JP5248547B2 - 細胞の成長及び内方成長に関してフィブリンマトリックスの特性の修飾 - Google Patents

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Description

フィブリノーゲン
フィブリノーゲンは、血液凝固において重要な役割を果たす可溶性血漿蛋白質である。約340kDaの分子量を有するフィブリノーゲン分子は、2-4g/lの濃度で血漿中を循環する。それは、細長い構造を有し且つ475Å長及び8〜15Å直径であり、分子の中心を通る2重対称軸を有している。該分子は、3つのポリペプチド鎖 Aα、Bβ及びγ鎖の2組から成り、それらはジスルフィドブリッジによって相互に接続される。各分子は、端末に2個のD領域を含み、それらは巻かれたコイルセグメントを介して中央のE領域に接続されている。Aα鎖は610個、Bβ鎖は461個及びγ-鎖は411個のアミノ酸を含む。
可溶性フィブリノーゲンは、凝固カスケードの最後にトロンビンによって不溶性フィブリンに転化され、その後、血餅の基礎を構成するフィブリン繊維のネットワークが形成される。初めに、トロンビンによって、2つのポリペプチドがフィブリノーゲン分子のN末端から切取られ、次に原繊維が、フィブリンモノマーの迅速な非共有結合を通じて形成される。これらの原繊維は、交互に配列された分子の鎖から形成され、そして側面結合を介して、フィブリンネットワークが形成される。最終的に、該ネットワークは、XIIIa因子で刺激された架橋によって安定化される。
突然変異
既知のフィブリノーゲン異常症を持つ非常に多くの患者があり、それによってフィブリノーゲン分子の機能的部分が、無くなり又は異なる機能を獲得する程に非常に変化している。これらの変化は、フィブリノーゲン機能及びフィブリノーゲン構造の広範囲の変化をもたらし、そしてフィブリノーゲン異常症を有する患者は、出血し且つ血液凝固する傾向を有する種々の臨床実況をまた示す。フィブリノーゲン異常症の原因は、フィブリノーゲンの遺伝子における変異であり、それ故にフィブリノーゲンの50% (異型接合体で)又は100%(同型接合体で)が異常である。
フィブリノーゲン分子のこれらの重大な且つまれな変異に加えて、フィブリノーゲンにおける変異のより穏やかな遺伝形がある。人口の大きな部分で、遺伝的多形が生じ、しかしながら、それはフィブリノーゲン機能に対して緩やかな影響のみを有し又は影響を有しない。例として言うと、フィブリノーゲン・アルファ遺伝子におけるT/A312多形及びフィブリノーゲン・ベータ遺伝子におけるR/K448多形がある。
それに加えて、フィブリノーゲンは、各個人内で多くの変異体がまた生じ、各個人内で約106個の異なるフィブリノーゲン分子が循環していると見積もられる。これらの変異体は、フィブリノーゲン機能及びフィブリノーゲン構造の穏やかな相違のみを与え、それらは、総フィブリノーゲンのほんの一部だけを占める(たいていは、せいぜい2〜3パーセントである)。種々のグルコシル化及びホスホリル化を有する形が例えば存在し、またフィブリノーゲンのアルファ鎖のC-末端は、イン ビボ(in vivo)で部分的に破壊されうる(フィブリノーゲン変異体の多くの例について表を参照)。フィブリノーゲンのこれらの種々形は夫々、それらの典型的な特性を有し、それによってフィブリンネットワークを形成する基本的な機能は完全に残り、しかし形成されたフィブリンネットワークは、特性において異なるかもしれない。突然変異の結果として、特に1)例えばフィブリン溶解で役割を果たす酵素及び蛋白質の結合特性の変化、又は2)フィブリンの安定性に影響を与えるXIII因子の結合の変化、又は3)フィブリンの側面成長の速度及び程度における変異(例えばより薄い繊維、より多くの分枝などを有するフィブリンを生じる)がある。
既知の変異体の1つは、プライマリmRNA転写物の代替処理を通じて形成されるγ’(ガンマ’)である。総γ-鎖の約8%が、この形である。γ’鎖は427個のアミノ酸から成り、4個のC末端アミノ酸(AGDV)がその中で、2つの硫酸化されたチロシンを含む20個のアミノ酸の陰イオン配列で置換されている。フィブリノーゲンγ’鎖は、血漿因子XIIIを結合するが、血小板フィブリノーゲン受容体IIbβ3を結合せず、これは、C-末端配列(400-411)が血小板凝集を調節する際に重大な役割を果たす正常なγ鎖と対照的である。
フィブリノーゲンの他の変異体はFib420であり、それは420 kDaの分子量を有する。健康な人では、この変異体が、総循環フィブリノーゲンの約5%を占める。α鎖転写物の代替スプライシングによって、余分なオープンリーディングフレームが含まれ、従って約35 %(847個のアミノ酸)によってカルボキシ末端側で伸張されたAα鎖が生じる。Aα鎖のこの追加的な長さは結節状の構造を有し、知られている限り、ただ1つのAα鎖上にこの追加的な部分を有するフィブリノーゲン分子は生じない。このフィブリノーゲン変異体Fib420は、減成により敏感でないかもしれないし、血餅構造に影響を有しうる。
フィブリノーゲン分子における分子突然変異の他の原因は、Aα鎖のカルボキシ末端部分の部分的減成であり、それは、異なる分子量を有するフィブリノーゲンの3つの形を生じる。フィブリノーゲンは、610個のアミノ酸を含むAα鎖を有するところの、340 kDaの分子量を有する高分子量形(HMW)で合成される。Aα鎖のうちの1つの減成は、低分子量形(LMW)(MW=305 kDa)を生じ、その後、他方の鎖が影響されそしてLMW’形(270 kDa)が作成される。健康な人の血液では、フィブリノーゲンの約70%がHMW形で生じ、26%がLMW形であり、4%がLMW’形で生じる。HMWのLMW及びLMW’への転化を引き受ける酵素は現在までに同定されていないが、多くの酵素(例えばエラスチン及びプラスミン)は既に除外されている。LMWフィブリノーゲンは、HMWフィブリノーゲンよりもわずかによりゆっくりと凝固し、LMW’形は最もゆっくりと凝固する。また、血小板のADPで誘発された塊は、HMWフィブリノーゲンよりもLMWでより少ない。
