本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される外枠2と、この外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤10が取り付けられた前枠5を備え、この前枠5の一側縁がヒンジ部材4,4を介して外枠2に開閉可能に枢着されている。さらに前枠5には、遊技盤10を覆うガラス板6が設けられている。また、前枠5の下部には、上受皿7と下受皿8とが上下に列設されており、下受皿8の右側方に発射ハンドル9が配設される。
図2は、遊技盤10の正面図である。遊技盤10の前面には、ガイドレール11によって略円形の遊技領域12が区画形成されている。遊技領域12の中央には、各種遊技部材を組み込んだセンターケース13が配設される。図3は、この遊技領域12の中央に配設されたセンターケース13の正面図である。センターケース13には、演出表示装置14が組み付けられている。演出表示装置14は、液晶表示器又はCRT表示器等からなり、その表示画面には演出図柄や各種演出画像が表示される。また、センターケース13の上部には、杖の形をした可動部材22aを遊技内容に合わせて往復回動させる可動演出装置22が配設される。
図3に示すように、演出表示装置14の下部には、8個のLED(発光ダイオード)が横並びに配設される。この8個のLEDのうち、左右の6個は特別図柄表示装置15であり、中央の2個は普通図柄表示装置16である。
特別図柄表示装置15は、LEDの点灯態様によって特別図柄を表示するものである。後述するように、特別図柄表示装置15は、所定契機によって、各LEDを点滅させることにより夫々の特別図柄を変動させ、その後にいずれかのLEDが点灯した態様で特別図柄を停止表示する。本実施例では、右側のLEDが点灯した態様がハズレ態様と設定され、左側の三つのLEDのいずれかが点灯した態様が当り態様と設定されており、いずれかの特別図柄が当り態様で停止表示された場合に、いわゆる「大当り」となって後述の特別遊技状態に移行する。
一方、普通図柄表示装置16は、LEDの点灯態様によって普通図柄を表示するものである。後述する普通始動口19を遊技球が通過すると、このLEDが順次点滅することで普通図柄を変動させ、その後にいずれかのLEDが点灯した態様で普通図柄を停止表示する。左側のLEDのみが点灯した態様が当り態様、左右のLEDが点灯した態様がハズレ態様に設定されており、当り態様で停止表示された場合には、後述の普通電動役物23が拡開作動する。
図3に示すように、演出表示装置14の右上位置には、四個のLEDからなり、該LEDの点灯数によって後述の特別始動記憶数Pを表示する特別始動記憶数表示装置17が設けられている。ここで、特別始動記憶数表示装置17の各LEDは赤色と緑色に発光可能な二色発光LEDで構成される。さらに、演出表示装置14の直下位置には、四個のLEDからなり、該LEDの点灯数によって普通始動記憶数Qを表示する普通始動記憶数表示装置18が設けられている。
図2に示すように、センターケース13の左側には普通始動口19を有する普通始動ゲート21が設けられている。普通始動口19を遊技球が通過すると、この普通始動ゲート21に具備された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて普通図柄表示装置16のLEDが点滅開始する。
また、図2に示すように、センターケース13の直下位置には特別始動口20を有する普通電動役物23が配設される。普通電動役物23は、特別始動口20の開口幅を変動させる開閉翼片24を備えている。普通図柄表示装置16で普通図柄が当り態様で停止表示されると、ソレノイドによって開閉翼片24が所定時間拡開駆動されて、通常より特別始動口20へ入球し易い状態となる。そして、特別始動口20を遊技球が通過すると、普通電動役物23に内臓された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて特別図柄表示装置15のLEDが点滅開始する。また、特別始動口20は入賞口も兼ねており、遊技球が特別始動口20を通過すると、所定数の賞球が払い出される。
普通電動役物23の直下、かつアウト口30の直上方位置には、大入賞口25を有する特別電動役物26が配設されている。この特別電動役物26は横長矩形状の開閉片27を具備している。開閉片27は内蔵するソレノイドにより開閉制御され、これによって大入賞口25が開放状態と閉鎖状態に変換される。また、特別電動役物26の内部には入賞した遊技球を検知する球検知スイッチが設けられる。
また、遊技領域12の下部には一般入賞口28を有する一般入賞装置29が四個配設されており、遊技球が一般入賞口28に入賞すると、一般入賞装置29に内蔵された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
次に、本実施例のパチンコ遊技機の遊技作動を制御する制御回路を、図4を参照して説明する。
マイクロコンピュータを構成する主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられる。この主制御基板60は、遊技の統括的な制御を実行するものであり、本発明に係る特別始動記憶生成手段、特別図柄制御手段、遊技状態制御手段、特別始動記憶手段、先行判定手段、予見演出手段、予見演出切換手段、及び予見演出選択手段は、主にこの主制御基板60により実現される。この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設される。この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。記憶装置ROMには、制御プログラムや、特別始動記憶データを参照して図柄生成行程の当落判定や図柄の変動・停止態様等を決定するための各種テーブルが格納されている。
