JP5252466B2 - シート状二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状二次電池及びその製造方法に係り、特に限定されるものではないが、例えば、ICカードや小型電子機器への内蔵等の用途に好適に用いられる極薄型のシート状二次電池及びその製造方法に関するものである。
特開2003−331816号公報 特開2004−178860号公報 特開2005−222787号公報
近年、各種電子機器に対する小型・軽量化への要望は非常に強く、そのためには動力源である二次電池の性能向上が要求され、種々の電池の開発や改良が進められてきている。電池に期待されている特性の向上には、高電圧化、高エネルギー密度化、耐高負荷化、形状の任意化、安全性の確保等がある。このような要請の下、リチウムイオン二次電池は、現有する電池の中で最も高電圧、高エネルギー密度、耐高負荷化が実現できる二次電池であり、現在でもその改良が盛んに進められている。
このリチウムイオン二次電池は、一般的には、その表面に正極活物質が塗布されたシート状の正電極と、その表面に負極活物質が塗布されたシート状の負電極とをセパレータを介して積層することにより形成されたシート状の内部電極対と、この内部電極対を密封状態に被覆すると共に内部に電解液を収容する電池ケースと、この電池ケース内の内部電極対の各正電極及び各負電極から電池ケースに設けられた正極端子及び負極端子にそれぞれ接続される正電極リード及び負電極リードとで構成されており、充電時にはリチウムが正電極の正極活物質から電解液中にリチウムイオンとして抜け出し、負電極の負極活物質中に入り込み、放電時にはこの負極活物質中に入り込んだリチウムイオンが電解液中に放出され、再び正電極の正極活物質中に戻ることにより充放電を行っている。
例えば、このようなリチウムイオン二次電池として、三層構造のラミネートフィルムを用いて可撓性の袋状外装体を形成し、この袋状外装体の中にシート状の内部電極対と電解液とを封入して形成した軽量かつ薄型で可撓性を有するシート状リチウムイオン二次電池が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
この特許文献に開示されたシート状二次電池では、その電池ケースとして、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の耐電解液性及びヒートシール性に優れた熱可塑性樹脂製の内面層と、例えばアルミ箔等の可撓性及び強度に優れた金属箔製の中間層と、例えばポリアミド系樹脂等の電気絶縁性に優れた絶縁樹脂製の外面層とが一体に形成された三層構造のラミネートフィルムを用い、その内部にシート状の内部電極対と電解液とを封入して形成し、さらに、内部電極対を構成する複数の正電極及び負電極をそれぞれ個別に連結する一対の正電極リード及び負電極リードを設け、これら一対の正電極リード及び負電極リードがラミネートフィルムを気密に貫通して外部に突出する部分を電極端子若しくは外部リードとして用いている。
ところで、近年の二次電池に対する多様な用途の拡大(例えば、ICカードや小型電子機器、基板への内蔵等)に伴って、リチウムイオン二次電池においても、さらなる小型化、薄型化、大容量化といった要請が高まってきており、例えば、一般の小型電子機器に用いられているCMOS型のICを動作させるために必要な容量(40mAh以上)を確保しつつ、極薄化(例えば、0.4mm以下)が可能なシート状二次電池の実現が望まれていた。
このような要請に対して、上述の特許文献に開示されたシート状二次電池では、厚さの制限からシート状電極を多層に積層することが困難であり、特に、外装体としてのラミネートフィルム層自体の厚さが、その構造上200〜250μmとなるため、上記のような一般の電子機器に適用可能なエネルギー密度(例えば、80〜100Wh/kg)を有し、かつ、極薄型のリチウムイオン二次電池を実現することが困難であった。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、極薄型のシート状二次電池及びその製造方法を簡易な構成で提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のシート状二次電池は、セパレータを介して対向配置された一対のシート状の正電極及びシート状の負電極から構成される内部電極対と、該内部電極対と電解液とを密封状態に収容する外装体とを備え、前記シート状正電極及びシート状負電極のそれぞれは、前記外装体を兼用していることを特徴とするものである。
このように構成した本発明に係るシート状二次電池では、セパレータを介して対向配置された一対のシート状電極のそれぞれが、内部電極対と電解液とを収容する外装体を兼用しているので、別途設ける外装体を省略可能として、極薄型のシート状二次電池を簡易な構成で容易に実現することができる。また、外装体を兼用するシート状電極により、電極端子の引き出しを省略して、電池の小型化に寄与すると共に、シート状電極の任意の箇所を電極端子として用いることが可能となる。
また、前記シート状正電極及び負電極の外側には、さらに金属製の補強外装体が、前記各シート状電極と一体に形成されていてもよい。
