JP5240346B2 - 無線通信システム用の基地局装置、及び無線通信システムにおけるレンジング方法 - Google Patents

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本発明は、広帯域移動無線通信システムなどに用いられる無線通信システム用の基地局装置、及び無線通信システムにおけるレンジング方法に関するものである。
近年、広範囲なエリアを無線でカバーして高速ブロードバンドサービスを提供することができる通信システムとして、例えば、IEEE802.16に規定されるいわゆる「WiMAX」と呼ばれる広帯域移動無線通信システム(Broadband Wireless Access System、以下、BWAシステムともいう)が、注目されている。
上記BWAシステムでは、一般に、無線通信サービスを提供するためのサービスエリアが多数のセルによって構成されており、多数のセルごとに基地局が設置されている。これら基地局は、自身のセル内に位置する移動端末(MS)に対して、広帯域の無線通信サービスを提供する。MSは、前記無線通信サービスによって、外部ネットワークへのエントリーが可能となる。
上記BWAシステムでは、基地局装置(BS)と、移動端末(MS)との間で通信品質を確保するために、レンジングが行われる。レンジングとは、MSの信号送信条件を調整し、BSが受信するMSからの受信信号より検出される信号レベル、信号タイミング等を所定の適正な値に調整する処理であり、BSとMSとの間で、レンジング要求メッセージ、及びレンジング応答メッセージの送受信を繰り返すことで行われる(例えば、特許文献1参照)。
上記レンジングは、MSがBSに対してレンジング要求メッセージを送信することで開始される。レンジング要求メッセージを受けたBSは、このレンジング要求メッセージに基づいて検出される信号レベル、信号タイミング等からなるレンジングパラメータ値に調整の必要があるかどうかを判断し、調整の必要があると判断する場合には、レンジングパラメータ値を調整するための情報を含んだレンジング応答メッセージをMSに送信する。一方、レンジングパラメータ値の調整の必要がないと判断する場合、BSは、レンジング応答メッセージに、レンジングを完了する旨を通知する完了通知を格納する。
レンジング応答メッセージを受信したMSは、前記完了通知を受けるまで、当該メッセージに含まれるレンジングパラメータ値を調整するための情報に基づいて、自身の信号送信条件を調整し、再度レンジング要求メッセージを送信する。
そして、BSによって上記レンジングパラメータ値の調整の必要がないと判断されるまで、上記両メッセージの送受信を繰り返し、MSが前記完了通知を含むレンジング応答メッセージを受信することで、レンジングは終了する。
特開2006−352883号公報
上記BWAシステムに係る規格によると、上記レンジングには、MSがネットワークにエントリーすべくBSとの間で通信を確立する際に行われるイニシャル・レンジング、継続して通信が確立されているBSとMSとの間で定期的に行われる定期的レンジング、及びハンドオーバ処理にて行われるレンジングが規定されている。
上記ハンドオーバ処理とは、MSが現在サービスを受けている基地局装置(サービングBS)のセル内から隣接したセル内に移動する際に、サービングBSと、移動しようとするセルにサービスを提供する基地局装置(ターゲットBS)との間で、当該MSに提供しているサービスを引き継ぐための処理である。
このハンドオーバ処理では、サービングBSとMSとの接続が切断された後、ターゲットBSとMSとの間でレンジングが行われる。このため、レンジングが完了するまでの間、MSは、サービングBSともターゲットBSともサービスを受けることができない瞬断状態となる。この瞬断状態が長時間となると、通信品質を劣化させてしまうため、できるだけ短時間でレンジングを完了することが好ましい。さらに、このハンドオーバ処理でのレンジングにおいて、MSから送信されるレンジング要求メッセージから検出される上記レンジングパラメータ値は、フェージングや、マルチパス等の影響によって絶えず変動する。さらに、このBWAシステムでは、中速(自動車の速度程度)以上での通信の確保求められており、MSが移動中である場合にはドップラ効果の影響を受ける場合もあり、前記レンジングパラメータ値は、さらに大きく変動する。このため、ターゲットBSとMSとの間でレンジングパラメータ値の調整が収束せず、レンジングを行う時間が長時間となる場合があり、この結果、上記瞬断時間が長時間となることで、通信品質の劣化を招くことがあった。
以上のように、ハンドオーバ処理におけるレンジングでは、通信品質の劣化を防止するために短時間で完了することが求められる一方、通信を確立する際に行われる前記イニシャル・レンジング、及び通信の確立が継続されている際に行われる定期的レンジングでは、その調整精度が要求される。このように上記各レンジングでは、そのレンジングが行われる際の状況によって要求がそれぞれ異なっている。
しかし、上記各レンジングにおいて、レンジングを完了するか否かの判断基準、すなわち、レンジングパラメータ値の調整の要否を判断するための判断基準は、上記各レンジングの全てに対して同一に設定されており、それぞれの状況に応じた判断基準に設定されていなかった。すなわち、上記各レンジングは、その状況に応じて好適に設定されているとは言えなかった。このため、状況に応じたレンジングを行うことができる基地局装置、及びレンジング方法が嘱望されていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、状況に応じたレンジングを行うことができる無線通信システム用の基地局装置、及び無線通信システムにおけるレンジング方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、移動端末から送信されるレンジング要求の受信に応じて、レンジング応答を送信することでレンジングを行う基地局装置であって、前記レンジング要求が初期レンジング又は定期的レンジングのための第一のレンジング要求であるか、ハンドオーバ時のレンジングのための第二のレンジング要求であるかを判断するレンジング判断部と、受信したレンジング要求に基づいてレンジングパラメータ値を検出する検出部と、検出した前記レンジングパラメータ値が目標範囲内であるか否かの判定を行う判定部と、前記判定部による判定に応じて生成された調整パラメータであって前記移動端末に信号送信条件を調整させるための前記調整パラメータを前記レンジング応答に格納し、前記調整パラメータを格納したレンジング応答を前記移動端末に送信するレンジング応答部と、前記レンジング判断部の判断結果が、第一のレンジング要求である場合と、第二のレンジング要求である場合とで、前記目標範囲を異ならせる目標範囲設定部と、を備えていることを特徴としている。
