド繊維の含有率が調整される。繊維基材は、植物繊維だけでなくアラミド繊維をも含むことにより成形体の強度確保に寄与するが、好ましくは、植物由来原料の含有率が50重量%以上となる範囲内において繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率を25重量%以上とする。繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率を25重量%以上とすることにより成形体の強度を効果的に高めることができる。より好ましくは、繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率を25〜40重量%とする。なぜなら、アラミド繊維の含有率を高めても、その補強効果は頭打ちとなり、繊維基材中のアラミド繊維の含有率を43重量%以上としても補強効果は増加せず、むしろ若干低下する傾向が見られるためである。すなわち、繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率をできるだけ低く抑えて植物繊維の含有率をより高めることにより成形体に含まれる植物由来原料の含有率を確保しながらも強度を確保可能である観点から、繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率を25〜40重量%とするのが望ましい。繊維基材に含まれる植物繊維の含有量を一層高める観点から、最も望ましくは、繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率を25〜35重量%とする。
樹脂組成物は植物由来成分と合成樹脂とを含有する。樹脂組成物に含まれる植物由来成分として、代表的にはリグニン誘導体が挙げられる。リグニン誘導体としては、木材等のリグノセルロース物質から従来公知の方法により単離された種々のリグニン誘導体を用いることができる。リグニン誘導体としては、例えば、クラフトリグニン、リグニンスルホン酸、オルガノソルブリグニン等のパルプリグニン、爆砕リグニン、リグノフェノール、フェノール化リグニン等が挙げられる。リグニンは、元来リグノセルロース物質中においてセルロースなどと結合して細胞間を接着するものである。そのため、リグニン誘導体は植物繊維との親和性に優れ、合成樹脂と混合することにより合成樹脂単体に比して接着性を低下させにくい点で特に好ましく用いることができる。合成樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、アラミド等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。これらの植物由来成分と合成樹脂とを混成して樹脂組成物を調製することができる。
樹脂組成物を組成する植物由来成分と合成樹脂との組み合わせとしては、代表的には、植物由来成分としてフェノール化リグニン、合成樹脂としてフェノール樹脂を含む組成が挙げられる。フェノール化リグニンとは、木材等のリグノセルロース物質をフェノール誘導体の存在下で酸処理することにより単離されるリグニンであり、リグニンとセルロースとが分離するとき、フェノール誘導体がリグニン中の分子鎖と化学結合して安定化(グラフト化)することでリグニンの自己縮合が防止されたものである。その単離方法の詳細は、例えば特開2006−225325号公報に開示されている。フェノール化リグニンはリグニン誘導体のなかでもフェノール樹脂との親和性が高いため、樹脂組成物の強度を保ちながらもフェノール樹脂に対するフェノール化リグニンの混合比率を高めることができる。つまり、樹脂組成物に含まれる植物由来成分の含有率を向上させやすい。樹脂組成物に含まれる植物由来成分の含有率は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは25〜40重量%とする。
成形体に含まれる樹脂組成物の含有率は、好ましくは25〜40重量%とする。成形体に含まれる樹脂組成物の含有率が25重量%より少ないと、繊維間が破断しやすくなり、成形体の強度を確保しにくくなる可能性がある。また、成形体に含まれる樹脂組成物の含有率が40重量%より多いと、脆性破壊しやすくなり成形体の強度が低下する可能性がある。成形体に含まれる樹脂組成物の含有率は、より好ましくは25〜35重量%とする。かかる範囲内であれば、成形体の強度をより高めることができる。
