JP5256286B2 - メタ解析による動的ドメイン抽出 - Google Patents

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Description

本出願は、2007年5月24日に出願されたジョアン・デ・クレー(Johan de Klee)の米国仮出願第60/931,535号「メタ解析による動的ドメイン抽出(Dynamic Domain Abstraction Through Meta−Analysis)」、及び同出願人により同日出願された米国仮出願第60/931,526号「組み合わせ論理回路における時間的挙動のトラブルシューティング(Troubleshooting Temporal Behavior in Combinational Circuit)」に対し優先権を主張する。その全開示内容を参照によって本明細書に援用する。
本出願は解析に関し、より詳しくは動的ドメイン抽出を利用するモデルベース推論に関する。
設計者が自由に使える数多くのツールのうち、抽出は最も強力なツールの1つである。システムの詳細な特性から抽出を行うことにより、複雑な設計タスク全般を管理できるようになる。例えば、コンピュータ技術者は特定のゲートを構築する個々のトランジスタの特性に配慮することなく論理レベルに集中することができ、チップ設計者はチップを構成するために必要な作製ステップに配慮することなくチップをレイアウトできる。抽出することで、設計者は懸念事項を独立したブラックボックスへ分割することができる。抽出は、現代技術の設計の基礎をなす最も重要な着想の1つである。抽出の一例を図1に示す。図1には、底部10において従来のMOSFETトランジスタレベルモデルから開始されるNANDゲートの異なる3つのモデルが示されている。
電源を無視することができることとし、特定のサブコンポーネントからそれらが果たす役割を抽出すると仮定すると、NANDゲートの中間レベル表示12が生成される。別の2つの単純化仮説、すなわち電流を無視することができることとし、全てのサブコンポーネントが1つのボックスに入れられていると仮定すると、従来のNANDゲートの記号表示14が生成される。従って、上記仮説はデバイスの2つの連続するより単純なモデルを生成する。
システムにおける故障は、設計者の整然とした抽出レベルに従ったものであるとは限らない。例えば、いくつかのトランジスタに故障が発生すると、ICペンティアム(登録商標)プロセッサの生成する浮動小数点が不正確となることがある。この故障を理解するためには、ソフトウェアとハードウェアとの間の多くの抽出レベルを超越することが必要である。PC設計者は物理的レイアウト及びその熱的性質に配慮することなく機能的レイアウトに集中することがある。しかし技術者は、プロセッサファンに吸引されたダストによりヒートシンクの詰まりが発生し、プロセッサ温度がPCの自動的シャットダウンを招く危険なレベルまで上昇させたとしたら、プロセッサの故障が発生したと結論付けざるを得ない。ゆえに、診断推論は、設計者がめったに考慮しない抽出境界の超越を伴うことから、本質的に厄介で複雑なものであるといえる。
モデルベース推論は、例えば、連続する量的変数を−、0又は+の定性値によって表示する代わりに一定範囲の変数を抽出する範囲抽出を含む、多くのタイプの抽出を取り扱う。他の既知のタイプの抽出として構造的抽出が挙げられる。これは、コンポーネントをグループで抽出して階層を形成するものである。第三の抽出タイプはモデル選択と呼ばれ、手で構成されるモデルの集合体から選択するアプローチを教示する。
しかし、上記抽出技術では、例えば診断作業を行う診断システムにおいて抽出レベル又は層を動的に変更する方法についての議論は行われていない。
参照による組み込み
XXXX年XX月XX日に出願されたジョアン・デ・クリーア(Johan de Kleer)の米国出願第XX/XXX,XXX号(代理人整理番号第20070320− US−NP/XERZ201587号)「組み合わせ論理回路における時間的挙動のトラブルシューティング(Troubleshooting Temporal Behavior in Combinational Circuit)」、及びXXXX年XX月XX日に出願されたジョアン・デ・クリーアの米国出願第XX/XXX,XXX号(代理人整理番号第20070162−US−NP/XERZ 2 01589号「間欠故障の診断(Diagnosing intermittent faults)」。
動的ドメイン抽出を含むモデルベース推論システム及び方法は、複数の潜在的な抽出レベルから、解析される現実世界のシステムのシステムモデルに適した抽出レベルを識別すべく構成された抽出決定モジュールを利用する。システム推論モジュールは抽出決定モジュールによって適切であると判断された抽出レベルで現実世界のシステムのシステムモデルについて解析を実施すべく構成される。
抽出レベル又は層の概念を示す図である。 基点を示すための極めて単純なアナログ診断問題を示す図である。 組合せ論理として解析されると矛盾を生じるが、明確な挙動を示す完全に推論可能な正常回路である回路を示す図である。 モデルベース診断エンジンの基本的なアーキテクチャを示す図である。 抽出に基づいたモデルベース診断エンジンのアーキテクチャを示す図である。 図5の動作に関するフローチャートである。 デジタルゲートのメタ診断格子を示す図であり、Tは時間的モデルを示し、Cは接続モデルを示し、Iは断続的なモデルを示す。 デジタルゲートのメタ診断格子を示す図であり、メタコンフリクトABa(T)∨AB(C)は曲線以下の全てのメタ診断を除外し、最小のメタ診断はT及びCである。 非断続を利用することで診断精度が著しく向上する診断状況を示す図である。 接続のモデル化によって故障が取り除かれない診断状況の解析を示す図である。 「t」ゲート遅延後におけるリングオシレータのインバータの出力を示す表である。 極めて特定しにくい故障を含む回路を示す図である。 本出願の概念を組み込む診断デバイスの実施形態に関する図である。 本出願の概念を組み込む診断デバイスの別の実施形態に関する図である。
