JP5256338B2 - 除湿冷気生成方法及び空気冷却装置 - Google Patents

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本発明は、冷却コイルを装置の主器として用いることなく、所定の温度の湿り空気を冷却減湿して除湿冷気を生成する方法とその装置に関する。
より詳しくは、本発明は、夏季でも20℃程度の比較的低温域の水を冷却用の原水として利用可能な場所や地域に建てられる施設、例えば水道水の取水場や浄水場、或いは湖沼や河川、臨海地域の発電所や変電所、ポンプ設備や送風設備、貯蔵設備などの各種設備、倉庫や各種工場などにおける制御盤室や電気室などといった各種施設の内部や室内を冷却したり換気したりするのに好適な冷気生成方法及びその装置に関する。
図15は湿り空気を冷却除湿する除湿器の構成例を示している。図示されているように、この除湿器100は、圧縮機101と膨張弁102と蒸発器103と凝縮器104とを具備するヒートポンプ回路、このヒートポンプ回路外の冷水供給装置109から冷水の供給を受ける空気−水熱交換器105、送風機106、ドレンパン107、ケーシング108などから構成されている。
そして、この除湿器100において、送風機106によりケーシング108内に導入された空気110は、先ず蒸発器103にて冷媒により露点以下まで冷却されて顕熱と潜熱を削減し、次いで凝縮器104にて蒸発器103で冷媒に放出した熱量と圧縮機101の入熱量の合計分を加熱して顕熱を増加し、さらに空気−水熱交換器105にて冷水供給装置109から供給された冷水111により冷却されて顕熱を削減した後、給気部からケーシング108の外である機外に給気するようになっている(例えば特許文献1参照)。
このような構成の除湿器100は、個人住宅や事業所の各種施設、工場などで冷気を導入する空調システムとして広く普及し利用されているが、都市部における設備の集中化及び大規模化に伴い、前記空調システムから大気に放出される廃熱量も膨大なものとなり、この廃熱が都市部のヒートアイランドを引き起こす要因であるとして社会問題化している。
このような問題を踏まえ、ヒートアイランドの緩和と省エネルギー対策として、空調システムの熱機関の稼働に必要な冷熱源又は温熱源として河川水などの未利用エネルギーを用いる冷暖房熱供給システムの導入が進められており、例えば浄水施設においては場内空調用ヒートポンプの熱源水として浄水を利用した冷暖房熱供給システムが使用されている(例えば特許文献2参照)。
また、航空機では、空気自体を冷媒とした「エアサイクル方式」の空調システムが利用されているが、このものは、タービンやコンプレッサ、コンデンサなどといったエアサイクルの機器構成が大がかりなものとなり、機器駆動のためのエネルギー消費量も膨大となって、航空機以外の用途では実現性がない(例えば特許文献3参照)。
特開昭63−49648号公報 特開2005−315476号公報 特開2002−130860号公報
未利用エネルギーとして浄水などを用いる冷暖房熱供給システムは、廃熱量を抑えることが可能であり、熱源として自然熱を利用している点に限れば省エネルギーといえるものの、現状の冷暖房熱供給システムの構成では熱源である水を冷却又は加熱するためのヒートポンプなどの動力源を必要とし、これを駆動するために消費するエネルギー量は極めて大きく、電力消費量が嵩んでしまうという問題がある。
浄水施設では環境温度が40℃以下、環境湿度が60%以下であるのが望ましいとされており、この条件を満たすために全国の浄水施設で稼働している空調機の電力量を含めた全国の浄水施設における総電力量は、全国の電力総使用量の約0.8%にも及んでいるのが実状である。前記電力総使用量を削減するのには、このような施設で稼働している空調機等のシステムの省エネルギー化が不可欠である。
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑み、浄水施設など熱源として浄水を用いることが可能な施設や設備への設置に好適であり、廃熱がなく簡易な構成で除湿冷気を生成する方法とその装置を構成することを課題とする。
浄水場や発電所、各種工場などの大規模施設を冷却する装置に、前記図8に示された従来の除湿器のような、蒸発器、凝縮器及び圧縮器間で冷媒を流通させて熱交換する冷凍サイクルを駆動する装置を適用した場合、装置の設置コストや稼働コストが嵩んでしまい、また、装置の故障や廃棄の際には地球温暖化を促し、或いはオゾン層破壊係数が高い冷媒ガスを放出することにもなりかねない。
前記冷凍サイクルに、熱源として自然熱や未利用熱、或いは施設から出る排熱を組み合わせた冷暖房熱供給システムでは、大型のヒートポンプを駆動させる必要があり、動力コストが大きくなって省エネルギー化は実現できない。従来の空調装置を適用したのでは、冷却規模以上に省エネルギー化を図ることはできない。
