以下、本発明の一実施形態である遊技機(以下、単に「パチンコ機」と称する。)について、各図を参照しつつ説明する。
[パチンコ機の全体構成について]
図1および図2を参照しつつ説明する。図1は、パチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ機の前側全体を示す正面図である。なお、図1および図2では、遊技領域における装飾部材を省略して図示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4および遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の全面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉自在に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について]
図2および図3を参照しつつ説明する。図3は、パチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12および機構装着体13を合成樹脂等によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピンおよびヒンジ孔によって開閉回動自在に装着されている。即ち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピンおよびヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカーボックス部16が一体に形成され、そのスピーカーボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカー装着板17が装着されている。そして、スピーカー装着板17にはスピーカー18が装着されている。
前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について]
図1および図2を参照しつつ説明する。前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。
前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が、それぞれ装着されている。
サイド装飾装置52は、ランプ駆動基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、この開口孔には、ランプ駆動基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている、音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカー57、スピーカーカバー58およびリフレクタ体(図示せず)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
また、上皿51の前面左側には、演出選択スイッチ60が設けられている。この演出選択スイッチ60は、遊技者自身が押下可能に構成されている。遊技者がこの演出選択スイッチ60を押下すると、後述する演出表示装置115における演出表示に、遊技者の意思を反映することができる。なお、この演出選択スイッチ60に代えて、レバーまたはボタンであってもよい。また、遊技者の音声を受け付ける音声入力手段であってもよい。即ち、遊技者の意思を反映できるものであれば良い。
[施錠装置の構成について]
図1および図3を参照しつつ説明する。前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。
即ち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱自在に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱自在に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11および下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠の構成について]
図1、図3および図4を参照しつつ説明する。図4は、パチンコ機の後側全体を示す背面図である。図1および図3に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。
遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図11参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。
なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の間隙が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その間隙から排出され、下皿31に案内されるように構成されている。
また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
一方、図4に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。
ボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。
さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンクおよびタンクレールの構成について]
図7および図8を参照しつつ説明する。図7は、パチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図8は、本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134および払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。
球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。
また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。即ち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図8に向かって左側)から他端(図8に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に伸びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示せず)とを一体に備えて形成されている。
レール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。
また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物300)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。
また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。換言すれば、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物300の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部および球払出装置の構成について]
図7および図8を参照しつつ説明する。本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。
また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図3参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。
また、本体枠3の後端、即ち、払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150および球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関す各種部品が装着されることでユニット化されている。
なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌め込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球および貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球および貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について]
図3および図4を参照しつつ説明する。本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図4に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを差動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。
前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。
払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について]
図4および図5を参照しつつ説明する。図5はパチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図9参照)および主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。
機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他端壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の後壁部の上下および中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌め込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。
また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
即ち、後カバー体210は、その上下および中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌め込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図9参照)全体および主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230,231,232,233が貫設されており、これら多数の放熱孔230,231,232,233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさおよび配設位置に対応する大きさおよび位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機1を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について]
図2および図6を参照しつつ説明する。図6は、図5に示すパチンコ機の斜視図から後カバー体および各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカーボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球および貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される貸球機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技盤の構成について]
図10〜図13を参照しつつ説明する。図10は、遊技領域を有した遊技盤の構成を示す拡大正面図である。図11は、遊技盤を斜め前方から示す斜視図である。図12は、遊技盤を主要な構成部品毎に分解して斜め前方から示す斜視図である。図13は、遊技盤を主要な構成部品毎に分解して斜め後方から示す斜視図である。
図10および図11に示すように、遊技盤5は、遊技領域37を形成する略円形の遊技領域形成壁80を有している。この遊技領域形成壁80の内側(遊技領域37側)であって且つ左側には、遊技球を遊技領域37に案内する外レール76および内レール77からなる案内レール78が設けられている。発射装置ユニット194(図7参照)から発射された遊技球は、案内レールに沿って遊技領域37に向けて打ち込まれる。
遊技領域37の中央部には、センター役物300が配置されている。このセンター役物300は、遊技領域37の幅方向のうち3分の2以上の幅を占める大きさである。センター役物300は略長方形の開口部301を有しており、この開口部301には演出表示装置115が配置されている。また、センター役物300は枠状装飾体370を有しており、この枠状装飾体370は、開口部301の開口縁に沿って設けられている。
センター役物300の下方には、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球を受入れ可能な第1始動口390が配置されている。第1始動口390の下方には、一対の可動片396を有する第3始動口394(第2始動口については後述する)が配置されている。第3始動口394は、一対の可動片396が閉状態であるときは遊技球を受入れることが不可能または受入れ困難となっており、この一対の可動片396が開状態であるときは、第1始動口390よりも遊技球の受入れが容易となる。なお、図10および図11に図示されている一対の可動片396は、開状態および閉状態のいずれも実線で表されている。
なお、本発明を実施するための最良の形態(以下「本実施形態」と称する)において、「下方」とは、遊技球の流下方向についての下流側を意味し、「上方」とは、遊技球の流下方向についての上流側を意味する。
第1始動口390の真上であって且つ枠状装飾体370の下枠370aには開口部372が形成されている。
センター役物300の上部には、演出用開閉装置398が設けられている。この演出用開閉装置398は、演出用大入賞口398aと、この演出用大入賞口398aに対応して設けられた演出用大入賞口開閉扉398bとを有している。
演出用大入賞口398aは、遊技球の受け入れが可能な開口領域であって、具体的には、上側、下側、左側、右側、手前側および奥側の周囲6方向のうち、遊技者から見て手前側および上側に開口部が形成されると共に左側、右側、下側および奥側に壁が形成された領域である。遊技者から手前側の開口部は、窓枠39に装着されたガラス板によって塞がれている。これにより、遊技者は、演出用大入賞口398aに受け入れられた遊技球を視認できる。一方、上側の開口部は、後述する演出用大入賞口開閉扉398bによって開閉自在に構成されている。また、奥側の壁は光を透過可能な透明部材で構成されており、この透明部材の背後には、赤色と緑色とで切り替えて発光可能な演出用開閉装置状態表示ランプ651が設けられている。即ち、この演出用開閉装置状態表示ランプ651は、演出用開閉装置398内で表示可能となっている。
演出用大入賞口開閉扉398bは、演出用大入賞口398aの上側の開口部を、遊技球の受け入れが可能な開状態と遊技球の受け入れが不可能または困難にする閉状態とに切り換えるための部材である。具体的には、遊技盤5の盤面に対して略直交する方向(即ち前後方向)に出し入れ自在に構成された長方形状の平板からなる可動片であって、演出用大入賞口開閉扉398bが、遊技者から見て遊技盤5の盤面から手前側に突出したときは上側の開口部を塞ぎ、遊技盤5の盤面側に退避したとき(本実施形態では、遊技盤5の盤面と演出用大入賞口開閉扉398bとが略面一となったとき)、上側の開口部が開放する。このように、演出用大入賞口開閉扉398bが遊技盤5の盤面に対して略直交する方向に出し入れ自在に構成されていることによって、遊技領域37に占める演出用開閉装置398の領域を省スペース化することができる。近年、演出にかかる遊技の興趣を高めるために演出表示装置115の拡大化が進んでいることから、各部材を効率良く遊技領域37に設ける必要があり、その効果は顕著である。とくに、本実施形態では、従来から設けられている大当たり遊技用開閉装置400とは別に演出用開閉装置398を設けていることから、遊技領域37に占める演出用開閉装置398の領域を小さくすることによる効果は絶大である。
