JP5279712B2 - ベンズイミダゾリルピリジルエーテルの塩およびその製剤 - Google Patents

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Description

本発明の技術分野
この発明は一般的にベンゾイミダゾリルピリジルエーテル化合物の塩およびその塩の製剤に関する。特に、本明細書の開示は{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンの塩およびそれおよびその混合物を含む投与製剤、およびその製剤を製造する方法および使用する方法に関する。
背景
癌の発症におけるキナーゼの関与は良く知られている。例えば、発癌に関連することが知られているキナーゼにはRafセリン/トレオニンキナーゼおよび受容体チロシンキナーゼ(RTK)が含まれる。この両型のキナーゼは、最終的には転写因子をリン酸化するシグナル伝達経路の一部をなしている。この経路では、RafキナーゼはRas/ミトゲン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)シグナル伝達モジュールの一部であり、このモジュールは、例えば増殖、分化、生存、発癌性形質転換およびアポトーシスのような多くの細胞機能に影響を与え、調整している。
数種のRafキナーゼ阻害剤がインビトロおよび/またはインビボ検定で腫瘍細胞の増殖を阻害する効果を示すことが報告されている(例えば、米国特許6391636、6358932、6037136、5717100、6458813、6204467および6268391を参照)。他の特許および特許出願は白血病(例えばU.S. Patent Nos. 6268391および6204467および公開米国特許出願20020137774; 20020082192; 20010016194および20010006975を参照)または乳癌(例えば米国特許6358932; 5717100; 6458813; 6268391および6204467および公開米国特許出願20010014679を参照)を処置するためのRafキナーゼ阻害剤の使用を示唆している。早期臨床試験で、B−Rafも阻害するRaf−1キナーゼの阻害剤が癌治療での治療剤として有望であることが提唱された(Crump, Current Pharmaceutical Design 8: 2243-2248 (2002); Sebastien et al., Current Pharmaceutical Design 8: 2249-2253 (2002))。
受容体チロシンキナーゼ(RTK)、例えば血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)は細胞の発生的増殖および分化、成人組織のリモデルおよび再生を調整する膜貫通ポリペプチドである。Mustonen, T. et al., J. Cell Biology 129: 895-898 (1995); van der Geer, P. et al., Ann Rev. Cell Biol. 10: 251-337 (1994)。VEGFおよびVEGFサブファミリーのメンバーは血管の浸透性と血管内皮細胞の移動と増殖、ならびに血管形成および脈管形成を誘発できる。Ferrara, N. et al., Endocrinol. Rev. 18: 4-25 (1997); Connolly, D. et al., J. Biol. Chem. 264: 20017-20024 (1989); Connolly, D. et al., J. Clin. Invest. 84: 1470-1478 (1989); Leung, D. et al., Science 246: 1306-1309 (1989); Plouet, J. et al., EMBO J, 8: 3801-3806 (1989)。
血管形成は組織内で新しい血管が形成される過程であり、癌細胞の増殖に必須である。癌では、癌細胞の病巣が一定の大きさ、およそ直径1〜2mmに達すると、拡散だけでは癌細胞に充分な酸素と栄養を供給するためには不十分なので、癌をそれ以上増殖させるためには血液の供給を発達させなければならない。そこで、血管形成に関与するキナーゼの阻害による血管形成の阻害で癌細胞の増殖を停止することが期待される。
血管形成を阻害し、腫瘍の増殖を阻害し、癌を治療し、細胞周期休止を調節しおよび/またはRas、Raf、変異B−Raf、VEGFR2(KDR、Flk−1)、FGFR2/3、c−Kit、PDGFRβ、CSF−1Rを阻害する化合物にはベンゾイミダゾリルピリジルエーテルとして知られる一群の化合物がある。多様なベンゾイミダゾリルピリジルエーテル化合物の合成法および使用法はWO 2003/082272およびWO 2005/032458, 005年8月30日出願の米国仮出願番号60/712539; 2005年10月27日出願の米国仮出願番号60/731591; 2006年2月17日出願の米国仮出願番号60/774684; 2005年8月30日出願の米国仮出願番号60/713108, および2006年7月21日出願の米国仮出願番号60/832715, および2006年8月30日出願の“Substituted Benzimidazoles And Methods Of Their Use”と題する米国実用新案出願(U.S.S.N. 11/513959), および2006年8月30日出願の“Substituted Benzimidazoles ond Methods of Preparation”と題する米国実用新案出願(U.S.S.N. 11/513745)に開示されており、これらの全開示を全目的のために本明細書に引用する。ベンゾイミダゾリルピリジルエーテルは優秀な生物学的活性を持つにも拘らず、生理学的pHではこの化合物の水溶性が低く、この種の化合物を製剤化する挑戦が現存する。
要約
一つの側面では、本発明はベンゾイミダゾリルピリジルエーテルの塩およびそのような塩の製法を提供する。ある態様では、本発明の塩は遊離塩基よりも実質的に改良された、例えば2倍以上の水溶性を持つものが選択される。他の側面では、本発明はベンゾイミダゾリルピリジルエーテルの塩の組成物、製剤および薬剤およびそのような組成物、製剤および薬剤の製造法および使用法を提供する。この製剤は{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンの塩のカプセル剤、錠剤ならびに、特に非経口投与用剤である固体および液体の製剤を含む。この製剤は経口投与または当技術分野で知られている他の方法によって投与してもよい。本発明の製剤は、製剤化されていないベンゾイミダゾリルピリジルエーテル化合物、例えばその遊離塩基およびその塩と比較して、改善された水溶性、急速な溶出速度およびインビボでの改善された接触/薬動力学を提供する。
側面の一つでは、本発明はベンゾイミダゾリルピリジルエーテル、例えば{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンの塩を提供する。この後者の化合物は式Iで示される構造を持つ:
Figure 0005279712
式Iで示される化合物の塩には酢酸塩、トシル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、硫酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、塩酸塩、リン酸塩、エタンスルホン酸塩およびメタンスルホン酸塩を含む。ある態様では、この塩は水溶液中で低溶解度、少なくとも0.058mg/mLを持つものを選択する。
他の側面では、本発明は例えば{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンのようなベンゾイミダゾリルピリジルエーテルの医薬的に許容される酸との塩と界面活性剤とを含む組成物を提供する。医薬的に許容される多数の酸が本発明の酸塩における同族酸(cognate acid)として使用できるが、本酸塩の同族酸は典型的にはpKaが約4.7または4.7以下である。例えば、本酸塩の同族酸は酢酸、トルエンスルホン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、硫酸、マレイン酸、クエン酸、塩酸、リン酸、エタンスルホン酸およびメタンスルホン酸であり得る。
例えばHLB値が約8または8以上である界面活性剤を含む適当な界面活性剤は、全て本発明の組成物および方法に使用できる。界面活性剤の例にはポリオキシエチレンヒマシ油化合物、ポリオキシエチレンのモノ−およびジ−脂肪酸エステル、C〜C22脂肪酸のポリオキシエチレンモノ−およびジ−エステルの混合物、C〜C22脂肪酸のグリセリンモノ−、ジ−およびトリ−エステルの混合物、d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000サクシネート、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン・コポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、糖脂肪酸エステルまたはこれらのいずれか2種以上の混合物が含まれる。
他の側面では、本明細書に記載の製剤はカプセル剤または錠剤に含まれていてもよい。ある態様では、このカプセル剤または錠剤に含まれる式Iで示される化合物、その医薬的に許容される塩、またはその2種またはそれ以上の混合物の全量は、約0.01mg〜約400mgである。ある態様では、カプセル剤または錠剤をポリマーまたはゼラチンでコーティングしてもよく、またはゼラチンシースに封入してもよい。カプセル剤は硬シェルカプセルであってもよく、さらに頭部と胴体部を帯状バンドでシールしてもよい。
他の側面では、本発明製剤を製造する方法を提供する。この方法は{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンの医薬的に許容される酸との塩と界面活性剤とを混合して本明細書に記載の組成物/製剤を提供することを含んでいてもよい。あるいは本方法は{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン化合物、医薬的に許容される酸、および界面活性剤を混合して本明細書に記載の組成物を提供することを含む。ある態様では、先ずこの化合物と酸とを混合して本化合物の塩を提供し、続いてその化合物の塩を界面活性剤と混合して本明細書に記載の組成物を提供することによって式Iで示される化合物、酸および界面活性剤を混和する。式Iで示される化合物とこの酸は単に混合してペースト状にしてもよく、または化合物と酸とを有機溶媒に溶解して、本化合物の塩をその場で形成してもよい。
ある態様では、本明細書に記載する製剤を含む1個以上のカプセル剤または錠剤を含む貯蔵容器を含む、医薬の包装容器を提供する。
式Iで示される化合物の塩またはその製剤は、医薬製剤として、または必要とする対象における癌治療用薬剤としておよび/または血管形成の阻害のために有用である。そこで、別な側面では対象に塩または製剤を投与することを含む、対象における癌の処置法および/または血管形成阻害法が提供される。これに限定するものではないが、メシレート、エシレートおよびマレエート塩を含む本明細書に記載する塩はいずれを使用してもよい。癌の処置に関係するある態様では、この塩または製剤は対象の体内で、式Iで示される化合物、その医薬的に許容される塩、またはその2種またはそれ以上の混合物の血中濃度Cmaxが約0.1〜約6000ng/mL、約0.1〜1000ng/mL、約0.1〜500ng/mL、約1〜150ng/mLまたは約1〜10ng/mLに達するに充分な量が投与される。
癌の処置方法に関する他の態様では、この塩または製剤は毎日または毎週1回、2回、3回、4回またはそれ以上投与後の定常状態における式Iで示される化合物、その医薬的に許容される塩、またはその2種またはそれ以上の混合物の血中濃度Cmaxを約0.1〜約6000ng/mL、約0.1〜1000ng/mL、約0.1〜500ng/mL、約1〜150ng/mLまたは約1〜10ng/mLとするに充分な量が投与される。
癌の処置方法に関する他の態様では、この塩または製剤は毎日または毎週1回、2回、3回、4回またはそれ以上投与後の定常状態における式Iで示される化合物、その医薬的に許容される塩、またはその2種またはそれ以上の混合物の血中濃度Cmaxを約0.1〜約6000ng/mL、約0.1〜1000ng/mL、約0.1〜500ng/mL、約1〜150ng/mLまたは約1〜10ng/mLとするに充分な量が投与される。
癌の処置方法に関する他の態様では、本製剤は対象の血中濃度における式Iで示される化合物、その塩、またはその2種またはそれ以上の混合物の単回投与後ゼロ時間から無限時間までに相応するAUCが約0.01〜約2500μg*時/mL、約1〜約2500μg*時/mL、約1〜約2000μg*時/mLまたは約1〜約1000μg*時/mL、約1〜約1000μg*時/mLまたは約1〜約10μg*時/mLに達するに充分な量で投与される。
癌の処置方法に関する他の態様では、本製剤は毎日または毎週1回、2回、3回、4回投与後の投与間隔の間の定常状態における式Iで示される化合物、その塩、またはその2種またはそれ以上の混合物の対象における血中濃度のAUCの値が、約0.01〜約2500μg*時/mL、約1〜約250000μg*時/mL、約1〜約2000μg*時/mL、約1〜約1000μg*時/mL、約1〜約100μg*時/mL、約0.1〜10μg*時/mL、または約0.1〜1μg*時/mLに達するに充分な量で投与される。この処置法では、製剤は毎日または毎週1回、2回、3回、4回またはそれ以上投与される。
