JP5268699B2 - ジオキサン分解方法及びこれを用いた水処理方法 - Google Patents

ジオキサン分解方法及びこれを用いた水処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5268699B2
JP5268699B2 JP2009036817A JP2009036817A JP5268699B2 JP 5268699 B2 JP5268699 B2 JP 5268699B2 JP 2009036817 A JP2009036817 A JP 2009036817A JP 2009036817 A JP2009036817 A JP 2009036817A JP 5268699 B2 JP5268699 B2 JP 5268699B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ozone
dioxane
treatment
water
treated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009036817A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010188306A (ja
Inventor
真哉 田坂
久倫 鳥居
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Precision Products Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Precision Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Precision Products Co Ltd filed Critical Sumitomo Precision Products Co Ltd
Priority to JP2009036817A priority Critical patent/JP5268699B2/ja
Publication of JP2010188306A publication Critical patent/JP2010188306A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5268699B2 publication Critical patent/JP5268699B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Treatment Of Biological Wastes In General (AREA)
  • Activated Sludge Processes (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Description

本発明は、廃水中に含まれる1,4−ジオキサン(以下に単にジオキサンという)を分解処理するジオキサン分解方法、及びこれを用いた水処理方法に関し、更に詳しくは、オゾン処理を用いたジオキサン分解方法、及びこれを用いた水処理方法に関する。
ペットボトルなどのポリエチレン系の製品を製造する際の廃水中に含まれる化学物質の一つとしてジオキサンがある。このジオキサンは主に溶剤として使用されるため、他の多くの化学製品を製造する工程から排出される廃水中にも含まれており、当然のことながらジオキサンを製造する工程から生じる廃水中にも含まれている。
これまで、ジオキサンは有害物質として認定されておらず、また難分解性物質でもあるため、廃水処理にあたって分解処理の対象から外されていることが多かったが、最近その有害性が知られるようになり、分解処理の必要性が指摘され始めた。ジオキサンが難分解性物質であるのは、活性炭吸着性が悪いために吸着法での除去が難しいこと、BOD値が極端に低く生物処理が困難なこと、水溶性が高いために凝集沈殿でも除去されないことなどによる。
被処理水中のジオキサンの分解に有効な方法の一つは、オゾンによる酸化分解処理であるが、オゾン処理に過酸化水素処理、紫外線処理の1以上を組み合わせたAOP処理と呼ばれる促進酸化処理は、更に有効な方法とされ、AOP処理によるジオキサン分解方法の改良が各方面で進められている(特許文献1、2)。
