JP5240759B2 - 動作同期現象測定方法および分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2名またはそれ以上の人数の被験者の動作を同時に記録し、被験者間の歩行や足踏み動作等の同期率を算出する動作同期現象分析方法および分析装置に関する。
従来、社会心理学の分野では同調と呼ばれる現象が知られている。判断・態度等を含む広義の行動に関して、他者や集団が提示する標準や期待に沿って、それらの標準と同一あるいは類似の行動をとる現象である。例えば「長さの同じものを判定する問題」において、被験者が回答を行う前に数人の実験協力者(サクラ)が誤回答をすると、被験者の正答率が急激に下がることが示されている(非特許文献1参照)。
Asch,S.E.(1958).Effects ofGroup Pressure on the Modification and Distortion of Judgements.In Maccoby,Newcomb, and Hartley (ed.), SocialPsychology (pp.174-182). New York: Rinehart andWinston.
さらに発明者らの研究によって、歩行や足踏み等、普段他人との関係を意識しない歩行動作においても、他者との同調が見られることが分かった。この無意識的な同調を動作同期現象と名称し、その生起メカニズムを検討している。
この検討自体は人間が記録を取って主観的に判断するため、データに一貫性がなく、そのデータに基づく判断も主観的なものとなるという問題があった。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、人間の動作同期現象を人間の作為が入らないように分析する動作同期現象分析方法および分析装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、動作同期現象分析方法および分析装置によって以下の処理を実行する。
まず、基本的には、相手を見ることができる時間帯を設けて、その時間帯に2人の被験者の動作を測定ポインタ又はセンサによって測定し、各測定時点での動作同期率を算出する。このとき、相手を見ることができる時間帯に先行して又は追随して相手を見ることができない時間帯を設けて同じように測定することもできる。
センサは被験者の足首等の動きの大きい特定部位に設け、歩行動作等に伴う動きに関連した特定部位の座標データや加速度データ等を取得する。動作の座標データや加速度データ等から、複数の被験者の動作同期を測定する。
さらに、その測定データに基づき相互相関関数を用いた計算式により、相互相関係数(同期係数)として算出し、その同期係数を用いて、被験者間の同期率や同期の偏差等を求める。
さらには、その同期率や同期の偏差等に基づき健常者と非健常者を判定する。
また、別の測定方法として、センサを被験者の足首等の動きの大きい特定部位に設け、歩行動作等に伴う動きに関連して前記特定部位の時間変化特性を取得する。この時間変化特性は、例えば、測定ポインタ又はセンサの最も上動のピーク位置の時間変化となる。
さらに、その時間変化特性に基づき、複数の被験者間の対応点の時間差を求め、その時間差を特定の被験者の動作周期(例えば、足の上げ下げの1回分の時間)を基準にして表した位相差を求める。
ここで、周期は、例えば、足の上下動の1回分の時間間隔、例えば測定ポインタ又はセンサのピーク位置間の間隔をいう。
位相差は次のように定義される。
はじめに、2人の右足が同時に最高点に達するときには位相差=0度、右足と左足が最高点に達する場合は180度として位相差を計算する。次に、これらの位相差を180度で割った余りを位相差として再定義する(位相差範囲0度〜180度)。但し、右足同士の同期、右足/左足での同期は本質的に同じと考えてもよいので、さらにこれらの位相差を90度で割った余りを位相差と再々定義する(位相差範囲0度〜90度)。
測定時、周期は基準となる被験者のものを基準とする。
さらには、この位相差に基づき社会的コミュニケーション能力の高低や健常者又は非健常者等を判定する。
具体的には、以下の解決手段を採用する。
(1)動作同期現象分析方法は、被験者が相手の被験者を見ることができる時間帯を設け、この時間帯に前記両被験者の身体上の部位の動きを記録し、前記両被験者の前記身体上の部位の動きに基づき前記両被験者間の相関関係を求める手順を特徴とする。
(2)上記(1)記載の動作同期現象分析方法は、前記時間帯の少なくとも前又は後のいずれか一方のタイミングであるタイミングAを境にして被験者が相手の被験者を見ることができない時間帯を設け、前記両時間帯に前記両被験者の身体上の部位の動きを記録し、前記両被験者の前記身体上の部位の動きに基づき前記両被験者間の相関関係を求め、前記相関関係の前記時間帯間の偏差を求める手順を特徴とする。
(3)上記(1)記載の動作同期現象分析方法は、前記時間帯の少なくとも前又は後のいずれか一方のタイミングであるタイミングAを境にして被験者が相手の被験者を見ることができない時間帯を設け、前記両時間帯に前記両被験者の身体上の部位の動きを記録し、前記両被験者の前記身体上の部位の動きに基づき前記両被験者間の動作の位相差を求め、前記動作の位相差の前記時間帯間の偏差を求める手順を特徴とする。
(4)上記(1)記載の動作同期現象分析方法は、前記時間帯の少なくとも前又は後のいずれか一方のタイミングであるタイミングAを境にして被験者が相手の被験者を見ることができない時間帯を設け、前記両時間帯に前記両被験者の身体上の部位の動きを記録し、前記両被験者の前記身体上の部位の動きに基づき前記両被験者間の相関関係及び動作の位相差を求め、前記相関関係及び動作の位相差の前記時間帯間の偏差を求める手順を特徴とする。
(5)上記(2)記載の動作同期現象分析方法は、前記偏差を求める手順を実行して求めた前記偏差に基づき前記被験者が健常者か否か判断する手順を特徴とする。
(6)上記(3)記載の動作同期現象分析方法は、前記偏差を求める手順を実行して求めた前記偏差に基づき前記被験者の社会的コミュニケーション能力を判断する手順を特徴とする。
(7)上記(4)記載の動作同期現象分析方法は、前記偏差を求める手順を実行して求めた前記偏差に基づき前記被験者の社会的コミュニケーション能力及び被験者が健常者か否か判断する手順を特徴とする。
