JP5244178B2 - 閉鎖された空間において火災が発生する危険性を緩和するための不活性化方法、及び該不活性化方法を実現するための装置 - Google Patents

閉鎖された空間において火災が発生する危険性を緩和するための不活性化方法、及び該不活性化方法を実現するための装置 Download PDF

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Description

本発明は、閉鎖された空間において火災が発生する危険性を緩和するための不活性化方法、及び本方法を実現するための装置に関する。
例えば、可燃性の設備の保管目的で用いられ、人の出入りが殆どない空間内において火災が発生する危険性を緩和するための措置としては、各保管領域における酸素濃度を例えば約12容量%まで低下させる方法が知られている。このような低酸素濃度下では、ほとんどの可燃性材料は燃焼されない。この方法は、IT領域、電気スイッチギヤおよび配電器コンパートメント、閉鎖された施設ならびに高額商品等の保管に適応されている。
例えば、特許文献1に、閉鎖された空間における火災の危険性を緩和又は消火する装置が開示されている。特許文献1に記載の従来のシステムは、閉鎖された空間における酸素含有量を予め所定の基準不活性化レベルにまで低下させている。そして、火災が発生した場合等必要があれば、酸素含有量を所定の完全不活性化レベルまでさらに迅速に低下させるように構成されている。これにより、不活性ガスシリンダの保管要件を最小限に維持しつつ、火災を効果的に消火することができる。
上記の従来の装置は、上記の目的のために、前記制御ユニットによって制御可能な不活性ガスシステムと、該不活性ガスシステムおよび保護空間に接続される供給パイプシステムとを備え、前記不活性ガスシステムによって提供される不活性ガスが供給パイプシステムを介して保護空間へと供給されるように構成されている。上記不活性ガスシステムの例としては、不活性ガスを圧縮して保存する圧力シリンダバッテリ、不活性ガスを生成するためのシステム、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
上記のように、保護空間をモニタし、当該保護空間内での火災の危険性を緩和又は消火する方法、及び/又は装置は、防火の目的または火災を抑制する目的で、保護空間を常に不活性化するものであった。
上記の不活性化方法を用いた措置は、通常の条件下、閉鎖された空間では各領域の酸素濃度を、例えば12容量%まで低下させると、火災の危険性を回避できることに基づいている。
すなわち、不活性化方法の防火および消火効果は、環境雰囲気中の酸素の一部を他の物質に置き換えることに基づいている。一般に知られているように、通常の環境雰囲気は21容量%の酸素、78容量%の窒素、および1容量%のその他の気体から構成されている。保護領域において火災の発生する危険性は、当該保護領域における酸素濃度を窒素等の不活性ガスまたは不活性ガス混合物の供給により低下させることによって、効果的に緩和することができる。
酸素の比率が約15容量%未満に低下すると、ほとんどの固体で消火効果が生じることが知られている。保護領域内に収容されている可燃性材料によっては、酸素含有率を、さらに、例えば12容量%にまで低下させないと消火効果が得られないものもある。
すなわち、上記のことは、保護空間における環境雰囲気中の酸素含有率を、常に15容量%未満にまで低下させ、いわゆる「基準不活性化レベル」に保つことによって、当該保護空間において火災が広がる危険性を効果的に緩和できることを意味している。
本願における「基準不活性化レベル」とは、通常の大気中の酸素濃度よりも低く設定された、保護空間における環境雰囲気中の酸素濃度のレベルであって、所定の予防措置は施されているが、当該保護空間内に人間や動物が入っても問題のない酸素濃度レベルを意味している。
上述のように、いわゆる「完全不活性化レベル」に対し、基準不活性化レベルを設定したのは、効果的に消火できるまで低下させた酸素含有量でなくても、保護空間において火災が発生する危険性を緩和できるレベルを意図しているからである。この基準不活性化レベルは、環境によって異なるものの、例えば、13容量%から15容量%の酸素含有量である。
「完全な不活性化レベル」とは、基準不活性化レベルの酸素含有量よりもさらに少ない酸素含有量の不活性化レベルで、ほとんどの可燃性材料が引火されないレベルまで酸素含有量を減少させた不活性化レベルを言う。完全な不活性化レベルの酸素濃度は、保護空間内の火災の程度にもよるが、通常、11容量%から12容量%である。
ドイツ国特許第198 11 851 C1号公報
閉鎖された空間における火災の消火、または火災が発生する危険性を緩和するための従来の不活性化方法を用いた措置は、当該閉鎖された空間に保管されているすべての商品が防火対象であることを前提としている。しかしながら、防火予防措置として、当該閉鎖された空間の容量全体を、常に不活性化状態にする必要があるとは限らない。例えば、閉鎖された空間の一定の領域のみを可燃性材料の保管に使用し、他の領域は、使用しないか不燃性材料の保管に使用してもよい。特に、大型の倉庫では、倉庫内の閉鎖された空間全体を常に不活性化状態にすることは、実際に全空間を可燃性材料の保存に用いる場合にしか経済的な意味をなさない。
特に、市場が消費者の挙動に密接に連動する消耗品や食品の業界では、消費者の挙動は市場に直接的な影響を与えるため、小売市場では、どのような在庫管理区画の変更や輸送条件にも可能な限り柔軟に対応できることが好ましい。従って、保管容量および保管条件を、各市場の状況に応じて簡単に調整できる倉庫が望まれている。火災に対する予防措置として倉庫で用いられることが多い不活性化システムについても同様である。
本発明は、前記保護空間を常に不活性化状態にすることによって、ぼや発生の危険性を効果的に緩和することができる閉鎖された保護空間に用いる不活性化システム(方法及び装置)であって、常に不活性化状態にする領域を、いかなる構造上の分離部材をも用いることなく、閉鎖された空間内における特定の領域に限定できる不活性化システムを実現することを目的としている。
