JP5277037B2 - 高気圧空気チャンバー - Google Patents

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請求項に係る発明は、人の出入口等として使用される開口を適切に開閉する開口の開閉構造と、人を収容しその癒し等の目的で内部を大気圧よりも高い圧力にする高気圧空気チャンバーとに関するものである。
身体の周囲の空気を大気圧よりも高い圧力に保つと、血液や体液中の酸素量が増えること等により、癒し(ヒーリング)やリラクゼーション等の効果がある。そのような効果を得る手段として、近年、内部の空気等を高めに保って人を収容できる高気圧空気チャンバーが種々製造されている。そうした高気圧空気チャンバーには、ラバー等でできていて折りたたんで移設等することが容易なソフト型のほか、金属や硬質樹脂等を用いて構成された据え置き型のものがある。
上記のような高気圧空気チャンバーにおいては、人(利用者)が出入りし得るように開口(出入口)を設ける必要があり、開口には、それを扉等で開閉するとともにチャンバー内を気密に(またはほぼ気密に)保ち得る開閉構造を付設する必要がある。下記の特許文献1には、適切な開閉構造を有する高気圧空気チャンバーが記載されている。
特許文献1に記載の高気圧空気チャンバーおよび開閉構造は、図8に示すものである。すなわち、
・ チャンバー1’は、内部を密閉可能にした円筒形の容器からなる据え置き型のものであって、利用者Aを収容するとともに、内部の空気圧を大気圧よりも高く保つことができる。
・ チャンバー1’の上部には、利用者Aが出入りできる開口4’が設けられており、その開口4’が引戸10’によって開閉される。引戸10’は、案内レール20’や案内手段22’にしたがい、チャンバー1’の壁の内側に沿ってチャンバー1’の長手方向に往復移動する。引戸10’には複数の車輪13’が取り付けられており、各車輪13’が上記案内レール20’の上面に沿って移動する。
・ 引戸10’は、開口4’の内側位置では開口4’の周囲のパッキン6’に接触して空気の漏出を抑制する必要があるため、案内レール20’の一部には図示のように傾斜案内面21’が設けられている。車輪13’をレール20’に添わせて引戸10’をスライドさせると、開口4’の内側位置付近で引戸10’は、傾斜案内面21’にしたがって持ち上げられ上部の壁に近づくよう移動する。これにより、開口4’の内側位置付近に達するまでは引戸10’をパッキン6’に接触させずに楽に移動させられるとともに、当該内側位置では引戸10’がパッキン6’に接触して空気の漏出を抑制できる(内部圧力を上昇させやすい)。開口4’を開く向きにスライドさせる際にも、レール20’の傾斜案内面21’を過ぎたのちは引戸10’を楽に移動させることができる。
特開2007−154494号公報
特許文献1に記載の開閉構造は、高気圧空気チャンバーにおける開口付近のチャンバー壁および引戸の形状精度が十分に高い場合には上記のとおり開口の開閉を円滑にすることができる。しかし、それらの形状精度が十分でない場合には、必ずしも円滑な開閉を実現するとは限らない。開口の内側位置付近に引戸が接近して持ち上げられるとき、パッキンを介して早めに、つまり開口の真下に達する前に引戸がチャンバー壁と接触してしまい、その後の引戸の移動にはかなり強い力が必要になることがある。そのような場合、開口を閉じるときだけでなく開くときにも、引戸の操作が容易でなくなる。
また、たとえば透明等のアクリル板を引戸に使用する場合には、製造時の残留応力等の影響でアクリル板が経年変形を起こすことがある。そうなると、当初は高かった引戸の形状精度が時間とともに低下し、引戸の開閉が次第に円滑でなくなってしまう。
請求項に係る発明は、そのような事情を考慮してなしたもので、開口付近の壁や引戸の形状精度をあまり高くしなくとも、引戸をつねに円滑に移動して開口を確実かつ容易に開閉することができる開口の開閉構造、および高気圧空気チャンバーを提供する。
発明による開口の開閉構造は、壁に設けられた開口を、案内部材にしたがいその壁に沿って移動する引戸により開閉するもので、
