JP5244042B2 - Icカードリーダ及び扉開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ICカードリーダ及びこれを用いた扉開閉装置に適用して好適な技術に関し、 より詳細には、金属板を介して読み取りが可能な、ICカードリーダ及び扉開閉装置に関する。
電磁波を用いて非接触にて情報の読み取りを実現するICカードとICカードリーダは周知である。
なお、本発明に関係すると思われる先行技術文献を特許文献1に示す。
特開2004−173283号公報
ICカードリーダは電磁波を用いるため、情報を読み取るための読み取り面は、合成樹脂やガラス、或はセラミック等の非金属で構成しなければならない。このため、金属に比べるとどうしても機械的強度の点で劣る。しかし、金属板を用いれば、電磁波が金属板に吸収されてしまうため、現在市場に流通するICカードリーダをそのまま利用することはできない。
特許文献1は、劣悪環境下でRFIDを読み取るための技術を開示している。但し、金属の箱は0.5mm厚のステンレス鋼で、搬送波周波数は最大50kHzという低周波である。このため、現行のICカードの規格である125kHzには及ばず、また機械的強度も不足している。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ICカードとICカードリーダとの間に強固な金属板を介在させた状態でICカードの読み取りを可能としたICカードリーダを提供するとともに、このICカードリーダを用いた金属製の扉(例えば箱の蓋)を開閉する装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のICカードリーダは、外部から搬送波電力を受け取り、情報をAM変調して出力するICカードが近接される、磁界が通過する際に生じる位相遅れが45°より大きく135°より小さい金属板と、金属板のICカードが近接される面とは反対の面に貼り付けられて、ICカードに搬送波電力を供給するコイルと、コイルに接続されて共振回路を構成するコンデンサとを有する。更に、コイル及びコンデンサに共振回路の共振周波数である交流信号を供給する交流信号源と、コイルから得られる信号を検波する検波部と、検波部の出力信号からICカードの出力信号を抽出するローパスフィルタと、ICカードの出力信号の論理を反転する反転部とよりなる。
また、本発明の扉開閉装置は、外部から搬送波電力を受け取り、情報をAM変調して出力するICカードが近接される、磁界が通過する際に生じる位相遅れが45°より大きく135°より小さい金属板よりなる扉と、扉の、金属板のICカードが近接される面とは反対の面に貼り付けられて、ICカードに搬送波電力を供給するコイルと、コイルに接続されて共振回路を構成するコンデンサとを有する。更に、コイル及びコンデンサに共振回路の共振周波数である交流信号を供給する交流信号源と、コイルから得られる信号を検波する検波部と、検波部の出力信号からICカードの出力信号を抽出するローパスフィルタと、ICカードの出力信号の論理を反転する反転部とを有する。更に反転部の出力信号と、不揮発性メモリに記憶されているカードIDとの一致を検出する一致検出部と、一致検出部が反転部の出力信号とカードIDとの一致を検出したことに基づいて扉の施錠を解除する開錠機構とよりなる。
本発明では、箱の蓋を構成する金属板にコイルを密着させ、このコイルとコンデンサとによりICカードが発生する変調波を含む搬送波周波数に共振する共振回路を構成する。そして、金属板の厚みに応じて発生する位相遅れを考慮して、共振回路からの変調波の検波出力を位相反転回路に供給して、ICカードから得られるデータを正しく検出できるようにしている。
本発明によれば、ICカードとICカードリーダとの間に強固な金属板を介在させた状態でもICカードの読み取りを実現することができ、更にはこのICカードリーダを利用した金属製の扉(箱の蓋)の開閉を実現することができる。