システムの詳細な特性から抽出を行うことにより、複雑な設計タスク全般を管理できるようになる。システムにおける故障は、設計者の整然とした抽出レベルに従ったものであるとは限らない。以下に、可能な限り単純でありながら間近なタスクに取り組むのに十分な抽出レベルを識別するアプローチを示す。このアプローチは、メタレベル、すなわち抽出仮説自体に対するモデルベース診断を適用することにより所望の抽出レベルを選択する。
従って、新しいタイプの抽出(本明細書中でドメイン抽出と呼ぶことがある)が提示される。このドメイン抽出は、0/1レベルから電流/電圧レベルへ移動し、診断タスクに適したドメインを選択するためにシステムアプローチを提供するなど、モデルの基礎となる物理的原理を変更する概念を含む。
正確なドメイン抽出レベルを選択するには、2つの対立する必要項目の間でバランスを保つことが必要である。最も高い抽出レベルで推論を行うことは最も簡単であるが、システム解析には適さない場合がある。システムはより詳細なレベルで解析される必要がある。一方、過度に詳細なレベルで推論を行っても、更に莫大な計算リソース及び取得が困難なパラメータを必要とする場合があり、解析が複雑化する。アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)は次のように言ったと伝えられる。「全てをできるかぎり単純にせよ。しかし単純にしすぎてはならない(Make everything as simple as possible,but not simpler)。」
システムをトラブルシュートする際、技術者は、システムは非断続的であり(例えば、故障又は徴候が一定であり)、エンジニアリングドキュメント(例えば、回路の概略)は物理的システムを正確に説明していると予測する。図2のアナログ回路20を考察する。技術者が電流Iを0アンペアと測定した(予測では1アンペアであった)と仮定する。このことから、抵抗器Rに故障が発生しているという推論が得られる。測定を繰り返すと1アンペア(すなわち予測された出力)が得られた。このことから、抵抗器Rが断続的であるか、接続に故障が発生しているという結論が得られる。故障であると判断するには、技術者は更に、例えば接続をチェックしあるいは抵抗器R自体を更にテストすることにより、当該システムを診断するための抽出レベルを変更しなければならない。この例は、技術者による抽出レベルの直観的な切り換え、及び得られる利点を示している。
ここで、直列に接続された3つの論理インバータ(A、B、D)を有する図3の回路30について考察する。インバータDからの出力はインバータAの入力にフィードバックされる。解析の記号ゲートレベルでは、インバータは単にその入力を補完する。回路30は外部入力を有さず、従って、接続ノードで可能な値を考慮する必要がある。インバータAへの入力が0であると仮定する。すると出力は1となる。Bの出力は0であるはずだから、Dの出力は1でなければならない。しかし、これはAへの入力が0と仮定されていることから成り立たない。逆に、インバータAへの入力が1であると仮定すると、出力は0となる。Bの出力は1であるはずだから、Dの出力は0でなければならない。しかし、これもAへの入力が1と仮定されていることから成り立たない。従って、インバータAへの入力は0でも1でもありえないことになる。更に、インバータB又はDのへ入力も、0でも1でもありえない。記号論理ゲートとしてモデル化してみると、回路はどういうわけか矛盾している。従って、コンポーネントA、B、Dのいずれかが故障していると考えられる。しかし、技術者がこれらの3つのコンポーネントを取り出し、各々について適切な機能を系統的にチェックすることを選択したと仮定する。いずれのコンポーネントも正常であることが確認された場合には、技術者は行き詰まってしまう。
解析の結果矛盾が生じるということは、利用される抽出レベルが過度に単純化されていることの最も重要な指標である。従って、ここでは、必要な解析を行うための抽出レベルを自動的に低下させるが、抽出レベルを必要以上に低下させない一般的な推論機能(reasoner)を提示する。以下に、接続、断続及び時間的挙動における故障を含む、より厄介なモデルを有するデジタル回路のコンテキスト中でこれらの概念を詳述する。しかし、本明細書中で開示されるシステム及び方法は、認識モデルのデバッグ、遺伝子経路の改良モデル構築実験の設計、パワーグリッドのトラブルシューティング、生産ラインのトラブルシューティング、宇宙機、飛行機及び自動車における欠陥の識別、及びプログラムのデバッグを含むが、これらに限定されない、より広い領域に適用されることができることを理解されたい。
1 メタ解析(又は診断)