・ 上記の引戸またはその案内部材に、引戸の移動方向に長さを有する袋体であって流体が注入され得るものを取り付け、
・ 上記流体による袋体の容積変化にともなって、上記の引戸を、パッキンを介し上記開口の周囲の壁に押し付けるよう構成した――ことを特徴とする。
袋体の容積変化にともなって上記のように引戸を壁に押し付けるには、袋体の膨らむ力が引戸を壁寄りに押し動かすようにしてもよく、また、袋体が萎むときスプリングの力や重力等によって引戸が壁に押し付けられるようにしてもよい。
こうした開口の開閉構造によれば、開口を閉じる際、引戸を壁に沿って動かして開口閉鎖位置(開口に被さり得る外側または内側の位置)まで移動したとき、上記の袋体に流体を注入等してその袋体の容積を変化させることにより、その容積変化にともなって上記の引戸がパッキンを介し開口の周囲の壁に押し付けられ、隙間の小さい(または隙間のない)状態にて開口を閉じることができる。逆に開口を開く際は、引戸が開口閉鎖位置にあるとき、上記袋体から流体を抜き出す等により袋体の容積を上記と逆向きに変化させると、その容積変化にともなって上記の引戸が開口の周囲の壁から離れるので、その壁に沿って引戸を移動し、開口を開くことができる。
この構造では、引戸は開口閉鎖位置に達したときにのみ壁に接近するので、特許文献1の構造とは違って、壁に接近した状態の引戸を壁に沿って移動させる必要がない。そのため、袋体の容積変化にともなって壁に押し付けられる方向への引戸の変位ストロークをある程度以上確保すれば、開口付近の壁や引戸の形状精度をあまり高くしなくとも、引戸をつねに円滑に移動して開口を確実かつ容易に開閉することが可能になる。壁に接近した引戸を壁に沿って移動させる必要がないので、壁や引戸に対してパッキンが擦れることがなく、したがってパッキンを長期間使用できるという利点もある。
引戸を壁に押し付けるには、上記のような袋体ではなく流体圧シリンダーを使用することも考えられる。しかし、袋体は、流体圧シリンダーに比べるとコストが格段に低く、取り付けも容易である。また、袋体は、上記のとおり引戸の移動方向に長さを有するものとし、それにより広い面積をもたせることができるので、注入する流体の圧力が低くてもよい。そのため、流体圧シリンダーを用いて引戸を壁に押し付ける構造に比べると、袋体を用いる構造は、流体の供給に関しても有利であり、流体供給用機器のコストや設置スペース、流体供給時の静粛性等に関してメリットがある。
なお、こうした開口の開閉構造は、高気圧空気チャンバーに限らず、乗り物や実験室等を含む種々の壁における開口に採用でき、引戸による開閉を低コストで円滑化することができる。
上記の引戸は、上記開口を閉じるべくその開口に下から(真下には限らず、斜め下とする場合を含む)重ねられるものとし、流体が注入されて上記袋体が膨らむときその引戸が上記開口の周囲の壁に押し付けられるようにすると好ましい。
そのようにすると、袋体に流体を注入するとき引戸を上方の壁寄りに押し付けて開口を閉じる一方、袋体の流体を抜き出すと、引戸は重力の作用で壁から下方へ離れ、壁に沿って容易に移動させ得る状態になる。つまり、開口を開こうとして引戸を壁から離すのに重力を利用でき、スプリング等の補助的手段を使用する必要がない。また、流体の供給手段が故障等して袋体に流体が注入されないとき、引戸が開口から離れているため必ず容易に開けられる、という安全面での利点ももたらされる。
発明による高気圧空気チャンバーは、人が入った状態のチャンバー内を大気圧よりも高い圧力にするよう内部に空気を供給するもので、チャンバーの壁に形成した開口に対し、上記した開口の開閉構造を採用したことを特徴とする。
上記の開閉構造を採用するので、この高気圧空気チャンバーには上述の作用的特徴があり、設備コストを抑えながらも引戸による開閉を円滑化することができる。袋体に供給する流体の圧力が低くてもよいので、その流体の供給時の静粛性にもすぐれている。引戸と開口との位置関係等を適切に定めれば、開口を開くとき引戸を開口から離すのに重力を利用することができ、引戸の開放について安全上の利点も得られる。
