JP5276604B2 - 電気化学式センサの診断方法及び電気化学式センサ - Google Patents

電気化学式センサの診断方法及び電気化学式センサ Download PDF

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Description

本発明は、検知対象ガス等が反応する検知極及び酸素が反応する対極を電解質層の両側に接続したセンサ手段と、外気に含まれる前記検知対象ガスが前記検知極に拡散律速で接触するように前記外気の流入量を制御する拡散制御孔を形成した拡散制御手段とを備えた電気化学式センサにおいて、拡散性が低下しているか否かを診断する電気化学式センサの診断方法に関する。また、そのような診断方法を実施するための電気化学式センサに関する。
警報装置等に搭載されるセンサの一つとして、例えば、一酸化炭素ガスを検知するCOセンサがある。また、このCOセンサの検知方式として電気化学式のものが知られている。電気化学式センサは、一般に、電解質溶液又は固体電解質を検知極及び対極で挟み込んで構成される。
なお、本明細書において説明する電気化学式センサは、特に、電解質溶液、電極、及びガス透過膜を含むものとする。この電気化学式センサの検知原理を、一酸化炭素ガスを検知するCOセンサを例に挙げて説明する。
COセンサの検知極に検知対象ガスである一酸化炭素が接触すると、下記(1)に示すように、検知極では一酸化炭素と水とが反応して二酸化炭素を生成するとともにプロトン(H+)及び電子(e-)が発生する。
CO + H2O → CO2 + 2H+ + 2e- ・・・ (1)
上記(1)の反応は、今回の様に拡散制御孔等がある条件下では、測定雰囲気中において一酸化炭素が拡散する速度に依存した拡散律速反応である(酸素と一酸化炭素が共存する検知極の混成電位付近においては一酸化炭素の酸化反応は拡散律速となる。)。
また、検知極で発生したプロトン(H+)は電解質を通過して対極の側へ移動する。さらに、検知極で発生した電子(e-)は外部回路を通過して対極へと移動し、下記(2)に示すように、対極に導入される酸素及び電解質中の水と反応し、水酸基(OH-)を生成する。尚、検知極には酸素も存在するので、一般的には一酸化炭素の約半分は検知極の酸素で酸化され、残りの半分が対極の酸素で酸化される。
1/2・O2 + H2O + 2e- → 2OH- ・・・ (2)
このように上記反応に伴って検知極側から対極側へと外部回路を流れる電子の電気的特性を、例えば、短絡電流値として検知することで、測定雰囲気中の一酸化炭素の濃度を測定することができる、又は、検知極、対極を開路状態としてその開路電圧を検知することで、測定雰囲気中の一酸化炭素の濃度を測定することができる。
ところで、測定雰囲気を構成するガスの分子に対して一酸化炭素の分子が多い場合(すなわち、一酸化炭素濃度が高い場合)では、検知極に供給されるCO分子の絶対数が多くなる。そうすると、検知極側での上記(1)の反応が追いつかなくなる虞がある。
そこで、上記のCOセンサに代表される電気化学式センサでは、検知極側に拡散制御板が設けられる。この拡散制御板には、測定雰囲気を構成するガスの分子及び検知対象ガスの分子の通過量を制御するための拡散制御孔が形成されている。これにより、拡散制御孔を通過する検知対象ガスの分子の数は、拡散律速反応が進行する程度にまで確実に低減される。その結果、検知極において上記(1)の反応が追いつかないという不都合は生じない。ただし、この場合、拡散制御孔を健全な状態に維持しておくことが重要である。
ところが、例えば、電気化学式センサに結露が発生し、その結露水が拡散制御孔を塞いで孔詰まり状態になると、上記(1)の反応、ひいては上記(2)反応が阻害されることになる。この孔詰まり状態は、電気化学式センサが断線した状態、あるいは感度不良状態と実質的に同一の状態である。
そこで、電気化学センサにおいて拡散制御孔が孔詰まり状態であるか否かを簡便に診断することができれば、製品としての信頼性が向上するとともに、ユーザにとっての利便性も改善すると期待される。