図4は、モデルベース、コンポーネントベースの診断(MBD)エンジンアーキテクチャ40の基本的なアーキテクチャの特徴を示している。コンポーネント形態(例えば、アナログ電子回路の概略)42a、コンポーネントモデル(例えば、レジスタはオームの法則に従う)42b、及び観察(例えば、レジスタR6に印加される電圧は4ボルトである)42cが与えられると、モデルベース診断(MBD)エンジン44は、全ての観察42cを説明する診断46を計算する。期待値と一致しない観察は、診断の発見を導く。モデルベース診断(MBD)エンジンが診断を発見できない場合には、故障48の存在が示唆される。
続けて図3を参照し、技術者が回路30をトラブルシュートすると仮定する。多くの診断システムが、コンポーネント{A、B、D}の任意のサブセットに故障が発生していると直ちに判断するであろう。しかし、各インバータを個別にテストしてみると、全てのコンポーネントが正常に動作していることが確認された。ゆえに、既存のシステム又はアルゴリズムは、これを解決できない矛盾(すなわち故障)であると報知する。
しかし、ここで本出願の概念をより詳しく参照すると、図5は、2つのモデルベース診断エンジンを含む、動的ドメイン抽出50を有するMBDエンジンの実施形態のアーキテクチャを示している。上部のモデルアーキテクチャ50aは適切又は最良の抽出レベルを識別するためのもので、下部のモデルアーキテクチャ50bは実際のシステム診断を行うものである。この複合アーキテクチャは付加的な外部入力抽出ライブラリ52aを備え、図4の基本的なMBDエンジンアーキテクチャ40と同様の外部入力を有する。更に、抽出MBDエンジン54a、適用可能なモデルモジュール54b、モデラーモジュール54c及びメタコンフリクトモジュール54dが追加される。これらのコンポーネントは、「好ましいメタ診断」56a、メタ観察56b及びコンポーネントモデル56cの形で追加情報を生成及び/又は入力する。抽出MBDエンジン54aは更に故障表示58を出力可能である。適用可能なモデルモジュール54bは、コンポーネント形態42aからの適用可能な抽出を全て識別する。モデラーモジュール54cは、コンポーネントモデルライブラリ42bを利用して、従来のモデルベース診断コンポーネントモデル56bを構成するために好ましいメタ診断56aを利用する。
ここで図3の回路及び図5のシステムアーキテクチャ50を考察すると、コンポーネント形態42aは上記単純な回路概略30である。システム観察42cについても既に説明した(例えば、インバータAの出力は1である)。コンポーネントモデルライブラリ42bは、ゲート挙動(例えば、ブール、アナログ、熱、時間など)の各種モデルを含む。新しい入力である抽出ライブラリ52aは全ての可能な1組の抽出である。コンポーネント形態に代えて、抽出MBDエンジン54aは、判断される所与のシステムに適用可能な、1組の可能な抽出を有する。最初は、メタ観察56bは存在せず、従って好ましい診断56aは最も抽象的なレベル(全てのコンポーネントと類似する)である。各ゲートは物理的にチェックされ、インバータA、B及びDが正常に機能しているという観察が得られる。解決できない矛盾が発見されると、ドメインモデルベースエンジン40は機能しなくなる(上記議論を参照)。この結果、観察として抽出MBDエンジン52aが呼び出される。具体的には、メタコンフリクトモジュール54dが抽出MBDエンジン54aへの入力としてメタ観察56bを生成する。解析が進行すると、好ましいメタ診断56aは、診断46が取得されうる抽出レベルを発見すべく抽出レベルを低下させる。
観察を説明する最も単純な(且つ単純すぎない)メタ診断を発見したいという欲求は、各種基準で満たされる。基準の例として、全ての潜在的に無効な抽出のうち、最もありそうな(probable)、最小濃度(cardinality)及び最小範囲(coverage)が挙げられる。特に指定がなければ、ここでは最小濃度基準(メタ診断以上のものが存在する場合には任意に1つを選ぶ)を利用する。しかし、本発明の概念は、上記の他の基準のほか、ここで言及されない他の基準にも同様に適用可能であることを理解されたい。
図6を参照すると、図5のアーキテクチャの動作により拡張されるフローチャート60が示されている。
ステップ62で、本出願の診断システム及び方法を適用可能な現実世界のシステムが識別される。まず、ステップ64〜72は、並列して実施されるものとして示される。すなわち、これらのステップは非連続的に実施され、場合によってはシステムの初期化の一部として見なされうることが意図される。
この点では、ステップ64及び66で、コンポーネント形態及びシステム観察がドメインMBDエンジンに提供される。
ステップ68で、コンポーネントモデルライブラリは、初期化中に最も抽象的なレベルを提供するデフォルト位置又は初期位置となる好ましいメタ診断と共にモデラーモジュールに供給される。ステップ70で、抽出ライブラリが抽出MBDエンジンに提供される。ステップ72で、コンポーネント形態が、適用可能なモデルモジュール(ステップ64で予めドメインMBDエンジンに提供されたもの)に供給される。
動作時、選択されたコンポーネントモデルは、ステップ74でモデラーモジュールから好ましいメタ診断及びコンポーネントモデルライブラリに基づきドメインMBDエンジンに供給される。更に、ステップ76で、コンポーネント形態からの適切な適用可能な抽出が、適用可能なモデルモジュールから抽出MBDエンジンに供給される。