高気圧空気チャンバーは、人が入った状態で使用するものであるため、このように静粛であって安全であるという効果は、きわめて重要な意義をもつ。
開口閉鎖位置に達した引戸を袋体の容積変化によって開口の周囲の壁に押し付けると、高気圧空気チャンバーでは、引戸と壁とがパッキンを介して密に重なり、チャンバー内の空気が開口からはきわめて流出しがたくなる。チャンバー内では空気の圧力が大気圧よりも高くされるので、引戸はさらに壁寄りに押し付けられてパッキンを強くはさみ付けるからである。そのため、上記開口から空気を流出させることによる空気供給の無駄を極力少なくすることができる。
発明の高気圧空気チャンバーについては、チャンバーの内部に上記の空気を供給する空気供給手段によって、上記袋体に上記流体として空気を注入することとするのがとくに好ましい。
人の癒し等の目的で使用する高気圧空気チャンバーのチャンバー内の空気圧力は概ね1.3気圧程度であり、エアシリンダー等の作動流体とするには低すぎて、引戸を壁に押し付ける力を同シリンダーに発揮させることが難しい。しかし、前述のとおり袋体は引戸の移動方向に長さを有していて広い面積をもたせ得ることから、エアシリンダー等ではなく前記の袋体を駆動手段とするのであれば、そのような低い圧力であっても引戸を十分な強さで壁に押し付けることができる。
そして、チャンバー内に空気を供給する空気供給手段からの空気を上記流体として袋体に注入すると、袋体への流体供給のために専用の供給手段を設ける必要がない。したがって、流体供給に関するコストが低いほか、流体供給用機器をコンパクトに配置する上でも有利である。
そして上記の引戸は、上記開口を閉じるべくその開口に下から(前記と同様、斜め下からの場合を含む)重ねられ、空気が注入されて上記袋体が膨らむとき上記開口の周囲の壁に押し付けられるようにし、また、上記の空気供給手段が停止したとき、上記チャンバーおよび上記袋体から空気が排出されるようにするのがよい。
そのようにすると、空気供給手段が停止したとき、チャンバー内の圧力が下がることによって引戸が開口に押し付けられる力が下がり、また袋体が萎むことによって引戸が開口の周囲の壁から離れる。そうなると、開口閉鎖位置から引戸を容易に移動させて開口を開放することができる。つまり、上記のようにした場合、停電等によってチャンバー内の圧力が維持できなくなったとき、チャンバー内の人が引戸を操作して自由に外へ出ることができるという、安全上の利点がある。開口に対して下から引戸が重ねられるため、開口を開くとき引戸を開口の壁から離すのに重力を利用でき、スプリング等が不要であるという利点もある。
また、上記では、空気が注入されて袋体が膨らむとき引戸が壁に押し付けられるようにする。引戸を壁に押し付けるときはチャンバー内にも空気を供給することになるので、上のようにすると、袋体に対して空気を供給・排出する時期と、チャンバーに対して空気を供給・排出する時期とがそれぞれ一致する。そのため、特別な制御や弁操作によって空気の供給先や排出元を切り換えなくとも、空気供給手段をオン・オフするだけで、袋体とチャンバー内との双方に対して空気を適切に供給・排出することができる。
移動端にあるときの上記の引戸は、マグネット等の軽拘束手段にて移動を防止するようにすると好ましい。軽拘束手段とは、人が操作しないとき引戸の移動を防止できる程度の軽微な力で引戸を拘束する手段であり、人が力を加えるとその拘束を解除して引戸を移動させられるものをいう。
流体を注入する袋体を引戸またはその案内部材に取り付けると、袋体の膨らみ方が常に均一であるとは限らないので、案内部材に勾配が生じる等によって引戸がいずれかの向きに移動しやすくなる。しかし、移動端にあるときの引戸を上記のように軽拘束手段で移動防止するなら、袋体の膨らむとき等に引戸が不意に移動する恐れがなくなる。引戸は軽微な力で拘束されるのみであるから、引戸が開口に押し付けられていない状態では、人が容易に移動させて開放等することができる。
