JP5241302B2 - 特性分布解析方法および装置、基板分類方法および装置、上記特性分布解析方法または基板分類方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、並びに上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

特性分布解析方法および装置、基板分類方法および装置、上記特性分布解析方法または基板分類方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、並びに上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

この発明は特性分布解析方法および装置に関し、基板上の特性分布に応じて基板を分類するための分類基準を作成する特性分布解析方法および装置に関する。
また、この発明は、基板上の特性分布に応じて基板を分類する基板分類方法および装置に関する。
また、この発明は、そのような特性分布解析方法または基板分類方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
また、この発明は、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
半導体ウェハ、ディスプレイデバイス、ハードディスク磁気ヘッドなどの薄膜デバイスの製造ラインでは、歩留まりの向上や安定化を目的として様々な検査が実施される。これらの検査には、例えば基板上に付着した異物等によって生じる回路パターンの欠陥を検出するパターン検査や、形成された回路の電気的な特性を検査する電気特性検査などがある。製造ラインではこれらの検査結果を日々監視しており、例えばパターン検査で検出された欠陥の個数の増大や電気特性検査で測定された電気的特性の変動に基づいて製造工程で異常が発生していないかどうかをチェックしている。基板に対して順次実行される複数の製造工程のうち、或る製造工程において異常が発生した場合には、これらの検査結果の調査や解析を行って迅速に原因を特定して対策を施すことで、歩留まり低下による損害を最小限に食い止めることができる。そのため、製造ラインには、検査情報や各製造装置の処理履歴を収集するシステムが設けられている。
製造工程で異常が発生した場合、検査結果は基板表面上の特性的な分布として現れることが多い。これらの特性分布は、発生した異常の状態によって異なり異常原因と密接に関係している。このため、工程内に発生している特性分布の傾向を俯瞰的に調査することによって、工程内の異常の有無や異常の原因などを間接的に確認することができる。したがって、検査工程での特性分布の傾向を早期に検出することは非常に有効である。しかしながら、一般的に言って、特性値の時間的変化の監視や通常の統計処理による統計値などの数値では、特性分布を表現することが難しい。このため、実際には、特性分布による異常の検出や監視は困難である。
これらの困難を克服する為、或る期間内に特性を検査された複数の基板における特性分布の発生状況を解析し、特性分布の形状や類似した特性分布の発生頻度などから特徴的な特性分布を自動的に作成する技術が幾つか提案されている。
例えば、特許文献1(特開平11−45919号公報)に、検査装置で検査された複数の基板の不良位置を加算した情報から濃度値画像を作成し、不良の発生状況を把握する方法が記載されている。しかしながら、この方法では、検査工程に至るまでの複数の製造工程で異常が発生した場合、それぞれの異常原因による特性分布が加算された画像が作成される。このため、この方法では、個々の異常原因ごとの特徴を表す特性分布が得られず、異常原因を解析するのに適さない。
別の特許文献2(特許第3834008号公報)に、欠陥分布の位置の類似性に注目し、欠陥分布の位置的な相関が高い基板を同一のカテゴリに分類する方法が記載されている。具体的には、分類対象となる各基板上に領域を設定する。次に、それぞれの基板について、各領域毎の欠陥数を順に並べたものを波形として考え、相関係数などの尺度を用いて全基板の組み合わせについて波形の類似性を調べて、類似性が高い基板を同一のカテゴリに分類する。そして、各カテゴリ内に含まれる基板と最も相関係数の高い基板の分布形状をそのカテゴリの特徴を表す分布形状とし、それらの分布形状を分類の基準として、互いに類似した基板を同じグループに分類するので、たとえ複数の工程で異常が発生していても、それぞれの異常原因ごとの分布形状に応じて基板が分類される。
特開平11−45919号公報 特許第3834008号公報
ここで、特許文献2の手法では、上記波形の類似性によって解析結果、つまり分類の基準となる特性分布が対等の位置づけで定まり、それらの特性分布に応じて基板の分類結果が一律に決定されてしまう。しかしながら、解析担当者は、例えば自らの意図に基づいて、基板を分類するための基準を広く設定して基板を大まかに分類したり、逆に基準を狭く設定して基板を細かく分類したい場合がある。また、基板を上位グループとその上位グループに含まれた下位グループに分類するというように、基板を階層的に分類したい場合がある。
そこで、この発明の課題は、基板上の特性分布に応じて基板を分類するための分類基準を階層的に設定できる特性分析解析方法および装置を提供することにある。
また、この発明の課題は、基板上の特性分布に応じて基板を分類する基板分類方法および装置を提供することにある。
また、この発明の課題は、そのような特性分布解析方法または基板分類方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
また、この発明は、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
上記課題を解決するため、この発明の特性分析解析方法は、
それぞれ特性分布をもつ複数の基板からなる基板群について、上記基板を分類するための分類基準を作成する特性分布解析方法であって、
上記各基板の特性分布がもつ特徴を表す特徴分布の集合からなる第1層特徴分布群を作成する特徴分布群作成工程と、
上記各基板がもつ特性分布と上記各特徴分布との間の類似度を定量的に評価する類似度評価工程と、
上記類似度に基づいて、上記第1層特徴分布群に含まれた幾つかの特徴分布が同一の基板上に同時に出現する関連性を定量的に評価する関連性評価工程と、