続くステップ78でドメインMBDエンジンの作用が開始され、ステップ80で出力が生成される。ステップ82で出力が故障あるいは解決法であるか否かについて決定がなされる。ステップ82の答えが「no」である場合、解決法が発見されたと判断され、更なる情報の要否(あるいは、他の処置の要否)を確認すべく調査が行なわれる。特定のMBDを実施することで、修理を識別したり、追加の測定を行なったりするなど多彩な性能を発揮させてもよい。この例において、調査は、ステップ83で、プロービングにより追加測定を取得するなど、追加情報を取得することに関する。追加情報が必要でない場合、プロセスはステップ84に移動し、決定された解決法が出力されてもよい。追加情報が必要な場合、ステップ85で追加情報が収集され、次いでステップ78で追加情報が供給され、MBDの追加動作を可能とする。
他方、ステップ82でドメインMBDが解決法を決定できなかった場合、故障が発生しており、プロセスはステップ86に移動し、故障表示がメタコンフリクトモジュールに提供される。次いでステップ88で故障表示を利用するメタコンフリクトモジュール及びメタコンフリクトモジュール内の好ましいメタ診断情報によって新しいメタ観察が生成される。
次に、ステップ90で新しいメタ観察が抽出MBDエンジンに提供される。また、ステップ92で、抽出MBDエンジンは新たな好ましいメタ診断を生成すべく動作する。
続くステップ94でシステムはこの新たな好ましいメタ診断が取得されたか否かを判断すべくテストされる。取得されていない場合故障が発生しており、ステップ96でシステムは処理を停止する。故障が発生していない(ステップ94の結果がnoである)場合、プロセスはステップ98に移動し、新たな好ましいメタ診断が抽出MBDエンジンからメタコンフリクトモジュール及びモデラーモジュールへ送られる。また、より適切な(すなわち異なる抽出レベルの)コンポーネントモデルがステップ78でドメインMBDに供給される。
診断が発見されるまで、あるいは追加調査のために下位レベル抽出が取得されるまで、上記プロセスは継続される。システムは、解決法が見つかるまで、あるいは解決法が入手できないことを示す抽出MBDからの故障が存在するまで、抽出レベル内を移動する。
上記議論は、診断システム、デバイス及び方法と共に使用するものとして本発明の概念に注目した。しかし、上記セクションに記載された概念、及び本出願の残りの部分はより広く応用できることを理解されたい。例えば、本明細書中に引用された概念は設計中のシステムに先立って現実世界のシステムの作用をシミュレートするために利用できる。その点では、図4〜図6に記載される各種要素及びプロセスステップに注意すると、これらは診断の領域の他に広い応用を有することが理解される。
従って、例えば、モデルベース、コンポーネントベースの診断(MBD)エンジンアーキテクチャ40は、モデルベース、コンポーネントベースの推論エンジンアーキテクチャでもあると考えられる。同様に、診断46を計算する上記モデルベース診断(MBD)エンジン44は、観察を説明すべく解析を計算するモデルベース推論エンジンでもあると考えられる。図5及び図6を参照すると、抽出MBDエンジン54aを含むモデルアーキテクチャ50bをより広い意味で理解することができ、抽出推論エンジンとして定義することができる。更に、予め「好ましいメタ診断」として識別された情報でも「好ましいメタ解析」であると理解されてもよい。同様に、モデラーモジュール54cは、コンポーネントモデルライブラリ42bを利用して、(モデルベースの診断コンポーネントモデル56bの代わりに)従来のモデルベース解析コンポーネントモデルを構成するために好ましいメタ解析を利用することが理解されてもよい。最後に、本明細書中で言及されないコンポーネントも、診断作用だけでなく診断分野以外の領域に適用可能な推論及び解析のより一般的な概念により広く定義されることが理解されよう。
2 形式化
このセクションでは、このドキュメント中で利用されるモデルベース診断に関する形式上のフレームワークを要約する。ドメインと抽出ABリテラルとを識別するため、当該技術でよく知られた通常のフレームワークをドメインABリテラルとして記述する。
定義1 システムはトリプル(SD,COMPS,OBS)である。
1.SD(システム記述)は1組の一次センテンスである。
2.COMPS(システムコンポーネント)は定数の有限集合である。
3.OBS(1組の観察)は1組の一次センテンスである。
図3では、SDはコンポーネント形態及びコンポーネントモデルライブラリであり、COMPSはコンポーネント形態中の1組のコンポーネントである。
定義2 2組のコンポーネントC及びCがD(C,C)を定義する場合、以下の合接が得られる。
Figure 0005256286
AB(x)はコンポーネントxに異常(故障)が発生していることを示す。
診断はシステムの可能な1つの状態を記述するセンテンスであり、この状態は各システムコンポーネントに対する正常又は異常のステータスの割り当てである。
Figure 0005256286
Figure 0005256286
定義5 AB節は、ABリテラルの相補対を含まないABリテラルの離接命題である。
Figure 0005256286
2.1 抽出の形式化
抽出MBDは同様に定義される:
定義7 抽象システムはトリプル(SD,ABS,OBS)である。
1.SDは可能な抽出のうちの制約であり、1組の一次センテンスである。
2.ABSは適用可能な抽出であり、定数の有限集合である。
3.OBSは1組のメタ観察であり、1組の一次センテンスである。
定義8 2組の抽出C及びCがD(C,C)を定義する場合、以下の合接が得られる。
Figure 0005256286
ここで、ABa(x)は、抽出xがABnormalである(利用できない)ことを示している。
メタ診断はシステムの可能な1つの状態を記述するセンテンスであり、この状態は各システムコンポーネントに対する正常又は異常のステータスの割り当てである。