上記のように構成された無線通信システム用の基地局装置によれば、レンジング判断部及び目標範囲設定部によって、レンジングを完了させる基準となるレンジングパラメータ値の目標範囲を、ハンドオーバ時のレンジングと、それ以外の機会に行われるレンジングとで異なるように設定することができる。このため、この目標範囲を、ハンドオーバ時と、それ以外の機会とで、それぞれの状況に応じた設定とすることで、状況に応じたレンジングを適切に行うことができる。
さらにこの場合、前記レンジング判断部が第二のレンジング要求であると判断した場合に前記目標範囲設定部が設定する目標範囲を、前記レンジング判断部が第一のレンジング要求であると判断した場合に設定する目標範囲よりも広い目標範囲に設定することが好ましく、この場合、ハンドオーバ時のレンジングにおいては、それ以外の機会に行われるレンジングと比較して、目標範囲が広くなり、レンジングパラメータ値の調整精度を下げることができ、より速やかにレンジングを完了させることができる。
従って、レンジングに要する時間を短縮することができ、この結果、ハンドオーバ時における通信品質の劣化を防止することができる。
なお、前記レンジングパラメータ値は、信号レベル、信号タイミング、及び、信号周波数の内、少なくともいずれか一つを含むものとすることが好ましく、この場合、通信環境に応じて、これら各パラメータの中から適宜本発明を適用するレンジングパラメータ値が選択される。
また、本発明は、基地局装置と、この基地局装置との間で無線通信を行う移動端末とを備えた無線通信システムにおけるレンジング方法であって、前記基地局装置が、移動端末から送信されるレンジング要求を受信すると、この受信したレンジング要求に基づいてレンジングパラメータ値を検出する検出ステップと、受信した前記レンジング要求が初期レンジング又は定期的レンジングのための第一のレンジング要求であるか、ハンドオーバ時のレンジングのための第二のレンジング要求であるかを判断するレンジング判断ステップと、前記レンジング判断ステップにより前記レンジング要求が前記第一のレンジング要求であると判断した場合と、前記第二のレンジング要求であると判断した場合とで、レンジングを完了させる基準となる前記レンジングパラメータ値の目標範囲を異なるように設定する目標範囲設定ステップと、前記レンジングパラメータ値が、前記目標範囲設定ステップによって設定された前記目標範囲内であるか否かの判定を行い、その判定結果に応じて生成された調整パラメータであって前記移動端末に信号送信条件を調整させるための前記調整パラメータをレンジング応答に格納し、前記調整パラメータを格納した前記レンジング応答を前記移動端末に送信する送信ステップと、を備えていることを特徴としている。
上記のように構成されたレンジング方法によれば、レンジング判断ステップ及び目標範囲設定ステップによって、レンジングパラメータ値の目標範囲を、ハンドーオーバ時のレンジングと、それ以外の機会に行われるレンジングとで異なるように設定することができる。このため、この目標範囲を、ハンドオーバ時と、それ以外の機会とで、それぞれの状況に応じた設定とすることで、状況に応じたレンジングを適切に行うことができる。
以上のように、本発明の無線通信システム用の基地局装置、及び無線通信システムにおけるレンジング方法によれば、状況に応じたレンジングを行うことができる。
広帯域移動無線通信システム(BWAシステム)の全体構成を示す図である。 BS10、及びMS20の構成を示したブロック図である。 本実施形態のBWAシステムのレンジングの概略を示した図である。 図3にて示したレンジングの、より具体的な処理手順を示したフローチャートである。 調整モード(ステップS110)の処理手順を示したフローチャートである。 第二の実施形態に係るBWAシステムのレンジングの処理手順を示したフローチャートである。
〔第一の実施形態〕
〔通信システムの全体構成〕
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、広帯域移動無線通信システム(BWAシステム)の全体構成を示す図である。このBWAシステムは、例えば、広帯域無線通信を実現するために直交周波数分割多元接続(OFDMA)方式をサポートするIEEE802.16に規定される通信システムが採用されており、多数の基地局10(以下、BS10ともいう)と、移動が可能な多数の移動端末20(以下、MS20ともいう)とを有して構成される。
BS10は、その周囲にMS20との間で無線通信可能な範囲であるセルSを設定しており、このセルS内に位置するMS20に対して、無線通信による高速のブロードバンドサービスを提供する。また、セルSは、隣接するセルSと互いに重なり合うように設定されており、これら多数のセルSによって、本BWAシステムのサービスエリア全体が構成されている。
通信が確立されているBS10とMS20との間では、所定の通信フレームに情報を載せることで、当該情報の送受信が可能であり、MS20は、この情報の送受信によって、外部のネットワークへのエントリーが可能となる。
〔基地局及び移動端末の構成〕
図2は、BS10、及びMS20の構成を示したブロック図である。BS10は、MS20との間で無線通信を行うための信号を送受信するアンテナ11と、送受信信号の増幅等の処理を行う送受信部12と、送受信信号の各種処理を行うための制御部13と、この送受信部12と制御部13との間に介在するインターフェース部14と、上位ネットワークと接続するための通信部15と、を有している。
