以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子書籍提供システムの全体構成を示している。図1に示すように、第1実施形態に係る電子書籍提供システム1は配信システム10と複数の端末装置20とを含む。配信システム10及び各端末装置20は、例えばインターネット等を含んで構成される通信ネットワーク2に接続され、相互にデータ通信が可能になっている。
配信システム10は電子書籍を端末装置20に配信するためのシステムである。また、配信システム10は、電子書籍を介して行われる広告の広告主への課金処理も実行する。配信システム10は一又は複数のサーバを含んで構成される。図1に示す例の場合、配信システム10は電子書籍配信装置12とデータベース14とを含んでいる。
電子書籍配信装置12はサーバコンピュータによって実現される。例えば、電子書籍配信装置12は、制御部(例えばCPU)、主記憶部(例えばRAM)、補助記憶部(例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ)、光ディスクドライブ、及び通信インタフェースを含む。
制御部は補助記憶部に記憶されたプログラムに従って処理を実行する。例えば、プログラムやデータは光ディスク(情報記憶媒体)を介して補助記憶部に供給される。すなわち、プログラムやデータが記憶された光ディスクが光ディスクドライブに装着され、光ディスクに記憶されたプログラムやデータが光ディスクドライブによって読み出され、補助記憶部に記憶される。なお、光ディスク以外の情報記憶媒体(例えばメモリカード)を介してプログラムやデータを補助記憶部に供給するようにしてもよい。また、プログラム及びデータは通信ネットワーク2を介して補助記憶部に供給されるようにしてもよい。
電子書籍配信装置12はデータベース14にアクセスできるようになっている。例えば、データベース14は下記に示すようなデータを記憶している。
・電子書籍提供システム1を利用するユーザに関するデータ
・電子書籍提供システム1で提供される電子書籍に関するデータ
・電子書籍提供システム1で行われた電子書籍の配信履歴に関するデータ
・電子書籍提供システム1で行われる広告の広告主に関するデータ
端末装置20は、ユーザが電子書籍を楽しむために使用する情報処理装置である。例えば、端末装置20は電子書籍を読むための専用端末装置である。または、端末装置20は、携帯電話機、携帯情報端末、携帯ゲーム機、又はパーソナルコンピュータ等であってもよい。
例えば、端末装置20は、制御部(例えばCPU)、主記憶部(例えばRAM)と、補助記憶部(例えばハードディスク又はソリッドステートドライブ)、メモリカードスロット、操作部、表示部(例えば液晶ディスプレイ)、音声出力部(例えばスピーカ)、及び通信インタフェースを含む。
制御部は補助記憶部に記憶されたプログラムに従って処理を実行する。本実施形態の場合、電子書籍を表示部に表示するためのプログラム(ビューアプログラム)が補助記憶部に記憶される。なお、電子書籍を音声出力部から出力させるためのプログラムが補助記憶部に記憶されていてもよい。
なお、プログラムやデータはメモリカード(情報記憶媒体)を介して補助記憶部に供給される。すなわち、プログラムやデータが記憶されたメモリカードがメモリカードスロットに装着され、メモリカードに記憶されたプログラムやデータがメモリカードスロットによって読み出され、補助記憶部に記憶される。メモリカード以外の情報記憶媒体(例えば光ディスク)を介してプログラムやデータを補助記憶部に供給するようにしてもよい。また、プログラム及びデータは通信ネットワーク2を介して補助記憶部に供給されるようにしてもよい。
操作部はユーザが操作を行うためのものである。例えば、操作部はスティック、ボタン、マウス、又は、表示部の上に重ねて設けられるタッチパネル等である。
上記の電子書籍提供システム1では、ユーザは電子書籍を購入し、購入した電子書籍を端末装置20で楽しめるようになっている。電子書籍を購入しようとするユーザは端末装置20から配信システム10にアクセスする。例えば、ユーザは、ユーザID及びパスワードを入力することによって配信システム10へのログインを完了した後、電子書籍を検索したり、電子書籍のカテゴリを選択したりすることによって、所望の電子書籍を探す。
所望の電子書籍を見つけたユーザは、電子書籍を購入するための購入画面(図示せず)において購入手続きを行う。電子書籍の購入手続きが完了すると、その電子書籍を端末装置20にダウンロードできるようになる。ユーザがダウンロードを指示する操作を行うと、電子書籍がデータベース14から読み出され、該電子書籍が端末装置20に送信される。
電子書籍を受信した端末装置20では電子書籍が表示部に表示され、ユーザは電子書籍を読むことができるようになる。なお、端末装置20では電子書籍が音声出力部から出力されるようにしてもよい。すなわち、ユーザは、電子書籍を朗読する音声を聴くことができるようにしてもよい。
電子書籍提供システム1では、広告が電子書籍(例えば小説)の文章中に挿入されるようになっている。以下、この広告機能について説明する。
図2及び図3は上記の広告機能の概要について説明するための図である。図2は電子書籍(小説)の原文の一例を示している。図2に示す例では、「太郎は急いで車に飛び乗った。」、「太郎は缶コーヒーを飲んだ。」、及び「太郎は夕食のためにレストランに入った。」の文が電子書籍の原文に含まれている。
図3は、端末装置20の表示部に表示される電子書籍の文章の一例を示している。図3に示すように、端末装置20の表示部に表示される電子書籍の文章では、「車」が「スポーツカーA」に置換され、「缶コーヒー」が「ブラックコーヒーB」に置換されている。なお、「スポーツカーA」は実際に販売されている自動車の商品名を示しており、「ブラックコーヒーB」は実際に販売されている缶コーヒーの商品名を示している。
このように、電子書籍提供システム1では、電子書籍の原文に含まれている普通名詞が、実際に販売されている商品名に置換され、その結果として、実際に販売されている商品名が電子書籍の文章中に埋め込まれるようになっている。電子書籍提供システム1によれば、ユーザが電子書籍(例えば小説)を読むと、必然的に広告(商品名)がユーザの目に触れるようになる。
なお、図3に示す例の場合、電子書籍の文章中に含まれるすべての「車」との語句が「スポーツカーA」に置換されるわけではなく、電子書籍の作者等が予め指定した箇所のみが「スポーツカーA」に置換される。すなわち、実際に販売されている車名に置換しても問題ないと作者等が判断した箇所のみが「スポーツカーA」に置換されるようになっている。「缶コーヒー」に関しても同様である。このようになっていることによって、「スポーツカーA」及び「ブラックコーヒーB」等の実際に販売されている商品名への置換が行われたとしても、電子書籍の内容自体がおかしくなってしまわないように担保されている。
また、図3に示す例では、実際に販売されている商品名が電子書籍の文章中に挿入される場合について説明したが、実際に提供されているサービス名が電子書籍の文章中に挿入されるようにしてもよい。また、商品名及びサービス名だけでなく、実存する企業名や、実存する商品及びサービスのキャッチフレーズが電子書籍の文章中に挿入されるようにしてもよい。
以下、上記のような広告機能を実現するための構成について説明する。なお、以下では、上記の「スポーツカーA」及び「ブラックコーヒーB」のような語句のことを「広告語句」と記載する。すなわち、元々の語句の換わりに挿入される、広告に関する語句(例えば商品名又はサービス名等)のことを「広告語句」と記載する。
図4は、電子書籍提供システム1において実現される機能ブロックのうち、本発明に関連する機能ブロックを示す機能ブロック図である。図4に示すように、電子書籍提供システム1は、電子書籍記憶部100、広告語句記憶部102、電子書籍取得部104、広告語句取得部106、広告語句挿入部108、電子書籍送信部110、電子書籍受信部200、及び出力制御部202を含んでいる。これらの機能ブロックは、広告語句が挿入された電子書籍をユーザに提供するための機能ブロックである。なお、これらの機能ブロック以外の機能ブロックも電子書籍提供システム1は含んでいるが、上記の機能ブロック以外の機能ブロックについては後述する。
電子書籍記憶部100及び広告語句記憶部102について説明する。電子書籍記憶部100及び広告語句記憶部102は配信システム10において実現される。例えば、電子書籍記憶部100及び広告語句記憶部102はデータベース14によって実現される。
電子書籍記憶部100は一又は複数の電子書籍を記憶する。図5は電子書籍データの一例を示す。図5に示す電子書籍データは電子書籍の原文を示すデータである。また、図5に示す電子書籍データでは、電子書籍の原文中の置換対象語句を示すタグが電子書籍の原文中に埋め込まれている。「置換対象語句」とは広告語句に置換すべき語句である。
図5に示す例の場合、<ad>及び</ad>の組み合わせが上記の「タグ」に相当している。また、<ad>及び</ad>に挟まれた語句が上記の「置換対象語句」に相当している。すなわち、「車」、「缶コーヒー」、及び「レストラン」が「置換対象語句」に相当している。上述したように、どの語句を置換対象語句に設定するかは電子書籍の作者等によって決定される。
広告語句記憶部102は、置換対象語句又はタグに対応づけて広告語句を記憶する。図6は、広告語句記憶部102に記憶される広告語句テーブルの一例を示している。図6に示す広告語句テーブルは、「置換対象語句」、「広告語句」、及び「広告主ID」フィールドを含んでいる。「置換対象語句」フィールドは置換対象語句(すなわち広告語句に置換すべき語句)を示す。「広告語句」フィールドは広告語句(すなわち、広告に関する語句)を示す。置換対象語句に換えて挿入すべき広告語句の候補が「広告語句」フィールドに登録される。
「広告主ID」フィールドは広告主の識別情報を示す。図6に示す例の場合、広告語句「スポーツカーA」の広告主が「X社」になっている。また、広告語句「ブラックコーヒーB」の広告主が「Y社」になっている。同様に、広告語句「カフェオレC」の広告主が「Z社」になっている。
図6に示す例の場合、X社が販売している自動車の名称である「スポーツカーA」が広告語句として置換文字列「車」に対応づけられている。
また図6に示す例の場合、Y社が販売している缶コーヒーの名称である「ブラックコーヒーB」と、Z社が販売している缶コーヒーの名称である「カフェオレC」と、の二つの広告語句が一つの置換対象語句「缶コーヒー」に対応づけられている。このように、複数の企業が同じ商品類の広告を希望しているような場合には、一つの置換対象語句に対して複数の広告語句が対応づけられる。
また図6に示す例の場合、置換対象語句「レストラン」に広告語句が対応づけられていない。これは、レストランの広告を電子書籍を介して行うことを希望する企業がいないことを示している。このように、広告を希望する企業がいない場合には、置換対象語句に対して広告語句が対応づけられなくなる。
ところで、電子書籍データ及び広告語句テーブルは図5,6に示した例に限られない。図7は電子書籍データの他の一例を示す。図7に示す電子書籍データでも、図5に示す電子書籍データと同様に、電子書籍の原文中の置換対象語句を示すタグが電子書籍の原文中に埋め込まれている。ただし、図7に示す電子書籍データでは、タグが置換対象語句の種類ごとに異なっており、タグ自体が、置換対象語句を識別する識別情報としての役割も果たすようになっている。
図7に示す例の場合、<car>及び</car>の組み合わせが上記の「タグ」として埋め込まれている。<car>及び</car>の組み合わせは置換文字列「車」に対応している。また図7に示す例の場合、<coffee>及び</coffee>の組み合わせも上記の「タグ」として埋め込まれている。<coffee>及び</coffee>の組み合わせは置換文字列「缶コーヒー」に対応している。また図7に示す例の場合、<restaurant>及び</restaurant>の組み合わせも上記の「タグ」として埋め込まれている。<restaurant>及び</restaurant>の組み合わせは置換文字列「レストラン」に対応している。
図8は、電子書籍データが図7に示すようなデータである場合における広告語句テーブルの一例を示す。図8に示す広告語句テーブルは、「タグ」、「広告語句」、及び「広告主ID」フィールドを含んでいる。図8に示す広告語句テーブルは、「置換対象語句」フィールドの代わりに「タグ」フィールドを含む点で、図6に示す広告語句テーブルとは異なっている。
図8に示す例では、X社が販売している車名である「スポーツカーA」が広告語句として<car>及び</car>の組み合わせに対応づけられている。また、Y社が販売している缶コーヒー名である「ブラックコーヒーB」と、Z社が販売している缶コーヒー名である「カフェオレC」と、の二つの広告語句が<coffee>及び</coffee>の組み合わせに対応づけられている。なお、<restaurant>及び</restaurant>の組み合わせには広告語句が対応づけられていない。
図9は電子書籍データのさらに別の一例を示す。図9に示す電子書籍データでは、広告語句を元々の語句に換えて挿入すべき電子書籍の文章中の位置を示すタグが文章中に埋め込まれている。図9に示す電子書籍データでは、広告語句に置き換えるべき語句(すなわち、図5,7における置換対象語句に相当する語句)自体がタグに置き換えられている。図9に示す例の場合、<car>、<coffee>、及び<restaurant>のタグが設定されている。
