JP5268811B2 - 落差工・堰用水車設備 - Google Patents

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Description

本発明は、用水路の落差工または河川の堰に設置されて流水を利用する落差工・堰用水車設備に関する。
地球温暖化対策としては再生可能エネルギーの利用が有効である。そこで、小水力発電が注目されているが、この小水力発電を行う場合、製造、設置、運転、保守に渉り化石燃料の利用を抑え、安価に実施される必要がある。この点で、既存の落差工または堰への水車設置は有効である。
例えば、農業用水路などの落差工や、河川の堰は、流水の持つエネルギーを低減させることで水路等の水勢を抑えるための構造物である。この落差工や堰は各地にあるものの、そのほとんどが落水のエネルギーを有効利用していない。この落差工や堰に水車を設置して水車を駆動し、水車に連結された発電機を回転させて発電することで汎用的に利用できるエネルギーである電力を生成することができる(例えば、特許文献1参照)。
このような農業用水や河川では、上流から流れてきた落葉や石、木の枝などが水車内部に詰まり、効率低下や機器故障の不具合を生じさせることがあるので、これら異物の流入対策のために、水車上流部にスクリーンなどを設置したものもある(例えば、特許文献2参照)。
また、低落差ではランナから放水面までの位置エネルギーが有効落差に占める割合が大きくなる。これを有効利用するために、水を水圧管により上方から導くと共に、吸出し管を設けた構造の貫流水車が提案されている。ここでは、主軸への流れの衝突を防ぐための空気相をランナ内に形成できる限り、ランナ室内の水位を高めることでランナ室の圧力を下げ、吸出し効果を高める方法が採用されている(例えば、非特許文献1参照)。
ランナ室上部に気相エリアを形成することによりランナ内へ空気が取り込まれ、ランナ内の主軸への流れの衝突を防ぐことができる。水を上方から水圧管により導水する形式の貫流水車について、このランナ内への空気の取り込みを容易にし、ランナ内に空気相を形成させる目的と、ランナ室上部の圧力を下げて吸出し効果を高めて出力を増加させる目的で、貫流水車のランナ室内に仕切壁を垂直に設ける方法が提案されている(非特許文献2参照)。
特開2000−199471号公報 特開2008−121652号公報
日本機械学会論文集(B偏)61巻585号(1995−5)、論文No.94−1403 社団法人日本機械学会 ターボ機械協会誌、第18巻第2号(1990−2)、p73〜p78、ターボ機械協会
既存の落差工または堰が設けられた地点の落差は数メートル以下と小さい場合がほとんどであり、この場合はランナから放水面までの水流の持つ位置エネルギーの有効落差に対する割合が大きくなる。特許文献1、2のように落差工の上流側高さ近くに吸出し管を設けていない水車のランナを設置する場合、水車のランナ出口から放水面までの落差を有効に利用することが難しい。
そこで、これを無駄にしないためには吸出し管を設けることが望ましいが、一般に、吸出し管を設けている従来の貫流水車ではランナの水中での回転抵抗を避けるために、ランナ室内への空気供給量を多くし、ランナ室内の水位がランナ下端付近に位置するようにするため、吸出し効果が低減し、ランナ室内圧力が増加してしまっていることが多い。しかし、特に低落差ではこの圧力低下による実質的有効落差が増加する割合が大きいので、ランナ室内の水位を高くして、吸出し管の吸出し効果を増加させる方が有効である。
また、ランナ室内の水位がランナ下端よりも低い場合にはランナからの放水位置がランナの下端よりも高い位置にあるほど、ランナに仕事を与えることができる位置エネルギーを残したまま水を放出してしまうことになる。また、その放出流の向きも吸出し管の軸方向を向かなくなるので、ランナ室内で転向させる必要があり、このためにランナ室の容積を大きくする必要がある。さらに、貫流水車の吸出し管は従来上から下まで断面積を広く取っているので広い領域が大きく渦をまいた止水域となり、ランナからの噴流は広がらずその一部のみを通過して流速が速いまま吸出し管から流出し、吸出し管の出口で流水の持つ多くの運動エネルギーを廃棄してしまっている。
