JP5241059B2 - 腫瘍崩壊ウイルスを使用して疼痛を軽減するための方法 - Google Patents

腫瘍崩壊ウイルスを使用して疼痛を軽減するための方法 Download PDF

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    • C12N2720/12232Use of virus as therapeutic agent, other than vaccine, e.g. as cytolytic agent

Description

(関連出願)
本願は、米国仮出願第60/378,675号(2002年5月9日出願)およびの優先権を主張する。これらの先の出願の開示全体が、本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、腫瘍崩壊ウイルス(特にレオウイルス)を使用して、哺乳動物における増殖障害と関連する疼痛を軽減する方法に関する。
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上記または本願の他の箇所に引用した全ての刊行物、特許および特許出願は、各々の個々の刊行物、特許出願または特許の開示が、その全体が参考として援用されると具体的かつ個別に示されたとの同程度まで、その全体が本明細書中に参考として援用される。
(発明の背景)
疼痛は、癌患者の優勢な症状であり、活発な癌処置を受けている患者の50%まで、および進行した疾患を有する患者の90%までに影響を及ぼす(Portenoyら,1994;Cleelandら,1994)。国際的で国家的な専門組織であって、米国および他の国における政府機関である、世界保健機構は、慣用的な癌治療の一部としての疼痛管理の重要性を全て承認した(Miguel,2000)。
癌患者における疼痛処置の現在の方法は、主に、オピオイド療法、非オピオイド鎮痛剤および補助鎮痛剤を含む薬物療法に基づく。しかし、モルフィンのような麻薬は、嗜癖および耐性の発達という欠点を有する。非オピオイド鎮痛剤および補助鎮痛剤の使用は、副作用ならびに胃腸および腎臓での毒性に関する懸念によって制限される(Cleary,2000)。
薬物治療に適切に応じない患者のために、代替鎮痛剤治療が考慮される。これらの治療は、麻酔学的介入、外科的介入、および神経刺激介入を包含する。例えば、他の非破壊的アプローチが可能でないかまたは失敗し、疼痛がよく局在し、そしてブロックが耐久性機能も括約筋機能も損なわない場合、フェノールまたはアルコールを使用した破壊的神経溶解が考慮される。いくつかの神経刺激技術(例えば、経皮的で電気的な神経刺激および鍼)が比較的非侵襲性であり得るにもかかわらず、他の技術(例えば、後索刺激または深部神経刺激)は依然として侵襲性である。特定の末梢神経構造または中枢神経構造に対する神経外科技術は、難治性癌に関連した疼痛を有する高度に選択された群についてのみ有利であり得る。脊髄切断術が、最もしばしば用いられる(LesageおよびPortenoy,1999)。
癌患者における疼痛を処置するための現在の手段に関連する欠点を考慮すると、負の副作用も毒性も有さず、非侵襲性であって、耐性の発達に関連しない、疼痛処置についての改善された方法についての必要性が依然として存在する。
(発明の要旨)
本発明は、腫瘍崩壊ウイルス(特に、レオウイルス)が、増殖性障害(特に、固体腫瘍塊の増殖)と関連する疼痛を軽減し得るという驚くべき知見に関する。レオウイルスは、非常に選択的な腫瘍崩壊性抗腫瘍因子であり、これは、ras活性化細胞において選択的に複製し、その後、この細胞から溶解放出する(例えば、米国特許第6,110,461号;同第6,136,307号;同第6,261,555号;および同第6,344,195号を参照のこと)。本発明では、本発明者らは、ウイルス投与が、直接的な腫瘍関連疼痛の症状の低減をもたらしたことを実証する。この疼痛の軽減は、実際の腫瘍後退を伴って、および伴わずにの両方で生じた。さらに、レオウイルスの投与に関連した顕著な副作用も有害な影響も存在しなかった。
従って、本発明は、哺乳動物における新生物に関連した疼痛を軽減するための方法を提供し、この方法は、この哺乳動物に、有効量の1以上の腫瘍崩壊ウイルスを投与する工程を包含する。好ましくは、この哺乳動物は、新生物に起因した疼痛に罹患し、そして腫瘍崩壊ウイルスでの処置の前に、疼痛を軽減するために、鎮痛手段に依存する。しかし、腫瘍崩壊ウイルスを用いた場合、疼痛を軽減するためにこの哺乳動物によって必要とされる鎮痛手段の量は、腫瘍崩壊ウイルスの不存在下での量よりも少ない。この鎮痛手段は、鎮痛性薬物または非薬物手段(例えば、手術)であり得る。この鎮痛性薬物は、オピオイド鎮痛剤、非オピオイド鎮痛剤、麻酔薬およびα−2アドレナリン作用性アゴニストからなる群から選択され得る。
好ましくは、腫瘍崩壊ウイルスは、レオウイルスである。このレオウイルスは、哺乳動物レオウイルスまたは鳥類レオウイルスであり得る。好ましくは、このレオウイルスはヒトレオウイルスである。このヒトレオウイルスは、以下の3つの血清型のいずれかであり得る:1型(Lang株またはT1L株)、2型(Jones株、T2J株)および3型(Dearing株またはAbney株、T3D株)。好ましくは、このヒトレオウイルスは、血清型3のレオウイルスである。このレオウイルスは、外側キャプシドが除去され、ウイルスがリポソームまたはミセル中にパッケージングされるかまたは外側キャプシドのタンパク質が変異されるように改変され得る。このレオウイルスは、単回用量においてまたは複数回用量において投与され得る。
このレオウイルスはまた、組換えレオウイルスであり得る。この組換えレオウイルスは、異なるサブタイプのレオウイルスによる哺乳動物細胞の共感染によって生成され得る。この組換えレオウイルスは、天然に存在するものであっても、または天然に存在しないものであってもよい。この組換えレオウイルスは、2以上の株のレオウイルス由来であり得る(特に、Dearing株、Abney株、Jones株、およびLang株からなる群から選択される2以上の株のレオウイルス)。この組換えレオウイルスはまた、(例えば、血清型1レオウイルス、血清型2レオウイルスおよび血清型3レオウイルスからなる群から選択される)異なる血清型のレオウイルスの再組み合わせから生じ得る。この組換えレオウイルスは、天然に存在する改変体コートタンパク質コード配列または変異したコートタンパク質コード配列を含み得る。
1種より多くの腫瘍崩壊ウイルスが、哺乳動物に投与され得る。同じ種類の腫瘍崩壊ウイルスについては、1より多くの型または株が投与され得る。
新生物は、固体新生物であり得る。新生物は、転移性および/または末期であり得る。このウイルスは、固体新生物内もしくは固体新生物付近への注射によって、または当該分野において公知の任意の他の方法(例えば、全身投与)によって、投与され得る。
好ましくは、哺乳動物は、イヌ、ネコ、齧歯動物、ヒツジ、ヤギ、牛、ウマ、ブタ、ヒトおよび非ヒト霊長類から選択される。より好ましくは、哺乳動物はヒトである。哺乳動物は、腫瘍崩壊ウイルスとともに、化学療法、免疫療法、ホルモン療法または放射線療法に供され得る。
また提供されるのは、腫瘍崩壊ウイルスおよび鎮痛剤を含む、哺乳動物における疼痛を軽減するための薬学的組成物である。この組成物はまた、薬学的に受容可能な賦形剤を含み得る。このウイルスは、改変されたウイルスであり得る。好ましくは、この腫瘍崩壊ウイルスは、レオウイルスである。このレオウイルスはまた、組換えレオウイルスであり得る。この組換え型レオウイルスは、異なるサブタイプのレオウイルスによる哺乳動物細胞の共感染によって生成され得る。この組換えレオウイルスは、天然に存在するものであっても、または天然に存在しないものであってもよい。この組換えレオウイルスは、2以上の株のレオウイルス由来であり得る(特に、Dearing株、Abney株、Jones株、およびLang株からなる群から選択される2以上の株のレオウイルス)。この組換えレオウイルスはまた、(例えば、血清型1レオウイルス、血清型2レオウイルスおよび血清型3レオウイルスからなる群から選択される)異なる血清型のレオウイルスの再組み合わせから生じ得る。この組換えレオウイルスは、天然に存在する改変体コートタンパク質コード配列または変異したコートタンパク質コード配列を含み得る。
