JP5246921B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技球が始動口に入球することによって大当たりの抽選を行う遊技機に関する。
従来、始動口に遊技球が入球することによって大当たりの抽選を行い、大当たりに当選した場合にはアタッカーが開放状態となって、より多くの賞球が得られる遊技機が知られている。こうした遊技機は、大当たりの抽選結果がさまざまな趣向を凝らした演出によって遊技者に報知されるが、こうした演出の中には長時間に及ぶいわゆるプレミア演出が含まれている。
そして、このような長時間に及ぶ演出がいつ行われるかわからない状況下では、遊技者が遊技を終了させたり、あるいは遊技を中断したりするタイミングが失われ、遊技者が遊技機から離れなれなくなってしまう。そこで、特許文献1に示す遊技機においては、遊技者が計画的に遊技を行うことができるように、保留球として留保された特別図柄の変動表示の合計時間(演出の時間)を予め遊技者に報知するようにしている。
特開2005−348889号公報
上記のように、特別図柄の変動表示の合計時間を予め遊技者に報知するためには、保留球が留保された時点で、各特別図柄の変動表示の時間が決定されなければならない。そのため、遊技者に計画性をもたせることは可能になるものの、特別図柄の変動表示の開始時の状況に応じて、当該変動時間を変えることができなくなってしまう。
例えば、保留球の留保個数が多い場合には、上記変動時間を短くすることが望まれる。なぜなら、通常、遊技機には、保留球の留保個数に上限が設けられており、保留球が上限留保個数に達した状態では、遊技球が始動口に入球しても、大当たりの抽選の権利が得られなくなってしまい、遊技者に不利益が生じてしまうからである。
一方、保留球の留保個数が少ない場合には、上記変動時間を長くすることが望まれる。なぜなら、保留球の留保個数が少ない状況で上記変動時間が短くなれば、すぐに保留球がなくなってしまい、遊技者が倦怠感を覚えてしまうためである。
しかしながら、遊技者に変動時間を正確に報知するためには、保留球が留保された時点で変動時間が決定されなければならないため、変動開始時の状況に応じて変動時間を変えることができなくなってしまい、上記のように遊技者に不利益が生じたり、遊技者が倦怠感を覚えてしまったりするという問題があった。
本発明は、遊技者が計画的に遊技を行うことが可能であり、しかも、遊技者に不利益が生じたり倦怠感を与えたりすることのない遊技機を提供することを目的とする。
第1の発明は、特別図柄を所定時間変動表示する特別図柄変動表示手段と、遊技球の入球を契機に前記特別図柄変動表示手段による特別図柄の変動表示を開始させる権利を発生させる始動口と、通常遊技状態、該通常遊技状態よりも多くの賞球を獲得可能な大当たり遊技状態にて遊技の進行を制御する制御手段と、前記始動口への遊技球の入球を契機として、前記特別図柄の変動時間を決定する遊技データを取得する遊技データ抽選手段と、リーチ演出を実行するか否かを判定する際に用いられるリーチ乱数を抽出するリーチ乱数抽出手段と、前記リーチ乱数抽出手段により抽出されたリーチ乱数と、リーチ演出を実行するか否かを判定するためのリーチ乱数判定テーブルとに基づいて、リーチ演出を実行するか否かを判定するリーチ演出実行判定手段と、前記特別図柄変動表示手段により特別図柄が変動表示されているときに前記始動口に遊技球が入球したとき、当該入球を契機として取得された遊技データを記憶して特別図柄の変動表示の権利を留保する特別図柄保留記憶手段と、前記特別図柄の変動表示を開始するとき、前記始動口への遊技球の入球を契機として取得された遊技データに基づいて、当該特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段と、前記特別図柄保留記憶手段に留保された各特別図柄の変動表示の権利の変動時間を、それら各特別図柄の変動表示開始前に判定するとともに、これら各変動時間を積算して合計変動時間を演算する変動時間演算手段と、遊技者に視認可能に設けられ、前記変動時間演算手段が演算した合計変動時間を表示する変動時間表示手段と、前記変動時間演算手段が演算した合計変動時間を前記変動時間表示手段に表示する制御を行う変動時間表示制御手段と、を備え、前記リーチ乱数判定テーブルは、前記特別図柄保留記憶手段に記憶されている合計保留個数が第1の値の場合には、当該第1の値よりも合計保留個数が多い第2の場合と比較してリーチ演出が実行される可能性が高くなるように規定され、前記リーチ演出実行判定手段は、前記特別図柄保留記憶手段に記憶されている合計保留個数に基づいて、前記リーチ乱数判定テーブルを選択し、前記変動時間決定手段は、前記リーチ演出実行判定手段によりリーチ演出が実行されると判定された場合には、リーチ演出が実行されないと判定された場合と比較して長い変動時間を決定し、前記遊技データには、特別図柄保留記憶手段における特別図柄の変動表示の権利の留保個数に応じて変動時間が変化する未確定遊技データが含まれてなり、前記変動時間演算手段は、前記特別図柄保留記憶手段に前記未確定遊技データが記憶されたとき、当該未確定遊技データを取得した特別図柄の変動表示の権利の変動時間を、当該未確定遊技データに基づいて決定される変動時間のうち、もっとも短い変動時間と仮定して、前記合計変動時間を演算し、前記変動時間表示制御手段は、前記特別図柄の変動表示の権利が留保されるたびに前記変動時間演算手段により演算された合計変動時間を表示する制御を行うことを特徴とする。
第2の発明は、前記未確定遊技データは、特別図柄保留記憶手段における特別図柄の変動表示の権利の留保個数が予め設定された個数以上のとき、前記変動時間が第1の時間に決定され、前記留保個数が予め設定された個数未満のとき、前記変動時間が前記第1の時間よりも長い第2の時間に決定されることを特徴とする。
前記始動口は、遊技盤に設けられており、この遊技盤に発射された遊技球が入球もしくは通過可能に構成されている。この始動口は、遊技球が入球もしくは通過したことを検出することができるものであれば、その構成は特に限定されるものではない。また、前記始動口は、遊技盤に1つだけ設けてもよいし、あるいは複数設けても構わない。
本発明の遊技データには、乱数発生手段により取得される乱数等、無作為に抽出される数値やデータ等が広く含まれる。
遊技データ抽選手段は、始動口に遊技球が入球するたびに、上記遊技データを抽選によって取得する。ただし、遊技データ抽選手段が遊技データを取得するタイミングは、必ずしも、遊技球が始動口に入球してすぐに行わなければならないわけではない。また、特別図柄の変動表示の権利の留保個数に上限を設けている場合において、特別図柄の変動表示の権利の留保個数が上限に達している場合には、遊技データ抽選手段は遊技データを取得しない。
また、本発明における遊技データは、大当たりの当選の有無や大当たりの内容等をも決定するものであってもよいし、単に変動時間のみを決定するものであってもよい。
特別図柄とは、大当たりの抽選結果、すなわち、以後の遊技状態が通常遊技状態となるのか、大当たり遊技状態となるのか、あるいは特別遊技状態となるのかに応じて、予め設定された図柄のことである。この特別図柄は、1回の遊技データの抽選に対して、必ず1回表示される。
変動表示とは、上記特別図柄を遊技者に表示することを意味しており、変動表示の開始から最終的に特別図柄が遊技者に表示されるまでには、所定の時間を要する。特別図柄は、最終的に抽選結果が遊技者に報知されればよい。したがって、特別図柄が最終的に表示されるまでの間、遊技者に何ら表示がなされない場合も、本発明でいう変動表示に含まれる。
変動時間決定手段は、特別図柄が変動表示を開始してから停止するまでの変動時間を決定する。この変動時間は、特別図柄の変動表示の権利が留保されたときに取得した遊技データと、変動を開始する際の状況に基づいて決定される。
合計変動時間は、特別図柄の変動表示の権利が留保されるたびに表示してもよいし、特別図柄の変動表示が開始されるたびに表示してもよい。いずれにしても、特別図柄の変動表示の時間は、予め設定されたタイミングで表示すればよい。
本発明の未確定遊技データとは、変動開始時におけるさまざまな状況に応じて、変動時間が変化するものであるが、この状況は特に限定されるものではない。
変動時間演算手段は、予め設定されたタイミングで、留保された特別図柄の変動表示の権利の各変動時間を演算するとともに、これら各変動時間を積算して、上記合計変動時間を算出することとなる。このとき、特別図柄保留記憶手段に未確定遊技データが含まれている場合には、当該未確定遊技データに係る特別図柄の変動表示の権利の変動時間を、もっとも短い時間として算出する。例えば、変動開始時の状況に応じて、10秒、1分、2分のいずれかに変動時間が決定される未確定遊技データについては、変動時間演算手段が、当該未確定遊技データに係る変動時間をもっとも短い10秒とみなして、合計変動時間を演算することとなる。
本発明によれば、特別図柄の変動表示の開始時点における状況に応じて、変動時間を可変にした。したがって、例えば特別図柄の変動表示の権利が多数留保された状態では、変動時間を短くし、逆に特別図柄の変動表示の権利の留保個数が少ない状態では、変動時間を長くすることができる。このようにすれば、始動口に遊技球が入球しているにも関わらず、大当たりの抽選が行われないといった不利益が生じることが少なくなり、また、演出が行われない時間が多くなって、遊技者に倦怠感を与えることも少なくなる。
しかも、遊技者には、留保された特別図柄の変動表示を終了するまでに最低限必要となる合計変動時間が報知されるので、遊技者が遊技に対して一応の計画を立てることが可能となる。これにより、遊技者に遊技に対する計画性をもたせつつも、遊技者に不利益が生じたり倦怠感を与えたりすることがない。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明の遊技機の一例を示す正面図であり、図2は、当該遊技機の部分拡大図である。遊技機1は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部(図3における符号292を参照)を備える操作ハンドル113が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、図示を省略する複数の釘が設けられ、遊技球を各種の方向に向けて落下させるとともに、落下途中の位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や、入球口が配設されている。
遊技盤101の遊技領域103の中央部分には、本発明の変動時間表示手段を構成する図柄表示部104が配置されている。図柄表示部104としては、例えば液晶表示器(LCD)が用いられる。図柄表示部104の下方には、遊技領域103に向けて打ち込まれた遊技球を受入れ可能な第1始動口105が配置されている。第1始動口105の下方には、一対の可動片120aを有する第2始動口120が配置されている。第2始動口120は、一対の可動片120aが閉状態であるときは遊技球を受入れることが不可能または受入れ困難となっており、この一対の可動片120aが開状態であるときは、第1始動口105よりも遊技球の受入れが容易となる。
上記一対の可動片120aは、通常遊技状態においては第1始動口105よりも遊技球が入球しにくい第1の状態に制御され、確変状態あるいは時短状態等の特別遊技状態においては第1始動口105よりも遊技球が入球しやすい第2の状態に制御される。なお、本実施形態における時短状態とは、上記第2始動口120が第2の状態に制御された遊技状態をいい、確変状態とは、上記第2始動口120が第2の状態に制御され、かつ、大当たりに当選する確率が、通常遊技状態に比べて高く設定された遊技状態をいう。