この点に関し、従来、電気化学式センサの自己診断方法として、電源をオフした後に再度オンした際のセンサの出力ピークや出力ボトムの有無から、電気化学式センサの健全性を自己診断する方法が提唱されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2004−279293号公報
ところが、特許文献1の方法は、上記のとおり、孔詰まりの診断をする際に電源のオフ・オン操作をその都度実行しなければならないため、ユーザにとって煩わしさがある。
また、同文献の第0011段落に記載されているように、電気化学式センサの健全状態を確実に診断するためには、電源をオフした後再度オンするまでにある程度の時間を要することになる。
さらに、同文献の方法では、拡散制御孔が完全に閉塞して断線状態にならなければ検知できないが、拡散制御孔が完全に閉塞する前に検知したいという要求もある。
従って、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、拡散制御孔を有する拡散制御板を備えた電気化学式センサにおいて、拡散制御孔が部分的に又は完全に閉塞して拡散性が低下しているか否かを簡単且つ確実に診断することが可能な電気化学式センサの診断方法を確立することを目的とする。
本発明に係る電気化学式センサの診断方法の特徴構成は、検知対象ガスが反応する検知極及び酸素が反応する対極を電解質層の両側に接続したセンサ手段と、外気に含まれる前記検知対象ガスが前記検知極に拡散律速で接触するように前記外気の流入量を制御する拡散制御孔を形成した拡散制御手段とを備えた電気化学式センサにおいて、拡散性が低下しているか否かを診断する電気化学式センサの診断方法であって、前記検知極と前記対極との間での電気的特性が変動する場合に、そのときの電気的特性を変動状態として計測する計測ステップと、前記計測ステップで計測した前記変動状態を、前記拡散制御孔が完全に開口している状態に対応する基準状態と比較する比較ステップと、前記変動状態が前記基準状態からオフセットしている場合に、拡散性が低下していると判定する判定ステップとを実行することにある。
電気化学式センサにおいて、拡散制御板に形成した拡散制御孔が部分的に又は完全に閉塞すると、検知極及び対極における夫々の平衡電位又は自然電位(混成電位)の間において電気的特性が変動する。
そこで、本構成の電気化学式センサの診断方法では、このときの電気的特性の変動を変動状態として計測し、これを拡散制御孔が完全に開口している状態に対応する基準状態と比較する。その結果、変動状態が基準状態からオフセットしている場合には、拡散性が低下していると判定することができる。
このように、本構成では、拡散性が低下した際の検知極及び対極における夫々の電位の変化を利用して、拡散制御板に形成した拡散制御孔が部分的に又は完全に閉塞して拡散性が低下しているか否かを判定しているので、拡散性が低下しているか否かを簡単且つ確実に診断することが可能となる。
本発明に係る電気化学式センサの診断方法において、前記電気的特性は、前記電気化学式センサのショート時における電流値であり、この電流値が前記基準状態における電流値より低下した場合に、拡散性が低下していると判定することが好ましい。
本構成の電気化学式センサの診断方法によれば、電気化学式センサのショート時における電流値が、基準状態における電流値から低下したことを以って、拡散性が低下していると判定することができる。
従って、本構成では、電気化学式センサのショート時における電流値をモニタするだけで、拡散性が低下しているか否かを簡単且つ確実に診断することが可能となる。
本発明に係る電気化学式センサの特徴構成は、検知対象ガスが反応する検知極及び酸素が反応する対極を電解質層の両側に接続したセンサ手段と、外気に含まれる前記検知対象ガスが前記検知極に拡散律速で接触するように前記外気の流入量を制御する拡散制御孔を形成した拡散制御手段とを備え、前記検知極と前記対極との間での電気的特性が変動する場合に、そのときの電気的特性を変動状態として計測する計測手段と、前記計測手段で計測した前記変動状態を、前記拡散制御孔が完全に開口している状態に対応する基準状態と比較する比較手段と、前記変動状態が前記基準状態からオフセットしている場合に、拡散性が低下していると判定する判定手段とを備えたことにある。