送受信部12は、図のようにアンプや、直交変復調器、A/D,D/A変換器等を含んでおり、アンテナ11から送受信される信号波の増幅、変復調、及びA/D,D/A変換等を行う。インターフェース部13は、IEEE802.16の規格に準拠したインターフェースであり、送受信部12と制御部13との間での信号の授受を仲介する。通信部14は、イーサネット(登録商標)等の規格に準拠した通信インターフェースであり、制御部13と外部の上位ネットワークとの間の情報の授受を仲介する。
制御部13は、CPU、メモリ(RAM)及び記憶装置(ハードディスクやROM)等を有するマイコンにより構成されており、BS10がMS20との間で通信を確立するために必要な処理を行ったり、MS20からの受信信号の通信フレームに含まれる受信情報を取り出して上位ネットワークに送信したり、上位ネットワークからMS20に送信される情報を通信フレームに載せる処理等を行う。また、隣接するBS10及びMS20における通信の引き継ぎ等の調整に関する処理を行う。
また、この制御部13は、BS10がMS20からの受信信号を受信する際に行われるレンジングを行うためのレンジング部16を機能的に有している。ここで、レンジングとは、上述したように、MS20の信号送信条件を調整し、BS10が受信する受信信号から検出される、信号レベル、信号タイミング、及び、信号周波数などのレンジングパラメータ値を所定の値に調整する処理である。このレンジング及びレンジング部16については、後に詳述する。
上記BS10と無線通信を行うMS20は、BS10との間で信号を送受信するためのアンテナ21と、このアンテナ21が接続された通信部22と、MS20の機能を包括的に制御するための制御部23と、BS10とMS20との間で授受される情報の入出力を行うための入出力部24,25とを有している。
制御部23は、CPU、メモリ(RAM)及び記憶装置(ハードディスクやROM)等を有するマイコンにより構成されており、通信部22を制御することでBS10との無線通信を確立する処理を行ったり、この通信部22により受信される受信信号の通信フレームから情報を取り出し出力部25に出力したり、入力部24に入力される情報を通信フレームに乗せることで送信可能にしたりといった処理を行う。
また、制御部23は、上述のレンジングを行うか否かの決定を行い、レンジングを行うと決定した場合に、BS10に対してレンジングを要求するレンジング要求メッセージ(レンジング要求)を生成し送信する機能を有している。さらに、制御部23は、このレンジング要求メッセージに応じてBS10から送信されるレンジング応答メッセージ(レンジング応答)を受信し、これに格納される後述する調整パラメータに基づいて、MS20から送信される送信信号の信号送信条件を調整する機能も有している。
MS20は、その主電源をオン状態とすることで、BS10からの送信信号をスキャンし、送信信号を捕捉すると、BS10との間で通信を確立する。そしてMS20は、BS10から無線通信によるサービスを受けることで、外部のネットワークにエントリーが可能となり、外部との情報の授受が可能となるように構成されている。
〔レンジングについて〕
上記BWAシステムでは、BS10と、MS20との間で通信品質を確保するために、レンジングが行われる。レンジングとは、上述したように、MS20の信号送信条件を調整し、BS10が受信するMS20からの受信信号より検出される信号レベル、信号タイミング、及び信号周波数を所定の適正な値に調整する処理であり、MS20とBS10との間で、レンジング要求メッセージ、及びレンジング応答メッセージの送受信を繰り返すことで行われる。
このレンジングには、例えば、セルS内に位置するMS20が、ネットワークにエントリーする際に行われるイニシャル・レンジングの他、継続して通信の確立が行われているMS20との間で定期的に行われる定期的レンジング、ハンドオーバ処理のときに行われるハンドオーバ・レンジングが規定されている。
イニシャル・レンジングは、上記のようにネットワーク・エントリー時に行われるレンジングであり、ネットワーク・エントリーにおいて、MS20がスキャンすることによってBS10からの送信信号を捕捉した後に行われる。MS20は、この送信信号に含まれる、レンジングに関する情報を含んだUL_MAPメッセージ等の情報に基づいて、レンジング要求メッセージを生成する。このレンジング要求メッセージがMS20からBS10に送信されることで、イニシャル・レンジングが開始される。
また、定期的レンジングもイニシャル・レンジングと同様に、MS20が、UL_MAPメッセージ等の情報から、レンジングを行う間隔を取得し、レンジング要求メッセージを生成送信することで、レンジングが開始される。
ハンドオーバ・レンジングは、ハンドオーバ処理時に行われるレンジングであり、上記従来例で説明したように、MS20との間で通信を確立していたBS10(サービングBS)から隣接するBS10(ターゲットBS)へ、MS20へ提供しているサービスを引き継ぐ際に、MS20とターゲットBSとの間で行われる。このハンドオーバ時のレンジングにおいても、MS20は、ターゲットBSに対してレンジング要求メッセージを送信する。これによってレンジングが開始される。
以上のように、いずれのレンジングにおいても、MS20からレンジング要求メッセージが送信されることでレンジングが開始される。
〔レンジング部について〕
本実施形態のBWAシステムのBS10の制御部13は、上述したように、上記各レンジングを実行するためのレンジング部16を機能的に有している。
レンジング部16は、さらに、機能部として、レンジング判断部16a、判定部16b、目標範囲設定部16c、調整パラメータ生成部16d、検出部16e、及び、レンジング応答部16fを有している。
検出部16eは、BS10が受信した受信信号としてのレンジング要求メッセージに基づくレンジングパラメータ値(信号レベルP、信号タイミングT、及び信号周波数F)を検出する機能を有している。
