JP5276115B2 - 通信衛星のマルチポート増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は、衛星通信システム内で使用されるマルチポート増幅器に関するものであり、特に、マルチポート増幅器内の絶縁を維持するための方法および装置に関するものである。
Alan Couchman、Daryl Jonesにおける、「振幅/位相補償を有するKa-バンド・マルチビーム・ペイロードのためのマルチポート増幅器」The 13th Ka and Broadband Communications Conferenceへの予稿、イタリアのトリノ、2007年9月24−26日、pp 527-534では、Ka-バンド・マルチビーム・ペイロードの柔軟性を高める手段としてマルチポート増幅器(MPAs)が開示されている。しかしながら、MPAにおいてKa-バンドでトラッキングを維持することは、非常に困難である。トラッキング・エラーの検出および補償を提供するために、MPA内の特定のポイントに配置されたフィードバックループを使用する解決策がある。正確なトラッキングに対応したゼロ・パワーを使用して、MPA出力ネットワークにおける「ヌル(null)ポイント」での測定値を介して、エラーが検出される。前記フィードバックループは、それらのポイントでのレベルがゼロで維持されるように、MPAの位相/利得を調整する。前記方式は、MPA入力の一つに注入されたヌル検出のためのパイロット信号で動作する。前記信号は、オンボードで発生され得るとともに、非侵入であることを確実にする通常の通信スペースの外側に配置され得る。
この解決策は、絶縁の維持について非常に効果的であるが、それにもかかわらず、かなりの量のオンボード・ハードウェアおよび処理に必要な装置を使用する。そのような必要な装置は通信衛星においてコストを上昇させており、MPAの中での絶縁維持をさらに改良することが望ましい。
MPAは、マイクロ波周波数帯で動作する、衛星通信に使用される周知の電力増幅装置である。MPAは、要素NによってPxNまで出力信号のパワーを潜在的に高めるために、並列な個数Nの同様の増幅器ユニット(TWTまたは半導体)を含む。各増幅器ユニットは、各入力信号が各増幅器によって等しく増幅されるように、それぞれがパワーPを持つ。一つの入力ポート上の入力信号が対応する出力ポートに送られるように、N入力ポートおよびN出力ポートが提供される。入力ポートは、例えば、マイクロストリップ、マイクロストリップライン、同軸ケーブル、または導波路のような、状況に適応する好適な伝送路技術で実施されるローパワー入力ネットワーク(INET)によって増幅器ユニットに接続されている。出力ポートは、通常使用される低損失伝送路技術で実施されるハイパワー出力ネットワーク(ONET)によって増幅器ユニットに接続されている。n番目の入力に提示された信号はn番目の出力に向けられるように、前記ONETは、数学的にINETの逆数である。各ネットワークは、信号分割導波路装置のアレイを有する。バトラーマトリックスまたはネットワークは、通常、信号分割に使用される、まさしくハイブリッド装置を含む。これは、それらが好適な利得および位相シフト特性を持つからである。ハイブリッドは、90度位相シフトを選択する、2つの入力および2つの出力を有する4ポート信号分割装置である。この位相差は、ネットワークの絶縁特性を改良することに利用することができる。しかしながら、他のハイブリッドと他の信号を分離する装置が、180度の位相差を持って使用可能である。
MPAの顕著な利点は、それぞれ増幅するために等しく各入力ポートに対するアクセスを提供することである。各ポートに利用可能でアクセス可能なパワーは、NxPであり、ここで、Pはそれぞれ個別の増幅器のパワーである。したがって、MPAは、N入力(またはダインリンク・ビーム)の間で、ダイナミックに共有することができるとともに非常に柔軟な態様で、広範囲の出力パワーを提供して、高度な柔軟性を実現する。しかしながら、MPAに付随する問題は、MPA出力ポート間の混線であるとともに、一般に、MPAを介して送られた信号間の絶縁性の欠如である。
