JP5264729B2 - 動物用食物組成物を設計するための方法およびシステム - Google Patents

動物用食物組成物を設計するための方法およびシステム Download PDF

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Description

関連出願の引照
[0001] 本出願は米国特許出願No.11/469,565(2006年9月1日出願)に基づく優先権を主張する;これは米国特許出願No.11/366,655(2006年3月2日出願)の一部継続出願であって、米国特許出願No.60/657,980(2005年3月2日出願)に基づく優先権を主張する;これらの開示内容を本明細書に援用する。
技術分野
[0002] 本発明は一般に動物の栄養に関するものであり、特に特定の動物亜集団の健康およびウェルネスを増進する食物組成物を含めた動物用食物組成物を設計するための方法およびシステムに関する。
[0003] 動物の食事に適切な濃度で含有させた場合に動物のウェルネスを増進する生物活性食事成分(bioactive dietary component)(BDC)は周知であり、現在ではペットフード製品およびサプリメントに一般的に含有されている。そのようなBDCの例には、アミノ酸、単純および複合糖類、ビタミン、補因子、酸化防止剤、オメガ−3脂肪酸、各種の植物製剤などが含まれる。イヌやネコのウェルネスにBDCが果たす役割の一部の理解が最近進んだことと合わせて、新たなBDCが見いだされたことにより、種々の類の動物の特定の要求および特定の健康状態または疾病状態に合わせて設計された、またはそのように宣伝している市販ペットフード製品が増加した。
[0004] 逆説的に、自分のペットに最適な栄養を与えるペットフード製品があったとしても、イヌやネコの飼い主がそれを選択するのはこの増加によってより容易になったわけではない。多くの動物に複数または複雑なウェルネス問題があり、他の問題に対処せずに、ある問題、たとえば肥満症または糖尿病に給餌計画を絞ると、その動物の全般的なウェルネスおよび生活の質を損なう可能性がある。
[0005] ペットフードの選択問題を単純にするために、さまざまな試みがなされている。たとえばドッグフードの場合、子犬、成犬および成熟犬;活動的なイヌおよび非活動的なイヌ;小型品種および大型品種のイヌなどのための処方が以前からある。
[0006] 食品を特定の動物に対して特注生産するための方法も提唱されている。たとえばU.S. Patent No.6,493,641は、ペットの飼い主がエレクトロニクスインターフェースを介して個々のペットプロフィールを提供すること(たとえばアンケートに回答して)、および生体試料(たとえば唾液、糞便または毛)を提出することを提唱し;こうして提供された情報からそのペットのための特注食物処方を作成すると述べている。
[0007] Swanson et al. (2003) J. Nutr. 133, 3033-3040は、イヌやネコの機能性ゲノミクスが重要な研究領域として現われ、イヌやネコのゲノムマップなどの供給源を”栄養ゲノミクスおよびプロテオミクスの分野に適用して、代謝についての我々の理解を高め、愛玩動物の栄養健康状態を最適化することができる”と予測した。同文献p. 3033, Abstract。その著者らはさらに、”ライフステージの異なるイヌやネコの栄養要求を判定する際、多様な疾病状態を予防および治療する際、ならびにペットフード市場に進入しつつある多数の機能性成分および植物性サプリメントを試験する際に、栄養ゲノミクス、プロテオミクスおよびメタボロミクスは重要になる”と予測した。同文献p. 3038。
[0008] 栄養要求は、これまで主に種々の組成物を規定のプロトコルに従って動物グループに給餌することを伴う経験的研究により確立されている。そのような研究から得られたデータは技術を著しく進歩させたが、個体動物として規定される亜集団を含めて、遺伝子型、表現型または両方の組合わせにより決定される特定の動物亜集団のウェルネス要求を満たすペットフードを設計するための改良法が依然として求められている。
[0009] 多様な観点(aspect)において本発明は、重要な構成要素が動物、特にネコやイヌなどの愛玩動物の機能性ゲノムプロフィール(functional genomic profile)(FGP)に関する情報の処理である、一連の方法およびシステムを提供する。
[0010] 1観点において本発明は、動物亜集団のための食物組成物を選択する方法を提供する。この方法は、(a)動物からのバイオフルイド(biofluid)または組織試料のFGPを動物の生理的状態および場合により遺伝子型に関連づける第1データセットを含む、少なくとも1つのデータベースにアクセスし;(b)FGPに対するBDCの影響に関連する第2データセットを含む、少なくとも1つのデータベースにアクセスし;そして(c)第1および第2データセットをドローイングする第1アルゴリズムを用いることにより、その亜集団の生理的状態および場合により遺伝子型を規定する入力データを処理して、動物亜集団のための食物組成物を選択および調製するのに有用な栄養処方を導出することを含む。1態様において、この方法はさらに、この栄養処方に基づいて食物組成物を調製することを含む。他の観点において、本発明はこの方法で調製した食物組成物を提供する。この方法、栄養処方および食物組成物は、その亜集団の1以上の動物のウェルネスを増進し、および/または疾病を予防もしくは治療するのに有用である。
[0011] 他の観点において、本発明は動物亜集団の栄養処方を設計するためのコンピューター援用システムを提供する。このシステムは、1ないし複数のユーザーインターフェース接続可能媒体上に、(a)動物からのバイオフルイドまたは組織試料のFGPを動物の生理的状態および場合により遺伝子型に関連づける第1データセット;(b)FGPに対するBDCの影響に関連する第2データセット;ならびに(c)第1および第2データセットをドローイングしながら、その亜集団の生理的状態および場合により遺伝子型を規定する入力データを処理して亜集団の1以上の動物のウェルネスを増進する栄養処方を導出することができる第1アルゴリズムを含む。
[0012] 関連する1観点において、本発明は動物亜集団のための栄養処方を設計する方法を提供する。この方法は、前記のコンピューター援用システムにアクセスして、その第1アルゴリズムにより亜集団の1以上の動物のウェルネスを増進する栄養処方を導出することを含む。
[0013] 他の観点において、本発明は亜集団のメンバーである動物対象のウェルネスを増進する方法を提供する。この方法は、(a)動物からのバイオフルイドまたは組織試料のFGPを動物の生理的状態および場合により遺伝子型に関連づける第1データセットを含む、少なくとも1つのデータベースにアクセスし;(b)FGPに対するBDCの影響に関連する第2データセットを含む、少なくとも1つのデータベースにアクセスし;(c)第1及び第2データセットをドローイングする第1アルゴリズムを用いることにより、その亜集団の生理的状態および場合により遺伝子型を規定する入力データを処理して、亜集団の1以上の動物のウェルネスを増進する栄養処方を導出し;(d)こうして導出した栄養処方に基づいて食物組成物を調製し;そして(e)その対象にこの食物組成物を与えることを含む。
[0014] 他の観点において、本発明は、遺伝子型および/または生理的状態により規定できる亜集団のメンバーである動物対象のためのウェルネス食事を処方する方法を提供する。この方法は、(a)動物からのバイオフルイドまたは組織試料のFGPを動物の生理的状態および場合により遺伝子型に関連づける第1データセットを含む、少なくとも1つのデータベースにアクセスし;(b)FGPに対するBDCの影響に関連する第2データセットを含む、少なくとも1つのデータベースにアクセスし;(c)第1及び第2データセットをドローイングするアルゴリズムを用いることにより、その亜集団の生理的状態および場合により遺伝子型を規定する入力データを処理して、亜集団の1以上の動物のウェルネスを増進する栄養処方を導出し;そして(d)こうして導出した栄養処方に基づいてその対象のための食事を処方することを含む。
[0015] 1観点において、本発明は、動物対象、好ましくは愛玩動物対象に使用するための栄養処方を選択する方法を提供する。この方法は、(a)FGPに対するBDCの影響に関連するテストデータセット(本明細書中で時には”第2”データセットと呼ぶ)を含む、少なくとも1つのデータベースにアクセスし;そして(b)テストデータセットをドローイングするアルゴリズム(本明細書中で時には”第1”アルゴリズムと呼ぶ)を用いることにより、その対象に関するベースラインFGPを規定する入力データを処理して栄養処方を導出することを含む。ベースラインFGPが正常な状況では、こうして導出した処方は少なくとも正常FGPの維持を増進し;ベースラインFGPが正常外(extranormal)である状況ではFGPを正常な方向へ移行させる。場合により、この方法はさらに、その対象の遺伝子型および生理的状態それぞれを内包する範囲の遺伝子型および生理的状態をもつ動物について正常および正常外FGPを同定できるサンプルデータセット(本明細書中で時には”第1”データセットと呼ぶ)を含む、少なくとも1つのデータベースにアクセスすることを含む。この場合、入力データの処理に際して、前記アルゴリズムはサンプルデータセットとテストデータセットの両方をドローイングする。
[0016] 他の観点において、本発明は、動物対象、好ましくは愛玩動物対象において、ウェルネス、疾病もしくは生理的障害の状態、または疾病もしくは生理的障害に対する素因を診断する方法を提供する。この方法は、(a)その対象の遺伝子型および生理的状態それぞれを内包する範囲の遺伝子型および生理的状態をもつ動物について正常および正常外の機能性ゲノムプロフィールを同定できるサンプルデータセットを含む、少なくとも1つのデータベースにアクセスし;そして(b)テストデータセットをドローイングするアルゴリズムを用いることにより、その対象に関する機能性ゲノムプロフィールを規定する入力データを処理して診断を導出することを含む。場合により、こうして導出した診断に基づいて対象に治療法または予防法を処方することができる。
[0017] さらに他の観点において、本発明は、コンピューター常駐またはコンピューターに電気的に接続した1ないし複数の媒体を含む、データバンクを提供する。この媒体には、動物種または動物モデルの機能性ゲノムプロフィールを下記のうち少なくとも1つに関連づけるデータが記憶されている:(a)それから機能性ゲノムプロフィールを決定する1以上の組織試料および/またはバイオフルイド試料を提供した動物の生理的状態および場合により遺伝子型、ならびに(b)動物種または動物モデルによる1以上の生物活性食事成分の摂取。この観点によるデータは1ないし複数のデータベースとして構成され、コンピューターを介して機能性ゲノムプロフィールおよび/または生物活性食事成分に関する質問を提示した際に、データベースから質問に対する関連回答中に情報を検索できる。
1.本発明の他の観点は、動物の生理的状態、疾病に対する素因、または動物が処置に応答する能力を推定するための、動物から得られる固形組織の使用に依存しない、より侵襲性の少ない方法を提供する。この方法は、特定の生理的状態(たとえば対照−対−疾病)を伴う動物からバイオフルイドを採取し、その生理的状態を反映するゲノム、プロテオームおよびメタボロームプロフィールを判定し、そして学習アルゴリズム、たとえば限定ではないが重み付き投票法(Weighted Voting)、クラス近接法(Class Neighbors)、K−最近接法(K−Nearest Neighbors)および支援ベクターマシン(Support Vector Machines)を用いて、これらのプロフィール内から、問題となっている種々の生理的状態間で明白に認識および識別できる一群の遺伝子、遺伝子産物または代謝産物を決定することを含む。次いで、この詳細化したプロフィールまたは”クラス予測子”を用いて、動物から得られた固形組織の使用に依存せずに、動物の新規もしくは未知の生理的状態、疾病の素因、または動物が処置に応答する能力を判定することができる。したがって本明細書において、たとえば本発明の1観点には、動物の”生理的”クラスまたは状態、およびその動物が疾病を発症する性向または特定の栄養処置に応答する性向を推定するための、下記を含む方法が含まれるものとする:
a)種々の生理的状態を示す動物または試料の学習セットから得られたゲノム、プロテオームおよび/またはメタボロームデータに、教師付き学習アルゴリズムを適用し;
b)クラス予測法則を決定し;
c)新たな被験試料セットにこのクラス予測法則を適用し;
d)ステップ(c)から得られたクラス予測結果に基づいて、被験試料の所属、したがってその試料を提供した動物の所属を、特定の生理的状態に分類し、または割り当て;そして
e)ステップ(d)の結果を用いて、食事に取り込ませたBDCにより動物を異常な生理的状態から正常な生理的状態にするための手段を決定する。さらにこの方法は、この方法のステップ(e)に記載した処置に対する動物の応答を追跡するためにクラス予測法則を使用することを含む追加ステップ(f)を含むことが考慮される。
[0018] 本発明のさらに他の目的、特徴および利点は当業者に自明であろう。
図1は、たとえば疾病または生理的障害のためFGPが正常状態から正常外状態へ移行すること、および本発明方法の実施によって正常外状態からより正常な状態へ移行することを視覚化するのに役立つ図である。 図2は、(A)BDC介入前と(B)BDC介入後の動物細胞における遺伝子発現、タンパク質の機能および代謝に関与するプロセスの一部を、かなり単純化した図形で示す。 図3は、本発明方法のプロセスフローチャート図である。
[0022] 本発明は、動物、特に愛玩動物、たとえばイヌまたはネコの健康および/または生活状態を改善するための方法および組成物を提供する。