本発明の実施形態の例である、ICカードを近接して蓋が開閉される箱の全体斜視図である。 図1の蓋の裏面に設置されるコイルの全体図である。 本発明の実施形態の例である、ICカードリーダのブロック図である。 図3に示したICカードリーダの具体的な回路の一例を示す図である。 本発明の実施形態の例の基礎となっている位相反転の原理を説明する概略図である。 ステンレス板の厚みと電磁波の位相遅れとの関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を、図1乃至図6を参照して説明する。
図1(a)及び(b)は、本発明の実施形態の例である、ICカードによって開閉される箱の全体斜視図である。
図1(a)は、箱の蓋を閉じた状態における、箱の全体斜視図である。
箱101は蓋102と容器103で構成されている。そして、蓋102と容器103の両方とも、周知のステンレススチールの板を板金加工することによって形成されている。ステンレスの板の厚みはおよそ1.2mmである。
この箱101には、本発明の実施形態である、ICカードリーダが内蔵されている。
図1(b)は、箱101の蓋102が開いた状態における、箱101の全体斜視図である。
箱101の蓋102の裏側には、ICカードリーダの一部を構成するコイルL104が貼り付けられている。コイルL104はICカードリーダの回路が収納される回路部105に接続されている。更に、回路部105は周知のソレノイドアクチュエータよりなる開錠機構106に接続されている。
図1(a)の状態で、箱101の蓋102の上にICカード107をかざすと、箱101の内部のICカードリーダがICカード107の信号を読み取り、開錠機構106内の図示しないソレノイドアクチュエータを駆動して、蓋102を開ける。
周知のように、ICカードはICカードリーダのコイルから発される電磁波で駆動され、電磁波でICカードリーダに信号を返信する。
通常、電磁波は金属板を通過しないことが知られている。
しかし、本発明では、金属板の材質と厚みを選択することと、コイルL104を金属板に密着させることと、検出された信号に特別な信号処理を施すことで、ICカードとICカードリーダとの間に金属板を介在させた状態でのICカードリーダを実現している。金属板で遮蔽されたICカードを、何故本発明のICカードリーダで読み取りが可能になるかについての詳細については、後述する。
図2(a)、(b)及び(c)は、コイルL104の全体図である。
図2(a)はコイルL104を横から見た図であり、図2(b)は上面図であり、図2(c)は斜視図である。
アクリル或はプラスチック等の板202aと板202bの間に、同じくアクリル或はプラスチック等のボビン203が挟み込まれている。このボビン203に、コイルの巻線204が巻かれている。つまり、このコイルは周知の空心コイルである。この空心コイルが、ステンレスの板金である箱101の蓋102に貼り付けられる。
なお、板の厚みは薄ければ薄いほど望ましい。これは、コイルL104をステンレスの蓋102に密着させることにより、電磁波受信特性をより良好にすることができるからである。ここで、コイルL104は、巻線204がほどけないように樹脂等でモールド成型されていればよく、特にコイル内部に金属板を設ける必要はない。
図3は、本発明の実施形態の例である、ICカードリーダのブロック図である。
交流信号源302は125kHzの交流を発生する。交流は正弦波でも矩形波でも良い。
交流信号源302には、電磁波を発生させるために、抵抗R303、コンデンサC304、そしてコイルL104が直列接続されている。コンデンサC304とコイルL104は直列共振回路を構成し、125kHzの交流においてインピーダンスが最小になるように、コンデンサC304の静電容量及びコイルL104の誘導係数(インダクタンス)が決められている。このように回路が構成されることで、コイルL104から125kHzの電磁波が出力される。
なお、これ以降は、コイルL104からICカードに出力される125kHzの電磁波を「搬送波」と呼ぶこととする。
コイルL104は前述の通り、1.2mm厚のステンレスの蓋102(金属板)に密着されている。コイルL104がステンレスの蓋102に密着すると、コイルL104のインダクタンスは低下することが知られている。コイルL104とコンデンサC304の直列共振回路の共振周波数はコイルのインダクタンスに反比例するので、金属板(ステンレスの蓋202)がない状態よりも金属板がある状態の方が、共振周波数が高くなる。したがって、コイルL104を形成する際には、このインダクタンスの低下分を考慮して巻線204の巻き回数を多くする必要がある。
