JP5276628B2 - Ofdm通信システム - Google Patents
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Description
以下この発明の実施の形態1を図1〜図9により説明する。
図1において、受信した信号は受信アンプ1を経て、復調/復号処理部2により、復調、復号され、送受データ制御部8で、ユーザデータ、制御情報が抽出され、各々、ユーザデータ入出力部9、装置制御部7に渡される。一方、送受データ制御部8に、ユーザデータ入出力部9及び装置制御部7から、各々、ユーザデータ、制御情報が入力された場合、変調/符号化処理部4で符号化、変調され、送信アンプ2を経由して出力される。
装置の設定変更と同時に、この設定を、相手装置に通知することにより、相手装置側では逆に送信信号を扱う変調/符号化処理部4に設定する。
OFDM通信では、固定長のフレームが繰り返され、例えば、OFDMシンボル数が約200シンボル、時間としては約10msecのフレームが用いられる。このフレームは、B1、B2、B3、DATA(DL)、DATA(UL)、Cのチャネルを持つ。
B1、B2、B3、及び、DATA(DL)は、親機が送信し子機が受信するチャネルであり、DATA(UL)、Cチャネルは、子機が送信し親機が受信するチャネルである。
B1、B2、B3チャネルでは、同期情報、フレーム内の帯域割当てを表すスケジュール情報、また、Cチャネルに対する応答情報などの制御情報が送信される。
Cチャネルは、子機が親機に対して通知を送信する必要が発生した場合に用いるチャネルであり、特定の子機が親機から通信機会、すなわち、通信帯域を与えられ送信するわけではなく、任意のタイミングで子機が送信する。このため、Cチャネルは複数の子機が同時に送信することや、どの子機からも送信がないことを想定したチャネルである。その送信データを親機が受信できたか否かが前記の応答情報に含まれる。
ユーザデータは、親機から子機の方向、子機から親機の方向のデータが各々、DATA(DL)、DATA(UL)チャネルで送信される。
尚、B1、B2、B3、Cチャネルは制御情報専用のチャネルであり、DATA(DL)、DATA(UL)チャネルは主にユーザデータの通信に用いるが、制御情報の通信に用いる場合もある。
制御情報通信は、上記の通り、同期情報やスケジュール情報を含むものであり、この通信が成立している状態で、はじめて、ユーザデータの通信が実行可能となる。
ここでの設定とは、変調方式や誤り訂正方式や更に周波数ダイバーシチなどの設定を意味する。
ユーザデータの通信には、上記のSINR推定処理にもとづくマッピング調整により、より通信効率の高い設定を用いる。本実施の形態1では、このマッピング調整は個々のサブキャリアに対して行う。サブキャリア毎に選択した変調方式で決まるビット数の総量により、1つのシンボルで送信可能なデータ量が決まる。この値が大きいほど高効率なユーザデータ通信が可能であるが、使用環境のSINRに適合したレベルでない場合、通信エラーが発生することになる。このため、このようなSINR推定処理結果を用いたマッピング調整が必要となる。この調整は、図1に示したマッピング調整処理部6で処理される。
図9において、(b)は(a)に比して、通信環境が悪い状態を示しており、(b)は従来の装置の場合、通信が成立しない環境である。ここでは、(a)(b)各々の環境を、通常の通信環境、劣悪な通信環境と記す。
図9では、SINR推定結果、制御情報の変調方式、変更後の制御情報の変調方式、ユーザデータの変調方式を示している。
SINR推定結果の図では、横軸は周波数、縦軸はSINR値として、個々のサブキャリアの周波数とSINR値の関係を図示している。また、一点鎖線にて、限界SINRのレベルを示し、ハッチングにて限界SINR値にSINR値が満たない周波数領域を示す。ここでの限界SINRとは、これよりSINR値が小さい場合、最低の変調方式であるBPSKを適応してもエラーとなると考えられるSINR値である。