このように構成した場合には、各シート状電極の外側に、さらに金属製の補強外装体が、各シート状電極と一体に形成されているので、外装体の電極としての機能を損なうことなく外装体の強度を補強して、電池に対するダメージをより未然に防止することが可能となる。
さらに、前記シート状正電極及びシート状負電極のそれぞれには、前記セパレータと対向する対向面のみに活物質が塗布されていてもよい。
このように構成した場合には、各シート状電極のセパレータと対向する対向面のみに活物質が塗布されているので、簡易な構成で電池容量の増大を図ると共に、薄型化が可能なシート状二次電池を実現することができる。
さらに、前記補強外装体は、10μm以下のステンレス箔で形成されていてもよい。
このように構成した場合には、10μm以下のステンレス箔で形成された補強外装体により、十分な強度を確保すると共に、電極の腐食を防止することができる極薄型の外装体を容易に実現することができる。
また、本発明のシート状二次電池は、セパレータを介して対向配置されたシート状の正電極とシート状の負電極とから構成される内部電極対と、該内部電極対と電解液とを密封状態に収容する外装体とを備え、前記外装体は、前記内部電極対及び電解液を封止する内側外装体と、この内側外装体と独立して該内側外装体を外包する外側外装体とで構成され、前記内側外装体は、耐電解液性のシート状熱可塑性樹脂で形成されていると共に、前記外側外装体は、金属箔で形成されていることを特徴とするものである。
ここで、内側外装体と独立して該内側外装体を外包する外側外装体とは、内部電極対及び電解液を単独で封止している内側外装体と一体形成されることなく、この内側外装体の外側を覆っている外装体をいうものとする。
このように構成した場合には、内側外装体である熱可塑性樹脂により、内部電極対及び電解液を封止する際の多段階のヒートシールが可能となり、特に、電解液の浸透や残留物の排出が問題となる極薄型のシート状二次電池において、封入される電解液のシート状電極間での均一な分布、セパレータへの十分な浸透及び余分な残留物の確実な排出を可能として均一な厚さの極薄のシート状二次電池の実現に寄与することができる。また、この内側外装体と独立した外側外装体により、電池の強度を補強すると共に、その厚さの調整が容易な極薄型のシート状二次電池を実現することができる。
また、前記内部電極対は、一方の極性のシート状電極の両面を前記セパレータで覆うと共に、該セパレータを介して、前記一方の極性のシート状電極の両面側には他方の極性のシート状電極が対向配置されており、前記一方の極性のシート状電極には、その両面に活物質が塗布されていると共に、前記他方の極性のシート状電極には、そのセパレータ側の対向面にのみ活物質が塗布されていてもよい。
このように構成した場合には、一方の極性のシート状電極には、その両面に活物質が塗布されていると共に、セパレータを介して対向配置された他方の極性のシート状電極には、セパレータ側の対向面にのみ活物質が塗布されているので、シート状電極に塗布される活物質の塗布量を従来と同等に抑制しつつ電池容量の増大を図ることが可能となり、これにより、活物質の厚塗りによるシート状電極の反りや割れを未然に防止することができる。
さらに、前記セパレータは、1枚のシート状セパレータを折り返すことにより、前記一方の電極を覆っていてもよい。
このように構成した場合には、1枚のシート状セパレータを折り返すことにより、一方の電極を覆うセパレータが形成されているので、簡易な構成でセパレータを形成すると共に、セパレータの折り返し部分に電極を突き当てることによりセパレータと電極との位置合わせが容易となる。
さらに、前記金属箔は、その厚さが10μm以下のステンレスで形成されており、前記熱可塑性樹脂は、その厚さが15μm以下のポリエチレンテレフタレートで形成されていてもよい。
このように構成した場合には、外側外装体である金属箔が、その厚さが10μm以下のステンレスで形成されており、内側外装体である熱可塑性樹脂が、その厚さが15μm以下のポリエチレンテレフタレートで形成されているので、電解液の漏洩や水分の浸入による腐食を未然に防止しつつ、電解液の十分な浸透と均一な分布を確保し、かつ、外装体の強度を補強することができる極薄型のシート状二次電池を好適に実現することができる。
以上において、本発明に係るシート状二次電池は、ICカードや小型電子機器への適用を企図した、例えば、CMOS型ICの動作に必要な所定の容量(40mAh以上)を確保しつつ、かつ、極薄型(0.4mm以下)のシート状二次電池を好適に実現可能である。
また、本発明のシート状二次電池の製造方法は、上記シート状二次電池を製造する際に、シート状の正電極とシート状の負電極とをセパレータを介して交互に積層してシート状の内部電極対を形成し、この内部電極対を耐電解液性のシート状の熱可塑性樹脂にて覆い、該内部電極対の三辺に沿って前記シート状の熱可塑性樹脂をヒートシールして三方を封止すると共に、残りの一辺に対応する開口部を形成し、次に、前記開口部から電解液を注入すると共に、大気圧よりも低い第一の圧力にて、前記内部電極対の封止されていない一辺から所定の離隔を設けて前記シート状の熱可塑性樹脂の開口部をヒートシールし、大気圧にて所定の時間経過させた後に、前記ヒートシールされた開口部の内側を切り欠くと共に、前記第一の圧力よりも低い第二の圧力にて、前記内部電極対の封止されていない一辺に沿って前記シート状の熱可塑性樹脂を再度ヒートシールして、内部電極対及び電解液を密封状態で収容する熱可塑性樹脂の封止体を形成し、その後、この熱可塑性樹脂の封止体を金属箔で覆い、その周辺部を有機接着材料を介してヒートシールすることを特徴とするものである。