電気化学式センサにおいて、拡散制御板に形成した拡散制御孔が部分的に又は完全に閉塞すると、検知極及び対極における夫々の電位が変化し、両者の間において電気的特性が変動する。
そこで、本構成の電気化学式センサは、このときの電気的特性の変動を変動状態として計測する計測手段と、変動状態を拡散制御孔が完全に開口している状態に対応する基準状態と比較する比較手段と、変動状態が基準状態からオフセットしている場合に、拡散性が低下していると判定する判定手段とを備えている。
このように、本構成では、拡散性が低下した際の検知極及び対極における夫々の電位の変化を利用して、拡散制御板に形成した拡散制御孔が部分的に又は完全に閉塞して拡散性が低下しているか否かを判定しているので、拡散性が低下しているか否かを簡単且つ確実に診断することが可能となる。
電気化学式センサの診断方法で使用する電気化学式センサの全体構成を示す縦断面図 電気化学式センサの要部であるセンサ本体の縦断面図 二極式の電気化学式センサを用いた基本測定回路図 予備試験の結果を示すグラフ 電気化学式センサにおけるアノード極(検知極)及びカソード極(対極)の電位の高低差を示す図
以下、本発明による実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
〔電気化学式センサの基本構造〕
図1は、本発明の電気化学式センサの診断方法で使用する電気化学式センサ100の全体構成を示す縦断面図である。図2は、電気化学式センサ100の要部であるセンサ本体10の縦断面図である。
本実施形態の電気化学式センサ100は、一酸化炭素を検知対象ガスとしたCOセンサであり、その基本構造として、センサ本体10、水タンク20、フィルタ部30、ワッシャ40、及びガスケット50等を備える。
センサ本体10は、図2に示すように、電解質層1の両側(上下面)に検知極としてのアノード極2と対極としてのカソード極3とが夫々接続された積層構造を有するセンサ手段11と、後述する導電疎水膜4,5と、拡散制御板6とを備えている。
電解質層1は、後述するように、アノード極2での一酸化炭素の酸化反応に伴って発生するプロトン(H+)等のカチオンがカソード極3に移動する(あるいはカソード極3からOH-等のアニオンがアノード極2に移動する)際の媒質として機能し、例えば、濾紙等の基体に下記の化学式で示される芳香族スルホン酸塩(重合体)を含む電解液を含浸させて構成することができる。
Figure 0005276604
なお、電解質層1には、図示しない参照電極を介在させても構わない。この場合、電解質層1を上下二層に分割し、両層の間に参照電極を挟み込む。
アノード極2は、一酸化炭素を二酸化炭素へと酸化する電極触媒であり、一般に白金触媒等が使用される。カソード極3も、実質的にアノード極2と同様の構成を有している。本実施形態では、アノード極、カソード極の膜厚はそれぞれ約0.05〜0.2mmに設定されている。
アノード極2の上側及びカソード極3の下側には、導電疎水膜4,5が夫々設けられる。この導電疎水膜4,5は、アノード極2又はカソード極3での反応に関わるガス(一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、及び酸素)を透過可能なガス透過膜として構成される。
アノード極2の上側の導電疎水膜4の上方には、拡散制御板6が設けられる。この拡散制御板6は、外気に含まれる一酸化炭素ガスがアノード極2に拡散律速で接触するように外気の流入量を制御する。具体的には、拡散制御板6には拡散制御孔6aが形成され、この拡散制御孔6aを経てアノード極2へと供給される外気及びCO分子の供給量が制御される。従って、外気に含まれる一酸化炭素の濃度が高く、仮にそのままの状態で一酸化炭素をアノード極2に導入すれば、過剰な一酸化炭素のためにアノード極2での酸化反応が追いつかなくなるような場合でも、拡散制御板6に設けた拡散制御孔6aの作用により、アノード極2ですべてのCOの酸化反応を完了させることができる。
