JP5276051B2 - ネクタイ - Google Patents

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    • A41D25/02Neckties with ready-made knot or bow, with or without bands

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Description

本発明は、ネクタイに関し、従来からある繊維や織物以外の素材を用いることにより
着脱可能を容易とし、活動的且つオシャレなネクタイに関するものである。
従来から布製のネクタイは存在し、それらは首に巻き付け結び目を作る方式のものだった。その結び目を上手に作れず、装着に時間を要するなどの解決のために、近年になり(例えば特許文献1&2参照)予め結び目を作っておくタイプのものがある。しかしながら、それらは全長が長く風になびきだらしないイメージを与えたり、ネクタイの端部が機械などに巻き込まれる危険性を回避することを解決するものではない。また、それらの解決の一手段としてネクタイピン類や、その他ネクタイがなびくのを防止する方式や装置は存在しているが、実際的にそれらを使用している人は少ない。
特開平11-158716 実用新案登録番号 第3062849号
一般的従来のネクタイは全長が長くネクタイピンなどを用いなければ風などによりなびき煩わしく、だらしないイメージを与える。腰ベルト近くまであるデザインのために機械操作する際に巻き込まれる危険性があり、調理や給仕の際に食品に触れて汚し不衛生となるなどの問題点がある。また、結び目を作るのに上手下手の個人差が生じ、ネクタイ装着完了までにワイシャツ襟内にネクタイを通し結び目を作り形を整えるなど幾つもの工程を経なければならず相応の時間を要する。地球温暖化防止によるクールビズ対策で開襟シャツの着用や襟元ボタンを外してのワイシャツ着用が叫ばれているが、それら開襟状態の服装に合致するネクタイの存在がないためにクールビズ運動が徹底されない現実がある。また男性のオシャレが一般化しつつある現代において宝飾品、装飾品を取り付けるために設計されているネクタイはない。本発明はこれらを解決、軽減するためのものである。
本発明は、上記の課題を解決するため、縦方向上部で左右45°から140°に開いている左右タイ翼部と、該左右タイ翼部から下部垂直方向に伸びる剣先部とからなり、該左右タイ翼部と該剣先部とにより3方向に伸びるY字型の形状を成すとともに、該左右タイ翼部がネクタイ縦方向中心部から左右後方へ折りをもって成形されてなるネクタイにおいて、前記剣先部は、ネクタイ縦方向中心部から左右後方への折りをもって成形され、前記左右タイ翼部は、該翼エンド部が襟足に面接触可能なように外側縦方向に捻り、または、該翼エンド部が胸部に面接触可能なように反り、をもって成形されていることを特徴とするネクタイを提供するものである。
素材にこれまでの繊維や織物の他に皮革、又は合成皮革、又は不織布、又はフェルト、
又は樹脂を用い厚みを確保できたことにより風や歩行するなどの運動によりネクタイがだらしなくなびくことが無くなった。
更に素材特性から厚みをもたせ重厚感を確保できたことによりネクタイ全長を従来の
半分以下に抑えることが可能となり、ネクタイ下部の端部が駆動機械に巻き込まれるなどの危険性を回避でき、調理や給仕の際に食品に触れてネクタイを汚してしまう懸念を取り払いネクタイ装着時のより活動的な動きが可能となった。
また、ネクタイから結び目を取り払い、装着方法に面ファスナーとの組み合わせ方法を採用したことにより、ネクタイ装着までの工程と時間を大幅に短縮できた。
