JP5242414B2 - 自然災害予報に対する統計的決定手法 - Google Patents

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Description

背景
発明の分野
本発明は、一般的に、危険性評価に関し、さらに詳細には、自然の事象に関連する危険性の評価に関する。
関連技術の説明
熱帯低気圧は、ハリケーンとも呼ばれ、人間を襲う最も危険で犠牲の大きい自然災害に含まれる。1900年のガルベストンハリケーンは、米国の歴史の中で最もひどい天災であった。1998年には、ハリケーンミッチは、中米で11,000人以上の死者を出した。多くの先進国では人命の損失は、良好な警告プログラムおよび避難戦略によって著しく減少してきているが、財産の損失は、メキシコ湾および南フロリダなどのハリケーン常襲地域では、継続する建設および経済成長に起因して急速に増大しつつある。たとえば、1992年に米国を襲ったハリケーンアンドリューは、320億ドルを超える財産損害を引き起こし、最近のハリケーンアイバンおよびカトリーナは、多大な人命の損失に加えて、数十億ドルもの損害を引き起こした。
ハリケーンに関連する財産損害および人命の損失の大部分は、高い風速および風が誘発する高潮から生じ、ハリケーンカトリーナに関連する高潮は、ニューオーリンズに激しい洪水を引き起こした。したがって、嵐を監視して追跡し、嵐に関連する危険性を評価するためになされている努力がある。
ハリケーンが所与の場所を襲う確率を推定するための現在の技術は、ハリケーンの進路および強度の履歴集成物に基づいている。そのような履歴集成物の実施例としては、米国海洋大気庁の熱帯予報センター(Tropical Prediction Center:TPC)および米国海軍合同熱帯低気圧警報センター(U.S. Navy’s Joint Typhoon Warning Center:JTWC)などの予報作業によって維持されるいわゆる「ベストトラック(best track)」データ集成物が挙げられる。これらの記録は一般に、6時間期間の1つの強度の推定値(たとえば、最大風速または中心気圧)と共に、6時間ごとに測定された嵐中心の位置についての情報(たとえば、緯度および経度)を含む。たとえば、そのようなデータは、大きな地域をグリッドに分けて、収集履歴データから導出されたものとしてそのセルにおける事象の頻度に基づく「危険因子」を各セルに割り当てることによって、地域的な危険性を評価するために用いることができる。そのような方法は、たとえば、Federauらの米国特許第5,839,113号およびRisk Management Solutions, Inc.の国際特許公開第WO2005/088556号および第WO2005/088496号に記載されている。
所与の場所における風速の危険性を評価するための従来の技術の一例は、Georgiouらによる論文に記載されている(Georgiou, P.N., A.G. Davenport and P.J. Vickery, 1983: Design wind speeds in regions dominated by tropical cyclones. J. Wind Eng. Ind. Aerodyn., 13, 139−152)。Georgiouの技術は、対象地点の特定の半径内に過去の嵐のすべての最大強度の分布に対して、対数正規分布および/またはワイブル分布などの適合標準分布関数を必要とする。次に、そのような分布からランダムに描画するた
めに、Georgiouは、記録された並進速度および上陸情報と共に、嵐の半径構造のモデルを用い、対象地点で達成される確率が高い最大風速を推定する。
従来の危険性評価技術の他の例としては、ChuおよびWangによる論文(Chu,
P.S. and J. Wang, 1998: Modeling return
periods of tropical cyclone intensities
in the vicinity of Hawaii. J. Appl. Meteor., 37, 951−960)およびDarlingによる論文(Darling, R.W.R., 1991 : Estimating probabilities of hurricane wind speeds using a large−scale empirical model. J. Climate, 4, 1035−1056)に記載されている技術が挙げられる。これらの技術は、局所的な強度分布を推察するために、潜在的な強度に関する気象学と共に、相対的な強度(潜在的な強度に対する実際の強度の比であり、潜在的な強度は、ハリケーンに関する熱力学的な潜在力の尺度である)の経験から得られた全地球的な分布を用いる。潜在的な強度は、大規模の熱力学的条件を与えた場合に、熱帯低気圧で理論的に得ることが可能な最大風速として定義され、大規模の観測またはモデル化された大気場から容易に計算可能である。類似の手法は、Murnaneらによる論文(Murnane, R. J.,C. Barton,E. Collins, J. Donnelly, J.B. Elsner, K. Emanuel, I. Ginis, S. Howard, C.W. Landsea, K.B. Liu, M. Malmquist, M. McKay, A. Michaels, N.B. Nelson, J. O’Brien,
D. Scott and T. Webb,2000:Model estimates of hurricane wind speed probabilities. Eos, 81, 433−438)に示唆されており、実際の(相対的ではなく)ハリケーンの風の強度の累積確率分布の全地球的な推定値は、局所的な強度分布を推察するために、用いられている 別の手法は、Vickeryらによる論文(Vickery, P. J., P.F. Skerjl and L.A. Twisdale,2000: Simulation of hurricane risk in the
U.S. using empirical track model. J. Struct. Eng.,126,1222−1237)に記載されている。Vickeryは、過去の進路および過去の強度の両方の統計的確率を用いて、北大西洋海盆における多数の合成嵐を生成する。Vickeryは、次に、各進路に沿って、方向、並進速度および強度における6時間の変化をそれらの量に加えて位置、海面温度の前の値の一次関数としてモデル化する。したがって、Vickeryは、前の進路の履歴および局所的な気象学を用いて合成した嵐の進路の膨大なデータベースを生成して、これらの進路の履歴強度データに結合する。
発明の要旨
上述したようなハリケーンの危険性を予測するための従来の方法は、対象地点の付近を通過する嵐の頻度を推定し、嵐の強度の変化が嵐によって取られる特定の進路に対して独立であると仮定するために、過去のハリケーン進路データに直接的に基づいている。そのような技術の大きな欠点は、強度の高い事象に関する実際のデータが少ないことであり、このことは、これらの事象の正確な推定または予測を困難にしている。実際のデータのこのような欠如が、仮定されたパラメトリック分布を用いて、裏付けのあるデータがほとんどない仮定された事象のモデル化を行う動機になっている。しかし、結果として、そのような従来の技術を用いた強度の高い事象の頻度の推定値は、現実と用いられるモデルとの間の誤差にきわめて影響を受ける。さらに、西部北大西洋においてしばしば起こるように
、嵐が小さな地域に動くかまたは潜在的な強度を消失したときには、相対的な強度による方法は必ず失敗する。稀ではあるが破壊的な嵐を被り、わずかまたは局所的な潜在的強度における履歴記録がゼロであるニューイングランドのような場所では、戻り期間推定は特に問題がある。
自然災害の頻度が低いが、潜在的な損失が大きい地域において、正確かつ機能しうる、自然災害が関連する長期危険性を評価するためのシステムおよび方法に対する需要がある。したがって、本発明の態様および実施形態は、自然災害に関連する長期危険性、すなわち自然災害が対象地点に悪影響を及ぼす長い周期の時間(たとえば、5〜10年以上)にわたる確率を評価するためのシステムおよび方法に向けられている。また、一実施例において、本発明の実施形態に関して、全地球的気候の変化および地域的気候の変化の影響を考慮することができることが望ましいと考えられる。
要約すれば、事象が対象地点に悪影響を及ぼすほど十分に近くを通過する確率を評価するために、多数の合成事象の進路を生成する2つの独立な方法が適用されうる。地域を通過する多数の合成進路を生成することによって、進路は、観測データに統計的に適合する確率を有し、ごく少数の記録された事象を有する地域および従来の方法が観測されたデータの欠如に起因して不正確である可能性がある地域において、事象の危険性が、評価されうる。一実施形態において、第1の技術は、観測されたハリケーン進路データまたは気候モデルによって生成された予測データから導出される統計量を用いて、マルコフ連鎖として各進路をモデル化する。合成事象進路を生成するために用いられうる第2の技術は、数学的作図によって表された時間変化合成場を用いて進路をモデル化してもよい。そのような技術は、暴風の進路を生成してモデル化することに関して特に有用である可能性があることは認識すべきである。
一実施例において、方法は、上部大気レベルおよび下部大気レベルにおける合成時間変化風場の大きな分類を生成することから生じる。これらの風場は、それらの統計的確率を観測された風場に適合させることによって、観測された風場に似ているようにモデル化されてもよい。たとえば、これらの風場に関する分散、共分散および月平均流量データは、観測されたデータまたは全地球的にモデル化されたデータに適合させるように制限されてもよく、それらの運動エネルギは、地衝乱流に関する観測されたスペクトル頻度分布に従うように制限されてもよい。一実施例において、暴風は、可変のコリオリ力の影響を考慮しうる「βドリフト」補正を加えた上部大気流量および下部大気流量の加重平均を伴って移動すると仮定されてもよい。
一実施形態において、所与の対象場所に関して、進路生成方法の一方または両方を用いて、対象場所の特定の距離の中を通過する多くの合成進路が生成されてもよい。これらの進路の各進路に関して、観測データから導出された統計量を用いて、事象の強度の決定論的数値シミュレーションが実行されてもよい。一実施例において、進路が暴風の進路であってもよく、以下に記載するように、暴風は、合成時間変化風場としてモデル化されてもよく、ウィンドシア(wind shear)情報は、そのような合成風時系列から導出され、強度のシミュレーションにおいて用いられてもよい。暴風に関して、進路データおよび強度データは、渦構造モデルと共に、空間中の一定の地点における風速の確率分布を構成するために用いられてもよい。
一実施形態によれば、対象地点から所定の距離内の風速分布を予測する方法は、対象地点の所定の半径内を通過する多数の暴風進路を統計的に合成するステップと、多数の暴風進路の各進路に沿って風の強度の決定論的シミュレーションを実行して、各進路に沿って風速分布を表す出力を生じるステップと、この出力を用いて対象地点から所定の距離内の各進路に沿って風速分布の組み合わせから全体的な風速分布を推定するステップと、を含
んでもよい。