成形体は、繊維基材に樹脂組成物を付与しプレス成形して成る。繊維基材に樹脂組成物を付与する方法としては、含浸、塗布、スプレー等の種々の方法を採用することができる。典型的には、繊維基材に樹脂組成物を付与してなる中間体(プリプレグ)を必要に応じて適宜積層し、加熱しながらプレス成形して成形体を得ることができる。
本発明の成形体は、繊維基材と樹脂組成物との双方に植物由来原料を含むことにより、植物由来原料の含有率を50重量%以上確保しつつも、繊維基材にアラミド繊維を含むことにより強度も確保することができる。そのため、所望の形状に成形して種々の用途に展開することができる。例えば、自動車のフレーム部材等の入力荷重が比較的大きい部材にも適用することが可能である。また、繊維基材を多軸積層により形成して等方性を付与すれば、面で荷重を受けるフレーム部材としても好適に展開することができ、例えば、自動車の外板としても適用することができる。勿論、自動車の内装等にも適用することができる。
[実験例1]
<繊維基材の作成>
アラミド繊維(フィラメント糸:110tex)と植物繊維としてラミー繊維(撚糸:143tex、撚数250回/m)を用意し、表1に示すNo.1〜5の組成にて繊維基材を作成した。また、アラミド繊維に代えてナイロン繊維(フィラメント糸:94tex)を用意し、表1に示すNo.6の組成にて繊維基材を作成した。繊維基材は、図1に模式的に示されるように、アラミド繊維(ナイロン繊維)とラミー繊維とを含む繊維束を多軸積層にて相互に60°で交差するように3層積層し、シート形状を保持するためにポリエステル繊維で編み込んで成形した。繊維基材の目付は、繊維の組成比率により多少の相違はあるものの、概ね468g/mであった。
<樹脂組成物の調整>
フェノール樹脂(昭和高分子株式会社製、BRL−1025)と、植物由来成分としてフェノール化リグニンとを用いて樹脂組成物を調整した。フェノール化リグニンは、ケナフのコア材をフェノール存在下で硫酸処理することにより単離されたものを用いた。フェノール樹脂70重量%とフェノール化リグニン30重量%とを混合して樹脂組成物を得た。
<成形体の作成>
成形体に含まれる樹脂組成物の含有率が30重量%となるように、No.1〜6の各繊維基材に対して浸漬法にて樹脂組成物を付与し、プリプレグを作成した。得られた各プリプレグを180℃で5分間加熱しながら加圧し、30cm×30cm、厚さ2.8mmの板状に成形してNo.1〜6の成形体を得た。得られたNo.1〜6の成形体について、植物由来原料の含有率(成形体に含まれるラミー繊維の含有率+成形体に含まれるフェノール化リグニンの含有率)を算出した。その結果を上記表1に併記する。
<成形体の引張強度の測定>
No.1〜6の各成形体について引張強度を測定した。その結果を上記表1に併記する。
Figure 0005280260
ラミー繊維を含有するNo.1〜4の成形体の引張強度を比較すると、アラミド繊維を含有するNo.2〜4の成形体はアラミド繊維を含まないNo.1の成形体よりも引張強度が高かった。これにより、繊維基材にラミー繊維とともにアラミド繊維を含ませることにより引張強度を向上させることができることが明らかとなった。ここで、アラミド繊維に代えてナイロン繊維を用いたNo.6に成形体と比較すると、ナイロン繊維を用いることによりかえって引張強度が低下することが明らかとなった。これは、ナイロン繊維は樹脂組成物と良好に親和せず、成形体中で補強効果を発揮しにくいためであると推察された。これにより、ポリアミドのなかでも脂肪族のナイロン繊維ではなく芳香族のアラミド繊維を用いてこそ補強効果を発揮することができることが明らかとなった。繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率が28重量%の成形体(No.2)の引張強度が、繊維基材がアラミド繊維のみからなるNo.5の成形体と同等にまで高められていることから、繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率を25重量%以上とすることでより効果的に引張強度を向上させることができることが明らかとなった。一方、No.2の成形体と、No.2の成形体よりも繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率の高いNo.3及びNo.4の成形体の引張強度を比較すると、測定誤差を5MPa見込んでもNo.2の成形体がNo.3及びNo.4の成形体よりも引張強度が高かった。これにより、繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率が40重量%を超えても成形体の更なる補強効果の向上は期待できず、繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率は25〜40重量%とすることが好ましいことが明らかとなった。