脈管形成
脈管形成すなわち既存の血管からの新しい血管の外方成長は、胚発達の間の本質的なプロセスであり、大人において(黄体及び胎盤の形成中の)女性の生殖システムにおいて及び創傷治療においてのみ通常生じる。さらに、脈管形成は、多くの病理学的状態、例えば慢性炎症、リウマチ様関節炎、腫瘍及び糖尿病の網膜症にまた伴う。脈管形成のこれら2つの形の間の主な違いは、「病理学的脈管形成」において、プロセスが、血管漏出、炎症細胞例えば単球及びリンパ細胞の浸潤並びにフィブリンの存在によって達成されるということである。血管の創傷後に又は血漿から組織へのフィブリノーゲンの漏出によって形成されるフィブリンは、多くの失血を防ぐための障壁として機能するだけではなくて、新しい血管がその中に例えば創傷治療の間に侵入し且つ成長できるところのマトリックスでもある一時的マトリックスを形成する。
脈管形成プロセスは、血管新生成長因子及びサイトカインによって内皮細胞の活性化後に発動される。これらは、内皮細胞下で基礎膜の減成のために必要である蛋白質分解酵素を生成するように進む。この後に、内皮細胞の、下にある基礎を成す間質組織/マトリックスへの移動、引き続き内皮細胞の増殖が続く。脈管形成プロセスの終わりに、内皮細胞間での内腔の形成後に、新しい基礎細胞膜の堆積によって及び内皮細胞と周皮細胞との間の緊密な相互作用に入ることよって新しい血管が安定化されることが必要である。
脈管形成の開始及び進行は、血管新生成長因子及びサイトカイニンによって緊密に制御されるが、それは適切な(一時的)マトリックス中で行われる場合に、単に生じることができる。これがその場合でないならば、内皮細胞は刺激に非感受性になるか又は刺激に応答するが引き続きアポトーシスに入る。細胞受容体例えばインテグリンによる内皮細胞とフィブリンマトリックスとの相互作用が、刺激への細胞の応答を大いに決定する。これらの癒着分子は、マトリックスへの細胞の癒着を提供するだけでなく、細胞への生化学的シグナルをまた伝える。これらの生化学的シグナルを通じて、細胞はマトリックス組成物についての情報を獲得し、そして特定の血管新生因子及びサイトカイニンに対する細胞の「応答性」が影響を受ける。
内皮細胞による一時的マトリックスの制御された侵入は、創傷治療の間の脈管形成のプロセスにとってまた非常に重要である。過度に速い内方成長は、マトリックスの過度に速い減成、および従って不十分な創傷治療をもたらす。その上、血管の過度に遅い内方成長は瘢痕組織をもたらしうる。それ故に、一時的マトリックス中の内皮細胞の内皮成長は、それらの受容体を有する多くの蛋白質分解酵素及び多くの阻害剤によって強く調節される。例は、ウロキナーゼ型プラスモノーゲン(u-PA)/プラスミンシステム及び種々のマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の酵素を含む。特に、該第1のシステムは、一時的フィブリンマトリックス中の血管の形成に重要な役割を果たす。
脈管形成におけるフィブリノーゲン
脈管形成の決定要素についての研究は、添加された(成長)因子の最適化に集中されてきた。フィブリノーゲン分子の通常の変異の役割は、まだ取組まれていないが、幾分の注意が、フィブリノーゲンNieuwegei(フィブリノーゲンに共有的に結合されるアルブミンを生じ、フィブリン血餅の形成における立体妨害を与えるフィブリノーゲンのまれな変異体)の影響に払われている。このフィブリノーゲンはまた、強く延長された凝固時間を示し、非常に明瞭な血餅を与える(Collen等、Blood、第97巻: 973-980頁、2001年)。
我々は、細胞の成長及び特にフィブリノーゲンから形成されたフィブリンマトリックス中の細胞及び血管(脈管形成)の形成及び内方成長に対してフィブリノーゲンが及ぼす影響について深い研究を行なった。詳細には、我々は、フィブリノーゲンの通常の自然に生じる変異体間に何らかの違いが発生するかどうかを調査した。
驚いたことに、我々は、フィブリノーゲンの異なる変異体が細胞成長及び特に、小さな血管の形成及び内方成長に対して異なる影響を及ぼすことを見出した。より詳細には、我々は、基本的にHMW、LMW及びLMW’フィブリノーゲンの混合物である総フィブリノーゲンと比較して、LMWフィブリノーゲンが、減少された細胞及び血管内方成長を与えることを確立した。これは、LMW’フィブリノーゲンにも該当する。HMWフィブリノーゲンは対照的に、総フィブリノーゲンと比較して、細胞成長を助長し、そして増加した細胞及び血管内方成長をもたらす。
本発明の下記の詳細な説明で述べられているように、この発見は、様々な方法で且つ異なる目的のために利用されうる。
本発明は、細胞の成長及び内方成長に関してフィブリンマトリックスの特性を修飾する方法であって、前記フィブリンマトリックスを形成するために、選択されたフィブリノーゲン変異体又は選択されたフィブリノーゲン変異体に豊む若しくは乏しいフィブリノーゲンから成るフィブリノーゲンが使用される前記方法を提供する。