癌の処置方法に関する他の態様では、製剤は対象の血中濃度が投与間隔の間の定常状態における式Iで示される化合物、その医薬的に許容される塩、またはその2種またはそれ以上の混合物のCminが約0.1〜約6000ng/mL、約0.1〜1000ng/mL、約0.1〜500ng/mL、約0.1〜150ng/mL、または1〜10ng/mLを維持するに充分な量で投与される。血中濃度レベルに迅速に達するために、塩または製剤を日用量にする前に塩または製剤の負荷用量を投与してもよい。負荷用量と1日用量との比率は約3〜20である。
癌を処置するための他の態様では、治療すべき癌は、これに限定するものではないが、膀胱、乳腺、脳の悪性腫瘍、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸直腸、胃、胃腸基質、神経膠腫、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、神経内分泌、非小細胞肺、小細胞肺、膵臓、前立腺、腎臓の癌、小細胞急性骨髄性白血病、肉腫および/または甲状腺の癌を含む。膀胱、乳腺、脳、頭頚部、肝臓、胆管、癌腫、急性および慢性リンパ性白血病、急性および慢性骨髄性白血病、結腸直腸、胃、胃腸間質、神経膠腫、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、神経内分泌、肺、小細胞肺、膵臓、前立腺、腎臓の癌、肉腫および/または甲状腺の癌を含む。
式Iで示される化合物の遊離塩基のSEM顕微鏡写真。 式Iで示される化合物のメシレート塩のSEM顕微鏡写真。 式Iで示される化合物のエシレート塩のSEM顕微鏡写真。 式Iで示される化合物のマレエート塩のSEM顕微鏡写真。 式Iで示される化合物の遊離塩基の吸着結果。 式Iで示される化合物の遊離塩基のTG/DTA結果。 式Iで示される化合物のメシレート塩の吸着結果。 式Iで示される化合物のメシレート塩のTG/DTA結果。 式Iで示される化合物のエシレート塩の吸着結果。 式Iで示される化合物のエシレート塩のTG/DTA結果。 式Iで示される化合物のマレエート塩の吸着結果。 式Iで示される化合物のマレエート塩のTG/DTA結果。 式Iで示される化合物の遊離塩基および塩の吸着のオーバーレイグラフ:遊離塩基−◆−、マレエート塩―●―、エシレート―■―、メシレート―X―。 単回100mg経口用量投与後の式Iで示される化合物の遊離塩基、メシレート塩およびエシレート塩の血中濃度。
詳細な記載
ベンゾイミダゾリルピリジルエーテル化合物の塩の塩と製剤が提供される。このような製剤は、MAPK経路の重要なキナーゼ酵素であるRafキナーゼを阻害するために使用してもよい。この製剤は、例えば癌患者の処置および/またはRafキナーゼの阻害が必要な患者の処置に有用である。
この明細書を通して以下の略号および定義を使用する:
「吸着剤担体」は液体製剤を吸収するかおよび/または吸着するために採用される、通常は固体である材料を示す。
「API」は活性医薬成分の略号である。別段の指摘がなければ、本明細書で使用するAPIは:{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン化合物を示す。
「AUC」はある化合物の血中濃度対時間グラフの曲線下面積を示す略号である。
「セルロース」は医薬製剤での使用が知られている様々な形のセルロースであって、これに限定するものではないが、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばNo. 2208、2906、2910など)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、微結晶セルロースおよびその混合物を含む。本発明の製剤での使用に適する微結晶セルロースには、これに限定するものではないが、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105の名称で販売されている材料(FMC Corporation, American Viscose Division, Avicel Sales, Marcus Hook, Pa.から購入できる)およびその混合物が含まれる。
「Cmax」はある化合物を投与された対象の血漿、組織または血中で観察されたその化合物の最大濃度を示す略号である。Cmaxは典型的には対象に化合物を投与した後数分から数時間以内に起き、その化合物の本質的な物理化学的および生物学的性質に依存する。
「Cmin」は複数回の化合物投与の中間時点の間の対象の血漿、組織または血液の中の化合物の観察される最低濃度を示す略号である。Cminは典型的には化合物投与の間の時間の最後に発生する。
本明細書で使用する「定常状態」は一定の投与計画で化合物の投与を反復する間の各投与間隔におけるCmaxおよびCminが一定になる時を示す。各用量投与間隔でCmaxおよびCminは一定の投与計画で化合物の反復投与を開始する時点で増加することもある。結局ある時間の後に投与間隔におけるCmaxおよびCminは増加しなくなり、長時間一定になり、そこで定常状態にあると考えられる。一定の投与計画で化合物の反復投与の後に「定常状態」に達する時間は対象の血中から化合物が排出される速度に依存する。
クロスカルメロースナトリウムは交差結合カルボキシメチルセルロースナトリウムである。
「クロスポビドン」は1−ビニル−2−ピロリジノンの水に不溶性の交差結合ホモポリマーであって、典型的には実験的に測定すると平均分子量は1000000より大きい。
「シクロデキストリン」はD−(+)−グルコピラノース単位少なくとも6個を含む一群の環状オリゴ糖類を示す。
「DMSO」はジメチルスルホキシドの略号である。
「EtOAc」は酢酸エチルの略号である。
「EtOH」はエタノールの略号である。
本明細書で使用する「脂肪酸」は、一塩基性酸の大きな群に属するメンバーのいずれかであって、特に動植物の油脂の中に存在するものである。ある態様では、脂肪酸は炭素原子6〜22個を持つ直鎖状または分枝状鎖のアルキルまたはアルケニル基であって、カルボン酸基がその炭素鎖の一端に存在する。
本明細書で使用する「グリセリド」は、酸1個またはそれ以上とグリセリンとの間で形成したエステルを示す。ある態様では、この酸は脂肪酸である。中鎖のグリセリドは炭素原子6〜12個、またはある態様では炭素原子6〜10個を持つ中鎖脂肪酸のグリセリンエステルである。中鎖脂肪酸にはカプロン酸(C)、カプリル酸(C)、カプリン酸(C10)およびラウリン酸(C12)が含まれる。長鎖グリセリドは炭素原子12〜22個、またはある態様では炭素原子12〜18個を持つ長鎖脂肪酸のグリセリンエステルである。
「HDPE」は高密度ポリエチレンの略号である。
「HGC」は硬ゼラチンカプセルの略号である。
「HLB」は親水性−親油性のバランスの略号である。これは分子の親水性部分と親油性部分との比率で、次式で算出される:
HLB=分子の親水性重量%/5
(Griffin WC、 Classification of Surface-Active Agents by ‘HLB’; Journal of the Society of Cosmetic Chemists 1 (1949) 311; Griffin WC、 Calculation of HLB Values of Non-Ionic surfactants; Journal of the Society of Cosmetic Chemists 5 (1954) 259)。
「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーの略号である。
「HPMC」はヒドロキシプロピルメチルセルロースの略号である。
「Hr」は時間の略号である。
本明細書で使用する「親水性」は水に容易に溶解するか、水を容易に溶解する材料を示す。「親水性溶媒」は溶質を溶解または分散させ、そしてそれ自体また水に溶解するか、または水を溶解する溶媒である。
「LAH」は水素化リチウムアルミニウムの略号である。
本明細書で使用する「脂質」は、脂肪、油脂、ワックス、ステロール、およびトリグリセリドを含む有機化合物の一群のいずれかを示すが、これに限定されず、これは水に不溶性であるが、非極性溶媒には可溶性であって、触ると油状である。
本明細書で使用する「脂溶性」は、脂質に容易に溶解するか、脂質を容易に溶解する材料を示す。「脂溶性溶媒」は溶質を溶解または分散させ、そしてそれ自体また脂質に溶解するか、または脂質を溶解する溶媒である。
「LCMS」は液体クロマトグラフィー質量スペクトル術の略号である。
「MeOH」はメタノールの略号である。
「MPEG」はメトキシポリエチレングリコールの略号であるが、これは一般式:CHO[CHCHO]Hで表されるポリエーテルであって、広範囲な平均分子量を有する。本明細書で使用するものは別段の指摘がない限り、MPEGは平均分子量約100〜約20000g/モルまたはそれ以上を有する。
「MTBE」はメチル−tert−ブチルエーテルの略号である。
「NMR」は核磁気共鳴の略号である。
「PEG」はポリエチレングリコールの略号であるが、これは一般式:HO[CHCHO]Hで表されるエチレングリコールのポリエーテルポリマーであって、広範囲な平均分子量を有する。本発明のある態様では、PEGは平均分子量約1000g/モル〜約20000g/モルを持つ。他の態様では、PEGは平均分子量約1000g/モル〜約10000g/モル、他の態様では約1000〜約4000g/モルを持つ。
本明細書で使用する「リン脂質」は、リン含有脂質を示し、これは主として脂肪酸、リン酸基および簡単な有機分子例えばグリセリンなど、から構成される。リン脂質はホスファチドと呼ばれることもある。
「PEO」はポリエチレンオキシドの略号である。本明細書で使用するポリエチレンオキシドは、別段の指摘がない限り、エチレングリコールのポリエーテルポリマーであって、平均分子量20000g/モルまたはそれ以上を持つ。ある態様ではPEOの平均分子量は20000g/モル以上で300000g/モルまでである。PEOを他のポリマーとのコポリマーの形で使用してもよい。
式Iで示される化合物の見掛けのpKaは、pH特性溶解度法で測定した、式Iで示される化合物の見掛けのイオン化定数を示す。そこで、式Iで示される化合物の見掛けのpKaは、式Iに存在する塩基性窒素3個の重複したイオン化定数から構成される複雑な用語である。
本明細書で使用する「ポビドン」は1−ビニル−2−ピロリジノンのポリマーであって、広範囲な平均分子量を有する。ある態様では、ポビドンは平均分子量約2500g/モル〜約300000g/モルまたはそれ以上を有する。
「RH」は相対湿度の略号である。
「rt」は室温の略号である。
「SEDDS」は自己乳化薬剤送達システムの略号である。
本明細書で使用する「人工胃液」はUSP/NFに記載の人工胃液を示す。
「SMEDDS」は自己マイクロエマルジョン化薬剤送達システムの略号である。
本明細書で使用する「ソルビタン」は脱水ソルビトールを示す。
「澱粉」はアミロースおよびアミロペクチンから構成される複雑な炭水化物を示す。「プレゼラチン化澱粉」は、水の存在下に化学的および/または機械的に処理して顆粒の全部または一部を破壊後、乾燥した澱粉である。ある種のプレゼラチン化澱粉を修飾して圧縮性および流動性を与えることもある。
本明細書で使用する「糖脂肪酸」は、糖構造が結合している脂肪酸を示す。
本明細書で使用する「界面活性剤」は「表面活性剤」を意味し、それが溶解している媒体の表面張力を低下および/または他の相との界面の張力を低下させる物質である。従って液体/気体および/またはその他の界面に陽性に吸着される。用語「界面活性剤」はさらに液体表面に自動的に拡散することによって液体の表面張力を低下させる難溶性物質も含む。
「TBACl」はtert−ブチルアンモニウムクロリドの略号である。
「TFAA」はトリフルオロ酢酸無水物の略号である。
「THF」はテトラヒドロフランの略号である。
「TLC」は薄層クロマトグラフィーの略号である。
「医薬的に許容される塩」は無機塩基、有機塩基、無機酸、有機酸、または塩基性または酸性のアミノ酸との塩を含む。無機塩基の塩は、例えばアルカリ金属、例えばナトリウムまたはカリウム;アルカリ土類金属例えばカルシウムおよびマグネシウムまたはアルミニウム;およびアンモニアとの塩を含む。有機塩基の塩は、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンとの塩を含む。無機酸との塩は、例えば塩酸、ヒドロホウ酸(hydroboric acid)、硝酸、硫酸およびリン酸との塩を含む。有機酸との塩は、例えばギ酸、酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸との塩を含む。塩基性アミノ酸との塩は、例えばアルギニン、リジンおよびオルニチンとの塩を含む。酸性アミノ酸との塩は、例えばアスパラギン酸およびグルタミン酸との塩を含む。
本明細書で使用する用語「対象」は、本明細書に記載する製剤および方法の有益な効果を経験できる動物を示す。そこで、式Iで示される化合物、その医薬的に許容される塩またはその2種またはそれ以上の混合物を、本明細書が提供する癌の処置法に従って、この化合物の有益な効果を経験できる動物に投与してもよい。好ましくは、この動物は哺乳類、特にヒトであるが、このように限定する意図はない。他の適当な動物の例は、これに限定するものではないが、ラット、マウス、サル、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジなどを含む。
