JP5241756B2 - 被覆ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、被覆ステンレス鋼およびその製造方法に関し、特に、防眩効果を有する皮膜で被覆された被覆ステンレス鋼およびその製造方法に関する。
近年、光学部品では、高解像度のために、光の吸収を向上させる防眩効果が必須であり、特にレンズ周りの小型化・軽量化に伴い、剛性・軽量でかつ再生可能な防眩効果のある極薄のステンレス鋼が使用されていることが増える傾向にある。
ステンレス鋼に防眩効果を付与する方法としては、ステンレス鋼の表面に、
(1)光の反射の少ない塗装を施す方法、具体的には黒色の塗料で塗装を施す方法、
(2)光の反射の少ないめっきを施す方法、たとえば黒ニッケルめっき、黒クロムめっきを施す方法、
(3)化成処理・電解処理・熱処理により着色酸化皮膜を生成させる方法
などの方法が現在とられている。
もともとステンレス鋼は、その表面が不動態化皮膜で安定しており、塗料やめっきが付きにくい材料であり、昨今の技術が進歩しているとはいえ、上述の(1)の塗装を施す方法や(2)のめっきを施す方法では、皮膜の剥離の問題がついてまわる。さらに、上述の(1)の塗装を施す方法や(2)のめっきを施す方法では、防眩効果を得るために少なくとも皮膜の膜厚が3μm以上必要となり、寸法交差が大きくなり、今後のレンズ極小化には使用が難しいと考えられる。
また、上述の(3)の方法では、条件によれば、防眩効果を有する2.5μm以下の酸化皮膜を生成させることができ、しかも、酸化皮膜がステンレス鋼自身の酸化皮膜のため剥離することはなく長期に安定である。
上述の(3)の方法に属するステンレス着色皮膜上に異なる酸化物を析出させる方法としてたとえば特許文献1に記載の方法、防眩効果に関して特許文献2や特許文献3に記載の方法、水溶液中で酸化皮膜を電解析出させる方法として特許文献4に記載の方法などがある。
特開昭48−053938号公報 特開昭56−124851号公報 特開平02−182884号公報 国際公開第03/048416号公報
特許文献1に記載の方法では、有害物質であるクロム酸を使用した発色方法でできた酸化皮膜の多孔質内に酸化物を析出させ、皮膜を硬化させることを目的としている。
また、特許文献2および特許文献3に記載の方法では、有害物質であるクロム酸を使用するか、または、酸化珪素形成工程が乾燥後に行われるため、活性状態が失われ密着力が弱くなる。
さらに、特許文献2および特許文献3に記載の方法では、イオンプレーティングなどの真空方法を用いると設備が高価なものとなり、真空までの時間ロスなど作業流れも悪く、安価なものができないことは明白である。
さらに、特許文献4に記載の方法では、金属直接に酸化物を形成させる方法であり、特にステンレスのように難めっき材である金属には密着強度が弱く、剥離を招く可能性がある。
以上のような従来技術の問題点を解決するために、環境面に配慮した、防眩効果を有する、密着性のよい、安価な被覆ステンレス鋼が望まれている。
それゆえに、この発明の主たる目的は、環境面に配慮した、防眩効果を有する、密着性のよい、安価な被覆ステンレス鋼を提供することである。
この発明の他の目的は、環境面に配慮した、防眩効果を有する、密着性のよい、安価な被覆ステンレス鋼を製造することができる、被覆ステンレス鋼の製造方法を提供することである。
この発明にかかる被覆ステンレス鋼は、ステンレス鋼と、ステンレス鋼の表面に電解によって形成され、クロムおよび鉄を含む、緻密な酸化物および含水酸化物の少なくとも一方を有する、膜厚が50nm以上である下地皮膜と、下地皮膜の表面に電解によって形成され、膜厚が5nm〜1000nmである酸化珪素皮膜とを含み、下地皮膜の膜厚および酸化珪素皮膜の膜厚の合計の膜厚が2500nm以下である、被覆ステンレス鋼である。
この発明にかかる被覆ステンレス鋼は、たとえば、L*値が25以下であり、かつ、波長550nmの可視光の吸収率が90%以上を示す防眩効果を有することが好ましい。