図10は、電子書籍データが図9に示すようなデータである場合における広告語句テーブルの一例を示す。図10に示す広告語句テーブルは「タグ」、「オリジナル語句」、「広告語句」、及び「広告主ID」フィールドを含んでいる。図10に示す広告語句テーブルは、「置換対象語句」フィールドの代わりに「タグ」及び「オリジナル語句」フィールドを含む点で、図6に示す広告語句テーブルとは異なっている。
「オリジナル語句」フィールドは、電子書籍の原文において、タグが示す位置にある語句を示す。言い換えれば、「オリジナル語句」フィールドは、電子書籍の原文を表示する場合においてタグが示す位置に表示すべき語句を示す。また、この場合の「広告語句」フィールドは、タグが示す位置に挿入すべき広告語句を示す。
図10に示す例では、語句「車」がオリジナル語句として<car>に対応づけられている。また、X社が販売している車名である「スポーツカーA」が広告語句として<car>に対応づけられている。また、語句「缶コーヒー」がオリジナル語句として<coffee>に対応づけられており、Y社が販売している缶コーヒー名である「ブラックコーヒーB」と、Z社が販売している缶コーヒー名である「カフェオレC」と、の二つが広告語句として<coffee>に対応づけられている。また、語句「レストラン」がオリジナル語句として<restaurant>に対応づけられている。ただし、<restaurant>には広告語句が対応づけられていない。
電子書籍取得部104、広告語句取得部106、広告語句挿入部108、及び電子書籍送信部110について説明する。これらの機能ブロックは配信システム10において実現される。例えば、これらの機能ブロックは電子書籍配信装置12によって実現される。
電子書籍取得部104は電子書籍記憶部100に記憶される電子書籍を取得する。広告語句取得部106は広告語句記憶部102の記憶内容を取得する。
広告語句挿入部108は、電子書籍の文章中に含まれるタグと、広告語句記憶部102の記憶内容と、に基づいて、広告語句を電子書籍の文章中に挿入する。
例えば、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図5,6に示すようなデータ及びテーブルである場合、広告語句挿入部108は、タグによって示される電子書籍の文章中の置換対象語句を、該置換対象語句に対応する広告語句に置換することによって、該広告語句を電子書籍の文章中に挿入する。
例えば、広告語句挿入部108は、置換対象語句「車」を広告語句「スポーツカーA」に置換する。また、広告語句挿入部108は、置換対象語句「缶コーヒー」を広告語句「ブラックコーヒーB」又は「カフェオレC」のいずれかに置換する。
なお、一つの置換対象語句に複数の広告語句が対応づけられている場合、広告語句挿入部108は、それら複数の広告語句のうちのいずれかを選択する。例えば、広告語句挿入部108は、それら複数の広告語句の各々の広告主が支払った広告料に基づいて、それら複数の広告語句のうちのいずれかを選択する。例えば、広告語句挿入部108は、支払った広告料が最も高い広告主の広告語句を選択する。または、広告語句挿入部108は、それら複数の広告語句の各々の広告主が支払った広告料に基づいて設定される確率情報に従って、それら複数の広告語句のうちのいずれかを選択するようにしてもよい。この場合の確率情報は、広告主が支払った広告料が多いほど、その広告主の広告語句が選択される確率が高くなるように設定される。
あるいは、広告語句挿入部108は複数の広告語句のうちのいずれかをランダムに選択するようにしてもよい。なお、一つの置換対象語句には必ず一つの広告語句のみが対応づけられるようにしてもよい。つまり、一つの置換対象語句に複数の広告語句が対応づけられることがないようにしてもよい。
ところで、図6に示す広告語句テーブルの場合、置換対象語句「レストラン」には広告語句が対応づけられていない。この場合、広告語句挿入部108は、置換対象語句「レストラン」を広告語句に置換しない。
また例えば、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図7,8に示すようなデータ及びテーブルである場合、広告語句挿入部108は、タグによって示される電子書籍の文章中の置換対象語句を、該タグに対応する広告語句に置換することによって、該広告語句を電子書籍の文章中に挿入する。
具体的には、広告語句挿入部108は、<car>及び</car>によって挟まれた置換対象語句「車」を、<car>及び</car>に対応する広告語句「スポーツカーA」に置換する。また、広告語句挿入部108は、<coffee>及び</coffee>によって挟まれた置換対象語句「缶コーヒー」を、<coffee>及び</coffee>に対応する広告語句「ブラックコーヒーB」又は「カフェオレC」のいずれかに置換する。なお、図8に示す広告語句テーブルの場合、<restaurant>及び</restaurant>は広告語句が対応づけられていないため、広告語句挿入部108は、<restaurant>及び</restaurant>によって挟まれた置換対象語句「レストラン」を広告語句に置換しない。
また例えば、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図9,10に示すようなデータ及びテーブルである場合、広告語句挿入部108は、タグによって示される電子書籍の文章中の位置に、該タグに対応する広告語句に挿入することによって、該広告語句を電子書籍の文章中に挿入する。
具体的には、広告語句挿入部108は、<car>の後(又は前)に、<car>に対応する広告語句「スポーツカーA」を挿入する。また、広告語句挿入部108は、<coffee>の後(又は前)に、<coffee>に対応する広告語句「ブラックコーヒーB」又は「カフェオレC」のいずれかを挿入する。なお、図10に示す広告語句テーブルの場合、<restaurant>に広告語句が対応づけられていないため、広告語句挿入部108は、<restaurant>の後(又は前)に、<restaurant>に対応するオリジナル語句「レストラン」を挿入する。
電子書籍送信部110は、広告語句挿入部108による広告語句の挿入が行われた後の電子書籍を端末装置20に送信する。
ここで、電子書籍の購入手続きが完了した場合に配信システム10で実行される処理について説明する。図11及び図12は、電子書籍の購入手続きが完了した場合に配信システム10で実行される処理の一例を示すフロー図である。電子書籍配信装置12の制御部が補助記憶部に記憶されるプログラムに従って図11,12に示す処理を実行することによって、制御部が電子書籍取得部104、広告語句取得部106、広告語句挿入部108、及び電子書籍送信部110として機能するようになる。なお、図11,12に示す処理は、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図5,6に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理である。
電子書籍の購入手続きが完了した場合、図11に示すように、電子書籍配信装置12の制御部(電子書籍取得部104)は、購入された電子書籍をデータベース14から取得する(S101)。その後、制御部は、電子書籍の文章中に埋め込まれた最初のタグを探す(S102)。すなわち、制御部は、電子書籍の文章中に埋め込まれた最初の<ad>及び</ad>の組み合わせを探す。最初のタグが見つかった場合、制御部はそのタグが示す置換対象語句を取得する(S103)。すなわち、制御部は、<ad>及び</ad>に挟まれた語句を置換対象語句として取得する。
ステップS103の処理が実行された後、制御部(広告語句取得部106)は広告語句テーブル(図6)を参照し、ステップS103で取得した置換対象語句に複数の広告語句が対応づけられているか否かを判定する(S104)。
置換対象語句に複数の広告語句が対応づけられている場合、制御部はそれら複数の広告語句のうちのいずれかを選択する(S105)。例えば、制御部は、それら複数の広告語句の各々の広告主が支払った広告料に基づいて、それら複数の広告語句のうちのいずれかを選択する。
ステップS105の処理が実行された後、制御部は、ステップS103で取得した置換対象語句と、ステップS105で選択した広告語句と、の組み合わせを対応関係テーブルに登録する(S106)。
図13は対応関係テーブルの一例を示す。対応関係テーブルは置換対象語句と広告語句との対応関係を示すデータであり、「置換対象語句」及び「広告語句」フィールドを含んでいる。この対応関係テーブルは主記憶部に記憶される。図13に示す対応関係テーブルには、置換対象語句と広告語句との組み合わせが登録されている(すなわち、レコードが存在している)が、対応関係テーブルは、本処理の実行が開始される際に、置換対象語句と広告語句との組み合わせが登録されていない状態(すなわち、レコードがない状態)に初期化される。
ステップS106では対応関係テーブルに新たなレコードが追加される。そして、ステップS103で取得された置換対象語句と、ステップS105で選択された広告語句とが、新たに追加されたレコードの「置換対象語句」及び「広告語句」フィールドに登録される。
ステップS106の処理が実行された後、制御部(広告語句挿入部108)は、ステップS101で取得した電子書籍において、ステップS102で見つけたタグが示す置換対象語句を、ステップS105で選択した広告語句に置換する(S107)。その後、制御部は後述のステップS112の処理を実行する。
一方、ステップS104において複数の広告語句が置換対象語句に対応づけられていないと判定された場合、制御部(広告語句取得部106)は広告語句テーブル(図6)を参照し、ステップS103で取得した置換対象語句に一つの広告語句のみが対応づけられているか否かを判定する(S108)。
一つの広告語句のみが置換対象語句に対応づけられている場合、制御部は、ステップS103で取得した置換対象語句と、該一つの広告語句と、の組み合わせを対応関係テーブル(図13)に登録する(S109)。この処理はステップS106の処理と同様である。
ステップS109の処理が実行された後、制御部(広告語句挿入部108)は、電子書籍において、ステップS102で見つけたタグが示す置換対象語句を上記一つの広告語句に置換する(S110)。その後、制御部は後述のステップS112の処理を実行する。
なお、ステップS108において一つの広告語句のみが置換対象語句に対応づけられていると判定されなかった場合とは、広告語句が置換対象語句に対応づけられていない場合である。この場合、制御部は、ステップS103で取得した置換対象語句のみを対応関係テーブル(図13)に登録する(S111)。この場合、対応関係テーブルに新たなレコードが追加される。そして、ステップS103で取得された置換対象語句が、新たに追加されたレコードの「置換対象語句」フィールドに登録される。なお、「広告語句」フィールドは空欄のままに設定される。その後、制御部は後述のステップS112の処理を実行する。
図12に示すように、制御部は電子書籍の文章中に埋め込まれた次のタグを探す(S112)。そして、制御部は次のタグが見つかったか否かを判定する(S113)。次のタグが見つかった場合、制御部はそのタグが示す置換対象語句を取得する(S114)。さらに、制御部は、ステップS114で取得した置換対象語句がすでに対応関係テーブルに登録済みであるか否かを判定する(S115)。ステップS114で取得された置換対象語句がすでに対応関係テーブルに登録済みである場合、制御部は対応関係テーブル(図13)を参照し、ステップS114で取得した置換対象語句に対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されているか否かを判定する(S116)。
ステップS114で取得した置換対象語句に対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されている場合、制御部は該広告語句を取得し、電子書籍において、ステップS112で見つけたタグが示す置換対象語句を、取得した広告語句に置換する(S117)。その後、制御部はステップS112の処理を実行する。すなわち、制御部はさらに次のタグを探す。
一方、ステップS114で取得した置換対象語句に対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されていない場合、制御部は、ステップS112で見つけたタグが示す置換対象語句を置換せずに置換対象語句のままとして、ステップS112の処理を実行する。すなわち、制御部はさらに次のタグを探す。
ステップS114で取得された置換対象語句が対応関係テーブルに登録済みでない場合、制御部はステップS104の処理を実行する。すなわち、制御部は広告語句テーブル(図6)を参照し、ステップS114で取得した置換対象語句に複数の広告語句が対応づけられているか否かを判定する(S104)。
ステップS114で取得された置換対象語句に複数の広告語句が対応づけられている場合、制御部はそれら複数の広告語句のうちのいずれかを選択する(S105)。その後、制御部は、ステップS114で取得した置換対象語句と、ステップS105で選択した広告語句と、の組み合わせを対応関係テーブル(図13)に登録する(S106)。さらに制御部は、電子書籍において、ステップS112で見つけたタグが示す置換対象語句を、ステップS105で選択した広告語句に置換する(S107)。その後、制御部はステップS112の処理を実行する。すなわち、制御部はさらに次のタグを探す。