気体を圧縮機で圧縮し、熱交換器で冷却して後、膨張タービンで動力回収して圧力・温度を下げて低温の空気を得る空気冷凍サイクルにより構成された空調装置、或いは前記エアサイクル方式の空調システムを適用しても、装置が大型化して設置コストや動力コストが嵩むことに変わりはない。
一方、浄水場や取水場、或いは臨海地域の工場などでは、夏季でも比較的低温な水を利用可能な環境にあり、この水を熱源として空調装置に使用することが装置の稼働コストの低廉化を実現する上で望ましい。
そこで、水を熱源とし且つ冷媒を用いた冷凍サイクルによらずに、除湿された冷気を得る方法について鋭意研究を重ねたところ、「フェーン現象」の発生原理の一部を利用することで、簡易な装置構成で除湿冷気の生成が可能であることを見出し本発明に至った。なお、以下の説明では、同じ物理的現象を気象学で用いる用語と空調用語とを混在して用いることとする(例えば「凝結」と「凝縮」)。
ここでフェーン現象が起こる原理は以下のように説明されている。
すなわち、図1に示されるように、湿気を帯びた空気塊が山を上昇するときに高度が高くなるにつれて周囲の温度が低下して空気塊の温度も低下し、高度の上昇に伴い湿潤断熱変化により空気塊中の水分が凝結し、雨や霧となって空気塊から放出されて地上に降る。その後、この空気塊が山を越えて下降するときには乾燥断熱変化によって再び気温が上がる。
通常、上昇する空気塊の温度の変化する割合は、乾燥断熱変化により高度差100mにつき1℃であるが、前記空気塊が上昇する過程で起こる湿潤断熱変化により凝結熱を放出するため、山の上部では温度低下率が100mにつき0.5℃程度に減少する。そして、山を下る空気は水分を失い乾燥しているため、100m下降する毎に1℃上昇し、下降した空気の温度が元の空気の温度より高くなる。
このフェーン現象において、山の頂上から下降を始める部分の空気は、元の空気を十分に冷却した低温の空気であり、且つ湿り気が除去された乾燥した空気でもある。
このフェーン現象を、ボイル−シャルルの法則(PV=nRT)に基づいて人工的に構成し、山を上昇する空気を冷却対象の空気として処理し、ここから山を降る直前の性状の空気を取り出せば、従来の冷凍サイクルを用いることなく、除湿された冷気を生成することが可能となる。また、この空気の変状態化は、エマグラムを用いて計算することが可能である。
すなわち、本発明は、側面に冷却処理する外気である湿り空気の導入口、前記冷却処理に用いる冷却用外気の導入口及び前記冷却処理された除湿冷気の排出口を備え、前記湿り空気、外気及び除湿冷気の通風通路の少なくとも両側部を断熱板で囲ってなる空気冷却装置を用い、所定の温度の湿り空気を冷却減湿して除湿冷気を生成する方法において、
一端を管入口、他端を管出口とした適宜な長さの外管の内部に、前記管入口から管出口に亘って管外径が漸次大きくなるようにラッパ形に形成されていて外周面にフィンが突設され、且つ内部に冷却水が流通するようにして構成された内管が設置されてなる空気処理管内に湿り空気を導入して管入口から管出口に向けて送気する空気送気工程と、
前記空気処理管内で送気された湿り空気を漸次加圧しつつ、前記冷却用外気と冷却水とを混合して前記空気処理管の表面に接触させて、当該管内の空気を冷却して飽和させる乾燥断熱変化工程、及び飽和させた湿り空気を露点温度以下に冷却して当該空気内の水蒸気を凝縮せしめるとともに凝縮熱を除去し且つ凝縮した水分を排出する湿潤断熱変化工程からなる加圧冷却工程と、
前記冷却された空気を除湿して空気処理管の管出口から送出することにより断熱膨張させる空気膨張工程との、
各工程を経て室内冷房用の除湿冷気を生成し、生成された除湿冷気を前記排出口から排出することを特徴とする。
本発明の除湿冷気生成方法の原理を、図2を用いて説明する。
図2は本発明の方法を実施する処理系の一例の構成を示しており、符号Aは空気処理管、Bは冷却対象である湿り空気を空気処理管Aに送る送気手段を備えた空気入口ダクト、Cは空気出口ダクト、Dは空気処理管Aを冷却する冷却手段を示している。ここで、空気処理管Aは、例えば円筒鋼製管である外管A1内に、管入口から管出口に亘って外径を漸次大きくしたラッパ形の内管A2を挿入して一体化されているとともに、空気入口ダクトBに接続した空気導入口A11を大径、空気出口ダクトCに接続した空気排出口A12を小径に設けた構成のものを用い、湿り空気は前記送気手段により空気入口ダクトBから空気処理管A内に一定の圧力で送気されるものとする。
同図に示した処理系において、湿り空気は空気処理管Aの大径の空気導入口A11から小径の空気排出出口A12に送気される過程で、空気処理管A内で前記フェーン現象を擬似的に生じさせることにより処理される。
すなわち、空気入口ダクトBから空気処理管Aの外管A1と内管A2の間の空隙内に導入された湿り空気は、空気処理管A内がラッパ形の内管A2によりその横断面方向の単位容積が管入口からの管出口に亘って漸次小さくなっているため、管入口から管出口に向かって送気される過程で単位容積が変化するのに伴い、前記ボイル−シャルルの法則に従ってその圧力と温度が変化せしめられ、また、これと同時に冷却手段Dによって空気処理管Aの壁面を介して冷却されるようになっている。