変調方式の図では、個々の線が一つのサブキャリアを意味し、実線の長い縦線は、BPSKより高い変調、短い縦線はBPSK、破線はマッピングをしないサブキャリアを表している。
一方、制御情報の変調方式(変調2)は、前述のとおり、SINR推定結果にもとづかず、固定のマッピングとしており、この場合、すべてのサブキャリアをBPSKとしている。この場合、限界SINRに満たないサブキャリアにおいては、エラーが発生することが想定されるが、該当するサブキャリア数の全サブキャリアに対する割合が小さいことなどより、誤り訂正で、発生したエラーが訂正され正常な通信が可能となる。
図9(b)図においては、限界SINRに満たないサブキャリアが多くあることがわかる。この環境で、制御情報の変調方式(変調3)に示す、全サブキャリアをBPSKとした変調の場合では、エラーを発生するサブキャリアが多いため、誤り訂正でエラーを訂正しきることができない。すなわち、初期状態では、制御情報の通信が正常に行えない状態である。このように、エラー耐性の高い設定にした場合でも通信ができない環境があり得る。尚、この制御情報通信が成立しない状態では、前述の通り、ユーザデータ通信は成立しない。具体的には、制御情報通信が成立しない状態では、親機子機間の通知のやりとりが成立しないため、ユーザデータ通信に至るためのマッピング調整などを含む接続処理が正常に終了しない。
しかしながら、親機、子機間が比較的離れた場所にある場合などにおいては、信号を妨げる主要なノイズ発生源の位置により、大きく特性が異なる場合もよくある。これにより、例えば、親機での受信信号のSINR推定結果が図9(a)のように通常の通信環境レベルであるにも関わらず、子機での受信信号のSINR推定結果が図9(b)に相当する劣悪な通信環境レベルにある場合がある。この場合、子機では制御情報すら正常に受信できないため、子機が同期処理に失敗する。また、この逆に親機での受信信号のSINR推定結果が図9(b)に相当し、子機側が図9(a)に相当する場合は、子機は同期処理は正常に終了するが、その後、親機側は制御情報を受信できないため、接続処理に失敗することになる。
図3において、41は接続全体処理開始、42は親機子機入替え設定、及び、片方向処理設定の初期設定、であり、親機子機入替え設定、及び、片方向処理設定を無効に設定する。詳細は後述するが、親機子機入替え設定を有効にした場合、本来の親機を子機として動作させ、逆に子機を親機として動作させることになる。また、片方向処理設定を有効にした場合、本来、親機子機間の通知の往復によりすすめる手順を、主に片方向の通知のみですすめるように変更して動作させることになる。44は親機子機入替え設定が有効かを判定する判定処理、43は片方向処理設定が有効かを判定する判定処理である。
接続処理47は、親機子機入替え設定接続処理である。この接続処理は、通常の接続処理とは異なり、制御情報通信の設定変更内容を算出し、その変更を実施することにより、制御情報通信を成立させることを目的とする。親機子機入替え設定接続処理では、親機子機を入替えた状態で所定の処理を実施し、その処理で得たSINR推定結果などを用いて制御情報通信の設定変更をする。設定変更内容は、前述のとおり、エラー発生の原因となるサブキャリアを使用するサブキャリアから除外するように設定するものであり、この設定変更により、制御情報通信がエラーなく実施可能となる。図9(b)において示した環境の場合、制御情報の変調方式として図示した変調方式(変調3)を、変更後の制御情報の変調方式として図示した使用しないサブキャリアを含む変調方式(変調4)へ設定変更することになる。
なお、前記「設定変更内容を算出」とは、SINR推定処理を実施し、SINR値を取得し、そのSINR値の大小によりサブキャリア使用の当否を決める(例えばSINR値が小さいサブキャリアは使用しないように変更する)ことを意味する。
接続処理45は、通常接続処理である。