一方、ステップS114で取得された置換対象語句に複数の広告語句が対応づけられていない場合、制御部は広告語句テーブル(図6)を参照し、ステップS114で取得した置換対象語句に一つの広告語句のみが対応づけられているか否かを判定する(S108)。そして、ステップS114で取得された置換対象語句に一つの広告語句のみが対応づけられている場合、制御部は、ステップS114で取得した置換対象語句と、該一つの広告語句と、の組み合わせを対応関係テーブル(図13)に登録する(S109)。また制御部(広告語句挿入部108)は、電子書籍において、ステップS112で見つけたタグが示す置換対象語句を、上記一つの広告語句に置換する(S110)。その後、制御部は後述のステップS112の処理を実行する。すなわち、制御部はさらに次のタグを探す。
なお、ステップS108において、ステップS114で取得された置換対象語句に一つの広告語句のみが対応づけられていると判定されなかった場合とは、ステップS114で取得された置換対象語句に広告語句が対応づけられていない場合である。この場合、制御部は、ステップS114で取得した置換対象語句のみを対応関係テーブル(図13)に登録する(S111)。その後、制御部はステップS112の処理を実行する。すなわち、制御部はさらに次のタグを探す。
また、ステップS113において次のタグが見つからなかったと判定された場合とは、電子書籍の文章中に埋め込まれたすべてのタグを検出し終えた場合である。この場合、置換対象語句の換わりに広告語句が挿入された電子書籍が生成されていることになる。図14はこの場合の電子書籍データの一例を示す。この場合、制御部(電子書籍送信部110)は、置換対象語句の換わりに広告語句が挿入された電子書籍を端末装置20に送信する(S118)。
なお、配信システム10では、電子書籍の配信履歴に関する配信履歴テーブルがデータベース14に記憶される。図15は配信履歴テーブルの一例を示している。図15に示す配信履歴テーブルは「電子書籍ID」、「ユーザID」、「配信日時」、及び「広告語句情報」フィールドを含んでいる。
「電子書籍ID」フィールドは、配信された電子書籍の識別情報を示す。「ユーザID」フィールドは電子書籍を購入したユーザの識別情報を示す。言い換えれば、「ユーザID」フィールドは、電子書籍の配信先である端末装置20に係るユーザの識別情報を示す。「配信日時」フィールドは、電子書籍の配信が実行された日時を示す。
「広告語句情報」フィールドには、電子書籍に挿入される広告語句に関する情報が登録される。例えば下記のような情報が「広告語句情報」フィールドに登録される。
・電子書籍に挿入された広告語句のリスト
・電子書籍に挿入された各広告語句の個数
ステップS118で電子書籍が端末装置20に送信された場合、配信履歴テーブルに新たなレコードが追加される。そして、新たに追加されたレコードの各フィールドに情報が登録されることになる。
以上では、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図5,6に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理について説明した。ここで、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図7,8に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理についても説明する。電子書籍データ及び広告語句テーブルが図7,8に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理は、下記に説明する点で、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図5,6に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理とは相違する。
電子書籍データ及び広告語句テーブルが図7,8に示すようなデータ及びテーブルである場合、図11のステップS103ではステップS102で見つかったタグが取得される。また、図12のステップS114ではステップS112で見つかったタグが取得される。そして、図11のステップS104では、ステップS103(又はステップS114)で取得されたタグに複数の広告語句が対応づけられているか否かが判定される。
また図11のステップS106では、ステップS103(又はステップS114)で取得されたタグと、ステップS105で取得された広告語句と、の組み合わせが対応関係テーブルに登録される。すなわち、この場合の対応関係テーブルはタグと広告語句との対応関係を示すデータとなる。つまり、対応関係テーブルは、図16に示すように、「タグ」及び「広告語句」フィールドを含むデータとなる。
また図11のステップS108では、ステップS103(又はステップS114)で取得されたタグに一つの広告語句のみが対応づけられているか否かが判定される。そしてステップS109では、ステップS103(又はステップS114)で取得されたタグと、該一つの広告語句と、の組み合わせが対応関係テーブルに登録される。またステップS111では、ステップS103(又はステップS114)で取得されたタグのみが対応関係テーブルに登録される。
さらに図12のステップS115では、ステップS114で取得されたタグが対応関係テーブルに登録済みであるか否かが判定される。ステップS116では、ステップS114で取得されたタグに対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されているか否かが判定される。ステップS114で取得したタグに対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されている場合、該広告語句が取得され、ステップS117では、電子書籍において、ステップS112で見つけられたタグが示す置換対象語句が、取得された広告語句に置換される。
また、図12のステップS118において端末装置20に送信される電子書籍データは、例えば図17に示すようになる。
電子書籍データ及び広告語句テーブルが図9,10に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理についても説明する。電子書籍データ及び広告語句テーブルが図9,10に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理は、下記に説明する点で、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図5,6に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理とは相違する。
電子書籍データ及び広告語句テーブルが図9,10に示すようなデータ及びテーブルである場合、図11のステップS103ではステップS102で見つかったタグが取得される。図12のステップS114ではステップS112で見つかったタグが取得される。そして、図11のステップS104では、ステップS103(又はステップS114)で取得されたタグに複数の広告語句が対応づけられているか否かが判定される。
また図11のステップS106では、ステップS103(又はステップS114)で取得されたタグと、ステップS103(又はステップS114)で取得されたタグに対応するオリジナル語句と、ステップS105で選択された広告語句と、の組み合わせが対応関係テーブルに登録される。すなわち、この場合の対応関係テーブルはタグとオリジナル語句と広告語句との対応関係を示すデータとなる。つまり、対応関係テーブルは、例えば図18に示すように、「タグ」、「オリジナル語句」、及び「広告語句」フィールドを含むデータとなる。
また図11のステップS107では、ステップS102(又はステップS112)で見つけられたタグが示す位置に、ステップS105で選択された広告語句が挿入される。例えば、ステップS102(又はステップS112)で見つけられたタグの後に、ステップS105で選択された広告語句が挿入される。
また図11のステップS108では、ステップS103(又はステップS114)で取得されたタグに一つの広告語句のみが対応づけられているか否かが判定される。そしてステップS109では、ステップS103(又はステップS114)で取得されたタグと、ステップS103(又はステップS114)で取得されたタグに対応するオリジナル語句と、該一つの広告語句と、の組み合わせが対応関係テーブルに登録される。またステップS110では、ステップS102(又はステップS112)で見つけられたタグが示す位置に、上記一つの広告語句が挿入される。例えば、ステップS102(又はステップS112)で見つけられたタグの後に上記一つの広告語句が挿入される。
また図11のステップS111では、ステップS103(又はステップS114)で取得されたタグと、ステップS103(又はステップS114)で取得されたタグに対応するオリジナル語句とのみが対応関係テーブルに登録される。
また図11のステップS111の処理が実行された後に、ステップS103(又はステップS114)で取得されたタグに対応するオリジナル語句が取得される。そして、ステップS102(又はステップS112)で見つけられたタグが示す位置に、取得されたオリジナル語句が挿入される。例えば、ステップS102(又はステップS112)で見つけられたタグの後にオリジナル語句が挿入される。
さらに図12のステップS115では、ステップS114で取得されたタグが対応関係テーブルに登録済みであるか否かが判定される。ステップS116では、ステップS114で取得されたタグに対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されているか否かが判定される。ステップS114で取得したタグに対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されている場合、該広告語句が取得され、ステップS117では、電子書籍において、ステップS112で見つけられたタグが示す位置に、取得された広告語句が挿入される。一方、ステップS114で取得したタグに対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されていない場合、ステップS114で取得したタグに対応するオリジナル語句が対応関係テーブルから取得され、電子書籍において、ステップS112で見つけられたタグが示す位置に、取得されたオリジナル語句が挿入される。
また、図12のステップS118において端末装置20に送信される電子書籍データは、例えば図19に示すようになる。以上で、電子書籍の購入手続きが完了した場合に配信システム10で実行される処理の説明を終了する。
電子書籍受信部200及び出力制御部202について説明する。電子書籍受信部200及び出力制御部202は端末装置20において実現される。すなわち、端末装置20の制御部が補助記憶部に記憶されたプログラムに従って処理を実行することによって、制御部が電子書籍受信部200及び出力制御部202として機能するようになる。
電子書籍受信部200は、電子書籍送信部110によって送信された電子書籍を受信する。出力制御部202は、電子書籍受信部200によって受信された電子書籍を出力部(例えば表示部又は音声出力部)に出力させる。すなわち、出力制御部202は、広告語句挿入部108による広告語句の挿入が行われた電子書籍を、端末装置20に含まれる出力部に出力させる。
例えば、出力制御部202は、電子書籍受信部200によって受信された電子書籍を表示部に表示させる。表示部は電子書籍を複数行にわたって表示可能であり、出力制御部202は、表示部の1行あたりの文字数に応じて改行しながら電子書籍を表示部に表示させる。なお、出力制御部202は電子書籍に埋め込まれたタグを無視し、タグを表示部に表示しないようになっている。
以上に説明した第1実施形態に係る電子書籍提供システム1によれば、電子書籍(例えば小説)の文章中に広告語句が挿入されるようになる。電子書籍提供システム1によれば、ユーザが電子書籍(例えば小説)を読むと、必然的に広告がユーザの目に触れるようになる。また、電子書籍提供システム1によれば、広告を電子書籍の文章中になじませることが可能になり、より自然な形で広告を行うことが可能になる。
なお、図4に示すように、電子書籍提供システム1は、以上に説明した機能ブロックの他に基礎情報取得部112及び広告課金部114を含んでいる。
基礎情報取得部112及び広告課金部114は配信システム10において実現される。例えば、基礎情報取得部112及び広告課金部114は電子書籍配信装置12によって実現される。すなわち、電子書籍配信装置12の制御部が補助記憶部に記憶されたプログラムに従って処理を実行することによって、制御部が基礎情報取得部112及び広告課金部114として機能するようになる。
基礎情報取得部112は、広告主への課金額を算出するために必要な情報を取得する。すなわち、基礎情報取得部112は、広告主への課金額を算出する際に算出の基礎として用いられる情報を取得する。広告課金部114は、基礎情報取得部112によって取得された情報に基づいて、広告主への課金額を算出する。
以下、基礎情報取得部112によって取得される情報の例について説明する。ここでは、4つの例[A]〜[D]について説明する。なお、以下では、X社が広告主である場合を想定して説明を行う。