しかしながら、AOP処理はオゾン単独処理と比べて本質的に高価である。工業廃水中のジオキサンの分解処理では廃水量が多いため、設備コスト及びランニングコストが大きな経済的負担となる。
特開2005−058854号公報 特開2005−103401号公報
本発明の目的は、被処理水に含まれるジオキサンを効率的、経済的に分解処理できるジオキサン分解方法、及びこれを用いた効率的、経済的な水処理方法を提供することにある。
本発明者らは、以前より廃水中の有機物質のオゾンによる分解処理、AOP分解処理についての研究を続けており、今回、ジオキサンを含む廃水に対してこれらの処理を行ったときの各種現象について詳細に調査した。その結果、以下のような興味ある事実が認められた。
図8(a)はジオキサンを約60mg/L含む被処理水に対してオゾン単独処理、AOP処理(オゾン処理+紫外線処理)を行った場合のオゾン注入量と処理水中のジオキサン濃度との関係を示すグラフ、図8(b)はその場合のオゾン消費量と処理水中のジオキサン濃度との関係を示すグラフである。オゾン注入は処理槽内の散気装置により行った。
図8(a)から分かるように、オゾン単独処理の場合、オゾンを多量に注入しても処理水中のジオキサン濃度を10mg/L以下に下げることはできない。これに対し、AOP処理の場合は多量のオゾン注入により処理水中のジオキサン濃度は10mg/L以下に下がり、オゾン注入量の更なる増加により、処理水中のジオキサン濃度を5mg/L以下とすることも可能である。従来から知られている通りである。しかし、オゾン消費量で両者を比較すると、図8(b)から分かるように、オゾン単独処理とAOP処理との間でジオキサン分解効率に大差ない。むしろ、オゾン単独処理の方がジオキサン分解効率が高い傾向が見られる。
これから分かることは、オゾン単独処理であっても、被処理水中のジオキサンに対してオゾンを効果的に反応させれば、AOP処理と同等かそれ以上の分解効果を得ることができるということである。以上が第1の興味ある事実である。
第2の興味ある事実は、ジオキサンを含む被処理水をオゾンで処理すると、オゾン単独処理の場合もAOP処理の場合も、副生物として主にエチレングリコール(EG)が発生し、その結果として処理水中の有機物濃度が上昇することである。ここで重要なのは、エチレングリコールに対する反応効率は、オゾン単独処理よりAOP処理の方が高いということである。これは次のことを意味する。
ジオキサンを含む被処理水に対してAOP処理を行うと、被処理水中のエチレングリコールが分解されるのは事実であるが、同時に、副生するエチレングリコールの分解にもオゾンが多く消費され、ジオキサンの分解に使用されるオゾンの量は想像されるほどには多くない。図8(a)と図8(b)の比較からは、AOP処理の場合のオゾン消費率が高く、無効オゾンの発生量が少ないことが分かるが、その実態は必ずしもオゾンがジオキサンの分解に使用されているわけではなく、相当量がエチレングリコールの分解に使用されているのである。
被処理水中の有機物量を表す指標としては、一般的に使用されるTOC(全有機物濃度)よりCODMn(化学的酸素要求量)が適切である。なぜなら、TOCにはジオキサン量も、その分解で副生するエチレングリコール量も含まれるが、CODMnにはジオキサン量は含まれないが、その分解で副生するエチレングリコール量は含まれるからである。すなわち、ジオキサンの分解ではジオキサン濃度が低下し、エチレングリコール濃度が上がるため、TOCは実質変化せず、その反応挙動を把握できないのに対し、CODMnはエチレングリコール濃度の上昇に伴って高くなり、ジオキサン濃度と組み合わせることにより反応挙動を正確に把握できるのである。
また、オゾン処理が酸化反応であることからも、その挙動は酸素要求量であるCODMnに正確に反映される。具体的には、排水中の無機還元剤など、TOCに影響を与えずにオゾンを消費する物質の量的変化などである。
これらの事実から以下の知見が導き出される。AOP処理は確かにジオキサンの分解処理に有効であるが、非効率であり、その処理自体のコストが高いこととあいまって経済性が低い。それよりも、無効オゾンの発生量を少なくしさえすれば、オゾン単独処理でもジオキサンを十分に分解でき、エチレングリコールの分解に消費され難い分、高効率であり、合わせてCODMnの初期値を抑制しておけば、その処理自体のコストが安価であることとあいまって経済性に優れる。また、処理挙動全体を把握するための指標としては、CODMn/ジオキサン濃度を用いる。