さらに、提供されるのは次のような2つの構成要素を含む、新生物を患っている哺乳動物における疼痛を軽減するための薬学的組成物であり、この薬学的組成物は、以下の通りの2つの成分を含む:
(a)有効量の腫瘍崩壊ウイルスを含む第1の薬学的組成物である、第1成分;および
(b)有効量の鎮痛剤を含む第2の薬学的組成物である、第2成分。好ましくは、この鎮痛剤の量は、この第1成分が存在しない場合に必要な量よりも少ない。
各成分はまた、薬学的に受容可能な賦形剤を含み得る。さらに、これらの2つの成分は、別々に投与され得る。この鎮痛剤は、好ましくは、オピオイド鎮痛剤および非オピオイド鎮痛剤からなる群から選択される。特に、この腫瘍崩壊ウイルスは、レオウイルスであり得る。このレオウイルスはまた、組換えレオウイルスであり得る。
本発明の別の局面は、腫瘍崩壊ウイルスおよび鎮痛剤を含むキットを提供する。このキットは、本願明細書において開示されるように、本発明を実施するために用いられ得るいかなる構成要素をもさらに含み得る。例えば、このキットは、少なくとも一つのさらなる腫瘍崩壊ウイルス、化学療法剤、免疫抑制剤、免疫系を抑制するための手段、抗抗ウイルス(anti−antivirus)抗体、キットの成分のいずれかを投与するための手段、および/またはこのキットを使用するための指示書をさらに含み得る。
本発明の方法、薬学的組成物およびキットは、他の形態の疼痛治療と関連した副作用なしで、哺乳動物における増殖性障害と関連した疼痛を軽減することに有効な手段を提供する。レオウイルスの場合、レオウイルスが疾患に関連することは公知でないので、ウイルスの意図的な投与と関連したいかなる安全性の懸念も最小化される。
本発明の上記および他の、目的、特徴および利点は、本発明の好ましい実施形態の以下のより特定の説明から明らかである。
(発明の詳細な説明)
本発明は、腫瘍崩壊ウイルス(特に、レオウイルス)が、増殖性障害(特に、固体腫瘍塊の増殖)と関連する疼痛を軽減し得るという驚くべき知見に関する。レオウイルスは非常に選択的な腫瘍崩壊性抗腫瘍因子であり、これは、ras活性化細胞においてのみ複製し、続いてこの細胞から溶解放出する。本発明では、本発明者らは、ウイルス投与が、直接的な腫瘍関連疼痛の症状の軽減をもたらしたことを実証する。この疼痛の軽減は、実際の腫瘍後退を伴って、および伴わずにの両方で生じた。さらに、レオウイルスの投与に関連した顕著な副作用も有害な影響も存在しなかった。
本発明をさらに詳細に記載する前に、本願において使用される用語は、特に示さない限り、以下の通りに定義される。
(定義)
「疼痛」とは、本明細書中で使用される場合、組織損傷と主に関連しているかもしくはこのような損傷に関して記載されるか、またはその両方である、不快な感覚および情動的経験をいう(Merskeyら編,1994)。
「疼痛を軽減する」とは、本明細書中で使用される場合、健康(well−being)状態を改善するため、従って哺乳動物の生活の質を改善するために、哺乳動物における疼痛を軽減することをいう。疼痛は、例えば、より少ない量の投与された鎮痛剤が必要とされる場合、鎮痛剤ラダーにおいて、より少ない工程が必要とされる場合(以下を参照のこと)、またはより少ない頻度の鎮痛剤の使用を必要とする場合に、軽減されている。鎮痛剤の量または頻度の減少は、好ましくは少なくとも約10%であり、より好ましくは少なくとも約20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%であり、最も好ましくは100%である(すなわち、鎮痛剤が、もはや必要でない)。鎮痛工程の減少は、一工程であり得る;例えば、患者は通常、疼痛に関して工程4の処置を必要とするが、これは、工程3に減らされる。鎮痛工程の減少は、好ましくは、2工程または3工程であり、そして最も好ましくは4工程である。
「腫瘍疼痛」または「癌疼痛」は、増殖性障害に関連した疼痛である。この疼痛は、この障害の存在に直接起因してもよく、またはこの障害と間接的に関連してもよい(例えば、この疾患について実施される1つの操作から生じる)。
用語「侵害受容性」は、進行中の組織損傷によって維持されると推定される疼痛に適用される。侵害受容性疼痛は、進行中の活性化が、体組織(例えば、骨、関節または筋肉)中の一次求心性神経に関連する場合、体性と呼ばれ、そして内臓の求心性神経が損傷によって活性化される場合、内臓性と呼ばれる。一般に、内臓性疼痛は、ほとんど局在しない、びまん性または圧力型感覚と記載される。体性疼痛は、患者が正確に位置を決定し得る、圧迫する鋭い疼痛性質を有する。侵害受容性である疼痛(例えば、骨の疼痛)は、癌と関連する最も一般的な型である。
「神経障害疼痛」は、末梢神経系または中枢神経系における異常な体性感覚プロセシングにより維持されると考えられる疼痛である。神経障害疼痛は、刺すような成分を伴って、灼熱感のある、刺すような疼痛感覚として呈され得る。これは、さらに以下のように細分され得る:求心路遮断疼痛(例えば、中心疼痛、幻覚痛、および疱疹後(postherpetic)神経痛)、末梢単神経障害および多発性神経障害、ならびに複合局所疼痛症候群(反射性交感神経性ジストロフィまたはカウザルギー)。神経障害疼痛症候群は、侵害受容性疼痛症候群ほどにはオピオイド薬物に対してそれほどよく反応しない。
疼痛症候群は、「急性」または「慢性」であり得る。
「急性疼痛」症候群は、通常、一般の診断介入または治療介入によって生じる。急性疼痛はまた、新生物(例えば、椎骨虚脱および他の病理学的骨折、中空の内臓の急な閉塞、ならびに腫瘍内への出血)または関連した病理に起因し得る(例えば、感染と関連した急性疼痛:敗血症に関連した筋肉痛および関節痛、表層の創傷または膿瘍に関連した疼痛)。
急性疼痛は、診断手順(例えば、腰椎穿刺、骨髄生検および穿刺が挙げられる)に関連し得る。急性疼痛は、(例えば、胸膜癒着、腫瘍塞栓形成および腎フィステル形成挿入が挙げられる)に関連し得る。急性疼痛は、鎮痛手順(例えば、脊髄オピオイド痛覚過敏症候群およびストロンチウム−89療法後の疼痛が挙げられる)に関連し得る。急性疼痛はまた、以下を包含する治療に関連し得る:化学療法(例えば、腹膜内化学療法、口腔咽頭粘膜炎、および末梢神経障害)、ホルモン療法(例えば、有痛性の女性化乳房、およびホルモン誘発性急性疼痛炎)、免疫療法(例えば、インターフェロンおよびインターロイキンからの有痛性の関節痛および筋肉痛)、ならびに放射線療法(例えば、口腔咽頭粘膜炎、急性放射線腸炎および急性放射線肛門炎(proctolitis)、ならびに上腕神経叢障害)。
疼痛の急性拡大もまた、これらの慢性疼痛を有する患者で非常に一般的である。充分に制御された慢性疼痛を有する2分の1〜3分の2の患者は、一時的な「突破」疼痛を経験する(世界保健機構,1996)。
「慢性疼痛」症候群は、新生物の直接的な影響から主に生じる。これらはまた、治療に関連し得るか、またはその疾患もしくはその処置に無関係な障害を表し得る。
「鎮痛性薬物」は、哺乳動物における疼痛を軽減し得る物質である。「鎮痛剤」は、哺乳動物における疼痛を軽減するために用いられる、鎮痛性薬物または他の手段(例えば、手術)である。鎮痛性薬物は、オピオイド鎮痛剤および非オピオイド鎮痛剤を包含する。
「オピオイド鎮痛剤」、「オピオイド」、または「麻酔鎮痛剤」は、中枢神経系のオピオイドレセプターに結合して、アゴニスト作用を生じる、天然または合成の物質である。オピオイド鎮痛剤は、当該分野において公知である(例えば、The Merck Manual,1999を参照のこと)。オピオイド鎮痛剤の例としては、コデイン、フェンタニール、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルフィン、オキシコドン、オキシモルホン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、ナルブフィン、およびペンタゾシンが挙げられるがこれらに限定されない。
