JP5261776B2 - 類似データ判別装置、類似データ判別方法およびプログラム - Google Patents
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Description
一方、メディアデータは、同じ映像素材であっても異なるテロップを付与したり、音楽や色彩の編集や加工等を変更して、複数のバージョンを類似データ間において作成する場合がある。例えば、テレビで放送されるCM(commercial message)のメディアデータは、放送される時間帯や時期によって、キャンペーンを告知するテロップや、ターゲット層に応じたオブジェクトを付与して、同じ商品内容のCMであっても、異なるバージョンを作成する場合が多い。
このように、上記特許文献1においては、その特徴的な要素が共通する類似データを検出できたとしても、メディアデータの詳細なバージョンの違いまで判別することができない問題があった。
図1に示す通り、類似データ判別装置100は、蓄積メディアデータ入力部11と、蓄積特徴データ取得部12と、クエリメディアデータ入力部13と、クエリ特徴データ取得部14と、差分特徴抽出部15と、類似度計算部16と、バージョン判定部17と、バージョン判定結果出力部18を含む。
この類似データ判別装置100は、蓄積メディアデータおよびクエリメディアデータを入力し、この入力に基づき判定したバージョン判定結果を出力とする。
例えば、蓄積メディアデータが、そのメディアデータの内容が予めわかっているデータであって、クエリメディアデータが、その内容がわからないデータである。しかし、本発明はこれに限られず、蓄積メディアデータとクエリメディアデータに入力されるデータは、以下に説明する例と逆であってもよい。
この蓄積メディアデータは、例えば、新発売される商品X(例えば、携帯電話)のCMであって、それぞれバージョンが異なるメディアデータA,B,Cを含む。
このメディアデータAは、例えば、商品Xの液晶画面が映し出される映像と音声を含むメディアデータであって、ファイル名「商品Xの新発売CM〜朝バージョン〜」である。
また、メディアデータBは、メディアデータAにテロップ「キャンペーン実施中」が編集で追加されている映像と音声を含むメディアデータであって、ファイル名「商品Xの新発売CM〜昼バージョン〜」である。
さらに、メディアデータCは、メディアデータAの映像において商品Xの液晶画面に表示される映像が夜景に差し替えられている映像と音声を含むメディアデータであって、ファイル名「商品Xの新発売CM〜夜バージョン〜」である。
メディアデータaは、メディアデータA,B,Cの特徴量と共通する特徴量を有する類似データである。また、メディアデータbは、メディアデータA,Bの特徴量と共通する特徴量を有する類似データである。メディアデータcは、メディアデータA,Cの特徴量と共通する特徴量を有する類似データである。なお、このメディアデータa,b,cとしては、例えば、上述の特許文献1の方法により、共通する特徴量を有する類似データとして判定されたデータが利用可能である。
蓄積特徴データ取得部12は、メディアデータA〜Cに基づき、それぞれに含まれる蓄積特徴データを少なくとも1つ以上、メディアデータA〜Cごとに取得する。この蓄積特徴データ取得部12は、例えば、メディアデータA〜Cに含まれる動画像データ、音響データ、静止画像データ等のそれぞれから各メディアデータA〜Cの特徴を表わす蓄積特徴データを取得する。このメディアデータAから取得される蓄積特徴データFA、メディアデータBから取得される蓄積特徴データFB、メディアデータCから取得される蓄積特徴データFCは、例えば、それぞれ以下に示す数式で表わすことができる。
クエリ特徴データ取得部14は、メディアデータa〜cに基づき、それぞれに含まれるクエリ特徴データを、メディアデータa〜cごとに取得する。このクエリ特徴データ取得部14は、例えば、メディアデータa〜cに含まれる動画像データ、音響データ、静止画像データ等のそれぞれからメディアデータa〜cの特徴を表わす蓄積特徴データを取得する。このメディアデータaから取得される蓄積特徴データFa、メディアデータbから取得される蓄積特徴データFb、メディアデータcから取得される蓄積特徴データFcは、例えば、それぞれ以下に示す数式で表わすことができる。
この特徴データの取得方法は、対象となるメディアデータの種類(例えば、動画像データ、音響データ、静止画像データ等)に応じて異なり、例えば、以下に説明する3つの方法を利用可能である。
例えば、蓄積特徴データ取得部12およびクエリ特徴データ取得部14が、動画像データから特徴データを取得する場合、次の処理により特徴データを取得することができる。