Alan Couchman, Daryl Jones, "Multiport Amplifiers for Ka-band Multi-beam Payloads with Amplitude/Phase Compensation", Proceedings of the The 13th Ka and Broadband Communications Conference, Turin Italy, September 24-26, 2007, pp 527-534
本発明の目的は、通信衛星のためのマルチポート増幅器を提供することであって、マルチポート増幅器を介して送れた信号間の絶縁を維持するための方法および手段を提供することである。
本明細書の目的において、マルチポート増幅器は、複数のマイクロ波電力増幅ユニットと、複数の入力ポートおよび複数の出力ポートと、を有し、前記入力ポートは、入力信号分割ネットワークによって前記マイクロ波電力増幅ユニットに接続されており、前記出力ポートは、出力信号分割ネットワークによって前記マイクロ波電力増幅ユニットに接続されており、全ての入力ポート上の入力信号が、全てのマイクロ波電力増幅ユニットによって正常にまたは典型的な状態で等しく増幅されて、出力ポートにおいて出力信号に再結合される、ものとして定義される。そのようなマルチポート増幅器は、「本明細書で定義されたマルチポート増幅器」と呼ばれる。
第1の態様として、本発明は、
マルチポート増幅器内の信号の絶縁性を高めるために通信衛星の前記マルチポート増幅器の利得および位相特性を調整する方法であるとともに、
前記マルチポート増幅器は、複数のマイクロ波電力増幅ユニットと、複数の入力ポートと、複数の出力ポートとを有し、
前記入力ポートは、入力信号分割ネットワークによって前記マイクロ波電力増幅ユニットに接続されており、前記出力ポートは、出力信号分割ネットワークによって前記マイクロ波電力増幅ユニットに接続されており、全ての入力ポート上の入力信号が全てのマイクロ波電力増幅ユニットによって増幅されて、出力ポートにおいて出力信号に再結合される、方法であって、
少なくとも1つの前記マイクロ波電力増幅ユニットに利得調整手段および位相調整手段を提供するステップと、
少なくとも1つの前記入力ポートに入力信号を提供するとともに、少なくとも1つの前記出力ポートで結果出力信号を検出するステップと、
マルチポート増幅器エミュレーション手段に前記出力信号の検出バージョンを提供するステップであって、前記マルチポート増幅器エミュレーション手段は、前記検出バージョン内の混線成分を評価することを可能にするために、前記マルチポート増幅器の特性をエミュレートする、ステップと、さらに、
前記利得調整手段および/または前記位相調整手段に必要に応じて調整コマンドを出すステップと
を有することを特徴とする方法を提供する。
更なる態様として、本発明は、
通信衛星のためにマルチポート増幅装置であって、
複数のマイクロ波電力増幅ユニットと、
複数の入力ポートおよび複数の出力ポートと、
マルチポート増幅器エミュレーション手段に前記検出された出力信号の検出バージョンを提供するために、前記出力ポートで出力信号を検出する手段と、
を有し、
前記入力ポートは、入力信号分割ネットワークによって前記マイクロ波電力増幅ユニットに接続されており、
前記出力ポートは、出力信号分割ネットワークによって前記マイクロ波電力増幅ユニットに接続されており、
全ての入力ポート上の入力信号が全てのマイクロ波電力増幅ユニットによって増幅されて、出力ポートにおいて出力信号に再結合され、
前記マイクロ波電力増幅ユニットの少なくとも1つは、利得調整手段および位相調整手段を具備しており、
前記マルチポート増幅器エミュレーション手段は、前記検出バージョン内の混線成分を評価することを可能にするために、前記マルチポート増幅器の特性をエミュレートするとともに、前記利得調整手段および/または位相調整手段に調整コマンドを提供するように構成されている、ことを特徴とするマルチポート増幅装置を提供する。
本発明において、マルチポート増幅器の状態は、前記マルチポート増幅器の使用で発生する通信入力信号および出力信号を使用して、必要に応じて評価および調整されることができる。本発明は、上述の従来技術とは対照的に、パイロット・トーンの特定のシーケンスを提供することおよび検出することは不要である。それにもかかわらず、本発明は、望まれれば、パイロット・トーンと共に動作することもできる。