図1は、写真A〜Hを含み、実験の3日後(写真A〜D)及び7日後(写真E〜H)後の結果を夫々示し、ここでヒト微小血管内皮細胞(hMVEC)が3次元フィブリンマトリック上に播かれ、該フィブリンマトリックスは分画されていないフィブリノーゲン(写真A、B、E及びF)、HMWフィブリノーゲン(写真C及びG)又はLMWフィブリノーゲン(写真D及びH)から作成され、刺激されていない(写真A及びE)又はbFGF+TNFαの組み合わせで刺激されている(写真B〜D及びF〜H)。写真は、3つの異なる実験からの代表である。 図2は、写真A〜Dを含み、試験の7日後の結果を示し、ここでヒト微小血管内皮細胞(hMVEC)が、3次元フィブリンマトリックス上に播かれ、該フィブリンマトリックスは、100%HMWフィブリノーゲン(写真A)、90% HMW+10% LMWフィブリノーゲン(写真B)、80% HMW+20% LMWフィブリノーゲン(写真C)又は60% HMW+40%LMWフィブリノーゲン(写真D)から作成され、及びbFGF及びTNFαの組み合わせで刺激されている。写真は、3つの異なる実験からの代表である。 図3は、フィブリンマトリックス上での内皮細胞成長上でのフィブリノーゲン・タイプの変異の影響を示す。上の写真は、100% HMWフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックスに関する。真ん中の写真は、70% HMW+30% LMWフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックスに関する。下の写真は、60% HMW+40% LMWフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックスに関する。 図4は、フィブリンマトリックス上の平滑筋細胞成長に対するフィブリノーゲン・タイプの変異の影響を示す。上の写真は、100% HMWフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックスに関する。真ん中の写真は、70% HMW+30% LMWフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックスに関する。下の写真は、50% HMW+50% LMWフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックスに関する。 図5は、フィブリンマトリックス上の線維芽細胞細胞成長に対するフィブリノーゲン・タイプの変異の影響を示す。上の写真は、100% HMWフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックスに関する。下部の写真は、70% HMW+30% LMWフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックスに関する。
細胞の成長及び内方成長に関してフィブリンマトリックスの修飾されるべき特性について、様々な特性が考慮されうる。好ましくは、これは、血管の成長及び内方成長に関係する特性、例えばより詳細には脈管形成特性を含む。本明細書で特に考慮されるべきことは、脈管形成を加速する修飾又は脈管形成を減速する修飾である。
本明細書において「フィブリノーゲン変異体」は、正常なヒトに生じるフィブリノーゲンの変異体を特に意味すると理解される。「正常なヒト」は、正常なフィブリノーゲンを有する健康なヒトを意味すると理解される。特に考慮されるべきことは、HMWフィブリノーゲン、LMWフィブリノーゲン、LMW’フィブリノーゲン、Fib420フィブリノーゲン及びガンマ’フィブリノーゲンからなる群から選択される正常なフィブリンーゲン変異体である。しかしながら、フィブリンーゲンの他の自然の又は人工的な変異体例えば多形による変異体例えばT/A312フィブリノーゲン及びR/K448フィブリノーゲン、異常なホスホリル化及び/又はグリコシル化を有する変異体、及び例えば組み換えDNA技術によって人工的に切り取られた変異体がまた、細胞成長及び細胞内方成長に関してフィブリンマトリックスの特性を修飾するために使用されうる。人工的に切り取られた変異体の例は、ちょうどLMWフィブリノーゲンのように、Aα鎖の1つの一部(自然のLMWフィブリノーゲンよりもより大きい又はより小さい部分)を欠く。LMW様変異体を含む。他の例は、ちょうどLMW’フィブリノーゲンのように、両方のAα鎖が部分的に欠けているが、欠けた部分が自然のLMW’フィブリンーゲンよりもより大きい又はより小さいところのLMW’様変異体に関する。
本発明は、単離によって自然のフィブリノーゲンから回収された選択されたフィブリノーゲン変異体の使用だけでなく、組み換えDNA技術によって生産された選択されたフィブリノーゲン変異体の使用に関係する。フィブリノーゲンの組み換え生産は、文献例えば米国特許第6,037,457号明細書中に記載されている。
本発明の好ましい実施態様では、フィブリンマトリックスの形成のために、HMWフィブリノーゲン、又はHMWフィブリノーゲンに豊む複数のフィブリノーゲン変異体若しくはLMWフィブリノーゲン及び/又はLMW’フィブリノーゲンに乏しい複数のフィブリノーゲン変異体の混合物から成るフィブリノーゲンが使用される。この実施態様では、形成されたフィブリンマトリックスは、加速された脈管形成をもたらす。
本発明の他の好ましい実施態様では、フィブリンマトリックスの形成のために、LMWフィブリノーゲン、又はLMWフィブリノーゲンに豊む複数のフィブリノーゲン変異体若しくはHMWフィブリノーゲンに乏しい複数のフィブリノーゲン変異体の混合物から成るフィブリノーゲンが使用される。この実施態様では、形成されたフィブリンマトリックスは、減速された脈管形成をもたらす。