レンジング判断部16aは、レンジング要求メッセージが、ハンドオーバ時のレンジング要求メッセージであるか、それ以外(イニシャル・レンジング、もしくは定期的レンジング)のレンジング要求メッセージであるかの判断を行う。
判定部16bは、MS20からのレンジング要求メッセージから検出されるレンジングパラメータ値に含まれる、信号レベルP、信号タイミングT、及び信号周波数Fの各値が、それぞれ定められた目標値(Pt,Tt,Ft)に対し、許容値(Pk,Tk,Fk)によって定まる目標範囲内であるか否かの判定を行う。
また、目標範囲設定部16cは、レンジング判断部16aの判断に応じて、前記許容値を所定の値に定め、目標範囲を設定するように構成されている。
調整パラメータ生成部16dは、MS20に送信することで当該MS20の信号送信条件を調整させるための調整パラメータを生成する。
この調整パラメータは、MS20が信号を出力する際の信号送信条件を調整させるための情報であり、信号レベルP、信号タイミングT、及び信号周波数Fにそれぞれ対応した、調整出力Pm、調整タイミングTm、及び調整周波数Fmを含んでいる。これを受信したMS20は、この調整パラメータに基づいて自身の信号送信条件を調整する。
調整パラメータは、BS10が受信したMS20からのレンジング要求メッセージから検出される、現状のレンジングパラメータ値である信号レベルP、信号タイミングT、及び信号周波数Fの各値に基づいて定められるとともに、レンジング判断部16aの判断に応じて、異なる基準に基づいて生成される。
この調整パラメータは、具体的には、検出された現状のレンジングパラメータ値の各値と、それぞれの目標値との差であるオフセット値に基づいて定められ、MS20が各送信条件をどの程度調整させるべきかを数値として格納することで生成される。
MS20の制御部23は、上記調整パラメータに含まれる、調整出力Pm、調整タイミングTm、調整周波数Fmを、送信信号の信号送信条件として現状設定されている送信出力、信号タイミング、及び周波数の各数値に加えることで信号送信条件の調整を行う。
レンジング応答部16fは、上記の調整パラメータ(Pm,Tm,Fm)をレンジング応答メッセージに格納してMS20に送信する。また、レンジング応答部16fは、調整パラメータとともに、レンジングを継続するか否かをMS20に伝えるための情報としての「status」をレンジング応答メッセージに格納する。レンジング応答部16fは、この「status」に、「success」を格納することで、MS20にレンジングが完了したことを認識させることができる。一方、「continue」を格納することで、レンジングを継続することを認識させることができる。
〔レンジングの手順〕
次に、上記構成のBWAシステムによるレンジングの手順について説明する。
図3は、本実施形態のBWAシステムのレンジングの概略を示した図である。なお、図3では、MS20がレンジングを行うことを決定し、レンジング要求メッセージを生成して送信する段階以降について示している。図において、レンジングを行うことを決定したMS20は、レンジング要求メッセージ(RNG_REQ)をBS10に送信する(ステップS1)。
レンジング要求メッセージを受信したBS10は、レンジング要求メッセージに基づいて検出されるレンジングパラメータ値(P,T,F)を検出し(ステップS2)、調整パラメータ(Pm,Tm,Fm)、及び「continue」とした「status」をレンジング応答メッセージ(RNG_RSP)に格納してMS20に送信する(ステップS3)。
レンジング応答メッセージを受信したMS20は、調整パラメータに基づいて自身の信号送信条件を調整し(ステップS4)、再度レンジング要求メッセージを送信する(ステップS5)。
上記各ステップを繰り返し行い、BS10において、レンジングが完了したと判断した場合には、「status」に「sucsess」を格納してレンジング応答メッセージを送信する(ステップS6)。「sucsess」が格納されたレンジング応答メッセージを受信したMS20は、レンジング要求メッセージの送信を停止し(ステップS7)、レンジングを完了する。
次に、上記レンジングの手順についてより詳細に説明する。図4は、図3にて示したレンジングの、より具体的な処理手順を示したフローチャートである。
図4において、レンジングを行うことを決定したMS20は、上述のように、レンジング要求メッセージを生成し、BS10に送信する(ステップS101)。レンジング要求メッセージを受信したMS20のレンジング部16は(ステップS102)、まず、検出部16eに、この受信したレンジング要求メッセージに基づくレンジングパラメータ値(信号レベルP、信号タイミングT、信号周波数F)を検出させる(ステップS103)。
次に、レンジング部16は、レンジング判断部16aに、現在から所定時間前の間で、他のBS10から送信されるハンドオーバ要求通知メッセージ(HO_REQ)を受信したか否かを判断させる(ステップS104)。ここでハンドオーバ要求通知メッセージとは、ハンドオーバ処理を行う際に、サービングBSからターゲットBSに送信されるメッセージであり、図3に示すように、MS20からサービングBSに対して送信されるハンドオーバ要求メッセージに応じて送信され、ハンドオーバ時のレンジング以外では送信されない。このため、レンジング判断部16aが、このメッセージを、所定時間前からレンジング要求メッセージを受信した現在までの間に受信したか否かを判断することで、ステップS2で受信したレンジング要求メッセージが、ハンドオーバ時のレンジングのためのメッセージであるか、他の(イニシャル・レンジングもしくは定期的レンジング)レンジングのためのメッセージであるかを判断することができる。
以下の説明においては、イニシャル・レンジングもしくは定期的レンジングのためのレンジング要求メッセージを第一のレンジング要求メッセージ、ハンドオーバ時のレンジングのためのレンジング要求メッセージを第二のレンジング要求メッセージと言う。
上記のように、ステップS102は、BS10がMS20から送信されるレンジング要求メッセージを受信すると、この受信したレンジング要求メッセージに基づいてレンジングパラメータ値を検出する検出ステップを構成している。