ちなみに、オゾン単独処理で無効オゾンの発生量を少なくすること自体は容易である。例えば、散気装置によるオゾンガス注入の場合もエジェクタによるオゾンガス注入の場合も、オゾンガス流量を少なくすればよい。オゾンガス注入量が同一の場合、ガス流量を少なくすることにより被処理水との接触時間が長くなり、ガス気泡も小さくなることにより、被処理水中のジオキサンとの反応性が上り、無効オゾンの発生量が少なくなる。
本発明のジオキサン分解方法はかかる知見を基礎として完成されたものであり、ジオキサンを含む被処理水中のジオキサンを分解処理するジオキサン分解方法であって、ジオキサン濃度が50mg/L以上ジオキサン濃度に対するCODMnの比率(CODMn/ジオキサン濃度)が1以下である被処理水を、オゾン単独処理することにより、ジオキサン濃度を10mg/L以下に低下させると共に、CODMn初期値の70%以上に維持するものである。
また、本発明の水処理方法は、ジオキサンを含む被処理水の処理方法であって、本発明のジオキサン分解方法におけるオゾン単独処理の前に、被処理水のCODMn/ジオキサン濃度が1以下となるように、被処理水中の有機物を生物処理により分解除去し、前記オゾン単独処理の後に被処理水中に残留する有機物を再び生物処理により分解除去するものである。
本発明のジオキサン分解方法の特徴は、被処理水中のジオキサンの分解処理にオゾン単独処理を用いること、オゾン単独処理前の被処理水中の有機物濃度(CODMn)を下げておくこと、この状態で、オゾン単独処理を反応性よく行うことによりジオキサン濃度は大きく下がるが、CODMnはそれほど下げず、基本的に初期値を維持することである。これにより、AOP処理より経済性の高いオゾン単独処理により、しかも、そのAOP処理より少ないオゾン使用量でのジオキサンの分解が可能となる。
本発明のジオキサン分解方法において、被処理水中のジオキサン初期濃度を50mg/L以上とする理由は、ジオキサンの初期濃度が低いとAOP処理との差異が小さく、本発明の優位性が明確にならない点にある。ジオキサン初期濃度の上限については、本発明の優位性の点からは特に規定の必要がないが、ジオキサンは揮発物質であり、被処理水中のジオキサン初期濃度が余りに高いと処理での揮散が問題になる。この点から、ジオキサン初期濃度の上限としては1000mg/L以下が望ましい。
ジオキサン初期濃度に対するCODMn初期値の比率(CODMn/ジオキサン濃度)を1以下とするのは、ジオキサン濃度に比してCODMnが高すぎると、オゾンがジオキサン以外の有機物の分解処理に消費され、ジオキサンの分解に寄与するオゾン比率が低下し、処理効率が低下するからである。CODMnの初期値は低いほどよいが、CODMnの初期値を低下させるためには生物分解処理等による前処理工程での負担が増加する。この観点から、この比率の下限については0.1以上が望ましい。
オゾン単独処理では、被処理水中のジオキサン濃度を10mg/L以下にし、好ましくは5mg/L以下にする。このために、散気装置によるオゾン注入でもエジェクタによるオゾン注入でも、オゾン濃度が80g/m3 N以上の高濃度オゾンを使用し、ガス流量を絞る。これらによりオゾンの利用率を高め、無効オゾンの発生を抑制する。オゾンの利用率さえ高めれば、ジオキサン分解に対してはオゾン処理もAOP処理と遜色ない〔図8(b)〕。むしろ、ジオキサン分解に伴って副生するエチレングリコールに対する反応性が低いために、ジオキサン分解に寄与するオゾン比が高く、同等の分解結果を得るのに必要なオゾン使用量(オゾン注入量)が減少する。また、オゾン使用量(オゾン注入量)を同等とすれば、AOP処理よりも処理水中のジオキサン濃度を低くすることができる。
オゾン単独処理後のCODMnの初期値に対する比率は、エチレングリコール分解、ジオキサン分解に寄与するオゾン比の指標であり、処理後のジオキサン濃度が10mg/L以下を満足しているとの前提の下では、これが高いほど好ましく、本発明のジオキサン分解方法ではこれを70%以上とし、100%以上とするのが好ましい。この比率が70%未満になれば、エチレングリコールの分解に寄与するオゾン比が高くなり、ジオキサン分解に寄与するオゾン比が低下することにより、オゾン使用量(オゾン注入量)が必要以上に増加し、経済性が低下する。