「非オピオイド鎮痛剤」は、疼痛を軽減するが、オピオイド鎮痛剤ではない、天然または合成の物質である。非オピオイド鎮痛剤は、当該分野において公知である(例えば、The Merck Manual,1999を参照のこと)。非オピオイド鎮痛剤の例としては、エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ナブメトン、ピロキシカム、アセトアミノフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン、アスピリン、トリサリチル酸コリンマグネシウム(choline magnesium trisalicylate)、ジフルニサル、メクロフェナム酸、メフェナム酸、およびフェニルブタゾンが挙げられるがこれらに限定されない。
「新生物細胞」、「腫瘍細胞」、または「増殖性障害を有する細胞」とは、異常に高速度で増殖する細胞をいう。新生物細胞を含む新たな増殖物は、「腫瘍」としても公知の「新生物」である。腫瘍は、通常の組織増殖よりも迅速な細胞増殖によって増殖する、一般に明確な塊を形成する、異常な組織増殖である。腫瘍は、構造上の組織化および正常組織との機能的協調の部分的なまたは完全な不足を示し得る。本明細書中で用いられる場合、腫瘍は、造血性腫瘍ならびに固体腫瘍を包含することが意図される。
腫瘍は、良性(良性腫瘍)または悪性(悪性腫瘍または癌)であり得る。悪性腫瘍は、3つの主なタイプに広く分類され得る。上皮構造体に由来する悪性腫瘍は、癌腫と呼ばれ、結合組織(例えば、筋肉、軟骨、脂肪または骨)から生じる悪性腫瘍は、肉腫と呼ばれ。そして造血構造体(血球の形成に関連する構造体)(免疫系の構成要素を包含する)に影響を与える悪性腫瘍は、白血病およびリンパ腫と呼ばれる。他の腫瘍としては、神経線維腫症を含むが、これに限定されない。
「増殖性障害」(「新生物」または「腫瘍」とも呼ばれる)は、正常細胞よりも迅速に増殖する細胞(すなわち、新生物細胞)によって引き起こされる、疾患または状態である。増殖性障害は、良性腫瘍および悪性腫瘍を包含する。腫瘍の構造によって分類される場合、増殖性障害は、固体腫瘍および造血性腫瘍を包含する。
「Ras活性化新生物細胞」または「ras媒介性新生物細胞」とは、ras経路の活性化に少なくとも部分的に起因して、異常に高速で増殖する細胞をいう。このras経路は、ras遺伝子の構造的変異、上昇したレベルのras遺伝子発現、ras遺伝子メッセージの上昇した安定性、またはrasもしくはras経路におけるrasの下流もしくは上流の因子活性化をもたらし、それにより、ras経路の活性を増大させる、任意の変異もしくは他の機構によって活性化され得る。例えば、EGFレセプター、PDGFレセプターまたはsosの活性化は、ras経路の活性化をもたらす。Ras媒介性新生物細胞としては、ras媒介性癌細胞(これは、ras経路の活性化に起因して悪性様式で増殖する細胞である)が挙げられるがこれに限定されない。
本明細書において用いられる場合、「末期癌」とは、手術が不可能でかつ処置がもはや可能でない癌をいう。
「転移性腫瘍」は、同じ動物内の別の場所に位置する腫瘍から転移した腫瘍である。
「腫瘍崩壊ウイルス」は、腫瘍細胞の破壊が可能であるウイルスである。一般に、腫瘍崩壊ウイルスは、正常組織と比較して、腫瘍細胞において実験的に決定された複製利点を有する、複製能力のあるウイルスである。1回の腫瘍内接種によって導入される理想的な腫瘍崩壊ウイルスは、感染した細胞内で複製し、そして感染した細胞を溶解させ、続いて悪性組織と正常組織との境界に達するまで、周囲の腫瘍細胞に感染する。腫瘍崩壊ウイルスとしては、例えば、アデノウイルス誘導体、HSV−1誘導体、自律性パルボウイルス、ポックスウイルス、ニューカッスル病ウイルス、ポリオウイルス誘導体、水疱性口内炎ウイルス、インフルエンザウイルス誘導体およびレオウイルスが挙げられる。
このウイルスは、天然に存在してもよく、または改変されていてもよい。ウイルスは、事実上供給源から単離され得、かつ実験室においてヒトによって意図的に改変されていない場合、「天然に存在する」。例えば、このレオウイルスは、「野外供給源(field source)」由来、すなわち、感染した動物由来であり得る。
このウイルスは、レシピエントへの投与の前に、(例えば、プロテアーゼ(例えば、キモトリプシンまたはトリプシン)を用いた処理によって)化学的または生化学的に前処理され得る。プロテアーゼを用いた前処理は、このウイルスの外側のコートまたはカプシドを除去し、そしてこのウイルスの感染性を増大させ得る。このウイルスは、このウイルスに対する免疫を発達させた動物による免疫応答を低減または予防するために、リポソームまたはミセル中にコーティングされ得る(ChandronおよびNibert(1998))。例えば、ビリオンは、ミセル形成濃度の硫酸アルキル界面活性剤の存在下で、キモトリプシンを用いて処理されて、新たな感染性サブビリオン粒子を生成し得る。
「免疫保護されたウイルス」は、このウイルスに対する免疫応答を低減または除去するように改変されたウイルスである。
「ウイルスによる感染」とは、細胞内へのウイルスの侵入および細胞内でのウイルスの複製をいう。同様に「ウイルスによる腫瘍の感染」とは、腫瘍の細胞内への侵入およびこの細胞内での複製をいう。
「レオウイルス」とは、天然に存在しようが、改変型であろうが、または組換え型であろうが、レオウイルス属に分類される任意のウイルスをいう。レオウイルスは、二本鎖の分節型RHAゲノムを有するウイルスである。ビリオンは、60nm〜80nmの直径に達し、そして2つの同心円状のキャプシド殻を有し、その各々が正二十面体である。このゲノムは、10〜12個の別個のセグメントの二本鎖RNAからなり、総ゲノムサイズは、16kbp〜27kbpである。個々のRNAセグメントは大きさが変動する。3つの別個であるが関連する型のレオウイルスが、多くの種から回収されている。3つ全ての型は、共通の補体結合抗原を共有する。
ヒトレオウイルスは、3つの血清型からなる:1型(Lang株またはTIL株)、2型(Jones株、T2J株)および3型(Dearing株またはAbney株、T3D株))。これらの3つの血清型は、中和アッセイおよび血球凝集素阻害アッセイ(例えば、Fields,B.N.ら,1996を参照のこと)に基づいて容易に識別可能である。
「有効量」は、意図された効果をもたらすために充分である、物質量である。疼痛を軽減するために用いられるウイルスに関しては、有効量は、疼痛を軽減または除去するのに十分なウイルス量である。
「新生物細胞または新生物への投与」は、このウイルスが、この新生物細胞または新生物の細胞(すなわち、新生物細胞)と接触するような様式で投与されることを示す。
用語「単位投与形態」とは、ヒト被験体および他の動物について単位投与量として適切な、物理的に別個の単位であって、各単位が、適切な薬学的賦形剤に関連して所望の効果を生じるように計算された所定の量のウイルスを含む単位をいう。
(腫瘍疼痛)
疼痛の発生率および重篤度は、腫瘍の種類に依存して変化する。例えば、表1はいくつかの癌の種類および疼痛とのそれらの関連を列挙する(Miguel,2000)。
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疼痛は、侵害受容性(体性または内臓性)または神経障害であり得る。腫瘍に関連した侵害受容性疼痛症候群は、骨、関節、筋肉または結合組織の新生物侵入に起因し得る。骨疼痛症候群は、最も一般的である。骨転移はしばしば痛みがなく、そして、有痛性の外傷と無痛性の外傷とを区別する要因は十分には理解されていない。多病巣性骨疼痛は通常、広範囲の転移によって引き起こされる。
脊柱は、最も一般的な骨転移部位であり、背中の疼痛が癌集団における極めて一般的な課題である。椎骨のいかなる新生物損傷も、脊髄または神経根に損傷を与えて、壊滅的な神経病学的妥協を生じる可能性を有する。特定の疼痛パターン(例えば「次第に強くなる」疼痛、横臥を伴う激痛、または根性疼痛)、特定の神経病学的所見(例えば、神経根神経病)および特定の放射線学的所見(例えば、椎骨本体50%の虚脱)は、硬膜外圧縮を疑う。硬膜外脊髄圧縮は、癌疼痛評価における症候群認識の価値の魅力的な例である。