[0023] 動物の栄養および健康はペット飼育の最も重要な観点に含まれる。動物の飼い主の多くにとって、動物がバランスの良い健康な食事を与えられているかを判定するのは難しい。人々は自分自身の個人的な栄養に関してはかなり多くを知るようになってきているが、動物の健康および良好な生活状態に必須である進歩した食事要求の知識は比較的少ない。
[0024] イヌ類(canine)およびネコ類(feline)の食物は、現在ではペットの年齢、体格、身体組成、品種その他の特徴を基準とした配合物を含み、特定の差異、たとえば品種間または品種サイズ間の差異に対処するように設計されている。配合物は、たとえば大型品種のイヌとより小型のイヌにおける成長速度など表現型の差異を基準とすることもできる。たとえばU.S.Patent Nos.5,851,573、6,156,355および6,204,291を参照。
[0025] 大型品種のイヌの成長速度がより大きいことは、急速な筋成長により起きる骨発育不良のため整形外科的障害(たとえば股関節形成異常)をもたらす可能性がある。イヌはきわめて多様な表現型特徴を示す。特定の動物の表現型特徴に基づいて個体動物のためのある配合物が特別に設計された。たとえばU.S.Patent No.6,669,975を参照。
[0026] イヌの品種は伝統的に、ヒトの活動におけるそれらの役割、それらの身体表現型、および歴史的記録に基づいて分類されている。現在、今日の世界で400品種を超えるイヌの記載があり、これらの品種のうち約152がAmerican Kennel Club(AKC) of the United Statesにより識別されている。純粋種のイヌについて350を超える遺伝的障害が記載され、これらの多くは特定の品種、品種タイプまたは遺伝的素因に限定されている。Patterson et al.(1998)J.Am.Vet.Med.Assoc.193(9),1131−1144を参照。これらの多くはヒトの一般的な障害に似ており、それらが特定の品種または品種グループに限定されていることは、特定の形態を作製するために用いられている強引な品種改良計画の結果であると考えられる。
[0027] 最近、ヒトにおいて栄養環境と細胞および遺伝子プロセスとの境界にある新たなゲノム研究分野が現われた。そのようなゲノム研究は、栄養ゲノミクスまたは”ニュートリゲノミクス(nutrigenomics)”と呼ばれる。ニュートリゲノミクスは、たとえば個体の遺伝的素質の発現および/または構造を変化させることにより、食事成分および/または栄養が健康と疾病のバランスにどのように影響するかについて遺伝学的に理解することを追求する。ある食事成分は遺伝子発現を多様に変化させることが示された。たとえば、それらは転写因子または受容体などのタンパク質に対するリガンドとして作用する可能性があり、一次または二次代謝経路で代謝されることにより基質または中間体の濃度を変化させる可能性があり、あるいはシグナル伝達経路に関与する可能性がある。
[0028] 機能性ゲノムプロフィール:本明細書中で用いる用語”表現型”は、生物の遺伝子型により決定される、生物の機能その他の可観測性特徴の全体またはそのいずれかの部分を表わす。用語”遺伝子型”は、生物の遺伝子構成全体またはそのいずれかの部分を表わす。遺伝子型には、染色体内および染色体外の両方に保有される遺伝情報が含まれる。
[0029] 本明細書中で用語”機能性ゲノムプロフィール”は、mRNA、タンパク質および代謝産物の産生および機能を含めて、遺伝子配列の発現の機能的結果の全体またはいずれかの部分を表わす。機能性ゲノムプロフィール(FGP)は、ゲノミクス、プロテオミクスもしくはメタボロミクスによる方法、またはこれらのいずれかの組合わせを用いて確立できる。
[0030] 本発明の目的に関してFGPは、2以上のポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)、ペプチド、タンパク質、代謝産物、バイオマーカー、SNP(特に機能性SNP)またはその組合わせのパターンであると定義することができ、そのようなパターンを動物の生理的状態、または1以上のBDC摂取に対する動物モデルの応答と関連づける。
[0031] ある場合、FGPの全体または部分には、疾病または障害の実際の原因であるかまたはその原因に関与している遺伝子、タンパク質または代謝産物が含まれる。そのような場合、異常の原因であるFGPまたはFGPの部分を指向した療法介入がその異常を処置するのに有効となる可能性がある。
[0032] 他の場合、疾病または障害に原因としては関与していないFGPもなお、その疾病または障害に関連する可能性があるので、そのFGPを療法の前または後に疾病または障害の指標として利用できる。そのような場合、FGPをモニタリングすることにより療法の成功その他を確認できる。
[0033] FGPを構成するゲノム、プロテオームおよび/またはメタボロームデータは、バイオフルイドおよび/または組織試料から、機能性ゲノミクス技術分野で既知のいずれかの技術により得ることができる。機能性ゲノム分析を行なうのに有用な技術の例には、限定ではないが下記の技術が含まれ、これらを個別に、または組み合わせて使用できる:(a)低密度および高密度フォーマットにおける単色および多色の遺伝子アレイおよびタンパク質アレイならびにマイクロアレイ;たとえばガラス、シリカ、プラスチック、膜もしくはビーズなどの支持体またはその組合わせ上におけるもの;たとえばノーザンブロット分析およびウェスタンブロット分析を含む;(b)四重極、飛行時間、四重極イオントラップもしくはフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型の質量分析計またはその組合わせを用いる質量分析法;限定ではないが、マトリックス介助レーザーデソープションイオン化、エレクトロスプレーイオン化、ナノスプレーイオン化および表面増強レーザーデソープションイオン化を含めた多様なイオン源によるもの;(c)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術:シングルおよびマルチプレックスリアルタイムPCR技術を含む;(d)ゲル電気泳動(一次元または多次元):二色2Dゲル法、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)および2D PAGEを含む;ならびに(e)液体クロマトグラフィー(一次元または多次元):単独または質量分析法とのタンデム型。
[0034] FGPは、粗の画像、数値および/またはテキストデータセットから、一般にデータノイズを低減または除去するために基準化および予備処理した後に得ることができる。FGPを認識するために使用できる技術には、限定ではないが、最近接パターン認識、ニューラルネットワーク、隠れマルコフモデル(hidden Markov models)、ベイズネットワーク(Bayesian networks)、遺伝子アルゴリズム、支援ベクターマシン、およびその組合わせが含まれる。
[0035] FGPの利用により、本発明のシステムおよび方法は、これまでに提唱されているゲノムまたは遺伝子型の分析にのみ依存する方法よりはるかに強力になる。生物中の細胞に存在する機能性タンパク質の数は、細胞中の個々の遺伝子を表わすDNA配列の数をはるかに超える。これは、個々の遺伝子配列が1より多い機能性タンパク質を生成する可能性があるという事実による。遺伝子配列は遺伝子座の1又は両方の対立遺伝子において1以上のヌクレオチドの付加、欠失または多型性により修飾される可能性があり、これは個々の遺伝子配列それぞれから1より多いmRNA種を生じることができるオータナティブスプライシング機序によってさらに複雑になり、これによって多種多様な形態のタンパク質が生成する。
[0036] 遺伝子の数と機能性タンパク質の数との明らかな不一致は、タンパク質が1以上の翻訳後修飾により修飾される可能性があるという事実によってさらに複雑になる;これには、タンパク質分解性開裂、リン酸化、グリコシル化、アシル化、メチル化、硫酸化、プレニル化、ビタミンC依存性修飾(たとえばプロリンおよびリシンのヒドロキシル化、ならびにカルボキシ末端のアミド化)、ビタミンK依存性修飾(たとえばグルタミン酸残基のカルボキシル化)、およびセレノシステインの取込みによるセレン含有タンパク質形成が含まれる。
[0037] 動物もしくは動物モデルまたはその組織もしくは細胞のFGPは、”正常”または”正常外(extraordinal)”状態にある可能性がある。”正常”FGPは、本明細書に定めるウェルネスの状態を示す動物にみられるものであり、一般にそのような状態の指標となる。一般に、”正常”FGPは恒常性、すなわちたとえば負のフィードバックにより活性化される体内制御システムから生じる身体機能安定化の傾向に関連する。”正常外”FGPは、”正常”と同定される範囲の外にあるものである。”正常外”FGPは、恒常性の破壊と関連する可能性がある;したがって、しばしば”正常外”FGPは、変動を停止または反転させる介入(たとえば本発明方法による)がなければ、経時的に正常からさらに変動する傾向がある。検査しなければ、正常からのこの進行性変動は最終的に死に至る可能性がある。したがって、”正常外”FGPはしばしば、動物におけるウェルネスと逆の状態、たとえば疾病または生理的障害の状態の指標となる。そのような状態は外見的に顕性である可能性または潜在性(すなわち無症候性)である可能性がある。”正常外”FGPは、ある状況では疾病に対する遺伝性その他の素因の指標となる可能性があり、そのような状況ではFGPをより正常な状態へ移行させること(たとえば本発明方法による)が疾病の阻止または予防に有効な可能性がある。
[0038] 図1は、”正常”FGP”を表わす内側の円14をもつFGPドメイン10を説明のために図面により示す。内側の円14の中心にある小さい領域15は、”最適”または”完全”FGPとみなすことができるが、恒常性およびウェルネス状態は一般に内側の円14により表わされる”正常”範囲内のいずれかのFGPと一致することを強調する。このドメインは、”正常外”FGPを表わす円形帯域12をも備え、この円形帯域12の外側に最外帯域11があり、ここではFGPは正常から著しく離れているため、それを示す細胞または組織は死亡状態にある。図1に内側の円14(”正常”)と円形帯域12(”正常外”)の間の中間または移行帯域13が示すように、”正常”と”正常外”のFGP間に明瞭な分轄線はない。しかし、対象動物が明らかに”正常”でもなく明らかに”正常外”でもない、すなわち移行帯域13にあるFGPをもつことが認められた場合、そのFGPは”正常外”とみなすべきであり、たとえば本発明方法による矯正活動を開始すべきである。
[0039] ベクター21、22、23、24および25は、たとえば動物が疾病または生理的障害の状態に進入または進行するのに伴って起きるFGPの傾向を表わす。ベクター22は、疾病状態から死亡状態への移行を表わす。ベクター26は、健康な状態または”正常”状態から死亡状態への移行を表わす。ベクター26の例には、自動車に衝突するなどの事故で死亡した健康な動物が含まれる。ベクター32、33および34は、”正常外”FGPにおいて本発明の実施により生じる移行を表わす。そのような移行は、少なくともより正常な状態へ向かう方向にあり、継続すればFGPを”正常”状態へ、すなわち図1の内側の円14内へ完全に戻すことができる。FGPが既に”正常”である場合、本発明の実施は必ずしもより正常な状態への移行をもたらさないが、FGPを”正常”範囲に維持する傾向があることに注目されたい。
[0040] クラス予測子(class predictor):用語”クラス予測子”は予測法則を確立するためのゲノム、プロテオームまたはメタボロームプロフィールを表わし、これは、限定ではないが、重み付き投票法、クラス近接法、K−最近接法および支援ベクターマシンなどのアルゴリズムを用いて、予め定めた一群のサンプル(”トレイニングセット”)から教師付き学習法(supervised learning method)により得ることができ、次いでこれを新たなサンプル(”テストセット”)の分類に適用することができる。
[0041] 動物:用語”動物”は、ヒト、または鳥類、ウシ類、イヌ類、ウマ類、ネコ類、ヤギ類、ネズミ類、ヒツジ類およびブタ類の動物を含めた他の動物を意味する。好ましくは、動物は愛玩動物、最も好ましくはイヌ類またはネコ類、たとえばイヌまたはネコである。愛玩動物:本明細書中で”愛玩動物(companion animal)”は、飼い主であるヒトが家庭用ペットとして、または動物の感覚能力に関連する作業もしくは有用な行動特性のために(たとえば猟犬、番犬、牧羊犬、盲導犬など)飼育しているいずれかの種の脊椎動物である。大部分の場合、これらの種は哺乳動物である。本発明の概念において”飼い主(owner)”は、動物の世話、特に給餌に責任をもつ者であって、必ずしもその動物の法的な所有権をもつ必要はなく、したがって、たとえば動物の”飼育者(keeper)”または”保護者(guardian)”または”世話係(caregiver)”であってもよい。本明細書中で”飼い主”は、そのような責任をもつ一人ないし複数の人、たとえば家族のメンバー、またはそのような責任を代行もしくは委託された人もしくは人々であってもよい。愛玩動物を他の多くの状況にある動物と区別する重要な観点は、その食事がほとんどまたは完全に飼い主により供給され、したがって管理できることである。この点で、愛玩動物はたとえば放牧動物または狩猟動物とは異なる。本明細書中で、たとえば本発明方法に従って調製した食物組成物の”最終利用者”は、一般に前記に定めた愛玩動物の飼い主である。
[0042] 特定の態様によれば、種は種全体にわたって表現型およびおそらく遺伝子型の高度の変動を特徴とするものであるが、それには実質的な均一性をもつ複数の品種が含まれる。これはたとえばイエイヌ(Canis familiaris)についてそうであり、イエネコ(Felis catus)を含めた他の種にもかなりの程度該当する。