また、ステップS103は、前記レンジング要求メッセージがイニシャル・レンジングもしくは定期的レンジングのための第一のレンジング要求メッセージであるか、ハンドオーバ時のレンジングのための第二のレンジング要求メッセージであるかを判断するレンジング判断ステップを構成している。
以下、レンジング判断部16aが、ハンドオーバ要求通知メッセージを受信していないと判断した場合、すなわち、第一のレンジング要求メッセージと判断した場合のレンジングについて説明する。
〔ハンドオーバ時以外のレンジング〕
レンジング判断部16aが、ハンドオーバ要求通知メッセージを受信していないと判断すると、レンジング部16は、レンジングの完了を判断するためのレンジングパラメータ値の目標範囲を定める許容値(Pk,Tk,Fk)が図4中のステップS105にて示す値となるように、目標範囲設定部16cに設定させる(ステップS105)。
また、レンジング部16は、レンジング判断部16aの判断結果を示す情報としての判断フラグをメモリ等に記憶しており、レンジング判断部16aがハンドオーバ要求通知メッセージを受信したと判断した場合には判断フラグに「1」を格納する。また、レンジング判断部16aがハンドオーバ要求通知メッセージを受信していないと判断した場合には判断フラグに「0」を格納する。従って、このステップS105では、レンジング部16は、前記判断フラグに「0」を格納する。
次に、レンジング部16は、ステップS103にて検出されたレンジングパラメータ値(信号レベルP,信号タイミングT,信号周波数F)の各値が許容値(Pk,Tk,Fk)で定められる目標範囲内であるか否かの判定を判定部16bにさせる(ステップS106)。ここで、判定部16bは、レンジングパラメータ値の各値(P,T,F)を、それらに対応する目標値(Pt,Tt,Ft)から減した差であるオフセット値(ΔP,ΔT,ΔF)を求め、これらが下記式(1)〜(3)を全て満たすか否かを判断する。
なお、この目標範囲は、レンジングを完了してMS20との通信を許容することができると判定される各レンジングパラメータ値の目標範囲であり、許容値(Pk,Tk,Fk)は、その目標範囲を設定するための値である。
−Pk(−5dBm) ≦ ΔP = Pt−P ≦ Pk(5dBm) ・・・(1)
−Tk(−0.1μS) ≦ ΔT = Tt−T ≦ Tk(0.1μS)・・・(2)
−Fk(−200Hz) ≦ ΔF = Ft−F ≦ Fk(200Hz)・・・(3)
判定部16bが、ステップS106において、上記各オフセット値が上記式(1)〜(3)の全てを満たすと判定すると、レンジング部16は、レンジング応答部16fに、現状の条件を維持する旨の情報を格納した調整パラメータ(Pm,Tm,Fm)とともに、「success」とした「status」をレンジング応答メッセージに格納させ、当該レンジング応答メッセージをMS20に送信させる(ステップS107)。これを受信したMS20は(ステップS108)、レンジングが完了したことを認識し、レンジング要求メッセージの送信を停止することでレンジングが完了する(ステップS109)。
上記ステップS107は、ステップS106においてレンジングパラメータ値が目標範囲内であると判定すると、レンジングが完了したことをMS20に通知する情報(「success」とした「status」)を含むレンジング応答メッセージをMS20に送信する送信ステップを構成している。
一方、ステップS106にて、判定部16bが、上記各オフセット値が上記式(1)〜(3)の内、少なくともいずれか一つでも満たさないと判定すると、レンジング部16は、MS20における信号送信条件の調整モードに移行する(ステップS110)。
図5は、調整モード(ステップS110)の処理手順を示したフローチャートである。この調整モードにおいては、レンジング部16は、レンジング応答メッセージに格納する調整パラメータ(Pm,Tm,Fm)を調整パラメータ生成部16dに生成させる。
まず、調整パラメータ生成部16dは、ステップS201において、信号レベルPのオフセット値ΔPが、ステップS105において設定された目標範囲内であるか否かを判断する。オフセット値ΔPが目標範囲であると判断すると、調整パラメータ生成部16dは、調整パラメータの内、調整出力Pmに関しては、現状の条件を維持する旨の情報を格納する(ステップS202)。
一方、オフセット値ΔPが目標範囲でないと判断すると、調整パラメータ生成部16dは、前記判断フラグが「0」であるか否かを判断する(ステップS203)。ここでは、上述のように前記判断フラグには「0」が格納されているので、調整パラメータ生成部16dは、ステップS204に進み、オフセット値ΔPの絶対値が所定の閾値αよりも大きいか否かを判断する。
なお、前記判断フラグが「1」である場合については、後述する。
オフセット値ΔPが閾値αよりも大きいと判断した場合には、調整パラメータ生成部16dは、調整パラメータに含まれる調整出力Pmに、αを格納し(ステップS205)、ステップS207に進む。
一方、オフセット値ΔPが閾値α以下であると判断した場合には、調整パラメータ生成部16dは、調整パラメータに含まれる調整出力Pmに、オフセット値ΔPを格納し(ステップS206)、ステップS207に進む。
上記ステップS204〜S206では、オフセット値ΔPが所定の閾値αを基準として、調整パラメータに含まれる調整出力Pmを設定するように構成されている。オフセット値ΔPが極端に大きい場合に、調整出力Pmにオフセット値ΔPをそのまま設定し、MS20がその値で送信出力の条件を調整したとすると、MS20の信号送信条件は、BS10側で検出したレンジングパラメータ値(信号レベルP)に基づいて間接的に調整されるため、BS10側で受信したときのレンジングパラメータ値(信号レベルP)が目標範囲を大きく外れてしまうおそれがあるからである。ここで、閾値αは、調整パラメータの値として格納されたときに、反映されるMS20からの受信信号のレンジングパラメータ値(信号レベルP)が、目標範囲内に確実に収まる程度に設定される。