更に、地球温暖化防止による開襟シャツ(オープンカラー)や通常ワイシャツの襟元ボタンを外しての着用運動が叫ばれているが、本発明のネクタイはそれら服装に順応するものであり、ビジネス場面やフォーマルな場面において開襟シャツの着用或いは通常ワイシャツの第一ボタンを外した状態でのネクタイ装着を可能とした。
また、厚みをもたすことの出来る素材特性から宝飾等を装着するためのピンホールを設けることが可能となり、男性のオシャレ志向に対応できるネクタイを可能とした。
(a)は本発明品ネクタイの各部名称、(b)は襟傾斜角、(c)はワイシャツ着用時における襟元角度と襟トップライン、(d)はワイシャツ業界で使用されている業界名称をそれぞれ示した図である。 (a)は閉襟時に存在する襟元角度107、(b)は開襟時に存在する襟元角度107、(c)(d)は本発明品ネクタイに設けられるタイトップ角度100をそれぞれ示した図であり、(e)(f)(g)はタイトップ角度頂点部分の形状が異なっている場合にも角度が同一と見なすことを説明した図である。 (a)は薄い張り合わせ素材の全部を張り合わせる、(b)は厚めの張り合わせ素材の全部を張り合わせる、(c)は平面体を成す張り合わせ素材の一部を縫製或いは張り合わせることをそれぞれ示した図であり、(d)は(c)の内容を立体図で示したものである。 (a)はワイシャツ着用の際に存在する着衣襟角度について、(b)は着衣襟角度を是正するために奥行高を設ける方法について、(c)は実際的な反り加工を立体的にしたものを、(d)は反りにより発生した奥行高とその角度を、(e)は反りを設けなかった場合の閉襟時における本発明ネクタイの装着例、(f)は反りを設けた場合の閉襟時における本発明ネクタイの装着例、(g)は反りを設けなかった場合の開襟時における本発明ネクタイの装着例、(h)は反りを設けた場合の開襟時における本発明ネクタイの装着例、(i)は反り以外の方法で奥行高を設ける例をそれぞれ示した図である。 (a)は胸部曲線を、(b)は本発明ネクタイに設けられている胸部曲線是正のための反り加工をそれぞれ示した図である。 (a)は襟足110が人体に対して縦方向に存在していることを、(b)は襟足110に翼エンド部102を面接触させるための反り方向を、(c)は襟足110とタイ翼部103との相関関係について、(d)は実施例をそれぞれ示した図である。 (a)は開襟時ネクタイの装着部位を、(b)は人体平面図における開襟時ネクタイの装着状態を、(c)は翼エンド部102に施す反りの形状をそれぞれ示した図である。 (a)はワイシャツの中心と襟元角度107との中心にズレが存在することを、(b)は襟元角度107の中心に本発明ネクタイの中心を合致させた場合の視覚的なアンバランスを、(c)はワイシャツの中心に本発明ネクタイの中心を合致させた場合の視覚的なアンバランスを、(d)は視覚的なアンバランスを是正するためにタイトップ部104とタイ剣先部105の中心をズラしたことを、(e)はその実際例をそれぞれ示した図である。 (a)は面ファスナーを装着する部位を示す人体正面を、(b)は面ファスナーを装着する部位を示す人体側面を、(c)は面ファスナーに開けられたボタンホールを、(d)はワイシャツに取り付けられる面ファスナーと対になる面ファスナーの本発明品における取り付け場所をそれぞれ示した図である。 (a)は本発明ネクタイ装着前の姿を、(b)は装着工程に入る直前を、(c)は2動作で装着完了できることを、(d)と(e)は装着完了した正面図と側面図をそれぞれ示した図である。 (a)は本発明ネクタイの全体構成を、(b)は装着ネクタイ装着の様子を、(c)は装着完了した正面図をそれぞれ示した図である。 (a)は装着させる方式について、(b)は装着させた側面図を、(c)は受け金具のあるネクタイ裏面を、(d)はネクタイ裏面に設けられた受け金具用の穴を、(e)は装飾用のリボンを装着させた正面をそれぞれ示した図である。 (a)はネクタイ表面にカービング(彫刻)を、(b)は縁部を縫製風に仕上げたことを、(c)は縁部をレース編み風に仕上げたことをそれぞれ示した図である。 マネキンへ着用させた状態での襟元角度 (a)は正常な装着状態を、(b)(c)は不良な装着状態をそれぞれ示した図である。 (a)はネクタイを襟元にけん引装着させるために用いる装置の全体を、(b)は装置の一部が引き延ばされていることを、(c)は引きバネを、(d)はゴムを、(e)(f)はネクタイに取り付けられた装置をそれぞれ示した図である。 (a)はワイシャツにけん引装着させた装置を、(b)はけん引装着させる装置とネクタイが連結された状態をそれぞれ示した図である。 (a)はネクタイ剣先部とワイシャツ前立部の中心とのズレを防ぐための装置の全体を、(b)は装置が取り付けられたネクタイ裏面を、(c)は装置が取り付けられた表面をそれぞれ示した図である。
本発明ネクタイは、従来の繊維や織物だけで製作されているネクタイとは異なり繊維や織物の他に皮革、又は合成皮革、又は不織布、又はフェルト、又は樹脂、又はビニールなどを単体或いは複合的に用いて製作されるネクタイであり、外力による衝撃により人体に損傷を与えず、且つ基本形状を維持できる軟性と硬性を併せ持ち、更に、使用することにより人体個々人の体形に任意同形するいわゆる馴染む弾性を持つこれら素材特性を最大限に応用するものである。よって、本発明の形状説明においてネクタイ形成上の反りや捻りに関する部分は、素材特性である弾性があることを大前提としているので具体的数値表現をしないこととする。
本発明品ネクタイが装着できる襟デザインを擁するシャツ総てを、例えば開襟シャツ
(オープンカラーシャツ)も含めて本説明文においてワイシャツという言葉を用いることとする。
図2(a)は、ワイシャツの襟元にあるボタン(以下襟元にあるボタンを第1ボタンと
呼ぶ)を掛けた状態(以下、第1ボタンを掛けた状態を閉襟時と呼ぶ)での襟元角度107を表し、図2(b)は第一ボタンを外した状態(以下、第一ボタンを掛けていない状態と開襟シャツ着用を開襟時と呼ぶ)での襟元角度107を表し、図2(c)は閉襟時に用いる本発明ネクタイの一例デザインとそのタイトップ角度100を表していて、図2(d)は開襟時に用いる本発明ネクタイの一例デザインとそのタイトップ角度100を表している。
ワイシャツを着用した場合、襟は首の周囲に沿うため、図7(b)のように人体を上方
より平面図で見た場合に襟周囲は首と同形を成すが、襟は図1(b)にある襟傾斜角106を有しているため、ワイシャツ着用を正面から見た場合に、襟には図1(c)にある襟元角度107が生じる。よって本出願文におけるタイトップ角度100と襟元角度107は、正面から見た角度を指している。襟元角度107について追記するならば、左右の襟トップライン108を延長交差させた時の交点角度を指す。
また、襟の縫製デザインと選択サイズと個々人の体形と着こなしに違いはあるものの、襟傾斜角106は概ね30°前後であり、それに伴い閉襟時使用ワイシャツの場合の襟元角度107は、図14にある各種閉襟仕様ワイシャツをマネキンに着用させた場合の襟元角度から概ね80°〜100°であると想定できる。一方、開襟時使用ワイシャツの襟元角度107については、襟の縫製デザインの他に、着用者が襟山109をどのように着こなすか任意の要素が強く係るために角度を特定することは困難であるが、図14にある各種開襟仕様ワイシャツをマネキンに着用させた場合の襟元角度から概ね45°〜100°の範囲であると想定できる。
ネクタイの装着感を高めるためとデザイン上の美感を得るには、ネクタイのタイトップ角度100とワイシャツの襟元角度107が一致していることが望ましいが、図3、図4、図5、図6の説明で登場する反り加工や捻り加工とネクタイ素材の弾性とワイシャツの柔軟な繊維特性とが馴染むべく相互に補完しあうことにより、タイトップ角度100と襟元角度107とが必ずしも一致している必要はない。