オゾン単独処理の後は処理水中の有機物を分解処理するために生物処理を行うのがよい。生物処理ではジオキサンは分解されないが、エチレングリコールなどの有機物は簡単に分解処理され、CODMnを目標値まで下げることができる。同様に、オゾン処理前の被処理水のCODMn/ジオキサン濃度を1以下とするために、被処理水中の有機物を生物処理により分解除去するのがよく、両処理を同一処理部で兼用する設備構成が特に好ましい。両方の有機物除去処理部を兼用するためにも、それぞれの有機物除去法は生物処理法が好ましい。
本発明のジオキサン分解方法、及びこれを用いた本発明の水処理方法は、従来、高コストなAOP処理により分解していたジオキサンを、AOP処理より低コストなオゾン単独処理により、しかもAOP処理の場合よりも少量のオゾンでAOP処理と同等若しくはそれ以上のレベルまで分解処理することができる。したがって、本発明のジオキサン分解方法、及びこれを用いた本発明の水処理方法は経済性に非常に優れる
本発明のジオキサン分解方法の実施に適したオゾン処理部の構成図である。 本発明のジオキサン分解方法の実施に適した別のオゾン処理部の構成図である。 本発明の水処理方法を実施するのに適した水処理設備の構成図である。 オゾン注入量と処理水におけるジオキサン濃度・有機物濃度との関係を、AOP処理(従来例)について示すグラフである。 オゾン注入量と処理水におけるジオキサン濃度・有機物濃度との関係を、オゾン単独処理(比較例)について示すグラフである。 オゾン注入量と処理水におけるジオキサン濃度・有機物濃度との関係を、オゾン単独処理(本発明例)について示すグラフである。 オゾン注入量と処理水中のジオキサン濃度との関係を、AOP処理(従来例)、オゾン単独処理(比較例)及びオゾン単独処理(本発明例)について示すグラフである。 (a)はジオキサンを含む被処理水に対してオゾン単独処理、AOP処理(オゾン処理+紫外線処理)を行った場合のオゾン注入量と処理水中のジオキサン濃度との関係を示すグラフ、(b)はその場合のオゾン消費量と処理水中のジオキサン濃度との関係を示すグラフである。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すオゾン処理部は、バッチ式のジオキサン分解方法に使用されるものであり、被処理水を収容する気密式のオゾン注入槽10と、オゾン注入槽10内の被処理水を循環させるために、その被処理水を槽下部から抜き出して槽上部へ再注入する循環ポンプ11とを備えている。
オゾン注入槽10は、槽内下部に散気管12を装備している。散気管12からは、オゾン発生装置13で発生させたオゾンガスが、オゾン濃度計14、ガス流量計15を介して多数の微細気泡として吐出され、オゾン注入槽10内の被処理水に注入される。このオゾン注入槽10は、気液分離槽を兼ねており、オゾン注入槽10の上部からは、反応に使用されなかった無効オゾンを含む排オゾンガスが、オゾン濃度計16、排オゾン分解器17を介して外部へ排出される。
操業では、ジオキサンを50mg/L以上含む原水(廃水)を前処理として、図示されない生物処理部にて生物処理する。これにより、ジオキサンを50mg/L以上含み、有機物濃度がCODMn/ジオキサン濃度で1以下に調整された被処理水を得る。そして、この被処理水を前記オゾン処理部のオゾン注入槽10内に収容し、循環ポンプ11を作動させながら、散気管12からオゾンガスを吐出する。
循環ポンプ11の作動により、オゾン注入槽10では、槽上部から槽内に被処理水が導入され、槽下部から槽外へ排出される。これにより、オゾン注入槽10における被処理水は下降流となる。一方、オゾンガスは、槽内下部の散気管12から槽内の被処理水中に多数の微細気泡として注入され、槽内を上昇する過程で被処理水と向流接触する。
ここで重要なのは、オゾンと被処理水中のジオキサンとの反応性を高めることであり、このために散気管12へ供給するオゾンガスの流量を少なくする。前述した被処理水とオゾンガスの向流接触、被処理水の循環も、この反応性の向上に寄与する。また、オゾンガス流量を制限した条件下でオゾン注入量を確保するために、処理時間を通常より長くする。処理時間に比例してオゾン注入量が増大する。
オゾン注入槽10内での被処理水とオゾンガスとの効率的接触によるオゾン処理により、被処理水中のジオキサン濃度が分解され、10mg/L以下になる。オゾン注入槽10でのオゾン処理だけでは、副生するエチレングリコールに対して分解効率か低いため、被処理水中のCODMnは初期値に対してそれほど下がらない。ここにおけるCODMnを初期値の70%以上、好ましくは100%以上に止めておくことがオゾンの有効利用の点から重要である。