本発明の閉鎖された空間(10)で火災が発生する危険性を緩和するための不活性化方法は、上記の課題を解決するために、前記閉鎖された空間(10)内に当該閉鎖された空間(10)の環境雰囲気の平均ガス密度とは異なるガス密度を持つ少なくとも1つの不活性ガスまたは不活性ガス混合物を供給し、第1のガス層(A)、第2のガス層(B)、および該第1および前記第2のガス層(A、B)の間に形成される境界層(C)からなるガス層状化状態を、いかなる構造上の分離部材をも用いることなく、前記閉鎖された空間内に形成する工程を含み、前記第1のガス層(A)の酸素含有量は前記環境雰囲気の酸素含有量に実質的に対応する酸素含有量である一方、前記第2のガス層(B)の酸素含有量は、前記環境雰囲気の酸素含有量よりも少ない所定の酸素含有量であることを特徴としている。
本発明の閉鎖された空間において火災の危険性を緩和する装置は、不活性ガスまたは不活性ガス混合物を供給するための少なくとも1つの不活性ガス供給源と、前記不活性ガス供給源によって供給される不活性ガスまたは不活性ガス混合物を前記閉鎖された空間に供給するための、制御ユニットによって制御可能な供給及び排気ノズルシステム(17a、17b)と、を備え前記供給及び排気ノズルシステム(17a、17b)によって、前記閉鎖された空間の環境雰囲気の平均ガス密度とは異なるガス密度を持つ不活性ガスまたは不活性ガス混合物を前記閉鎖された空間に調整して供給することができ、第1のガス層(A)、第2のガス層(B)、および該第1および前記第2のガス層(A、B)の間に形成される境界層(C)からなる前記ガス層状化状態を、いかなる構造上の分離部材をも用いることなく、前記閉鎖された空間(10)内に形成することができるように構成されている。
本発明の装置によれば、上記の構成により、本発明による不活性方法を実現することができる。上記の構成において、第1のガス層(A)の領域における酸素含有量は前記環境雰囲気中の酸素含有量に実質的に対応する酸素含有量である。一方、前記第2のガス層(B)の領域における酸素含有量は、前記環境雰囲気中の酸素含有量よりも少ない所定の酸素含有量である。
本発明の装置は、上記の構成により、以下の利点を有することは明らかである。すなわち、保管される製品または商品を、常に簡単に取り出すことができる状態で、いかなる構造上の分離部材をも用いることなく、またこれらを互いに隔離するための複雑な構成を要することなく、閉鎖された空間における特定の領域に収容・保管することができる。本構成によれば、閉鎖された空間内における酸素含有量を、当該各領域中に保管されている商品の発火性および可燃性に合わせて、各領域毎に設定することができる。例えば、発火の可能性がある商品又は高い可燃性の商品は、環境雰囲気中の酸素含有量より少ない酸素含有量に設定されている第2のガス層の形成領域に保管する一方、可燃性の低いまたは非可燃性の商品は第1のガス層の形成領域に保管することができる。また、前記閉鎖された空間における前記第2のガス層が形成されている領域にのみ商品を保管し、前記第1のガス層が形成されている領域には、商品を保管しない構成としてもよいことは言うまでもない。例えば、閉鎖された空間に保管すべき商品が、すべて可燃性(高い可燃性のものを含む)であっても、前記空間の保管容量が、これらの商品の保管に充分である場合に上記の構成を適応することができる。
前記第1のガス層が形成されている領域における酸素含有量は、前記環境雰囲気中の酸素含有量に実質的に対応する酸素含有量である。従って、第1のガス層における酸素含有量は、閉鎖された空間にガス層状化状態が形成された時点における環境雰囲気中の酸素含有量が通常の環境雰囲気(略21容量%)に対応する酸素含有量である場合には、略21容量%である。しかしながら、前記ガス層状化状態が形成された時点で閉鎖された空間内が、すでに基準不活性レベルに保たれている場合もある。例えば、前記ガス層状化状態が形成される前に、閉鎖された空間における酸素含有量が、例えば15容量%の基準不活性化レベルに設定されている場合、第1のガス層を含む領域の酸素含有量も当該ガス層状化状態が形成された後には15容量%となる。
本願において「不活性ガス」とは、化学的に不活性なガスであって、環境雰囲気中の酸素の一部を他の物質に置き換えることによって、消火効果を奏するすべてのガスを含むものとする。酸素含有量が、燃焼に必要な材料に固有の所定の臨界点を下回ると、不活性ガスによる窒息効果が生じる。上述の通り、ほとんどの火災は酸素含有量を13.8容量%以下にすれば消火させることができる。
従って、環境雰囲気中の第2のガス層の容量の約1/3を、供給される不活性ガスと入れ替ればよい。この不活性ガスの容量は、34容量%の不活性ガス濃度に相当する。アセチレン、一酸化炭素または水素等の少ない酸素で発火する発火剤に対しては、不活性化レベルに下げるには、高い不活性ガス濃度を必要とする。この場合、例えば、アルゴン、窒素、二酸化炭素またはこれらの混合物(イナージェン、アルゴナイト)を不活性ガス消火剤として用いることができる。
本願で、「ガス密度」とは、理想的な気体法則に基づくガスの所定の密度を意味する。従って、ガス密度PGasは下記式(2)で表わされる。
Figure 0005244178
上式中、PGasは、ガス密度(kg/m)、Pは、ガスに対する絶対圧力(kPa)、Mは、対象物のモル質量(g/mol)、Rは、一般ガス定数(=8.134J/mol/K)、Tは絶対温度(K)を示している。
下記の表1は、本発明で用いることができる不活性ガスと、そのPGasガス密度を例示している。これらの不活性ガスは、純粋不活性ガスであっても当該不活性ガスを含む混合物であってもよい。表1に示すデータは、通常の条件下(1013.25hPaの圧力P(=1.01325バール)・273.15Kの温度T(=0℃))でのデータである。
Figure 0005244178
本発明を、火災予防措置に用いれば、オペレーティングコストを効果的に削減することができる。このため、倉庫業者にとって物流費を削減できることは明らかである。火災予防措置として不活性ガスまたは不活性ガス混合物で閉鎖された空間の容量全体を常に不活性化状態にする必要はなくなるからである。
本発明の方法によれば、閉鎖された空間内にいかなる構造上の分離部材をも用いることなく、それぞれ異なる所定の酸素含有量、不活性化レベルに設定された複数の領域を形成することができる。この構成は、倉庫管理上、大きな利点を有している。すなわち、上記の構成によれば、可燃性の高い製品と、可燃性の低い製品とを、いかなる構造上の分離部材をも用いることなく、またこれらを隔離するための複雑な構成を要することなく、1つの倉庫(閉鎖された空間)に保管することができる。