次に、調整パラメータ生成部16dは、ステップS207において、信号タイミングTのオフセット値ΔTが、ステップS105において設定された目標範囲内であるか否かを判断する。オフセット値ΔTが目標範囲であると判断すると、調整パラメータ生成部16dは、調整パラメータに含まれる調整タイミングTmに関しては、現状の条件を維持する旨の情報を格納し(ステップS208)、ステップS209に進む。
一方、オフセット値ΔTが目標範囲でないと判断すると、調整パラメータ生成部16dは、調整パラメータに含まれる調整タイミングTmに、オフセット値ΔTを格納し(ステップS210)、ステップS209に進む。
次に、調整パラメータ生成部16dは、ステップS209において、信号周波数Fのオフセット値ΔFが、ステップS105において設定された目標範囲内であるか否かを判断する。オフセット値ΔFが目標範囲であると判断すると、調整パラメータ生成部16dは、調整パラメータに含まれる調整周波数Fmに関しては、現状の条件を維持する旨の情報を格納し(ステップS211)、ステップS212に進む。
一方、オフセット値ΔFが目標範囲でないと判断すると、調整パラメータ生成部16dは、調整パラメータに含まれる調整周波数Fmに、オフセット値ΔFを格納し(ステップS213)、ステップS212に進む。
次に、レンジング部16は、レンジング応答部16fに、上記手順により各値を格納して生成された調整パラメータとともに、「continue」とした「status」をレンジング応答メッセージに格納させるとともに、当該レンジング応答メッセージをMS20に送信させる(ステップS212)。つまり、このステップS212は、生成された調整パラメータをレンジング要求メッセージに格納し、MS20に送信する調整パラメータ送信ステップを構成している。
上記レンジング応答メッセージを受信したMS20は(ステップS214)、当該メッセージに格納されている調整パラメータ及び「status」を参照する。そして、MS20の制御部23は、「status」に「continue」が格納されているので、調整パラメータに含まれる、調整出力Pm、調整タイミングTm、及び調整周波数Fmを、信号送信条件として現状設定されている送信出力、信号タイミング、及び周波数の各数値にそれぞれ加えることで、自身の信号送信条件を調整する(ステップS215)。つまり、このステップS215は、MS20に送信される調整パラメータに基づいてMS20の信号送信条件を調整する調整ステップを構成している。
信号送信条件を調整したMS20の制御部23は、再度レンジング要求メッセージを生成し、BS10に対して送信する(ステップS216)。
レンジング要求メッセージを受信したBS10のレンジング部16は、この受信したレンジング要求メッセージによるレンジングパラメータ値(信号レベルP、信号タイミングT、信号周波数F)を、検出部16eに検出させる(ステップS217)。
ステップS217にて、上記レンジングパラメータ値の検出を行うと、レンジング部16は、ステップS106(図4)に戻り、ステップS217にて取得したレンジングパラメータ値の各値が、目標範囲内(上記式(1)〜(3))であるか否かの判定を判定部16bにさせる(ステップS106)。
上記調整モード(ステップS110)では、上記処理(図5中、ステップS201〜S217)を繰り返すことで、レンジングパラメータ値の各値(P,T,F)をそれぞれの目標値(Pt,Tt,Ft)付近に収束させることができる。すなわち、レンジング部16は、レンジングパラメータ値の各値(P,T,F)が目標範囲内となるまで、この調整モードを繰り返す。
その後、ステップS106において、判定部16bが、上記各オフセット値が上記式(1)〜(3)の全てを満たすと判定すると、上述のステップS107〜S109に進み、MS20は、レンジングが完了したことを認識し、レンジング要求メッセージの送信を停止して、レンジングを完了する。
次に、レンジング判断部16aが、ハンドオーバ要求通知メッセージを受信したと判断した場合、すなわち、第二のレンジング要求メッセージと判断した場合のレンジングについて説明する。
〔ハンドオーバ時のレンジング〕
図4を参照して、レンジング判断部16aが、ステップS104において、ハンドオーバ要求通知メッセージを受信したと判断すると、レンジング部16は、各レンジングパラメータ値の目標範囲を定める許容値(Pk,Tk,Fk)が、図4中のステップS111にて示す値となるように、目標範囲設定部16cに設定させるとともに、判断フラグに「1」を格納する(ステップS111)。
ここで、ステップS111にて設定される許容値(Pk,Tk,Fk)は、ステップS105において設定される値よりも大きい値に設定されており、各目標値に対する目標範囲が、ステップS105の場合よりもより広い範囲となるように設定されている。つまり、ハンドオーバ時以外のレンジングの目標範囲よりも、ハンドオーバ時のレンジングの目標範囲が広くなるように設定されている。
このステップS111、及び上記ハンドオーバ時以外のレンジングにおいて処理されるステップS105は、ステップS104により受信したレンジング要求メッセージが第一のレンジング要求メッセージであると判断した場合と、第二のレンジング要求メッセージであると判断した場合とで、レンジングを完了させる基準となる目標範囲を、一方の場合の方がより広い範囲となるといったように、異なるように設定する目標範囲設定ステップを構成している。
次に、レンジング部16は、上述のように、ステップS103にて取得したレンジングパラメータ値(信号レベルP,信号タイミングT,信号周波数F)の各値がレンジングを許容する目標範囲内であるか否かの判定を判定部16bにさせる(ステップS106)。ここで、判定部16bは、上記と同様にオフセット値(ΔP,ΔT,ΔF)を求め、これらが下記式(4)〜(6)を全て満たすか否かを判断する。
−Pk(−10dBm) ≦ ΔP = Pt−P ≦ Pk(10dBm)・・・(4)
−Tk(−0.2μS) ≦ ΔT = Tt−T ≦ Tk(0.2μS)・・・(5)
−Fk(−300Hz) ≦ ΔF = Ft−F ≦ Fk(300Hz)・・・(6)