吸出し効果を高めるためにランナ室内の圧力を下げようと、ランナ室内への供給空気量を絞ってランナ室内水位を高くしすぎると、ランナがランナ室内の水中に没し、ランナ内への空気の供給が阻害される。これによりランナ内の空気相が小さくなり流れが主軸に衝突して、流れが乱れて大きな損失が生じてしまうため、返って効率が低下してしまう。
既存の水路あるいは河川の堤は想定される最大流量時に溢水しないよう設計されている。この水路や河川に流水の抵抗になる構造物を設けると、これよりも上流の水位が上昇してしまい、最大流量時に溢水しないという条件を満たせなくなる場合がある。従って、水車を設置することが水路や河川の流水の抵抗になることは好ましくない。
通常の水車のように水圧管を通して水車に水を導く場合は、取水口などの土木構造物を新設する必要もあり、費用を安価に抑えるという前述の目的に叶わない。また、水路または河川を流れる水のできるだけ多くを水車に取り込むことで出力を増加させ、発電単価を抑えることができるが、水圧管を通す場合は水圧管径の制限により、取り込む水の流量に限界が生じてしまう。
また、貫流水車のランナの翼ピッチ間隔は他の形式の水車に比べて狭いため、これを通過できないサイズの異物を水車内に流入させないようにする必要があるが、取水口に単にフィルターを設けても時間が経つにつれてフィルターに落ち葉などのゴミが貯まり、流れの閉塞や効率の低下を起こしてしまう。
本発明の目的は、上記の課題を解決しつつ既存の落差工や堰に容易に設置でき、しかも水車効率を向上できる落差工・堰用水車設備を提供することである。
請求項1の発明に係わる落差工・堰用水車設備は、落差工または堰の垂直壁面に沿わせて貫流水車を設置し、このランナを上流側水路または堰堤頂の高さに近づけて設置する。貫流水車のランナの幅は、水路または河川の幅とほぼ同じ幅とすることが望ましい。これは、水路または河川の幅の流水がほぼ全て取り込めるようにするためである。
貫流水車のランナはランナ室に内蔵されている。水路または河川を流れる水の多くが、取水口からノズルを通ってランナに供給される。例えば、水路または河川からの流れは、水路底面または堰堤頂面から続く適度な半径を持った円弧状に曲がった曲面壁により向きを変え、ランナからの放水角度がほぼ下を向くような位置に設けたノズルに導水する。また、取水口は水平にするか、下流方向へ下がる勾配を付けることが望ましい。
ランナで仕事を終えた水は、ランナ室の出口部に設けたランナ外径よりも狭い幅に形成された整流部により整流されて落差工または堰の下流側に放流される。
一方、ランナ室の下部に吸出し管を設ける場合には、ランナで仕事を終えた水をランナ外径よりも狭い幅の整流部で整流してから吸出し管に流入させる。その後、所定の広がり角を持った吸出し管を通過して、落差工または堰の下流側に放流する。所定の広がり角は10°〜20°程度であることが望ましい。
ランナに対してノズルと反対側のランナに近接した位置から始まる仕切壁によりランナ室内を上下2分割すると、ランナ室上部の水はランナから流出する噴流によって仕切壁より下側のランナ室へ引き込まれるので、ランナ室の仕切壁から上部を空気相に、下部を液相に容易に分離することができる。
また、仕切壁で区切られたランナ室の上部と下部を透明管でつないだ構造の水位計を設けた場合には、水位計で計測された水位によりランナ室内上部の気相の圧力の低下量を調べることが可能となる。
さらに、取水口の上部に落差工を流れる水の方向に沿って、ランナ翼の成す流路の最小幅よりも狭いピッチで棒状部材を並べたスクリーンを設けた場合には、ランナ室内に侵入した石や木の枝等の異物によりランナの回転が阻害されることを防止できる。
