JP5277355B1 - 信号処理装置及び補聴器並びに信号処理方法 - Google Patents

信号処理装置及び補聴器並びに信号処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】音声のスペクトル強調処理における不要なゲイン変動を抑制し、フォルマント周波数を適切に強調して音声の明瞭度の向上が可能な信号処理装置等を提供する。
【解決手段】本発明の信号処理装置は、複数の周波数帯域の信号からなる入力信号に対し、スペクトル強調処理を行うか否かを判定し、スペクトル強調処理を行うと判定された処理対象の周波数帯域の信号のレベルと、それに隣接する周波数帯域の信号のレベルとに基づいて、処理対象の周波数帯域がピークであるか否かを検知し(ステップS20、S21、S23)、処理対象の周波数帯域の信号について、過去におけるピーク情報とスペクトルゲイン情報に基づいて現在のスペクトルゲインを算出する(ステップS22、S25、S26)。これにより、処理対象の周波数帯域の信号に対し適切なスペクトルゲインを付加することで、ゲインの不要な変動を抑制し、音声の明瞭度を高めることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、使用者の周波数選択性の劣化を補償するため、音声の明瞭度を改善し得る信号処理装置及び補聴器と、その信号処理方法に関する。
一般に、現在の補聴器は、使用者の聴覚特性にフィッティングさせるために、オージオグラムを用いて測定した聴力レベルに基づいて、使用者ごとにディジタル信号処理のパラメータを適切に調整する手法が採用されている。一方、難聴者の語音聴取に関係する主な聴覚能としては、聴力レベル、時間分解能、周波数選択性を挙げることができる。このうち、周波数選択性が劣化した難聴者は、特に雑音下における言葉の聞き取り能力が低下することが知られている。難聴者の周波数選択性の劣化度合いは、例えば、聴覚フィルタのバンド幅により表すことができる。すなわち、内耳の周波数分析機能をフィルタバンクでモデル化した聴覚フィルタを想定すると、周波数選択性が劣化した難聴者は、聴覚フィルタのバンド幅が健聴者に比べて広くなる傾向にある。よって、聴覚フィルタのバンド幅の調整等を含め、ディジタル信号処理により周波数選択性の劣化を改善する多様な手法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2009−225206号公報 特開2006−270319号公報
一般に、音声の音響的な特徴として、基本周波数情報やフォルマント周波数を挙げることができる。特に、母音に関しては、フォルマント周波数が各音素を認識する上で重要な情報である。よって、音声のフォルマント周波数の情報を識別した上で、その情報を元に音声のスペクトルを強調できれば、周波数選択性の劣化した難聴者の聞き取りの悪さの改善につながる。しかしながら、音声の短時間スペクトルのピークを検知し、そのピークを含む周波数帯域を強調する制御を行ったとしても、そのピークがフォルマント周波数に一致するとは限らない。すなわち、音声を短時間スペクトルで見たとき、フォルマント周波数と異なる周波数に見かけ上のピークが現れる可能性もあるので、上記制御により、フォルマント周波数とは無関係な周波数の信号成分を強調する可能性や、フォルマント周波数の信号成分を減衰させる可能性も想定される。このような状況が頻繁に生じると、音声の音響的な特徴を反映したゲインの制御は困難となり、明瞭度の上昇が期待できない点が問題である。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、音声のスペクトル強調処理における不要なゲイン変動を抑制し、フォルマント周波数を適切に強調して音声の明瞭度の向上を実現可能な信号処理装置、補聴器、信号処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の信号処理装置は、複数の周波数帯域の信号からなる入力信号に対し、予め定めた条件に基づきスペクトル強調処理を行うか否かを判定するスペクトル強調判定手段と、前記スペクトル強調処理を行うと判定された入力信号について、処理対象の周波数帯域の信号のレベルと、前記処理対象の周波数帯域に隣接する周波数帯域の信号のレベルとに基づいて、前記処理対象の周波数帯域の信号がピークであるか否かを検知するピーク検知手段と、前記処理対象の周波数帯域の信号に付加すべきゲインであるスペクトルゲインを算出するスペクトルゲイン算出手段と、前記ピーク検知手段による検知結果を示すピーク情報と前記スペクトルゲイン算出手段による算出結果を示すスペクトルゲイン情報とを記憶する記憶部と、前記処理対象の周波数帯域の信号に対し、前記スペクトルゲインを付加するスペクトルゲイン付加手段とを備え、前記スペクトルゲイン算出手段は、前記処理対象の周波数帯域の信号について前記記憶部に記憶されている過去の信号の前記ピーク情報及び前記スペクトルゲイン情報に基づいて現在の信号に付加すべき前記スペクトルゲインを算出することを特徴とする。
本発明の信号処理装置によれば、入力信号のうちスペクトル強調処理の対象と判定された周波数帯域の信号に対し、その周波数帯域と隣接する周波数帯域との信号レベルの比較によりピークが検知された場合、スペクトルゲインが算出され、それが処理対象の信号のゲインとして付加される。このとき、スペクトルゲインを付加するのは、現在と過去においてピークが検知されるか否かを条件にしているので、フォルマント周波数と異なる周波数の信号成分に対して瞬時的に強調ゲインが付加される事態を防止することができる。これにより、スペクトル強調処理に際して不要なゲインの変動を十分に抑制し、音声の明瞭度を向上させることができる。