上記関連性に基づいて、上記第1層特徴分布群のうちの幾つかの特徴分布を、それぞれの特徴分布の基板上での位置を維持しながら統合して、想定された基板上での新たな特徴分布を作成する特徴分布統合工程と、
上記新たな特徴分布と、上記第1層特徴分布群から上記統合の対象となった特徴分布を取り除いた残りの特徴分布群との集合を第2層特徴分布群とし、この第2層特徴分布群に対して上記類似度評価工程、関連性評価工程および特徴分布統合工程を順次繰り返し実行する階層構造作成工程と
を有する。
ここで、「特性分布」とは、例えばパターン検査における欠陥の個数や電気特性検査における何らかの電気特性の測定値など、検査工程において検査された任意の検査項目に係る特性ついての、基板表面に沿った分布を指す。
また、「特徴分布」とは、通常の(言い換えれば、正常な)特性分布とは異なる特徴を示す分布を意味する。例えば上記パターン検査であれば、特定の位置に密集して発生する欠陥の分布などを指す。「特徴」は、基板上の特性分布の少なくとも一部に現れていれば「特徴」として把握される。
また、或る基板の特性分布と或る特徴分布とが「類似」するとは、基板表面に沿って移動するにつれて、上記特性分布と上記特徴分布とが類似した変化を示すことを意味する。「類似度」とは、「類似」する度合いを数値の大小で定量的に表したものを意味する。
また、幾つかの特徴分布が同一の基板上に同時に出現する「関連性」とは、例えば或る基板の特性分布が或る特徴分布Aの表す特徴をもつと仮定したとき、その基板の特性分布が同時に別の特徴分布Bの表す特徴をもつというような関連があることを意味する。「関連性」が高いとは、同時に出現する頻度が多いことを意味する。
また、幾つかの特徴分布を、それぞれの特徴分布の基板上での位置を維持しながら「統合」するとは、それらの特徴分布同士を、それぞれの特徴分布の基板上での位置を維持しながら、想定された基板上に配置して、それらの特徴分布が表す特徴を共に備える新たな特徴分布を作成することを意味する。
この発明の特性分布解析方法によれば、基板を分類するための分類基準として、階層構造を持つ複数層の特徴分布群が作成される。したがって、それらの複数層の特徴分布群を、それぞれ基板を分類するための分類基準として用いることで、解析担当者の意図を反映させた分類が可能となる。例えば、上位層の特徴分布群からなる広い分類基準を用いて基板を大まかに(粗く)分類したり、逆に下位層の特徴分布群からなる狭い分類基準を用いて基板を細かく分類することが可能となる。また、基板を上位グループとその上位グループに含まれた下位グループに分類するというように、基板を階層的に分類することが可能となる。この結果、基板群における特性分布、特に特徴分布の状況を俯瞰的に観測することができる。
一実施形態の特性分析解析方法は、上記階層構造作成工程によって得られた最上層の特徴分布群に対して上記類似度評価工程、関連性評価工程および特徴分布統合工程を順次繰り返し実行することを特徴とする。
この一実施形態の特性分析解析方法では、基板を分類するための分類基準として、3層以上の階層構造をもつ特徴分布群が作成される。
一実施形態の特性分析解析方法は、上記特徴分布群作成工程では、上記基板群の特性分布から互いに独立な分布を上記特徴分布として抽出することを特徴とする。
この一実施形態の特性分析解析方法では、得られる特徴分布は解析対象の基板群の特性分布の特徴を精度良く表現したものとなる。
一実施形態の特性分析解析方法は、上記類似度評価工程では、上記基板群の特性分布を表すベクトルから上記各特徴分布を表すベクトルへの射影によって上記類似度を評価することを特徴とする。
この一実施形態の特性分布解析方法では、上記類似度評価工程において、特性分布と特徴分布との類似度を精度良く定量的に評価することができる。
一実施形態の特性分析解析方法は、上記関連性評価工程では、上記各基板がもつ特性分布と上記各特徴分布との間の上記類似度同士の間の相関係数を求め、上記相関係数に基づいて上記関連性を評価することを特徴とする。
この一実施形態の特性分布解析方法では、上記関連性評価工程において、上記第1層特徴分布群に含まれた幾つかの特徴分布が同一の基板上に同時に出現する関連性を定量的に評価することができる。
一実施形態の特性分析解析方法は、上記特徴分布統合工程では、上記第1層特徴分布群内で上記特徴分布の相互の関連性が最も大きい特徴分布の組を選択し、その組をなす特徴分布同士を統合して上記新たな特徴分布を作成することを特徴とする。
この一実施形態の特性分布解析方法では、上記特徴分布統合工程において、統合すべき特徴分布の組を精度良く選択することができる。
一実施形態の特性分析解析方法は、上記特徴分布統合工程では、上記統合されるべき幾つかの特徴分布毎に、その特徴分布と上記各基板がもつ特性分布との間の類似度の平均値を算出し、上記統合されるべき幾つかの特徴分布がもつ特性値をそれぞれの特徴分布について算出された上記類似度の平均値で重み付けして加算することで、上記統合を行うことを特徴とする。
この一実施形態の特性分布解析方法では、上記特徴分布統合工程において、上記基板群の特性分布の状態を反映した新たな特徴分布を作成することができる。
一実施形態の特性分析解析方法は、上記最上層の特徴分布群に対して上記関連性評価工程を実行するとき、上記最上層の特徴分布群内でいずれの特徴分布同士の関連性も予め定めた閾値以下となるか、上記最上層の特徴分布群に含まれる特徴分布が1個になるまで、上記類似度評価工程、関連性評価工程および特徴分布統合工程を順次繰り返し実行することを特徴とする。
この一実施形態の特性分布解析方法では、上記最上層の特徴分布群内でいずれの特徴分布同士の関連性も予め定めた閾値以下となるか、上記最上層の特徴分布群に含まれる特徴分布が1個になれば、上記階層構造作成工程を終了する。したがって、適切な層数をもつ階層構造を作成できる。
この発明の特性分布解析装置は、
それぞれ特性分布をもつ複数の基板からなる基板群について、上記基板を分類するための分類基準を作成する特性分布解析装置であって、
上記各基板の特性分布がもつ特徴を表す特徴分布の集合からなる第1層特徴分布群を作成する特徴分布群作成部と、
上記各基板がもつ特性分布と上記各特徴分布との間の類似度を定量的に評価する類似度評価部と、