上記袋体として、シートが重ねられたうえ周縁部を接合されて袋状にされたものを使用し、上記容積変化の際に当該周縁部が他の物に接触しないように袋体を取り付けるのが好ましい。
上記のように周縁部を接合してできた袋体は、構成が簡単であって低コストであるという利点を有する。しかし、周縁部が接合されたものは、その周縁部に比較的硬いいわゆる耳の部分を有するので、容積変化の際にその耳の部分が他の物(たとえば袋体の収容ケース)に接触すると、硬質の音を発してチャンバー内の人に不快感をもたらすことが多い。その点、上のように袋体の周縁部が他の物に接触しないようにすると、不快な音が発生しないためチャンバー内が静粛に保たれる。また、他の物に接触して袋体が不規則に変形したり、そのために袋体の一部に無理な力が作用したりする不都合も生じない。
発明による開口の開閉構造では、開口付近の壁や引戸の形状精度をあまり高くしなくとも、引戸をつねに円滑に移動して開口を確実かつ容易に開閉することが可能になる。流体圧シリンダーではなく袋体を用いて引戸を壁に押し付けるので、流体供給用機器のコストや設置スペース、流体供給時の静粛性等に関してもメリットがある。
引戸と開口との位置関係や袋体の役割等を適切に定めると、開口を開こうとして引戸を壁から離すのに重力を利用することができるうえ、流体の供給手段が機能しないとき引戸が必ず容易に開けられる、という安全上の利点もある。
発明による高気圧空気チャンバーは、上記の開閉構造を採用するので、設備コストを抑えながらも引戸による開閉を円滑化することができる。静粛であって安全であるという効果があるので、人が入って使用するうえできわめて好ましい。
チャンバー内に空気を供給する空気供給手段によって上記袋体に空気を注入することとすると、袋体のために専用の流体供給手段を設ける必要がなく、コストを下げてコンパクトの構成する上で有利である。
そのほか、空気供給手段をオン・オフするだけで袋体とチャンバー内との双方に適切に空気を供給・排出できる、という構成を採用することもできる。移動端にあるときの引戸が不意に移動することを防止したり、容積変化する袋体から異音がしてチャンバー内の人に不快になることを防止したりすることも可能である。
発明による高気圧空気チャンバー1について全体を示す縦断面図である。 図1におけるII部の詳細図である。 図1におけるIII−III断面図である。 図1におけるIII−III断面図であるが、袋体30が膨らんだときの状態を示すものである。 図1におけるV−V断面図である。 図1におけるVI−VI断面図である。 図1におけるVII−VII断面図である。 従来の高気圧空気チャンバー1’を示す図であり、図8(a)は平面図、同(b)は縦断面図、同(c)は同(b)におけるc−c断面図である。
発明の実施形態である高気圧空気チャンバー1に関し、図1〜図7に基づき説明する。
図1に示す高気圧空気チャンバー1の本体は、鉄などの金属板または樹脂板によって内部を密閉可能に形成した水平円筒形状の容器である。図8に示した従来のチャンバー1’と同様に、内部に人(利用者)を収容したうえ、その内部の空気圧を大気圧よりも0.03MPa(約0.3kg/cm2)程度だけ高く保つことができるよう構成している。そのような高気圧下で数十分間ずつ利用者Aを横たわらせることにより、癒し(ヒーリング)やリラクゼーション等の効果をもたらす。なお、図1において符号2は据付用の脚部、同3は寝台としてのマットである。
チャンバー1の壁5の上部には、利用者が出入りできるよう、全長の半分に近い長さと全周の3分の1前後の幅をもつ開口4を設けており、その開口4を引戸10によって開閉可能としている。引戸10は、チャンバー1の壁の内側に沿う曲面を有するたとえば透明のアクリル製のもので、開閉の際に内側または外側に大きな動作スペースをとることがないよう、前後、すなわちチャンバー1の長さ方向にスライドして開口を開閉する。開閉操作のために引戸10には、図1のとおり外側に取っ手11を設けているほか、チャンバー1の内側にも、利用者が操作できるように取っ手(図示省略)を取り付けている。