図1に示すように、本発明の実施の形態例では、ICカード107がステンレスの蓋102を隔ててコイルL104に近接する。コイルL104は、ICカード107からAM変調された電磁波を受信する。なお、これ以降は、ICカード107からコイルL104に返信される電磁波を「変調波」と呼ぶ。
なお、この変調波のAM変調信号成分は、コイルL104から発信される搬送波125kHzより低い周波数であり、通常数kHz程度とされる。
通常、電磁波は金属板にぶつかると、金属板の表面に渦電流が発生する。渦電流は最終的には熱となってしまい、電磁波そのものは金属板から照射されない。
また、電磁波は透磁率の高い磁性材料にぶつかると、磁性材料に吸収されてしまう。
しかし、金属板の材質と厚みによっては、コイルL104から発する電磁波が全て渦電流にならず、或は金属板に捉えられず、その一部が金属板を透過することができる。但し、この金属板を透過することができる電磁波は、非常に微弱な交流磁界であり、距離の二乗に反比例して減衰する。これを確認するため、発明者らが、コイルL104をステンレス板から僅かな距離(例えば5mm程度)浮かせて同様の実験を行ったところ、ICカード107を読み取ることができなくなってしまった。このことから、本発明の実施形態においては、コイルL104をステンレスの蓋102に接触して配置することが極めて重要な意味を持つことが分かる。
上述したように、本発明の実施形態においては、コイルL104をステンレスの蓋102に接触して配置することにより、コイルL104とコンデンサC304の接続点からは、搬送波と変調波の合成信号が得られる。この合成信号は、図3に示されるように、検波部305に送られ、検波される。ここで、ICカード107から送信される変調波は、AM変調された波形なので、検波部305の具体的な回路としては、周知のダイオード検波等が利用可能である(図4で後述)。
なお、合成信号に含まれる搬送波の信号成分は極めて大きな振幅であるのに対し、変調波の信号成分はステンレス板によって大幅に減衰された、極めて微弱な振幅である。
検波部305から出力される信号は、周知のローパスフィルタ(以下「LPF」)306に入力される。LPF306は、入力される信号から搬送波の成分である125kHzの信号を阻止し、AM変調信号成分である数kHzの信号のみ通過させる。
このLPF306からの出力信号は、増幅及び波形整形部307に送られ、ここで増幅と波形整形がなされる。上述の通り、変調波の信号成分は極めて微弱であるので、ICカードの識別番号を正確に認識するためにも、増幅及び波形整形部307において適切な電圧に増幅することが必要である。
また、AM変調信号は元々デジタル信号であり、最終的には「0」と「1」を表現するデジタル信号に変換する必要があるので、シュミットトリガ等を用いてマイコン等のコンピュータが扱い易い矩形波形状の信号に直す必要がある。
増幅及び波形整形部307からの信号は、図3の反転部308に送られる。この反転部308は、「0」と「1」を反転させる回路である。つまり、増幅及び波形整形部307が出力する信号は、電圧の高低で「0」と「1」を表しているので、反転部308はこの電圧の論理を反転させる。
この反転部308を設ける理由は以下の通りである。コイルL104から出力される搬送波は、ステンレス板を通過するとおよそ90°位相が遅れる。そしてICカード107が返信する変調波も、ステンレス板を通過しておよそ90°位相が遅れる。つまり、変調波には合わせておよそ180°の位相遅れが含まれる。反転部308は、この位相遅れによって反転した信号の論理を元に戻すために設けられている。
なお、位相遅れの詳細については後述する。
反転部308で位相反転された信号は一致検出部309に送られる。一致検出部309は、例えばマイコンで構成され、ROMに格納されているカードID310を読み取り、反転部308から出力されるシリアルのデジタルデータと比較し、一致しているか否かを判定する。一致していれば、ブザー311を鳴らし、ドライバ312に駆動制御信号を出力する。ドライバ312は、トランジスタスイッチ等で構成され、駆動制御信号でオン動作し、ソレノイドアクチュエータ313を駆動する。