(8)動作同期現象分析装置は、被験者が相手の被験者を見ることができる時間帯を設け、この時間帯に前記両被験者の身体上の部位の動きを記録し、前記両被験者の前記身体上の部位の動きに基づき前記両被験者間の相関関係を求めることを特徴とする。
(9)上記(8)記載の動作同期現象分析装置は、前記時間帯の少なくとも前又は後のいずれか一方のタイミングであるタイミングAを境にして被験者が互いに相手を見ることができない時間帯を設け、前記両時間帯に前記両被験者の身体上の部位の動きを記録し、前記両被験者の前記身体上の部位の動きに基づき前記両被験者間の相関関係を求め、前記相関関係の前記時間帯間の偏差を求めることを特徴とする。
(10)上記(8)記載の動作同期現象分析装置は、前記時間帯の少なくとも前又は後のいずれか一方のタイミングであるタイミングAを境にして被験者が互いに相手の被験者を見ることができない時間帯を設け、前記両時間帯に前記両被験者の身体上の部位の動きを記録し、前記両被験者の前記身体上の部位の動きに基づき前記両被験者間の動作の位相差を求め、前記動作の位相差の前記時間帯間の偏差を求めることを特徴とする。
(11)上記(8)記載の動作同期現象分析装置は、前記時間帯の少なくとも前又は後のいずれか一方のタイミングであるタイミングAを境にして被験者が互いに相手の被験者を見ることができない時間帯を設け、前記両時間帯に前記両被験者の身体上の部位の動きを記録し、前記両被験者の前記身体上の部位の動きに基づき前記両被験者間の相関関係及び動作の位相差を求め、前記相関関係及び動作の位相差の前記時間帯間の偏差を求めることを特徴とする。
(12)上記(9)記載の動作同期現象分析装置は、前記偏差に基づき前記被験者が健常者か否か判断することを特徴とする。
(13)上記(10)記載の動作同期現象分析装置は、前記偏差に基づき前記被験者の社会的コミュニケーション能力を判断することを特徴とする。
(14)上記(11)記載の動作同期現象分析装置は、前記偏差に基づき前記被験者の社会的コミュニケーション能力及び被験者が健常者か否か判断することを特徴とする。
(15)上記(8)、(9)、(12)のいずれか1項記載の動作同期現象分析装置は、相手が見えないように前記両被験者間を遮る遮蔽部材と、その遮蔽部材を開閉駆動する遮蔽部材駆動装置と、被験者毎に撮像する撮像装置と、処理装置とからなり、前記両被験者の身体上の動く部位に測定ポイントを設け、前記測定ポイントの動きを撮像した画像データに基づき前記両被験者間の相互相関係数を求め、前記シャッターの開閉の時間帯の相互相関係数の偏差を求め、被験者が健常者か否か判断することを特徴とする請求項4、5、6のいずれか1項記載の動作同期現象分析装置。
(16)上記(8)、(10)、(13)のいずれか1項記載の動作同期現象分析装置は、相手が見えないように前記両被験者間を遮る遮蔽部材と、その遮蔽部材を開閉駆動する遮蔽部材駆動装置と、前記被験者毎に撮像する撮像装置と、処理装置とからなり、前記両被験者の身体上の動く部位に測定ポイントを設け、前記測定ポイントの動きを撮像した画像データに基づき前記両被験者間の動作の位相差を求め、前記シャッターの開閉の時間帯の相互相関係数の偏差を求め、被験者の社会的コミュニケーション能力を判断することを特徴とする。
(17)上記(4)、(5B)、(6B)のいずれか1項記載の動作同期現象分析装置は、
相手が見えないように前記両被験者間を遮る遮蔽部材と、その遮蔽部材を開閉駆動する遮蔽部材駆動装置と、前記被験者毎に撮像する撮像装置と、処理装置とからなり、前記両被験者の身体上の動く部位に測定ポイントを設け、前記測定ポイントの動きを撮像した画像データに基づき前記両被験者間の相互相関係数及び動作の位相差を求め、前記シャッターの開閉の時間帯の相互相関係数の偏差を求め、被験者の社会的コミュニケーション能力及び被験者が健常者か否か判断することを特徴とする。
本発明は以下のような効果を奏する。
短い時間、例えば数秒単位での同期係数測定が可能であることから、各時間帯で2人の被験者の動作がどれほど類似している又は類似していないかを測定することができる。
相手を見た状態における2人の被験者の動作の相互相関係数から健常者又は非健常者を判断することができる。さらには、相手を見た状態と相手を見ない状態における2人の被験者の動作の相互相関係数の対比から健常者又は非健常者を判断することができる。
別の測定方法として、センサを被験者の足首等の動きの大きな特定部位に設け、歩行動作等に伴う動きに関連して前記特定部位の時間変化特性、さらには、その時間変化特性に基づき、2人の被験者間の測定ポイントの位相差を求め、その位相差に基づき社会的コミュニケーション能力の高低や具体的には健常者又は非健常者等を判断することができる。
通常は意識することの無い歩行、足踏み動作等の同期係数によって、人間が行なう動作の生得的及び社会的なメカニズムを検討できる。例えば、同期分析装置により、他者の歩行動作が見えると瞬間的に歩行が同期することがわかるようになる。
また、動作同期は社会的コミュニケーションの基礎と考えられ、動作同期の強弱により、被験者の社会的コミュニケーションスキルの程度を広範囲に測定又は判定できる。例えば、顕著な例として、社会的コミュニケーションスキルの顕著な障害例と考えられる自閉症者の客観的な検査法として役立つ。
従来の医師の自閉症スペクトラム診断基準は、医師の主観が入りやすいとう問題がある。また、質問紙による自己回答式検査では被検査者が故意に回答を歪める可能性がある。しかしながら、本発明の歩行動作の同期分析を用いれば、検査結果は客観的かつ精度の高い測定になる。
また、動作の同期を測定することによって、被験者の置かれている状況が社会的コミュニケーションを成立させるものか否か、を判定できることが明らかとなった。「被験者の置かれている状況が社会的コミュニケーション成立させるものか否か」はコミュニケーション能力が高くても、対面して相手が見えるとうコミュニケーションが可能な状況でなければ動作は同期しないという実験事実に基づいている。
本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
図4は、本発明の動作同期現象分析装置のブロック構成図である。