Figure 0005256286
Figure 0005256286
定義11 ABa節は、ABaリテラルの相補対を含んでいないABaリテラルの離接命題である。
Figure 0005256286
3 モデル格子の例
これらの観念を示すには抽出の3つの軸が利用される。
・接続のモデル
・非断続のモデル
・時間のモデル
対応するABaリテラルは次の通りである:
Figure 0005256286
図7は、抽出の軸のうちの3つに沿ったデジタル回路の抽出空間の一部を格子100の形で示す。この格子は、従来のモデルベース診断の中でシステム診断に利用されたものと同一の構造を有している。従来のモデルベース診断では、各ノードは観察を説明する候補診断を表す。図7の各ノードは候補メタ診断を表し、Tは時間的モデルを示し、Cは接続モデルを示し、Iは断続的なモデルを示す。図中のボトムノード102は、接続、時間及び断続と無関係のメタ診断を表す:
Figure 0005256286
Figure 0005256286
図3を参照すると、解析は直ちにコンフリクト及びメタコンフリクトを検出する:
Figure 0005256286
観測時刻が1つのみであることから、この矛盾はABa(I)には依存しない。図8は、メタコンフリクトを識別する、得られるメタ診断格子を示している。特に、曲線104(すなわちノード102及び106)より下の全てのメタ診断は除去される。従って、最小のメタ診断はT108及びC110である。
4 コンポーネントのモデル化
(通常の背景公理を使用して、適切な機能、ドメイン及び範囲を定義する)インバータの従来のMBDモデルは次の通りである:
Figure 0005256286
このモデルが接続を推定し、時間的挙動をモデル化する必要がないため、新しいフレームワークでは、次のように書き直せる:
Figure 0005256286
遅延Δを有するものとしてインバータをモデル化する場合、モデルは次のように変更される(図7及び図8ではTとラベル付けされる):
Figure 0005256286
4.1 接続モデル
ブリッジ故障を含む、関連における故障を収容すべくインバータをモデル化するためには、新たな形式の導入が必要である。以下に、本発明の概念に関して有用な形式の概要を示す。コンポーネントの各端子は2つの変数でモデル化される。1つは、当該コンポーネントがその出力にどのように作用しようとするかをモデル化するものであり(電流とおよそ類似している)、もう1つは結果を特徴付ける(電圧とおよそ類似している)。ノードに対するコンポーネントの作用には、5つの相互に一貫しない定性値が存在する(これらは「ドライバ」(すなわち「d」)と称される。
Figure 0005256286
得られる信号(すなわち「s」)に対する3つの潜在的定性値が存在する。
・s(0):結果はデジタル0として検出される接地に十分に近い。
・s(x):結果が0又は1ではない。
・s(1):結果はデジタル1として検出される電源に十分に近い。
Figure 0005256286
明示的モデルは、ノードにおいてデジタル信号がそのドライバからどのように決定されるかを記述することが必要である。R(v)をノードvで得られる信号とし、S(v)をノードvのドライバの集合とする。直観的に、ノードのモデルは次の通りである:
Figure 0005256286
・他に、全てのドライバが既知であり、先行する3つのルールが適用されないならば、R(v)=s(1)である。
Figure 0005256286
(図7においてTCとラベル付けされた)時間的・原因的挙動をより正確に記述すべくインバータをモデル化すると、次のようになる。
Figure 0005256286
接続モデルは、更に回路ノード中の任意のブリッジ故障を可能とする。これらについての記述は割愛するが、2007年7月10日に出願されたジョアン・デ・クレー(Johan de Klee)の米国特許出願第11/775,650号「接続が問題である場合のモデル化(Modeling When Connections Are The Problem)」に記載がある。その全開示内容を参照によって本明細書に援用する。
4.2 非断続のモデル化
図9は、非断続が診断識別を向上させると仮定する、Orゲート122及びXorゲート124を有する例示的回路120を示している。回路の入力及び出力は時刻T及びTで観察された値で表示される。なお、Tでは回路は正常な値を出力し、Tでは回路は正常でない値を出力する。Orゲート122が非断続的に作用すると仮定することによって、以下のようにXorゲート124が故障していることが確認できる。
Xorが正常であればIn(Xor,T)=1である。これはIn(Xor,T)=0、Out(Xor,T)=1及びXorの挙動から得られる。同様に、Xorが正常であれば、TにおいてIn(Xor)=0である。しかしながら、Orが非断続的に作用する場合、In(Xor,T)=1となる。これはOrがT及びTにおいて同一の入力を有し、このため同一の出力を生じる必要があることから得られる。従って、In(Xor,T)の値には2つの矛盾する予測がある。Xorが故障しているか、あるいはOrが断続的に作用している。非断続はXorの故障を意味していると仮定する。
全ての推論は非断続の定義から得られる。
定義13 出力が入力の関数である場合、コンポーネントは非断続的に作用する。
Figure 0005256286
Or−Xorの例では、追加された公理は次の通りである:
Figure 0005256286
式中、Fは全ての非断続公理に関する単一の固定関数である。