また、図柄表示部104の左側には入賞ゲート106が配設されている。
入賞ゲート106は、遊技球の通過を検出し、第2始動口120を一定時間だけ開放させる普通図柄の抽選を行うために設けられる。図柄表示部104の側部や下方等には普通入賞口107が配設されている。普通入賞口107に遊技球が入球すると、所定の賞球数(例えば10個)の払い出しが行われる。遊技領域103の最下部には、どの入球口にも入球しなかった遊技球を回収する回収口108が設けられている。
図柄表示部104の右下には、後述する第1特別図柄抽選手段300による抽選結果を表示する第1特別図柄表示器84と、第2特別図柄抽選手段320による抽選結果を表示する第2特別図柄表示器86とが設けられている。これら両表示器84,86においては、特別図柄が変動表示された後、最終的に抽選結果が表示される。そして、この特別図柄の変動表示中に第1始動口105あるいは第2始動口120に遊技球が入球すると、当該入球によって得られる特別図柄の変動表示の権利、いわゆる保留球が留保される。この留保された保留球の数は、第1特別図柄保留表示器88および第2特別図柄保留表示器90に表示される。
なお、上記第1特別図柄表示器84と第2特別図柄表示器86とによって、本発明の特別図柄変動表示手段を構成している。
また、上記と同様に、入賞ゲート106に遊技球が入球すると、普通図柄抽選手段360による抽選が行われるが、この抽選結果を表示する普通図柄表示器82が設けられている。そして、普通図柄の変動表示中に入賞ゲート106に遊技球が入球することによって得られる普通図柄の変動表示の権利、すなわち保留球の数が、普通図柄保留表示器92に表示される。
これらの各表示器82,84,86,88,90,92は、例えばLEDで構成されており、このLEDの点灯態様によって、第1特別図柄抽選手段300による抽選結果、第2特別図柄抽選手段320による抽選結果、普通図柄抽選手段360による抽選結果、第1始動口105に入球して得られた保留球の数、第2始動口120に入球して得られた保留球の数、および入賞ゲート106に入球して得られた保留球の数が報知される。
上述した図柄表示部104は、第1始動口105または第2始動口120に遊技球が入球したときに、複数の装飾図柄の変動表示を開始し、所定時間後に当該装飾図柄の変動を停止させる。この停止時に特定図柄(例えば「777」)が揃ったとき、大当たり状態となる。大当たり状態のとき、下方に位置する大入賞口開閉装置109における大入賞口開閉扉109aを一定の期間開放する動作を所定回数(例えば15回)繰り返し、入球した遊技球に対応した数の賞球を払い出す。
また、図柄表示部104は、第1始動口105に遊技球が入球したことにより、当該第1始動口105の入球に係る装飾図柄を変動表示し、第2始動口120に遊技球が入球したことにより、当該第2始動口120の入球に係る装飾図柄を変動表示する。本実施形態においては、第1始動口105あるいは第2始動口120に遊技球が入球した場合、第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86において特別図柄が変動表示され、この特別図柄の変動表示中に、図柄表示部104において、装飾図柄が変動表示される。そして、第1始動口105と第2始動口120との双方に、変動表示の権利いわゆる保留球がある場合には、第2始動口120への入球によって得られた保留球が優先して消化される。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材110が設けられている。枠部材110は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材110は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。これにより、本実施の形態の遊技機を、枠部材110を備えていない他機種の遊技機よりも目立たせることができる。遊技機を目立たせることにより、遊技機の稼働率の向上を図るとともに、遊技機に対する不正行為に対する抑止力の強化を図ることができる。
枠部材110において、遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト111(ランプユニット)が設けられている。演出ライト111は、それぞれ、複数のライト112を備えている。各ライト112は、遊技機の正面にいる遊技者を照射し、その照射位置が遊技者の頭上から腹部に沿って移動するように、光の照射方向を上下方向に変更することができる。各ライト112は、演出ライト111に設けられたモータ(図示せず)によって、光の照射方向を上下方向に変更するように駆動される。
また、各ライト112は、遊技機の周囲を照射し、その照射位置が遊技機を基準にして円をなすように、光の照射方向を回転させることができる。各ライト112は、演出ライト111に設けられたモータによって、光の照射方向を回転させるように駆動される。各ライト112から光の照射方向を回転させるように駆動するモータは、各ライト112からの光の照射方向を上下方向に変更するモータとは別のモータである。
演出ライト111は、各ライト112から照射される光の照射方向を、上下方向に変更しながら回転させることにより、演出ライト111全体から照射する光の照射方向を3次元に変更することができる。
光の照射方向は、たとえば、大当たり状態となった場合に変更させる。これにより、遊技者および遊技機の周囲を順次照射して、遊技機が大当たり状態となっていることを周囲に知らしめることができ、大当たり状態となった遊技者の注目度を高めることができる。
したがって、遊技者に対して、注目されていることによる高揚感を与え、本実施の形態の遊技機を継続あるいは繰り返して利用させ、遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
枠部材110において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技球が供給される受け皿ユニット119が設けられている。この受け皿ユニット119には、図示しない貸し玉装置から貸し出される遊技球が供給される。
枠部材110の下部位置には、操作ハンドル113が配置されている。操作ハンドル113は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル113は、上記の枠部材110と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
操作ハンドル113は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材114を備えている。発射指示部材114は、操作ハンドル113の外周部において、遊技者から見て右回りに回動可能に設けられている。発射部は、発射指示部材114が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。公知の技術であるため説明を省略するが、操作ハンドル113には、遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。
図柄表示部104の上側および側方(図1においては紙面右側)には、演出用の役物(以下、「演出役物」という)115,116が設けられている。本実施形態の遊技機における演出役物115,116は、日本刀の一部(鍔の周辺)を模式的にあらわしている。演出役物115,116は、鞘から刀身を抜き、抜いた刀身を再び鞘に戻すかの如くに、演出役物115,116の長手方向に沿って移動可能に設けられている。
演出役物115は、ソレノイドによって駆動され、演出役物116は、モータによって駆動される。同様の演出役物115,116を異なる種類の駆動源によって駆動することにより、演出役物115,116それぞれに独自の動きをおこなわせることができ、これによって演出効果を増大させることができる。
枠部材110において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付けるチャンスボタン117が設けられている。チャンスボタン117の操作は、例えば、遊技中における特定のリーチ演出に際し、チャンスボタン117の操作を促すガイダンスが表示されている間有効となる。
加えて、枠部材110には、演出効果音、または不正を知らしめる音声を出力するスピーカ(図3における符号277を参照)が組み込まれている。このスピーカ277は高音・中音・低音の領域を出力できるタイプのもので、通常演出時は高音・中音・低音をバランス良く出力する。
(制御手段の内部構成)
図3は、遊技機1の制御手段の内部構成を示すブロック図である。制御手段200は、複数の制御基板により構成されている。図示の例では、主制御基板201と、副制御基板202と、賞球制御基板203と、ランプ制御基板206とで構成されている。
主制御基板201は遊技機1の遊技にかかる基本動作を制御し、ROM201bに記憶されたプログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行するCPU201aと、CPU201aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM201c等を備えて構成される。
この主制御基板201では遊技に係る大当たりの抽選を行っており、また、この抽選結果に基づき、ROM201bに記録されている演出のコマンドの選択を行っている。このROM201bに格納されている演出実行コマンドは120種類程度あり、後に詳しく説明する各リーチ演出実行コマンドではそれぞれ演出時間が決定される。
この主制御基板201の入力側には、第1始動口105に入球した遊技球を検出する第1始動口検出部221と、第2始動口120に入球した遊技球を検出する第2始動口検出部225と、入賞ゲート106を通過した遊技球を検出するゲート検出部222と、普通入賞口107に入球した遊技球を検出する普通入賞口検出部223と、大入賞口開閉装置109に入球した遊技球を検出する大入賞口検出部224と、が接続されている。
また、この主制御基板201の出力側には、大入賞口開閉部231が接続され、大入賞口開閉装置109の開閉を制御する。大入賞口開閉部231は、大当たり時に大入賞口開閉装置109を一定期間開放する機能であり、大入賞口開閉ソレノイド109b(詳細な図示はしない)等のソレノイドを用いて構成される。
副制御基板202の入力側には、上記のチャンスボタン117が操作されたことを検出するチャンスボタン検出部220が接続されている。
この副制御基板202は、主に遊技中における演出の制御をおこなうもので、各種プログラムを記憶したROM202bと、主制御基板201より送信される演出実行コマンドに基づいてプログラムを制御するCPU202aと、CPU202aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM202c等を備えて構成される。
この副制御基板202は、主制御基板201より送信される遊技演出の一部を構成する演出実行コマンドを受信し、この演出実行コマンドに基づいて抽選を行い、演出背景パターン、リーチ演出パターン、登場キャラクター等の演出を確定し、この演出確定コマンドに基づいて演出が制御される。