[A]例えば、基礎情報取得部112は、X社の広告語句(スポーツカーA)が挿入された電子書籍の配信回数に関する情報を取得する。
基礎情報取得部112は、X社の広告語句が挿入された電子書籍の配信回数を広告語句テーブル(図6,8,10)及び配信履歴テーブル(図15)に基づいて取得する。すなわち、基礎情報取得部112は、X社の広告語句を広告語句テーブルに基づいて取得し、X社の広告語句が挿入された電子書籍の配信回数を配信履歴テーブルの「広告語句情報」フィールドに基づいて取得する。
なお、X社の広告語句が挿入された電子書籍の配信回数を取得する方法は上記の方法に限られない。例えば、データベース14がX社に対応づけてカウンタを記憶するようにし、基礎情報取得部112は、X社の広告語句を含んだ電子書籍が配信されるごとに、そのカウンタの値を1ずつ増加するようにしてもよい。
広告課金部114は、X社への課金額を、X社の広告語句が挿入された電子書籍の配信回数に基づいて算出する。
電子書籍の配信回数に基づいて課金額を算出するためには、配信回数と課金額との対応関係に関する情報が必要となる。このため、配信回数と課金額との対応関係に関する情報が補助記憶部に記憶される。この情報は、例えば、配信回数が多くなる程、課金額も多くなるように設定される。
下記の式(1)は、配信回数と課金額との対応関係に関する情報の一例である。下記の式(1)はX社への課金額(f)を算出するための式であり、下記の式(1)において、「x」はX社の広告語句を含んだ電子書籍の配信回数を示し、「a」は1回の配信当たりの課金額を示している。
f=a*x ・・・ (1)
広告課金部114は、X社の広告語句を含んだ電子書籍の配信回数と、上記の式(1)と、に基づいて、X社への課金額を算出する。
なお、配信回数と課金額との対応関係を示す情報は、数式形式の情報に限られず、配信回数と課金額とを対応づけてなるテーブル形式の情報であってもよい。
以上のようにすれば、広告主の広告語句を含んだ電子書籍の配信回数を考慮して、広告主への課金を行うことが可能になる。その結果、広告主への課金を適切に行うことが可能になる。
[B]例えば、基礎情報取得部112は、電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の数に関する情報を取得する。例えば、基礎情報取得部112は、広告語句挿入部108による広告語句の挿入が行われた後の電子書籍に基づいて、電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の数を取得する。
なお、電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の数は、元々の電子書籍(すなわち、広告語句挿入部108による広告語句の挿入が行われる前の電子書籍)中に含まれる「X社の広告語句に対応づけられた置換対象語句又はタグ」の数に等しい。例えば、図14,17,19に示す電子書籍の文章中に含まれる広告語句「スポーツカーA」の数は、図5に示す電子書籍の文章中に含まれる置換対象語句「車」の数、図7に示す電子書籍の文章中に含まれる<car>及び</car>の組み合わせの数や、図9に示す電子書籍の文章中に含まれる<car>の数と等しい。
このため、基礎情報取得部112は、元々の電子書籍(すなわち、広告語句挿入部108による広告語句の挿入が行われる前の電子書籍)中に含まれる「X社の広告語句に対応づけられた置換対象語句又はタグ」の数を取得することによって、電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の数を取得するようにしてもよい。
広告課金部114は、電子書籍の文章中にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額を、該電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の数に基づいて算出する。
電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の数に基づいて課金額を算出するためには、広告語句の数と課金額との対応関係に関する情報が必要となる。このため、広告語句の数と課金額との対応関係に関する情報が補助記憶部に記憶される。この情報は、例えば、広告語句の数が多くなる程、課金額も多くなるように設定される。
下記の式(2)は、広告語句の数と課金額との対応関係に関する情報の一例である。下記の式(2)はX社への課金額(f)を算出するための式であり、下記の式(2)において、「x」は電子書籍中に含まれたX社の広告語句の数を示し、「b」は一つの広告語句当たりの課金額を示している。
f=b*x ・・・ (2)
広告課金部114は、電子書籍の文章中にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額を、該電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の数と、上記の式(2)と、に基づいて算出する。
なお、広告語句の数と課金額との対応関係を示す情報は、数式形式の情報に限られず、広告語句の数と課金額とを対応づけてなるテーブル形式の情報であってもよい。
以上のようにすれば、電子書籍の文章中に挿入される広告主の広告語句の数を考慮して、広告主への課金を行うことが可能になる。その結果、広告主への課金を適切に行うことが可能になる。
[C]例えば、基礎情報取得部112は、X社の広告語句が端末装置20において出力された回数を取得するようにしてもよい。
この場合、端末装置20に含まれる基礎情報送信部204は、該端末装置20における広告語句の出力回数に関する情報を配信システム10に送信する。そして、基礎情報取得部112は端末装置20から送信された上記の情報を受信する。
広告課金部114は、X社への課金額を、X社の広告語句が端末装置20において出力された回数に基づいて算出する。例えば、広告課金部114は、X社の広告語句が端末装置20において出力された回数を上記の情報から取得する。そして、広告課金部114は、取得された出力回数に基づいて、X社への課金額を算出する。
広告語句の出力回数に基づいて課金額を算出するためには、広告語句の出力回数と課金額との対応関係に関する情報が必要となる。このため、広告語句の出力回数と課金額との対応関係に関する情報が補助記憶部に記憶される。この情報は、例えば、広告語句の出力回数が多くなる程、課金額も多くなるように設定される。
下記の式(3)は、広告語句の出力回数と課金額との対応関係に関する情報の一例である。下記の式(3)はX社への課金額(f)を算出するための式であり、下記の式(3)において、「x」はX社の広告語句の出力回数を示し、「c」は1回の出力当たりの課金額を示している。
f=c*x ・・・ (3)
広告課金部114は、X社への課金額を、X社の広告語句が端末装置20において出力された回数と、上記の式(3)と、に基づいて算出する。
なお、広告語句の出力回数と課金額との対応関係を示す情報は、数式形式の情報に限られず、出力回数と課金額とを対応づけてなるテーブル形式の情報であってもよい。
以上のようにすれば、広告主の広告語句の出力回数を考慮して、広告主への課金を行うことが可能になる。その結果、広告主への課金を適切に行うことが可能になる。
[D]例えば、基礎情報取得部112は、X社の広告語句が挿入される電子書籍の文章中の位置に関する情報を取得する。例えば、基礎情報取得部112は、広告語句挿入部108による広告語句の挿入が行われた後の電子書籍に基づいて、電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の位置を取得する。
なお、X社の広告語句が挿入される位置は、元々の電子書籍(すなわち、広告語句挿入部108による広告語句の挿入が行われる前の電子書籍)中に含まれる「X社の広告語句に対応づけられた置換対象語句又はタグ」の位置に等しい。例えば、図14,17,19に示す電子書籍の文章中に含まれる広告語句「スポーツカーA」の位置は、図5に示す電子書籍の文章中に含まれる置換対象語句「車」の位置、図7に示す電子書籍の文章中に含まれる<car>及び</car>によって挟まれる置換対象語句「車」の位置や、図9に示す電子書籍の文章中に含まれる<car>の位置と等しい。
このため、基礎情報取得部112は、元々の電子書籍(すなわち、広告語句挿入部108による広告語句の挿入が行われる前の電子書籍)中に含まれる「X社の広告語句に対応づけられた置換対象語句又はタグ」の位置を取得することによって、X社の広告語句が挿入される位置を取得するようにしてもよい。他の広告語句が挿入される位置を取得する場合も同様である。
広告課金部114は、電子書籍の文章中にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額を、X社の広告語句が挿入される位置に基づいて決定する。以下、X社の広告語句が挿入される位置に基づいてX社への課金額を算出する例について説明する。ここでは、3つの例[D−1]〜[D−3]について説明する。
[D−1]例えば、電子書籍配信装置12の補助記憶部は、電子書籍の文章中の部分と、広告主への課金額に関する情報と、を対応づけて記憶する。図20は、電子書籍の文章中の部分と、広告主への課金額に関する情報の一例を示している。図20に示す例では、電子書籍の各章ごとに、広告主への課金額が定められている。
図20に示す例では、例えば、ユーザがより集中して読むと思われる章ほど、課金額が高くなるように設定される。すなわち、例えば、盛り上がる場面がある章ほど、課金額が高くなるように設定される。なお、ここでは章ごとに課金額を設定するようにしたが、章よりも細かい部分ごとに課金額を設定するようにしてもよい。
広告課金部114は、電子書籍の文章中にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額を、X社の広告語句が挿入される位置と、図20に示す情報と、に基づいて算出する。例えば、X社の広告語句が電子書籍の第3章に2回挿入される場合、広告課金部114はX社への課金額を「F3*2」と算出する。また例えば、X社の広告語句が電子書籍の第1章に3回挿入され、第2章に1回挿入される場合、広告課金部114はX社への課金額を「F1*3+F2*1」と算出する。
ユーザがより集中して読むと思われる箇所に広告語句がある場合、ユーザが広告語句を読み飛ばしてしまう(すなわち、ユーザが広告に気づかない)可能性が低くなると考えられる。すなわち、広告がユーザによって認識される可能性がより高くなると考えられる。この点、上記のようにすれば、広告がユーザによって認識される可能性の高さを考慮して、広告主への課金を行うことが可能になる。その結果、広告主への課金を適切に行うことが可能になる。
[D−2]例えば、広告課金部114は、電子書籍の文章中にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額を、電子書籍の文章中におけるX社の広告語句と他の広告語句との間の距離に基づいて算出する。
「X社の広告語句と他の広告語句との間の距離」とは、「X社の広告語句と、X社の該広告語句の直前又は/及び直後にある他の広告語句と、の間の距離」であり、例えば下記のような距離を意味する。
・X社の広告語句と、X社の該広告語句の直前にある他の広告語句と、の間の距離
・X社の広告語句と、X社の該広告語句の直後にある他の広告語句と、の間の距離
・「X社の広告語句と、X社の該広告語句の直前にある他の広告語句と、の間の距離」と「X社の広告語句と、X社の該広告語句の直後にある他の広告語句と、の間の距離」とを足した距離
また、「距離」とは、例えば、X社の広告語句と他の広告語句との間の文字数である。あるいは、「距離」とは、例えば、X社の広告語句が含まれる行と、他の広告語句が含まれる行と、の間の行数であってもよい。
X社の広告語句と他の広告語句との間の距離に基づいて課金額を算出するためには、距離と課金額との対応関係に関する情報が必要となる。このため、距離と課金額との対応関係に関する情報が補助記憶部に記憶される。この情報は、例えば、距離が大きくなる程、課金額も多くなるように設定される。
図21は距離と課金額との対応関係に関する情報の一例である。なお、図21において、「D1」、及び「D2」は所定の基準距離(例えば文字数又は行数)を示しており、「D1<D2」の関係を有している。また、「F1」、「F2」、及び「F3」は所定の課金額を示しており、「F1<F2<F3」の関係を有している。すなわち、図21に示す例では、距離(例えば文字数又は行数)が大きくなる程、課金額が多くなるようになっている。
広告課金部114は、電子書籍の文章中にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額を、X社の広告語句と他の広告語句との間の距離と、図21に示す情報と、に基づいて算出する。
例えば、上記の距離(d)が「0≦d<D1」であるようなX社の広告語句と、上記の距離(d)が「D1≦d<D2」であるようなX社の広告語句と、が電子書籍の文章中に挿入される場合、広告課金部114はX社への課金額を「F1+F2」と算出する。
なお、距離と課金額との対応関係を示す情報は、テーブル形式の情報に限られず、課金額を距離に基づいて算出するための数式形式の情報であってもよい。