引戸10には、スムーズにスライドするよう、支持金具12を介して車輪13を複数個(前後左右に合計4個)取り付け、その車輪13を左右各1本の案内部材20に添わせている。案内部材20は、チャンバー1の長さ方向に継ぎ目なく延びたもので、図3等に示すようにU字状(上の開いたコの字状)の断面を有している。案内部材20を軌道として車輪13が走行することから、引戸10は軽い力でチャンバー1の長さ方向に移動させることができ、左右に位置のずれることが防止される。
車輪13が案内部材20の断面内で中央付近に位置しながら走行するよう、引戸10には図6のとおり水平ローラ14を取り付けてもいる。水平ローラ14は、案内部材20のU字状の溝の内側に入る直径を有する水平向き(軸心が鉛直)のプラスチックローラであり、回転自在にして支持金具12の下部に合計4個取り付けている。水平ローラ14が案内部材20の溝に入っていると、引戸10の位置が左右にずれることが防止される。この点によっても引戸10は円滑な移動が確保されやすいため、必要な形状精度が従来に比べて緩和されることになる。
図1のように引戸10で開口4を閉じたときチャンバー1の内部圧力を大気圧以上にすることができるよう、開口4の周りの壁5の内側にはパッキン6を取り付けている。パッキン6はネオプレンゴムを材料とし、開口4の全周を連続的に囲むよう形成したものである。図3等に示すように、パッキン6はDの字の断面形状をもつ中空のもので、長さ方向に延びたスジ状の突起が表側の曲面部分の表面に形成されている。引戸10が図1のように開口4の内側位置に達したとき外側上部の壁2寄りに押し付けられるなら、パッキン6が引戸10と壁5との間にはさまれることとなり適切なシールが実現するため、チャンバー1内に空気を供給することにより内部圧力を円滑に上昇させることができる。ただし、パッキン6によるシールは、一切の空気を漏出させない完璧なものである必要はない。わずかの空気を漏らすとしても、チャンバー1内への空気の供給量がその漏出量を上回るなら、内部圧力を上昇させて保持することが可能だからである。
案内部材20に沿って移動する引戸10が開口4の内側位置に達しただけでは、開口4がほとんど閉じてはいないため、チャンバー1内に空気を供給しても内部圧力を上昇させることができない。図示の高気圧空気チャンバー1では、開口4の内側位置に達した引戸10を、上方にある開口4の周囲の壁5に重ねて開口4を概ね閉じることができるよう、下記のとおり案内部材20の位置を押し上げ得る構成を採用している。
案内部材20は、まず、チャンバー1の壁5に直接に固定するのではなく、壁5に固定した支持金具21に対し、上下に変位し得るように取り付けている。すなわち図2・図5のように、案内部材20の下部に樹脂製のスライド部材22を設けるとともに、そのスライド部材22を、支持金具21に固定した金属製のガイド部材23内に挿入している。これらスライド部材22とガイド部材23との作用により、案内部材20は、上下にのみ変位し得るよう支持金具21によって支持されることになる。ガイド部材23の近くには、ボルトの頂部にゴムダンパ24を取り付けてなるアジャスタブルのストッパー25を設けたので、これにより案内部材20の変位の下限を設定できる。
上下に変位し得るようにした案内部材20を押し上げる駆動源としては、図3・図4のように袋体30を組み込んでいる。袋体30は、ゴムや樹脂のシートを複数枚重ねたうえ周縁部を接合し、風船のように内部に空気を注入できるようにしたものである。そのような袋体30を、開口4の下方部分において支持金具21上の平板21aの上に取り付け、その袋体30の上に、案内部材20と一体の押上げ板20aを被せている。袋体30は、数十mmの幅をもたせるとともに、チャンバー1の長さ方向に1m程度の長さを有するものとする。平板21aおよび押し上げ板20aについても、袋体30と同程度の幅と長さをもたせて袋体30と広く接触するようにする。袋体30の内部に空気を注入すると、袋体30が図4のように膨らんで、押し上げ板20aとともに案内部材20を押し上げ、もって引戸10を開口4の壁5(パッキン6)に接触させることができる。
