JP5274061B2 - 表示素子及び表示デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、与える電位の制御により表示内容を切り替える、デジタル製品に使用される表示デバイスと、この表示デバイスに用いる表示素子に関する。
近年、ディスプレイは、携帯電話をはじめとするモバイル機器や電子広告や電子書籍や電子値札等において 必要不可欠なものとなっており、小型化、薄型化の他、高精度、高精細な機能要求も高まっている。今日、表示用ディスプレイとして、液晶ディスプレイが用いられ、さらに、有機ELディスプレイや電子ペーパ等の各種ディスプレイが種々提案されている。電子ペーパは、低消費電力という点で有効であるが、素子構成や駆動回路が複雑化するといった問題がある。
下記特許文献1には、電子ペーパに匹敵する低消費電力で、カラーフィルターを必要としない表示デバイスとして、エレクトロクロミックデバイスが提案されている。エレクトロクロミックデバイスは、電極界面あるいはその近傍で生じる酸化還元反応による可逆的な電子構造の変化に伴って生じる色の変化を利用するものである。
また、下記非特許文献1,2や特許文献2において、相転移分子、光異方性分子、pH応答性分子などを用いた修飾電極上での光学機能の発現を利用した手法も提案されている。
特表2000−506629号公報 特開2004−27195号公報 Y.Takeoka et al., Langmuir, 2003,19,9554-9557 T.Seki et al., Bull.Chem.Soc.Jpn., 2003,76,2217-2223
ところが、特許文献1では、有機化合物や有機金属錯体の還元体は酸素との反応により失活し易く、酸化体は、アルコールやアミンなどの還元性物質が存在すると直ちに失活するため、酸化還元反応を生じさせる電位を保持するような電気化学的に安定した材料が見出されていない。
非特許文献1,2や特許文献2に記載される相転移分子、光異方性分子、pH応答性分子などを用いた手法では、駆動因子が熱、光、pHといった物理量を用いるため、制御が困難である。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するために、複雑な駆動回路や緻密なデバイスを用いることなく、情報を表示する表示デバイス及びこの表示デバイスに用いる表示素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者は、公知の非特許文献(A.Ohira et al., J.Am.Chem.Soc., 2003,125,5057-5065)に記載された内容、具体的には、β−シクロデキストリンが電位に応じて金属基板へ吸脱着すること、及びβ−シクロデキストリンの吸着による集合体の構造を電位により可逆的に制御できること、に注目し、この記載内容を利用して表示デバイスに用いることを検討して本発明に至っている。
すなわち、本発明は、与える電位の制御により表示内容を切り替える表示デバイスに用いる表示素子であって、疎水性化合物を包接することのできる水溶性の包接化合物またはこの包接化合物の誘導体を含む液体を充填したセル容器と、前記セル容器内の液体に面し、制御された電位を与える制御電極として機能する金属層と、を有し、
前記包接化合物またはこの包接化合物の誘導体には、金属ナノ粒子が結合されており、
前記制御電極に与える電位によって前記包接化合物を前記金属層に吸着させることにより、前記金属ナノ粒子が前記金属層表面に密集し、この密集した前記金属ナノ粒子の密集の程度あるいは密集の規則性に応じて前記金属ナノ粒子の表面のプラズモンによる光エネルギーの特定波長帯域の吸収が起こることに基づき、前記電位の制御によって、前記金属層表面の色調を変化させることで、表示内容を切り替えることを特徴とする表示素子を提供する。
記包接化合物に、前記疎水性化合物として、直鎖状高分子を包接することが好ましい。
前記包接化合物は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンの群から選択された化合物であることが好ましい。
さらに、本発明は、上述の表示素子を複数配列し、前記表示素子の前記制御電極のそれぞれに電位を与える制御ユニットを有することを特徴とする表示デバイスを提供する。