本明細書で使用する「処置」は、疾患または疾病に関連する症状の寛解、これら症状の進行または悪化を停止または遅延させ、または疾病または疾患の防止または予防を示す。例えば癌について言えば、処置の成功は症状の寛解、腫瘍増殖速度の低下によって測定される疾病進行の停止または遅延、腫瘍増殖の停止、腫瘍サイズの低下、癌の部分的または完全な寛解、または生存率または臨床的利益の増加を含む。
本明細書で使用する「溶媒和物」は結晶形における溶媒と化合物との結合を示す。この溶媒の結合は典型的には化合物の合成、結晶化および/または再結晶における溶媒の使用に起因する。
本明細書で使用する「水和物」は、結晶形における水と化合物との結合を示す。水の結合は典型的には化合物の合成、結晶化および/または再結晶における水の使用に起因し、化合物の吸湿性の結果でもあり得る。
本明細書で使用する「約」は指摘する数値との関連において、指摘する数値の±10%以内の数値を示す。
ここで使用する単数表現は、別段の指摘がない限り、“1つまたはそれ以上”を示す。
下記で、例えば界面活性剤、ポリマー担体に属するとして、またはコーティング材料として同定しているいくつかの材料が、他の一つ以上のカテゴリーの一部に挙げていなくても、一つまたは複数のこれらのカテゴリーに入り得ることは、当業者は容易に理解できる。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースはある態様ではポリマー担体であり、および/または他の態様ではカプセル剤または錠剤のコーティングのために使用してもよい。一つまたはそれ以上のカテゴリーに属するが、一つのカテゴリーにしか記載していない他のこのような物質を、当業者は容易に同定できよう。
ベンゾイミダゾリルピリジルエーテル化合物の塩の塩および組成物および製剤は本発明の一側面に関連して提供される。さらに具体的には、本明細書に記載する本発明は式Iで示される化合物の塩を含む塩および製剤、および製造方法およびその製剤の使用方法に関する。本開示を通じて使用する式Iは{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン化合物を示し、次の構造を有する:
Figure 0005279712
当業者は式Iで示される化合物は溶媒和物および/または水和物としても存在でき、溶媒和物および水和物は全て式Iで示される化合物および構造に含まれることを理解するであろう。
本発明の有機化合物は互変異性を示し得ることも理解すべきである。化学構造の図は1度に可能な互変異性形の一つだけを示すことができ、式Iで示される化合物は図示した構造の互変異性形のいずれをも含むことを理解すべきである。例えば、式Iで示される化合物の可能な互変異性形の一つは互変異性形Ia:
Figure 0005279712
で示される。
当業者は、式Iで示される化合物およびその互変異性形が溶媒和物および/または水和物の形で存在でき、いずれも本化合物および/または式Iで示される構造に含まれることを認識し、理解するであろう。同様に、式Iで示される化合物の医薬的に許容される塩も式Iで示される化合物の医薬的に許容される塩の対応する溶媒和物および/または水和物も含む。
塩および塩の製剤
側面の一つでは、本発明はベンゾイミダゾリルピリジルエーテルの塩、例えば{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンの塩を提供する。式Iで示される化合物の塩は酢酸塩、トシル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、硫酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、塩酸塩、リン酸塩およびメタンスルホン酸塩を含む。ある態様では、塩は{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンの塩酸塩、{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンのエタンスルホン酸塩、{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンのメタンスルホン酸塩または{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンのマレイン酸塩から選択される。ある態様では、式Iで示される化合物の塩は、遊離塩基の少なくとも2倍、5倍または10倍またはそれ以上の倍数の最低水溶性を示すものから選択される。例えば、このような塩は、蒸留水中、少なくとも約0.058mg/mLの溶解度を示すことができる。
他の側面では、本発明は{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンと医薬的に許容される酸との塩および界面活性剤とを含む組成物または製剤を提供する。本明細書に開示するこの組成物および製剤は固体でも液体でも良く、一般に製剤化されていない式Iで示される化合物の塩または遊離塩基と比較して改善された溶解度と溶出速度を示す。
本発明の本酸塩の同族酸として、多数の医薬的に許容される酸を使用できるが、pKaが約4.7または4.7より低い酸が特に有用である。限定する意図はないが、式Iで示される化合物の見掛けのpKaは約4.7であると考えられるので、このレベルまたはそれ以下のpKaを持つ酸はこの化合物の溶解度を改善できる。そこで、本発明の組成物または製剤のある態様では、本酸塩の同族酸はpKa約4.7〜約−6を持つ。他の態様では、本酸塩の同族酸はpKa約4〜約−6、約3〜約−6、約2〜約−6、約4.7〜約−5、約4.7〜約−4、約4.7〜約−3、約4〜約−5、約4〜約−4、約4〜約−3、約3〜約−6、約3〜約−5、約3〜約−3および約2.5〜約−3を持つ。
本発明の本酸塩の同族酸として適当なものはカルボン酸、炭酸、アミノ酸の酸との塩、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、アミノ酸、ポリアミノ酸、アルカンスルホン酸、無機酸、ポリマー酸、またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物を含む。例えば、本酸塩の同族酸は、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、酢酸、ギ酸、乳酸、マレイン酸、フタル酸、クレアチニン塩酸塩、ピリドキシン塩酸塩、チアミン塩酸塩、システイン塩酸塩、グリシン塩酸塩、シスチン二塩酸塩、ペプチド、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、リン酸、ホスホン酸、オルトリン酸、塩酸、スルホン酸、硫酸、硝酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、ポリリン酸、ポリビニル硫酸、ポリビニルスルホン酸、またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物であることができる。ある態様では、本酸塩の同族酸は、酢酸、トルエンスルホン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、硫酸、マレイン酸、クエン酸、塩酸およびメタンスルホン酸から構成される群から選択される。
本発明の組成物および製剤は{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンと医薬的に許容される酸との塩を一定範囲内の量で含むことができる。例えばこの塩の量は組成物の全重量に対して約0.1重量%〜約80重量%、約0.5重量%〜約70重量%、約1重量%〜約50重量%または約1重量%〜約25重量%の範囲内であることができる。本発明の組成物および製剤中の活性医薬成分の量は意図する適応と共に変化するが、本明細書の開示に基づいて特定の適応について適当な量を判断することは当業者の技術の範囲内にある。
任意の界面活性剤を本発明の組成物および製剤に使用できる。この界面活性剤は典型的にはAPIおよび添加剤の湿潤性を改善するために、および特に水性媒体中で本発明の酸との塩と遊離塩基との間がイオン化平衡下にある式Iで示される化合物の塩が水性溶液で希釈した時に沈殿するのを防止するために、使用するが、本発明をそのように限定する意図はない。そこで、ある態様では界面活性剤はHLB値約8または8以上を有する。例えば界面活性剤はHLB値約8〜約40またはそれ以上、約8〜約40、18、16、14、12または10を有していてもよい。他の態様ではこの界面活性剤はHLB値約9、10、11または12〜約20、または約9〜約18、約9〜約15、約9〜約16、約10〜約18、約10〜約16または約10〜約15を有していてもよい。
本発明の組成物または製剤に使用できる界面活性剤はポリオキシエチレンヒマシ油化合物、ポリオキシエチレンモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンのC−C22脂肪酸モノ−およびジ−エステルの混合物およびグリセリルC−C22脂肪酸モノ−、ジ−およびトリ−エステルの混合物(例えば商品名Gelucire 44/14、Gelucire50/13、Gelucire 53/10としてGattefosseが販売)、d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000サクシネート、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、糖脂肪酸エステルまたはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物を含む。ある態様ではこの界面活性剤はポリオキシル35ひまし油、ポリオキシル40水素添加ひまし油、ポリオキシル60水素添加ひまし油、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリオキシル40ステアレート、ポリオキシル150ステアレート、ポリオキシル150ジステアレート、d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000サクシネート、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー407、ソルビタンモノラウリルエステル、ソルビタンモノパルミチルエステル、ソルビタンモノステアリルエステル、またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物であることができる。なお別な態様では、界面活性剤はd−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000サクシネート、ポロキサマー188、Gelucire 44/14、Gelucire 50/13、Gelucire 53/10またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物であることができる。
本発明の組成物および製剤は一定範囲内の量の界面活性剤を含むことができる。例えば、界面活性剤の量は組成物の全重量に対して約0.01重量%〜約60重量%、約0.1重量%〜約50重量%または約1重量%〜約25重量%の範囲内であることができる。本発明の組成物および製剤中の界面活性剤の量は意図する適応に従って変化するが、本明細書の開示に基づいて特定の適応について適当な量を判断することは当業者の技術範囲内にある。
本発明の組成物および製剤は式Iで示される化合物の遊離塩基または塩と比較して改善された水溶液への溶解度および溶出速度を持つ点で特徴付けられる。例えばある態様では、界面活性剤を含む組成物または製剤は蒸留水または擬似胃液への溶解度少なくとも約0.058mg/mLを持つ。他の態様では界面活性剤を含む組成物または製剤は蒸留水または擬似胃液への溶解度少なくとも約0.092、0.096、0.46または0.78mg/mLを持つ。なお別な態様ではこの組成物または製剤は蒸留水または擬似胃液への溶解度少なくとも約0.9、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0または2.3mg/mLを持つ。ある態様では{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン約100mg相当を含む本発明の組成物または製剤のサンプルの少なくとも90重量%は擬似胃液900mLに37±0.5℃で90分間または90分間以内に溶解する。他の態様ではサンプルの少なくとも90重量%は約60分間または60分間以内に溶解するか、または約30分間または30分間以内に溶解する。他の態様ではサンプルの少なくとも95、98または99重量%が約90、60または30分間または90、60または30分間以内に溶解する。