[0043] 本発明方法は、下記の基準のうち少なくとも1つを満たす特定の動物種または集団に有用である:(a)その動物の食事が飼い主(飼育者または保護者を含む)によってほぼまたは完全に管理されている;ならびに(b)その種または集団に複数の品種が含まれ、それらの品種内では表現型およびおそらく遺伝子型が実質的に均一である;そのような種または集団が一般に”愛玩動物”として認識されているかどうかは関係ない。したがって本発明方法は、特定の農場動物、たとえばニワトリおよびブタ、動物園や公園の外来動物などの栄養管理に有用である。
[0044] 亜集団(subpopulation):本明細書中で”亜集団”は、1つの種の1ないし多数の動物(ただしその種全体よりは少ない)のセットであって、1より多いメンバーの亜集団においてその亜集団のメンバーに共通な遺伝子型および/または生理的状態の1以上の属性により規定できるものである。
[0045] ある態様において、亜集団は少なくとも一部は品種タイプにより規定される。たとえばイヌの場合、多様な品種タイプ、たとえば銃猟犬(gundog)、テリア、トイドッグ、猟犬(hound)、牧羊犬などを識別でき、その各々に多数の品種が含まれる。
[0046] ある態様において、亜集団は少なくとも一部は特定の品種により規定される。たとえば、識別されたイヌの品種(その一部はさらに小分類される)には下記のものが含まれる:アフガンハウンド(afghan hound)、エアデールテリア(airedale)、秋田(akita)、アラスカマラミュート(Alaskan malamute)、バセットハウンド(basset hound)、ビーグル(beagle)、ベルジアンシェパード(Belgian shepherd)、ブラッドハウンド(bloodhound)、ボーダーコリー(border collie)、ボーダーテリア(border terrier)、ボルゾイ(borzoi)、ボクサー(boxer)、ブルドッグ(bulldog)、ブルテリア(bull terrier)、ケアンテリア(cairn terrier)、チワワ(chihuahua)、チャウ(chow)、コッカースパニエル(cocker spaniel)、コリー(collie)、コーギー(corgi)、ダクスフント(dachshund)、ダルマシアン(dalmatian)、ドーベルマン(doberman)、イングリッシュセッター(English setter)、フォックステリア(fox terrier)、ジャーマンシェパード(German shepherd)、ゴールデンレトリーバ(golden retriever)、グレートデーン(great dane)、グレーハウンド(greyhound)、グリフォンブルキセロイス(griffon bruxellois)、アイリッシュセッター(Irish setter)、アイリッシュウルフハウンド(Irish wolfhound)、キングチャールズスパニエル(King Charles spaniel)、ラブラドルレトリーバ(Labrador retriever)、ラサアプソ(lhasa apso)、マスチフ(mastiff)、ニューファンドランド(newfoundland)、オールドイングリッシュシープドッグ(old English sheepdog)、パピリオン(papillion)、ペキニーズ(pekingese)、ポインター(pointer)、ポメラニアン(pomeranian)、プードル(poodle)、パグ(pug)、ロットワイラー(rottweiler)、セントバーナード(St. Bernard)、サルキー(saluki)、サモエード(samoyed)、シュナウツァー(schnauzer)、スコティッシュテリア(Scottish terrier)、シェットランドシープドッグ(Shetland sheepdog)、シーズー(shih tzu)、シベリアンハスキー(Siberian husky)、スカイテリア(Skye terrier)、スプリンガースパニエル(springer spaniel)、ウェストハイランドテリア(West Highland terrier)、ホイッペット(whippet)、ヨークシャーテリア(Yorkshire terrier)など。交雑種(mixed breed)の動物の場合、亜集団は少なくとも一部は繁殖遺伝により規定でき、それは親品種、表現型特徴、遺伝子型評価、または遺伝子マーカー、たとえばSNPを知ることにより確認できる。
[0047] ある態様において、亜集団は少なくとも一部は生理的状態により規定される。本明細書中で用語”生理的状態”は、動物の身体、病理、行動および生化学的属性のいずれか1以上の組合わせを表わし、これには動物の体格、体重、年齢、活動レベル、素因、およびウェルネスまたは疾病の状態が含まれる。生理的状態は動物の遺伝子型と環境の相互作用の産物である。少なくとも一部が生理的状態により規定される亜集団は、品種系統を超越する可能性がある。たとえば亜集団は、抜け毛の著しい成体ネコ、肥満症のイヌ、呼吸器疾患を伴うトイドッグ、大型品種タイプの老犬、腎不全を伴う長毛ネコなどから構成される可能性がある。あるいは、亜集団は一部は生理的状態により規定されるが、1品種もしくは数品種または特定の繁殖遺伝に限定される可能性がある。そのような亜集団の例は、攻撃的なプードル、条虫浸襲を伴うラブラドルレトリーバ、卵巣除去した雌イヌであってビーグルを含む繁殖遺伝をもつものなどである。
[0048] ある態様において、亜集団はきわめて小さく、たとえばメンバーが家族関係にある可能性があり(たとえば1匹の種イヌの子孫、または単一同腹子の子ネコ)、あるいは、ある態様においては個体動物として規定される可能性がある。一連の態様において、亜集団はイヌ類である。他の態様において、亜集団はネコ類である。
[0049] バイオフルイドおよび組織試料:本発明に有用なバイオフルイドまたは組織試料は、ゲノム、プロテオームおよび/またはメタボローム分析を行なうことができるいかなる試料であってもよい。ゲノム分析のためには、試料はDNAを提供しなければならず、これはたとえばPCR法による増幅を必要とする量または必要としない量であってよい。たとえば尿試料の場合にしばしばそうであるように、DNAまたはRNAを含まない試料は、それにもかかわらず有用なプロテオームおよび/またはメタボローム情報を提供することができる。
[0050] サンプリングできるバイオフルイドには、排泄物(糞便および尿)、血液、唾液、羊水などが含まれる。組織試料は、死後に動物の身体のいずれの部分からも得ることができるが、本発明の目的には生存動物から、たとえば生検、外科摘出(たとえば他の目的で行なわれる外科処置中に)、頬スワブ、または数本の毛の引抜きにより得る方が有用である。
[0051] 第1データセット:前記に述べた本発明のシステムおよび方法は少なくとも2つのデータセットを伴い、これらを本明細書中で”第1(またはサンプル)”および”第2(またはテスト)”データセットと呼ぶ。これらのデータセットは一般にディジタル形態で記憶され、1ないし複数のデータベースに組織化され、これらがユーザーインターフェース接続可能媒体、たとえばいずれかのコンピューターまたは周辺メモリーもしくはデータ記憶デバイスに保存される。データベースは”仮想”、すなわち複数の装置のネットワーク接続によってのみ存在するものであってもよい。
[0052] 第1および第2データセットは、単一データベースの部分であってもよく、あるいは個別のデータベース中にあってもよい。後記にさらに詳細に述べる処理のためにデータにアクセスできるならば、第1および第2データセットのいずれか一方または両方を所望によっては1より多いデータベース中に構成してもよい。
[0053] 第1データセット(サンプルデータセット)は、広範な遺伝子型(たとえばイヌ類またはネコ類の品種)および広範な表現型または生理的状態を示す動物から得た多数のバイオフルイドおよび/または組織試料の機能性ゲノム分析から得られたデータを含む;動物には健康な動物(一般に”正常”FGPを示す)および多様な疾病状態の動物(一般に”正常外”FGPを示す)が含まれる。これらのデータは、関係をもって、すなわち機能性ゲノムパラメーターと遺伝子型および表現型の属性とを相関させることができるように構成される。こうして、第1データセットを用いて、このデータセットに内包される遺伝子型および生理的状態をもついずれかの亜集団について機能性ゲノムプロフィール(FGP)を決定することができる。第1データセットの広範性が高まるのに伴って、多数の有益な結果、特に下記の利点を実現することができる:(1)そのデータセットに内包される亜集団の範囲がより包括的になる;(2)特定の亜集団に関するFGPデータがより信頼性のあるものになる;かつ(3)そのデータ中に具体的に表示されていない亜集団に関して推定FGPを開発するために、それらのデータをより大きな信頼性をもって利用できる。
[0054] 第1データセットに反映される各試料の機能性ゲノム分析には、1以上のDNA、RNA(たとえばmRNA)、タンパク質、代謝産物、およびバイオマーカー、たとえば酵素に関する分析が含まれる。
[0055] 推定FGPの開発のためにデータを利用することにつき説明するために、たとえば多様なウェルネスおよび疾病状態にあるボーダーコリーに関する大量の機能性ゲノムデータを含むけれども具体的には膀胱癌の家族歴をもつボーダーコリーおよび骨関節炎の症状を示すボーダーコリーに関するデータが欠如するデータセットについて考えてみる。他の品種における膀胱癌に対する素因および骨関節炎と相関する機能性ゲノムデータがあれば、周知の統計的手法を用いてボーダーコリー、膀胱癌に対する素因、および骨関節炎に関するデータを処理して、目的亜集団について推定または”最良適合”FGPを得ることができる。
[0056] 同様に、アルゴリズムを用いて、交雑種の対象動物のFGPをその交雑種動物の親品種または親品種タイプである純粋種の動物からのデータに基づき推定することができる。したがってある態様において、相関させる機能性ゲノムデータは、異なる品種またはその混合ではあるけれども同一種である動物のFGPに由来するものであってもよい。
[0057] 推定FGPを開発するためのデータは、前記のバイオフルイドおよび/または組織試料の機能性ゲノム分析からのもの以外から得ることができる。たとえばある態様において、データは文献に公表された研究から得ることができる。ある態様において、データは、たとえばウェブサイトを通してアクセスできる公開されたまたは市販のデータバンクから得ることができる。ある態様において、データは対象動物種のゲノムを調査することにより得ることができ、さらに他の態様においては、対象動物以外の種、たとえばヒト、ラットまたはマウスから相同の機能性ゲノムデータを得ることができる。ある態様において、データは対象動物以外の種のゲノムを調査することにより得ることができる。
[0058] 本発明方法が多様な亜集団にわたって有用性をもつためには、第1データセットは広範なものでなければならない。本発明方法を限られた範囲の動物亜集団にのみ適用する予定である場合、比較的小数、たとえば最高で約100の試料から得たデータセットが有用な可能性がある。しかし大部分の目的について、これよりはるかに広範な、約1,000の数量、たとえば約10,000またはそれ以上に及ぶ試料から得たデータセットが望ましい。
[0059] したがって第1データセットは、一連の態様において、目的亜集団をおおまかに内包するけれども必ずしも具体的にその亜集団を含まないある範囲の遺伝子型および生理的状態を代表する多数の動物から採集した試料から得られる。
[0060] ある態様において、第1データセットは、入力データが提出された動物対象の遺伝子型および生理的状態それぞれを内包する範囲の遺伝子型および生理的状態をもつ動物について、正常および正常外FGPを同定することができる。本発明の概念において遺伝子型に関して”内包する(encompass)”という語は、少なくともその対象の品種タイプ、普通はその対象の特定品種の動物、または交雑種対象の場合は類似繁殖遺伝をもつ動物がそのデータセット中に表現されることを意味する。本発明の概念において生理的状態に関して”内包する”という語は、対象の特定の組合わせの生理的状態がそのデータセット内の単一の動物にみられないとしても、個別および全体的に対象と類似の生理的状態をもつ動物がそのデータセット中に表現されることを意味する。同様に、第1データセット中に表現される遺伝子型および生理的状態の範囲は、ある対象の遺伝子型および生理的状態が独立して、単一動物においてではなくともそのデータセット中にみられるならば、本発明においてその遺伝子型および生理的状態を”内包する”とみなされる。
[0061] 個体動物からの各試料が有用であるためには、第1データセットの一部となる出所(provenance)記録を伴わなければならない。出所記録は、試料を採集した時点でのその試料を提供した動物の遺伝子型および生理的状態の決定に関連する動物学的データを含む。
[0062] 本明細書中で用語”動物学的データ”は、定量的または定性的のいずれであっても、バイオフルイドまたは組織試料を提供する動物について収集した、試料そのものについての分析または実験以外の供給源からのあらゆる情報を表わす。動物学的データの供給源には、たとえばアンケートに対する回答として得られた飼い主の知識基盤、過去および現在のウェルネスまたは疾病状態の指標となる獣医学的記録、もしあれば動物の血統、試料採取時点での身体計測値(身長、体重など)などを含めることができる。
[0063] 第1データセットに含まれる動物学的データは、遺伝子型に関する1以上のデータ項目を含むことができる。そのようなデータ項目の例には、限定ではないが、下記のものが含まれる:動物の品種:血統書によるもの、AKCなどの団体により登録されたものなど;分かっていれば血統;交雑種の動物の場合はその動物の繁殖遺伝:その親およびあればそれ以前の世代の祖先の品種を含む;性別;ならびに毛皮のタイプ(たとえば長毛、短毛、剛毛、縮毛、無毛)および色;顕性である遺伝性の状態および障害。