また、副制御基板202のROM202bには、背景画像、図柄画像、キャラクター画像など各種画像データが記憶され、RAM202cはCPU202aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。そして、副制御基板202は、図柄表示部104に表示させる画像データを書き込むVRAM202dをさらに備えて構成される。
そして通常、CPU202aがROM202bに記憶されたプログラムを制御して、背景画像表示処理、図柄画像表示及び変動処理、キャラクター画像表示処理など各種画像処理を実行し、必要な画像データをROM202bから読み出してVRAM202dに書き込む。背景画像、図柄画像、キャラクター画像は、表示画面上において図柄表示部104に重畳表示される。すなわち、図柄画像やキャラクター画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAM202dに記憶させる。
また副制御基板202の出力側には、スピーカ277が接続されており、副制御基板202は、上述した演出確定コマンドに基づく演出処理として音声を出力制御する機能も有する。CPU202aは、ROM202bに記憶されたプログラムを読み込んで、演出効果音処理などの各種音声出力処理を実行しスピーカ277より音声出力を行う。
また副制御基板202の出力側には、ランプ262、演出ライト111及び役物部254を制御するランプ制御基板206を備えている。
ランプ制御基板206は、副制御基板202より送信された演出確定コマンドに基づき各種プログラムを制御するCPU206aと、各種演出パターンデータを記憶するROM206bと、CPU206aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM206c等を備えて構成される。
ランプ制御基板206は、副制御基板202より送信された演出確定コマンドに基づき、遊技盤101や台枠等に設けられている各種ランプ262に対する点灯制御等を行い、また、演出ライト111における複数のライト112に対する点灯制御等を行い、各ライト112からの光の照射方向を変更するためにモータに対する駆動制御等を行う。
また、ランプ制御基板206は、副制御基板202より送信された演出確定コマンドに基づき、役物部254に対しては、演出役物115を動作させるソレノイドに対する駆動制御等を行い、演出役物116を動作させるモータに対する駆動制御等を行う。
また、上記主制御基板201には賞球制御基板203が双方向にて送信可能に接続されている。賞球制御基板203は、ROM203aに記憶されたプログラムに基づき、賞球制御を行う。この賞球制御基板203は、賞球制御の処理を実行するCPU203aと、CPU203aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM203c等を備えて構成される。
賞球制御基板203は、接続される払出部291に対して入球時の賞球数を払い出す制御を行う。また、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出し、遊技球の発射を制御する。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータ等からなる。
賞球制御基板203は、この払出部291に対して、各入球口(第1始動口105、第2始動口120、普通入賞口107、大入賞口開閉装置109)に入球した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御を行う。発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサ(図示しない)と、遊技球を発射させるソレノイド等(図示しない)を備える。賞球制御基板203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
(主制御基板および副制御基板の機能的な構成について)
図4は、遊技の進行を制御する制御手段200の機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図4に示すように、主制御基板201のROM201bは、主に第1始動口105への遊技球の入球によって機能する手段として、第1特別図柄抽選手段300、第1特別図柄表示制御手段301、第1特別図柄変動制御手段302、第1乱数判定手段303を備えている。
また、ROM201bは、主に第2始動口120への遊技球の入球によって機能する手段として、第2特別図柄抽選手段320、第2特別図柄表示制御手段321、第2特別図柄変動制御手段322、第2乱数判定手段323を備えている。
また、ROM201bは、遊技を進行制御する手段として、大当たり遊技制御手段340、確変遊技制御手段341、時短遊技制御手段342、通常遊技制御手段343、変動時間演算手段330、コマンド送信手段332、を備えている。
さらに、ROM201bは、入賞ゲート106への遊技球の入球によって機能する手段として、普通図柄抽選手段360、普通図柄表示制御手段361、普通図柄変動制御手段362、普通図柄抽選結果判定手段363を備えている。
また、主制御基板201のRAM201cは、第1特別図柄保留記憶手段401、第2特別図柄保留記憶手段402、普通図柄保留記憶手段403、遊技状態記憶手段404を備えている。
一方、副制御基板202のROM202bには、演出抽選手段501、演出制御手段502、および変動時間表示制御手段503を備えている。
なお、上記第1特別図柄抽選手段300および第2特別図柄抽選手段320によって、本発明の遊技データ抽選手段を構成している。
また、上記第1乱数判定手段303および第2乱数判定手段323によって、本発明の変動時間決定手段を構成している。
また、上記第1特別図柄保留記憶手段401、および上記第2特別図柄保留記憶手段402によって、本発明の特別図柄保留記憶手段を構成している。以下に、各手段の構成および機能について説明する。
上記大当たり遊技制御手段340、確変遊技制御手段341、時短遊技制御手段342および通常遊技制御手段343、は、いずれも各遊技状態において遊技の進行を制御するプログラムである。
大当たり遊技制御手段340は、後述する第1特別図柄抽選手段300または第2特別図柄抽選手段320による大当たり抽選の結果、通常遊技状態から大当たり遊技状態へと移行したときに、当該大当たり遊技の進行を制御する。具体的には、大当たり遊技制御手段340は、大入賞口開閉装置109の開閉動作を計15ラウンドにわたって行う長当たり遊技と、大入賞口開閉装置109の開閉動作を2ラウンドにわたって行う短当たり遊技とを制御する。なお、本実施形態においては、「長当たりおよび短当たり」を「大当たり」と総称し、「長当たり遊技および短当たり遊技」を「大当たり遊技」と総称する。
上記のように、長当たり遊技が実行されるときは、大入賞口開閉装置109の開閉動作が、短当たり遊技のときの大入賞口開閉装置109の開閉動作よりも多く実行されるようにしている。この大入賞口開閉装置109の開閉動作は、大入賞口開閉部231によって大入賞口開閉ソレノイド109bを作動させることによって行われる。具体的には、大当たり遊技制御手段340が、長当たり遊技状態では1ラウンドから15ラウンドまで、短当たり遊技状態では2ラウンドだけ、大入賞口開閉ソレノイド109bを作動させて、大入賞口開閉扉109aを開閉させる。そして、大入賞口開閉装置109に遊技球が入球すると、大入賞口検出部224によって入球数がカウントされる。また、大入賞口開閉装置109に遊技球が入球したことが、大入賞口検出部224に検出されると、払出部291によって賞球として遊技球が払い出される。
ここで、「ラウンド」とは、長当たり遊技および短当たり遊技が実行されている場合において、所定時間(例えば30秒)経過することおよび所定数(例えば9球)の遊技球が入球することのいずれかの条件を満たすことによって大入賞口開閉装置109が開閉動作する単位を意味する。本実施形態においては、短当たり遊技における1ラウンド当たりの大入賞口開閉装置109の開放時間は、長当たり遊技における1ラウンド当たりの大入賞口開閉装置109の開放時間よりも極めて短い時間に設定している。
確変遊技制御手段341は、長当たり遊技または短当たり遊技が実行された後の遊技において、第1特別図柄抽選手段300および第2特別図柄抽選手段320が抽選を行う際に、大当たりへの当選確率を高める確変遊技を制御する。詳しくは後述するが、第1特別図柄抽選手段300による当否判定を第1特別図柄確変時当たり判定用テーブルに基づいて行い、第2特別図柄抽選手段320による当否判定を第2特別図柄確変時当たり判定用テーブルに基づいて行う。
また、上記の短当たりと略同様の態様であるものの、当該当たり遊技が実行されたのちに確変遊技状態とならずに時短遊技状態となる通常短当たりや、確変遊技状態および時短遊技状態のいずれともならずに通常遊技状態となる小当たり等を適宜組み合わせてもよい。
時短遊技制御手段342は、普通図柄抽選手段360による抽選において抽選時間を短くする時短遊技を制御する。なお、確変遊技状態のときには、確変遊技制御手段341による確変遊技と併せて、時短遊技制御手段341による時短遊技が行われる。
本実施形態において、「時短遊技状態」とは、後述する普通図柄抽選手段360による抽選が、普通図柄時短時当たり判定用テーブルに基づいて行われる遊技状態を意味する。つまり、普通図柄抽選手段360は、通常遊技状態においては、普通図柄通常時当たり判定用テーブルに基づいて抽選を行うが、時短遊技状態においては、普通図柄時短時当たり判定用テーブルに基づいて抽選が行われる。普通図柄時短時当たり判定用テーブルは、普通図柄通常時当たり判定用テーブルよりも抽選時間が短く設定されている。
なお、普通図柄抽選手段360による抽選の結果、当たりが当選すると、一対の可動片120aが一定時間開放し、遊技球が第2始動口120に入球しやすくなる。そして、普通図柄時短時当たり判定用テーブルは、当選確率が例えば90%と高く設定されている。したがって、時短遊技状態においては、第2始動口120への入球による賞球を多く獲得することが可能となり、遊技球を極力減らすことなく遊技を進行することができる。
また、上記確変遊技および時短遊技のように、遊技者に有利な遊技価値が付与された状態で行われる遊技を特別遊技という。
そして、通常遊技制御手段343は、上記大当たり遊技、特別遊技のいずれにも該当しない遊技、すなわち通常遊技を進行制御する。上記のように、遊技状態によって、大当たり遊技制御手段340、確変遊技制御手段341、時短遊技制御手段342、および通常遊技制御手段343のいずれかが遊技の進行を制御することとなるが、これら各制御手段340〜343が進行している遊技状態は、RAM201cの遊技状態記憶手段404に書き込まれるようにしている。
次に、遊技球が入賞ゲート106を通過することによって制御を開始する普通図柄抽選手段360、普通図柄表示制御手段361、普通図柄変動制御手段362、普通図柄抽選結果判定手段363、および普通図柄保留記憶手段403について説明する。
普通図柄抽選手段360は、遊技球が入賞ゲート106を通過してゲート検出部222により検出されると、予め用意された乱数値(例えば、0〜250)から乱数を抽出する。普通図柄抽選手段360によって乱数値が抽出されると、普通図柄抽選結果判定手段363が、ROM201bに記憶されたテーブルに基づいて当たりか否かの判定を行う。このとき、通常遊技状態であれば普通図柄通常時当たり判定用テーブルに基づいて当たりが判定され、時短遊技状態(確変遊技状態も含む)であれば普通図柄時短時当たり判定用テーブルに基づいて当たりが判定される。