一般に、極薄型のシート状二次電池を製造する際には、電解液のセパレータへの十分な浸透や偏在する余分な電解液や空気といった残留物の排除が困難となり、このような残留物等は、電池特性を損なうと共に、電池の極薄型化を著しく阻害する。
そこで、上述のような本発明のシート状二次電池の製造方法によれば、大気圧よりも低い第一の圧力にて、内部電極対の封止されていない一辺から所定の離隔を設けてシート状の熱可塑性樹脂の開口部をヒートシールし、大気圧にて所定の時間経過させた後に、ヒートシールされた開口部の内側を切り欠くと共に、第一の圧力よりも低い第二の圧力にて、内部電極対の封止されていない一辺に沿って前記シート状の熱可塑性樹脂を再度ヒートシールすることにより、内部電極対及び電解液が収容されたシート状の熱可塑性樹脂の段階的な多重のヒートシールが可能となる。これにより、電解液のセパレータへの十分な浸透及び内部電極対周辺部に滞留し易い残留物の確実な排出除去を実現して、極薄で均一のシート状二次電池の安定した製造に寄与することができる。
また、前記熱可塑性樹脂の封止体を金属箔で覆ってヒートシールする際には、大気圧よりも低く前記第二の圧力よりも高い第三の圧力にて、前記金属箔の周辺部をヒートシールしてもよい。
この場合には、熱可塑性樹脂の封止体の内部圧力である第二の圧力よりも高く、大気圧よりも低い第三の圧力雰囲気中にて金属箔をヒートシールするので、当該ヒートシールの際に、熱可塑性樹脂による封止体の膨張を未然に防止すると共に当該封止体に面圧を付与し、均一で極薄のシート状二次電池の形成に寄与することができる。
本発明によれば、極薄型のシート状二次電池及びその製造方法を簡易な構成で安価に実現することができる。
<第一の実施形態>
以下、本発明の一実施の形態について、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、本発明の第一の実施形態に係るシート状二次電池を模式的に示す平面図であり、図2(a)は、分解状態における模式的断面図であり、図2(b)は、組み立て状態における模式的断面図である。
図1及び図2において、本実施の形態に係るシート状リチウムイオン二次電池(以下、シート状二次電池と称する)10は、外装体を構成する一対の略方形のステンレス製の金属箔5を備え、このステンレス製の外装体5の内部に内部電極対1及び電解液3が密封状態で収容されている。
具体的には、本実施の形態に係る内部電極対1は、図2(a)に最も良く示されるように、セパレータ1cを介して、互いに相対向するように配置された一対のシート状正電極1aと、シート状負電極1bとを備え、シート状正電極1a及びシート状負電極1bのそれぞれには、セパレータ1cと対向する対向面における所定の領域に、正極活物質11a及び負極活物質11bが各々塗布されている。本実施の形態において、シート状の正電極1aは、その厚さが15〜20μm(本例では、20μm)の極薄のアルミニウム箔で形成されていると共に、シート状の負電極1bは、その厚さが5〜10μm(本例では、10μm)の極薄の銅箔で形成されている。
また、シート状正電極1aに塗布される活物質11aとしては、LNO(リチウムニッケルオキサイド:ニッケル酸リチウム)を用い、S−P(登録商標 SUPER P、TIMCAL社製)を導電剤、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)を結着剤として、各重量比を94:2:4の割合で混合し、その塗布厚が100〜150μm(本例では、約120μm)となるように、アルミニウム電極箔1a上に厚塗りしている。一方、シート状負電極1bに塗布される活物質11bとしては、MCMB(メソカーボンマイクロビーズ)を用い、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)を結着剤として、各重量比を90:10の割合で混合し、その塗布厚が120〜180μm(本例では、約140μm)となるように、銅電極箔1b上に厚塗りしている。すなわち、本実施の形態に係るシート状電極1a,1bにおいては、セパレータ1cとの対向面のみに塗布される各活物質11a,11bを、いずれも厚塗りすることにより、電池容量の増大を図っている。
また、シート状正電極1aの外側(セパレータ1cと反対側)には、略方形(本例では、40mm×40mm)で厚さが5〜10μm(本例では、10μm)である極薄の補強外装体として、ステンレス製のシート状金属箔5Uが、シート状正電極1aと一体に接続形成されている。一方、シート状負電極1bの外側(セパレータ1cと反対側)には、同様に、その厚さが5〜10μm(本例では、10μm)であるステンレス製のシート状金属箔5Dが、シート状負電極1bと一体に接続形成されている。すなわち、本実施の形態において、シート状電極1a,1bのそれぞれは、電池の外装体を兼用しており、補強外装体であるステンレス箔5と一体となって、シート状二次電池10の外装体を形成している。ここで、シート状正電極1aとステンレス箔5Uとの一体接続及びシート状負電極1bとステンレス箔5Dとの一体接続には、例えば、抵抗溶接や超音波溶接等の接続方法を用いることができる。