本発明によれば、落差工または堰の垂直壁に沿って貫流水車を配置するので、既存の落差工や堰に大きく手を加えることなく貫流水車を設置できる。また、水圧管を必要としないので、ユニット化した水車発電設備とすることができ、工場から運搬して設置するだけで済むのでコストの削減を図れる。
また取水口から取水した水をノズルにより、貫流水車のランナから出て行く水の放出角度がほぼ下を向くような位置に導くことができるので、吸出し管にスムーズに水を流入させることができ、流れの転向による損失の発生を防ぐことができる。このことはランナ室を小型化できコストの削減にも繋がる。また、落差工または堰の下流側に放流する前に、水流を整流部で整流するので廃棄損失となる流水の運動エネルギーを減らすことができる。
また、ランナ室の下部に吸出し管を設けた場合には、吸出し管に流入する前に流れを整流部で整流しておくため、吸出し管内での剥離を防止でき、その後の吸出し管内での所定の広がり角による拡大で流速を低下させ、廃棄損失となる運動エネルギーを減らすことができる。
貫流水車に水を導くための水圧管を設ける必要がないため、構造を簡潔にでき、取水口とランナとの幅を一致させることで、水路または河川の多くの流量を水車に取り込むことが可能となる。
ランナ室を仕切壁により分割して、ランナ室上部への供給空気量を調節することにより、ランナ室上部を気相エリアに保ったまま、仕切板が無い場合にランナが水没するまでランナ室内水位を上昇させた場合に得られるランナ室内圧力よりも、さらにランナ室内圧力を下げることが出来る。これは仕切壁の下端の下を流れて行く噴流のエントレインメント(引き込み)効果による。これにより、高い吸出し効果を得ながら、噴流のランナ内の主軸への衝突を防止できる。また、ランナ周りの液相を減らすことができるため、ランナの回転抵抗を減らすことができる。
また、仕切壁により形成されたランナ室上部の、下部に対する圧力低下量を計測するための水位計を設けた場合には、水位計で計測された水位を見ながらランナ室上部に供給する空気量を、ランナ室上部が気相に保たれた状態で圧力が最も低くなるように調節できる。これは上述のようにランナ室上部と下部の圧力差を維持しているのが噴流のエントレインメントに因るところが大きく、ランナ室下部の圧力に対して上部圧力がどれだけ低下しているかが重要になるからである。これにより、従来行っていた圧力調整弁を用いる必要が無く、確実にしかも安価に気相エリアの圧力を調整できる。
取水口の上部に、上流側水路または河川を流れてくる水流の方向と平行に、スクリーンを構成する棒材を設けた場合には、水路または河川からの水の流れを大きく阻害することなく石や木の枝などの異物が貫流水車のランナに侵入することを防止できる。水流の一部をノズルの上部から越流させることで、異物を下流へ通過させることができるので、異物が貯まり閉塞するような不具合を防ぐことができる。また、水面上に流れがあるため、ノズルに引き込まれる水流による吸込み渦を生成する角運動量の蓄積が生じず、吸込み渦の生成を防いで、空気の吸入による吸い出し効果の悪化や、水力効率の低下、騒音の発生を防ぐことができる。
さらには、貫流水車の多くの部分がノズルを越流する水の下に隠すことが可能になるので、景観に対する悪影響や違和感を抑えることができる。また、ランナの軸方向に垂直な断面上で同一形状となる貫流水車を採用することで、流路幅が増加した場合の流量の増大には、ランナ及びノズルの幅を同じように増加させることで対応できるので、どのような落差工や堰の落差、流量に対しても、ランナ径と回転数を適した組み合わせに選定することにより、高効率で運転できる。
本発明の実施の形態に係わる落差工水車設備の実施例1を示す構成図。 本発明の実施の形態に係わる落差工水車設備の実施例2を示す構成図。 本発明の実施の形態に係わる落差工水車設備の実施例3を示す構成図。 本発明の実施の形態に係わる落差工水車設備の実施例4を示す構成図。 本発明の実施の形態に係わる落差工水車設備の実施例5を示す構成図。 本発明の実施例5におけるスクリーンの平面図。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係わる落差工水車設備の実施例1を示す構成図である。以下の説明では、落差工に貫流水車を設けた場合について説明する。