本発明は、マルチポート増幅器エミュレーション手段の特徴を含んでいる。前記マルチポート増幅器エミュレーション手段は、出力信号の評価をするように、マルチポート増幅器の特定の側面または少なくとも一つの側面を模倣する。マルチポート増幅器が多数の行列(例えば、上述の従来技術を参照)として表現できることは周知であるので、これはエミュレータを作成するためのベースを提供するとともに、これはアナログ方式、デジタル方式、またはこれら2つの方式を混合したもので実行することができる。
一つの構成において、エミュレータ手段は、通信衛星の中に配置されることができるとともに、マルチポート増幅器の逆行列を含む。前記マルチポート増幅器の逆行列は、前記検出バージョンを入力するとともに、前記入力信号に対応する出力を提供する。(アナログ方式では、そのような逆行列は、MPAのINETおよびONET行列に対応する、ハイブリッドの2つの行列を含むことができるが、増幅器を含まない。)しかしながら、これらの対応する信号は、マルチポート増幅器の中から生じる混線影響に依存する程度まで歪められる。そのような対応する信号は、実際の入力信号に加えて、望ましくはデジタル信号プロセッサなどの信号処理手段に印加されることができるとともに、混線影響の評価が実行される。本質的には信号プロセッサは、混線影響のスペクトル分析を実行することができるとともに、そのような混線影響を起こすMPAの状態を評価することができる。
これを実行するために、信号プロセッサは、測定された混線影響と共に、仮想入力および仮想出力が適用できる、MPAのモデルを組み込むことができる。したがって、MPAを模倣するという意味で、信号プロセッサは、エミュレータとみなされることができる。これは、マルチポート増幅器のための必要な位相および利得調整としての特定の判断の結果となり得る。本発明は、実際の通信信号の信号分析が要求されるので、様々な好ましくない影響が現れる処理のために、何らかの形式の周波数依存分析が実行される必要である、と認める。この機能は、中に入った成分と帰ってくる成分との比較を簡単にすることを可能にする。入力信号に現れない周波数成分は、他のチャンネルから来たものに違いない。信号成分の変化として、周波数成分は、時間がたつにつれて変化するが、本発明は、RFからダウンコンバートされた変調信号のベースバンドで分析が実行され、処理要求に関してベースバンドで処理し易い、FFTベースの手法が使用できる、と認める。
それにもかかわらず、デジタル信号プロセッサの出力が衛星のオンボード処理ペイロードに有効に加わることができ、本発明の更なる特徴に従って、地上局の少なくとも一部で、地上局で、および、地上局への遠隔測定リンクで、エミュレーション手段を提供する、ことが好ましい。好ましい構成において、出力信号から混線影響を抽出するために、前記逆行列手段は衛星の中に配置されるとともに、これらの混線影響は地上局に配置された信号処理手段へ遠隔測定リンクを介して伝送される。地上局はさらに、入力信号に関する情報を要求する。これらは、地上局でアップリンク伝送信号をモニタすることによって、好適に提供されることができ、マルチポート増幅器の入力のベースになる。
本発明の更なる特徴では、前記エミュレーション手段を使用することでモニタおよび調整ができる。様々なマルチポート増幅器の出力信号の検出バージョンを連続してエミュレータ手段に提供するために、セレクタスイッチ手段が提供される。同様に、調整コマンドをそれぞれのマルチポート増幅器へ選択的に送るために、セレクタスイッチが提供される。
本発明の好ましい実施形態は、添付の図面を参照して説明される。
通信衛星で使用される既知の構成に係る8ポートのマルチポート増幅器(MPA)のブロック図である。 図1のMPAで使用される混成の概略図である。 本発明の概念を示すブロック図である。 マルチポート増幅器のために地上局エミュレーション回路に対して遠隔測定リンク(telemetry link)を使用する、本発明の第1実施形態のブロック図である。 第2実施形態の地上局の概念図である。 マルチポート増幅器のためにオンボード・エミュレーション回路を使用する、本発明の第2実施形態のブロック図である。