一実施例において、多数の暴風進路を合成するステップは、履歴暴風データおよびシミュレートされた暴風データの少なくとも1つに基づき、発生場所の空間‐時間確率密度関数から対応する多数の発生地点をランダムに選択することによって、多数の嵐の進路を生じさせるステップを含む。「発生地点」なる語は、本願明細書で用いられるとき、事象進路(たとえば、暴風進路)が生じる可能性があるか、または初期化または再初期化されうる空間および/または時間における場所を指してもよいことを認識すべきである。生じさせるステップはさらに、対象地域にわたる空間‐時間グリッドを構成し、履歴暴風データおよびシミュレートされた暴風データの少なくとも1つに基づき、空間‐時間グリッドの各セル内で生じる暴風の数を計数して、対象地域内で多数の暴風進路に関する発生地点の推定分布を形成することを含んでもよい。さらに、生じさせるステップはさらに、離散化に起因して生じうる誤差を低減するために、発生地点の推定分布を平滑化するステップを含んでもよい。たとえば、平滑化は、空間時間的に減衰する窓関数を用いて、発生場所の空間‐時間確率密度関数を作成するステップを達成してもよい。別の実施例において、多数の暴風進路を統計的に合成するステップはさらに、履歴暴風進路およびシミュレートされた暴風進路の統計量特徴に関して構成されるマルコフ連鎖を用いて、多数の暴風進路のそれぞれを生成するステップを含んでもよい。一実施例において、そのようなマルコフ連鎖は、速度、方向および変化率に関して変数化されてもよい。
別の実施例において、多数の暴風進路を統計的に合成するステップは、第1の圧力レベルおよび第2の圧力レベルを含む少なくとも2つの圧力レベルで、風の時系列を合成するステップと、βドリフト補正を加えた少なくとも2つの圧力レベルにおける空気流量の加重平均として暴風の動きをモデル化するステップと、を含んでもよい。時系列を合成するステップは、履歴統計データに適合する月平均および分散を有するように制限されるフーリエ級数として風の時系列をモデル化するステップを含んでもよい。
さらに別の実施例において、多数の暴風進路の各進路に沿って風の強度の決定論的シミュレーションを実行するステップは、角運動量座標において表現されるモデルのほか、環境的なウィンドシアを用いて、暴風の強度モデル化するステップを含んでもよい。
別の実施形態は、上述の方法を実現するために、少なくとも1つのプロセッサで実行されるように適合された複数の命令によって符号化されるコンピュータ読み出し可能媒体に向けられている。別の実施形態は、対象地点の所定の半径内の確率的な風速分布を含むデータ集合に向けられ、データ集合は、上述の方法によって生成される
別の実施形態によれば、対象地点の所定の半径内の確率的な風速分布に対応するデータ集合を生成する方法は、対象地点の所定の半径内を通過する多数の合成暴風進路を統計的に生成するステップと、多数の合成暴風進路の各進路に沿って複数の地点で合成暴風の強度をモデル化するステップと、強度モデル化ステップに基づいて、多数の合成暴風進路の各進路に関して合成暴風進路に沿って選択した地点における確率的な風速分布を生成するステップと、対象地点の所定の半径内の多数の合成暴風進路の各進路に関して、確率的な風速分布を組み合わせることによって、データ集合を作成するステップと、を含む。
さらなる実施形態は、多数の統計的に生成された合成暴風進路の各進路に沿って複数の地点で合成暴風の強度をモデル化して、各進路に沿って風速分布の推定値を作成するステップと、各進路に沿って推定された風速分布の確率的に重み付けした組み合わせを生成して、対象地域内の確率的な風速分布を作成するステップと、確率的な風速分布に基づき、所定の閾値を超える対象地域内の風速の危険性を推定するステップと、を含む対象地域内の風速に関連する長期危険性を推定する方法に向けられる。
添付図面は、比例尺で描くことを意図していない。図面において、種々の図に示されるそれぞれの同一の構成要素または略同一の構成要素は、類似の数字によって表される。わかりやすくするために、すべての構成要素が、すべての図においてラベル付けされているわけではない。
発明の実施形態の詳細な説明
本発明の種々の実施形態および態様を、添付図面を参照して詳細に記載する。本発明は、その適用において、以下の説明において記載し、図面において示した構成要素の構成および配置の詳細に限定するわけではないことは認識すべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、種々の手段で実現または実行されることができ、本発明は、請求項に特に記載しない限り提供される実施形態に限定されるわけではない。
熱帯低気圧、地震、トルネード、津波などの自然災害は、致命的で犠牲の大きい現象であり、したがって、地域社会を脅かす長期危険性を評価することがきわめて重要である。したがって、本発明の態様および実施形態は、事象(たとえば、熱帯性低気圧または地震)が対象地点のある程度の所与の範囲内で起こる確率の推定値を事象の強度の空間的確率密度の推定値と組み合わせることによって、自然災害が所与の場所に悪影響を及ぼす確率を評価することができる。以下に詳細に述べるように、本発明の実施形態は、統計的方法および決定論的方法を用いて、事象の場所を予測し、事象の強度をモデル化する。
説明のために本願明細書で用いられる表現および用語は、限定するものと解釈すべきではないことは認識すべきである。「含む」「備える」「有する」「包含する」または「伴う」という語の使用および本願明細書におけるそれらの変形は、以下に列挙された事項およびその等価物のほか、他の事項も包含することを意味している。明瞭さおよび簡潔さのために、本発明の実施形態に関する以下の説明は、主に熱帯低気圧(ハリケーンとも呼ばれる)などの暴風に関連する危険性の評価について言及する。しかし、本発明は、その適用において熱帯低気圧の予測および評価に限定するわけではなく、地震、台風、津波およびトルネードなどの他の自然災害に適用されることができることは認識すべきである。したがって、「事象」(event)なる語が、上記の例を含めた任意のタイプの危険な嵐または自然災害を一般的に指すために用いられてもよい。「暴風」(wind storm)なる語は、本願明細書で用いられるとき、熱帯低気圧およびトルネードなどの高い風速に関連付けられる任意のタイプの嵐を一般的に指すことを意図している。さらに、「強度」なる語は、本願明細書で用いられるとき、事象の深刻度の尺度を指すことを意図している。たとえば、ハリケーンの場合には、「強度」(intensity)は、風速またはカテゴリに関連する最大のものに特徴付けられてもよい(すなわち、カテゴリ5のハリケーンは、カテゴリ3のハリケーンより大きい強度を有する)。地震の場合には、強度は、関連する衝撃波の深刻度および持続時間または、たとえば、地震に関連するリヒタスケール値によって特徴付けられてもよい。
概要において、本発明の態様および実施形態は、ある閾値レベルを超える強度を有する事象が対象地点の所与の範囲内に生じる危険性を評価するためのシステムおよび方法に向けられる。建築基準法の作成から保険料の設定までハリケーンまたは地震などの事象を扱うことは、対象場所にこれらの事象によってもたらされる危険性の正確な評価によって著しく容易となる可能性がある。熱帯低気圧は、自然災害の米国損失の大部分の割合を占めている。したがって、熱帯低気圧に関する風の危険性評価は、保険業界および政府の災害に対する準備計画にとって不可欠であると考えられる。履歴記録に直接基づく熱帯低気圧の危険性の推定には、特に、稀であるが、壊滅的な嵐に直面することがある地域において、事象が全体的に不足しているという欠点がある。高い頻度の事象を被る地域(ハリケーンの場合には南フロリダなど)であっても、観測に対して標準的な確率分布を適合(fi
tting)させることにより、分布の高い強度の末端では不正確である可能性がある。これは、疎なデータに基づいているにもかかわらず、損害、人命の損失および破壊に関して不均衡な量を占めるからである。熱帯低気圧に関連する損失は大まかに、最大風速の3乗に従い、このことは、嵐に関連する最大風速における増大が、その嵐によって引き起こされた損失において大まかに3乗で増大する結果を生じる可能性があることを意味する。したがって、高い強度の嵐の危険性を正確に評価することが最も不可欠である可能性がある。しかし、上述したように、従来技術の危険性評価技術は、そのような事象が稀であることに起因して高い強度の嵐に関してほとんど正確でない可能性がある。
本発明の態様および実施形態は、(数千の事象進路の合成を可能にする)統計的進路生成技術を決定論的強度モデル化と組み合わせることによって、これらの制限を回避しうる。「進路」(track)なる語は、本願明細書で用いられるとき、事象が伝搬しうる経路、たとえば、ハリケーンまたはトルネードが海洋および陸地にわたって取りうる経路または地震による衝撃波の場所および半径を指す。対象地域を通過し、観測データに適合する統計的特徴を有する多数の合成進路を生成することによって、事象の危険性は、実際の事象をほとんど経験したことがない地域および履歴データの欠如に起因して従来の技術が失敗するか、または不正確となる地域においても評価されうる。進路は、多くの統計的進路生成技術のうちの任意の1つを用いて生成されてもよく、本発明は、任意の特定の方法または技術に限定するわけではない。同様に、強度モデル化は、所与のクラスの事象を正確にモデル化するように調整されうる多数の大気事象モデルまたは気候学的事象モデルの任意の1つを利用してもよい。したがって、実施例としてハリケーンを用いて、本発明の一実施形態は、多数(たとえば、数千)のハリケーン進路を合成し、次に、各進路に沿って、決定論的ハリケーン強度モデルを実行することを含む。この手法には、事象の強度は、ハリケーン強度モデルにおけるこれらの因子を明らかにすることによって、潜在的な強度、海洋の結合、垂直方向のウィンドシアおよび上陸によって課せられる自然の限界を含め、根本を成す物理学に広く適合することを保証するという利点がある。
一実施形態によれば、ハリケーンの風の危険性評価に対する手法が提供され、この手法において、ハリケーンが対象地点の特定の距離内を通過する確率の推定値が、嵐の空間的確率密度の推定値と組み合わせられる。嵐が悪影響を及ぼすほど対象地点に十分に近い位置を通過する確率を評価するために、2つの主に独立な進路生成技術の一方または両方を用いて、大量のハリケーン進路を合成してもよい。一実施形態において、第1の技術は、履歴ハリケーン進路データまたは気候モデルによって生成された予測ハリケーン進路データから導出された統計量を用いて、マルコフ連鎖として各進路をモデル化する。合成事象進路を生成するために用いられてもよい第2の技術は、数学的作図によって表される時間変化合成場を用いて、進路をモデル化してもよい。そのような技術は、暴風進路の生成およびモデル化に特に有用である可能性があることは認識すべきである。一実施例において、そのような技術は、その統計的確率(たとえば、分散、および月平均)が観測データまたは予測データに適合し、その運動エネルギが適切な地衝乱流法則に従う2つ以上の大気圧レベルで合成時間変化風場の大きなクラスを生成することを含んでもよい。進路生成に関するこれらの技術のそれぞれについては、以下に詳細に説明される。
一旦、対象地点または対象地域の所与の半径内を通過する進路の集合が生成されると、決定論的な結合海洋大気ハリケーンモデルは、各合成進路に沿って進み、進路に沿って種々の地点で風速の確率的分布を形成してもよい。これらの風速分布から、対象地点またはその付近における風速の全体的な確率的分布のほか、対象地点またはその付近における風速がある所与の閾値を超える確率が推論されてもよい。このデータを用いて、暴風が対象地点を襲う危険性を評価することができ、ビジネス、保険代理店、政府機関などにとって非常に貴重である可能性がある。一般に、本発明は、テレビまたはラジオの天気予報サービスで行われているような現在発生している嵐の実時間予測の監視または実行のために用
いることはできないことは認識すべきである。さらに正確に言えば、本発明は、事象特性の確率的分布から導出される長期の一般化された(たとえば、何年というオーダー)危険性評価を提供することを目的としている。言い換えれば、本発明は、所与の対象地点における風速がたとえば、次の5〜10年またはそれ以上で一定の閾値を超える確率を決定するために用いられることが好ましく、特定のハリケーン(たとえば、ハリケーンデヴィッド)が対象地点を明日襲うかどうかについて決定するために用いることはできない。