落差工または堰11は用水路あるいは河川に段差を設けて形成され、段差の上側から下側に向けて水が流れる。この落差工または堰11の垂直壁面12に近接して、ランナ13が上流側水路または堰堤頂の高さに近づけて取り付けられた貫流水車が設置されている。ランナ13は、主軸14が中心を貫通する円板部材間に複数個の円弧状のランナ翼15が取り付けられて構成されている。そして、取水口16およびノズル17の幅は、多くの流水が取り込めるように、ランナ13の幅とほぼ同じに形成されている。
水路または河川からの水は下流に向けて矢印a方向に流れる。取水口16は水平にするか、または下流方向へ下がる多少の勾配を付けて配置されているので、その多くの水は、取水口16から矢印a1方向に貫流水車のノズル17に向けて流れ、他の水は取水口16を越流して矢印a2、a3方向に流れる。案内板18は水路底面または堰堤頂面から始まり、適度な半径を持った円弧状に曲がった曲面を経てランナ外周まで続く。取水口16から取り込まれた水は、案内板18及び案内壁19の内面により構成されるノズル17に導かれる。ノズル17は、ランナ13から出る水の放水角度がほぼ下を向くような位置に設置される。これにより、ランナから出た噴流を吸出し管の軸にほぼ平行に吸出し管へ流れ込ませることができる。
ランナ13はランナ室20に内蔵され、ノズル17からの水はランナ13のランナ翼15に作用してランナ13を回転駆動する。ノズル17は、取水口16から取水した水が漏水なくランナ13のランナ翼15間流路に導かれるように、ノズル17とランナ翼15との間の隙間は小さく形成されている。これにより、取水口16からのほとんどの水流はランナ13に導かれ、ランナ13内を通過してエネルギーを与えた後に、ランナ室20から落差工または堰11下流側に放流される。
ランナ室20の出口部にはランナ13で仕事を終えた水をランナ径よりも狭い幅に整流してから落差工または堰11に放流する整流部21が形成されている。整流部21は落差工または堰11の下流側の放水面22より下方に位置する。ランナ室出口が広いと、噴流が通過しない領域にランナ室出口下流側にまたがって大きな渦が形成され、噴流がこれに押されて噴流幅は返って狭くなってしまう。水流を整流部で整流してから落差工または堰11の下流側に放流することにより、噴流幅を広げることができるので、廃棄損失となるここでの運動エネルギーを減らすことができる。
ランナ室20の上部には、バルブ25を有した空気供給配管26により外気が供給され、気相エリア24が形成されている。なお、図1の符号27はランナ室20内の水面を示す。この気相エリア24の空気は、ランナ13内の噴流に働く遠心力の効果により、さらにランナ13内に吸い込まれて、ノズル17からランナ13内に流入した噴流に沿って自由表面28が形成される。噴流の流れが主軸14に衝突しなくなるので、噴流の衝突による効率の低下を防ぐことができる。空気供給配管26のバルブ25を絞りすぎると、気相エリア24には水が満たされ、水流が主軸14に衝突して内部の圧力は上昇する。従って、良好な状態になる空気量を空気供給配管26のバルブ25により調整することになる。
このように、落差工または堰11の垂直壁12に沿って貫流水車を配置し、水平、または下流方向へ下がる多少の勾配を付けて配置された取水口16から貫流水車のランナ13に取水するので、水圧管を必要としない。従って、既存の落差工または堰11に大きく手を加えることなく貫流水車を設置できコストの削減を図れる。
また、案内板18及び案内壁19から成るノズル17の位置を、ランナ13から出る水の放水角度がほぼ下を向くように置くことで、ランナ室内での流れの転向による損失を防ぐことができるとともに、ランナ室20の小型化が図れコストの削減に繋がる。