本発明による課題を解決するための措置は、それぞれ所定の異なる密度を有するガスを、物理的に別層化することに基づいている。本発明で形成されるガス層状化状態は比較的安定しており、特に、閉鎖された空間内で気流または空気の循環がない場合は、主に2つのガス層におけるガス粒子への拡散流動の影響しか受けない。以下に説明する適切な措置をとれば、それぞれのガス粒子の拡散係数に対応した補償を実現することができるため、閉鎖された空間に形成された前記ガス層状化状態を、長期間維持することができる。
境界層は、第1のガス層と第2のガス層との間に形成される境界領域である。この境界層は、上記第1のガス層および第2のガス層の各厚さに較べ、比較的薄く形成されている。境界層は2つのガス層に存在するガス粒子の混合物を含んでおり、これらのガス粒子の混合は、主にガス粒子の拡散流動によってのみ起こるからである。このため、この混合物は主に、ガス粒子への拡散流動を条件とする。
本発明の好ましい実施の形態を従属クレーム記載の構成に基づいて説明する。
以下の構成によって、閉鎖された空間に形成されたガス層状化状態を構成する2つのガス層によって閉鎖された空間に形成された保管領域を、長期間維持することができる。すなわち、不活性ガスまたは不活性ガス混合物の流量を調整し、第2のガス層(B)に供給すると共に、当該第2のガス層(B)および/または境界層(C)からガスを適切に排気している。これにより、前記ガス層状化状態における中和的な拡散流動を効果的に補償することができる。
気体力学を支配するとして知られているボルツマン分布の原則によると、この原則に従えば気体粒子の内部エネルギー(エントロピー)により第1のガス層におけるガス粒子の拡散ならびに第2のガス層におけるガス粒子の拡散の両方が閉鎖された空間のガス層に打ち消し効果を持つ。このため、ガスを好ましくは境界層から連続排気するか、所定の時間または所定の事象毎に排気する必要があり、不活性ガスまたは不活性ガス混合物は、流量を調整して、2つのガス層のうちの何れか一方に、例えば第2のガス層に供給される。また、前記境界層からガスを排気することにより、特に第2のガス層から境界層へと拡散された不活性ガス部分は少なくとも部分的に分離することができるため、第1および第2のガス層の間の最も規則正しい分離を実現することができる。この方法によれば、特に境界層が形成される領域を薄く維持することができる。
一方、境界層からガスが排気されるのと同時に、十分な量の不活性ガスが、その流量が調整されて、第2のガス層へと供給され、第2のガス層形成領域の酸素含有量が、常に環境雰囲気中の酸素含有量及び第2のガス層の酸素含有量に比べ少ない所定の酸素含有量に維持される。これにより、前記ガス層状化状態を構成するガス層の空間的な分離を効果的かつ簡単に実現することができる。
本発明の不活性化方法は、前記閉鎖された空間に第1のガス層と第2のガス層を形成した後、第1のガス層の温度および第2のガス層の温度を連続測定するか、所定の時間または所定の事象毎に測定すると共に、第1のガス層と第2のガス層との間に特定の温度差を生じさせてそれを持続することによって、前記閉鎖された空間(10)に形成される前記ガス層状化状態を維持することが好ましい。これにより、いかなる構造上の分離部材をも用いることなく、酸素含有量の異なる領域(層)温度の異なる領域(層)を閉鎖された空間に形成し維持することができる。そして、2つ下側のガス層を、上側の層よりも低い温度にすれば、非常に安定した状態で各層を維持することができる。
本発明の不活性化方法は、上側のガス層形成領域、第2のガス層形成が下側のガス層形成領域、第1のガス層形成領域よりも高い温度に設定され、温度成層は閉鎖された空間に形成されたガス成層の維持をさらに支えることが好ましい。前記数式1に示すように、不活性ガスまたは不活性ガス混合物のPGasガス密度は、温度Tに反比例するため、第2のガス層形成領域の温度を第1のガス層形成領域よりも高い温度に設定すれば、第2のガス層を形成するのに使用される不活性ガスと環境雰囲気を構成しているガスとの間にはより大きな密度差ΔPGasが生じる。
上記の構成における温度測定には公知の測定方法を用いることができるため、閉鎖された空間内のさまざまな位置、および閉鎖された空間に形成されたガス層のそれぞれの領域で温度測定すれば、正確かつ豊富な温度測定結果に基づく制御が可能となる。
第1および第2のガス層の間の上記の温度差を設定し維持する技術的手段も種々の方法を用いることができる。例えば、供給される不活性ガスまたは不活性ガス混合物をあらかじめ加熱するまたは冷却し、閉鎖された空間にガス層状化状態を形成すれば、第2のガス層の形成領域の温度を第1のガス層の形成領域の平均温度よりも高くしたり低くしたりするこができる。また、各領域内の適切な位置に配置された対応する加熱/冷却素子用いて層間の温度差を設定し維持する構成としてもよいが、これに限定されない。
本発明の不活性化方法は、火災予防措置を長期間にわたって確実に維持できるようにするために、第2のガス層の酸素含有量を、連続測定するか、所定の時間または所定の事象毎に測定し、不活性ガスまたは不活性ガス混合物の流量を調整して前記第2のガス層(B)に供給すると共に、当該第2のガス層(B)および/または境界層(C)からガスを適切に抽出することによって、前記第2のガス層(B)のガス含有量を所定の酸素含有量に対応する不活性化レベルに維持することが好ましい。
上記の構成によれば、閉鎖された空間における第2のガス層形成領域が常に不活性状態に維持されるために、第2のガス層形成領域に保管される商品の可燃性及び発火挙動によるが、効果的な防火措置を確実に実現することができる。このように、第1のガス層形成領域の酸素含有量に比べて、所定の第2のガス層形成領域の酸素含有量をかかる区域に保管されているまたは保管すべき商品の燃焼性または発火特定に適合させることができることは明らかである。
第2のガス層形成領域の酸素含有量は、公知の方法で測定でき、本発明の吸気システムに好適である。本吸気システムは、例えば、好ましくはパイプラインまたはチャネルを通じて第2のガス層形成領域内の複数の位置から第2のガス層の環境の代表的なサンプルを積極的に抽出し、かかるサンプルを検出器からなる測定チャンバに供給して酸素含有量を測定するが、これに限定されない。
