JP5250704B2 - ばね付勢されたコンタクトピンの密封 - Google Patents

Description

本発明は、ハウジングを有するとともに、解除することが可能な電気接触を確立するためにハウジングに配設された少なくとも一つのばね接点、特にポゴコンタクトピンを有し、各ばね接点がハウジングの前側に面する接点側端部を有する軸方向に移動可能な第１コンタクトピンを含む、請求項１の前文に記載のコネクタに関連する。

このようなコネクタは、各々が電気信号を送信する１つ、２つまたはそれ以上の電気接触を同時に確立するために使用され、ばね接点は軸方向の許容誤差の補償をもたらす。対応の電気遮蔽物または電磁遮蔽物との外部導体接触を行うため、ハウジングは外部導体としてしばしば設計される。ばね接点への流体、例えば水の浸入は、ばね接点の電気的性質および機械的性質を損なうことになって望ましくないため、これは回避される必要がある。

いわゆるポゴコンタクトピンの構成は、例えば、特許文献１から周知である。

独国特許発明第ＤＥ １９９ ４５ １７６ Ａ１号明細書

本発明は、未接続の状態であっても、流体の流入を防止するための密封に関して、上述のタイプのコネクタを改良するという問題に基づいているため、このコネクタは、コネクタの内部への流体の侵入によりコネクタの電気的及び／又は機械的性質に影響を及ぼす又は損なわれることなしに、湿気や埃の多い環境であっても制約なく使用、接続、未接続が可能となる。

本発明によれば、この問題は、請求項１で特定された特徴を持つ上述したタイプのコネクタによって解決される。発明の好適な実施形態は、他の請求項に記載される。

本発明によれば、上述したタイプのコネクタにおいて、平面状の密封要素がハウジングの前側を被覆して第１所定流体圧力に抗してこれを密封するように、密封要素がハウジングの前側に配設および設計され、内部に第２コンタクトピンが配設される少なくとも１つの貫通孔が密封要素に設計され、第２コンタクトピンは、ハウジングの前側に面する第１接点側端部と、ハウジングの前側と反対側に面する第２接点側端部とを有し、第２コンタクトピンは、第２所定流体圧力に抗して貫通孔を密封するように貫通孔内に設計および配設され、少なくとも１つの貫通孔は、第１コンタクトピンの接点側端部が第２コンタクトピンの第１接点側端部と機械的に衝突して、第１および第２コンタクトピンの間に電気接触が発生するように、第２コンタクトピンとともに配設される。

これは、未接続の状態であっても、コネクタが少なくとも一つのばね接点への流体または液体の浸入に対して確実に密封されるという長所を持っている。

好適な実施形態において、少なくとも１つのばね接点は、第１コンタクトピンを伸縮自在な方法で受容するスリーブを備える。スリーブは少なくとも一部分が誘電体に埋め込まれることが好ましい。好適には、この弾性ばね要素は、第１コンタクトピンの接点側端部の方向において、少なくとも１つの軸方向に移動可能な第１コンタクトピンに軸方向の力を印加するように、スリーブに設けられる。

好適には、ハウジングは導電性材料または非導電性材料で製造された外部導体部品として設計される。

好適な実施形態では、少なくとも１つの第１コンタクトピンはハウジングの長手軸に対して平行に配設される。

相補的コネクタにハウジングを機械的に固定するために、キャップナットは、ハウジングに配設され、且つ軸方向においてハウジングの前側よりも突出するように設計される。

好適には、少なくとも１つの第１ばね接点がハウジングの中で絶縁部品に保持される。

非常に良好であるのと同時に、ばね接点の軸方向の可動性および軸方向の許容誤差の補償にほとんど影響しないシールは、この弾性ばね要素が弾性変形可能な材料で形成されることで達成される。

相互に独立した、密封要素の適切な支持を有する第２コンタクトピンの自由な軸方向の可動性は、絶縁部品がハウジングの前側と同一の平面を終端とするように前記ハウジング内に配設されるとともに、絶縁部品が前記密封要素の貫通孔の領域において前面にボアを備えることで達成される。

好適な実施形態では、第２コンタクトピンは、密封要素の両側で軸方向に突出するように設計される。

第２コンタクトピンによる貫通孔の特に良好な密封は、第２コンタクトピンが設計上、回転対称で、特にダンベル形状であることで達成される。

好適な実施形態では、少なくとも１つの第２コンタクトピンは、第２コンタクトピンの中央部分が密封要素の貫通孔の中に配設され、第２コンタクトピンの第１および第２接点側端部が密封要素の貫通孔の外側に配設されるように、設計される。