開口4のパッキン6に接触する程度に引戸10を押し上げると、開口4から空気がほとんど漏れ出なくなるため、チャンバー1内に空気を供給するとき、その内部の圧力を上昇させることができる。
図1等の例では、1台のコンプレッサ(図示省略)を共用の空気供給手段として、チャンバー1内への空気の供給と袋体30への空気の注入とを行わせている。つまり、コンプレッサの空気供給口(図示省略)の先にエアフィルター(同)を設け、同フィルターを通した空気をチャンバー1内に供給することとし、袋体30には、コンプレッサの空気供給口とエアフィルターとの間から分岐させた管(図示省略)により空気を供給する。コンプレッサによる空気の圧力は0.06MPa程度であるが、袋体30の面積が大きいことから、そのような低い圧力であっても、案内部材20を介して引戸10を十分に強く押し上げ、パッキン6に接触させることができる。
また、上のようにすると、コンプレッサのオン・オフのみによって、袋体30とチャンバー1との双方にそれぞれ適切に空気を供給することが可能である。まず、コンプレッサを起動したとき、エアフィルターを経由しないために圧力損失の低い袋体30の方に空気が注入されるとともに、袋体30に空気が充填された時点から空気の全量がチャンバー1内に供給される。袋体30に空気が充填されたとき開口4が引戸10で閉じられるため、その後に供給される空気はチャンバー1内に効率的に充填されて速やかに圧力を上昇させる。チャンバー1には空気排出口(図示省略)が設けられているので、圧力上昇後、チャンバー1内の空気は少しずつ排出され、新鮮なものに置き換えられながら一定の圧力に保たれる。一方、コンプレッサを停止させたときは、袋体30およびチャンバー1内の空気がコンプレッサ寄りに逆流して徐々に排出され、チャンバー1内の空気圧力が大気圧まで下がるとともに袋体30が萎むため、引戸10が下方へ変位して開口4のパッキン6から離れる。引戸10がパッキン6から離れると、取っ手11等を持って引戸を楽にスライドさせ、開口4を大きく開くことができる。
したがって図1の高気圧空気チャンバー1は、つぎの要領で使用することができる。
1) コンプレッサを起動していないとき、引戸10を操作して開口4を開き、利用者をチャンバー1内に入れる。
2) 利用者をマット3に寝かせると、引戸10を操作して開口4の位置まで移動し、コンプレッサを起動する。そうすると、まず袋体30の作用で引戸10が開口4のパッキン6に接触し、さらにチャンバー1内の空気圧力の上昇にともない引戸10がパッキン6に押し付けられて開口4が密閉されたうえ、チャンバー1内が高気圧に保たれる。
3) 40〜50分程度チャンバー1内を高気圧に保ったのち、コンプレッサを停止させる。そうすると、チャンバー1内の空気圧が下がるとともに、袋体30も萎んで引戸10が開口4のパッキン6から下方へ離れるので、引戸10を移動しやすい状態になる。
4) 引戸10を移動して開口4を開放し、利用者を外に出す。
高気圧空気チャンバー1では、利用者が快適に利用できるよう、つぎのような構成も採用している。
a) 案内部材20における引戸10の移動端位置には、図1・図2のようにマグネット26を取り付け、支持金具12を引き付けて引戸10の位置を拘束できるようにした。開口4を閉じたとき(ただし引戸10をまだ押し上げていないとき)および最も開いたときに、引戸10が不意に移動してしまうことを防ぐためである。マグネット26の力は小さいので、利用者等が引戸10に力を加えると引戸10を移動させることができる。なお、マグネット26の背面にはクッションゴム26aを取り付けている。引戸10がマグネット26に当たるときの衝撃がクッションゴム26aによって緩和されるようにしたのである。衝撃をやわらげる方が、移動端に達したときの引戸10をマグネット26が引き留めやすいことにもなる。