この発明にかかる被覆ステンレス鋼の製造方法は、この発明にかかる被覆ステンレス鋼を製造するための被覆ステンレス鋼の製造方法であって、ステンレス鋼の表面に、硫酸若しくは燐酸を含む酸性のまたは水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムを含むアルカリ性の下地皮膜形成用水溶液中において電解によって、クロムおよび鉄を含む、緻密な酸化物および含水酸化物の少なくとも一方を有する、膜厚が50nm以上である下地皮膜を形成する下地皮膜形成工程と、ステンレス鋼の表面に形成された下地皮膜の表面に、珪素イオンを含む酸化珪素皮膜形成用水溶液中において電解によって、膜厚が5nm〜1000nmである酸化珪素皮膜を形成する酸化珪素皮膜形成工程とを含み、下地皮膜形成工程および酸化珪素皮膜形成工程は、下地皮膜の膜厚および酸化珪素皮膜の膜厚の合計の膜厚が2500nm以下になるように、下地皮膜および酸化珪素皮膜を形成する、被覆ステンレス鋼の製造方法である。
この発明にかかる被覆ステンレス鋼の製造方法では、下地皮膜形成工程は、たとえばステンレス鋼に下地皮膜形成用水溶液中において陽極電解および陰極電解を交互に繰り返して行う交番電解法が用いられることが好ましい。
この発明にかかる被覆ステンレス鋼では、下地皮膜が、ステンレス鋼の表面に、たとえば硫酸若しくは燐酸を含む酸性のまたは水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムを含むアルカリ性の下地皮膜形成用水溶液中において電解によって形成され、その後、酸化珪素皮膜が、ステンレス鋼の表面に形成された下地皮膜の表面に、たとえば珪酸ナトリウムまたは珪フッ化物などの珪素イオンを含む酸化珪素皮膜形成用水溶液中において電解によって形成される。
この発明にかかる被覆ステンレス鋼では、ステンレス鋼の表面に形成された下地皮膜の表面に酸化珪素皮膜を形成することによって、防眩効果をさらに向上させることができる。
また、この発明にかかる被覆ステンレス鋼では、下地皮膜および酸化珪素皮膜をたとえば水溶液中で形成することができるため、ステンレス鋼の表面に形成された下地皮膜の表面を活性化状態のまま酸化珪素皮膜を形成することができ、ステンレス鋼、下地皮膜および酸化珪素皮膜の密着性が非常によく、長期に安定であるとともに、設備が安価で、かつ生産性がよい。
さらに、この発明にかかる被覆ステンレス鋼は、従来のステンレス浸漬着色法でよく使われていたクロム酸を使用しなくても製造することができ、また、ステンレス鋼がリサイクル可能であることなど環境面に十分に配慮されている。
この発明によれば、環境面に配慮した、防眩効果を有する、密着性のよい、安価な被覆ステンレス鋼およびその製造方法が得られる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明にかかる被覆ステンレス鋼の一例を示す要部断面図解図である。 図1に示す被覆ステンレス鋼を製造するための電解装置の一例を示す正面図解図である。 図2に示す電解装置の浴およびその周辺部分を示す側面図解図である。 図2に示す電解装置の浴およびその周辺部分を示す平面図解図である。 実験例1において試料番号6のステンレス鋼の表面に形成した酸化皮膜の表面における走査型電子顕微鏡による4000倍拡大写真を示す図である。 実験例1において試料番号6のステンレス鋼の表面に形成した酸化皮膜の表面における走査型電子顕微鏡による54000倍拡大写真を示す図である。 実験例1において試料番号10のステンレス鋼の表面に形成した酸化皮膜の表面における走査型電子顕微鏡による4000倍拡大写真を示す図である。 実験例1において試料番号10のステンレス鋼の表面に形成した酸化皮膜の表面における走査型電子顕微鏡による54000倍拡大写真を示す図である。 (A)は、実験例1において試料番号9のステンレス鋼の表面に下地皮膜を形成した状態の断面における透過型電子顕微鏡による明視野像を示す図であり、(B)は、その元素分析結果を示すグラフである。 (A)は、実験例2において試料番号Iのステンレス鋼の表面に下地皮膜を形成し、その下地皮膜の表面に薄い酸化珪素皮膜を形成した状態の断面における透過型電子顕微鏡による明視野像を示す図であり、(B)は、その元素分析結果を示すグラフである。 (A)は、実験例2において試料番号Jのステンレス鋼の表面に下地皮膜を形成し、その下地皮膜の表面に厚い酸化珪素皮膜を形成した状態の断面における透過型電子顕微鏡による明視野像を示す図であり、(B)は、その元素分析結果を示すグラフである。