先ず、図2中のX1において、湿り空気は空気入口ダクトBから空気処理管Aの管入口から内部に導入される(空気送気工程)。これは、図1中の符号H1で示した空気塊の山を上昇せんとする位置に相当する。
空気処理管A内に導入された湿り空気は、管出口へと送気される過程で徐々に増圧或いは加圧されながら、冷却手段Dによって冷却せしめられ、図2中のX2において、温度が露点に達すると飽和する(乾燥断熱変化工程)。これは、図1中の符号H2で示した、空気塊が山の中腹付近に上昇した位置に相当する。
さらに、空気処理管A内で加圧及び冷却されつつ送気される湿り空気が露点温度以下になると、水蒸気が凝縮して水となり、これを管内に付着させて空気を乾燥せしめる(湿潤断熱変化工程)。これは、図1中の符号H3で示した、空気塊の凝結熱を放出して雨を降らせる山頂付近の位置に相当する。
そして、水分が除去されて減熱された空気処理管A内の空気は、所定の径に設けて設置された小径のオリフィス管の出口から大径の空気出口ダクトCへと送出される際に断熱膨張され(空気膨張工程)、膨張に伴い若干温度が低下し冷却されて、空気処理管A内に導入される前の元の湿り空気よりも低温で且つ湿度が低くなり、これを設備の室内空間へと送出して室内を冷却する除湿冷気を得ることができる。これは、図1中の符号H4で示した、空気塊が山頂から山を降る位置に相当する。
なお、空気処理管A内に導入する湿り空気を予め冷却する工程を備えていれば、空気の冷却効率が高くなり好ましい。また、冷却効率を高めるため、空気冷却装置内で冷却用外気の送風通路上に配置された空気処理管に冷却用外気を送風して空気処理管内の湿り空気を冷却する予冷工程を設けてもよい。
このように、湿り空気が露点温度に達するまでその気圧と温度、さらには湿度を調整することで、室内空間を適宜な温度に冷却した乾燥冷気を得ることは可能であり、湿り空気を冷却する手段、すなわち熱源として水を利用することで、装置の稼働コストの低廉化及び無公害化を実現することが可能となる。
勿論、本発明の除湿冷気生成方法は、前記空気冷凍サイクルの如く冷凍温度に達する冷気を生成することはできないが、夏季において設備の室内で活動するには快適な程度の温度の冷気を生成することは可能であり、また、前述した浄水施設などで望まれている環境温度・湿度よりも低い冷気・湿度の空気を得ることができ、大規模施設の冷房用空調装置の省エネルギー化を図る上で本発明の適用は極めて有用であるといえる。
本発明は、夏季でも20°程度の比較的低温域の水が大量且つ容易に得られる地域や場所に建てられた施設での使用に極めて有用であるが、そのような水が容易に得られない場所においても、湿り空気を効率的に除湿し冷却して乾燥して冷気を得ることが可能である。
すなわち、例えば冷却塔を冷却手段として利用し、その内部の上下の貯水槽間に空気処理管を設置する場合、使用可能な所定量の水を上下の貯水槽間で複数回循環流通させつつ落下噴霧水を空気処理管に接触させることにより、管内の湿り空気が露点温度に達するまで冷却することは可能であり、一方、前記冷却水は、冷却塔に取り入れられる外気が落下噴霧水中を通過する際に、冷却水中の蒸発作用によって冷却され、とりわけ外気の湿度が低いときには外気に取り込まれる蒸発水量が増加し、蒸発する際の潜熱によって冷却水の冷却が促進し、さらに冷却塔内部の外気と冷却水が交差する空間の真空度が大きいものであれば、冷却水蒸発量はさらに多くなって冷却水が冷却され、かかる冷却水により空気処理管内に取り入れられた湿り空気を露点温度まで冷却することが可能である。つまり、これは前述の自然現象(フェーン現象)の空気の湿度、上昇高度(高さ)と温度及び気圧の関係と同じとなって露点温度以下の冷却水が得られ、この冷却水を空気処理管の表面に接触させることで、管内の湿り空気が冷却されることとなる。
また、前記除湿冷気生成方法による本発明の空気冷却装置は、側面に冷却処理する外気である湿り空気の導入口、前記冷却処理に用いる冷却用外気の導入口及び前記冷却処理された除湿冷気の排出口を備え、前記湿り空気、外気及び除湿冷気の通風通路の少なくとも両側部を断熱板で囲ってなる空気冷却装置であって、
一端を管入口、他端を管出口とした適宜な長さの外管の内部に、前記管入口から管出口に亘って管外径が漸次大きくなるようにラッパ形に形成されていて外周面にフィンが突設され、且つ内部に冷却水が流通するようにして構成された内管が設置されてなる空気処理管と、
前記空気処理管の管入口に接続された湿り空気導入口である空気入口ダクトと、
前記空気入口ダクト内に設置されていて湿り空気を空気処理管の外管内面と内管外面の間の空間に送出する送気手段と、
空気処理管の外側に設置されていて冷却水と前記冷却用外気を混合して空気処理管の表面に接触させることにより空気処理管内部の湿り空気を間接的に冷却する冷却手段と、
前記空気処理管の管出口に接続された膨張ボックスと、
前記膨張ボックスに接続した除湿冷気の排出口である空気出口ダクトと、
前記空気出口ダクト内に設置されていて膨張ボックス内に送出された冷気を室内へと送出する送気手段とを備え、
