JP5247706B2 - 抗細菌活性を持つ鏡像異性化合物 - Google Patents

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Description

[0001]本発明は、細菌メチオニルtRNAシンテターゼ(MetRS)を阻害する二環芳香族複素環化合物の新規鏡像異性体に、そして該異性体の調製プロセス、および抗細菌剤としての、療法における該異性体の使用に関する。さらに、本発明は、クロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)に基づく感染および疾患の治療におけるこれらの鏡像異性化合物の使用に関する。
[0002]抗細菌剤の検索は、「微生物」がヒト疾患を引き起こすことがわかった1800年代後期に始まった。前世紀の間、科学者らは、多くの細菌株をターゲティングし、そして阻害するのに有用な多様な薬剤を開発した。特に、抗生物質として知られる抗細菌剤が開発され、そして大部分の既知の細菌感染を治療するため、先進工業国の間で一般的に使用されている。元来、ペニシリンのような抗生物質は、細菌細胞壁の構築に関与する酵素であるトランスペプチダーゼの作用を遮断することによって、細菌の複製を阻害した。しかし、過度の使用および多くの細菌株の耐性適応のため、多くの抗生物質は、感染を治療する際の有効性のある程度またはすべてを失った。新規分子増殖機構をターゲットとする一連の抗細菌剤は、抗生物質耐性のさらなる増進を回避するのに有用であろう。1つのこうしたターゲットは、tRNAシンテターゼである。
[0003]tRNAシンテターゼは、タンパク質生合成に関与するため、その阻害は細胞増殖の中断につながると予期されうる。したがって、例えば、化合物、ムピロシンは、イソロイシルtRNAシンテターゼの阻害剤であることが示されている。ムピロシンは、生物、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)によって産生され、そしてGlaxoSmithKlineによって市販される製品Bactroban(登録商標)中の活性成分として用いられる抗細菌剤である。各tRNAシンテターゼは、薬剤発見のための別個のターゲットに相当する。哺乳動物細胞よりも細菌細胞に対して選択的であるtRNAシンテターゼ阻害剤は、抗細菌剤として用いられる潜在的可能性を有するため、療法的にかなり興味深い。
[0004]グラム陽性生物である黄色ブドウ球菌(S. aureus)中のtRNAシンテターゼ遺伝子の配列が最近決定され(例えば、黄色ブドウ球菌MetRSに関する、欧州特許出願第97300317.1号、SmithKline Beechamを参照されたい)、それによって、阻害剤を同定するプロセスが補助された。さらに、他の病原性細菌、例えばグラム陰性生物、インフルエンザ菌(H. influenzae)のtRNAシンテターゼ遺伝子の配列もまた公表されている(R.D. Fleischmannら, Science, 269, 496−512, 1995)。
[0005]MetRSに対する阻害活性に関して、そして抗細菌剤としての能力に関して、いくつかの化合物が最近開示されている。特に、Jarvestらは、ある程度のMetRS阻害を示した多様な二環芳香族複素環化合物を記載し、これには、左側テトラヒドロキノリン化合物のR立体配置を持つ鏡像異性体である、1つの特定の化合物が含まれる(Bioorg. & Med. Chem. Lett. 14(2004)3937−3941)。
[0006]1つの特に興味深い細菌ターゲットは、生物、クロストリジウム・ディフィシレ(C.ディフィシレ)である。C.ディフィシレは、より流行している感染性病原体となりつつあり、健康な個体の1〜3パーセントが、この生物のキャリアーである(Bartlett & Perl, N. Engl. J Med., 353, 2503−2505, 2005; Clabotsら, J Infect. Dis., 166, 561−567, 1992; McFarlandら, N. Engl. J. Med., 320, 204−210, 1989)。感染および疾患のリスクは、免疫不全の高齢者、そして特に、医療の場、例えば老人ホーム、病院、診療所などにいる高齢者において、ますます一般的になりつつある。C.ディフィシレの治療に有望であることが示された慣用的な抗細菌薬剤はほとんどなく、実際、C.ディフィシレ関連下痢(CDAD)の治療に関して、FDAによって認可されているのは、バンコマイシンのみである。
欧州特許出願第97300317.1号
R.D. Fleischmannら, Science, 269, 496−512, 1995 Jarvestら, Bioorg. & Med. Chem. Lett. 14(2004)3937−3941 Bartlett & Perl, N. Engl. J Med., 353, 2503−2505, 2005 Clabotsら, J Infect. Dis., 166, 561−567, 1992 McFarlandら, N. Engl. J. Med., 320, 204−210, 1989
こうしたものとして、当該技術分野には、C.ディフィシレに基づく感染の治療、特に、慣用的な抗生物質治療、そしてしたがって抗生物質耐性を回避する治療に対して、さらなるアプローチを得る必要がある。
[0007]この背景に対して、本発明が発見された。
[0008]本発明は、細菌メチオニルtRNAシンテターゼ(MetRS)の強力な阻害剤である新規化合物を提供する。本発明の化合物は、多くのグラム陽性およびグラム陰性細菌に対して、抗細菌剤として、広い適用可能性を有することが示されている。MetRS阻害剤は、グラム陽性生物に対して最適の活性を有し、そしてグラム陰性生物に対してはるかにより弱い活性を有する。特に、本発明の化合物は、C.ディフィシレに対して驚くほど強力な抗細菌活性を有することが示されている。
[0009]本発明の化合物は、細菌MetRSの予期せぬそして強力な阻害を示す、新規二環芳香族複素環鏡像異性体である。これらの化合物は、哺乳動物MetRSの阻害をほとんどまたはまったく示さない。本発明の化合物は、抗細菌剤として、療法において使用するためのものである。特に、本発明の化合物は、グラム陽性細菌、そして特にC.ディフィシレに対して、驚くほど強い有効性を示した。
[0010]本発明は、式(I):
Figure 0005247706
式中:
[0011]Arは右側(RHS)置換基であり、そして置換または非置換アリールまたはヘテロアリール基を有し;
[0012]Xは、NH、O、S、SO、SO、またはCHからなる群より選択され;
[0013]nは1、2または3であり;
[0014]は不斉炭素原子を示し、ここで、nが2または3である場合、はR立体配置であり;nが1であり、そしてXがCHである場合、はR立体配置であり;そしてnが1であり、そしてXが、NH、O、S、SO、またはSOからなる群より選択される場合、はS立体配置であり;
[0015]mは、0、1、2、3、または4であり;そして
[0016]Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1−6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、または(C1−6)アルコキシカルボニルによって場合によって置換される)、(C3−7)シクロアルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、モノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1−6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1−6)アルキルオキシ、(C1−6)アルキルチオ、(C1−6)アルキルスルフィニル、(C1−6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノおよびジ−(C1−6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノおよびジ−(C1−6)アルキルカルバモイルならびに複素環より独立に選択される
の化合物を提供する。
[0017]本発明の好ましい態様は、式(IIa)および(IIb):
Figure 0005247706
式中:
[0018]Xは、NH、O、S、SO、SO、またはCHからなる群より選択され;
[0019]nは1、2または3であり;
[0020]は不斉炭素原子を示し、ここで、nが2または3である場合、はR立体配置であり;nが1であり、そしてXがCHである場合、はR立体配置であり;そしてnが1であり、そしてXが、NH、O、S、SO、またはSOからなる群より選択される場合、はS立体配置であり;
[0021]Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1−6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、または(C1−6)アルコキシカルボニルによって場合によって置換される)、(C3−7)シクロアルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、モノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1−6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1−6)アルキルオキシ、(C1−6)アルキルチオ、(C1−6)アルキルスルフィニル、(C1−6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノおよびジ−(C1−6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノおよびジ−(C1−6)アルキルカルバモイルならびに複素環より独立に選択され;
[0022]mは、0、1、2、3または4であり;
[0023]pは、0、1、2または3であり;
[0024]Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1−6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、または(C1−6)アルコキシカルボニルによって場合によって置換される)、(C3−7)シクロアルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、モノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1−6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1−6)アルキルオキシ、(C1−6)アルキルチオ、(C1−6)アルキルスルフィニル、(C1−6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノおよびジ−(C1−6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノおよびジ−(C1−6)アルキルカルバモイルならびに複素環より独立に選択され;そして
[0025]ZがSである場合、ZおよびZはCHであり;ZがSである場合、ZおよびZはCHであり;そしてZがSである場合、ZおよびZはCHである
の化合物である。
[0026]式(IIa)および(IIb)の化合物は、キラル非ラセミ体であり、そしてそのRまたはS立体配置で、非常に鏡像異性体過剰で単離可能である。いくつかの態様において、式(II)の化合物は、少なくとも60%、鏡像異性体過剰のR鏡像異性体またはS鏡像異性体を有し、そして鏡像異性的に純粋であることも可能であり、この場合、実質的に100%の化合物が単一の鏡像異性体である(旋光度、キラルHPLCによって測定した際、または重量/重量に基づいて測定した際)。好ましい態様において、本発明の鏡像異性化合物は、R立体配置またはS立体配置のいずれかを有する。
[0027]式(IIa)および(IIb)の化合物の好ましい群は、式の左側(LHS)が式(III)および式(IV)に示される通りであり、そして式の右側(RHS)(またはAr)がチエノピリドン基(式III)またはキノロン基(式IV)のいずれかであるものである:
Figure 0005247706
式中:
[0028]Xは式(IIa)および(IIb)におけるように定義される。
[0029]Rは式(IIa)および(IIb)におけるように定義される。より好ましい態様において、(Rは、同じ置換基または異なる置換基であってもよい環上の6,8置換としてさらに定義されてもよく、そして好ましくは臭素、塩素、ヨウ素およびスルファンである;
[0030]mは式(IIa)および(IIb)におけるように定義され;
[0031]Rは式(IIa)および(IIb)におけるように定義され;そして
[0032]pは式(IIa)および(IIb)におけるように定義される。