本発明の実施形態による進路生成、強度モデル化および事象予測のための方法は、たとえば、1つまたは複数のプロセッサまたはコンピュータシステムで実行するソフトウェアプログラムとして提供されてもよい。コンピュータシステムは、たとえば、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーションまたはコンピュータプログラムでロードし実行することができる他のコンピュータシステムを含んでもよい。本発明の方法に関連付けられる1つまたは複数のプログラムは、たとえば、コンパクトディスクなどのコンピュータ読み出し可能媒体からロードされされてもよく、格納場所(たとえば、サーバに関連付けられる格納装置)からインターネットを通じて、または任意の他の方法によってロードされてもよい。そのようなプログラムは一般に、実行時には、コンピュータシステムが本発明の1つまたは複数の実施形態による方法ステップを実行することを可能にするコンピュータ命令を含む。コンピュータ命令は、1つまたは複数のコンピュータ言語におけるプログラミングを通じて決定されてもよく、任意のコンピュータ言語が本発明の態様を実行させるために用いられてもよく、本発明は、任意の特定の言語に限定されるわけではないことは認識すべきである。さらに、進路生成技術、強度モデル化技術および事象予測技術のいずれかの結果は、印刷された形態または電子形態のいずれかでデータ集合として提供されてもよい。
合成事象進路を構成するための統計的手法は、2つの段階、すなわち発生および伝搬に分けられることができる。したがって、事象進路生成技術は、多数の発生場所、すなわち、進路が生じる地点を画定または生成するための工程から始まってもよい。一実施形態によれば、事象進路は、履歴データまたはモデルによって生成された予測データのいずれかから導出される発生地点の集成物に基づき、発生場所の空間‐時間確率密度関数からのランダム描画によって生じてもよい。一実施例において、熱帯低気圧の発生場所の確率密度関数は、熱帯低気圧「ベストトラック」(best track)から導出されることができる。そのような「ベストトラック」データ集成物は、たとえば、米国海洋大気庁の熱帯予報センター(National Oceanic and Atmospheric
Administrator’s Tropical Prediction Center:NOAA TPC)および米国海軍合同熱帯低気圧警報センター(U.S.Navy’s joint Typhoon Warning Center:JTWC)などの予報作業によって維持される。一実施例において、用いられるベストトラックデータは、1970年代および1970年以降に累積されたデータであってもよい。1970年は、熱帯低気圧の全地球的な衛星による検出が完全に考慮された最初の年であった。
一実施形態において、ハリケーン発生の確率は、緯度、経度および時間の3次元場として構成されてもよい。この構成は、対象地域、たとえば、ハリケーンが形成されることが周知である大西洋の地域を網羅する微細な解像度のグリッドを用いて、用いられるデータ集合から各セル内の事象の数(たとえば、弱い熱帯低気圧の数)を計数することによって始まる。一実施例において、このグリッドは、約0.5度の緯度×0.5度の経度×5日であってもよく、データ集合は、NOAA TPCによって維持されるHURDAT進路データベースであってもよい。一実施例において、1970年代後半のHURDATデータのみが、用いられてもよい。当然のことながら、異なる解像度を有するグリッドが用いられてもよく、データの他の集合が用いられてもよいことは認識すべきである。これらの推定値(すなわち、計数された事象)は次に、チェビシェフカーネル、ガウシアンカーネ
ル、対数正規化カーネルまたは他の平滑帯域限定カーネルなどの任意の平滑な空間的に減衰するカーネル(すなわち、窓関数)を用いて平滑化されてもよく、大部分は、指数関数のファミリから生じている。平滑化は、必須ではないが、観測された発生地点およびグリッド解像度の離散性の関数であるサンプリングの不連続性を低減するために好都合であるか、または必要となる可能性がある。
一実施例において、推定値は、等方性であるが、15日の範囲で緯度および経度ならびに5日の一定時間において、可変スケールである3次元のガウシアンカーネルを用いて平滑化されることが好ましい場合がある。しかし、本発明は、この特定の平滑化関数の使用に限定されるわけではなく、特に、ガウシアンカーネルは、異なる用途に関して適切であると考えられるような異なる一定時間および異なる範囲を有する可能性があることは認識すべきである。ガウシアン窓の空間スケールは、N個の事象が含まれるまで、または所与の空間範囲に達するまで、たとえば、緯度および/または経度において15度の限界値が達成されるまで、任意の地点の周囲で隣接域を拡大することによって推定されてもよい。一定解像度は、発生頻度を過大評価および過小評価する可能性があるため、可変解像度(すなわち、可変空間スケール)平滑化が、一定解像度における平滑化より良い可能性がある。可変解像度は、場所の事象感度を明らかにするために用いられることができる。たとえば、ハリケーンは、適切な大気状態のほか、好ましい深さ、温度および他の特性を有する特定の海洋地域において生じる可能性がかなり高い。したがって、可変解像度の平滑化は、これらの地域においてより多いサンプリングを行い、望ましくない場所においてより少ないサンプリングを行うために、グリッドを調整することができる。しかし、一定の解像度の平滑化であっても、平滑化が全くない場合よりよい可能性があり、離散化のアーチファクト(artifact)としてサンプリングの不連続性につながる。
図1A〜図1Cを参照すると、平滑化なし(図1A)、一定のガウシアン平滑化(図1B)および可変ガウシアン平滑化(図1C)によって構成された発生確率密度関数の実施例が示されている。図からわかるように、平滑化されていない確率密度関数(図1A)は、断片化され、一定の窓の確率密度関数(図1B)は、断片化は少ないが、依然としてサンプリングアーチファクトを含んでいる。図1Cは、空間変化等方性平滑化の有用性を示している。図1Cからわかるように、可変解像度の平滑化は、履歴データがハリケーンを示す地域において発生確率密度関数を集中させて形成できる可能性が高く、図1Bおよび図1Aに比べて、離散化を低減することによってサンプリング誤差も低減する。図1A〜図1Cに示される確率密度関数は、1970年代後半のHURDATに基づいている。
一旦、構成されると、発生確率密度関数は、事象を生成するようにサンプリングされてもよい。
式中、xおよびyは、発生の経度および緯度であり、tは発生が生じる時間窓である。ハリケーン進路発生の場合には、ハリケーンは陸地では形成されないことが周知であるため、サンプリング中に選択される任意の陸の地点には、ゼロ発生確率が与えられてもよい。したがって、平滑な離散的な空間‐時間発生確率分布は、たとえば、1970年代後半のHURDAT進路データベースを用いて上述のように構成されてもよいが、他のデータ源もまた、用いることが可能である。発生確率密度関数は、以下のように書いてもよい。
式中、Hは、発生データ(HURDAR進路データベースなどの履歴データまたは気候モデルによる予測データであってもよい)の空間‐時間にわたる正規化ヒストグラムであり、Gは、正規化窓(たとえば、正規化された3次元の空間‐時間ガウシアン)であり、演算子は、畳み込み演算である。式2によって定義された発生確率密度関数は、広い空間的対象地域(たとえば、大西洋海盆)内で事象が空間‐時間における任意の所与の場所で形成される確率を示している。発生確率密度関数は、たとえば、以下に記載される統計的進路生成方法の一方または両方を用いて合成されることになっている対応する多数の進路に関する発生地点を画定するために、多数の時間(たとえば、数千の時間)をサンプリングしてもよい。
一実施形態によれば、事象進路生成技術は、履歴進路の一定の特徴を用い、各時間ステップ変位に関してマルコフ連鎖を用いて時間間隔ステップにおいて、合成進路を生成してもよい。マルコフ連鎖は、時間間隔におけるその確率が前の時間における数の値に依存する一連のランダムな値である。簡素な実施例は、戻りなしランダムウォークである。発生地点は、発生確率分布からサンプリングされてもよく、各サンプルは、マルコフ連鎖として時間ステップにおいて、前のステップに結び付けられてもよい。各時間ステップは、最後のステップの確率および現在の位置および時間における変位の変化量の気候学的確率分布の両方に依存してもよい。この手段によって、前の動きの記憶を維持すると同時に、合成進路は、履歴事象の動きの観測された統計量(空間および時間の関数として)に適合してもよい。具体的に言えば、ハリケーン進路の場合には、進路特徴は、発生および嵐の動きの空間‐時間分布を含んでもよく、各時間間隔/ステップは、大部分の履歴データ(たとえば、HURDATAデータベース)が6時間間隔で記録されるという事実に対応するために、6時間であってもよい。ハリケーン進路に関するマルコフ連鎖モデルは、並進速度および角度(方向)の時間的自己相関スペクトルが、マルコフ過程として十分にモデル化される過程を指す3(6時間)時間単位ほど長くない重要な相関‐長さスケールを示唆するという事実によって動機付けられる。
一旦、発生すると、進路がたとえば、マルコフ連鎖として6時間間隔で進めてもよい複数の手段がある。一旦、オプションが緯度および経度にt関してパラメータ化された確率密度関数、選択された時間窓におけるp(xi+1,yi+1|x,y)を構成することができるが、この方法は、2つの問題点を被る可能性がある。第一に、進路は、解像度に対してきわめて敏感になっている可能性があることと、第二に、この確率密度関数は、ハリケーン進路に固有である連続性を捕捉しないために、グリッドノード間で補間を行うための簡単な手段がないことである。ハリケーン進路に関する顕著な特徴は、比較的平滑であるように見えることである。嵐の現在の速度および方向と前の速度および方向との間には強い関係があり、これらの変数間の空間にわたって連続性がある。
したがって、一実施形態によれば、進路は、進路の固有の構造を記載するために、異なる特性をはじめとする進路特性の固有のパラメータ化を用いて合成されてもよい。一実施例において、発生事象は、並進速度および方向と、状態変数として6時間の時間間隔にわたる変化量と、を用いて、マルコフ連鎖として6時間ステップにおいて前に結び付けられることができる。特に、方法がハリケーン以外の事象に関する進路を生成するために用いられることになっている場合には、他の状態変数もまた用いてもよいことは認識すべきである。しかし、ハリケーン進路生成の場合には、これらの状態変数は、緯度‐経度‐時間のパラメータ化を行う進路の連続性をよりよく表すことができるために、有利に用いられうる。
図2を参照すると、このパラメータ化を用いた進路伝搬の概略表示を示している。発生事象
は、時間窓tの中の(x,y)の場において、横断する場所によって調整される1ステップマルコフ連鎖を用いて前方に伝搬しうる進路を誕生する。マルコフ連鎖に関する一時的な確率は、可変解像度、前の状態で調整されるカーネル平滑化されたノンパラメトリック密度、時間および位置を用いて構成されてもよい。したがって、グリッド上の所与の場所100で、(x,y)で、このパラメータ化は、前の速度および角度を与えた進路速度および角度の瞬間変化量の状態付き分布を計算する。この分布から描画されたサンプルは、次に、進路に関して新たな場所102(xi+1,yi+1)を得るために前に組み込まれてもよい。図2に示され、以下にさらに詳細に,記載するように、進路100の現在の場所が、進路の前の並進速度および方向104で調整され、進路102の次の場所が同様に、現在の並進速度および方向106で調整される。