普通図柄抽選結果判定手段363による判定の結果、当たりである場合には、第2始動口開閉ソレノイド120bを作動させて可動片120aを開放し、ハズレであった場合には第2始動口開閉ソレノイド120bを作動させることなく制御を終了する。したがって、普通図柄抽選結果判定手段363による判定の結果がハズレであった場合には、第2始動口120が開放されることなく、閉状態が維持されることとなる。そして、普通図柄抽選結果判定手段363による判定の結果は、普通図柄表示制御手段361によって普通図柄表示器82に表示される。
なお、入賞ゲート106を遊技球が通過してから、判定結果が普通図柄表示器82に表示されるまでには所定時間を要する。この間に、さらに遊技球が入賞ゲート106を通過した場合には、普通図柄抽選手段360による抽選の権利が、普通図柄保留記憶手段403に留保される。この抽選の権利の留保は最大4つであり、普通図柄表示制御手段361によって普通図柄保留表示器92に表示される。
次に、遊技球が第1始動口105または第2始動口120に入球した際の制御について説明する。ただし、第1始動口105に遊技球が入球した際の制御と、第2始動口120に遊技球が入球した際の制御とはほとんど同じである。したがって、ここでは、第1始動口105に遊技球が入球した際の制御について説明する。
第1始動口105に遊技球が入球したことを第1始動口検出部221が検出すると、当該検出信号が主制御基板201に送信される。当該信号を受信すると、第1特別図柄抽選手段300が、予め用意された乱数値の中からいずれかの乱数値を抽出する。ここで抽出した乱数値には、当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数および演出乱数が含まれている。当たり乱数とは、大当たりか否かを判別するための乱数であり、図柄乱数とは、当たりの種類(長当たり、短当たり)を決定するための乱数である。そして、リーチ乱数とは、リーチ演出をするか否かを決定するための乱数であり、演出乱数とは特別図柄の変動時間を決定する乱数である。
RAM201cには、遊技状態記憶手段404が設けられており、この遊技状態記憶手段404が、現在の遊技状態が通常遊技状態であるのか、特別遊技状態(確変遊技状態、時短遊技状態)であるのかを記憶している。そして、第1特別図柄抽選手段300が乱数値を抽出した際には、遊技状態記憶手段404に記憶された遊技状態に基づいて、第1乱数判定手段303が上記乱数値を判定する。
具体的には、通常遊技状態であれば、抽出された乱数値を特別図柄通常時当たり判定テーブルに基づいて判定し、確変遊技状態であれば特別図柄確変時当たり判定テーブルに基づいて判定する。そして、特別図柄通常時当たり判定テーブルには、第1特別図柄通常時当たり判定テーブル、第2特別図柄通常時当たり判定テーブルが用意されており、特別図柄確変時当たり判定テーブルにも、第1特別図柄確変時当たり判定テーブル、第2特別図柄確変時当たり判定テーブルが用意されている。これら各判定テーブルは、ROM201bに格納されており、遊技状態や入球した始動口に基づいて、それぞれ異なるテーブルが参照されるようにしている。
第1特別図柄抽選手段300によって抽出される乱数値は、図5に示すとおりである。図5(a)は、大当たりの当選確率および当たり乱数の一例を示す図である。図5(b)は、図柄乱数と、大当たりに当選した場合における大当たり遊技の種類(ラウンド数、確変、通常)を決定するためのテーブル(第1特別図柄乱数判定テーブル)とを示す図である。
図5(a)に示すとおり、当たり乱数は0〜600までの601個の乱数値から一つ抽出される。そして、通常遊技状態で参照される特別図柄通常時当たり判定テーブルには、7および317が大当たり乱数として記憶されており、確変遊技状態で参照される特別図柄確変時当たり判定テーブルには、7,37,67,97,127,157,187,217,247,277,317,337,367,397,427,457,487,517,547,577が大当たりの乱数として記憶されている。
第1始動口105に遊技球が入球すると、第1特別図柄抽選手段300が当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、および演出乱数を取得する。このとき、通常遊技状態においては、第1乱数判定手段303が、特別図柄通常時当たり判定テーブルに基づいて、当該当たり乱数の当たりもしくはハズレを判定する。つまり、第1始動口105の入球によって取得された当たり乱数が、7または317である場合には当たりと判定し、その他の乱数であった場合にはハズレと判定する。また、確変遊技状態においては、特別図柄確変時当たり判定テーブルに基づいて、当たりであるか否かを判定する。
上記当たり乱数の判定の結果、当該当たり乱数が大当たり乱数であると判定された場合には、第1乱数判定手段303が、さらに図柄乱数を図5(b)に示すテーブルに基づいて判定し、大当たりの種類を決定する。ここで決定する大当たりの種類には、大当たり遊技の時間が長く、多量の遊技球の払い出しが期待できる「長当たり」と、大当たり遊技の時間が短い「短当たり」とがある。さらに、長当たりには、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態および時短遊技状態の両方が発生する「確変時短付長当たり」、および大当たり遊技の終了後に時短遊技状態のみが発生する(確変遊技状態は発生しない)「通常長当たり」がある。また、短当たりには、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態のみが発生する(確変遊技状態は発生しない)「通常短当たり」、および大当たり遊技の終了後に確変遊技状態および時短遊技状態の両方が発生する「確変時短付短当たり」がある。なお、第1乱数判定手段303が、上記大当たり乱数を判定した結果、ハズレであると判定した場合には、図柄乱数の判定は行われない。
また、第1乱数判定手段303は、リーチ乱数の判定を行う。ここで行われるリーチ乱数の判定は、特別図柄の変動表示時に、図柄表示部104においてリーチ演出を行うか否かを決定するものである。
なお、リーチ演出とは、図柄表示部104における装飾図柄の一演出態様のことであり、次のような演出をいう。
すなわち、図柄表示部104には、左列、中列、右列の3列のそれぞれに数字等からなる図柄が表示される。これらの数字や図柄は、所定時間スクロールした後に停止するが、このスクロールの停止時に、横または斜めにわたる一直線上において、「7,6,7」のように数字が停止する。
リーチ演出というのは、上記3つの列において数字がスクロールした後、まず、いずれか2つの列において数字のスクロールが停止する。このとき、横または斜めにわたるいずれかの一直線上に、「7,―,7」のように同一の数字が表示されている。その後、残りの1列においてスクロール速度を遅くして、3つの数字が揃うのではないかという期待感を遊技者に与えるものである。このようなリーチ演出には、最終的に「7,6,7」のように、数字が揃わないでスクロールが完全に停止するハズレ用のリーチ演出と、最終的に「7,7,7」のように、数字が揃った状態でスクロールが停止する大当たり用のリーチ演出とがある。いずれにしても、リーチ演出というのは、図柄表示部104に表示される装飾図柄によって、遊技者に対して大当たりに当選したのではないかという期待感を与える演出をいうものである。
一方、リーチ無し演出というのは、図柄表示部104に表示される上記左列、中列、右列上の数字が、スクロールした後、横または斜めにわたる一直線上において、「5,4,7」のようにバラバラの状態でスクロールが停止する演出のことである。あるいは、上記のような図柄に限らず、図柄表示部104に単純にハズレと表示するようなものであってもよい。いずれにしても、本実施形態におけるリーチ無し演出というのは、大当たりの抽選結果がハズレであったことを、何ら遊技者に期待感を与えることなく報知する演出のことをいう。
そして、上記のようなリーチ演出もしくはリーチ無し演出のいずれを行うかが、リーチ乱数の判定によって決定される。以下に、リーチ乱数の判定について説明する。
リーチ乱数は、乱数発生手段等により0〜250の251個の乱数値の中から1つの乱数値が抽出される。このリーチ乱数の判定は、リーチ乱数判定テーブルによって行われるが、このリーチ乱数判定テーブルは、主制御基板201のROM201bに複数格納されており、いずれのリーチ乱数判定テーブルを選択するかは、当たり乱数の判定結果および変動開始時における保留球の合計留保個数によって決定される。
具体的に説明すると、第1乱数判定手段303が当たり乱数を判定した結果、ハズレであると判定した場合には、当該第1乱数判定手段303が、図6(a)に示すとおりにリーチ乱数の判定を行う。
つまり、当たり乱数がハズレと判定された場合であって、変動開始時における保留球の合計留保個数が「0」もしくは「1」であった場合には、「0」〜「30」のリーチ乱数のときにリーチ演出の実行を決定し、「31」〜「250」のリーチ乱数のときにリーチ無し演出の実行を決定するテーブルが選択される。
同様に、当たり乱数がハズレと判定された場合であって、変動開始時における保留球の合計留保個数が「2」であった場合には、「0」〜「25」のリーチ乱数のときにリーチ演出の実行を決定するテーブルが選択される。また、上記合計留保個数が「3」であった場合には、「0」〜「20」のリーチ乱数のときにリーチ演出の実行を決定するテーブルが選択され、上記合計留保個数が「4以上」であった場合には、「0」〜「15」のリーチ乱数のときにリーチ演出の実行を決定するテーブルが選択される。
このように、当たり乱数がハズレと判定された場合に用いられるハズレ時リーチ乱数判定テーブルは、保留球の合計留保個数が少ない場合の方が、それが多い場合に比べて、リーチ演出が実行される可能性の高いテーブルが選択される。つまり、保留球の合計留保個数が少なくなるほど、リーチ演出が出現しやすくなるようにしている。リーチ無し演出の時間に比べてリーチ演出の時間は長いため、保留球が少ないときにリーチ演出を行えば、当該リーチ演出中に始動口に遊技球が入球して新たに保留球が留保され、保留球のない状態を極力防ぐことができるからである。
一方、第1乱数判定手段303が当たり乱数を判定した結果、大当たりであると判定した場合には、当該第1乱数判定手段303が、図6(b)に示すとおりにリーチ乱数の判定を行う。この大当たり時のリーチ乱数判定テーブルは、ROM201bに1つだけ格納されている。この大当たり時に用いられる大当たり時リーチ乱数判定テーブルは、保留球の合計留保個数とは無関係に、いずれのリーチ乱数(0〜250)であっても、リーチ演出の実行を決定するものである。これにより、大当たり時には、必ずリーチ演出が実行されることとなる。
上記のようにしてリーチ乱数が判定され、リーチ演出を実行するのか、もしくはリーチ無し演出を実行するのかが決定されたら、第1乱数判定手段303が演出乱数を判定する。この演出乱数は、主に演出時間(特別図柄の変動時間)を決定するためのもので、上記大当たり乱数の判定結果、リーチ乱数の判定結果および保留球の合計留保個数に基づいて上記演出時間が決定される。以下に、演出乱数の判定について説明する。
まず、リーチ乱数の判定により、リーチ演出を実行することとなった場合には、図7に示すとおりに演出時間が決定される。図7(a)は、ハズレ時にリーチ演出を行う場合の演出時間と演出乱数との関係を示している。