図1に示す被覆ステンレス鋼1は、たとえば板状のステンレス鋼2を含む。
ステンレス鋼2の一方の表面および他方の表面には、電解によって下地皮膜3aおよび3bがそれぞれ形成される。下地皮膜3aおよび3bは、ステンレス鋼2と後述の酸化珪素皮膜4aおよび4bとの密着性をよくするためのものである。下地皮膜3aおよび3bは、それぞれ、クロムおよび鉄を含む、緻密な酸化物および含水酸化物を有し、膜厚が50nm以上に形成される。なお、本願において、「緻密な」とは、電子顕微鏡で拡大観察しても直径が10nm以上の細孔を確認することができないことを意味する。下地皮膜3aおよび3bは、ステンレス鋼2の表面に、たとえば硫酸若しくは燐酸を含む酸性のまたは水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムを含むアルカリ性の下地皮膜形成用水溶液中において電解によって形成される。この場合、下地皮膜3aおよび3bを形成するための電解としては、ステンレス鋼2に下地皮膜形成用水溶液中において陽極電解および陰極電解を交互に繰り返して行う交番電解法や陽極電解のみを行う陽極電解法が用いられる。
ステンレス鋼2の表面に形成された下地皮膜3aおよび3bの表面には、電解によって緻密な酸化珪素皮膜4aおよび4bがそれぞれ形成される。酸化珪素皮膜4aおよび4bは、被覆ステンレス鋼1に防眩効果をさらに付与するためのものである。酸化珪素皮膜4aおよび4bは、それぞれ、膜厚が5nm〜1000nmに形成される。酸化珪素皮膜4aおよび4bは、ステンレス鋼2の表面に形成された下地皮膜3aおよび3bの表面に、たとえば珪酸ナトリウムまたは珪酸フッ化物などの珪素イオンを含む酸化珪素皮膜形成用水溶液中において電解によって形成される。この場合、酸化珪素皮膜4aおよび4bを形成するための電解としては、ステンレス鋼2の表面に形成された下地皮膜3aおよび3bに酸化珪素皮膜形成用水溶液中において陰極電解のみを行う陰極電解法が主に用いられるが、酸化珪素皮膜形成用水溶液の材料によっては陽極電解のみを行う陽極電解法が用いられてもよい。
また、下地皮膜3aおよび3bと酸化珪素皮膜4aおよび4bとは、下地皮膜3aの膜厚および酸化珪素皮膜4aの膜厚の合計の膜厚が2500nm以下になり、かつ、下地皮膜3bの膜厚および酸化珪素皮膜4bの膜厚の合計の膜厚が2500nm以下になるように形成される。
この被覆ステンレス鋼1は、ステンレス鋼2に形成された下地皮膜3aおよび3bと酸化珪素皮膜4aおよび4bとによって、たとえば、L*値が25以下であり、かつ、波長550nmの可視光の吸収率が90%以上を示す防眩効果を有する。
次に、図1に示す被覆ステンレス鋼1を製造するための図2に示す電解装置10について説明する。
図2に示す電解装置10は、電源12を含む。電源12には、この電源12の2つの出力端から出力される電流をデジタル的に測定するための電流計(図示せず)およびこの電源12の2つの出力端から出力される電圧をデジタル的に測定するめの電圧計(図示せず)が設けられている。また、それらの電流計および電圧計を含む電源12は、入出力インタフェース14を介して、制御部などを有するマイクロコンピュータ16に接続される。この電源12は、入出力インタフェース14を介してマイクロコンピュータ16によって制御され、電源12の2つの出力端から、任意の電流や任意の電圧を、極性を任意の時間で変えてまたは極性を一定にしたままで出力することができる。
電源12の一方の出力端は、導電性の接続具18aを介して、板状のステンレス鋼2としてのステンレス板20に接続される。このステンレス板20としては、たとえばSUS304ステンレス、SUS316ステンレス、SUS430ステンレスなどのステンレスが用いられる。