この実施例は被験者数を2人とした例である。被験者数は見られる側と見る側の最低限2人以上であれば任意の人数にできる。測定は基本的に被験者2人1組で行う。被験者が例えば3人の場合には、1人を共通にして、2組の組み合わせを構成して測定する。以下、人数が増加しても同様に構成する。被験者は相手の被験者を見ることができるように配置する。このとき、一方の被験者だけが相手(背中)を見ることができるようにするか、又は、両方の被験者が互いに相手を見ることができるようにする。
測定ポイントは、人間の体の大きな動作を行う部位、例えば足首に特定する。この測定ポイントの座標データを取得するために、この測定ポイントを自発光撮像カメラで撮影するか、測定ポイント自体の位置変化等の物理量を測定するためにセンサとして赤外線を利用した光学センサ、加速度データを取得するためのセンサとして加速度センサ等を用いる。センサは四肢の先端等大きな動作を生じる部分に設けることが好ましい。
本発明の動作同期現象分析装置1は、シャッター2、シャッター駆動装置3、撮像装置4aおよび4b、スピーカ16aおよび16b、処理装置5、モニター6、入出力装置7からなる。
シャッター2は、被験者AとBの間に配置され、測定初期には両被験者が互に相手を見ることができないように遮る機能を有する部材であれば何でもよい。例えば、幕、ブラインド、シャッター等を意味する。
シャッター2は、シャッター駆動装置3により、図1(a)および図2(a)におけるタイミングAの時点で瞬時に両被験者AとBが互いに相手を見ることができるように動かされる。動かす場合には、例えば、シャッター2を巻き上げ、落下、または、ブラインドのようにすき間ができるように回転する。シャッター駆動装置3は、処理装置5のバス8に接続されている。
撮像装置4aおよび4bは、例えば、ビデオカメラ、ウエッブカメラ等からなり、被験者それぞれを個別に撮像するように構成されている。撮像装置4aおよび4bは、処理装置5のバス8に接続されている。
スピーカ16aおよび16bは、両被験者に同期のとりにくいテンポのバックグラウンドミュージックを流すために用いられる。これは、タイミングAの時点で両被験者の動作タイミングが一致していると、タイミングA以降の測定の効果が薄れ、測定データが信頼のおけない不正確なものとなるためである。
モニター6は、液晶やCRTにより構成する。
入出力装置7は、キーボードやコントローラ等の入力装置、プリンタや外部メモリ等の出力装置から構成する。
処理装置5は、バス8を共通にして、CPU(中央演算装置)9、ROM10、ビデオメモリ11を含むRAM12、フレームバッファ14を備えた画像処理装置13、入出力装置7と接続されたインターフェース15等から構成される。
ROM10およびRAM12に記憶されている動作同期現象分析処理プログラムをCPU9で実行し、画像処理装置13等を用いて動作同期現象の分析を行う。
動作同期現象分析処理の動作を説明する。被験者が2人の場合を説明する。
被験者の身体に、この場合、足首に測定ポイントを取り付ける。測定ポイントは、画像を取得しやすいように、自発光又は反射により光る物体で構成し、任意の形状、好ましくは、球形や円形に構成する。測定ポイントを取り付ける身体上の部位は、大きな動きをする箇所、例えば、肘、膝、手首、足首になる。動きが小さい、例えば、顔の表情や指の動き等は、動き範囲が少ないため、測定データにノイズが入りやすく、好ましくない。
まず、入力装置からシャッターを開放するタイミングAの時間を指定する。
次に、スピーカ16aおよび16bから、被験者A、Bに対し、動作タイミングの取りにくいテンポのノイズ音(バックグラウンドミュージックとして)を聴かせる。
各撮像装置4aと4bは、個別に被験者AとBに向け、撮影を開始する。
被験者は、その場で歩行、足踏みを行う。すなわち、足を交互に上げ下げし、手は歩行時のように振り子状の周期運動を行う。この動作を続ける。
処理装置5は、撮像装置4aと4bから読み込んだ被験者毎の測定ポイントの画像データを、バス8を介して画像処理装置13のフレームバッファ14に一旦記憶すると共に、画像処理装置13に読み出し、測定ポイントの絶対座標値(ピクセル単位)の時間変化特性を、例えば図1(a)や図2(a)のように、求める。
CPU9は、測定開始からの経過時間をタイマー(図示省略)でカウントし、経過時間がタイミングAとなったとき、シャッター駆動装置3によりシャッター2を開放する。
この段階から、被験者は、互いに相手を見ながら、前記のとおりその場で歩行動作を連続的に行う。このとき、被験者が健常者であれば、例えば図1(a)や図2(a)のタイミングA以降の絶対座標値特性、即ち、同期した動作特性を示すはずである。測定を動作同期現象を判定可能な時間、例えば、1200秒/60=20秒程度行う。
これにより、被験者AとBの測定が完了する。
処理装置5は、測定した被験者AとBの絶対座標値の時間変化特性データから相互相関係数(γ)の時間特性を求める。相互相関係数はよく知られた演算手段により行われる。
処理装置5は、さらに、求めた相互相関係数(γ)の時間特性から、タイミングAの前の時間帯の相互相関係数(γ)の平均値と、タイミングAの後の時間帯の相互相関係数(γ)の平均値を求める。
処理装置5は、上記タイミングAの前後の時間帯の相互相関係数(γ)の平均値の差を求め、その差を閾値(予め多くの測定データから求めた平均値または最小値、または当該研究分野において実用上問題がないと認められている値、等)と比較し、異常を自動的に判定する。
判定結果の表示・報知はモニターやスピーカで行う。判定結果データは必要に応じて記録・保存する。
本発明の動作同期現象分析方法および装置は、基本的に、被験者が互いに相手を見ることができる時間帯を設け、この時間帯に複数の被験者の身体上の部位の動きを記録し、被験者の身体上の部位の動きに基づき被験者間の相関関係を求める手順からなる動作同期現象分析方法およびその手順を実行する動作同期現象分析装置にある。
また、動作同期現象分析方法および装置は、前記時間帯の前後のタイミングであるタイミングAを境にして被験者が互いに相手を見ることができない時間帯を設け、前記両時間帯に複数の被験者の身体上の部位の動きを記録し、被験者の身体上の部位の動きに基づき被験者間の相関関係を求め、その相関関係の前記時間帯間の偏差を求める手順としてもよい。
さらにまた、動作同期現象分析方法および装置は、前記偏差を求める手順を実行して求めた偏差に基づき被験者が健常者か否か判断する手順としてもよい。
以下、具体例について詳細に説明する。
(測定例1)