これらの公理はプライムインプリケート(prime implicate)を以下のように引き出すことによりATMS/HTMSベースの推論機能において実施される。
Figure 0005256286
断続的なケースでは、Tにおける観察はXor及びOrが正常であるとして等しく加重する。測定の影響を受けない他のコンポーネントがシステムに存在する場合、Tにおける観察はXor及びOrの事後故障の可能性を低下させる。
4.3 モデルの自動生成
より詳細なコンポーネントモデルは、通常、系統的な方法で最も抽象的なモデルから自動的に生成できる。この実施態様では、T、C及びIモデルは、1組のモデル化スキーマによってベーシックな0モデルから自動的に得られる。インバータの最も抽象的なモデルについて考察する。
Figure 0005256286
以下の慣例では、入力を指す機能「in」と出力を指す機能「out」が使用される。非時間的モデルは全てのout(x,t)(or out(x,t))の発生をout(x,t+Δ)で置き換えることにより単純なゲート遅延モデルに変換できる。
非接続モデルは、まずインプリケーション(implication)を拡張し、全てのin(x,t)=yをs(in(x,t))=s(y)及びd(in(x,t))=d(R)で置き換え、全てのout(x,t)=yをd(out(x,t))=d(y)で置き換え、新しい変数の値のために通常のドメイン公理を加えることにより、接続に変換できる。
非断続は、コンポーネントモデル自体への変更を必要としないが、ドメインMBDに供給されたモデルにセクション4.2の公理を加える必要がある。
5 メタ診断ループ
5.1 0→T
図3の3つの例示的インバータ回路30を参照する。最も抽象的なメタ診断は次の通りである:
Figure 0005256286
このメタ診断は、メタ診断レベルでコンポーネントモデルを選択する図5のモデラーモジュール54cに供給される。全ての3つのインバータをモデル化するモデル化作用はセクション4に記載されている。全てのコンポーネントが正常であることが知られているため、これは故障を生じる。次いで、図5のメタコンフリクトモジュール54dはメタコンフリクトを構成する:
Figure 0005256286
システムが複数回にわたり観察された場合のみ非断続推論が発生しうることから、AB(I)はメタコンフリクトから自明に除外される。
抽出MBDエンジンは2つの最小のメタ診断T及びCを識別する。両者が同様である場合は、任意の一方を選択する。Cが選択された場合、Cモデルは矛盾を解決しない。図10は、図3の回路のための接続モデルを有する推論130の以下のシーケンスを図示する:(130a)Aの入力が1であると仮定する、(130b)原因のインバータモデルは、出力を0としようとする、(130c)ゲートBの入力は、ノードへの高抵抗(低電流)負荷を示す、(130d)接続モデルはノードを0に設定する、(130e)Bのインバータモデルは、出力を1と導出する、(130f)ゲートDは高抵抗(低電流)負荷を提示する、(130g)接続モデルはノードを1に設定する、(130h)インバータは出力を0と導出する、(130i)ゲートAは高抵抗(低電流)負荷を提示する、(130j)ノードモデルはノードを0に設定し、これは1であるAの入力と矛盾する。Aの入力が0であることに関する類似解析は同様に矛盾を生じる。唯一の残された可能な濃度診断はTである。
時間的Tモデルをインバータに利用することで、図11の表140に示される一貫した解析が生じる。これはよく知られているリングオシレータ向けである。
図11の表は、tゲート遅延後のリングオシレータのインバータの出力を示す。オシレータは、初期状態に戻るために6つのゲート遅延をとる。従って、出力はゲート遅延の6倍の期間の矩形波である。
5.2 0→I
図9のOr―Xor回路120を再度考察する。明瞭にするため、回路に故障が1つ発生していると仮定する。セクション4.2に記載するように、0モデルの下では、Xorは故障でなければならない。Orゲートの出力がT及びTにおいて測定され、各々1及び次いで0であったと仮定する。この場合、メタコンフリクトが導出される。
Figure 0005256286
ここではT,C,Iの3つの最小の候補メタ診断が存在する。Tメタ診断は、メタコンフリクトを生じる故障を直ちに結果として生じる。
Figure 0005256286
メタ診断Iは、一貫した視点を生じる。Orは、断続的に故障している。Cメタ診断は下記の観察を説明できない。
Figure 0005256286
5.3 0→C
Orゲートの出力が観察される前のOr―Xorの例を再び考察する。ここでも、明瞭にするため、回路に故障が1つ発生していると仮定する。Xorが置き換えられ、同一の徴候が再び発生すると仮定する。この場合、CとIメタ診断は一貫している。Iメタ診断の下では、回路は2つの可能な故障を含む。
・Xorに故障が発生している。
・Orに故障が発生している。
Cメタ診断は一貫しており、3つの潜在的故障を有する。
・Xorの出力のノードは電源に短絡される。
・ノードへの出力Xorゲートからの接続はオープンであり、従って1へ浮動する。
・in(Xor)への接続は接地される。
5.4 0→TCI
TCIの好適なメタ診断を必要とするタスクは複雑であるが、発生する。図12の4つのインバータシステム150について考察する。インバータZへの入力は常に0とされる。また、単一の故障が仮定される。出力Dの観察は通常は0であるが、非パターン的に1を出力する。D=1が観察されると、Z,A,B,Dのいずれかに故障が発生していることが示される。しかし、D=0の後続の観察は一貫せず、メタコンフリクトを生じる。