一方、記憶装置RAMには、各種球検知スイッチからの球検知信号等が一時的に記憶される記憶エリア、各種のタイマや乱数カウンタ、計数カウンタ等を構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
さらに、この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマTMも接続される。
ここで主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62,63,64,65に設置される各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成したデータ又はコマンドを各制御基板62,63,64,65にそれぞれ出力し、各制御基板62,63,64,65の中央制御装置CPUがこのデータ等に従って所定の制御を処理実行することとなる。
ここで、主制御基板60の記憶装置RAMの記憶領域に設けられる各乱数カウンタについて説明する。
大当りカウンタは0〜299の範囲の値を取るものであり、特別始動口20へ入賞するとその時点の大当りカウンタの値が抽出される。そして抽出された大当りカウンタ値は、所定の大当り値と比較され、抽出された大当りカウンタ値が大当り値と一致していた場合には「大当り(特別図柄の当選)」となり、不一致であった場合には「ハズレ」となる。ここで所定大当り値には、高確率時の大当り値「7,11,37,87,127,177,207,233,257,273」と通常確率時の大当り値「7」の二種類があり、通常遊技状態では、大当りカウンタ値は通常確率時の大当り値と比較されるが、上述の確変遊技状態では、高確率時の大当り値と比較される。すなわち、通常遊技状態では、抽出された大当りカウンタ値が「7」の場合にのみ当選となり、確変遊技状態では、抽出された大当りカウンタ値が「7,11,37,87,127,177,207,233,257,273」の場合に当選となる。したがって、通常遊技状態では、当選する確率(以下、当選確率という)は1/300であり、確変遊技状態では、当選確率は10/300(=1/30)となる。
また、図柄カウンタは0〜7の範囲の値を取るものであり、特別始動口20へ入賞するとその時点の図柄カウンタの値が抽出される。上記大当りカウンタ値の判定結果が「大当り」である場合に、抽出された図柄カウンタの抽出値が、当選種類に対応する所定の当選種別判定値と一致するか否かによって当選種類が決定される。具体的には、特別始動記憶領域の特別始動記憶データでは、抽出された図柄カウンタ値が「0,1」の場合には「通常大当り」と決定され、抽出された図柄カウンタ値が「2,3」の場合には「突確大当り」と決定され、抽出された図柄カウンタ値が「4,5,6,7」の場合には「確変大当り」と決定される。すなわち、特別始動口20入賞に係る「大当り」の25%が「通常大当り」に、25%が「突確大当り」に、50%が「確変大当り」に振り分けられることとなる。
普通当りカウンタは0〜30の範囲の値を取るものであり、遊技球が普通始動ゲート21を通過するとその時点の普通当りカウンタの値が抽出される。そして抽出された普通当りカウンタ値は、所定の当り値と比較され、抽出された普通当りカウンタ値が該当り値と一致していた場合には内部的に「当り(普通図柄の当選)」となり、不一致であった場合には「ハズレ」となる。
振分カウンタは、0〜9の範囲の値を取るものであり、抽出した大当りカウンタ値が所定の値である場合に該振分カウンタの値が抽出され、抽出された振分カウンタ値に基づいて予見演出を実行するか否か、また、予見演出を実行する場合には、後述のチャンス予見演出と当り確定予見演出のいずれを実行するかが決定される。
また、特別始動口20に入賞した際には、演出表示装置14で演出図柄のリーチ変動を行うか否かを決定するためのリーチカウンタや、特別図柄や演出図柄の変動態様を決定するための態様カウンタからも値が抽出される。図柄生成行程での特別図柄の変動態様及び停止態様を規定する特別始動記憶データは、これらのカウンタから抽出したカウンタ値の集合であり、特別始動口20入賞を契機として各カウンタから抽出された各カウンタ値は、一個の特別始動記憶データとして纏められて記憶装置RAMに保持され、当該特別始動記憶データに基づいて図柄生成行程が開始されると消去される。
ここで、記憶装置RAMには、特別始動口20の入賞に基づく特別始動記憶データを記憶する特別始動記憶領域が設けられている。特別始動記憶領域には特別始動記憶データを記憶するための四個の記憶領域1〜4が設けられており、特別始動口20入賞によって生成された特別始動記憶データのうち、最も先に記憶されたものから順番に、記憶領域1から記憶領域4へと記憶保持される。図柄生成行程は、特別始動記憶領域に最も先に記憶される特別始動記憶データに基づいて実行される。すなわち、特別始動記憶領域では、記憶領域1に記憶される特別始動記憶データに基づいて図柄生成行程が実行されるとともに、記憶領域2〜4に特別始動記憶データが残っている場合には、それらの特別始動記憶データが記憶領域1〜3へとシフトする。
また、特別始動記憶領域に何個の特別始動記憶データが記憶されているかが、特別始動記憶数Pとして記憶装置RAMに記憶保持される。また、記憶装置RAMには、普通始動口19を遊技球が通過した時に取得された普通当りカウンタ値を記憶する普通始動記憶領域が設けられており、普通始動記憶領域に何個の普通当りカウンタ値が記憶されているかが、普通始動記憶数Qとして記憶装置RAMに記憶保持される。