本発明の組成物および製剤はさらに、例えばポリマー担体または非ポリマー担体など担体のような付加的添加剤を含んでいてもよい。本発明の担体は薬剤物質を送達するための媒体として使用するために適当なポリマーまたはその他の材料である。そこで、例えば担体は薬剤物質の対象への送達を促進する吸着剤担体、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、流動促進剤または希釈剤であることができる。適当なポリマー担体は、交差結合ポビドン;交差結合カルボキシメチルセルロースナトリウム;交差結合β−シクロデキストリンポリマー;交差結合デキストラン;交差結合カルボマー;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート;セルロースアセテートフタレート;α−、β−、またはγ−シクロデキストリン;ポリアニオン性−β−シクロデキストリン;スルホブチルエーテル−7−β−シクロデキストリン;アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸誘導体のホモポリマー、アクリル酸およびアクリル酸誘導体の共重合体から選択されるアクリル樹脂;メタクリル酸共重合体、ポリメタクリレートポリマー、ポリ(メタクリル酸−メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸−メタクリル酸エチル)、アンモニオメタクリレート共重合体、ポリ(メタクリル酸エチル−メタクリル酸メチル−トリメチルアンモニオエチルメタクリレート塩化物)、ポリ(メタクリル酸エチル−メタクリル酸メチル)、平均分子量約20000〜約200000g/モルのポリビニルアルコール、ポリビニルピロリジン/酢酸ビニル、平均分子量約2500〜約300000g/モルのポビドン、ポリエチレングリコール;澱粉;澱粉グリコール酸ナトリウム;微結晶セルロース;シリカ添加微結晶セルロース;ポリエチレングリコール;またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物を含む。適当な非ポリマー担体は乳糖、ソルビトール、マンニトール、炭酸カルシウム、リン酸ジカルシウム、珪酸アルミニウムマグネシウム、タルク、珪酸アルミニウム、ベントナイト、二酸化珪素またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物を含む。
本発明の組成物および製剤はカプセル剤または錠剤に含まれていてもよい。カプセル剤または錠剤中では、{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンと医薬的に許容される酸との塩の全量は、例えば約0.01mg〜約400mg、約0.1〜約400mg、約1〜約400mg、約1〜約100mg、約1〜約50mg、約1〜約25mg、約1〜約10mgまたは1〜約5mgの範囲内であってもよい。他の態様では、カプセル剤または錠剤中に含まれる式Iで示される化合物、その医薬的に許容される塩、またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物の全量は、約0.01mg〜約10mg、約0.1mg〜約10mg、約0.01mg〜約5mg、約0.1mg〜約5mgの範囲内である。さらに別の態様では、カプセル剤または錠剤中に含まれる式Iで示される化合物、その医薬的に許容される塩、またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物の全量は、約0.01mg〜約100mg、約0.1mg〜約100mg、約0.01mg〜約50mg、約0.1mg〜約50mg、約0.01mg〜約25mg、または約0.1mg〜約25mgの範囲内である。
本明細書に記載する組成物および製剤は、例えば抗酸化剤、着色料、嬌味料、保存料、甘味料またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物のような医薬的に許容される添加剤を含めることもできる。本明細書に記載する製剤での使用に適する抗酸化剤は、これに限定するものではないがアスコルビン酸、アスコルビルパルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン四酢酸塩、没食子酸プロピル、メタ重亜硫酸ナトリウム、ビタミンE、ビタミンEのエステル、またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物を含む。本明細書に記載する製剤での使用に適する保存剤は、これに限定するものではないがブチルパラベン、ソルビン酸カルシウム、エチルパラベン、メチルパラベン、モノチオグリセリン、ソルビン酸カリウム、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物を含む。本明細書に記載する製剤での使用に適する甘味料は、これに限定するものではないがアスパルテーム、グリシルリチン塩、グリシルリチン酸モノアンモニウム、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、蔗糖、スクラロース、またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物を含む。本明細書に記載する製剤での使用に適する矯味料は、これに限定するものではないがクエン酸、メントール、ペパーミント油、クエン酸ナトリウム、バニリン、エチルバニリンまたはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物を含む。本明細書に記載する製剤での使用に適する着色料は、これに限定するものではないがFD&C blue #1、FD&C blue #2、FD&C green #3、FD&C red #3、FD&C red #4、FD&C yellow #5、FD&C yellow #6、D&C blue #4、D&C green #5、D&C green #6、D&C orange #4、D&C orange #5、酸化鉄またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物を含む。
ある態様では、本開示の製剤は固溶体または分散剤である。そのような態様の幾つかでは、製剤はカプセル剤または錠剤の中に含まれる。ある態様では、カプセルは硬シェルカプセル、硬ゼラチンカプセル、軟ゼラチンカプセル、天然プルランカプセルまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースシェルカプセルである。ある態様では、カプセル剤または錠剤の中に含まれる式Iで示される化合物と医薬的に許容される酸との塩の全量は、約1mg〜約400mgの範囲内である。ある態様では、カプセル剤または錠剤はポリマーまたはゼラチンでコーティングするか、またはゼラチンシースに封入する。カプセルは硬シェルカプセルであって、さらに頭部と胴部の間にバンドシールをしてもよい。カプセル剤または錠剤はゼラチンシースに封入してもよく、このゼラチンシースはさらに医薬的に許容される着色料、甘味料、乳白剤、またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物を含んでいてもよい。要すればカプセル剤または錠剤は甘味料、セルロースポリマー、ポリメタクリレートポリマー、ポリビニルアセテートフタレート、ゼラチンまたはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物でコーティングしてもよい。カプセル剤または錠剤のコーティングにセルロースポリマーを使用する態様では、そのセルロースポリマーはメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物から選択してもよい。カプセル剤または錠剤のコーティングにポリメタクリレートポリマーを使用する態様では、ポリメタクリレートポリマーはメタクリル酸共重合体、ポリ(メタクリル酸−メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸−エチルメタクリレート)、アンモニオメタクリル酸共重合体、ポリ(メタクリル酸エチル−メチルメタクリレート−トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)、ポリ(メタクリル酸エチル−メタクリル酸メチル)またはその何れか2種またはそれ以上の混合物から選択してもよい。
方法
他の側面では、本明細書に記載する組成物および製剤の製造方法を提供する。そこで、ある態様では、この方法は{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン化合物と医薬的に許容される酸との塩および界面活性剤を混合して本明細書に記載する組成物または製剤を提供することを含む。他の態様では、この方法は{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン化合物、医薬的に許容される酸、および界面活性剤を混合して、本明細書に記載する本発明の組成物または製剤を提供することを含む。例えば、この化合物、酸、および界面活性剤は、化合物と酸を互いに混和して化合物の塩を得、続いてこの化合物の塩と界面活性剤とを混合して本明細書に記載する組成物または製剤を提供することができる。この塩はペーストの形であってもよく、界面活性剤と混合する前に乾燥しおよび/またはさらに処理してもよい。
あるいは、この化合物と酸とを例えば有機溶媒のような製剤助剤に溶解して化合物と酸を混合して、化合物の塩を形成することもできる。塩は例えば沈殿または蒸発または減圧などによる有機溶媒の除去または当業者が知っているいずれかの技術およびそのいずれか2種またはそれ以上の併用によって有機溶媒から単離できる。製剤助剤として使用するための有機溶媒はケトン、アルコール、エーテル、エステルまたはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物を含む。有機溶媒の例はアセトン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびそのいずれか2種またはそれ以上の混合物を含む。ある態様では、この製剤助剤はスプレー乾燥および/または医薬的に許容される担体上への製剤のスプレーコーティングによる固体分散体の形成および/または固体分散体の摩砕による顆粒の形成によって除去される。ある態様では、このような方法で形成する顆粒のサイズは250μmまたはそれ以下である。ある態様では、この顆粒を篩過して(すなわち篩を通して)均一なサイズ分布にした顆粒をカプセルに充填する。カプセルでなくて錠剤を製造する態様では、顆粒を下記のような添加剤と混合して第二の混合物とし、これを打錠して錠剤とする。
本発明方法のある態様では、{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンと医薬的に許容される酸との塩の量は組成物の総重量に対して約0.1重量%〜約80重量%、約0.5重量%〜約70重量%、約1重量%〜約50重量%または約1重量%〜約25重量%の範囲内である。
本発明の組成物および製剤の製法は全て、この酸との塩および界面活性剤に加えて追加的なポリマー性または非ポリマー性担体と混合することを含んでいてもよい。この方法はいずれも酸との塩および界面活性剤に加えてさらに抗酸化剤、着色料、シクロデキストリン、嬌味料、保存料、甘味料、またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物との混合を含んでいてもよい。適当な酸、界面活性剤、ポリマー性および非ポリマー性担体、抗酸化剤、着色料、シクロデキストリン、嬌味料、保存料、甘味料およびその他の添加剤は本明細書のどこかに記載してある。本発明方法のある態様では、界面活性剤の量は組成物の総重量に対して約0.01重量%〜約60重量%、約0.1重量%〜約50重量%または約1重量%〜約25重量%の範囲内である。ある態様では、抗酸化剤は製剤の総重量に対して約1重量%まで存在する。他の態様では、甘味料は製剤の総重量に対して約2重量%まで存在する。他の態様では、嬌味料は製剤の総重量に対して約2重量%まで存在する。
ある態様では、本方法はさらにこの製剤でカプセル剤または錠剤を少なくとも一つ形成することを含む。そのようなカプセル剤または錠剤では、式Iで示される化合物と医薬的に許容される酸との塩の全量は約0.01mg〜約400mg、約0.1〜約400mg、約1〜約400mg、約1〜約100mg、約1〜約50mg、約1〜約25mg、約1〜約10mgまたは1〜約5mgの範囲内である。他の態様では、カプセル剤または錠剤に含まれる式Iで示される化合物、その医薬的に許容される塩、またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物の全量は、約0.01mg〜約10mg、0.1mg〜約10mg、約0.01mg〜約5mg、約0.1mg〜約5mgの範囲内である。なお別な態様では、カプセル剤または錠剤に含まれる式Iで示される化合物、その医薬的に許容される塩、またはそのいずれか2種またはそれ以上の混合物の全量は、約0.01mg〜約100mg、約0.1mg〜約100mg、約0.01〜約50mg、約0.1〜約50mg、約0.01mg〜約25mg、または約0.1mg〜約25mgの範囲内である。カプセル剤を製造する本方法では、そのカプセル剤は、前記のようなカプセルであってもよく、これに限定されない。
カプセルの密封は当業者に知られた多数の方法によって行ってもよい。ある態様では、シーリング法はアルコールと水の溶液の霧を頭部の内側にスプレーして硬いシェルカプセルに接着性ゲルを形成させ、頭部を胴部の上の位置に置いてカプセルを形成させ、このカプセルを約35℃〜約55℃に加温して、接着性ゲルを作用させる方法を含む。他の態様では、カプセルをバンドシールする。