であるが、ワイシャツと本発明ネクタイが相互に補完しあうのには限界があり、図3、図4、図5、図6の説明で登場する反り加工や捻り加工が施されていても快適な装着感とデザイン上の美感を得る観点から、本発明ネクタイのタイトップ角度は閉襟時仕様と開襟時仕様併せて45°から140°の範囲になければならない。
図2(e)(f)(g)は、共に同一のタイトップ角度であるが、頂点部分の形状が異
なっている。このような場合でもワイシャツ素材が繊維や織物であるため、ワイシャツ
の襟元部分は本発明品ネクタイに馴染み装着感とデザイン上の美感を損ねることはな
い。
図3は、本発明ネクタイの成形方法を示すものであり、図3(a)はネクタイ表面材10に、10よりも薄い張り合わせ素材11を張り合わせて任意の成形を行う模式図であり、図3(b)はネクタイ表面材10に、10よりも厚手の張り合わせ素材12を張り合わせて任意の成形を行う模式図であり、この場合、例図のようにネクタイの裏面を平面に仕上げることが可能となる。また、図3(c)は、ネクタイ表面材10の縁14を平面体を成す張り合わせ素材13に平面接着するように反りを与えた状態で縫製或いは接着させる方法であり、図3(d)は、図3(c)の内容を立体的に示した図である。
本発明品の成形方法は、図3の(a)(b)(c)のような張り合わせを用いる方法の他
に、素材に薬品を滲み込ませて硬化させる方法、温度を加え可塑性を利用する成形方法、型骨材を内包させて成形する方法を用いる。
図4は、本発明ネクタイの装着感を増すためにネクタイに反りを設けることを示す一
連であり、図4(a)はシャツの胸元部で20は図1(c)にある襟トップライン108と人体との関係で生じる着衣襟角度20の存在を表していて、図4(b)(c)は、着衣襟角度20を是正するためにネクタイの中心線を境にネクタイの左右タイ翼部を後方へ人為的に反らし成形することを示しており、それにより獲得できたネクタイの奥行高21が示されている。また、図4(d)は、左右タイ翼部を後方へ反らした場合に生じる奥行高21と、奥行高により生じる着衣襟角度を是正するタイ襟角度22a、タイ襟角度22bを表している。タイ襟角度22aは閉襟時、タイ襟角度22bは開襟時に使用する一例ネクタイの図によるものである。
図4(e)、図4(f)は、閉襟時におけるネクタイ装着例図であるが、タイ襟角度2
2aが存在しない場合における装着時の状態23aであり、タイ剣先部が身体から離れ前方に突き出しデザイン上の美感を損ねていることを表していて、図4(f)はネクタイにタイ襟角度22aを設けた場合にタイ剣先部が身体にフィットしていてデザイン上の美感を得ている状態23bを表している。
同様に、図4(g)図4(h)は、開襟時におけるネクタイ装着例図であるが、タイ襟
角度22bが存在しない場合における装着時の状態24aであり、タイ剣先部が身体から離れ前方に突き出しデザイン上の美感を損ねていることを表していて、図4(h)はネクタイにタイ襟角度22bを設けた場合にタイ剣先部が身体にフィットしていてデザイン上の美感を得ている状態24bを表している。
これらタイ両翼部を反らせて奥行高21、タイ襟角度22a、タイ襟角度22bを得る
方法の他に、図4(i)のように、ネクタイの裏部に奥行高21を確保するための部材25を接着させる方法がある。この場合でも、タイ翼部103は素材にあるもともとの弾性により、襟山109と襟足110の間で馴染む。
図5(a)は、ワイシャツ姿の人体側面胸部図であり、人体に存在する胸部曲線30を示していて、図5(b)の点線31aは閉襟時の一例ネクタイの図で,31bは開襟時の一例ネクタイの図で本発明ネクタイに成形される反りを表している。本発明ネクタイは、タイトップ部からタイ剣先部にかけてなだらかな曲線で後方へ反らし成形し人体へのフィット感とデザイン上の美感を得ている。