進路の速度および方向に関する確率分布は、履歴データまたはたとえば、気候学的モデルまたはシミュレーションプログラムからシミュレートされたデータに基づいてもよい。そのような履歴データまたはシミュレートデータは、シミュレートされた進路は一般に、これらの統計量に適合するように、速度および方向などの嵐進路特性などに関する統計量を作成するために用いられる。このような態様で、シミュレートされた進路は、実際の進路を代表するように作成されることができる。一実施例において、HURDAT進路データベースからのデータが用いられてもよいが、他のデータ集成物もまた用いてもよい。この目的のために、観測された嵐の動きは、衛星以前の時代において嵐発生場所より正確であると考えられるため、(発生確率密度関数を構成するために用いられてもよいような1970年代後半のデータだけを除き、)記録の全体周期にわたる履歴ハリケーンデータが、用いられてもよい。しかし、本発明は、任意の特定のデータ集合に限定されるわけではなく、データ適切な収集物を用いて進路統計量を生成してもよいことは認識すべきである。一実施形態において、速度および方向に関する条件付き確率密度関数が、用いられる進路データ集成物(たとえば、HURDAT進路データベース)から導出される生のヒストグラムによる多解像度カーネル平滑化ノンパラメトリック密度推定値を用いて、生成されてもよい。カーネル平滑化を行って後で、可変解像度表示を用いて、サンプリングに失敗する傾向がない分布を作成してもよい。
図3Aおよび図3Bを参照すると、それらの1ステップ前の値(s−1およびθ−1)が与えられた速度(図3A)および角度(図3B)の現在の条件付き密度が示されている。図3Aおよび図3Bにおいてわかるように、速度および方向に関して現在の状態と前の状態との間には略線形の関係がある。したがって、状態変数の変化量に関して、マルコフ連鎖に関する遷移確率を構成することは、略解像度に独立な態様で条件付き確率密度関数を作成しうるため、好都合であると思われる。速度に基づく表示を用いることなく、観測された進路に類似の平滑性を有する合成進路の場合の速度を生成することは、速度に関する条件付き確率密度関数のきわめて高い離散化を必要とする場合がある。これは、必要とされる計算量および格納空間のために望ましくない場合があるほか、特に観測されたハリケーンデータが不足している地域において進行する合成進路の場合には、遷移行列を占めるデータが不十分である可能性があるために望ましくない場合がある。前の速度および方向がそれぞれ与えられた速度および方向の変化量として条件付き確率密度関数をモデル化
することによって、それにもかかわらずサンプリング失敗問題を引き起こさないまずまずのコース(course)解像度表示を生成することが可能である。さらに、一実施例において、最大相関が24時間のみ(2ステップ)であるハリケーン進路データが求められ、したがって、わずか1ステップ前のデータを用いることが速度情報にとって十分であることから、1ステップ前の速度および方向のみが用いられてもよい。これはまた、多数の前のステップデータが必要された場合より簡単にマルコフ連鎖を計算するという点でも好都合である。一実施例において、生のヒストグラム(すなわち、平滑化前のデータベースから導出される)における速度および方向の変化量は、それぞれ、8km/6時間/6時間および3度に離散化されてもよく、前の速度は、40km/6時間に離散化されてもよく、前の方向は、20度に離散化されてもよい。しかし、これらの実施例は限定するものではなく、各状態変数に関する離散化の度合いは、生のデータの計算速度および効率、利用可能性などの多くの要因を考慮して選択されうることは認識すべきである。
前述のことを考慮すると、一実施形態によれば、マルコフ連鎖過程を用いて進路を合成する方法は、以下のすべてのステップを含んでもよい。所与の時間および場所100(図2参照)で、条件付き確率密度関数は、状態変数として並進速度および方向を用いて計算されることができ、状態変数の変化量は、状態変数の前値を条件としている。この条件付き分布は、以下のように書かれる。
式中、eは、発生確率密度関数、すなわち、
であり、sおよびθはそれぞれ、6時間(または異なる時間間隔が用いられる場合には、他の時間間隔)変位の大きさ(速度)および方向であり、オーバドット(overdot)は時間変化量を表す。
次に、この条件付き分布は、進路の次の位置を提供するために、前進積分される地点を選択するためにサンプリングされてもよい。上記の条件付き分布pによるすべてのサンプルは、同一の発生時間を保持することに留意すべきである。一実施例において、分布は、時間の一定の間隔に関して「無計画な」方法を用いてサンプリングされてもよい。この「無計画な」方法を用いてサンプルが利用可能でない場合には、累積確率密度関数が計算されて、サンプルを提供するために用いられることができる。サンプルを得るために累積確率密度関数を常時用いることは可能であるが、条件付き分布pが「広範囲」(すなわち、鋭いまたは狭い分布に対向して、かなり均一または広いガウス型分布)である場合には、無計画な手法は、実質的に高速である可能性がある。
各時間ステップに関して、進路を伝搬するために、新たな位置が、以下の式に基づき、現在、推定された角度および速度率から積分することによって、計算されてもよい。
ここで、aは、地球の半径であり、δtは、時間ステップ、たとえば、6時間である。速度および方向の同時分布pは、HURDATまたは他の類似のデータ源を用いて生成されるときに、高次元(highly dimensional)かつ疎であってもよい(ハリケーン事象の頻度が低いため)。したがって、表示を簡素化するために、条件付き独立性は、2つの状態変数(速度および方向)の間で強化されることができる。これを行うことは同時確率を
に分割することであり、eがsとθとの間の条件付き独立性を強化するように制御される。
進路は、進路が終わるときに、いくつかの地点まで前進積分し続けることによって伝搬されてもよい。一実施形態において、進路は、履歴進路データまたはシミュレートされた進路データから発生確率密度関数に類似の態様で構成される終了(termination)確率密度関数を用いて終了されてもよい。別の実施形態によれば、進路は、複数の空間‐時間解像度における探索が遷移およびマルコフ連鎖に関する根拠を作成することに失敗しており、したがって、続けることができないときに、終了されてもよい。発生データが収集された態様(上述した)と同様に、ハリケーンの動きデータも収集して用い、合成進路が適合しうる統計量を提供するためことができる。データ収集は、対象地域および1年にわたる1つまたは複数の期間を覆う微細な解像度の空間‐時間グリッドを用いて、用いられたデータベースから各セル内の事象(たとえば、観測されたハリケーン)の数を計数することによって始まってもよい。これらの計数された事象から、状態変数(たとえば、速度および方向)に関する情報が抽出されて用いられ、状態変数に関する統計情報を得るようにサンプリングされることができるヒストグラムを形成してもよい。一実施例において、空間および時間における速度および方向の変化量の確率密度関数の多解像度表示を用いて、優先「スケジュール」に基づいて状態変数(速度および方向)をサンプリングしてもよい。状態変数の遷移確率の一定の空間‐時間解像度に関する問題は、データ(たとえば、HURDATデータ)の不足がデータを利用可能でない「無駄な」進路を容易にもたらしうるためであることから、これは、発見的手法として行われてもよい。これを回避するために、一実施形態は、進路を終了させる前に進路を伝播するための最適な根拠を収集しようとするサンプリング手法を用いる。これは、サンプリング優先スケジュールを構成することによって達成されてもよく、その一実施例が、図4に示されている。
ハリケーンが、時間および場所の両方に対して敏感であることは周知である。言い換え
れば、一定の場所が、多くのハリケーンに見舞われることが履歴から示されており、ハリケーンは、1年の数ヶ月の間より頻繁に形成され、他の月の間は全く形成されないことが周知である。したがって、ハリケーンデータを収集するための「第1の選択」(図4における優先度1)は、空間における微細な解像度のグリッド、たとえば、ブロック110に示されているように、緯度約0.5度×経度約0.5度のグリッドであり、時間においても微細な解像度であるグリッドを用いる。示された実施例において、図4におけるブロック112に示されているように、1年を9つの期間に分割してもよい。「第1の選択」解像度を用いて、データが収集されない場合または収集されるデータが不足している場合には、いくつかのデータ地点(すなわち、いくつかの事象の発生)を突き止めることを期待して、地域または期間のいずれかを拡大してもよい。
本発明は、図4に示されている特定の実施例に限定されるわけではないことは認識すべきである。1年は、9つより多いか、または少ない期間に分割されてもよい。また、期間は、均一である必要がないことを留意すべきである。たとえば、ハリケーンが9〜11月の月の間に存在する確率が最も高いことが周知であるため、9つの期間のうちの複数の期間が用いられ、これらの月を細かく対象として含んでもよい。履歴によれば、事実上、1月〜3月にハリケーンが形成されることはないことから、これらの3ヶ月を占めるために1つの期間を用いてもよく、またはあるいは、これらの月を完全に無視し、すべての9つの期間が残りの月を対象として含むように用いてもよい。さらに、0.5度の正方形以外の解像度を有するグリッドが、空間的地域を分割するために用いられてもよい。優先度1である解像度を用いて累積されるデータがないか、またはほとんどない場合には、解像度は、優先度2まで拡張してもよい。この実施例では、優先度2は、時間離散化を同一に維持すると同時に、より広い(解像度の低い)空間グリッド、たとえば、図4のブロック114で示される5度の正方形のグリッドを可能にする。この場合も同様に、収集されるデータがないか、またはほとんどない場合には、解像度は、時間解像度を同一に維持すると同時に、空間解像度を拡張する優先度3まで増大されてもよい。
一実施例において、「優先度3」空間解像度は、ブロック116によって示されるように、3つの手動で構成された緯度帯を含んでもよい。これらの緯度帯は、事象データを得る確率が最も高いと考えられる地域に位置決めされてもよい。同様に、求めるデータがないか、またはほとんどない場合には、解像度は同様に、「優先度4」の設定まで増大されてもよい。図4に示されているように、この特定の実施例は、ハリケーンが一般に場所より時間に対して敏感である可能性があるという事実を説明している。弱い熱帯低気圧は、たとえば、大西洋の広い地域にわたって形作られる可能性があるが、1年の一定の時間中にのみ形成される。したがって、より高い優先度の解像度は、時間解像度を劣化させる前に空間解像度を劣化させる可能性がある。しかし、図4のスケジュールは、一例として与えられており、限定することを意図していないことは認識すべきである。特に、データがハリケーン以外の事象に関して収集される場合には、異なる解像度が用いられてもよく、優先度もまた異なっていてもよい。この態様または類似の態様において、履歴のハリケーン(または他の事象)進路またはシミュレートされたハリケーン(または他の事象)進路の統計データは、各状態変数(たとえば、速度および方向)に関する確率ヒストグラムを作成するように累積されてもよい。
一実施形態によれば、任意の所与の空間‐時間解像度における遷移確率密度関数は、空間および状態変数において対応するヒストグラムの滑らかな出力であってもよい。上述した発生確率密度関数と同様に、x、yおよびzにおいて平滑化するために、3次元の正規化ガウシアンが用いられてもよい。なお、zは、(遷移確率が計算されているどの状態変数に関してであるかに応じた)速度または方向のいずれかの変化量である。一実施例において、xおよびyにおける範囲は、一定数の総データ地点を含むように可変であってもよい。一実施例において、z(σ)におけるガウシアンの尺度または幅が、用いられる状