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令が、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートに向け、一方向に出力されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには、盤面中継基板61を介して、普通始動ゲート21、普通電動役物23、特別電動役物26、一般入賞装置29等が接続される。そして、主制御基板60が2msごとに、これらに内蔵された各スイッチの遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があると、その球検出信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して可動演出装置22や普通電動役物23、特別電動役物26等が接続されており、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に、これらに内蔵されたソレノイドやモータを作動させる。また、主制御基板60の入力ポートには、盤面中継基板61を介して、後述する予見演出選択ボタン31a及び予見演出決定ボタン31bも接続される。
上記の図柄表示制御基板62には、演出表示装置14の表示態様を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、その表示態様に関する固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。図柄表示制御基板62は、主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の表示態様を表示するデータを、出力ポートを介して表示用ドライバに出力する。そして、この表示用ドライバが、前記データに従って演出表示装置14に所定態様で表出させる。
上記の音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを、出力ポートを介してサウンドジェネレータに出力し、このサウンドジェネレータが、前記音データに従ってスピーカに効果音を出力させる。
上記の光源制御基板64には、特別図柄表示装置15、普通図柄表示装置16、特別始動記憶数表示装置17、普通始動記憶数表示装置18等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、LEDやランプ等の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、LED,装飾ランプ等を所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。
この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを演算処理し、所定の光データを、出力ポートを介して、LEDやランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に出力し、この光源作動基板が、所定のLEDやランプ等を点灯、点滅させる。すなわち、この光源制御基板64及び主制御基板60等により、本発明に係る特別図柄制御手段が構成される。
上記の払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等の払出しを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板65は、主制御基板60から入力されたデータ又はコマンドに従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを、出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払出しを実行する。また、払出制御基板65は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読込みや書込みを行う機外装置であるプリペイドカードユニットと、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球データ等をやり取りする。
次に、本実施例のパチンコ遊技機の基本的な遊技作動を、図2,3を参照して簡単に説明する。なお、本実施例のパチンコ遊技機の基本的な遊技作動は、既存のパチンコ遊技機と同様であるため詳細な説明は省略する。
本発明のパチンコ遊技機にあっては、通常の遊技状態(通常遊技状態)に加え、特別図柄の当選確率が通常確率よりも高確率となる確変遊技状態と、特別図柄の当り(大当り)によって開始される上記特別遊技状態といった三つの遊技状態がある。また、特別遊技状態には、多くの賞球を獲得可能な通常特別遊技状態と、ほとんど賞球を獲得できない突確特別遊技状態とがある。
通常遊技状態及び確変遊技状態にあっては、遊技球が発射装置から遊技盤10の遊技領域12に発射され、該遊技球が特別始動口20を通過した場合、乱数抽選が行われて特別始動記憶データが生成される。そして、生成された特別始動記憶データに基づいて図柄生成行程が順次実行される。図柄生成行程が開始されると、特別図柄表示装置15でLEDが点滅し、特別図柄が変動開始する。そして、各特別図柄が点滅を停止すると、遊技者に特別図柄の態様を認識させるため、特別図柄を一定時間(約1秒)停止表示する。ここで、特別図柄が当り態様で停止表示されると大当りとなり、後述の特別遊技状態に移行する。
また、通常、図柄生成行程の実行中は、スピーカや装飾用ランプが所定態様で作動し、また、演出表示装置14の表示画面で演出用の図柄が変動する。ここで、表示画面では、場合によって遊技者の大当りへの期待感を高めるいわゆるリーチ変動が実行される。かかるリーチ変動を実行する場合には、通常よりも当り態様で確定表示する頻度が高くなるように設定されており、遊技者はリーチ変動により大当りの期待感を高めるとともに、表示画面での多様な演出態様により、演出用図柄の変動が停止するまで興奮を持続させることができる。
特別始動口20への入賞によって生成された特別始動記憶データは、当該特別始動記憶データに基づく図柄生成行程が開始されるまで記憶保持される。ここで、特別始動記憶領域には4個の特別始動記憶データを保持可能となっており、特別始動記憶領域に4個の特別始動記憶データが保持されている場合には、特別始動口20へ入賞しても特別始動記憶データが生成されない。