さらに、各シート状電極1a,1bと一体形成された略方形の上記ステンレス箔5U,5D、及びセパレータ1cは、絶縁性及び気密性を確保するために、その周辺4辺が絶縁性の有機接着材料PP(例えば、ポリプロピレン)を介して熱溶着(ヒートシール)されている。なお、シート状正電極1a及びシート状負電極1bのそれぞれは、その一部が上記ヒートシール部分から気密に突出するように形成されており、この突出部分1a0,1b0がそれぞれ電極端子として用いられるようになっている。
本実施の形態におけるセパレータ1cは、その厚さが20〜25μm(本例では、25μm)であり、多孔質膜、不織布、網など、電子絶縁性で正電極1a及び負電極1bとの密着に対して充分な強度を有するものであれば、どのようなものでも使用可能である。材質は特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレンの単層多孔質膜及びこれらの多層化した多孔質膜が接着性及び安全性の観点から好ましい。
また、イオン伝導体として用いる電解液3に供する溶剤及び電解質塩としては、従来の電池に使用されている非水系の溶剤及びリチウムを含有する電解質塩が使用可能である。具体的には、溶剤として、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸メチルエチルなどのエステル系溶剤、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテルなどのエーテル系溶剤の単独液、及び前述の同一系統の溶剤同士あるいは異種系統の溶剤からなる2種の混合液が使用可能である。また電解質塩は、LiPF6、LiAsF6、LiClO4、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiN(C25SO22などが使用可能である。
このように構成した本実施の形態に係るシート状二次電池10においては、シート状電極1a,1bを電池の外装体と兼用している、すなわち、補強外装体5として剛性の高いステンレス箔を用いてシート状電極1a,1bとこの補強外装体5とを一体に形成して電池外装体を構成しているので、電解液の漏洩防止や、水分の浸入による電極の腐食防止といった従来の外装体の機能を損なうことなく、例えば、ICカード用のCMOS型ICを動作させるのに必要十分な電圧(2.0V以上)及び電流容量(40mAh以上)を有する極薄型(例えば、0.4mm以下)のシート状二次電池を簡易な構成で容易に実現することが可能となる。
また、補強外装体であるステンレス箔5U,5Dが、対応するシート状電極1a,1bと一体となっているため、ステンレス箔5U,5Dの任意の箇所を正負各電極として用いることができ、突出した電極端子部1a0,1b0(図2参照)を省略可能として、より一層のシート状二次電池の小型化に寄与することができる。
なお、本実施の形態では、補強外装体としてステンレス箔5U,5Dを用いたが、変形例としては、このステンレス箔5U,5Dをさらに省略してもよいし、耐電解液性を有する他の金属箔(例えば、チタン)にて補強外装体を形成してもよい。
なお、ステンレス箔5U,5Dを省略した場合には、補強外装体としてステンレス箔5U,5Dを備える構成に比し、剛性強度は低下するものの、シート状電極1a,1b自体のみを外装体として用いることにより、より薄型のシート状二次電池を実現することができる。
<第二の実施形態>
次に、本発明に係るシート状二次電池の第二の実施形態について、図3及び図4を参照して説明する。ここで、図3は、本発明の第二の実施形態に係るシート状二次電池を模式的に示す平面図であり、図4(a)は、分解状態における模式的断面図であり、図4(b)は、組み立て状態における模式的断面図である。
なお、先の実施の形態に係るシート状二次電池10が、正負のシート状電極1a,1bのそれぞれに活物質を厚塗りし、さらにこのシート状電極1a,1bを電池外装体と兼用することにより、所定の電池容量を確保しつつ、極薄型のシート状二次電池を構成したのに対し、本実施の形態に係るシート状二次電池10Aは、活物質の塗布量は従来と同等として、一方の極性のシート状電極を他方の極性のシート状電極で挟み込むように構成して容量の拡大を図ると共に、多段階のヒートシールを可能とするように構成したものであり、先の実施の形態と同様な機能を有する部材には、同様な符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係るシート状二次電池10Aは、図3及び図4に示すように、外側外装体としての金属箔5と、内側外装体としての耐水・耐電解液性のシート状の熱可塑性樹脂7とを備え、これらの外装体5,7の内部に内部電極対1A及び電解液3等が密封状態で収容されている。
具体的には、本実施の形態に係る内部電極対1Aは、図4(a)に最も良く示されるように、折り返して形成されたセパレータ1dの内側に、シート状負電極1bが配置されていると共に、セパレータ1dを挟んで、シート状負電極1bの両側には、2枚のシート状正電極1a1,1a2が対向配置されている。