こうしてオゾン単独処理を終えた被処理水は、オゾン注入槽10から生物処理部に送られ、ここでオゾン処理後に残る有機物が目標レベル以下に分解除去される。
かくして、ジオキサン濃度が10mg/L以下、好ましくは5mg/L以下に制限され有機物濃度も十分に減少した処理水を得ることができる。
図2に示したオゾン処理部は、図1に示したオゾン処理部と同様にバッチ処理に使用されるものであり、図1に示したオゾン処理部とはオゾン注入法が相違している。
本オゾン処理部では、被処理水が循環ポンプ11によりエジェクタ18、気液分離槽19に循環する。オゾン発生装置13で発生させたオゾンガスが、オゾン濃度計14、ガス流量計15を介してエジェクタ18に供給されることにより、エジェクタ18を通過する被処理水中にオゾンガスが多数の微細気泡の状態で注入される。オゾンと被処理水中のジオキサンとの反応性を高めるために、エジェクタ18へ供給するオゾンガスの流量を少なくすることは前述したとおりである。
気液分離槽19からは、反応に使用されなかった無効オゾンを含む排オゾンガスが、オゾン濃度計16、排オゾン分解器17を介して外部へ排出される。
操業では、前処理により被処理水中の有機物量をCODMn/ジオキサン濃度で1以下に調整する。その被処理水を気液分離槽19に収容し、エジェクタ18に循環させることによりオゾンガスを注入する。これにより、被処理水中のジオキサン濃度が分解され、10mg/L以下になる。オゾン処理だけでは、副生するエチレングリコールに対して分解効率が低いため、被処理水中の有機物濃度は初期濃度(原水中のジオキサン濃度)に対してそれほど下がらない。ここにおけるCODMnを初期値の70%以上、望ましくは100%以上に止めておくことの重要性は、図1に示したオゾン処理部の場合の同じである。
こうしてオゾン単独処理を終えた被処理水は、気液分離槽19から生物処理部に送られ、ここでオゾン処理後に残る有機物が目標レベル以下に分解除去される。
かくして、ジオキサン濃度が10mg/L以下、好ましくは5mg/L以下に制限され、有機物量も十分に減少した処理水を得ることができる。
図3に示した水処理設備は、ジオキサンを含む原水(廃水)を連続処理する連続式であり、被処理水を循環ポンプ40によりオゾン注入槽10、生物処理槽20、沈殿処理槽30に循環させる構成になっている。
オゾン注入槽10は、図1に示したオゾン処理部のオゾン注入槽10と同一であり、他の構成も被処理水が循環ポンプ40によって生物処理槽20、沈殿処理槽30を経由して循環することを除き同一である。同一部分には同一番号を付して説明を省略する。
生物処理槽20は、被処理水中の有機物を微生物により分解処理する処理槽である。生物処理槽20内には、オゾン注入槽10から排出されるオゾン処理後の被処理水と共に、ジオキサンを含む廃水等の原水が下部から導入される。すなわち、この生物処理槽20は、オゾン処理の後処理としての生物処理槽と、オゾン処理の前処理として原水中の有機物量を減少させる有機物量調整用の生物処理槽とを兼ねている。
沈殿処理槽30は、被処理水中の固形物を沈殿分離するものである。上澄み水の一部は処理水として外部へ導出され、残りは循環ポンプ40によりオゾン注入槽10へ上部から導入される。
操業では、循環ポンプ40の作動により、被処理水がオゾン注入槽10、生物処理槽20、沈殿処理槽30を循環する。また、ジオキサンを50mg/L以上含む原水が生物処理槽20内に導入され、その一方で処理を終えた処理水が沈殿処理槽30から外部へ排出される。原水は生物処理槽20内での生物処理により有機物を分解除去される。これにより、オゾン注入槽10に導入される被処理水中の有機物濃度が、CODMn/ジオキサン濃度で1以下に管理される。その被処理水中のジオキサン濃度は50mg/L以上である。
オゾン注入槽10では、前述したとおり、槽上部から槽内に被処理水が導入され、槽下部から槽外へ排出される。これにより、オゾン注入装置10における被処理水は下降流となる。一方、オゾンガスは、槽内下部の散気管12から槽内の被処理水中に多数の微細気泡として注入され、槽内を上昇する過程で被処理水と向流接触する。ここで重要なのは、オゾンと被処理水中のジオキサンとの反応性を高めることであり、このために散気管12へ供給するオゾンガスの流量を少なくする。