[0033]上述のように、式(III)および(IV)はアステリスク()で印を付けた不斉炭素原子によって特徴付けられる。この炭素を取り巻く結合は、式(III)または(IV)の化合物において、R立体配置を生じさせる。式(III)または(IV)の化合物は、典型的には、キラル非ラセミ体であり、そしてR鏡像異性体の非常に鏡像異性体過剰で単離可能である。いくつかの態様において、式(III)または(IV)のいずれかの化合物は、少なくとも60%、R鏡像異性体を有し、そして鏡像異性的に純粋であることも可能であり、この場合、実質的に100%の化合物がR立体配置にある(旋光度、キラルHPLC、または重量によって測定した際)。好ましい態様において、式(III)または(IV)を有する化合物は、R立体配置にある。
[0034]式(IIa)および(IIb)の化合物の別の好ましい群は、式のLHSがジヒドロベンゾフラン基であり、そして式のRHSがチエノピリドン基であるものである(式V):
Figure 0005247706
式中:
[0035]Rは式(IIa)および(IIb)におけるように定義される。より好ましい態様において、(Rは、同じ置換基または異なる置換基であってもよい環上の5,7置換としてさらに定義されてもよく、そして好ましくは臭素、塩素、ヨウ素およびスルファンである;
[0036]mは式(IIa)および(IIb)におけるように定義され;
[0037]Rは式(IIa)および(IIb)におけるように定義され;そして
[0038]上述のように、式(V)はアステリスク()で印を付けた不斉炭素原子によって特徴付けられる。この炭素を取り巻く結合は、S立体配置を生じさせる。式(V)の化合物は、典型的には、キラル非ラセミ体であり、そしてS鏡像異性体が非常に鏡像異性体過剰で単離可能である。いくつかの態様において、式(V)の化合物は、少なくとも60%、S鏡像異性体を有し、そして鏡像異性的に純粋であることも可能であり、この場合、実質的に100%の化合物がS立体配置にある(旋光度または重量によって測定した際)。好ましい態様において、式(V)を有する化合物は、S立体配置にある。
[0039]本発明のいくつかの好ましい化合物には、実施例1〜12の化合物が含まれる。特に、本発明の好ましい化合物には、式VI〜XIの化合物が含まれる(以下に示すもの、そして表1を参照されたい)
5−[3−((R)(−)−5,7−ジブロモ−l,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−l−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン(式VI);
5−[3−((R)(+)−8−ブロモ−6−クロロ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン(式VII);
5−[3−((R)(+)−6,8−ジブロモ−l,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン(式VIII);
5−[3−((R)(+)−6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン(式IX);
2−[3−((R)(+)−6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−lH−キノリン−4−オン(式X);
5−[3−((S)−5,7−ジブロモ−ベンゾフラン−3イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン(式XI):
[0040]表1は、本明細書に記載する化合物の要約を提供し、LHS(左側)およびRHS(右側)官能性を示す:
Figure 0005247706
Figure 0005247706
Figure 0005247706
Figure 0005247706
[0041]無機酸および有機酸から塩を形成してもよい。式(I〜XI)の化合物の薬学的に許容されうる塩を形成可能な、適切な無機酸および有機酸の代表的な例には、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、パモン酸、コハク酸、ビスメチレン−サリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、シクロヘキシルスルファミン酸、リン酸および硝酸が含まれる。
[0042]本明細書において、用語「アルキル」、および「アルコキシ」などの類似の用語には、すべての直鎖および分枝鎖異性体が含まれる。その代表的な例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルが含まれる。
[0043]本明細書において、用語「アルケニル」および「アルキニル」には、すべての直鎖および分枝鎖異性体が含まれる。その代表的な例には、ビニル、エチニルおよび1−プロピニルが含まれる。
[0044]アルキルおよびアルケニル基の好ましい置換基には、例えば、そして別に定義しない限り、ハロゲン、シアノ、アジド、ニトロ、カルボキシ、(C1−6)アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノまたはジ−(C1−6)アルキルカルバモイル、スルホ、スルファモイル、モノまたはジ−(C1−6)アルキルスルファモイル、アミノ、モノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノ、アシルアミノ、ウレイド、(C1−6)アルコキシカルボニルアミノ、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ、アリール、複素環、ヒドロキシ、(C1−6)アルコキシ、アシルオキシ、オキソ、アシル、2−チエノイル、(C1−6)アルキルチオ、(C1−6)アルキルスルフィニル、(C1−6)アルキルスルホニル、ヒドロキシイミノ、(C1−6)アルコキシイミノ、ヒドラジノ、ヒドラゾノ、ベンゾヒドロキシモイル、グアニジノ、アミジノおよびイミノアルキルアミノが含まれる。
[0045]本明細書において、用語「アリール」には、別に定義しない限り、5つまでの、好ましくは3つまでの置換基によって場合によって置換された、フェニルまたはナフチルが含まれる。
[0046]置換される場合、アリール基は4つまでの置換基を有してもよい。アリール基の好ましい置換基には、例えば、そして別に定義しない限り、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルキル、モノからペルフルオロ(C1−3)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C2−6)アルケニル、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケノキシ、アリールC(1−6)アルコキシ、ハロ(C1−6)アルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ、カルボキシ、(C1−6)アルコキシカルボニル、(C1−6)アルケニルオキシカルボニル、(C1−6)アルコキシカルボニル(C1−6)アルキル、カルボキシ(C1−6)アルキル、(C1−6)アルキルカルボニルオキシ、カルボキシ(C1−6)アルキルオキシ、(C1−6)アルコキシカルボニル(C1−6)アルコキシ、(C1−6)アルキルチオ、(C1−6)アルキルスルフィニル、(C1−6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノおよびジ−(C1−6)−アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノおよびジ−(C1−6)アルキルカルバモイル、ならびに複素環が含まれる。
[0047]本明細書において、用語「ヘテロアリール」には、環中に、酸素、窒素および硫黄より選択される、4つまでのヘテロ原子を含む、単環または縮合環が含まれる。好ましくは、ヘテロアリール環は、4〜7、好ましくは5〜6の環原子を含む。縮合ヘテロアリール環系には、炭素環が含まれてもよく、そして1つの複素環を含みさえすればよい。
[0048]本明細書において、用語「複素環」には、環中に、酸素、窒素および硫黄より選択される、4つまでのヘテロ原子を含む、芳香族および非芳香族単環または縮合環が含まれる。適切には、複素環は、4〜7、好ましくは5〜6の環原子を含む。縮合複素環系には、炭素環が含まれてもよく、そして1つの複素環を含みさえすればよい。
[0049]置換される場合、ヘテロアリールまたは複素環基は、3つまでの置換基を有してもよい。好ましい置換基には、アリール基に関して先に言及したもの、ならびにオキソが含まれる。
[0050]本明細書において、用語「ハロゲン」および「ハロ」には、それぞれ、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素、ならびにフルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードが含まれる。
[0051]本明細書において、用語「鏡像異性体」は、掌性が異なり、そして鏡像異性関係を有すると言われる、2つの化合物のうちの1つを指す。一方の鏡像異性体を他方に変換するためには、結合を破壊しそして再形成するか、または平面配置を通じて、分子を変形させることが必要である。鏡像異性体は、鏡像異性体の一方の立体配置が、他方の鏡像異性体立体配置よりも、過剰に存在する場合、鏡像異性過剰にあると言われる。鏡像異性過剰は、重量/重量に基づいて、または混合物の純旋光度によって、測定可能である。
[0052]本明細書において、用語「(R)」または「R」および「(S)」または「S」は、当業者に周知の命名法に基づき、例えば、R立体配置は、化合物の実際の配置に基づき、典型的にはCahn−Ingold−Prelog優先規則を用いて型を分類する(Smith M.B., March, J, March’s Advanced Organic Chemistry, 第5版, Wiley−Interscience, NY, 2001, p139−141)。本明細書の上記に記載したように、本発明の化合物は、R立体配置またはS立体配置を有すると性質決定されている。
[0053]本発明記載の化合物は、実質的に純粋な形、例えば少なくとも50%純粋、適切には少なくとも60%純粋、好適には少なくとも75%純粋、好ましくは少なくとも85%純粋、より好ましくは少なくとも95%純粋、特に少なくとも98%純粋で提供され、すべての割合は、重量/重量として計算されている。本発明記載の化合物のすべての不純なまたはより純粋でない型は、例えば、薬学的使用に適した、同じ化合物または関連化合物(例えば対応する誘導体)のより純粋な型の調製に使用可能である。
[0054]式(I)〜(XI)の化合物は、本明細書記載の方法によって、または本明細書において、以下に援用される先行技術に記載される方法によって、調製可能である。
[0055]1つの態様において、本発明の鏡像異性濃縮化合物は、プロセスIに示すようなキラル分離によって調製可能である。
プロセスI
Figure 0005247706
[0056]望ましい化合物は、2007年9月11日に出願された、「Substituted Thienopyridone Compounds with Antibacterial Activity」と題される、米国特許出願第11/853,314号に記載される方法にしたがったラセミ混合物として調製された。次いで、キラル固定相クロマトグラフィーを介して、ラセミ体を分離した。キラル分離を容易にする手段として、t−ブトキシカルボニル(Boc)などのカルバメート官能性に、ラセミ体を変換した。化合物のラセミ混合物は、THF中の水素化ナトリウムおよびBoc無水物を含む、既知の条件下で、Boc保護された(プロセス1のカルバメート形成)。次いで、Boc保護されたラセミ混合物を、分離用キラルクロマトグラフィー(prep−HPLC)によって単一の鏡像異性体に分離し、そして鏡像異性体を単離した(プロセス1のキラル分離を参照されたい)。次いで、分離した鏡像異性体を脱保護して(プロセス1のカルバメート除去を参照されたい)、非常に鏡像異性濃縮型で、最終化合物を得る。
[0057]1つの態様において、プロセスIIに示すような触媒的不斉合成を介して、本発明の鏡像異性濃縮化合物を調製してもよい。
プロセスII
Figure 0005247706
[0058]ケトンをアルコールに触媒的不斉移動水素化し、その後、中間体アジドを通じてアミンに変換することによって、鏡像異性濃縮型として、望ましい化合物を調製した。還元アミン化および保護基の除去によって、最終化合物を得た。