上記類似度に基づいて、上記第1層特徴分布群に含まれた幾つかの特徴分布が同一の基板上に同時に出現する関連性を定量的に評価する関連性評価部と、
上記関連性に基づいて、上記第1層特徴分布群のうちの幾つかの特徴分布を、それぞれの特徴分布の基板上での位置を維持しながら統合して、想定された基板上での新たな特徴分布を作成する特徴分布統合部と、
上記新たな特徴分布と、上記第1層特徴分布群から上記統合の対象となった特徴分布を取り除いた残りの特徴分布群との集合を第2層特徴分布群とする階層構造作成部と
を有する。
この発明の特性分布解析装置によれば、基板を分類するための分類基準として、階層構造を持つ複数層の特徴分布群が作成される。したがって、それらの複数層の特徴分布群を、それぞれ基板を分類するための分類基準として用いることで、解析担当者の意図を反映させた分類が可能となる。例えば、上位層の特徴分布群からなる広い分類基準を用いて基板を大まかに(粗く)分類したり、逆に下位層の特徴分布群からなる狭い分類基準を用いて基板を細かく分類することが可能となる。また、基板を上位グループとその上位グループに含まれた下位グループに分類するというように、基板を階層的に分類することが可能となる。この結果、基板群における特性分布、特に特徴分布の状況を俯瞰的に観測することができる。
この発明の基板分類方法は、
それぞれ特性分布をもつ複数の基板からなる基板群について、分類基準を用いて上記基板を分類する基板分類方法であって、
請求項1に記載の特性分布解析方法によって、上記分類基準として階層構造を持つ複数層の特徴分布群を作成し、
上記分類基準をなす上記特徴分布群に含まれた特徴分布と上記基板群に含まれた各基板上の特性分布とを比較して、上記特徴分布毎に上記基板を分類する。
この発明の基板分類方法によれば、解析担当者の意図を反映させた分類が可能となる。例えば、上位層の特徴分布群からなる広い分類基準を用いて基板を大まかに(粗く)分類したり、逆に下位層の特徴分布群からなる狭い分類基準を用いて基板を細かく分類することが可能となる。また、基板を上位グループとその上位グループに含まれた下位グループに分類するというように、基板を階層的に分類することが可能となる。この結果、基板群における特性分布、特に特徴分布の状況を俯瞰的に観測することができる。
この発明の基板分類装置は、
それぞれ特性分布をもつ複数の基板からなる基板群について、分類基準を用いて上記基板を分類する基板分類装置であって、
請求項8に記載の特性分布解析装置を備え、この特性分布解析装置によって、上記分類基準として階層構造を持つ複数層の特徴分布群を作成し、
上記分類基準をなす上記特徴分布群に含まれた特徴分布と上記基板群に含まれた各基板上の特性分布とを比較して、上記特徴分布毎に上記基板を分類する分類処理部を備える。
この発明の基板分類装置によれば、解析担当者の意図を反映させた分類が可能となる。例えば、上位層の特徴分布群からなる広い分類基準を用いて基板を大まかに(粗く)分類したり、逆に下位層の特徴分布群からなる狭い分類基準を用いて基板を細かく分類することが可能となる。また、基板を上位グループとその上位グループに含まれた下位グループに分類するというように、基板を階層的に分類することが可能となる。この結果、基板群における特性分布、特に特徴分布の状況を俯瞰的に観測することができる。
また、この発明のプログラムは、上記特性分布解析方法をコンピュータに実行させるための特性分布解析プログラムである。
また、この発明のプログラムは、上記基板分類方法をコンピュータに実行させるための基板分類プログラムである。
また、この発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記特性分布解析プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
また、この発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記基板分布プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の特性分布解析方法を模式的に表す概略フローを示している。
この実施形態の特性分布解析方法は、製造工程を経てそれぞれ「特性分布」をもつ複数の基板からなる基板群について、それらの基板を分類するための分類基準を作成する方法である。「特性分布」とは、例えばパターン検査における欠陥の個数や電気特性検査における何らかの電気特性の測定値など、検査工程において検査された任意の検査項目に係る特性ついての、基板表面に沿った分布を指す。この例では、パターン検査の結果として得られた「特性分布」を解析対象とする。パターン検査とは、図2に示すように、製造工程中に異物付着などによって基板201に生じた回路パターンの欠陥202を検出する検査工程を指す。このパターン検査では、検査結果として、基板201上の各欠陥202の座標が得られ、それらの欠陥202の分布203が「特性分布」となる。或る製造装置に異常が発生した場合、基板表面内でその異常に固有の箇所に回路パターンの欠陥が集中して発生することが多い。そこで、この例では、特性分布解析方法をパターン検査の結果に適用することで、製造工程において発生している設備異常を早期に発見することを目指す。
図1中のステップS101(特徴分布群作成工程)では、パターン認識の分野で公知の手法により、解析対象となる基板群の特性分布から、予め定めたn個の互いに異なる特徴分布の集合からなる第1層特徴分布群を作成する。
ここで、「特徴分布」とは、解析対象の基板群の特性分布のうち、通常の(言い換えれば、正常な)特性分布とは異なる特徴を示す分布を意味する。「特徴」は、基板上の特性分布の少なくとも一部に現れていれば、「特徴」として把握される。例えば図2のパターン検査結果の例では、基板の右下部の領域に密集している欠陥202(欠陥分布203をなす。)は、通常の特性分布とは異なる特徴であると考えられるので、「特徴分布」となる。欠陥分布203に含まれない領域に散在する欠陥202は、通常の特性分布であると考えられるので、「特徴分布」には含まれない。また、複数の基板が同様の特徴分布を持つ場合、それらは集約された特徴分布として作成される。従って、得られたn個の特徴分布は、解析対象の基板の特性分布で発生している異常な特性分布を一覧できるものとなる。