Figure 0005256286
接続に故障が発生していなければ、観察が生じうる。従って、
Figure 0005256286
時間的故障がなければ、この挙動は生じない。従って、
Figure 0005256286
メタ診断Iの下では、Aの出力が測定される。Aの出力は通常は0であるが、1であることもある。Zの出力が測定される。Zの出力は通常は1であるが、0であることもある。従って、(メタ診断Iの下では)Zに断続的な故障が発生しているはずであるが、これを置き換えても徴候の変化はない。これによりメタコンフリクトが生じる。
Figure 0005256286
CIメタ診断も矛盾を生じる。観察を説明できる接続内に故障は発生していない。同様に、TIのメタ診断内に故障はない。徴候を説明しうる唯一のメタ診断はTCIである。実際の故障は、Dの出力とZの出力との間の断続的短絡である。Zへの入力が0であるならば、出力は1である。デジタルゲートの接続モデルは0が支配的であり、このため、断続的短絡によりDの出力からの0がフィードバックされた場合、Aへの入力は0となる。従って、断続的短絡が明白である場合、回路はリングオシレータである。
6 実施
仮説に基づく真理維持システム(Assumption−based Truth Maintenance System:ATMS)及びハイブリッド真理維持システム(Hybrid−Truth Maintenance System:HTMS)配置は、複雑な検索空間を効率的に検索する問題解決機能(problem resolver)の構築を単純化すべく設計された命題の推論エンジンを含む。ATMS/HTMSは、主要な2値選択に対応する仮説、及びその真実が仮説の真実に依存する提案に対応するノードを有する問題の状態を表す。仮説とノードの依存関係は、従来の推論エンジンなど、ドメインに特有の問題解決機能によって決定される。問題解決機能は、理由としてATMS/HTMSとのこれらの関係を提示する。ATMS/HTMSは、仮説のどの組合せが一貫しているかを決定し、それらの結論を識別する。
従来、ATMS/HTMSは、解決中の問題に適した従来の推論エンジンを拡張することで実施されている。拡張は、命題推論機能、及び、推論エンジンから呼び出され、それらを命題推論機能へ引き渡し、推論エンジンに結果を返すインタフェースを含む。
この議論に記載された解析は、ATMS/HTMSフレームワーク内で実行される。各ドメイン又は抽出リテラルは、明示的なATMS仮説によって1つのATMS実例において示される。ATMS/HTMSアーキテクチャは、コンポーネント又は抽出に関する任意の仮説に関して推論するために統一されたフレームワークを提供する。
7 関連する作業及び設計
自動モデル抽出は、人工知能において長い伝統を有する。モデルのグラフはメタ診断格子(図7及び図8)に類似するもので、いずれのモデリングパラメータを変更するかを識別すべくコンフリクトを解析する。それは設計及び解析、及び手で構成されるモデルに集中する。それは、モデルの調査を案内するために診断を利用せず、また何らかのドメインの診断に適用されない。複合モデル化の作業は、モデルの検索を案内するドメイン抽出及びコンフリクトを表すべくATMS仮説を更に利用する。更に、モデルは手で構成され、ドメイン又はメタレベルで診断を利用しない。コンテキスト依存モデル化においては、選択するモデル断片のはるかに大きな空間が一般的に存在し、明示的なコンテキスト情報はドメインモデルの選択を案内すべく利用される。タスクは物理的現象に関する最良の原因の説明を構成することである。更に、モデルは手で構成され、ドメイン又はメタレベルで診断を利用しない。
モデルベース診断文献では、診断仮説、及び診断タスクについて適切なモデルを選択することに関する多くの作業が存在している。本出願は主としてドメイン抽出を自動的に選択することに関連した仮説に集中する。
コンポーネントのグループが組み合わされてより大きなシステムを形成し計算の複雑さを低減する構造的抽出についての多くの研究が存在する。他の文献には、変数値をどのように分割して、タスクを解決するために必要とされる定性値とすべくタスクを利用できるかが記載されている。別のアプローチとして、変数の観察可能性に制限がある場合に、変数値を分割して定性範囲内とし、複雑さを低減する方法がある。
上記議論は、テスト中のシステムの故障を診断する、改善されたシステム及び方法の提供に注目した。既述の如くこのような診断テストは様々な領域で実施可能である。例えば、図13に示されるように、本出願に示された概念は、本体162及びプローブ164を含む診断デバイス又はシステム160で具体化することができる。プローブ164は、被測定デバイス166に対し操作により関連する位置にあるように設計される。本体160は入力168及び出力170を含むことができる。入力168は英数字のキーパッド、スタイラス、音声、あるいはデータ又は指示を入力するための既知の他の入力設計もしくはインタフェースを含むことが可能である。出力170は診断調査の結果を表示する任意の種類のディスプレイとすることができる。本体162は、更に第2のセットの入力172を含むことができる。この場合、プローブ164によって検出された情報は自動的に診断デバイス160に入力される。
本体162は、少なくともプロセッサ174、及び本明細書中に記載された概念を組み込んだコードを含むソフトウェアコードの処理を許可するメモリ176を含む計算能力を有することを理解されたい。更に、診断デバイス又はシステム160は、出力報告のハードコピーを印刷する出力デバイス180に接続される出力178を含むことができる。