X社の広告語句の付近に他の広告語句がある場合、X社の広告語句は目立たなくなり、その広告効果は低くなると考えられる。一方、X社の広告語句の付近に他の広告語句がない場合、X社の広告語句はより目立つようになり、その広告効果は高くなると考えられる。この点、上記のようにすれば、広告語句が目立つか否かを考慮して、広告主への課金を行うことが可能になる。その結果、広告主への課金を適切に行うことが可能になる。
[D−3]例えば、広告課金部114は、電子書籍の文章中にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額を、電子書籍の所定数ページ中に挿入される、X社の広告語句の数と、他の広告語句の数と、の比較結果に基づいて算出する。
ここで、「所定数ページ」とは例えば1ページである。なお、例えば、電子書籍の2ページが端末装置20の表示部に表示されるようになっている場合には、「所定数ページ」を2ページとするようにしてもよい。
例えば、広告課金部114は、電子書籍の所定数ページ中に挿入される、X社の広告語句の数と、他の広告語句の数と、の比較結果を示す数値を算出する。より具体的には、広告課金部114は、電子書籍の所定数ページ中におけるX社の広告語句の占有率(r)を算出する。電子書籍の所定数ページ中に挿入されるX社の広告語句の数をN1個とし、電子書籍の所定数ページ中に挿入される他の広告語句の数をN2個とすると、X社の広告語句の占有率(r)は下記の式(5)によって算出される。
r=N1/(N1+N2) ・・・ (5)
広告課金部114は、電子書籍の文章中にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額を上記の占有率に基づいて算出する。
上記の占有率に基づいて課金額を算出する場合には、占有率と課金額との対応関係に関する情報が必要となる。このため、占有率と課金額との対応関係に関する情報が広告課金部114の補助記憶部に記憶される。この情報は、例えば、占有率が高くなる程、課金額も多くなるように設定される。
図22は、占有率と課金額との対応関係に関する情報の一例を示している。なお、図22において、「R1」及び「R2」は所定の基準占有率を示しており、「R1<R2」の関係を有している。また、「F1」、「F2」、及び「B3」は所定の課金額を示しており、「F1<F2<F3」の関係を有している。すなわち、図22に示す例では、占有率が高くなる程、課金額が多くなるようになっている。
広告課金部114は、電子書籍の文章中にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額を、電子書籍の所定数ページ中におけるX社の広告語句の占有率(r)と、図22に示す情報と、に基づいて算出する。
例えば、X社の広告語句が電子書籍のページPaとページPbに含まれている場合、広告課金部114は、ページPaにおけるX社の広告語句の占有率(ra)と、ページPbにおけるX社の広告語句の占有率(rb)と、を算出する。そして、例えば、上記の占有率(ra)が「0≦ra<R1」を満足し、かつ、上記の占有率(rb)が「R2≦rb」を満足する場合、広告課金部114はX社への課金額を「F1+F3」と算出する。
なお、占有率と課金額との対応関係を示す情報は、テーブル形式の情報に限られず、課金額を占有率に基づいて算出するための数式形式の情報であってもよい。
X社の広告語句の占有率が低い場合とは、同じページに他の広告語句がX社の広告語句よりも多く、又は、X社の広告語句と同程度含まれている場合である。このような場合、X社の広告語句は目立たなくなり、その広告効果は低くなると考えられる。一方、X社の広告語句の占有率が高い場合とは、同じページに他の広告語句が含まれていない場合や、同じページに含まれる他の広告語句の数がX社の広告語句に比べて非常に少ない場合である。このような場合、X社の広告語句はより目立つようになり、その広告効果は高くなると考えられる。この点、上記のようにすれば、広告語句が目立つか否かを考慮して、広告主への課金を行うことが可能になる。その結果、広告主への課金を適切に行うことが可能になる。
ところで、上述したように、X社の広告語句が挿入される位置は、元々の電子書籍(すなわち、広告語句挿入部108による広告語句の挿入が行われる前の電子書籍)中に含まれる「X社の広告語句に対応づけられた置換対象語句又はタグ」の位置に等しい。例えば、図14,17,19に示す電子書籍の文章中に含まれる広告語句「スポーツカーA」の位置は、図5に示す電子書籍の文章中に含まれる置換対象語句「車」の位置、図7に示す電子書籍の文章中に含まれる<car>及び</car>によって挟まれる置換対象語句「車」の位置や、図9に示す電子書籍の文章中に含まれる<car>の位置と等しい。
このため、元々の電子書籍の所定数ページ中に含まれる「X社の広告語句に対応づけられた置換対象語句又はタグ」の数を取得することによって、電子書籍の所定数ページ中に挿入されるX社の広告語句の数を取得するようにしてもよい。電子書籍の所定数ページ中に挿入される他の広告語句の数を取得する場合も同様である。
なお、図4に示すように、電子書籍提供システム1は、以上に説明した機能ブロックの他に販売価格決定部116を含んでいる。
販売価格決定部116は配信システム10において実現される。例えば、販売価格決定部116は電子書籍配信装置12によって実現される。すなわち、電子書籍配信装置12の制御部が補助記憶部に記憶されたプログラムに従って処理を実行することによって、制御部が販売価格決定部116として機能するようになる。
販売価格決定部116は、電子書籍の販売価格を、該電子書籍の文章中に広告語句が挿入されることによって生じる該広告語句に係る広告主への課金額に基づいて決定する。例えば、販売価格決定部116は、電子書籍の販売価格として、該電子書籍の基本販売価格よりも低い価格を、該電子書籍の文章中に広告語句が挿入されることによって生じる該広告語句に係る広告主への課金額に基づいて設定する。
具体的には、販売価格決定部116は、電子書籍の文章中に広告語句が挿入されることによって生じる該広告語句に係る広告主への課金額に基づいて決定される割引額を該電子書籍の基本販売価格から減ずることによって得られる価格を、該電子書籍の販売価格として設定する。
この場合、広告主への課金額に基づいて割引額を決定するために、課金額と割引額との対応関係に関する情報が必要となる。このため、課金額と割引額との対応関係に関する情報が電子書籍配信装置12の補助記憶部に記憶される。
図23は、課金額と割引額との対応関係に関する情報の一例を示している。図23は、課金額と割引額とを対応づけてなるテーブルになっている。図23において、「F1」及び「F2」は所定の基準課金額を示しており、「F1<F2」の関係を有している。また、「S1」、「S2」、及び「S3」は所定の割引額を示しており、「S1<S2<S3」の関係を有している。すなわち、図23に示す例では、課金額が高くなる程、割引額も大きくなるようになっている。
例えば、電子書籍の文章中にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額(f)が「F1≦f<F2」である場合、販売価格決定部116は、該電子書籍の販売価格を、基本販売価格から割引額(S2)を減じることによって得られる価格に設定する。
ところで、図23に示すテーブルは、課金額と割引率とを対応づけてなるテーブルとしてもよい。この場合、販売価格決定部116は下記に説明するようにして販売価格を決定することになる。例えば、電子書籍の文章中にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額(f)が「F1≦f<F2」である場合、販売価格決定部116は、該範囲「F1≦f<F2」に対応づけられた割引率を取得する。また、販売価格決定部116は、電子書籍の基本販売価格に割引率を乗じることによって割引額を算出する。そして、販売価格決定部116は、電子書籍の販売価格を、基本販売価格から割引額を減じることによって得られる価格に設定する。
なお、課金額と割引額との対応関係に関する情報は、テーブル形式の情報に限られず、例えば、割引額を課金額に基づいて算出するための数式形式の情報であってもよい。
以上のようにすれば、電子書籍の販売価格を広告主への課金額に応じて下げることが可能になる。その結果として、電子書籍に対するユーザの購買意欲を高めることが可能になる。
また、図4に示すように、電子書籍提供システム1は、以上に説明した機能ブロックの他にポイント情報記憶部118及びポイント情報更新部120を含んでいる。
ポイント情報記憶部118及びポイント情報更新部120は配信システム10によって実現される。例えば、ポイント情報記憶部118はデータベース14において実現され、ポイント情報更新部120は電子書籍配信装置12によって実現される。すなわち、電子書籍配信装置12の制御部が補助記憶部に記憶されたプログラムに従って処理を実行することによって、制御部がポイント情報更新部120として機能するようになる。
まず、ポイント情報記憶部118について説明する。ポイント情報記憶部118は、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報に対応づけて、ポイント情報を記憶する。ポイント情報は、電子書籍を購入する場合に通貨として用いることが可能なポイントをユーザがどれだけ有しているかを示す情報である。
図24はポイント情報記憶部118に記憶されるポイントテーブルの一例を示す。図24に示すポイントテーブルは「ユーザID」及び「ポイント」フィールドを含んでいる。「ユーザID」フィールドは、各ユーザを一意に識別する識別情報を示す。「ポイント」フィールドは、ユーザが有しているポイント数を示す。
次に、ポイント情報更新部120について説明する。ポイント情報更新部120は、電子書籍の提供を受けたユーザの識別情報に対応づけて記憶されるポイント情報を、該電子書籍に広告語句が挿入されることによって生じる該広告語句に係る広告主への課金額に基づいて更新する。
例えば、電子書籍にX社の広告語句が挿入される場合、ポイント情報更新部120は、電子書籍にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額を取得する。そして、ポイント情報更新部120は、該電子書籍を購入したユーザのユーザIDに対応づけて記憶されるポイントを、X社への課金額に基づいて増加させる。すなわち、ポイント情報更新部120は、X社への課金額に基づいて、上記のユーザにポイントを付与する。この場合、ポイント情報更新部120は、ポイントの増加数(ユーザに付与するポイント数)をX社への課金額に基づいて決定する。
ポイントの増加数をX社の課金額に基づいて決定するためには、課金額とポイントとの対応関係に関する情報が必要となる。このため、課金額とポイントとの対応関係に関する情報が電子書籍配信装置12の補助記憶部に記憶される。
図25は、課金額とポイントとの対応関係に関する情報の一例を示している。図25は、課金額とポイントとを対応づけてなるテーブルになっている。図25において、「F1」及び「F2」は所定の基準課金額を示しており、「F1<F2」の関係を有している。また、「P1」、「P2」、及び「P3」は所定のポイント数を示しており、「P1<P2<P3」の関係を有している。すなわち、図25に示すテーブルでは、課金額が高くなる程、ユーザに付与するポイント数も大きくなるようになっている。
ポイント情報更新部120は、電子書籍を購入したユーザのポイントの増加数(すなわち、該ユーザに付与するポイント数)を、該電子書籍にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額と、図25に示すテーブルと、に基づいて決定する。
例えば、電子書籍にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額(f)が「F1≦f<F2」である場合、ポイント情報更新部120はユーザに付与するポイント数を「P2」に決定する。そして、ポイント情報更新部120は、ユーザのユーザIDに対応づけられたポイント数を、決定されるポイント数だけ増加させる。
なお、課金額とポイントとの対応関係に関する情報は、テーブル形式の情報に限られず、例えば、ポイントを課金額に基づいて算出するための数式形式の情報であってもよい。
以上のようにすれば、電子書籍を購入したユーザに広告主への課金額に応じてポイントを付与することが可能になる。その結果として、電子書籍に対するユーザの購買意欲を高めることが可能になる。
ところで、電子書籍提供システム1は、販売価格決定部116と、ポイント情報更新部120(及びポイント情報記憶部118)と、のいずれか一方を備えるようにすればよい。すなわち、電子書籍提供システム1が販売価格決定部116を備える場合には、ポイント情報更新部120(及びポイント情報記憶部118)を省略するようにしてもよい。一方、電子書籍提供システム1がポイント情報更新部120(及びポイント情報記憶部118)を備える場合には、販売価格決定部116を省略するようにしてもよい。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る電子書籍提供システムについて説明する。第2実施形態に係る電子書籍提供システム1の全体構成は第1実施形態と同様である。
第2実施形態に係る電子書籍提供システム1は、電子書籍の文章中への広告語句の挿入が端末装置20で行われる点で、第1実施形態とは異なっている。
図26は、第2実施形態に係る電子書籍提供システム1において実現される機能ブロックのうち、本発明に関連する機能ブロックを示す機能ブロック図である。なお、図26に示す機能ブロック図では、第1実施形態と同じ機能ブロックに図4と同じ符号を付している。