[0064] 第1データセットに含まれる動物学的データは、生理的状態に関する1以上のデータ項目を含むことができる。そのようなデータ項目の例には、限定ではないが、下記のものが含まれる:年齢(暦年齢および判定できれば生理的年齢);体重;体格(たとえば肩までの高さ、足の長さ、背の長さなど);獣医学的病歴;繁殖歴:去勢の有無、回数、同腹子の数を含む;現在のウェルネスまたは疾病状態、およびそれらにおける最近の何らかの変化:診断された何らかの状態または障害、および診断がなされたかどうかにかかわらず何らかの症状を含む;ノミ類を含めた寄生虫の存在;食欲およびその最近の何らかの変化;身体活動レベル;精神明瞭度;行動異常性;ならびに素因(たとえば内気、攻撃的、柔順、神経質)。
[0065] 動物の”暦年齢”は、出生以来経過した実際の時間(すなわち年数または月数)である。動物の”生理的年齢”は、その動物と同じ年齢別生理的状態(運動性、精神明瞭度、歯の磨損など)を示している類似品種の動物の平均暦年齢の推定値である。
[0066] 動物学的データは、さらに動物亜集団が生活している環境の観点に関連するものであってもよい。そのような観点には、限定ではないが、気候、季節、地理的位置および生育環境が含まれる。たとえば、下記を知ることは動物の食物組成物を開発するための資料となる可能性がある:その動物は温暖もしくは乾いた(dry)気候、または乾燥(arid)もしくは湿潤気候のいずれに住んでいるか;現在は春夏秋冬のいずれであるか;その動物は室内または屋外のいずれに収容されているか;その動物は家、板張りの小屋、作業場(たとえば番犬、警察犬などの場合)または他の何らかの生育環境のいずれにいるか;単独で、または他の動物と共に収容されているか;それは都市または農村地域のいずれに住んでいるか;居住地の郵便番号、州および/または地域;それの生活環境が汚染物質(たとえばタバコの煙)の影響を受けているかどうか、およびその程度;など。
[0067] 第2データセット:第2データセット(テストデータセット)は、単独または組み合わせた生物活性食事成分(BDC)がFGPに及ぼす影響に関するデータを含む。これらのデータは、いずれかの供給源から公開または市販されている情報、および/または第2データセットを構築するという明確な目的で実施された研究の結果を含むことができる。
[0068] 歴史的に、特定のBDCがウェルネスに及ぼす総体的な影響は、目的品種、たとえばイヌまたはネコの生存動物を使った給餌研究により判定されてきた。本発明によれば、動物モデルに種々の濃度の1種類以上のBDCを、および/または種々の摂取期間、摂取させる対照付き実験により、BDCの影響を細胞下レベルで、すなわち細胞のFGPにおいて判定することができる。本発明の概念において”種々の濃度”のBDCには、ゼロ濃度のBDCが含まれる。複数濃度のBDCが試験に含まれる場合、用量応答を解明することができる。
[0069] ある態様において、動物モデルは目的品種の生存動物であってもよい。しかし、以下に例示するように1以上の代替試験モデルを用いることによって、より迅速かつ経済的に広範なデータセットを組み立てることができる。
[0070] 1態様において、代替試験モデルは脊椎動物モデル、たとえば機能性ゲノム研究に適合性の良い小型種、たとえばマウス、ラット、モルモット、ウサギまたはニワトリである。他の態様において、代替試験モデルは無脊椎動物モデル、たとえばそのゲノムが実質的に解明されている土壌線虫(Caenorhabditis elegans)(シーエレガンス)、またはキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)などの無脊椎動物種である。さらに他の態様において、代替試験モデルは動物以外のモデル、たとえば酵母、たとえばカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)である。他の態様において、代替試験モデルは、たとえば目的の種(たとえばイヌ類またはネコ類)またはヒトを含めた他の種に由来する一次細胞系および/または不死化細胞系を用いる細胞培養モデルである。他の態様において、代替試験モデルは、動物から得てその動物の体外で維持した体外移植組織を用いるエクスビボモデルである。
[0071] 図2において(A)および(B)は、それぞれBDC介入の前と後の動物細胞における遺伝子発現、タンパク質の機能および代謝に伴うあるプロセスを示す。
[0072] 理論により拘束されるわけではないが、細胞レベルでBDCは転写因子または受容体などのタンパク質に対するリガンドとして作用する可能性があり、一次または二次代謝経路で代謝されて、これにより遺伝子調節または細胞シグナル伝達に関与する基質および/または中間体の濃度を変化させる可能性があり、あるいはシグナル伝達経路に正の作用または負の作用をすることによりシグナル伝達経路およびシグナル伝達を変化させる可能性がある。
[0073] シグナル伝達、遺伝子発現および代謝のプロセスは、すべてタンパク質により仲介される。図2(B)に示すように、BDCが細胞の細胞質に進入し、シグナル伝達プロセスを介して核内での遺伝子発現に影響を及ぼす可能性がある。あるいは、BDCは細胞膜(細胞質の外側境界)にある受容体タンパク質を結合することができ、この受容体タンパク質がシグナル伝達プロセスを介して核内での遺伝子発現に影響を及ぼすシグナルを送る。図2(B)に図2(A)より太い矢印を用いて表わしたように、BDCは遺伝子発現を改変することによってきわめて多様なタンパク質仲介プロセスに影響を及ぼす可能性がある。
[0074] 第2データセットは、BDCとして知られる化学的または生物学的物質に関するデータだけでなく、栄養、栄養薬効または薬理作用をもつことがこれまで知られていない多様な物質に関するデータをも含むことができる。少なくとも1つの遺伝子の発現、少なくとも1つのタンパク質の機能、または少なくとも1つの代謝産物の産生に対して有用な影響が認められた場合、そのような物質はすべて本発明においてBDCとみなされる。1態様において、本発明において目的とするBDCは、米国FDA(食品薬品局)の規制もしくは他の国の同等な規制のもとでGRAS generally regarded as safe、全般的に安全であるとみなされる)もしくは同等な立場にある物質、またはそのような立場に適格な物質である。他の態様において、BDCは療法または薬理学的に有効な化合物、たとえば薬物または薬草である可能性がある。
[0075] 多くのBDCが化学物質であり、一般に食物中に天然に存在し、それからそれらを抽出できる。BDCは多くの場合、微生物法(たとえば発酵)または合成法で製造することもできる。化学物質であるBDCの例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:アミノ酸;単純糖類;複合糖類;中鎖トリグリセリド(MCT);トリアシルグリセリド(TAG);n−3(オメガ−3)脂肪酸:α−リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含む;n−6(オメガ−6)脂肪酸:リノール酸(LA)、γ−リノレン酸(GLA)およびアラキドン酸(ARA)を含む;コリン源、たとえばレシチン;脂溶性ビタミン:ビタミンAおよびその前駆物質、たとえばカロテノイド(たとえばβ−カロテン)、ビタミンD源、たとえばビタミンD(エルゴカルシフェロール)およびビタミンD(コレカルシフェロール)、ビタミンE源、たとえばトコフェロール(たとえばα−トコフェロール)およびトコトリエノール、ならびにビタミンK源、たとえばビタミンK(フィロキノン)およびビタミンK(メナジオン)を含む;水溶性ビタミン:B系列ビタミン、たとえばリボフラビン、ナイアシン(ニコチンアミドおよびニコチン酸を含む)、ピリドキシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンおよびコバラミンを含む;ならびにビタミンC(アスコルビン酸);酸化防止剤:前記に挙げたビタミンのうちあるものを含む、特にビタミンEおよびC;ならびにバイオフラボノイド、たとえばカテキン、ケルセチンおよびテアフラビン(theaflavin);キノン類、たとえばユビキノン;カロテノイド、たとえばリコペンおよびリコキサンチン;レスベラトロール(resveratrol);ならびにα−リポ酸;L−カルニチン;D−リモネン;グルコサミン;S−アデノシルメチオニン;ならびにキトサン。
[0076] アミノ酸を前記のBDC具体例リストに含めることに関して、ほぼすべての食物がタンパク質を含有し、これは一般にすべての必須アミノ酸を供給する。しかし、食物のタンパク質含量は特定の動物亜集団のウェルネスに最適な割合の必須アミノ酸を必ずしも供給しないので、1種類以上のアミノ酸またはそのようなアミノ酸の豊富なタンパク質源を補充することが望ましい可能性がある。
[0077] 同様な考慮を、単純および複合糖類(BDCであって、食物の炭水化物画分の成分である場合とそうでない場合がある)、ならびにn−3およびn−6脂肪酸を含めたある脂肪酸(BDCであって、食物の脂質画分の成分である場合とそうでない場合がある)に適用する。
[0078] バランスのとれた動物食に要求される他の高分子栄養素(タンパク質、炭水化物、脂肪および繊維)は、後記に述べるように、栄養処方を設計する際に前記に挙げたBDCとは分離して考慮される。
[0079] ある生物活性物質、特に植物性物質をBDCとみなすことができ、所望により第2データセットに含めることができる。これらの多くにおいて生物活性化学物質が同定されている;生物活性成分が既知であっても、他の未知の生物活性成分が存在してその生物材料の生物活性作用に寄与している可能性がある。
[0080] BDCとして有用である具体的な植物には、アロエ・ベラ(aloe vera)、ドンカイ(当帰、dong quai)、エキナセア(echinacea)、オオマツヨイグサ(evening primrose)、亜麻仁(flaxseed)、ニンニク、ショウガ、イチョウ(ginkgo biloba)、チョウセンニンジン、緑茶、大豆、ウコン(turmeric)、カモジグサ(ハマムギ)(wheat grass)およびマテチャノキ(マテ茶)(yerba mate)が含まれるが、これらに限定されない。
[0081] したがって、第2データセットは動物モデルにおけるFGP作用をそのモデルで試験したBDCに関連づけるデータを含む。このデータセットから、適切なアルゴリズムを用いて、FGPに対して望ましい作用をもつBDCまたはBDC組合わせを選択することができる。
[0082] 入力データ:本発明方法に従って処理した入力データは、それのために食事を設計すべき亜集団の遺伝子型および生理的状態、処方された栄養処方、または調製された食物組成物を規定するデータを含む。入力データは動物学的データを含むことができ、これには第1データセットにおける試料の出所記録の一部として前記に述べたいずれかのタイプの動物学的データが含まれる。ある態様において、動物対象の入力データには、その対象が提供した1以上の組織および/またはバイオフルイド試料から得られたFGPデータが含まれる。これらの態様によれば、入力データを正常範囲または正常外範囲のFGPの指標とすることができる。
[0083] 本発明のコンピューター援用システムは、一般に入力データのエントリーが可能なユーザーインターフェースを含む。
[0084] このシステムへの動物学的入力データのエントリーは、動物対象の飼い主が回答したハードコピーまたは電子アンケートに基づいて、インターフェースオペレーターが行なうことができる。あるいは、そのようなデータのエントリーは、飼い主がインターフェースにおいて直接行なうことができる。
[0085] 動物学的データのエントリーのためのユーザーインターフェースは、メインプロセッサーから離れた場所(入力データを本発明方法に従って処理する場所)にあってもよいが、メインプロセッサーにインターネットなどのネットワークを介して接続している。あるいは、ユーザーインターフェースは、たとえば小売店または獣医のオフィスでメインプロセッサーの近くにあってもよい(たとえば配線接続)。多様な態様において、例示であって限定ではないが、ユーザーインターフェースは下記のものを含むことができる:キーボードおよびモニター;パーソナルコンピューター、たとえば飼い主の家庭にあるもの;タッチスクリーン端末;タッチトーン電話機;または音声作動システム。あるいは、動物学的データを、コンピューター可読媒体、たとえば印字されたバーコードまたはコンピューター可読英数文字;フロッピーディスク;CD−ROM;メモリーカード;チップなどに予め入力し、そのような媒体から読み込むために設置された端末でスキャンまたはアップロードすることができる。ある態様においては、媒体を対象動物に、たとえば首輪、耳タグもしくはドッグタグ付き首輪に取り付け、またはあるタイプのチップの場合は動物の皮膚の下に外科的に埋め込むことができる。さらに他の選択肢として、動物学的データをコンピューター援用システム自体に予め入力してデータベースに記憶させ、それに関する動物学的データを最初に入力した対象動物に独自のコードをエントリーすることによりそのデータベースから検索することができる。そのようなコードは、前記に示したものを含めたいずれかのタイプのインターフェースから、いずれか適切な媒体において入力できる。
[0086] 栄養処方を導出するための入力データの処理:ある亜集団(前記のように単一動物対象であってもよい)に関する入力データの処理は、前記の第1および/または第2データセットにドローイングしてその亜集団の1以上の動物のウェルネスを増進する栄養処方を入力データから導出するアルゴリズム(本明細書中で時には”第1”アルゴリズムと呼ぶ)により達成できる。
[0087] このアルゴリズムは、少なくともアルゴリズムを前記の第1および第2データセットの両方にドローイングする本発明の態様については、たとえば少なくとも下記のタスクを組み込むコンピュータープログラムで組み立てることができる。処理は必ずしも下記に示した順序で行なわれるわけではない。本発明のコンピューター援用システムは場合により並列処理を採用でき、その場合は2以上のタスクを同時に操作する。