次に、通常遊技状態及び確変遊技状態での普通図柄表示装置16の変動態様について概説する。
遊技球が普通始動口19を通過すると、普通図柄表示装置16の二個のLEDが点滅開始して、普通図柄が変動開始する。一方、この普通図柄表示装置16の点滅中又は普通電動役物23の開放動作中に、遊技球が普通始動口19を通過すると、普通始動記憶数表示装置18のLEDの点灯数が追加され、未実行の変動回数を遊技者に報知する。
普通図柄は所定時間経過すると変動を停止し、当り態様又はハズレ態様が停止表示される。そして当り態様で停止表示された場合には普通電動役物23の拡開作動が実行されて特別始動口20が所定時間開放状態となる。普通図柄の停止表示後、又は普通電動役物23の開放動作終了後に、普通始動記憶数表示装置18のLEDが点灯している場合には、該LEDが一つ消灯し、普通図柄は再び変動開始することとなる。
次に、通常遊技状態と確変遊技状態の違いを説明する。
確変遊技状態は、通常遊技状態より高確率で特別図柄が当たりやすくなる遊技状態である。具体的には、図5に示すように、通常遊技状態中の当選確率が1/300であるのに対し、確変遊技状態では当選確率が1/30となるので、確変遊技状態は通常遊技状態よりも10倍当り易い有利な状態といえる。また、確変遊技状態では、特別図柄を変動表示する平均時間が通常遊技状態の半分に短縮されるとともに、普通図柄の変動時間も通常遊技状態よりも短縮される。さらには、確変遊技状態では、普通図柄の当選確率が通常遊技状態よりも高確率となるとともに、普通電動役物23拡開作動する時間が通常遊技状態より長くなり、特別始動口20が長時間開放される。このように確変遊技状態では、普通電動役物の開放頻度や開放時間が増えることで、特別始動口20へ入賞させ易い状態となる。
次に、特別遊技状態について説明する。
特別遊技状態は、大入賞口25が開閉する開閉ラウンドを所定回数実行する遊技状態であり、上述のように、通常遊技状態又は確変遊技状態でいずれかの特別図柄が当り態様で停止表示されて大当りとなると開始され、所定回数の開閉ラウンドを終了すると特別遊技状態が終了し、通常遊技状態又は確変遊技状態へ移行する。特別遊技状態は、多量の賞球を獲得し得る通常特別遊技状態と殆ど賞球を獲得できない突確特別遊技状態がある。通常特別遊技状態では、大入賞口25が30秒間開放して閉鎖すると一回の開閉ラウンドが終了する。そして、この開閉ラウンドを16回繰り返すことによって通常特別遊技状態が終了する。この通常特別遊技状態では、大入賞口25へ100個以上の入賞が期待でき、遊技者は多量の賞球を獲得できる。一方、突確特別遊技状態では、大入賞口25が0.2秒間開放しただけで閉鎖して、一回の開閉ラウンドが終了する。そして、この開閉ラウンドを2回繰り返すことによって突確特別遊技状態が終了する。この突確特別遊技状態は、1秒に満たない時間で終了するため、大入賞口25への入賞は期待できず、遊技者は賞球をほとんど獲得できない。
以下に本発明の要部に係る遊技態様を説明する。
本実施例のパチンコ遊技機では、上述のように、特別始動記憶データに基づいて図柄生成行程が開始され、図柄生成行程中には遊技者の期待感を高める演出が行われる。また、本実施例では、図柄生成行程の開始に先立って、当該図柄生成行程の結果を予見させる予見演出が行われる。
具体的には、特別始動口20への入賞時に、生成された特別始動記憶データについて当選状況が確認され、これに基づいて、大当りへの期待度が予見演出が実行される。図6に示すように、本実施例では、予見演出の実行態様の異なる2種類の予見演出態様A,Bと、予見演出を全く実行しない予見演出態様Cの計3種類の予見演出態様を備えており、3種類の予見演出態様の中から、遊技者が選択した予見演出態様にしたがって遊技が実行されるようになっている。
予見演出態様A及び予見演出態様Bでは、「チャンス予見演出」と「当り確定予見演出」の二種類の予見演出が行われる。これらの予見演出は、特別始動口20への入賞直後に実行される。「チャンス予見演出」が実行された場合には、当該入賞に係る図柄生成行程で約33%の確率で大当りが発生することとなり、「当り確定予見演出」が実行された場合には、該図柄生成行程で略100%の確率で大当りが発生することとなる。一方、予見演出態様Cでは、「チャンス予見演出」及び「当り確定予見演出」は実行されず、図柄生成行程に先立った予見演出は全く行われない。
具体的には、図6に示すように、予見演出態様Aでは、「チャンス予見演出」として、特別始動記憶数表示装置17のLEDが一定時間点滅し、「当り確定予見演出」として、演出表示装置14の表示画面に特定キャラクターを表示する。一方、予見演出態様Bでは、「チャンス予見演出」として、スピーカーから特定音を鳴らし、「当り確定予見演出」として、センターケース13の可動演出装置22(図3参照)を作動させる「当り確定予見演出」の二種類の予見演出が行われる。
上記予見演出態様の選択は、本発明に係る予見演出切換手段及び予見演出選択手段を構成する、予見演出選択ボタン31aと予見演出決定ボタン31bの操作によって行われる。予見演出選択ボタン31aと予見演出決定ボタン31bは、図1に示すように、パチンコ遊技機1の前面左下部に、遊技者が押圧操作可能に設けられている。
パチンコ遊技機1の作動中に遊技者が予見演出選択ボタン31a及び予見演出決定ボタン31bを同時に押すと、予見演出態様を選択するための演出選択モードとなる。演出表示装置14の表示画面では、通常は、図7(a)に示すように、演出用図柄を含む通常演出画面32が全面に表示されているが、演出選択モードになると、図7(b)〜(d)に示すように、演出表示装置14の表示画面の大部分に演出選択用画面33が表示され、通常演出画面32は左下部に縮小表示されることとなる。