上記説明はカスタマイズされた診断デバイス上で実行されてもよく、及び/又はハンドヘルドコンピュータ、ラップトップ、デスクトップ又は携帯情報端末を含む他の計算装置の一部として含まれてもよいことを認識されたい。更に、診断デバイス又はシステム160は、本出願の概念を実施する方法の一例であることが意図されている。
別の実施形態では、図13はプローブ164を含まず、診断は診断デバイス上で作動しあるいは計算能力を有する別のデバイスと関連付けられたコンピュータソフトウェア上で実施されてもよい。
図14に示される別の実施形態において、診断デバイス又はシステム190自体がより大きい総合システム192に一部として埋め込まれる。総合システム192は、例えば、操作により相互接続される、実線202で示されたコンポーネント194〜200を含むことができる。診断デバイス又はシステム190は、次いで、コンポーネント194〜200と操作により関連されることが点線204で示される。図14は、本出願による診断デバイス又はシステムを利用可能なシステムの高レベルの例であることが認識されよう。診断デバイス又はシステム190の目的は、総合システム192の故障を識別し、人間の介在なく修理を開始することにある。このような総合システムの例として、電子複写機、自動車、宇宙機及び飛行機が挙げられる。
8 結論
この議論は、課題に取り組むための最適なドメイン抽出レベルを選択する一般的な方法を提示し、またデジタルゲートのコンテキストにおいて当該方法を実証した。デジタルゲートの場合、コンポーネントモデルはドメインスキーマを利用してベーシックモデルから自動的に生成可能である。なお、本出願の例では診断に関する実施態様を主として記載したが、これらの概念は特にシステムシミュレーションを含む他の用途にも適用可能である。
上記及びその他の各種特徴及び機能、又はその代替物は、所望の組み合わせにより他の多くの別のシステムもしくは応用とすることができることを理解されたい。現時点で予知又は予期されない代替、修正、変更又は改良は、今後当業者により実施される可能性があり、またこれらは以下の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。

Claims (2)

  1. システムのコンポーネントにおける故障の有無を診断するための適用可能な複数の診断方法である複数の抽出レベルから、前記システムのコンポーネントのシステムモデルのための第1の抽出レベルを決定する決定モジュールと、
    記決定モジュールによって決定された前記第1の抽出レベルで前記システムの部分のシステムモデルについての解析を行う解析モジュールと、
    を含むシステムコンポーネント故障診断システムであって、
    前記解析モジュールは、
    解析される前記システムモデルのコンポーネント形態を受け取るための入力と、
    解析される前記システムモデルのコンポーネントモデルを受け取るための入力と、
    解析される前記システムモデルに関するシステム観察を受け取るための入力と、
    を更に含み、
    前記第1の抽出レベルを用いて、前記システム観察を説明できるか解析し、前記システム観察を説明できた場合には、解析結果を出力し、前記システム観察を説明できなかった場合には、前記第1の抽出レベルでは前記システム観察を説明できなかったことを示すメタ観察を出力し、
    前記決定モジュールは、
    前記メタ観察を受け取るための入力と、
    を更に含み、
    前記メタ観察を受け取った場合には、前記複数の抽出レベルから、前記第1の抽出レベルではない第2の抽出レベルを決定し、当該決定した第2の抽出レベルであるメタ診断を出力し、
    前記解析モジュールは、
    前記メタ診断を受け取るための入力と、
    を更に含むシステムコンポーネント故障診断システム。
  2. 決定モジュールが、システムのコンポーネントにおける故障の有無を判断するための適用可能な複数の診断方法である複数の抽出レベルから、前記システムのコンポーネントのシステムモデルのための第1の抽出レベルを決定し、
    解析モジュールが、前記決定モジュールによって決定された前記第1の抽出レベルで前記システムの部分のシステムモデルについての解析を行う、
    システムコンポーネント故障診断方法であって、
    前記解析モジュールは、
    解析される前記システムモデルのコンポーネント形態を受け取り、
    解析される前記システムモデルのコンポーネントモデルを受け取り、
    解析される前記システムモデルに関するシステム観察を受け取り、
    前記第1の抽出レベルを用いて、前記システム観察を説明できるか解析し、前記システム観察を説明できた場合には、解析結果を出力し、前記システム観察を説明できなかった場合には、前記第1の抽出レベルでは前記システム観察を説明できなかったことを示すメタ観察を出力し、
    前記決定モジュールは、
    前記メタ観察を受け取り、
    前記メタ観察を受け取った場合には、前記複数の抽出レベルから、前記第1の抽出レベルではない第2の抽出レベルを決定し、当該決定した第2の抽出レベルであるメタ診断を出力し、
    前記解析モジュールは、
    前記メタ診断を受け取る
    システムコンポーネント故障診断方法
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