この図からも明らかなとおり、ハズレ時に行われるリーチ演出の時間は、90秒、60秒、40秒、30秒、20秒の5パターンであり、いずれの時間に決定されるかは、始動口に遊技球が入球した際に取得された演出乱数によって、図示のとおりに決定される。
例えば、第1始動口105に遊技球が入球した際に、大当たり乱数「8」、図柄乱数「120」、リーチ乱数「15」、演出乱数「9」が取得されたとする。この場合、大当たり乱数によってハズレが確定し(図5参照)、リーチ演出が実行されることが確定し(図6参照)、そのリーチ演出の時間が90秒であることが確定する(図7参照)。
一方、図7(b)は、大当たり時に行われるリーチ演出の演出時間(尺)と演出乱数との関係を示している。本実施形態においては、大当たりが確定した場合には、必ずリーチ演出が行われるが、この大当たり時に行われるリーチ演出の時間は、90秒と60秒の2パターンだけ用意されている。そして、演出乱数が「0」〜「199」の場合にはリーチ演出が90秒行われ、「200」〜「250」の場合にはリーチ演出が60秒行われることとなる。
また、リーチ乱数の判定により、リーチ無し演出を実行することとなった場合には、図8に示すとおりに演出時間が決定される。図8は、ハズレ時にリーチ無し演出を行う場合の演出時間と演出乱数との関係を示している。
この図からも明らかなとおり、リーチ無し演出が行われる場合には、当該リーチ無し演出の時間が、保留球の合計留保個数のみによって決定される。言い換えれば、リーチ無し演出が行われる場合には、演出乱数とは無関係に演出時間が決定されることとなる。ここで決定される演出時間は、変動開始時における保留球の合計留保個数が「0」もしくは「1」であった場合には12秒、上記合計留保個数が「2」であった場合には8秒、上記合計留保個数が「3」もしくは「4」であった場合には4秒に決定される。
なお、図6(a)(b)からも明らかなように、ハズレ時において、リーチ乱数が「0」〜「15」であった場合には、保留球の合計留保個数に関わらず、必ずリーチ演出が行われる。また、リーチ乱数が「31」〜「250」であった場合には、保留球の合計留保個数に関わらず、必ずリーチ無し演出が行われる。これに対して、リーチ乱数が「16」〜「30」であった場合には、保留球の合計留保個数によって、リーチ演出が行われたり、リーチ無し演出が行われたりする。したがって、「16」〜「30」のリーチ乱数が取得された場合には、当該変動が開始されるまで、リーチが行われるか否かが確定しない。また、「16」〜「30」以外のリーチ乱数が取得された場合には、始動口に遊技球が入球して各乱数値が取得された時点で、リーチ演出が行われるか否かが確定することとなる。
また、第2始動口120に遊技球が入球すると、第2特別図柄抽選手段320が上記各乱数を取得するとともに、第2特別図柄判定手段323が上記と同様に各乱数値を判定して、演出時間が決定される。
図9(a)は、第2始動口120に遊技球が入球した際の、大当たりの当選確率および当たり乱数の一例を示す図であるが、これは、第1始動口105に遊技球が入球した際と同じである。また、図9(b)は、図柄乱数と、大当たりに当選した場合における大当たり遊技の種類を決定するためのテーブル(第2特別図柄乱数判定テーブル)とを示す図であるが、図9(b)においては、大当たりの種類の抽選確率が、上記図5(b)と異なっている。
つまり、第1始動口105に遊技球が入球した場合と、第2始動口120に遊技球が入球した場合とでは、図柄乱数判定テーブルが異なる。具体的には、第2始動口120に入球した場合には、第1始動口105に入球した場合に比べて、確変時短付き長当たりに当選する割合が高くなっている。すなわち、第2始動口120に遊技球が入球すると確変時短付き長当たりに当選する期待度が増すこととなる。このように、遊技球が入球した始動口によって、大当たりに対する期待度を変えることにより、遊技性を高めることができる。
なお、リーチ乱数判定テーブルおよび演出乱数判定テーブルは、第1始動口105に遊技球が入球した場合と同じである。
上記のようにして、第1乱数判定手段303が、抽出された乱数値を判定したら、第1特別図柄変動制御手段302が、当該乱数値に基づいて特別図柄の変動を開始するとともに、第1特別図柄表示制御手段301が、当該抽選結果を第1特別図柄表示器84に変動表示する。なお、第2乱数判定手段323が乱数値を判定した場合にも、上記と同様の制御が、第2特別図柄表示制御手段321および第2特別図柄変動制御手段322によってなされる。
一方、第1始動口105に遊技球が入球した際に、それ以前の遊技球の入球に基づく変動表示が実行中であった場合には、抽出された乱数値が、RAM201cの第1特別図柄保留記憶手段401に記憶される。この第1特別図柄保留記憶手段401は、図10(a)に示すように構成されている。
すなわち、図10は、保留球(各乱数値)を記憶するROM201bの記憶領域の一例を示す図であるが、この図からも明らかなように、第1特別図柄保留記憶手段401は、遊技球が第1始動口検出部221に検出されたことに基づいて取得した乱数値(当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、演出乱数)を、遊技球が検出された順番と対応付けて保留球として記憶する。言い換えれば、第1始動口105に遊技球が入球すると、特別図柄の変動表示の権利が、第1特別図柄保留記憶手段401にいわゆる保留球として記憶される。そして、当該記憶手段401に留保された保留球は、当該記憶手段401内で、記憶された順に消化、処理がなされる。
具体的には、第1特別図柄保留記憶手段401は、第1記憶領域401aから第4記憶領域401dまで4つの記憶領域を備えており、第1始動口105に遊技球が入球するたびに、第1記憶領域401aから順番に上記保留球が留保されていく。つまり、第1記憶領域401aに保留球が留保された状態で、さらに第1始動口105に遊技球が入球すると、今度は第2記憶領域401bに保留球が留保される。このようにして、第1特別図柄保留記憶手段401には、最大4つまで保留球が留保される。一方、第1記憶領域401aから第4記憶領域401dまでの全てに保留球が留保された状態で、さらに第1始動口105に遊技球が入球した場合には、保留球として上記変動表示の権利は留保されない。言い換えれば、第1特別図柄保留記憶手段401の上限留保個数まで保留球が留保されている場合には、第1始動口105に遊技球が入球したとしても、当該入球による大当たりの抽選は行われない。ただし、この場合でも、第1始動口105への遊技球の入球に対する賞球は所定数払い出される。
また、第1特別図柄保留記憶手段401に留保された保留球は、第1特別図柄変動制御手段302によって、常に第1記憶領域401aから消化(処理)される。第1記憶領域401aに記憶された保留球が消化されると、第2記憶領域401bから第4記憶領域401dまでに留保された保留球が、当該記憶領域から一つ前の領域に移行する。つまり、第1記憶領域401aに留保された保留球が消化されると、第2記憶領域401bに留保された保留球は第1記憶領域401aに移行する。同様に、第3記憶領域401cに留保された保留球は第2記憶領域401bに移行し、第4記憶領域401dに留保された保留球は第3記憶領域401cに移行する。したがって、第4記憶領域401dは、再び保留球の受け入れ、すなわち留保が可能となる。なお、各記憶領域401a〜401dに留保された保留球のシフト処理は、制御手段200の図示しない保留シフトプログラムによってなされる。
一方、第2始動口120に遊技球が入球した際に、それ以前の遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示中であった場合には、遊技球が第2始動口検出部225に検出されたことに基づいて取得した乱数値(当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、演出乱数)が、遊技球が検出された順番と対応付けて、保留球として第2特別図柄保留記憶手段402に記憶される。すなわち、第2始動口120に遊技球が入球すると、特別図柄の変動表示の権利、すなわち大当たりの抽選の権利が、第2特別図柄保留記憶手段402に保留球として記憶される。そして、当該記憶領域402に留保された特別図柄の変動表示の権利は、当該記憶領域402内で、第2特別図柄変動制御手段322によって、記憶された順に消化、処理がなされる。
具体的には、第2特別図柄保留記憶手段402は、第5記憶領域402aから第8記憶領域402dまで4つの記憶領域を備えており、第2始動口120に遊技球が入球するたびに、第5記憶領域402aから順番に上記保留球が留保されていく。つまり、第5記憶領域402aに留保された状態で、さらに第2始動口120に遊技球が入球すると、今度は第6記憶領域402bに保留球が留保される。このようにして、第2特別図柄保留記憶手段402には、最大4つまで保留球が留保される。一方、第5記憶領域402aから第8記憶領域402dまでの全てに保留球が留保された状態で、さらに第2始動口120に遊技球が入球した場合には、保留球として上記変動表示の権利は留保されない。言い換えれば、第2特別図柄保留記憶手段402の上限保留個数まで保留球が留保されている場合には、第2始動口120に遊技球が入球したとしても、当該入球による大当たりの抽選は行われない。ただし、この場合でも第2始動口120への遊技球の入球に対する賞球は所定数払い出される。
また、第2特別図柄保留記憶手段402に複数の保留球が留保された場合には、第5記憶領域402aから保留球が消化されることとなるが、第5記憶領域402aに記憶された保留球が消化されると、第6記憶領域402bから第8記憶領域402dまで留保された保留球が、当該記憶領域から一つ前の領域に移行する。つまり、第5記憶領域402aに留保された保留球が消化されると、第6記憶領域402bに留保された保留球は第5記憶領域402aに移行する。同様に、第7記憶領域402cに留保された保留球は第6記憶領域402bに移行し、第8記憶領域402dに留保された保留球は第7記憶領域402cに移行する。したがって、第8記憶領域402dは、再び保留球の受け入れ、すなわち留保が可能となる。なお、各記憶領域402a〜402dに留保された保留球のシフト処理は、制御手段200の図示しない保留シフトプログラムによってなされる。
このように、本実施形態においては、遊技球が入球した始動口ごとに記憶領域を分けて保留球が留保されるので、これら保留球に係る乱数値と、遊技球が入球した始動口とが対応付けて記憶されることとなる。ただし、上記したように、2つの記憶手段401,402において別々に保留球を記憶せずに、他の方法によって保留球を記憶させても、本発明の目的を達成することが可能である。例えば、遊技球が始動口に入球した順に、保留球を1つの記憶手段に留保していく。このとき、遊技球がいずれの始動口に入球したのかを関連づけるフラグを保留球に対応付けて記憶させ、所定のフラグが付された保留球を優先処理するようにしても、本実施形態に係る遊技機と同様の効果を得ることができる。
なお、上記第1記憶領域401aから第8記憶領域402dまでの8つの各記憶領域は、図10(c)に示すように、いずれも、当たり乱数記憶領域、図柄乱数記憶領域、リーチ乱数記憶領域、および演出乱数記憶領域を有している。
そして、上記特別図柄保留記憶手段401,402に保留球が複数留保された場合には、次のような順番で保留球を消化するようにしている。