態解像度に対して固定されてもよい。しかし、このz(σ)におけるガウシアンの尺度または幅は、最適化技術の適用によって決定されてもよい。このように構成された遷移確率密度関数を用いて、進路は、以下のサンプリングスケジュール後のデータの欠如に起因して終了するまで伝搬されてもよい。図4において示された実施例において、最低の優先度レベル(「優先度8」)は、1年全体および地球全体を対象として含む1セルグリッドにおけるデータ収集を可能にすると考えれば、これは、きわめて稀である可能性がある。あるいは、用いられているデータベース(たとえば、HURDAT)において弱く観測されたハリケーンの活動に関する場所に達する場合には、進路は、終了されてもよい。
他の実施形態において、強度モデルは、以下に記載するように、少なくとも部分的に進路の終了を制御するために用いられてもよい。以下にさらに記載するように、強度モデルが嵐をそのような状況下で衰退させることから、この実施形態において、ハリケーン進路は、陸地および/または冷水の上に続いてもよい。
したがって、要約すれば、一実施形態によれば、統計的進路生成方法は、上述のように、履歴データまたはシミュレートされたデータのいずれかに基づき、統計的特徴(たとえば、発生場所および嵐の動きの空間‐時間分布)を用いてハリケーン進路を始め、次に、6時間ステップを取り、各6時間の変位に関してマルコフ連鎖を用いて、合成進路を生成してもよい。このマルコフ過程において、各6時間ステップは、最後のステップの特性および現在の位置および時間における変位の変化量の気候学的確率分布の両方に左右され、その結果、合成進路は、観測された嵐またはモデル化された嵐の統計量に適合する統計量を有する。図5Aおよび図5Bを参照すると、このマルコフ連鎖過程を用いて生成された1000通りの合成進路からの6時間変位統計量を観測された変位統計量と比較するヒストグラムが示されている。観測された変位統計量は、北緯10度および北緯30度ならびに西経80度および西経30度によって境界を成す北大西洋の地域を対象として含むHURDATデータから取得される。この地域は、合成進路が多数の進路が陸地の上に軌跡を有する可能性があり、したがって、強度モデルにおいて維持される可能性が低い北米の真東などの地域ではなく、強度モデルにおいて維持される可能性がある地域として選択された。図5Aは、大西洋のこの地域に関する6時間の緯線方向の変位の観測された頻度分布(黒色)およびモデル化された頻度分布(灰色)のヒストグラムを示しており、図5Bは、6時間の経線方向の変位の観測された頻度分布(黒色)およびモデル化された頻度分布(灰色)のヒストグラムを示している。これらの図は、実際の観測された嵐の統計量と、本発明の実施形態によって精製された合成嵐進路の統計量との間の良好な相関を示している。
図6Aおよび図6Bを参照すると、本発明の実施形態によるマルコフ連鎖方法を用いて生成された合成ハリケーン進路と観測されたハリケーン進路の他の比較を示している。図6Aは、HURDATデータベースから60通りのハリケーン進路のランダムサンプルを示している。図6Bは、本発明の態様によるマルコフ連鎖方法を用いて生成された60通りの合成進路のランダムサンプルを示している。図からわかるように、一般に、合成進路および実際の進路の形状は類似であるが、合成進路は幾分滑らかである。これらの図は、合成進路と観測された進路との間の良好な相関のさらなる根拠を提供する。
ハリケーンの強度に影響を及ぼす多くの過程の中で、環境的な風の垂直方向のシアがあり、したがって、ハリケーンの強度における現実的な変動をモデル化するために可変のウィンドシアを説明することが好ましい場合がある。上述したように、一旦、複数の合成進路が、たとえば、上述したマルコフ連鎖方法を用いて生成されると、事象の強度は、各進路に沿ってモデル化される。進路生成のためのマルコフ連鎖方法は、ウィンドシアを明らかにしておらず、したがって、強度が各進路に沿ってモデル化されるとき、進路およびシアが主に独立であると仮定されなければならない。一実施形態において、これは、データ
を履歴ハリケーン進路と環境風との間で統計的関係を展開するために、再分析データを用いることによって少なくとも部分的に回避されてもよい。
別の実施形態によれば、この技術は、合成暴風進路および同一の合成風場からのシアを生成するために用いられてもよい。少なくとも第1の近似に対して、ハリケーンは、周囲の潜在的な速度分布における渦流量の影響が原因である「βドリフト」に加えて、組み込まれる環境流量の加重垂直平均によって移動する。さらに以下に記載するように、この技術を用いると、合成進路および環境的な風場は互いに一致するように作成されることができる。
そのような技術は、2つ以上の大気圧レベルにおける大きなクラスの合成時間変化風場を生成することを含んでもよい。これらの風場は、それらの分散、共分散および月平均がNCEP/NCAR再分析データなどの選択された全地球的風データベースから導出されたものまたは全地球的天候または気候モデルから出力されたものに適合するように構成されてもよい。これは、実際のデータに適合し、したがって現実的である統計量を有する事象進路を生成することを容易にする。この進路生成方法がハリケーン進路を合成するために用いられている場合には、これらの圧力レベルは、850hPaレベルおよび250hPaレベルを含んでもよい。これらの2つのレベルは、良好の指向流を定義するために用いられることができることがわかっているためである。さらに、これらの2つのレベルの間のウィンドシアは、ハリケーンの強度の変化と十分に相関されることがわかっている。したがって、明瞭さおよび簡潔さのために、この進路生成技術の実施形態に関する以下の説明は主に、これらの圧力レベルを指しうる。しかし、本発明はこの点について限定されるわけではなく、特定の用途に適しているものとしてその他の多くの圧力レベルを用いてもよいことは認識すべきである。以下にさらに記載するように、風場は、合成ハリケーン進路を生成し、強度モデルに用いられうる各進路に沿っ手現実的に変化する環境的ウィンドシアを生成するために用いられてもよい。
一実施形態によれば、多数(たとえば、数百〜数千)の合成進路を生成するための方法は、上述したような発生技術を用いて、多数の事象を生じることから始まってもよい。一旦発生すると、事象は移動される。すなわち、ドリフトの項に加えてある程度の垂直方向の平均によって暴風が移動すると言う仮定の下で、それらの進路が生成されうる。上述のように、問題を簡単な状態にしておくために、850hPaの圧力レベルおよび250hPaの圧力レベルにおける風を用いてもよいが、他のレベルを含めることによって、結果がわずかに改善される可能性があることを留意すべきである。各暴風(たとえば、ハリケーン)の動きは、コリオリ力の影響を明らかにする一定または緯度に依存する「βドリフト」補正を加えたこれらの2つのレベルにおける周辺流量の加重平均としてモデル化されてもよい。原則的には、このβドリフト補正は、緯度の余弦として減少するはずであるが、嵐がより高い緯度に移動するときには、他の指向の影響がこの余弦の減少の排除を生じるほど少なくとも大きい誤差を導入する効果を示すことがわかっている。したがって、簡単にするために、一定のβドリフト補正を用いてもよい。
一実施例において、250hPaにおける緯線方向風成分の合成時系列が生成され、ランダムな位相によって時間におけるフーリエ級数としてモデル化され、観測された月平均および月平均からの分散を有するように設計されてもよい、「観測された」なる語は、これに関連して用いられるとき、履歴データ(たとえば、HURDATデータベース)または全地球気候モデルなどのモデルまたはシミュレーションのいずれかからの記録された風統計量を差すことを意図していることは認識すべきである。一実施例において、フーリエ級数の振幅は、観測された分散の平方根であるように選択され、その結果、級数が補正分散を有する。したがって、250hPaの緯線方向風成分を以下のように書くことができる。
式中、Tは、級数における最低の周波数の波の周期に対応する時間スケールであり、Nは、保持される波の総数であり、Xlnは、各nに関する0と1.ln(l)との間の乱数であり、τは、時間によって月平均流量の線形補間された偏差に対応する低速の時間変数であり、tは高速の時間スケールである。したがって、時系列は、観測された月平均のおよび分散を有するのに対して、(9)における計数は、緯線方向の流量の運動エネルギのパワースペクトルが地衝乱流の観察されたスペクトルを模倣する周波数の逆3乗(すなわちω−3)として低下するように選択される。一実施例において、Tは、15日であるように選択されることができ、N=15が用いられることができる。しかし、これらは実施例に過ぎず、他の値が選択されることができることは認識すべきである。図7を参照すると、そのような時系列としてモデル化される緯線方向風成分の実施例のグラフが示されており、250hPaにおける月平均の緯線方向の流量は30ms−1であり、平方根の分散は10ms−1である。
上述の技術を用いると、250hPaにおける経線方向風成分の合成時系列もまた、生成されることができる。緯線方向の成分(観測された統計量に適合する月平均および分散)に置かれた制限に加えて、経線方向の時系列は、250hPaの緯線方向風に関して観測された共分散を有するように制限されてもよい。さらに、両方の850hPa風成分の合成時系列が生成され、250hPaにおけるそれぞれの成分および互いに関して観測された平均、分散および共分散を有するように制限されてもよい。したがって、他の流量成分に関する時系列、すなわち250hPaにおける経線方向の流量ν250(x,y,τ,t)、850hPaにおける緯線方向の流量u850(x,y,τ,t)および850hPaにおける経線方向の流量ν850(x,y,τ,t)は、以下に基づいてモデル化されることができる。
式中、Aijは、その決定が以下に記載される計数であり、Fは、(9)と同じ形を有するが、異なるランダム位相を有する。したがって、異なるFには相関がない。したがって、2つの圧力レベルにおける流量成分は、行列の形態で書かれることができる。
を満たす係数の下方三角行列であり、式中、COVは、流量成分の分散および共分散を含む対称行列である。
一実施例において、共分散行列を構成するときに、250hPaにおける緯線方向の流量および850hPaにおける経線方向の流量との間の任意の相関および850hPaにおける緯線方向の流量および250hPaにおける経線方向の流量との間の任意の相関は、無視されることができる。したがって、COVが対称で正定値行列であるために、行列Aは、コレスキ分解によってCOVから求められることができる。さらに、一実施形態において、平均流量の空間相関の明白なモデル化であっではならない。事実上、時間変化相関スケールシステムに関連付けられる一般的な長さスケールをハリケーンが横断する時間スケールが、空間における一定の地点における変動の時間スケールに比べて大きいと仮定してもよい。しかし、各合成嵐は、月平均流量およびその分散の空間的変動性の影響を感じる可能性がある。
一実施形態によれば、月平均、分散および共分散は、たとえば、NCEP/NCAR再分析データからの履歴データまたはたとえば、全地球モデルからのシミュレートされたデータのいずれかを用いて計算されることができる。いくつかの実施例において、以下にさらに記載するように、予測された将来の気候条件を考慮する進路を生成し、風速の確率を予測するために、シミュレートされたデータを用いることが好都合である場合がある。別の実施例において、月平均、分散および共分散は、Kalnayおよび共著者によって論文(Kalnayおよび共著者,1996:NCEP/NCAR 40−year reanalysis project.Bull.Amer.Meteor.Soc,77,437〜471)に記載された一定の年数のデータ集合を用いて計算されてもよい。上記で計算されたように、250hPaおよび850hPaにおける流量の時系列が与えられると、次に、850〜250hPaのウィンドシアの大きさを計算することは簡単である。