ここに開示する方法で形成した錠剤は、ある態様では、通常の打錠法または一対の逆回転する冷たいモールディングロールを用いて製造する。そこで、固体製剤の製法は、これに限定するものではないが、前記および下記実施例記載の熱溶融法および前記および下記実施例記載の溶媒溶出/蒸発法を含む。
包装
医薬包装はこの業界に遍在し、殆どがここに開示する本製剤に良く適合する。本発明製剤に用いる医薬包装および/または容器は、本明細書に記載するカプセル剤、錠剤、カシェ剤またはロゼンジ剤の1種またはそれ以上のための貯蔵容器を含んでいてもよい。そのような貯蔵容器の態様は医薬的に適合するポリマー、ガラスおよび金属など多数の材料、例えば高密度ポリエチレン、のいずれかで製造したものを含む。開示する医薬包装は、本明細書に開示する製剤のカプセル剤、錠剤、カシェ剤またはロゼンジ剤少なくとも一つを有するブリスター包装を含む。さらに、そのような貯蔵容器は綿またはレーヨンコイルおよび/または熱誘導シールを含んでいてもよい。そのような包装は当業者に広く知られており、この開示の広い側面を限定するものではない。
処置方法
他の側面では、対象における癌を処置する方法、血管形成を阻害する方法および/またはRafキナーゼを阻害する方法を提供する。ある態様では、本方法は癌の処置を必要とする対象に、本明細書に記載する組成物または製剤を投与することを含む。ある態様では、本方法は血管形成阻害剤を必要とする対象に、本明細書に記載する製剤を投与することを含む。他の態様では、本方法はRafキナーゼの阻害剤を必要とする対象に、本明細書に記載する製剤を投与することを含む。本製剤は典型的には式Iで示される化合物、その医薬的に許容される塩、またはそのいずれか2種の混合物のCmaxが約0.1〜約5000ng/mL、約0.1〜1000ng/mL、約0.1〜500ng/mLまたは約1〜150ng/mLおよび/または対象血液中のAUC約0.01〜約5000μg*分/mL、約1〜約5000μg*分/mL、約1〜約2000μg*分/mLまたは約1〜約1000μg*分/mLを示すに充分な量を投与する。しかしながら、対照実験では例示的用量の比率が使用され、対象に投与するAPIの投与用量は約0.01mg〜約50mg/kg対象体重の範囲内であってもよく、これには約0.01mg/kg〜約25mg/kg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、または約0.01mg/kg〜約1、2、3、4または5mg/kgも含む。
式Iで示される化合物、その医薬的に許容される塩またはその何れか2種またはそれ以上の混合物を用いる対象の処置計画および処置法も提供する。ある態様では、対象における癌の処置法および/または血管形成の阻害法は式Iで示される化合物、その医薬的に許容される塩、またはその何れか2種またはそれ以上の混合物の製剤を毎日1回、2回、3回、4回またはそれ以上を投与することを含む。ある態様では、この製剤の投与は、この製剤を毎日7日間、14日間、21日間または28日間投与し、続いて7日間または14日間製剤を投与しない処置周期を含む。他の態様では、この処置周期はこの製剤を毎日7日間投与し、続いて7日間この化合物を投与しないものを含む。ある態様では、処置周期は1回またはそれ以上反復する。
前記のように、式Iで示される化合物の医薬的に許容される塩は対象における様々な癌の処置に使用できる。ある態様では、処置すべき癌は、これに限定するものではないが、膀胱、乳腺、脳、頭頸部、肝臓、胆管の癌腫、急性および慢性リンパ性白血病、急性および慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、結腸直腸、胃、胃腸基質、神経膠腫、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、神経内分泌、肺臓、膵臓、前立腺、腎細胞、肉腫および甲状腺などの癌から選択される。
本発明の製剤、方法または包装のいずれにおいても、カプセル剤に言及するときには、錠剤にも言及するものであることを意図しており、また錠剤に言及するときには、カプセル剤にも言及するものであることを意図している。錠剤および/またはカプセル剤に言及するときには、カシェ剤および/またはロゼンジ剤にも言及するものである。
当業者は言及した全ての範囲は必然的に全ての目的のためにその範囲内の全ての副次的範囲も記載するものであり、またはそうできること、およびそのサブレンジがこの発明の一部または部分を構成するものであることを容易に理解するであろう。記載する範囲はいずれもその範囲を少なくとも二等分、三分割、4分割、5分割、十分割などに分割されたものも記載し、また分割できることを充分に容易に理解できる。非限定的な例であるが、本明細書に記載する各範囲は容易に上中下の3分の1などに分割できる。
この明細書に参照する全ての刊行物、特許出願、特許、その他の文献は本明細書に参考のために個々の出版物、特許出願、登録特許、またはその他の記載はその全体が特異的におよび個々に編入すると指摘するように引用する。参考のために引用する文面に含まれる定義はこの開示に矛盾する範囲に限って除外される。
このように一般的に記載した本態様は、例示として提供する以下の実施例を参照すればさらに容易に理解されるであろうが、これによって本発明を限定する意図はない。
実験
化合物の命名にはAdvanced Chemistry Development, Inc. から購入できるACD Name version 5.07 software (November 14, 2001)、 ChemInnovation Software, Inc.から購入できるChemInnovation NamExpert+NomenclatorTM brand softwareおよびCambridge Soft Corporation (Cambridge, MA)から購入できるChemOffice(商標) Ultra software package version 7.0にあるAutoNom version 2.2を用いた。化合物および出発物質のいくつかは、標準的なIUPAC命名法を用いて記載した。
様々な出発物質は商業的に購入するか、または当技術分野で知られた方法によって製造してもよい。
{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン(式I)の合成
工程1
Figure 0005279712
500mLの3頚フラスコにメカニカルスターラーを装着し、KCO(4.15g、30ミリモル)を入れた。容器を密閉し、減圧し、火力乾燥した。装置を室温まで冷却し、アルゴンを導通した。反応器に4−アミノ−3−ニトロフェノール1a(3.08g、20ミリモル)、4−クロロピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル1b(5.2g、24ミリモル)および乾燥DMSO(30mL)を加えた。得られる混合物を激しく攪拌しつつ100℃に〜14時間加熱した。反応物をリン酸緩衝液(pH=7)氷に注入し、反応フラスコをMTBEと水で洗浄した。二相混合物をセライト(>2cm床)で濾過した。両相を分離分液し、水層をMTBE(3×100mL)で抽出した。有機層を集めて水(5×100mL)で洗い、乾燥(MgSO)し、濃縮した。粗製残渣をSiO、に吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(4:1、2:1、1:1=ヘキサン/EtOAc)で精製して4.92g(14.9ミリモル、収率74%)の化合物1cを黄褐色固体として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ: 8.58 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.17 (dd, J = 2.8, 8.8 Hz, 1 H), 6.94 (dd, J = 2.8, 5.8, Hz, 1 H), 6.91 (d, J = 9.1 Hz, 1 H)、 6.15 (br s, 2 H), 1.62 (s, 9 H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 165.8, 164.0, 151.8, 151.5, 143.4, 143.2, 131.5, 129.8, 121.0, 118.0, 114.2, 113.1, 83.0, 28.4; mp 163-166℃。
工程2
Figure 0005279712
化合物1c(5.62g、17ミリモル)のCHCl(85mL)溶液に0℃でTFAA(2.4mL、3.6g、17ミリモル)を加えた。冷浴を取除き、反応物を2時間室温に維持した。反応物を0℃に冷却し、TBACl(2.5g、8.5ミリモル)、MeSO(3.2mL、4.3g、34ミリモル)、および10%NaOH(34mL)を加えた。得られた混合物を室温で4時間激しく攪拌した。反応物を水で希釈し、得られた両相を分離分液した。水相をCHCl(3×100mL)で抽出し、有機層を集めて食塩水(2×100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮した。粗製の残渣をシリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(4:1、2:1、1:1、1:2=へキサン/EtOAc)で精製して、4.5g(13.0ミリモル、76%)の化合物1dを黄橙色固体として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ: 8.54 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 8.04 (br d, J = 4.7 Hz, 1 H), 7.93 (d, J = 2.8 Hz, 1 H), 7.53 (d, J = 2.5 Hz, 1 H), 7.25 (app dd, J = 2.8, 9.1 Hz, 1 H), 6.91 (m, 2 H), 3.04 (d, J = 4.9 Hz, 3 H), 1.59 (s, 9 H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 165.9, 164.1, 151.5, 144.7, 142.1, 130.4, 118.8, 115.5, 114.1, 112.9, 82.9, 30.4, 28.5; mp 187-189℃。
工程3
Figure 0005279712
火力乾燥した500mL三頚丸底フラスコに窒素を導通し、LAH(3.0g、75ミリモル)および乾燥THF(240mL)を加えた。得られる懸濁液を0℃に冷却し、内温を5℃以下に維持しながら化合物1d(20.7g、60ミリモル)を徐々に加えた。反応混合物を0℃で2時間攪拌し、続いて室温で一夜攪拌した。NaBH(2.27g、60ミリモル)を加えて反応混合物を室温でさらに1時間攪拌した。反応の終了を確認後、反応混合物に水(3mL)、15%NaOH(3mL)および水(9mL)を順次に滴下した。得られた混合物をセライトで濾過し、残留する固体をEtOAcとMeOHとで洗浄した。有機性部分を集めて濃縮して、得られた粗製残渣をSiOに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(97:3=CHCl/MeOH)で精製して7.63g(27.7ミリモル、46%)の化合物1eを赤橙色固体として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.40 (d, J=5.5 Hz, 1 H), 8.05 (br s, 1H), 7.96 (d, J=2.75 Hz, 1 H), 7.29 (d, J=2.75 Hz, 1 H), 6.92 (d, J=9.35 Hz, 1 H), 6.75 (m, 2 H), 4.68 (s, 2 H), 3.07 (d, J= 5.23 Hz, 3 H)。
工程4
Figure 0005279712
100mL丸底フラスコに化合物1e(1.38g、5.0ミリモル)、MnO(6.52g、75ミリモル)およびCHCl(20mL)を加えた。得られた懸濁液を室温で2日間攪拌した。反応混合物をセライトで濾過し、残留する固体をCHClとEtOHとで順次洗浄した。有機性部分を集めて濃縮し、シリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(98:2=CHCl/MeOH)で精製して790mg(2.89ミリモル、58%)の化合物1fを橙色固体として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 10.01 (s, 1 H), 8.64 (d, J = 5.5 Hz, 1 H), 8.09 (br s, 1 H), 7.96 (d, J = 2.75 Hz, 1 H), 7.37 (d, J = 2.48 Hz, 1 H), 7.29 (d, J = 2.75 Hz, 1 H), 7.08 (dd, J = 2.47, 5.5 Hz, 1 H), 6.94 (d, J = 9.35 Hz, 1 H), 3.08 (d, J = 5.23 Hz, 3 H)。
工程5
Figure 0005279712