[0059]本発明の化合物は、スタフィロコッカス属(Staphylococci)、例えば黄色ブドウ球菌オックスフォード株(S. aureus Oxford)、および表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)などのスタフィロコッカス属の凝固酵素陰性株;連鎖球菌属(Streptococci)、例えば化膿性連鎖球菌(S. pyogenes)ATCC19615および肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)R6;クロストリジウム属(Clostridium)、例えばC.ディフィシレ、ならびに腸球菌属(Enterococci)、例えばフェカリス菌(E. faecalis)1およびフェシウム菌(E. faecium)などのグラム陽性生物を含む、ある範囲の重要な病原性細菌に対して活性である。好ましくは、本発明の化合物はまた、ヘモフィルス属(Haemophilus)、例えばインフルエンザ菌Q1;モラクセラ属(Moraxella)、例えばカタル球菌(M. catarrhalis)1502;ヘリコバクター属(Helicobacter)、例えばピロリ菌(H. pylori)ATCC700824;および大腸菌属(Escherichia)、例えば大腸菌(E. coli)DC0などのグラム陰性生物に対してもまた活性である。本発明の最も好ましい化合物は、生物、C.ディフィシレ、黄色ブドウ球菌、肺炎連鎖球菌、フェカリス菌、フェシウム菌、インフルエンザ菌、ピロリ菌、およびカタル球菌に対して活性であろう。
[0060]さらに、本発明の化合物は、他の抗細菌剤、例えばβ−ラクタム抗生物質、例えばメチシリン、マクロライド、アミノグリコシド、オキサゾリジノン、およびリンコサミドなどに耐性である(多剤耐性を含む)、黄色ブドウ球菌、および表皮ブドウ球菌などのスタフィロコッカス属の凝固酵素陰性株などのスタフィロコッカス属生物に対して活性である。
[0061]本発明の化合物はまた、バンコマイシン耐性株を含む、フェカリス菌の株に対しても活性であり、そしてしたがって、VRE生物に関連する感染を治療する際に有用である。さらに、本発明の化合物は、ムピロシンに耐性であるスタフィロコッカス属生物の処置に有用である。
[0062]本発明の化合物は、クロストリジウム・ディフィシレを含むクロストリジウム属に対して特に強力、すなわち活性である。したがって、本発明の化合物を用いて、C.ディフィシレに関連する感染、例えば偽膜性大腸炎、中毒性巨大結腸(megacolin)、および他の抗生物質関連下痢(AAD)を治療することも可能である。
[0063]しかし、本発明の化合物は、哺乳動物細胞に対しては活性でない。これによって、病原性細菌に対して活性が高く、そして哺乳動物細胞に対して活性が低いかまたは活性がない、最適な組み合わせが提供され、哺乳動物治療において、これらの化合物を使用することが可能になる。
[0064]治療可能な細菌感染には、胃腸管感染、呼吸管感染、中耳炎、髄膜炎、心内膜炎、ヒトにおける皮膚および軟組織感染、ウシにおける乳腺炎、ならびにまた、ブタおよびウシなどの農場動物における呼吸器感染が含まれる。
[0065]したがって、さらなる側面において、本発明は、ヒトまたは非ヒト動物における細菌感染を治療する方法であって、本明細書に先に定義したような式(I)〜(XI)の化合物の療法的有効量を、こうした療法が必要なヒトまたは非ヒト動物に投与する工程を含む、前記方法を提供する。本発明の化合物を、他の既知の抗細菌剤と組み合わせてもよいし、または一緒に組み合わせてもよく、例えば式(VIII)および(IX)の化合物の組み合わせを有する治療も可能である。グラム陽性およびグラム陰性細菌両方に対する活性を含む、広い範囲の抗細菌活性を有する本発明の化合物が、市中感染の経験的治療のため、地域社会で非常に役立つであろうことが認識されるであろう。相対的に、より限定された範囲、例えばグラム陽性細菌に対する活性を持つ本発明の化合物は、原因病原性生物が同定されている状況において、用いられる可能性がより高い。
[0066]本発明は、薬学的に許容されうるキャリアーまたは賦形剤と一緒に、式(I)〜(XI)の化合物を含む、薬学的組成物を提供する。
[0067]本発明はさらに、薬学的に許容されうるキャリアーまたは賦形剤と一緒に、式(I)〜(XI)の化合物の組み合わせを含む薬学的組成物を提供する。例えば、本発明の薬学的組成物には、キャリアーまたは賦形剤と組み合わせて、式(VII)の化合物および式(IX)の化合物が含まれてもよい。
[0068]本発明はまた、哺乳動物において、特にヒトにおいて、そして家畜動物において、細菌感染を治療する方法であって、式(I)〜(XI)の化合物、または本発明記載の組成物を、その必要がある患者に投与する工程を含む、前記方法も提供する。いくつかの態様において、細菌感染は、クロストリジウム属に基づく感染であり、そしてしばしば、クロストリジウム・ディフィシレ感染である。
[0069]本発明は、細菌感染の治療において使用するための薬剤組成物の調製における、式(I)〜(XI)の化合物の使用をさらに提供する。
[0070]本発明記載の化合物および組成物は、他の抗生物質から類推して、ヒトまたは獣医学的薬剤において使用するための、任意の好適な方法で投与するために、配合可能である。
[0071]本発明記載の化合物および組成物を、任意の経路、例えば経口、局所、非経口、または直腸によって投与するために配合してもよい。組成物は、例えば、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、ロゼンジ、クリーム、座薬、軟膏、ジェル、ローション、シロップ、あるいは経口使用のために、または注射もしくは注入による非経口投与のために無菌型で配合可能な液体調製物、例えば溶液または懸濁物の形で調製されてもよい。
[0072]経口投与のための錠剤およびカプセルは、単位投薬型であってもよく、そして例えば結合剤、例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、またはポリビニルピロリドン;充填剤、例えばラクトース、スクロース、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン;錠剤化(tabletting)潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ;崩壊剤、例えばジャガイモデンプン;薬学的に許容されうる湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムを含む、慣用的な賦形剤を含有してもよい。通常の薬学的実施に周知の方法にしたがって、錠剤をコーティングしてもよい。
[0073]経口液体調製物は、例えば、水性または油性懸濁物、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形であってもよいし、あるいは水または別の適切なビヒクルで、使用前に再構成するための乾燥製品として提示されてもよい。こうした液体調製物は、例えば懸濁剤、例えばソルビトール、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは水素化食用油脂;乳化剤、例えばレシチン、モノオレイン酸ソルビタンまたはアカシア;非水性ビヒクル(食用油脂を含んでもよい)、例えばアーモンド油、油性エステル(例えばグリセリン)、プロピレングリコール、またはエチルアルコール;保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはソルビン酸;ならびに望ましい場合、慣用的なフレーバーおよび着色剤を含む、慣用的な添加剤を含有してもよい。
[0074]局所投与を意図される本発明記載の組成物は、例えば、軟膏、クリーム、ローション、目の軟膏、点眼剤、点耳剤、浸透性包帯材、およびエアロゾルの形であってもよく、そして例えば保存剤、薬剤浸透を補助する溶媒、ならびに軟膏、ゲル、およびクリーム中の皮膚軟化剤を含む、適切な慣用的添加剤を含有してもよい。こうした局所配合物はまた、適合する慣用的キャリアー、例えばクリームまたは軟膏基剤、およびローションのためのエタノールまたはオレイルアルコールも含有してもよい。こうしたキャリアーは、配合物重量の約1%〜約98%を構成してもよく;より一般的には配合物重量の約80%までを構成するであろう。
[0075]本発明記載の組成物を座薬として配合してもよく、座薬は、慣用的な座薬基剤、例えばココアバターまたは他のグリセリドを含有してもよい。
[0076]非経口投与を意図される本発明記載の組成物は、好適に、液体単位投薬型中にあってもよく、化合物、および水が好ましい無菌ビヒクルを利用して、該投薬型を調製してもよい。化合物は、用いるビヒクルおよび濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁されてもまたは溶解されてもいずれでもよい。溶液を調製する際、化合物を注射用水中に溶解し、そして適切なバイアルまたはアンプル内に充填する前にフィルター滅菌し、次いで密封してもよい。好適には、例えば局所麻酔剤、保存剤、および緩衝剤を含む、慣用的な添加物をビヒクル中に溶解してもよい。溶液の安定性を増進するため、バイアル内に充填した後、組成物を凍結してもよく、そして真空下で水を除去してもよい;次いで、生じた凍結乾燥粉末をバイアル中に密封してもよく、そして使用前に液体を再構成するため、注射用水の付随バイアルを供給してもよい。溶解する代わりにビヒクル中に化合物を懸濁し、そして滅菌が、ろ過によっては達成不能であることを除いて、実質的に同じ方式で、非経口懸濁物を調製してもよい。代わりに、無菌ビヒクル中に懸濁する前に、酸化エチレンに曝露することによって、化合物を滅菌してもよい。好適には、化合物の均一な分布を促進するため、こうした懸濁物中には、界面活性剤または湿潤剤が含まれる。
[0077]本発明記載の化合物または組成物を、適切に、抗細菌的に有効な量で患者に投与してもよい。いくつかの場合、本発明記載の化合物および組成物は、クロストリジウム属感染、そして特にクロストリジウム・ディフィシレ感染した患者を治療するのに有効な量で投与される。
[0078]本発明記載の組成物は、適切には、投与法に応じて、本発明記載の化合物を重量0.1%〜、好ましくは重量10〜60%(組成物の総重量に基づいて)含有してもよい。
[0079]本発明記載の化合物は、適切には、1.0〜100mg/体重kgの一日投薬量で患者に投与可能である。成人(およそ70kg体重)に関しては、50〜3000mg、例えば約1500mgの本発明記載の化合物を毎日投与してもよい。適切には、成人のための投薬量は、1日あたり、5〜40mg/kgである。しかし、通常の臨床診療にしたがって、より高いまたはより低い投薬量を用いてもよい。
[0080]本発明記載の組成物を単位投薬型で提示する際、各単位用量は、適切には、25〜1000mg、好ましくは50〜500mgの本発明記載の化合物を含んでもよい。
[0081]例示目的のためにのみ、以下の実施例を提供し、そしてこれらは本発明の範囲を限定することを意図されない。
実施例1:合成法(キラル分離および触媒的不斉合成)
[0082]以下の実施例および実験は、本発明を作製し、そして用いる方式およびプロセスを記載し、そして限定ではなく例示である。本明細書に記載するように、または化学業に存在することが知られる多様なプロセスによって、本発明の化合物、その塩、およびその中間体を調製するかまたは製造してもよい。
プロセス1:キラル分離を介した合成:
プロセスI
Figure 0005247706
方法A:
(6,8−ジブロモ−クロマン−4−イル)−[3−(7−オキソ−4,7−ジヒドロ−チエノ[3,2−b]ピリジン−5−イルアミノ)−プロピル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの調製
Figure 0005247706
[0083]2007年9月11日に出願された、「Substituted Thienopyridone Compounds with Antibacterial Activity」と題される、米国特許出願第11/853,314号に記載される方法にしたがったラセミ混合物として、5−[3−(6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オンを調製し、そしてテトラヒドロフラン(0.02M)および1.5当量の水素化ナトリウム(ミネラルオイル中、60%懸濁物として)と合わせた。反応を室温で30分間攪拌させ、そして1.04当量のBoc無水物を、部分に分けて(portion−wise)添加した。添加完了後、反応を一晩攪拌させた。溶媒を除去し、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、未精製物質を精製し、酢酸エチルおよびヘキサンの0〜100%勾配で溶出して、黄色油として表題化合物を得た。
方法B:
[0084]分離用キラルクロマトグラフィー(prep−HPLC)によって、上述のラセミ混合物を単一の鏡像異性体に分離した。(6,8−ジブロモ−クロマン−4−イル)−[3−(7−オキソ−4,7−ジヒドロ−チエノ[3,2−b]ピリジン−5−イルアミノ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルに関して、300mgの第一の(R−(+)−鏡像異性体(式IX))および第二の(S−(−)−鏡像異性体)溶出鏡像異性体バッチが単離され、どちらもe.e.>99%であった。