次に、図2は本発明の実施の形態に係わる落差工または堰用水車設備の実施例2を示す構成図である。この実施例2は、図1に示した実施例1に対し、ランナ室内にランナに対してノズルと反対側のランナ13に近接した位置から始まる仕切壁23を設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図2に示すように、ランナ室20には、ノズル17からの噴流がランナ13を通過して出てくるが、ランナから見てノズル17の反対側になるランナ室内の、ランナ13に近接し、かつこの噴流の境界付近から、ランナから放出された噴流の流れを邪魔しない方向に仕切壁23が設けられ、ランナ室を上下に2分割している。
また、気相エリア24内に残った水、または空気はランナ13出口付近の噴流によるエントレイメント(引き込み)効果により、ランナ室20の下部側に吸い出されようとするので、空気供給配管26のバルブにより空気供給量を調節することで、気相エリア24の圧力を低くし、かつ空気相で満たされる状態にできる。これにより吸い出し効果を高め、ランナ13周りの水による回転抵抗を減らし、貫流水車の出力を上昇させることができる。またランナ室上部を空気相に下部を液相に容易に区分けすることができる。
気相エリア24への空気供給量は圧力調整のバルブ25で行われている。空気供給配管26のバルブ25を絞りすぎると、気相エリア24には水が満たされ、水流が主軸14に衝突して、エントレイメント効果も得られなくなり、内部の圧力は上昇する。従って、良好な状態になる空気量を空気供給配管26のバルブ25により調整することになる。
実施例2によれば、実施例1の効果に加え、仕切壁23を設けることで、ランナ室内の圧力をより低下させてもランナ室上部を空気相に保つことが出来るので、吸い出し効果の増加、ランナ周りの水による回転抵抗の低減、主軸の流れへの衝突の防止ができる。
次に、図3は本発明の実施の形態に係わる落差工または堰用水車設備の実施例3を示す構成図である。この実施例3は、図2に示した実施例2に対し、整流部21で整流された水流を所定の広がり角で吸い出す吸出し管29を整流部21の下部に追加して設けたものである。図2と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図3に示すように、ランナ室20の下部の整流部21の下部には所定の広がり角を有した吸出し管29が設けられている。図1に示した実施例1より、落差工または堰11が高い場合にこの吸出し管29を設ける。ランナ13で仕事を終えた水は吸出し管29で吸い出され落差工または堰11の下流部に放流される。
ランナ13内を通過してエネルギーを与えた後の水は、ランナ室20の整流部21を通過して、ランナ室20の下部に設けられた吸出し管29に導かれる。すなわち、ランナ室20の出口は、ランナ径よりも狭い幅の整流部21を有し、この整流部21により、ランナ室出口幅が広い場合よりもランナ室出口流れの偏りを防ぎ整流することができる。そして、所定の広がり角、例えば10°〜20°程度の広がり角を有した吸出し管29に導かれ、吸出し管29の中での水流の剥離を防止する。
このように、吸出し管29は下流に向かって流路断面積が拡大しているが、入口で整流していることにより剥離が抑えられ、出口での流速が低減され、廃棄損失となる運動エネルギーを減らすことができる。
以上の説明では、図2に示した実施例2に対し、吸出し管29を設けた場合について説明したが、図1に示した実施例1に対し、吸出し管29を設けるようにしてもよい。
実施例3によれば、実施例1、2の効果に加え、落差工または堰11が高い場合には、必要に応じて吸出し管29を設けて実施例1の落差工または堰用水車設備を設置できるので適用範囲が広がる。