図3(a)〜図3(e)に、n=5のときの特徴分布301,302,…,305の例を示す。図3(a)の特徴分布301は、基板の右下部の楕円形の領域に欠陥が密集しているという特徴を表している。図3(b)の特徴分布302は、基板の中央の円形の領域に欠陥が密集しているという特徴を表している。図3(c)の特徴分布303は、基板の右上縁部に沿った1/4円弧状の領域に欠陥が密集しているという特徴を表している。図3(d)の特徴分布304は、基板の左下部の楕円形の領域に欠陥が密集しているという特徴を表している。図3(e)の特徴分布305は、基板の左上縁部に沿った1/4円弧状の領域に欠陥が密集しているという特徴を表している。
次に、図1中のステップS102(類似度評価工程)では、パターン認識の分野で公知の手法により、解析対象となる基板群に含まれた各基板がもつ特性分布と、ステップS101で求めた第1層特徴分布群に含まれたn個の特徴分布との間の類似度を求める。
ここで、或る基板の特性分布と或る特徴分布とが「類似」するとは、基板表面に沿って移動するにつれて、上記特性分布と上記特徴分布とが類似した変化を示すことを意味する。「類似度」とは、「類似」する度合いを数値の大小で定量的に表したものである。或る基板の特性分布と或る特徴分布との類似度が高ければ、その基板の特性分布はその特徴分布と略同じ分布を持つ。例えば、図2の基板201の特性分布は、図3(a)の特徴分布301と類似度が高く、特徴分布302〜305に対しては類似度が低い。なお、類似度の具体的な算出方法については、後述する。
次に、図1中のステップS103(関連性評価工程)では、ステップS102で求めた類似度に基づいて、第1層特徴分布群に含まれた幾つかの特徴分布が同一の基板上に同時に出現する関連性を定量的に評価する。
ここで、幾つかの特徴分布が同一の基板上に同時に出現する「関連性」とは、例えば或る基板の特性分布が或る特徴分布Aの表す特徴をもつと仮定したとき、その基板の特性分布が同時に別の特徴分布Bの表す特徴をもつというような関連があることを意味する。「関連性」が高いとは、同時に出現する頻度が多いことを意味する。
例えば、図4(a)に示す基板401の欠陥分布404は、図3(d)に示した特徴分布304と類似している。このような基板401が存在する場合において、例えば図4(b)に示す基板402のように、図3(d)に示した特徴分布304に類似した欠陥分布405を有するとともに、図3(a)に示した特徴分布301に類似した欠陥分布406を有する基板の発生頻度が高い場合がある。このような場合、特徴分布301と特徴分布304は関連性が高いと考えられる。このような特徴分布間の関連性を全ての組み合わせについて定量的に評価する。
次に、図1中のステップS104(特徴分布統合工程)では、ステップS103で求めた関連性が最大となる特徴分布の組を選択する。そして、その組をなす2つの特徴分布を、それぞれの特徴分布の基板上での位置を維持しながら統合して、想定された基板上での新たな特徴分布を作成する。ここで、幾つか(この例では2つ)の特徴分布を、それぞれの特徴分布の基板上での位置を維持しながら「統合」するとは、それらの特徴分布を、それぞれの特徴分布の基板上での位置を維持しながら、想定された基板上に配置して、それらの特徴分布が表す特徴を共に備える新たな特徴分布を作成することを意味する。したがって、その「新たな特徴分布」は、統合の対象となったそれぞれの特徴分布の「特徴」を共に備えるものとなる。この結果、「新たな特徴分布」は、統合の対象となった特徴分布よりも「粗い」特徴分布となる。このようにして、基板群の特性分布の状態を反映した新たな特徴分布を作成する。
例えば図5中に示すように、第1層特徴分布群G1は、図3(a)〜図3(e)に示した特徴分布301,302,…,305の集合からなるものとする。また、それらの特徴分布301〜305の中で、関連性が最大となる特徴分布の組は、特徴分布301と特徴分布304との組がであったものとする。このとき、これらの特徴分布301と特徴分布304とを、それぞれの特徴分布301,304の基板上での位置を維持しながら、想定された基板上に配置して、それらの特徴分布301,304が表す特徴を共に備える新たな特徴分布502を作成する。
なお、統合すべき特徴分布の組として、関連性が最大となる特徴分布の組を選択しているので、統合すべき特徴分布の組を精度良く選択することができる。
次に、図1中のステップS105(階層構造作成工程)では、ステップS104で作成した新たな特徴分布と、上記第1層特徴分布群から上記統合の対象となった特徴分布を取り除いた残りの特徴分布群との集合を第2層特徴分布群として作成する。例えば図5中に示すように、新たな特徴分布502と、第1層特徴分布群G1から上記統合の対象となった特徴分布301,304を取り除いた残りの特徴分布群303,302,305との集合を第2層特徴分布群G2とする。これにより、第1層特徴分布群G1を最下層とし、第2層特徴分布群G2をその直上の上位層とする階層構造を作成する。
次に、図1中のステップS106では、ステップS104で作成した第2層特徴分布群G2内に、統合すべき特徴分布の組があるか否かを判断する。第2層特徴分布群G2内に、統合すべき特徴分布の組があれば(S106でYES)、ステップS102に戻って、ステップS102からステップS105の処理を順次繰り返し実行する。
例えば第2層特徴分布群G2を対象としてステップS102,S103の処理を実行したとき、図6中に示すように、第2層特徴分布群G2内に、統合すべき特徴分布303と特徴分布305との組があったものとする。このとき、これらの特徴分布303と特徴分布305とを、それぞれの特徴分布303,305の基板上での位置を維持しながら、想定された基板上に配置して、それらの特徴分布303,305が表す特徴を共に備える新たな特徴分布602を作成する(S104)。この例では、新たな特徴分布602は、基板の上縁部に沿った半円弧状の領域に欠陥が密集しているという特徴を表している。そして、新たな特徴分布602と、第2層特徴分布群G2から上記統合の対象となった特徴分布303,305を取り除いた残りの特徴分布群302との集合を第3層特徴分布群G3とする。このようにして、第1層特徴分布群G1、第2層特徴分布群G2に加えて、第2層特徴分布群G2を直下の下位層とする第3層特徴分布群G3を作成する(S105)。