ステップS106において、判定部16bが、上記各オフセット値が上記式(4)〜(6)の全てを満たすと判定すると、上述のステップS107〜S109に進み、MS20は、レンジングが完了したことを認識し、レンジング要求メッセージの送信を停止して、レンジングを完了する。
ステップS106にて、判定部16bが、上記各オフセット値が上記式(4)〜(6)を満たさないと判定すると、レンジング部16は、MS20に信号送信条件の調整モードに移行する(ステップS110)。
図5を参照して、ハンドオーバ時のレンジングと、その他のレンジングとの間で異なる点は、目標値(Pt,Tt,Ft)の設定値が異なる点と、図5中ステップS203における判断が異なる点である。従って、ここでは、ステップS203より説明する。
ステップS203において、調整パラメータ生成部16dは、前記判断フラグが「1」であるか否かを判断する。ここでは、上述のように前記判断フラグには、「1」が格納されているので、調整パラメータ生成部16dは、ステップS218に進み、調整パラメータに含まれる調整出力Pmに、オフセット値ΔPを格納し、ステップS207に進む。
すなわち、ハンドオーバ時のレンジングでは、オフセット値ΔPの値に関わらず、調整出力Pmに、オフセット値ΔPを格納するように構成されている。
以降の処理は、上記のハンドオーバ時以外のレンジングと同様であり、上記各オフセット値が上記式(4)〜(6)の全てを満たせば、レンジングは完了する。
以上のように構成されたBWAシステムのBS10によれば、レンジング部16は、レンジング判断部16a及び目標範囲設定部16cによって、レンジングを許容するレンジングパラメータ値の目標範囲を、ハンドーオーバ時のレンジングと、それ以外の機会に行われるレンジングとで異なるように設定することができる。このため、この目標範囲を、ハンドオーバ時と、それ以外の機会とで、それぞれの状況に応じた設定とすることで、状況に応じたレンジングを適切に行うことができる。
さらに、本実施形態では、ハンドオーバ時以外のレンジングの目標範囲よりも、ハンドオーバ時のレンジングの目標範囲が広くなるように設定したので、ハンドオーバ時のレンジングにおいては、それ以外の機会に行われるレンジングと比較して、MS20からの受信信号のレンジングパラメータ値の調整精度を下げることができ、より速やかにレンジングを完了させることができる。
従って、レンジングに要する時間を短縮することができ、この結果、ハンドオーバ時における通信品質の劣化を防止することができる。
また、上記BWAシステムにおいて、レンジング部16は、レンジング判断部16a及び調整パラメータ生成部16dによって、MS20に信号送信条件を調整させるための調整パラメータ(Pm,Tm,Fm)を、ハンドオーバ時のレンジングと、それ以外の機会に行われるレンジングとで異なる基準によって設定することができる。
具体的には、ハンドオーバ時以外のレンジングでの調整パラメータに含まれる調整出力Pmの設定については、オフセット値ΔPが所定の閾値αを基準として設定されるように構成されており、オフセット値ΔPがαよりも大きい場合は、調整出力Pmにαが格納される。このため、オフセット値ΔPがαよりも極端に大きい場合には、目標値に対して最大でαずつでしか近づけることができない。
一方、ハンドオーバ時のレンジングでの調整出力Pmの設定については、オフセット値ΔPの値に関わらず、調整出力Pmにオフセット値ΔPが格納される。このため、ハンドオーバ時以外のレンジングのようにαずつ序々に調整するのと比較して、現状に対して目標値Ptとなるようにオフセット値ΔPが格納されるので、より速やかに調整パラメータを設定することができる。
つまり、前者においては調整精度を重視し、後者においては調整の速さを重視して、調整パラメータの設定処理の基準を定めており、ステップS203〜S206、及びステップS218は、ステップS104(図4)にて、レンジング要求メッセージが第一のレンジング要求メッセージであると判断した場合と、第二のレンジング要求メッセージであると判断した場合とで、異なる基準で、MS20に調整パラメータを生成する調整パラメータ生成ステップを構成している。
このように、ハンドーオーバ時のレンジングと、それ以外の機会に行われるレンジングとで異なる基準によって調整パラメータを設定するように構成することで、ハンドオーバ時のレンジングにおいて、より速やかににレンジングを完了させるのに好適な基準で調整パラメータを設定することができる。これにより、レンジングに要する時間を短縮することができ、この結果、ハンドオーバ時における通信品質の劣化をより効果的に防止することができる。
〔第二の実施形態〕
図6は、第二の実施形態に係るBWAシステムのレンジングの処理手順を示したフローチャートである。本実施形態と第一の実施形態の相違点は、ステップS104において、レンジング判断部16aが、ハンドオーバ要求通知メッセージを受信したと判断、すなわち、第二のレンジング要求メッセージを受信したと判断すると、レンジング部16は、レンジングパラメータ値が目標範囲であるか否かに関わらず、現状の条件を維持する旨の情報を格納した調整パラメータ(Pm,Tm,Fm)とともに、「success」とした「status」をレンジング応答メッセージに格納し、当該レンジング応答メッセージを、レンジング応答部16fに送信させる(ステップS107)点にある。その他の点については、第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
上記構成のBWAシステムによれば、レンジング判断部16aによってレンジング要求メッセージが第一のレンジング要求メッセージであると判断されると、上記第一の実施形態に示した処理によって、レンジングが行われ、「success」とした「status」を格納したレンジング応答メッセージをMS20に送信する(第一の送信ステップ)。
一方、レンジング判断部16aによってレンジング要求メッセージが第二のレンジング要求メッセージであると判断されると、レンジングパラメータ値が目標範囲であるか否かに関わらず、現状の信号送信条件を維持することを通知する情報、及び、レンジング完了通知情報である「success」とした「status」を含むレンジング応答メッセージが、MS20に送信され(第二の送信ステップ)、当該レンジング応答メッセージを、MS20が受信すれば、レンジングを完了することができる。