内臓侵害受容性疼痛症候群は、中空で、粘着性でかつ支持をする結合組織を含め、内臓構造体の閉塞、浸潤、または圧縮から生じ得る。
腫瘍に関連した神経障害疼痛症候群は、神経、叢もしくは根の腫瘍浸潤または圧縮によって、または末梢神経に対する悪性疾患の遠隔影響によって、引き起こされ得る。これらの症候群は、非常に可変である。疼痛の特徴は、うずきまたは異感覚(異常な疼痛知覚(例えば、灼熱感))であり得、その位置は、損傷を受けた神経構造によって神経支配される皮節領域において任意の位置であり得、そして機能不全は、運動性、知覚性または自立性であってもそうでなくてもよい。
治療に関連した疼痛症候群は、抗新生物療法に関連し得る。化学療法、放射線療法または外科手術に関連する侵害受容性疼痛は、稀であるようである。放射線またはコルチコステロイドに基づく化学療法レジメンは、骨の骨壊死を誘導し得、そして慢性内臓疼痛は、腹腔内化学療法または腹部放射線療法に続き得る。これらの症候群は、腫瘍に関連した疼痛をシミュレーションし得、そして、再発の排除は主なチャレンジを構成する。
大部分の処置後疼痛症候群は、神経障害である。神経損傷後の慢性的な神経障害疼痛についての素因を与える因子は、知られていない。いかなる外科的切開(わずかでさえも)も、神経障害疼痛症候群を誘導し得る。例えば、乳房切除症候群は、肋間上腕神経に対する損傷によって誘発され得、上腕の中間局面、腋窩および前胸部壁の上部局面において、堅い、灼けつく感覚を生じる。この疼痛は、腫瘍再発と関係していない。対照的に、開胸術後の持続的なまたは再発する疼痛は、関連の処置であり得るが、通常は、新生物に関連する。
放射線誘発性線維症は、末梢神経損傷を引き起こし得る。得られる慢性的な神経障害疼痛は、通常、処置後数ヶ月〜数年して現れる。新生物に関連した神経損傷とは対照的に、この疼痛は一般に、それほど顕著でなく、ゆっくりと進行する。これは、しばしば、虚弱、知覚障害、皮膚の放射線変化、およびリンパ水腫を伴う。
軽度の虚弱、感覚損失または自律機能不全と関連する、有痛性の異感覚、感覚異常、痙攣および不隠下肢は、神経毒化学療法(例えば、ビンクリスチン、シスプラチン、パクリタキセル)での処置後に生じ得る。大部分の患者が、治療後の段階的な改善が中止されると報告するにもかかわらず、何人かは、持続的な、有痛性の多発性神経障害を発症する。
(鎮痛剤ラダー)
1986年に、世界保健機構は、3工程ラダーを癌疼痛の処置についてのガイドラインとして確立した(図1A)。従って、非オピオイドは、補助鎮痛剤の有無にかかわらず、工程1において用いられる。疼痛が持続または増加する場合、非オピオイド/補助鎮痛剤の有無にかかわらず、軽度から中程度の疼痛についてのオピオイドが、工程2において用いられる。疼痛がまだ持続または増加する場合、非オピオイド/補助鎮痛剤の有無にかかわらず、中程度から重度の疼痛についてのオピオイドが、工程3において用いられる。
これらの3つの工程は、神経障害疼痛についてよりも体性疼痛または内臓性苦痛について、より有効である。それゆえ、第4工程は、疼痛が、主に神経障害疼痛を有する、工程3の後に持続または増加する症例のために提唱された(Miguel,2000)。工程4において、介入手段(例えば、手術(例えば、神経を不活化するため)、脊髄薬物投与(硬膜外またはクモ膜下)および神経遮断が使用される(図1B)。従って、神経障害性疼痛は、以下の鎮痛剤処置によって処置され得る:
(1)神経活性な経口薬(三環式抗鬱剤(例えば、アミトリプチリンおよびノトリプチリン(notriptyline))、鎮痙剤(例えば、ギャバペンチン(gabapentin)、DPHおよびカルバマゼピン)および経口局所麻酔剤(例えば、メクスリチン(mexlitine))を包含する);
(2)神経遮断(疼痛に関連する情報を伝える神経付近での局所麻酔剤、または神経を破壊して神経経路を中断するための神経溶解剤(神経溶解)の使用を含む)
。神経溶解は、化学的、熱的または外科的であり得る。現在は、化学的神経溶解は、一般に、アルコールまたはフェノールに限定されている;
(3)薬物のクモ膜下投与および/または硬膜外投与を含む、脊髄薬物投与。この手段は、内臓疼痛および体性疼痛に関して同様に用いられ得る。このようにして投与され得る薬物は、以下を含み得る:
内臓疼痛および体性疼痛に関して:
オピオイド:モルフィン、ヒドロモルホン、フェンタニール、スフェンタニールローカル;
局所麻酔剤:リドカイン、ブピバカイン、テトラカイン。
α−2アドレナリン作用性アゴニスト:クロニジン、デキサメデトミジン(dexmedetomidine)、グアナベンズ;
鎮痙剤:バクロフェン。
(4)疼痛を軽減するために電気を使用することを含む、脊髄刺激。一般に、患者は、小さいバッテリーにより動作されるコントロールを用いて刺激(オン/オフおよび強度)を制御する。
(方法)
本発明は、腫瘍崩壊ウイルスを使用して癌疼痛を軽減するための方法を提供する。好ましくは、この疼痛は、このウイルスの不存在下で必要とされる量、頻度または工程と比較して、より少ない量または頻度の鎮痛剤手段が必要な程度まで減少するか、または鎮痛剤ラダーにおいて、より少ない工程が必要である。
レオウイルスの腫瘍内注射が、Ras活性化細胞において、様々な動物のモデルにおいて、腫瘍後退を生じ得るという本発明者らの最近の知見に基づいて、第1相臨床研究を実施して、従来の治療に応じることに失敗した転移癌を有するヒト患者におけるこのウイルスのあらゆる腫瘍崩壊効果を調べた。この試行は、このウイルスが、腫瘍内に投与された場合に種々の腫瘍適応症における腫瘍後退を促進することを確立した。驚くべきことに、ウイルス投与が、この患者集団において疼痛に関連した直接的な腫瘍の減少した症状をもたらし得ることもまた注目された。この疼痛の低下は、実際の腫瘍後退の有無にかかわらず起こった。1つの例において、疼痛の減少は、患者に麻薬吸入をやめさせるのに十分であった。さらに、これらの患者においてこのウイルスの投与に関連した、重要な副作用についても、有害な影響についてもの報告がなかった。
これらの知見に基づいて、出願人は、腫瘍崩壊ウイルスを投与することによって、哺乳動物における増殖性障害と関連した疼痛を処置するための方法を開発した。代表的な哺乳動物としては、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、ブタ、非ヒト霊長類およびヒトが挙げられる。好ましい実施形態において、この哺乳動物はヒトである。好ましい実施形態において、この疼痛は、固体腫瘍塊の増殖と関連している。
本発明の方法において、ウイルスは、個々の哺乳動物に投与される。好ましい実施形態において、レオウイルスが用いられる。用いられ得るヒトレオウイルスの代表的な種類は、以下を含む:1型(例えば、Lang株またはT1L株)、2型(例えば、Jones株またはT2J株)および3型(例えば、Dearing株またはAbney株、T3D株またはT3A株);他の株のレオウイルスもまた用いられ得る。好ましい実施形態において、このレオウイルスは、ヒトレオウイルス血清型3であり、より好ましくはこのレオウイルスは、ヒトレオウイルス血清型3のDearing株である。あるいは、このレオウイルスは、非ヒト哺乳動物のレオウイルス(例えば、非ヒト霊長類のレオウイルス(例えば、ヒヒレオウイルス;ウマレオウイルス;またはイヌレオウイルス)、または非哺乳動物レオウイルス(例えば、鳥類レオウイルス))であり得る。異なる血清型および/または異なる株のレオウイルスの組合せ(例えば、動物の異なる種由来のレオウイルス)が、用いられ得る。
このレオウイルスは、2以上の遺伝的に別個のレオウイルス由来のゲノムセグメントの組換え/再組み合わせから生じる組換えレオウイルスであり得る。この組換えレオウイルスは、異なる抗原決定基を含み、それによってレオウイルスサブタイプに以前に曝露された哺乳動物による免疫応答を低減または予防するように、異なる病原性表現型を有する2以上の種類のレオウイルス由来であり得る。組換えレオウイルスはまた、元のレオウイルスを比較して、異なる生物学的活性(例えば、新生物細胞における複製活性および生体分布)を示し得る。レオウイルスのゲノムセグメントの組換え/再組み合わせは、少なくとも2つの遺伝的に別個のレオウイルスによる宿主生物の感染後に天然に生じ得る。組換えビリオンはまた、(例えば、遺伝的に別個のレオウイルスによる許容性宿主細胞の共感染(Nibertら,1996)により)細胞培養において生成され得る。