分離用HPLC条件
カラム: Chiralpak AD; 250x20mm; Diacel Chemical Industries LTD
溶出剤: ヘプタン/EtOH(90/10)
流速: 6.0ml/分
UV: 256nm
試料: 50mg/ml
注入体積: 500μl
保持時間: R−(+)−鏡像異性体、〜37分。
S−(−)−鏡像異性体、〜47分。
分析用HPLC条件
カラム: Chiralcel OD−H; 150x4.6mm; Diacel Chemical Industries LTD
溶出剤: ヘプタン/IPA(90/10)
流速: 0.5ml/分
UV: 256、328nm
試料: 〜1mg/ml
注入体積: 20μl
保持時間: R−(+)−鏡像異性体、〜41分。
S−(−)−鏡像異性体、〜46分。
方法C:
[0085]方法Aと同様に調製したtert−ブチル6,8−ジブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル(3−(7−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イルアミノ)プロピル)カルバメートのラセミ混合物を、分離用キラルクロマトグラフィー(prep−HPLC)によって、単一鏡像異性体に分離した。113mgの第一の溶出鏡像異性体バッチ(式VIII、R−(+)−鏡像異性体、e.e.>99%)および70mgの第二の溶出鏡像異性体バッチ(S−(−)−鏡像異性体、e.e.85%)が単離された。この第二の溶出鏡像異性体を第二の分離実行によってさらに精製して、e.e.>99%で、5.5mgのこの鏡像異性体を得た。
分離用HPLC条件
カラム: Chiralcel OD−H; 250x20mm; Diacel Chemical Industries LTD
溶出剤: ヘプタン/EtOH/EtNH(95/5/0.2%)
流速: 10ml/分
UV: 256、328nm
試料: 85mg/ml
注入体積: 80μl
分析用HPLC条件
カラム: Chiralcel OD−H 150x4.6mm; Diacel Chemical Industries LTD
溶出剤: ヘプタン/IPA(90/10)
流速: 0.5ml/分
UV: 256、328nm
試料: 〜1mg/ml
注入体積: 20μl
保持時間: R−(+)−鏡像異性体、〜41分。
S−(−)−鏡像異性体、〜46分。
方法D:
[0086]((R)(+)−6,8−ジブロモ−クロマン−4−イル)−[3−(7−オキソ−4,7−ジヒドロ−チエノ[3,2−b]ピリジン−5−イルアミノ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを、ジオキサン中の4.0M HCl中に取り、そして一晩攪拌させて、その間に、産物は溶液から油として出てきた(oiled out of solution)。ジオキサンのほぼ半量を蒸発によって除去し、そして残りを数時間攪拌した。産物は、オフホワイト固体として溶液から沈殿した(真空ろ過によってこの固体を単離し、そして真空下で乾燥させて、オフホワイト固体としての表題化合物を得た)。
方法E:
[0087]((R)(+)−6,8−ジブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル)−[3−(7−オキソ−4,7−ジヒドロ−チエノ[3,2−b]ピリジン−5−イルアミノ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルをHCl(THF中の濃HClで調製した4.0M溶液)で処理した。これを一晩攪拌させた。溶媒を蒸発によって除去し、そして生じた白色固体をエーテルとともに攪拌した。真空ろ過によって固体を単離した。固体を単離し、そして真空下で乾燥させて、白色固体として表題化合物を得た(真空ろ過によってこの固体を単離し、そして真空下で乾燥させて、オフホワイト固体として表題化合物を得た)。
プロセスII:不斉還元を介した合成
プロセスII
Figure 0005247706
5−(3−オキソプロピルアミノ)チエノ[3,2−b]ピリジン−7−イルベンゾエートHCl塩の調製、化合物7の例
中間体、2,2−ジメチル−5−(メチルスルファニル−チオフェン−3−イルアミノ−メチレン)−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオンの調製
[0088]3−チオフェンイソチオシアネート(472.5g、3.34mol)を,、ジメチルスルホキシド(1.9L)中の2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(433.2g、3.006mol)と混合した。反応温度を20℃未満に維持しながら、トリエチルアミン(516mL、3.67mol)を130分間に渡って1滴ずつ添加した。添加後、生じた混合物を室温で16時間攪拌した。反応温度を20℃未満に維持しながら、ヨードメタン(426.7g、3.006mol)を70分間に渡ってゆっくり添加した。完全に添加した後、混合物を室温で1時間攪拌した。温度を30℃未満に維持しながら、薄い水性塩酸溶液(37%HClの46mLを含有する水4.8L)をゆっくり添加して、産物を沈殿させた。混合物を2時間攪拌した。固体をろ過し、そして水でリンスした。生じた湿った固体をEtOH(6L)中に懸濁し、そして次いで、減圧下で、溶媒を除去した。生じたスラリーを沸騰中のメタノール(4.0L)に溶解し、そして脱色木炭(Noritブランド、130g)で処理し、そして40分間、還流下に維持した。熱い溶液をCelite543のパッドでろ過し、そしてフィルターケーキを沸騰中のメタノール(1L)でリンスした。ろ液を室温で24時間静置した。固体をろ過し、そして乾燥させて、中間体、2,2−ジメチル−5−(メチルスルファニル−チオフェン−3−イルアミノ−メチレン)−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオンの薄茶の結晶408.4g(45%)を得た。H NMR(400 MHz, CDCl) δ 1.76(s, 6H), 2.38(s, 3H), 7.09(d, 1HJ=5 Hz), 7.25(d, 1H, J=3.2 Hz), 7.38(dd, 1H, J=3.2, 5 Hz), 12.7(br s, 1H)。
中間体、5−((3,3−ジエトキシプロピルアミノ)(チオフェン−3−イルアミノ)メチレン)−2,2−ジメチル−l,3−ジオキサン−4,6−ジオンの調製
[0089]水槽で、反応温度を25℃未満に維持しながら、3,3−ジエトキシプロピルアミン(210.7g、1.43mol)を、部分で、ジクロロメタン(1.7L)およびメタノール(0.36L)中の2,2−ジメチル−5−(メチルスルファニル−チオフェン−3−イルアミノ−メチレン)−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオン(407.3g、1.36mol)の溶液に添加した。室温で1.5時間攪拌した後、反応混合物をジクロロメタン(0.8L)で希釈した。有機層を分離し、そして水性塩化アンモニウム溶液(400mL、200mLの飽和NHClおよび200mLの水で作製)、塩水(300mL)で洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥させた。減圧下で反応混合物を濃縮してダーク油を得た。キシレン(500ml)を添加して、そして減圧下で混合物を濃縮して、中間体、5−((3,3−ジエトキシプロピルアミノ)(チオフェン−3−イルアミノ)メチレン)−2,2−ジメチル−l,3−ジオキサン−4,6−ジオンを得た。生じたダーク油をさらに精製せずに、次の工程に直接用いた。H NMR(400 MHz, CDCl) δ 1.65(m, 6H), 1.73(s, 6H), 1.78(m, 2H), 2.98(q, 2H, J=6.4 Hz), 3.45(m, 2H), 3.60(m, 2H), 4.50(t, 1H, J=5.2 Hz), 6.98(dd, 1H, J=1.6, 5.2 Hz), 7.05(dd, 1H, J=1.2, 3.2 Hz), 7.33(dd, 1H, J=3.2, 5.2 Hz), 10.2(s, 1H), 11.3(s, 1H)。
中間体、5−(3,3−ジエトキシプロピルアミノ)−7−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[3,2−b]ピリジン−6−カルボン酸の調製
[0090]5−((3,3−ジエトキシプロピルアミノ)(チオフェン−3−イルアミノ)メチレン)−2,2−ジメチル−l,3−ジオキサン−4,6−ジオン(1.62mol)を、キシレン(2.4L)中のヘキサメチルジシラザン(1.08L、5.18mol)の溶液中に懸濁し、そして還流下で24時間加熱した。室温に冷却した後、減圧下で混合物を濃縮して、ダーク油を得た。ダーク油をメタノール(0.5L)で注意深く処理して、茶色固体を形成し、その後、エチルエーテル(1.6L)を添加した。生じた固体をろ過し、そしてMeOH/エーテル(1:3)(0.8L)で洗浄した。真空下で固体を乾燥させて、ベージュ固体として、432.2g(78%)の望ましい中間体、5−(3,3−ジエトキシプロピルアミノ)−7−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[3,2−b]ピリジン−6−カルボン酸を得た。H NMR(400 MHz, DMSO d) δ 1.09(m, 6H), 1.91(m, 2H), 3.40(m, 2H), 3.58(m, 2H), 4.06(s, 1H), 4.60(t, 1H, J=5.2 Hz), 7.28(d, 1H, J=4.8 Hz), 8.05(d, 1H, J=4.8 Hz), 9.94(m, 1H), 11.8(s, 1H)。
中間体、ナトリウム5−(3,3−ジエトキシプロピルアミノ)チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オレエートの調製
[0091]5−(3,3−ジエトキシプロピルアミノ)−7−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[3,2−b]ピリジン−6−カルボン酸(432g、1.27mol)を、ナトリウムメトキシド(95%純粋、75.8g、1.33mol)と混合し、そしてキシレン(2L)中に懸濁した。生じた混合物を、還流下で2時間加熱した。反応混合物を攪拌しながら、漸次、室温に冷却して、淡茶色固体を得た。ろ過によって固体を収集し、そしてトルエンで洗浄し、そして真空下、50〜60℃で48時間乾燥させて、望ましい中間体、ナトリウム5−(3,3−ジエトキシプロピルアミノ)チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オレエート(固体)を得た。この未精製産物をさらに精製せずに、次の工程に用いた。H NMR(400 MHz, DMSO d) δ 1.08(m, 6H), 1.72(q, 2H, J=6.8 Hz), 3.15(m, 2H), 4.55(t, 1H, J=6 Hz), 6.22(s, 1H), 6.98(d, 1H, J=5.2 Hz), 7.53(d, 1H, J=5.2 Hz)。
中間体、5−(3,3−ジエトキシプロピルアミノ)チエノ[3,2−b]ピリジン− 7−イルベンゾエートの調製
[0092]ナトリウム5−(3,3−ジエトキシプロピルアミノ)チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オレエート(445.7g、1.40mol)をDMSO(2.8L)中に懸濁した。安息香酸無水物(332.9g、1.47mol)を、室温で、部分で添加した。添加後、反応混合物を室温で3時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(6L)で希釈した。生じた有機溶液を水(6L)で洗浄した。分離した水性層を酢酸エチル(2L)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そしてろ過した。減圧下で溶媒を除去し、そして真空下で乾燥させて、ダーク油として、望ましい中間体、5−(3,3−ジエトキシプロピルアミノ)チエノ[3,2−b]ピリジン−7−イルベンゾエートを得た。この産物をさらに精製せずに、次の工程に用いた。H NMR(400 MHz, CDCl) δ 1.09(m, 6H), 1.99(m, 2H), 3.50(m, 4H), 3.70(m, 2H), 4.60(t, 1H, J=5.6 Hz), 7.30(d, 1H, J=4.8 Hz), 7.55(m, 3H), 7.67(d, 1H, J=4.8 Hz), 8.24(m, 2H)。
表題化合物、5−(3−オキソプロピルアミノ)チエノ[3,2−b]ピリジン−7−イルベンゾエートHCl塩の調製、化合物7の例