次に、再びステップS106で、現在最上層の特徴分布群(上の例では第3層特徴分布群G3)に、さらに統合すべき特徴分布の組があるか否かを判断する。現在最上層の特徴分布群内に、統合すべき特徴分布の組が最早無ければ(S106でNO)、一連の処理を終了する。これにより、適切な層数をもつ階層構造を作成できる。
なお、現在最上層の特徴分布群内でいずれの特徴分布同士の関連性も予め定めた閾値以下となるか、現在最上層の特徴分布群に含まれる特徴分布が1個になったとき、統合すべき特徴分布の組が最早無い、と判断される。図6の例では、第3層特徴分布群G3内でいずれの特徴分布502,602,302同士の関連性も予め定めた閾値以下となったものとする。
このようにして、この特性分析解析方法によれば、分類基準データとして、階層構造を持つ複数層の特徴分布群(上の例では第1層特徴分布群G1、第2層特徴分布群G2、第3層特徴分布群G3)が作成される。したがって、それらの複数層の特徴分布群を、それぞれ基板を分類するための分類基準として用いることで、解析担当者の意図を反映させた分類が可能となる。例えば、上位層の特徴分布群からなる広い分類基準を用いて基板を大まかに(粗く)分類したり、逆に下位層の特徴分布群からなる狭い分類基準を用いて基板を細かく分類することが可能となる。また、基板を上位グループとその上位グループに含まれた下位グループに分類するというように、基板を階層的に分類することが可能となる。この結果、基板群における特性分布、特に特徴分布の状況を俯瞰的に観測することができる。
なお、上述の特徴分布群作成工程(ステップS101)および類似度評価工程(ステップS102)の手法については、それぞれパターン認識の分野で幾つか既に提案されており、いずれの手法を用いてもよい。
また、上記の例は、パターン検査の結果として得られた「特性分布」を解析対象としたが、これに限られるものではない。本発明の特性分析解析方法は、パターン検査結果に限られず、基板表面に沿って平面的に分布した欠陥や電気的特性などの特性一般に、広く適用可能である。
図7は、上述の特性分布解析方法(図1参照)を実施するのに適した本発明の一実施形態の特性分布解析装置700の構成を示している。
この特性分布解析装置700は、特性分布情報収集部702と、特性分布群記憶部705と、特徴分布群作成部706と、特徴分布群記憶部707と、類似度評価部708と、関連性評価部709と、特徴分布統合部710と、階層構造作成部711と、データ出力部712とから構成される。また、この特性分布解析装置700の特性分布情報収集部702には、入力装置701、検査装置703、検査情報収集システム704がそれぞれ接続されている。さらに、データ出力部712には出力装置713が接続されている。
検査装置703は、工場の製造ライン内に配置されており、実際に基板がもつ各種特性の検査を行う。検査装置703によって得られた検査データは、検査装置703から、必要に応じて検査情報収集システム704および特性分布解析装置700の特性分布情報収集部702へ送信される。
検査情報収集システム704は、検査装置703から検査情報を収集する。この例では、検査情報収集システム704は、検査装置703で処理された基板の欠陥データや検査日時、基板の識別番号(ID)などの検査データを蓄積している。また、検査情報収集システム704は、特性分布解析装置700の特性分布情報収集部702に必要な検査データを送信する。
入力装置701は、例えばキーボードやマウスで構成される。この例では、入力装置701は、特性分布解析装置700に対して、解析対象となる基板群の条件指定などを入力するために用いられる。
特性分布情報収集部702は、入力装置701から特性分布解析装置700に送信された解析対象となる基板の条件に合致する基板の検査データを検査装置703や検査情報収集システム704から収集して、基板上の特性分布を表す特性分布情報を作成し、作成した特性分布情報を特性分布群記憶部705に送信する。このとき、必要があれば、特性分布情報収集部702は、基板の識別番号(ID)や検査日時などの検査情報を検査装置703および検査情報収集システム704から取得し、特性分布情報と関連付けして特性分布群記憶部705に渡してもよい。
特性分布群記憶部705は、特性分布情報収集部702から、解析対象の基板群についての特性分布情報を受け取り、内部に記憶する。
特徴分布群作成部706は、特性分布群記憶部705に記憶された解析対象の基板群についての特性分布情報を受け取り、その特性分布情報に対して図1中のステップS101の処理(特徴分布群作成工程)を実施して、予め定められたn個の互いに独立な特徴分布の集合からなる第1層特徴分布群を作成する。作成された第1層特徴分布群は、階層構造の最下層をなす特徴分布群として、特徴分布群作成部706から特徴分布群記憶部707に送られて、記憶される。
特徴分布群記憶部707は、特徴分布群作成部706および階層構造作成部711が作成した特徴分布群の情報を、階層構造の情報と共に記憶する。
類似度評価部708は、特性分布群記憶部705に記憶された解析対象の基板群についての特性分布情報を受け取り、図1中のステップS102の処理(類似度評価工程)を実施して各基板の特性分布と各特徴分布との類似度を定量的に評価する。この類似度についての評価結果は、各特徴分布の情報と共に、類似度評価部708から関連性評価部709に送信される。また、類似度評価部708は、特徴分布群記憶部707から後述の階層構造の最上層をなす特徴分布群に含まれる特徴分布についての情報(特徴分布情報)を受け取り、図1中のステップS102の処理(類似度評価工程)を実施して各基板の特性分布と各特徴分布との類似度を定量的に評価する。
関連性評価部709は、類似度評価部708から各基板の特性分布と各特徴分布との類似度を受け取り、図1中のステップS103の処理(関連性評価工程)を実施して、特徴分布群に含まれた幾つかの特徴分布が同一の基板上に同時に出現する関連性を定量的に評価する。この関連性についての評価結果は、各特徴分布の情報と共に、関連性評価部709から特徴分布統合部710に送信される。