図1に示された8ポートMPAのブロック図は、8つの入力ポートp1-p8と8つの出力ポートq1-q8を持っている。前記8ポートMPAは、3列t, x, yの4入力混合A-Mのセットと、1列Aの8増幅器A1-A8と、3列 t',x',y'の4出力混成器a-mとを有する。前記3列t, x, yの4入力混合A-Mは、入力ネットワークと呼ばれる。前記3列 t',x',y'の4出力混成器a-mは、出力ネットワークと呼ばれる。また、MPAは、各増幅器を別々に調整するための、利得と位相の組の調整装置
Figure 0005276115
を有する。
図2では、混成器(入力または出力混成)の回路定義が示されている。入出力信号p1 & p2 およびq1 & q2は、複素数(complex)と仮定する。混成器伝達関数は、下記の数2のように示される。
Figure 0005276115
ここで、C11, C12, C21, C22の全ては、下記の数3で示すことができる不変複素係数(invariable complex coefficients)である。
Figure 0005276115
理想的な完全な混成器のために、
Figure 0005276115
と転送行列とは、下記の数5のようになる。
Figure 0005276115
増幅器は、複素数利得Aが完全にリニアであり、下記の数6に示される関数によって表される、と仮定される。
Figure 0005276115
理想的なMPA中継器では、全ての増幅器が、マッチされているとともに、
Figure 0005276115
上記の数7について同一の値を持っている。しかしながら、実際には、時間がたつにつれて、上記数8の値は、変化するので、修正する必要があり、そうしなけらば、顕著な混信成分がMPA出力信号の中に存在することとなる。利得および位相の調整装置は、増幅器Aの直前の信号経路のそれぞれに配置される(図示せず)。
本発明に係る実施形態は、利得および位相の調整装置のような調整に関するものである。図を参照して説明される実施形態では、必要な利得および位相の調整を判断するために、入力されたパイロット・トーンの使用よりもむしろ、MPAの通常の使用において発生する通信信号が使用される。これらの信号は、MPA出力で検知されるとともに、搬送波ではなく、MPAを介して通る、ベースバンドを、すなわち変調された信号を検知MPA出力にもたらすようにダウンコンバートされる。
本実施形態は、利得および位相の調整を判断するときにおける、通信信号の使用に関するものであるが、本発明は、また、下記で詳細に説明するように、例えば入力されたパイロット・トーンのような、他の信号の使用に適用可能である。
デジタル・モバイル・オフラインが好ましい実施形態で使用されるとともに、所望の調整がされる。先ず、でき得る最良のMPAとして同一結果を出すために、モデルは、追加条件とともにMPAの完全な転送行列に基づいている。衛星が起動されるとき、軌道の調整フェーズがある。
使用において、デジタルモデルは、地上のコンピュータ上で動作することができるとともに、被試験MPAの動作を模倣するように調整されることができる。被試験MPAに適用されたものに対応する入力信号は、デジタルモデルに適用されることができるとともに、被試験MPAの必要な利得および位相特性の調整を判断するように構成されたモデルに適用されることができる。地上で前記モデルが作動することによって、システム機能について用意された衛星の通信チャンネルとなり得る、遠隔測定リンクを介して、衛星に送信するために一般に必要とされるものの全ては、各MPAのための設定である必要な利得および位相である。特に、MPAに入力する通信信号が地上局で利用可能である。それらが衛星にアップリンクされることになっているためである。衛星で必要な唯一の要素は、MPA出力が検知される検知手段である。しかしながら、本発明の好ましい実施形態では、地上モデルに送信されるデータを最小とするために、被試験MPAから出力信号を受信するとともに理想的なMPA特性に対応する逆伝達関数を構成する、衛星に、逆行列モデルがオンボードで配置されている。