なお、本実施形態では、拡散制御板6はステンレス等の金属からなる薄板で形成され、拡散制御孔6aは打ち抜き等の任意の方法で形成されている。
また、センサ本体10のカソード極3の側の下方には、水タンク20が接続される。水タンク20は、その外壁21の一部にくびれ部22が形成され、そのくびれ部22に、中央部に孔部41が形成されたワッシャ40が係留されている。外壁21とワッシャ40とによって包囲される空間Xには、水又は水を吸収させた吸水性樹脂23が収容されている。空間Xに存在する水は、水蒸気の状態でワッシャ40の孔部41を通り、センサ本体10のカソード極3を通して電解質層1に供給される。
一方、センサ本体10のアノード極2の側の上方には、フィルタ部30が設けられる。フィルタ部30は、第1通気孔31aが形成された上半部31に第2通気孔32aが形成された下半部32をかしめて中空部Yを形成し、その中空部Yに活性炭フィルタ33を充填した構成となっている。この構成において、外気に含まれる一酸化炭素は第1通気孔31aから侵入し、活性炭フィルタ33で不純物等が取り除かれた後、第2通気孔32aからセンサ本体10のアノード極2へと供給される。
フィルタ部30と水タンク20の外壁21との間には、水タンク20から蒸発した水蒸気が外部に漏出しないように、ガスケット50が設けられる。
本発明の電気化学式センサ100では、水タンク20の底面24及び上半部31の上面31bが電極端子として機能する。従って、フィルタ部30の上半部31及び下半部32、センサ本体10の拡散制御板6、ワッシャ40、ならびに水タンク20の外壁21は、金属等の導電性材料で構成される。一方、ガスケット50は、絶縁材料で構成される。
このように構成された電気化学式センサ100は、例えば、図3に示すような基本測定回路200に組み込まれる。この基本測定回路200は、電気化学式センサ100を二極式とした場合の測定方法に使用される。
電気化学式センサ100のセンサ本体10から発生した微小な電流(短絡電流)は、オペアンプ201、抵抗202、及びコンデンサ203によって増幅処理及び変換処理がなされ、出力端子204から電圧Vout(電気化学式センサの出力)として出力される。そして、この出力結果から、電気化学式センサ100において外気に含まれる一酸化炭素の濃度の検知が行われる。短絡電流は、電解質中をアノード極2からカソード極3に流れ、外部回路中をカソード極3からアノード極2へ流れる。通常、一酸化炭素濃度が増加するに従って、電圧Voutは増加する。前述の拡散制御孔6aが開孔している本願で言う正常状態では、大気中に存在するCO等の還元性ガスの影響によりわずかにプラス電流(COを検出した時と同じ方向をプラスとする)が流れる状態となる。
〔電気化学式センサの診断方法〕
従来技術の項目でも説明したように、拡散制御板6を備えた電気化学式センサ100においては、検知対象ガスの濃度を正確に検知するためには、拡散制御孔6aを健全な状態に維持しておくことが重要である。ところが、例えば、気温変化が大きい環境下等では、結露水によって拡散制御孔6aが塞がれて拡散制御孔6aが部分的に又は完全に閉塞して拡散性が低下する虞がある。そこで、本実施形態では、拡散性が低下しているか否かを診断している。以下、電気化学式センサの診断方法について説明する。
先ず、電気化学式センサ100の拡散制御板6について、拡散制御孔6aの有無によって出力電圧にどのような違いが生じるかを確認する予備試験を行った。試験結果を図4に示す。図4では、(a)が拡散制御板6に拡散制御孔6aを設けたものであり、拡散制御孔6aが部分的に又は完全に閉塞していない正常状態に対応する。また、(b)が拡散制御板6に拡散制御孔6aを設けないものであり、拡散制御孔6aが部分的に又は完全に閉塞して拡散性が低下している状態に対応する。