特徴分布統合部710は、関連性評価部709から上記関連性についての評価結果を受け取り、図1中のステップS104の処理(特徴分布統合工程)を実施して、統合すべき特徴分布の組を選択する。そして、その組をなす2つの特徴分布を、それぞれの特徴分布の基板上での位置を維持しながら統合して、想定された基板上での新たな特徴分布を作成する。この統合結果は、各特徴分布の情報と共に、特徴分布統合部710から階層構造作成部711に送られる。なお、受け取った特徴分布群内に、統合すべき特徴分布の組が最早無ければ、統合の処理は行われない。
階層構造作成部711は、特徴分布統合部710から統合結果と各特徴分布の情報を受け取り、図1中のステップS105の処理(階層構造作成工程)を行って、統合で得られた新たな特徴分布と、元の特徴分布群から上記統合の対象となった特徴分布を取り除いた残りの特徴分布群との集合を新たな特徴分布群(例えば第2層特徴分布群)として作成する。作成された新たな特徴分布群の情報は、階層構造の情報と共に、階層構造作成部711から特徴分布記憶部707に送信される。
データ出力部712は、一連の特性分布解析処理の終了後、特徴分布群記憶部707に記憶された解析結果、つまり階層構造を持つ複数層の特徴分布群についての情報を受け取り、その情報を出力装置713で用いるデータ形式に加工して出力装置713に送る。このとき、必要があれば、データ出力部712は、特性分布解析装置700内の各構成部分から基板の識別番号や検査日時などの検査情報、あるいは解析処理で用いた類似度や関連性の評価値などを受け取り、出力装置713で用いる形式に加工してもよい。
出力装置713は、モニタや紙出力、あるいは磁気ディスクや携帯用半導体メモリなどを通して、特性分布解析装置700による特性分布解析結果を出力する。
なお、検査装置703および検査情報収集システム704のいずれか一方から特性分布解析装置700が特性分布解析処理に必要な情報を全て取得できる場合、取得できる一方のみが特性分布解析装置700に接続されていてもよい。
また、特性分布解析装置700は、入力装置701からの指示によらず、定期的に検査装置703および検査情報収集システム704から検査情報を収集し、自動的に特性分布解析処理を実行して出力装置713に出力しても良い。
また、入力装置701と出力装置713は同一の装置、例えば出力装置としての表示部に入力装置としてのキーボードを備えて一体に構成した装置としてもよい。また、入力装置701と出力装置713は、特性分布解析装置700に含まれていてもよい。
また、出力装置713は、特性分布解析装置700を通して入力装置701、検査装置703または検査情報収集システム704から特性分布解析処理に必要な情報以外の情報を受け取り、出力してもよい。
この構成の特性分布解析装置700により、上述の特性分布解析方法を実現することができる。
なお、上述の特性分布解析方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムとして構築してもよい。
また、そのようなプログラムをCD−ROMなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して配布できるようにしてもよい。上記プログラムを汎用コンピュータにインストールすることで、汎用コンピュータによって上記特性分布解析方法を実行することが可能である。
なお、本発明はパターン検査の特性分布解析装置700に限定されるものではなく、欠陥や電気的特性などが平面的に分布する情報であれば適用可能である。その場合、特性分布情報収集部702は、対象となるデータが保存されている検査装置や情報収集システムに接続される。
次に、実施例1として、図1中のステップS101〜S104を実現するための方法を具体的な例を挙げて説明する。
図8は、多変量解析手法の1つで或る独立成分分析を用いて図1中のステップS101(特徴分布群作成工程)を実現するための具体的な手順を示している。
まず、図8中のステップS1011では、解析対象の基板の欠陥座標を表す情報に基づいて格子マップを作成する。格子マップとは、図9(a)に示すように、基板201の表面を縦横に延びる格子状に区画して、各格子領域(この例では正方形領域)902毎に、その格子領域902内に存在する欠陥数を求めたものである。例えば基板201の表面に図2中に示した欠陥分布が存在していれば、図9(b)のような格子マップが作成される。図中の格子の濃淡は欠陥数の大小を表している。
次に、図8中のステップS1012では、独立成分分析の手法を用いて解析対象の基板群の格子マップからn個の独立成分を抽出する。独立成分分析とは、複数の変数を統計的に独立な変数の線形結合として表現する多変量解析手法である。この例では、格子マップにおける各格子領域902(図9(a)参照)内の欠陥数を横方向に並べて、格子領域902の数と同数の要素を持つ数字列で基板の特性分布を表す。更に、各基板の格子マップから作成された数字列を縦方向に並べることで、解析対象の基板群の特性分布を(基板数×格子数)の行列で表すことができる。この行列に対して独立成分分析を適用し、n個の独立成分を抽出する。
最後に、図8中のステップS1013では、ステップS1012で抽出したn個の独立成分の各々から格子マップを作成し、特徴分布とする。独立成分分析によって抽出した各独立成分は元の変数と同数の値で表される。即ち、ステップS1012で抽出した独立成分は格子領域902数と同数の値で表されている。これらの独立成分の値をステップS1012で作成した特性分布の数字列の対応する位置の格子の値とすることで、互いに独立した特徴分布を得ることができる。なお、独立成分分析で得られる独立成分の大きさは正規化された値であり格子の値には意味がない。したがって、上記の方法で得られた特徴分布は、格子マップ上の値の大小の傾向にのみ意味がある。
上記の例では特徴分布の作成に独立成分分析を用いた。しかしながら、同様の手法はパターン認識の分野で既に真幾つか提案されており、いずれの手法を用いても良い。例えば、図8におけるステップS1012において、独立成分分析を用いる代わりに同じく多変量解析手法の1つで或る主成分分析と呼ばれる手法を用いても、特徴分布を得ることができる。その場合、各特徴分布は互いに無相関となるように抽出される。特徴分布の作成には、解析対象となる基板の特性分布の傾向によって、最も良好な結果が得られる手法を選べばよい。
