<第1実施例>
図1を参照して、携帯端末10は、CPU(プロセサまたはコンピュータと呼ばれることもある。)20、キー入力装置22、タッチパネル制御回路32およびタッチパネル34を含む。キー入力装置22またはタッチパネル制御回路32によって制御されるタッチパネル34によって発呼操作が行われると、CPU20は、CDMA方式に対応する無線通信回路14を制御して発呼信号を出力する。出力された発呼信号は、アンテナ12から送出され、基地局を含む移動通信網に送信される。通話相手が応答操作を行うと、通話可能状態が確立される。
通話可能状態に移行した後にキー入力装置22によって通話終了操作が行われると、CPU20は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、CPU20は、通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、CPU20は、通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、CPU20は通話処理を終了する。
携帯端末10が起動している状態で通話相手からの発呼信号がアンテナ12によって捉えられると、無線通信回路14は、着信をCPU20に通知する。また、CPU20は、LCDドライバ24によって表示装置であるLCDモニタ26を制御し、着信通知に記述された発信元情報をLCDモニタ26に表示させる。そして、CPU20は、図示しない着信通知用のスピーカから着信音を出力させる。
通話可能状態では、次のような処理が実行される。通話相手から送られてきた変調音声信号(高周波信号)は、アンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号は、無線通信回路14によって復調処理および復号処理を施される。そして、得られた受話音声信号は、スピーカ18から出力される。一方、マイク16によって取り込まれた送話音声信号は、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理を施される。そして、生成された変調音声信号は、上述と同様、アンテナ12を利用して通話相手に送信される。
タッチパネル34は、LCDモニタ26の画面内で、任意の位置を指示するためのポインティングデバイスである。タッチパネル34は、その上面を指で、押したり、スライドしたり(撫でたり)、触られたりすることにより操作されると、その操作を検出する。そして、タッチパネル34がタッチを検出すると、タッチパネル制御回路32は、その操作の位置を特定し、操作された位置の座標データをCPU20に出力する。つまり、タッチパネル制御回路32はタッチ位置検出手段として機能し、使用者は、タッチパネル34の上面を指で、押したり、スライドしたり(擦ったり)、触れたりすることによって、操作の方向や図形などを携帯端末10に入力することができる。
また、タッチパネル34は、指がタッチパネル34の表面に接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する静電容量方式と呼ばれる方式で、1本または複数本の指がタッチパネル34に触れたことを検出する。具体的には、このタッチパネル34には、透明フィルムなどに電極パターンを形成することで、指が接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する、投影型の静電容量方式が採用されている。なお、検出方式には、表面型の静電容量方式が採用されてもよいし、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などであってもよい。
ここで、使用者がタッチパネル34の上面を指で触れる操作を「タッチ」と言うことにする。一方、タッチパネル34から指を離す操作を「リリース」と言うことにする。また、タッチパネル34の表面を擦る操作を「スライド」と言うことにする。そして、タッチによって示された座標を「タッチ点」(タッチ開始位置)、リリースによって示された座標を「リリース点」(タッチ終了位置)と言うことにする。さらに、使用者がタッチパネル34の上面をタッチして、続けてリリースする操作を「タッチアンドリリース」と言うことにする。そして、タッチ、リリース、スライドおよびタッチアンドリリースなどのタッチパネル34に対して行う操作を、総じて「タッチ操作」と言うことにする。なお、操作を行うために、専用のタッチペンなどを備えるようにしてもよい。また、指を使ってタッチする場合のタッチ点は、タッチパネル34に触れている指の面積の重心座標となる。
また、CPU20は、位置情報取得手段である、GPS(Global Positioning System)制御回路36およびGPSアンテナ38によって、現在位置の情報を取得する事ができる。たとえば、使用者によって現在位置の情報を取得する操作がされると、CPU20は、GPS制御回路36を起動し、GPSアンテナ38によって図示しないGPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。そして、CPU20は、受信したGPS信号から現在位置の緯度および経度を取得する。これにより、携帯端末10は、受信したGPS信号を利用して、ナビゲーション機能などを実行する。
さらに、携帯端末10は、TV視聴機能を備えており、キー入力装置22またはタッチパネル34によってTV視聴機能を実行する操作が行われると、LCDモニタ26には、デジタル放送による映像が表示される。具体的には、DTVチューナ40は、DTVアンテナ42によって受信したデジタル放送信号から、選局されたチャンネルに対応するデジタル放送信号を抽出する。また、DTVチューナ40は、その抽出したデジタル放送信号に対してデジタル復調等の処理を行い、復調信号を生成する。さらに、DTVチューナ40は復調信号を携帯端末10に出力し、携帯端末10は復調信号に対してMPEG方式に基づいた復号処理を行い、映像信号を形成する。そして、その形成された映像信号は、LCDモニタ26に出力され、LCDモニタ26には、選局されたチャンネルのデジタル放送による映像が表示される。
そして、キー入力装置22またはタッチパネル34によってネットワーク100を介するデータ通信操作が行われると、CPU20は、無線通信回路14を制御して、辞書サーバ110、音楽サーバ120、天気サーバ130、商品サーバ140、為替サーバ150およびレシピサーバ160のいずれか1つとデータ通信を行う。また、辞書サーバ110は、HDD112を備えており、そのHDD112には様々な言語を日本語に翻訳するための翻訳辞書のデータが記憶されている。さらに、音楽サーバ120が備えるHDD122には音楽データ、その音楽データに対応するPV(Promotion Video)動画データおよびジャケット写真画像データなどが記憶されており、天気サーバ130が備えるHDD132には様々な地域の最新の天気情報が記憶されており、商品サーバ140が備えるHDD142には様々な商品の情報が記憶されており、為替サーバ150が備えるHDD152には最新の為替の情報が記憶されており、レシピサーバ160が備えるHDD162には様々な料理のレシピを示す情報が記憶されている。つまり、携帯端末10の使用者は、携帯端末10によって辞書サーバ110、音楽サーバ120、天気サーバ130、商品サーバ140、為替サーバ150およびレシピサーバ160とのデータ通信を行い、必要な情報を取得することができる。さらに、携帯端末10は、メール機能によって、図示しないメールサーバとのデータ通信を行い、メールの送受信を行うことができる。なお、データ通信中における、アンテナ12および無線通信回路14は通信手段として機能する。また、各サーバは有線または無線でネットワーク100と接続されている。
図2は、携帯端末10の外観を示す図解図である。図2を参照して、携帯端末10は、板状に形成されたケースCを有する。図2では図示しないマイク16およびスピーカ18は、ケースCに内蔵される。内蔵されたマイク16に通じる開口OP2は、ケースCの長さ方向一方の主面に設けられ、内蔵されたスピーカ18に通じる開口OP1は、ケースCの長さ方向他方の主面に設けられる。つまり、使用者は、開口OP1を通じてスピーカ18から出力される音を聞き、開口OP2を通じてマイク16に音声を入力する。
キー入力装置22は、通話キー22a、メニューキー22bおよび終話キー22cの3種類のキーを含み、それぞれのキーは、ケースCの主面に設けられる。また、LCDモニタ26は、モニタ画面がケースCの主面に露出するように取り付けられる。そして、LCDモニタ26の上面には、タッチパネル34が設けられる。
使用者は、通話キー22aを操作することで応答操作を行い、終話キー22cを操作することで通話終了操作を行う。さらに、使用者は、メニューキー22bを操作することで、メニュー画面をLCDモニタ26に表示させる。そして、終話キー22cを長押しすることで携帯端末10の電源オン/オフ操作を行うことができる。また、使用者は、LCDモニタ26に表示される表示されるGUI(Graphical User Interface)を操作し、電話番号を入力することができる。たとえば、LCDモニタ26にはGUIとして0〜9の数字キーが表示され、使用者はその数字キーの表示領域に対してタッチすることで電話番号を入力する。そして、使用者は、電話番号を入力した後に、通話キー22aを操作することで、通話状態を確立することができる。
さらに、図3(A)を参照して、送信メールの作成を行う場合に、LCDモニタ26には図3(A)に示すように文字入力キーが表示され、使用者はLCDモニタ26に表示された文字入力キーを操作して、送信メールの本文を作成する。
まず、LCDモニタ26には、状態表示領域50および機能表示領域52が設定される。状態表示領域50はLCDモニタ26の上側に設定され、アンテナ12による電波受信状態、充電池の残電池容量および現在日時などを表示する。また、状態表示領域52は状態表示領域50以外の領域を指し、本文表示領域54およびキー表示領域56が含まれる。第1表示領域である本文表示領域54は、機能表示領域52内の上側に設けられ、状態表示領域50およびキー表示領域56に挟まれて、それぞれの領域に隣接する。また、図3(A)に示す本文表示領域54には、或る送信メールの本文が表示されている。なお、状態表示領域50および機能表示領域52は、LCDモニタ26の表示範囲に割り当てられるとも言う。