図26に示すように、第2実施形態に係る電子書籍提供システム1は、電子書籍記憶部100、広告語句記憶部102、電子書籍取得部104、広告語句取得部106、電子書籍送信部110a、対応関係情報送信部122、電子書籍受信部200a、対応関係情報受信部206、広告語句挿入部208、出力制御部202aを含んでいる。これらの機能ブロックは、広告語句が挿入された電子書籍をユーザに提供するための機能ブロックである。なお、これらの機能ブロック以外の機能ブロックも電子書籍提供システム1は含んでいるが、上記の機能ブロック以外の機能ブロックについては後述する。
電子書籍記憶部100、広告語句記憶部102、電子書籍取得部104、及び広告語句取得部106は第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。電子書籍送信部110a及び対応関係情報送信部122は配信システム10において実現される。例えば、電子書籍送信部110a及び対応関係情報送信部122は電子書籍配信装置12によって実現される。
電子書籍送信部110aは、電子書籍取得部104によって取得された電子書籍を端末装置20に送信する。すなわち、電子書籍送信部110aは、広告語句が挿入される前の電子書籍を端末装置20に送信する。
対応関係情報送信部122は、電子書籍の文章中に埋め込まれた置換対象語句又はタグと、広告語句と、の対応関係に関する情報(対応関係情報)を端末装置20に送信する。例えば、対応関係情報送信部122は、第1実施形態における図11,12に示す処理において主記憶部に生成される対応関係テーブル(図13,16,18)を端末装置20に送信する。
すなわち、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図5,6に示すようなデータ及びテーブルである場合、対応関係情報送信部122は図13に示すような対応関係テーブルを端末装置20に送信する。また、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図7,8に示すようなデータ及びテーブルである場合、対応関係情報送信部122は図16に示すような対応関係テーブルを端末装置20に送信する。あるいは、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図9,10に示すようなデータ及びテーブルである場合、対応関係情報送信部122は図18に示すような対応関係テーブルを端末装置20に送信する。
ここで、電子書籍の購入手続きが完了した場合に配信システム10で実行される処理について説明する。図27及び図28は、電子書籍の購入手続きが完了した場合に配信システム10で実行される処理の一例を示すフロー図である。電子書籍配信装置12の制御部が補助記憶部に記憶されるプログラムに従って図27,28に示す処理を実行することによって、制御部が電子書籍取得部104、広告語句取得部106、電子書籍送信部110a、及び対応関係情報送信部122として機能するようになる。なお、図27,28に示す処理は、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図5,6に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理を示している。
図27において、ステップS101〜S106,S108,S109,S111の処理は図11におけるステップS101〜S106,S108,S109,S111の処理と同様である。このため、ここではこれらのステップの説明を省略する。
図27に示す処理は、ステップS107,S110が存在しない点で図11に示す処理と相違している。すなわち、図27に示す処理では、ステップS106の処理が実行された後、ステップS112の処理が実行される。また、ステップS109の処理が実行された後、ステップS112の処理が実行される。
図28において、ステップS112〜S115の処理は図12におけるステップS112〜S115の処理と同様である。このため、ここではこれらのステップの説明を省略する。
図28に示す処理は、ステップS116,S117が存在しない点で図12に示す処理と相違している。すなわち、図28に示す処理では、ステップS115の処理が実行された後、ステップS112の処理が実行される。
また、図28に示す処理は、ステップS118の処理の代わりにステップS118aの処理が実行される点でも図12に示す処理とは異なっている。ステップS118aにおいて、制御部(電子書籍送信部110a及び対応関係情報送信部122)は、ステップS101で取得した電子書籍と、主記憶部に記憶されている対応関係テーブル(図13)と、を端末装置20に送信する。
なお、第2実施形態に係る電子書籍提供システム1においても、電子書籍の配信履歴に関する配信履歴テーブルがデータベース14に記憶される。第2実施形態における配信履歴テーブルは、基本的に第1実施形態における配信履歴テーブルと同様である(図15)。ただし、第2実施形態では、例えば下記のような情報が「広告語句情報」フィールドに登録される。
・電子書籍の文書中に埋め込まれた置換対象語句のリスト
・電子書籍の文章中に埋め込まれた各置換対象語句の個数
・端末装置20に送信された対応関係テーブルの内容
以上では、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図5,6に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理について説明した。第1実施形態と同様、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図7,8に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理は、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図5,6に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理とは相違する点がある。しかしながら、この相違点は第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
なお、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図7,8に示すようなデータ及びテーブルである場合、配信履歴テーブルの「広告語句情報」フィールドには、例えば下記のような情報が登録される。
・電子書籍の文書中に埋め込まれたタグのリスト
・電子書籍の文章中に埋め込まれた各タグの個数
・端末装置20に送信された対応関係テーブルの内容
また第1実施形態と同様、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図9,10に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理は、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図5,6に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理とは相違する点がある。しかしながら、その相違点は第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
なお、電子書籍データ及び広告語句テーブルが図9,10に示すようなデータ及びテーブルである場合、配信履歴テーブルの「広告語句情報」フィールドには、例えば下記のような情報が登録される。
・電子書籍の文書中に埋め込まれたタグのリスト
・電子書籍の文章中に埋め込まれた各タグの個数
・端末装置20に送信された対応関係テーブルの内容
以上で、電子書籍の購入手続きが完了した場合に配信システム10で実行される処理の説明を終了する。
電子書籍受信部200a、対応関係情報受信部206、広告語句挿入部208、及び出力制御部202aについて説明する。
電子書籍受信部200aは、電子書籍送信部110aによって送信された電子書籍を受信する。すなわち、電子書籍受信部200aは、広告語句が挿入される前の電子書籍を受信する。対応関係情報受信部206は、対応関係情報送信部122によって送信された対応関係情報を受信する。
広告語句挿入部208は、電子書籍受信部200aによって受信された電子書籍の文章中に含まれるタグと、対応関係情報受信部206によって受信された対応関係情報と、に基づいて、広告語句を電子書籍の文章中に挿入する。広告語句挿入部208の動作は、第1実施形態における広告語句挿入部108の動作と基本的に類似する。
例えば、電子書籍データ及び対応関係テーブルが図5,13に示すようなデータ及びテーブルである場合、広告語句挿入部208は、タグによって示される電子書籍の文章中の置換対象語句を、該置換対象語句に対応する広告語句に置換することによって、該広告語句を電子書籍の文章中に挿入する。例えば、広告語句挿入部208は、置換対象語句「車」を広告語句「スポーツカーA」に置換することによって、広告語句「スポーツカーA」を電子書籍の文章中に挿入する。この場合、広告語句挿入部208によって広告語句の挿入が行われた後の電子書籍は図14に示す例と同様である。
また例えば、電子書籍データ及び対応関係テーブルが図7,図16に示すようなデータ及びテーブルである場合、広告語句挿入部208は、タグによって示される電子書籍の文章中の置換対象語句を、該タグに対応する広告語句に置換することによって、該広告語句を電子書籍の文章中に挿入する。例えば、広告語句挿入部208は、<car>及び</car>に挟まれた置換対象語句「車」を、<car>及び</car>に対応する広告語句「スポーツカーA」に置換することによって、広告語句「スポーツカーA」を電子書籍の文章中に挿入する。この場合、広告語句挿入部208によって広告語句の挿入が行われた後の電子書籍は図17に示す例と同様である。
また例えば、電子書籍データ及び対応関係テーブルが図9,図18に示すようなデータ及びテーブルである場合、広告語句挿入部208は、タグによって示される電子書籍の文章中の位置に、該タグに対応する広告語句に挿入する。例えば、広告語句挿入部208は、<car>が示す位置に、<car>に対応する広告語句「スポーツカーA」に挿入することによって、広告語句「スポーツカーA」を電子書籍の文章中に挿入する。この場合、広告語句挿入部208によって広告語句の挿入が行われた後の電子書籍は図19に示す例と同様である。
出力制御部202aは、広告語句挿入部208による広告語句の挿入が行われた電子書籍を、端末装置20に含まれる出力部(例えば表示部又は音声出力部)に出力させる。なお、出力制御部202aの動作は、第1実施形態における出力制御部202の動作と基本的に同様である。
ここで、電子書籍及び対応関係テーブルが端末装置20で受信された場合に端末装置20で実行される処理について説明する。図29は、電子書籍及び対応関係テーブルが端末装置20で受信された場合に端末装置20で実行される処理の一例を示すフロー図である。端末装置20の制御部が補助記憶部に記憶されるプログラムに従って図29に示す処理を実行することによって、制御部が広告語句挿入部208及び出力制御部202aとして機能するようになる。なお、図29に示す処理は、電子書籍データ及び対応関係テーブルが図5,13に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理を示している。
電子書籍及び対応関係テーブルが端末装置20で受信された場合、図29に示すように、端末装置20の制御部は、受信された電子書籍を取得する(S201)。その後、制御部は、電子書籍の文章中に埋め込まれた最初のタグを探す(S202)。そして、最初のタグが見つかった場合、制御部はそのタグが示す置換対象語句を取得する(S203)。ステップS202及びS203の処理は図11のステップS102及びS103の処理と同様である。
ステップS203の処理が実行された後、制御部は、受信された対象関係テーブル(図13)を参照し、ステップS203で取得した置換対象語句に対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されているか否かを判定する(S204)。
ステップS203で取得した置換対象語句に対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されている場合、制御部は該広告語句を取得し、ステップS201で取得した電子書籍において、ステップS202で見つけたタグが示す置換対象語句を、取得した広告語句に置換する(S205)。そして、制御部は後述のステップS206の処理を実行する。
一方、ステップS203で取得した置換対象語句に対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されていない場合、制御部は、ステップS202で見つけたタグが示す置換対象語句を置換せずに置換対象語句のままとして、後述のステップS206の処理を実行する。
ステップS206において、制御部は電子書籍の文章中に埋め込まれた次のタグを探す。そして、制御部は次のタグが見つかったか否かを判定する(S207)。次のタグが見つかった場合、制御部はそのタグが示す置換対象語句を取得する(S203)。また、制御部は、受信された対象関係テーブル(図13)を参照し、ステップS203で取得した置換対象語句に対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されているか否かを判定する(S204)。