また、電源12の他方の出力端は、導電性の2つの接続具18b1および18b2を介して、ステンレス板20の対極としての2枚の対極板22aおよび22bにそれぞれ接続される。これらの対極板22aおよび22bは、この実施例では白金で形成されているが、鉛,鉄,ステンレスなどの他の導電性金属で形成されてもよい。
ステンレス板20と2枚の対極板22aおよび22bとは、たとえば有底円筒状の浴24内の水溶液26中で、所定間隔を隔てて対向するように配置される。この場合、2つの対極板22aおよび22bは、ステンレス板20の一方の表面および他方の表面にそれぞれ同じ間隔を隔てて対向するように配置される。
また、浴24内の水溶液26中には、銀−塩化銀からなる参照電極28が浸漬される。
さらに、接続具18aおよび参照電極28には、電圧計30が接続される。電圧計30は、参照電極28に対するステンレス板20の電位を測定するためのものである。また、この電圧計30は、入出力インタフェース14を介して、マイクロコンピュータ16に接続される。
この電解装置10では、電源12に設けられている電流計および電圧計の測定値や参照電極28などに接続されている電圧計30の測定値などに基づいて、入出力インタフェース14を介して、制御部を有するマイクロコンピュータ16によって電源12の出力が制御される。
また、この電解装置10では、浴24内に溜められた水溶液26としては、ステンレス板20(ステンレス鋼2)の表面に下地皮膜3aおよび3bを形成するために、下地皮膜形成用水溶液が用いられる。下地皮膜形成用水溶液としては、たとえば硫酸若しくは燐酸を含む酸性水溶液、または、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムを含むアルカリ性水溶液が用いられる。なお、下地皮膜形成用水溶液には、ステンレス板20の溶出した金属成分であるクロム、鉄、ニッケル、マンガンなどがイオンの形態で含まれていてもよい。
さらに、この電解装置10では、浴24内に溜められた水溶液26としては、ステンレス板20(ステンレス鋼2)の表面に形成された下地皮膜3aおよび3bの表面に酸化珪素皮膜4aおよび4bを形成するために、酸化珪素皮膜形成用水溶液が用いられる。酸化珪素皮膜形成用水溶液としては、たとえば珪酸ナトリウムまたは珪酸フッ化物などの珪素イオンを含む水溶液が用いられる。
そして、上述した水溶液26(下地皮膜形成用水溶液)中で、ステンレス板20に、陽極電解および陰極電解を交互に繰り返して行うことによってまたは陽極電解のみを行うことによって、ステンレス板20の表面に酸化皮膜からなる下地皮膜3aおよび3bが形成され、下地皮膜3aおよび3bによってステンレス板20の表面が発色される。
その後、上述した水溶液26(酸化珪素皮膜形成用水溶液)中で、ステンレス板20の表面に形成された下地皮膜3aおよび3bに、陰極電解のみを行うことによってまたは陽極電解のみを行うことによって、ステンレス板20の表面の下地皮膜3aおよび3bの表面に酸化珪素皮膜4aおよび4bが形成され、酸化珪素皮膜4aおよび4bによって、被覆ステンレス鋼1に防眩効果が付与される。
この被覆ステンレス鋼1では、ステンレス鋼2(ステンレス板20)の表面に形成された下地皮膜3aおよび3bの表面に酸化珪素皮膜4aおよび4bを形成することによって、防眩効果をさらに向上させることができる。
また、この被覆ステンレス鋼1では、下地皮膜3aおよび3bと酸化珪素皮膜4aおよび4bとをたとえば水溶液中で形成することができるため、ステンレス鋼2の表面に形成された下地皮膜3aおよび3bの表面(下地皮膜3aおよび3bと酸化珪素皮膜4aおよび4bとの界面)を活性化状態のまま、酸化珪素皮膜4aおよび4bを形成することができ、ステンレス鋼2と下地皮膜3aおよび3bと酸化珪素皮膜4aおよび4bとの密着性が非常によく、長期に安定であるとともに、設備が安価で、かつ生産性がよい。
さらに、この被覆ステンレス鋼1は、従来のステンレス浸漬着色法でよく使われていたクロム酸を使用せずに製造することができ、また、ステンレス鋼2がリサイクル可能であることなど環境面に十分に配慮されている。