上述のように、上記で計算された風場が、βドリフトに関する補正を加えた250hPaおよび850hPaの流量の加重平均を用いて、多数の合成ハリケーン進路を合成するために用いられることができる。合成進路に関するベクトル流量は、以下のように書かれることができる。
式中、V250およびV850は、上述の技術を用いて合成された2つの圧力レベルにおけるベクトル流量であり、αは、一定の重みであり、Vβは、一定のベクトルβドリフトの項である。一実施例において、重みおよびベクトルβドリフトは、合成進路をより現実的にするために、合成された変位統計量および観測された変位統計量の比較を最適化するためにある程度主観的に選択されてもよい。たとえば、α=0.8、uβ=0ms−1およびνβ=2.5ms−1の経験的に決定された値が用いられてもよいが、他の値もまた、可能であり、用いられる観測データ集合および合成される進路のタイプに基づいて選択されてもよいことは認識すべきである。
式(13)からVtrackが与えられると、各進路に沿った位置ベクトルxを求めるために、時間においてVtrackを前進積分するために、積分が行われることができる。
一実施例において、30分前の時間ステップを用いてもよいが、その他の多くの値を選択してもよいことは認識すべきである。(上述のように、再分析データからの)平均場、分散および共分散が次に、空間および時間において線形に補間され、新たな位置(および新たな日付)にしてもよい。一実施例において、平均は、各月の15日に割り当てられてもよいが、当然のことながら、任意の日が選択されてもよく、便宜上、ここでは簡単に15日を選択している。位置の式が次に、全体的な進路を生成するために、再び前進させるなどしてもよい。
進路を合成するためのマルコフ連鎖技術とは異なり、この方法は、生成統計量が貧弱である地域に突入するという問題(マルコフ方法では進路が終了する)に遭遇しない可能性がある。したがって、位置が所定の対象地域の外側の通過または一連の期間、たとえば30日後の通過を示している場合には、最大の風が選択された値、たとえば、13ms−1を下回ってもよい。最大風速および/または持続期間の選択された値は本願明細書で与えられた実施例に限定されるわけではなく、たとえば、嵐の履歴情報をはじめとする複数の因子に基づいて選択されてもよいことは認識すべきである。たとえば、履歴情報は、並進速度が一定の限界を下回るまで減速するときには、大部分のハリケーンは消滅するか、一定数の日を超えると、大分部のハリケーンは残っていないことを示している可能性があり、この情報は、合成進路を終了するための限界を設定するために用いられてもよい。
図8を参照すると、上述した風場方法の実施形態を用いて生成された60通りのランダムに選択された進路の表示が示されている。これらの進路は、図6Bに示されるマルコフ連鎖方法を用いて生成される進路を図6Aに示されるランダムに選択された履歴進路を比較してもよい。図からわかるように、風場方法(図8)を用いて生成された進路は、マルコフ連鎖方法(図6B)を用いて生成された進路より幾分可変であってもよく、いくつかの進路はループなどで実現される。
図9Aおよび図9Bを参照すると、北緯10度および北緯30度ならびに西経80度および西経30度によって境界を成す北大西洋において、(HURDATデータベースから取得された)1289通りの全履歴進路の統計量と比べた1000通りの合成された通路に関する緯線方向(図9A)および経線方向(図9B)の6時間の変位のヒストグラムを示している。実際の(「ベストトラック」)データは、灰色で示され、合成された進路データは、黒色で示されている。これらの図は、同一地域における実際の進路の統計量に対
してマルコフ連鎖方法を用いて合成された進路の緯線方向および経線方向の変位統計量を比べる図5Aおよび図5Bと比較されることができる。風場方法は、履歴進路またはマルコフ連鎖方法を用いて生成された進路のいずれかに比べてわずかに広すぎる6時間の変位分布を生成しうることがわかる。これは、複数の因子によって説明されうる。たとえば、進路を生成するために用いられる風の合成時系列は、実際の風場に対する近似であり、したがって、いくつかの誤差の原因となっている。また、一定のβドリフト補正を加えた250hPaおよび850hPaの加重平均によるハリケーンの動きのモデル化はまた、特にβドリフトが実際に変数であり、垂直シアなどの他の因子もまた嵐の動きに寄与していると考える場合には、いくつかの誤差を導入する近似である。さらに、この方法は、進路を熱帯低気圧の維持に対して好ましくない流れに引き継ぐことを可能にする。しかし、以下にさらに記載するように、進路に沿って進む際の強度モデルにあるとき、嵐の維持に対して好ましくない流れにおけるそれらの進路は当然のことながら終了される。さらに、合成された進路データと履歴進路データとの間にいくつかの変動を占めている可能性がある特に衛星以前の時代において、HURDAT統計量は、完全に正確ではない可能性がある。したがって、図10は、風場方法(黒色で示す)を用いて合成された同じ60通りの通路に関する6時間の緯線方向の変位および1970年代後半のHURDATデータのみから導出された6時間の緯線方向の変位統計量(灰色で示す)のヒストグラムが示されている。図10は、よりよい適合を示し、初期のHURDATデータが実際にはわずかに不正確である可能性があることを示している。
上述のように、一旦、進路がいずれかの方法によって生成されると、進路に沿った事象の強度の展開が推定されてもよい。一実施形態によれば、これは、マルコフ連鎖仮定を用いて行われてもよく、観測された(履歴またはシミュレートされた)事象データから決定されるなどの前の強度を事象の位置における強度の条件の各増分にする。しかし、この方法は、事象データが不足である地域において好ましくはない可能性がある。
別の実施形態によれば、事象の強度の決定論的シミュレーションは、事象の強度の確率分布を推定するために各進路に沿って行われてもよい。この場合も同様に、この説明はハリケーンに焦点を置いているが、この技術は多くの異なる事象に関する強度を推定するために用いられることができ、ハリケーンに限定されるわけではないことは認識すべきである。一実施形態において、ハリケーンの強度の決定論的数値シミュレーションは、たとえば、Emanuelらによって開発されたモデル(Emanuel, K., C. DesAutels, C. Holloway and R. Korty, 2004: Environmental control of tropical cyclone intensity. J. Atmos. Sci, 61, 843−858、この内容は本願明細書に参照によって援用されるものとする)を用いて、各合成通路に沿って行われてもよい。これは、1次元の海洋モデルに連動された軸対称のバランスモデルである。大気成分は、勾配および静水のバランスの原因となる。嵐の内部構造は、角運動量面における水分の断熱減率の仮定によって制限される。エントロピーは、惑星大気境界層(PBL)において、中間対流圏における1つの高さにおいて定義されてもよい。対流は、境界層の擬似平衡の仮定に基づいていてもよく、表面フラックスは、従来の空気力学の公式によってモデル化されてもよい。一実施形態において、モデルは、嵐の決定的な台風眼の壁において、きわめて高い解像度(たとえば、1km程度)を生じうる角運動量座標において表現されてもよい。モデルの海洋成分は、バルク・リチャードソンナンバークロージャ(number closure)(海洋の混合の容易さを定義する)によって混合される海洋を反映してもよく、混合層の海洋動向は、ハリケーンモデル表面風によって駆動されてもよい。
決定論的に結合される強度モデルに対する入力は、合成進路(たとえば、位置および時間)データのほか、潜在的な強度の推定値、上部海洋熱構造、月間の気候学的海洋混合層
の深さおよび進路に沿った環境的ウィンドシアを含んでもよい。一実施例において、測深学および地形学もまた、含まれうる。上陸は、陸の高度に応じて、表面エンタルピ交換係数を低減することによって表現されてもよい。一実施例において、エンタルピ交換係数は、陸の高度に関して線形に減少し、陸の高度が約40mであるときゼロに達する。このことは、少なくとも部分的に、低地の湿地または沼地の地形からの熱フラックスの原因となっている。一実施例において、月平均の気候学的潜在的な強度は、(進路データから取得された)時間および空間における嵐の位置に対して線形に補間されたNCEP再分析データなどからのデータ集合から計算されてもよい。潜在的な強度は、大規模な熱力学的条件(たとえば、水温、大気温度など)を与えた場合に、熱帯低気圧において理論的に達成可能な最大風速(または強度)として定義される。一実施例において、上部海洋熱変動性もまた、上部海洋の気候学的変動性を定量化するために、海面高度測定データを用いることによって、強度モデルにおいて、反映されてもよい。モデルへの入力は、用いられるモデルに左右される可能性があり、これらの実施例に限定されるわけではないことは認識すべきである。さらに、特にハリケーン以外の事象が評価されることになっている場合には、Emanuelらによって開発されたモデル以外のモデルもまた、用いられてもよい。
嵐進路が与えられると、モデルは、進路に沿った風速の予測を生じるために、時間において前進積分されてもよい。嵐は、進路の始まりで、合成暖気核渦を指定することによって、進路の発生場所で始まってもよい。初期の強度の値および初期増大率(initial rate of intensification)の値が、設定されてもよい。初期の強度の値は、嵐形成に関する統計的情報、実際の嵐から導出されてもよく、またはランダムに選択されてもよい。事象に関する周知のデータと一致する初期値を選択することが好ましい場合がある。一実施例において、ハリケーンの強度モデル化に関して、初期の強度15ms−1および初期増大率約6ms−1−1が用いられてもよいが、他の値が選択されてもよいことは認識すべきである。中間レベルにおけるエントロピーの半径方向渦フラックスは、指摘した初期増大率を達成するように指定されてもよい。この適合手順は、中間対流圏の湿度のほか、バランスのとれた流れを効果的に初期化してもよい。
このモデルは軸対称であるため、環境的なウィンドシアの影響の原因にはなっておらず、したがって、パラメトリックに表現されることができる。たとえば、これは、中間レベルにおける低いエントロピーの空気を環境的なウィンドシアの関数に比例するコアの中に移流することによって達成されてもよい。上述のように、ウィンドシアの推定値は、たとえば、250hPaおよび850hPaにおける風の合成時系列から計算されることができ、強度モデルにおいて用いられることができる。進路が上述したマルコフ連鎖方法を用いて生成される場合には、これらのウィンドシア推定値は、進路の変位に独立である(但し、進路を生成するために用いられる根本にある観測された統計量における対応する変動に起因し、進路に沿った位置および季節と共に変化する)が、進路が(上述のように)同一の風場を用いて生成される場合には、進路の変位およびウィンドシアは、互いに一致する。さらに、もし、嵐の強度が所定の限界未満、たとえば、13ms−1に低下する場合には、嵐は消失したと仮定されてもよく、積分は中止されてもよく、それによって、関連付けられた進路を強制的に終了する。初期増大率は、気象学に基づいていてもよく、一実施例において、関連付けられる合成時系列の始まりで取得された風場に独立であってもよい(その一般化については上述した)。この独立性により、嵐は、大きなウィンドシアの条件下で生成されることが可能になるが、これは非現実的である可能性があり、強度モデルは、そのような条件下で、嵐を急速に終了させ、したがって、さほど心配ではない。しかし、一実施例において、発生地点における垂直方向のシアが、嵐が生成される可能性が低い所定の値を超えるときは常に、積分時間が、ランダムな風系列を再生成することによって節約される可能性がある。たとえば、ウィンドシアに関するそのような値は、約12ms−1であってもよい。