図7(b)〜(d)に示すように、演出選択用画面33には、予見演出選択ボタン31aと予見演出決定ボタン31bの操作説明が右下部分に表示される。そして、選択中の予見演出態様における、チャンス予見演出と当り確定予見演出の内容が上部に表示される。すなわち、予見演出態様Aの選択中は、演出選択用画面33は図7(b)のようになり、予見演出態様Bの選択中は、演出選択用画面33は図7(c)のようになり、予見演出態様Cの選択中は、演出選択用画面33は図7(d)のようになる。演出選択モードでは、予見演出選択ボタン31aの操作によって予見演出態様を変更できる。具体的には、遊技者が予見演出選択ボタン31aを押すたびに、選択中の予見演出態様が、予見演出態様Aから予見演出態様B、予見演出態様C、そして予見演出態様Aといった順番で変更される。また、かかる予見演出態様の変更に伴って演出選択用画面33も変更される。そして、所望の予見演出態様を選択した状態で、遊技者が予見演出決定ボタン31bを操作すると、該予見演出態様を選択した状態で演出選択モードが終了し、演出表示装置14に通常演出画面32が全面表示される(図7(a)参照)。
このように、本実施例のパチンコ遊技機1では、予見演出選択ボタン31aと予見演出決定ボタン31bを操作することで、遊技者は予見演出を実行する状態(予見演出態様A,B)と、予見演出を全く実行しない状態(予見演出態様C)とを切り換えることができる。このため、予見演出を好まない遊技者であっても、予見演出を全く実行しない予見演出態様Cを選択することによって、遊技を存分に楽しむことができる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、予見演出選択ボタン31aと予見演出決定ボタン31bを操作することで、遊技者は、予見演出の実行態様の異なる二種類の予見演出態様A,Bから自分の好みの予見演出態様を選択できるから、遊技者の好みに合わせた予見演出を実行可能となる。また、遊技者に二種類の予見演出態様から選択させることによって、予見演出の演出効果を遊技者に確実に伝えることが可能となる。すなわち、既存一般の予見演出は、特定キャラクター画像を表示するといったものであるため、予見演出の実行態様を熟知していない遊技者には、予見演出の効果が不十分となってしまうことがあるが、本実施例のように、遊技者に予見演出態様を選択させるようにすれば、より多くの遊技者に予見演出態様を熟知させることが可能となる。
次に、上記構成からなるパチンコ遊技機の制御処理について、図8〜16に従って説明する。図8は、主制御用中央制御装置CPUで所定間隔(2ms)で実行されるメイン処理の制御内容を示すフローチャートである。このメイン処理によって、遊技の主要な制御処理が実現される。
メイン処理では、まず、電源投入時であるか否かの判定を行う(S101)。そして、電源投入時でないと判定した場合には、入賞に係る制御処理を行う入賞検出処理(S102)、各種乱数カウンタの値を更新するカウンタ値更新処理(S103)、異常検出処理(S104)、特別図柄の当選判定等を行う特別始動口処理(S105)、普通図柄の当選判定等を行う普通始動口処理(S106)、特別図柄の表示制御等を行う特別図柄処理(S107)、普通図柄の表示制御を行う普通図柄処理(S108)、特別遊技状態に係る制御を行う大入賞口処理(S109)、普通電動役物23の作動制御を行う普通電動役物処理(S110)、予見演出に係る作動制御を行う予見演出処理(S111)、遊技者の予見演出パターンの選択に係る予見演出選択処理(S112)、各制御基板へ制御コマンドを出力するコマンド出力処理(S113)の12個のサブルーチンを順番に実行する。そして、コマンド出力処理(S113)を実行した後は、各種乱数カウンタの初期値を更新する初期値更新処理(S114)をリセット信号が送信されるまで繰返し実行する。
一方、ステップS101で電源投入時であると判定した場合には、停電時の復帰処理を行うか否かを判定する一連の処理を行う(S115〜S117)。そして、停電時の復帰処理を行うと判定した場合には、各制御基板へ復電時のコマンドを送信し(S118)、電源切断前の番地から処理を再開する。これに対し、停電時の復帰処理を行わないと判定した場合には、ステップS102に移行する。
なお、このメイン処理の制御処理内容の多くは、従来のパチンコ遊技機で採用されているものである。このため、以下では、本発明の要部に係るサブルーチンについての制御処理のみ詳述し、従来機同様の制御処理を行うサブルーチンについての説明は省略する。
次に、上記入賞検出処理(図8、S102)を図9にしたがって説明する。
まず、主制御用中央制御装置CPUは、特別始動口20への入賞があったか否か、すなわち、普通電動役物23の球検知スイッチから球検出信号の入力があったか否かを判定する(S201)。そして、特別始動口20への入賞がないと判定した場合は、ステップS208へ移行する。一方、特別始動口20への入賞があったと判定した場合は、賞球数4個の賞球コマンドをセットして(S202)、ステップS203へ移行する。
ステップS203では、特別始動記憶数PがP<4であるか否かを判定し、P<4でないと判定した場合は、そのままステップS208へ移行し、特別始動記憶数P<4であると判定した場合は、大当りカウンタ・図柄カウンタ・リーチカウンタ・態様カウンタのその時点の値を抽出し(S204)、ステップS204で抽出した各カウンタ値を纏めて一個の特別始動記憶データとして記憶装置RAMの特別始動記憶領域に格納し(S205)、さらに、特別始動記憶数Pに1を加算して(S206)、予見演出実行のために特別始動記憶領域に格納した特別始動記憶データを判定する先行判定処理(S207)を実行してからステップS208へ移行する。先行判定処理については後述する。
ステップS208では、一般入賞口28への入賞があったか否か、すなわち、一般入賞装置29の球検知スイッチから球検出信号の入力があったか否かを判定する。そして、入賞があったと判定した場合は、賞球数10個の賞球コマンドをセットして(S209)からステップS210へ移行し、入賞なしと判定した場合はそのままステップS210へ移行する。