本発明のなお他の実施態様では、フィブリンマトリックスの形成のために、LMW’フィブリノーゲン、又はLMW’フィブリノーゲンに豊む複数のフィブリノーゲン変異体若しくはHMWフィブリノーゲンに乏しい複数のフィブリノーゲン変異体の混合物から成るフィブリノーゲンが使用される。この実施態様ではまた、形成されたフィブリンマトリックスは、減速された脈管形成をもたらす。
本発明のなお他の実施態様では、フィブリンマトリックスの形成のために、Fib420フィブリノーゲン、又はFib420フィブリノーゲンに豊む複数のフィブリノーゲン変異体の混合物から成るフィブリノーゲンが使用される。
本発明のなお他の実施態様では、フィブリンマトリックスの形成のために、ガンマ’フィブリノーゲン、又はガンマ’フィブリノーゲンに豊む複数のフィブリノーゲン変異体の混合物から成るフィブリノーゲンが使用される。
本明細書で、選択されたフィブリノーゲン変異体に豊む又は乏しいフィブリノーゲン変異体の混合物と言う場合、これは天然のフィブリンーゲンからなる混合物に対して豊富又は枯渇を言うと理解される。それ故に、HMWフィブリノーゲンに豊む又はLMWフィブリノーゲンに乏しい混合物は夫々、70%よりも有意に多いHMWフィブリノーゲン(好ましくは、80% よりも多い、より好ましくは90%よりも多い)、又は26%よりも有意に少ないLMWフィブリノーゲン(好ましくは、20%よりも少ない、より好ましくは10%よりも少ない)を含む混合物を言うと理解される。反対に、LMWフィブリノーゲンに豊む又はHMWフィブリノーゲンに乏しい混合物は夫々、26%より有意に多いLMWフィブリノーゲン(好ましくは、40%よりも多い、より好ましくは50%よりも多い)、又は70%よりも有意に少ないHMWフィブリノーゲン(好ましくは、60%よりも少ない、より好ましくは50%よりも少ない)を含む混合物を言うと理解される。LMW’フィブリノーゲンに豊む又は乏しい混合物は夫々、4%よりも有意に多い又は有意に少ないLMW’フィブリノーゲン(好ましくは夫々、10% LMW’よりも多いフィブリノーゲン、2%よりも少ないLMW’フィブリノーゲン、より好ましくは1%よりも少ないLMW’フィブリノーゲン)を含む混合物を言うと理解される。Fib420フィブリノーゲンに富む又は乏しい混合物は夫々、5%よりも有意に多い又は少ないFib420フィブリノーゲン(好ましくは、10%よりも多いFib420フィブリノーゲン、より好ましくは20%より多いFib420フィブリノーゲン、又は好ましくは2%よりも少ないFib420フィブリノーゲン、より好ましくは1%よりも少ないFib420フィブリノーゲン)を含む混合物を言うと理解される。ガンマ’フィブリノーゲンに豊む又は乏しい混合物は夫々、8%よりも有意に多い又は有意に少ないガンマ’フィブリノーゲン(好ましくは、15%よりも多いガンマ’フィブリノーゲン、より好ましくは20%よりも多いガンマ’フィブリノーゲン、又は好ましくは4%よりも少ないガンマ’フィブリノーゲン、より好ましくは2%よりも少ないガンマ’フィブリノーゲン)を含む混合物を言うと理解される。
本明細書中で使用される用語「フィブリンマトリックス」は、広い意味を有する。通常、フィブリンマトリックスは、自然による場合のように、フィブリン繊維のネットワークの形でフィブリンマトリックスの基礎を形成するフィブリンに加えて、他の物質もまた含むであろう。しかしながら、用語「フィブリンマトリックス」は、組成物としての、多かれ少なかれ自然のフィブリンマトリックスだけでなく、自然の組成から外れた成分の比を示す人工的なフィブリンマトリックス例えばフィブリン及びコラーゲンをもまた言うと理解される。
本発明では、イン ビトロ(in vitro)ならびにイン ビボ(in vivo)のプロセスに関する。好ましい実施態様の1つに従い、フィブリンマトリックスは、イン ビトロで形成され、フィブリンマトリックスは、フィブリノーゲンを適切な酵素例えばトロンビン並びに任意的にXIIIa因子及び塩化カルシウムによってフィブリンに転化することによって形成される。このようにして得られたフィブリンマトリックスは、例えば脈管形成テストで使用されてもよい。そのようなテストは、新しい科学的な洞察に向けられ又はそれらの可能な行動のための物質又は脈管形成における影響を試験するために使用されてもよい。多くの場合、細胞及び血管の内方成長が速く起きるなら、これは好ましく、このことは、本発明に従い、HMVフィブリノーゲン又はHMVフィブリノーゲン中に富むフィブリノーゲン変異体の混合物を使用した場合のように、フィブリノーゲン変異体を使用することによって得られることができ、加速された脈管形成特性を有するフィブリンマトリックスをもたらす。
他の好ましい実施態様によれば、本発明は、フィブリンマトリックスがイン ビボで形成される方法に関し、フィブリノーゲン、任意的に適切な酵素例えばトロンビンとともに並びに任意的にXIIIa因子及び塩化カルシウムは、フィブリンマトリックスの形成が生じるところの場所に適用される(局所適用)。例えば、フィブリノーゲンは、腫瘍成長、瘢痕形成、癒着などを阻害し若しくは防ぐために、又はやけど及び他の創傷の治療を促進するために適用される。