オゾンガス流量を制限した条件下でオゾン注入量を確保するためには、被処理水の循環量及び処理水の排出量を調整する。すなわち、被処理水の循環量を多くし、処理水の排出量を少なくすれば、オゾン注入量を多くすることができ、反対に被処理水の循環量を少なくし、処理水の排出量を多くすれば、オゾン注入量を少なくすることができる。
被処理水の循環により、オゾン注入槽10では被処理水とオゾンガス気泡の向流接触が繰り返されることにより、被処理水中のジオキサン濃度が10mg/L以下になる。オゾン注入槽10でのオゾン処理だけでは、副生するエチレングリコールに対して分解効率が低いため、被処理水中の有機物濃度は初期濃度(原水中のジオキサン濃度)と比べてそれほど下がらない。ここにおけるCODMnを初期値の70%以上、望ましくは100%以上に止めておくこと、及びCODMn/ジオキサン濃度を5以下に止めおくことがオゾンの有効利用の点から重要である。
オゾン処理後に残る有機物は、下流側の生物処理槽20に処理水が循環することにより、目標レベル以下に分解除去される。
かくして、処理水中のジオキサン濃度が10mg/L以下、好ましくは5mg/L以下に制限され、有機物量も十分に減少した処理水を得ることができる。
なお、本水処理設備では、オゾン注入槽10だけでなく、生物処理槽20にも被処理水が循環するので、オゾン注入槽10から排出される被処理水中のCODMnは徐々に低下する。本水処理設備でのオゾン処理後のCODMnは、生物処理槽20に被処理水が循環することによるCODMnの低下を差し引いて算出した値であり、これが初期値の70%以上、望ましくは100%以上ということである。
図3に示した水処理設備では、被処理水へのオゾン注入に図1に示した散気方式を採用したが、図2に示すエジェクタ方式を用いることもできる。
図1に示す構成の実験用オゾン処理部を使用してオゾン注入量と処理水におけるジオキサン濃度・有機物濃度との関係を、AOP処理(従来例)、オゾン単独処理(比較例、本発明例)について調査し、本発明の効果を検証した。オゾン消費量は、オゾン濃度計14,16により測定されたオゾン濃度差、及びガス流量計15により測定されたオゾンガス流量から求めた。
共通条件として、被処理水のジオキサン初期濃度は約60mg/L、CODMnの初期値は約60mg/Lで、ジオキサン初期濃度より若干低い。すなわち、CODMn/ジオキサン濃度は1以下である。被処理水量は7L、被処理水の循環量は5L/min、オゾンガスのオゾン濃度は100g/m3 Nとした。
従来例であるAOP処理では、オゾン注入槽内にUVランプ(120W)をセットし、ガス流量は1L/minとした。比較例であるオゾン単独処理ではUVランプを外し、ガス流量は従来例であるAOP処理と同じ1L/minとした。本発明例であるオゾン単独処理では、ガス流量を比較例の半分の0.5L/minとした。AOP処理(従来例)の結果を図4に、オゾン単独処理(比較例)の結果を図5に、オゾン単独処理(本発明例)の結果を図6にそれぞれ示す。また、それぞれの場合におけるオゾン注入量と処理水中のジオキサン濃度との関係を図7を示す。
なお、各グラフにおける横軸のオゾン注入量、オゾン消費量は、本実験での最大量に対する比率で表した。
図4に示すAOP処理(従来例)の場合、オゾン注入量の増加に伴って被処理水中のジオキサン濃度が低下し、最大注入量の1/2量で20mg/L強、最終的に10mg/L以下、具体的には3mg/Lとなった。CODMnは少量のオゾン注入で増加し、最大オゾン注入量の1/2量で最大値(初期濃度の約1.5倍)に到達した後は、注入量の増加に伴って激減し、最大オゾン注入量で約30mg/L(初期値の約50%)となった。少量のオゾン注入でCODMnが増加するのはエチレングリコールの発生によるものと考えられる。
図5に示すオゾン単独処理(比較例)の場合、オゾンガス流量がAOP処理(従来例)の場合と同じ1L/minである。オゾン注入量を最大量としても、処理水中のジオキサン濃度は10mg/L以下にならない。CODMnはエチレングリコールの発生により増加し続ける。