例えば、親機から子機方向の通信の品位が、図9の(a)のように通常の通信環境レベルであり、子機から親機の通信の品位が、図9の(b)のように劣悪な通信環境レベルである場合、子機から親機への通信は成功しないが、親機から子機への通信は成功すると考えられる。すなわち、双方向通信のシーケンスでは通信の不達によりタイムアウトが発生すると考えられる。しかしながら、親機から子機への片方向通信であれば、問題なく処理できる。
例えば、元の親機から子機方向の通信の品位が、図9の(b)のように劣悪な通信環境であり、子機から親機の通信の品位が、図9の(a)のように通常の通信環境レベルである場合、元の状態では、子機の初期同期処理は失敗すると考えられる。これに対し、親機と子機を入替えた場合には、初期同期処理は、成功すると考えられる。ただし、親機子機を入替えた状態では、逆に、子機から親機への通信は失敗する可能性が高いため、親機子機入替え設定接続処理は、片方向処理設定接続処理と同様に、片方向通信で接続処理を実施する。詳細手順は後述する。
48は、繰り返し数が制限値内かを判定する判定処理であり、接続失敗と設定変更が繰り返されることを回避するための判定である。57は接続全体処理正常終了状態、51は、接続全体処理異常終了状態である。
まず接続処理が一度も失敗しない場合の処理の流れを示す。
初期設定42を実行し、これにより判定処理44、43を経由して通常接続処理45が実行される。この通常接続処理45が正常終了した場合、接続処理正常終了判定49を経て、判定処理52にて、接続全体処理正常終了状態57に遷移する。通常の通信環境ではこの手順で、接続処理が失敗することなく正常終了まで処理される。
通常接続処理45が異常終了した場合、接続処理正常終了判定49を経て、更に、判定処理50を経て、子機同期異常終了判定53に遷移する。この判定処理53において、子機同期異常終了であるため、設定処理54により親機子機入替え設定が有効に設定される。その後、判定処理48を経由して、再び、判定処理44に遷移する。親機子機入替え設定が有効となっているため、判定処理44から、親機子機入替え設定接続処理47に遷移する。
次に接続処理正常終了判定49にて、正常終了の場合、設定判定処理52に遷移し、親機子機入替え設定が有効であるため、設定処理55にて、親機子機入替え設定を無効にし、再度、判定処理44に進む。この場合、判定処理43を経由し、通常接続処理45に遷移する。通常接続処理45を実行の後、判定処理49、及び、52を経由して、接続全体処理正常終了状態57に遷移する。
通常接続処理45が異常終了した場合、接続処理正常終了判定49を経て、判定処理50を経て、子機同期異常終了判定53に遷移する。この判定処理53において、子機同期異常終了でないため、設定処理56により片側方向処理設定が有効に設定される。その後、判定処理48を経由して、再び、判定処理44に遷移する。片方向処理設定が有効となっているため、判定処理44及び43を経由し、片方向処理設定接続処理46が実行される。
次に接続処理正常終了判定49にて、正常終了の場合、設定判定52に遷移し、片方向処理設定が有効であるため、設定処理55にて、片方向処理設定を無効にし、再度、判定処理44に進む。この場合、判定処理43を経由し、通常接続処理45に遷移する。通常接続処理45を実行の後、判定処理49、及び、52を経由して、接続全体処理正常終了状態57に遷移する。
図4において、60は制御チャネル送信開始処理、61は接続要求受信処理、62は同期処理、63及び64はSINR推定用チャネル送信開始、66はRx側SINR推定処理、65はTx側SINR推定処理、73及び74は、ユーザデータ用マッピング決定処理、67及び68はSINR推定用チャネル送信終了、69及び70は、ユーザデータ用マッピング設定変更である。
次に、子機は、親機に収容されるために親機に接続要求を送信する。
接続要求受信処理61にて当該接続要求の通知を受信した親機は子機に接続応答を送信する。接続要求受信のための親機の処理詳細は、後述する。親機はこの接続応答通知により、子機に対して子機識別用の識別番号を通知する。親機に複数台の子機が収容される場合、この識別番号により子機は区別される。