従って、本発明は、2以上の遺伝的に別個のレオウイルス(ヒトレオウイルス(例えば、1型(例えば、Lang株)、2型(例えば、Jones株)、および3型(例えば、Dearing株またはAbney株))、非ヒト哺乳動物レオウイルス、または鳥類レオウイルスを含むがこれらに限定されない)由来のゲノムセグメントの再組み合わせから生じた組換えレオウイルスの使用を意図する。本発明はさらに、2以上の遺伝的に別個のレオウイルス由来のゲノムセグメントの再組み合わせから生じる組換えレオウイルスを意図し、ここで、少なくとも1つの親ウイルスは、遺伝子操作されているか、1以上の化学合成されたゲノムセグメントを含むか、化学的変異原もしくは物理的変異原で処理されているか、またはそれ自体が組換え事象の結果である。本発明はさらに、化学的変異原(硫酸ジメチルおよび臭化エチジウムを含むがこれらに限定されない)または物理的変異原(紫外光および他の形態の放射線を含むがこれらに限定されない)の存在下で組換えを受けた組換えレオウイルスを意図する。
本発明はさらに、宿主細胞ゲノムとの組換えの結果としてさらなる遺伝的情報を含むか、または合成遺伝子を含む、1以上のゲノムセグメントにおける欠失または重複を含む組換えレオウイルスを意図する。
このウイルスは、変異したコートタンパク質(例えば、レオウイルスについては、σ1)のビリオン外側キャプシドへの取り込みにより改変され得る。このタンパク質は、置換、挿入または欠失によって変異され得る。置換としては、ネイティブアミノ酸の代わりの、異なるアミノ酸の挿入が挙げられる。挿入としては、このタンパク質への1以上の位置でのさらなるアミノ酸残基の挿入が挙げられる。欠失としては、このタンパク質における1以上のアミノ酸残基の欠失が挙げられる。このような変異は、当該分野で公知の方法により作製され得る。例えば、コートタンパク質のうちの1つをコードする遺伝子のオリゴヌクレオチド部位特異的変異誘発は、所望の変異体コートタンパク質の生成をもたらし得る。インビトロでのレオウイルス感染哺乳動物細胞(例えば、COS1細胞)における変異タンパク質の発現は、レオウイルスビリオン粒子への変異タンパク質の組込みをもたらす(TurnerおよびDuncan,1992;Duncanら,1991;Mahら,1990)。
このウイルスは、好ましくはこのウイルスに対する免疫反応が低減または除去されるように改変されたウイルス(「免疫保護されたウイルス」)である。このような改変は、哺乳動物免疫系からウイルスをマスクするためのリポソーム、ミセルまたは他のビヒクルにおけるウイルスのパッケージングを包含し得る。あるいは、ウイルスビリオン粒子の外側キャプシドが除去され得る。なぜなら、外側キャプシド中に存在するタンパク質は、宿主の体液性応答および細胞性応答の主な決定基である。
レオウイルスに加えて、他の腫瘍崩壊ウイルスを、疼痛を軽減するために用い得る。いくつかのこのような腫瘍崩壊ウイルスは、以下に考察され、そして当業者は、さらなる腫瘍崩壊ウイルス、ならびに本明細書中の開示および当該分野で入手可能な知識を用いて本発明を実施し得る。これらの腫瘍崩壊ウイルスは、例えば、以下のファミリーのメンバーであり得る:
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レオウイルスと同様に、他の腫瘍崩壊ウイルスの免疫保護または再組み合わせウイルスもまた、本発明に包含される。さらに、レオウイルスを含め、少なくとも2つの腫瘍崩壊ウイルスの組合せもまた、本発明に従って疼痛を軽減するために使用され得る。
通常、ウイルスが細胞に侵入した場合、二本鎖RNAキナーゼ(PKR)が活性化され、そしてタンパク質合成をブロックし、そして、このウイルスは、この細胞において複製することができない。いくつかのウイルスは、PKRを阻害する系を発達させ、そしてウイルスタンパク質合成ならびにウイルス複製を容易にする。例えば、アデノウイルスは、低分子RNAであるVA1 RNAを大量に作製する。VA1 RNAは、広範囲な二次構造を有し、そして通常PKRを活性化する二本鎖RNA(dsRNA)と競合してPKRと結合する。これは、最小限の長さのdsRNAがPKRを活性化することを必要とするので、VA1 RNAはPKRを活性化しない。その代わりに、これは、大量であることにより、PKRを隔離する。従って、タンパク質合成はブロックされず、そしてアデノウイルスは、その細胞において複製し得る。
ras活性化新生物細胞は、PKRによるタンパク質合成阻害に供されない。なぜなら、rasは、PKRを不活化するからである。それゆえ、これらの細胞は、そのウイルスがPKR阻害系を有さない場合であっても、ウイルス感染に感受性である。したがって、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、単純疱疹ウイルスまたはパラポックスウイルスorfウイルスにおけるPKRインヒビターがPKR機能をもはやブロックしないように変異した場合、得られるウイルスは、PKRによるタンパク質合成阻害に起因して、通常の細胞に感染しないが、これらは、PKR活性を欠くras活性化新生物細胞においては複製する。
従って、PKR機能を阻害しないように改変または変異されたウイルスは、ras活性化された新生物細胞において選択的に複製し、一方、正常細胞は耐性である。好ましくは、このウイルスは、VA1領域が変異したアデノウイルス、K3Lおよび/もしくはE3L領域が変異したワクシニアウイルス、γ134.5遺伝子が変異した単純疱疹ウイルス、OV20.2L遺伝子が変異したパラポックスウイルスorfウイルス、またはNS−1遺伝子が変異したインフルエンザウイルスである。
これらのウイルスは、ウイルスPKRインヒビターの既知の構造−機能相関に従って改変または変異され得る。例えば、E3タンパク質のアミノ末端領域は、PKRのカルボキシ末端領域ドメインと相互作用するので、このドメインの欠失または点変異は、抗PKR機能を妨害する(Changら,1992,1993,1995;Sharpら,1998;Romanoら,1998)。ワクシニアウイルスのK3L遺伝子は、PKRの偽基質であるpK3をコードする。K3L内に機能喪失(loss−of−function)変異が存在する。eIF−2α中の残基79〜83に相同であるK3Lタンパク質のC末端部分内の短縮化または点変異の配置は、PKR阻害活性をなくす(Kawagishi−Kobayashiら,1997)。
この腫瘍崩壊ウイルスは、腫瘍サプレッサー遺伝子を保有することにより、新生物細胞を選択的に殺傷し得る。例えば、野生型p53遺伝子を発現するウイルスは、p53遺伝子産物の不活化に起因して新生物性となった新生物細胞を選択的に殺傷し得る。このようなウイルスは構築されており、そして変異体p53を発現する癌細胞におけるアポトーシスを誘導し得ることが示されている(Blagosklonnyら,1996)。
同様のアプローチは、腫瘍サプレッサーのウイルスインヒビターを含む。例えば、ONYX−015ウイルス(WO 94/18992)においてのように、55kd p53インヒビターをコードするE1B領域が欠失した場合、このインヒビターはもはや存在しない。その結果、ONYX−015が正常な細胞に侵入した場合、p53は、細胞増殖ならびにウイルス複製を抑制するように機能し、これは、細胞増殖機構に依存する。それゆえ、ONYX−015は、正常な細胞において複製しない。他方、p53機能が破壊された新生物細胞では、ONYX−015は複製し得、最終的に細胞死を引き起こし得る。