ステップS210では、大入賞口25への入賞があったか否か、すなわち特別電動役物26の球検知スイッチから球検出信号の入力があったか否かを判定する。そして、入賞があったと判定した場合は、賞球数15個の賞球コマンドをセットして(S211)からステップS212へ移行し、入賞なしと判定した場合はそのままステップS212へ移行する。
ステップS212では、普通始動口19を遊技球が通過したか否か、すなわち普通始動ゲート21の球検知スイッチから球検出信号の入力があったか否かを判定する。そして、遊技球が通過していないと判定した場合は入賞検出処理を終了する。一方、普通始動口19を遊技球が通過したと判定した場合は、ステップS213へ移行する。
ステップS213では、普通始動記憶数QがQ<4であるか否かを判定し、Q<4でないと判定した場合は、そのまま入賞検出処理を終了し、Q<4であると判定した場合は、普通当りカウンタのその時点の値を抽出し(S214)、ステップS214で抽出したカウンタ値を記憶装置RAMの普通始動記憶領域に格納し(S215)、さらに、普通始動記憶数Qに1を加算して(S216)、入賞検出処理を終了する。
次に、上記特別始動口処理(図8、S105)を図10にしたがって説明する。
まず、主制御用中央制御装置CPUは、図柄生成行程を開始可能な状態であるか否か、すなわち、既に図柄生成行程を実行中であったり、特別遊技状態であったりしないかを判定する(S301)。そして、図柄生成行程実行中や特別遊技状態であると判定した場合は、そのまま特別始動口処理を終了する。一方、図柄生成行程を開始可能であると判定した場合には、まず、特別始動記憶数PがP>0であるか否かを判定する(S302)。そして、P>0でないと判定した場合は、そのまま特別始動口処理を終了する。一方、P>0であると判定した場合には、特別始動記憶領域に記憶された特別始動記憶データの中で、最も先に記憶された特別始動記憶データを記憶領域1からロードし(S303)、次に、該特別始動記憶データを記憶領域1から削除するとともに、記憶領域2〜4の特別始動記憶データを記憶領域1〜3にシフトし(S304)、続いて、特別始動記憶数Pから「1」を減算し(S305)、さらに、特別図柄開始フラグを「1」にして(S306)、ステップS307へ移行する。ステップS307では、確変フラグが「1」であるか否かを判定する。この確変フラグは、確変遊技状態中に「1」となり、確変遊技状態でない時に「0」となるものである。そして、確変フラグが「1」である場合には高確率時の大当り値をセットし(S309)、確変フラグが「0」である場合には通常確率時の大当り値をセットして(S308)、ロードした特別始動記憶データの大当りカウンタ値がセットされた大当り値のいずれかと一致するか否かを判定する(S310)。そして、大当りカウンタ値が大当り値のいずれかと一致した場合には、確変フラグを「0」に(S312)、大当りフラグを「1」にして(S313)、その後に、ロードした特別始動記憶データに基づいて当選種類の振分けを行う当選種別処理(S314)を行い、特別始動口処理を終了する。一方、格納された大当りカウンタ値が大当り値のいずれとも一致しなかった場合はハズレフラグを「1」にして(S311)から特別始動口処理を終了する。
次に、上記特別図柄処理(図8、S107)を図11にしたがって説明する。
まず、主制御用中央制御装置CPUは、特別図柄表示装置15で特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S401)。そして、特別図柄が変動中でないと判定した場合には、特別図柄開始フラグが「1」であるか否かを判定し(S402)、特別図柄開始フラグが「1」でないと判定した場合はそのまま特別図柄処理を終了する。一方、ステップS402で特別図柄開始フラグが「1」であると判定した場合は、図柄生成行程での特別図柄の変動態様及び停止態様、さらには、該図柄生成行程中に演出表示装置14で表示する演出態様を決定するための特別図柄変動停止態様選択処理(S403)を行う。そして、変動時間計測用のタイマをセットし(S404)、選択した変動態様を特別図柄表示装置15で表示させるための変動コマンドをセットし(S405)、さらに、選択した演出態様を演出表示装置14で表示させるための演出コマンドをセットして(S406)、最後に特別図柄開始フラグを「0」にして(S407)、特別図柄処理を終了する。
一方、ステップS401で、特別図柄が変動中であると判定した場合には、ステップS404でセットした変動時間が終了したか否かを判定し(S408)、変動時間が終了していないと判定した場合は、そのまま特別図柄処理を終了する。一方、ステップS408で変動時間が終了したと判定した場合は、ハズレフラグが「1」であるか否かを判定し(S409)、ハズレフラグが「1」でないと判定した場合は、ステップS403で選択した当り態様で特別図柄を停止表示させるための停止コマンドをセットし(S410)、続いて、大当りフラグを「0」にして(S411)、特別遊技状態中を示す特別遊技フラグを「1」にして(S412)から特別図柄処理を終了する。また、ステップS409でハズレフラグが「1」であると判定した場合は、ステップS403で選択したハズレ態様で特別図柄を停止表示させるための停止コマンドをセットし(S413)、ハズレフラグを「0」にして(S414)、特別図柄処理を終了する。
次に、上記大入賞口処理(図8、S109)を図12にしたがって説明する。