子機は親機からの通知内容において、自装置宛の情報か否かをこの識別番号を用いて識別する。一例として、ユーザデータ通信用の帯域割当ては、この識別番号を用いる。
次に、親機はマッピング調整開始要求を送信し、子機はマッピング調整開始応答を送信したのち、親機、子機、各々、処理64、63にて、SINR推定用チャネルの送信を開始する。ここでのSINR推定用チャネルとはSINR推定をするため専用チャネルである。本実施の形態では専用のチャネルとしているが、通常のチャネルを用いることも可能である。
親機、子機は各々、処理66、処理65にて、Rx側のSINR推定処理とTx側のSINR推定処理を実施する。特に図示しないが、ここでのSINR推定処理は、推定結果の信頼度をあげるために推定処理を複数回実施する場合がある。
ここでのRx側、Tx側とは、各々、親機装置からみた場合の受信方向、送信方向を意味する。
尚、マッピング結果通知は比較的大きなサイズになる場合があるため、適宜、分割して通知する場合がある。本実施の形態では、SINR推定を実施した側でマッピングを決定し、その結果を相手側に通知しているが、例えば、マッピングを通知するのではなく、SINR推定結果自体を通知し、その通知を受信した側でマッピングを決める方式も可能である。親機は、Rx側Tx側のマッピング結果の送受が完了した後、マッピング調整終了要求を送信し、子機はマッピング調整終了応答を送信する。
次に、親機、子機は、各々、処理68、67にて、SINR推定用チャネルの送信を停止し、処理70、69にて、ユーザデータ用のマッピング設定変更を行い、接続処理終了71に遷移する。
尚、これらのメッセージのやりとりのシーケンスにおいて、通信がエラーになる等の理由により、所定のメッセージが取得できない場合、図1のタイムアウト監視制御12により、タイムアウトを検出し、更に、再送などの処理を経ても該当メッセージが取得できない場合に、接続処理が、一旦、異常終了する。
81は接続要求受信処理開始、82はCチャネル受信処理、83はCチャネル電力値(PW_C)取得処理、84は接続要求受信判定、85は接続要求タイムアウト判定処理、86はCチャネル電力値判定処理である。本実施の形態では、電力値はタイムアウトまで複数回取得した場合、その最大値を判定に適用する。
82でCチャネル受信処理を実行し、83ではCチャネル電力値(PW_C)を取得する。Cチャネルは親機からの割当てに基づかず、非同期に子機より送信されるため、子機からの送信の有無にかかわらず、親機は毎フレームCチャネル受信処理を実行し、83ではCチャネル電力値(PW_C)を取得する。Cチャネルが子機からのメッセージを正常受信したか否かは、84にてメッセージに付加されたCRC(Cyclic Redundancy Check)を用いて判定する。
CRCが正常と判定された場合、接続処理が継続される。
CRCが異常と判定された場合、85にてタイムアウトの発生を確認し、タイムアウトが未発生の場合、再度Cチャネル受信処理を実施する。
タイムアウトが発生した場合、接続要求の受信は失敗したと判断し、86にてCチャネル電力値(PW_C)を確認する。ここで電力値(PW_C)が、Cチャネル電力判定値より小さい場合、子機がCチャネルの送信を実施していないと判断する。子機がCチャネルを送信しないという事象は、子機が同期に失敗した場合に発生する事象であり、これにより、親機側で子機が同期に失敗したという子機の状態を検出し、接続処理子機同期異常終了状態89となる。
一方、電力値(PW_C)が判定値より大きい場合は、子機はCチャネルを送信していることが確認できる。この事象は、子機は同期処理に成功しCチャネルを送信しているが、CRCの判定が正常とならない場合に発生し、特に、子機から親機への通知の信号の品位が悪い場合に、この事象が発生する。この場合、接続処理異常終了状態88となる。
102は同期処理であり、103は同期処理が正常終了したかの判定処理、105は同期処理のタイムアウト発生の判定処理、である。