[0088] 1タスクにおいては、対象からの入力データをメモリーに読み込む。他のタスクにおいては、可能な限り入力データに近似する動物学的データおよび/またはFGPデータについて第1データセットの探索を行なう。当技術分野で既知の探索および統計的手法を用いて、対象の遺伝子型および生理的状態に対して全体的に最良適合を提供する1ないし複数の”的中”を確立することができる。その対象についてFGPが得られない場合、そのアルゴリズムは動物学的入力データに対応するFGPを計算し、FGP中に存在する可能性のある正常状態からの逸脱を同定する。対象に関する入力データの一部としてFGPが供給された場合にも、アルゴリズムは正常状態からの逸脱を同定する。さらに他のタスクにおいては、前記で対象について確立したFGPに関連するテストデータにつき第2データセットの探索を行なう。そのような正常状態のFGPを維持し、またはFGPを正常外状態からより正常度の高い方へ移行させるために有効なBDCまたはBDCの組合わせの指標となるテストデータを、たとえば対象のFGPに対する最良適合を提供するために当技術分野で既知の探索および統計的手法で検索する。他のタスクにおいては、前記で同定した1以上の有効量のBDCを含有する栄養処方を計算する。栄養処方は、同定したBDCと共に、基礎要求量のエネルギー、タンパク質および繊維(これらは動物学的入力データから容易に確立できる)を含有する完全食の形で計算できる。あるいは、基礎要求量のエネルギー、タンパク質および繊維を除いたサプリメントの形で栄養処方を計算できる。
[0089] 場合により、ユーザーインターフェース、たとえばコンピュータービデオスクリーン、プリンター、音声合成装置などを介して栄養処方を出力することができる。栄養処方を表わすコードを、ユーザー可読またはコンピューター可読媒体、たとえば印字バーコード、印字数字コード、カードのデータストリップ、メモリーデバイス、ディスク、チップなどにダウンロードすることができる。1態様においては、そのようなコードを動物、特に愛玩動物に埋め込むのに適したチップにダウンロードする。
[0090] 栄養処方をさらに処理して、たとえば食物組成物を調製する態様においては、栄養処方そのものを出力する必要のない可能性がある。
[0091] ある態様においては、後記に従って第1アルゴリズムを第2(配合)アルゴリズムと融合させることにより、食物組成物を直接配合する。そのような態様によれば、中間ステップとしての栄養処方の計算を行なってもよく、行なわなくてもよい。
[0092] 栄養処方を出力する場合、BDCおよび他の成分をいずれか適切な形で表示することができる。たとえば、成分を食物組成物中におけるそれらの含量により(たとえば%またはmg/gで、通常は乾燥物質を基準として)、一日量または許容量により(たとえばg/日で)、場合によっては生体体重基準で(たとえばmg/kg/日で)表示することができる。本発明の実施により作成できる栄養処方の標品の具体例を表1に示す。
[0093] 本発明方法の具体例の概説:図3は、栄養処方を設計するための方法の具体例を示すフローチャートである。この例示方法によれば、鍵ステップは、図3に菱形で示すように入力データを処理して、たとえば上記の栄養処方を作成することである。3つのサブシステムがこの処理ステップに供給される。
[0094] 図3の左上から出発する第1サブシステムにおいては、多様なウェルネスおよび疾病状態の動物を同定する。前記に示唆したように、この動物のセットは可能な限り大きいこと、かつ可能な限り広範な疾病および生理的障害の状態ならびに可能な限り広範な遺伝子型を含むことがしばしば望ましい。動物学的データのセットを各動物について収集する。各動物は1ないし複数の組織および/またはバイオフルイド試料の供給源である。各試料について、たとえば確立されたマイクロアレイ技術を用いて機能性ゲノム分析(遺伝子発現分析、プロテオーム分析およびメタボローム分析のうち1以上を含む)を行ない、試料を提供した動物についてFGPを確立する;これは、試料を採集した時点でのその動物の遺伝子型および生理的状態を反映している。FGPを規定するデータは、その動物に関する動物学的データと一緒に、本発明において定める第1データセットの一部となる。
[0095] 図3の右上から出発する第2サブシステムにおいては、前記のように1以上の動物モデルにおいてBDCを試験する。試験するBDCが多種類である方が良い;試験する各BDCの用量が多種類である方が良い。試験には、各BDCのほか、BDCの組合わせを含めることができる。この試験のすべてから、その動物モデルのFGPに対するBDCの作用を確立することができる。この試験結果から、本発明に定める第2データセットが作成される。
[0096] 第1および第2データセットは一般に、第1アルゴリズムが入力データを処理するのに伴って第1アルゴリズムにより情報を探索および検索するのに適合した1以上の関係データベースに組織化される。
[0097] 図3の左下部分の第3サブシステムにおいては、動物対象または亜集団について入力データをエントリーする。前記に示したように、入力データは一般に動物学的データを含み、FGPデータを含んでもよく、含まなくてもよい。入力データを処理して栄養処方を作成するためには、図3に示すように、処理アルゴリズムを第1および第2データセットにアクセスさせることが必要である。作成された栄養処方は、対象動物またはその亜集団の1以上の動物のウェルネスを増進するであろうということをそのシステムに記憶されたデータが示すものまたは示唆するものである。”ウェルネスを増進する”ある観点については、本明細書にさらに詳細に記載する。場合により(図3には示していない)、動物学的データとFGPデータの両方を含む入力データを第1データセットに追加し、その方法を将来反復する際にアクセスすることができる。
[0098] 1態様において、そのような入力データは、それらが関係する特定の動物に関する識別子またはコードを伴う。同一の動物がこの方法の後続の反復の対象である場合、データ処理アルゴリズムは、その動物に関する先のFGPデータを検索するようにプログラミングすることができる。この方法で、その動物のFGPの傾向および変化を追跡できる。他の利点のうち特に、そのような追跡によって、正常FGPの維持、より正常度の高い方向への正常外FGPの移行、および/またはウェルネスの促進のいずれかの観点における栄養処方の有効性を、周期的にモニターできる;本明細書中にさらに詳細に記載する。
[0099] 本発明方法を特定動物に反復使用することにより栄養計画の基礎を形成することができ、これをその動物の生涯全体またはその実質部分にわたってモニターする。動物のウェルネス状態が低下した場合、または動物のFGPが正常外状態へ移動した場合はいつでも、その栄養処方を調整することにより修正作業を行なうことができる。
[00100] 食物組成物の調製:本発明の1態様の最終生成物は、前記に従って導出した栄養処方である。たとえば、獣医または栄養士が本明細書に記載した方法により対象動物のための栄養処方を処方することができる。栄養処方は、疾病または生理的障害の状態に全体的解決をもたらすように設計することができ、あるいは医薬介入(たとえば薬物の投与または他の薬物療法)または外科的介入との併用に適合させることができる。
[0100] 他の態様においては、栄養処方を食物組成物の調製の基礎として利用し、その組成物がこの態様の最終生成物となる。栄養処方から食物組成を導出するためには、第2または調合アルゴリズムを使用できる。前記のように、そのようなアルゴリズムを第1アルゴリズムと統合して入力データを処理することにより、食物組成を直接作成できる。本発明において食物組成を作成する際の中間段階としての栄養処方の開示は、そのような段階を同定できる方法およびシステムに本発明を限定するものではない。
[0101] たとえば表1に例示する栄養処方に基づいて食物組成物を配合するためのアルゴリズムは、当技術分野で周知である。そのようなアルゴリズムによって多様な食物成分の分析を含むデータセットにアクセスし、そのデータセットをドローイングして、目的とする栄養処方をもつ食物組成物中のそれらの成分の量を計算する。本発明方法により作成した食物組成標品の具体例を表2に示す。
[0102] 場合により、第2アルゴリズムがドローイングするデータセットは、さらに種々の食物成分に関する原価データを含み、第2アルゴリズムには成分を選択する際の基準として原価を含めるためのルーティン作業が組み込まれる。これによって、目的とする栄養処方の提供と適合した低い原価で、たとえば最低原価で、食物組成物を調製することができる。
[0103] 所望により他の基準を構築することができる。たとえば、成分を”有機性”またはその他として同定することができ、したがって”有機性”食品が望ましい場合は”有機性”成分のみを選択する。
[0104] 1態様において、本発明の実施により導出された栄養処方に最も良く適合または調和させるために、広範な既存の選択肢、たとえば既存のペットフード製品系列から食物組成物を選択することができる。たとえば、計算された食物組成または栄養処方を入手可能な製品と比較し、その組成または処方に最も近似する製品を選択するアルゴリズムを採用できる。
[0105] 他の態様においては、前記により導出した組成に従ってペットフードを加工する。したがって、そのようなペットフードは、その入手データを提供した個体動物、またはその入手データを提供した動物が代表する動物亜集団に対して、特注生産されたものである。そのような加工はオフラインであってもよく、すなわちコンピューター援用システムにより制御されていなくてもよい。あるいは、そのような加工の一部または全体が、前記に従って栄養処方を作成して食物組成を計算するコンピューター援用システムの延長の制御下にあり、および/またはそれにより作動してもよい。
[0106] こうして加工した製品は、完全食物であってもよく、または基礎食物に添加もしくは混合して完全食物を形成するのに適したサプリメントであってもよい。製品は液状、半固形または固形であってよい;固形であれば、それは湿潤状態(たとえばレトルト式湿潤ペットフード)、半湿潤または乾燥状態(たとえばキブル(kibble))であってよい。サプリメントは、たとえば基礎食物に付随するグレービー(gravy)として、または基礎キブルに対するコーティングとして使用するように設計することができる。
[0107] 特定の組成をもつ食品を加工するのに適切なコンピューター制御装置は当技術分野で既知である。たとえば、実質的にU.S.Patent No.6,493,641に記載された装置を使用できる。
[0108] 場合により、本発明方法に従って調製した食物を適切な容器内に包装する。たとえば、湿潤食物は缶、ジャーまたは密閉パウチ内に包装できる;乾燥食物はバッグ、ボックス、またはボックスに入れたバッグ内に包装できる。この工程も、所望によりコンピューター援用システムの制御下に置くことができる。
[0109] 本発明のコンピューター援用システムはさらに、食品に関するラベルまたはパッケージ挿入物であって行政による規制および商業上の慣例により要求される情報のいずれかまたは全部を備えたものをプリントするように装備することができる。たとえば、ラベルまたはパッケージ挿入物は成分リストおよび/または保証付き分析値を含むことができる。
[0110] 包装およびラベル付けを含めた食品加工は、工場など一般的な加工場所で行なうことができる。あるいは、より最終利用者に近い場所、たとえば販売地点において販売店もしくは小売店、たとえばペットフード店で行なうように食品加工の手配をするのが好都合な可能性がある。1態様においては、最終利用者がたとえば電話で行なった、またはインターネットを通じてアクセスしたウェブサイトを介して行なった注文に応じて、食物組成物を販売場所で調製して最終利用者へ配達する。
[0111] 食物組成物は、1態様においては、第1アルゴリズムにより導出した栄養処方を発行する獣医または栄養士からの処方箋を受け取った際に配合業者により調製される。
[0112] 他の態様においては、最終利用者が販売ターミナル地点で、特定の動物について以前に選択された栄養処方を表わすコードを入力する;たとえば、そのようなコードを含むカードの出入またはチップのスキャンによる。次いで、販売地点にあるコンピューター援用混合装置、たとえば混合−販売機が、こうしてエンコードされた栄養処方に基づいて食物組成物を調製し、それを最終利用者に届ける。
[0113] 本発明のいずれかの態様の方法により調製された食物組成物は、それ自体が本発明の他の態様である。
[0114] ウェルネスの増進:本発明のシステムまたは方法から得られた栄養処方は、目的とする亜集団の1以上の動物のウェルネスを増進するように設計されたものである。
[0115] 本明細書において動物の”ウェルネス”には、動物の身体的、精神的および社会的な健全性のあらゆる観点が含まれ、虚弱質がないことに限定されない。
[0116] 本明細書において”ウェルネスを増進する”には、現在のウェルネス状態を維持すること;対象動物または亜集団が遺伝的その他により疾病もしくは生理的障害の素因をもつか否かにかかわらず、そのような疾病もしくは生理的障害の発症を予防すること;または疾病状態もしくは生理的障害がある場合、健康のいずれかの観点を増強することが含まれる。本明細書中で”疾病”と”生理的障害”の2つの用語を用いたのは、これらの用語の間に明確な区別があることを示すものではない。ウェルネスに反する多くの状態、すなわち一般に疾病と考えられる状態、たとえば糖尿病または骨関節炎は、同等に十分に生理的障害とみなすことができる;同様に、一般に生理的障害と考えられる状態、たとえば肥満症または口臭は、同等に十分に疾病とみなすことができる。健康の増進は、疾病状態の減弱および/または排除を含むことができる;限定ではないが、これには症状の軽減、病原体または寄生虫負荷の低減、より耐容できる範囲内に疾病の重症度を制御すること、および寛解を伴うかまたは伴わない治癒が含まれる。