図1は、健常者に分類される被験者E、Fについて採取した動作同期データのグラフである。
図1(a)は、被験者の足首に目印となる反射体又は発光体を取り付け、被験者の足上げ動作の映像を所定時間記録し、記録した映像上の目印の画像が基準位置からどの程度偏移しているかを絶対座標値としてピクセル(pixel)単位で計測し、この絶対座標値の時間変化を表した時間変化特性図である。縦軸はpixel単位、横軸は1/60秒単位である。
図1(b)は、相互相関係数(γ)の時間変化特性図である。
図1(c)は、相互相関係数(γ)の10秒単位で平均化した時間変化特性図である。
図1(a)の特性図中のTimeが600の位置にタイミングAの縦線が記載されている。このタイミングAは、被験者EとFの間の仕切りを取り払って、両者を互に相手に見えるようにする(相手を見ることができる)タイミングを表している。すなわち、Timeが0〜600までは、両者は互に相手を見ることができない状況において、予め学習したテンポで足の上げ下げを連続して行っている。Timeが600〜1181までは、互いに相手の動きを見ながら、自分の足の上げ下げを連続して行っている。
図1(a)の特性から、タイミングAを境にして、それより前は両者の足の高さおよび上げ下げのタイミングが相互に相違している。しかし、それより後は両者の足の高さおよび上げ下げのタイミングがほとんど揃っている。
図1(a)の特性に表れた両者の関係を相互相関係数(γ)の時間変化特性として表すと図1(b)になる。図1(b)の特性データは以下のようになる。
図1(b)におけるTimeが5と6の間の縦線は図1(a)のタイミングAと同じものである。図1(b)によると、図1(a)よりも更に両者の動作の同期がとれていることがわかる。なお、図1(b)において、Timeが5の相互相関係数値が高い値を示しているのは、Timeが1〜4までの変動の経過からみて、大きな変動の結果、偶然に高い値を示したものと考えられる。
図1(b)の特性を更に平均化すると図1(c)の特性となる。図1(c)の特性データは以下のようになる。
図1(c)におけるClose(1−10秒)特性は、タイミングAより前の状況における相互相関係数の平均値を表し、Open(11−20秒)特性は、タイミングA以降の状況における相互相関係数の平均値を表している。両被験者E、Fの動作同期の状況が明瞭に現れるOpen(11−20秒)時の相互相関係数の値は約0.898となり、Close(1−10秒)時の相互相関係数の値は約0.219となる。OpenとCloseの差は約0.679となる。
(測定例2)
図2は、健常者に分類される被験者C、Dについて採取した動作同期データのグラフである。
図2(a)は、被験者の足首に目印となる反射体又は発光体を取り付け、被験者の足上げ動作の映像を所定時間記録し、記録した映像上の目印の画像が基準位置からどの程度偏移しているかを絶対座標値としてピクセル(pixel)単位で計測し、この絶対座標値の時間変化を表した時間変化特性図である。縦軸はpixel単位、横軸は1/60秒単位である。
図2(b)は、相互相関係数(γ)の時間変化特性図である。
図2(c)は、相互相関係数(γ)の10秒単位で平均化した時間変化特性図である。
図2(a)の特性図中のTimeが600の位置にタイミングAの縦線が記載されている。このタイミングAは、被験者CとDの間の仕切りを取り払って、両者を互に相手に見えるようにする(相手を見ることができる)タイミングを表している。すなわち、Timeが0〜600までは、両者は互に相手を見ることができない状況において、予め学習したテンポで足の上げ下げを連続して行っている。Timeが600〜1181までは、互いに相手の動きを見ながら、自分の足の上げ下げを連続して行っている。
図2(a)の特性から、タイミングAを境にして、それより前は両者の足の高さおよび上げ下げのタイミングが相互に相違している。しかし、それより後は両者の足の高さおよび上げ下げのタイミングが揃ってくる。
図2(a)の特性に表れた両者の関係を相互相関係数(γ)の時間変化特性として表すと図2(b)になる。図2(b)の特性データは以下のようになる。
図2(b)におけるTimeが5と6の間の縦線は図2(a)のタイミングAと同じものである。図2(b)によると、図2(a)よりも更に両者の動作の同期がとれていることがわかる。
図2(b)のタイミングAのすぐ後のTimeが6の相互相関係数の値は、その前の値(Timeが5のときの相互相関係数の値)より小さくなっているが、この理由は、タイミングAの時点よりも前の時点における被験者CとDの動作の同期ずれ状態を引きずった状態であり、且つ、サンプリングのタイミングがたまたま不適切な位置であったことによるものと考えられる。このことは、Timeが7−9の間の相互相関係数の大きな値を見ることによりわかる。
図2(b)の特性を更に平均化すると図2(c)の特性となる。図2(c)の特性データは以下のようになる。
図2(c)におけるClose(1−10秒)特性は、タイミングAより前の状況における相互相関係数の平均値を表し、Open(11−20秒)特性は、タイミングA以降の状況における相互相関係数の平均値を表している。両被験者C、Dの動作同期の状況が明瞭に現れるOpen(11−20秒)時の相互相関係数の値は約0.688となり、Close(1−10秒)時の相互相関係数の値は約0.168となる。OpenとCloseの差は約0.520となる。
以上の実験例から、健常者は、動作時、相手の動作を見た場合、相手の動作が見えない場合よりも高い相互相関係数の値を示す。
図1(c)および図2(c)から、Open(11−20秒)時の相互相関係数の値と、Close(1−10秒)時の相互相関係数の値の差は平均すると約0.600となり、Close時の平均の約0.194に比べ格段に大きな値を呈する。このことから、両被験者の動作の同期状態(Open時)は相互相関係数を調べることにより、検出することができる。
上記測定例1、2では、被験者を2名としたが、2名に限ることなく、3名以上を同時に測定し、それら3名以上の間の同期係数を求めることもできる。
測定の条件、例えば、目印の数や取付位置等は任意に選択する。同じく、被験者の動作は動きが大きくなるものが好ましいが、基本的には制約はない。また、記録時間は、本発明の例の場合短い数秒程度で十分であるが、これに制約されない。また、測定データは、高さ等測定目的に合った任意のものに設定できる。