同期処理成功の判定においては、子機は、所望の親機に対して正しく同期処理が行えたことを確認するために、親機から通知される情報が所定の内容であることを確認する。例えば、親機からの毎フレーム連続的に変化する値を通知し、受信する子機側でその値が不連続になることなく正常に取得できることを確認するなどの方法がある。
子機は同期処理を実施し、同期処理に成功した場合、接続処理継続となる。103にて同期処理が失敗の場合、105にてタイムアウト発生を確認し、タイムアウトの場合、子機同期処理の失敗が確定し、接続処理子機同期異常終了状態106となる。タイムアウトが未発生の場合には、同期処理102が繰り返される。
図7において、120は制御チャネル送信開始処理、122は同期処理、123はSINR推定用チャネル送信開始、126はRx側SINR推定処理、134は制御情報用マッピング決定処理、127はSINR推定用チャネル送信終了、129及び130は制御情報用マッピング設定変更である。
次に、親機は子機からの接続要求を待つことなく、子機に接続応答を送信する。
次に、親機はマッピング調整開始要求を送信する。
その後、子機では、処理123にて、SINR推定用チャネルの送信を開始する。
次に親機は、処理126にて、Rx側のSINR推定処理を実施する。特に図示しないが、ここでのSINR推定処理は、推定結果の信頼度をあげるために推定処理を複数回実施する場合がある。ここでのRx側とは親機装置からみた場合の受信方向を意味する。推定したSINR推定結果を元に、処理134にて、制御情報用のマッピングを決定し、相手装置にマッピング結果通知を送信する。尚、マッピング結果通知は比較的大きなサイズになる場合があるため、適宜、分割して通知する。
親機は、Rx側のマッピング結果の送信が完了した後、マッピング調整終了要求を送信する。
次に、子機側で処理127にてSINR推定用チャネルの送信を停止し、処理130、129にて、制御情報用のマッピング設定変更を行い、接続処理終了131に遷移する。このマッピングの変更は、送受両側で同じ内容で変更する必要がある。すなわり、Rx側マッピングの親機子機両側での設定変更が必要となる。この一連の処理において、子機から親機への通信は、SINR推定用チャネルのみである。SINR推定用チャネルは、受信側でSINRの推定処理が実行できれば良いだけであり、制御情報やユーザデータの受信のようにCRCによるチェックで正しいデータのみ用いる仕組みではないため、劣悪な環境でも処理が可能となる。
尚、これらのメッセージのやりとりのシーケンスにおいて、子機からのSINR推定用チャネルが受信できないなどのエラーが発生した場合は、接続処理が、異常終了する。
この発明の実施の形態1を図10〜図14により説明する。
冗長通知設定接続処理186では、通常時より冗長でエラー耐性の高い通信方式で処理を実施し、その処理で得たSINR推定結果などを用いて制御情報通信の設定変更をする。
制御情報通信の設定変更内容は、前述のとおり、エラー発生の原因となるサブキャリアを使用するサブキャリアから除外するように設定するものであり、この設定変更により、制御情報通信がエラーなく実施可能となる。図9(b)において示した環境の場合、制御情報の変調方式として図示した変調方式(変調3)を、変更後の制御情報の変調方式として図示した使用しないサブキャリアを含む変調方式(変調4)へ設定変更することになる。
185は通常接続処理である。
190は、処理192と同様の冗長通知設定が有効かを判定する判定処理であり、判定後の遷移先は、各々処理191、処理194となる。
この冗長通知設定を有効にした場合の接続処理では、親機から子機、子機から親機の双方の通信環境が、図9(b)に示す劣悪な通信環境であっても、制御情報通信が正しく行える。
195は、冗長通知設定を無効にする処理であり、この処理により、再度実施する接続処理においては、通常接続処理が選択されることになる。188は繰り返し数が制限値内かを判定する判定処理、197は接続全体処理正常終了状態、191は接続全体処理異常終了状態である。