一方、キー表示領域52は本文表示領域54の下側に設けられ、キー群58が表示されている。このキー群58は、文字入力キー群、改行キー、文字変換キー、確定キーおよび英数キーを含む複数のキーから構成される。
使用者は、キー群58のうち、文字入力キー群を利用して未確定の平仮名を入力する。たとえば、文字入力キーにはあ行文字入力キーが含まれる。このあ行文字入力キーは、「あ、い、う、え、お」の文字を入力するためのキーであり、操作されると、あ行のそれぞれの文字を指定して入力することができる。つまり、使用者は、あ行文字入力キーに対してタッチアンドリリースを1度行えば、「あ」の文字を入力し、さらにもう一度、タッチアンドリリースを行えば、「い」の文字を入力することができる。また、使用者は文字変換キーによって未確定の平仮名を漢字に変換し、繰り返して変換キーを操作することで、変換候補の漢字を選択することができる。そして、使用者は確定キーを操作することで、変換候補の漢字を確定することができる。これによって、使用者は、漢字と平仮名の混じった日本語の文章を入力することができる。なお、使用者は英数キーを操作することで、文字入力キーに割り当てられた文字を英数字に切り替え、英数字を入力することができる。
ここで、使用者は、本文表示領域54内に表示される言語変換キー60を操作することで、第1言語である日本語で入力された文字列を、第2言語である英語の文字列に変換(翻訳)するための変換機能を実行することができるようになる。以下、この日本語の文字列を英語の文字列に変換する変換機能について、詳しく説明をする。
図3(B)は、図3(A)に示す言語変換キー60が操作された後に、LCDモニタ26に表示されるGUIの表示例を示す図解図である。図3(B)を参照して、LCDモニタ26には、本文表示領域54の下側に隣接して、第2表示領域である変換領域62が新たに設定される。また、変換領域内62内には、メニューキー64および「×」キー66が表示される。そして、本文表示領域54と変換領域62とが境界線68によって区切られる。なお、図3(B)では、状態表示領域50、機能表示領域52、キー表示領域56およびキー群58については、図3(A)で行った説明と同じであるため、図示を省略する。
変換領域62は、本文表示領域54内に表示される日本語の文字列が選択された後に、変換操作が行われると、その変換結果が表示される領域である。この文字列の選択と、変換操作とについては、図4(A)−図4(C)を利用して後述するため、ここでは詳細な説明を省略する。メニューキー64は、文字列を変換するための初期設定を行うメニュー画面を表示するためのキーである。「×」キー66は、変換機能の処理を終了させることで変換領域62の表示を消去するためのキーである。つまり、この「×」キー66が操作されると、図3(A)に示す表示に戻ることになる。なお、図3(B)で説明した本文表示領域54、変換領域62、メニューキー64、「×」キー66および境界線68については、他の図面でも別段の説明をしない限り同じであるため、他の図面での詳細な説明を省略する。
まず、本文表示領域54に表示されている日本語の文字列を選択した後に、英語の文字列に変換する操作について、図4(A)−図4(C)を利用して詳細に説明する。使用者はタッチパネル34に対してタッチした後に、任意の位置までスライドすることで、文字列を選択することができる。たとえば、図4(A)では、送信メールの本文において「こんにちは」の文字列が選択された状態が図示されている。そして、「こんにちは」の文字列が選択されると、「こんにちは」の各文字の背景色が青色に彩色される。以下、青色に彩色された範囲を選択範囲と言うことにする。なお、図4(A)では、選択範囲を明確に示すため青色で彩色された範囲を網掛けの長方形で示す。また、選択範囲を解除するには、選択範囲外でタッチアンドリリースの操作を行えばよい。
次に、選択範囲内の日本語の文字列を英語の文字列に変換する変換操作は、選択範囲内にタッチした後、境界線68を超えて変換領域62までスライドし、変換領域62内でリリースする。すると、図4(C)に示すように、変換領域62内には、「こんにちは」が「HELLO」に変換された変換結果が表示される。このように、使用者は、タッチパネル34に対するタッチ操作によって、日本語を外国語に翻訳することができるようになる。そのため、使用者は、外国語で書かれた文章を記述したり、読解したりすることが容易にできるようになる。
また、この変換処理には、記憶装置であるRAM30内に記憶されている翻訳辞書データ346が利用される。つまり、「こんにちは」を「HELLO」に変換するための変換処理に利用される辞書は、日本語を英語、または英語を日本語に翻訳(変換)するための辞書データである。つまり、CPU20は、翻訳辞書を利用して日本語の文字列を変換することができる。さらに、言語の変換処理において、日本語の文章は、形態素解析によって単語や文節に区切られてから、英語に翻訳される。そして、形態素解析を利用して翻訳する処理については、広く一般的な手法であるため、詳細な説明は省略する。
なお、RAM30に辞書のデータを記憶するのではなく、辞書のデータを記憶するROMを携帯端末10に実装するようにしてもよい。また、携帯端末10に外部記録媒体(メモリカードなど)を挿入可能にし、辞書データが外部記録媒体に記憶されるようにしてもよい。
ここで、文字列を選択する選択処理について、図5(A)−図5(E)を参照して説明する。まず、図5(A)は、送信メールの本文に表示される文字列の表範囲を模式的に示す図解図である。また、図5(A)に示す「こ」の表示領域は図5(B)に示され、「は」の表示領域は図5(C)に示される。そして、図7(B),(C)のそれぞれは、各文字の表示領域の座標も示す。図7(B)を参照して、「こ」の表示領域は、縦軸が座標VCx1と座標VCx2とで示され、横軸が座標VCy1と座標VCy2とで示される。一方、図7(C)を参照して、「は」の表示領域は、縦軸が座標VCx3と座標VCx4とで示され、横軸が座標VCy3と座標VCy4とで示される。なお、ここでは図示しないが、文字の表示領域は、全角文字と半角文字とで大きさが異なり、半角文字の表示領域の面積は、全角文字に対して半分の大きさとなる。
次に、図5(D)を参照して、点aで示される座標は「こ」の表示領域内に含まれ、点bで示される座標は「は」の表示領域内に含まれる。たとえば、点aの座標がタッチ点であり点bがリリース点であれば、点aから点bの方向にスライドされたことになる。そして、点aから点bの方向にスライドされると、図5(E)に示すように、タッチ点を含む「こ」の文字から、リリース点を含む「は」までの文字列が選択される。よって、「こんにちは」の文字列の背景色が青色に彩色され、図4(A)に示す選択範囲が設定される。以下、タッチした後にスライドし、リリースする操作をタッチアンドスライドと言うことにする。なお、選択操作は、主にタッチアンドスライドによって行われる。
なお、他の選択操作としては、任意の文字をタッチアンドリリースしてもよい。つまり、任意の文字をタッチアンドリリースすると、その任意の文字を含む文字列を選択する。たとえば、平仮名の文字に対してタッチアンドリリースされると前後の平仮名の文字列が選択され、漢字の文字に対してタッチアンドリリースされると前後の漢字の文字列が選択される。
ここで、変換処理の初期設定について図6(A)−図6(E)を用いて説明する。たとえば、図3(B)に示すメニューキー64が操作されると、図6(A)に示すメニュー画面が変換領域62に表示される。このメニュー画面では、翻訳言語キー70、複数言語翻訳キー72a、多言語翻訳キー72bおよび終了キー74が表示される。
翻訳言語キー70は、変換処理によって変換される言語を変更するためのキーである。この翻訳言語キー70が操作されると、図6(B)に示すように、翻訳言語のメニュー画面が変換領域62内に表示される。翻訳言語のメニュー画面では、英語キー76a、アラビア語キー76bおよび言語追加キー78が表示される。英語キー76aおよびアラビア語キー76bは、翻訳辞書データ346を構成する英語翻訳辞書データおよびアラビア語翻訳辞書データに対応する。そして、下線が付されたキーは、変換(翻訳)処理のときに参照される翻訳辞書データを示す。たとえば、図6(B)では、英語キー76a内に書かれた「英語」に下線が付されているため、変換処理では英語翻訳辞書データが参照される。つまり、使用者は、下線が付されたキーによって、変換する言語を特定することができる。
そして、翻訳言語のメニュー画面でアラビア語キー76bが操作されると、変換処理ではアラビア語翻訳辞書データを参照するように設定され、アラビア語キー76b内に書かれた「アラビア語」の文字列に下線が付される。さらに、アラビア語キー76bが操作された後には、変換領域62にメニュー画面が再び表示される。なお、英語キー76b内の「英語」に下線が付された状態で、英語キー76aが操作されると、変換処理で参照される翻訳辞書データが変更されることなく、図6(A)に示すメニュー画面の表示に戻る。
このように、使用者は、変換処理の初期設定として、複数の翻訳辞書データの中から任意の言語を設定することができる。つまり、使用者は、複数の翻訳辞書の中から任意の翻訳辞書を選択することで、任意の言語に変換することができる。
また、言語追加キー78が操作されると、辞書サーバ110から、英語およびアラビア語以外の翻訳辞書を取得するためのデータ通信を開始する。図6(C)を参照して、言語追加キー78が操作されると、変換領域62にはデータ通信によってデータ通信料が課金される旨を示す注意書きが表示される。ここで、OKキー80が操作されると、辞書サーバ110とのデータ通信を開始する。そして、変換領域62には、図6(D)に示すように、追加可能な言語の翻訳辞書のリストを表示する。