測定例1、2では、タイミングAの前に被験者が互いに相手を見ることができない時間帯を設けたが、その逆にタイミングAの後に被験者が互いに相手を見ることができない時間帯を設けてもよい。さらには、上記それぞれの時間帯を3以上タイミングAを連結のために介して複数連続して設けることもできる。
(測定例3)
図3は、自閉症者に分類される被験者G、Hについて採取した動作同期データのグラフである。
図3(a)は、被験者の足首に目印となる反射体又は発光体を取り付け、被験者の足上げ動作の映像を所定時間記録し、記録した映像上の目印の画像が基準位置からどの程度偏移しているかを絶対座標値としてピクセル(pixel)単位で計測し、この絶対座標値の時間変化を表した時間変化特性図である。縦軸はpixel単位、横軸は1/60秒単位である。
図3(b)は、相互相関係数(γ)の時間変化特性図である。
図3(c)は、相互相関係数(γ)の10秒単位で平均化した時間変化特性図である。
図3(a)の特性図中のTimeが600の位置にタイミングAの縦線が記載されている。このタイミングAは、被験者GとHの間の仕切りを取り払って、両者を互に相手に見えるようにする(相手を見ることができる)タイミングを表している。すなわち、Timeが0〜600までは、両者は互に相手を見ることができない状況において、予め学習したテンポで足の上げ下げを連続して行っている。Timeが600〜1181までは、互いに相手の動きを見ながら、自分の足の上げ下げを連続して行っている。
図3(a)の特性から、タイミングAを境として見たとしても、その前後で両者の足の高さおよび上げ下げのタイミングにほとんど変化が見られない。換言すると、タイミングAより後の特性において、互いに相手を見たことによる同期動作の傾向は見られない。
図3(a)の特性に表れた両者の関係を相互相関係数(γ)の時間変化特性として表すと図3(b)になる。図3(b)の特性データは以下のようになる。
図3(b)におけるTimeが5と6の間の縦線は図3(a)のタイミングAと同じものである。図3(b)によると、図3(a)よりも更に両者の動作の同期がとれていない傾向がわかる。図3(b)の特性におけるタイミングAより前のTime1−5の期間の相互相関係数は乱高下している。タイミングAより後のTime6−10の期間の相互相関係数は一見揃っている傾向を示しているように見えるが、その相互相関係数の値は小さく、タイミングAより前の期間の値と同程度となっている。このことは、タイミングAの後の期間でも同期動作の傾向を示してはいないことを示しているといえる。
図3(b)の特性を更に平均化すると図3(c)の特性となる。図3(c)の特性データは以下のようになる。
図3(c)におけるClose(1−10秒)特性は、タイミングAより前の状況における相互相関係数の平均値を表し、Open(11−20秒)特性は、タイミングA以降の状況における相互相関係数の平均値を表している。両被験者G、Hの動作同期がとれていない状況が明瞭に現れている。Open(11−20秒)時の相互相関係数の値は約0.130となり、Close(1−10秒)時の相互相関係数の値は約0.021となる。OpenとCloseの差は約0.109となる。この0.109という値は、健常者に分類される被験者E、F、C、Dの場合と比べると、1/6程度の極めて小さな値であり、健常者には分類されない人を示している。
また、自閉症者に分類される被験者G、HのOpen時の相互相関係数は、0.130であり、健常者に分類される例えば、被験者E、FのOpen時の相互相関係数は、0.898である。両者のOpen時の相互相関係数の比は約1:6.9となり、その比の大きさから両者間に閾値を設けることが極めて容易になる。すなわち、健常者と自閉症者に分類される被験者は容易に判断できることになる。
健常者と被健常者、例えば自閉症者を判断するための閾値は、上記のように両者間のギャップが大きい分だけ広い範囲内で設定可能となる。
以上述べた動作同期現象分析方法及び分析装置は、所期の測定結果や判定結果が求まる限りにおいて、変更可能である。
本発明の実施例2では、実施例1とは別の測定方法として、センサを被験者の足首等の動きの大きい特定部位に設け、歩行動作等に伴う動きに関連して前記特定部位の時間変化特性、さらには、その時間変化特性に基づき、複数の被験者間の測定ポイントの位相差を求め、その位相差に基づき社会的コミュニケーション能力の高低や具体的には健常者又は非健常者等を判定する。
ここで、位相差は次のように定義される。はじめに、2人の右足が同時に最高点に達するときには位相差=0度、右足と左足が最高点に達する場合は180度として位相差を計算する。次に、これらの位相差を180度で割った余りを位相差として再定義(位相差範囲
0度〜180度)する。但し、右足同士の同期、右足/左足での同期は本質的に同じと考えてもよいので、さらにこれらの位相差を90度で割った余りを位相差と再々定義している(位相差範囲0度〜90度)。
被験者の測定データが相互にずれがある場合、即ち、所定時間内の足の上げ下げの回数が異なるような場合、互いに近い測定点を測定対象とする。
動作同期現象分析装置としては実施例1の場合と同じく図4の動作同期現象分析装置を用いる。
実施例2では、2条件で測定又は判断する。
まず、1つ目の条件として、複数の被験者における対相手との関係を、(1)互いの顔を見ることができる対面状態(社会的交流「有り」)と、(2)互いの顔を見ることができない非対面状態(社会的交流「無し」)即ち一方が相手の背中を見る状態、との2種類とする。
他の2つ目の条件は、測定対象となる組み合わせのすべての被験者自身の能力として、社会的コミュニケーション能力(社会において、任意の他人と意志を通じ合える能力)が高い組み合わせか、低い組み合わせかの2種類とする。
測定は基本的に被験者2人1組で行う。被験者が例えば3人の場合には、1人を共通にして、2組の組み合わせを構成して測定する。以下、人数が増加しても同様に構成する。
(測定例4)
図5は本発明に係る対面で社会的コミュニケーション能力が高い被験者ペアの測定特性である。図5(a)は右くるぶしの高さの時間変化特性図(図中のRight ankleは足の右くるぶしを測定ポイントとして、地面からの測定ポイントを撮像し、撮像画像上の測定ポイントの地面からの高さをピクセル(pixel)単位で表した値を意味し、Time(second)は秒を意味する)、図5(b)は歩行周期のペア間位相差の時間特性図(図中の位相差は定義の意味を有し、Timeは図5(a)のTimeに対応する)、図5(c)は被験者ペアの相互相関係数の時間特性図(10秒毎の相互相関係数を表す)である。各図の30秒の位置に入っている線はカーテンが開くタイミング(A)を表す。