好適には、少なくとも１つの第２コンタクトピンは、第２コンタクトピンの長手軸に対して垂直な方向において、第２コンタクトピンの中央部分の最大外径より大きな最大外径を第１および第２接点側端部に有する。

好適な実施形態では、少なくとも１つの第２コンタクトピンは、密封要素の貫通孔の中に配設される部分に、第２コンタクトピンの長手軸に対して垂直な方向において、密封要素の貫通孔の最大内径より大きな最大外径を有する。これは、第２コンタクトピンによる密封要素の貫通孔の特に良好な密封を達成する。

好適には、密封要素の設計がディスク形状である。

周縁エッジの少なくとも一部にわたって、特に周縁エッジ全体にわたって密封要素を把持して、ハウジングの前側へ密封要素を軸方向に押圧する押圧要素が、ハウジングの前側に配設されることで、ハウジングの前側での特に良好な密封が達成される。

接続状態にある時のコネクタの外側密封は、押圧要素の外周部にリング形状のシールが配設されることで、達成される。

好適には、密封要素が電気絶縁材料、特に誘電体で製造される。

本発明によるコネクタの好適な実施形態の断面図を示す。 図１によるコネクタの密封要素の一部破断側面図を示す。 図２による密封要素の正面図を示す。

図面を参照して本発明を以下で詳細に説明する。
図１に示す本発明によるコネクタの好適な実施形態は、長手軸１１を定義するとともに、誘電体１２により２個のばね接点１４が保持されたハウジング１０からなる。各ばね接点１４は、長手軸１５を定義する。二つのばね接点１４の配設は、単に例示的なものである。ばね接点１４が１個のみであるか、３個、４個、またはそれ以上のばね接点１４がハウジング１０に配設されてもよい。ばね接点１４は、伸縮自在な方法で軸方向に変位可能である接点側端部２０を有する第１コンタクトピン１８が配設されたスリーブ１６を各々が備える、いわゆるポゴピンの形状で設計される。弾性要素２２、例えばコイルばねは、スリーブ１６の内部に配設され、スリーブ１６の軸方向において関連する第１コンタクトピン１８に対して接点側端部２０の方向に力を印加する。これらのコンタクトピン１８は切断可能な電気接触を確立するように機能し、接点側端部２０は相応の接触面を形成し、コイルばね２２は相応の接触力を発生させる。

ハウジング１０は前側２４を有し、誘電体１２は、前側２４の終端がハウジング１０と同一の平面となるようにハウジング１０内に配設される。第１コンタクトピン１８の接点側端部２０は、ハウジング１０の前側２４に面している。内ねじ２８を備えたキャップナット２６が、ハウジング１０の外周部に配設される。これは、ハウジング１０を相補的コネクタ（不図示）に機械的に固定するために役立つ。固定ワッシャ３０は、キャップナット２６がハウジング１０の外周部から軸方向に引抜かれるのを防止する。キャップナット２６は、軸方向においてハウジング１０の前側２４よりも突出している。例として示された実施形態では、ハウジング１０とキャップナット２６とは導電性材料で製造され、接続のためのアース接点を表すコネクタの外部導体部品を形成する。ばね接点１４は電気信号を送信するように機能し、外部導体部品１０，２６は保護する。

本発明によれば、ディスク状の密封マットの形からなる密封要素３２がハウジング１０の前側２４に配設されて、実質的に前側２４を完全に、つまり全面にわたって被覆し、前側２４および誘電体１２と当接している。この密封要素３２は変形可能な材料、例えばゴムで製造され、電気絶縁性を備えていることが好ましい。密封要素３２を周縁エッジ全体にわたって把持して前側２４へ軸方向に押圧する押圧要素３４が、ハウジング１０の前側２４に配設されている。こうして、密封要素３２は、第１所定流体圧力に抗して前側２４を密封する。接続状態でコネクタの密封を行うリング形状シール３６が、押圧要素３４の外周部に配設される。

密封要素３２は、図２および図３により詳しく示される。密封要素３２は貫通孔３８を備え、その数はコネクタのばね接点１４の数に対応する。第２コンタクトピン４０は、各貫通孔３８に配設される。各コンタクトピン４０は密封要素３２の各側で突出し、ボアに位置する中央部分４２と、第１コンタクトピン１８の接点側端部２０に面する第１接点側端部４４と、第１コンタクトピン１８の接点側端部２０と反対側に面する第２接点側端部４６とを有する。第２コンタクトピン４０は、ダンベルの形状で回転対称であるため、各第２コンタクトピン４０は、それぞれの中央部分４２の領域よりも第１および第２接点側端部４４，４６において大きな直径を有する。第２コンタクトピン４０の中央部分４２の外径は、貫通孔３８の内径より大きい。こうして、各第２コンタクトピン４０は、これが通っている貫通孔３８を第２所定流体圧力に抗して密封する。ダンベル形状の第２コンタクトピン４０の幅広の接点側端部４４，４６では、図２から分かるように、密封要素３２に面する壁では接点側端部４４，４６の方向に円錐状に幅広となるようにピンが設計されている。こうして、第２コンタクトピン４０によって貫通孔３８の密封がさらに強化される。第２コンタクトピン４０の長手軸１５ａは、関連する第１コンタクトピン１８（図１）の長手軸１５（図１）と同軸となる。密封要素３２の長手軸１１ａは、ハウジング１０（図１）の長手軸１１（図１）と同軸となる。