湿り空気を空気処理管内で管入口から管出口に向けて送気する過程で、湿り空気を漸次加圧させながら冷却手段で除湿しつつ凝縮熱を除去し且つ凝縮した水分を排出しつつ冷却するとともに、
冷却された空気を膨張ボックスに送気し且つ断熱膨張させて除湿冷気を生成する構成を有する。
前記冷却手段は、冷却水と冷却用外気を混合して空気処理管の表面に接触させる構成のものを用いることができ、例えば直交流式の冷却塔により構成することができる。
前記空気処理管は、熱伝導率が良好で腐食し難い材質の鋼管、例えば銅管や真鍮管、ステンレス管などにより形成することが好ましく、とりわけ熱伝導率が良好な銅製の管材の使用が好ましい。空気処理管を構成するラッパ形の内管は、湿り空気に乱流を生じさせて外管内面及び内管外面との接触頻度を高めて冷却を促進するため、その外周面にフィンを突設させて形成するとともに、内管の内部に冷却水が流通するように構成することが好ましい。また、空気処理管は、湿り空気が凝縮することにより生成される水分を排出するドレンを具備して構成することができる。
また、空気処理管の内部に螺旋状の風向板を配置して湿り空気が当該管の壁面に沿って流通するように構成してもよい。
また、空気処理管内に導入される湿り空気を予め冷却する冷却手段を備えていることが好ましい。さらに、冷却用外気の送風通路上に空気処理管を配置し、空気処理管に冷却用外気を送風して空気処理管内の湿り空気が冷却されるように設けることが好ましい。
湿り空気を予め冷却する冷却手段は、例えば前記空気処理管を冷却塔により冷却する場合、内部に水が循環送水されるように設けた鋼製の送水管を複数列に配管してなる熱交換器を、冷却塔の空気入口ダクトに並列させて設置し、この並設させた送水配管の端部を冷却塔の水槽内に埋設し、且つ当該水槽内の低温水を送水配管内に循環させるように構成することができる。
また、空気処理管に導入される湿り空気と冷却用外気を除湿する除湿手段(除湿或いは乾燥手段)を備えていることが好ましい。除湿手段としては、例えば、空気導入管の前段に活性炭などの除湿材を配置し、湿り空気が除湿材を通過することにより湿気が除去されるように設けることができる。また、空気処理管の管内に硅素材などの除湿材を充填し、或いは管内周面に除湿材の皮膜を形成しておき、管内に導入された湿り空気が除湿材に接触することで湿気が除去されるように設けることができる。加圧冷却工程の前に、湿り空気の湿気をある程度除去しておくことで、湿度の低い冷気を効率的に生成することが可能となる。また、冷却用の外気をある程度除湿しておくことで、この外気を冷却水に接触した際の冷却水の蒸発水量が多くなり、蒸発潜熱により冷却水の温度を低下せしめ、これが接する空気処理管の冷却を促進することができる。
また、空気処理管をその表面に冷却水を接触させて冷却する場合、冷却水に含まれるスケールが空気処理管の表面に付着し堆積して冷却効果を低下させることを防止するため、空気処理管の表面に付着し堆積するスケールを除去するスケール除去手段を備えていることが好ましい。
フェーン現象を説明するための図である。 本発明による除湿冷気生成方法の原理を説明するための図である。 本発明の一実施形態の空気冷却装置の内部構成を示した図である。 図3の装置の概略平面図(A)と断面図(B)である。 図3の空気処理管の構成を示した図である。 図3の膨張ボックスの構成を示した図である。 スケール除去機構の一例の構成を示した図である。 本発明の他の実施形態の空気冷却装置であって外気除湿ユニットを取り外した状態における正面(A)と側面(B)の外観図である。 外気除湿ユニットを取り付けた、図8の空気冷却装置の内部構成を示した図である。 空気入口ダクトの構成を説明するための図である。 図9の空気処理管の構成を示した図である。 本発明のさらに他の実施形態の空気冷却装置の内部構成を示した図である。 図12の空気入口ダクトの構成を説明するための図である。 空気入口ダクトの他の構成を説明するための図である。 従来の空調装置である除湿器の一例の構成を示した図である。
図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
図3は、本発明の一実施形態の空気冷却装置の構成を示しており、これは湿り空気が導入される空気処理管の冷却手段として直交流式の冷却塔を用い、冷却噴霧水を空気処理管の表面に向けて滴下し接触させて、湿り空気が送気された空気処理管全体を冷却するように構成されたものであり、図中、符号1は空気冷却装置、2は空気処理管、3は空気入口ダクト、4は空気出口ダクト、5は膨張ボックス、6は冷却手段をそれぞれ示している。なお、図示されないが、空気冷却装置1の周囲は断熱板で囲ってある。周囲を断熱板で囲うことにより、空気冷却装置1内部における、湿り空気の熱変換効率を高めることができる。
空気処理管2は、適宜な長さの円筒管である外管21の内部に、外管21の管入口21aから管出口21bに亘って外径を漸次大きくしてなるラッパ形の内管22を挿入して一体化し、後述する空気入口ダクト3から導入される湿り空気を、外管21の内周面と内管22の外周面の間の空間部分に通気し、管入口21aから管出口21bへ送気するように構成してある。