別の例は、E1A領域において24塩基対の欠失を保有する変異体アデノウイルスであるDelta24ウイルスである(Fueyoら,2000)。この領域は、細胞腫瘍サプレッサーRbへの結合およびRb機能の阻害を担い、それにより、細胞増殖機構、それゆえ、ウイルスの複製を見制御の様式で進行させる。Delta24は、Rb結合領域において欠失を有し、そしてRbに対して結合しない。それゆえ、変異体ウイルスの複製は、正常細胞においてはRbによって阻害される。しかし、Rbが不活化され、細胞が腫瘍性になると、Delta24はもはや阻害されない。その代わりに、変異体ウイルスは、効率的に複製し、そしてRb欠損細胞を溶解させる。
さらに、水疱性口内炎ウイルス(VSV)は、新生物細胞を選択的に殺傷する(そして、インターフェロンは必要に応じて添加され得る)。リボヌクレオチドレダクターゼ発現が欠損した単純疱疹ウイルス1(HSV−1)変異体(hrR3)は、結腸癌細胞において複製するが、正常な肝細胞においては複製しないことが示された(Yoonら,2000)。ニューカッスル病ウイルス(NDV)は、悪性細胞において優先的に複製し、そして最も通常用いられる株は、73−Tである(Reichardら,1992;Zornら,1994;Bar−Eliら,1996)。ワクシニアウイルスは、いくつかの悪性腫瘍細胞株において増殖した。脳炎ウイルスはマウス肉腫腫瘍において腫瘍崩壊効果を有することが示されたが、しかし、正常細胞におけるその感染性を減らすために注意が必要とされ得る。腫瘍後退は、帯状疱疹ウイルス、肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、水痘ウイルスおよび麻疹ウイルスに感染した腫瘍患者において記載された(概説について、Nemunaitis,1999を参照のこと)。
このウイルスは、天然に存在してもよく、または改変されていてもよい。このウイルスは、新生物細胞への投与の前に、(例えば、プロテアーゼ(例えば、キモトリプシンまたはトリプシン)を用いた処理によって)化学的または生化学的に前処理され得る。プロテアーゼを用いた前処理は、このウイルスの外側のコートまたはカプシドを除去し、そしてこのウイルスの感染性を増大させ得る。このウイルスは、このウイルスに対する免疫を発達させた動物による免疫応答を低減または予防するために、リポソームまたはミセル中にコーティングされ得る(ChandronおよびNibert(1998))。例えば、ビリオンは、ミセル形成濃度の硫酸アルキル界面活性剤の存在下で、キモトリプシンを用いて処理されて、新たな感染性サブビリオン粒子を生成し得る。
本発明の方法による軽減に特に感受性である疼痛は、固体癌(例えば、肉腫、黒色腫、乳癌、中枢神経系癌(例えば、神経芽細胞腫および神経膠芽腫)、末梢神経系癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、甲状腺癌、腎臓癌、副腎癌および肝癌)に関連する。特に、表1における疼痛と非常に(例えば、少なくとも約50%)関連する癌は、本発明の方法を用いて処置されることが意図される。
ウイルスが投与される経路、ならびに処方、キャリアまたはビヒクルは、新生物の場所ならびに新生物の種類に依存する。多種多様な投与経路が使用され得る。例えば、アクセス可能な固体新生物については、このウイルスは、新生物への直接注射によって投与され得る。造血性新生物については、例えば、このウイルスは、静脈内または脈管内に投与され得る。身体内の容易にはアクセスできない新生物(例えば、転移物または脳腫瘍)については、このウイルスは、それが哺乳動物の身体を通して全身的に輸送されることができ、このことにより新生物に達し得るような様式で(例えば、髄腔内、静脈内または筋肉内で)投与される。あるいは、このウイルスは、単一の固体新生物に直接投与され得、次いでこのウイルスは、転移物へと身体を通して全身的に運ばれる。このウイルスはまた、非か、腹腔内、局所に(例えば、黒色腫について)、経口的に(例えば、口腔新生物または食道新生物)、直腸に(例えば、結腸直腸新生物について)、膣に(例えば、頸部新生物または膣新生物について)、鼻腔に、または吸入スプレーにより(例えば、胚新生物について)投与され得る。
このウイルスは、全身的に(特に、免疫無防備状態であるかまたはこのウイルスに対する免疫を発達させていない哺乳動物に)投与され得る。このような場合、(例えば、静脈内注射により)全身的に投与されたウイルスは、新生物細胞と接触して、その細胞の溶解をもたらす。
ウイルスサブタイプにすでにさらされる免疫能力がある哺乳動物は、そのウイルスサブタイプに体液のおよび/または細胞免疫を現すことができた。ウイルスサブタイプに対して予め曝露された免疫能力のある哺乳動物は、そのウイルスサブタイプに対して体液性免疫および/または細胞性免疫を発達させているかもしれない。そのウイルスが免疫能力のある哺乳動物に全身的に投与された場合、この哺乳動物は、そのウイルスに対する免疫応答を生じ得る。このような免疫応答は、そのウイルスが、その哺乳動物が免疫を発達させていないサブタイプであるか、またはそのウイルスが、本明細書中上記に記載したように、例えば、外側キャプシドのプロテアーゼ消化もしくはミセル中でのパッケージングにより、免疫保護されないように改変されているならば、回避され得る。
あるいは、そのウイルスに対する哺乳動物の免疫能力が、免疫系一般を抑制することが当該分野で公知の薬剤の共投与(Cuffら,1998)あるいは抗抗ウイルス抗体の投与のいずれかにより抑制され得ることが意図される。ウイルスに対する哺乳動物の体液性免疫はまた、抗ウイルス抗体を除去するための血液の血漿交換によって一時的に低減または抑制され得る。ウイルスに対する哺乳動物の体液性免疫は、哺乳動物に対する非特異的免疫グロブリンの静脈内投与により、さらに一時的に低減または抑制され得る。
このウイルスが、抗抗ウイルス抗体の投与とともに、このウイルスに対して免疫された免疫能力がある哺乳動物に投与され得ることが意図される。本発明において用いられる抗抗ウイルス抗体は、例えば、抗抗レオウイルス抗体、抗抗アデノウイルス抗体、抗抗HSV抗体、抗抗ワクシニアウイルス抗体、抗抗インフルエンザ抗体および抗抗パラポックスウイルスorfウイルス抗体から選択される。このような抗体は、当該分野において公知方法によって作製され得る(例えば、Harlowら,1988を参照のこと)。このような抗抗ウイルス抗体は、このウイルスの投与の前に、投与と同時に、または投与の直後に投与され得る。好ましくは、抗抗ウイルス抗体の有効量は、哺乳動物による、投与されたウイルスに対する免疫応答を、低減または除去するに充分な時間において投与される。
本発明の一実施形態において、ウイルス療法のコースは、一つ以上の時点で、投与される。ウイルス療法の1回目の投与後の、その後のウイルス投与を妨害し得る特定の免疫構成要素は、患者から取り除かれる。これらの免疫構成要素としては、B細胞、T細胞、抗体などが挙げられる。
B細胞集団またはT細胞集団の除去は、いくつかの方法によって達成され得る。1つの方法では、血液は、濾過され得、そして、ヘム透析(heme−dialysis)が実施され得る。別の方法は、(例えば、除去されるべき細胞集団上の特定のレセプターを認識する固定された抗体を有する)細胞集団を取り除くことができる余分の対外化合物に結合した血液の濾過である。細胞集団の除去のためのさらに別の方法は、免疫抑制による。これは、第1線の放射線療法によって、またはシクロスポリンのような環状ステロイドによって行われ得る。
抗ウイルス抗体の選択除去はまた、患者の免疫系が、治療として投与されたウイルスを除去するのを防止し得る。投与されたウイルスとの抗体相互作用を防止することはまた、全身処置ストラテジーを補助し得る。抗体は、いくつかの方法(ヘム透析および固定されたウイルスへの血液の通過(選択的抗体除去);ヘム透析および固定されたプロテインA(PROSORBAとして市販される,Cypress Bioscience,San Diego,CA)への血液の通過による全てのIgG抗体の除去により;またはヒト化抗イディオタイプ抗体の投与により(ここで、イディオタイプは、投与されるべきウイルスに対してである)が挙げられる)によって除去され得る。