図5では、タイミングAの前はカーテンが閉まっていて、被験者ペアは互いに相手を見ることができない状態で、タイミングAの後はカーテンが開いて、被験者ペアは互いに相手を見ることができる状態となる。
次に、図5(b)のペア間位相差データと図5(c)の10秒で平均化する前の相互相関係数データを表7に示す。
図5において、相互相関係数データは、2秒毎に固定して計算しているので、データ長は各測定で同じとなる。位相差データでは、各測定で位相ピークの数が異なるために、データ長が異なる。また、そのためにカーテンが開くタイミングも測定ごとに異なる。これらの条件は図5−図8において同様に適用する。
タイミングAは、位相差データの場合、時間30.533秒で、相互相関係数データの場合、時間30秒になる。
図5の対面(社会的交流有り)状態で社会的コミュニケーション能力が高い被験者ペアの場合には、
(a)図5(b)のタイミングA以降に顕著に示されるように歩行周期のペア間位相差が極端に位相差ゼロに集束していく傾向を示し、
(b)図5(c)のタイミングA以降に顕著に示されるように10秒毎の相互相関係数が顕著に「1」の値に漸次近づいていく傾向を示す。
(測定例5)
図6は本発明に係る対面で社会的コミュニケーション能力が低い被験者ペアの測定特性である。図6(a)は右くるぶしの高さの時間変化特性図(図中のRight ankleは足の右くるぶしを測定ポイントとして、地面からの測定ポイントを撮像し、撮像画像上の測定ポイントの地面からの高さをピクセル(pixel)単位で表した値を意味し、Time(second)は秒を意味する)、図6(b)は歩行周期のペア間位相差の時間特性図(図中の位相差は定義の意味を有し、Timeは図6(a)のTimeに対応する)、図6(c)は被験者ペアの相互相関係数の時間特性図(10秒毎の相互相関係数を表す)である。各図の30秒の位置に入っている線はカーテンが開くタイミング(A)を表す。
図6では、タイミングAの前はカーテンが閉まっていて、被験者ペアは互いに相手を見ることができない状態で、タイミングAの後はカーテンが開いて、被験者ペアは互いに相手を見ることができる状態となる。
次に、図6(b)のペア間位相差データと図6(c)の10秒で平均化する前の相互相関係数データを表8に示す。
タイミングAは、位相差データの場合、時間30.650秒で、相互相関係数データの場合、時間30秒になる。
図6の対面(社会的交流有り)状態で社会的コミュニケーション能力が高い被験者ペアの場合には、
(a)図6(b)の歩行周期のペア間位相差は、タイミングAの前と後でそれほど変わらず広範囲に増減変動する傾向を示し、
(b)図6(c)の10秒毎の相互相関係数は、タイミングAの前と後でそれほど変わらず低い値の範囲(0〜0.2)内で変動する傾向を示す。
(測定例6)
図7は本発明に係る非対面で社会的コミュニケーション能力が高い被験者ペアの測定特性である。図7(a)は右くるぶしの高さの時間変化特性図(図中のRight ankleは足の右くるぶしを測定ポイントとして、地面からの測定ポイントを撮像し、撮像画像上の測定ポイントの地面からの高さをピクセル(pixel)単位で表した値を意味し、Time(second)は秒を意味する)、図7(b)は歩行周期のペア間位相差の時間特性図(図中の位相差は定義の意味を有し、Timeは図7(a)のTimeに対応する)、図7(c)は被験者ペアの相互相関係数の時間特性図(10秒毎の相互相関係数を表す)である。各図の30秒の位置に入っている線はカーテンが開くタイミング(A)を表す。
図7では、タイミングAの前はカーテンが閉まっていて、被験者ペアは互いに相手を見ることができない状態で、タイミングAの後はカーテンが開いて、一方の被験者が他方の被験者の背中を見ることができる状態となる。
次に、図7(b)のペア間位相差データと図7(c)の10秒で平均化する前の相互相関係数データを表9に示す。
タイミングAは、位相差データの場合、時間30.667秒で、相互相関係数データの場合、時間30秒になる。
図7の非対面(社会的交流無し)状態で社会的コミュニケーション能力が高い被験者ペアの場合には、
(a)図7(b)の歩行周期のペア間位相差は、タイミングAの前と後でそれほど変わらず広範囲に増減変動する傾向を示し、
(b)図7(c)の10秒毎の相互相関係数は、タイミングAの前と後でそれほど変わらず低い値の範囲(0〜0.23)内で変動する傾向を示す。
(測定例7)
図8は本発明に係る非対面で社会的コミュニケーション能力が低い被験者ペアの測定特性である。図8(a)は右くるぶしの高さの時間変化特性図(図中のRight ankleは足の右くるぶしを測定ポイントとして、地面からの測定ポイントを撮像し、撮像画像上の測定ポイントの地面からの高さをピクセル(pixel)単位で表した値を意味し、Time(second)は秒を意味する)、図8(b)は歩行周期のペア間位相差の時間特性図(図中の位相差は定義の意味を有し、Timeは図8(a)のTimeに対応する)、図8(c)は被験者ペアの相互相関係数の時間特性図(10秒毎の相互相関係数を表す)である。各図の30秒の位置に入っている線はカーテンが開くタイミング(A)を表す。
図8では、タイミングAの前はカーテンが閉まっていて、被験者ペアは互いに相手を見ることができない状態で、タイミングAの後はカーテンが開いて、一方の被験者が他方の被験者の背中を見ることができる状態となる。
次に、図8(b)のペア間位相差データと図8(c)の10秒で平均化する前の相互相関係数データを表10に示す。
タイミングAは、位相差データの場合、時間31.417秒で、相互相関係数データの場合、時間30秒になる。
図8の非対面(社会的交流無し)状態で社会的コミュニケーション能力が低い被験者ペアの場合には、
(a)図8(b)の歩行周期のペア間位相差は、タイミングAの前と後でそれほど変わらず広範囲に増減変動する傾向を示し、
(b)図7(c)の10秒毎の相互相関係数は、タイミングAの前と後でそれほど変わらず低い値の範囲(0〜0.1)内で変動する傾向を示す。
[社会能力−自閉症指数−位相差平均−相互相関平均の測定]