図6(D)を参照して、変換領域62内には、翻訳辞書リストメニュー画面が表示され、スペイン語キー82aおよび中国語キー82bなどのキーが表示されると共に、決定キー82cが表示される。スペイン語キー82aおよび中国語キー82bのそれぞれは、辞書サーバ110のHDD112に記憶される各翻訳辞書データを示す。そして、スペイン語キー82a内の「スペイン語」に下線が付された状態で決定キー82cが操作されると、スペイン語翻訳辞書データが辞書サーバ110からダウンロード(取得)される。また、スペイン語翻訳辞書データのダウンロードが終了すると、図6(E)に示すように、翻訳言語のメニュー画面内にスペイン語キー76cが表示される。これによって、使用者は、英語およびアラビア語にスペイン語の翻訳辞書を加えた状態で、任意の翻訳辞書を選択できるようになる。つまり、使用者は、文字列を変換する場合に、必要な辞書データがなければ、データ通信によって任意に辞書データを取得できる。
なお、翻訳言語メニュー画面および翻訳辞書リストメニュー画面の右端側にスクロールバーを設けることで、使用者が、2ないし3以上の翻訳辞書データから、任意の翻訳辞書データを選択できるようにしてもよい。
次に、図6(A)を再び参照して、複数言語翻訳キー72aが操作された場合について説明する。この複数言語翻訳キー72aが操作されると、RAM30内に記憶される複数の翻訳辞書を利用して、1画面で複数の言語に変換(翻訳)することが可能な複数言語翻訳モードが設定される。たとえば、翻訳辞書データ346を構成する翻訳辞書が英語とアラビア語とスペイン語と中国語との翻訳辞書データから構成されている場合に、複数言語翻訳キー72aが操作され、さらに終了キー74が操作されると、図7(A)に示すような画面に遷移する。
図7(A)を参照して、複数言語翻訳モードでは、機能表示領域52内からキー表示領域54の表示が消去され、4つに分けられた変換領域62が表示されるようになる。そして、本文表示領域54は、表示面積が小さくなった状態で、機能表示領域52の中心に配置される。さらに、本文表示領域54の周囲が変換領域62となるため、境界線68が本文表示領域54を囲うように設定される。そして、本文表示領域54内には、複数言語翻訳モードを終了するための終了キー84が設定される。
また、4つに分けられた変換領域は、左上から時計方向の順番に、英語の変換領域、アラビア語の変換領域、スペイン語の変換領域および中国語の変換領域として設定され、それぞれの領域が境界線86a−86dによって区切られる。そして、本文表示領域54内の「こんにちは」の文字列が選択された後に、選択範囲から英語の変換領域に対してタッチアンドスライドがされると、「HELLO」に翻訳される。また、「こんにちは」の日本語の文字列は、選択範囲からアラビア語の変換領域にタッチアンドスライドがされるとアラビア語の文字列に変換され、選択範囲からスペイン語の変換領域にタッチアンドスライドがされるとスペイン語の文字列に変換され、選択範囲から中国語の変換領域にタッチアンドスライドがされると中国語の文字列に変換される。
さらに、図8を参照して、英語の変換領域に「HELLO」の文字列が表示されている状態で、英語の変換領域から中国語の変換領域にタッチアンドスライドが行われると、「こんにちは」が中国語に変換される。さらに、続けて中国語の変換領域からスペイン語の変換領域にタッチアンドスライドがされると「こんにちは」がスペイン語に変換され、スペイン語の変換領域からアラビア語の変換領域にタッチアンドスライドがされると「こんにちは」がアラビア語に変換される。つまり、1画面で、「こんにちは」の文字列を英語、中国語、スペイン語およびアラビア語の4ヶ国語に変換(翻訳)することができる。なお、日本語以外の言語間でのタッチアンドスライドが行われた場合には、日本語以外の言語間で変換される訳ではなく、選択範囲の文字列が対応する言語に変換される。つまり、英語の変換領域から中国語の変換領域へのタッチアンドスライドがされた場合には、「こんにちは」の文字列が中国語に変換された結果が表示される。このように、複数言語翻訳モードでは、使用者は画面を切り替えることなく、任意の文字列を複数の言語に変換することができる。
なお、RAM30に記憶される辞書データの種類が5種類以上ある場合に、複数言語翻訳モードで設定される辞書は、使用者によって任意に選択することが可能である。また、4分割された変換領域62に割り当てられる言語の配置についても、使用者によって任意に設定可能である。さらに、変換領域62が分割される数は、2,3または5以上の任意の数であってもよい。また、複数言語翻訳モードにおける本文表示領域54の配置は、図7(A),(B)および図8の配置に限られない。
また、多言語翻訳キー71aが操作されると、多言語翻訳モードが設定される。多言語翻訳モードとは、本文表示領域54内に、日本語および英語の文字列が混在する場合に、日本語の文字列に対して変換操作がされると英語に翻訳し、英語の文字列に対して変換操作がされると日本語に翻訳することが可能である。具体的には、選択された文字列の文字コード(日本工業規格で定められる「JISX0208」)から、日本語(平仮名、片仮名および漢字)か、英語(アルファベット)のいずれかであるかを判断する。そして、文字コードが日本語を示していれば日本語を英語に翻訳する処理を実行し、文字コードがアルファベットを示していれば英語を日本語に翻訳する処理を実行する。
これによって、日本語および英語などの2種類の言語が混在する文章であっても、選択した一方の言語を他方の言語に翻訳することができるため、翻訳処理の利便性が上がる。
なお、翻訳元の言語に基づいて翻訳の処理を切り替えるのは、市販される翻訳ソフトに実装されており広く一般的な処理であるため、詳細な説明は省略する。
ここで、LCDモニタ26の表示を構成する複数のレイヤについて説明する。具体的には図9(A)−図9(C)に示すように、3つのレイヤ(最上層、中間層、最下層)が重ねて設けられ、仮想空間において、視点側(使用者)に最上層が設けられ、視点から離れる方向に、中間層および最下層が順次配置される。図9(A)に示す最上層には、状態表示領域50、本文表示領域54および境界線68が描画される。また、この本文表示領域54が描画される大きさ(面積)は実行される機能によって変化する。また、図9(B)に示す中下層には、変換領域62、メニューキー64および「×」キー66が描画されるが、言語変換キーが操作されていない状態では何も描画されない。そして、図9(C)示す最下層には、キー表示領域56およびキー群58が描画される。
なお、図9(A)−図9(C)に示す最上層、中間層および最下層は、送信メールを作成する機能が実行されている状態を示す表示例であるため、他の機能が実行される場合には、各層に描画されるGUIなどの図形は異なる。そして、実行される機能によっては、中間層および最下層に何も描画されない状態もあり得る。
図10は、RAM30のメモリマップを示す図解図である。図10を参照して、RAM30のメモリマップ300には、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ28から一度に全部または必要に応じて部分的にかつ順次的に読みだされ、RAM30に記憶されてからCPU20などで処理される。
プログラム記憶領域302は、携帯端末10を動作させるためのプログラムを記憶する。携帯端末10を動作させるためのプログラムは、メール機能プログラム310、変換プログラム312およびデータ通信プログラム314などによって構成される。メール機能プログラム310は、送信メールの表示および作成や、受信メールを表示するためのプログラムである。また、変換プログラム312は、選択範囲で指定されるデータ(文字列)を変換処理によって変換して表示するためのプログラムであり、辞書設定プログラム312a、メニュー設定プログラム312b、選択確定プログラム312cおよび変換結果表示プログラム312dを含む。
辞書設定プログラム312aは、変換するときに参照される辞書を設定するためのプログラムであり、たとえば言語の変換処理であれば翻訳辞書データ346を設定する処理を行う。メニュー設定プログラム312bは、翻訳言語の設定や複数言語翻訳モードの設定など行うためのプログラムである。また、選択確定プログラム312cは、選択範囲内のデータを選択範囲バッファ332に格納するプログラムである。さらに多言語変換モードが設定されている場合には、選択確定プログラムの処理によって、選択された文字列の文字コード応じて、言語を翻訳する処理が設定される。また、変換結果表示プログラム312dは、変換操作によって変換したデータを変換領域62に表示するためのプログラムである。
データ通信プログラム314は、ネットワーク100を介して各サーバとのデータ通信を行うためのプログラムである。なお、図示は省略するが、携帯端末10を動作させるためのプログラムは、通話を行うためのプログラム、GPS信号を受信するためのプログラム、ナビゲーションを実行するためのプログラムおよびデジタルTVを視聴するためのプログラムなども含む。
図11を参照して、データ記憶領域304には、操作バッファ330、選択範囲バッファ332、ダウンロードバッファ334、検索結果バッファ336、境界線バッファ338が設けられる。さらに、データ記憶領域304には、タッチ座標マップデータ340、表示データ342、設定データ344、翻訳辞書データ346が記憶されると共に、タッチフラグ348、同時変換フラグ350、境界線フラグ352および複数変換フラグ354が設けられる。
操作バッファ330は、タッチパネル34に対して行われたタッチ操作の結果を記憶するためのバッファであり、たとえば現在タッチ位置、タッチ点およびリリース点などの座標を格納する。
選択範囲バッファ332は、選択処理によって文字列などのデータが選択されたときに、選択範囲内の文字列の表示座標と、文字列のデータのアドレスとを格納するためのバッファである。ダウンロードバッファ334は、辞書データ110などとのデータ通信によって取得した辞書データや、テーブルデータなどを一時的に格納するためのバッファである。検索結果バッファ336は、辞書を参照することで得られる検索結果が一時的に格納されるバッファである。境界線バッファ338は、境界線68および境界線86a−86dの座標を格納するためのバッファである。