ステップS203で取得した置換対象語句に対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されている場合、制御部は該広告語句を取得し、電子書籍において、ステップS206で見つけたタグが示す置換対象語句を、取得した広告語句に置換する(S205)。そして、制御部は後述のステップS206の処理を実行し、さらに次のタグを探す。
一方、ステップS203で取得した置換対象語句に対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されていない場合、制御部は、ステップS206で見つけたタグが示す置換対象語句を置換せずに置換対象語句のままとして、後述のステップS206の処理を実行し、さらに次のタグを探す。
ステップS207において次のタグが見つからなかったと判定された場合とは、電子書籍の文章中に埋め込まれたすべてのタグを検出し終えた場合である。この場合、置換対象語句の換わりに広告語句が挿入された電子書籍が生成されていることになる。この場合、制御部(出力制御部202a)は電子書籍を表示部に表示させる(S207)。このようにして、置換対象語句の換わりに広告語句が挿入された電子書籍が表示部に表示される。
以上では、電子書籍データ及び対応関係テーブルが図5,13に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理について説明した。ここで、電子書籍データ及び対応関係テーブルが図7,16に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理についても説明する。電子書籍データ及び対応関係テーブルが図7,16に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理は、下記の点で、電子書籍データ及び対応関係テーブルが図5,13に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理とは相違する。
電子書籍データ及び対応関係テーブルが図7,16に示すようなデータ及びテーブルである場合、図29のステップS203ではステップS202(又はS206)で見つかったタグが取得される。そして、図29のステップS204では、ステップS203で取得されたタグに対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されているか否かが判定される。
電子書籍データ及び対応関係テーブルが図9,18に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理についても説明する。電子書籍データ及び対応関係テーブルが図9,18に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理は、下記の点で、電子書籍データ及び対応関係テーブルが図5,13に示すようなデータ及びテーブルである場合の処理とは相違する。
電子書籍データ及び対応関係テーブルが図9,18に示すようなデータ及びテーブルである場合、図29のステップS203ではステップS202(又はS206)で見つかったタグが取得される。そして、図29のステップS204では、ステップS203で取得したタグに対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されているか否かが判定される。
また図29のステップS205では、ステップS203で取得されたタグに対応する広告語句が取得される。そして、ステップS202(又はステップS206)で見つけられたタグが示す位置に、取得された広告語句が挿入される。例えば、ステップS202(又はステップS206)で見つけられたタグの後に広告語句が挿入される。
また図29のステップS204において、ステップS203で取得されたタグに対応する広告語句が対応関係テーブルに登録されていないと判定された場合、ステップS203で取得されたタグに対応するオリジナル語句が取得される。そして、ステップS202(又はステップS206)で見つけられたタグが示す位置に、取得されたオリジナル語句が挿入される。例えば、ステップS202(又はステップS206)で見つけられたタグの後にオリジナル語句が挿入される。そして、その後、ステップS206の処理が実行される。
以上で、電子書籍及び対応関係テーブルが端末装置20で受信された場合に端末装置20で実行される処理の説明を終了する。
以上に説明した第2実施形態に係る電子書籍提供システム1によっても、電子書籍(例えば小説)の文章中に広告語句が挿入されるようになる。電子書籍提供システム1によれば、ユーザが電子書籍(例えば小説)を読むと、必然的に広告がユーザの目に触れるようになる。また、電子書籍提供システム1によれば、広告を電子書籍の文章中になじませることが可能になり、より自然な形で広告を行うことが可能になる。
なお、図26に示すように、第2実施形態に係る電子書籍提供システム1は、以上に説明した機能ブロックの他に基礎情報送信部204a、基礎情報取得部112a、及び広告課金部114aを含んでいる。
基礎情報送信部204aは端末装置20において実現される。すなわち、端末装置20の制御部が補助記憶部に記憶されたプログラムに従って処理を実行することによって、制御部が基礎情報送信部204aとして機能するようになる。
基礎情報取得部112a及び広告課金部114aは配信システム10において実現される。例えば、基礎情報取得部112a及び広告課金部114aは電子書籍配信装置12によって実現される。すなわち、電子書籍配信装置12の制御部が補助記憶部に記憶されたプログラムに従って処理を実行することによって、制御部が基礎情報取得部112a及び広告課金部114aとして機能するようになる。
基礎情報送信部204aは、広告主への課金額を算出する際に算出の基礎として用いられる情報を配信システム10に送信する。基礎情報取得部112aは、広告主への課金額を算出する際に算出の基礎として用いられる情報を取得する。例えば、基礎情報取得部112aは、基礎情報送信部204aによって送信された情報を受信することによって、広告主への課金額を算出する際に算出の基礎として用いられる情報を取得する。広告課金部114aは、基礎情報取得部112によって取得された情報に基づいて、広告主への課金額を算出する。
基礎情報取得部112aによって取得される情報の例について説明する。ここでは、4つの例[A]〜[D]について説明する。なお、以下では、X社が広告主である場合を想定して説明を行う。
[A]例えば、基礎情報取得部112aは、X社の広告語句(スポーツカーA)が置換対象語句又はタグに対応づけられた対応関係テーブル(対応関係情報)が対応関係情報送信部122によって送信された回数に関する情報を取得する。
基礎情報取得部112aは、X社の広告語句が置換対象語句又はタグに対応づけられた対応関係テーブルの配信回数を広告語句テーブル(図6,8,10)及び配信履歴テーブル(図15)に基づいて取得する。すなわち、基礎情報取得部112aは、X社の広告語句を広告語句テーブルに基づいて取得し、X社の広告語句が置換対象語句又はタグに対応づけられた対応関係テーブルの配信回数を配信履歴テーブルの「広告語句情報」フィールドに基づいて取得する。
なお、X社の広告語句が置換対象語句又はタグに対応づけられた対応関係テーブルの配信回数を取得する方法は上記の方法に限られない。例えば、データベース14がX社に対応づけてカウンタを記憶するようにし、基礎情報取得部112aは、X社の広告語句が置換対象語句又はタグに対応づけられた対応関係テーブルが配信されるごとに、そのカウンタの値を1ずつ増加するようにしてもよい。
広告課金部114aは、X社への課金額を、X社の広告語句が置換対象語句又はタグに対応づけられた対応関係テーブルの配信回数に基づいて算出する。
なお、この場合の広告課金部114aの動作は、第1実施形態において説明した例[A]における広告課金部114の動作と同様である。すなわち、X社への課金額を、X社の広告語句が置換対象語句又はタグに対応づけられた対応関係テーブルの配信回数に基づいて算出する構成は、X社への課金額を、X社の広告語句が挿入された電子書籍の配信回数に基づいて算出する場合の構成と同様である。このため、ここでは説明を省略する。
[B]例えば、基礎情報送信部204aは、電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の数に関する情報を、広告語句挿入部208による広告語句の挿入が行われた後の電子書籍に基づいて取得し、該情報を配信システム10に送信する。そして、基礎情報取得部112aは、基礎情報送信部204aによって送信された情報を受信することによって、電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の数に関する情報を取得する。
広告課金部114aは、電子書籍の文章中にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額を、該電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の数に基づいて算出する。なお、この場合の広告課金部114aの動作は、第1実施形態において説明した例[B]における広告課金部114の動作と同様である。このため、ここでは説明を省略する。
なお、電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の数は、元々の電子書籍(すなわち、広告語句挿入部108による広告語句の挿入が行われる前の電子書籍)中に含まれる「X社の広告語句に対応づけられた置換対象語句又はタグ」の数に等しい。例えば、図14,17,19に示す電子書籍の文章中に含まれる広告語句「スポーツカーA」の数は、図5に示す電子書籍の文章中に含まれる置換対象語句「車」の数、図7に示す電子書籍の文章中に含まれる<car>及び</car>の組み合わせの数や、図9に示す電子書籍の文章中に含まれる<car>の数と等しい。
また、元々の電子書籍(すなわち、電子書籍送信部110aによって送信される電子書籍)中に含まれる「X社の広告語句に対応づけられた置換対象語句又はタグ」の数は、図13,16,18に示す対応関係テーブルに基づいて取得することが可能である。
このため、基礎情報取得部112aは、元々の電子書籍(すなわち、電子書籍送信部110aによって送信される電子書籍)中に含まれる「X社の広告語句に対応づけられた置換対象語句又はタグ」の数を取得することによって、電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の数を取得するようにしてもよい。
このようにすれば、電子書籍を端末装置20に送信する前の時点(すなわち、広告語句が挿入された電子書籍が生成される前の時点)において、広告主への課金額を決定(又は予測)することが可能である。
[C]例えば、基礎情報送信部204aは、端末装置20における広告語句の出力回数に関する情報を配信システム10に送信する。そして、基礎情報取得部112aは、基礎情報送信部204aによって送信された情報を受信することによって、端末装置20における広告語句の出力回数に関する情報を取得する。
広告課金部114aは、X社への課金額を、X社の広告語句が端末装置20において出力された回数に基づいて算出する。この場合の広告課金部114aの動作は、第1実施形態において説明した例[C]における広告課金部114の動作と同様である。このため、ここでは説明を省略する。
[D]例えば、基礎情報送信部204aは、電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の位置に関する情報を、広告語句挿入部208による広告語句の挿入が行われた後の電子書籍に基づいて取得し、該情報を配信システム10に送信する。そして、基礎情報取得部112aは、基礎情報送信部204aによって送信された情報を受信することによって、電子書籍の文章中に挿入されるX社の広告語句の位置に関する情報を取得する。
広告課金部114aは、電子書籍の文章中にX社の広告語句が挿入されることによって生じるX社への課金額を、X社の広告語句が挿入される位置に基づいて決定する。この場合の広告課金部114aの動作は、第1実施形態において説明した例[D]([D−1]〜[D−3])における広告課金部114の動作と同様である。このため、ここでは説明を省略する。
なお、X社の広告語句が挿入される位置は、元々の電子書籍(すなわち、電子書籍送信部110aによって送信される電子書籍)中に含まれる「X社の広告語句に対応づけられた置換対象語句又はタグ」の位置に等しい。例えば、図14,17,19に示す電子書籍の文章中に含まれる広告語句「スポーツカーA」の位置は、図5に示す電子書籍の文章中に含まれる置換対象語句「車」の位置、図7に示す電子書籍の文章中に含まれる<car>及び</car>によって挟まれる置換対象語句「車」の位置や、図9に示す電子書籍の文章中に含まれる<car>の位置と等しい。
また、元々の電子書籍(すなわち、電子書籍送信部110aによって送信される電子書籍)中に含まれる「X社の広告語句に対応づけられた置換対象語句又はタグ」の位置は、図13,16,18に示す対応関係テーブルに基づいて取得することが可能である。