次に、社会能力(社会的コミュニケーション能力)−自閉症指数−位相差平均−相互相関平均の所定組み合わせの関係について、次の条件1および2で測定した。
(条件1)社会的コミュニケーション能力が高い8ペアと、社会的コミュニケーション能力が低い8ペアの16ペアを対象とする。この16組の中には、測定例4〜7の被験者ペアも含まれる。
(条件2)タイミングAの後のカーテンが開いて相手が見える状態で測定を行う。
以下の表11および表12中の「社会能力」は社会的コミュニケーション能力を意味し、自閉症スペクトラム質問紙で測定される自閉症指数によって判定されたものである。自閉症指数は自閉症か否かをスクリーニングする検査法であり、指数が高ければ(一般に33点を超えると自閉症と判断され得る)コミュニケーション能力が低く、指数が低ければコミュニケーション能力が高いと判定される。測定結果は図9および図10、表11および表12として示す。
(社会能力−自閉症指数−位相差平均の関係)
上記測定結果より、社会能力(社会的コミュニケーション能力)−自閉症指数−位相差平均の関係を示す。
図9は、本発明に係る社会能力−自閉症指数−位相差平均の関係を示す特性図である。図9の縦軸はペア間の位相差平均を表し、横軸は自閉症スペクトラム指数(自閉症指数)を表す。図9の特性データを表11に示す。
図9にも顕著に示されているように、社会能力の高低とペア間の位相差平均は相関関係にある。
具体的には、社会能力が低い被験者ペアでは、自閉症スペクトラム指数が約30〜35の範囲内に収まり、ペア間の位相差平均が約44〜54の範囲内に収まる傾向を示す。これに比べ、社会能力が高い被験者ペアでは、自閉症スペクトラム指数が約9〜14の範囲内に収まるが、ペア間の位相差平均が約10〜40の広範な範囲にばらつく傾向を示す。
図9の特性を直線近似するとおおよそ次の特性曲線Yとして表せる。Rは切片である。
Y=1.226X+7.481・・・(式1)
R=0.8355
この特性曲線Yの方程式により、任意の歩行周期のペア間位相差を有する被験者ペアにおける自閉症スペクトラム指数をおおよそ求めることができる。すなわち、社会的コミュニケーション能力のおおよその判定ができるようになる。従来の医師の自閉症スペクトラム診断基準は、医師の主観が入りやすいとう問題がある。また、質問紙による自己回答式検査では被検査者が故意に回答を歪める可能性がある。しかしながら、本発明の歩行動作の同期分析を用いれば、検査結果は客観的かつ精度の高い測定になる。
(社会能力−自閉症指数−相互関数平均の関係)
上記測定結果より、社会能力(社会的コミュニケーション能力)−自閉症指数−相互関数平均(相互相関係数の平均)の関係を示す。
図10は、本発明に係る社会能力−自閉症指数−相互関数平均の関係を示す特性図である。図10の縦軸はペア間の相互関数平均で、横軸は自閉症スペクトラム指数(自閉症指数)を表す。図10の特性データを表12に示す。
図10にも顕著に示されているように、社会能力の高低とペア間の相互相関平均は相関関係にある。
具体的には、社会能力が低い被験者ペアでは、自閉症スペクトラム指数が約30〜35の範囲内に収まり、ペア間の相互相関平均が約0.00〜0.07の範囲内に収まる傾向を示す。これに比べ、社会能力が高い被験者ペアでは、自閉症スペクトラム指数が約9〜14の範囲内に収まるが、ペア間の相互相関平均が約0.19〜0.94の広範な範囲にばらつく傾向を示す。
以上の実施例2では、複数の被験者間の対応点の時間差を求め、その時間差を特定の被験者の動作周期(例えば、足の上げ下げの1回分の時間)を基準にして表した位相差を求め、その位相差に基づいて社会的コミュニケーション能力を測定および判定するようにしたので、以下の(a)(b)が明らかになった。
(a)コミュニケーション能力が高いペアでは、対面状態では同期が生じたが、背面状態では同期が生じなかった。
(b)コミュニケーション能力が低いペアでは、対面状況でも、非対面状況でも同期が生じなかった。
以上のとおりであるから、動作の同期を測定することによって、被験者の置かれている状況が社会的コミュニケーション成立させるものか否か、を判定できることが明らかとなった。「被験者の置かれている状況が社会的コミュニケーション成立させるものか否か」はコミュニケーション能力が高くても、対面して相手が見えるとうコミュニケーションが可能な状況でなければ動作は同期しないという実験事実に基づいている。
図4の例では、被験者2人の間に配置したカーテンを上げ下げしてタイミングAを形成していたが、その代わりに、被験者1人だけでも測定できるように、スクリーンを用いることもできる。
図11は、本発明の他の動作同期現象分析装置のブロック構成図である。
図11の動作同期現象分析装置は、図4の動作同期現象分析装置と比べ、一方の被験者用の撮像装置とスピーカの代わりに例えば赤外光反射取得カメラからなる撮像装置4aと例えば赤外光照射装置からなる撮像装置4cを用い、他方の被験者用の撮像装置とスピーカの代わりにスクリーン18と例えばプロジェクターからなる投影装置17を用いる。
実施例3のスクリーン18は実施例1および2のカーテンと同様にタイミングAを形成する機能を有し、スクリーン18に被験者の映像を投影するか又はしないかによって、又は、被験者の映像が前向きか後ろ向きかによって、種々条件を変えて、動作の同期を測定する。図4の各装置と同じ名称の図11の装置は、同じ機能を有するので、説明を援用し、ここでは説明を省略する。
これにより、被験者のモデルの歩行をスクリーンに投影し、モデルと被験者1名の歩行同期を測定する。被験者2名のペアを用意する必要がなくなる。
このため、図11の動作同期現象分析装置は、アーケードゲーム等をプログラムとして備えたゲーム機等への応用が容易になる。
以上のとおりであるから、動作の同期を測定することによって、被験者の社会的コミュニケーション能力、自閉症か否か、また、被験者の置かれている状況が社会的コミュニケーション成立させるものか否か、を判定できる。
以上述べた動作同期現象分析方法および動作同期現象分析装置は、所期の測定結果や判定結果が求まる限りにおいて、変更可能である。