本発明の表示デバイス及び表示素子は、表示セルのセル容器内の溶液に、金属ナノ粒子が結合した包接化合物またはこの包接化合物の誘導体を含むので、制御電極である金属層の電位を制御することにより、金属ナノ粒子を修飾した包接化合物の金属層への吸着パターンを制御することができる。このとき集合した金属ナノ粒子の密度あるいは規則性に応じて色調が変化する。したがって、従来の液晶ディスプレイ等に必要なカラーフィルタを不要とし、しかも、電位を制御するだけでよいので、複雑な駆動回路や緻密なデバイスを用いる必要も無い。
図1(a)は、本発明の表示デバイスの一実施形態を示す概略構成図であり、図1(b)は、本発明の表示デバイスの表示セルを構成する表示素子の概略構成図である。
図1(a)に示す表示デバイス10は、基板12、セル部材14、対向基板16、及び制御ユニット18を有する。セル部材14は、縦方向及び横方向に伸びる細長い複数の部材を一定間隔で交差させて形成した部材であり、縦方向及び横方向に伸びる部材によって区切られたマス目状の領域を複数形成する。セル部材14の縦方向及び横方向に伸びる部材の側面と基板12の面と対向基板16の面とにより空間を形成する各セル容器と、各セル容器の空間に充填された透明溶液と、によって表示セル15が構成される。
図1(b)には、表示セル15の構成を説明している。図1(b)に示す表示セル15は、隣接する表示セルと画されるように、セル部材14の隔壁で周囲が囲まれた領域である。
基板12は絶縁性基板である。基板12上には、金属層20(図1(b)参照)が、セル部材14の側面を隔壁として区切ることにより形成された各表示セル15に対応した基板12の面上の各領域に、パターニングされて設けられている。金属層20は、各表示セルの底面を形成し、制御電極として機能する。金属層20として、例えばAu(111)面が用いられる。本発明において、金属層20は特に限定されないが、原子が細密配列した平面を形成する金属を用いることが好ましく、この細密配列が、後述する金属層20に吸着される包接化合物の集合体の格子定数に近い原子配列を有することが好ましい。
各表示セル15の金属層20の端部から配線ライン22が引き出され、基板12の端部に設けられた電極端子(図示せず)と接続されている。さらに、対向基板16には、金属層20の制御電極に対する対向電極として機能する透明電極21が、表示セル15毎に設けられ、配線ライン23が引き出され、基板12の端部に設けられた電極端子(図示せず)と接続されている。電極端子は、制御ユニット18に接続されたコネクタ24と接続されている。
一方、各表示セル15を区切るセル部材14の隔壁の側面には、参照電極26が設けられている。参照電極26は、例えば、飽和KCl銀・塩化銀参照電極や飽和カロメル電極が用いられる。金属層20に与える電位は、参照電極26の電位を基準として制御ユニット18により制御される。与える電位は、基準とする電位に対して、例えば−0.6〜+0.2Vの範囲で制御される。参照電極26の端部から配線ライン28が引き出され、基板12の端部に設けられた電極端子(図示せず)と接続されている。この電極端子は、制御ユニット18に接続されたコネクタ24と接続されている。したがって、制御ユニット18では、各表示セル15における参照電極26の電位を基準として、金属層20の表面の色調が変化するように金属層20に与える電位を定め、この電位を金属層20に与える。なお、本発明では、電位が変動せず色調変化が安定して行われる場合、参照電極26は用いなくてもよい。
対向基板16は、透明性を有する基板であり、例えばガラスやプロピレンカーボネートが材料として用いられる。対向基板16を透明性基板とするのは、表示デバイス10の各表示セル15に外光を取り込むとともに、金属層20への電位を制御することによって作られる表示内容を視認できるようにするためである。すなわち、対向基板16が表示デバイス10の表示面となる。
セル部材14の隔壁にて区切られた各表示セル15には、水溶性の包接化合物またはその包接化合物の誘導体を含む透明溶液30が充填されている。
包接化合物とは、王冠のような立体形状を成しており、この王冠のリング形状の内側には疎水基が、外側には親水基が配置され、あるいは、内側には親水基が、外側には疎水基が配置された構造をなし、上記王冠のリング形状の内側に、疎水基を持つ分子(又はイオン)、あるいは親水基を持つ分子(又はイオン)を取り込んで包接状態の化合物をつくるものをいう。取り込まれた分子をゲスト分子、取り込んだ分子をホスト分子という。例えば、ゲスト分子が化学的に不安定な物質や水に溶けにくい物質であっても、この物質が、上記内側には疎水基が、外側には親水基が配置された包接化合物に取り込まれると、包接状態の化合物は化学的に安定する。これにより、水への溶解性は向上する。透明溶液30には、周知の支持塩を含ませてもよい。