タッチ座標マップデータ340は、タッチパネル34に対して行われたタッチ操作と、LCDモニタ26の表示座標とを対応付けるためのマップデータである。つまり、CPU20は、タッチ座標マップデータ340に基づいて、タッチパネル34に対して行われた操作の結果をLCDモニタ26の表示と対応づける。
表示データ342は、LCDモニタ26に設定される領域内に表示される文字、画像およびGUIなどの表示座標や画像データから構成され、メール表示データ342aおよび変換領域表示座標データ342bなどを含む。このメール表示データ342aは、本文表示領域54の表示座標である本文表示データ360などから構成される。また、変換領域表示座標データ342bは、変換領域62の表示領域を示す座標データである。つまり、
現在タッチ位置が変換領域62内であるか否かを判断するときに参照される。
設定データ344は、変換処理における初期設定の結果を記憶するためのデータであり、変換処理で参照される辞書データを示す情報が含まれる。翻訳辞書データ346は、初期状態(工場出荷状態)では、英語翻訳辞書データおよびアラビア語翻訳辞書データから構成されるが、使用者の言語追加操作に応じて構成される翻訳辞書データが変化する。つまり、メニュー設定プログラム312bによって辞書を追加する処理が実行されると、スペイン語翻訳辞書のデータおよび中国語翻訳辞書のデータなども含むようになる。
タッチフラグ348は、タッチパネル34にタッチしているか(触れているか)否かを判断するためのフラグである。たとえば、タッチフラグ348は、1ビットのレジスタで構成される。タッチフラグ348がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、タッチフラグ348がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。
同時変換フラグ350は、多言語翻訳モードが設定されているか否かを判断するためのフラグである。また、境界線フラグ352は、タッチアンドリリースの変換処理で、現在のタッチ位置が境界線68を超えたか否かを判断する。具体的には、境界線フラグ352がオフの状態で、操作データバッファ330に格納されている現在タッチ位置が境界線バッファ338に格納されている境界線68の座標と一致すればオンになる。また、境界線フラグ352がオンの状態で、現在のタッチ位置が境界線68の座標と一致すればオフになる。つまり、現在のタッチ位置が境界線68の座標と一致する度に、境界線フラグ352のオンとオフとが切り替わる。また、境界線86a−86dに対応する境界線フラグについては、図示は省略するが、境界線68に対応する境界線フラグ352と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。さらに、複数変換フラグ354は、複数言語翻訳モードが設定されているか否かを判断するためのフラグである。
なお、同時変換フラグ350、境界線フラグ352および複数変換フラグ354の構成は、タッチフラグ348と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、図示は省略するが、データ記憶領域304には、状態表示領域50に表示する画像や文字列などを表示するためのデータが記憶されると共に、携帯端末10の動作に必要な他のカウンタやフラグも設けられる。
ここで、本文表示データ360について図12を利用してさらに詳しく説明する。本文表示データ360は、本文表示座標データ370、「こ」の表示データ372および「は」の表示データ374などから構成されている。本文表示座標データ370は、本文表示領域54の表示領域を示す座標データである。つまり、現在タッチ位置が本文表示領域54内であるか否かを判断する場合に、CPU20は、操作バッファ330に格納される現在タッチ位置の座標と本文表示座標データ370とを参照して判断する。
「こ」の表示データ372は、文字「こ」を表示するためのデータであり、「こ」の表示位置を示す「こ」表示座標データ372aと、文字「こ」を表わす画像である「こ」表示画像データ372bと、文字「こ」を示す文字のデータである「こ」文字列データ372cから構成される。また、「こ」表示座標データ372aは、図5(B)に示す座標VCx1、座標VCx2、座標VCy1および座標VCy2の表示座標のデータであり、「こ」文字列データ372cは、「JISX0208」の文字コードを示す。
また、「は」の表示データ374は、文字「は」を表示するためのデータであり、データの構成は「こ」の表示データと同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、「こ」表示座標データ374aは、図5(C)に示す座標VCx3、座標VCx4、座標VCy3および座標VCy4の表示座標のデータである。
CPU20は、「Linux」および「REX」などのRTOS(real−time operating system)の制御下で、図13に示す変換処理、図14に示す辞書設定処理、図15に示すメニュー表示処理および図17に示す変換結果表示処理などを含む複数のタスクを並列的に実行する。
図13は、変換処理を示すフロー図である。たとえば、使用者が送信メールの作成画面を表示する操作を行うと、CPU20は、ステップS1では、変換領域62を表示可能な機能であるか否かを判断する。つまり、変換領域62を表示してデータを変換する必要がある機能(アプリケーション)が実行されているか否かを判断する。具体的には、RAM30に、実行される機能とその機能で変換領域62を表示する必要があるか否かが記述された情報とを記憶する一覧データが記憶されており、ステップS1の処理では、その一覧データを参照する。ステップS1で“NO”であれば、つまり一覧データを参照した結果、変換領域62を表示する必要がなければ、ステップS1の処理を繰り返し実行する。一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり一覧データを参照した結果、変換領域62を表示する必要があれば、ステップS3で、辞書設定処理を実行する。このステップS3の処理は、図14に示す辞書設定処理を示すフロー図を用いて詳細に説明するため、ここでは詳細な説明を省略する。
続いて、ステップS5では、変換領域62の表示操作か否かを判断する。たとえば、言語変換キー60の表示領域内でタッチアンドリリースされたか否かを判断する。ステップS5で“NO”であれば、つまり言語変換キー60の表示領域内でタッチアンドリリースされなければ、ステップS5の判断を繰り返し実行する。一方、ステップS5で“YES”であれば、つまり言語変換キー60の表示領域内でタッチアンドリリースがされれば、ステップS7で変換領域62を設定する。つまり、CPU20は変換領域62を、本文表示領域54の下側に隣接するよう設定し、文表示領域54と変換領域62との間に境界線68を設定する。なお、ステップS7の処理を実行するCPU20は、表示領域設定手段として機能する。
続いて、ステップS9では、選択操作か否かを判断する。たとえば、本文表示領域54内でタッチアンドスライドによって文字列が選択されたか否かを判断する。また、タッチされたかはタッチフラグ348の状態から判断し、タッチアンドスライドされたかは操作バッファ330に格納されたタッチ点とリリース点の座標から判断し、本文表示領域54内であるかはリリース点および本文表示座標データ370から判断する。
ステップS9で“YES”であれば、つまり選択操作であればステップS15に進む。一方、ステップS9で“NO”であれば、つまり選択操作でなければステップS11で設定を変更する操作か否かを判断する。つまり、メニューキー64が操作されたか否かを判断する。ステップS11で“NO”であれば、つまり設定を変更する操作でなければ、ステップS9に戻る。一方、ステップS11で“YES”であれば、つまり設定を変更する操作であれば、ステップS13でメニュー表示処理を実行し、ステップS9に戻る。このステップS13の処理は、図15に示すメニュー表示処理を示すフロー図を用いて詳細に説明するため、ここでは詳細な説明を省略する。
ステップS15では、対象が選択可能であるか否かを判断する。つまり、選択範囲内のデータが、選択範囲バッファ332に格納可能なデータを含んでいるか否かを判断する。また、選択範囲バッファ332に格納可能なデータとは、「こ」の表示データ372を構成する「こ」文字データ372cなどである。ステップS15で“NO”であれば、つまり対象が選択可能でなければ、ステップS9に戻る。一方、ステップS15で“YES”であれば、つまり対象が選択可能であれば、ステップS17で選択確定処理を実行する。このステップS17の処理は、図16に示す選択確定処理のフロー図を用いて詳細に説明するため、ここでは詳細な説明を省略する。
続いて、ステップS19では、変換操作が開始されたか否かを判断する。つまり、タッチフラグ348がオンであり、かつタッチ点と現在タッチ位置との座標が異なっているか否かを判断する。ステップS19で“NO”であれば、つまり変換操作が開始されなければ、ステップS19の判断を繰り返し実行する。一方、ステップS19で“YES”であれば、つまり変換操作が開始されれば、ステップS21で変換結果表示処理を実行し、ステップS21に進む。このステップS21の処理は、図17に示す変換結果表示処理を示すフロー図を用いて詳細に説明するため、ここでは詳細な説明は省略する。
ステップS23では、終了操作か否かを判断する。つまり、変換領域62の表示を消去するための「×」キー66が操作されたか否かを判断する。ステップS23で“NO”であれば、つまり終了操作がされなければ、ステップS9に戻る。一方、ステップS23で“YES”であれば、つまり終了操作がされればステップS1に戻る。