被験者E、Fについて採取した動作同期データのグラフである。 被験者C、Dについて採取した動作同期データのグラフである。 自閉症者に分類される被験者G、Hについて採取した動作同期データのグラフである。 本発明の動作同期現象分析装置のブロック構成図である。 本発明に係る対面で社会的コミュニケーション能力が高い被験者ペアの測定特性である。 本発明に係る対面で社会的コミュニケーション能力が低い被験者ペアの測定特性である。 本発明に係る非対面で社会的コミュニケーション能力が高い被験者ペアの測定特性である。 本発明に係る非対面で社会的コミュニケーション能力が低い被験者ペアの測定特性である。 本発明に係る社会能力−自閉症指数−位相差平均の関係を示す特性図である。 本発明に係る社会能力−自閉症指数−相互関数平均の関係を示す特性図である。 本発明の他の動作同期現象分析装置のブロック構成図である。
符号の説明
1 動作同期現象分析装置
2 シャッター
3 シャッター駆動装置
4a、4b、4c 撮像装置
5 処理装置
6 モニター
7 入出力装置
8 バス
9 CPU(中央演算装置)
10 ROM
11 ビデオメモリ
12 RAM
13 画像処理装置
14 フレームバッファ
15 インターフェース
16a、16b スピーカ
17 投影装置
18 スクリーン






















Claims (12)

  1. 被験者が相手の被験者を見ることができる時間帯を設けると共に、前記時間帯の少なくとも前又は後のいずれか一方のタイミングであるタイミングAを境にして被験者が相手の被験者を見ることができない時間帯を設け、前記両時間帯に前記両被験者の身体上の部位の動きを記録し、前記両被験者の前記身体上の部位の動きに基づき前記両被験者間の相関関係を求め、前記相関関係の前記時間帯間の偏差を求める手順を特徴とする動作同期現象測定方法。
  2. 被験者が相手の被験者を見ることができる時間帯を設けると共に、前記時間帯の少なくとも前又は後のいずれか一方のタイミングであるタイミングAを境にして被験者が相手の被験者を見ることができない時間帯を設け、前記両時間帯に前記両被験者の身体上の部位の動きを記録し、前記両被験者の前記身体上の部位の動きに基づき前記両被験者間の動作の位相差を求め、前記動作の位相差の前記時間帯間の偏差を求める手順を特徴とする動作同期現象測定方法。
  3. 被験者が相手の被験者を見ることができる時間帯を設けると共に、前記時間帯の少なくとも前又は後のいずれか一方のタイミングであるタイミングAを境にして被験者が相手の被験者を見ることができない時間帯を設け、前記両時間帯に前記両被験者の身体上の部位の動きを記録し、前記両被験者の前記身体上の部位の動きに基づき前記両被験者間の相関関係及び動作の位相差を求め、前記相関関係及び動作の位相差の前記時間帯間の偏差を求める手順を特徴とする動作同期現象測定方法。
  4. 被験者が相手の被験者を見ることができる時間帯を設けると共に、前記時間帯の少なくとも前又は後のいずれか一方のタイミングであるタイミングAを境にして被験者が相手の被験者を見ることができない時間帯を設け、前記両時間帯に前記両被験者の身体上の部位の動きを記録し、前記両被験者の前記身体上の部位の動きに基づき前記両被験者間の相関関係を求め、前記相関関係の前記時間帯間の偏差を求めることを特徴とする動作同期現象分析装置。
  5. 被験者が相手の被験者を見ることができる時間帯を設けると共に、前記時間帯の少なくとも前又は後のいずれか一方のタイミングであるタイミングAを境にして被験者が互いに相手の被験者を見ることができない時間帯を設け、前記両時間帯に前記両被験者の身体上の部位の動きを記録し、前記両被験者の前記身体上の部位の動きに基づき前記両被験者間の動作の位相差を求め、前記動作の位相差の前記時間帯間の偏差を求めることを特徴とする動作同期現象分析装置。
  6. 被験者が相手の被験者を見ることができる時間帯を設けると共に、前記時間帯の少なくとも前又は後のいずれか一方のタイミングであるタイミングAを境にして被験者が互いに相手の被験者を見ることができない時間帯を設け、前記両時間帯に前記両被験者の身体上の部位の動きを記録し、前記両被験者の前記身体上の部位の動きに基づき前記両被験者間の相関関係及び動作の位相差を求め、前記相関関係及び動作の位相差の前記時間帯間の偏差を求めることを特徴とする動作同期現象分析装置。
  7. 前記偏差に基づき前記被験者が健常者か否か判断することを特徴とする請求項4記載の動作同期現象分析装置。
  8. 前記偏差に基づき前記被験者の社会的コミュニケーション能力を判断することを特徴とする請求項5記載の動作同期現象分析装置。
  9. 前記偏差に基づき前記被験者の社会的コミュニケーション能力及び被験者が健常者か否か判断することを特徴とする請求項6記載の動作同期現象分析装置。
  10. 相手が見えないように前記両被験者間を遮る遮蔽部材と、その遮蔽部材を開閉駆動する遮蔽部材駆動装置と、前記被験者毎に撮像する撮像装置と、処理装置とからなり、前記両被験者の身体上の動く部位に測定ポイントを設け、前記測定ポイントの動きを撮像した画像データに基づき前記両被験者間の相互相関係数を求め、前記遮蔽部材の開閉の時間帯の相互相関係数の偏差を求め、前記被験者が健常者か否か判断することを特徴とする請求項4又は7記載の動作同期現象分析装置。
  11. 相手が見えないように前記両被験者間を遮る遮蔽部材と、その遮蔽部材を開閉駆動する遮蔽部材駆動装置と、前記被験者毎に撮像する撮像装置と、処理装置とからなり、前記両被験者の身体上の動く部位に測定ポイントを設け、前記測定ポイントの動きを撮像した画像データに基づき前記両被験者間の動作の位相差を求め、前記遮蔽部材の開閉の時間帯の動作の位相差の偏差を求め、被験者の社会的コミュニケーション能力を判断することを特徴とする請求項4、5及び8のいずれか1項記載の動作同期現象分析装置。
  12. 相手が見えないように前記両被験者間を遮る遮蔽部材と、その遮蔽部材を開閉駆動する遮蔽部材駆動装置と、前記被験者毎に撮像する撮像装置と、処理装置とからなり、前記両被験者の身体上の動く部位に測定ポイントを設け、前記測定ポイントの動きを撮像した画像データに基づき前記両被験者間の相互相関係数及び動作の位相差を求め、前記遮蔽部材の開閉の時間帯の相互相関係数及び動作の位相差の偏差を求め、被験者の社会的コミュニケーション能力及び被験者が健常者か否か判断することを特徴とする請求項4、6及び9のいずれか1項記載の動作同期現象分析装置。
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