例えば、図11に示すように、第1特別図柄保留記憶手段401の第1記憶領域401a〜第3記憶領域401cに保留球が留保され、第2特別図柄保留記憶手段402の第5記憶領域402aおよび第6記憶領域402bに保留球が留保されているとする。
また、第1始動口105および第2始動口120に対して、遊技球が入球した順番は、図示のとおり、第1始動口105→第2始動口120→第1始動口105→第2始動口120→第1始動口105であったとする。
本実施形態においては、第2始動口120が優先始動口であるため、この場合には、第5記憶領域402aの保留球が優先して処理され、図11(b)に示す矢印の順に保留球が消化されていく。
また、例えば、図11(c)に示すように、非優先処理がなされる第1特別図柄保留記憶手段401に3つの保留球が留保されていたとする。この場合、第1特別図柄保留記憶手段401に留保されている3つの保留球が、図の点線で示す順に連続して消化される。しかし、1つ目の保留球を消化しているとき、言い換えれば、1回目の変動表示が行われている際に、優先処理がなされる第2特別図柄保留記憶手段402に保留球が留保されると(第2始動口120に入球すると)、当該保留球が割り込んで、図の実線に示す順に保留球が消化される。
このことからも明らかなように、両記憶手段401,402において、非優先処理がなされる第1特別図柄保留記憶手段401に複数の保留球が留保された場合には、優先処理がなされる第5記憶領域402aに保留球が留保されることによって、割り込み処理がなされる可能性が高い。
上記のようにして保留球は順次消化されていくが、この保留球の消化を制御しているのが、CPU201aであり、ROM201bの第1特別図柄変動制御手段302および第2特別図柄変動制御手段322である。これら両変動制御手段302,322は、いずれの保留球を処理するのかを監視しており、第1記憶領域401aもしくは第5記憶領域402aに記憶された処理すべき保留球の乱数に基づいて上記変動処理を開始している。
次に、図12〜図17を用いて、遊技球が始動口に入球してから変動処理が終了するまでの制御を、本発明の特徴を明示しながら説明する。
図12に示すように、第1始動口105もしくは第2始動口120に遊技球が入球したことを、第1始動口検出部221もしくは第2始動口検出部225が検出すると、以下の制御がなされる。
(ステップS101)
主制御基板201の図示しない変動検出プログラムが、特別図柄の変動表示中であるか否かを検出する。
(ステップS102)
上記ステップS101において、変動中と判定された場合には、第1特別図柄保留記憶手段401の第4記憶領域401dもしくは第2特別図柄保留記憶手段402の第8記憶領域402dに、各乱数すなわち保留球が記憶されているかを検出する。具体的には、第1始動口検出部221から入球信号を受信した場合には、第1特別図柄保留記憶手段401における保留球の留保個数が4未満であるかを判断し、第2始動口検出部225から入球信号を受信した場合には、第2特別図柄保留記憶手段402における保留球の留保個数が4未満であるかを判断する。
そして、保留球が4つあると判断された場合には、当該遊技球の入球によっては、特別図柄の変動表示すなわち大当たりの抽選が行われることはないため、賞球制御基板203が所定の賞球を払い出して制御を終了する。
(ステップS103)
一方、上記ステップS102において、保留球の留保個数が4未満すなわち保留球を留保すると判断された場合には、第1記憶領域401a〜第4記憶領域401dもしくは第5記憶領域402a〜第8記憶領域402dに各乱数値が記憶され、保留球が留保される。
(ステップS104)
上記のように、第1特別図柄保留記憶手段401もしくは第2特別図柄保留記憶手段402に各乱数が記憶される場合には、変動時間演算手段330が、当該各乱数に基づいて、全ての保留球の合計変動時間を演算する。なお、変動時間演算手段330が行う合計変動時間の演算方法については、後で詳しく説明する。
(ステップS105)
変動時間演算手段330が合計変動時間を演算したら、コマンド送信手段332が当該合計変動時間をコマンドとして副制御基板202に送信し、主制御基板201における制御は終了する。
(ステップS106)
なお、上記ステップS101において、第1始動口検出部221もしくは第2始動口検出部225が信号を検出した際に、それ以前の遊技球の入球に係る変動がなされていない場合には、第2始動口120に遊技球が入球したのか、第1始動口105に遊技球が入球したのかを判定し、後述する図16の(B)、(C)に進む。つまり、変動がなされていない場合に、いずれかの始動口に遊技球が入球した場合には、当該入球に係る特別図柄の変動が即座になされるため、記憶手段401,402に保留球が記憶されることなく、変動開始処理がなされることとなる。したがって、本実施形態においては、保留球が留保されていない状態で始動口に遊技球が入球した場合には、変動時間演算手段330による合計変動時間の演算がなされないこととなる。
(ステップS201)
そして、上記ステップS105において、コマンド送信手段332がコマンドを送信したら、図13に示すように、変動時間表示制御手段503が、当該コマンドに基づいて合計変動時間を図柄表示部104に表示する。なお、図柄表示部104における表示態様や表示時間、あるいは表示タイミング等は特に限定されない。また、本実施形態においては、図柄表示部104によって本発明の変動時間表示手段を構成したが、合計変動時間を表示する専用の表示器等に上記時間を表示しても構わない。
ここで、変動時間演算手段330の演算方法について、図6、図7、図8、図14および図15を用いてする。例えば、図14(a)に示すように、優先処理がなされる第2特別図柄保留記憶手段402の第5記憶領域402aおよび第6記憶領域402bに、2つの保留球が留保されている状態で、第7記憶領域402cに3つ目の保留球が留保されたとする。すると、変動時間演算手段330は、遊技データ(当たり乱数、リーチ乱数、演出乱数)に基づいて、各保留球の最低変動時間を演算する。
第5記憶領域402aに留保された保留球は、大当たり乱数に基づいてハズレと判定されるが、ハズレと判定された場合には、変動時間演算手段330が、次のようにしてリーチ乱数を判定する。すなわち、変動時間演算手段330は、リーチ乱数が「31」〜「250」の場合には、必ずリーチ無し演出と判定し、リーチ乱数が「0」〜「15」のときには、必ずリーチ演出と判定する(図6参照)。したがって、第5記憶領域402aに留保された保留球は、リーチ乱数が「37」なのでリーチ無し演出と判定される。このように、リーチ乱数に基づいてリーチ無し演出と判定された場合には、図8に示すリーチ無し演出用の演出乱数判定テーブルに基づいて演出乱数が判定される。
ここで、リーチ無し演出と判定された場合の演出時間は、本来、保留球の合計留保個数に基づいて、4秒、8秒、12秒のいずれかに決定される。しかしながら、変動時間演算手段330は、これら各演出時間のうち、もっとも短い時間である4秒と判定する。これは、変動時間演算手段330が、正確な変動時間を算出することを目的とするわけではなく、現在の保留状況から考えられ得る最低変動時間を算出することを目的とするからである。したがって、当たり乱数に基づいてハズレと判定された場合であって、リーチ乱数が「31」〜「250」であった場合には、変動時間演算手段330は、当該保留球の変動時間を一律に4秒と判定することとなる。
上記と同様に、第6記憶領域402bおよび第7記憶領域402cに留保された保留球も、当たり乱数に基づいてハズレと判定され、かつ、リーチ乱数が「31」〜「250」であるため、変動時間が一律に4秒と判定される。したがって、図14(a)においては、変動時間演算手段330が各保留球の最低変動時間を全て4秒と判定するとともに、これら各最低変動時間を積算して、合計変動時間を12秒と演算することとなる。
さらに、上記の状態で、図14(b)に示すように、さらに第2始動口120に遊技球が入球して、第8記憶領域402dに保留球が留保されると、変動時間演算手段330が、留保されている全ての保留球の最低変動時間を再判定して、合計変動時間を再度演算する。このとき、第5記憶領域402a〜第7記憶領域402cの最低変動時間は上記と変わらず、これら最低変動時間に第8記憶領域402dの最低変動時間が積算される。
第8記憶領域402dに留保された保留球の最低変動時間も、上記と同様に判定されるが、この保留球のリーチ乱数は「12」であるため、当該リーチ乱数はリーチ演出と判定される(図6(a))。そして、演出乱数「15」が、図7(a)のリーチ演出用演出乱数判定テーブルに基づいて判定され、変動時間が60秒と判定される。
この結果、各保留球の最低変動時間を積算して、合計変動時間が72秒と演算される。
なお、リーチ乱数が「0」〜「15」の場合には、図6からも明らかなとおり、保留球の留保個数に関わらず、必ずリーチ演出と判定される。また、リーチ演出が行われる場合には、変動開始時における保留球の留保個数がいくつであっても、図7に示すとおり、演出乱数に基づいて変動時間が決定される。つまり、当たり乱数に基づいてハズレと判定された場合であって、リーチ乱数が「0」〜「15」のときには、保留球が留保された時点で、正確な変動時間が決定されることとなる。
また、図14に示した例は、保留球が留保された時点でリーチ無し演出を行うのか、リーチ演出を行うのかが確定するものである。つまり、図6に示すように、リーチ乱数が「0」〜「15」もしくは「31」〜「250」の場合には、保留球が留保された時点で、リーチ演出の有無が確定される。これに対して、リーチ乱数が「16」〜「30」であった場合には、保留球の留保個数によってリーチ演出の有無が変わるため、変動予定時間も大きく増減する可能性がある。このように、保留球が留保された時点で、リーチ演出の有無が確定されないリーチ乱数が取得された場合について示したのが、図15である。
図15(a)に示すように、第5記憶領域402aと第6記憶領域402bとに保留球が留保されたとする。第5記憶領域402aの保留球はリーチ無し演出であり、変動時間演算手段330は、第5記憶領域402aの保留球の最低変動時間を4秒と判定する。
一方、第6記憶領域402bには、当たり乱数「554」、図柄乱数「192」、リーチ乱数「23」、演出乱数「1」を取得した保留球が記憶されている。この保留球は、図6(a)に示すとおり、当たり乱数に基づいてハズレと判定されるが、リーチ乱数が「23」であるため、変動開始時における保留球の合計留保個数に応じて、リーチ演出が行われたり、リーチ無し演出が行われたりする。具体的には、第6記憶領域402bにおける保留球の変動開始時に、保留球の合計留保個数が3個以上であれば、リーチ無し演出が行われ、保留球の合計留保個数が3個未満(2個以下)であれば、リーチ演出が行われる。
リーチ演出が行われる場合には、演出乱数が「1」であるため、図7(a)のリーチ演出用演出乱数判定テーブルに基づいて、演出時間が90秒と判定される。一方、リーチ無し演出が行われる場合には、図8のリーチ無し演出用演出乱数判定テーブルに基づいて、演出時間が4秒、8秒、12秒のいずれかに決定される。
このように、変動開始時まで、リーチ演出が行われるかリーチ無し演出が行われるかが確定しない場合には、変動時間演算手段330は、リーチ無し演出が行われるものとして各最低変動時間を算出することとなる。
したがって、図15(a)においては、第6記憶領域402bの保留球の最低変動時間も4秒と判定され、合計変動時間が8秒と演算されることとなる。