図6は、襟足110とタイ翼部103との相関関係を説明する一連図であり、図6(a)
はワイシャツの襟山109を総て上方へはね上げた場合の図であり襟足110が人体に
対して縦方向に存在していることを示している。満足がいく装着感を得るには、人体に
対して縦方向に存在している襟足110と翼エンド部102とが面接触する必要があ
り、本発明ネクタイは、図6(b)の矢印で示されているように、翼エンド部102に対
して外側縦方向への力を加え捻り成形させている。
図6(c)は、襟足110に対してタイ翼部103が面接触すべく接近する相関関係を
表したものであり、図6(d)は本発明ネクタイが襟足110に面接触している図である。
図7(a)は、開襟時用の本発明ネクタイの装着部位50を示したものであり、図7(b)
は、上方から人体を見下ろした平面図であり52は人体胸部、53は首の断面、51は本発明ネクタイの開襟時用ネクタイの胸部装着状態であり胸部52に対して翼エンド部102が面接触していることを表している。図7(c)は、胸部52に対して翼エンド部102を面接触させるために本発明の開襟時用ネクタイの翼エンド部102に施した反り54を表している。
図3、図5、図6、図7において、本発明ネクタイの人体への装着性とデザイン上の
美感を得るための立体的な仕上げ加工方法について述べてきたが、大量生産と廉価販売を第一義とした場合、図3、図5、図6、図7にある反りや捻り加工の一部を割愛することもあり得る。
図8は、デザイン上の美感を確保するために開襟時の場合におけるワイシャツの中心
と襟元の中心とに生ずる視覚上のズレを補正するデザインの工夫を表した一連である。図8(a)で示されているように、ワイシャツの前立部111にあるボタンから垂直下
方向へ延びる仮想線60と開襟時の襟元角度02から垂直下方向へ延びる仮想線61と
は一致しない。
つまり図8(b)のように、ネクタイのタイトップライン101を襟元角度02に沿わ
せた場合、タイ剣先部105の中心は前立部111の中心と一致せず、デザイン上の美
感を損なう。更に図8(c)のようにタイ剣先部105を前立部111の中心に来るよう
装着した場合、襟元角度02とタイトップライン101が沿わず、デザイン上の美感を
損なう。これらを是正するためには、図8(d)にあるようにタイトップ部104の中心
とタイ剣先部105の中心とにズレを持ったデザインが必要であり、62はそれを考慮
したデザインの一例である。図8(e)は、是正したデザインの一例を装着した場合の例
図である。
図9は、本発明ネクタイの装着方法のひとつである面ファスナーを用いてワイシャツ
と本発明ネクタイを合体させる一方式を表しているものであり、図9(c)は面ファスナーにボタンホールをあけた図であり、図9(a)(b)は面ファスナーをワイシャツに取り付けた正面図と側面図である。
図9(d)は、本発明ネクタイの裏部に、シャツに取り付けられた面ファスナーの対となる面ファスナーが取り付けられている図である。
本発明ネクタイの人体への装着維持方法は、閉襟時と開襟時とで別れる。閉襟時用ネ
クタイの場合には、面ファスナーを用いる場合と、翼エンド部に設ける係留金具112を利用してチェーンや紐、ゴム等でネクタイを首から吊り下げる場合とがあり、開襟時用ネクタイの場合には面ファスナーと首から吊り下げる方式の両方を併用しなければならない。また、不意の落下事故防止のためには、閉襟時用ネクタイの場合も開襟時ネクタイの場合同様に面ファスナーと吊り下げ方式を併用することが望ましい。
図9では、面ファスナーによるネクタイ装着方法を表しているが、本発明ネクタイの
人体装着方法は面ファスナー応用の他にマグネットや各種ピン類などが可能であり、ワイシャツへの装着に関して本発明ネクタイは面ファスナー応用を限定しない。