図15を参照すると、3次元の海洋モデルに連動された同じ大気モデルと比べて、上述のモデル(すなわち、1次元の海洋モデルに連動された軸対称のバランス(大気)モデル)の比較を示している。図15からわかるように、このモデルによって推定された風速(線140)と連動された3次元のモデルによって推定された風速(線142)には、きわめて近い相関があり、このモデルが、ハリケーンの特性をかなり正確に示している可能性があり、多次元モデルが、良好な風速推定を行うために必要ではない可能性があることを示している。これは、1次元モデルが、3次元モデルの場合よりかなり高速に各進路に沿って実行されうるという点において好都合である可能性がある。
空間中の一定の地点における風速を推定するために、嵐の風場の半径方向の構造を推定することが必要である場合がある。一実施例において、強度モデル自体が、この構造を予測することできる可能性がある。別の実施形態において、パラメトリックウィンドプロファイルは、強度モデルによって生成されうる最大風速および最大風半径の推定値に適合していてもよい。1つのそのようなパラメトリック形態を用いて計算されうる軸対称の風場の一実施例は、以下のように書かれてもよい。
式中、Vは、最大風速であり、rは、半径であり、rは、最大の風の半径であり、rは、風が消える外側の半径であり、b、mおよびnは、ウィンドプロファイルの形状を支配する変数である。一実施例において、外側の半径は、約1200kmと推定されるが、他の値もまた、選択されてよい。この半径の自由な推定は、渦の外側構造に影響を及ぼすだけである可能性があり、したがって、低速の風速における確率評価に影響を及ぼすだけである可能性があり、それらは通常、ほとんど損傷がないため、あまり問題とならない。変数値b、mおよびnは、周知の暴風特性に基づいて選択されてもよい。一実施例において、値b=0.25、m=1.6およびn=0.9が用いられたが、他の値が、モデル化かされている暴風のタイプおよび場所に応じて、選択されてもよい。Vおよびrは、強度モデルによって供給されてもよい。
したがって、嵐中心から離れた空間中の一定の地点における風速分布の推定は、式(15)から得られてもよい。一実施形態において、各嵐/進路に関する風速分布を推定するために、嵐の動きの方向における嵐の並進速度の一部は、式(15)によって定義される軸対称の風場に加算されてもよい。一実施例において、上記の変数値を用いると、並進速度の約60%を加算することは、履歴データとの良好な一致という結果を生じることがわかる。一実施形態によれば、対象地点において経験した最大風速のほか、対象地点から一定の距離内で経験した最大風速が、計算されてもよい。対象領域の範囲内を通過する進路の総数にわたってこれらの値を合計することによって、年間の風の超過確率および戻り期間が推定されてもよく、これらは、HURDATなどの履歴データに直接的に基づく推定と比較されることができる。
いずれかの進路生成方法によって生成された複数のハリケーン進路は、熱帯低気圧への遷移を受け、より高い緯度領域を通過する可能性がある。しかし、一実施形態において、熱帯低気圧系との動的な相互作用は、特に排除されてもよい。そのような相互作用が線形であり、熱帯低気圧および熱帯低気圧系の両方が準地衡に相互作用する場合には、すべて
の系の風場が線形に重ねられる可能性があり、上述したように、並進速度に風速を加算することによって、熱帯低気圧の相互作用が、説明されうる。しかし、熱帯低気圧への遷移は、著しく非線形であってもよく、熱帯低気圧の周囲の循環は、一部の状況において、直面した熱帯低気圧の渦度偏差の振幅を増大させてもよい。したがって、以下にさらに記載するように、上述の強度モデル化は、高緯度領域に関して得られた結果に影響を及ぼしうる。
要約すれば、ハリケーン危険性評価を行うために、上述の進路生成方法の一方または両方を用いて多数(たとえば、数千)の合成進路を生成してもよい。フィルタは、対象地点または対象地域の特定の距離を通過する進路を選択するために、進路生成プログラムに適用されてもよい。上述のモデルなどのハリケーンの強度モデルは次に、最大風速のヒストグラムを作成するために、選択された進路のそれぞれに沿って進行してもよい。一実施例において、上述したような強度モデルは、一般的なワークステーションコンピュータで1つの進路を進行するために平均約15秒かかる可能性があり、したがって、対象場所付近を通過する数千の進路にわたってモデルを進行させることは実現可能である可能性がある。用いられる合成進路の数が多ければ多いほど、風速の結果として生じる確率分布はよくなる可能性がある。一実施形態によれば、決定論的に連動された強度モデルは、上述したように、最大風速および最大の風の半径を生成する。理想的なパラメトリックウィンドプロファイルは、式(15)によって記載されるような軸対称の風場を生成するために、強度モデルの数値出力に適合されてもよい。上述したように、この風場は、嵐中心から離れた空間中の一定の地点における最大風を推定するために用いられてもよい。この目的のために、線形並進速度ベクトルの一部が、円形渦風場に加算されて、全体的な嵐パターンにおける観測された非対称性の一部を説明してもよい。各対象地点または対象地域に関して、強度モデルは、数千の進路の上方を進行し、その地点または地域に関して風の超過確率を生成してもよい。
本願明細書に記載される方法の実施形態は、ソフトウェアにおいて、たとえば、1つまたは複数のプロセッサまたはコンピュータで実行されうる一連の命令として符号化され、進路を生成し、進路に沿って事象の強度をモデル化してもよい。結果として生じるデータは、対象地域または対象場所に関する事象の強度の確率のデータ集合として設けられてもよい。
上述の技術の動作実施例を実証するために、3組の合成ハリケーンが示されている。第1の組のハリケーンは、全体として、北大西洋に影響を及ぼす1000通りの嵐のランダムな選択であり、他の2組は、全く異なるハリケーン気象学を有する都市、すなわちボストンおよびマイアミに関してである。マイアミは、嵐の比較的豊富な記録があり、そのほとんどはおそらく熱帯低気圧系と著しい相互作用がないのに対して、ボストンは、嵐の記録に乏しく、その大部分はおそらく、熱帯低気圧系によって影響を及ぼされている。
図11を参照すると、本願明細書に記載される2つの進路生成方法のそれぞれを用いて作成される1000通りの北大西洋の嵐において達成された最大風速の正規化されたヒストグラムを示しており、正規化ヒストグラムは、1950年に始まったHURDAT記録におけるすべての嵐から行われた。マルコフ連鎖方法を用いて生成された進路から導出されたヒストグラムは、参照符号120によって示され、風場方法を用いて生成された進路から導出されたヒストグラムは、参照符号122によって示され、HURDAT進路データから導出されたヒストグラムは、参照符号124によって示されている。縦軸は、その風速が横軸において与えられた値を超える事象の数を示している。各ヒストグラムは、1000年当たりの事象に正規化される。図からわかるように、両方の進路生成方法は、強い嵐の数をわずかに過剰に推定する可能性がある。しかし、観測された統計量が、データを歪曲する可能性があるきわめて少ない実際に記録された嵐に基づいていることに留意す
べきである。ヒストグラムは、双線形の累積頻度分布に従い、そのような分布は、一般に、任意の所与の場所で経験しうる最大の理論的風速があるように、結合されることを留意すべきである。熱帯において、この最大値は、潜在的な強度に密接に対応している可能性がある。しかし、より高い緯度では、嵐の並進速度は、いくつかの最大風の値が局所の潜在的な強度を超える可能性があり、部分的に熱帯低気圧遷移の効果の原因となりうる。強度の統計量の密接な対応関係は、本願明細書に記載される方法が、ハリケーンの風の危険性を評価するための実用的な手法であることを示している。
マイアミ、フロリダは、ハリケーンの比較的高い発生率を有する都市の実施例である。地域における風速に関して年間超過確率を生成するために、上述の進路生成技術の両方が、それぞれ、マイアミ中心街の100km以内を通過する3000通りの進路を合成するために用いられた。上述したように、強度モデルは次に、各進路を進行し、マイアミ地域に関する統計量を累積した。(合成進路におけるすべての嵐が、風速13ms−1を下回り、したがって、終了する前にマイアミに達するわけではないことを覚えておくべきである。)図12を参照すると、マイアミ中心街の100km以内のいずれかの場所で風速の超過の頻度のヒストグラムが示されている。マルコフ連鎖方法の実施形態を用いて生成された進路から導出されたヒストグラムは、参照符号126によって示され、合成風時系列方法の実施形態を用いて生成された進路から導出されたヒストグラムは、参照符号128によって示されている。図12は、これらのヒストグラムを参照符号130によって示されるHURDAT進路データから導出された同一の統計量のヒストグラムと比較する。各ヒストグラムは、1000年当たりの事象に正規化される。
HURDATデータベースに含まれているのは、問題の期間期間中に、マイアミの100km以内を通過する40ノットを超える最大風の29通りの進路に過ぎないのに対して、合成進路生成技術のそれぞれは、この試作において3000通りの進路を生成したことを認識すべきである。さらに、HURDATデータは、中心表面圧力と風速との間の変化において変化する対流に起因して偏倚されうる。これらの潜在的な偏倚および小さなサンプルサイズが与えられると、ヒストグラム126および128によって示される現在の結果は、HURDATから導出されるヒストグラム130の統計的意味の中でHURDATデータと一致している可能性がある。
上述のように、マサチューセッツ州ボストンなどの一定の場所は、あまり頻繁ではないが破壊的な嵐を経験することが時々ある。これらの場所において、履歴の記録は、合理的な危険性評価を行うのに非常に不十分である可能性があるが、危険性を推定する強い誘因が依然としてある。そのような場所において、嵐の稀さは、マルコフ連鎖進路生成プログラムにおいて用いられる統計量の堅牢性に影響を及ぼす可能性がある。これは、合成風時系列進路生成プログラムでは問題ではない。しかし、高緯度で、熱帯低気圧が一定の補正を加えて加重平均垂直流量を伴って移動するという仮定は、特に、熱帯低気圧遷移の影響に起因してあまり正確ではない可能性がある。したがって、ボストンなどの場所では、風の危険性を最もよく評価するためには、2つの進路生成技術の組み合わせを用いることが好ましい可能性がある。
図13を参照すると、両方の進路生成技術のほか、履歴データからボストン中心街の100km以内の最大風速のヒストグラムを示している。マルコフ連鎖方法を用いて生成された進路によるヒストグラムは、参照符号132によって示され、合成風時系列方法を用いて生成された進路によるヒストグラムは、参照符号134によって示されている。両方の方法によるヒストグラムは、図13において、互いに比較され、HURDAT進路データから導出された同一の統計量のヒストグラムと比較される。参照符号136によって表されるHURDATヒストグラムは、わずか27通りの事象に基づいており、したがって、大きな統計誤差を被ることは認識すべきである。図13からわかるように、合成風時系
列進路生成プログラムによって予測された実質的により多くの数の弱い強度の事象とヒストグラム間にはかなり大きな差がある。これは、合成風時系列方法を用いて生成された弱い嵐の人工的に大きな残存率のためである可能性がある。
図14を参照すると、進路生成の合成風時系列方法を用いて生成されたボストンに影響を及ぼす3000通りの合成嵐のうち100通りの最も強い嵐の表示を示している。比較のため、1991年のハリケーンボブの観測された進路(線138によって示される)が示されている。ハリケーンボブは、ボストン付近のハリケーン力風を生成したいちばん最近の嵐であった。図14からわかるように、その進路は、合成風時系列方法を用いて生成された100通りの最も強い嵐の展開の中に十分に収まる。これは、きわめて稀な履歴の記録を有し、局所の潜在的な強度がゼロであるボストンのような地域であっても、この方法がハリケーン風の危険性の大きな確率を生成しうる。