瘢痕形成に対する作用は、以下のように説明されうる。血管壁障害の場合に、フィブリンが、出血を止めるネットワークを形成する。その後、フィブリンネットワークは、瘢痕組織を形成し始める線維芽細胞、内皮細胞及び内皮細胞前駆体細胞のためのマトリックスとして機能する。細胞の内方成長(=脈管形成)の速度が、瘢痕形成の程度を協調して決定する。特定の組成物のフィブリノーゲン「シーラント」の層の創傷への適用は、脈管形成の速度及び従って瘢痕形成の程度に影響を及ぼすだろう。例えば、HMWに富むシーラントは、より速い血管内方成長及びより少ない瘢痕組織をもたらすだろう。
癒着に関する限り、これらが外科手術後にしばしば生じる。腹部の手術を受けた患者の80〜95%までが、癒着に関してより大きい又はより小さい程度の問題を有する。癒着は、結合組織の薄膜、又は血管を有する厚い繊維層、又は器官表面間の直接接触から成りうる。癒着は、女性の不妊症、又は腸閉塞を含む種々の併発症を与えるかもしれない。癒着は、外科手術によるだけでなく、例えば感染症、炎症疾病、子宮内膜症などによっても引き起こされる。プロセスの第1ステップは、フィブリンの形成を含む。これは、線溶系によって再び時間が経つと溶かされるに違いない。フィブリンが時間と共に溶けない場合、フィブリン癒着が発展するかもしれない。フィブリンは、実際に線維芽細胞の内方成長のためのマトリックスであり、これは引き続き、コラーゲン沈殿及び血管内方成長をもたらし、従って永久的な癒着をもたらすかもしれない。血管の内方成長及び線維芽細胞の内皮成長がその中で減速されるところのフィブリノーゲンの導入は、癒着の発生を予防することを助けるだろう。また、外科手術では、癒着を防ぐフィブリノーゲンの層が、夫々の器官に直接的に適用されうる。
しかしながら、局所投与に加えて、イン ビボの適用も可能であり、そこではフィブリノーゲンが、例えば静脈注射若しくは輸液、又は目的とする対象に適切である投与の何らかの他の方法によって全身的に投与される。
他の可能性は、フィブリンマトリックスがイン ビボで形成され、選択されたフィブリノーゲン変異体が、イン シチューで他のフィブリン変異体から形成されるということである。そのような代替アプローチの例は、例えばポスト血栓性症候群(オープンレッグ)の治療の範囲内で、HMWフィブリノーゲンのLMWフィブリノーゲンへの転化の刺激である。この転化は、酵素又は酵素の組み合わせの影響下で自然に生じる。これは、例えば酵素の発現を増加させることにより又は酵素それ自身若しくはそのアゴニストを投与することによって、それらの追加の刺激のために使用されてもよい。
本発明は、フィブリノーゲン及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物であって、前記フィブリノーゲンが、選択されたフィブリノーゲン変異体、又は選択されたフィブリノーゲン変異体に豊む若しくは乏しいフィブリノーゲンから成る医薬組成物においてまた具体化される。
前記医薬組成物は、フィブリノーゲンと一緒に又はフィブリノーゲンとは離れて、他の構成成分例えばXIIIa因子及び塩化カルシウムをまた任意的に含んでもよい。該医薬組成物は、適切な酵素、例えばトロンビンを、フィブリノーゲンとは離して含んでもよい。「適切な酵素」は、フィブリノーゲンをフィブリンに転化させることが可能な酵素を言うと理解される。この転化は、目的個所での適用の間及び適用後まで通常生じないので、するとこの酵素が適用の間にフィブリノーゲンと一緒にされなければならない。
本発明の特定の実施態様では、フィブリノーゲンが、HMWフィブリノーゲン、又はHMWフィブリノーゲンに豊むフィブリノーゲン変異体若しくはHMWフィブリノーゲン及び/又はLMW’フィブリノーゲンに乏しい複数のフィブリノーゲン変異体の混合物から成る医薬組成物に関する。そのような医薬組成物は、創傷治療を促進し、瘢痕形成を阻害し若しくは予防し、又は火傷を治療するために適している。
本発明の他の好ましい実施態様に従うと、フィブリノーゲンが、LMWフィブリノーゲン及び/又はLMW’フィブリノーゲン、又はLMWフィブリノーゲン及び/又はLMW’フィブリノーゲンに豊む複数のフィブリノーゲン変異体若しくはHMWフィブリノーゲンに乏しい複数のフィブリノーゲン変異体の混合物から成る医薬組成物に関連する。そのような医薬組成物は、腫瘍成長又は癒着を阻止し又は予防するために適している。
本発明は、フィブリノーゲンを含む、フィブリンマトリックスの形成のための成分を含むテストキットであって、前記フィブリノーゲンが、選択されたフィブリノーゲン変異体、又は選択されたフィブリノーゲン変異体に豊む若しくは乏しいフィブリノーゲンから成るテストキットにまた関する。
好ましくは、フィブリノーゲンがHMWフィブリノーゲン、又はHMWフィブリノーゲンに豊む複数のフィブリノーゲン変異体若しくはLMWフィブリノーゲンに乏しい複数のフィブリノーゲン変異体の混合物から成るテストキットに関する。通常、テストキットは、フィブリノーゲンからフィブリンを形成するために適している酵素例えばトロンビン並びに任意的にXIIIa因子及び/又は塩化カルシウムをさらに含む。酵素は、存在すれば、フィブリノーゲンの早すぎる転化を予防するために、分離された容器内に通常存在する。また、テストキットは、脈管形成をもたらすための成分をさらに含む。テストキットは、脈管形成をもたらすための成分として、1つ又はそれ以上の血管新生成長因子例えば線維芽細胞増殖因子-2(FGF-2)若しくは血管内皮成長因子(VEGF)及び/若しくは腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、並びに/又は細胞例えばヒト内皮細胞を含む。
まとめると、本発明の次の用途が言及されうる。