[0117]”ウェルネスを増進する”には、さらに下記のものが含まれる:(1)遺伝子の発現、タンパク質の機能、または代謝産物の産生を含めたFGPのいずれかの観点を、より正常な状態に再生する;(2)疾病または障害がない場合でも、生涯においてストレスの多い特定の時期の動物の栄養管理を改善する:たとえば子ネコまたは子イヌの成長および発育中;妊娠中および授乳中;外科処置、たとえば卵巣除去の前または後;ならびに長距離輸送の前、途中または後;ならびに(3)たとえば妊娠中の雌動物に給餌する子宮内栄養補給により、対象動物または亜集団の子孫の健康のいずれかの観点を増進する。
[0118] ウェルネスに反する状態には、既存の疾病および生理的(精神的、行動的および素因的なものを含む)障害だけでなく、そのような疾病または障害に対する素因または敏感性も含まれる。外見的に顕性の疾病または障害のほか、無症候性のものも含まれる。動物の”ウェルネスを増進する”という表現は、本発明においてはさらに、その動物の近くで生活しているヒトに対する迷惑を減らすことも含むと理解すべきである。そのような迷惑の例には、限定ではないが、著しい脱毛、排出物(糞便、腸内ガスおよび尿を含む)の臭気、ならびにアレルゲン性が含まれる。
[0119] 1態様において、ウェルネスの増進は、動物の2以上の疾病状態のクラスターを同時に予防、減弱または排除することを伴う。
[0120] 外見的に顕性であるか潜在性であるかにかかわらず、本発明方法を適用できる疾病および生理的障害には、目的動物種のそのような疾病および障害がすべて含まれる。本発明の態様によれば、栄養管理しやすい1以上の疾病状態を予防、減弱または排除することにより、ウェルネスが増進される。
[0121] 具体的には、イヌにおいてそのような疾病および障害には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:食物に対する有害反応(食物アレルギーおよび食物不耐性を含む)、たとえば慢性大腸炎、慢性胃腸炎、慢性外耳炎またはそう痒性皮膚炎により顕性になる可能性があるもの;骨関節炎を含めた関節炎;脳の老化および関連の行動変化;癌または新生物;心血管疾患:腹水または水腫(体液貯留)、心疾患、心不全、イヌシジョウチュウ(犬糸状虫)疾患および原発性高血圧症を含む;骨発達異常;糖尿病;消化器障害:大腸炎、繊維応答性大腸炎、繊維応答性便秘症、繊維増加に応答しない便秘症、急性または慢性下痢、繊維応答性下痢、膵臓外分泌腺不全、鼓腸、急性または慢性胃腸炎、炎症性腸疾患(IBD)、消化不良または吸収不良、非高脂血性膵臓炎、高脂血性膵臓炎、消化器手術からの回復期、ならびに急性または慢性嘔吐を含む;肝障害:腹水または水腫(体液貯留)、銅蓄積症、肝性脳障害および肝疾患を含む;高脂血症;肥満症;口腔健康障害:歯肉炎、口臭、および歯石、歯垢または歯の着色を含む;回復状態:貧血症、食欲低下、悪液質または減量、回復期、衰弱、代謝亢進状態、栄養不良、ならびに術前および術後状態を含む;腎疾患:高血圧症、腎機能障害および腎不全を含む;ならびに尿路結石症:シュウ酸カルシウム、尿酸塩およびシスチンの管理、スツルバイト溶解、スツルバイト管理、ならびに肥満症傾向のイヌにおけるスツルバイト管理を含む。
[0122] 具体的には、ネコにおいてそのような疾病および障害には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:食物に対する有害反応(食物アレルギーおよび食物不耐性を含む)、たとえば慢性大腸炎、好酸球性肉芽腫症候群、慢性胃腸炎またはそう痒性皮膚炎により顕性になる可能性があるもの;心血管疾患:腹水または水腫(体液貯留)、心疾患、心不全および原発性高血圧症を含む;糖尿病;ネコ下部尿路疾患:特発性膀胱炎、シュウ酸塩管理、スツルバイト溶解、スツルバイト管理、肥満症のネコにおけるスツルバイト管理、および肥満症傾向のネコにおけるスツルバイト管理を含む;消化器障害:大腸炎、繊維応答性大腸炎、繊維応答性便秘症、繊維増加に応答しない便秘症、急性または慢性下痢、繊維応答性下痢、急性または慢性胃腸炎、IBD、膵臓炎、消化器手術からの回復期、ならびに急性または慢性嘔吐を含む;肝障害:腹水または水腫(体液貯留)、銅蓄積症、肝性脳障害および肝疾患を含む;高脂血症;肥満症;口腔健康障害:歯肉炎、口臭、および歯石、歯垢または歯の着色を含む;回復状態:貧血症、食欲低下、悪液質または減量、回復期、衰弱、代謝亢進状態、栄養不良、ならびに術前および術後状態を含む;腎疾患:高血圧症、腎機能障害および腎不全を含む;ならびに尿路結石症:シュウ酸カルシウム、尿酸塩およびシスチンの管理、スツルバイト溶解、スツルバイト管理、ならびに肥満症傾向のネコにおけるスツルバイト管理を含む。
[0123] 1態様においては、本発明方法を亜集団の1以上の個体動物について間隔をおいて反復し、栄養処方を必要に応じて生理的状態またはFGPの経時変化に合わせて調整する。そのような変化の少なくとも一部は、それ以前の本発明方法の反復(1以上)により調製された食物組成物(1以上)の栄養処方(1以上)によりもたらされる可能性がある。反復法は、たとえばウェルネス問題の治療からその問題の再発防止へ移行するための給餌計画を提供することができる。
[0124] データバンク:本明細書中で”データバンク”という用語は、1ないし複数のデータベースに構成しうる1ないし複数のデータセットを含むデータ収集物の物理的態様を表わす。したがってデータバンクは、それらのデータを記憶させた媒体を含む。データバンクはそのような媒体を1より多く含むことができる;ただし、そのような場合にはそれらの媒体は機能的に接続している。本発明に有用な媒体は、プリントされたスプレッドシートの場合のようにユーザー可読であってもよいが、一般に、かつ特に現在意図している多量のデータからみて、そのような媒体はコンピューター可読である。
[0125] 本発明のデータバンクは、コンピューター上にある、またはコンピューターに電気的に接続された、1ないし複数の媒体を含むことができ、それらの媒体には動物種または動物モデルの機能性ゲノムプロフィールを下記のうち少なくとも1つに関連づけるデータが記憶されている:(a)それから機能性ゲノムプロフィールを決定する1以上の組織試料および/またはバイオフルイド試料を提供した動物の遺伝子型および/または生理的状態、ならびに(b)動物種または動物モデルによる1以上の生物活性食事成分の摂取。これらのデータは、1ないし複数のデータベースとして構成される。機能性ゲノムプロフィールおよび/または生物活性食事成分に関する質問をコンピューターにより提示すると、1以上のデータベースから質問に対する関連応答中に情報を検索できる。
[0126] 1態様によれば、そのような質問により、動物対象の遺伝子型および/または生理的状態に関する入力データに関連する機能性ゲノムプロフィールデータの出力を要求する。他の態様によれば、そのような質問により、動物対象の機能性ゲノムプロフィールに関する入力データに関連する生物活性食事成分データの出力を要求する。そのような質問に対する関連回答中に検索できる情報を、その動物対象のための栄養処方として表示することができる。
[0127] 本発明の一般的なデータバンクにおいて、データは、機能性ゲノムプロフィールを、それから機能性ゲノムプロフィールを決定する1以上の組織試料および/またはバイオフルイド試料を提供した動物の遺伝子型および/または生理的状態に関連づける、第1データセット;ならびに機能性ゲノムプロフィールを、動物モデルによる1以上の生物活性食事成分の摂取に関連づける、第2データセットを含む。この態様によれば、対象の遺伝子型および/または生理的状態に関するデータを入力するのに適切な動物対象のための栄養処方の出力を要求する質問に対する関連回答中に情報を検索することができる。
[0128] そのようなデータバンクにおけるデータは、場合によりさらに、食物組成物の成分中の生物活性食事構成要素の含量を含む第3データセットを含む。この態様によれば、対象の遺伝子型および/または生理的状態に関するデータを入力するのに適切な動物対象のための食物組成の出力を要求する質問に対する関連回答中に情報を検索することができる。
[0129] 関連態様によれば、第3データセットはさらに成分の原価を含み、対象の遺伝子型および/または生理的状態に関するデータを入力するのに適切な動物対象のための最適原価の食物組成の出力を要求する質問に対する関連回答中に情報を検索することができる。
[0130] 他の態様のデータバンクにおいては、動物対象の機能性ゲノムプロフィールに関する入力データを正常な機能性ゲノムプロフィールに関連づける出力を要求する質問に対する関連回答中に情報を検索することができる。
[0131] さらに他の態様のデータバンクにおいては、動物対象に対して下記のために有効な栄養処方の出力を要求する質問に対する関連回答中に情報を検索することができる:(a)正常な機能性ゲノムプロフィールを維持する;または(b)正常外の機能性ゲノムプロフィールをより正常な状態に改変する。
[0132] 本発明の他の態様は下記に挙げるものである。そのような態様のひとつは、動物対象、好ましくは愛玩動物対象のための食物組成物を選択する方法である。この方法は、(a)正常および正常外の機能性ゲノムデータを母集団とするデータベースにアクセスし;(b)それらのデータを参照することにより、対象のFGPを正常プロフィールに対比して評価し;(c)少なくとも1つのBDCを摂取した動物モデルにおけるFGPに関する試験結果を母集団とするデータベースから、FGPをより正常な状態へ移行させる傾向をもつ1以上のBDCを同定し;そして(d)それら1以上のBDCを含む食物組成物を選択することを含む。
[0133] 本発明の1観点においては、食物成分およびBDCの原価に関するデータを母集団とするデータベースを参照して食物組成物を選択する。他の観点において、食物組成物はFGPをより正常な状態へ移行させるのに有効であり、かつ目標原価以下で配合される。他の観点においては、これらのデータベースを1以上の媒体に記憶させる。他の観点においては、1以上の媒体にアクセスできるコンピューターを用いて、機能性ゲノムデータを評価する。さらに他の観点において、この方法はさらに、その組成物を動物対象に給餌して、対象における疾病状態の発症を予防し、対象の健康を増進し、対象のFGPを正常外状態から正常状態へ移行させ、または対象のFGPを変化させることを含む。他の観点において、正常および正常外の機能性ゲノムデータは、ウェルネス状態および疾病状態にある動物集団の組織および/またはバイオフルイドの分析から得られる。そのような集団は、少なくとも一部は遺伝子型パラメーターにより、少なくとも一部は表現型パラメーターにより、または少なくとも一部は品種もしくは品種群により規定することができる。この最後の場合、食物組成物をその品種または品種群のために特別に選択することができる。
[0134] 他の態様は、動物対象のための食物組成物を配合する方法である。この方法は、(a)1以上の組織および/またはバイオフルイドから判定した対象のFGPを正常なFGPに関連づけるデータを含む、第1データセットにアクセスし;(b)1以上のモデル試験系において個々のBDCおよび/またはその組合わせがFGPに及ぼす影響に関する情報を含む、第2データセットにアクセスし;そして(c)食物組成物として用いた場合に正常FGPからの対象FGPのずれを反転または減弱させるのに有効なBDCまたはその組合わせを含む配合を計算することを含む。
[0135] 1態様において、配合物は対象のFGPを正常FGPに転移させるのを促進するのに有効である。他の態様において、この方法はさらに、対象の表現型に関連する情報を含むデータセットにアクセスすることを含む。そのような情報は、たとえば年齢、毛皮のタイプ、体格および体重よりなる群から選択できる。さらに他の態様において、この方法はさらに、その配合物中の各BDCの活性形態の供給源および原価、前駆物質または代謝産物に関連する情報を含むデータセットにアクセスすることを含む。他の態様において、そのような方法により計算した配合は原価効率が良い。他の態様において、正常FGPはある動物集団から得た組織および/またはバイオフルイドの分析から確立される。そのような集団も、少なくとも一部は遺伝子型パラメーターにより、少なくとも一部は表現型パラメーターにより、または少なくとも一部は品種もしくは品種群により規定することができる。この最後の場合、食物組成物をその品種または品種群のために特別に選択することができる。他の態様においては、少なくとも1つのデータセットを1以上の媒体に記憶させる。他の態様においては、1以上の媒体にアクセスできるコンピューターを用いて配合を計算する。
[0136] 本明細書に記載した特定の方法、プロトコルおよび試薬は変更できるので、本発明はそれらに限定されない。さらに、本明細書中で用いた専門用語は特定の態様を記述するためのものにすぎず、本発明の範囲を限定するためのものではない。本明細書および特許請求の範囲で用いる単数形には、そうではないことが状況から明示されない限り、複数表示が含まれる。同様に、用語”含む(comprise、comprises、comprising)”も除外ではなく包括と解釈すべきである。
[0137] 別途定義しない限り、本明細書中で用いるすべての技術用語および科学用語ならびにいずれかの頭字語は、本発明の分野の当業者が一般に理解しているものと同じ意味をもつ。本明細書に記載したものと類似または均等な組成物、方法、製品、または他の手段もしくは材料をいずれも本発明の実施に使用できるが、好ましい組成物、方法、製品、または他の手段もしくは材料を本明細書に記載する。
[0138] 本明細書中に引用または言及したすべての特許、特許出願、刊行物、および他の参考文献を、法律が許す範囲で本明細書に援用する。それらの参考文献についての考察は、それらにおいてなされた主張をまとめるためのものにすぎない。それらの特許、特許出願、刊行物、もしくは他の参考文献、またはそれらのいずれかの部分が本発明に対する関連先行技術であると認めたわけではなく、それらの特許、特許出願、刊行物、および他の参考文献の正確さおよび関連性に反論する権利は明らかに残されている。
[0139] 本明細書に本発明の代表的な好ましい態様を開示し、特定の用語を用いたが、それらは一般的な説明の意味で用いたにすぎず、限定のためのものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲に示されている。本明細書に含まれる教示からみて本発明の多数の改変および変更が可能である。したがって、特許請求の範囲内において本発明は具体的に記載されたものと異なる形で実施できることを理解すべきである。