このため、基礎情報取得部112aは、元々の電子書籍(すなわち、電子書籍送信部110aによって送信される電子書籍)中に含まれる「X社の広告語句に対応づけられた置換対象語句又はタグ」の位置を取得することによって、X社の広告語句が挿入される位置を取得するようにしてもよい。
このようにすれば、電子書籍を端末装置20に送信する前の時点(すなわち、広告語句が挿入された電子書籍が生成される前の時点)において、広告主への課金額を決定(又は予測)することが可能である。
なお、図29に示すように、第2実施形態に係る電子書籍提供システム1は、以上に説明した機能ブロックの他に販売価格決定部116aを含んでいる。
販売価格決定部116aは配信システム10において実現される。例えば、販売価格決定部116aは電子書籍配信装置12によって実現される。すなわち、電子書籍配信装置12の制御部が補助記憶部に記憶されたプログラムに従って処理を実行することによって、制御部が販売価格決定部116aとして機能するようになる。
販売価格決定部116aは、電子書籍の販売価格を、該電子書籍の文章中に広告語句が挿入されることによって生じる該広告語句に係る広告主に対する課金額に基づいて決定する。
上述したように、電子書籍を端末装置20に送信する前の時点(すなわち、広告語句が挿入された電子書籍が生成される前の時点)においても、広告主への課金額を決定(又は予測)することは可能である。このような場合を前提として、販売価格決定部116aは、電子書籍の販売価格を、該電子書籍の文章中に広告語句が挿入されることによって生じる該広告語句に係る広告主に対する課金額に基づいて決定する。販売価格決定部116aの動作は、第1実施形態における販売価格決定部116と基本的に同様である。このため、ここでは説明を省略する。
また、図29に示すように、第2実施形態に係る電子書籍提供システム1は、以上に説明した機能ブロックの他にポイント情報記憶部118及びポイント情報更新部120aを含んでいる。
ポイント情報記憶部118は第1実施形態と同様である。このため、ここでは説明を省略する。
ポイント情報更新部120aは配信システム10によって実現される。例えば、ポイント情報更新部120aは電子書籍配信装置12によって実現される。すなわち、電子書籍配信装置12の制御部が補助記憶部に記憶されたプログラムに従って処理を実行することによって、制御部がポイント情報更新部120aとして機能するようになる。
ポイント情報更新部120aは、電子書籍の提供を受けたユーザ(すなわち、電子書籍を購入したユーザ)の識別情報に対応づけて記憶されるポイント情報を、該電子書籍の文章中に広告語句が挿入されることによって生じる該広告語句に係る広告主への課金額に基づいて更新する。ポイント情報更新部120aの動作は、第1実施形態におけるポイント情報更新部120と基本的に同様である。このため、ここでは説明を省略する。
第1実施形態と同様、第2実施形態に係る電子書籍提供システム1も、販売価格決定部116aと、ポイント情報更新部120a(及びポイント情報記憶部118)と、のいずれか一方を備えるようにすればよい。
なお、本発明は以上に説明した第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではない。
(1)例えば、第2実施形態では、電子書籍及び対応関係テーブルが端末装置20で受信された後において端末装置20から配信システム10へのアクセスが発生した場合に、対応関係情報送信部122は、過去に端末装置20に送信された電子書籍のための新たな対応関係テーブルを端末装置20に送信するようにしてもよい。
なお、「端末装置20から配信システム10へのアクセスが発生した場合」とは、例えば、別の電子書籍を購入するために端末装置20から配信システム10へのアクセスが行われた場合である。また例えば、定期的に端末装置20から配信システム10へのアクセスが行われるようにしてもよく、その場合の「端末装置20から配信システム10へのアクセスが発生した場合」とは、端末装置20から配信システム10への定期的なアクセスが行われた場合である。
また、「過去に端末装置20に送信された電子書籍のための新たな対応関係テーブル」とは、過去に端末装置20に送信された電子書籍に含まれる置換対象語句又はタグと、広告語句と、の対応関係が更新された対応関係テーブルである。つまり、「過去に端末装置20に送信された電子書籍のための新たな対応関係テーブル」とは、過去に端末装置20に電子書籍とともに送信された対応関係テーブルとは置換対象語句又はタグと広告語句との対応関係が異なる対応関係テーブルである。
新たな対応関係テーブルが端末装置20に送信された場合、端末装置20の広告語句挿入部208は、広告語句が挿入された電子書籍を新たな対応関係テーブルに基づいて再生成する。なお、この場合、広告語句が挿入される前の電子書籍を端末装置20の補助記憶部(受信電子書籍記憶手段)に保存しておく必要がある。
上記のようにすれば、電子書籍の文章中に挿入される広告語句を変化させることが可能になる。
(2)また例えば、第2実施形態では、対応関係テーブル(図13,16,18)ではなく、広告語句テーブル(図6)が端末装置20に送信されるようにしてもよい。
(3)また例えば、広告語句挿入部108,208は、広告語句の挿入が行われた電子書籍が表示部に表示される場合において該広告語句の途中で改行が行われるか否かの予測を実行するようにしてもよい。そして、広告語句挿入部108,208は、その予測結果に基づいて、広告語句の挿入を抑止するようにしてもよい。すなわち、広告語句の途中で改行が行われると予測された場合、広告語句挿入部108,208は広告語句の挿入を抑止するようにしてもよい。
ここで、広告語句の挿入が行われた電子書籍が端末装置20の表示部に表示される場合において該広告語句の途中で改行が行われるか否かを予測する方法について説明する。図30はこの予測方法の一例について説明するための図であり、置換対象語句(ここでは「缶コーヒー」)が広告語句(例えば「ブラックコーヒーB」)に置き換えられる前の電子書籍が表示部に表示されたと仮定した場合の表示例を示している。なお、ここでは、置換対象語句を示すタグ(図5,7)が電子書籍の文章中に設定されている場合を想定している。
上記の予測を行う場合、まず、広告語句挿入部108,208は、置換対象語句の先頭文字の表示位置から行末までの部分(置換対象語句の先頭文字の表示位置も含む)に表示可能な文字数を取得する。図30に示す例の場合、該文字数として「6」が取得される。
なお、置換対象語句の先頭文字の表示位置から行末までの部分に表示可能な文字数を取得するためには、例えば、端末装置20の表示画面において一行あたりに表示可能な文字数に関する情報を記憶しておく必要となる。配信システム10(電子書籍配信装置12)において実現される広告語句挿入部108に上記のような予測を行わせる場合には、端末装置20の表示画面において一行に表示可能な文字数に関する情報を、例えば電子書籍配信装置12の補助記憶部又はデータベース14が予め記憶しておく必要がある。
置換対象語句の先頭文字の表示位置から行末までの部分に表示可能な文字数を取得した後、広告語句挿入部108,208は、取得した文字数と、置換対象語句に対応する広告語句(例えば「ブラックコーヒーB」)の文字数と、を比較する。取得された文字数が広告語句の文字数以上である場合とは、置換対象語句を広告語句に置換したとしても広告語句の途中で改行が行われない場合である。この場合、広告語句挿入部108,208は置換対象語句を広告語句に置換する。一方、取得された文字数が広告語句の文字数未満である場合とは、置換対象語句を広告語句に置換してしまうと広告語句の途中で改行が行われてしまう場合である。この場合、広告語句挿入部108,208は置換対象語句を広告語句に置換しない。
上記のような処理は、図11のステップS107,S110、図12のステップS117、図29のステップS205において実行するようにすればよい。
なお、以上では、置換対象語句を示すタグ(図5,7)が電子書籍の文章中に設定されている場合について説明したが、広告語句を挿入すべき位置を示すタグ(図9)が電子書籍の文章中に設定されている場合についても説明する。図31は、広告語句を挿入すべき位置を示すタグ(図9)が電子書籍の文章中に設定されている場合における上記の予測方法について説明するための図である。図31に示す例の場合、広告語句(例えば「ブラックコーヒーB」)が挿入される位置は「太郎は」との部分と「を自動販売機で購入した。」との部分との間である。
この場合、広告語句挿入部108,208は、広告語句が挿入される位置の直後の文字(図31に示す例の場合「を」)の表示位置から行末までの部分(広告語句が挿入される位置の直後の文字の表示位置を含む)に表示可能な文字数を取得する。図31に示す例の場合、該文字数として「6」が取得される。
その後、広告語句挿入部108,208は、取得した文字数と、挿入される広告語句(例えば「ブラックコーヒーB」)の文字数と、を比較する。取得された文字数が広告語句の文字数以上である場合とは、広告語句が挿入されたとしても広告語句の途中で改行が行われない場合である。この場合、広告語句挿入部108,208は広告語句を挿入する。一方、取得された文字数が広告語句の文字数未満である場合とは、広告語句が挿入されると広告語句の途中で改行が行われてしまう場合である。この場合、広告語句挿入部108,208はオリジナル語句(例えば「缶コーヒー」)を挿入する。
広告語句の途中で改行されてしまうと、広告がユーザに認識されにくくなり、その広告効果が低くなってしまうおそれがある。この点、上記のようにすれば、広告効果が低くなってしまうような場合には広告語句が表示されないようにでき、より効率的に広告を行うことが可能になる。
(4)また例えば、出力制御部202,202aは、広告語句が挿入された電子書籍を表示部に表示させる場合において、広告語句の途中における改行を抑止するようにしてもよい。すなわち、出力制御部202,202aは、端末装置20の表示部の1行あたりの文字数に基づいて、広告語句の途中において改行が行われるか否かを判定し、広告語句の途中において改行が行われると判定された場合には広告語句の前で改行させるようにしてもよい。
ここで、広告語句の途中で改行が行われるか否かを判定する方法について説明する。図32はこの判定方法の一例について説明するための図であり、広告語句(ここでは「ブラックコーヒーB」)が挿入された電子書籍を改行位置を調整することなく表示部に表示した場合の表示例を示している。
この場合、まず、出力制御部202,202aは、広告語句(「ブラックコーヒーB」)の先頭文字の表示位置から行末までの部分(広告語句の先頭文字の表示位置も含む)に表示可能な文字数を取得する。図32に示す例の場合、該文字数として「6」が取得される。
その後、出力制御部202,202aは、取得した文字数と、広告語句(「ブラックコーヒーB」)の文字数と、を比較する。取得された文字数が広告語句の文字数以上である場合とは、広告語句の途中で改行が行われない場合である。この場合、出力制御部202,202aは特に改行位置を調整しない。一方、取得された文字数が広告語句の文字数未満である場合とは、改行位置を調整しなければ、広告語句の途中で改行が行われてしまう場合である。この場合、出力制御部202,202aは改行位置を広告語句の前に設定する。例えば図32に示す例の場合であれば、出力制御部202,202aは広告語句(「ブラックコーヒーB」)の先頭文字の前で改行を行う。
(5)また例えば、出力制御部202,202aは、広告語句がクリックされた場合や広告語句が指示された場合に、広告語句に関するウェブページを表示部に表示させるようにしてもよい。この場合、電子書籍には、広告語句とともに、広告語句に関するウェブページのリンク情報が埋め込まれることになる。
なお、出力制御部202,202aは、広告語句がクリックされた場合や、広告語句が指し示された場合(例えば、広告語句がロールオーバーされた場合や、広告語句の表示位置に対応するタッチパネル上の位置が触られた場合)に、オリジナル語句を表示部に表示させるようにしてもよい。例えば、オリジナル語句を吹き出し表示するようにしてもよい。または、オリジナル語句を音声出力するようにしてもよい。
(6)また例えば、出力制御部202,202aは、端末装置20の表示部に過去に表示されたページに含まれる広告語句の表示を抑止し、オリジナル語句を表示するようにしてもよい。なお、端末装置20の表示部に過去に表示されたページに関しては、広告語句をオリジナル語句に戻してしまうようにしてもよい。
(7)また例えば、広告課金部114,114aは電子書籍配信装置12とは異なるサーバコンピュータで実現されるようにしてもよい。同様に、販売価格決定部116,116aは電子書籍配信装置12とは異なるサーバコンピュータで実現されるようにしてもよい。また、ポイント情報更新部120,120aは電子書籍配信装置12とは異なるサーバコンピュータで実現されるようにしてもよい。
また、データベース14は電子書籍配信装置12とは別のサーバコンピュータ内に構築されていてもよいし、電子書籍配信装置12内に構築されていてもよい。
(8)また例えば、電子書籍をストリーミング配信するようにしてもよい。
(9)また例えば、タグの形式は図5,7,9に示したような形式に限られない。置換対象語句を識別したり、広告語句を挿入すべき位置を識別したりすることが可能なものであれば、どのような形式を採用するようにしてもよい。例えば、タグは<>で囲まれたものでなくてもよい。