要約すれば、本発明の態様および実施形態は、連動された海洋‐大気ハリケーンモデルが多数の合成ハリケーン進路のそれぞれに沿って進行しうるハリケーンの風の危険性評価に対する新規な手法に向けられている。ハリケーン進路を合成するために、2つの独立な進路生成方法の一方または両方が用いられてもよい。第1の方法は、ベクトル変位の変化の確率が、位置、季節および前の時間ステップのベクトル変位に左右され、標準的な分布関数によって決定された統計量が観測された進路データに適合するマルコフ連鎖として各進路を構成する。第2の方法は、コリオリの力の影響を説明するβドリフト補正を加えた上部対流圏の流量および下部対流圏の流量の加重平均によって、ハリケーンが移動すると仮定する。流量は、その月平均、分散および共分散が履歴データまたはシミュレートされたデータから導出された統計量に適合し、その運動エネルギが地衝乱流の観察されたω−3の頻度分布特性に従う風の合成時系列を用いて生成されてもよい。これらの合成流量から導出されたシアは、両方の進路生成方法における決定論的強度モデルに対する入力として用いられてもよい。両方の方法によって生成された嵐の動きの統計量は、観測された変位統計量および互いに対して十分に適合している。
たとえば、エルニーニョ現象や大西洋中期変動現象などの影響を受ける大気風、および熱帯低気圧発生分布の年次変動〜十年内の変動についての信頼のある特徴、もしくは将来の気候においてそれらがどのような変化するかの予測が存在する範囲で、本発明の方法(特に、合成風時系列進路生成方法)を用いて、ハリケーン風の危険性における対応する変化を推定することができる。たとえば、統計データは、地球温暖化などの将来の気候変化を予測するシミュレーションおよびモデルから導出されることができ、このデータは、履歴データではなく、または履歴データに加えて、進路生成プログラムおよび強度モデルにおいて用いられることができる。これは、たとえば、事象の頻度における将来の変化、強度における変化、嵐の持続性における変化および進路における変化の予測を可能にすることができる。
したがって、本発明の複数の態様および実施形態について記載してきたが、改変および/または改善は当業者にとって明白であると考えられ、本開示の一部であることを意図している。本発明は、本願明細書に記載される特定の実施例に限定されるわけではなく、本発明の原理は、ハリケーン以外の多くの異なるタイプの事象に関する種々の危険性評価の用途に適用されてもよいことは認識すべきである。したがって、上述の説明は、実施例に過ぎず、当業者には明白であると考えられる任意の改変および改善を含む。本発明の範囲は、添付の請求項およびその等価物の適切な構成から決定されるべきである。
体積用におけるハリケーン発生場所の生のヒストグラムの図である。 一定のガウシアン窓関数によって平滑化された図1Aのヒストグラムの図である。 可変のガウシアン窓関数によって平滑化された図1Aのヒストグラムの図である。 本発明の態様による合成ハリケーン進路の2地点間の実施例の関係の図である。 図3Aおよび図3Bは、進路の前地点における速度および方向の関数として進路の地点における速度の確率の実施例のグラフである。 本発明の一実施形態による事象データを収集するための優先式スケジュールの一実施例である。 本発明の一実施形態によって生成される合成ハリケーン進路のヒストグラムと観測されたハリケーンデータのヒストグラムを比較するグラフである。 本発明の一実施形態によって生成される合成ハリケーン進路のヒストグラムと観測されたハリケーンデータのヒストグラムを比較するグラフである。 HURDATデータベースから60通りのハリケーン進路のランダムサンプルを示している。 本発明の別の実施形態によるマルコフ連鎖方法を用いて生成された60通りの合成進路のランダムサンプルを示している。 本発明の実施形態によるフーリエ時系列としてモデル化された緯線方向風に関する緯線方向風速対時間のグラフである。 本発明の別の実施形態による風場方法を用いて生成された60通りの合成進路のランダムサンプルを示している。 境界のある北大西洋海域における(HURDATデータベースから取得した)履歴進路の統計量と比較した1000通りの合成進路に関する緯線方向の6時間の変位のヒストグラムの図である。 境界のある北大西洋海域における(HURDATデータベースから取得した)履歴進路の統計量と比較した1000通りの合成進路に関する経線方向の6時間の変位のヒストグラムの図である。 境界のある北大西洋海域における(1970後半のHURDATデータベースから取得した)履歴進路の統計量と比較した1000通りの合成進路に関する緯線方向の6時間の変位のヒストグラムの図である。 本発明の実施形態による2進路生成方法および1950年代に始まったHURDAT記録における嵐によるデータのそれぞれを用いて作成された1000通りの北大西洋の嵐において達成された最大風速の正規化されたヒストグラムの図である。 マイアミの中心部から100km以内の風速の超過頻度のヒストグラムの図である。 ボストンの中心部から100km以内の風速の超過頻度のヒストグラムの図である。 本発明の実施形態によって生成されたボストンに影響を及ぼす合成ハリケーン進路と記録されたハリケーン進路とを比較した図である。 複数の海洋の大気モデルを用いたハリケーン並進速度の関数として最大の持続した風を示すグラフである。

Claims (16)

  1. 対象地点から所定の距離内の風速分布を予測する方法であって、
    前記対象地点の所定の半径内を通過する数の暴風進路を統計的に合成するステップを含み、当該ステップは、観測またはモデル化された気象データによって少なくとも2つの圧力レベルに制限された、風の時系列を合成する処理を含み、さらに
    前記数の暴風進路の各進路に沿った暴風の強度の決定論的シミュレーションに前記風の時系列を適用し、空間中の各地点における風速を示す、各進路に沿っ風速分布を表す出力を生成するステップと、
    前記出力を用いて前記対象地点から前記所定の距離内にある各進路に沿っ前記風速分布の組み合わせから、各対象地点における風の速度および方向の確率分布を含む、全体的な風速の確率分布を推定するステップとを含む、方法。
  2. 前記数の暴風進路を統計的に合成するステップは、
    履歴暴風データおよびシミュレートされた気候データの少なくとも1つに基づいて、発生場所の空間−時間確率密度関数から対応する多数の発生地点をランダムに選択することによって、前記数の暴進路を生じさせるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記生じさせるステップは、
    対象地域にわたる空間−時間グリッドを構成するステップと、
    前記履歴暴風データおよび前記シミュレートされた気候データの少なくとも1つに基づいて、前記空間−時間グリッドの各セル内で発生する暴風の数を計数して、前記対象地域内の前記数の暴風進路に関する発生地点の推定分布を形成するステップとを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記生じさせるステップはさらに、
    空間的減衰窓関数を用いて、前記発生地点の推定分布を平滑化し、発生場所の空間−時間確率密度関数を作成するステップを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記空間的減衰窓関数は、3次元のガウシアンカーネル(Gaussian kernel)を含む、
    請求項4に記載の方法。
  6. 前記数の暴風進路を統計的に合成するステップはさらに、
    履歴暴風進路またはシミュレートされた暴風進路の統計的特徴によって構成されるマルコフ連鎖を用いて、前記数の暴風進路のそれぞれを生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記マルコフ連鎖の状態変数は、前記数の暴風進路の速度および方向を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記マルコフ連鎖の状態変数は、前記数の暴風進路の緯線方向成分および経線方向成分を含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記数の暴風進路を統計的に合成するステップはさらに
    βドリフト補正を加えた前記少なくとも2つの圧力レベルで前記風の時系列の加重平均として暴風の動きのモデル化を行うステップを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記少なくとも2つの圧力レベルは、250hPa圧力レベルおよび850hPa圧力レベルを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記風の時系列を統計的に合成するステップでは、フーリエ級数としてモデル化された風の時系列を含み、当該フーリエ級数は、ランダムに変化する位相を有し、かつ平均および分散が観測された気候データおよびモデル化気候データの1つによって制限され、かつ予め設定された運動エネルギスペクトルを有する、請求項9に記載の方法。
  12. 前記数の暴風進路を統計的に合成するステップでは、各暴風進路は、履歴暴風データおよびシミュレートされた暴風データの少なくとも1つから導出された統計量に適合する特性を有する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記数の暴風進路の各進路に沿った暴風の強度の決定論的シミュレーションに前記風の時系列を適用するステップは、
    角運動量座標において表現されるモデルを用いて前記暴風の強度をモデル化し、環境的熱力学変数およびウィンドシアを用いて初期化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法を実行するために、少なくとも1つのプロセッサで実行されるように適合される複数の命令によって符号化されている、コンピュータ読み出し可能媒体。
  15. 対象地点の所定の半径内の確率的な風速分布に対応するデータ集合を生成する方法であって、
    気象データによって制限された環境的な風の時系列を合成するステップと、
    前記対象地点の前記所定の半径内を通過する数の合成暴風進路を統計的に生成するステップと、
    前記合成された環境的な風の時系列を用いて、前記数の合成暴風進路の各暴風進路に沿っ複数の地点で合成暴風の強度をシミュレーションするステップと、
    前記シミュレーションされた度に基づいて、前記数の合成暴風進路の各合成暴風経路に関して、当該合成暴風進路に沿って選択された地点における確率的な暴風の風分布を生成するステップと、
    前記対象地点の前記所定の半径内の数の合成暴風進路のそれぞれに関して、前記暴風の風分布を組み合わせることによって、前記データ集合を生成するステップとを含む、方法。
  16. 対象地域内の風速に関連する長期危険性を推定する方法であって、
    パラメトリック風分布またはモデル化された環境的な風分布と共に、数の統計的に生成された合成暴風進路の各合成暴風進路に沿っ複数の地点で合成暴風の強度を決定論的シミュレーションし、各進路に関連付けられた暴風の風分布の推定値を生成するステップと、
    記推定された各進路に沿った暴風の風分布の確率的に重み付けられた組み合わせを生成して、前記対象地域内の確率的な暴風の風分布を生成するステップと、
    前記確率的な暴風の風分布に基づいて、前記対象地域内の所定の閾値を超える風速の危険性を推定するステップとを含む方法。
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