本発明による解決策で使用される不活性ガスまたは不活性ガス混合物に関し、この不活性ガスまたは不活性ガス混合物が、同じ温度で環境雰囲気の特定のガス密度PGasと異なる特定のガス密度PGasを提示することが特に好ましい。上述の表1の例によってすでに述べたように、種々の異なる不活性ガスを用いることができる。例えば、アルゴン、二酸化炭素、またはクリプトンまたはキセノン、またはこれらの混合物等の、閉鎖された空間にガス層状化状態が生じたときの環境雰囲気の化学組成が、通常の環境雰囲気の化学組成に対応する場合、「通常の」空気のガス密度よりも高いまたは閉鎖された空間の環境雰囲気のガス密度よりも高いガス密度PGasを持つガスを用いることができる。
第2のガス層形成領域、すなわち不活性ガスの供給によりガス層状化状態が形成される領域の温度が第1のガス層形成領域よりも低い、すなわち環境雰囲気の温度よりも低い場合、第1のガス層形成領域の下に第2のガス層形成領域が形成されたガス層状化状態を、非常に安定した状態で閉鎖された空間に形成することができる。
例えば、窒素またはヘリウムまたはこれらの混合物を不活性ガス、すなわち大気中のガス密度よりも低い平均ガス密度を持つガスとして使用してもよい。特に、不活性窒素ガスを使用する場合は、空間および第2のガス層形成領域に不活性ガスを導入する前に、この不活性ガスを適切な温度に加熱してその特有のガス密度をさらに低下させておくことが好ましい。これにより、閉鎖された空間に、第2のガス層が第1のガス層の上層に積層されるガス層状化状態を容易に実現することができる。
閉鎖された空間に種々の発火特性の商品を保管できるようにするために、閉鎖された空間における第2のガス層の形成領域のみならず、第1のガス層の形成領域も常に不活性状態とすることが好ましい。すなわち、不活性ガスまたは不活性ガス混合物の供給により、閉鎖された空間内にガス層状化状態を形成する前に、環境雰囲気の酸素含有量を、通常の大気中の酸素含有量(約21容量%)よりも少ない酸素含有量に対応する所定の基準不活性化レベルに減少させる。閉鎖された空間内にガス層状化状態が形成される前に行われる上記の工程は、互いに空間的に分離されている、酸素含有量の異なる2つの領域がガス層状化状態に続いて形成される。この結果、これらの2つの領域(ガス層)の各酸素含有量が通常の大気中の酸素含有量に比べて減少される。閉鎖された空間にガス層状化状態が形成される前に設定される基準不活性化レベルを適切に選択することにより、また、ガス層状化状態が形成される際に第2のガス層の酸素含有量を適切に設定することにより、ガス層状化状態を構成する2つのガス層におけるそれぞれの酸素含有量を、それぞれの領域で保管すべき商品に適合された不活性化レベルに設定することができる。
また、特に後者として述べた実施の形態の1つの好ましいさらなる開発は、第1のガス層の酸素含有量を、連続測定するか、所定の時間または所定の事象毎に測定し、不活性ガスまたは不活性ガス混合物の流量を調整して前記第1のガス層に供給すると共に、当該第1のガス層および/または境界層からガスを適切に排気することによって、前記第1のガス層の前記酸素含有量を前記特定の基本の不活性化レベルに維持することが好ましい。
これは、形成された成層が個々のガス粒子への拡散流動により時間とともに消失することがないようにするための措置として非常に好適である。
火災の予防措置としてのみならず火災を制御に適用可能にするために、第2のガス層の形成領域における少なくとも1つの火災特性を常時または所定の時刻または所定の事象毎に測定する構成とし、少なくとも1つの火災特性が検出されると、第2のガス層の形成領域内または空間容量全体の酸素含有量を、不活性ガスを急激に供給することで、減少させて完全不活性化レベルとすることが好ましい。このように、第2のガス層の形成領域を完全不活性化レベルとすることで、第2のガス層の形成領域に保管されている商品の可燃性を効果的に低減または火災を効果的に消火することができる。万が一の火災に備えて設定される完全な不活性化レベルに加えてまたはその代わりに、当然ながら化学的な消火ガスを空間に導入することも考えられ、これは窒息以外の作用に基づく消火効果を持つものである。化学的消火ガスとしては、例えばHFC−227eaまたはNovec(登録商標)またはそれらの混合物を用いることができる。
本願において、「火災特性」は、火災の初期の段階で測定可能な変化を受ける物理的な変数であると理解すべきであり、例えば環境温度、環境大気中の固体、液体、または気体の含有量(煙粒子、粒状物質または気体の堆積)、または環境放射である。
火災特性は好ましくは吸気吸引パイプシステムを使って検出される。このシステムは、例えば、第2のガス層の環境雰囲気の代表的なサンプルを積極的に排気し、当該サンプルを、火災特性の検出に使用する検出器を備える測定チャンバに供給する構成としてもよいが、これに限定されない。
上記の実施の形態の構成に代えて、又はそれに加えて、第1のガス層の形成領域における少なくとも1つの火災特性を常時または所定の時刻または所定の事象毎に測定する構成とし、少なくとも1つの火災特性が検出されると、第1のガス層の形成領域内における酸素濃度を、不活性ガスを急激に供給することで、減少させて不活性化レベルとすることが好ましい。このように、第1のガス層の形成領域を不活性化レベルとすることで、第1のガス層の形成領域に保管されている商品の可燃性を効果的に低減することができる。
本発明の不活性方法は、第1のガス層の形成領域及び第2のガス層の形成領域の厚さがそれぞれ調整できることが好ましい。このように、倉庫の容積内にそれぞれのガス層を高い自由度で形成できれば、耐火性領域を迅速かつ簡単に拡張することができる。
本発明の不活性方法を実現するための装置は、その技術的な実現方法として、前記排気ノズルシステムが、垂直方向に着脱可能な少なくとも1つの排気ノズルを備え、第1のガス層の形成位置または配置も閉鎖された空間内で調節可能に構成することが好ましい。
本発明の不活性方法を実現するための装置は、前記ガスの排気流量が、前記制御ユニット(15)よって制御される吸引システム(12)を備え、第2のガス層からおよび/または境界層からその流量が調整されてガスが排気し、同時に不活性ガスを排気ノズルシステムを介して第2のガス層の形成領域に供給する構成とすることが好ましい。この結果、第2のガス層の形成領域における酸素含有量を、所定の酸素含有量に対応する不活性化レベルに維持することができる。