本発明のスペクトルゲイン算出手段は、時間単位であるフレーム毎にスペクトルゲインを算出し、処理時点の対象フレームとそれに先行する先行フレームとにおいて処理対象の周波数帯域が連続してピークであると判定されたときスペクトルゲインを強調ゲインとして算出してもよい。なお、先行フレームは、対象フレームの1つ前のフレーム(直前フレーム)であってもよいし、対象フレームの前の連続する複数のフレームであってもよい。また、直前フレーム及び対象フレームの少なくとも一方で処理対象の周波数帯域がピークであると判定され、かつ、直前フレームにおいて強調ゲインが算出されたときも、対象フレームにおいて強調ゲインを算出してもよい。これにより、ピークの不存在が検知されたときであっても、直前フレームで強調ゲインが付加されたときは、強調ゲインが維持されることになるので、フォルマント周波数の信号のパワーを減衰させる事態を有効に防止することができる。なお、スペクトルゲインは、強調ゲインとして算出されないとき、処理対象の周波数帯域の信号を減衰させる減衰ゲインとして算出してもよい。
一方、本発明の信号処理装置において、入力信号に対し、所定の第1周波数より低域のエネルギー成分及び高域のエネルギー成分との比較に基づいて、子音強調処理を行うか否かを判定する子音強調判定手段と、子音強調処理を行うと判定された入力信号について、所定の第2周波数以上の信号に対し一律に付加すべき子音強調ゲインを決定する子音強調ゲイン決定手段と、所定の第2周波数以上の信号に対し、前記子音強調ゲインを付加する子音強調ゲイン付加手段とを更に設けてもよく、この際、入力信号に対して実行される強調処理は、スペクトル強調処理に替えて子音強調処理としてもよい。これにより、例えば、高域のエネルギー成分が大きいとき、所定の子音強調ゲインを一律に付加して子音強調処理を選択的に行うことにより、フォルマント周波数を持たない無声摩擦音を含む入力信号に対し、その音韻的特徴を確実に強調して、音声の明瞭度のさらなる向上が可能となる。
また、上記課題を解決するために、本発明の補聴器は、上述の信号処理装置と、外部音を電気信号に変換して前記入力信号を生成するマイクロホン(10)と、入力信号を前記複数の周波数帯域の信号に分離する周波数分離手段(20)と、複数の周波数帯域の信号に対し補聴処理を施す補聴処理手段(22)と、補聴処理後の複数の周波数帯域の信号に対応して上述のスペクトルゲイン付加手段又は子音強調ゲイン付加手段から出力される複数の信号を合成して出力信号を出力する合成手段(24)と、合成手段からの出力信号を音に変換して外耳道内の空間に出力するイヤホン(12)とを備えて構成される。このような構成により、周波数選択性が劣化した難聴者が使用する補聴器において上述の強調処理を実現することができ、音声の明瞭度を向上させて難聴者の聞き取りの悪さを改善することが可能となる。
さらに、上記課題を解決するために、本発明の信号処理方法は、複数の周波数帯域の信号からなる入力信号を処理する信号処理方法であって、前記入力信号に対し、予め定めた条件に基づきスペクトル強調処理を行うか否かを判定するスペクトル強調判定工程と、前記スペクトル強調処理を行うと判定された入力信号について、処理対象の周波数帯域の信号のレベルと、前記処理対象の周波数帯域に隣接する周波数帯域の信号のレベルとに基づいて、前記処理対象の周波数帯域の信号がピークであるか否かを検知するピーク検知工程と、前記処理対象の周波数帯域の信号に付加すべきゲインであるスペクトルゲインを算出するスペクトルゲイン算出工程と、前記ピーク検知工程における検知結果を示すピーク情報と前記スペクトルゲイン算出工程における算出結果を示すスペクトルゲイン情報とを記憶部に記憶する記憶工程と、前記処理対象の周波数帯域の信号に対し、前記スペクトルゲインを付加するスペクトルゲイン付加工程とを含み、前記スペクトルゲイン算出工程においては、前記処理対象の周波数帯域の信号について前記記憶工程において記憶した過去の信号の前記ピーク情報及び前記スペクトルゲイン情報に基づいて現在の信号に付加すべき前記スペクトルゲインを算出することを特徴とする。本発明の信号処理方法によっても、前述の作用、効果を得ることができる。
本発明によれば、処理対象の周波数帯域の信号に対しスペクトル強調を施す場合、スペクトルの連続性を考慮して強調ゲインを付加する制御を採用したので、不要なゲイン変動を抑制してフォルマント周波数を適切に強調することができ、補聴器等の音声の明瞭度の向上を実現することができる。また、高周波数帯域の信号に対し、所定の条件の下で、一律にゲインを付加する制御を採用したので、例えば、フォルマント周波数を持たない子音の無声摩擦音の音韻的特徴を確実に強調することができ、補聴器等の音声の明瞭度のさらなる向上を実現することができる。