図4は、ICカードリーダ301の回路の具体例である。すなわち、図3の、検波部305、LPF306、増幅及び波形整形部307、そして反転部308までの回路を、より具体的な回路素子で実装した一例である。
ダイオードD402は、検波部305を構成するものであり、AM復調回路としての周知のダイオード検波を行う。
ダイオードD402のカソードには、コンデンサC403と抵抗R404とコンデンサC405が接続されている。これらはπ型のLPFであり、図3のLPF306を構成する。また、コンデンサC403には、蓄積された電荷を放電するために抵抗R406が並列接続されている。
ダイオード検波によって半波整流された信号は、LPF306によって平滑されることにより、高い電圧の直流成分を含んでいる。そこで、カップリングコンデンサC407で直流成分を遮断する。
カップリングコンデンサC407の出力信号は、抵抗R408を通じて、第一段のオペアンプ409のプラス側入力端子に接続される。第一段のオペアンプ409は非反転増幅器を構成すると共に、マイナス側入力端子と出力端子の間に接続されている帰還抵抗R412とダイオードD413及びD414によって出力信号がクリップし、矩形波の信号に近くなる。
つまり、第一段のオペアンプ409は、非反転増幅器と波形整形回路を兼用しているので、増幅及び波形整形部307の機能を提供する。
なお、第一段のオペアンプ409のプラス側入力端子に接続されているコンデンサC410は、抵抗R408と併せてLPF306の機能を提供する。
第一段のオペアンプ409の出力信号は、抵抗R415を介して第二段のオペアンプ416のマイナス側入力端子に接続される。第二段のオペアンプ416は反転増幅器を構成し、第一段のオペアンプ409では不足していた増幅率を補うと共に、信号の論理を反転させる。つまり、第二段のオペアンプ416は、反転増幅器であるが故に、増幅及び波形整形部307の機能の一部を提供すると共に、図3の反転部308の機能をも提供する。
第二段のオペアンプ416の出力信号は、周知のシュミットトリガ回路418に入力され、波形整形が行われる。このシュミットトリガ418は、図3の増幅及び波形整形部307の機能を提供するものである。
なお、図3では反転部308の前段に増幅及び波形整形部307が設けられているが、LPF306以降の増幅及び波形整形部307と反転部308は、その順番等が必ずしも一致していなければならない訳ではなく、その機能が満たされれば順番等は問わない。勿論、回路の機能も分離されている必要はなく、周知の設計の範囲で複合的に構成することが可能である。
図5は、位相反転の原理を説明する概略図である。
コイルL104から出力される電磁波(搬送波)は、ステンレスの蓋102を隔ててICカード107のコイルL502に到達する。ICカード107の中には、コンデンサC503とスイッチ504がコイルL502と並列に接続されている。スイッチ504は図示しないROMを含む制御回路によって駆動され、ROMに書き込まれているID情報のパターンにてオン・オフ制御される。
このID情報が、図3に示すカードID310の内容と等しい場合には、ソレノイドアクチュエータ313が駆動され、箱101が開錠される。
スイッチ504がオフの状態ではコンデンサC503とコイルL502が並列共振回路を構成する。この並列共振回路は、ステンレス板を通してコイルL104から発される125kHzの交流磁界を受けて共振し、同様に125kHzの交流磁界を発する。
スイッチ504がオンの状態ではスイッチ504がコンデンサC503とコイルL502との端子間をショートするため、並列共振回路が成り立たなくなる。したがって、コイルL502から125kHzの交流磁界は発されない。
以上のように、スイッチ504のオン・オフによってICカード107から125kHzのAM変調された交流磁界が発生する。
ICカード107のコイルL502から発される電磁波(変調波)は、ステンレス板を隔ててICカードリーダ301側のコイルL104に到達する。コイルL104は搬送波と変調波が混合された信号が出力される。