本発明の別の方法は、ウイルスの免疫認識をマスキングまたは損なうことによって正常な免疫機能を損なわずに、ウイルスを全身的に作用させることである。投与されたウイルスを患者の免疫系が認識するのを防止するために、このウイルスは、非ウイルス毒性の(non−virotoxic)ヒト化抗体(例えば、抗体のFab部分を用いたコーティング)で被覆され得るか、またはミセルで覆われ得る。
さらに、このウイルスは、感染性サブウイルス粒子(ISVP)を得るために、キモトリプシンで処理され得る。ISVPは、患者の免疫系によってほとんど認識されないかまたは以前に防止されていないかのいずれかの因子を提供するために、単独で、またはウイルス全体との組み合わせのいずれかで用いられ得る。
本発明の別の実施形態は、投与後の患者からのウイルスの除去を含む。免疫が抑制されているかまたは免疫能力がないかのいずれかの患者に対してこの方法を用い得るので、処置コース後に血流からウイルスを取り除くことは重要であり得る。このウイルスは、ヘム透析、B細胞増殖薬剤、またはこのウイルスに対する免疫応答を刺激するためのアジュバント(例えば、UV不活化ウイルスまたはフロイントアジュバント)と関連する対外抗ウイルス抗体を使用する親和性クロマトグラフィーによって除去され得る。
(組成物およびキット)
本発明はまた、活性成分として、1以上の腫瘍崩壊ウイルスおよび少なくとも一つの鎮痛剤を含む、薬学的組成物を包含する。あるいは、この薬学的組成物は、2つの成分を含み得、その各々は、それぞれ、腫瘍崩壊ウイルスを含む薬学的組成物および鎮痛剤を含む薬学的組成物である。この2つの成分は、一緒にまたは別々に投与され得る。
この薬学的組成物はまた、薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤を含み得る。本発明の組成物を作製する際に、これらの活性成分は、通常、賦形剤と混合されるか、賦形剤によって希釈されるか、またはカプセル剤、サシェ、紙もしくは他の容器のような形態のキャリア内に封入される。薬学的に受容可能な賦形剤が希釈剤として役立つ場合、それは、活性成分についてのビヒクル、キャリアまたは媒体として作用する、固体、半固体または液体の物質であり得る。従って、この組成物は、錠剤、丸剤、散剤、菓子錠剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳濁剤、液剤、シロップ剤、エアゾール剤(固体媒体または液体媒体として)、例えば、10重量%までの活性化合物を含む軟膏、軟質ゼラチンカプセル剤および硬質ゼラチンカプセル剤、坐剤、無菌の注射可能液剤、ならびに無菌の無菌の包装された散剤の形態であり得る。
適切な賦形剤のいくつかの例としては、以下が挙げられる:ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、滅菌生理食塩水、シロップ、およびメチルセルロース。この処方物は、以下をさらに含み得る:滑沢剤(例えば、滑石、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油);湿潤剤;乳化剤および懸濁剤;保存剤(例えば、安息香酸メチルおよび安息香酸プロピルヒドロキシル);矯味矯臭剤;ならびに芳香剤。本発明の組成物は、当該分野で公知の手順を用いることにより、患者への投与後に活性成分の迅速な放出、持続放出または遅延した放出を提供するように処方され得る。
固体組成物(例えば、錠剤)を調製するために、主な活性成分は、薬学的賦形剤と混合されて、本発明の化合物の均質な混合物を含む、固体の事前処方組成物を形成する。これらの事前処方組成物を均質という場合、これは、この組成物が、等しく有効な単位投与形態(例えば、錠剤、丸剤およびカプセル剤)へと容易にさらに分けられ得るように活性成分が組成物全体に均等に分散していることを意味する。
本発明の錠剤または丸剤は、長期作用の利点を提供する投与形態を提供するために、コーティングされ得るか、さもなければ化合され得る。例えば、この錠剤または丸剤は、内部投与成分および外部投与成分を含み得、後者は、前者を覆うエンベロープの形態である。これらの2つの成分は、胃における崩壊に抵抗するように作用して内部成分がインタクトなまま通過して十二指腸に届くことまたは放出が遅延することを可能にする腸溶性層によって分離され得る。種々の物質は、このような腸溶性層またはコーティングのために用いられ得、このような物質としては、多数のポリマー酸、ならびにポリマー酸とシェラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースような物質との混合物が挙げられる。
本発明の新規組成物が経口または注射による投与のために組み込まれ得る液体形態としては、水溶液、適切に風味を付けられたシロップ、水性懸濁物または油性懸濁物、および食用油(例えば、トウモロコシ油、綿実油、胡麻油、ココナッツオイルまたは落花生油)を用いて風味が付けられた懸濁物、ならびにエリキシルおよび類似の薬学的ビヒクルが挙げられる。
吸入またはガス注入のための組成物としては、薬学的に受容可能な、水性もしくは有機性の溶媒、またはそれらの混合物中の、液剤および懸濁剤、ならびに散剤が挙げられる。液体もしくは固体の組成物は、本明細書中に記載の通りの適切な薬学的に受容可能な賦形剤を含み得る。好ましくは、この組成物は、局所効果または全身効果のために、経口経路または鼻腔吸入経路により投与される。好ましくは薬学的に受容可能な溶媒中の組成物は、不活性気体の使用により噴霧され得る。噴霧された溶液は、噴霧デバイスから直接的に吸入され得るか、または噴霧デバイスは、フェイスマスクテントもしくは断続的陽圧呼吸器に取り付けられ得る。液体組成物、懸濁組成物または粉末組成物は、好ましくは経口的にまたは鼻腔的に、処方物を適切な様式で送達するデバイスから投与され得る。
本発明の方法において用いられる別の好ましい処方物は、経皮送達デバイス(「パッチ」)を用いる。このような経皮パッチは、ウイルスの連続注入または不連続注入を制御された量で提供するために用いられ得る。薬学的薬剤の送達のための経皮パッチの構築および使用は、当該分野で周知である。例えば、本明細書中に参考として援用される、米国特許5,023,252号を参照のこと。このようなパッチは、薬学的薬剤の連続送達、拍動送達、または必要に応じた送達のために構成され得る。
本発明において使用するための他の適切な処方物は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出され得る。
ウイルスまたはこのウイルスを含む薬学的組成物は、適切なコンテナに包装される必要な材料を提供している便利なキットに包装され得る。このキットがまた、化学療法剤および/または抗抗ウイルス抗体を含み得ることは、意図される。
このウイルスは、疼痛を軽減するのに十分である量(例えば、「有効量」)において投与される。疼痛の軽減は、実際の腫瘍後退の有無にかかわらず起こり得る。疼痛の軽減は、新生物のサイズの減少または新生物の除去と同時であってもよい。新生物のサイズの減少または新生物の完全な除去は、一般に、ウイルスによる新生物細胞の溶解(「腫瘍崩壊」)によって引き起こされる(米国特許同第6,110,461号;同第6,136,307号;同第6,261,555号;および同第6,344,195号)。
好ましくは、有効量は、疼痛を完全に抑制し得る量である。好ましくは、有効量は、約1プラーク形成単位(pfu)〜約1015pfu、より好ましくは約10pfu〜約1013pfuである。例えば、ヒトの処置については、存在する腫瘍のタイプ、サイズおよび数に依存して、約10〜1017pfuのレオウイルスを用い得る。有効量は、個体に基づいて決定され、そしてウイルスのタイプ;選択された投与経路;個体のサイズ、年齢、性別;患者の症状の重篤度;新生物のサイズおよび他の特徴などに少なくとも部分的に基づき得る。治療コースは、数日から数カ月まで、または疼痛および/もしくはその疾患の軽減が達成されるまで、持続され得る。
このウイルスは、単回用量でまたは複数回用量で(すなわち、1回より多くの用量で)投与され得る。この複数回用量は、同時に、または(数日間または数週間の期間にわたって)連続して投与され得る。このウイルスはまた、同じ個体中の1より多くの新生物に投与され得る。この組成物は、単位投薬形態で好ましくは処方され、そして、各々の投薬量は、約10pfu〜約1013pfuのこのウイルスを含む。