衛星は、複数のMPAを使用することで動作することができる。ここで、それぞれのMPAは、入力ネットワークと、増幅器のグループと、出力ネットワークとを持つ。そのような事情においては、各MPAについて逆行列を持つことよりも、むしろ、同軸(co-ax)スイッチネットワーク(小信号レベルスイッチ)が、調整されることが必要な各MPAを巡回する、単一逆行列を「ポーリングする(polls)」。これは、ダウンコンバート回路および逆行列回路を最小にする。
前記出力を検出することによって、およびエミュレータ処理をオフラインで実行することによって、そのとき自動調整処理は衛星の通常動作を妨げない。前記調整システムが失敗する場合、通信容量の少しの壊滅的な損失も生じない。
図3をここで参照すると、入力A−DがMPA2に印加される、本発明の動作原理の概要を示している。入力のバージョンが増幅された出力D−Aは、4のところで検出されるとともに、MPA2のモデル6に印加される。前記検出は、検出された入力D−Aを入力する逆変換にまたは逆行列で実行され、他の入力信号からの混線影響としての汚染がある以外は、オリジナル入力信号A−Dに対応する信号を、出力として提供する。したがってこれらの対応する信号は、A +b +c + d, B + a + c + d, C + a + b + d, D + a + b + cとして表される。逆行列6は、ハイブリッド・ネットワークによって構成されているが、増幅しない。追加された混線成分を含む、入力信号に対応する信号を再生するために、行列6は、MPA2の所定動作を模倣するエミュレーションメカニズムの一部とみなすことができる。
図4および図5をここで参照すると、これらは本発明の第1実施形態のブロック図であり、図3のものと同一の構成要素には同一の符号が付けられている。入力信号A−Dは、適切なマイクロ波帯に置かれるように、RFキャリアに方向付けられて調節される、通信衛星の定期的な使用において発生する通信信号である。検出された出力信号D−Aをモニタするために、ベースバンドまでダウンされた信号を出力するために、さらに、処理回路の必要条件を低減するために、前記信号は8でダウンコンバートされる。前記処理回路は、点線内において、一般にエミュレータ10として示される。通信衛星の中の数個のMPAをモニタおよび調整する必要がある場合、調整される各MPAにおける逐次処理において、セレクタスイッチ12は選択されたMPA2をエミュレータ10に結合する。
エミュレータ10は、逆MPA行列6と、信号入力A+f1(B+C+D), 信号入力B+f2(A+C+D), 信号入力C+f3(B+A+D), 信号入力D+f4(B+C+A)とを有する。信号A−Dに対応する逆MPA行列6からの出力は、地上局16への伝送のために遠隔測定リンク14に入力する。遠隔測定リンク14は、システム機能のために保有された通信チャンネルを含む。転送の前に、入力信号A−Dは、ライン18上のリンク14に印加されるとともに、これらの信号は、19でベースバンドにダウンコンバートされる。誤り測定機能(図示せず)は、必要な信号と不必要な信号とについての%値を計算する。これらは地上局に転送される。
図5でより詳細に示されている地上局16は、ライン22上にアップリンク信号を転送するため、および遠隔測定リンク14をサポートするためのアップリンク・アンテナ20を含んでいる。ライン22上のアップリンク信号およびリンク14上の混線成分信号は、デジタル信号プロセッサ24に印加される。プロセッサ24は、スペクトル分析FFTプロセッサ26を含む。スペクトル分析FFTプロセッサ26は、それらの周波数成分に関して混線の影響を分析する。また、プロセッサ24は、MPA2のモデル28を含む。前記プロセッサは、MPAの特性が事実上の混線要素f1-f4をもたらすか判断するために、モデル28の特性を変更することによって動作する。これらの特性は、MPA2の動作範囲上のMPA2内の増幅器の利得および位相を含む。
MPA2の現在の特性を一度判断しているので、MPA2の絶縁(isolation)特性を改良するように調整が決定されることができるとともに、混信成分f1-f4を低減することができる。図4に示されているように、MPA2の中の利得および位相を調整するための必要なコマンド信号は、遠隔測定リンク14を介して衛星の中のコマンドライン30に印加される。セレクタスイッチ32は、コマンド信号を現在テスト中のMPAに印加する。このMPAは本実施形態のMPA2である。本実施形態において、MPA2の中の各増幅器についての利得および位相の調整が提供されるが、代替実施形態では、MPA2の中の増幅器における利得および/または位相特性の一つのみまたはサブセットが調整できる。