植物由来原料の含有率確保の観点に立てば、繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率はできるだけ低くして繊維基材に含まれる植物繊維の含有率を高めることが好ましく、補強効果を効率的に発揮しながら植物由来原料の含有率を一層確保しやすくする観点から、繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率は、25〜35重量%とするのが最も好ましいことが明らかとなった。
[実験例2]
<繊維基材の作成>
アラミド繊維(フィラメント糸:110tex)と植物繊維としてラミー繊維(撚糸:143tex、撚数250回/m)を用意し、繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率が28重量%、ラミー繊維含有率が72重量%となるように上記実験例1と同様に繊維基材を作成した。
<樹脂組成物の調整>
上記実験例1と同様に、フェノール樹脂(昭和高分子株式会社製、BRL−1025)と、植物由来成分としてフェノール化リグニンとを用い、フェノール樹脂70重量%とフェノール化リグニン30重量%とを含有する樹脂組成物を得た。
成形体に含まれる樹脂組成物の含有率が表2に示すNo.7〜9の組成となるように、樹脂組成物を各繊維基材に対して浸漬法にて付与し、プリプレグを作成した。得られた各プリプレグを180℃で5分間加熱しながら加圧して成形し、30cm×30cm,厚さ2.8mm、密度1.1〜1.2g/cmの板状の成形体を得た。得られたNo.7〜9の成形体について、植物由来原料の含有率を算出した。その結果を表2に併記する。
<成形体の引張強度の測定>
No.7〜9の各成形体について引張強度を測定した。その結果を上記表2に併記する。
Figure 0005280260
表1及び表2を見れば明らかなように、成形体に含まれる樹脂組成物の含有率が22重量%のNo.7の成形体は、その引張強度が実験例1のアラミド繊維を含まないNo.1の成形体と略同等であり、繊維基材にアラミド繊維を含むことによる補強効果を発揮していないことが明らかとなった。これに対し、成形体に含まれる樹脂組成物の含有率が29重量%(No.8)と37重量%(No.9)の成形体とは、その引張強度が実験例1のアラミド繊維を含まないNo.1の成形体に比べて高く、アラミド繊維を含むことによる補強効果を発揮していた。特に、成形体に含まれる樹脂組成物の含有率が29重量%(No.8)の成形体の引張強度は高く、成形体に含まれる樹脂組成物の含有率は25重量%以上とすることが好ましいことが明らかとなった。また、成形体に含まれる樹脂組成物の含有率が29重量%(No.8)と37重量%(No.9)の成形体を比較すると、表面の平滑性及び成形時の形状追従性においては、樹脂組成物の含有率が37重量%でより高いNo.9の成形体方が優れていた。しかし、引張強度を比較すると、樹脂組成物の含有率がより高いNo.9の成形体の方が低かった。これにより、表面の平滑性及び成形時の形状追従性を重視しながらもある程度の補強効果を発揮させる場合は少なくとも、成形体に含まれる樹脂組成物の含有率は40重量%以下とするのが好ましいことが明らかとなった。一方、強度確保を重視する場合には、成形体に含まれる樹脂組成物の含有率を35重量%以下とするのが好ましいことが明らかとなった。
11 繊維基材
13 植物繊維
15 アラミド繊維
21 第1層
23 繊維束
31 第2層
33 繊維束
41 第3層
43 繊維束

Claims (3)

  1. 植物繊維とアラミド繊維とを含む繊維基材と、植物由来成分としてフェノール化リグニン、合成樹脂としてフェノール樹脂を含むバインダーとしての樹脂組成物と、を含み、
    前記繊維基材に含まれる植物繊維と前記樹脂組成物に含まれる植物由来成分とを包含する植物由来原料の含有率が50重量%以上であり、
    前記繊維基材は、植物繊維とアラミド繊維とを含む繊維束を多軸積層させて成る、繊維成形体。
  2. 前記繊維成形体に含まれる前記樹脂組成物の含有率が25〜40重量%である、請求項1に記載の繊維成形体。
  3. 前記繊維基材に含まれるアラミド繊維の含有率が25重量%以上である、請求項1または請求項2に記載の繊維成形体。
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