本実施形態の補聴器のうち信号処理に関する概略の構成を示すブロック図である。 図1の構成において、任意のバンドi(1≦i≦M)に対応する強調処理部23(i)の構成例を示すブロック図である。 本実施形態の補聴器の信号処理方法に含まれる音声強調処理を示すフローチャートである。 図3のフローチャートのうちステップS8のチャンネル毎のゲイン算出処理を示すフローチャートである。 本実施形態の補聴器において、スペクトル強調処理に関連する効果を説明する図である。 本実施形態の補聴器において、子音強調処理に関連する効果を説明する図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下に述べる実施形態は本発明の技術思想を適用した形態の一例であって、本発明が本実施形態の内容により限定されることはない。以下の実施形態は、使用者の外耳道に装着される補聴器に対して本発明を適用した例である。
図1は、本実施形態の補聴器のうち信号処理に関する概略の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の補聴器は、マイクロホン10と、信号処理部11と、イヤホン12とにより構成される。マイクロホン10は、外部空間から補聴器に伝わる音を電気信号に変換して出力する。信号処理部11は、マイクロホン10から出力された信号に対してディジタル信号処理を施し、例えば、DSP(Digital Signal Processor)により構成される。また、信号処理部11は、複数のバンドパスフィルタBPF1〜BPF32からなるフィルタバンク20と、子音強調判定部21と、補聴処理部22と、強調処理部23と、合成部24と、記憶部25とを含む。イヤホン12は、信号処理部11によりディジタル信号処理が施された電気信号を音に変換し、それを使用者の外耳道内の空間に出力する。
図1の信号処理部11において、マイクロホン10からフィルタバンク20(本発明の周波数分離手段)に入力された信号は複数の経路(チャンネル)に分離され、それぞれのバンドパスフィルタBPF1〜BPF32に入力される。複数のBPF1〜BPF32に対しては、音声信号の処理に必要な周波数範囲を分割した互いに異なる通過帯域がそれぞれ設定されている。また、複数のBPF1〜BPF32は、設定された通過帯域の成分の信号をそれぞれ出力し、それを各チャンネルの信号として出力する。図1の例では、フィルタバンク20を32個のバンドパスフィルタBPF1〜BPF32で構成しているので、フィルタバンク20を介して32チャンネル分の信号が得られる。なお、フィルタバンク20は32チャンネルには限られず、補聴器の仕様に応じた適切なチャンネル数を設定し、チャンネル数に相当する複数のバンドパスフィルタを設けることができる。
子音強調判定部21は、フィルタバンク20の各チャンネルから出力される信号の全体に対し、予め記憶部25に記憶されている判定周波数Fs(本発明の第1周波数)よりも低域と高域のそれぞれのエネルギー成分の大小を判定し、その判定結果を後段の強調処理部23に伝送する。補聴処理部22は、フィルタバンク20及び子音強調判定部21を経由して出力される信号に対し、補聴器の使用者に適合して個別に設定された所定の補聴処理を施す手段であり、聴力レベルに応じたゲイン調整や使用環境に応じたノイズ除去などの処理が実行される。強調処理部23は、上述の各チャンネルを所定数ずつまとめたバンド毎に音声の強調処理を施す手段であり、M個のバンドに対応するM個の強調処理部23(1)〜23(M)を含んで構成される。合成部24(本発明の合成手段)は、強調処理部23によりバンド毎に得られた各チャンネルの信号を合成し、それを1つの出力信号としてイヤホン12に送出する。記憶部25は、信号処理部11におけるディジタル信号処理に必要な各種の設定情報を記憶するメモリである。
ここで、表1には、周波数が比較的低い範囲内におけるチャンネルとバンドの対応関係の一例を示している。
表1に示す対応関係においては、バンド1、2はともに1チャンネル分の帯域幅を有し、バンド3以降の各バンドは複数チャンネル分の帯域幅を有する。なお、各バンドにはカッコ書きで帯域幅のうちの代表的な周波数を付しているが、250Hzから順に2倍ずつ(1オクターブずつ)周波数が増えていくことがわかる。なお、表1に示す対応関係は一例であるので、異なる組合せで所望の周波数帯域に対応付けて各バンドを定めることができる。
図1に戻って、M個の強調処理部23(1)〜23(M)の各々は、例えば表1に示す各バンドの信号をそれぞれ入力し、予め設定された条件と子音強調判定部21の判定結果に応じて、バンド毎に強調処理を実行する。この場合、予め記憶部25に記憶されている強調境界周波数Fx(本発明の第2周波数)より低い周波数帯域のバンドについては、スペクトル強調処理を実行する。強調境界周波数Fxより高い周波数帯域のバンドについては、全周波数帯域(全チャンネル・全バンド)のうち、判定周波数Fsより高域のエネルギー成分が低域のエネルギー成分に対して相対的に大きいときは子音強調処理を実行し、相対的に小さいときはスペクトル強調処理を実行する。
図2のブロック図は、任意のバンドi(1≦i≦M)に対応する強調処理部23(i)の構成例を示している。図2に示すように、強調処理部23(i)は、バンド別強調判定部30と、平均レベル算出部31と、音圧別強調判定部32と、強調処理選択部33と、子音強調ゲイン決定部34と、スペクトルゲイン決定部35と、ゲイン付加部36を含んで構成される。なお、図2に示す構成例は、M個の強調処理部23(1)〜23(M)に対して共通である。