上記のように、本実施形態においては、当たり乱数、リーチ乱数および演出乱数によって変動時間が決定される。そして、ハズレが確定する当たり乱数であって、しかも、リーチ乱数が「16」〜「30」の遊技データが、本発明の未確定遊技データとなる。そして、この未確定遊技データは、保留球の留保個数が予め設定された個数以上のときに、演出時間が短いリーチ無し演出となって、変動時間が第1の時間(4秒、8秒、12秒)に決定される。一方、保留球の留保個数が予め設定された個数未満のときに、演出時間が長いリーチ演出となって、変動時間が上記第1の時間よりも長い第2の時間(20秒、30秒、40秒、60秒、90秒)に決定される。
具体的には、当たり乱数がハズレを確定する乱数であって、リーチ乱数が「26」〜「30」の遊技データは、保留球の合計留保個数が2未満のときにリーチ演出となって、変動時間が第2の時間に決定され、上記合計留保個数が2以上のときにリーチ無し演出となって、変動時間が第1の時間に決定される。
また、当たり乱数がハズレを確定する乱数であって、リーチ乱数が「21」〜「25」の遊技データは、保留球の合計留保個数が3未満のときにリーチ演出となって、変動時間が第2の時間に決定され、上記合計留保個数が3以上のときにリーチ無し演出となって、変動時間が第1の時間に決定される。
さらに、当たり乱数がハズレを確定する乱数であって、リーチ乱数が「16」〜「20」の遊技データは、保留球の合計留保個数が4未満のときにリーチ演出となって、変動時間が第2の時間に決定され、上記合計留保個数が4以上のときにリーチ無し演出となって、変動時間が第1の時間に決定される。
そして、変動時間演算手段330は、第1特別図柄保留記憶手段401もしくは第2特別図柄保留記憶手段402に未確定遊技データが記憶されたとき、当該未確定遊技データに係る保留球の変動時間を、第1の時間と仮定して、合計変動時間を演算することとなる。
また、図15(a)の状態から、第1始動口105に遊技球が入球して、第1特別図柄保留記憶手段401の第1記憶領域401aに、図15(b)に示すとおり、当たり乱数「7」、図柄乱数「7」、リーチ乱数「186」、演出乱数「13」を取得した保留球が留保されたとする。この保留球が新たに留保されたことに伴って、変動時間演算手段330は、再度、各保留球の最低変動時間を判定して、合計変動時間を演算する。このように、非優先処理がなされる第1特別図柄保留記憶手段401と、優先処理がなされる第2特別図柄保留記憶手段402との双方に保留球が留保された場合にも、それらの処理順序を対応付けて、各保留球の合計変動時間が算出されるようにしている。
なお、図15(b)においては、第1記憶領域401aに記憶された当たり乱数「7」が大当たりと判定されるため、いずれのリーチ乱数であっても、リーチ演出が行われることとなり、演出乱数「13」から演出時間が90秒と判定される(図7(b)参照)。このように、大当たりと判定される当たり乱数が含まれる遊技データにおいては、保留球が留保された時点で、変動時間が確定することとなる。
したがって、図15(b)においては、変動時間演算手段330が、第5記憶領域402aの保留球の最低変動時間を4秒と判定し、第6記憶領域402bの保留球の最低変動時間を4秒と判定し、第1記憶領域401aの保留球の最低変動時間を90秒と判定し、合計変動時間を98秒と演算することとなる。
以上のように、変動時間演算手段330は、第1特別図柄保留記憶手段401および第2特別図柄保留記憶手段402に記憶された各遊技データから、考えられ得るもっとも短い変動時間を積算して合計変動時間を算出する。つまり、現在留保されている保留球を全て処理するまでに要する最低の時間が算出され、この時間は、遊技の進行状況がいかようになろうとも、当該時間よりも短くなることはない。言い換えれば、留保されている全ての保留球の変動が終了するまでに、最短でも、変動時間演算手段330が算出した合計変動時間を要することとなる。したがって、遊技者が一時的に遊技機を離れる場合や、遊技を終了する場合の目安とすることができ、遊技に計画性をもたせることが可能となる。
(変動開始処理)
次に、第1特別図柄保留記憶手段401もしくは第2特別図柄保留記憶手段402に留保された保留球の変動開始処理について、図16、図17を用いて説明する。なお、本実施形態においては、留保されている保留球の変動開始処理を行う際、第2始動口120に遊技球が入球することによって得られた保留球の変動開始処理が優先して行われる。また、保留球が留保されていない状態で、始動口に遊技球が入球した場合には、図12に示すステップS101およびステップS106から、後述する(B)もしくは(C)以降の処理がなされる。
(ステップS301)
保留球の変動開始処理を行う場合、まず、第5記憶領域402aに各乱数(保留球)が記憶されているか、すなわち、第2特別図柄保留記憶手段402の保留球が1以上であるか否かを所定のプログラムが判定する。
(ステップS302)
上記ステップS301において、第5記憶領域402aに各乱数が記憶されていれば、すなわち第2特別図柄保留記憶手段402に保留球があれば、当該第5記憶領域402aに記憶された各乱数を図示しない処理領域にシフトするとともに、第5記憶領域402b〜第8記憶領域402dに記憶された各乱数を1つ前の記憶領域にシフトさせる。なお、第5記憶領域402aのみに各乱数が記憶されている場合(第6記憶領域402b〜第8記憶領域402dが空き領域の場合)には、第5記憶領域402aに記憶されている各乱数を処理領域に記憶させる処理のみが行われる。
(ステップS303)
次に、主制御基板201において、遊技状態記憶手段404に記憶された遊技状態が確認される。具体的には、現在の遊技状態が、通常遊技状態もしくは時短遊技状態にあるのか、あるいは確変遊技状態にあるのかを確認する。
(ステップS304)
上記ステップS303において遊技状態を確認したら、第2乱数判定手段323が遊技状態に応じた当たり判定テーブルを選択する。例えば、図9に示すように、遊技状態が通常遊技状態もしくは時短遊技状態にある場合には、当たり乱数「7」、「317」を大当たりと判定するテーブルを選択し、遊技状態が確変遊技状態にある場合には、「7」、「37」等、全20個の乱数値を大当たりと判定するテーブルを選択する。
(ステップS305)(ステップS306)
上記ステップS304において、遊技状態に基づく当たり判定テーブルが選択されたら、この選択されたテーブルに基づいて、第2乱数判定手段323が大当たりか否かの判定を行う。
(ステップS307)
上記ステップS306においてハズレと判定された場合には、第2乱数判定手段323が、当該変動時間を決定することとなる。第2乱数判定手段323は、まず、第1特別図柄保留記憶手段401および第2特別図柄保留記憶手段402に留保された保留球の合計留保個数を確認する。
(ステップS308)
上記ステップS307において、保留球の合計留保個数を確認したら、この合計留保個数に基づいて、第2乱数判定手段323がハズレ時のリーチ乱数判定テーブルを選択する。このとき選択されるハズレ時のリーチ乱数判定テーブルは、上記図6に示すとおりである。
(ステップS309)(ステップS310)
上記ステップS308において、リーチ乱数判定テーブルが選択されたら、この選択されたテーブルに基づいて、第2乱数判定手段323がリーチの有無を判定する。
例えば、遊技球が第2始動口120に入球して保留球として留保されたときに、第2特別図柄抽選手段320が抽出したリーチ乱数が「0」〜「15」であったとする。この場合、第2乱数判定手段323は、保留球の合計留保個数がいずれであろうともリーチ有り(リーチ演出)と判定する。
一方リーチ乱数が「31」〜「250」であった場合には、第2乱数判定手段323が、保留球の合計留保個数がいずれであろうともリーチ無し演出と判定する。また、リーチ乱数が「16」〜「30」であった場合には、上記ステップS308において、第2乱数判定手段323が、保留球の合計留保個数に基づいて、図6(a)のいずれかのテーブルを選択している。したがって、当該変動開始処理時における保留球の合計留保個数に応じて、リーチ演出、リーチ無し演出のいずれかが判定されることとなる。
(ステップS311)
上記ステップS310において、リーチ演出と判定された場合には、第2乱数判定手段323が、さらに、ハズレ時のリーチ演出用演出乱数判定テーブルを選択する。
(ステップS312)
一方、上記ステップS310において、リーチ無し演出と判定された場合には、第2乱数判定手段323が、ハズレ時のリーチ無し演出用演出乱数判定テーブルを選択する。
(ステップS313)
上記ステップS311もしくは上記ステップS313において、演出乱数判定テーブルが選択されたら、当該演出乱数判定テーブルに基づいて、第2乱数判定手段323が演出乱数を判定する。
(ステップS314)
各テーブルに基づいて演出乱数が判定されることにより、特別図柄の変動時間(演出時間)が決定される。例えば、演出乱数が「55」であって、上記ステップS311においてリーチ演出用演出乱数判定テーブルが選択された場合には、図7(a)に示すとおり、演出時間(リーチの尺)すなわち特別図柄の変動時間が40秒に決定される。
一方、演出乱数が「55」であって、上記ステップS312においてリーチ無し演出用演出乱数判定テーブルが選択された場合には、図8に示すとおり、当該変動開始処理時の保留球の合計留保個数に基づいて、演出時間が決定される。したがって、この場合には、演出時間が4秒、8秒、12秒のいずれかに決定されることとなる。
(ステップS315)
上記のように、第2乱数判定手段323が、当該変動開始処理を行っている保留球、すなわち第5記憶領域402aに留保された保留球の変動時間を決定すると同時に、変動時間演算手段330が、留保されている全ての保留球の合計変動時間を演算する。なお、合計変動時間の演算方法は、すでに説明したとおりなので、ここでは説明を省略する。
(ステップS316)
そして、第2乱数判定手段323が、第5記憶領域402aに留保された保留球の変動時間を決定し、変動時間演算手段330が、合計変動時間を演算したら、コマンド送信手段332が、演出実行コマンドを副制御基板202に送信する。この演出実行コマンドには、上記変動時間および合計変動時間と、リーチ演出の有無、あるいは演出の大まかな内容等が記憶されている。
上記のように演出実行コマンドが送信されたら、第2特別図柄表示制御手段301が、上記第2乱数判定手段323によって決定された時間だけ、特別図柄の変動表示を行う。
(ステップS317)
なお、上記ステップS301において、第5記憶領域402aに各乱数が記憶されていないと判定された場合、すなわち、第2特別図柄保留記憶手段402に保留球が留保されていないと判定された場合には、第1特別図柄保留記憶手段401に留保された保留球についてシフト処理が行われる。
(ステップS318)(ステップS319)
上記のように、ステップS301およびステップS317と処理された場合には、第1特別図柄保留記憶手段401に留保された保留球について、上記ステップS303およびステップS304と同様の処理がなされることとなる。ただし、ステップS319において選択される図柄乱数判定テーブルは、上記ステップS304において選択される図柄乱数判定テーブルと、確変時短付き長当たり、および確変時短付き短当たりの当選確率が異なっている。なお、第1特別図柄保留記憶手段401に留保された保留球の変動開始処理を行う場合には、第1乱数判定手段303が各乱数の判定を行うこととなる。
(ステップS320)