図6に示すオゾン単独処理(本発明例)の場合は、ジオキサン濃度の低下傾向がAOP処理(従来例)の場合よりも更に顕著であり、オゾン注入量が最大注入量の1/2量で20mg/L弱、最終的に10mg/L以下、具体的には1mg/Lとなった。今一つ注目すべきは、CODMnが、最大オゾン注入量の場合でも初期値である60mg/Lより高く、具体的には初期濃度の1.5倍の90mg/L程度となっていることである。これは、オゾンがジオキサンの分解に有効であると共に、そのオゾンが、副生するエチレングリコールの分解に使用されず、ジオキサンの分解に集中的に作用していること意味する。オゾン単独処理(本発明例)の優位性は図7から、より明らかである。
前出の図8(a)は、図7中のAOP処理及びオゾン単独処理(比較例)を抜き出して示したものである。
10 オゾン注入槽
11 循環ポンプ
12 散気管
13 オゾン発生装置
14,16 オゾン濃度計
15 ガス流量計
17 排オゾン分解器
18 エジェクタ
19 気液分離槽
20 生物処理槽
30 沈殿処理槽
40 循環ポンプ

Claims (3)

  1. ジオキサンを含む被処理水中のジオキサンを分解処理するジオキサン分解方法であって、ジオキサン濃度が50mg/L以上ジオキサン濃度に対するCODMnの比率(CODMn/ジオキサン濃度)が1以下である被処理水を、オゾン単独処理することにより、ジオキサン濃度を10mg/L以下に低下させると共に、CODMn初期値の70%以上に維持するジオキサン分解方法。
  2. ジオキサンを含む被処理水の処理方法であって、請求項1に記載のジオキサン分解方法におけるオゾン単独処理の前に、被処理水のCODMn/ジオキサン濃度が1以下となるように、被処理水中の有機物を生物処理により分解除去し、前記オゾン単独処理の後に被処理水中に残留する有機物を再び生物処理により分解除去する水処理方法。
  3. 請求項2に記載の水処理方法において、オゾン単独処理前の生物処理部とオゾン単独処理後の生物処理部とを兼用する水処理方法。
JP2009036817A 2009-02-19 2009-02-19 ジオキサン分解方法及びこれを用いた水処理方法 Active JP5268699B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009036817A JP5268699B2 (ja) 2009-02-19 2009-02-19 ジオキサン分解方法及びこれを用いた水処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009036817A JP5268699B2 (ja) 2009-02-19 2009-02-19 ジオキサン分解方法及びこれを用いた水処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010188306A JP2010188306A (ja) 2010-09-02
JP5268699B2 true JP5268699B2 (ja) 2013-08-21

Family

ID=42814945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009036817A Active JP5268699B2 (ja) 2009-02-19 2009-02-19 ジオキサン分解方法及びこれを用いた水処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5268699B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5548633B2 (ja) * 2011-02-07 2014-07-16 株式会社日立製作所 1,4−ジオキサン含有廃水の処理方法及び処理装置
JP2014097472A (ja) * 2012-11-15 2014-05-29 Swing Corp 有機性廃水の処理方法及び処理装置
JP2014188506A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 活性汚泥の馴養方法、廃水処理方法、及び排水処理システム
CN107720927A (zh) * 2017-10-17 2018-02-23 上海市政工程设计研究总院(集团)有限公司 一种臭氧催化氧化及尾气综合利用系统
JP7229486B2 (ja) * 2020-08-03 2023-02-28 株式会社鴻池組 1,4-ジオキサン含有水の処理方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3787745B2 (ja) * 1999-01-18 2006-06-21 株式会社荏原製作所 内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含有する有機汚水の処理方法および装置