より詳しくは、図5に示されるように、外管21は管入口21aを大径、後述する膨張ボックス5に通じる管出口21bを、前記管入口21aよりも小径であって且つ当該孔径の大きさを自在に調節可能なオリフィス管として設けてあり、管出口21bには湿り空気を除湿する過程で管内部で生成された水分を外部へ排出するためのドレン21cを設けてある。また、内管22の外周面には適宜な間隔で複数のフィン22aを周設して形成してある。なお、図示されないが、内管22の内部には冷却用の噴霧水が流通するように設けてもよい。
空気処理管2は、図4(B)に示されるように、多数本を互いに間隔を開けて複数列多段に配置して、後述する冷却手段6の下部水槽62の上方に設置してある。
空気入口ダクト3は、内部に湿り空気を空気処理管2に送出する送気手段(図示せず)を備え、前記多数の空気処理管2の管入口21aに接続して設置してある。また、空気出口ダクト4は、膨張ボックス5の次段に設置されており、内部に空気処理管2内で除湿された冷気を吸入排出される吸気手段(図示せず)を備え、吸気手段で吸入された冷気を、例えば浄水設備の室内へと送出するように設置してある。
膨張ボックス5は、前記多数の空気処理管2の管出口21bに接続しており、図6に示されるように、空気処理管2の管出口21bから送気される冷気を膨張させて空気出口ダクト4へと送気するとともに、空気処理管2の内部で水蒸気が凝縮することにより内面に付着し、ドレン21cから空気処理管2の外部に排出された水を、ドレン51を通して冷却手段6の下部水槽62へと流下させるように設けてある。
空気処理管2のドレン21cに排水ホースを接続しておき、空気処理管2内で生成された水を前記排水ホースから冷却塔6の外部に排水させて、空気処理管2内における水の生成状態を確認できるようにしてもよい。
冷却手段6は、図3及び図4に示されるように、ケーシングで密閉箱を構成し、その上部に上部水槽61、下部に下部水槽62を設置し、ケーシングの一側である前記空気入口ダクト3の上方に冷却用外気入口ダクト63、他側である前記空気出口ダクト4及び膨張ボックス5の上方に送気ファン64及び空気吐出口65を設け、下部水槽62の上方に設置された空気処理管2の全長に亘り、上部水槽61の下面に形成された通孔61aから当該水槽内の冷却水を下部水槽62内に連続的に滴下しつつ、送気ファン64により冷却用外気入口ダクト63から内部に外気を取り入れて冷却水と混合して噴霧状の冷却水を形成せしめ、これを空気処理管2の表面に滴下し付着させて、空気処理管2内の湿り空気を冷却するように構成してある。
また、上部水槽61と下部水槽62の間には循環ポンプ66が配置され、上部水槽61から落下して下部水槽62内に貯留された冷却水を上部水槽61に搬送し放流して、上下水槽61、62間で冷却水が循環流通させるように設けてある。
なお、図3に示されるように、冷却手段6の冷却用外気入口ダクト63と空気入口ダクト3には外気フィルター71が設置され、また、導入する外気と湿り空気を冷却する予冷器(ライン冷却水)72を設けてある。また、予冷器72の下側には、予冷器72で凝縮した水を系外に排出するドレンパン73を設置してあり、さらに、予冷器72の次段には、予冷器72から飛散した水分を補足して水分が空気処理管2内に入り込むことを防止するための、網状のエリミネータ74を設置してある。
予冷器72は、送水管を複数列に配管してなる熱交換器であり、内部に原水或いは浄水を送水させて、当該送水管の配置間隙を通過して冷却手段6に導入される外気及び湿り空気を冷却するように設けてある。前記送水管の端部を冷却手段6の下部水槽62内に埋設し、下部水槽内62の低温水を送水配管内に循環させるように設けてもよい。
次に、本形態の空気冷却装置1の機能について説明する。
この空気冷却装置1は、湿気を含んだ比較的高温な外気を取り入れ、これを冷却減湿して室内へ導入する空気処理装置であり、冷却減湿処理は、冷却手段6内に複数本を並列に配置して設置された空気処理管2内を通すことにより行われる。
先ず、空気処理管2を冷却する冷却手段6は、前記の通り、一側に冷却用外気入口ダクト63と空気入口ダクト3が設置されており、両ダクト内には外気フィルター71及び予冷器72を通過した外気と空気が取り入れられる。
冷却手段6内に導入される外気は、図示されない送気手段により予冷器72を通過して適宜な温度に冷却せしめられ、冷却用外気入口ダクト63内へと取り入れられ、冷却用外気入口ダクト63から冷却塔6の上下水槽61、62の間の空間に進入する。