本発明によれば、常に不活性化状態にする領域を、いかなる構造上の分離部材をも用いることなく、閉鎖された空間内における特定の領域に限定できる不活性化システムを実現することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る不活性化システムを示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る不活性化システムを示す図である。
図1は、閉鎖された空間10において火災の危険性を緩和するための本発明による不活性化システムの好ましい実施の形態を示している。この不活性化システムは、本発明の不活性化方法を実現するシステムである。
図1は、本不活性化システムの概略構成を示している。本システムは、図1に示すように、不活性ガス又は不活性ガス混合物を供給するための不活性ガス供給源20を備えている。不活性ガス供給源20は、不活性ガス発生装置(窒素ガス発生装置)20aと、不活性ガスまたは不活性ガス混合物が高圧下で保存されるガスシリンダバッテリ20bとを備えている。環境大気コンプレッサ20a’は、不活性ガス発生器20aに接続されている。制御ユニット15は、環境大気コンプレッサ20a’の空気の流量を調整する。これにより制御ユニット15は不活性ガスシステム20a、20a’によって供給される不活性ガスの流量(rate)を設定できる。
不活性ガスシステム20a、20a’が発生する不活性ガスおよび/またはガスシリンダバッテリ20bによって供給される不活性ガスは、供給パイプシステム17aを介してモニタされる空間10へと供給される。ここで、さらに別の複数の保護空間を供給パイプシステム17aに接続することもできることは言うまでもない。具体的には、不活性ガス供給源20から供給される不活性ガスは、空間10内の適切な位置に配置されている排気ノズル17bを介して閉鎖された空間10内へと供給される。
図1に示す実施の形態の構成では、不活性ガス、好ましくは窒素ガスを、環境雰囲気から局所的に抽出させている。窒素ガス発生装置(不活性ガス発生装置)20aは、それぞれ、窒素ガス含有量が90容量%から95容量%の窒素ガス含有量が高い空気を発生する。この窒素ガス発生装置(不活性ガス発生装置)20aとしては、分離膜式窒素ガス発生装置やPSA(Pressure Swing Adsorption)方式の窒素ガス発生装置を用いることができる。このような窒素豊富な空気は、不活性ガスとして機能し、供給パイプシステム17aを介して空間10内へと供給される。不活性ガスが生成された結果得られる酸素富裕空気はさらに別の管システム13を介して外部へと排出される。
上述のように、不活性ガス供給源20は、供給パイプシステム17aおよび排気ノズルシステム17bを介して閉鎖された空間10に接続されている。排気ノズルシステム17bは好ましくは複数の抽出ノズルを備えており、これらは同図に示す実施の形態において空間10内部に水平面に分布されている。供給パイプシステム17aの制御バルブV1を適切に制御することにより、不活性ガス供給源20によって供給される不活性ガスは閉鎖された空間10の環境雰囲気内へ確実に調整されて供給される。具体的には、制御バルブV1は、制御ユニット15の制御により、不活性ガス供給源20から供給パイプシステム17aおよび排気ノズルシステム17bを介して閉鎖された空間10の環境雰囲気へ供給される不活性ガスの体積を調整している。
本実施の形態で用いられる不活性ガスとして例えば窒素ガスが好ましい。窒素ガスの通常の条件下での気体密度は、1.251kg/mである。
図1に示す実施の形態に係る排気ノズルシステム17bは制御ユニット15によって制御可能に構成されており、第1のガス層A、第2のガス層B、及び前記第1および第2のガス層A、Bの間に設けられている境界層C1.251kgからなるガス層状化状態が、閉鎖された空間10内に構造上の分離部材をも用いることなく形成される。前記ガス層状化状態では、第1のガス層Aの形成領域における酸素濃度は、実質的に環境雰囲気中の酸素含有量に対応しており、第2のガス層Bの形成領域における酸素含有量は、環境雰囲気中の酸素含有量よりも少なく、所定の酸素濃度に対応している。これにより、第2のガス層Bの形成領域における特定の酸素含有量は、供給パイプシステム17a及び排気ノズルシステム17bを介して第2のガス層Bの形成領域内へと供給される不活性ガスの体積によって調整することができる。
図1に示す本実施の形態の構成によれば、空間10の環境雰囲気中に、最も安定した状態で、ガス層状化状態を形成するために、閉鎖された空間10に不活性ガスとしての窒素ガスを供給する前に、当該窒素ガスを、当該空間10の環境雰囲気の平均温度より高い温度に加熱する。このように加熱することで、不活性ガス(窒素ガス)の密度比は、不活性ガスが供給される前の閉鎖された空間内の空気の密度比よりも大幅に低くなる。図1に示す本実施の形態の構成によれば、排気ノズルシステム17bが閉鎖された空間10の上側の領域に刑されているため、窒素ガス、好ましくは加熱された窒素ガスが閉鎖された空間10に供給されると、通常環境雰囲気が、まだ空間10の下側の領域を満たしているガス層状化状態では、不活性ガスは、まず空間10の上側の領域に供給される。
不活性ガスの供給を空間10内の全体積が不活性ガスで充填される前に停止すれば、加熱された二層構造のガス層状化状態が閉鎖された空間10内に形成される。このように形成されたガス層状化状態の下層側ガス層(第1のガス層A)の酸素含有量は、通常の環境雰囲気(21容量%)の酸素含有量である一方、空間10の上側の領域に不活性ガスを供給することによって、第1のガス層Aに比べ通常の環境雰囲気中の酸素含有量に対して酸素含有量が低く設定された領域(第2のガス層B)が形成される。
従って、第2のガス層Bの形成領域、すなわち、空間10の上側の領域は、常に不活性化状態に保たれているため、当該領域に保管されている物の可燃性が低下される。第2のガス層Bの形成領域における酸素含有量は、第1のガス層Aの形成領域における酸素含有量よりも少ない所定の酸素含有量に対応した不活性化レベルに設定されている。この不活性化レベルは、第2のガス層Bの形成領域に供給される不活性ガスの体積によって規定される。
本実施の形態に係る不活性システムでは、加熱した窒素ガスを不活性ガスとして使用することが好ましい。そこで、例えば、不活性ガス供給源20を、加熱システム(温度調整メカニズム)18の下流側に設け、不活性ガス供給源20から供給パイプシステム17aを介して供給される不活性ガスを加熱システム18で加熱する構成としてもよい。また、上記の構成にかえて、又は上記の構成に加えて、不活性ガスの抽出と同時または抽出に対応して当該不活性ガスを加熱するための加熱素子を排気ノズルシステム17bに設けてもよい。