ケトン1g(Lancaster、25.75mL、136.5ミリモル)を酢酸ナトリウム(NaOAc;22.4g、273ミリモル)のHO(60mL)溶液に加え、得られた溶液を10分間100℃に加熱した。室温まで冷却後、化合物1hの溶液をNHOH(150mL)とMeOH(450mL)とに化合物1f(25g、91ミリモル)を懸濁した液に加えた。得られた混合物を室温で一夜攪拌した。TLC(95:5=CHCl/MeOH)は化合物1fの完全な消費を示した。粗製の生成物を濃縮して水性スラリーとし、飽和NaCOとCHClとの間に分配した。水相をCHClで3回抽出し、有機相を集めて食塩水で洗い、MgSOで乾燥し、濃縮して化合物1i(31.6g、83ミリモル)を橙色固体(収率91%)として得た。これ以上の精製は不要であった。
工程6
Figure 0005279712
化合物1i(45.76g、120ミリモル)をMeOH(220mL)およびEtOAc(200mL)中にスラリー化し、これにNを20分間導通し、次に10%Pd/C(12.77g、120ミリモル)をMeOH(60mL)に懸濁して加えた。反応物にHを導通し、H雰囲気下に2日間維持した。反応物をセライト床で濾過し、固体を集めてMeOHおよびEtOAcで順次洗浄した。有機性の濾液を集めて濃縮し、得られる固体をCHClと共沸し、一夜減圧乾燥して40.17g(115ミリモル)の化合物1jを褐色粉末(収率96%)として得た。
LCMS m/z 336.1 (MH+); tR = 1.81 min。
工程7
Figure 0005279712
化合物1j(40.17グラム、115ミリモル)のMeOH(460mL)溶液を室温で攪拌しつつこれに4−(トリフルオロメチル)フェニルイソチオシアネート(23.37g、115ミリモル)を加えた。反応物を16時間室温に維持した。反応終了後、FeCl(20.52g、126.5ミリモル)のMeOH(50mL)溶液を反応物に加え、得られた混合物を室温で一夜攪拌した。粗製反応混合物をEtOAc(750mL)と水(750mL)の入った3L分液漏斗に移した。両層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(水層は保存した)。有機層を集め、飽和NaCO水溶液、水および食塩水で洗い、次に乾燥(MgSO)し、濃縮した。保存した水層に飽和NaCO水溶液を加えて塩基性(pH=10)とし、得られるスラリーをEtOAc(500mL)が入った3L分液漏斗に加えた。混合物を振盪し、得られる乳濁液を濾紙で濾過し、両層を分離し、水層をEtOAc(2×500mL)で抽出した。有機層を集め、食塩水で洗い、次に乾燥(MgSO)し、前に抽出した物質と混ぜて濃縮した。生成物を集めてCHCl(500mL)とかき混ぜた後、SiOに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィーで精製した。CHCl中で物質をかき混ぜると最後に式Iで示される化合物が純粋な白色固体として得られた。
LCMS m/z 519.1 (MH+); 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.44 (d, J = 5.5 Hz, 1 H), 7.75 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.61 (dd, J = 2.2, 8.5 Hz, 1 H), 7.59 (d, J = 8.8 Hz, 2 H), 7.56 (d, J = 2.5 Hz, 1 H), 7.38 (app d, J = 8.5 Hz, 1 H), 7.23 (d, J = 1.9 Hz, 1 H), 6.96 (dd, J = 2.2, 8.5 Hz, 1 H), 6.93 (dd, J = 2.5, 5.5 Hz, 1 H), 3.76 (s, 3 H); LCMS m/z = 519.0, tR = 2.57 min (MH+); 分析、C24H16F6N6O計算値: C 55.6, H 3.11, N 16.21; 実測値: C 55.81, H 3.43, N 16.42; mp: 217〜220℃(分解)。
APIの水溶性
式Iで示される化合物の水に対する溶解度をpHの関数として評価した。式Iで示される化合物の溶解度は振盪フラスコ法で測定した。以下に記載する塩酸(HCl)水溶液は100、33.3、11.1、3.7、1.2、0.4および0mMに調製した。以下に記載する水酸化ナトリウム(NaOH)の水溶液は1.2および0.4mMに調製した。これら各溶液のイオン強度は塩化カリウムを用いて0.15に調整した。式Iで示される化合物の過剰量を1.5mLポリプロピレン製チューブ内の前記各溶液1mL量に加えた。チューブを室温で5日間振盪した後に分析した。分析の日に、チューブを22℃で20分間マイクロ遠心分離機を用いて毎分15000回転(rpm)で遠心分離した。上清液内の式Iで示される化合物の濃度はHPLCで測定した。上清液のpHは、使用前に補正したOrion pH meterで測定した。
この化合物の様々なpHにおける水に対する溶解度を表1に列挙する。記載の通り、{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンは実質的に水には不溶性である。
Figure 0005279712
式Iで示される化合物の塩の製造
式Iで示される化合物は実施例1に記載のようにして製造した。塩酸(HCl)、水酸化ナトリウム(NaOH)、酢酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、エタンスルホン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、リン酸および硫酸は全てUSP−NFの等級であるかまたは米国化学会の等級である。
式Iで示される化合物の様々な塩への変換は有機液体媒体中での酸−塩基反応によって行い、続いて有機溶媒をゆっくりと蒸発させることにより達成したが、メシレート、エシレートおよびマレエートについては下記の実施例6に記載する方法で製造した。式Iで示される化合物(443.4mg)を正確に秤量し、アセトン7.39mLとメタノール1mLからなる溶媒混合物全容8.39mLに溶解した。この溶液0.567mL容を1.5mLポリプロピレン製チューブに入れ、乾燥して固体の式Iで示される化合物30mgを得た。式Iで示される化合物を入れたチューブをフード中で一夜放置して風乾した。等モル量の相手方である各酸をその酸(1mL;57.86mM−酸溶液)のアセトニトリル(ACN)溶液からバイアルに加えた。得られる変換された塩の懸濁液を一夜室温で攪拌した。翌日、塩の懸濁液にメタノール0.5mLを加えて溶解し、1時間攪拌し、化学フードで風乾した。乾燥後、固体の塩を鏡検および水溶性試験を行った。鏡検は偏光顕微鏡を用いて行って材料の結晶性を評価した。塩の溶解度はつぎのようにして測定した:過剰な固体塩材料を1.5mL−ポリプロピレン管中の脱イオン水1mLに加え、48時間室温で攪拌した。次にこの管を22℃で20分間マイクロ遠心機を用いて15000rpmで遠心分離した。上清液中の様々な塩の濃度はHPLCで測定し、各々のpHを測定して記録した。上清液を棄却し、ペレットを脱イオン水に再溶解して別の溶解度測定に用いた。
HPLC分析は、Waters Alliance(商品名)2695 Separation Moduleを用いてWaters 2996 Diode Array Detectorを装着して行った。分離は4.6×150mmSynergi Hydro-RPC18逆相HPLCカラムを用いて温度35℃で行った。移動相の条件は0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)水溶液(溶媒A)および0.1%トリフルオロ酢酸のACN溶液(溶媒B)から調製した。流速は表2に示す線形溶離液の1mL/分に維持した。
Figure 0005279712
式Iで示される化合物の定量分析は波長254nmで外部標準曲線を用いて行った。
式Iで示される化合物の水溶性および溶出速度を向上させる目的で、先ず酸10種を式Iで示される化合物の遊離塩基と塩を形成する性能についてスクリーニングした。この酸には例えば酢酸および乳酸のような比較的弱い酸を含めた。この酸には例えば表3に示す硫酸、塩酸、トルエンスルホン酸およびメタンスルホン酸のような強酸も含めた。
採取した塩の結晶学的性質は偏光顕微鏡を用いて顕微鏡学的に評価した。表3に示す通り、採取した塩の顕微鏡学的試験で、ある塩は結晶であり、他のものは結晶形と無晶形の混合物であることが判明した。塩を水との平衡溶解度について評価した時に、各塩は低レベルの溶解性および飽和溶液の低いpHを示した。式Iで示される化合物は非常に弱い塩基なので、塩は水性媒体中で解離して遊離塩基および各々の相手側の酸のカウンターイオンに戻ると推測した。それ故、水懸濁液中に残る固体を採取して、新たに加えた脱イオン水に対する溶解度を測定した。表3に示す通り、得られた溶解度は遊離塩基のものと一致し、水と接触すると塩は遊離塩基に戻ることを確認した。観察された式Iで示される化合物の塩の挙動は、その化合物に固有の弱い塩基性と水に対する低い溶解度が与えられれば予期できないものではない。表1における式Iで示される化合物のpH−溶解度特性を仔細に検討すると、この化合物は試験した最低pH、すなわちpH1.36でも最高溶解度に達しなかったことが判明する。これは式Iで示される化合物の塩の飽和溶液はpHが1.36以下であることを示す。飽和溶液に達するために低pHが必要な塩は不安定であること、および水性媒体と接触すると遊離塩基に戻ることが知られている(Serajuddin A. T. M. and Pudipeddi M. Salt Selection Strategies. In Handbook of Pharmaceutical Salts Properties, Selection, and Use. Stahl P.H. and Wernauth C. G. (Eds). 2002, Wiley-VCH)。
Figure 0005279712
1結晶性は偏光顕微鏡で判定した;
2有機溶媒から収集した塩の水溶性;
3飽和水溶液のpH;
4飽和水溶液から採取した残渣固体の水溶性。
カプセル固体投与製剤
弱塩基であるAPIは、媒体のpHが下がるにつれて水溶性が増大する。そこで、APIの水溶性はその酸との塩への変換によって改善できる。酸2種、すなわち塩酸およびメタンスルホン酸を、API塩基を塩の形に変換する酸のプロトタイプに選択した。
式Iで示される化合物は、実施例1に記載のようにして製造した。界面活性剤の中からd−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000サクシネート(TPGS;Eastman Chemicals)、Gelucire 44/14(Gattefosse)、ポロキサマー188(Pluronic F-68; Sigma chemicals)およびポリオキシル40ステアレート(Myrj 52-S、Uniqema)を湿潤化剤およびAPI遊離塩基の水溶性促進剤として選択した。これら界面活性剤を選択した理由は、そのHLB値が高いことおよび常温で固体であることである。クロスポビドン(BASF)、澱粉グリコール酸ナトリウムおよびStarch 1500(Colorcon)は崩壊剤の可能性から選択した。Avicel PH 101(FMC)、Povidone K30(BASF)およびヒュームドシリカ(Degussa Corporation)は各々増量剤、結合剤および流動促進剤として使用した。PEG8000、オレイン酸、メタンスルホン酸、塩酸およびアセトンは入手のままで使用した。
製剤の製造
この製剤は次の手法3種を用いて製造した:(1)分離した式の化合物の各塩形を直接使用する;(2)原位置形成と溶解促進剤を併用する;および(2)溶解促進剤のみを使用する。これらの手法を用いて製造した製剤を表4および表5に要約する。
1.塩分離手法および塩非分離形成手法を使用する様々な製剤の製法
Figure 0005279712
1製薬用助剤、製造後除去。
分離した(すなわち予備的に単離した)塩形を使用する表4の製剤#1および#2は、次のようにして製造した:API3gをアセトン25gに溶解し、1gの37%HClまたはメタンスルホン酸1g(APIと当量の約2倍)のいずれかと混合した。生成する透明黄色溶液を数時間放置するとAPIの塩形が溶液から完全に沈殿した。沈殿を濾取し、乾燥した。塩形をその他の添加剤(ヒュームドシリカを除く)と混合し、グラインダー中で水約1.5mLを加えて湿式顆粒化した。次に顆粒を層流フード中、室温で24時間またはそれ以上乾燥した。乾燥した顆粒をヒュームドシリカとグラインダー中で混合した。得られる顆粒は次の使用に必要となるまでガラス製10mLシンチレーションバイアルに貯蔵した。顆粒約368mg(すなわちAPI遊離塩基用量100mg対応)を00サイズの硬ゼラチンカプセルに充填した。
表4の#3および#4製剤は原位置で製造した塩形であるが、次のようにして製造した:スパーテルを用いてAPI3gを約3gの37%HClまたはメタンスルホン酸約3g(APIと当量の約6倍)のいずれかと完全に混合して均質なペーストとした。このペーストを一夜放置した。ペーストをその他の添加剤と混合し、グラインダー中で水約1.5mLを用いて顆粒化した。得られた顆粒を乾燥し、次の使用に必要となるまでガラス製10mLシンチレーションバイアルに貯蔵した。顆粒約435mg(すなわちAPI遊離塩基用量100mg対応)を00サイズの硬ゼラチンカプセルに充填した。