本実施の形態において、シート状負電極1bの両面には、セパレータ1cと対向する対向面の所定の領域に、負極活物質11b1,11b2が塗布されている。一方、各シート状正電極1a1,1a2には、セパレータ1d側の各対向面のみの所定の領域に、正極活物質11a1,11a2がそれぞれ塗布されている。また、本実施の形態において、シート状の正電極1a1,1a2は、それぞれの厚さが15〜20μm(本例では、20μm)の極薄のアルミニウム箔で形成されていると共に、シート状の負電極1bは、その厚さが5〜10μm(本例では、10μm)の極薄の銅箔で形成されている。
また、各シート状正電極1a1,1a2の片面に塗布される活物質11a1,11a2としては、先の実施の形態と同様な正極活物質を用い、それぞれの塗布厚が、60〜70μmとなるように、アルミニウム電極箔1a1,1a2上に塗布している。
一方、シート状負電極1bの両面に塗布される活物質11b1,11b2としては、先の実施の形態と同様な負極活物質を用い、その塗布厚が、それぞれ60〜70μmとなるように、銅電極箔1b上に塗布している。
本実施の形態におけるセパレータ1dは、先の実施の形態と同様な材質及び厚さ(本例では、25μm)のものが適用可能であり、電解液3についても先の実施の形態と同様なものが適用可能である。
さらに、本実施の形態において、シート状正電極1a1,1a2のそれぞれの外側(セパレータ1dと反対側)には、その厚さが10〜15μm(本例では、15μm)の耐水・耐電解液性の熱可塑性樹脂である、例えば、一対のポリエチレンテレフタレートシート(以下、PETシートとも略称する)7U,7Dが配置されている。なお、この一対のPETシート7U,7Dは、後述する製造方法により、内部電極対1Aの4辺に沿って一体にヒートシールされてPETシート封止体7を形成し、その断面を図4(b)に模式的に示すように、内部に電極対1A及び電解液3が封入されるようになっている。さらに、PETシート封止体7の外側には、先の実施の形態と同様な、その厚さが10μmの一対の略方形の金属箔(本例では、ステンレス箔)5U,5Dが、その周辺部4辺が絶縁性の有機接着材料(例えば、ポリプロピレンPP)を介してヒートシール(熱融着)されて、PETシート封止体7に積層されている。
すなわち、本実施の形態における外装体は、その内部に内部電極対1A及び電解液3を封入し、絶縁性、気密性、耐水性及び電解液の防漏性を確保すると共に、後述する製造方法による多段階のヒートシールを可能とする内側外装体であるPETシート封止体7と、このPETシート封止体7と独立してPETシート封止体7を外包する補強用の外側外装体であるステンレス箔5U,5Dとで構成されている。
なお、シート状正電極1a1,1a2及びシート状負電極1bのそれぞれは、その一部が上記PETシート封止体7及びステンレス箔5U,5Dの各ヒートシール部分から気密に突出するように形成されており、この突出部分1a10,1a20,1b0がそれぞれ電極端子として用いられるようになっている。また、本実施の形態において、同極性の正電極端子1a10,1a20については、図3に示されるように、外側外装体5の外部において接続されている。
このように構成した本実施の形態に係るシート状二次電池10Aにおいては、補強用のステンレス箔5U,5Dと、このステンレス箔5U,5Dと独立してその内側に配設された、電解液の漏れ防止や多重のヒートシールを可能とするPETシート7U,7Dとにより外装体を構成したので、従来のアルミラミネートフィルムの外装体の厚みが、その構造上(アルミ箔にポリプロピレンやナイロン等を積層して一体形成)、200〜250μm程度となるのに比し、外装体の大幅な薄型化(本例では、50μm)が可能となり、極薄型(厚さ0.4mm以下)のシート状二次電池10Aを容易に実現することが可能となる。さらに、外側外装体であるステンレス箔5U,5Dは、内側外装体であるPETシート封止体7と独立して、ポリプロピレンPPのみを介してシールされるので、電池厚さの調整領域・範囲が拡大し、厚さ調整がより容易となる。
また、各シート状電極に塗布される活物質の塗布厚は、従来と同等であるので、活物質を厚く塗布する場合に比し、各シート状電極1a1,1a2,1bの割れ、反り等の発生を未然に防止することができる。
なお、本実施の形態では、シート状負電極1bをセパレータ1dで挟み込んで、シート状負電極1bの両面に負極活物質を塗布したが、当然に、シート状正電極をセパレータ1dで挟み込んで、シート状正電極の両面に正極活物質を塗布する構成としてもよい。
ところで、このような極薄型のシート状二次電池を製造する際には、通常のシート状二次電池を製造する場合に比し、電解液を外装体内部に均一に封入するのが困難となる。具体的には、内部電極対1Aを構成するシート状電極1a1,1a2,1b及びセパレータ1d間が非常に狭い(0.3mm程度)ので、セパレータ1dに電解液が浸透し難くなるという問題が生じ、また、内側外装体7U,7D内部に注入した電解液3を封止する際には、局所的に偏在する電解液3が排出困難な残留物として内部に滞留し易くなるという問題が生じる。そして、かかる問題は、電池品質を損なうと共に薄型化を著しく阻害して、所定の品質・性能を確保した極薄のシート状二次電池を安定して実現することが困難となってしまう。