・ティッシュ・エンジニアリング:例えばHMWフィブリノーゲン形に富むフィブリンーゲンを使用することによって、細胞成長に関連するフィブリン含有マトリックスの特性の調整、例えば加速された脈管形成(例えばフィブリンシーラント、創傷治癒、やけど)のためのフィブリン含有マトリックスの適正化。
・ティッシュ・エンジニアリング:例えばLMWフィブリノーゲン形に富むフィブリンーゲンを使用することによって、細胞成長に関連するフィブリン含有マトリックスの特性の調整、例えば減速された脈管形成(例えば腫瘍の成長の阻害、フィブリンシーラント)のためのフィブリン含有マトリックスの適正化。
・フィブリノーゲン全体の使用の間に、現在7日間かかるイン ビトロ脈管形成テストの加速化。例えばHMWフィブリノーゲンを使用することによってフィブリンマトリックス中の血管の加速された内方成長は、イン ビトロテストの実質的な加速を生じ、従ってそれらはより少ない時間かかる。
・例えば瘢痕成長、癒着などを阻害し及び最も好ましくは防ぐために、フィブリン含有マトリックス上での細胞成長の促進又は阻害。
・細胞成長がその中で刺激され又は阻害されるフィブリンマトリックスの形成を許す目的でHMWフィブリノーゲン/LMWフィブリノーゲン比のイン ビボでの調整。これは、例えばポスト血栓性症候群(オープンレッグ)の処理の範囲内で行うれうる。HMW/LMWフィブリノーゲン比の意図される調整は、HMWからLMWへの転化を刺激し又は阻害することによって、例えばこの転化を行う幾つかの酵素の内のひとつ又は幾つか、あるいは適切なアンタゴニストを添加することによって、実現されうる。また、それぞれの酵素の内因性生産が、刺激され又は阻害されうる。
実施例
以下の実施例で使用されたイン ビトロ脈管形成モデルは、3次元フィブリンマトリックス中のヒト包皮微小血管内皮細胞(hMVEC)の内方成長に基づく(なお、他の哺乳動物の包皮微小血管内皮細胞がまた使用されてもよい)。フィブリンマトリックスの上にコンフルエント単層でhMVECを播いた後、これらのhMVECは、血管様構造がその中で形成されるフィブリンマトリックスを侵入するように刺激されうる。この血管形成は、炎症メディエータ 腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)との組み合わせで、血管新生成長因子例えば線維芽細胞増殖因子-2(FGF-2)又は血管内皮成長因子(VEGF)でhMVECの刺激後に生じる。
湿潤毛細血管構造の電子顕微鏡分析は、内方成長細胞に加えてフィブリン構造が部分的に壊されていることを明らかにし、それは蛋白質分解プロセスが細胞湿潤特に細胞結合u-PA及びプラスミン活性に関係することを示す(クールウィック(Koolwijk)等、J. CellBiol. 第132巻: 1177-1188頁、1996年)。
これらの実験は、特に商業的に入手されたヒトフィブリノーゲンを用いて実行された。このフィブリノーゲンは、HMW、LMW及びLMW’形の混合物から成る。このフィブリノーゲン混合物を使用する場合、血管形成の開始が約3日後に始まり、そして血管様構造の量が画像解析システム(Koolwijk等、J. CellBiol. 第132巻: 1177-1188頁、1996年)によって7〜10日後に信頼性をもって測定されうる。
また、実験が、HMWに富む及びLMWに富むフィブリノーゲンを用いて実行された。
ヒト内皮細胞の培養条件
ヒト包皮微小血管内皮細胞(hMVEC)が単離されそして培地M199(Biowitthaker社、ベルビアス、ベルギー、Proc. Soc. Exptl.、Biol.Med.、第73巻:1-8頁、1950年、Morgan, Morton 及びParkerの記載)、2 mM L-グルタミン、20 mMHEPES (pH 7.3) (Biowitthaker社、ベルビアス、ベルギー)、10% 熱不活性化ヒト血清(地元の血液バンクから得られた15〜20人の提供者からのプールされた血清)、10% 熱不活性化新生ウシ血清(Invitrogen社、ペーズリー、スコットランド)、 150 μg/mL 粗内皮細胞成長因子サプリメント(ECGFs) (ウシの脳から用意された)、 5 U/mL ヘパリン(Leo Pharmaceutical Products社、ウェースプ、オランダ)、100 IU/mL ペニシリン及び100μg/mL ストレプトマイシン(Biowitthaker社))中でフィブロネクチンで覆われた又はゼラチンで覆われた培養プレート中で培養された。経過10細胞が、イン ビトロ脈管形成及び細胞成長実験のために使用された。
細胞成長実験のために、コンフルエントな内皮細胞(MVEC)が、0.05% トリプシン/1 mmol/LEDTA を使用して、1%ゼラチンで覆われたプラスチック培養フラスコから分離され、そして100 IU/ml ペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、10% ヒト血清、10% 新生ウシ血清、0.1% ヘパリン及び0.75% (w/v) ECGFを追加されたM199培地で培養された。
ヒト平滑筋細胞の培養条件
Negre-Aminouら(Biochim. Biophys.Acta、1997年; 第1345巻: 259-268頁)によって記述されるように、ヒトの左の乳腺動脈平滑筋細胞が単離された。コンフルエントな細胞は、0.125% トリプシン/2.5mmol/l EDTAを使用してプラスチック培養フラスコから分離され、そして100 IU/ml ペニシリン、100 μg/ml ストレプトマイシン、10%ウシ胎仔血清及び10% ヒト血清を追加されたDMEM培地で培養された。
ヒト角膜線維芽細胞の培養条件