包接化合物の誘導体として導入される置換基は、例えば、アルキル基、アルキルチオ基、フェニル環、フェニルチオ基等の芳香族基、あるいはアミノ基、水酸基、カルボキシル基等の官能基、ならびに有機色素等の発色残基が挙げられる。
このような包接化合物として、上記王冠のリング形状の内側には疎水基が、外側には親水基が配置された包接化合物であることが、水に溶解する点で好ましい。包接化合物として、シクロデキストリンやカリックスアレーンが挙げられるが、分子の修飾性の容易性及び化合物としての安全性の点から、シクロデキストリンが好ましく、特に、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンの群から選択された化合物を好適に用いることができる。本発明において、包接化合物または包接化合物の誘導体を用いるのは、後述するように、制御電極である金属層20に包接化合物またはその誘導体を吸着させるとき、ゲスト分子を取り込んだ状態で吸着され、これにより、金属層20表面の光吸収特性を有効に変更させるためである。
なお、包接化合物には、金属ナノ粒子が結合されている。金属ナノ粒子は、一般に粒子サイズが1〜500nmの粒子をいうが、材料は特に限定されない。しかし、金ナノ粒子が好適に用いられる。金ナノ粒子は、一例として、図2に示す合成方法で修飾することができる。出発原料として、3A−アミノ−3A−デオキシ−(2AS,3AS)−β―シクロデキストリンを用い、水溶液中でHAuCl4を加え、この後、NaBH4を加え、再沈殿法を用いて抽出する。このようにして、直径が50〜200nmの金ナノ粒子を修飾した包接化合物または包接化合物の誘導体を得ることができる。
後述するように、包接化合物の金属層20への吸着により、包接化合物に修飾された金属ナノ粒子も金属層20の表面に密集し集合する。このときの金属ナノ粒子の集合状態(サイズや形状)により光の吸収波長は変化し、光の吸収特性を変化させることができる。
各表示セル15に充填されている透明溶液30には、さらに、包接化合物のゲスト分子として、疎水性を有する直鎖状高分子(一次元高分子、線状高分子)が含まれると、より好適になる場合がある。例えば、α−シクロデキストリンまたはその誘導体が包接化合物として用いられる場合、ポリエチレングリコールが用いられ、β−シクロデキストリンまたはその誘導体が包接化合物として用いられる場合、ポリプロピレングリコールが用いられる。疎水性を有する直鎖状高分子を用いるのは、水溶液である透明溶液30に溶解する複数のシクロデキストリン(又はシクロデキストリンの誘導体)に1つの直鎖状高分子を包接させることにより、後述するように、包接化合物が金属層20に吸着したとき、金属層20表面の光吸収特性を有効に変更させる吸着パターンを生成するからである。
直鎖状高分子として、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールの他に、例えば、ポリエーテルやポリイミド等が挙げられる。
このような表示デバイス10では、制御ユニット18にて、各表示セル15における参照電極26の電位を基準電位として、制御電極である金属層20に与える電位が制御される。この電位は、表示しようとする内容に応じて各表示セル15毎に設定され、制御された値であり、この制御された電位が、制御ユニット18から配線ライン22を通して、各表示セル15の金属層20へ付与される。
金属層20では、制御された電位により、透明溶液30中の包接化合物(または包接化合物の誘導体)が金属層20に吸着される。後述するように、電位の程度に応じて包接化合物の吸着パターンが異なっており、この吸着パターンに応じて金属層20表面に金属ナノ粒子が近接して集合する。
透明溶液30に、包接化合物のゲスト分子として、直鎖状高分子を用いている場合、1つの直鎖状高分子は複数の包接化合物により取り込まれ、1つの直鎖状高分子をゲスト分子として取り込んだ複数の包接化合物は、金属層20に吸着される。
図3(a)〜(d)は、包接化合物の金属層20への吸着と、光吸収特性を説明する図である。