前記空間内に進入した外気は、上部水槽61から落下する水と接触し、蒸発する潜熱によって冷却せしめられ、冷却手段6の最終段に設けられた送気ファン64により、当該送気ファンに向かって冷却塔6内を送気し移動する。このとき、送気ファン64により真空状態に保たれた冷却用外気入口ダクト63から冷却手段6の奥、つまり送気ファン64に進むにつれて真空度は大きくなり、その真空度により上部水槽61から下部水槽62に向けて直交落下する冷却水の温度は蒸発潜熱により冷却され、噴霧状となって下部水槽62の上方に設けた空気処理管2の表面に滴下し接触して当該処理管2を外部から冷却し、また、外気が冷却水と接触しながら送気ファン64側へと向かう過程で、冷やされた外気が空気処理管2の表面に接してこれを冷却する。
次に、空気処理管2は、前記の通り、複数本を並列多段に配した集合ダクトチャンバーとして構成されており、図示されない送気手段により湿り空気を予冷器72を通過させて適宜な温度に冷却し、空気に含まれる水分をある程度凝縮させて水に変換せしめ、生成された水を当該予冷器72のドレン(図示せず)から排出した上で空気入口ダクト3に導入し、前記多段複数列に配置された各空気処理管2に分散導入される。
空気処理管2内に導入された湿り空気は、処理管内部に設置された漸次径が拡大した円錐形ラッパ状の内管22の外側表面に沿って管出口21bに向かって前進送気されるが、前進送気される空気は、当該管2の内部の容積変化と、冷却塔6による管外部からの冷却及び内管2の内面における冷却によりボイル−シャルルの法則(PV=nRT)に基づく温度と圧力に変化し、気象学的には乾燥断熱変化により、空気処理管2内の通過地点の圧力、体積により成立する温度に低下する。
さらに、冷却された湿り空気は空気処理管2内を前進し、冷却手段6による当該処理管2外部からの冷却によって、やがて前記ボイル−シャルルの法則による圧力、体積に対応した温度となり、前記予冷器72で除去不十分であった水分を凝縮させ、湿潤断熱変化によって、凝縮した水分を凝縮熱を伴って発生させ、ドレンとして管外部へと排出させる。このときに発生した熱は、冷却手段6による冷却などにより除去され、水分は下部水槽62へと排出される。
さらに空気処理管2内で、冷却・圧縮された空気は、処理管2の管出口21bに続けて設けられた膨張ボックス5内のオリフィス管により空気流が制限されて、そのオリフィス管を通過することで断熱膨張を起し、膨張にともなってさらに温度を下げて、空気出口ダクト4から設備の室内へと送気される。
このように本形態の空気冷却装置1によれば、空気入口ダクト3から空気処理管2内に導入された湿り空気は、空気処理管2の管入口21aから管出口21bに向けて送気される過程で、ラッパ状の内管22の外周面を伝って漸次加圧せしめられるとともに、冷却手段6によって空気処理管2の表面に吹き付けられる冷却噴霧水及び内管22の内部を流通する冷却水によって冷却されて飽和状態となり、さらに露点温度以下に冷却されて凝縮し、水滴を空気処理管2の内面に付着させて除湿処理される。
そして、冷却された空気を空気処理管2の管出口21bから膨張ボックス5内に送気し、断熱膨張させることにより冷気が生成され、これを空気出口ダクト4を通して設備の室内へと送気し、室内を冷却することが可能である。
本発明の空気冷却装置は、浄水場や取水場などの湿り空気を冷却するための熱源としての原水が容易に利用可能な場所に設置することが稼働コストの低廉化及び無公害化の観点から望ましく、その場合、原水は前記冷却手段6の冷却水として利用可能であるが、原水が浄化前の場合、冷却水は原水タンクに戻すことが好ましい。
なお、冷却手段6の冷却水として水道水、原水の何れを使用しても、水に含まれるスケールが空気処理管2の外周表面に付着し堆積して冷却効率を低下させることがある。このスケールを除去するため、例えば図7に示されるように、空気処理管2の外側にスケール除去機構8を設置することが好ましい。
図示したスケール除去機構8は、集合ダクトチャンバーとして構成された各空気処理管2の外周にリング状の洗浄ブラシ81を装着し、これをブラシ架台82で支持するとともに、各ブラシ架台82を空気処理管2の管軸方向に沿って設けたガイド棒83に沿って移動自在に設けられた移動架台84に一体に取付け、空気処理管2群の下側に設けられた駆動モータ85により移動架台84を前記ガイド棒83に沿って進退移動させることにより、空気処理管2の外周に付着したスケールを線状ブラシ81で除去するように構成したものである。なお、空気処理管2の外周に装着する洗浄ブラシ81は、スケール除去動作により摩耗することから、同図に示されるように、半割形のブラシ81a、81a同士を空気処理管2の外周片半面にそれぞれ嵌めて互いに連結して構成し、摩耗した際には連結を解除して空気処理管2から取り外し、新たなブラシに交換できるように設けることが好ましい。
図8〜図11は本発明の他の実施形態の空気冷却装置1を示しており、この形態の空気冷却装置1は外気の取り入れ口に外気除湿ユニット9を一体に設けたものである。なお、図8は、外気除湿ユニット9を取り外した状態の外観を示している。
詳しくは、図9に示されるように、空気冷却装置1は、その一側の側面に空気入口ダクト3と冷却用外気入口ダクト63、他側の側面に空気出口ダクト4を各々設けるとともに、前記空気入口ダクト3と冷却用外気入口ダクト63の前段に外気除湿ユニット9を一体に配置し、前記外気の通風経路を除いた、当該装置の両側部を含む周辺部を断熱板10で囲って構成してある。