図10は、閉襟時用ネクタイの装着手順を表したものであり、本発明ネクタイの装着
は、図10(a)のごとく襟山109を整え襟元第1ボタンを完了した時点から開始する。図10(b)のようにネクタイを襟元に近づけ、図10(c)にあるように動作1で襟元にタイトップラインを押し宛て、動作2でタイ剣先部を人体胸部に押し宛てて完了する。つまり装着までの工程は2動作で完了するのであり、本発明ネクタイは、これまである一般的ネクタイよりも簡単、簡潔、スピーディーな装着を可能にしたものである。
図10(d)(e)は閉襟時用ネクタイ装着の正面図と側面図である。
図11は開襟時用ネクタイの装着手順を表したものであり、図11(a)は、開襟時用
ネクタイデザインの一例であり、翼エンド部102に装備されている係留金具112にネクタイを首から吊り下げるためのチェーン90にチェーン連結金具91が備えられている図である。開襟時用ネクタイは、図11(b)のごとく吊り下げ用チェーン90を首に巻き、チェーン連結金具91を首の後方で繋ぎ合わせ、タイ剣先部105を胸元にある面ファスナーに押し当てるだけで図11(c)のようにシャツ胸部にある面ファスナーとネクタイ裏部にある面ファスナーが接合されネクタイは胸部に固着される。
本発明ネクタイを首から吊り下げる用品として、チェーンの他に革紐や綿ロープやゴ
ム紐などネクタイを吊り下げられるものであれば素材や形状は問わず、且つ図11(a)にあるように、チェーン連結金具91が首の後方にあることを限定しない。本発明ネクタイを首に装着できる方式であるならば、係留金具112部分での連結方式でも良い。
図12は、本発明ネクタイに宝飾品、装飾品を装着する方式についての一連図であり、
本発明ネクタイには、宝飾品、装飾品を装着するためのピンホールが備えられている。図12(a)は宝飾品、装飾品をネクタイ素材に装着させる模式図である。宝飾品、装飾品70をタイタックピン71と合体させ、ネクタイ素材72にあるピンホール73を貫通させ受け金具74に挿入固定させる。
図12(b)はネクタイ表面に宝飾品、装飾品が固定されている図であり、図12(c)はタイタックの受け金具74がネクタイの裏面に位置していることを表している。ピンホール73の劣化を防止するために本発明ネクタイ素材72にピンホール保護用の座金を取り付けることが望ましい。
図12(d)は図12(c)同様に本発明ネクタイの裏面であるが、本発明ネクタイに
厚みを持たせた場合におけるタイタックピン受け金具を挿入する穴75を描いたものである。
図12(e)は、装飾品の別途一例としてリボン状のアクセサリー76を取り付けた図
である。
本発明ネクタイに厚みを持たせることにより本発明ネクタイは多くの付加価値を創出できる。例えば、鍵を格納するキーホルダーとしての役割、氏名・住所・病名などのメッセージメモの格納庫としての役割、芳香剤の格納庫としての役割、 ICチップを埋め込み各種非接触記録や認証を行うICタグ格納庫としての役割が可能である。
本発明ネクタイは従来のネクタイにはない多様性を演出できる。例えば図13(a)は
素材を皮革にした場合における表面にカービング(彫刻)を施した例80であり、図13(b)は本発明ネクタイ周囲を縫製風に仕上げた例81であり、図13(c)は本発明ネクタイ周囲を革レースで巻き上げた例82である。
更に、本発明ネクタイ表面には西陣織など絵柄のついた繊維や織物、合成皮革、ビニール、絵画、和紙、壁紙を張り合わせることが可能であり、その場合、それら表面張り合わせ材の下地素材として、クッション性や重厚性を与えるために厚めの繊維、フェルト、合成フェルト材、ウレタン材、ゴム、スポンジ材、樹脂材などを使用すると尚良い。