[0093]上記由来の未精製5−(3,3−ジエトキシプロピルアミノ)チエノ[3,2−b]ピリジン−7−イルベンゾエート(677.3g、1.68mol)を3.0LのTHFに溶解した。次いで、氷水槽で反応温度を20℃未満に維持しながら、12N HCl(1.68mol、0.14L)を1滴ずつ添加した。5分間攪拌した後、固体が沈殿した。生じた混合物を室温で1時間攪拌し、その後、酢酸エチル(2.0L)を添加した。混合物を30分間攪拌した。固体をろ過し、酢酸エチルでリンスし(250mlx2)、そして次いで、減圧下、55℃で乾燥させて、淡茶色固体として、表題化合物、5−(3−オキソプロピルアミノ)チエノ[3,2−b]ピリジン−7−イルベンゾエートHCl塩を得た。H NMR(400 MHz, DMSO d) δ 2.20(m, 2H), 3.56(m, 2H), 6.31(t, 1H, J=3.6 NHz), 7.83−7.87(m, 2H), 7.96(d, 1H, J=6.0 Hz), 8.16−8.20(m, 2H), 8.35(d, 1H, J=5.6 Hz), 10.20(s, 1H)。
方法F:
6,8−ジブロモ−クロマン−4(S)−オールの調製
[0094]アセトニトリル中の6,8−ジブロモクロマン−4−オン(0.3M)および5/2 ギ酸/トリエチルアミン(体積30%)を含有する混合物に、(lS,2S)−(+)−N−p−トシル−l,2−ジフェニルエチレンジアミン(1mol%)およびジクロロ(p−シメン)−ルテニウム(II)二量体(0.5mol%)を添加した。24時間攪拌した後、反応を酢酸エチルで希釈し、そして塩水/重炭酸ナトリウム(1:1)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮して、黄褐色固体として表題化合物を得た。
H NMR(400 MHz, CDCl) δ 7.59(d,lH), 7.41(d, 1H), 4.78(ABq, 1H), 4.38(m, 2H), 2,08(m, 2H), 1.91(d, 1H)。
方法G:
4(R)−アジド−6,8−ジブロモ−クロマンの調製
[0095]テトラヒドロフラン(0.17M)中に6,8−ジブロモ−クロマン−4(S)−オールを含有する溶液および1.2当量のジフェニルホスホリルアジドを、室温で15分間攪拌した。溶液を10℃に冷却して、そして2.5当量のl,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンを添加した。混合物を、漸次、室温に温めながら攪拌して、そして48時間維持した。混合物を酢酸エチルで希釈し、そして塩水、その後、水で洗浄した。有機相を濃縮して、黄褐色油として、表題化合物を得た。
H NMR(400 MHz, CDCl) δ 7.65(d, 1H), 7.32(d, 1H), 4.57(t, 1H), 4.43(m, 1H), 4.31(m, 1H), 2.18(m, 1H), 2.08(m, 1H)。
方法H:
6,8−ジブロモ−クロマン−4(R)−イルアミン塩酸塩の調製
[0096]テトラヒドロフラン(0.16M)中の4(R)−アジド−6,8−ジブロモ−クロマンの氷冷溶液に、1.2当量のトリメチルホスフィンを添加した。混合物を室温に温め、そして16時間維持した。混合物の濃縮によって、未精製アミンを得た。これをアセトニトリル(0.20M)に溶解し、そして2当量の塩酸を添加した。混合物を16時間攪拌し、そして固体をろ過し、アセトニトリルで洗浄し、そして乾燥させて、オフホワイト固体として、表題化合物を得た。
H NMR(400 MHz, CDOD) δ 7.75(d, 1H), 7.60(dd, 1H), 4.62(t, 1H), 4.40(m, 2H), 2.40(m, 1H), 2.20(m, 1H)。
方法I:
5−[3−(6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミン)プロピルアミノ]−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−イルベンゾエートの調製
[0097]5−(3−オキソプロピルアミン)チエノ[3,2−b]ピリジン−7−イルベンゾエート塩酸塩を、テトラヒドロフラン(0.35M)中の1当量の6,8−ジブロモ−クロマン−4(R)−イルアミン塩酸塩と混合し、その後、3当量のトリエチルアミンを添加した。1時間攪拌した後、1.3当量のトリアセトキシホウ化水素ナトリウムを添加し、そして混合物を2時間攪拌した。反応を酢酸エチルで希釈し、そして水性重炭酸ナトリウムで洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ろ過し、溶媒を除去し、そしてジクロロメタン中の0〜10%メタノールで溶出させるカラムクロマトグラフィーによって未精製産物を精製して、茶色油として、表題化合物を得た。
H NMR(400 MHz, CDCl) δ 8.24(m, 2H), 7.70(m, 1H), 7.56(m, 3H), 7.50(d, 1H), 7.40(d, 1H), 7.24(d, 1H), 6.58(m, 1H), 4.34(m, 2H), 3.77(t, 1H), 3.56(m, 2H), 2.85(m, 2H), 2.0(m, 2H)
方法J:
5−[3−(6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミン)プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン二塩酸塩の調製
[0098]酢酸エチル(2.5M)およびテトラヒドロフラン(1.2M)中、5−[3−(6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミン)プロピルアミノ]−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−イルベンゾエートを含有する溶液に、メタノール中の2Mアンモニア2.5当量を添加した。24時間攪拌した後、混合物を酢酸エチルで希釈し、そして固体をろ過し、酢酸エチルでリンスし、そして乾燥させた。ジクロロメタン中の0〜10%アンモニア/メタノールで溶出させるカラムクロマトグラフィーによって、未精製物質を精製して、遊離塩基として、表題化合物を得た。これを無水エタノール(0.4M)に溶解し、そして3当量の4N塩酸を添加した。混合物を75℃に加熱し、そして脱色木炭で処理した。生じた混合物をCeliteのパッドでろ過し、そしてろ過ベッドを温かいエタノール/4N塩酸でリンスした。無色固体が形成されるまで、ろ液を室温で16時間攪拌した。固体をろ過し、エタノール/2N塩酸でリンスし、そして真空下、95〜100℃で乾燥させて、オフホワイト固体として、ターゲット化合物を得た。
H NMR(400 MHz, CDOD): δ 8.04(d, 1H), 7.77(s, 1H), 7.71(s, 1H), 7.45(d, 1H), 6.26(s, 1H), 4.62(br, s, 1H), 4.52−4.38(m, 2H), 3.59(t, 2H), 3.41(m, 1H), 3.28(m, 1H), 2.41(m, 2H), 2.18(m, 2H)。
実施例2: 5−[3−((R)(+)6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン二塩酸塩(式IX、本発明の化合物)の合成
[0099]プロセスI(方法A、BおよびD)に記載するような合成反応を用いて、表題化合物を調製し、そして第一の溶出鏡像異性体として単離した。あるいは、プロセスII(方法F〜J)にしたがって、表題化合物を調製した。表題化合物は、どちらの場合も、オフホワイト固体として単離された。
Figure 0005247706
H NMR(400 MHz, CDOD): δ 8.04(d, 1H), 7.77(s, 1H), 7.71(s, 1H), 7.45(d, 1H), 6.26(s, 1H), 4.62(br, s, 1H), 4.52−4.38(m, 2H), 3.59(t, 2H), 3.41(m, 1H), 3.28(m, 1H), 2.41(m, 2H), 2.18(m, 2H)。MS(ES+): M/Z 514(M+l)。旋光度: [α]589=+23.06(c=MeOH中、0.503mM、20℃)。
[00100]5−[3−((R)(+)6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン二塩酸塩(式IX)およびクロストリジウム・ディフィシレMetRSの共結晶を成長させた。共結晶のX線回折は1.72Å解像度パターンを提供した。化合物IXの三次元構造は、明らかにR絶対配置と指定された。
実施例3: 5−[3−((S)(−)−6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン二塩酸塩(比較化合物)の合成
[00101]プロセス1(方法A、BおよびD)に記載するような合成反応を用いて、表題化合物を調製し、そして第二の溶出鏡像異性体として単離した。あるいは、方法Fにおいて、(lR,2R)−(−)−N−p−トシル−l,2−ジフェニルエチレンジアミン(1mol%)およびジクロロ(p−シメン)−ルテニウム(II)二量体を使用し、その後、方法G〜Jを用いる、プロセスIIにしたがって、表題化合物を調製した。表題化合物は、どちらの場合も、オフホワイト固体として単離された。
Figure 0005247706
H NMR(400 MHz, CDOD): δ 8.04(d, 1H), 7.77(s, 1H), 7.71(s, 1H), 7.45(d, 1H), 6.26(s, 1H), 4.62(br, t, 4.52−4.38(m 2H), 3.59(t, 2H), 3.41(m, 1H), 3.27(m, 1H), 2.41(m, 2H), 2.17(m, 2H)。MS(ES+): M/Z 514(M+l)。旋光度: [α]589=−21.70(c=MeOH中、0.507mM、20℃)。
実施例4: 5−[3−((R)(+)−8−ブロモ−6−クロロ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン二塩酸塩(式VII、本発明の化合物)の合成
[00102]実施例1(方法A、BおよびD)に記載するような合成反応を用いて、表題化合物を調製し、そして第一の溶出鏡像異性体として単離した:
Figure 0005247706
H NMR(400 MHz, CDOD): δ 8.05(d, 1H), 7.66(s, 1H), 7.56(s, 1H), 7.43(d, 1H), 6.25(s, 1H), 4.62(t, 1H), 4.52−4.38(m, 2H), 3.58(t, 2H), 3.39(m, 1H), 3.29(m, 1H), 2.41(m, 2H), 2.17(m, 2H)。MS(ES+): M/Z 470(M+l)。旋光度: [α]589=+36.86(c=MeOH中、0.510mM、20℃)。
実施例5: 5−[3−((S)(−)−8−ブロモ−6−クロロ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン二塩酸塩(比較化合物)の合成
[00103]プロセス1(方法A、BおよびD)に記載するような合成反応を用いて、表題化合物を調製し、そして第二の溶出鏡像異性体として単離した:
Figure 0005247706
H NMR(400 MHz, CDOD): δ 8.05(d, 1H), 7.66(s, 1H), 7.59(s, 1H), 7.45(d, 1H), 6.26(s, 1H), 4.63(t, 1H), 4.52−4.38(m, 2H), 3.57(t, 2H), 3.41(m, 1H), 3.30(m, 1H), 2.42(m 2H), 2.18(m 2H)。MS(ES+): M/Z 470(M+1)。旋光度: [α]589=−35.24(c=MeOH中、0.500mM、20℃)。
実施例6: 2−[3−((R)(+)−6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−lH−キノリン−4−オン二塩酸塩(式X、本発明の化合物)の合成
[00104]実施例1(方法A、BおよびD)に記載するような合成反応を用いて、以下の化合物を調製し、そして第一の溶出鏡像異性体として単離した:
Figure 0005247706
H NMR(400 MHz, CDOD): δ 8.10(d, 1H), 7.90(br, 1H), 7.78−7.75(m, 3H), 7.48(t, 1H), 6.38(s, 1H), 4.65(t, 1H), 4.48(m, 2H), 3.70(m, 2H), 3.44(m, 1H), 3.31(m, 1H), 2.48(m, 1H), 2.40(m, 1H), 2.23(m, 2H)。MS(ES+): M/Z 508(M+1)。旋光度: [α]589=+23.22(c=MeOH中、0.500 mM、20℃).