図2において、バンド別強調判定部30は、図1の記憶部25に記憶されている設定情報に基づいて、強調処理部23(i)の処理対象であるバンドiの信号が、強調処理を施すべき周波数帯域に属するか否かを判定する。なお、強調処理が必要なバンドiは、使用者の周波数選択性の劣化度合いに応じて予め設定されている。平均レベル算出部31は、バンド別強調判定部30により強調処理を施すと判定した信号に対し、バンドiに対応する各々のチャンネルの入力音圧レベルと最小可聴閾値との差の平均値を算出し、それを閾値上の平均レベルとして出力する。音圧別強調判定部32は、記憶部25に記憶されている設定情報に基づいて、平均レベル算出部31により出力された閾値上の平均レベルが、強調処理を施すべきレベルであるか否かを判定する。
強調処理選択部33は、バンド別強調判定部30及び音圧別強調判定部32がいずれも強調処理を施すべきと判定した信号に対し、図1の子音強調判定部21による判定結果に基づいて、子音強調処理とスペクトル強調処理のいずれを施すかを選択する。子音強調ゲイン決定部34は、強調処理選択部33により子音強調処理が選択された場合、処理対象のバンドiの全帯域における子音強調ゲインを決定する。スペクトルゲイン決定部35(本発明のピーク検知手段及びスペクトルゲイン算出手段)は、強調処理選択部33によりスペクトル強調処理が選択された場合、記憶部25の設定情報(本発明のピーク情報及びスペクトルゲイン情報)に基づいて、処理対象のバンドiに含まれる各チャンネルに対し、後述の強調ゲイン及び減衰ゲインを選択的に決定する。ゲイン付加部36(本発明のスペクトルゲイン付加手段及び子音強調ゲイン付加手段)は、強調処理部23(i)への入力信号(1又は複数のチャンネル)に対し、子音強調ゲイン決定部34により決定された子音強調ゲイン、又はスペクトルゲイン決定部35により決定された個別のゲインを付加し、ゲイン付加後の各チャンネルの信号を合成部24に出力する。
次に、図3及び図4のフローチャートを参照して、本実施形態の補聴器の信号処理方法に含まれる音声強調処理について説明する。以下では、図2と同様、任意のバンドi(1≦i≦M)に対応する音声強調処理を説明するが、図3及び図4の各処理は、M個の強調処理部23(1)〜23(M)に対して共通である。また、以下の音声強調処理は、処理の時間単位を1フレームとしたとき、毎回のフレーム毎に実行されることを想定する。なお、1フレームは、補聴器の仕様に応じて、数msのオーダーで適切な時間が設定される。例えば、1フレームを4msとして設定することができる。
図3に示すように、図2のバンド別強調判定部30において、予め記憶部25に記憶されている設定情報(各バンドに強調処理を実行するか否かの設定情報)により、バンドiの信号(強調処理部23(i)に入力される各チャンネルの信号)に対し、強調処理を施すためのステップS2以降の処理を実行するか否かを判定する(ステップS1)。その結果、バンドiの信号に対する強調処理が不要である場合は(ステップS1:NO)、それ以降の強調処理は実行されない。一方、バンドiの信号に対する強調処理を施す必要がある場合は(ステップS1:YES)、平均レベル算出部31(図2)により上述の閾値上の平均レベルを算出する(ステップS2)。次いで、音圧別強調判定部32(図2)において、ステップS2で得られた算出値(入力音の閾値上の平均レベル)と、予め記憶部25に記憶されている判定基準値とを照合し、処理対象のバンドiの信号に対して強調処理(子音強調処理又はスペクトル強調処理)を施すか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3の判定条件はバンド毎に異なり、例えば、バンド3(i=3)における入力音の閾値上の平均レベルが20dBSL以下の場合、あるいは、バンド4(i=4)における入力音の閾値上の平均レベルが30dBSL以下の場合を、強調処理を行わない判定条件として挙げることができる。
ステップS3の判定の結果、バンドiの信号に対する強調処理を行うときは(ステップS3:YES)、強調処理選択部33(図2)により、バンドiの信号に対して子音強調処理とスペクトル強調処理のいずれを施すか否かを選択する(ステップS4、S5)。まず、ステップS4では、バンドiの周波数帯域が、上述の強調境界周波数Fxより高いか低いかを判定し、バンドiの周波数帯域が強調境界周波数Fxより低いときは(ステップS4:NO)、ステップS7以降のスペクトル強調処理が選択される。一方、バンドiの周波数帯域が強調境界周波数Fxより高いときは(ステップS4:YES)、続いて、子音強調判定部21における判定周波数Fsに対する低域と高域のエネルギー成分の判定結果に基づいて、子音強調処理の可否が判定される。すなわち、全周波数帯域において、強調境界周波数Fx以上の周波数帯域からなるバンドについては、判定周波数Fsに対し、高域のエネルギー成分が低域のエネルギー成分よりも大きいときは(ステップS5:YES)、ステップS6の子音強調処理が選択され、判定周波数Fsに対し、低域のエネルギー成分が高域のエネルギー成分よりも大きいときは(ステップS5:NO)、ステップS7以降のスペクトル強調処理が選択される。なお、ステップS5の判定基準としては、低域のエネルギー成分の値に所定値を加えた値と、高域のエネルギー成分の値との大小を比較してもよい。