図14はステップS3(図13参照)に示す辞書設定処理を示すフロー図である。CPU20は、ステップS3の処理が実行されると、ステップS31で、変換キーを表示し、実行される機能に基づいて辞書を設定する。つまり、実行される機能が記述された一覧データに基づいて辞書を決定する。たとえば、ステップS31では、実行される機能がメール機能であれば、言語変換キー60を本文表示領域54内に表示し、変換処理で参照する辞書を翻訳辞書データ346に設定する。
なお、以下に示す機能の詳細な説明は後述するが、設定される辞書について簡単に説明する。まず、現在時刻を表示する機能であれば時差テーブルデータ380を辞書として設定し、単位計算の機能であれば単位テーブルデータ382を辞書として設定する。また、TV視聴機能であればTV受信データ384を辞書として設定する。そして、音楽プレイヤ機能であれば音楽データ386を辞書として設定する。
このように、実行される機能によって設定される辞書が決まるため、変換結果は実行される機能に適したものとなる。なお、ステップS31の処理を実行するCPU20は、機能別設定手段として機能する。
続いて、ステップS33では、翻訳用の辞書が設定されたか否かを判断する。つまり、翻訳辞書データ346が設定されているか否かを判断する。ステップS33で“NO”であれば、つまり翻訳辞書データ346が設定されていなければ、辞書設定処理を終了し、変換処理に戻る。一方、ステップS33で“YES”であれば、つまり翻訳辞書データ346が設定されていれば、GPS信号を受信して現在位置を特定する。つまり、受信したGPS信号が示す緯度および経度が示す座標が含まれる国(地域)を特定する。
続いて、ステップS37では、現在位置に基づいて、翻訳辞書データの言語を設定し、辞書設定処理を終了する。つまり、現在位置が含まれる国の公用語に対応する翻訳辞書データを設定する。たとえば、アラビア語を公用語とする国(地域)であれば、アラビア語翻訳辞書データが設定される。これによって、使用者は、海外へ旅行する場合に、手動で設定を変更することなく、旅行先の国(地域)に適した言語に翻訳することができる。
なお、現在位置が日本であれば、初期設定では、英語翻訳辞書データが設定され、言語設定によって翻訳言語が変更されていれば、変更された言語の翻訳辞書データに設定される。また、現在位置から特定された国の公用語に対応する辞書データが存在しない場合には、英語翻訳辞書データが設定されてもよいし、使用者の同意の元で、辞書サーバ110から翻訳辞書データをダウンロードするようにしてもよい。また、ステップS37の処理を実行するCPU20は翻訳辞書設定手段として機能する。
図15はステップS13(図13参照)に示すメニュー表示処理を示すフロー図である。CPU20は、ステップS13の処理が実行されると、ステップS41で、メニュー画面を表示する。つまり、変換領域62内に、初期設定を行うためのキー群を表示する。たとえば、言語の変換処理では、翻訳言語キー70、複数言語翻訳キー72aおよび多言語翻訳キー72bが表示される。続いて、ステップS34では、変換内容の変更操作であるか否かを判断する。たとえば、翻訳言語キー70が操作されたか否かを判断する。
ステップS43で“NO”であれば、つまり翻訳言語キー70が操作されなければ、ステップS65に進む。一方、ステップS65で“YES”であれば、つまり翻訳言語キー70が操作されれば、ステップS45で辞書リストを表示する。たとえば、言語の変換処理であれば、翻訳言語のメニュー画面を表示し、翻訳辞書データ346を構成する英語翻訳辞書およびアラビア語翻訳辞書のそれぞれに対応する、英語キー76aおよびアラビア語キー76bを表示する。
続いて、ステップS47では、サーバから辞書を取得する操作か否かを判断する。つまり、翻訳言語メニュー画面に表示された言語追加キー80が操作され、さらに図6(C)に示すOKキー80が操作されたか否かを判断する。ステップS47で“NO”であれば、つまりサーバから辞書を追加する操作がされなければ、ステップS59に進む。一方、ステップS47で“YES”であれば、つまりサーバから辞書を追加する操作がされれば、ステップS49でサーバとのデータ通信を開始する。たとえば、言語変換の機能であれば、辞書サーバ110とのデータ通信を開始する。
続いて、ステップ51では、ダウンロード可能な辞書を表示する。つまり、図6(D)に示すように、翻訳辞書リストメニュー画面を表示し、辞書サーバ110のHDD112に記憶される辞書データに対応する複数のキーを表示する。続いて、ステップS53では、ダウンロード操作か否かを判断する。たとえば、図6(D)に示すように、スペイン語キー82aに下線が付加された状態で、決定キー82cが操作されたか否かを判断する。ステップS53で“NO”であれば、つまり決定キー82cが操作されなければ、ステップS53の処理を繰り返し実行する。一方、ステップS53で“YES”であれば、つまり決定キー82cが操作されれば、ステップS55で辞書データをダウンロードする。たとえば、スペイン語辞書のデータを辞書サーバ110からダウンロード(取得)し、翻訳辞書データ346を構成する、スペイン語翻訳辞書データとして記憶する。なお、ステップS55の処理を実行するCPU20は、翻訳辞書データ取得手段として機能する。
続いて、ステップS57では、サーバとのデータ通信を終了し、ステップS47に戻る。つまり、辞書サーバ110とのデータ通信を終了する。さらに、ステップS45では、新たに追加されたスペイン語の辞書データに対応するスペイン語キー76cを設定する。
ステップS59では、辞書を変更する操作か否かを判断する。たとえば、図6(D)に示す英語キー76a、アラビア語キー76bおよびスペイン語キー76cのいずれかが操作されたか否かを判断する。ステップS59で“NO”であれば、つまり英語キー76a、アラビア語キー76bおよびスペイン語キー76cのいずれも操作されなければステップS63に進む。一方、ステップS59で“YES”であれば、つまり英語キー76a、アラビア語キー76bおよびスペイン語キー76cのいずれかが操作されていれば、ステップS61で変換に利用する辞書を変更し、ステップS63に進む。つまり、図6(D)に示す英語キー76a、アラビア語キー76bおよびスペイン語キー76cのうち、操作されたキーに下線を付加し、その操作されたキーに対応する翻訳辞書データを示す情報を、設定データ344を構成するデータの一部として記憶する。
ステップS63では、戻る操作か否かを判断する。つまり、翻訳辞書に対応するキーのいずれかが操作されたか否かを判断する。たとえば、図6(E)を参照して、下線が付加された英語キー76aが操作されたか否かを判断する。ステップS63で“NO”であれば、つまり戻る操作でなければステップS47に戻る。一方、ステップS63で“YES”であれば、つまり戻る操作であれば、ステップS43に戻る。
また、ステップS65では、複数変換が設定されたか否かを判断する。たとえば、図6(A)に示す複数言語翻訳キー72aが操作されたか否かを判断する。つまり、ステップS65では、複数言語翻訳モードを設定する操作がされたか否かを判断する。ステップS65で“NO”であれば、つまり複数言語翻訳キー72aが操作されなければ、ステップS69に進む。一方、ステップS65で“YES”であれば、つまり複数言語翻訳キー72aが操作されれば、ステップS67で複数変換モード(複数言語翻訳モード)に変更し、ステップS69に進む。つまり、複数変換フラグ354をオンにする。たとえば、言語翻訳の機能であれば、複数変換フラグ50がオンであれば、複数言語翻訳モードとなる。
ステップS69では、終了操作がされたか否かを判断する。たとえば、図6(A)に示す終了キー74が操作されたか否かを判断する。つまり、終了キー74が操作されると、変換領域62の表示は、メニュー画面が消去され、図4(A)に示す変換領域62の状態に遷移する。ステップS69で“NO”であれば、つまり終了操作でなければ、ステップS43に戻る。一方、ステップS69で“YES”であれば、つまり終了操作であれば、メニュー表示処理を終了して、変換処理に戻る。なお、変換処理に戻るときに、複数変換フラグ354がオンでれば、LCDモニタ26の機能表示領域52の表示を、複数言語翻訳モード(複数変換モード)の表示に切り替える。つまり、図6(A)に示す表示状態であれば、図7(A)に示すような表示に切り替わる。
なお、言語の変換処理であれば、ステップS69の処理の前に、多言語翻訳モードが設定されたか否かを判断する処理を実行する。つまり、多言語翻訳キー72bが操作されたか否かを判断する。そして、この処理で“YES”であれば、つまり多言語翻訳モードが設定されれば、同時変換フラグ350をオンにして、ステップS69の処理を実行する。一方、“NO”であれば、つまり多言語翻訳モードが設定されなければ、同時変換フラグ350をオンにせずに、ステップS69の処理を実行する。
図16はステップS17(図13参照)に示す選択確定処理を示すフロー図である。CPU20は、ステップS17の処理が実行されると、ステップS71で選択範囲を確定する。つまり、選択範囲を設定し、選択範囲に表示されるデータを選択範囲バッファ332に格納する。たとえば、選択範囲に「こんにちは」の文字列が含まれる場合には、各文字の文字データが選択範囲バッファ332に格納される。続いて、ステップS73では、同時変換が設定されているか否かを判断する。つまり、多言語翻訳モードであるか否かを、同時変換フラグ350によって判断する。ステップS73で“NO”であれば、つまり多言語翻訳モードでなければ、選択確定処理を終了して、変換処理に戻る。
一方、ステップS73で“YES”であれば、つまり多言語翻訳モードであれば、ステップS75で選択範囲内の文字コードを取得する。たとえば、「こんにちは」の文字コードを取得する。続いて、ステップS77では、取得した文字コードに適した翻訳の処理を設定し、選択確定処理を終了する。たとえば、ステップS77では、文字コードが平仮名(日本語)を示していれば、日本語を英語に翻訳する処理が設定される。一方、文字コードがアルファベットを示していれば、英語を日本語に翻訳する処理が設定される。