ここで、予備試験では、拡散制御板6に拡散制御孔6aを設けた電気化学式センサについて、20個の電気化学式センサを用いて行っている。そして、図4(a)では、20個の電気化学式センサのうち、出力電圧が最大の電圧値を示したもの、出力電圧が最小の電圧値を示したもの、出力電圧が最大と最小との間の電圧値を示したものの一部を示しており、残りのものは省略している。また、予備試験では、拡散制御板6に拡散制御孔6aを設けない電気化学式センサについても、20個の電気化学式センサを用いて行っている。そして、図4(b)では、20個の電気化学式センサのうち、出力電圧が最大の電圧値を示したもの、出力電圧が最小の電圧値を示したもの、出力電圧が最大と最小との間の電圧値を示したものの一部を示しており、残りのものは省略している。
正常状態に対応する図4(a)では、20個の電気化学式センサの全ての出力電圧はベースラインである1Vよりも常に上回っていた(すなわち、プラスの短絡電流)。一方、拡散性が低下している状態に対応する図4(b)では、20個の電気化学式センサの全ての出力電圧はベースラインである1Vよりも常に下回っていた(すなわち、マイナスの短絡電流)。これらの結果から、電気化学式センサ100の出力電流をモニタリングすることで、拡散性が低下しているか否かを判定することができると考えられる。
なお、この予備試験では、電気化学式センサ100の電極間の電気的特性として出力電圧をモニタリングしているが、出力電流であっても同様の結果が得られる。
電気化学式センサ100において、アノード極2とカソード極3との間に電位差が生じると、両電極間に電流(短絡電流)が流れることになる。ここで、一般大気雰囲気中におけるアノード極2及びカソード極3で生じる反応は、下記(3)で表される平衡反応となる。
2 + 2H2O + 4e- ←→ 4OH- ・・・ (3)
ちなみに、この反応は、従来技術の項目で説明した(2)の式に相当する。ここで、図5(a)は、拡散性が低下していない正常状態において、アノード極2の平衡電位とカソード極3の平衡電位との高低を示しており、図5(b)は、拡散性が低下している状態において、アノード極2の平衡電位とカソード極3の平衡電位との高低を示している。ちなみに、上記(3)の反応による平衡電位Eeqは、酸素分圧をPO2、OH-の活量をaOH-、aOH=1およびPO2=1のときの電位をE0とすると、ネルンストの式から下記(4)のように表される(温度25℃の時)。
Figure 0005276604
図5(a)に示すように、拡散性が低下していない正常状態では、アノード極2の平衡電位はカソード極3の平衡電位よりも低くなっている。これは大気中の微量なCO等の還元性ガスの酸化反応の影響によるものである。ところが、上記(4)において、酸素分圧PO2が低下すると(すなわち、反応する酸素が欠乏すると)、平衡電位が低下するが、アノード極2よりもカソード極3での方が影響が大きい。これは、拡散性の低下によって、センサー本体内の湿度が上昇し、アノード極2(上側)よりカソード極3(下側)の方がより水タンク20に近いため、カソード極3およびそれに接する導電疎水膜中での結露が優先的に起こり酸素分圧(PO2)がより低くなるためと考えられる。その結果、カソード極3での平衡電位の低下が大きく、図5(b)に示すように、アノード極2の平衡電位はカソード極3の平衡電位よりも高くなっている。よって、図5(a)にて示された正常状態と、図5(b)にて示された拡散性が低下している状態とでは、アノード極2の平衡電位とカソード極3の平衡電位との高低関係が逆転しており、アノード極2とカソード極3との間を流れる短絡電流は、正常時がプラス電流となるのに対し、拡散性が低下した後はマイナス電流となる(電解質中をアノード極2からカソード極3に流れる方向をプラスとしている)。
従って、拡散制御孔6が部分的に又は完全に閉塞して拡散性が低下した際の検知極及び対極における夫々の電位の変化を利用することで、電気化学式センサ100の健全性を診断することができる。具体的な診断方法について、以下、その実施形態を説明する。
この実施形態では、以下の<1>〜<3>のステップを含む診断方法を実行する。
<1>アノード極2とカソード極3との間で変動するショート電流の状態(これを変動状態とする)を計測する計測ステップ。
<2>計測ステップで計測した変動状態を、予め求めておいた拡散制御孔6aが完全に開口している状態に対応する基準状態と比較する比較ステップ。