次に、図4は本発明の実施の形態に係わる落差工または堰用水車設備の実施例4を示す構成図である。この実施例4は、図3に示した実施例3に対し、仕切壁23で形成された気相エリア24内の気相の圧力が仕切壁より下部のエリアに対してどれだけ低下するかを調べるための水位計30を設けたものである。図3と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図4に示すように、水位計30は透明管による水位計であり、仕切壁より上部の気相域と仕切壁より下部の液相域との間をつないで設けられている。水位計30により計測される水位は、仕切壁よりも下部の圧力に対する仕切壁よりも上部の圧力の低下量を表している。なお、仕切壁よりも下部の圧力は、放水面からの高さと吸出し管効率によりほぼ決まり、流量やランナ回転数、落差が変わらないのであればほぼ一定となるため、気液混相流となる流水の密度に影響が出るほど大量に空気を供給しない限り、この点の圧力に対する空気供給量の影響は少ない。したがって空気量以外の運転条件を一定にした状態では、水位が高くなるほどランナ室内の圧力が大気圧に対しても低くなる。
空気供給配管26のバルブ25により空気供給量を調節することで、気相エリア24の圧力を低くし、かつ空気相で満たされる状態にできる。気相エリア24の圧力が低くなるほど水位計30の水位が高くなるので、水位計30の計測値を読み取ることで、気相エリア24がどの程度低圧になっているかを判断することができる。
空気供給配管26のバルブを絞りすぎると、気相エリア24には水が満たされ、ランナ13の主軸14に流れが衝突して、エントレイメント効果も得られなくなり、内部の圧力は上昇するので、水位計30の水位は低下する。従って、この水位計30の水位の高さを目安にして、良好な状態になる空気量を空気供給配管26のバルブ25により調整することができる。
以上の説明では、図3に示した実施例3に対し、水位計30を設けた場合について説明したが、図1に示した実施例1や図2に示した実施例2に対し、水位計30を設けるようにしてもよい。
実施例4によれば、実施例1、2、3の効果に加え、水位計30の水位の高さを目安にして、気相エリア24の空気量を空気供給配管26のバルブ25により調整できるので、ランナ13内に流れの主軸との衝突を防止するための気相が形成される状態を保ちながらランナ室20内の圧力を限界近くまで下げる調整が可能となる。従って、ランナ室20内の圧力をより下げることが可能となり、その分の吸出し効果を利用でき、水車設備の出力を増加させることができる。
次に、図5は本発明の実施の形態に係わる落差工または堰用水車設備の実施例5を示す構成図、図6は実施例5におけるスクリーン31の平面図である。この実施例5は、図4に示した実施例4に対し、取水口16に、落差工または堰11を流れる水の方向に沿ってランナ13のランナ翼15間の流路の間隔よりも狭いピッチで棒状部材を並べて形成したスクリーン31を設けたものである。図4と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図6に示すように、スクリーン31は、落差工または堰11の垂直壁面12の上端から続く案内板18と、案内板18とともにノズル17を形成する案内壁19との間に複数個の棒状部材32を橋絡して形成されている。複数個の棒状部材32は水流の方向に沿って平行に配置して設けられ、その棒状部材32間の間隔dはランナ翼15の成す流路幅の最小間隔よりも狭い間隔で並べられている。
図5において、このスクリーン31は、取水口16に設けられる。その場合、棒状部材32が落差工または堰11を流れる水の方向に沿うように配置される。落差工または堰11の上流部の矢印aの水流は、取水口16によりランナ13に取り込まれる矢印a1の水流と、取水口16を通り超えて直接的に落差工または堰11の下流部に流れる矢印a2の水流とに分かれる。矢印aの水流とともに落ち葉などの異物が流れてきたとき、棒状部材32間の間隔dはランナ翼15の間隔よりも狭い間隔で並べられているので、スクリーン31により、ランナ翼15から成る流路幅の間隔よりも大きな石や木の枝、落ち葉などの異物がランナ13に流れ込むことを防止する。従って、これらの異物はスクリーン31の上部に取り残されることになる。