b) 袋体30は、上記のとおり複数枚のシートを重ねたうえ周縁部を接合したもので、いわゆる耳の部分31を周縁に有するが、図3・図4のようにその部分31を横にして、容積変化する間には他の部材に全く接触しないようにした。比較的硬い耳の部分31が前記の平板21aや押し上げ板20a等に接触しながら容積変化すると、異音を発して利用者に不快感をもたせるからである。なお、袋体30は、その長さ方向の一方の端部に空気注入用の管を接続していてその管を固定するとともに、長さ方向の他方の端部に止め穴を設け、当該止め穴に止め具を差し入れることにより、支持金具21に固定している。
c) 引戸10に取り付けた車輪13やその案内部材20、さらには案内部材20に取り付けたスライド部材22やガイド部材23、マグネット26、袋体30等は、図7のように、支持金具21を介して取り付けるカバープレート27により内側から覆っている。チャンバー1内に入る利用者がこれらに洋服を引っかけたりするのを防止するためである。
以上、発明の実施形態を図1〜図7を用いて説明したが、これ以外の形態によっても発明を実施できることは言うまでもない。たとえば、図示のように引戸が水平方向(または概ね水平方向)にスライドするのではなく、鉛直または斜めの方向にスライドする(そして開口の内側ではチャンバーの壁寄りにも移動する)という形式の高気圧空気チャンバーとしても、発明を実施することができる。
1 高気圧空気チャンバー
4 開口
5 壁
6 パッキン
10 引戸
13 車輪
20 案内部材
26 マグネット(軽拘束手段)
30 袋体

Claims (7)

  1. 人が入った状態のチャンバー内が大気圧よりも高い圧力になるよう内部に空気を供給する高気圧空気チャンバーであって、
    チャンバーの壁に設けられた開口を、案内部材にしたがいその壁に沿って移動する引戸により開閉する開口の開閉構造を有し
    上記の案内部材と上記の壁に固定された支持具との間に、引戸の移動方向に長さを有する袋体であって流体が注入され得るものが取り付けられていて、上記流体による袋体の容積変化にともなって、上記案内部材とともに上記の引戸が壁に押し付けられる方向へ変位し、上記の引戸がパッキンを介し上記開口の周囲の壁に押し付けられることを特徴とする高気圧空気チャンバー
  2. 上記の案内部材が上記引戸の左右各側に配置されていて、左右各側において、それら案内部材と上記支持具との間に上記の袋体が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の高気圧空気チャンバー。
  3. 上記引戸の左右各側に、上記の案内部材に添わせて車輪が取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の高気圧空気チャンバー。
  4. チャンバーの内部に上記の空気を供給する空気供給手段によって、上記袋体に上記流体として空気が注入されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高気圧空気チャンバー。
  5. 上記の引戸が、上記開口を閉じるべくその開口に下から重ねられ、空気が注入されて上記袋体が膨らむとき上記開口の周囲の壁に押し付けられるものであり、
    上記の空気供給手段が停止したとき、上記チャンバーおよび上記袋体から空気が排出されることを特徴とする請求項4に記載の高気圧空気チャンバー。
  6. 移動端にあるときの上記の引戸が、マグネット等の軽拘束手段にて移動を防止されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高気圧空気チャンバー。
  7. 上記袋体が、シートが重ねられたうえ周縁部を接合されて袋状にされたものであり、上記容積変化の際に当該周縁部が他の物に接触しないように取り付けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高気圧空気チャンバー。
JP2009080719A 2009-03-28 2009-03-28 高気圧空気チャンバー Expired - Fee Related JP5277037B2 (ja)

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