JP2001212586A (ja) * 2000-02-01 2001-08-07 Ebara Corp 内分泌撹乱物質又は発ガン性物質を含有する汚水の処理方法
JP2005058854A (ja) * 2003-08-08 2005-03-10 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd 廃水処理方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010188306A (ja) 2010-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhang et al. Combination of ozonation and biological aerated filter (BAF) for bio-treated coking wastewater
US20130140232A1 (en) Method and system for ozone vent gas reuse in wastewater treatment
JP5268699B2 (ja) ジオキサン分解方法及びこれを用いた水処理方法
BRPI0716961B1 (pt) Métodos para tratar água residual em uma instalação de tratamento de água residual, e para reduzir a formação de espuma ou intumescimento de água residual em uma bacia de lodos ativados
KR101328532B1 (ko) 미세기포 오존 기반 고도산화처리공정 및 생물여과공정의 혼성공정을 이용한 하폐수 고도처리장치 및 방법
JP2009056364A (ja) 配管型の水処理装置
KR20080079430A (ko) 복합 고급산화공정을 이용한 방향족 카르복실산 함유 폐수처리 장치
WO2018083900A1 (ja) 水処理装置、水処理システム及び水処理方法
KR20130069447A (ko) 폐수 중의 1,4-디옥산의 처리 방법 및 그 장치
JP4684064B2 (ja) 促進酸化水処理方法および装置
Thanh et al. Removal of non-biodegradable organic matters from membrane bioreactor permeate by oxidation processes
CN102583695B (zh) 一种实现微污染水处理的臭氧联合双氧水系统
KR101208683B1 (ko) 생활용수와 염수의 재활용 장치 및 방법
JP2010058078A (ja) 水処理方法及びそれに用いる水処理システム
KR101071709B1 (ko) 광-펜턴 산화에 의한 1,4-다이옥산 제거 장치 및1,4-다이옥산 제거 방법
JP3788716B2 (ja) 有機性廃水の処理方法及び処理装置
JP3697933B2 (ja) オゾンによる水処理方法及び装置
CN103864265A (zh) 一种含酚煤制气废水的组合处理方法
KR100330361B1 (ko) 수처리를 위한 배출오존의 재이용장치 및 방법
JP5930798B2 (ja) 有機排水の処理方法および装置
JP2016036744A (ja) N2o過飽和水法によるn2o分解処理システム
JP2010075872A (ja) 排水処理方法および装置
JP2001029966A (ja) 内分泌攪乱物質又は発癌性物質を含有する有機性廃水の処理方法及び処理装置
JPH11347576A (ja) 水処理方法及び水処理装置
CN104671389A (zh) 废水的臭氧氧化处理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5268699

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250