ステップS4、S5において子音強調処理が選択されたときは、記憶部25に予め記憶しておいたパラメータに基づき、子音強調ゲイン決定部34(図2)により、処理対象のバンドiの全帯域に一律に付加すべきゲインである子音強調ゲインが決定される(ステップS6)。例えば、記憶部25に子音強調ゲインとして+4dBを予め記憶しておき、バンドiを子音強調する場合は、バンドiの全帯域に一律に+4dBを付加する。その後、ステップS6で決定された子音強調ゲインがゲイン付加部36によりバンドiの各チャンネルの信号に対して付加され(ステップS12)、それがバンドiに対応する強調処理部23(i)の出力信号となる。なお、バンドiに対応する強調処理部23(i)の出力信号は、合成部24(図1)により、他のバンドに対応する強調処理部23の出力信号と合成される。
一方、ステップS4、S5においてスペクトル強調処理が選択されたときは、バンドiのチャンネルk1〜kmaxの範囲内におけるチャンネル用のカウント値kをk=k1と初期化する(ステップS7)。そして、後述するように、チャンネル毎にゲイン算出処理を実行し(ステップS8)、カウント値kの終了判定としてk=kmaxに達したか否かを判定する(ステップS9)。例えば、表1のバンド4(i=4)に対する処理のときは、k1=6、かつ、kmax=9と設定される。そして、ステップS9でカウント値kがkmaxに満たない場合、カウント値kをk=k+1に更新し(ステップS10)、後続のチャンネルに関してステップS8〜S10の処理を繰り返す。一方、ステップS9でカウント値kがkmaxに達した場合、バンドiを構成する各チャンネルに対し強調ゲイン又は減衰ゲインが選択的に決定され(ステップS11)、その後に上述のステップS12に移行して、各チャンネルの信号に決定されたゲインがそれぞれ付加される。なお、バンドiが1個のチャンネルのみ含む場合は(k1=kmax)、ステップS8〜S10の処理が1回のみ実行されることになる。
ステップS8のチャンネル毎のゲイン算出処理では、図4に示すステップS20〜S26の処理が実行される。ここで、現フレームn(nは現フレームの番号)の処理対象のチャンネルkに関し、その周波数帯域の閾値上のレベルをV(n,k)とし、処理対象のチャンネルkに隣接するチャンネルk−1、k+1に関し、それぞれの周波数帯域の閾値上のレベルをV(n,k−1)、V(n,k+1)とする。まず、現フレームにおいて、処理対象であるチャンネルkの上述のレベルV(n,k)がピークであるか否かを判定する(ステップS20)。具体的には、レベルV(n,k)を上述のレベルV(n,k−1)、V(n,k+1)と比較し、次の(1)式を満たしている場合、レベルV(n,k)がピークであると判定することができる。
V(n,k)>V(n,k−1) AND V(n,k)>V(n,k+1) (1)
次いで、チャンネルkのレベルV(n,k)がピークであると判定されたときは(ステップS20:YES)、現フレームに先行する先行フレームのうち、現フレームの1つ前のフレーム(以下、「直前フレーム」と言う)において、チャンネルkのレベルV(n−1,k)がピークであったか否かを判定する(ステップS21)。各フレームにおけるステップS20の判定結果を記憶部25に保持しておき、ステップS21では、直前フレームのそれを参照することにより判断することができる。ステップS21の判定の結果、直前フレームのチャンネルkのレベルV(n−1,k)がピークであった場合(ステップS21:YES)、2フレーム連続でピークが検知されたことになり、チャンネルkに対する強調ゲインを算出する(ステップS22)。なお、直前フレームのチャンネルkのレベルV(n−1,k)がピークでない場合(ステップS21:NO)、ステップS24に移行する。
ここで、現フレームnのチャンネルkに対するゲインをg(n,k)と表すと、ステップS22で算出される強調ゲインg(n,k)は、直前フレームのチャンネルkに対する強調ゲインg(n−1,k)を用いて、次の(2)式により算出することができる。
g(n,k)=g(n−1,k)+atk1・{10EHM/20−g(n−1,k)} (2)
ただし、atk1:強調ゲインの時定数
EHM:ゲイン設定値(dB)
上記(2)式は、チャンネルkにおいて強調ゲインが連続的に付加されている間、強調ゲインg(n,k)が時間の進行とともに徐々に増加していく状態を示している。ステップS22を終えると現フレームにおいてチャンネルkの信号に付加すべきゲインは、(2)式により算出した強調ゲインg(n,k)に決定される。各フレームにおけるステップS22で算出された強調ゲインg(n,k)を記憶部25に保持しておき、ステップS22では、直前フレームのそれを参照することにより算出することができる。
一方、(1)式が満たされず、チャンネルkのレベルV(n,k)がピークではないと判定されたときは(ステップS20:NO)、直前フレームにおいて、チャンネルkのレベルV(n−1,k)がピークであったか否かを判定する(ステップS23)。その結果、直前フレームのチャンネルkのレベルV(n−1,k)がピークでない場合(ステップS23:NO)、ステップS26に移行する。ここで、ステップS23の判定は、ステップS21の判定と同様であることがわかる。そして、ステップS21でNOと判定される場合、又は、ステップS23で直前フレームのチャンネルkのレベルV(n−1,k)がピークであると判定された場合(ステップS23:YES)、続いて、直前フレームにおいてチャンネルkの信号に強調ゲインが付加されたか否かを判定する(ステップS24)。その結果、直前フレームにおいてチャンネルkの信号に強調ゲインが付加されているときは(ステップS24:YES)、上述のステップS22と同様、チャンネルkに対する強調ゲインを算出する(ステップS25)。なお、ステップS25においても、上記(2)式を用いて強調ゲインg(n,k)を算出することができる。また、ステップS24では、直前フレームにおけるステップS22、S25の実行の有無を記憶部25に保持しておき、それを参照することにより判断することができる。