また、上記ステップS305およびステップS306において、大当たりと判定された場合には、第1乱数判定手段301もしくは第2乱数判定手段323が、図7(b)に示す大当たり時リーチ演出用演出乱数判定テーブルを選択する。本実施形態においては、大当たり時には必ずリーチ演出となるため、図7(b)に示すように、演出乱数に基づいて90秒もしくは60秒に演出時間が決定されることとなる。
なお、大当たり時には、保留球の合計留保個数とは無関係に、リーチ乱数によって必ずリーチ演出の実行が決定される。そのため、上記ステップS305およびステップS306において、大当たりと判定された場合には、保留球の合計留保個数を判定する必要がなく、直接、大当たり時のリーチ演出用演出乱数判定テーブルが選択されることとなる。
そして、上記のようにして演出実行コマンドが副制御基板202に送信されると、図17に示すように、副制御基板202において演出の制御が開始される。
すなわち、演出実行コマンドを受信すると、RAM202cの処理領域に当該演出実行コマンドが記憶される。この演出実行コマンドには、第1記憶領域401aおよび第5記憶領域402aのいずれに係るコマンドであるのか、大当たりおよびハズレのいずれに係るコマンドであるのか、リーチの有無、リーチ演出である場合の大まかな種類や尺等が記憶されている。
(ステップS401)
演出抽選手段501は、受信した演出実行コマンドに基づいて、演出テーブルを決定する。つまり、副制御基板202のROM202bには、大当たり時とハズレ時とで異なるテーブルが格納されており、さらに、リーチ用の演出テーブルと、ハズレ用の演出テーブルとがそれぞれ用意されている。さらに、リーチ用の演出テーブルは、90秒、60秒、40秒、30秒、20秒用のテーブルに分けられており、各秒数に対応する背景パターンや登場キャラクター、音声演出パターンや役物演出パターンが複数設けられている。また、ハズレ用の演出テーブルは、4秒、8秒、12秒用のテーブルに分けられており、これら各秒数に対応するパターンが複数設けられている。
(ステップS402)
演出抽選手段501は、受信した演出実行コマンドに対応するテーブルを選択するとともに、当該選択したテーブルに記憶された複数の演出パターンから1の演出パターンを決定する。
(ステップS403)
演出制御手段502は、決定された演出パターンのとおりに、図柄表示部104に装飾図柄を表示し、演出役物115,116を作動し、スピーカ277から音声を出力し、演出ライト111を点灯、点滅させて、演出を制御する。このとき、演出制御手段502は、第1乱数判定手段303もしくは第2乱数判定手段323によって決定された変動時間だけ、演出の制御を行うこととなる。
(ステップS404)
さらに、演出制御手段502が演出の制御を開始すると同時に、変動時間表示制御手段503は、受信した演出実行コマンドに基づいて、合計変動時間を図柄表示部104に表示する。なお、合計変動時間は、演出の開始後所定時間だけ表示してもよいし、演出が終了するまで常時表示していても構わない。また、遊技機1にリアルタイムクロックを設けるとともに、上記合計変動時間から残り時間を減らしていくように表示しても構わない。
ただし、保留球が留保されていない状態で始動口に遊技球が入球した場合には、上記したとおり合計変動時間は演算されない。したがって、始動口に遊技球が入球するとともに、当該入球に基づく変動開始処理が即座になされた場合には、合計変動時間が遊技者に報知されることはない。
なお、上記実施形態においては、始動口を2つ設けた場合について説明したが、始動口は1つであっても構わない。
また、上記実施形態においては、リーチ無し演出が行われる場合において、各保留球の変動時間が、保留球の合計留保個数に応じて変化することを前提としている。しかしながら、リーチ無し演出が行われる場合の変動時間は、保留球の合計留保個数とは無関係に、一律に決定されるようにしても構わない。また、リーチ演出が行われる場合の変動時間も、演出乱数に関わらず、一律に決定されるようにしてもよい。
いずれにしても、保留球が留保された時点で変動時間が確定しない未確定遊技データについては、保留球の合計留保個数が所定個数以上のときには、第1の時間に変動時間が決定され、保留球の合計留保個数が所定個数未満のときには、上記第1の時間よりも長い第2の時間に変動時間が決定されればよい。
なお、上記実施形態においては、保留球が留保されていない状態で始動口に遊技球が入球した場合には、当該入球を契機とする特別図柄の変動表示の時間が表示されないこととしたが、この場合にも特別図柄の変動表示の時間を表示しても構わない。
また、上記実施形態においては、保留球の変動処理を開始するとき、および、新たに保留球が留保されたときに合計変動時間が表示されるが、合計変動時間を表示するタイミングは、上記実施形態に限らない。いずれにしても、予め設定されたタイミングで合計変動時間が表示されればよい。
例えば、チャンスボタン117などの遊技者が信号を入力可能な手段を設け、所定の信号が入力した場合にのみ、上記合計変動時間を表示するようにしても構わない。また、例えば、確変遊技状態や時短遊技状態などの特定の遊技状態においてのみ出現する特別演出モードを設け、特別演出モードが出現している間のみ、上記合計変動時間を表示するようにしてもよい。
本実施形態の遊技機の正面図である。 図1の部分拡大図である。 制御手段のブロック図である。 主制御基板と副制御基板における詳細なブロック図である。 第1始動口に入球した際に取得される当たり乱数と図柄乱数、および、この乱数値を判定する判定テーブルの一例を示す図である。 始動口に入球した際に取得されるリーチ乱数、およびリーチ乱数を判定するテーブルの一例を示す図であり、(a)は、ハズレ時にリーチ乱数を判定する判定テーブルの一例、(b)は、大当たり時にリーチ乱数を判定する判定テーブルの一例である。 始動口に入球した際に取得される演出乱数、および演出乱数を判定するテーブルの一例を示す図であり、(a)は、ハズレ時において、リーチ演出が行われる際に用いられる演出乱数判定テーブルの一例、(b)は、大当たり時において、リーチ演出が行われる際に用いられる演出乱数判定テーブルの一例である。 始動口に入球した際に取得される演出乱数、およびハズレ時において、リーチ無し演出が行われる際に用いられる演出乱数判定テーブルの一例を示す図である。 第2始動口に入球した際に取得される当たり乱数と図柄乱数、および、この乱数値を判定する判定テーブルの一例である。 本発明の第1特別図柄保留記憶手段および第2特別図柄保留記憶手段の概念図である。 保留球の処理順序を示す図である。 始動口に遊技球が入球した際の主制御基板における制御を示すフローチャートである。 始動口に遊技球が入球した際の副制御基板における制御を示すフローチャートである。 保留球の合計変動時間、および変動を開始する保留球における変動時間の一例を示す図である。 保留球の合計変動時間、および変動を開始する保留球における変動時間の他の例を示す図である。 主制御基板における変動開始処理を示すフローチャートである。 副制御基板における演出処理および合計変動時間を表示する際のフローチャートである。
符号の説明
84,86 本発明の特別図柄変動表示手段を構成する特別図柄表示器
104 本発明の変動時間表示手段を構成する図柄表示部
105 第1始動口
120 第2始動口
200 制御手段
300 第1特別図柄抽選手段
301 第1特別図柄表示制御手段
302 第1特別図柄変動制御手段
303 本発明の変動時間決定手段を構成する第1乱数判定手段
320 第2特別図柄抽選手段
321 第2特別図柄表示制御手段
322 第2特別図柄変動制御手段
323 本発明の変動時間決定手段を構成する第2乱数判定手段
330 変動時間演算手段
401 第1特別図柄保留記憶手段
402 第2特別図柄保留記憶手段
502 演出制御手段
503 変動時間表示制御手段

Claims (2)

  1. 特別図柄を所定時間変動表示する特別図柄変動表示手段と、
    遊技球の入球を契機に前記特別図柄変動表示手段による特別図柄の変動表示を開始させる権利を発生させる始動口と、
    通常遊技状態、該通常遊技状態よりも多くの賞球を獲得可能な大当たり遊技状態にて遊技の進行を制御する制御手段と、
    前記始動口への遊技球の入球を契機として、前記特別図柄の変動時間を決定する遊技データを取得する遊技データ抽選手段と、
    リーチ演出を実行するか否かを判定する際に用いられるリーチ乱数を抽出するリーチ乱数抽出手段と、
    前記リーチ乱数抽出手段により抽出されたリーチ乱数と、リーチ演出を実行するか否かを判定するためのリーチ乱数判定テーブルとに基づいて、リーチ演出を実行するか否かを判定するリーチ演出実行判定手段と、
    前記特別図柄変動表示手段により特別図柄が変動表示されているときに前記始動口に遊技球が入球したとき、当該入球を契機として取得された遊技データを記憶して特別図柄の変動表示の権利を留保する特別図柄保留記憶手段と、
    前記特別図柄の変動表示を開始するとき、前記始動口への遊技球の入球を契機として取得された遊技データに基づいて、当該特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段と、
    前記特別図柄保留記憶手段に留保された各特別図柄の変動表示の権利の変動時間を、それら各特別図柄の変動表示開始前に判定するとともに、これら各変動時間を積算して合計変動時間を演算する変動時間演算手段と、
    遊技者に視認可能に設けられ、前記変動時間演算手段が演算した合計変動時間を表示する変動時間表示手段と、
    前記変動時間演算手段が演算した合計変動時間を前記変動時間表示手段に表示する制御を行う変動時間表示制御手段と、
    を備え、
    前記リーチ乱数判定テーブルは、
    前記特別図柄保留記憶手段に記憶されている合計保留個数が第1の値の場合には、当該第1の値よりも合計保留個数が多い第2の場合と比較してリーチ演出が実行される可能性が高くなるように規定され、
    前記リーチ演出実行判定手段は、
    前記特別図柄保留記憶手段に記憶されている合計保留個数に基づいて、前記リーチ乱数判定テーブルを選択し、
    前記変動時間決定手段は、
    前記リーチ演出実行判定手段によりリーチ演出が実行されると判定された場合には、リーチ演出が実行されないと判定された場合と比較して長い変動時間を決定し、
    前記遊技データには、特別図柄保留記憶手段における特別図柄の変動表示の権利の留保個数に応じて変動時間が変化する未確定遊技データが含まれてなり、
    前記変動時間演算手段は、前記特別図柄保留記憶手段に前記未確定遊技データが記憶されたとき、当該未確定遊技データを取得した特別図柄の変動表示の権利の変動時間を、当該未確定遊技データに基づいて決定される変動時間のうち、もっとも短い変動時間と仮定して、前記合計変動時間を演算し、
    前記変動時間表示制御手段は、前記特別図柄の変動表示の権利が留保されるたびに前記変動時間演算手段により演算された合計変動時間を表示する制御を行うことを特徴とする遊技機。
  2. 前記未確定遊技データは、特別図柄保留記憶手段における特別図柄の変動表示の権利の留保個数が予め設定された個数以上のとき、前記変動時間が第1の時間に決定され、前記留保個数が予め設定された個数未満のとき、前記変動時間が前記第1の時間よりも長い第2の時間に決定されることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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