(実験例1)ステンレス酸化皮膜生成条件
まず、図2に示す電解装置1を用いて、表1の試料番号2〜14に示す各条件で、ステンレス鋼の表面に電解によって酸化皮膜(下地皮膜)を形成した。なお、試料番号1では、ステンレス鋼の表面には電解による酸化皮膜を形成せず、ステンレス鋼の表面はそのままとした。
表1において、「電解薬液」は、用いられる下地皮膜形成用水溶液の主剤を示し、「濃度」は、下地皮膜形成用水溶液中の電解薬液の濃度を示す。なお、試料番号13では、試料番号9と比べて、下地皮膜形成用水溶液中の硫酸が劣化して硫酸の濃度が4.9mol/Lに減少しているとともに、Feが5g/Lの濃度で、Crが2g/Lの濃度で、さらに、Mnが0.1g/Lの濃度で、それぞれ下地皮膜形成用水溶液中に溶解されている。また、試料番号14では、試料番号9と比べて、下地皮膜形成用水溶液中の硫酸がさらに劣化して硫酸の濃度が4.8mol/Lにさらに減少しているとともに、Feが18g/Lの濃度で、Crが10g/Lの濃度で、さらに、Mnが0.3g/Lの濃度で、それぞれ下地皮膜形成用水溶液中にさらに溶解されている。
また、表1の「電解条件」の「極性」において、「反転」は、陽極電解と陰極電解とを交互に繰り返して行うことを意味し、「直流」は、陽極電解を行うが陰極電解を行わないことを意味する。さらに、表1において、「陽極時間」は、1回の陽極電解の時間を示し、「陽極電流」は、陽極電解によってステンレス鋼に流す電流密度を示し、「陰極時間」は、1回の陰極電解の時間を示し、「陰極電流」は、陰極電解によってステンレス鋼に流す電流密度を示す。
そして、ステンレス鋼の表面に形成された酸化皮膜について、色、膜厚およびL*値を調べて、表1に示した。
ステンレス鋼の表面に形成される酸化皮膜は、厚みが数10nm以上で光の干渉作用により着色することが知られており、その厚みと色との関係は、概ね、90nmで青、150nmで黄、180nmで赤、220nmで緑と報告されている(竹内武;実務表面技術,Vol33,No11,(1986)など)。
そして、表1の膜厚に関するデータは、グロー放電発光分光分析の結果を表示した。
また、表1の「L*値」は、色彩測色計(コニカミノルタ製CR200)を用いて測定したL***表示系におけるL*値である。
さらに、表1の「判定」は、色彩測色計(コニカミノルタ製CR200)を用いて、L***表示系において素材(ステンレス鋼)のL*値(明度で78.8)から上述の「L*値」が10以上小さいもの(「L*値」が68.8以下のもの)を酸化皮膜が形成されたものと判断し、「○」で表示した。
図5は、試料番号6のステンレス鋼の表面に形成した酸化皮膜の表面における走査型電子顕微鏡による4000倍拡大写真を示す図であり、図6は、試料番号6のステンレス鋼の表面に形成した酸化皮膜の表面における走査型電子顕微鏡による54000倍拡大写真を示す図であり、図7は、試料番号10のステンレス鋼の表面に形成した酸化皮膜の表面における走査型電子顕微鏡による4000倍拡大写真を示す図であり、図8は、試料番号10のステンレス鋼の表面に形成した酸化皮膜の表面における走査型電子顕微鏡による54000倍拡大写真を示す図である。図5〜図8より、試料番号6および10では、ステンレス鋼の表面にポーラスでない緻密な酸化皮膜が形成されていることが分かる。
また、他の試料番号2〜5、7〜9、11〜14についても、試料番号6および10と同様な拡大写真が得られた。
したがって、試料番号2〜14では、ステンレス鋼の表面にポーラスでない緻密な酸化皮膜が形成されていることが分かる。
図9(A)は、試料番号9のステンレス鋼の表面に下地皮膜を形成した状態の断面における透過型電子顕微鏡による明視野像を示す図であり、図9(B)は、その元素分析結果を示すグラフである。図9(B)において横軸の位置0〜10は、図9(A)の幅方向における中央の白色縦線上に11個の白色の円形状にプロットした位置において最上の位置から最下の位置に順に対応する。
また、試料番号2〜8、10〜14においても、図9に示す結果と同様の結果が得られた。