[0140] 本発明は以下の実施例によりさらに説明できるが、これらの実施例は説明のために記載したにすぎず、別途明記しない限り本発明の範囲を限定するためのものではないことは理解されるであろう。
材料および方法
組織からのリボ核酸(RNA)の単離
[0141] 採集し、液体窒素中で凍結させ、そして融解した組織試料を、ホモジナイズし、TRIzol(登録商標)RNA抽出法により処理して良質のRNAを調製し、次いでこれを以後のゲノム分析に用いる。
[0142] 材料:氷、液体窒素、イヌ類またはネコ類の凍結組織、細胞溶解試薬TRIzol(登録商標)、最低99%のクロロホルム、イソプロピルアルコール、70%エタノール(無水エタノール、およびRNaseを含まない脱イオン水を用いて、自社調製)、RNase Zap(登録商標)、脱イオン水、RNA Storage Solution(登録商標)(RNA保存液):Ambionから。
[0143] 装置:Ultra−Turrax T25強力ホモジナイザー、Beckman Coulter Allegra 25R遠心機、エッペンドルフ(Eppendorf)遠心機、鉗子、メス、硬質裁断面、すなわち裁断台、DNaseおよびRNaseを含まない1.5mL無菌ミクロ遠心管、DNaseおよびRNaseを含まない50mL無菌ディスポーザブルポリプロピレン試験管、P1000、P200、P20、P10およびP2 Rainin Pipetmanピペット、P1000、P200、P20、P10およびP2ピペット用フィルターピペットティップ、DNaseおよびRNaseを含まない無菌の糸屑なし拭布。
[0144] 準備:4mLのTRIzol(登録商標)を入れた50mLポリプロピレン試験管を準備する(RNA単離用に選択した各組織につき1本の試験管)。
[0145] 組織ホモジナイゼーション:液体窒素を保持できる容器に3〜4匙の液体窒素を充填する。直ちに凍結組織片を上記の容器に入れ(組織はほぼ豆粒サイズとすべきである)、組織を適切なラベル付きの50mLポリプロピレン試験管(既に4mLのTRIzol(登録商標)を入れたもの)に入れる。直ちにUltra−Turrax T25強力ホモジナイザーを用いてホモジナイゼーションを開始する。最高設定(6)で10〜15秒間ホモジナイズする。試料を氷上でさらに10〜15秒間冷却し、次いで繰り返す。組織が完全にホモジナイズされて溶液が混濁するまで継続する。ホモジナイゼーションが完了した時点で、50mL試験管に蓋をし、氷に戻す。ホモジナイズされた組織を室温で5分間インキュベートした後、単離操作にとりかかる。
[0146] RNAの単離:全般的に、TRIzol(登録商標)試薬に備えられたInvitrogen指示書に示された手順に従う。ホモジナイズした試料を1mLずつ4つに分けて4本の1.5mLミクロ遠心管に入れる。各1mLずつに200uLのクロロホルムを添加する。試験管に蓋をし、15秒間ボルテックス撹拌し、次いで上下に振とうする。その結果、桃色の乳濁液になるはずである。これらの試験管を室温で2〜3分間インキュベートする。試験管を14,000rpmおよび4℃で15分間遠心する。水相(上層)を無菌の1.5mLミクロ遠心管へ移す。新たな試験管へ移すべき水相の一般的な体積は約500uLである。確実に、中間相または下相を全く移さないようにする。水層を入れた各ミクロ遠心管に500uLのイソプロピルアルコールを添加することにより、溶液からRNAを沈降させる。試験管を少なくとも20秒間、上下に振とうする。試料を室温で10分間インキュベートする。試料を14,000rpm、4℃で10分間遠心する。確実にペレットを失わないように液体を吸引除去することにより、上清を慎重に取り除く。70%エタノール1mlを添加してペレットを洗浄する。試験管をはじく(または試験管を台上でかるく叩く)ことによりペレットを離脱させ、振とう混合する。8,200rpm、4℃で5分間遠心する。確実にペレットを失わないように液体を吸引除去することにより、上清を慎重に取り除く。糸屑のない拭布を用いて慎重に過剰のエタノールを吸い取り、ペレットを確実に乾燥させる。各ペレットを30uLのRNA保存液に再懸濁する。RNAが溶液に戻るまでピペッティングすることによって穏やかに混合し、次いで−80℃に保存する。RNAの再懸濁を容易にするために、試料を低速で数秒間ボルテックス撹拌することが必要な可能性がある。これが必要な場合、凍結前にミクロ遠心機を用いて試料を遠心沈降させる。
[0147] RNAの洗浄:RNeasy(登録商標)Mini Handbookに示された手順に従う。OptiCellチャンバー内で培養した細胞からのRNeasy Mini KitによるRNA単離。
[0148] 哺乳動物細胞系から培養した細胞を用いて良質のRNAを単離し、次いでこれを以後のゲノム分析に使用する。細胞培養に関するすべての作業を厳密な無菌条件下で実施すべきである。
[0149] 試薬:10X PBS、脱イオン水、無水エタノール、RNA保存液、β−メルカプトエタノール、RNase Zap(登録商標)、緩衝液RLTおよび緩衝液RWlおよび緩衝液RPE(RNeasy Mini Kit内に備えられている)。
[0150] 装置/材料:RNeasy Mini Kit、QIAshredderスピンカラム、OptiCellナイフ、20mL無菌注射器、OptiCellティップ、細胞掻き取り具、P1000 Pipetmanピペット、Rainin、P200 Pipetmanピペット、Rainin、100−100uLフィルター付きピペットティップ、1−200uLフィルター付きピペットティップ、無菌トランスファーピペット、55mL無菌溶液皿、1.5mL無菌ミクロ遠心管、およびエッペンドルフ−ミクロ遠心機。
[0151] 溶液:緩衝液RLT(原液がRNeasy Mini Kit内に備えられている);−プロトコル開始前に、10mLの緩衝液RLTにつき100uLのβ−メルカプトエタノールを添加する。70%エタノール:35mLの無水エタノールをRNaseを含まない脱イオン水15mLに添加することにより、50mLの70%エタノールを調製する。IX PBS:RNaseを含まない水。この溶液を.22umのフィルターで濾過する。
[0152] 手順:OptiCellチャンバーから細胞を取り出す(一度に1つのOptiCellを処理する)。RNAを単離する前に、細胞が生存しているかを確認するために細胞を顕微鏡下で検査する。細胞培養培地を分離廃棄する。OptiCellナイフを用いて上側の膜を切り去り、下側の膜上の細胞を露出させる。細胞が付着している膜をIX PBSで3回洗浄する。細胞が付着している膜の中心に、600uLの緩衝液RLT(β−メルカプトエタノールを含有)をピペットで添加する。細胞掻き取り具を用いて緩衝液RLTを膜の表面全体に穏やかに広げ、次いで液体を一隅に集める。緩衝液RLT全部をピペットで取り出し、QIAshredderスピンカラムに入れる。
[0153] RNAの単離:QIAshredderスピンカラムを14,000rpmで2分間遠心する。スピンカラムを廃棄し、ただし採集管とその内容物を保存する。採集管に600uLの70%エタノールを添加し、ピペッティングによって十分に混合する(この時点で、全体積は1.2mL)。600uLの細胞溶解物をRNeasyミニカラムに移し、14,000rpmで15秒間遠心する。流出液を廃棄し、ただし採集管とスピンカラムを保存する。残量の細胞溶解物(約600uL)をスピンカラムに移し、遠心を繰り返す。流出液を廃棄し、ただし採集管とスピンカラムを保存する。700uLの緩衝液RWlをスピンカラムに添加する。14,000rpmで15秒間遠心してカラムを洗浄する。流出液と採集管を廃棄する。スピンカラムを新たな2mL採集管に移し、500uLの緩衝液RPEをカラムに添加する。14,000rpmで15秒間遠心する。流出液を廃棄し、採集管/カラムを保存する。さらに500uLの緩衝液RPEをカラムに添加する。14,000rpmで2分間遠心する。スピンカラムを1.5mL採集管に移す。30uLのRNA保存液をシリカゲル膜に直接添加し、14,000rpmで1分間遠心してRNAを溶離する。この最終RNAを−70℃に保存する。
RNA 6000 Nano Assay
[0154] Agilent 2100 BioanalyzerおよびRNA 6000 Nano Assayを用いて、哺乳動物培養細胞、リンパ球または組織から単離したRNAを定性アッセイする。
[0155] 試薬:RNA 6000 Nanoゲルマトリックス、RNA 6000 Nano濃縮色素、RNA 6000 Nano Marker(上記の試薬はすべてRNA 6000 Nano Assayキットに含まれる;Agilent)、RNA 6000ラダー、RNase Zap、およびRNaseを含まない水、Ambionから。
[0156] 装置/他の材料:Agilent Chip Priming Station、Agilent、RNA 6000チップ、Agilent、電極洗浄器、P2、Pl0、P200およびP1000 Rainin Pipetmanピペット、DNase/RNaseを含まない無菌のフィルター付きピペットティップ、1.5mL無菌ミクロ遠心管、ボルテックス、IKAボルテックスミキサー、ミクロ遠心機、ならびに加熱ブロック。
[0157] 手順:手順はAgilent TechnologiesによるReagent Kit Guide,RNA 6000 Nano Assay,2003年11月版に示されている。この手引きに示された手順に従い、下記の変更を行なう:ゲルの調製、p.17−濾過したゲルをそれぞれ65uLに小分けするのではなく、濾過したゲル原液を元のミクロ遠心管内に保存し、必要に応じて65uLを分取する。RNA 6000 Nano Markerの装填、p.22−RNaseを含まない水(RNA 6000 Nano Markerの代わりに)1uLを、試料を入れない予定の試料ウェルそれぞれに添加する。これはマーカーの使用量を節約するだけでなく、RNaseを含まない水を含めていずれの試薬も汚染していないことを示す陰性対照としても役立つ。ラダーおよび試料の装填、p.23−試料およびRNA 6000ラダーを71℃でさらに30秒間(合計2.5分間)、熱変性させる。チップ操作の開始、p.26−アッセイメニューから”Eukaryote Total RNA(真核細胞全RNA)Nano”オプションを選択する。
Affymetrix Genechip発現分析
[0158] Affymetrix Inc.(95051カリフォルニア州サンタクララ)から市販されているAffymetrix Canine−1およびCanine−2 GeneChip(登録商標)アレイを用いて遺伝子発現を分析した。全RNAをcDNAに逆転写する。このcDNAを用いてcRNAを生成させ、これを分断し、GeneChipハイブリダイゼーション用プローブとして用いる。遺伝子チップを洗浄し、ハイブリダイゼーション信号をAffymetrixレーザースキャナーで測定する。次いでこのハイブリダイゼーションデータを以後の分析のために確認および規準化する。
[0159] 材料:Affymetrixが大部分の試薬およびキットを提供している。Affymetrixマニュアルに挙げられているがキット内に供給されていない他の試薬は、別個に入手できる(詳細についてはGeneChip Expression Analysis Technical Manual (701021 Rev.4) を参照)。RNase Zap(登録商標)および脱イオン水。
[0160] 装置:エッペンドルフ−ミクロ遠心機、DNaseおよびRNaseを含まない無菌の1.5mLミクロ遠心管、DNaseおよびRNaseを含まない無菌の50mLディスポーザブルポリプロピレン試験管、P1000、P200、P20、P10およびP2 Rainin Pipetmanピペット、DNaseおよびRNaseを含まない無菌のP1000、P200、P20、P10およびP2ピペット用フィルター付きピペットティップ、ならびにPeltierサーマルサイクラーPTC−200。
[0161] 手順:すべての手順をGeneChip Expression Analysis Technical Manual (Affymetrix Copyright 1999-2003)の記載に厳密に従う。第1鎖cDNA合成のために5μgの全RNAを用いる。反応およびプローブ変性に際しての温度制御のためにPeltierサーマルサイクラーPTC−200または加熱ブロックを用いる。RNA NanoDropチップをBioAnalyer 2100と共に用いて品質管理を行なう。前記のイヌ用遺伝子チップには100 Format(Midi Array)を用いる。
実施例1
多様な物質または成分がイヌ類細胞系における遺伝子発現に及ぼす影響の判定
[0162] Affymetrixイヌ類遺伝子チップCanine−1およびCanine−2を用いて、下記の多様な試験物質または成分が4つのイヌ類細胞系および適切な対照における遺伝子発現に及ぼす影響を判定する:たとえばMCT類;TAG類;ALA;EPA;DHA;リノール酸;ステアリン酸(SA)、共役リノール酸(CLA)、GLA;アラキドン酸;レシチン;ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、リボフラビン、ナイアシン、ピリドキシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンC、カテキン、ケルセチン、テアフラビン;ユビキノン;リコペン、リコキサンチン;レスベラトロール;α−リポ酸;L−カルニチン;D−リモネン;グルコサミン;S−アデノシルメチオニン;キトサン;これらの化合物のうち1以上を含有する多様な物質、およびその多様な組合わせ。各成分を、選択した試料成分について表6に示すように2種類の濃度で試験した。2種類の濃度のうち高い方の溶媒を対照として用いた。4つのイヌ類細胞系を用いた:CCL34(腎臓)、CRL1430(胸腺)、CCL183(骨)(The American Tissue Culture Collectionから入手)およびCTAC(甲状腺)(参照:イヌ末梢リンパ球から精製したエフェクター細胞におけるNK活性の測定, Veterinary Immunology and Immunopathology, 35 (1993) 239-251)。特定濃度の成分で処理した細胞系を”処理”と呼び、非処理試料を”対照”と呼ぶ。用語”遺伝子”と”プローブ”をこの方法においては同義に用いる。処理細胞系と対照について遺伝子発現を測定した。