なお、文字コードがアルファベットでなく、英語やイタリア語などの言語を示す場合には、文字コードが示す言語を日本語に翻訳する処理が設定される。さらに、他の実施例では、文字を選択した後に、翻訳元の言語および翻訳後の言語を選択するGUIを表示するようにしてもよい。また、ステップS75の処理を実行するCPU20は、言語判別手段として機能する。
図17はステップS21(図13参照)に示す変換結果表示処理を示すフロー図である。CPU20は、ステップS21の処理が実行されると、ステップS81では、境界線68を超えたか否かを判断する。つまり、境界線フラグ352がオンであるか否かを判断する。また、複数言語翻訳モード(複数変換モード)であれば、境界線86a−86dのいずれかを超えたか否かを判断する。
ステップS81で“YES”であれば、つまり境界線68を超えれば、ステップS85に進む。一方、ステップS81で境界線68を超えなければ、ステップS83で変換操作が中断されたか否かを判断する。つまり、境界線フラグ352がオフで、かつタッチフラグ348がオフになったか否かを判断する。ステップS83で“NO”であれば、つまり変換操作が中断されなければステップS81に戻る。一方、ステップS83で“YES”であれば、つまり変換操作が中断されれば、変換結果表示処理を終了して変換処理に戻る。つまり、変換操作が中断されれば、変換領域62には何も表示しないまま、変換結果表示処理が終了される。
また、ステップS85では、変換領域62内でリリースされたか否かを判断する。つまり、タッチフラグ348がオフになり、かつリリース点が変換領域62内に含まれているか否かを判断する。ステップS85で“NO”であれば、つまり変換領域62内でリリースされていなければ、ステップS81に戻る。一方、ステップS85で“YES”であれば、つまり変換領域62内でリリースされればステップS87で、設定された辞書から、変換用のデータを検索する。つまり、初期設定で設定された辞書データから、選択範囲バッファ332に格納されたデータと対応するデータを検索する。たとえば、選択範囲バッファ322に格納されたデータが「こんにちは」であり、英語翻訳辞書が設定されていれば、その英語翻訳辞書において「こんんちは」と対応する「HELLO」の文字列が検索結果として得られる。そして、「HELLO」の文字列が検索結果バッファ336に格納される。
続いて、ステップS89では、検索結果が取得可能であるか否かを判断する。つまり、ステップS87の処理で検索された結果が検索バッファ336に格納されているか否かを判断する。ステップS89で“YES”であれば、つまり検索結果を取得できれば、ステップS91で検索結果を変換後のデータとして表示する。つまり、検索結果バッファ336に格納されたデータを変換領域62に表示する。たとえば、「HELLO」の文字列が変換領域62に表示される。一方、ステップS89で“NO”であれば、つまり検索結果が取得できなければ、ステップS93で変換領域62にエラー表示をする。たとえば、日本語を英語に翻訳する処理の場合に、中国語が選択され、英語に変換(翻訳)する操作がされると、検索結果が検索結果バッファ336に格納されないため、変換領域62にはエラー表示がされる。また、エラー表示としては、「選択された文字列は、日本語でないため翻訳できません。」などの文章が変換領域62に表示される。
そして、ステップS91またはステップS93の処理が終了すると、変換結果表示処理を終了して変換処理に戻る。
なお、複数変換モード(複数言語翻訳モード)が設定されている場合に、一度でも変換操作が行われていれば、ステップS9−S17までの処理は省略される。また、変換結果表示処理では、リリース点が含まれる分割された変換領域62の位置を特定した後に、ステップS87の検索処理が実行される。
また、言語の変換処理は、送信メールの本文だけに限らず、受信メールの本文、メモ帳の機能で表示される文字列、データ通信によって取得したサイトの文字列など、文字列を表示する機能であれば、実行可能である。
また、ステップS35の処理では、GPS信号から現在位置(国や地域)を特定したが、近隣の基地局から送信される情報から国や地域を特定する処理であってもよい。
<第2実施例>
第2実施例では、言語以外のデータを変換する変換処理について説明する。具体的には、現在時刻、単位、TVチャンネルおよび音楽データの曲名のそれぞれを、予め設定されたデータに変換することができる。また、選択操作は、変換するデータによって異なる場合があるが、変換操作については言語の変換操作と同じである。
なお、第2実施例では、図1の携帯端末10の構成を示すブロック図、図2の携帯端末の外観を示す図解図、図10−図12に示すRAM30のメモリマップ、図13に示す変換処理、図14に示す辞書設定処理、図15に示すメニュー表示処理、図16に示す選択設定処理および図17に示す変換結果表示処理については、第1実施例と同じであるため、それぞれの図については詳細な説明を省略する。また、第2実施例では、本文表示領域54に代えて機能表示領域52が第1表示領域として扱われる。
まず、時刻の変換について図18(A)−図18(E)を用いて詳しく説明する。図18(A)を参照して、機能表示領域52には、日時を含む日本の現在時刻を表示する機能が実行されている。そして、時刻変換キー60が操作されると、図18(B)に示すように、変換領域62が表示されると共に、メニューキー64および「×」キー66が表示される。そして、機能表示領域52と変換領域62とが境界線68によって区切られる。
また、表示される時刻がタッチアンドスライドによって選択された後に、言語の変換と同様に変換操作がされると、図18(C)に示すように、日本の現在時刻がニューヨークの現在時刻に変換され、変換領域62に表示される。この時刻の変換には、翻訳辞書データ346ではなく、時差テーブルが用いられ、たとえば図18(D)に示すように、日本と他の地域との時差を示す時差データから構成されている。また、この時差テーブルは、RAM30に記憶されており、図18(E)に示すようにデータ記憶領域304内に時差テーブルデータ380として記憶される。
なお、時刻の変換処理のメニュー設定では、時刻を変換する地域変更することができる。さらに、図示しない時差サーバとのデータ通信によって、時差テーブルデータ380に含まれていない時差データを追加することができる。また、時刻の複数変換モードでは、1画面の表示で、時差が異なる複数の地域の時刻に変換することができる。
次に、単位の変換処理について、図19(A)−図19(D)を参照して詳しく説明する。図19(A)を参照して、機能表示領域52には、電卓機能のサブ機能である単位計算機能が表示されている。この単位計算機能では、すでに変換領域62、メニューキー64および「×」キー66が表示され、境界線68によって機能表示領域52と変換領域62とが区切られている。また、機能表示領域52内には、「100mi(mi:マイル)」が表示されている。そして、タッチアンドスライドによって「100mi」が選択され変換操作が行われると、「100mi」が「160931m(m:メートル)」に変換される。つまり、マイル(mi)で表現される数値が、メートル(m)で表現される数値に変換される。
この単位の変換には、翻訳辞書データ346の代わりに、単位テーブルが用いられ、たとえば図19(C)に示す単位テーブルがRAM30に記憶される。また、この単位テーブルは、RAM30のデータ記憶領域304内に単位テーブルデータ382として記憶される。
なお、入力可能な単位および変換する単位については、予め設定可能であり、他にも「in(in:インチ)」、「g(g:グラム)」および「貫」など様々な単位が設定可能であるが、長さの単位(m、miおよびin)を重さの単位(gおよび貫)に変換することはできない。また、単位テーブルに記憶されていない単位については、図示しない単位サーバから単位のデータを追加できる。そして、単位の複数変換モードでは、1画面で、複数の単位に変換することができる。
次に、TVチャンネルの変換について図20(A)−図20(D)を用いて説明する。図20(A)を参照して、機能表示領域52およびキー表示領域56が表示されている。機能表示領域52には、TV機能によって受信したTV番組の動画データが表示されており、キー表示領域56には、1から12までのチャンネルキー群が設定されている。使用者は、各チャンネルキーに対してタッチアンドリリースすることで、選局することが可能であり、選局されたチャンネルに対応するチャンネルキーは、選択範囲内に含まれる。つまり、図20(A)では、4チャンネルキーが選択され、機能表示領域52内には4チャンネルの番組が表示されている。
ここで、キー表示領域56の下側には変換領域62が設定されており、境界線68で区切られている。そして、任意のチャンネルキーに対して選択操作を行うと、そのキーと対応するチャンネルのデータ放送(文字列データ)に変換される。たとえば、図20(B)に示すように4チャンネルキーが選択操作されると、4チャンネルキーと対応する数字が読みだされ、読み出した数字(「4」)が示すデータ放送に変換される。つまり、図20(C)では、数字「4」に対応するデータ放送が変換領域62に表示される。
このTVチャンネルの変換処理は、翻訳辞書データ346ではなくTV番組の受信データに基づいて変換される。このTV番組の受信データは、図20(D)に示すように、RAM30のデータ記憶領域304にTV受信データ384として記憶され、映像放送の映像とデータ放送の文字データとから構成される。
次に、音楽データの曲名の変換処理について、図21(A)−図21(D)を用いて詳しく説明する。図21(A)を参照して、機能表示領域52の上側には音楽プレイヤ機能が実行されていることを示す複数のGUIが表示される。また、機能表示領域52の中央部には、複数の再生可能な音楽データの名称が表示される。さらに、再生中の音楽データの曲名は選択範囲で囲われており、選択された状態となっている。そして、機能表示領域52の最下部には音楽変換キー60が設定されている。
この音楽変換キー60が操作されると、図21(B)に示すように、変換範囲62が表示され、さらにメニューキー64および「×」キー66が表示され、機能表示領域52と変換領域62とが境界線68によって区切られる。そして、選択された曲名に対して変換操作が行われると、図21(C)に示すように、曲名が音楽データの歌詞データに変換される。たとえば、曲名「YY」が選択され変換操作が行われると、曲名「YY」の歌詞「AAAA…」に変換される。