まず接続処理が一度も失敗しない場合の処理の流れを示す。
初期設定182を実行し、これにより判定処理183を経由して通常接続処理185が実行される。この通常接続処理185が正常終了した場合、接続処理正常終了判定189を経て、判定処理192にて、接続全体処理正常終了状態197に遷移する。通常の通信環境ではこの手順で、接続処理が失敗することなく正常終了まで処理される。
通常接続処理185が異常終了した場合、接続処理正常終了判定189を経て、判定処理190に遷移する。この判定処理190において、冗長通知設定が有効でないため、設定処理194により冗長通知設定が有効に設定される。その後、判定処理188を経由して、再び、判定処理183に遷移する。冗長通知設定が有効となっているため、冗長通知設定接続処理186が実行される。
次に接続処理正常終了判定189にて、正常終了の場合、設定判定192に遷移し、冗長通知設定が有効であるため、設定処理195にて、冗長通知設定を無効にし、再度、判定処理183を経由し、通常接続処理185に遷移する。
通常接続処理185を実行の後、判定処理149、及び、192を経由して、接続全体処理正常終了状態197に遷移する。尚、判定処理190にて、冗長通知設定が有効である場合は、接続全体処理異常終了状態191に遷移する。冗長通知設定接続処理が異常終了した場合には、この遷移をたどる。
図13において、253、及び、254は、制御情報用マッピング決定処理、67、及び、68は、SINR推定用チャネル送信終了、249、及び、250は、制御情報用マッピング設定変更である。親機は、処理60にて制御チャネルの送信を開始し、子機は同期処理62でその制御チャネルを検出し初期同期処理を行う。尚、子機はこの初期同期ののちにも、親機との同期を維持するための処理を別途継続する。
次に、親機はマッピング調整開始要求を送信し、子機はマッピング調整開始応答を送信したのち、親機、子機、各々、処理64、63にて、SINR推定用チャネルの送信を開始する。ここでのSINR推定用チャネルとはSINR推定をするため専用チャネルである。本実施の形態では専用のチャネルとしているが、通常のチャネルを用いることも可能である。
親機、子機は各々、処理66、処理65にて、Rx側のSINR推定処理とTx側のSINR推定処理を実施する。特に図示しないが、ここでのSINR推定処理は、推定結果の信頼度をあげるために推定処理を複数回実施する場合がある。ここでのRx側、Tx側とは、各々、親機装置からみた場合の受信方向、送信方向を意味する。
本実施の形態では、SINR推定を実施した側でマッピングを決定し、その結果を相手側に通知しているが、例えば、マッピングを通知するのではなく、SINR推定結果自体を通知し、その通知を受信した側でマッピングを決める方式も可能である。親機は、Rx側Tx側のマッピング結果の送受が完了した後、マッピング調整終了要求を送信し、子機はマッピング調整終了応答を送信する。
次に、親機、子機、各々、処理68、67にて、SINR推定用チャネルの送信を停止し、処理250、249にて制御情報用のマッピング設定変更を行い、接続処理終了71に遷移する。
図12において、個々の線が一つのサブキャリアを意味し、矩形の枠が、周波数ダイバシチのグループを示している。図12(a)では、2つのグループがあり、各々のグループから1本ずつのサブキャリアに同一の情報を持たせることによりエラー耐性を高める。通常時の設定が図12(a)に示すとおり、一つの情報を2つのサブキャリアを用いて通信する周波数ダイバーシチの設定を用いているのに比して、冗長通知設定の場合、図12(b)に示すとおり、1つの情報を4つのサブキャリアを用いて通信する周波数ダイバーシチを用いる。これによりエラー耐性が高まる。
Cチャンネルに関して、通常設定の場合、図14(a)に示す通りシンボル数がSYM1であるのに比して、冗長設定の場合、図14(b)に示す通りシンボル数がSYM1に比して2倍程度のSYM2だけ必要となる。B1、B2、B3チャネルも同様である。