表4の#5製剤は原位置で製造した塩酸塩であるが、次のようにして製造した:APIをPEG8000と約60℃で混合してペーストを形成する。このペーストを37%HClと混合する。ポロキサマー188とTPGSを熱溶融体に加え、均質な溶融体が形成されるまで完全に混合する。溶融体をアルミニウム箔上に薄い膜状に広げ、放冷した。シートを裁断し、グラインダーで粉砕し、ヒュームドシリカと混合して顆粒とした。顆粒約420mg(すなわちAPI遊離塩基100mg相当)をサイズ00硬ゼラチンカプセルに充填した。
2.比較実験:溶解促進剤として界面活性剤を用いる湿式顆粒製造
Figure 0005279712
表5の製剤プロトタイプ#6、#7および#8は以下のようにして製造した
各製剤プロトタイプについて指定の成分全てを混合し、グラインダー中で水2〜2.5mLを用いて顆粒化した。顆粒を乾燥し、サイズ00硬ゼラチンカプセルに充填して各カプセルがAPI遊離塩基100mを含むようにした。
溶出試験方法
溶出試験は疑似胃液(SGF)900mL中、37±0.5℃でUSPのタイプ2溶出試験装置を用いて行った。溶出試験は100rpmのパドル回転速度で行った。シンカーを用いてカプセルが浮かないようにした。15、30、45、60、90および120分に粗いインラインフィルターでサンプル約2.5mLを採取した。このサンプルを0.45μmディスクフィルターで濾過し、HPLCで検定した。下記の方法3種を用いて測定したこの製剤の溶出特性を表6に示す。
Figure 0005279712
製剤#1〜製剤#5は溶解促進剤および原位置塩形成手法を用いて製造した
製剤#6〜製剤#8は溶解促進剤のみを使用する手法で製造した
溶解促進剤と原位置塩形成手法とを組合せた手法では、APIと酸との両方を適当な溶媒、例えばアセトンまたは溶融PEG8000に溶解して溶液から沈殿する塩を分離し、さらに処理することによって(例えば#1、#2および#5);または両成分と酸とを直接混合し、顆粒液を用いてその混合物を湿式で顆粒化することによって(例えば#3および#4)行った。その結果は溶出特性が使用する等モル比の酸のタイプ(塩酸対メタンスルホン酸)にも顆粒製造のために原位置形成に採用した方法または過程(溶媒沈殿対酸存在下の直接顆粒化)のいずれにも影響を受けないことを示唆する。得られたカプセルは非常に速い溶出、すなわち90%またはそれ以上のAPIがカプセルから30分間以内に放出されることを示した。これに反して、溶解促進剤単独を用いる手法で製造した製剤(例えば#6、#7および#8)のカプセルからの放出は最適値には到らなかった。
錠剤およびカプセル剤の固体投与製剤
方法1:湿式顆粒化
湿式顆粒化法では、脱イオン水の存在または不在下にミキサー中、APIと酸とをモル比1:1〜1:6で混合して顆粒化液を形成する。次にこの顆粒液を使用して他の不活性成分を湿式顆粒化する。得られる湿った混合物を乾燥し、粉砕して均質な顆粒を得る。その他の添加剤を顆粒に加えて最終混合物を得ることができる。この最終混合物をツーピースゼラチンまたはHPMCカプセルに充填する。この最終混合物は打錠して錠剤としてもよい。この錠剤またはカプセルはさらにコーティングして、放出特性を修正し、外観/味を改善し、および/または生成物を貯蔵環境から保護することもできる。
製剤#9
澱粉グリコール酸ナトリウム、ポロキサマー188および微結晶セルロースをKey International KG5顆粒製造機で乾燥下に混合する。APIをガラス製ビーカー中で5%塩酸に溶解し、顆粒化液としてKG5に移す。顆粒を羽根速度400rpmおよびチョッパー速度2000rpmで1分間混合する。得られる顆粒は水分量が10%以下になるまで40℃のオーブンで乾燥する。形成された顆粒を次に#20メッシュの篩で篩過する。篩過した顆粒を追加的微結晶セルロースおよび澱粉グリコール酸ナトリウムとVブレンダーで5分間混合する。二酸化珪素とステアリン酸とを混合物に加え、さらに3分間混合する。最終混合物を次にVブレンダーから取出し、Carver pressを用いて1/2インチ丸型標準凹面具で打錠して錠剤にする。
Figure 0005279712
Figure 0005279712
方法2:湿式顆粒化
APIおよび担体を高せん断ミキサーまたはプラネタリーミキサーで混合する。次に酸溶液を乾燥混合物に添加して顆粒化液とする。次に得られる湿式混合物を乾燥し、粉砕して均一な顆粒としてもよい。追加的添加剤を顆粒に追加して最終混合物とすることもできる。この最終混合物をツーピースゼラチンカプセルまたはHPMCカプセルに充填する。あるいはこの最終混合物を打錠して錠剤にしてもよい。この錠剤またはカプセルをさらにコーティングして溶出特性を修正し、外観/味を改善し、または生成物を保存環境から保護することもできる。
製剤#10
API、クロスポビドン、ポロキサマー188および微結晶セルロースをPMS高速顆粒製造機中で乾燥下に混合する。希釈したメタンスルホン酸を乾燥混合物に加えて湿式顆粒を作製する。得られる湿式顆粒をGPCG流動床乾燥機を用いて乾燥し、Comillで粉砕して所望の粒子径範囲内とする。粉砕した顆粒を澱粉グリコール酸ナトリウムとVブレンダーで5分間混合する。二酸化珪素とステアリン酸マグネシウムを混合物に加え、さらに3分間混合する。最終混合物をVブレンダーから取出し、MG2カプセル剤製造機を用いて顆粒をサイズ00の硬ゼラチンカプセルに充填する。
Figure 0005279712
Figure 0005279712
方法3:湿式顆粒化
APIと界面活性剤を揮発性有機溶媒に溶解して溶液とする。この溶液に酸を加えて顆粒液とする。医薬用担体およびその他の不活性成分を顆粒液で湿式顆粒化する。得られる顆粒を乾燥し、粉砕して均質なサイズの顆粒とする。追加的な添加剤を顆粒に加えて最終混合物としてもよい。最終混合物をツーピースゼラチンカプセルまたはHPMCカプセルに充填してもよい。最終混合物は打錠して錠剤としてもよい。この錠剤またはカプセル剤はさらにコーティングして、放出特性の修正、外観/味覚の改善および/または貯蔵環境からの生成物の保護などを達成してもよい。
製剤#11
APIとポロキサマー188をアセトンに溶解し、硫酸を加えて顆粒液とする。クロスポビドンおよび微結晶セルロースをLB Bohleワンポットプロセッサーを用いて乾燥下に混合し、次に顆粒液を用いて湿式で顆粒化する。顆粒をワンポットプロセッサーで真空と加熱を用いて乾燥する。得られる顆粒をComillを用いて粉砕して所望の粒子径とする。粉砕した顆粒を次にVブレンダーに入れてクロスカルメロースナトリウムと5分間混合する。二酸化珪素とステアリン酸マグネシウムを前記混合物に加えてさらに3分間混合する。この最終混合物をVブレンダーから取出し、MG2カプセル製造機を用いてサイズ00の硬ゼラチンカプセルに充填する。
Figure 0005279712
Figure 0005279712
方法4:スプレー乾燥
APIおよび界面活性剤を揮発性有機溶媒に溶解する。固体の担体を溶液に加えて懸濁液とし、続いて酸を加えてスプレー乾燥用の最終懸濁液とする。追加的添加剤をスプレー乾燥した顆粒に加えて最終混合物とすることができる。最終混合物をツーピースゼラチンカプセルまたはHPMCカプセルに充填することができる。最終混合物は打錠して錠剤とすることもできる。この錠剤またはカプセル剤はさらにコーティングして、放出特性の修正、外観/味覚の改善および/または貯蔵環境からの生成物の保護などを達成することができる。
製剤#12
APIとポロキサマー188をアセトンに溶解して溶液とする。この溶液にクロスポビドンと微結晶セルロースを加えて懸濁液とする。この懸濁液に硫酸を加え、得られる混合物をNiroスプレー乾燥機で処理する。得られるスプレー乾燥顆粒をVブレンダーに入れてクロスカルメロースナトリウムと5分間混合する。混合物にステアリン酸マグネシウムを加え、さらに3分間混合する。最終混合物をVブレンダーから取出し、MG2カプセル剤製造機を用いてサイズ00硬ゼラチンカプセルに充填する。
Figure 0005279712
Figure 0005279712
方法5:共沈澱
共沈殿法では、APIと界面活性剤を適当な揮発性有機溶媒に溶解する。次に溶液に不溶性固体担体と酸を加えて原位置生成API塩と界面活性剤と担体との共沈殿を誘導する。溶媒は留去するか、または他の方法で除去してもよい。得られる共沈殿物を収集し、乾燥してもよい。得られる粒子を粉砕し、篩過し、ツーピース硬カプセルに充填する。あるいは、これら製剤をさらに粉砕、篩過、他種添加剤との混合などの処理をし、打錠して錠剤の投与製剤としてもよい。
製剤#13
APIとポロキサマー188をアセトンに溶解する。溶液にクロスポビドンと二酸化珪素を加えて懸濁液とする。システイン塩酸塩を懸濁液に加え、得られる混合物を真空蒸発機で溶媒を除く。次に得られる固体粒子を粉砕し、Vブレンダーに入れてクロスカルメロースナトリウムと5分間混合する。混合物にステアリン酸マグネシウムを加え、さらに3分間混合する。最終混合物をVブレンダーから取出し、Torpac(商品名)Profillカプセル充填システムを用いてHPMCカプセルに充填する。
Figure 0005279712
Figure 0005279712
混合、射出、サイジング、封入、密閉、充填、打錠、およびその他の薬剤製造法を援助する多数の適当な装置は何れも使用できる。様々なツーピース硬カプセルは、これに限定するものではないが、ツーピースHGCカプセル、HPMCカプセルおよび天然プルランカプセルを含む。カプセルシェルは例えばタルクおよび二酸化チタンのような乳白剤または着色料を含むことができる。本明細書には実験で使用される多数の装置を記載するが、それらには多数存在する様々な製品、モデル、および製造業者をどのような意味でも限定的な意図はない。例えば混合機はGlatt Air TechniquesおよびNiro Pharma Systemから購入できるPK V-Blenders、コーンタンブルブレンダー、流動層顆粒機、プラネタリーミキサーおよびリボンブレンダーを含む。熱溶融押出装置はAmerican Leistritz Extruder Corporationから購入できるZSE 18 HP; ZSE 27 HP; ZSE 40 HP;Micro 18およびMicro 27 共回転および逆回転二軸押出機;Brabender Measurement & Control Systemsから購入できる単スクリュー19/20 DN、および二スクリュー押出DSE 25 & DSE 35共回転および逆回転二軸押出機;およびCaleva Process Solutions Ltdから購入できるCaleva Extruders Models 20, 40& 100を含む。サイジング装置はQuadroから購入できるComil Sizers;Fitzpatrickから購入できるHammermill sizers;多数の業者から購入できるOscillator sizersを含む。溶融物質充填用硬カプセル充填機には、例えばQUALICAPS F-40-LIQFILsuper40、QUALICAPS F-80-LIQFILsuper80、QUALICAPS F-120-LIQFILsuper120、QUALICAPS F-150-LIQFILsuper150および Capsugel CFS 1000 Capsule Filling and Sealing Machineのようなものがある。硬カプセルシーリングマシンには例えばQUALICAPS S-40 HICAPSEALおよびQUALICAPS S-100 HICAPSEALがある。固体粉末を充填するために使用する硬カプセル充填機はMGのMG2、BoschのGKFおよびIMAのZanasiがある。打錠装置はManesty、FetteおよびCourtoyから購入できる。Niro Pharma Systems から購入できる錠剤コーティング装置は例えばSIROCCO(商標);MULTI-PROCESSOR(商標);MP-MICRO(商標);STREA-1(商標);およびMP-1 MULTI-PROCESSOR(商標)およびGlatt例えばその流動層顆粒/ドライヤー/塗布機のようなものがある。
錠剤(table)投与製剤の追加的な変更
錠剤剤形は外観、気品および/または味を改善するためにコーティングしてもよい。場合によっては、錠剤を糖、セルロースポリマー、および/またはポリメタクリレートポリマーでコーティングする。購入可能なコーティング剤の例は商品名OPADRY(商標)、SURELEASE(商標)、AQUACOAT(商標)およびEUDRAGIT(商標)である。コーティング剤はさらに医薬的に許容される着色料および/またはこれに限定するものではないが例えば二酸化チタンまたはタルクのような乳白剤を含む医薬的に許容される乳白剤を含んでいてもよい。あるいは錠剤をゼラチンでコーティングしてもよく、またはゼラチンシースに封入してもよい。ゼラチンシース材料はさらに医薬的に許容される着色料および/または医薬的に許容される乳白剤を含んでいてもよい。
塩の安定性、特徴および形態学的研究
実施例3に記載の条件の他に様々な条件下に20種の酸をAPIとの塩を形成する性能について検索した。APIの塩3種:メシレート、エシレートおよびマレエート、をさらに研究してその安定性、化学的性質および物理化学的特性について検討した。これらの塩における酸対塩基(API)の比率はメシレートでは2:1、エシレートでは2:1、マレエートでは1:1であった。この研究に用いた塩は次のようにして製造した。
メシレート:メタンスルホン酸2当量をTHF20mL中のAPI3gに室温で徐々に加えた。得られた懸濁液を2時間平衡させた後、固体を濾取した。固体を真空下に50℃で乾燥した。