図3(a)に示すように、包接化合物が金属層20へ吸着されず透明溶液30中にあるとき、包接化合物の透明溶液30における密度は小さい。透明溶液30に、直鎖状高分子が含まれている場合、1つの直鎖状高分子を複数の包接化合物がゲスト分子として取り込み、包接化合物の集合体が平衡状態で生成されている。これらの状態で、制御された電位が金属層20に与えられると、包接化合物あるいはホスト−ゲスト化合物の集合体が制御電極である金属層20の電位に応じて吸着される。これにより、吸着される包接化合物の密度を高めることができる。その際、金属層20の電位によって、吸着した包接化合物の密度を制御することができる。図3(b)〜(d)に示すように、制御された包接化合物の密度に応じて、金属ナノ粒子表面のプラズモンによる光エネルギー吸収帯域が変化し、金属層20に入射した光の一部分がこの吸収帯域で吸収されて、金属層20の表面の色調が変化する。
このように、制御電極である金属層20の電位を変えることで、金属層20表面の光吸収特性を変えることにより、表示セル15として色調を変えることができる。例えば、図3(b)に示すように、包接化合物が密集し、金属ナノ粒子が密集しているとき、プラズモンによる光エネルギーの特定波長帯域の吸収により、短波長の光による色調を呈する。図3(c)、(d)のように、金属ナノ粒子の密集が低下するとき、プラズモンによる光エネルギーの特定波長帯域の吸収により、図3(b)の場合に比べて、長波長に波長がシフトした光による色調を呈する。
図4(a)は、後述する実施例と同様に、支持塩として10mMのNaClO4水溶液中で、金属層20として所定の電位を与えたAu(111)電極表面に、金属ナノ粒子の一例である金ナノ粒子を修飾したβ−シクロデキストリンを吸着させた状態を示す写真である。この写真は、電気化学原子間力顕微鏡(EC−AFM)で観測したときの結果である。図4(a)に示すように、包接化合物の吸着時、自己組織的に吸着の構造や吸着パターンを作る。包接化合物が所定のパターン(密度)で配列した領域が複数存在し、この複数の領域におけるプラズモンによる光エネルギーの特定波長帯域の吸収に基づいて、所定の色調を呈する。図4(b)は、この吸着パターンで吸着した、金属ナノ粒子を修飾した包接化合物の粒子径分布をレーザー光散乱法を用いて測定したときの結果である。これより、41.6nm〜173.2nmの粒径の、金属ナノ粒子を修飾した包接化合物が吸着されていることがわかる。さらに、電位を高く設定すると、包接化合物の金属層20への吸着はランダムパターンとなる。このため特定の色調は発現しない。
このように、電位を制御することで、包接化合物の金属層20への吸着パターン(密集の程度及び密集の規則性)を制御することができ、これによって金属層20表面の色調を変化させることができる。
上述したように、金属層20に与える電位を高くすると、包接化合物の吸着パターンはランダムパターンになる。これは、金属層20による包接化合物の吸着力が、包接化合物がゲスト分子を包接する作用力に比べて強くなるからである。しかし、金属層20に与える電位によって作用する包接化合物の金属層20への吸着力が、包接化合物がゲスト分子を包接する作用力と同程度の範囲内で電位を制御すると、この範囲の電位の高低に応じて、吸着パターンが連続的に変化し、すなわち吸着される包接化合物の密度が変化する。本発明では、このような電位を制御することで包接化合物の密度を制御し、これらのことによって、アナログ的に金属層20表面の色調を変化させる。
上述した特許文献1に記載のエレクトロクロミックデバイスでは、電極界面あるいはその近傍で生じる酸化還元反応による可逆的な電子構造の変化に伴って生じる色の変化を利用するが、発色が酸化体や還元体の電子構造に対応したものであるため、色調をアナログ的に変化させることはできない。この点で、本発明は特許文献1に記載のエレクトロクロミックデバイスに対して優れている。
図5は、β−シクロデキストリンが、金属層20が金で作られた金電極に吸着することを示す図である。具体的には、β−シクロデキストリンの吸着により、酸化還元反応を示すことを、サイクリックボルタンメトリー法(走査速度40mV/秒)を用いて確認した図である。このサイクリックボルタンメトリー法では、水溶液に10mMのNaClO4を支持塩として含ませ、2μM、20μM、200μM、あるいは2mMのβ−シクロデキストリンを加えて測定サンプルを用意した。この測定サンプルを用いて金電極に電位を与え、そのときの電流密度(μA/cm2)を測定した。図5からわかるように、2μMから高濃度領域の2mMまで、酸化還元の波形を観測することができ、これより、酸化還元反応がβ−シクロデキストリンの吸脱着によって生じたことを確認することができる。なお、図5中には、β−シクロデキストリンが存在しない(濃度0μM)の例も示している。