実施例7: 2−[3−((S)(−)−6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−lH−キノリン−4−オン二塩酸塩(比較化合物)の合成
[00105]実施例1(方法A、BおよびD)に記載するような合成反応を用いて、以下の化合物を調製し、そして第二の溶出鏡像異性体として単離した:
Figure 0005247706
H NMR(400 MHz, CDOD): δ 8.10(d, 1H), 7.90(br, 1H), 7.78−7.75(m, 3H), 7.48(t, 1H), 6.38(s, 1H), 4.65(t, 1H), 4.48(m, 2H), 3.70(m, 2H), 3.44(m, 1H), 3.31(m, 1H), 2.48(m, 1H), 2.40(m, 1H), 2.23(m, 2H)。MS(ES+): M/Z 508(M+1)。旋光度: [α]589=−24.51(c=MeOH中、0.506mM、20℃)。
実施例8: 5−[3−((R)(+)−6,8−ジブロモ−l,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イルアミノ)− プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン三塩酸塩(式VIII、本発明の化合物)の合成
[00106]実施例1(方法A、CおよびE)に記載するような合成反応を用いて、以下の化合物を調製し、そして第一の溶出鏡像異性体として単離した。あるいは、プロセスII(方法F〜J)にしたがって、表題化合物を調製した。表題化合物は、どちらの場合も、オフホワイト固体として単離された。
Figure 0005247706
H NMR(400 MHz, CDOD): δ 8.05(d, 1H), 7.58(s, 1H), 7.44(d, 1H), 7.42(s, 1H), 6.25(s, 1H), 4.48(br, s, 1H), 3.63−3.53(m, 4H), 3.38(m, 1H), 3.21(m, 1H), 2.43(m, 1H), 2.14(m, 2H), 2.07(m, 1H)。MS(ES+): M/Z 513(M+l)。旋光度: [α]589=+72.26(c=MeOH中、0.507mM、20℃)。
実施例9: 5−[3−((S)(−)−6,8−ジブロモ−l,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン三塩酸塩(比較化合物)の合成
[00107]実施例1(方法A、CおよびE)に記載するような合成反応を用いて、以下の化合物を調製し、そして第二の溶出鏡像異性体として単離した。あるいは、方法Fにおいて、(lR,2R)−(−)−N−p−トシル−l,2−ジフェニルエチレンジアミン(1mol%)およびジクロロ(p−シメン)−ルテニウム(II)二量体を使用し、その後、方法G〜Jを用いる、プロセスIIにしたがって、表題化合物を調製した。表題化合物は、どちらの場合も、オフホワイト固体として単離された。
Figure 0005247706
H NMR(400 MHz, CDOD): δ 8.04(d, 1H), 7.58 s, 1H), 7.43(d, 1H), 7.42(s, 1H), 6.23(s, 1H), 4.48(br, s, 1H), 3.63−3.52(m, 4H), 3.37(m, 1H), 3.22(m, 1H), 2.42(m, 1H), 2.20−2.00(m, 3H)。MS(ES+): M/Z 513(M+l)。
実施例10: 5−[3−((R)−5,7−ジブロモ−l,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−l−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン(式VI、本発明の化合物)
[00108]プロセスII(方法F〜J)にしたがって、表題化合物を調製した。オフホワイト固体として、表題化合物を単離した。
Figure 0005247706
H NMR(400 MHz, CDOD): δ 7.68(d, 1H), 7.59(d, 2H), 7.00(d,lH), 5.57(s, 1H), 3.80(t, 1H), 3.32(t, 2H), 2.76(m, 3H), 2.61(m, 1H), 1.97(m, 1H), 1.86(m, 4H), 1.72(m, 1H)。MS(ES+): M/Z 512(M+l)。旋光度: [α]589=−22.30(c=MeOH中、0.870mM、20℃)。
実施例11: 5−[3−((S)−5,7−ジブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン(式XI、本発明の化合物)
[00109]プロセスII(方法F〜J)にしたがって、表題化合物を調製した。オフホワイト固体として、表題化合物を単離した。
Figure 0005247706
H NMR(400 MHz, CDOD): δ 7.69(d, 1H), 7.46(d, 2H), 7.06(d, 1H), 5.54(s, 1H), 4.60(m, 2H), 4.47(m, 1H), 3.30(m, 2H), 2.73(m, 1H), 2.61(m, 1H), 1.80(m, 2H)。MS(ES+): M/Z 500(M+l)。旋光度: [α]589=−1.93(c=MeOH中、0.725mM、20℃)。
実施例12: 5−[3−((R)−5,7−ジブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン(比較化合物)
[00110]方法Fにおいて、(lR,2R)−(−)−N−p−トシル−l,2−ジフェニルエチレンジアミン(1mol%)およびジクロロ(p−シメン)−ルテニウム(II)二量体を使用し、その後、方法G〜Jを用いる、プロセスIIにしたがって、表題化合物を調製した。オフホワイト固体として、表題化合物を単離した。
Figure 0005247706
H NMR(400 MHz, CDOD): δ 7.70(d, 1H), 7.48(d, 2H), 7.06(d, 1H), 5.56(s, 1H), 4.63(m, 2H), 4.50(dd, 1H), 3.30(m, 2H), 2.75(m, 1H), 2.63(m, 1H), 1.81(m, 2H)。MS(ES+): M/Z 500(M+l)。
実施例13:MetRSの発現および精製
[00111]以下の実施例は、実施例14および15に示す機能アッセイにおいて有用な、C.ディフィシレMetRSの発現および精製を例示する。
[00112]過剰産生ベクターのクローニング: N末端で6Hisタグ化されたC.ディフィシレMetRSを増幅し、そしてpETcoco−2にクローニングした。以下のプライマーを用いて、ゲノムDNAからDNAを増幅した: 5’−CTGCAGAGCTAGCAAACCGAGTTTTTATGTAAC−3’(順方向)(配列番号1)、5’−CTTTCTAAGCTTCTACTAACGAACCTCGGATCC−3’(逆方向)(配列番号2)。増幅されたDNAを、SphlおよびHindIII制限エンドヌクレアーゼで処理し、消化後にこれらの酵素を熱不活化した。断片をエタノール沈殿させ、そして同じ酵素に加えてエビ(shrimp)アルカリホスファターゼで処理しておいたpETcoco−2ベクター(Novagen)と合わせた。断片を連結し、そして連結混合物を、コンピテントDH10大腸菌に形質転換した。形質転換体を、50ug/mlアンピシリンとともに、グルコースを加えたF培地上にプレーティングした。グルコース中の増殖は、複製因子Trf Aの発現を駆動するpBADプロモーターの抑制状態を維持し、したがって、低コピー数が維持された。両方向で、挿入物を配列決定することによって、生じた発現クローン、pETcoco−Cdiff−MRSを確認した。
[00113]C.ディフィシレMetRSの精製。発現ベクター、pETcoco−Cdiff−MRSを、Rosetta DE3発現株に形質転換し、そしてこれを用いて、10ug/mLクロラムフェニコール、50ug/mLアンピシリン、0.2%グルコースを補った4リットルのF培地に接種した。OD 0.66で、1mM IPTGを用いて培養を誘導した。誘導4時間後、細胞を採取した(収量=38g細胞ペレット)。−20℃で保存しておいたTris−スクロース中の凍結細胞(39g細胞)の1:1懸濁物78gを、あらかじめ45℃に温めておいた107.25mlのTris−スクロース緩衝液に添加することによって、ペレットにした細胞を溶解した(2.75ml/細胞g)。攪拌混合物に、1.95mlの0.5M 1,4−ジチオスレイトール(DTT)(0.05ml/細胞g)および9.75mlの溶解緩衝液(pH 7.5に調整したTris−スクロース中の2M NaCl、0.3Mスペルミジン)(0.25ml/細胞g)を添加した。スラリーのpHをpH試験紙で試験し、そして50mlの2M Tris塩基を添加することによって、pH 8.0に調整した。20mlのTris−スクロース緩衝液中で、リゾチーム(117mg)を添加した(3mgリゾチーム/細胞g)。スラリーを遠心ボトルに分配し、そして4℃で1時間インキュベーションした後、37℃で4分間インキュベーションした。遠心分離(23,000xg、60分間、4℃)によって、不溶性細胞構成要素を除去した。回収した上清(192ml)は分画Iを構成した。装填緩衝液(50mM Tris−HCl、pH 7.5、10%グリセロール、40mM KCl、10mMイミダゾール、pH 6.8、および7mMベータメルカプトエタノール)中で平衡化させた15mL Ni−NTAカラム上に、分画Iを装填した。10カラム体積の洗浄緩衝液(50mM Tris−HCl、pH 7.5、10%グリセロール、800mM KCl、20mMイミダゾール、pH 6.8、および7mMベータメルカプトエタノール)でカラムを洗浄した。0.5mL/分の洗浄緩衝液から溶出緩衝液(50mM Tris−HCl、pH 7.5、10%グリセロール、40mM KCl、250mMイミダゾール、pH 6.8、および7mMベータメルカプトエタノール)の10カラム体積勾配でタンパク質を溶出させて、3mL分画を収集した。分画を収集し、そしてSDS−PAGEによってタンパク質に関して分析した。C.ディフィシレMetRS tRNAチャージングアッセイにおいて、分画をアッセイした。ピーク活性を含有する分画をプールして、分画II(1.3mg/mlで60mg)を形成した。分画IIは、比活性3.2x10単位/mgを有した。クーマシーブルーで染色したSDS−PAGEゲルの濃度測定に基づいて、純度は97%より高いと概算された。
実施例14:鏡像異性化合物は、C.ディフィシレMetRSの強力な阻害剤である
[00114]本発明の化合物をアッセイして、MetRSを阻害する能力を決定した。アッセイを以下のように行った:
反応混合物(1mlあたり)
Figure 0005247706
[00115]20μlの適切に希釈した純粋な酵素(阻害剤とあらかじめインキュベーションしたもの)を25μlの反応混合物に、室温で10分間添加することによって、各反応を開始した。ホスホジエステラーゼ(PDE)SPAビーズ(0.833mg/ml)を含有する、150μlの167mMクエン酸ナトリウム、pH 2.15を添加することによって、反応を終結させる。ビーズへの放射標識産物の結合によって、同位体が十分に近接して、トリチウムから放射線照射されて、ビーズ内のシンチラントが励起することが可能になる。いかなる未結合放射標識も、このエネルギー移動を可能にするほどシンチラントに十分に近接せず、したがって、シグナルはまったく生成されない。反応終結後、プレートをMistral 3000Eプレート遠心分離装置中、2500rpmで5分間回転させる(あるいは1時間静置させる)。96ウェルOptiplate(Packard)中で、アッセイを行う。TopCount(Packard 96ウェルカウンター)上でプレートを計測する。