エシレート:エタンスルホン酸2当量をTHF20mL中のAPI3gに室温で徐々に加えた。得られた懸濁液を2時間平衡させた後、固体を濾取した。固体を真空下に50℃で乾燥した。
マレエート:マレイン酸1当量をTHF20mL中のAPI3gに室温で徐々に加えた。得られた懸濁液を2時間平衡させた後、固体を濾取した。固体を真空下に50℃で乾燥した。この研究で使用した装置と方法は次の通りとした:
溶解度の測定:過剰量の固体を25℃±0.1で24時間以上平衡させた。水性上清液中の濃度はUVおよびHPLCで測定し、有機溶媒中の濃度は重量測定によって測定した。
溶出:本質的溶出速度測定は0.5cm2VanKel die装置を用いてペレット圧1トンで測定した。溶出はCary 50分光光度計を用いて攪拌速度200rpmで測定した。溶液媒体は37℃に維持し、測定は276nmで行った。
吸湿性:吸着/脱着等温線はVTI vapor sorption device(DVS−l)を用いて測定した。測定は25℃で行った。
多形の挙動:薬剤物質6mgを溶媒300μLに懸濁した。検体を22℃〜20℃で>=24時間攪拌した。固体を採取し、変化を研究した。
HPLC法
カラム:
移動相:
勾配:
流速:
カラム温度:
注入量:
検出 Symmetry C18 (Waters), 3.5μm、3×150mm
A=0.1%TFA水溶液;B=アセトニトリル
10分間に20〜100%B
0.6mL/分
40℃
約1μgAPI
UV254nm
この塩3種の呈色および分解産物に関する安定性を様々な条件下に評価した。結果を下記表7に示す。この塩3種の化学的および物理化学的性質を測定し、表8に示す。形態学的研究の結果を表9に示す。
Figure 0005279712
↓ 懸濁液 x ストレステスト後透明溶液
− 変化なし A 呈色不変
B 僅かな変化 C 中庸な変色
D 強く変化 * 試験せず
DPはHPLC(方法は付録2参照)で分析した。値は面積%または外部基準で計算した。
DSC:純度:100%−(副産物および分解産物の合計)
添加剤混合物の組成(重量%)
混合物1:乳糖200メッシュ/加工トウモロコシ澱粉1500LM/Aerosil200/ステアリン酸マグネシウム78.5:20:0.5:1(m/m/m/m)。
混合物2:マンニトール/Avicel PH 102/Cutina HR(57:38:58(m/m/m)。
Figure 0005279712
Figure 0005279712
塩の形成:APIは殆どの有機溶媒に対する溶解度が低い。アセトンとテトラヒドロフランは塩の結晶化に最高の結果を与えた。エタンスルホン酸およびメタンスルホン酸との塩形成は急速な沈殿を起し、溶液が濃密になり、後処理が有望になる。マレイン酸との塩形成はさらに結晶過程を制御しやすい。
水溶性:API遊離塩基は水には殆ど不溶性である。メシレートとエシレートでは全てのpHレベルで塩形成は明らかに水溶性を改善する。マレエートの水溶性は低いpHでは高く、中性条件(>pH3)では低いと思われる。特性的溶出データはpH1での溶出速度がエシレート=メシレート>マレエート>>遊離塩基の順序であることを示す。水中ではこの順序はマレエート>エシレート=メシレート>>遊離塩基に変わる。
安定性:APIの水安定性の最適pHは5である。低いpHでは、分解産物が僅か増加し、高いpH(9および11)ではAPIが分解する。メタノール中では、遊離塩基およびマレエート塩は安定であるが、エシレートとメシレートは不純物2.7%を示す。0001
塩の性質と形態:遊離塩基の結晶が良好に形成されるのと異なって、塩3種の結晶は全て良好さが低い傾向を示した(図1A〜D参照)。遊離塩基およびマレエートの熱重量測定データ(図2Aおよび図5A)は前者が水和物であり、後者には残留溶媒がないことを示す(LOD=0.1%)。マレエートの示差熱分析(DTA)パターンは溶融まで平坦であり、溶融の吸熱は強い均一な転移を示す(図5B)。対照的に、メシレート塩とエシレート塩では乾燥によって比較的大きく減少し(図3Aおよび図4A)、標本には残留溶媒または揮発性不純物があることを示唆する。これに加えて、両DTAパターンには加熱による相変化を示す多重の弱い遷移が認められる。水分吸着特性は、遊離塩基が非吸湿性であり、マレエートは僅かに吸湿性であり、メシレートとエシレートは吸湿性であることを示す。吸着特性グラフのオーバーレイを図6に示す。
イヌにおけるAPIおよびAPI塩の生物学的利用能研究
APIの遊離塩基、マレエート塩およびメシレート塩の生物学的利用能をビーグル犬で研究した。比較のために、遊離塩基のマイクロエマルジョンも検討した。この研究は体重各9〜15kgの犬4匹について行った。少なくとも1週間のウォッシュアウト期間を用いるクロスオーバー設計を用いた。空腹時のイヌに被検化合物100mg単回用量を経口投与した。APIの血中濃度を測定するために、投与後48時間まで血液標本を採取した。各血液標本のAPI濃度をHPLC−質量分析によって分析した。イヌで行った以前の研究からのデータを用いて、遊離塩基、マレエート塩およびメシレート塩の各生物学的利用能を遊離塩基マイクロエマルジョンと比較して測定した。
この研究の結果を図7に示す。図7から明らかなように、API遊離塩基の経口吸収は低く、遅かった。メシレート塩およびマレエート塩のCmaxは遊離塩基よりも高く、はるかに改善された経口吸収を示した。表10は、この研究で測定した薬動力学的パラメータの概要を示す。
Figure 0005279712
a:TlagおよびTmaxは中央値(範囲);その他のパラメータは平均値と標準偏差を示す。
b:1.25mg/kgの静脈内投与での測定値である。
c:マイクロエマルジョンに対する測定値である。

Claims (38)

  1. {1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンのメタンスルホン酸塩または{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンのマレイン酸塩である、塩。
  2. {1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンのメタンスルホン酸塩である、請求項1に記載の塩。
  3. {1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンのマレイン酸塩である、請求項1に記載の塩。
  4. 活性成分として請求項1〜3のいずれかに記載の塩を含む、医薬組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の塩および界面活性剤を含む、医薬組成物。
  6. の量が組成物全重量に対して0.0025重量%〜80重量%である、請求項に記載の医薬組成物。
  7. 界面活性剤がHLB値が8または8以上である、請求項に記載の医薬組成物。
  8. 界面活性剤が、ポリオキシエチレンヒマシ油化合物、ポリオキシエチレンモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンのC−C22−脂肪酸モノ−およびジ−エステルとグリセリンのC−C22−脂肪酸モノ−、ジ−およびトリ−エステルとの混合物、α−トコフェリルポリエチレングリコール1000サクシネート、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、糖脂肪酸エステル、またはこの何れか2種またはそれ以上の混合物から選択される、請求項に記載の医薬組成物。
  9. 界面活性剤がポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40水素化ヒマシ油、ポリオキシル60水素化ヒマシ油、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリオキシル40ステアレート、ポリオキシル150ステアレート、ポリオキシル150ジステアレート、d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000サクシネート、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー407、ソルビタンモノラウリルエステル、ソルビタンモノパルミチルエステル、ソルビタンモノステアリルエステル、またはこの何れか2種またはそれ以上の混合物である、請求項に記載の医薬組成物。
  10. 界面活性剤がd−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000サクシネート、ポロキサマー188、またはこの何れか2種またはそれ以上の混合物である、請求項に記載の医薬組成物。
  11. 界面活性剤の量が組成物の総重量に対して0.01重量%〜60重量%である、請求項に記載の医薬組成物。
  12. 蒸留水への溶解度が少なくとも0.058mg/mLである、請求項11のいずれかに記載の医薬組成物。
  13. 擬似胃液への溶解度が少なくとも0.058mg/mLである、請求項11のいずれかに記載の医薬組成物。
  14. {1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンの100mg相当量を含む医薬組成物のサンプルの少なくとも90重量%が擬似胃液900mLに37±0.5℃で90分間または90分間以下で溶解する、請求項11のいずれかに記載の医薬組成物。
  15. 体である、請求項11のいずれかに記載の医薬組成物。
  16. さらに担体を含む、請求項11のいずれかに記載の医薬組成物。
  17. さらに、抗酸化剤、着色料、シクロデキストリン、嬌味料、保存料、甘味料、またはこの何れか2種またはそれ以上の混合物を含む、請求項11のいずれかに記載の医薬組成物。
  18. プセル剤または錠剤に含まれる、請求項11のいずれかに記載の医薬組成物。
  19. の総重量が0.01mg〜400mgの範囲内にある、請求項18に記載の医薬組成物。
  20. と界面活性剤を混合して医薬組成物を提供することを含む、請求項5に記載の医薬組成物の製造方法。
  21. さらに塩と界面活性剤を担体と混合することを含む、請求項20に記載の方法。
  22. さらに抗酸化剤、着色料、シクロデキストリン、嬌味料、保存料、甘味料、またはこの何れか2種またはそれ以上の混合物を前記した酸との塩および界面活性剤と混合することを含む、請求項20に記載の方法。
  23. 化合物、医薬的に許容される酸、および界面活性剤を混合して、医薬組成物を提供することを含む、請求項5に記載の医薬組成物の製造方法であって、その化合物が{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンであり、酸がメタンスルホン酸またはマレイン酸である方法。
  24. 合物と酸を混合してその化合物の塩を提供し、それに続いて化合物の塩を界面活性剤と混合することによって、化合物、酸、および界面活性剤を混合して医薬組成物を提供する、請求項23に記載の方法。
  25. その化合物と酸とを有機溶媒に溶解することによって化合物と酸とを混合して化合物の塩を形成させる、請求項24に記載の方法。
  26. さらに有機溶媒から塩を単離する、請求項25に記載の方法。
  27. 塩を有機溶媒から沈殿させることによって分離する、請求項26に記載の方法。
  28. 有機溶媒がケトン、アルコール、エーテル、エステル、またはこの何れか2種またはそれ以上の混合物である、請求項25に記載の方法。
  29. 有機溶媒がアセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはこの何れか2種またはそれ以上の混合物である、請求項25に記載の方法。
  30. さらに酸との塩および界面活性剤と担体とを混合することを含む、請求項2329のいずれかに記載の方法。
  31. さらに抗酸化剤、着色料、シクロデキストリン、嬌味料、保存料、甘味料、またはこの何れか2種またはそれ以上の混合物を酸との塩および界面活性剤と混合することを含む、請求項2029のいずれかに記載の方法。
  32. さらに前記の製剤で少なくとも一つのカプセルまたは錠剤を製造することを含む、請求項2029のいずれかに記載の方法。
  33. の量が組成物の総重量に対して0.0025重量%〜80重量%である、請求項2029のいずれかに記載の方法。
  34. 界面活性剤の量が組成物の総重量に対して0.01重量%〜60重量%である、請求項2029のいずれかに記載の方法。
  35. の総重量が0.01mg〜400mgの範囲内にある、請求項2029のいずれかに記載の方法。
  36. を処置する方法および/または血管形成を阻害するための、請求項4〜19のいずれかに記載の医薬組成物
  37. 処置すべき癌が膀胱、乳腺、脳、頭頸部、肝臓、輸胆管の癌;急性および慢性リンパ性白血病、急性および慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球型白血病;結腸直腸、胃、胃腸間質の癌;神経膠腫、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、神経内分泌、肺、膵臓、前立腺、腎細胞の癌;肉腫および甲状腺癌から構成される群から選択した1種またはそれ以上から選択される、請求項36に記載の医薬組成物
  38. 回負荷用量として投与し、続いて毎日1回、2回、3回または4回、負荷用量対日用量との比率3〜20で投与する、請求項36または37に記載の医薬組成物
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