この曲名の変換処理では、翻訳辞書データ346ではなく、各音楽データのメタデータを辞書とすることで、変換処理を実行する。音楽データに対応するメタデータには、音楽データの曲名を含め、その音楽データの歌詞、データサイズ、演奏者名および作曲者名などが記憶されている。そして、変換処理が行われると、音楽データの名称を含むメタデータを読み出し、そのメタデータ内の歌詞を変換領域62に表示する。また、各音楽データは、RAM30に記憶されており、図21(D)を参照して、RAM30のデータ記憶領域304に、音楽データ386として記憶される。そして、その音楽データ386は、XX音楽データ386aおよびXX音楽データ386aに対応するXX音楽メタデータ386bと、YY音楽データ386cおよびYY音楽メタデータ386dとから構成される。
なお、音楽データの変換処理のメニュー設定によって、歌詞以外にも、メタデータに含まれるデータサイズ、演奏者名および作曲者名などに変換されるように設定されてもよい。また、音楽サーバ120とのデータ通信によって新たな音楽データおよびその音楽データのメタデータを追加してもよい。
このように、翻訳辞書データ346以外のテーブルデータを辞書として利用することで、言語の変換以外にも、様々データを変換することができる。
<第3実施例>
第3実施例では、言語以外のデータを、ネットワーク100に接続されるサーバを利用して変換する変換処理について説明する。具体的には、音楽データの曲名、天気予報の情報で示される地名、ショッピングサイトに表示される商品名、円やドルなどの通貨およびレシピサイトに表示される材料名のそれぞれを、各データに対応するサーバを利用して変換する。
なお、第3実施例では、携帯端末10の構成、携帯端末10の外観図、RAM30のメモリマップおよびCPU20によって実行される辞書設定処理、メニュー表示処理および選択確定処理は、第1実施例および第2実施例と同じであるため、詳細な説明は省略する。また、第3実施例でも、本文表示領域54に代えて機能表示領域52を第1表示領域として扱う。
まず、音楽データの変換処理について、図21(B),図21(E)および図21(F)を用いて説明する。まず、図21(B)を参照して、音楽プレイヤ機能が実行されている場合に、メニューキー64を操作し、曲名の変換処理を歌詞に変換する設定から、音楽サーバ120のHDD122に記憶されているPV動画データまたはジャケット写真データに変換するように設定を変更する。すると、携帯端末10は音楽サーバ120から音楽テーブルデータを取得し、音楽テーブルを辞書として扱うことで、音楽データの曲名をPV動画データまたはジャケット写真データに変換する。音楽テーブルの構成は、図21(E)を参照して、曲名の欄とHDD122のアドレスの欄とから構成されおり、音楽データの曲名、つまり曲名とHDD122のアドレスとが対応付けられている。つまり、音楽データの曲名に対して変換操作がされると、音楽テーブルの曲名の欄を検索し、対応するアドレスを検索結果とする。そして、検索結果のアドレスに基づいて、音楽サーバ120とのデータ通信を開始し、PV動画データまたはジャケット写真データがダウンロード(取得)される。
たとえば、図21(D)および図21(F)を参照して、PV動画データに変換されるように設定されていれば、曲名「YY」に対して変換操作がされると、HDD122のアドレス「0XA0030001」が検索結果となる。そして、HDD122のアドレス「0XA0030001」が示すデータ記憶領域から、「YY.flv」動画データがダウンロードされ、変換領域62で動画データが再生される。また、ジャケット写真データに変換されるように設定されていれば、HDD122のアドレス「0XA0030001」が示すデータ記憶領域から、「YY.jpg」画像データがダウンロードされ、変換領域62にその画像データが表示される。
なお、音楽サーバ120には、演奏者の公演情報などが記憶されていてもよく、音楽データの曲名を、その曲を演奏する演奏者の公演情報に変換するようにしてもよい。また、動画データのファイル形式は、「flv」だけに限らず、「mp4」などの他の形式であってもよいし、画像データのファイル形式も、「jpg」だけに限らず「png」や「bmp」であってもよい。
次に、天気情報に含まれる地名の変換処理について図22(A)−図22(E)を用いて説明する。天気情報を天気サーバ130から取得する機能が実行されると、地図とその地図に対応する地名とその地名に対応する天気情報とが、機能表示領域54に表示される。図22(A)を参照して、機能表示領域54には、日本地図と、札幌、東京および福岡の地名と、各地名に対応する天気情報が表示されると共に、天気変換キー60が表示されている。この天気変換キー60が操作されると、図22(B)に示すように、変換領域62には、メニューキー64および「×」キー66が表示され、境界線68によって機能表示領域52および変換領域62が区切られる。そして、福岡の地名がタッチアンドスライドによって選択された後に変換操作がされると、図22(C)に示すように、変換領域62には福岡の天気情報が詳細に表示される。
具体的には、天気情報を天気サーバ130から取得する機能が実行されると、CPU20は天気サーバ130から天気テーブルを取得する。そして、地名の変換処理では、この天気テーブルを辞書として扱うことで、地名を詳細な天気情報に変換する。この天気テーブルは、図22(D)に示すように、地名と天気サーバ130のHDD132のアドレスとが対応付けられており、任意の地名に対して変換操作がされると、HDD132のアドレスが検索結果として出力される。そして、検索結果であるHDD132のアドレスに基づいて、天気サーバ130から詳細な天気情報を取得する。
たとえば、図22(D)を参照して、地名「福岡」に対して変換操作がされると、アドレス「0XB0000003」が検索結果となる。そして、図22(E)を参照して、HDD132のアドレス「0XB0000003」が示すデータ記憶領域から詳細な天気情報、つまり6時から6時間毎に予想される天気のデータ(晴、曇、雨、雨)がダウンロードされ、変換領域62に6時から6時間毎に予想される天気情報が表示される。
なお、変換されるデータとしては、予想される天気ではなく、紫外線の量などの天気に関する他のデータであってもよい。また、地図は、日本地図だけでなく、関東地方や近畿地方の地図や、海外の地図であってもよい。
次に、ショッピングサイトに表示される商品名の変換処理について図23(A)−図23(E)を用いて説明する。商品サーバ140とのデータ通信により、ショッピングサイトで商品名を取得する操作がされると、商品名の一覧が機能表示領域52に表示される。図23(A)を参照して、機能表示領域52には、PANT1からPANT3までの商品名が表示されると共に、商品変換キー60が表示されている。この商品変換キー60が操作されると、図23(B)に示すように、変換領域62が表示されると共に、メニューキー64および「×」キーが表示され、境界線68によって機能表示領域52と変換領域62とが区切られる。なお、変換領域62には、他の実施例とは違って、予めマネキン画像Mが表示される。そして、たとえばPANT1が選択された後に変換操作がされると、図23(C)に示すように、PANT1が、そのPANT1に対応する商品の画像PN1に変換され、変換領域62に表示されているマネキン画像Mと合成されて表示される。
具体的には、商品名の一覧を商品サーバ140から取得する操作が実行されると、CPU20は、商品サーバ140から商品テーブルを取得し、RAM30内のダウンローデータバッファ334に格納する。そして、商品名の変換処理では、この商品サーバを辞書として扱うことで、商品名をその商品に対応する画像データに変換する。また、商品テーブルは、図23(D)を参照して、商品名と商品サーバ140のHDD142のアドレスとが対応付けられており、任意の商品名に対して変換操作がされると、HDD142のアドレスが検索結果として検索結果バッファ336に格納される。そして、検索結果がHDD142のアドレスであれば、そのアドレスに基づいて、商品サーバ140から画像データを取得する。
つまり、図23(D)を参照して、商品名PANT1に対して変換操作がされると、アドレス「0XC0000001」が検索結果バッファ336に格納される。そして、図23(E)を参照して、アドレス「0XC0000001」に基づいて、HDD142から「PANT1.jpg」で示される、画像PN1がダウンロードされ、その画像PN1が変換領域62に表示されるマネキン画像Mに合成された状態で表示される。
なお、1画面に表示される商品名の数は3つだけに限らず、より多くの商品名が表示されるようにされていてよい。さらに、マネキン画像Mは、使用者の外見に似せるために細かい設定ができるようになっていてもよい。また、商品はPANT(パンツ)だけに限らず、上着や帽子などのさまざまな商品であってよい。また、ダウンロードする画像データのデータ形式は、「jpg」だけに限らず、「png」および「bmp」などのデータ形式であってもよい。
続いて、円やドルなどの通貨の変換処理について、図24(A)−図24(E)を用いて説明する。図24(A)を参照して、為替サーバ150とのデータ通信により、最新の通貨レートを用いてレート計算を行う操作が実行されると、機能表示領域52にはレート計算画面が表示され、さらに境界線68とレート計算結果を表示する変換領域62とが設定される。たとえば、レート計算画面中に「100円」が表示された状態で変換操作が行われると円が米ドルに変換され、図24(B)に示すように「1ドル11セント」が表示される。