まず、主制御用中央制御装置CPUは、特別遊技フラグが「1」であるか否かを判定する(S501)。そして、特別遊技フラグが「1」でないと判定した場合は、そのまま大入賞口処理を終了し、特別遊技フラグが「1」であると判定した場合は、大入賞口25が開放中であるか否かを判定する(S502)。そして、大入賞口25が開放中でないと判定した場合は、大入賞口25を開放させるための一連の処理を行う(S503〜S506)。すなわち、通常当りフラグが「1」であるか否かを判定し(S503)、通常当りフラグが「1」であると判定した場合は、大入賞口25の開放時間を計測するための開放タイマに「30秒」をセットし(S504)、通常当りフラグが「1」でないと判定した場合は開放タイマに「0.2秒」をセットする(S505)。そして、特別電動役物26の駆動ソレノイドをONにして(S506)、大入賞口処理を終了する。
一方、ステップS502で、大入賞口25が開放中であると判定した場合は、開放タイマがセットされた開放時間を計測終了したか否かを判定し(S507)、計測終了していないと判定した場合はそのまま大入賞口処理を終了する。一方、開放タイマが開放時間を計測終了したと判定した場合は、特別電動役物26の駆動ソレノイドをOFFにして大入賞口25を閉止させ(S508)、特別遊技状態中の開閉ラウンドの回数をカウントするためのラウンド数Rに「1」を加算する(S509)。続いて、ラウンド数RがR≧16であるか否かを判定し(S510)、R≧16であると判定した場合はラウンド数Rをリセットし(S513)、特別遊技フラグを「0」にして(S514)、大入賞口処理を終了する。また、R≧16でないと判定した場合は、通常当りフラグが「1」であるか否か(S511)、ラウンド数RがR≧2であるか否か(S512)を順番に判定し、通常当りフラグが「0」であり、かつ、R≧2であると判定した場合はラウンド数Rをリセットし(S513)、特別遊技フラグを「0」にして(S514)、大入賞口処理を終了する。そうでない場合は、そのまま大入賞口処理を終了する。
次に、上記先行判定処理(図9、S207)を図13にしたがって説明する。
まず、主制御用中央制御装置CPUは、特別始動記憶数PがP>2であるか否かを判定し(S601)、P>2でないと判定した場合は、そのまま先行判定処理を終了する。一方、P>2であると判定した場合は、特別始動記憶領域に記憶された特別始動記憶データの中で、最も新しい特別始動記憶データを記憶領域からロードし(S602)、ステップS603へ移行する。ステップS603では、確変フラグが「1」であるか否かを判定する。そして、確変フラグが「1」である場合には高確率時の大当り値をセットし(S605)、確変フラグが「0」である場合には通常確率時の大当り値をセットして(S604)、ロードした特別始動記憶データの大当りカウンタ値がセットされた大当り値のいずれかと一致するか否かを判定する(S606)。そして、大当りカウンタ値が大当り値のいずれかと一致した場合には、予見当りフラグを「1」にして(S611)、予見演出を振り分けるための振分処理(S612)を実行してから先行判定処理を終了する。一方、ステップS606で、大当りカウンタ値が大当り値のいずれとも一致しなかった場合は、確変フラグが「1」であるか否かを判定する。そして、確変フラグが「1」である場合には高確率時の予見ハズレ値をセットし(S609)、確変フラグが「0」である場合には通常確率時の予見ハズレ値をセットして(S608)、ロードした特別始動記憶データの大当りカウンタ値がセットされた予見ハズレ値のいずれかと一致するか否かを判定する(S610)。そして、大当りカウンタ値が予見ハズレ値のいずれかと一致した場合は、振分処理(S612)を実行してから先行判定処理を終了する。一方、大当りカウンタ値が予見ハズレ値のいずれとも一致しなかった場合には、そのまま先行判定処理を終了する。振分処理(S612)については後述する。
次に、上記振分処理(図13、S612)を図14にしたがって説明する。
まず、主制御用中央制御装置CPUは、振分カウンタのその時点の値を抽出し(S701)、抽出した振分カウンタ値が1以下であるか否かを判定する(S702)。そして、振分カウンタ値が1以下であると判定した場合は、予見演出をしない場合に振り分けることとして、そのまま振分処理を終了する。振分カウンタ値が2以上であると判定した場合には、予見当りフラグが「1」であるか否かを判定し(S703)、予見当りフラグが「1」でないと判定した場合は、チャンス予見演出をする場合に振り分けることとして、予見確率フラグを「0」にし(S707)、予見演出開始フラグを「1」にしてから(S708)、振分処理を終了する。一方、ステップS703で、予見当りフラグが「1」であると判定した場合は、予見当りフラグを「0」にして(S704)、抽出した振分カウンタ値が5以下であるか否かを判定する(S705)。そして、振分カウンタ値が5以下であると判定した場合は、チャンス予見演出をする場合に振り分けることとして、予見確率フラグを「0」にし(S707)、予見演出開始フラグを「1」にしてから(S708)、振分処理を終了する。振分カウンタ値が6以上であると判定した場合は、確定予見演出をする場合に振り分けることとして、予見確率フラグを「1」にし(S706)、予見演出開始フラグを「1」にしてから(S708)、振分処理を終了する。
次に、上記予見演出処理(図8、S111)を図15にしたがって説明する。
まず、主制御用中央制御装置CPUは、予見演出中であることを示す予見演出中フラグが「1」であるか否かを判定する(S801)。そして、予見演出中フラグが予見演出中を示す「1」であると判定した場合には、予見演出時間を測定する予見演出タイマを更新し(S802)、ステップS803へ移行する。ステップS803では、予見演出タイマがタイムアップしたか否かを判定し、タイムアップしたと判定した場合は、予見演出中フラグを「0」にして(S804)、さらに予見演出開始フラグを「0」にしてから(S805)、予見演出処理を終了する。一方、ステップS803でタイムアップしていないと判定した場合は、予見演出開始フラグを「0」にしてから(S805)、予見演出処理を終了する。