また、スクリーン31の棒状部材32は水流の方向に並べられているので、水路または河川からの矢印a2の水流が下流に流れることを阻害することがなく、スクリーン31の上部に取り残された石や木の枝などの異物は、取水口16を通り超えて直接的に落差工または堰11の下流側に流れる矢印a3の水流により落差工または堰11の下流側に流し落とされる。
ここで、棒状部材32は、角柱棒状部材及び円柱棒状部材のいずれでもよいが、石や木の枝などの異物と接する面が平面である角柱棒状部材が望ましい。これは、異物と接する面が平面である場合には、異物を円滑に下流に流すことができるからである。また、五角以上の多角柱棒状部材よりは、四角柱棒状部材や三角柱棒状部材が望ましい。
これは、四角柱棒状部材や三角柱棒状部材の場合には、その一平面を上面として配置したときは、その一平面に接する隣りの平面が隣の部材と構成する流路は、平行流路か広がり流路となるため、異物はこの流路へ入り込まないか通過するかのいずれかになり、流路の途中に引っかかる確立は低くなるからである。
以上の説明では、図4に示した実施例4に対し、スクリーン31を設けた場合について説明したが、図1に示した実施例1、図2に示した実施例2、図3に示した実施例3に対し、スクリーン31を設けるようにしてもよい。
この実施例5によれば、実施例1、2、3、4の効果に加え、水路または河川からの水の流れを阻害することなく石や木の枝などの異物がランナ翼15の間の流路に侵入することを防止できる。従って、ランナ13内に異物が流入することがなく、貫流水車の効率低下や機器故障などの不具合を防止できる。
11…落差工または堰、12…垂直壁面、13…ランナ、14…主軸、15…ランナ翼、16…ノズル、17…取水口、18…案内板、19…案内壁、20…ランナ室、21…整流部、22…放水面、23…仕切壁、24…気相エリア、25…バルブ、26…空気供給配管、27…ランナ室内水面、28…自由表面、29…吸出し管、30…水位計、31…スクリーン、32…棒状部材

Claims (4)

  1. 落差工または堰の垂直壁に沿って上流側水路近くにランナが配置された貫流水車と、
    前記落差工または堰を流れる水の一部を取水して前記貫流水車に供給する取水口を有し取水した水を前記貫流水車のランナに導かれるようにしたノズルと、
    前記貫流水車のランナを内蔵したランナ室と、
    前記ランナ室内のランナから見てノズルと反対側のランナに近接した位置から、ランナから放出される噴流の流れを邪魔しない方向に延伸して設けられ気相エリアを形成するための仕切壁と、
    前記ランナ室上部に空気を供給し前記ランナ内の主軸に流れが衝突することを防止するための気相エリアに空気を供給する空気供給配管と、
    前記ランナ室の出口部に設けられ前記ランナで仕事を終えた水をランナ径よりも狭い幅に整流して落差工または堰の下流部に放流する整流部とを備えたことを特徴とする落差工・堰用水車設備。
  2. 前記整流部の下部に設けられ前記整流部で整流された水流を所定の広がり角で吸い出し落差工または堰の下流部に放流する吸出し管を設けたことを特徴とする請求項1に記載の落差工・堰用水車設備。
  3. 前記仕切壁で形成された気相エリア内の気相の圧力低下量を調べるために前記ランナ室の上部と下部をつないだ水位計を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の落差工・堰用水車設備。
  4. 前記取水口の上部に、前記落差工または堰を流れる水の方向に沿って前記ランナのランナ翼の間隔よりも狭いピッチで棒状部材を並べたスクリーンを設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の落差工・堰用水車設備。
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