〔実施例〕
金ナノ粒子を修飾したβ−シクロデキストリンを用いて、制御電極である金属層20の表面の色調が変化することを調べた。
具体的には、図1に示す表示デバイスの1つの表示セル15を作製し、透明溶液30として金ナノ粒子を修飾したβ−シクロデキストリンを含む溶液を用い、β−シクロデキストリンの金属層20への吸着によって金ナノ粒子が集合し、これによって生じるプラズモン共鳴による色調を目視によって調べた。電位は、基準電位に対して−0.6V〜+0.2V変化させた。透明溶液30には、支持塩として10mMのNaClO4(過塩素酸ナトリウム;和光純薬工業社製)を用い、β−シクロデキストリンと金ナノ粒子とが5:1の割合で結合したものを用いた。β−シクロデキストリンの濃度は2mMとした。
下記表1は、その測定結果である。色調の変化のほかに光反射率を、反射光の強度の強弱を目視により判断して、調べた。なお、参照電極26として飽和カロメル電極(S.C.E)を用いた。
表1から明らかなように、金属層20の電位に応じて色調が変化していることがわかる。
これから明らかなように、電位を制御することで、金ナノ粒子を修飾したβ−シクロデキストリンの金属層20の吸着が制御され、これによって色調が制御されることがわかる。
なお、本発明では、包接化合物に色素分子を連結して、包接化合物に発色機能を持たせてもよい。この場合、用いる色素分子として、フルオレセインやローダミンのような疎水性色素でも親水性色素でもよい。
以上、本発明の表示素子及び表示デバイスについて詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更してもよいのはもちろんである。
(a)は、本発明の表示デバイスの一実施形態を示す概略構成図であり、(b)は、本発明の表示デバイスの表示セルを構成する表示素子の概略構成図である。 本発明における金属ナノ粒子が修飾した包接化合物の合成方法を説明する図である。 (a)〜(d)は、金属ナノ粒子を修飾した包接化合物の吸着とこのときの色調を説明する図である。 (a)は、金属層に金属ナノ粒子を修飾した包接化合物が吸着した状態の一例を示す図であり、(b)は、(a)に示す例によって吸着した金属ナノ粒子を修飾した包接化合物の粒子径の分布を示す図である。 包接化合物が金属層に吸着することによって発生する酸化還元反応を示すサイクリックボルタモグラムを示す図である。
符号の説明
10 表示デバイス
12 基板
14 セル部材
15 表示セル
16 対向基板
18 制御ユニット
20 金属層
21 透明電極
22,23,28 配線ライン
26 参照電極
30 透明溶液

Claims (4)

  1. 与える電位の制御により表示内容を切り替える表示デバイスに用いる表示素子であって、
    疎水性化合物を包接することのできる水溶性の包接化合物またはこの包接化合物の誘導体を含む液体を充填したセル容器と、
    前記セル容器内の前記液体に面し、制御された電位を与える制御電極として機能する金属層と、を有し、
    前記包接化合物またはこの包接化合物の誘導体には、金属ナノ粒子が結合されており、
    前記制御電極に与える電位によって前記包接化合物を前記金属層に吸着させることにより、前記金属ナノ粒子が前記金属層表面に密集し、この密集した前記金属ナノ粒子の密集の程度あるいは密集の規則性に応じて前記金属ナノ粒子の表面のプラズモンによる光エネルギーの特定波長帯域の吸収が起こることに基づき、前記電位の制御によって、前記金属層表面の色調を変化させることで、表示内容を切り替えることを特徴とする表示素子。
  2. 前記包接化合物に、前記疎水性化合物として、直鎖状高分子を包接する請求項に記載の表示素子。
  3. 前記包接化合物は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンの群から選択された化合物である請求項1または2に記載の表示素子。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の表示素子を複数配列し、前記表示素子の前記制御電極のそれぞれに電位を与える制御ユニットを有することを特徴とする表示デバイス。
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