ダイオードD402以降の信号の処理については、既に図4にて説明しているのでその説明を割愛する。
電磁波が金属板を通過すると、位相の遅れが発生する。この位相遅れは、金属板の材質と厚みに依存することが、発明者の実験結果より判明している。金属板の厚みが薄くなると位相遅れ角度は小さくなり、逆に厚くなると位相遅れ角度が大きくなる。
電磁波は、コイルL104からコイルL502へ伝達する時に金属板を通過して、位相の遅れが発生する。そして、コイルL502からコイルL104へ伝達して戻る時に再び金属板を通過して、位相の遅れが発生する。つまり、電磁波がICカードリーダ301のコイルL502を介して往復する際に、位相遅れが二回発生する。
図6は、ステンレス板の厚みと電磁波の位相遅れとの関係を示すグラフである。実際に、発明者が厚み0mmから3.0mmまでの厚みのステンレス板を入手して、オシロスコープを用いて位相遅れを計測した結果である。
ステンレス板の厚みが1mmの場合、およそ82°程度の位相遅れが発生することが判る。
図5で説明したように、ICカードリーダ301の信号処理では、電磁波が金属板を往復することで、電磁波に生じる位相遅れが二倍になるので、合わせて164°程度の位相遅れが発生すると考えられる。
次に、金属板の位相遅れと信号処理について考察する。
(1)ダイオードD402に入力される信号には、二つの信号が含まれる。それぞれは同一の周波数でありながら、一方は微弱で、且つ位相が所定の角度だけずれている。
搬送波をAsinθ、変調波をBsin(θ+α)とする。αは電磁波が金属板を往復した結果の位相遅れである。
また、Bsin(θ+α)は、振幅がBの時と、B′の時があるとする。これはICカード107の変調波を想定している。
変調波であるBsin(θ+α)の振幅が搬送波Asinθより遥かに微弱であることを考慮すると、ダイオードD402から得られる信号を積分する、ということは、搬送波Asinθを0°から180°まで定積分することと等価とみなしてよいと思われる。
そこで、以下のように計算してみる。
Figure 0005244042
上記の式より、位相遅れαが0°、或は180°のとき、変調波であるBの項の値は最大になることが判る。逆に、位相遅れが90°、或は270°のとき、Bの項の値は最小、つまりゼロになり、変調波が全く検出できなくなる。
また、位相遅れが90°より大きく、270°より小さい場合には、Bの項の値は負の値になる。したがって、変調波の論理を反転させる必要が生じる。これが、反転部308を設ける理由である。
前述の通り、位相遅れは90°より大きく、270°より小さいときに、変調波の検出が可能になると共に、反転部308が必要になる。
図6を参照すると、金属板の遅れ角度は45°より大きく、135°より小さいことが求められることがわかる。
(2)なお、搬送波と変調波の振幅が等しい場合には、別の考察が考えられる。
搬送波と変調波の振幅が等しい場合、変極点はsinθ=0.5の時、すなわち角度θは30°或は150°になると考えられる。搬送波の位相が30°、変調波の位相が150°のとき、その位相差は150°−30°=120°となる。これに加え、180°+30°+30°=240°が、変調波が全く検出できなくなる角度になると考えられる。この場合、金属板の遅れ角度は60°より大きく、120°より小さいことが求められることとなる。
最後に、金属板の材質について説明する。
前述の通り、金属板に交流磁界を与えると、金属板の表面に渦電流が発生し、交流磁界は減衰してしまう。この減衰が小さければ小さいほど、金属板を通過できる交流磁界が強くなる。そこで、本実施形態のICカードリーダ301を適用可能な金属板には、以下の特性が求められる。
(1)透磁率(μ)が小さいこと。
およそ1に近い値が望ましい。透磁率が大きいと、磁力線の大部分が金属板に捉えられ、金属板表面に拡散してしまい、金属板を通過できなくなってしまうからである。
(2)電気抵抗率(ρ)が大きいこと。
つまり、渦電流が発生し難いことが求められる。
以上の特性を備える金属としては、上述の実施形態にて開示したステンレス鋼以外では、白銅(銅−ニッケル合金)、チタン等が挙げられる。なお、ステンレス鋼は金属組織で幾つかの種類に分類されるが、その中で磁性材であるフェライト系は好ましくない。