Negre-Aminouら(Biochim. Biophys.Acta、1997年; 第1345巻: 259-268頁)によって記述されるように、ヒト角膜線維芽細胞が単離された。コンフルエントな細胞は、0.125%トリプシン/2.5mmol/l EDTAを使用してプラスチック培養ビンから分離され、そして100 IU/ml ペニシリン、100 μg/ml ストレプトマイシン及び10%ウシ胎仔血清を追加されたDMEM培地で培養された。
イン ビトロ内皮細胞成長
内皮細胞(MVEC)は、トリプシン/EDTAを使用して培養ウェルから分離され、そしてフィブリンマトリックス上に直接的に播かれた(70%コンフルエンシー)。48時間後に、細胞の状態及び量の視覚評価のための細胞の写真が取られた。
結果が図3に示される。100% HMWフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックス上で、内皮細胞は、70% HMW + 30 % LMW フィブリンーゲンで作成されたフィブリンマトリックス上よりも速く成長し、そして該成長は、60% HMW + 40% フィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックス上でよりも少ない。
イン ビトロ平滑筋細胞成長
平滑筋細胞は、トリプシン/EDTAを使用して培養ウェルから分離され、そしてフィブリンマトリックス上に直接的に播かれた(70%コンフルエンシー)。48時間後に、細胞の状態及び量の視覚評価のための細胞の写真が取られた。
結果が図4に示される。100% HMWフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックス上で、平滑筋細胞は、70% HMW + 30 % LMW フィブリンーゲンで作成されたフィブリンマトリックス上よりも速く成長し、そして該成長は、60% HMW + 40% LMWフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックス上でよりも少ない。
イン ビトロ線維芽細胞成長
線維芽細胞は、トリプシン/EDTAを使用して培養ウェルから分離され、そしてフィブリンマトリックス上に直接的に播かれた(70%コンフルエンシー)。48時間後に、細胞の状態及び量の視覚評価のための細胞の写真が取られた。
結果が図5に示される。100% HMWフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックス上で、線維芽細胞は48時間後にマトリックススを分解し、一方70% HMW + 30 % LMW フィブリンーゲンで作成されたフィブリンマトリックス上で、細胞は、少なくとも7日間までマトリックスの分解なしにうまく広がり且つ成長する。
HMW及びLMWフィブリノーゲンの精製
(Van Ruyven-Vermeer& Nieuwenhuizen、Biochem. J.、第169巻: 653-658頁、1978年による方法に従い血漿から精製された、又は商業的に入手された)フィブリノーゲン全体から、フィブリノーゲンのHMW、LMW及びLMW’形が精製される。
フィブリノーゲンは、生理学的バッファー例えばオーレンバッファ又はTris/HClバッファー(10mM Tris/HCl、pH 7.4)中に溶解され/透析される。これに、19%の最終濃度まで硫酸アンモニウムがゆっくり添加される。このようにして得られた溶液は、室温で15〜30分の間混合され、その後2500rpmで10分間遠心分離された。ペレットは、開始容量バッファー(注意深く揺らされている間37℃)中に含められ、そして19 %硫酸アンモニウム沈殿ステップが再度実行される。このステップの後、ペレットは純粋のHMW(±99 %純粋)を含み、それはバッファー中に再び含められる。
第1の沈殿ステップの上清に、22%の最終濃度まで硫酸アンモニウムが添加される。混合及び遠心分離後、上清が集められる。これに、24%の最終濃度まで硫酸アンモニウムが今添加され、混合及び遠心分離後にペレットがバッファー中に含められる。このペレットは、純粋なLMWフィブリノーゲン(±95%純粋)を含む。
上清に、24%の最終濃度まで硫酸アンモニウムが添加される。混合及び遠心分離後、上清が集められる。これに、今度は27%の最終濃度まで硫酸アンモニウムが添加され、混合及び遠心分離後にペレットがバッファー中に含められる。このペレットは、純粋なLMW’フィブリノーゲン(±95%純粋)を含む。
その後、HMW、LMW及びLMW’フィブリノーゲンを有する溶液が透析され(PBS又はM199に対して)、非還元条件下でSDS-PAGEによって純度が確認され、濃度が280 nmで吸光度を測定することによって決定され、そして調製物は脈管形成実験での使用の為に-80℃で保存された。
フィブリンーゲンの他の形の精製
特定の遺伝子型を有するボランティア及び/又は患者からのフィブリノーゲン又は増加した/減少した濃度の変異フィブリンーゲン(表参照)が、Van Ruyven-Vermeer 及び Nieuwenhuizen、Biochem. J.、第169巻:653-658頁、1978年による方法に従い精製された。その後、精製されたフィブリノーゲンは透析され(PBS又はM199に対して)、非還元条件下でSDS-PAGEによって純度が確認され、濃度が280 nmで吸光度を測定することによって決定され、そして調製物は脈管形成実験での使用の為に-80℃で保存される。
フィブリンゲルの調製