このため、本実施形態のシステムにおける、ハンドオーバ時のレンジングにおいては、MS20とBS10との間で、メッセージの送受信を多数回繰り返す必要がなく、より速やかににレンジングを完了させることができる。この結果、ハンドオーバ時における通信品質の劣化をより効果的に防止することができる。
なお、本実施形態において、MS20の信号送信条件を現状を維持するように設定したが、例えば、ネットワークにエントリーしようとしてBSのサーチから開始するイニシャル・レンジングに対して、ハンドオーバ時のレンジングでは、直前までサービングBSと通信を確立しており、そのままの条件をターゲットBSに対して継続したとしても、大きな誤差がなく通信を確立することができ、速やかに通信を確立できるといった効果を得ることができる。
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、レンジングパラメータ値における信号レベルP、信号タイミングT、及び信号周波数Fの各値の目標範囲に関して、ハンドオーバ時のレンジングと、それ以外のレンジングとで、異なる目標範囲に設定したが、例えば、信号レベルPのみを対象とし、それ以外のパラメータは、レンジング判断部16aの判断に係わらず、同一の目標範囲とすることもできるし、レンジングパラメータ値の内、少なくともいずれか一つを対象として構成されていればよい。
また、調整モードにおける、調整パラメータ生成部16dによる調整パラメータの設定についても、本実施形態では、調整出力Pmについてのみレンジング判断部16aの判断に応じて、異なる基準で設定するように構成したが、調整パラメータ(Pm,Tm,Fm)の内、少なくともいずれか一つを含んで設定するように構成されていればよい。
また、上記実施形態では、MS20がレンジングを行うか否かを判断し決定するように構成したが、BS10がレンジングを行うか否かを決定するように構成することもできる。
また、上記実施形態において、レンジング判断部16aは、サービングBSからのハンドオーバ要求通知メッセージをBS10(ターゲットBS)が受信したか否かで、ハンドオーバ時のレンジングであるか、それ以外のレンジングであるかを判断するように構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、MS20から送信されるレンジング要求メッセージに、当該レンジング要求メッセージが、ハンドオーバ時のレンジングである旨を示す情報が格納されている場合には、当該情報を用いて、ハンドオーバ時のレンジングであるか否かを判断することもできる。
10 BS(基地局) 11 アンテナ 12 送受信部
13 制御部 14 インターフェース部 15 通信部
16 レンジング部 16a レンジング判断部 16b 判定部
16c 目標範囲設定部 16d 調整パラメータ設定部 16e 検出部
20 MS(移動端末) 21 アンテナ 22 通信部
23 制御部 24 入力部 25 出力部

Claims (4)

  1. 移動端末から送信されるレンジング要求の受信に応じて、レンジング応答を送信することでレンジングを行う基地局装置であって、
    前記レンジング要求が初期レンジング又は定期的レンジングのための第一のレンジング要求であるか、ハンドオーバ時のレンジングのための第二のレンジング要求であるかを判断するレンジング判断部と、
    受信したレンジング要求に基づいてレンジングパラメータ値を検出する検出部と、
    検出した前記レンジングパラメータ値が目標範囲内であるか否かの判定を行う判定部と、
    前記判定部による判定に応じて生成された調整パラメータであって前記移動端末に信号送信条件を調整させるための前記調整パラメータを前記レンジング応答に格納し、前記調整パラメータを格納したレンジング応答を前記移動端末に送信するレンジング応答部と、
    前記レンジング判断部の判断結果が、第一のレンジング要求である場合と、第二のレンジング要求である場合とで、前記目標範囲を異ならせる目標範囲設定部と、を備えていることを特徴とする基地局装置。
  2. 前記レンジング判断部が第二のレンジング要求であると判断した場合に前記目標範囲設定部が設定する目標範囲は、前記レンジング判断部が第一のレンジング要求であると判断した場合に前記目標範囲設定部が設定する目標範囲よりも広い目標範囲となるように設定される請求項1に記載の基地局装置。
  3. 前記レンジングパラメータ値は、信号レベル、信号タイミング、及び、信号周波数の内、少なくともいずれか一つを含む請求項1又は2に記載の基地局装置。
  4. 基地局装置と、この基地局装置との間で無線通信を行う移動端末とを備えた無線通信システムにおけるレンジング方法であって、
    前記基地局装置が、移動端末から送信されるレンジング要求を受信すると、この受信したレンジング要求に基づいてレンジングパラメータ値を検出する検出ステップと、
    受信した前記レンジング要求が初期レンジング又は定期的レンジングのための第一のレンジング要求であるか、ハンドオーバ時のレンジングのための第二のレンジング要求であるかを判断するレンジング判断ステップと、
    前記レンジング判断ステップにより前記レンジング要求が前記第一のレンジング要求であると判断した場合と、前記第二のレンジング要求であると判断した場合とで、レンジングを完了させる基準となる前記レンジングパラメータ値の目標範囲を異なるように設定する目標範囲設定ステップと、
    前記レンジングパラメータ値が、前記目標範囲設定ステップによって設定された前記目標範囲内であるか否かの判定を行い、その判定結果に応じて生成された調整パラメータであって前記移動端末に信号送信条件を調整させるための前記調整パラメータをレンジング応答に格納し、前記調整パラメータを格納した前記レンジング応答を前記移動端末に送信する送信ステップと、を備えていることを特徴とする無線通信システムにおけるレンジング方法。
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