この蓄積特徴データ取得部12およびクエリ特徴データ取得部14は、例えば、動画像データからフレーム単位に低解像度画像の画素値を抽出し、得られた画素値を多次元ベクトル化して特徴ベクトルを得る。毎秒29.97フレーム、640×480の解像度で取得された動画像データの場合、蓄積特徴データ取得部12およびクエリ特徴データ取得部14は、毎秒15フレームのフレームレートでフレームを取得し、再度各フレームを5×5に分割しサブ画像ごとにRGBのそれぞれのカラーの輝度値の平均値を取得し、それらを並べた75次元の特徴ベクトルとして取得する。
以上の処理により、蓄積特徴データ取得部12およびクエリ特徴データ取得部14は、時間周波数空間においてスパースかつ粗く量子化された特徴量の集合として表現される特徴データを得る。
音響データの場合は、次の処理により特徴データを取得することができる。
例えば、蓄積特徴データ取得部12およびクエリ特徴データ取得部14は、サンプリング単位に周波数毎のパワースペクトル値等を抽出し、この抽出した特徴量を多次元ベクトル化して特徴ベクトルを得る。8000Hzにサンプリングされた音の場合、蓄積特徴データ取得部12およびクエリ特徴データ取得部14は、1024個のサンプルを10ミリ杪毎にFFT( Fast Fourier transform )により周波数のパワースペクトルを抽出し、0〜4000Hzまでの周波数のパワーを512次元の特徴ベクトルとして取得する。
また、蓄積特徴データ取得部12およびクエリ特徴データ取得部14は、さらに512次元を4つの要素ごとに平均値を取得し128次元とするように、平均化処理により次元を圧縮するようなこともできる。
蓄積特徴データ取得部12およびクエリ特徴データ取得部14は、統計量において、15フレームの各次元ごとに時間方向に平均値を求め、中心の要素値から平均値を差し引いた値の絶対値とする。
次に、蓄積特徴データ取得部12およびクエリ特徴データ取得部14は、その正規化値を量子化する。この蓄積特徴データ取得部12およびクエリ特徴データ取得部14は、例えば、正規化値を、1を越える値、0から1の値、−1から0の値、−1を下回る値の4段階に量子化する。
以上の処理により、蓄積特徴データ取得部12およびクエリ特徴データ取得部14は、時間周波数空間においてスパースかつ粗く量子化された特徴の集合として表現される特徴データを得る。
静止画像データの場合は、次の処理により特徴データを取得することができる。
例えば、蓄積特徴データ取得部12およびクエリ特徴データ取得部14は、静止画像から低解像度画像の画素値等を抽出し、得られた画素値を多次元ベクトル化して特徴ベクトルを得る。この蓄積特徴データ取得部12およびクエリ特徴データ取得部14は、例えば、得られた静止画像を64×48に分割しサブ画像ごとにRGBのそれぞれのカラーの輝度値の平均値を取得し、それらを並べた9216次元の特徴ベクトルとして取得する。
以上の処理により時間周波数空間においてスパースかつ粗く量子化された特徴の集合として表現される特徴データを得る。
数式で示すと、差分クエリ特徴データGaは、他のクエリ特徴データFb,Fcに存在しないクエリ特徴データFaの固有の特徴量であって、下の式(7)で示す。
具体的に説明すると、類似度計算部16は、蓄積特徴データFA,FB,FCと差分クエリ特徴データGa,Gb,Gcとの間で、それぞれ一致する特徴量fai,fbi,fciの数で表わされる一致度を類似度として計算する。
この類似度計算部16は、このカウントされた特徴量の数に応じて、各差分クエリ特徴データGa,Gb,Gcにおける類似度NaA,NbA,NcAを、それぞれ計算する。
なお、類似度計算部16は、上述と同様にして、各差分クエリ特徴データGa,Gb,Gcにおける蓄積特徴データFBに対する類似度NaB,NbB,NcBを計算し、各差分クエリ特徴データGa,Gb,Gcにおける蓄積特徴データFCに対する類似度NaC,NbC,NcCを計算する。
例えば、類似度計算部16が、蓄積特徴データFAに対して差分クエリ特徴データGaの類似度を計算する場合の一例について説明する。
下に示す通り、クエリ特徴データFaの特徴量faiが式(10)に示す値であって、蓄積特徴データFAの特徴量fAiが式(11)に示す値とする。このクエリ特徴データFaの特徴量faiと蓄積特徴データFAの特徴量fAiとを比較すると、式(12)(13)に示すように、切片kにおいて一致度の最大値を類似度とすることもできる(非一致度の場合も同様)。
一方、バージョン判定部17は、閾値θA未満である類似度NaA,NbA,NcAに対応するクエリメディアデータa,b,cを、蓄積メディアデータAとは異なるバージョン(つまり、異なるメディアデータ)であると判定する。