そこで、本発明に係るシート状二次電池10Aの製造方法においては、次のようにして、電解液3をセパレータ1dに十分に浸透させると共に、内部に滞留する余分な残留物を確実に排出して、均一で極薄のシート状二次電池10Aの実現を可能としている。以下に、本発明に係るシート状二次電池10Aの製造方法について、図5〜図8を参照して説明する。
先ず、図5(a)に示すように、略方形(本例では、32mm×33mm×10μm)の1辺端部から突出形成された負極端子部1b0を有する銅箔を用意し、この銅箔の両面の所定の領域に負極活物質11b1を塗布し、シート状負電極1bを作製する。
また、図5(b)に示すように、略方形(本例では、32mm×33mm×20μm)の1辺端部(負極端子部1b0と反対側の端部)から突出形成された正極端子部1a10を有するアルミニウム箔を用意し、このアルミニウム箔の所定の片面領域に正極活物質11a1を塗布し、シート状正電極1a1を作製する。同様に、図5(c)に示すように、略方形(本例では、32mm×33mm×20μm)の1辺中央部から突出形成された正極端子部1a20を有するアルミニウム箔を用意し、このアルミニウム箔の所定の片面領域に正極活物質11a2を塗布し、シート状正電極1a2を作製する。
次に、図6(a)に示すように、長方形のセパレータ1d(本例では、66mm×35mm×25μm)を用意し、その長手方向略中央部を折り返してシート状負電極1bをセパレータ1dにより挟み込む。この際、セパレータ1dの折り曲げられた辺に、シート状負電極1bの端子部1b0を有する辺と反対側の辺を突き当てて挟み込むことにより、セパレータ1dとシート状負電極1bとの位置決めが容易となる。
次に、図6(b)に示すように、各電極端子1a10,1a20,1b0が同方向に突出するように、例えば、シート状負電極1bがその内部に挟み込まれたセパレータ1dの背面にシート状正電極1a2を配置すると共に、セパレータ1dの前面にシート状正電極1a1を配置して、各電極1a1,1a2,1b及びセパレータ1dの位置合わせを行って、内部電極対1Aを作製する。なお、本実施の形態では、位置合わせを容易にして作業性の向上を図ると共に、電極の位置ずれによる短絡を未然に防止するといった観点から、1枚のシート状セパレータ1dを折り返してシート状電極1bを挟み込む構成としたが、2枚のシート状セパレータを設けて、異電極間(1a1−1b間及び1a2−1b間)に各セパレータを介装するように構成してもよい。
次に、図6(c)に示すように、内部電極対1Aよりも大きいPETシート7U,7D(本例では、各50mm×60mm×15μm)を、内部電極対1Aの両面(前面及び背面)に配置し、内部電極対1Aの電極端子1a10,1a20,1b0がPETシート7U,7Dから気密に貫通するように、内部電極対1Aの3辺(電極端子1a10,1a20,1b0が引き出されている辺、及びこの辺に直交する2辺)の外側近傍に沿って、図中、斜線部のように3方をヒートシール(加熱圧着)し、開口部70を有するPETシート7U,7Dによる三方封止体を形成する。このような耐電解液性の熱可塑性樹脂(本例では、PETシート)により内部電極対1A及び電解液3の封止体を形成することによって、以下のような手順により、任意の領域における任意の回数の多段階ヒートシールが可能となる。
具体的には、上記三方封止体の開口部70から電解液3を注入した後、大気圧よりも低い第一の圧力P1(例えば、0.1〜0.2kPa)雰囲気中にて、図7(a)に示すように、内部電極対1の開口部70側の辺1ALから所定の離隔距離を設けて、この辺1ALと略平行に、PETシート7の開口部70の1回目のヒートシール(図中、斜線S1部)を行う。その後、大気圧にて所定の時間(例えば、60秒)経過させて、内部電極対1A間、特に、セパレータ1d内への電解液3の浸透を促進させる。
続いて、図7(b)に示すように、ヒートシール部S1の内側(内部電極対1A側)に切り込み71を形成すると共に、直ちに、第一の圧力P1よりも低い第二の圧力P2(例えば、0.05〜0.15kPa)雰囲気中に配置して、内部電極対1A(シート状電極1a1,1a2,1b及びセパレータ1d間)内部や、PETシート7U,7Dと内部電極対1Aとの隙間に残る余分な電解液3及び残留空気を排出させ、図7(c)に示すように、開口部70に対応する内部電極対1Aの封止されていない辺1ALに沿って、2回目のヒートシール(図中、斜線S2部)を行う。
一般に、このような極薄型(例えば、厚さ0.4mm以下)のシート状二次電池10Aを形成する際に、低圧雰囲気中にて、一気に1回でヒートシールする場合には、適切な圧力設定が困難となり、電解液3が内部電極対1Aに十分に拡散浸透しないといった問題や、外装体内部(特に、周辺部分)に余分な電解液3や空気といった残留物が滞留するといった問題が生じてしまう。