一方、図11に示すように、冗長設定時に用いる通知を、通常設定時の通知に比してデータ量の少ないものにすることも可能である。
図11は、接続要求通知の通知内容であり、72ビットのデータを8ビットに減らしている。通知するデータ量を減らした場合は、冗長度を上げた場合にも必ずしもシンボル数を増やす必要がないため、シンボル数の制約で適用できないということがなくなり、より適用の範囲が広くなる。尚、この通知データ量の削減は、冗長通知設定時の接続処理が一時的な接続処理であることを利用し、通知されなくなったデータを、あらかじめ決められた所定の値で、一時的に代用することにより実現する。
特徴1:親機に子機を収容し、複数の搬送波を用いて上記親機子機間で通信を行うOFDM通信システムにおいて、上記親機子機間の接続処理の失敗を検出する接続処理失敗検出手段、上記親機の機能を上記子機の機能に変更する親機子機変更手段、及び上記子機の機能を上記親機の機能に変更する子機親機変更手段を、装置制御部内に備え、上記接続処理失敗検出手段により上記親機子機間の接続処理の失敗が検出されると上記親機子機変更手段が上記親機の機能を上記子機の機能に変更し上記子機の機能を上記親機の機能に変更して当該機能変更された親機子機間で再接続処理が実行されることを特徴とするOFDM通信システムである。
特徴2:親機に子機を収容し、複数の搬送波を用いて上記親機子機間で通信を行うOFDM通信システムにおいて、上記親機子機間の接続処理の失敗が上記親機から上記子機への通知及び上記子機から上記親機への通知の何れで発生したのかを検出する接続処理失敗検出手段を装置制御部内に備え、上記接続処理失敗検出手段により上記親機子機間の接続処理の失敗が上記親機から上記子機への通知及び上記子機から上記親機への通知の何れで発生したのか検出されると、上記接続処理失敗検出手段により検出された上記親機子機間の接続処理の失敗が発生した上記通知を省いた片方向の通知により親機子機間で再接続処理が実行されることを特徴とするOFDM通信システムである。
特徴3:親機に子機を収容し、複数の搬送波を用いて上記親機子機間で通信を行うOFDM通信システムにおいて、上記親機子機間の接続処理の失敗を検出する接続処理失敗検出手段、及び冗長度を上げた通信方式で再接続する再接続手段を、装置制御部内に備え、上記接続処理失敗検出手段により上記親機子機間の接続処理の失敗が検出されると上記再接続手段により冗長度を上げた通信方式で再接続処理が実行されることを特徴とするOFDM通信システムである。
特徴4:特徴3に記載のOFDM通信システムにおいて、上記親機子機間の通知の情報量を再接続前に比べ減らして前記再接続処理が実行されることを特徴とするOFDM通信システムである。
特徴5:特徴1〜4の何れか一に記載のOFDM通信システムにおいて、上記親機子機間の接続処理の失敗が、上記子機から上記親機への通知の制御情報の搬送波の電力レベルに基づいて検出されることを特徴とするOFDM通信システムである。
特徴6:特徴1〜5の何れか一に記載のOFDM通信システムにおいて、上記搬送波を変更して上記再接続処理が実行されることを特徴とするOFDM通信システムでる。
特徴7:特徴1〜請求項5の何れか一に記載のOFDM通信システムにおいて、上記親機子機間の接続処理の失敗の原因となる搬送波を除いた搬送波を使用して上記再接続処理が実行されることを特徴とするOFDM通信システムである。
特徴8:親機に子機を収容し、複数の搬送波を用いて通信を行う装置において、接続処理の失敗を検出する手段と、上記失敗検出手段で失敗が検出された時に親機と子機を入替えて再接続処理をする手段と、上記再接続処理時に次の接続処理の設定を算出する手段とを、装置制御部内に有する通信装置である。
特徴9:上記接続処理失敗の状態の判定に、子機からの通知の電力レベルを用いることを特徴とした特徴8に記載の通信装置である。
特徴10:親機に子機を収容し、複数の搬送波を用いて通信を行う装置において、接続処理の失敗を検出する手段と、上記失敗検出手段で失敗が検出された時に片方向の通知を省いた手順で再接続処理をする手段と、上記再接続処理時に次の接続処理の設定を算出する手段を、装置制御部内に有する通信装置である。