表面張り合わせ材として繊維や織物や和紙などを用いた場合に、本発明ネクタイのコバ113部とブレザーなどが擦れて表面張り合わせ材が劣化するのを防止するために、コバ113の部分に樹脂や硬化剤を塗布或いは含浸させると尚良い。
更に、本発明ネクタイはネクタイとしての使用の他に、ボトルキープ用の識別プレートとしての使用も可能である。
図15(a)は、閉襟時用ネクタイの正常な装着を示した図であるが、図15(b)はタイ剣先部105が前立部111の中心からずれてしまったことを表した図であり、図15(c)は襟元とタイトップ部104とに隙間が生じ、タイトップ部104が襟元の中心からずれてしまったことを表した図であり、これらは不良な装着状態である。
閉襟時用ネクタイ装着者のあらゆる運動にも対応できる装着性を確保するには、ネクタイが襟元に対して常に引き寄せられているけん引装着状態であることが望ましい。何らかの外的要因により、図15(b)や図15(c)のごとく不良な装着状態となった場合でもけん引装着状態にある場合には、襟元角度107とタイトップ角度100、襟台110とタイ翼部103との融合特性により、ネクタイは正常な装着状態に復帰する。
図16(a)は、閉襟時用ネクタイを襟元へけん引装着させるための装置例であり、ゼンマイバネ式のリール114に、第1ボタンと連結するための凸カン金具115と、ネクタイ用フック116と連結するためのリールフック117を備えている。この場合、第1ボタンと凸カン金具115との連結、更にネクタイ用フック116とリールフック117との連結は、連結が可能であれば、凸カン金具115とネクタイ用フック116とリールフック117に関して、特定の形状及び特定の連結方式に限定する必要はない。
また、ゼンマイバネ式リール114の他に、図16(c)の引きバネや、図16(d)のゴムによる引張力を利用してけん引装着を可能とする簡便な方法がある。
また、閉襟時用ネクタイを襟元へけん引装着させるには、ネクタイを襟元へ引き寄せる装置や部品の引張力、例えば図16(a)の114、図16(c)(d)が必要不可欠であり、ネクタイ用フック116とは、ネクタイに設けられるそれら装置や部品とネクタイとを連結するための部材を指す。
図16(b)は、リール114と凸カン金具115とが、ワイヤー118により連結されていることを示しており、ゼンマイバネ力により相互は常にけん引状態にあり、ネクタイを襟元にけん引装着可能なゼンマイバネ力を有していることが前提である。
図16(e)は、閉襟時用ネクタイ裏面にネクタイ用フック116が取り付けられている例図である。また、不良な装着状態とならない工夫として、タイ翼部103の裏面に滑り止め用クッション119を装備することが望ましい。
図16(f)は、閉襟時用ネクタイを襟元へけん引装着させるための装置をネクタイに連結させた状態を示す例図であり、第1ボタンと連結させる凸カン金具115はワイヤー118を引き延ばした状態で描かれている。
図17(a)は、第1ボタンと凸カン金具115が連結状態にあり、閉襟時用ネクタイを襟元へけん引装着させるための装置がワイシャツに取り付けられた状態を示した図である。
更に、図17(b)は、閉襟時用ネクタイを襟元へけん引装着させるための装置と、閉襟時用ネクタイとを連結させた側面図であり、襟台110に翼エンド部102を矢印の方向に宛がうことでネクタイのけん引装着を完了できる。
また、閉襟時用ネクタイの場合にも開襟時用ネクタイの場合にも、タイ剣先部105の中心は、ワイシャツ前立部111の中心と一致した状態で固定されていて、外的要因によりズレが生じないことが望ましい。それを実現させる装置の一例として、図18(a)がありネクタイ用フック116と連結するためのネクタイ用フック用連結具120と、前立部111と連結するための前立部用挟み留め具121を備えている。図18(b)はネクタイ用フック116にネクタイ用フック用連結具120が連結されていることを示している図であり、図18(c)は前立部111に対して前立部用挟み留め具121が挟み留めされている図である。