外気除湿ユニット9は、フィルター71及び予冷器72からなる前処理冷却部の内側に吸気ファン11と除湿材12を配置し、吸気ファン11により予冷器72を通過して冷却された外気を吸入し、これを除湿部材12を通過させて除湿せしめた上で、空気入口ダクト3と冷却用外気入口ダクト63へと送風し、両ダクト内へと導入するようになっている。図9では、空気入口ダクト3に導入される外気の流れを実線矢印で、冷却用外気入口ダクト63に導入される外気の流れを破線矢印でそれぞれ示してある。
除湿材12は、活性炭や硅素材などをも用いることができ、装置に取り入れられる外気の湿気がまんべんなく吸収されるように、通風経路中に適宜な量を配置することができる。また、図10に示されるように、外気除湿ユニット9の、空気入口ダクト3側の外気通風経路上には、上下二段に除湿材12、12が配置され、その前後には通風路切替え手段13、13が設置され、通風路切替え手段13、13により、上下の除湿材12、12の何れか又は全体を外気が通過するように通風路の切替えが可能に設けてあり、例えば上下の除湿材12、12の一方の除湿能力が低下した場合に、その除湿材12には外気が当らないように通風路を切替えた状態で新たな除湿材12に交換するなどのメンテナンスが行えるようになっている。
また、空気冷却装置1の内部には、集合ダクトチャンバーとして構成された空気処理管2の束が上下に間隔を開けて平行に3段に配置してある。
詳しくは、空気入口ダクト3に接続した上段の空気処理管2の端部を密閉した通風路14に接続し、当該通風路14の下部に中段の空気処理管2の一端部を接続するとともに、その他端部を密閉した通風路15に接続し、さらにこの通風路15に下段の空気処理管2の一端部を接続し、その他端部を膨張ボックス5に接続してある。そして、前記上段の空気処理管2は、冷却手段6の送気ファン64上に配置され、送気ファン64により装置外へと排気される冷却用冷気を各空気処理管2の表面に接触せしめて、空気処理管2内の湿り空気が冷却されるように設けてある。なお、空気処理管2は、前記図5に示された内管22の外周面のフィン22aに代えて、図11に示されるような、螺旋状の風向板22bを一体に設け、これにより湿り空気が当該管の壁面に沿って流通するように形成してもよい。
図12及び図13は本発明のさらに他の実施形態の空気冷却装置1を示している。この形態の空気冷却装置1は、図9に示された装置の変形例であり、上段と中段の空気処理管2を管体で接続して一体に連通させるとともに、通風路15に送気ファン64の吹き出し口15aを設け、さらに、中段及び下段の空気処理管2への冷却噴霧水の吹き付け長さが長くなるように、装置の中央に冷却手段6の送気ファン64を配置したものである。
また、本形態の外気除湿ユニット9は、図13に示されるように、通風路切替え手段13により除湿材12、12の何れか又は全体を外気の通風路上に選択的に適宜に切替えて配置することができるように設けてある。また、除湿材12が湿気を十分に吸収した場合に、何れか一方の除湿材12を通風路上から外れた位置に配置し、この状態で真空ポンプ13aを作動させることにより、湿気を含んだ除湿材12を賦活し、再活性化することで除湿機能を維持することができるように設けてある。
なお、外気除湿ユニット9は、図14に示されるように、外気の通風路の左右に除湿材12、12を配置し、通風路切替え手段13により、左右何れかの除湿材12を通る通風路に切り替わるように構成してもよい。
これらの形態の空気冷却装置1によれば、外気除湿ユニット9を通って除湿された湿り空気が空気入口ダクト3から上段の空気処理管2内へと導入され、空気処理管2の管入口21aから管出口21bに向けて送気される過程で、ラッパ状の内管22の外周面を伝って漸次加圧せしめられると同時に冷却手段6の送気ファン64により冷気が当てられて冷却され、冷却された湿り空気は上段の空気処理管2から通風路14を通って中段の空気処理管2内へと導入され、冷却手段6により空気処理管2の表面に冷却噴霧水が吹き付けられてさらに冷却されつつ、通風路15を通って下段の空気処理管2内へと導入され、同管内で前記と同様に漸次加圧せしめされるとともに冷却噴霧水の吹きつけによる冷却によって飽和状態となり、さらに露点温度以下に冷却されて凝縮し、水滴を空気処理管2の内面に付着させて除湿処理される。
そして、冷却された空気を下段の空気処理管2の管出口21bから膨張ボックス5内に送気し、断熱膨張させることにより冷気が生成され、これを空気出口ダクト4内に配置された送気ファン16により設備の室内へと送気して、室内を冷却することが可能である。
図示した空気冷却装置の各部や各機構の構成は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、冷却する設備や設置場所などに応じて適宜に構成することが可能である。冷却手段として冷却塔を用いたが他の冷却手段を利用しても構わない。各図に示した構成の組み合わせは適宜に行われる。