図6に示される第2実施形態をここで参照すると、図4および図5のものと同一の構成要素には同一の符号が付けられている。この第2実施形態において、全ての処理がオンボードの衛星で実行されるとともに、デジタル信号プロセッサ24は、逆行列6の出力を受信ために結合される。さらに、DSPプロセッサ24は、ライン18およびセレクタスイッチ34を介して入力信号A-Dを受信する。セレクタスイッチ34は、スイッチ12,32と同期して動作する。入力信号AからDは、デジタル信号プロセッサ24に印加される前に、36でダウンコンバートされる。DSPプロセッサ24は、第1実施形態で記載されたものと同一の方法で動作するとともに、分析結果信号をMPA制御および調整機能38に提供する。MPA制御および調整機能38は、MPA2の中の位相および利得を調整するために、分析結果を利得および位相調整信号に変換する。
本発明の上記実施形態では、テストされているMPAにおける利得および位相の調整の決定における通信信号の使用に関するものであるが、本発明は、また、注入されたパイロット・トーンなど、他の信号の使用に適用することができる。この場合、信号発生器が衛星において提供されることができるとともに、入力信号AからDとしてパイロット・トーンを提供するように構成することができる。これらは、テスト中のMPAによって処理される通信量について妨げとならない周波数に、設定されることができる。パイロット・トーンの利得および位相の特性は知られているので、そのような実施形態では、DSP24に提供するための入力信号AからDのサンプリングを必要としない。
6 逆MPA行列
8 ダウンコンバート
12 セレクタスイッチ
14 遠隔測定リンク
16 地上局
19 ダウンコンバート
24 デジタル処理(周波数解析)
32 セレクタスイッチ
34 セレクタスイッチ
38 MPA制御および調整

Claims (15)

  1. マルチポート増幅器内の信号の絶縁性を高めるために通信衛星の前記マルチポート増幅器の利得および位相特性を調整する方法であるとともに、
    前記マルチポート増幅器は、複数のマイクロ波電力増幅ユニットと、複数の入力ポートと、複数の出力ポートとを有し、
    前記入力ポートは、入力信号分割ネットワークによって前記マイクロ波電力増幅ユニットに接続されており、前記出力ポートは、出力信号分割ネットワークによって前記マイクロ波電力増幅ユニットに接続されており、全ての入力ポート上の入力信号が全てのマイクロ波電力増幅ユニットによって増幅されて、出力ポートにおいて出力信号に再結合される、方法であって、
    少なくとも1つの前記マイクロ波電力増幅ユニットに利得調整手段および位相調整手段を提供するステップと、
    少なくとも1つの前記入力ポートに入力信号を提供するとともに、少なくとも1つの前記出力ポートで結果出力信号を検知するステップと、
    マルチポート増幅器エミュレーション手段(10)に前記検知された出力信号のバージョンを提供するステップであって、前記マルチポート増幅器エミュレーション手段は、検知された出力信号の前記バージョン内の混線成分を評価することを可能にするために、前記マルチポート増幅器のモデル(28)を有していて、その特性は、マルチポート増幅器の何の特性が入力信号から、検知された出力信号のバージョンを生成するのかを判断するために、変更されることができる、ステップと、さらに、
    前記利得調整手段および/または前記位相調整手段に必要に応じて調整コマンドを出すステップと
    を有することを特徴とする方法。
  2. 前記マルチポート増幅器エミュレーション手段は、前記マルチポート増幅器の逆行列を有していて、前記逆行列は、前記出力信号の記バージョンを入力するとともに、前記入力信号に対応する信号を出力する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記混信成分を評価するために、前記マルチポート増幅器エミュレーション手段の中で前記対応する信号をデジタル処理するステップを含み、前記デジタル処理するステップは前記混信成分の周波数解析をするステップを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記モデルは、前記マルチポート増幅器のデジタル表現を提供し、前記デジタル表現で前記混線成分が評価される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記デジタル処理は、オンボードの通信衛星で実行される、請求項3または4に記載の方法。