試薬
[00116]混合大腸菌MRE 600 tRNAおよびATPをBoehringer−Mannheimより購入し、L−[メチル−H]メチオニンおよびホスホジエステラーゼ・シンチレーション近接(SPA)ビーズをAmersham Pharmacia Biotechより購入し、そして他の試薬をSigmaより購入した。
結果
[00117]すべてR鏡像異性体である本発明の純粋な鏡像異性体(実施例2、4、6、8、10)、および(実施例11)S鏡像異性体は、ある範囲で、クロストリジウム・ディフィシレMetRSを非常に強力に阻害した(K=15〜25pM)。すべて、哺乳動物酵素に関して、非常に選択的であった(ラットMetRSをまったく阻害しなかった)。これらの実施例のラセミ混合物は、純粋な鏡像異性体よりも、およそ50%低い活性を有した。
[00118]比較すると、すべてS鏡像異性体である反対の立体配置異性体(実施例3、5、7、9)、および(実施例12)R鏡像異性体は、ある範囲で、クロストリジウム・ディフィシレMetRSを非常に弱くしか阻害しなかった(K=24,000〜80,000pM)。これは、反対の立体配置の異性体間での、予期されぬ劇的な活性の相違である。さらに、このデータは、本発明の化合物が、C.ディフィシレMetRSの阻害に向かう、強い選択性を示すが、哺乳動物MetRSに向かう阻害活性をほとんどまたはまったく持たないことを示す。MetRS阻害剤は、メチオニンの競合的阻害剤およびATPの非競合的阻害剤である。
実施例15:鏡像異性化合物は、C.ディフィシレに対する強力な抗細菌活性を有する
[00119]本発明の化合物(式(VI)〜(XI))を、C.ディフィシレ増殖を阻害する能力に関してもまたアッセイした。CLSIにしたがった標準的なアガーに基づくアッセイを用いて、MIC90(C.ディフィシレの90%の増殖を阻害するのに必要な最小阻害濃度)を決定した。
[00120]生物: C.ディフィシレの非反復臨床単離体コレクションに対する抗細菌活性に関して、すべての化合物を試験した。20%グリセロールを補ったBrucellaブロス中で、生物を凍結保存した。冷凍庫から生物を取り出し、そしてCDCアガー上で2回継代培養して、純度および増殖を確実にした。嫌気性条件下で、プレートを少なくとも24時間インキュベーションした。形態;黄色、ガラス粉末の質感および特徴的な臭いに関して細菌コロニーを調べた。試験した対照生物は、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)ATCC 25285であった。
[00121]抗微生物感受性試験: CLSI指針(CLSI、M11−A2)にしたがって、ビタミンK、ヘミンおよび5%ヒツジ溶解血(laked sheep blood)を補充したBrucellaアガー上、アガー希釈法によって、抗微生物感受性試験を行った。試験化合物を連続希釈して、そして融解した補充Brucellaアガーに添加した。各抗微生物プレートシリーズの接種前および後に、薬剤不含プレートに接種し、そしてこれらを増殖対照として用いた。薬剤プレート2セットの後に、薬剤不含プレート上、嫌気性/好気性増殖対照を実行した。細菌コロニーをBrucellaブロス中に懸濁して、0.5 McFarland標準のものと等しい濁度にして、そして10CFU/スポットを送達するSteersレプリケーターで、プレートに適用した。嫌気性条件下で、プレートを35℃で24時間インキュベーションした後、結果を読み取った。最小阻害濃度(MIC)は、増殖を完全に阻害するか、または薬剤不含増殖対照のものに比較して、増殖の見かけに顕著な減少を引き起こす濃度であった。
[00122]結果:すべてR鏡像異性体である本発明の純粋な鏡像異性体(実施例2、4、6、8、10)、および(実施例11)S鏡像異性体は、クロストリジウム・ディフィシレに対して、非常に強力な抗細菌活性を有した(MIC90=0.25μg/ml〜4.0μg/ml)。これらの実施例のラセミ混合物は、純粋な鏡像異性体よりも、およそ50%低い活性を有した(MIC90=0.50μg/ml〜8.0μg/ml)。
[00123]比較すると、すべてS鏡像異性体である反対の立体配置の異性体(実施例3、5、7、9)、および(実施例12)R鏡像異性体は、クロストリジウム・ディフィシレに対して、非常に弱い抗細菌活性を有した(MIC90=>8.0μg/ml〜>32.0μg/ml)。
[00124]これらの結果は、典型的にはおよそ0.25〜1.0μg/mlの、C.ディフィシレに対する本発明の純粋な鏡像異性化合物の強力な活性を示す。さらに、IC50データは、本発明の化合物が、C.ディフィシレMetRSに特異的であり、哺乳動物MetRSに対してはほとんどまたはまったく活性を示さないことを示す。MetRS阻害剤化合物は、正常な腸フロラに害を加えずに、C.ディフィシレおよびグラム陽性細菌に対して強力な活性を示す。
[00125]これらの実施例中のデータは、反対の立体配置の異性体(実施例3、5、7、9、12)の非常に弱い活性に比較した際の、実施例2、4、6、8、10に関しては純粋なR鏡像異性体の、そしてS鏡像異性体、実施例11の、強力で、そして予期せぬ抗細菌有効性を例示する。
実施例16:本発明の化合物は、他の細菌に対して強力な抗細菌活性を有する
[00126]一団のグラム陽性細菌に対する抗細菌活性に関して、本発明の化合物(実施例2、4、6、8、10、および11)を試験した。CLSIレファレンス・ブロス微量希釈法を用いて、グラム陽性好気性細菌に対して、化合物を試験した。黄色ブドウ球菌、フェカリス菌、フェシウム菌、化膿性連鎖球菌、表皮ブドウ球菌およびS.ヘモリチクス(S. haemolyticus)に対してデータを得た。試験した化合物は、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌および化膿性連鎖球菌の耐性株を含めて、<0.008〜8μg/mlのMIC範囲で、すべての単離体に対して、強力な抗細菌活性を示した。標準的なCLSI指針アガー希釈法を用いて、ヘリコバクター、ピロリ菌に対してもまたデータを得て、そしてこの結果は、本発明の化合物が、ピロリ菌に対して活性であることを示す。
[00127]データは、他のグラム陽性細菌、例えば、黄色ブドウ球菌、フェカリス菌、フェシウム菌、化膿性連鎖球菌、表皮ブドウ球菌、およびS.ヘモリチクスに対して、そしてグラム陰性細菌、ピロリ菌に対して、抗細菌剤として、本発明の化合物を用いる有用性を例示した。
実施例17:本発明の化合物は、in vivo試験中、強い療法的有用性を示す:
[00128]動物研究を実行して、C.ディフィシレ感染の治療に関するMetRS阻害剤の効能を決定した。試験したMetRS阻害剤は、5−[3−((R)−6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン(ラセミ混合物およびR鏡像異性体両方)および5−[3−((R)−8−ブロモ−6−クロロ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オンであった。2−[3−{3,5−ジブロモ−2−[2−(4−メチル−チアゾール−5−イル)−エトキシ]−ベンジルアミノ}−プロピルアミノ]−1H−キノリン−4−オンもまた試験した。
[00129]慣用的な抗生物質、バンコマイシンで治療したC.ディフィシレ感染ハムスターに結果を比較した。感染したハムスターを、5〜50mg/kgのMetRS阻害剤の溶液または懸濁物いずれか、あるいは2.5、5または25mg/kgのバンコマイシンで治療した。群あたり8匹のハムスターであり、実験の最終終点は生存であった。死亡したハムスターのGI状態を調べた。
[00130]研究に関するデータは、対照ハムスター(C.ディフィシレに感染したが、まったく治療を受けていない)が3〜4日以内に死亡することを示した。MetRS阻害剤で治療したハムスターは、生存の有意な増加を示し、しばしば、研究終了時まで、典型的には28日以上生存した。これらの結果は、バンコマイシン治療を用いて得た結果と類似であるかまたはそれより優れていた。5−[3−((R)−6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オンが最適な効能を示した。5−[3−((R)−6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オンは、バンコマイシンより優れた効能を示し、バンコマイシンでは0〜10%生存であったのに比較して、第28日で、>60%生存が観察された(5mg/kg BID)。生存動物は、健康なGI外観および組織病理を有した。MetRS阻害剤の経口投与後、ハムスターでは、低い全身曝露および生物学的利用能が観察された。
[00131]本実施例中のデータは、本発明の化合物が、C.ディフィシレに感染した動物を治療する能力において、バンコマイシンに匹敵するかまたはそれより優れていることを例示する。
実施例18:本発明の化合物は、C.ディフィシレの毒素産生に影響を及ぼす:
[00132]C.ディフィシレの病原性は、細胞外毒素AおよびBを産生する能力と関連する。高毒素産生株は、最近の高死亡率の突発の原因である。対照的に、毒素を産生しない単離体は、非病原性である。毒素産生は、活性タンパク質合成を必要とするため、タンパク質合成機構の阻害は、新規毒素産生を抑制すると予期される。したがって、in vitroのC.ディフィシレ毒素産生に対する影響に関して、MetRS阻害剤を評価した。
方法:
[00133]C.ディフィシレ株ATCC43255をCDC嫌気性菌アガー(Remel、カンザス州レネクサ)上で嫌気的に増殖させ、そして維持した。増殖に対する抗細菌剤の影響を試験するため、10CFU/mLの最初の接種物を用いて、96ウェル・ブレイン・ハート・インフュージョン(BHI)ブロス培養中で35℃で40時間、細胞を嫌気的に増殖させた。C.ディフィシレ細胞が高密度の際の、毒素産生に対する抗細菌剤の影響を試験するため、96ウェル・ブレイン・ハート・インフュージョン(BHI)ブロス培養中で35℃で24時間、細胞を嫌気的に増殖させた。次いで、消費した培地を、0.015〜16μg/mLの濃度範囲でMetRS阻害剤および対照剤を含有する新鮮なブロスと交換した。4日後、595nmでの光学密度測定によって、そしてCDC嫌気性菌アガー上での培養によって、それぞれ、増殖および細胞生存度を監視した。培養上清を収集し、そして抗毒素Aモノクローナル抗体(Novus Biologicals、コロラド州センテニアル)を用いたELIFA(酵素連結免疫フローアッセイ)によって毒素Aを検出した。
結果:
[00134]MetRS阻害剤、5−[3−(6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オンおよび5−[3−{3,5−ジブロモ−2−[2−(4−メチル−チアゾール−5−イル)−エトキシ]−ベンジルアミノ}−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オンは、ブロス中、0.25μg/mL以上の濃度で、C.ディフィシレの増殖を防止した。