したがって、試料番号2〜14では、ステンレス鋼と緻密な下地皮膜(酸化皮膜)とがはっきりと2層に分かれて形成されていることが分かる。
さらに、試料番号2〜14では、図9からも、ステンレス鋼の表面にポーラスでない緻密な酸化皮膜が形成されていることが分かる。
(実験例2)酸化皮膜上に酸化珪素皮膜の形成条件と防眩効果の確認
まず、図2に示す電解装置1を用いて、表2の試料番号A〜Nに示す各電解条件(実験例1の試料番号1〜12、14の条件)で、ステンレス鋼の表面に電解によって酸化皮膜(下地皮膜)を形成した。なお、試料番号Aでは、ステンレス鋼の表面には電解による酸化皮膜を形成せず、ステンレス鋼の表面はそのままとした。
次に、図2に示す電解装置1を用いて、表2の試料番号A〜Nに示す各条件で、ステンレス鋼の表面の酸化皮膜(下地皮膜)の表面に電解によって酸化珪素皮膜を形成した。なお、試料番号Aでは、ステンレス鋼の表面に電解によって酸化珪素皮膜を形成した。
表2において、「電解薬液」は、用いられる酸化皮膜形成用水溶液の主剤を示し、「濃度」は、酸化皮膜形成用水溶液中の電解薬液の濃度を示す。
また、表2の第5列目の「電解条件」の「陽/陰」において、「陰」は、ステンレス鋼を陰極とする陰極電解法を示し、「陽」は、ステンレス鋼を陽極とする陽極電解法を示し、「クーロン量」は、ステンレス鋼を陰極電解法または陽極電解法によって、酸化皮膜(下地皮膜)の表面またはステンレス鋼の表面において1dm2あたりに関与するクーロン量を示す。
そして、形成された酸化珪素皮膜の膜厚、電解前後のL*値、および電解前後の550nm反射率を調べて、表2に示した。
表2の膜厚に関するデータは、グロー放電発光分光分析の結果を表示した。
また、表2の「L*値」は、色彩測色計(コニカミノルタ製CR200)を用いて測定したL***表示系におけるL*値である。
さらに、表3の「550nm反射率」は、分光測色計(コニカミノルタ製CM700d)を用い可視光波長(400〜700nm)の中央550nmでの反射率を求めた。
また、表2の「判定」は、550nmでの吸収率が90%以上(反射率が10%以下)かつL*値が25以下のものを防眩効果が非常に良いものと判断して「◎」で表示し、550nmでの吸収率が80%以上(反射率が20%以下)かつL*値が25を超えて50以下のものを防眩効果が良いものと判断して「○」で表示した。
図10(A)は、試料番号Iのステンレス鋼の表面に下地皮膜を形成し、その下地皮膜の表面に薄い酸化珪素皮膜を形成した状態の断面における透過型電子顕微鏡による明視野像を示す図であり、(B)は、その元素分析結果を示すグラフである。さらに、図11(A)は、試料番号Jのステンレス鋼の表面に下地皮膜を形成し、その下地皮膜の表面に厚い酸化珪素皮膜を形成した状態の断面における透過型電子顕微鏡による明視野像を示す図であり、(B)は、その元素分析結果を示すグラフである。
なお、図10(B)において横軸の位置0〜10は、図10(A)の幅方向における中央の白色縦線上に11個の白色の円形状にプロットした位置において最上の位置から最下の位置に順に対応し、図11(B)において横軸の位置0〜10は、図11(A)の幅方向における中央の白色縦線上に11個の白色の円形状にプロットした位置において最上の位置から最下の位置に順に対応する。
また、試料番号B〜H、K〜Nにおいても、図10図や図11に示す結果と同様の結果が得られた。
したがって、試料番号B〜Nでは、ステンレス鋼とポーラスでない緻密な下地皮膜(酸化皮膜)とポーラスでない緻密な酸化珪素皮膜とがはっきりと3層に分かれて形成されていることが分かる。
(実験例3)密着強度/耐食性試験
試料番号A〜H、K〜Mとして、実験例2の試料番号A〜H、K〜Mで得られた酸化珪素皮膜の密着性および耐食性を確認した。なお、試料番号「参」として、未処理のステンレス素材についても耐食性を確認した。それらの結果を表3に示す。
確認方法は、密着性に関しては、サンプルを沸騰水に2時間浸漬した後、鉛筆引っかき試験を行い、酸化珪素皮膜が剥離し下地皮膜が現れた鉛筆硬度を表3に示した(JIS K5400に準拠)。ここで密着が良いほど数値が大きくなっている。すなわち、8H以下の硬度の鉛筆で剥がれたものを「×」で示し、9H以上の硬度の鉛筆で剥がれたものを「○」で示した。