これに対し、(1)式が満たされず、直前フレームにおいて、チャンネルkのレベルV(n−1,k)がピークでない場合(ステップS23:NO)、あるいはチャンネルkの信号に強調ゲインが付加されなかった場合(ステップS24:NO)には、チャンネルkに対する減衰ゲインを算出する(ステップS26)。すなわち、(2)式と同様の表記に従って、ステップS26において、現フレームのチャンネルkに対する減衰ゲインg(n,k)は、次の(3)式により算出することができる。
g(n,k)=g(n−1,k)+atk2・{10-EHM/20−g(n−1,k)} (3)
ただし、atk2:減衰ゲインの時定数
EHM:ゲイン設定値(dB)
上記(3)式は、チャンネルkにおいて上述の各判定条件が満たされる間、ゲインg(n,k)が時間の進行とともに徐々に減衰していく状態を示している。図4から明らかなように、ステップS20、S23を経るケースと、ステップS20、S23、S24を経るケースと、ステップS21、S24を経るケースの3通りのケースで(3)式の減衰ゲインが算出される。ステップS26を終えると、現フレームにおいてチャンネルkの信号に付加すべきゲインは、(3)式により算出した減衰ゲインg(n,k)に決定される。各フレームにおけるステップS26で算出された減衰ゲインg(n,k)を記憶部25に保持しておき、ステップS26では、直前フレームのそれを参照することにより算出することができる。
なお、(2)式及び(3)式の各パラメータの具体例としては、強調ゲイン及び減衰ゲインの各時定数atk1、atk2に関し、例えば、atk1=0.6(アタックタイム4ms)、atk2=0.257(アタックタイム12ms)に設定することができる。また、ゲイン設定値EHMに関し、例えば、バンドiに応じて、0dB、5dB、10dBなどの所望の値を設定することができる。ただし、これらのパラメータの値はいずれも一例であって、補聴器の仕様や処理の状況に応じて適宜に変更することができる。
また、図3及び図4の処理においては、2フレーム連続してピークであると判定されたとき強調ゲインを算出しているが、これに限られず、N(Nは2以上の整数)回連続してピークであると判定されたときに強調ゲインを算出してもよい。
さらに、図3及び図4の処理においては、ピーク検知処理とゲイン算出処理の両方をフレーム毎に実行しているが、これに限られず、DSPの性能に応じて、ピーク検知処理のみをフレーム毎に実行し、ゲイン算出処理をフレーム毎ではなく適宜間引く処理を採用してもよい。
以上のように、図3及び図4に示す処理を実行することにより、処理対象のチャンネルのピークが2フレーム連続して検知されたときは、そのチャンネルの信号に強調ゲインが付加される。一方、処理対象のチャンネルの連続する2フレームのうち一方のフレームのみにピークが検知されたときは、直前フレームで強調ゲインが付加されていれば、そのチャンネルの信号に強調ゲインが付加される。それ以外の状況は、いずれも処理対象のチャンネルの信号に減衰ゲインが付加されることになる。よって、少なくとも1フレームを超えるだけの所定の時間間隔において、ピークの検知状態あるいは非検知状態が続かない限り、その時点の強調ゲイン又は減衰ゲインが維持されることになり、フォルマント周波数とは異なる周波数の信号成分に強調ゲインを付加したり、フォルマント周波数の信号成分に減衰ゲインを付加することを防止することができる。
次に、本実施形態の補聴器において、図3及び図4の音声強調処理を適用する場合の効果について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、スペクトル強調処理に関連する効果を説明する図であり、図6は、子音強調処理に関連する効果を説明する図である。図5(B)及び図6(B)においては、本実施形態の強調処理を適用しない従来型の音声強調処理(例えば、特許文献1参照)を適用した場合の比較例をそれぞれ示し、図5(C)及び図6(C)に示す本実施形態の強調処理との対比を行っている。
まず、図5(A)は、本実施形態の補聴器に母音の音声(い/i/)が入力されたときのスペクトログラムを示している。図5(A)においては、横軸の時間及び縦軸の周波数に対応する時間周波数領域内において、入力音声のレベルが濃淡表示されている。図5(A)に示すように、母音のフォルマントにピークが現れていることがわかる。そして、図5(B)の比較例では、図5(A)のスペクトログラムに対応して、従来型の音声強調処理により決定されたゲインの推移を示している。縦軸の周波数は上述のチャンネル毎に区切られ、その処理対象の上限が5000Hzの近傍となっている。横軸の時間は上述のフレーム毎に区切られ、チャンネルとフレームとに依存する各々の単位領域に対し、濃淡表示されたゲインが個別に決定されている。図5(B)の比較例によれば、時間周波数領域においてゲインが頻繁に変動していることがわかる。