[0163] 遺伝子発現データを、いずれか特定の処理について”アップ”または”ダウン”レギュレーションのいずれかとして判定した。遺伝子が”アップ”または”ダウン”のいずれであるかについての決定は変化倍数に基づいてなされ、倍数は個々の各プローブについて処理強度/対照強度として計算される。この数値が<1/1.5(4つの細胞系すべてにわたる分析について)または<1/2(細胞系内分析について)であれば変化倍数はダウンレギュレーションとみなされ、この数値が>1.5(4つの細胞系すべてにわたる分析について)または>2(細胞系内分析について)であればアップレギュレーションとみなされる。同様に、用いるソフトウェアに従って、比較される条件(処理または対照)のうち1つのみにおいて存在と呼出され、他の条件においては”不存在”または”境界(marginal)”であり、変化倍数が有意である場合、プローブは以後の精査のために有意とみなされる。2つの条件において反対の方向に調節されると思われるプローブは以後の分析から除外する。
[0164] GeneSpringバージョン7.0(GS)ソフトウェア(Agilent Corporation)を用いて粗データを分析し、R−Bioconductor(RB)フリーウェアを用いて評価する。両ソフトウェアパッケージを用いて、Affymetrix Instrumentが作成したCELファイルからプローブ強度を算出する。プローブ毎の存在/不存在/境界呼出しおよびP−値は、R−BioconductorおよびGeneSpringソフトウェアを別個に用いて算出される。
[0165] 2つのスキームをデータ分析に用いる。第1;”細胞系全体”および”個々の細胞系内”。第1スキームでは、遺伝子がすべての細胞系にわたって有意かつ共通であることが認められた場合に、それらの遺伝子が採点のために選択される。”細胞系全体”は最小のノイズで最高の信頼データをもたらし、どの遺伝子が個々の成分によって影響を受けるかについて可能な最良の手掛かりを与える可能性がある。第2スキームでは、個々の細胞系内で両方のソフトウェアパッケージに従った2つの処理において有意倍数の変化を示す遺伝子のみを採点する。これらの実験から得たデータのサンプルを表7に示す。表7は、処理物質(欄1)、プローブ(データリンク)(欄2)、方向(欄3)、最良BLAST標記(欄4)、およびターゲットに最も近いヒト配列のヒト寄託番号(欄5)間の相関性を示す。明確にするために、この表に示したデータは実施した実験から得たデータの一部分にすぎず、本発明の関連する観点を説明するために示したものである;たとえば、被験BDCがピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼおよびイヌ類パルミトイルトランスフェラーゼIを含めた脂肪代謝の中心である”ボトルネック(瓶首、bottleneck)”遺伝子産物に影響を及ぼす可能性があることをデータは示す。これらのデータは、これら2遺伝子にインビトロで影響を及ぼす成分は飼料に含有させた場合に同様な影響を及ぼすのに有用な可能性があることをも示し、その後その飼料を減量増進のために肥満のイヌに与え、または痩身性を維持するために痩身のイヌに与えることができる。被験成分すべてについての情報を参考のためにデータベースに記憶させる。この情報は本発明の第2データセットを構成する。
実施例2
肥満動物と痩身動物からの脂肪組織試料間の遺伝子示差発現の判定
[0166] 常法により”肥満”または”痩身”と診断された13匹の肥満イヌ類および3匹の痩身イヌ類動物から脂肪組織試料を得る。動物の”肥満”または”痩身”は、常法を用いるDEXAによる測定に基づいて、または5点身体状態評点システム(body condition scoring system)に基づいて判定された。たとえば、4以上の身体状態評点および総体脂肪率30%以上をもつ場合、動物は肥満とみなされた。2もしくは2.5の身体状態評点および/またはDEXA総体脂肪率27%未満をもつ場合、動物は痩身とみなされた。すべての組織試料を、動物から摘出した直後に液体窒素中で瞬間凍結する。
[0167] 肥満動物に痩身動物と比較して示差発現している遺伝子がある場合、どの遺伝子がそうであるかを判定するために、Affymetrix”Canine−2”イヌ類遺伝子チップを用いて常法により組織を分析する。肥満動物および痩身動物からのデータをGeneSpringおよびR−Bioconductorソフトウェアにより比較および分析する。いずれか特定の遺伝子に”存在”呼出しが割り当てられるためには、それは以後の精査に考慮すべき2倍の発現レベル変化を示さなければならなかった。さらに、1つの条件にのみ存在し、他のグループには”不存在”または”境界”である遺伝子も、以後の精査のために選択される。
[0168] 実施例2を用いて得たデータのサンプルを表3、4および5に示す。表3は、SEQ ID NOを欄1に、Affymetrixプローブ同定番号(Affymetrix Probe Identification Number)(本明細書中で”APIN”)を欄2に、発現倍率(肥満/痩身)を欄3に、最高BLASTヒットの寄託番号を欄4に、ヒト配列に対する最高BLASTヒットの寄託番号を欄5に示す。表4は対応するSEQ ID NOに対する最高blastヒット寄託番号について得た遺伝子記載を示し、表5は対応するSEQ ID NOに対するヒト配列の最高BLASTヒット寄託番号についての遺伝子記載を示す。明確にするために、これらの表に示したデータは実施した実験から得たデータの一部分にすぎず、本発明の関連する観点を説明するために示したものである。特にこれらのデータは、肥満動物が実施例1に述べた”ボトルネック”遺伝子産物を痩身動物の場合より2〜3倍低い濃度で発現することを示す。したがって、肥満動物に与える飼料に取り込ませたBDCにより前記のボトルネック遺伝子をターゲティングすると、それらの減量を増進し、痩身体型を維持するのに役立つ可能性がある。これらの情報を参考のためにデータベースに記憶させる。この情報は本発明の第1データセットを構成する。
実施例3
肥満動物と痩身動物のクラス予測子として使用できる、肥満動物と痩身動物の血中で示差発現する遺伝子
[0169] 将来の試験を簡略化し、生存動物から生体組織採取しなくてはならない固体組織試料を用いる必要性を排除するために、肥満イヌおよび痩身イヌから血液試料を採取し、肥満動物と痩身動物の識別に使用できるクラス予測子の作成に用いる。Affymetrix Canine−2 GeneChipを用いて、肥満と臨床同定された動物(身体状態評点4または5の動物28匹)または痩身と臨床同定された動物(身体状態評点2または2.5の動物12匹)から採取した血液試料における遺伝子発現レベルを測定する。このGeneChipデータをプログラムGeneSpring(Agilent Technologiesから)バージョン7.2により分析する。偽発見率補正の適用後に肥満試料と痩身試料の間で”p”値0.01の発現レベル差を示す65のプローブが同定される。これらのプローブ(表8に示す)、ならびにそれらが表わす遺伝子および遺伝子産物は、脂肪組織試料を用いる必要なしに血液試料を用いて肥満動物および痩身動物に対するクラス予測子として使用できる可能性がある。
[0170] イヌ類の生理的状態(肥満として診断)、ならびにデータセットおよび表からの情報の比較(被験物質または成分により影響を受け、痩身イヌ類と比較して肥満イヌ類に示差発現する、同一遺伝子の選択)に基づいて、肥満イヌ類のための食物組成物を選択および調製するのに有用な、下記の成分のうち1以上を下記の量で含有する栄養処方を決定する(1日につき体重キログラム当たりのミリグラム数(mg/kg/日)):DHA−約1〜約30;EPA−約1〜約30;EPA/DHA組合わせ(比率1.5:1)−約4/2〜約30/45;ALA−約10〜約100;LA−約30〜約600;ARA−約5〜約50;およびSA−約3〜約60。この処方に基づいて、これらの成分のうち1以上を含有する食物組成物および関連の飼料を調製し、痩身動物と比較して肥満動物に示差発現する遺伝子を調節するために使用できる。そのような調節は、肥満動物の動物脂肪組織の量を調節し、したがって1態様においては望ましい状態または正常な(より痩せた)状態への移行を促進し、動物のより良好な健康およびウェルネスを促進するであろう。
実施例4
より多量の長鎖脂肪酸を含有する飼料は減量を促進し、これらを用いて、痩身になる傾向および痩身性を維持する傾向を反映するように動物の遺伝子発現をリプログラミングすることができる
[0171] 前記に述べたインビトロ成分スクリーニングから得たデータは、長鎖脂肪酸含量の高いある成分が、脂肪代謝に関与する遺伝子の発現に対して全体的に動物の痩身性を促進するように影響を及ぼす可能性をもつことを示す。これは、たとえば一般的なコンピューターアルゴリズム分析を用いて前記に述べた脂肪組織および成分アッセイから得た分析データにより判定される。これに関して有用なアルゴリズムのコードは当業者に周知であり、多大な実験なしに作成できる。そのようなコードの例を以下に示す:
Figure 0005264729
[0172] イヌに与える飼料におけるリノレン酸またはEPA/DHA(1.5:1)の含有がイヌの減量に実際に影響を及ぼすことを確認するために、イヌの減量を誘発することが知られている高繊維飼料との比較のために3種類の高タンパク飼料を調製した:長鎖脂肪酸を含有しないもの(飼料A)またはリノレン酸を添加したもの(乾燥物質基準で100%に対し約1%、飼料B)またはEPA/DHAを添加したもの(1.5:1、約0.30%:0.20%)(飼料C)。この試験では、臨床的に肥満のイヌ45匹すべてに、試験開始前30日間、最初に完全栄養対照飼料を与える。この最初の30日間の後、イヌをランダムに4グループに分ける。4グループ中の3グループに被験飼料のうちいずれかを与え、1グループには対照として高繊維飼料を一定期間、たとえば4カ月間与える。結果は、3種類の実験飼料(飼料A、BおよびC)が高繊維飼料より実質的に高い消化性をもつことを示す。結果は、EPA/DHA含有飼料を摂取しているイヌの約38%がそれらの減量目標に90日目に到達することも示す。興味深いことに、EPA/DHA飼料を摂取しているイヌは除脂肪筋量および骨無機質含量も維持する。これらの結果は、少なくとも臨床レベルで、EPA/DHA含有飼料は減量効果において高繊維飼料と同程度に有効な可能性があることも示す。
[0173] クラス予測子プローブセットを検証し、それが動物の肥満性または痩身性を推定する能力を試験するために、クラス予測子プローブセット(前記の実施例3に記載)を、前記の実験に参加した45匹の動物から得た遺伝子発現データに適用する(発現データは示していない)。クラス予測子分析により、試験開始時に”肥満”と診断された45匹中41匹の動物(約90%)が実際に肥満であることが確認される(この不一致は、現在臨床的に用いられている一般的な身体状態採点システムの主観性によるものであろう)。興味深いことに、前記の4種類の飼料を14日間与えた後、飼料に関係なくすべての動物が”痩身”遺伝子発現プロフィールを呈することをクラス予測子分析は示す。試験終了時には、対照の高繊維飼料を摂取したすべての動物が”肥満”遺伝子発現プロフィールを反映し、被験飼料AおよびBを摂取した動物の約25%が生化学的に”痩身”遺伝子発現プロフィールを反映し、EPA/DHAを含有する飼料Cを摂取した動物の約40%が生化学的に”痩身”遺伝子発現プロフィールを示すことが分かる(表9を参照)。
Figure 0005264729
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Figure 0005264729
図1:
10:FGPドメイン
12:正常外FGPを表わす円
13:中間または移行帯域
14:正常FGPを表わす円
15:最適または完全FGPを表わす円
21、23、24および25:動物が疾病または生理的障害の状態に進入または進行するのに伴って起きるFGPの傾向
22:疾病状態から死亡状態への移行
26:健康な状態または正常状態から死亡状態への移行
32、33および34:正常外FGPにおいて本発明の実施により生じる移行

Claims (2)

  1. 動物の”生理的”クラスまたは状態、およびその動物が疾病を発症する性向または特定の栄養処置に応答する性向を推定するための方法であって、
    a)種々の生理的状態を示す動物または試料の学習セットから得られたゲノムデータ、及びプロテオームデータ、及び、所望によりメタボロームデータに、管理された学習アルゴリズムを適用し;
    b)クラス予測法則を決定し;
    c)新たな被験試料セットにこのクラス予測法則を適用し;
    d)ステップ(c)から得られたクラス予測結果に基づいて、被験試料の所属、したがってその試料を提供した動物の所属を、特定の生理的状態に分類し、または割り当て;そして
    e)ステップ(d)の結果を用いて、食事に取り込ませた生物活性食事成分により動物を異常な生理的状態から正常な生理的状態にするための手段を決定する
    ことを含む方法。
  2. さらに、前記方法のステップ(e)に記載した処置に対する動物の応答を追跡するためにクラス予測法則を使用することを含む追加ステップ(f)を含む、請求項1の方法。
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