第２コンタクトピン４０の第１接点側端部４４が第１コンタクトピン１８の接点側端部２０とそれぞれ機械的に衝突するように、貫通孔３８が第２コンタクトピン４０とともに配設される。同時に、ばね付勢要素２２が第１コンタクトピン１８を第２コンタクトピン４０へ押圧するように構成される。言い換えると、密封要素３２は第２コンタクトピン４０とともに、ばね付勢要素２２の力に抗して第１コンタクトピン１８をスリーブ１６へ軸方向に押圧するのである。こうして、対応の接触面および接触圧力により、第１コンタクトピン１８と第２コンタクトピン４０との間に、機能的に信頼できる電気接触がそれぞれ確立される。

第２コンタクトピン４０が配設される箇所で、誘電体１２は端面にボア４８を有する。こうして、これらのボア４８の領域では、第２コンタクトピン４０が密封要素３２の対応部分とともに相互に独立して軸方向に移動できるため、端面に当接している密封要素３２によって、第１コンタクトピン１８の軸方向の可動性が大きな制約を受けない。これは、ばね接点１４による軸方向の許容誤差の補償の機能が完全に維持され、同時に、端面２４からばね接点への流体、例えば水の浸入が効果的に防止されることを意味する。ゆえに、本発明によるコネクタは、未接続の状態でも密封される。

第２コネクタピン４０は、第１コンタクトピン１８の延長部を形成し、電気接触の機能と、端面２４でのハウジング１０の密封の機能とが、相互に物理的かつ機能的に分離される。密封要素３２によるばね付勢された第１コンタクトピン１８の圧縮応力は、信頼性の高い電気接触を可能にする。ばね付勢された第１コンタクトピン１８が密封要素３２による影響を受けるのを防止するため、密封要素３２は誘電体１２の領域でボア４８に位置している。言い換えると、密封要素３２は、個別に移動可能な貫通接点を備える接点支承部なのである。

第１および第２所定流体圧力は、同一となるように選択されることが好ましい。しかし、これらが異なっていてもよい。二つの値の小さい方が、本発明によるコネクタの全体的な密封効率を決定する。

Claims (18)