次に、図10を用いて、図1中のステップS102(類似度評価工程)における類似度の算出方法について具体的に説明する。上記の方法において、格子領域902の数をgとすると、作成した特徴分布はg次元空間(座標空間)内のベクトルとして記述することができるので、n個の特徴分布は各々を軸とするn次元部分空間(座標空間)を成す。各基板の特性分布の格子マップは、このn次元部分空間内の点として記述され得る。例えば特徴分布の数が2であるとき、図10に示すように、2個の特徴分布は2つの特徴分布ベクトル1001,1002からなる2次元部分空間を成す。或る基板の特性分布1003は、この2次元部分空間内の点として記述され得る。この2次元部分空間において、基板の特性分布1003を特徴分布1001の軸に射影した値1004は、基板の特性分布1003が特徴分布1001で表される分布の傾向を含む割合と考えることができる。同様に、基板の特性分布1003を特徴分布1002の軸に射影した値1005は、基板の特性分布1003が特徴分布1002で表される分布の傾向を含む割合と考えることができる。このことから、この例では、n個の特徴分布を軸とするn次元部分空間内に基板の特性分布を記述したとき、その特性分布の値をその座標空間上の各特徴分布の軸に射影した値を各々の特徴分布に対する類似度とする。
上記の例では基板の特性分布から各特徴分布への射影を類似度とした。しかしながら、類似度の算出方法はパターン認識の分野で既に幾つか提案されており、いずれの手法を用いても良い。例えば、各特徴分布への射影を用いる代わりに、基板の特性分布と各特徴分布との間の相関係数を類似度として用いても良い。要するに、解析対象となる基板の特性分布の傾向によって、最も良好な結果が得られる手法を選べばよい。
次に、図11を用いて、図1中のステップS103(関連性評価工程)における特徴分布の関連性の評価方法について具体的に説明する。2つの特徴分布の関連性が高い場合、解析対象の基板群に含まれた基板上にそれら2つの特徴分布が同時に出現する頻度が高い。したがって、各々の特徴分布に対する基板の類似度を軸2001,2002とする2次元空間(座標空間)上に各基板の類似度をプロットすると、図11(a)に示すように両方の特徴分布2001,2002に対する類似度に相関のある分布1003a,1003b,…となる。一方、2つの特徴分布に関連が低い場合、解析対象の基板群に含まれた基板上にそれら2つの特徴分布が同時に出現する頻度が低い。したがって、各々の特徴分布に対する基板の類似度を軸2001,2002とする2次元空間上に各基板の類似度をプロットすると、図11(b)に示すように両方の特徴分布に対する類似度に相関のない分布1003c,1003d,…となる。このことから、2つの特徴分布の相互の関連性は、各々の特徴分布に対する解析対象の基板群の類似度の相関係数によって算出され得る。そして、相関係数が大きい特徴分布の組ほど、関連性が高くなる。
図12は、図1中のステップS104(特徴分布統合工程)を実現するための具体的な手順を示している。
まず、ステップS1041では、第1層特徴分布群G1に含まれたn個の特徴分布における全ての組み合わせの中で、ステップS103で算出した関連性が最大となる特徴分布の組を選択する。
次に、ステップS1042では、ステップS1041で選択された各特徴分布毎に、その特徴分布と各基板がもつ特性分布との間の類似度の平均値を算出する。
最後に、ステップS1043では、それらの各特徴分布の値を、ステップS1042で算出した類似度の平均値で重み付けして、加算する。このようにして、関連性が最大となる組をなす2つの特徴分布を統合する。これにより、基板群の特性分布の状態を反映した新たな特徴分布を作成することができる。
次に、実施例2として、上記特性分布解析方法によって得られた特性分布の解析結果、つまり分類基準データに基づいて、基板を分類する方法について説明する。
この例では、図1のステップS102の処理と同様に、分類対象の各基板の特性分布と上記分類基準データに含まれた各特徴分布との間の類似度を評価する。このとき、類似度が或る閾値以上である基板を、その特徴分布のグループに該当すると判定する。これにより、解析対象の各基板を、上記分類基準データに含まれた各特徴分布毎のグループに分類することができる。この分類方法による分類結果は、上記特性分布解析方法による解析結果と同様、階層構造を持つ複数の分類結果で表現される。
上記基板分類方法を実施するのに適した本発明の一実施形態の特性分布解析装置は、図7と同様の構成で実現することができる。図7中の類似度評価部708において、類似度の評価を行った後、類似度が或る閾値以上の基板をその特徴分布に分類すればよい。分類結果を表すデータ780は、特徴分布と関連付けられて、特徴分布群記憶部707に記憶される。分類結果を表すデータ780は、データ出力部712を介して、出力装置713によって出力される。これにより、解析担当者は、基板の分類結果を知ることができる。
なお、上述の基板分類方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして構築しても良い。
また、そのようなプログラムをCD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して配布できるようにしても良い。上記プログラムを汎用コンピュータにインストールすることで、汎用コンピュータによって上記基板分類方法を実行することが可能である。
本発明の一実施形態の特性分布解析方法の概略フローを示す図である。 基板上のパターン検査の検査結果の例を示す図である。 (a)〜(e)は特徴分布の類型を例示する図である。 (a),(b)は特徴分布の関連性の概念を説明する図である。 特徴分布の統合の仕方を例示する図である。 特徴分布の統合の仕方を例示するとともに、分類基準データの階層構造を説明する図である。 本発明の一実施形態の特性分布解析装置の構成を示す図である。 図1中のステップS101の具体的な処理フローの例を示す図である。 格子マップの概念を模式的に示す図である。 特徴分布に対する基板の特性分布の類似度算出方法を説明する図である。 特徴分布の相互の関連性の評価方法を説明する図である。 図1中のステップS104の具体的な処理フローの例を示す図である。
符号の説明
200,401,402 基板
202 欠陥
203,404,405,406 欠陥分布
301,302,…,305,502,602 特徴分布
700 特性分布解析装置
902 格子領域
G1 第1層特徴分布群
G2 第2層特徴分布群