そこで、上述のように複数段階(本例では、二段階)で、順次、低圧雰囲気下にてヒートシールを行うことにより、第一の圧力にてヒートシールした後に偏在している残留物を目視にて確認することができ、例えば、偏在している残留物をゴム板等で均して切り欠きから排出し、第二の圧力にて再度ヒートシールを行うことにより、1回でヒートシールする場合に比し、余分な残留物を確実に排出してその厚さを最小限に抑制することが可能となる。すなわち、第一の圧力にて排出できなかった周辺部分の残留空気や隙間に残った電解液3を第二の圧力にて安定して確実に排出し、外装体内部の電解液3のセパレータ1dへの十分な浸透と均等な分布を確保しつつ、均一で極薄のシート状二次電池の形成が可能となる。また、第一の圧力P1よりも低い第二の圧力P2雰囲気中にて、2回目のヒートシールを行うことにより、各PETシート7U,7Dに面圧が付与され均一な極薄化が一層促進されると共に、1回でヒートシールする場合に比し、電解液の確実な浸透等を可能とする圧力の設定調整が容易となる。
次に、図8(a)に示すように、内部電極対1Aの4辺のヒートシール部分(先に、ヒートシールした3辺シール部分及び開口部70の2回目のヒートシール部分S2)に沿ってPETシート7U,7Dを切り取り、内部電極対1A及び電解液を封入したPETシートによる封止体7を形成する。
その後、図8(b)に示すように、4辺がヒートシールされたPETシート封止体7の前面及び背面に略方形のステンレス箔5U,5D(本例では、各40mm×40mm)を配置し、電極端子1a10,1a20,1b0が、当該ステンレス箔5U,5Dを気密に貫通するように、ステンレス箔5U,5Dの周縁部4辺を、ポリプロピレンを用いてヒートシールしてシート状二次電池10Aを作製する。なお、ステンレス箔5U,5Dをヒートシールする際には、PETシート封止体7の内部圧力である第二の圧力P2よりも高く、大気圧よりも低い第三の圧力P3(例えば、0.2〜0.3kPa)にてヒートシールを行う。このようにPETシート封止体7の内部圧力(本例では、第二の圧力P2)よりも高く大気圧よりも低い第三の圧力P3でステンレス箔5U,5Dをヒートシールすることにより、空気の侵入を防止しつつ、その内部に電極対1Aが封入されたPETシート封止体7が、ステンレス箔5U,5Dをシールする際の圧力差で膨張してしまうことを未然に防止し、極薄型のシート状二次電池10Aの均一な厚み形成に寄与することができる。
以上のような本発明に係るシート状二次電池の製造方法によれば、シート状二次電池を極薄化する際の阻害要因となる残留物、特に周辺部分の残留物の確実な排出除去を可能として、電解液3をセパレータ1dに十分に拡散浸透させると共に、シート状電極1a1,1a2,1b及びセパレータ1d間に均一に分布させ、所定の容量(40mAh以上)を確保しつつ、極薄型(厚さ0.4mm以下)のシート状二次電池を簡易に安定して製造することが可能となる。
なお、本実施の形態に係るシート状二次電池の製造方法における多段階シールの回数は、当然に任意に設定することができるが、外装体へのダメージ抑制と生産性との両立という観点からは、2段階程度のヒートシールを行うことが好ましい。
さらに、本実施の形態に係るシート状二次電池10Aの製造方法は、当然に、従来のアルミラミネートフィルムの外装体を用いて内部電極対を封止する際にも適用可能であるが、特に、封止の際の電解液3のセパレータ1dへの十分な浸透や残留物の排出が問題となる極薄型のシート状二次電池の製造により好適に適用可能である。
次に、前述した各実施形態に係るシート状二次電池10,10Aの放電容量特性について測定した結果を図9に示す。図9(a)は、第一の実施形態に係るシート状二次電池10(以下、外装電極型とも称する)の放電容量特性を示す図であり、図9(b)は、第二の実施形態に係るシート状二次電池10A(以下、積層型とも称する)の放電容量特性を示す図である。なお、測定に当たっては、いずれの実施形態においても、室温25℃,4.2V,25mA(0.2C)の定電流定電圧方式にて4時間充電した後、放電終止電圧2.5Vに達するまでの、放電レートと放電容量との関係を測定した。ここで、図中、例えば、放電レート0.5Cの曲線は、放電電流を理論容量50mAhの50%に設定した場合の放電容量の変化を表すものである。
図9(a)から理解されるように、外装電極型10の場合には、放電レートを0.5C(25mA)に設定した場合には、容量低下(約20mAh)が見られるものの、放電レートを0.2C(10mA),0.1C(5mA),0.05C(2.5mA)に設定した場合には、それぞれ約37mAh,約50mAh,約54mAhの放電容量を実現することができた。
また、図9(b)から理解されるように、積層型10Aの場合には、放電レートを0.5C(25mA)に設定した場合には、同様に容量低下(約20mAh)が見られるものの、放電レートを0.05C(2.5mA)に設定した場合には、約56mAhとなり、十分な放電容量を実現することができた。
また、積層型10Aの場合には、放電レート1.0C(50mA),2.0C(100mA)での放電も可能となり、十分な通電容量を達成できることが確認できた。さらに、積層型10Aの場合には、外装電極型10に比し、放電容量の個体差によるバラツキが少ないことも確認できた。これは、積層型10Aの方が、外装電極型10に比し電極面積が約2倍となるため、これにより、通電容量の増大と安定した放電容量が実現されるためであると考えられる。