銅やアルミニウム等は電気抵抗率が小さく、鉄やコバルト等は透磁率が大きいので、本実施形態の用途には向いていない。
本発明は、以下の応用例が考えられる。
(1)図3及び図4では、ICカードリーダ301を直列共振回路で構成していたが、並列共振回路であってもよい。直列共振回路では電流駆動で電磁波を発していたが、並列共振回路の場合では電圧駆動となる。また、検波部305であるダイオードD402は、図4と同様に、並列共振回路を構成するコイルとコンデンサとの接続点に接続される。
本実施形態においては、ICカードリーダ301を開示した。
透磁率μが小さく、且つ電気抵抗率ρが大きい金属板にコイルL104を密着させて、このコイルL104でICカード107の搬送波周波数に共振する直列共振回路を構成する。そして、金属板の厚みに応じて発生する位相遅れを考慮して、直列共振回路から変調波の検波出力に位相反転回路を介することで、ICカード107から得られるデータを正しく検出できる。
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
101…箱、102…蓋、103…容器、L104…コイル、105…回路部、106…開錠機構、107…ICカード、202a、202b…板、203…ボビン、204…巻線、302…交流信号源、R303…抵抗、C304…コンデンサ、305…検波部、306…LPF、307…増幅及び波形整形部、308…反転部、309…一致検出部、310…カードID、311…ブザー、312…ドライバ、313…ソレノイドアクチュエータ、D402…ダイオード、C403…コンデンサ、R404…抵抗、C405…コンデンサ、R406…抵抗、C407…カップリングコンデンサ、R408…抵抗、409…オペアンプ、R412…帰還抵抗、D413、D414…ダイオード、C410…コンデンサ、R415…抵抗、416…オペアンプ、418…シュミットトリガ、L502…コイル、C503…コンデンサ、504…スイッチ

Claims (3)

  1. 外部から搬送波電力を受け取り、情報をAM変調して出力するICカードが近接される、磁界が通過する際に生じる位相遅れが45°より大きく135°より小さい金属板と、
    前記金属板の前記ICカードが近接される面とは反対の面に貼り付けられて、前記ICカードに前記搬送波電力を供給するコイルと、
    前記コイルに接続されて共振回路を構成するコンデンサと、
    前記コイル及び前記コンデンサに前記共振回路の共振周波数である交流信号を供給する交流信号源と、
    前記コイルから得られる信号を検波する検波部と、
    前記検波部の出力信号から前記ICカードの出力信号を抽出するローパスフィルタと、
    前記ICカードの出力信号の論理を反転する反転部と
    よりなるICカードリーダ。
  2. 前記金属板は銅よりも電気抵抗率が大きく、且つ鉄よりも透磁率が小さい金属である、請求項1記載のICカードリーダ。
  3. 外部から搬送波電力を受け取り、情報をAM変調して出力するICカードが近接される、磁界が通過する際に生じる位相遅れが45°より大きく135°より小さい金属板よりなる扉と、
    前記扉の、前記金属板の前記ICカードが近接される面とは反対の面に貼り付けられて、前記ICカードに前記搬送波電力を供給するコイルと、
    前記コイルに接続されて共振回路を構成するコンデンサと、
    前記コイル及び前記コンデンサに前記共振回路の共振周波数である交流信号を供給する交流信号源と、
    前記コイルから得られる信号を検波する検波部と、
    前記検波部の出力信号から前記ICカードの出力信号を抽出するローパスフィルタと、
    前記ICカードの出力信号の論理を反転する反転部と、
    前記反転部の出力信号と、不揮発性メモリに記憶されているカードIDとの一致を検出する一致検出部と、
    前記一致検出部が前記反転部の出力信号と前記カードIDとの一致を検出したことに基づいて前記扉の施錠を解除する開錠機構と
    よりなる扉開閉装置。
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