なお、このバージョン判定部17は、この閾値と類似度の判定を、クエリメディアデータごと、蓄積メディアデータごとに行い、この判定を数式で表わしたものを、式(18)に示す。
yは、クエリメディアデータの識別子を示す{y=a,b,c,・・・}
zは、蓄積メディアデータの識別子を示す{z=A,B,C,・・・}
一方、バージョン判定部17は、閾値θB未満である類似度NaB,NbB,NcBに対応するクエリメディアデータa,b,cを蓄積メディアデータBとは異なるバージョンであると判定し、閾値θC未満である類似度NaC,NbC,NcCに対応するクエリメディアデータa,b,cを蓄積メディアデータCとは異なるバージョンであると判定する。
図3に示す通り、類似データ判別装置100は、少なくとも一つの蓄積メディアデータの入力を待ち(ステップST1)、蓄積メディアデータ入力部11が蓄積メディアデータA,B,Cを入力する。すると、蓄積特徴データ取得部12が、この蓄積メディアデータA,B,Cから蓄積特徴データFA,FB,FCを取得し(ステップST2)、類似度計算部16に出力する。そして、類似データ判別装置100は、類似度計算部16およびバージョン判定部17におけるバージョン判定処理の待ち状態となる(ステップST3)。
これにより、類似度計算部16は、各差分クエリ特徴データGaにおける蓄積特徴データFAに対する類似度NaAを計算する(ステップST6)。
このバージョン判定部17は、類似度NaAが閾値θA以上となった場合、クエリメディアデータaと蓄積メディアデータAとが同一のバージョンであると判断し、この判断結果を、バージョン判定結果出力部18に出力する。
一方、他の蓄積メディアデータの入力がない場合、処理を終了する。
そして、類似データ判別装置100は、互いに類似するクエリメディアデータa,b,cにおいて、共通する特徴要素を削除して、各クエリメディアデータa,b,cの特徴をより表わす特徴要素だけを抽出して、差分クエリ特徴データGa,Gb,Gcを算出する。この類似データ判別装置100は、この差分クエリ特徴データGa,Gb,Gcと蓄積メディアデータの蓄積特徴データFA,FB,FCとに基づき、互いの類似度を判断することで、バージョンを判定する。
このように、互いに類似するクエリメディアデータa,b,cから差分クエリ特徴データGa,Gb,Gcを算出した後、この差分クエリ特徴データGa,Gb,Gcに基づき類似度を判断することにより、互いに類似するクエリメディアデータa,b,cにおけるより詳細なメディアデータの違いを判断することができる。
従って、例えば、さまざまな商品のCMのメディアデータや他のメディアデータを含む映像から、商品Xのメディアデータを検索した場合、この検索した商品Xのメディアデータのうち、細かなバージョンの違いを判別することができる。
この実験では、46時間分のメディアデータにおいて、バージョンが異なり、かつ、類似する27種類の蓄積メディアデータ(CM素材)と、この27種類の蓄積メディアデータと類似すると判断されたクエリメディアデータとを用いて、本実施形態に係る類似データ判別装置100によるバージョン判定を行った。また、比較対象として、本実施形態に係る類似データ判別装置100における差分特徴抽出部15を用いない比較例によるバージョン判定も行った。
この実験により、図4に示すような結果を得た。この結果は、適合率が100%となるような閾値θを設定した場合の結果である。この結果からわかるとおり、本実施形態に係る類似データ判別装置100のように、差分特徴抽出部15を備えることによって、その再現率が向上することが確認された。
例えば、差分特徴抽出部15は、差分クエリ特徴データを抽出することに加えて、各クエリ特徴データに対応付けられている属性情報に基づき、各クエリ特徴データの差分を抽出するものであってもよい。
この属性情報とは、クエリ特徴データのクエリメディアデータに付与されている属性情報であって、例えば、クエリメディアデータのファイル名や、放送時期や放送時間帯等である。
また、類似度計算部16は、この属性情報に基づき、クエリメディアデータと蓄積メディアデータの類似度の程度を判断するものであってもよい。
例えば、クエリメディアデータaには、am7:00に放送されたことを示す属性情報が付与されており、クエリメディアデータbには、pm2:00に放送されたことを示す属性情報が付与されているとする。また、蓄積メディアデータAは、ファイル名「商品Xの新発売CM〜朝バージョン〜」であって、放送時間帯がam6:00〜am11:00の時間帯であることを示す属性情報が付与されている。蓄積メディアデータAは、ファイル名「商品Xの新発売CM〜昼バージョン〜」であって、放送時間帯がam11:00〜pm3:00の時間帯であることを示す属性情報が付与されているとする。