形成されたガス層をより長期間にわたって維持するために、図1に示す不活性システムは、さらに吸引システム12を備えている。この吸引システム12は、第1のガス層Aと第2のガス層Bとの間に形成される境界層Cに接続されている。吸引システム12は、連続的にまたは制御ユニット15によって所定の時刻または事象毎に境界層Cからガスを抽出する。一方、新鮮な不活性ガスも同時に排気ノズルシステム17bを介して第2のガス層Bの形成領域内に供給される。この構成により、2つのガス層(第1のガス層A及び第2のガス層B)が混ざり合うことを効果的に抑制することができる。
詳細には、吸引システム12は、境界層Cに接続される吸引ノズルシステム12aとファン12bとを備える。ファン12bの回転速度および/または回転方向は制御ユニット15によって制御可能に構成されている。上記構成において、制御ユニット15により制御可能な制御バルブV2をさらに備え、ファン12bと吸引ノズルシステム12aとの間に配置してもよい。ファン12bの回転速度を適切に調整することによって、ガス層状化状態を維持するのに十分な量のガスが吸引ノズルシステムを介して境界層Cから抽出され外部へと排出される。一方、適切に制御されるファン12bはその回転方向を、吸引システム12が必要に応じて境界層Cに新鮮な空気を供給することもできるように変更することもできる。
また、前記ガス層状化状態を安定的に維持するために、第1のガス層Aと第2のガス層Bとを、閉鎖された空間10内に異なる温度で形成することが好ましい。例えば、各形成領域に適切な加熱/冷却素子を配置することによって、閉鎖された空間10内に第1のガス層Aと第2のガス層Bとを、長期間安定的に維持することができる。第1のガス層Aおよび第2のガス層Bの各形成領域に配置される加熱/冷却素子(図示せず)は、制御ユニット15によって制御可能に構成することが好ましい。
図1に示す本発明の実施の形態に係る不活性システムは、第2のガス層Bが形成される領域の厚み、及び必要に応じて第1のガス層Aの形成領域に形成される層の厚みも調整できるように、吸引システム12、具体的には吸引ノズルシステム12aが垂直方向に着脱可能に設けられていることが好ましい。
本実施の形態では、吸引システム12(吸引ノズルシステム12a)が閉鎖された空間10の略中央に配置されていることが好ましい。第1のガス層Aが形成される空間10の下側の領域は、供給される不活性ガスの影響を受けないため、ドア9を通って空間10へ入室することを規制する必要がないからである。
図1に示す本発明の実施の形態に係る不活性システムは、空間10の上側領域での火災の発生の予防措置としてのみ適応されるものではない。すなわち、ガス層状化状態の形成前に、例えば、不活性ガスを供給し、空間10全体の環境雰囲気中の酸素含有量を、通常の環境雰囲気中に対し基準不活性化レベルにまで低下させてもよい。これにより、第1のガス層Aと第2のガス層Bとの2つのガス層が形成された状態では、第1のガス層Aの形成領域における酸素含有量も通常の環境雰囲気よりも少なくなっており、第2のガス層Bの形成領域における酸素含有量は第1のガス層Aの形成領域における酸素含有量もさらに少なくなる。
図1に示す上記構成の不活性ガス供給源20に加えて、ガス層状化状態を形成する前に空間10内を常に不活性化状態にする目的で、他の不活性ガスシステム(図1に不図示)を設けてもよい。この目的で供給される不活性ガスは、ガス層状化状態を形成する目的で供給される不活性ガスとは、異なる所定のガス密度を有する必要がある。よって、ガス層状化状態を形成する目的で供給される不活性ガスとは、異なる不活性ガスを用いてもよい。さらに、またはこれに代えて、不活性ガスを異なる温度で供給してもよい。
空間10全体を常に不活性化状態にするための吸引ノズルシステムとしては、供給された不活性ガスを空間10の環境雰囲気内にできる限り均一に分散するように設計された排気ノズルシステム17bを用いることが好ましい。ここで、空間10内に設置可能な空気循環器を設けても同様の効果を奏することは言うまでもない。
本実施の形態に係る不活性システムは、少なくとも1つの酸素測定装置19をさらに備え、閉鎖された空間10の環境雰囲気中の酸素含有量を測定する構成とすることが好ましい。図1に示す実施の形態では、酸素測定装置19は第1のガス層Aの形成領域ならびに第2のガス層Bの形成領域にそれぞれ設けられている。これらの酸素測定装置19は吸気システム(アスピレータ)として機能するよう設計されているのが好ましい。
火災の予防措置としてだけでなく、火災を抑制するための措置としても適切な不活性システムを実現するために、第1のガス層Aの形成領域および第2のガス層Bの形成領域内における各1つの火災特性を常時または所定の時刻または所定の事象毎に測定する構成とし、少なくとも1つの火災特性が検出されると、第2のガス層Bの形成領域内における酸素濃度を、好ましくは第2のガス層Bに不活性ガスを急激に供給することで、当該第2のガス層Bの不活性化レベルを完全な不活性化レベルに低下させる構成とすることが好ましい。また、第1のガス層Aの形成領域における少なくとも1つの火災特性を検出し、火災の場合の際に、第1のガス層Bの形成領域に適切な措置を講じる構成としてもよいことは言うまでもない。
具体的には、本システムは、閉鎖された空間10における環境雰囲気中の少なくとも1つの火災特性を検出する火災検出システム16をさらに備えている。この火災検出システム16は、吸気システムとして機能するように設計されていることが好ましい。すなわち、火災検出システム16は、第2のガス層Bの環境雰囲気と同様に第1のガス層Aの環境雰囲気からも空気またはガスサンプルを抽出し、少なくとも1つの火災特性を検出するための検出器(図1に不図示)へと供給する構成とすることが好ましい。
制御ユニット15は、火災検出システム16から、好ましくは常時、あるいは所定の時間又は所定の事象毎に送信される信号に基づいて、必要に応じて、さらなる処理または評価の後に、調整バルブV1を適切に制御している。例えば、災検出システム16が閉鎖された空間10内で火災を検出した場合、制御ユニット15は、この検知結果に基づいて、対応する信号を発信する構成としてもよい。