1 空気冷却装置、2 空気処理管、21 外管、21a 管入口、21b 管出口、22 内管、3 空気入口ダクト、4 空気出口ダクト、5 膨張ボックス、6 冷却手段、61 上部水槽、62 下部水槽、63 冷却用外気入口ダクト、64 送気ファン、65 空気吐出口、66 循環ポンプ、71 外気フィルター、72 冷却回路、8 スケール除去機構、9 外気除湿ユニット、10 断熱板、11 吸気ファン、12 除湿材、13 通風路切替え手段、14,15 通風路、16 送気ファン

Claims (9)

  1. 側面に冷却処理する外気である湿り空気の導入口、前記冷却処理に用いる冷却用外気の導入口及び前記冷却処理された除湿冷気の排出口を備え、前記湿り空気、外気及び除湿冷気の通風通路の少なくとも両側部を断熱板で囲ってなる空気冷却装置を用い、所定の温度の湿り空気を冷却減湿して除湿冷気を生成する方法において、
    一端を管入口、他端を管出口とした適宜な長さの外管の内部に、前記管入口から管出口に亘って管外径が漸次大きくなるようにラッパ形に形成されていて外周面にフィンが突設され、且つ内部に冷却水が流通するようにして構成された内管が設置されてなる空気処理管内に湿り空気を導入して管入口から管出口に向けて送気する空気送気工程と、
    前記空気処理管内で送気された湿り空気を漸次加圧しつつ、前記冷却用外気と冷却水とを混合して前記空気処理管の表面に接触させて、当該管内の空気を冷却して飽和させる乾燥断熱変化工程、及び飽和させた湿り空気を露点温度以下に冷却して当該空気内の水蒸気を凝縮せしめるとともに凝縮熱を除去し且つ凝縮した水分を排出する湿潤断熱変化工程からなる加圧冷却工程と、
    前記冷却された空気を除湿して空気処理管の管出口から送出することにより断熱膨張させる空気膨張工程との、
    各工程を経て室内冷房用の除湿冷気を生成し、生成された除湿冷気を前記排出口から排出することを特徴とする除湿冷気の生成方法。
  2. 空気冷却装置の空気処理管内に導入する湿り空気を予め冷却し、又は空気冷却装置内で冷却用外気の送風通路上に配置された空気処理管に冷却用外気を送風して空気処理管内の湿り空気を冷却する予冷工程を有することを特徴とする請求項1に記載の除湿冷気の生成方法。
  3. 側面に冷却処理する外気である湿り空気の導入口、前記冷却処理に用いる冷却用外気の導入口及び前記冷却処理された除湿冷気の排出口を備え、前記湿り空気、外気及び除湿冷気の通風通路の少なくとも両側部を断熱板で囲ってなる空気冷却装置であって、
    一端を管入口、他端を管出口とした適宜な長さの外管の内部に、前記管入口から管出口に亘って管外径が漸次大きくなるようにラッパ形に形成されていて外周面にフィンが突設され、且つ内部に冷却水が流通するようにして構成された内管が設置されてなる空気処理管と、
    前記空気処理管の管入口に接続された湿り空気導入口である空気入口ダクトと、
    前記空気入口ダクト内に設置されていて湿り空気を空気処理管の外管内面と内管外面の間の空間に送出する送気手段と、
    空気処理管の外側に設置されていて冷却水と前記冷却用外気を混合して空気処理管の表面に接触させることにより空気処理管内部の湿り空気を間接的に冷却する冷却手段と、
    前記空気処理管の管出口に接続された膨張ボックスと、
    前記膨張ボックスに接続した除湿冷気の排出口である空気出口ダクトと、
    前記空気出口ダクト内に設置されていて膨張ボックス内に送出された冷気を室内へと送出する送気手段とを備え、
    湿り空気を空気処理管内で管入口から管出口に向けて送気する過程で、湿り空気を漸次加圧させながら冷却手段で除湿しつつ凝縮熱を除去し且つ凝縮した水分を排出しつつ冷却するとともに、
    冷却された空気を膨張ボックスに送気し且つ断熱膨張させて除湿冷気を生成する構成を有する空気冷却装置。
  4. 冷却手段を直交流式の冷却塔により構成した請求項3に記載の空気冷却装置。
  5. 冷却用外気の送風通路上に空気処理管を配置し、空気処理管に冷却用外気を送風して空気処理管内の湿り空気が冷却されるようにした構成を有する請求項3又は4に記載の空気冷却装置。
  6. 空気処理管の内部に螺旋状の風向板を配置して湿り空気が当該管の壁面に沿って流通するようにした構成を有する請求項3〜5の何れかに記載の空気冷却装置。
  7. 空気処理管の表面に付着し堆積するスケールを除去するスケール除去手段を備えた請求項3〜6の何れかに記載の空気冷却装置。
  8. 空気処理管に導入される湿り空気を除湿する除湿手段を備えた請求項3〜7の何れかに記載の空気冷却装置。
  9. 冷却用外気の導入口に、前記導入される外気を除湿・乾燥手段を設け、除湿・乾燥手段によってある程度の湿気が除去された冷却用外気と冷却水とを混合して空気処理管の表面に接触させるように設けた請求項3〜8の何れかに記載の空気冷却装置。
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