1979年(昭和54年)にスタートした省エネルック推奨で誕生したループタイ(棒
タイ)があるが、形状印象からその後の日本ではネックレスに分類されており省エネ対策
に寄与できていない。地球温暖化防止策として2005年にスタートしたクールビズ運動
があるが、本発明ネクタイは開襟時のワイシャツにも適応できるデザインと特性を有して
おり、本発明ネクタイの普及はクールビズ運動に大きく貢献できる。
また、本発明ネクタイは宝飾品類を装着できる機能構造を有しているため、本発明ネク
タイに装着させるためのデザインと機能を持つ新たな宝飾品の開発が必須であり、低迷が
続いている宝飾業界に新アイテムを創出するビジネスチャンスを提供できる。
更に、本発明ネクタイの販売ブースの設置は、宝飾店にも既存のネクタイ店にも可能で
あり、宝飾店にはネクタイという新アイテムをネクタイ店には宝飾という新アイテムを提
供できる。
近年女性の社会進出が目立っているが、女性の場合、閉襟時にも開襟時にもワイシャツ
にネクタイを締めない風潮がある。これは既存のネクタイ類が男性用にデザインされてい
るからであり、本発明ネクタイのデザインと宝飾品類を装着できる特性はそれら女性に受
け容れられる可能性を多く秘めているものと思われる。
10 ネクタイ表面材
11 薄張り合わせ素材
12 厚張り合わせ素材
13 平面体を成す張り合わせ素材
14 張り合わせ素材の縁
20 着衣襟角度
21 奥行高
22 タイ襟角度
23 閉襟時用ネクタイ装着例
24 開襟時用ネクタイ装着例
25 奥行高を確保するための部材
30 胸部曲線
50 開襟時用ネクタイの装着部位
51 人体に装着させた開襟時用ネクタイの平面図
52 人体胸部
53 首断面図
54 ネクタイ翼エンド部に設けた反り
60 前立部にあるボタンから垂直下方向へ延びる仮想線
61 襟元角度から垂直下方向へ延びる仮想線
62 開襟時用ネクタイのズレを是正したデザインの一例
70 宝飾品、装飾品
71 タイタックピン
72 ネクタイ素材
73 ピンホール
74 受け金具
75 受け金具を挿入する穴
76 リボン状のアクセサリー
80 カービング(彫刻)を施した例
81 縫製風に仕上げた例
82 革レースで巻き上げた例
90 チェーン
91 チェーン連結金具
100 タイトップ角度
101 タイトップライン
102 翼エンド部
103 タイ翼部
104 タイトップ部
105 タイ剣先部
106 襟傾斜角
107 襟元角度
108 襟トップライン
109 襟山
110 襟足
111 前立部
112 係留金具
113 コバ
114 リール
115 凸カン金具
116 ネクタイ用フック
117 リールフック
118 ワイヤー
119 滑り止め用クッション
120 ネクタイ用フック用連結具
121 前立部用挟み留め具

Claims (2)

  1. 縦方向上部で左右45°から140°に開いている左右タイ翼部と、該左右タイ翼部から下部垂直方向に伸びる剣先部とからなり、該左右タイ翼部と該剣先部とにより3方向に伸びるY字型の形状を成すとともに、該左右タイ翼部がネクタイ縦方向中心部から左右後方へ折りをもって成形されてなるネクタイにおいて、
    前記剣先部は、ネクタイ縦方向中心部から左右後方への折りをもって成形され、前記左右タイ翼部は、該翼エンド部が襟足に面接触可能なように外側縦方向に捻り、または、該翼エンド部が胸部に面接触可能なように反り、をもって成形されていることを特徴とするネクタイ。
  2. 前記ネクタイ裏面にネクタイ用フックを取り付けたことを特徴とする請求項1に記載のネクタイ。
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