このウイルスが、オピオイド治療とともにもしくはオピオイド治療に加えて、または非オピオイドおよび補助鎮痛剤を投与することに加えて、投与され得ることが意図される。このウイルスが、ホルモン療法または免疫療法とともにまたはこれらに加えて投与され得ることもまた、意図される。
本発明のウイルスが放射線療法とともにまたはこれに加えて投与され得ることがさらに意図される。放射線治療(放射線療法と呼ばれている)は、放射線(代表的には電離放射線)を用いた癌および他の疾患の処置である。照射因子は、以下を含むがそれらに限定されない、当該分野で公知の任意の照射因子であり得る:X線、γ線(例えば、ラジウム、ウランまたはコバルト60によって生成されたγ線)および粒子ビーム(例えば、電子、中性子、パイオン、および重イオン)。この照射は、外部放射線療法または内部放射線療法の形態であり得る(近接照射療法、組織内照射、および腔内照射が挙げられる)。照射因子は、放射免疫療法においてのように、抗体に連結され得るか、または手術中の放射線療法においてのように、手術の間に用いられ得る。
本発明のウイルスが、既知の抗癌化合物または化学療法剤とともに、またはこれらに加えて投与され得ることはがなおさらに意図される。化学療法剤は、腫瘍の増殖を阻害し得る化合物である。このような薬剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、メトトレキサート、ヒドロキシ尿素、シクロホスファミド、ダカルバジン、ミトキサントロン、アントラサイクリン(エピルビシン(Epirubicin)およびドキスルビシン(Doxurubicin))、ハーセプチン(herceptin)のようなレセプターに対する抗体、エトプシド(etopside)、プレグナソム(pregnasome)、プラチナ化合物(例えば、カルボプラチンおよびシスプラチン)、タキサン(例えば、タキソールおよびタキソテール(taxotere)、ホルモン療法(例えば、タモキシフェンおよび抗エストロゲン)、インターフェロン、アロマターゼインヒビター、プロゲステロン剤、およびLHRHアナログ。
以下の実施例は、本発明を例示するために提供され、本発明の範囲を限定するとは決して解釈されない。
本願では、以下の略号が以下の意味を有する。定義していない略号は、それらの一般的に受け入れられた意味を有する。
℃=摂氏度;
hr=時間;
min=分;
μM=マイクロモル濃度;
mM=ミリモル濃度;
M=モル濃度;
ml=ミリリットル;
μl=マイクロリットル;
mg=ミリグラム;
μg=マイクログラム;
PBS=リン酸緩衝化生理食塩水;
EGF=上皮増殖因子;
PDGF=血小板由来増殖因子;
PKR=二本鎖RNAキナーゼ。
(実施例1)
(第I相臨床研究:悪性黒色腫と関連する疼痛を軽減するためのレオウイルスの使用)
54歳の女性患者は悪性黒色腫を患っており、これは、全身に複数の病巣(10より多く)を形成しており、従来の抗原処理に応答できなかった。この患者は、永久に左の首後方の病変と関連した疼痛に起因して、絶えず麻薬をしていた。
この患者は、左首後方における病巣内に、10pfuのレオウイルス血清型3のDearing株の3回の腫瘍内注射を受けた。これらの研究において使用した、レオウイルス血清型3のDearing株を、米国特許出願公開第20020037576号に開示される方法によって得た。
驚くべきことに、注射の1週後、この患者は、処置部位での疼痛がなくなり、麻酔を摂取しなかったことを報告した。注射後8〜10週間の間、治療部位には疼痛が存在しなかった。注射2週間後での左肩から得たパンチ生検によって示されるように、患者へのウイルス投与に関連した、重要な副作用も有害な影響も存在しなかった。組織学的結果は、いくつかの皮膚線維症および軽度の血管周囲性慢性炎症のみを示した。
(実施例2)
(第I相臨床研究:ユーイング肉腫と関連する疼痛を軽減するためのレオウイルスの使用)
ユーイング肉腫を有する27歳の男性の末期患者は、仙腸骨部位へのレオウイルス血清型3のDearing株の10pfuの1回の腫瘍内注射を受けた。これらの研究において使用したレオウイルス血清型3のDearing株を、米国特許出願公開第20020037576号において開示される方法によって得た。注射1週後、この患者は、注射部位での疼痛の低減を報告した。注射後数週間の間、治療部位に疼痛は存在しなかった。
上記または本願の他の箇所に引用した全ての刊行物、特許および特許出願は、各々の個々の刊行物、特許出願または特許が、その全体が参考として援用されると具体的かつ個別に示されたとの同程度まで、その全体が本明細書中に参考として援用される。
本発明を本発明の好ましい実施形態を参照して特に示し、そして記載してきたが、形態および詳細における種々の変更が、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなくそれらにおいて行われ得ることが当業者により理解される。
図1Aは、世界保健機構によって開発された3工程鎮痛剤ラダーを示す。図1Bは、Miguel,2000において提唱された第4工程を示す。

Claims (13)

  1. 新生物を患っている哺乳動物における疼痛を軽減するための組成物であって、有効量のヒト血清型3のレオウイルスを含み、該哺乳動物に投与するのに適している、組成物
  2. 少なくとも1つの鎮痛剤を、該哺乳動物において前記レオウイルスなしで疼痛を軽減するために必要とされる該鎮痛剤の量よりも少ない量でさらに含む、請求項1に記載の組成物
  3. 前記鎮痛剤が、オピオイド鎮痛剤非オピオイド鎮痛剤、コデイン、フェンタニール、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルフィン、オキシコドン、オキシモルホン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、ナルブフィンおよびペンタゾシンからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物
  4. 前記新生物が、固体新生物、転移性、または末期である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物
  5. 前記固体新生物内または該固体新生物付近への注射による投与に適している、請求項に記載の組成物
  6. 単回用量または1より多くの用量における投与に適している、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物
  7. 前記レオウイルスが、組換えレオウイルスである、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物
  8. 〜1015のプラーク形成単位のレオウイルスを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の組成物
  9. 前記哺乳動物が、ヒトである、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物
  10. 有効量の化学療法剤をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物
  11. 前記レオウイルスが、放射線療法とともに、ホルモン療法とともに、または免疫療法とともに投与されるのに適している、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物
  12. (a)請求項1に記載の有効量のレオウイルスを含む第1の薬学的組成物である、第1成分;および
    (b)有効量の鎮痛剤を含む第2の薬学的組成物である、第2成分
    の2つの成分を含む、薬学的キット
  13. 前記鎮痛剤が、オピオイド鎮痛剤および非オピオイド鎮痛剤からなる群から選択される、請求項12に記載の薬学的キット
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