  6. 遠隔測定リンクを提供するステップを含むとともに、前記デジタル処理は地上局で実行される、請求項3または4に記載の方法。
  7. 前記入力信号は、搬送波に変調された通信信号を有し、前記方法は、前記検知された出力信号の記バージョンを提供するために、検知された出力信号をダウンコンバートするステップを有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 複数のマルチポート増幅器を提供するステップと、前記利得調整手段および位相調整手段のために連続して前記マルチポート増幅器のそれぞれを選択するステップと、を含む請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 通信衛星のためのマルチポート増幅装置であって、
    複数のマイクロ波電力増幅ユニットを有するマルチポート増幅器と、
    複数の入力ポートおよび複数の出力ポートと、
    マルチポート増幅器エミュレーション手段に、検知された出力信号のバージョンを提供するために、前記出力ポートで出力信号を検知する手段と、
    を有し、
    前記入力ポートは、入力信号分割ネットワークによって前記マイクロ波電力増幅ユニットに接続されており、
    前記出力ポートは、出力信号分割ネットワークによって前記マイクロ波電力増幅ユニットに接続されており、
    全ての入力ポート上の入力信号が全てのマイクロ波電力増幅ユニットによって増幅されて、出力ポートにおいて出力信号に再結合され、
    前記マイクロ波電力増幅ユニットの少なくとも1つは、利得調整手段および位相調整手段を具備しており、
    前記マルチポート増幅器エミュレーション手段は、検知された出力信号の前記バージョン内の混線成分を評価することを可能にするために、前記マルチポート増幅器のモデルを有していて、その特性は、マルチポート増幅器の何の特性が入力信号から、検知された出力信号のバージョンを生成するのかを判断するために、変更されることができ、前記利得調整手段および/または位相調整手段に調整コマンドを提供するように構成されている、ことを特徴とするマルチポート増幅装置。
  10. 前記マルチポート増幅器エミュレーション手段は、さらに、前記マルチポート増幅器の逆行列を含み、前記逆行列は、前記検知された出力信号の記バージョンを入力するとともに、前記入力信号に対応する信号を出力する、請求項9に記載のマルチポート増幅装置。
  11. 前記マルチポート増幅器エミュレーション手段は、前記混信成分の評価を実行するデジタル信号処理手段を含み、前記デジタル信号処理手段は、前記マルチポート増幅器のモデルを含む、請求項9または10に記載のマルチポート増幅装置。
  12. 前記デジタル信号処理手段は、さらに、前記混信成分の周波数解析を実行するための高速フーリエ変換手段を含み、前記モデルは、前記マルチポート増幅器のデジタル表現に対応し、前記デジタル表現で前記混線成分が評価される、請求項11に記載のマルチポート増幅装置。
  13. 前記デジタル処理手段は、オンボードの通信衛星に配置されている、請求項11または12に記載のマルチポート増幅装置。
  14. 前記通信衛星から地上局への遠隔測定リンクを含み、前記デジタル処理手段は、地上局に配置されている、請求項11または12に記載のマルチポート増幅装置。
  15. 利得および/または位相の調整をするために、複数のマルチポート増幅器と、前記マルチポート増幅器エミュレーション手段に結合するために前記マルチポート増幅器のそれぞれを連続して選択する選択手段と、を含む、請求項9から14のいずれか一項に記載のマルチポート増幅装置。
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