以上より、本発明に係るシート状二次電池10,10Aによれば、いずれも極薄型(厚さ0.4mm以下)であって、かつ、小型電子機器の電源として十分に適用可能な性能(例えば、CMOS等のICを動作させるために必要な、電圧2.0V以上、容量40mAh以上)を有するリチウムイオン二次電池を実現できることが確認できた。
本発明に係るシート状二次電池の第一の実施形態を模式的に示す平面図である。 第一の実施形態に係るシート状二次電池の構成を示す模式図であり、(a)は分解状態における模式的断面図であり、(b)は組み立て状態における模式的断面図である。 本発明に係るシート状二次電池の第二の実施形態を模式的に示す平面図である。 第二の実施形態に係るシート状二次電池の構成を示す模式図であり、(a)は分解状態における模式的断面図であり、(b)は組み立て状態における模式的断面図である。 本発明に係るシート状二次電池の製造方法を説明するための模式図である。 本発明に係るシート状二次電池の製造方法を説明するための模式図である。 本発明に係るシート状二次電池の製造方法を説明するための模式図である。 本発明に係るシート状二次電池の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の各実施形態に係るシート状二次電池の放電容量特性を示す図である。
符号の説明
1,1A:内部電極対、1a,1a1,1a2:シート状正電極、1a10,1a20:正電極端子、1b:シート状負電極、1b0:負電極端子、1c,1d:セパレータ、3:電解液、5U,5D:ステンレス箔、7U,7D:PETシート、7:PETシート封止体、10,10A:シート状二次電池、11a,11a1,11a2:正極活物質、11b,11b1,11b2:負極活物質、70:開口部、S1,S2:ヒートシール部分

Claims (6)

  1. セパレータを介して対向配置されたシート状の正電極とシート状の負電極とから構成される内部電極対と、該内部電極対と電解液とを密封状態に収容する外装体とを備え、前記外装体は、前記内部電極対及び電解液を封止する内側外装体と、この内側外装体と独立して該内側外装体を外包する外側外装体とで構成され、前記内側外装体は、耐電解液性のシート状熱可塑性樹脂で形成されていると共に、前記外側外装体は、金属箔で形成されているシート状二次電池の製造方法であって、
    シート状の正電極とシート状の負電極とをセパレータを介して交互に積層してシート状の内部電極対を形成し、
    この内部電極対を耐電解液性のシート状の熱可塑性樹脂にて覆い、該内部電極対の三辺に沿って前記シート状の熱可塑性樹脂をヒートシールして三方を封止すると共に、残りの一辺に対応する開口部を形成し、
    次に、前記開口部から電解液を注入すると共に、大気圧よりも低い第一の圧力にて、前記内部電極対の封止されていない一辺から所定の離隔を設けて前記シート状の熱可塑性樹脂の開口部をヒートシールし、
    大気圧にて所定の時間経過させた後に、前記ヒートシールされた開口部の内側を切り欠くと共に、前記第一の圧力よりも低い第二の圧力にて、前記内部電極対の封止されていない一辺に沿って前記シート状の熱可塑性樹脂を再度ヒートシールして、内部電極対及び電解液を密封状態で収容する熱可塑性樹脂の封止体を形成し、
    その後、この熱可塑性樹脂の封止体を金属箔で覆い、その周辺部を有機接着材料を介してヒートシールすることを特徴とするシート状二次電池の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂の封止体を金属箔で覆ってヒートシールする際には、大気圧よりも低く前記第二の圧力よりも高い第三の圧力にて、前記金属箔の周辺部をヒートシールすることを特徴とする請求項に記載のシート状二次電池の製造方法。
  3. 前記内部電極対は、一方の極性のシート状電極の両面を前記セパレータで覆うと共に、該セパレータを介して、前記一方の極性のシート状電極の両面側には他方の極性のシート状電極が対向配置されており、前記一方の極性のシート状電極には、その両面に活物質が塗布されていると共に、前記他方の極性のシート状電極には、そのセパレータ側の対向面にのみ活物質が塗布されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート状二次電池の製造方法
  4. 前記セパレータは、1枚のシート状セパレータを折り返すことにより、前記一方の電極を覆っていることを特徴とする請求項に記載にシート状二次電池の製造方法
  5. 前記金属箔は、その厚さが10μm以下のステンレスで形成されており、前記熱可塑性樹脂は、その厚さが15μm以下のポリエチレンテレフタレートで形成されていることを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載のシート状二次電池の製造方法
  6. 前記シート状二次電池は、その厚さが0.4mm以下に形成されていると共に、その出力が40mAh以上であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のシート状二次電池の製造方法
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