1. ハウジング（１０）を備え、解除することが可能な電気接触を確立するために前記ハウジング（１０）に配設された少なくとも１つのばね接点（１４）を有し、各ばね接点（１４）が、軸方向に移動可能で、且つ、前記ハウジング（１０）の前側（２４）に面する接点側端部（２０）を有する第１コンタクトピン（１８）を含み、平面状の密封要素（３２）が、前記ハウジング（１０）の前記前側（２４）を被覆し、第１所定流体圧力に抗して前記前側を密封するように前記ハウジング（１０）の前記前側（２４）に配設および設計され、少なくとも１つの貫通孔（３８）が前記密封要素（３２）に設計されるコネクタにおいて、
   前記第２コンタクトピン（４０）は、前記貫通孔（３８）に配設され、
   前記第２コンタクトピン（４０）は、前記ばね接点（１４）に面する第１接点側端部（４４）と、前記ハウジング（１０）の前記前側（２４）と反対側に面する第２接点側端部（４６）とを有し、
   前記第２コンタクトピン（４０）は、第２所定流体圧力に抗して前記貫通孔（３８）を密封するように前記貫通孔（３８）に設計および配設され、
   前記少なくとも１つの貫通孔（３８）は、前記接点側端部（２０）を有する第１コンタクトピン（１８）が第２コンタクトピン（４０）の前記第１接点側端部（４４）と機械的に衝突して、前記第１および第２コンタクトピン（１８，４０）の間に電気接触が確立されるように、前記第２コンタクトピン（４０）とともに配設され、
   前記密封要素（３２）は、弾性変形可能な材料から形成されることを特徴とするコネクタ。
2. 請求項１に記載のコネクタにおいて、
   前記少なくとも１つのばね接点（１４）は、前記第１コンタクトピン（１８）を伸縮自在な方法で受容するスリーブ（１６）を備えることを特徴とするコネクタ。
3. 請求項２に記載のコネクタにおいて、
   前記スリーブ（１６）は、少なくとも一部分が誘電体（１２）に埋め込まれることを特徴とするコネクタ。
4. 請求項２又は請求項３に記載のコネクタにおいて、
   弾性ばね要素（２２）は、前記第１コンタクトピン（１８）の前記接点側端部（２０）の方向において、前記少なくとも１つの軸方向に移動可能な第１コンタクトピン（１８）に軸方向の力を印加するように、前記スリーブ（１６）に設けられることを特徴とするコネクタ。
5. 先行する請求項の少なくとも１項に記載のコネクタにおいて、
   前記ハウジング（１０）は、導電性材料で製造された外部導体部品として設計されることを特徴とするコネクタ。
6. 先行する請求項の少なくとも１項に記載のコネクタにおいて、
   前記少なくとも１つの第１コンタクトピン（１８）は、前記ハウジング（１０）の長手軸（１１）に対して平行に配設されることを特徴とするコネクタ。
7. 先行する請求項の少なくとも１項に記載のコネクタにおいて、
   キャップナット（２６）は、前記ハウジング（１０）に配設され、且つ、軸方向において前記ハウジング（１０）の前記前側（２４）よりも突出するように設計されることを特徴とするコネクタ。
8. 先行する請求項の少なくとも１項に記載のコネクタにおいて、
   前記少なくとも１つのばね接点（１４）は、前記ハウジング（１０）の内部で誘電体（１２）に保持されることを特徴とするコネクタ。
9. 請求項８に記載のコネクタにおいて、
   前記誘電体（１２）は、前記ハウジング（１０）の前記前側（２４）と同一の平面を終端とするように前記ハウジング（１０）内に配設され、
   前記誘導体（１２）は、前記密封要素（３２）の前記貫通孔（３８）の領域において前面にボア（４８）を備えることを特徴とするコネクタ。
10. 先行する請求項の少なくとも１つに記載のコネクタにおいて、
    前記第２コンタクトピン（４０）は、軸方向において前記密封要素（３２）の両側に突出するように設計されることを特徴とするコネクタ。
11. 先行する請求項の少なくとも１項に記載のコネクタにおいて、
    前記少なくとも１つの第２コンタクトピン（４０）は、回転対称で、特にダンベル形状であることを特徴とするコネクタ。
12. 先行する請求項の少なくとも１項に記載のコネクタにおいて、
    前記少なくとも１つの第２コンタクトピン（４０）は、前記第２コンタクトピン（４０）の中央部分（４２）が前記密封要素（３２）の前記貫通孔（３８）の中に配設され、前記第２コンタクトピン（４０）の前記第１および第２接点側端部（４４，４６）が前記密封要素（３２）の前記貫通孔（３８）の外側に配設されるように設計されることを特徴とするコネクタ。
13. 請求項１２に記載のコネクタにおいて、
    前記少なくとも１つの第２コンタクトピン（４０）は、前記第２コンタクトピン（４０）の長手軸（１５ａ）に対して垂直な方向において、前記第２コンタクトピン（４０）の前記中央部分（４２）の最大外径より大きな最大外径を第１および第２接点側端部（４４，４６）に有することを特徴とするコネクタ。
14. 先行する請求項の少なくとも1項に記載のコネクタにおいて、
    前記少なくとも１つの第２コンタクトピン（４０）は、前記密封要素（３２）の前記貫通孔（３８）の中に配設される部分に、前記第２コンタクトピン（４０）の長手軸（１５ａ）に対して垂直な方向において前記密封要素（３２）の前記貫通孔（３８）の最大内径より大きな最大外径を有することを特徴とするコネクタ。
15. 先行する請求項の少なくとも１項に記載のコネクタにおいて、
    前記密封要素（３２）は、設計上、ディスク形状からなることを特徴とするコネクタ。
16. 先行する請求項の少なくとも１項に記載のコネクタにおいて、
    周縁エッジの少なくとも一部にわたって、特に周縁エッジ全体にわたって前記密封要素（３２）を把持し、前記ハウジング（１０）の前記前側（２４）に向けて前記密封要素（３２）を軸方向に押圧する押圧要素（３４）が、前記ハウジング（１０）の前記前側（２４）に配設されることを特徴とするコネクタ。
17. 請求項１６に記載のコネクタにおいて、
    リング形状のシール（３６）が、前記押圧要素（３４）の外周部に配設されることを特徴とするコネクタ。
18. 先行する請求項の少なくとも１項に記載のコネクタにおいて、
    前記密封要素（３２）は、電気絶縁材料、特に誘電体で製造されることを特徴とするコネクタ。

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