これに対し、図5(C)の本実施形態では、図5(B)と同様の表現に従って、図3及び図4の音声強調処理に基づいて決定されたゲインの推移を示している。図5(C)によれば、図5(B)と比べると明らかなように、ゲインの変動が抑制されていることがわかる。これは、特に図4のステップS20、S21、S23、S24の各判断を経て、ゲインの変動を抑制する方向に作用しているためである。すなわち、現在のDSPの性能ではリアルタイム処理をするためにはサンプル数を少なくする必要があり、かつ、フレーム毎に独立して処理しなければならないため、実際の音声信号の短時間スペクトルにおいて、フォルマント周波数の部分にのみピークが現れるとは限らない。そのため、図5(B)に示すように単純にピークを検知すると、フォルマント周波数の信号成分を減衰させる可能性や、逆にフォルマント周波数以外の信号成分を強調する可能性がある。よって、本実施形態のスペクトル強調処理を採用することにより、フォルマント周波数を適切に反映させるようにゲインを制御でき、母音の明瞭度の向上を図ることが可能となる。
一方、図6(A)は、本実施形態の補聴器に子音を含む音声(さ/sa/)が入力されたときのスペクトログラムを示している。図6(A)の時間周波領域の意味は図5(A)と同様である。図6(A)に示すように、後半の母音に相当する領域では、図5(A)と類似したフォルマント周波数の成分が現れるのに対し、前半の子音に相当する領域では、高周波領域にエネルギーが集中していることがわかる。そして、図6(B)の比較例では、図6(A)のスペクトログラムに対応して、従来型の音声強調処理により決定されたゲインの推移を示している。図6(B)の比較例によれば、後半の母音に相当する領域では、図5(B)と同じ傾向でゲインが変動している。また、前半の子音に相当する領域では、より一層ゲインの変動が顕著になっていることがわかる。
これに対し、図6(C)の本実施形態では、図6(B)と同様の表現に従って、図3及び図4の音声強調処理に基づいて決定されたゲインの推移を示している。図6(C)によれば、後半の母音に相当する領域は図5(C)と同じ傾向である。また、前半の子音に相当する領域では、図6(B)と比べて、高周波領域におけるゲインが一定であることがわかる。これは、図3のステップS4〜S6により、子音強調処理の対象となる信号に対して全帯域に一律のゲインを付加する制御に基づくものである。また、図6(C)の低周波領域においても、図6(B)と比べるとゲインの変動は抑制されている。特に、入力信号に無性摩擦音が含まれる場合は、フォルマント周波数のような特徴的なスペクトルが存在しないので、ゲインの変動を抑制しつつ、高周波領域に一律のゲインを付加して効率的に子音強調を行うことができる。その結果、子音強調処理と上述のスペクトル強調処理とを組み合わせることで、音声の明瞭度のさらなる向上を図ることが可能となる。
以上、本実施形態に基づき本発明の内容を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で多様な変更を施すことができる。例えば、本実施形態では、本発明を補聴器に対して適用する場合を説明したが、本発明と同様の作用、効果を実現し得る限り、本発明を補聴器以外の多様な信号処理装置、信号処理方法に適用することができる。この場合、本発明の信号処理装置を、例えば、携帯型の情報端末等の各種装置に搭載してもよいし、本発明の信号処理方法を実現するソフトウェアをコンピュータに搭載してもよい。さらに、その他の点についても上記実施形態により本発明の内容が限定されるものではなく、本発明の作用効果を得られる限り、上記実施形態に開示した内容には限定されることなく適宜に変更可能である。
10…マイクロホン
11…信号処理部
12…イヤホン
20…フィルタバンク
21…子音強調判定部
22…補聴処理部
23…強調処理部
24…合成部
25…記憶部
30…バンド別強調判定部
31…平均レベル算出部
32…音圧別強調判定部
33…強調処理選択部
34…子音強調ゲイン決定部
35…スペクトルゲイン決定部
36…ゲイン付加部

Claims (11)

  1. 複数の周波数帯域の信号からなる入力信号に対し、予め定めた条件に基づきスペクトル強調処理を行うか否かを判定するスペクトル強調判定手段と、
    前記スペクトル強調処理を行うと判定された入力信号について、処理対象の周波数帯域の信号のレベルと、前記処理対象の周波数帯域に隣接する周波数帯域の信号のレベルとに基づいて、前記処理対象の周波数帯域の信号がピークであるか否かを検知するピーク検知手段と、
    前記処理対象の周波数帯域の信号に付加すべきゲインであるスペクトルゲインを算出するスペクトルゲイン算出手段と、
    前記ピーク検知手段による検知結果を示すピーク情報と前記スペクトルゲイン算出手段による算出結果を示すスペクトルゲイン情報とを記憶する記憶部と、
    前記処理対象の周波数帯域の信号に対し、前記スペクトルゲインを付加するスペクトルゲイン付加手段と、
    を備え、