<3>前記変動状態が前記基準状態からオフセットしている場合に、拡散性が低下していると判定する判定ステップ。すなわち、予め記憶している基準状態(正常状態)におけるショート電流より、変動状態(異常状態)におけるショート電流が低下している場合に、拡散性が低下していると判定する。
上記<1>において、「ショート電流」は電気的特性の一つに該当するものである。この「ショート電流」は、アノード極2とカソード極3とをショート(短絡)したときの電流である。
また、上記<2>において、「基準状態」は、例えば、図示しないメモリ等に格納しておくことができる。
なお、上記<1>〜<3>のステップは、図3に示すように、例えば、基本測定回路200の出力端子204にコンピュータ205を接続し、電気化学式センサ100のアノード極2に一酸化炭素が接触した状態で現れる電流より少ない又は反対の方向にショート電流が変化する現象として捉えることができる。そして、この処理を、コンピュータ205のソフトウェア上での演算により実行することができる。この場合、コンピュータ205は、上記計測ステップを実行する計測手段、上記比較ステップを実行する比較手段、及び上記判定ステップを実行する判定手段として機能する。
このように、本発明の電気化学式センサ100の診断方法は、拡散性が低下した際の検知極及び対極における夫々の電位の変化を利用するものであるため、特に、電気化学式センサ100のショート時における電流値をモニタするだけで、拡散性が低下しているか否かを判定することができる。これにより、拡散性が低下しているか否かを簡単且つ確実に診断することが可能となる。
本発明は、拡散制御孔を有する拡散制御板を備え、拡散制御孔が部分的に又は完全に閉塞して拡散性が低下しているか否かを簡単且つ確実に診断することが可能な各種の電気化学式センサに適応可能である。
1 電解質層
2 アノード極(検知極)
3 カソード極(対極)
6 拡散制御板(拡散制御手段)
6a 拡散制御孔
11 センサ手段
100 電気化学式センサ
205 コンピュータ(計測手段、比較手段、判定手段)

Claims (3)

  1. 検知対象ガスが反応する検知極及び酸素が反応する対極を電解質層の両側に接続したセンサ手段と、外気に含まれる前記検知対象ガスが前記検知極に拡散律速で接触するように前記外気の流入量を制御する拡散制御孔を形成した拡散制御手段とを備えた電気化学式センサにおいて、拡散性が低下しているか否かを診断する電気化学式センサの診断方法であって、
    前記検知極と前記対極との間での電気的特性が変動する場合に、そのときの電気的特性を変動状態として計測する計測ステップと、
    前記計測ステップで計測した前記変動状態を、前記拡散制御孔が完全に開口している状態に対応する基準状態と比較する比較ステップと、
    前記変動状態が前記基準状態からオフセットしている場合に、拡散性が低下していると判定する判定ステップと
    を実行する電気化学式センサの診断方法。
  2. 前記電気的特性は、前記電気化学式センサのショート時における電流値であり、この電流値が前記基準状態における電流値より低下した場合に、拡散性が低下していると判定する請求項1に記載の電気化学式センサの診断方法。
  3. 検知対象ガスが反応する検知極及び酸素が反応する対極を電解質層の両側に接続したセンサ手段と、
    外気に含まれる前記検知対象ガスが前記検知極に拡散律速で接触するように前記外気の流入量を制御する拡散制御孔を形成した拡散制御手段とを備え、
    前記検知極と前記対極との間での電気的特性が変動する場合に、そのときの電気的特性を変動状態として計測する計測手段と、
    前記計測手段で計測した前記変動状態を、前記拡散制御孔が完全に開口している状態に対応する基準状態と比較する比較手段と、
    前記変動状態が前記基準状態からオフセットしている場合に、拡散性が低下していると判定する判定手段とを備えた電気化学式センサ。
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