図2は、本発明の第2実施の形態に係る不活性システムを示している。本不活性システムは、不活性ガス供給源20として、環境大気圧縮装置20a’に接続された不活性ガス発生装置20aを備えている、図1に示す第1の実施の形態に係る不活性システムと同様に、制御ユニット15は、環境大気圧縮器20a’が供給する空気の流量を制御することによって、不活性ガスシステム20a、20a’から供給される不活性ガスの流量を設定している。
図2に示す本不活性システムは、不活性ガスシステム20a、20a’に加えて、ガスシリンダバッテリ、圧力タンク20bがそれぞれ設けられており、当該圧力タンク20bには液化COが不活性ガスとして蓄えられている。ガスシリンダバッテリ20bは、液体ガスタンクとしても機能することは言うまでもない。このガスシリンダバッテリ20bは、制御ユニット15によって制御可能な3ウェイバルブV1を介して供給パイプシステム17aに接続されている。供給パイプシステム17aは、不活性ガスシステム20a、20a’で生成された不活性ガス(窒素豊富なガス)を閉鎖された空間10に供給する。ガスシリンダバッテリ20bは、別途設けられた供給パイプシステムによって閉鎖された空間10に接続される構成とすることは言うまでもない。
図2に示す実施の形態に係るシステムは、異なるタイプの不活性ガスを用いて閉鎖された空間10にガス層状化状態を形成する。第1の不活性ガスとして使用されるのは、不活性ガスシステム20a、20a’によって生成される窒素豊富な空気である。この窒素豊富な空気は、閉鎖された空間10における環境雰囲気中を、常に不活性状態にするのに用いられることが好ましい。不活性化状態では、空間10に保管されるほとんどの商品の可燃性が予め大幅に低減される。このような連続不活性状態としては、例えば、酸素含有量が15容量%の不活性化レベルとすることが好ましい。
例えば、空間10に設定される連続不活性状態の基準レベルは、常時、あるいは所定の時間又は所定の事象毎に制御ユニット15及び酸素測定装置19を用いてモニタされる。
例えば、基準不活性化レベルが設定された後に、空間的な枠組みからのリークや換気によって空間10における環境雰囲気中の酸素含有量が意図的又は偶然に増加した場合、制御ユニット15は、状況に対応した制御信号を不活性ガスシステム20a、20a’に送信する。不活性ガスシステム20a、20a’は、当該制御信号に基づいて、窒素豊富な空気を供給パイプシステム17aに供給する。そして、3ウェイバルブV1を適切に制御することによって、供給パイプシステム17aに供給された窒素豊富な空気が空間10内に供給される。上記窒素豊富な空気の供給は、酸素測定装置19が環境雰囲気中の酸素含有量が所望の基準不活性化レベルに減少したことを検知するまで継続される。
図2に示す本実施の形態において、異なる酸素レベルのガス層状化状態は、ガスシリンダバッテリ20bに保存されているCOが、好ましくは空間10の下側の領域に供給されることによって形成される。不活性化レベル(例えば、基準不活性化レベルまたは完全不活性化レベル)に設定された窒素豊富な空気が空間10内に供給された後に、空間10内にCOが供給される。
制御ユニット15は、供給パイプシステム17aに配置された制御バルブV1を制御し、ガス層状化状態を形成する。(気体)COは、密度が1.977kg/mであるため例えば通常の空気よりも著しく密度が高く、窒素よりも密度が高いことから、閉鎖された空間10の下側の領域にCOを供給することによっていわゆる「COレイク」、すなわち第3のガス層Bが空間10の下側の領域に形成される。ここではCOの濃度が高められているため、空間10の上側の領域(第1のガス層A)の酸素含有量に比べて酸素濃度が少なくなっている。空間10に供給されるCOは、気体でも液体でもよい。
上記の方法により、閉鎖された空間10内に、上側の領域に形成される第1のガス層Aと、下側の領域に形成される第2のガス層Bとからなるガス層状化状態が形成される。空間10の上側の領域に形成される第1のガス層Aの酸素濃度は、実質的にはCOガスの供給前に設定される基準不活性化レベルに対応する。空間10の下側の領域に形成される第2のガス層Bには、COガスが供給されるため、第1のガス層Aに比べて酸素含有量が低くなっている。
所定の混合の結果、第1のガス層Aと第2のガス層Bとの間には、境界層Cが形成される。図2に示す本実施の形態では、境界層Cは、比較的薄く生成される。第1のガス層Aのガスの平均密度と第2のガス層Bのガスの平均密度との間には比較的大きな差があり、混合は主にガス粒子の拡散流動によってのみ起こるからである。
図2を参照して説明した本発明の第2の実施の形態によれば、特に高い可燃性の物または長期間にわたって高い可燃性を示す物質(例えば、炭化水素等のガス)は、下層側のガス層Bに保管する一方、通常の燃焼挙動のものは、上側の第1のガス層Aに保管することができることは明らかである。
閉鎖された空間10における環境雰囲気中で、火災が発生した場合または火災の発生する恐れのある場合、ガス層状化状態を調整する必要がある。このため、閉鎖された空間10内に種々の火災検出システム16を設けることが好ましい。
図示された具体的な実施の形態に係る不活性システムは、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。
特に、本発明で用いる不活性ガスは、本実施の形態の形態で用いた窒素ガスに限定されるものではない。また、不活性ガスは、閉鎖された空間内に供給される前に温度調節されることが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。

Claims (16)

  1. 閉鎖された空間(10)で火災が発生する危険性を緩和するための不活性化方法であって、
    前記閉鎖された空間(10)の環境雰囲気の平均ガス密度(PGas)とは異なるガス密度(PGas)を持つ少なくとも1つの不活性ガスまたは不活性ガス混合物を供給し、第1のガス層(A)、第2のガス層(B)、および該第1および前記第2のガス層(A、B)の間に形成される境界層(C)からなるガス層状化状態を、いかなる構造上の分離部材をも用いることなく、前記閉鎖された空間(10)内に形成する工程を含み、
    前記第1のガス層(A)の酸素含有量は前記環境雰囲気の酸素含有量に実質的に対応する酸素含有量である一方、前記第2のガス層(B)の酸素含有量は、前記環境雰囲気の酸素含有量よりも少ない所定の酸素含有量であることを特徴とする不活性化方法。