G3 第3層特徴分布群
S101 特徴分布群作成処理
S102 類似度評価処理
S103 関連性評価処理
S104 特徴分布統合処理
S105 階層構造作成処理

Claims (15)

  1. それぞれ特性分布をもつ複数の基板からなる基板群について、上記基板を分類するための分類基準を作成する特性分布解析方法であって、
    上記各基板の特性分布がもつ特徴を表す特徴分布の集合からなる第1層特徴分布群を作成する特徴分布群作成工程と、
    上記各基板がもつ特性分布と上記各特徴分布との間の類似度を定量的に評価する類似度評価工程と、
    上記類似度に基づいて、上記第1層特徴分布群に含まれた幾つかの特徴分布が同一の基板上に同時に出現する関連性を定量的に評価する関連性評価工程と、
    上記関連性に基づいて、上記第1層特徴分布群のうちの幾つかの特徴分布を、それぞれの特徴分布の基板上での位置を維持しながら統合して、想定された基板上での新たな特徴分布を作成する特徴分布統合工程と、
    上記新たな特徴分布と、上記第1層特徴分布群から上記統合の対象となった特徴分布を取り除いた残りの特徴分布群との集合を第2層特徴分布群とする階層構造作成工程と
    を有する特性分布解析方法。
  2. 請求項1に記載の特性分布解析方法において、
    上記階層構造作成工程によって得られた最上層の特徴分布群に対して上記類似度評価工程、関連性評価工程および特徴分布統合工程を順次繰り返し実行することを特徴とする特性分布解析方法。
  3. 請求項1または2に記載の特性分布解析方法において、
    上記特徴分布群作成工程では、上記基板群の特性分布から互いに独立な分布を上記特徴分布として抽出することを特徴とする特性分布解析方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか一つに記載の特性分布解析方法において、
    上記類似度評価工程では、上記基板群の特性分布を表すベクトルから上記各特徴分布を表すベクトルへの射影によって上記類似度を評価することを特徴とする特性分布解析方法。
  5. 請求項1から4までのいずれか一つに記載の特性分布解析方法において、
    上記関連性評価工程では、上記各基板がもつ特性分布と上記各特徴分布との間の上記類似度同士の間の相関係数を求め、上記相関係数に基づいて上記関連性を評価することを特徴とする特性分布解析方法。
  6. 請求項1から5までのいずれか一つに記載の特性分布解析方法において、
    上記特徴分布統合工程では、上記第1層特徴分布群内で上記特徴分布の相互の関連性が最も大きい特徴分布の組を選択し、その組をなす特徴分布同士を統合して上記新たな特徴分布を作成することを特徴とする特性分布解析方法。
  7. 請求項1から6までのいずれか一つに記載の特性分布解析方法において、
    上記特徴分布統合工程では、上記統合されるべき幾つかの特徴分布毎に、その特徴分布と上記各基板がもつ特性分布との間の類似度の平均値を算出し、上記統合されるべき幾つかの特徴分布がもつ特性値をそれぞれの特徴分布について算出された上記類似度の平均値で重み付けして加算することで、上記統合を行うことを特徴とする特性分布解析方法。
  8. 請求項2に記載の特性分布解析方法において、
    上記最上層の特徴分布群に対して上記関連性評価工程を実行するとき、上記最上層の特徴分布群内でいずれの特徴分布同士の関連性も予め定めた閾値以下となるか、上記最上層の特徴分布群に含まれる特徴分布が1個になるまで、上記類似度評価工程、関連性評価工程および特徴分布統合工程を順次繰り返し実行することを特徴とする特性分布解析方法。
  9. それぞれ特性分布をもつ複数の基板からなる基板群について、上記基板を分類するための分類基準を作成する特性分布解析装置であって、
    上記各基板の特性分布がもつ特徴を表す特徴分布の集合からなる第1層特徴分布群を作成する特徴分布群作成部と、
    上記各基板がもつ特性分布と上記各特徴分布との間の類似度を定量的に評価する類似度評価部と、
    上記類似度に基づいて、上記第1層特徴分布群に含まれた幾つかの特徴分布が同一の基板上に同時に出現する関連性を定量的に評価する関連性評価部と、
    上記関連性に基づいて、上記第1層特徴分布群のうちの幾つかの特徴分布を、それぞれの特徴分布の基板上での位置を維持しながら統合して、想定された基板上での新たな特徴分布を作成する特徴分布統合部と、
    上記新たな特徴分布と、上記第1層特徴分布群から上記統合の対象となった特徴分布を取り除いた残りの特徴分布群との集合を第2層特徴分布群とする階層構造作成部と
    を有する特性分布解析装置。
  10. それぞれ特性分布をもつ複数の基板からなる基板群について、分類基準を用いて上記基板を分類する基板分類方法であって、
    請求項1に記載の特性分布解析方法によって、上記分類基準として階層構造を持つ複数層の特徴分布群を作成し、
    上記分類基準をなす上記特徴分布群に含まれた特徴分布と上記基板群に含まれた各基板上の特性分布とを比較して、上記特徴分布毎に上記基板を分類する基板分類方法。
  11. それぞれ特性分布をもつ複数の基板からなる基板群について、分類基準を用いて上記基板を分類する基板分類装置であって、
    請求項9に記載の特性分布解析装置を備え、この特性分布解析装置によって、上記分類基準として階層構造を持つ複数層の特徴分布群を作成し、
    上記分類基準をなす上記特徴分布群に含まれた特徴分布と上記基板群に含まれた各基板上の特性分布とを比較して、上記特徴分布毎に上記基板を分類する分類処理部を備えた基板分類装置。
  12. 請求項1に記載の特性分布解析方法をコンピュータに実行させるための特性分布解析プログラム。
  13. 請求項10に記載の基板分類方法をコンピュータに実行させるための基板分類プログラム。
  14. 請求項12に記載の特性分布解析プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  15. 請求項13に記載の基板分布プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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