具体的には、為替サーバとのデータ通信によってレート計算する操作がされると、CPU20は為替サーバ150から為替テーブルを取得し、ダウンロードバッファ334に格納する。そして、通貨の変換処理では、この為替テーブルを辞書として扱うことで、通貨を変換する。図24(C)を参照して、通貨テーブルは、円と米ドルなどの他の通貨とを対応付けるように構成されており、たとえば左端列の円に対する米ドルの欄には、HDD152のアドレス「0XD0000001」が記憶されている。また、図24(D)を参照して、HDD152のアドレス「0XD0000001」が示すデータ記憶領域には、円と米ドルとの為替レート「90.0901」が記憶されている。
つまり、円を米ドル変換する操作が行われると、HDD152から為替レートを読み出し、その読み出した為替レートに基づいて、米ドルに変換する。
なお、変換元の通貨および変換後の通貨は、円や米ドルだけに限らず、「ウォン」や「ユーロ」などの任意の通貨を選択することが可能である。また、HDD152に記憶される為替レートは、6時間毎に最新の状態に更新される。
また、携帯端末10には、予め為替レートが記録されている為替テーブルが記憶されていてもよい。この場合には、レート計算する度に、為替サーバ150から最新の為替レートを取得するようにしてもよいし、使用者の判断で為替テーブルを最新の状態に更新するようにしてもよい。
さらに、通貨の変換処理において複数変換モードが設定されると、1画面で複数の通貨単位に変換できるようになる。
次に、材料名をレシピに変換する変換処理について、図25(A)−図25(D)を用いて説明する。図25(A)を参照して、レシピサーバ160とのデータ通信により、材料名から料理のレシピに変換する操作が実行されると、機能表示領域52にはレシピ画面が表示され、さらに境界線68と材料名をレシピに変換した結果を表示する変換領域62とが設定される。また、レシピ画面にはジャガイモや玉ねぎなどの材料名が表示される。そして、ジャガイモが選択された後に変換処理がされると、図25(B)に示すように、ジャガイモを材料とする料理のレシピに変換される。
具体的には、レシピサーバとのデータ通信が確立されると、CPU20はレシピサーバ162からレシピテーブルを取得し、ダウンロードバッファ334に格納する。そして、材料名の変換処理では、レシピテーブルを辞書として扱うことで、材料名をレシピに変換する。図25(D)を参照して、レシピテーブルは、材料名とレシピサーバ160のHDD162のアドレスとが対応付けられており、たとえばジャガイモはアドレス「0XE0000001」と対応づけられる。また、図25(D)を参照して、HDD162のアドレス「0XE0000001」が示すデータ記憶領域には、ジャガイモを材料としたレシピの詳細が記憶されている。つまり、ジャガイモの材料名を変換する操作がされると、HDD162からジャガイモを材料とするレシピの詳細が読み出され、その読み出されたレシピが変換領域62に表示される。
なお、1つの材料名に対して複数のレシピが対応するようにされていてもよく、この場合、変換領域62には複数の変換結果が表示されるようにしてもよい。さらに、複数の変換結果が表示された状態で、他の材料名に対して変換操作がされると、2つの材料名を含むAND検索による変換処理がされてもよい。また、2つの材料名を含むAND検索ではなく、2つの材料名の少なくとも一方を含むOR検索であってもよい。そして、レシピ画面に含まれる材料名はジャガイモおよび玉ねぎだけでなく、さまざまな材料名が含まれていてよい。
ここで、任意のサーバからテーブルデータを取得して選択されたデータを変換する場合の、変換処理および変換結果表示処理について、図26および図27に示すフロー図を利用して説明する。
まず、第3実施例における変換処理は、図13に示す変換処理に対して、ステップS101,S103をさらに加えて実行される。図26を参照して、ステップS1の処理“YES”であれば、ステップS101でWEB機能であるか否かを判断する。つまり、データ通信機能によってサーバとのデータ通信を行っているか否かを判断する。ステップS101で“NO”であれば、つまりWEB機能でなければステップS3以降の処理を実行する。一方、ステップS101で“YES”であれば、つまりWEB機能であれば、ステップS103で変換キーを表示しサーバから変換用のテーブルを取得する。たとえば、天気情報を取得する機能であれば、天気変換キー60を機能表示領域52に表示し、天気サーバ130から天気テーブルを取得する。そして、取得した天気テーブルをダウンロードバッファ334に格納する。このステップS103の処理が終了すると、ステップS5に進み、ステップS5以降の処理を実行する。
次に、第3実施例における変換結果表示処理は、図17に示す変換結果表示処理に対して、ステップS111−S115の処理をさらに加えて実行される。図27を参照して、ステップS89の処理で“YES”であれば、ステップS111で検索結果がアドレスであるか否かを判断する。つまり、検索結果バッファ336に格納されるデータが「0X」などのアドレスを表わす文字列から始まるか否かを判断する。ステップS111で“NO”であれば、つまり検索結果がアドレスでなければ、ステップS91以降の処理を実行する。一方、ステップS111で“YES”であれば、つまり検索結果がアドレスであれば、ステップS113でアドレスに基づいて、サーバからデータを取得(ダウンロード)する。たとえば、天気サーバ130とのデータ通信中であれば、検索結果のアドレスに基づいてHDD132からデータを取得し、その取得したデータをダウンロードバッファ334に格納する。なお、ステップS113の処理を実行するCPU20は、サーバデータ取得手段として機能する。
続いて、ステップS115では、サーバから取得したデータを、変換後のデータとして表示する。たとえば、詳細な天気情報がダウンロードバッファ334に格納されていれば、図22(C)に示すように、詳細な天気情報を変換領域62に表示する。そして、ステップS115の処理が終了すると、変換結果表示処理を終了して、変換処理に戻る。なお、ステップS115の処理を実行するCPU20は、サーバデータ表示手段として機能する。
これにより、変換処理に利用する辞書のデータサイズを抑えることができるため、携帯端末10が備える記憶装置、つまりRAM30のデータ容量を有効に活用できる。また、サーバに記憶される最新のテーブルデータを利用して変換することで、使用者は、携帯端末10の翻訳辞書データ346および辞書データに相当するテーブルデータを更新することなく、選択したデータを最新のデータに変換することができる。
なお、ステップS31、S61またはS103の処理を実行するCPU20は、設定手段として機能する。また、詳細な図解は省略するが、世界的な規模で利用される検索サイトが機能表示領域54に表示される場合に、その検索サイトに対して変換操作がされると、現在位置が含まれる国に対応する検索サイトに変換されるようにしてもよい。具体的には、或る検索サイトAとのデータ通信を行うと、検索サイトAが国別に保有するサイトのURLが一覧となったURL一覧データを取得し、さらにGPS衛星からのGPS信号を受信して、位置情報を取得する。ここで、表示される検索サイトAの内容が全て選択されると、その検索サイトAを表示するためのURLを読み出され、検索サイトAに対して変換操作がされると、読み出したURLはURL一覧データに基づいて現在位置が含まれる国のURLに変換される。そして、変換領域62には、変換されたURLが示すサイトが表示される。たとえば、現在位置が中国であれば、日本の検索サイトAを示すURLは、中国の検索サイトAを示すURLに変換され、中国語で書かれた検索サイトAが変換領域62に表示される。
以上の説明から分かるように、携帯端末10は、タッチパネル34が設けられたLCDモニタ26を含み、タッチパネル制御回路32によって、タッチ点、現在タッチ位置、リリース点を検出する。LCDモニタ26には機能表示領域52および本文表示領域54などが設定され、言語変換キー64などが操作されると変換領域62がさらに設定され、本文表示領域54と変換領域62とが境界線68によって区切られる。
たとえば、本文表示領域54には日本語の文字列が表示されており、タッチ操作によってその日本語の文字列の一部または全部が選択することができる。そして、使用者が選択された文字列に対してタッチし、境界線68を超えてスライドした後に変換領域62でリリースすると、CPU20の変換処理によって日本語の文字列が英語に変換(翻訳)され、変換結果が変換領域62に表示される。
これによって、使用者は、タッチパネル34を利用したタッチ操作によって本文表示領域54に表示された日本語の文字列を容易に変換し、変換結果である英語の文字列を確認することができる。
なお、第1実施例の言語の変換処理では、日本語を外国語に変換するのではなく、外国語を日本語に変換(翻訳)するようにしてもよい。たとえば、携帯端末10の言語初期設定が英語に設定されていれば、変換後の言語は日本語となるように設定される。また、第3実施例の曲名の変換処理では、携帯端末10がマナーモードに設定されている場合に、曲名は、音声出力の必要がないジャケット写真の画像データに変換される。つまり、マナーモードであるため、周囲に音声の出力ができないため、PV動画データには変換されない。このように、言語や曲名などの変換では、携帯端末10の状態に基づいてデータを変換する処理が決定されるようになっていてもよい。
また、本実施例における「辞書」とは、日本語や英語などの言語を記述したものだけでなく、携帯端末10の使用者およびサーバの管理者などによって定義された辞書(本実施例におけるテーブルデータ)やデータベースも含む。さらに、本実施例における「変換」とは、辞書やテーブルデータを参照して行うものだけに限らず、予め決められた数式によって数値を計算して変換することも含む。
また、図6(C)の変換領域62に表示される注意書きは、次回以降の処理では表示されないように設定することが可能であってもよい。また、文字コードは、「JISX0208」だけに限らず、他の規格であってもよい。
また、携帯端末10の通信方式には、CDMA方式に限らず、W‐CDMA方式、TDMA方式、PHS方式およびGSM方式などを採用してもよい。携帯端末10のみに限らず、カメラ機能を備えるPDA(Personal Degital Assistant)などの携帯情報端末などであってもよい。