  2. 不活性ガスまたは不活性ガス混合物の流量を調整して前記第2のガス層(B)に供給すると共に、当該第2のガス層(B)および/または境界層(C)からガスを適切に抽出することによって、前記閉鎖された空間(10)に形成される前記ガス層状化状態を維持することを特徴とする、請求項1に記載の不活性化方法。
  3. 第1のガス層(A)の温度および第2のガス層(B)の温度を測定すると共に、
    第1のガス層(A)の温度と第2のガス層(B)の温度との間に特定の温度差を生じさせてそれを持続することによって、前記閉鎖された空間(10)に形成される前記ガス層状化状態を維持することを特徴とする、請求項1または2に記載の不活性化方法。
  4. 第2のガス層(B)の酸素含有量を、連続測定するか、所定の時間または所定の事象毎に測定し、
    不活性ガスまたは不活性ガス混合物の流量を調整して前記第2のガス層(B)に供給すると共に、当該第2のガス層(B)および/または境界層(C)からガスを適切に抽出することによって、前記第2のガス層(B)のガス含有量を所定の酸素含有量に対応する不活性化レベルに維持することを特徴とする、請求項1ないし3の何れか1項に記載の不活性化方法。
  5. 前記不活性ガスまたは不活性ガス混合物は、同一温度下において、環境雰囲気の所定のガス密度(PGas)とは異なる所定のガス密度(PGas)を有することを特徴とする、請求項1ないし4の何れか1項に記載の不活性化方法。
  6. 環境雰囲気の平均温度とは異なる温度を有する不活性ガスまたは不活性ガス混合物を、前記閉鎖された空間(10)に供給することを特徴とする、請求項1ないし5の何れか1項に記載の不活性化方法。
  7. 閉鎖された空間(10)にガス層状化状態が形成される前に、不活性ガスまたは不活性ガス混合物を供給することによって前記閉鎖された空間(10)の環境雰囲気を変えることで、環境雰囲気の酸素含有量を、通常の大気酸素含有量に比べて少ない酸素含有量に対応する所定の基準不活性化レベルに低下させることを特徴とする、請求項1ないし6の何れか1項に記載の不活性化方法。
  8. 第1のガス層(A)の酸素含有量を、連続測定するか、所定の時間または所定の事象毎に測定し、
    不活性ガスまたは不活性ガス混合物の流量を調整して前記第1のガス層(A)に供給すると共に、当該第1のガス層(A)および/または境界層(C)からガスを適切に抽出することによって、前記第1のガス層(A)の前記酸素含有量を前記所定の基準不活性化レベルに維持することを特徴とする、請求項7に記載の不活性化方法。
  9. 前記第2のガス層(B)の少なくとも1つの火災特性を、連続測定するか、所定の時間または所定の事象毎に測定し、
    火災が検出された場合は、不活性ガスまたは不活性ガス混合物を第2のガス層(B)に急激に供給することによって、前記第2のガス層(B)の酸素含有量を、前記環境雰囲気の前記酸素含有量よりも少ない前記所定の酸素含有量に対応する所定の基準不活性化レベルより低い完全に不活性化レベルの酸素含有量に低下させることを特徴とする、請求項1ないし8の何れか1項に記載の不活性化方法。
  10. 前記第1のガス層(A)の少なくとも1つの火災特性を、連続測定するか、所定の時間
    または所定の事象毎に測定し、
    火災が検出された場合は、不活性ガスまたは不活性ガス混合物を前記第1のガス層(A)に急激に供給することによって、前記第1のガス層(A)の酸素含有量を、前記環境雰囲気の前記酸素含有量と比較して低減された酸素含有量に対応する所定の基準不活性化レベルより低い完全に不活性化レベルの酸素含有量に低下させることを特徴とする、請求項1ないし9の何れか1項に記載の不活性化方法。
  11. 前記第1のガス層(A)および前記第2のガス層(B)の厚さが調節可能であることを特徴とする、請求項1ないし10の何れか1項に記載の不活性化方法。
  12. 閉鎖された空間(10)において火災の危険性を緩和する装置であって、
    前記閉鎖された空間(10)の環境雰囲気の平均ガス密度(PGas)とは異なるガス密度(PGas)を持つ不活性ガスまたは不活性ガス混合物を供給するための少なくとも1つの不活性ガス供給源(20)と、
    前記不活性ガス供給源(20)によって供給される不活性ガスまたは不活性ガス混合物を前記閉鎖された空間(10)に供給するための、制御ユニット(15)によって制御可能な供給及び排気ノズルシステム(17a、17b)と、を備え、
    前記供給および排気ノズルシステム(17a、17b)は、第1のガス層(A)、第2のガス層(B)、および該第1および前記第2のガス層(A、B)の間に形成される境界層(C)からなる前記ガス層状化状態を、いかなる構造上の分離部材をも用いることなく、前記閉鎖された空間(10)内に形成するように設計されており、
    前記第1のガス層(A)の酸素含有量は前記環境雰囲気の酸素含有量に実質的に対応する酸素含有量である一方、前記第2のガス層(B)の酸素含有量は、前記環境雰囲気の酸素含有量よりも少ない所定の酸素含有量であることを特徴とする請求項1ないし11の何れか1項に記載の不活性化方法を実現するための装置。
  13. 前記排気ノズルシステム(17b)は、垂直方向に着脱可能な少なくとも1つの排気ノズルを備えることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
  14. 前記第1のガス層(A)および/または前記第2のガス層(B)および/または前記境界層(C)からガスを抽出するための吸引システム(12)をさらに備え、
    前記吸引システム(12)による前記ガスの排気流量が、前記制御ユニット(15)よって制御されることを特徴とする、請求項12または13に記載の装置。
  15. 吸引システム(12)は垂直方向に着脱可能な少なくとも1つの吸引ノズル(12a)を備えることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
  16. 前記第1のガス層(A)の温度および/または前記第2のガス層(B)の温度を調整するための温度調整メカニズム(18)をさらに備えることを特徴とする、請求項12ないし15の何れか1項に記載の装置。
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