また、耐食性に関しては、塩化第二鉄腐食試験を行い、良否を判定し、100g/m2・hr以上を「×」で示し、10g/m2・hr以上100g/m2・hr未満を「△」で示し、10g/m2・hr未満を「○」で示した。
なお、実験例2の試料番号I、J、Nで得られた酸化珪素皮膜の密着性および耐食性を確認しても、試料番号A〜H、K〜Mと同様に、それぞれの試験が良好であった。
なお、上述の被覆ステンレス鋼1では、板状のステンレス鋼2の両面に下地皮膜3aおよび3bがそれぞれ形成され、下地皮膜3aおよび3bの表面に酸化珪素皮膜4aおよび4bがそれぞれ形成されているが、この発明では、板状のステンレス鋼の片面のみに下地皮膜が形成され、その下地皮膜の表面に酸化珪素皮膜が形成されてもよい。
また、上述の被覆ステンレス鋼1では、板状のステンレス鋼2の両面に下地皮膜3aおよび3bがそれぞれ形成され、下地皮膜3aおよび3bの表面に酸化珪素皮膜4aおよび4bがそれぞれ形成されているが、この発明では、板状以外の形状たとえば円筒状のステンレス鋼の外面および内面の少なくとも一方の表面に下地皮膜が形成され、下地皮膜の表面に酸化珪素皮膜が形成されてもよい。
さらに、上述の被覆ステンレス鋼1では、下地皮膜3aおよび3bがそれぞれ緻密な酸化物および含水酸化物を有するが、この発明では、下地皮膜は、緻密な酸化物および緻密な含水酸化物の一方のみを有してもよい。
この発明にかかる被覆ステンレス鋼は、特にたとえばレンズ周りの光学部品などに利用される。
1 被覆ステンレス鋼
2 ステンレス鋼
3a、3b 下地皮膜
4a、4b 酸化珪素皮膜
10 電解装置
12 電源
14 入出力インタフェース
16 マイクロコンピュータ
18a、18b1、18b2 接続具
20 ステンレス板(ステンレス鋼)
22a、22b 対極板
24 浴
26 水溶液
28 参照電極
30 電圧計

Claims (4)

  1. ステンレス鋼、
    前記ステンレス鋼の表面に電解によって形成され、クロムおよび鉄を含む、緻密な酸化物および含水酸化物の少なくとも一方を有する、膜厚が50nm以上である下地皮膜、および
    前記下地皮膜の表面に電解によって形成され、膜厚が5nm〜1000nmである酸化珪素皮膜を含み、
    前記下地皮膜の膜厚および前記酸化珪素皮膜の膜厚の合計の膜厚が2500nm以下である、被覆ステンレス鋼。
  2. *値が25以下であり、かつ、波長550nmの可視光の吸収率が90%以上を示す防眩効果を有する、請求項1に記載の被覆ステンレス鋼。
  3. 請求項1に記載の被覆ステンレス鋼を製造するための被覆ステンレス鋼の製造方法であって、
    ステンレス鋼の表面に、硫酸若しくは燐酸を含む酸性のまたは水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムを含むアルカリ性の下地皮膜形成用水溶液中において電解によって、クロムおよび鉄を含む、緻密な酸化物および含水酸化物の少なくとも一方を有する、膜厚が50nm以上である下地皮膜を形成する下地皮膜形成工程、および
    前記ステンレス鋼の表面に形成された前記下地皮膜の表面に、珪素イオンを含む酸化珪素皮膜形成用水溶液中において電解によって、膜厚が5nm〜1000nmである酸化珪素皮膜を形成する酸化珪素皮膜形成工程を含み、
    前記下地皮膜形成工程および前記酸化珪素皮膜形成工程は、前記下地皮膜の膜厚および前記酸化珪素皮膜の膜厚の合計の膜厚が2500nm以下になるように、前記下地皮膜および前記酸化珪素皮膜を形成する、被覆ステンレス鋼の製造方法。
  4. 前記下地皮膜形成工程は、前記ステンレス鋼に前記下地皮膜形成用水溶液中において陽極電解および陰極電解を交互に繰り返して行う交番電解法が用いられる、請求項3に記載の被覆ステンレス鋼の製造方法。
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