特徴11:親機に子機を収容し、複数の搬送波を用いて通信を行う装置において、接続処理の失敗を検出する手段と、上記失敗検出手段で失敗が検出された時に冗長度を上げた通信方式で再接続処理をする手段と、上記再接続処理時に次の接続処理の設定を算出する手段を、装置制御部内に有する通信装置である。
特徴12:上記再接続処理時に、単一の通知の情報量を減らしたことを特徴とする特徴11に記載の通信装置である。
特徴13:上記、次の接続処理の設定算出において、使用する搬送波の変更をすることを特徴とする特徴8から12に記載の通信装置である。
特徴14:通信環境が劣悪で、親機子機間の通常の接続処理が失敗する場合でも、その失敗を検出し、制御情報通信の設定変更内容を算出するための接続処理を一旦実施し、その設定変更を実行することにより、正常に親機子機間の接続処理が行えるようになる通信装置である。
特徴15:通信環境が劣悪で、親機に対する子機の同期処理が失敗する環境においても、その失敗を検出し、そののち、親機子機を入替えることにより、同期処理に成功し、その状態で行う接続処理により、制御情報通信の設定変更内容を算出し、その設定変更を実行することにより、正常に接続処理が行える通信装置である。
2 送信アンプ、 3 復調/復号処理部、
4 変調/符号化処理部、
5 SINR推定処理部、
6 マッピング調整処理部、
7 装置制御部、
8 送受データ制御部、
9 ユーザデータ入出力部、
10 同期処理部、
11 シーケンス制御部、
12 タイムアウト監視制御。
Claims (6)
- 親機に子機を収容し、複数の搬送波を用いて上記親機子機間で通信を行うOFDM通信システムにおいて、
上記親機子機間の接続処理の失敗を検出する接続処理失敗検出手段、
上記親機の機能を上記子機の機能に変更する親機子機変更手段、及び上記子機の機能を上記親機の機能に変更する子機親機変更手段を備え、上記接続処理失敗検出手段により上記親機子機間の接続処理の失敗が検出されると上記親機子機変更手段が上記親機の機能を上記子機の機能に変更し上記子機親機変更手段が上記子機の機能を上記親機の機能に変更して当該機能変更された親機子機間で再接続処理が実行されるOFDM通信システムであって、
上記親機子機間の接続処理の失敗が、上記子機から上記親機への通知の制御情報の搬送波の電力レベルに基づいて検出され、
上記接続処理失敗検出手段により上記親機子機間の接続処理の失敗が上記親機から上記子機への通知及び上記子機から上記親機への通信の何れで発生したのか検出されると、上記接続処理失敗検出手段により検出された上記親機子機間の接続処理の失敗が発生した上記通信を省いた片方向の通信により上記親機子機間で再接続処理が実行される
ことを特徴とするOFDM通信システム。 - 請求項1に記載のOFDM通信システムにおいて、上記再接続処理が冗長度を上げた通信方式で実行されることを特徴とするOFDM通信システム。
- 請求項1または請求項2に記載のOFDM通信システムにおいて、上記搬送波を変更して上記再接続処理が実行されることを特徴とするOFDM通信システム。
- 請求項1または請求項2に記載のOFDM通信システムにおいて、上記親機子機間の接続処理の失敗の原因となる搬送波を除いた搬送波を使用して上記再接続処理が実行されることを特徴とするOFDM通信システム。
- 請求項1または請求項2に記載のOFDM通信システムにおいて、上記再接続処理の次の接続処理が、上記搬送波を変更して実行されることを特徴とするOFDM通信システム。
- 請求項1または請求項2に記載のOFDM通信システムにおいて、上記再接続処理の次の接続処理が、上記親機子機間の接続処理の失敗の原因となる搬送波を除いた搬送波を使用して実行されることを特徴とするOFDM通信システム。
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