さらに、類似度計算部16は、クエリメディアデータa,bが、それぞれ、メディアデータA,Bの両方と、同一のバージョンであると判断したとする。
つまり、バージョン判定部17は、蓄積メディアデータA,Bの属性情報として、放送時間帯を得て、この蓄積メディアデータA,Bの属性情報である放送時間帯と、クエリメディアデータa,bが放送された時間とを比較して、クエリメディアデータa,bが放送された時間帯に対応する蓄積メディアデータA,Bが、クエリメディアデータと同一のバージョンであると判定する。
Claims (6)
- 蓄積メディアデータの特徴を示す蓄積特徴データを取得する蓄積特徴データ取得部と、
複数のクエリメディアデータから、それぞれ、各クエリメディアデータの特徴を示すクエリ特徴データを取得するクエリ特徴データ取得部と、
複数の前記クエリ特徴データ同士を比較して、当該クエリ特徴データに含まれる複数の特徴の要素のうち、他のクエリ特徴データに含まれる特徴の要素と同一の特徴の要素を除いた差分特徴データを抽出する差分特徴抽出部と、
前記蓄積特徴データと前記差分特徴データを比較して、前記差分特徴データに含まれる特徴の要素のうち、前記蓄積特徴データに含まれる特徴の要素と一致する特徴の要素の数が多いほど大きい類似度を算出する類似度計算部と、
前記類似度計算部によって計算された前記類似度と予め決められた閾値とを前記クエリメディアデータ毎に比較し、比較結果に応じて前記蓄積メディアデータと前記クエリメディアデータとの同一性を判定する判定部と
を備えることを特徴とする類似データ判別装置。 - 前記蓄積特徴データ取得部によって取得される前記蓄積特徴データは、前記蓄積メディアデータから得られた特徴量を量子化したものであり、
前記クエリ特徴データ取得部によって取得される前記クエリ特徴データは、前記クエリメディアデータから得られた特徴量を量子化したものであることを特徴とする請求項1に記載の類似データ判別装置。 - 前記判定部は、
前記類似度計算部によって計算された前記類似度が前記閾値以上である場合、前記蓄積メディアデータと前記クエリメディアデータとが同一であると判定し、前記類似度計算部によって計算された前記類似度が前記閾値未満である場合、前記蓄積メディアデータと前記クエリメディアデータとが同一でないと判定することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の類似データ判別装置。 - 蓄積メディアデータの特徴を示す蓄積特徴データを取得する蓄積特徴データ取得部と、
複数のクエリメディアデータから、それぞれ、各クエリメディアデータの特徴を示すクエリ特徴データを取得するクエリ特徴データ取得部と、
複数の前記クエリ特徴データ同士を比較して、当該クエリ特徴データに含まれる複数の特徴の要素のうち、他のクエリ特徴データに含まれる特徴の要素と同一の特徴の要素を除いた差分特徴データを抽出する差分特徴抽出部と、
前記蓄積特徴データと前記差分特徴データを比較して、前記蓄積特徴データに含まれる特徴の要素と一致しない特徴の要素の数が多いほど大きい非類似度を算出する類似度計算部と、
前記類似度計算部によって計算された前記非類似度と予め決められた閾値とを前記クエリメディアデータ毎に比較し、比較結果に応じて前記蓄積メディアデータと前記クエリメディアデータとの同一性を判定する判定部と
を備えることを特徴とする類似データ判別装置。 - 類似データ判別装置が、
蓄積メディアデータの特徴を示す蓄積特徴データを取得する行程と、
複数のクエリメディアデータから、それぞれ、各クエリメディアデータの特徴を示すクエリ特徴データを取得する行程と、
複数の前記クエリ特徴データ同士を比較して、当該クエリ特徴データに含まれる複数の特徴の要素のうち、他のクエリ特徴データに含まれる特徴の要素と同一の特徴の要素を除いた差分特徴データを抽出する行程と、
前記蓄積特徴データと前記差分特徴データを比較して、前記差分特徴データに含まれる特徴の要素のうち、前記蓄積特徴データに含まれる特徴の要素と一致する特徴の要素の数が多いほど大きい類似度を算出する行程と、
前記類似度と予め決められた閾値とを前記クエリメディアデータ毎に比較し、比較結果に応じて前記蓄積メディアデータと前記クエリメディアデータとの同一性を判定する行程と、
を備えることを特徴とする類似データ判別方法。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の類似データ判別装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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