    前記スペクトルゲイン算出手段は、前記処理対象の周波数帯域の信号について前記記憶部に記憶されている過去の信号の前記ピーク情報及び前記スペクトルゲイン情報に基づいて現在の信号に付加すべき前記スペクトルゲインを算出することを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記スペクトルゲイン算出手段は、時間単位であるフレーム毎に前記スペクトルゲインを算出し、前記スペクトルゲインは、処理時点の対象フレームと前記処理時点に先行する先行フレームとにおいて前記処理対象の周波数帯域の信号が連続してピークであると判定されたとき前記処理対象の周波数帯域の信号を強調する強調ゲインとして算出されることを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記スペクトルゲイン算出手段は、前記対象フレームの1つ前のフレームである直前フレーム及び前記対象フレームの少なくとも一方で前記処理対象の周波数帯域がピークであると判定され、かつ、前記直前フレームにおいて前記スペクトルゲイン算出手段により前記強調ゲインが算出されたときも、前記強調ゲインを算出することを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 前記スペクトルゲインは、前記強調ゲインとして算出されないときは、前記処理対象の周波数帯域の信号を減衰させる減衰ゲインとして算出されることを特徴とする請求項2又は3に記載の信号処理装置。
  5. 前記入力信号に対し、所定の第1周波数より低域のエネルギー成分及び高域のエネルギー成分との比較に基づいて、子音強調処理を行うか否かを判定する子音強調判定手段と、
    前記子音強調処理を行うと判定された入力信号について、所定の第2周波数以上の信号に対し一律に付加すべき子音強調ゲインを決定する子音強調ゲイン決定手段と、
    前記所定の第2周波数以上の信号に対し、前記子音強調ゲインを付加する子音強調ゲイン付加手段と、
    を更に備え、
    前記入力信号に対して実行される強調処理は、前記スペクトル強調処理と前記子音強調処理のいずれか一方であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の信号処理装置と、
    外部音を電気信号に変換して前記入力信号を生成するマイクロホンと、
    前記入力信号を前記複数の周波数帯域の信号に分離する周波数分離手段と、
    前記複数の周波数帯域の信号に対し補聴処理を施す補聴処理手段と、
    前記補聴処理後の複数の周波数帯域の信号に対応して前記スペクトルゲイン付加手段又は子音強調ゲイン付加手段から出力される複数の信号を合成して出力信号を出力する合成手段と、
    前記合成手段からの前記出力信号を音に変換して外耳道内の空間に出力するイヤホンと、
    を備えることを特徴とする補聴器。
  7. 複数の周波数帯域の信号からなる入力信号を処理する信号処理方法であって、
    前記入力信号に対し、予め定めた条件に基づきスペクトル強調処理を行うか否かを判定するスペクトル強調判定工程と、
    前記スペクトル強調処理を行うと判定された入力信号について、処理対象の周波数帯域の信号のレベルと、前記処理対象の周波数帯域に隣接する周波数帯域の信号のレベルとに基づいて、前記処理対象の周波数帯域の信号がピークであるか否かを検知するピーク検知工程と、
    前記処理対象の周波数帯域の信号に付加すべきゲインであるスペクトルゲインを算出するスペクトルゲイン算出工程と、
    前記ピーク検知工程における検知結果を示すピーク情報と前記スペクトルゲイン算出工程における算出結果を示すスペクトルゲイン情報とを記憶部に記憶する記憶工程と、
    前記処理対象の周波数帯域の信号に対し、前記スペクトルゲインを付加するスペクトルゲイン付加工程と、
    を含み、
    前記スペクトルゲイン算出工程においては、前記処理対象の周波数帯域の信号について前記記憶工程において記憶した過去の信号の前記ピーク情報及び前記スペクトルゲイン情報に基づいて現在の信号に付加すべき前記スペクトルゲインを算出することを特徴とする信号処理方法。
  8. 前記スペクトルゲイン算出工程においては、時間単位であるフレーム毎に前記スペクトルゲインを算出し、前記スペクトルゲインは、処理時点の対象フレームと前記処理時点に先行する先行フレームとにおいて前記処理対象の周波数帯域の信号が連続してピークであると判定されたとき前記処理対象の周波数帯域の信号を強調する強調ゲインとして算出されることを特徴とする請求項7に記載の信号処理方法。
  9. 前記スペクトルゲイン算出工程においては、前記対象フレームの1つ前のフレームである直前フレーム及び前記対象フレームの少なくとも一方で前記処理対象の周波数帯域がピークであると判定され、かつ、前記直前フレームにおいて前記スペクトルゲイン算出工程で前記強調ゲインが算出されたときも、前記強調ゲインを算出することを特徴とする請求項8に記載の信号処理方法。
  10. 前記スペクトルゲインは、前記強調ゲインとして算出されないときは、前記処理対象の周波数帯域の信号を減衰させる減衰ゲインとして算出されることを特徴とする請求項8又は9に記載の信号処理方法。
  11. 前記入力信号に対し、所定の第1周波数より低域のエネルギー成分及び高域のエネルギー成分との比較に基づいて、子音強調処理を行うか否かを判定する子音強調判定工程と、
    前記子音強調処理を行うと判定された入力信号について、所定の第2周波数以上の信号に対し一律に付加すべき子音強調ゲインを決定する子音強調ゲイン決定工程と、
    前記所定の第2周波数以上の信号に対し、前記子音強調ゲインを付加する子音強調ゲイン付加工程と、
    を更に含み、
    前記入力信号に対して実行される強調処理は、前記スペクトル強調処理と前記子音強調処理のいずれか一方であることを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の信号処理方法。
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