ステップS801で予見演出中フラグが「0」であると判定した場合は、予見演出開始フラグが「1」であるか否かを判定し(S806)、予見演出開始フラグが「1」でないと判定した場合は、そのまま予見演出処理を終了する。一方、予見演出開始フラグが「1」であると判定した場合は、予見演出開始フラグを「0」にして(S807)、予見演出態様カウンタが予見演出態様Cを示す「0」であるか否かを判定し(S808)、予見演出態様カウンタが「0」であると判定した場合はそのまま予見演出処理を終了し、予見演出態様カウンタが「0」でないと判定した場合は、予見演出態様カウンタが予見演出態様Aを示す「1」であるか否かを判定する(S809)。ステップS809で予見演出態様カウンタが「1」であると判定した場合は、予見確率フラグが「1」であるか否かを判定する(S810)。そして、予見確率フラグが「1」でないと判定した場合は、特別始動記憶数表示装置のLEDを点滅させるコマンドをセットし(S811)、予見確率フラグが「1」であると判定した場合は、演出表示装置14の表示画面に太陽を表示させるコマンドをセットし(S812)、夫々ステップS816へ移行する。一方、ステップS809で予見演出態様カウンタが「1」でないと判定した場合は、予見確率フラグが「1」であるか否かを判定する(S813)。そして、予見確率フラグが「1」でないと判定した場合は、スピーカからサイレン音を鳴らすコマンドをセットし(S814)、予見確率フラグが「1」であると判定した場合は、可動演出装置22の作動させるコマンドをセットし(S815)、夫々ステップS816へ移行する。ステップS816では、予見演出の時間を測定するための予見演出タイマをセットする。そして、ステップS817で予見演出中フラグを「1」にして、予見演出処理を終了する。
次に、上記予見演出選択処理(図8、S112)を図16にしたがって説明する。
まず、主制御用中央制御装置CPUは、演出選択モード中を示す演出選択フラグが「1」であるか否かを判定する(S901)。そして、演出選択フラグが「1」でないと判定した場合は、予見演出選択ボタン31aと予見演出決定ボタン31bからの作動状態を判定し(S902,903)、いずれかのボタンがOFFであると判定した場合は、そのまま予見演出選択処理を終了する。一方、いずれのボタンもONであると判定した場合は、予見演出選択フラグを「1」にして(S904)、演出選択モードの継続時間を測定するための演出選択タイマをセットし(S905)、ステップS906へ移行する。ステップS906では、選択中の予見演出態様に対応する演出選択用画面を演出表示装置14に表示させるためのコマンドをセットして、予見演出選択処理を終了する。
ステップS901で、演出選択フラグが「1」であると判定した場合は、演出選択タイマを更新し(S907)、予見演出選択ボタン31aがONであるか否かを判定する(S908)。予見演出選択ボタン31aがONであると判定した場合は、予見演出態様カウンタの値を判定する(S909,911)。そして、予見演出カウンタの値が「0」であると判定した場合は該カウンタを「1」にし(S910)、予見演出カウンタの値が「1」であると判定した場合は該カウンタを「2」にし(S912)、予見演出カウンタの値が「2」であると判定した場合は該カウンタを「0」にして(S913)、前記ステップS906へ移行する。
一方、ステップS908で予見演出選択ボタン31aがOFFであると判定した場合は、予見演出決定ボタン31bがONであるか否かを判定し(S914)、予見演出決定ボタン31bがONであると判定した場合は、演出選択フラグを「0」にし(S916)、演出表示装置14の表示画面全体に通常の演出画面を表示させるためのコマンドをセットして(S917)、予見演出選択処理を終了する。一方、ステップS914で予見演出決定ボタン31bがOFFであると判定した場合は、演出選択タイマがタイムアップしたか否かを判定し、タイムアップしていないと判定した場合はステップS906へ移行し、タイムアップしたと判定した場合は、演出選択フラグを「0」にし(S916)、演出表示装置14の表示画面全体に通常の演出画面を表示させるためのコマンドをセットして(S917)、予見演出選択処理を終了する。
以上の制御処理(図8〜16)において、本発明における「特別始動記憶生成手段」に係る制御処理は、ステップS201〜S204で主に実行される。また、本発明における「特別図柄制御手段」に係る制御処理は、ステップS105,S107で主に実行される。また、本発明における「遊技状態制御手段」に係る制御処理は、ステップS108〜S110で主に実行される。また、本発明における「特別始動記憶手段」に係る制御処理は、ステップS205で主に実行される。また、本発明における「先行判定手段」に係る制御処理は、ステップS207で主に実行される。また、本発明における「予見演出手段」に係る制御処理は、ステップS111で主に実行される。また、本発明における「予見演出切換手段」及び「予見演出選択手段」に係る制御処理は、ステップS112で主に実行される。
なお、本発明におけるパチンコ遊技機は、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、上記実施例では、特別始動口20への入賞直後に、当該入賞に係る特別始動記憶データを先行判定し、該先行判定の結果に基づいて予見演出を実行するようにしているが、本発明に係る先行判定手段は、図柄生成行程の開始に先行して、特別始動記憶データを判定するものであればよく、判定するタイミングは特別始動口への入賞直後に限定されない。また、上記実施例では、特別始動記憶データの当落のみを先行判定して、予見演出によって当落の期待度を報知するようにしているが、当落判定のみならず、大当りの種類も先行判定し、その判定結果に応じて予見演出を行うようにしてもよい。また、上記実施例では、予見演出の実行態様の異なる二つの予見演出態様A,Bと、予見演出を全く行わない予見演出態様Cの中から遊技者が一つの予見演出態様を選択できるようにしているが、選択可能な予見演出態様の数は特に限定されず、各予見演出態様における予見演出の実行態様も様々に変化可能である。