[00135]高細胞密度の4日目の静止期培養物における毒素産生は、0.25μg/mL程度の低い濃度で、4つの異なるMetRS阻害剤(5−[3−(6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン、5−[3−{3,5−ジブロモ−2−[2−(4−メチル−チアゾール−5−イル)−エトキシ]−ベンジルアミノ}−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン、R−(+)−5−[3−(6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン二塩酸塩、5−[3−(6,8−ジブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン三塩酸塩)によって阻害された。対照的に、毒素産生を阻害するには、はるかにより高い濃度(4〜>16μg/mL)の比較剤(メトロニダゾール、バンコマイシン、レボフロキサシン)が必要であった。
結論:
[00136]MetRS阻害剤は、ブロス培養中、C.ディフィシレの増殖および毒素産生の両方に阻害効果を示す。さらに、毒素産生は、静止期培養中で、効果的に遮断された。静菌性のMetRS阻害剤による毒素産生のこの抑制の結果として、C.ディフィシレは、本質的に非毒素産生性となり、そしてしたがって非病原性となる。この効果は、その作用様式が、細菌が活発に増殖することを必要としない、MetRS阻害剤などの、タンパク質合成阻害剤に特有である。
実施例19:本発明の化合物は、C.ディフィシレにおける胞子産生に影響を及ぼす:
[00137]C.ディフィシレは、加熱、乾燥、および殺菌剤などの多くの洗浄剤に耐性である胞子を形成する能力に関してよく知られている生物である。環境中に存在する胞子は、疾患を引き起こす生物の貯蔵庫として働きうる。C.ディフィシレ感染は、しばしば、胞子の摂取によって開始され、この胞子が、GI管で出芽してCDADを引き起こす。CDAD治療後、腸に胞子が保持されることもまた、再発疾患の主な原因であると考えられる。C.ディフィシレが胞子を産生する能力または胞子の出芽が減少すると、この疾患の治療の重要な前進に相当しうる。胞子コートは、主にタンパク質で構成され、胞子コートの生成にはタンパク質合成が必要であり、そして活性タンパク質合成の阻害は、この生物において、胞子産生に影響を及ぼすと予期される。したがって、in vitroのC.ディフィシレ胞子産生に対するその影響に関して、MetRS阻害剤を評価した。
方法:
[00138]BI/NAP1遺伝子型に属する、2つの最近の突発単離体を含む、C.ディフィシレの4つの臨床単離体の胞子形成に対する影響に関して、MetRS阻害剤を評価した。C.ディフィシレ株を補充Brucella血上で24〜48時間増殖させ、そしてコロニーを生理食塩水中に懸濁して、0.5 McFarland標準と等しい濁度を達成した。0.06〜2μg/mLの範囲の濃度でMetRS阻害剤を含有する5%ヒツジ溶解血を含む、新鮮な補充Brucellaアガープレート表面上に、C.ディフィシレ懸濁物(10μL)をスプレッドし、そして35℃で96時間、嫌気的にインキュベーションした。MetRS含有プレートに接種するのに用いたものと同じ細胞懸濁物のアリコットを、生菌数用にもまたプレーティングし、そしてさらに250μLアリコットを、250μLの無水エタノールで、室温で1時間処理して、植物性(vegetative)細胞を除去し、そして胞子を数えることを可能にした。化合物の存在下で96時間インキュベーションした後の4つのすべての株に関して、胞子対総細胞の比を再び決定し、そしてこれを用いて、胞子形成率に対する薬剤不含対照とMetRS阻害剤の効果を比較した。
結果:
[00139]4つのC.ディフィシレ株のうち3つが、測定可能な数の胞子を産生し、そしてこれらを上述のように評価した。5−[3−((R)−6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン(式IX、実施例2)ですべての株を処理すると、すべての株において、0.25xMIC(<2%胞子)および0.5xMIC(<1%胞子)で、胞子産生の減少が示された。これは、メトロニダゾールでの処理後に得た結果とは顕著に対照的であり、メトロニダゾールの場合、試験したすべての株は、薬剤のMIC濃度未満に曝露した後、胞子産生の顕著な増加(100%までの胞子)を示す。バンコマイシンでの処理は、2つの株では類似の胞子産生増加を誘導したが、1つの株では誘導せず、この株では胞子数は低いままであった。
結論:
[00140]MIC未満(0.25および0.5xMIC)の5−[3−((R)−6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オンは、C.ディフィシレの植物性細胞が胞子を形成するのを防止する際に有効であった。これらのデータは、5−[3−((R)−6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オンが、突発を防止し、そして環境におけるC.ディフィシレ胞子の広い蔓延と相関づけられている再発率を減少させる際に有用な役割を有する可能性もあることを示唆する。
[00141]本発明は、いくつかの態様に言及して、特に示され、そして記載されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示する多様な態様に、形式および詳細の変化を作製してもよく、そして本明細書に開示する多様な態様は、請求項の範囲に対する限定として働くようには意図されないことを、当業者は理解するであろう。

Claims (11)

  1. 式(IIa)
    Figure 0005247706
    式中:
    Xは、NH、O、S、SO、SO、またはCHからなる群より選択され;
    nは1、2または3であり;
    は不斉炭素原子を示し、ここで、nが2または3である場合、はR立体配置であり;nが1であり、そしてXがCHである場合、はR立体配置であり;そしてnが1であり、そしてXが、NH、O、S、SO、またはSOからなる群より選択される場合、はS立体配置であり;
    は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1−6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、または(C1−6)アルコキシカルボニルによって置換されていてもよい)、(C3−7)シクロアルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、モノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1−6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1−6)アルキルオキシ、(C1−6)アルキルチオ、(C1−6)アルキルスルフィニル、(C1−6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノおよびジ−(C1−6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノおよびジ−(C1−6)アルキルカルバモイルならびに複素環より独立に選択され;
    mは、0、1、2、3または4であり
    は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1−6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、または(C1−6)アルコキシカルボニルによって置換されていてもよい)、(C3−7)シクロアルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、モノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1−6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1−6)アルキルオキシ、(C1−6)アルキルチオ、(C1−6)アルキルスルフィニル、(C1−6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノおよびジ−(C1−6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノおよびジ−(C1−6)アルキルカルバモイルならびに複素環より独立に選択され;そして
    がSである場合、ZおよびZはCHであり;そしてZがSである場合、ZおよびZはCHであり;そしてZがSである場合、ZおよびZはCHである
    の光学活性化合物であって、
    少なくとも60%の鏡像異性体過剰である、前記化合物
  2. 式(III):
    Figure 0005247706
    を有する請求項1の光学活性化合物。
  3. (Rが6,8置換であり、そして同じ置換基または異なる置換基であってもよく、置換基が臭素、塩素、ヨウ素およびスルファンからなる群より選択される、請求項2の光学活性化合物。
  4. 式(V):
    Figure 0005247706
    を有する請求項1の光学活性化合物。
  5. (Rが5,7置換であり、そして同じ置換基または異なる置換基であってもよく、置換基が臭素、塩素、ヨウ素およびスルファンからなる群より選択される、請求項の光学活性化合物。
  6. 5−[3−((R)(−)−5,7−ジブロモ−l,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−l−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン;
    5−[3−((R)(+)−8−ブロモ−6−クロロ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン;
    5−[3−((R)(+)−6,8−ジブロモ−l,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン;
    5−[3−((R)(+)−6,8−ジブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン;および
    5−[3−((S)−5,7−ジブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3イルアミノ)−プロピルアミノ]−4H−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オン
    からなる群より選択される、請求項1の光学活性化合物。
  7. 請求項1の化合物の塩。
  8. 薬学的に許容されうる塩である、請求項7の塩。
  9. 細菌感染の治療に使用するための請求項1に記載の化合物。
  10. ヒトにおいて細菌感染を治療するための、感染の治療に有効な量の請求項1の化合物を含有する薬学的組成物
  11. ヒトにおいて細菌感染を治療するための薬学的組成物であって、前記細菌の増殖を減少させるような有効量の請求項1の化合物を含み、調製物が、薬学的に許容されうるキャリアーまたは賦形剤をさらに含む、前記薬学的組成物。
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