三次元のヒトフィブリンマトリックスが、M199中の2mg/mlのフィブリノーゲン溶液の100μ/mlに100 U/mlトロンビン溶液の2μlを加えることによって調製された。いくつかの実験では、5 mM 塩化カルシウムとともにXIIIa因子が添加された。重合の1時間後に、トロンビンが、10 % ヒト血清及び10 % 新生ウシ血清とともに0.2mL M199で、2〜4時間の間マトリックスをインキュベーションすることによって不活性化された。全ての実験は、少なくとも2回実行された。
イン ビトロ脈管形成アッセイ
内皮細胞は、トリプシン/EDTAによってフィブロネクチンで覆われた又はゼラチンで覆われた培養プレートから分離され、そしてフィブリンマトリックス上に直接的にコンフルエントに播かれた。24時間後に、及び引き続きいつも48時間後に、内皮細胞がM199、10% ヒト血清、10% 新生ウシ血清、10 ng/ml bFGF 及び10 ng/ml TNFαで刺激された。基礎をなすマトリックスの侵入による内皮細胞の血管様構造の形成は、位相差顕微鏡法(Koolwijk等、J. CellBiol.、第132巻: 1177-1188頁、1996年) によって解析された。
図1は、形成されたフィブリンマトリックス中の血管内方成長に対するフィブリノーゲン・タイプの変異の影響を示す。分画されていないフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックス上で、hMVECは対照(刺激されていない)条件(写真A及びE)下で成長しない。bFGF及びTNFαの組み合わせで刺激された場合、約3日後に、血管形成の「開始」が可視的になり(写真Bの矢印を参照)、7日後に、逆転顕微鏡上に備え付けられたビデオカメラによって、及び画像解析プログラム(写真F)によって測定されるのに十分大きな血管様構造まで成長された。これらの血管様構造の断面は、これらの構造が内皮細胞によって囲まれた内腔を含むことを示す(結果は示されていない)。精製されたHMVフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックス上のhMVECが播かれる場合、hMVECの内方成長がはるかに速く生じることが目に見える。bFGF及びTNFαでの刺激の3日間後に、大きな血管様構造が既に検知可能であり、それはその時に、画像解析装置によって非常に良く測定されうる(写真C)。7日後に、非常に多くの内方成長するhMVECが既に可視なので、それは画像解析装置(写真G)でもはや適切に測定されない。これは全て、マトリックスが精製されたLMWフィブリノーゲンで作成される場合に見られることと対照的である。その後、hMVECは、刺激の3日及び7日後(写真D及びH)、及び10日後でも(データは示されていない)に、血管様構造をもはや形成しない。
図2は、HMWフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックス内の血管内方成長に対するLMWフィブリノーゲンの量の影響を示す。100% HMWフィブリノーゲンで作成されたフィブリンマトリックス上で、非常に多くの内方成長する、血管を形成するhMVECが、7日の刺激期間の後に可視である(写真A)。より多くのLMWフィブリノーゲンがマトリックスの凝固の間添加されると、hMVECはより少ない血管様構造を形成できる。60% HMW及び40% LMWの比率で、血管内方成長がもはや実際に生じないことが見られる(写真D)。
結果
記載された実験では、天然に生じるフィブリノーゲンの突然変異が、(イン ビトロ脈管形成において)フィブリンマトリックス内での血管の内方成長に影響を及ぼすことが分かった。したがって、hMVECは、フィブリノーゲン全体(分画されていない、混合の)に比べ、フィブリノーゲンのHMW形から形成されたフィブリンマトリックスにおける加速された内方成長を示すことが明らかである。フィブリノーゲンのLMW形から形成されたフィブリンマトリックスにおける血管内方成長が考慮される場合、それはもはや全く生じないことが明らかであった。10日間の刺激後でさえ、血管様構造が形成されないことは明らかであった。
フィブリンマトリックスが、HMW及びLMWフィブリノーゲンの混合物で作成されている場合、LMWフィブリノーゲンのパーセントが大きくなると、脈管形成がより速くなく生じることが明らかであった。60% HMW/40% LMWフィブリノーゲンで作成されたマトリックスでは、血管様構造が7日後にほとんど可視でなかった。
Figure 0005248547

Claims (4)

  1. フィブリンマトリックスの脈管形成特性のin vivoでの修飾の為の医薬組成物であって、該医薬組成物が、HMWフィブリノーゲンから成り、又は80%より多いHMWフィブリノーゲン並びに20%より少ないLMWフィブリノーゲン及び/又は2%より少ないLMW’フィブリノーゲンの混合物から成るフィブリノーゲンを含み、且つ該フィブリンマトリックス中の脈管形成が該フィブリノーゲンにより加速される、前記医薬組成物。
  2. 該医薬組成物が、フィブリノーゲンをフィブリンに転化する酵素を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 該酵素がトロンビンである、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 該医薬組成物がXIIIa因子及び/又は塩化カルシウムを含む、請求項2又は3に記載の医薬組成物。
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