また、演出用大入賞口398aが閉状態であるとき、遊技領域37に向けて打ち込まれて演出用大入賞口開閉扉398bの平面部に衝突した遊技球は、演出用大入賞口開閉扉398bの平面部に対して衝撃を与える。しかし、本実施形態においては、演出用開閉装置398が演出表示装置115の上方に設けられているので、仮に演出用開閉装置398が第1始動口390の下方に設けられた場合と比べると、遊技球が演出用開閉装置398の平面部に対して与える衝撃が小さくなる。これは、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球は重力によって加速するので、演出用大入賞口開閉扉398bがより上方に設けられている方が、演出用大入賞口開閉扉398bの平面部に衝突する際における遊技球の速度が小さいからである。
なお、本実施形態では、演出用大入賞口開閉扉398bが遊技盤5の盤面に対して略直交する方向に出し入れ自在に構成されているがこれに限られず、遊技領域37に占める演出用開閉装置398の領域を省スペース化することができれば、交差する方向であっても良い。
また、本実施形態において、「前後方向」とは、遊技盤5の面に対して直交する方向、即ち、遊技者からみた前後方向を意味する。
第1始動口390と球排出口406との間、具体的には第3始動口394の下方であって且つ球排出口406の上方(本実施形態では直上)には、大当たり遊技用開閉装置400が設けられている。演出用開閉装置398と大当たり遊技用開閉装置400とで、開閉装置397を構成している。この大当たり遊技用開閉装置400は、大当たり遊技用大入賞口400aと、この大当たり遊技用大入賞口400aに対応して設けられた大当たり遊技用大入賞口開閉扉400bとを有している。大当たり遊技用大入賞口400aは、遊技球の受入れが可能な開口部である。大当たり遊技用大入賞口開閉扉400bは、大当たり遊技用大入賞口400aを、遊技球の受入れが可能な開状態と遊技球の受入れが不可能または困難にする閉状態とに切り換えるための部材である。なお、大当たり遊技用大入賞口400aが閉状態であるとき、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球の受け入れが必ずしも不可能であることに限定されるものではなく困難、好ましくは極めて困難であっても良い。
センター役物300の左側には、遊技球が通過可能な通過ゲート402が設けられており、センター役物300の左下方(第1始動口390および第3始動口394の左側)には、三つの一般入賞口404が設けられている。
また、本実施形態において、「左側」とは、遊技者からみた左側を意味する。
遊技球の流下方向について最も下流側には、各始動口390,392,394、演出用開閉装置398、大当たり遊技用開閉装置400および一般入賞口404のいずれにも入賞しなかった遊技球を遊技盤5の背後に排出する球排出口406が形成されている。即ち、遊技球の流下方向について球排出口406よりも上流側に設けられた各始動口390,392,394、演出用開閉装置398、大当たり遊技用開閉装置400および一般入賞口404のいずれにも入賞しなかった遊技球は、この球排出口406に向けて流下する。
大当たり遊技用開閉装置400は球排出口406の直上に配置されている。これにより、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作中は、各始動口390,392,394、演出用開閉装置398および一般入賞口404のいずれにも入賞しなかった遊技球が大当たり遊技用開閉装置400の近傍に集まってくるので入賞の期待感をもつことができる。
センター役物300の右下には、後述する第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を表示する第1特別図柄表示器84、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を表示する第2特別図柄表示器86、第1特別図柄抽選手段700による抽選処理の保留数(以下、第1特別図柄の保留数または第1特別図柄の始動記憶の保留数と称することもある)を表示する第1特別図柄保留表示器88、および、第2特別図柄抽選手段710による抽選処理の保留数(以下、第2特別図柄の保留数または第2特別図柄の始動記憶の保留数と称することもある)を表示する第2特別図柄保留表示器90が設けられている。また、普通図柄抽選手段720による抽選結果を表示する普通図柄表示器82と、普通図柄抽選手段720による抽選の保留数を表示する普通図柄保留表示器92とが設けられている。
これらの各表示器82,84,86,88,90,92は、例えばLEDで構成されており、このLEDの点灯態様によって、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果、普通図柄抽選手段720による抽選結果、第1特別図柄抽選手段700による抽選処理の保留数、第2特別図柄抽選手段710による抽選処理の保留数および普通図柄抽選手段720による抽選の保留数が報知される。
なお、「抽選処理の保留数」とは、本実施形態によれば、当否判定用乱数を取得するものの当該取得した当否判定用乱数が当たりであるか否かの判定処理が保留され、当該保留された判定処理の保留数を意味するが、これに限られず、当否判定用乱数の取得を保留し、当該取得を保留した当否判定用乱数の保留数であっても良い。
また、第1特別図柄保留表示器88および第2特別図柄保留表示器90には、抽選処理の保留数の表示に代えて、抽選結果の表示の保留数であっても良い。即ち、当否判定用乱数を取得し且つ当該取得した当否判定用乱数の当否を判定するものの、当該判定結果を第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86に表示することを保留し、かかる保留数を表示しても良い。
本実施形態の遊技盤5は、主要な構成部品毎に分解すると、図12および図13に示すように、前側から、案内レール78を備えた前構成部材79と、枠状のセンター役物300と、大当たり遊技用開閉装置400、第3始動口394、および一般入賞口404を備えた入賞口ユニット260と、通過ゲート402を備えたサイド装飾部材262と、前側からセンター役物300、入賞口ユニット260、およびサイド装飾部材262を取付けるための適宜大きさの貫通孔264を複数有した板状の遊技盤ベース266と、遊技盤ベース266の後側に取付けられる枠状開口部を有した裏ユニット270と、裏ユニット270の開口部を後側から閉鎖するように裏ユニット270に固定される演出表示装置115と、裏ユニット270の下側に配置されると共に遊技盤ベース266の後面側に取付けられ、副制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132を支持し且つ遊技領域37に打ち込まれた遊技球を遊技盤5から排出するアウト口流路を有した基板ボックスホルダ268とを主に備えている。
[センター役物における第1、第2、および第3ステージについて]
図10および図11を参照しつつ説明する。図10および図11に示すように、センター役物300は、枠状装飾体370の下枠370a付近に、第1棚部(以下、「第1ステージ330」と称する。)と、遊技球の流下方向について第1ステージ330よりも下流側に配置された第2棚部(以下、「第2ステージ350」と称する。)とを有している。第2ステージ350が配置されている位置は、第1ステージ330に対して演出表示装置115の反対側(即ち前方(遊技者)側)である。
枠状装飾体370の左枠370bの上下方向の略中央付近(即ち枠状装飾体370の側方)には、流下する遊技球を、第1ステージ330まで誘導するための第1ステージ誘導路(以下、「第1ワープ316」と称する。)に受入れ可能な第1ワープ入口306が設けられている。
また、第1ワープ入口306の下方には第2ステージ誘導路(以下、「第2ワープ318」と称する。)に受入れ可能な第2ワープ入口308が、第1ワープ入口306と並設されている。
第1ワープ入口306および第2ワープ入口308の下方には、それぞれ、第1ワープ入口306に遊技球を誘導する第1ワープ誘導片(図示せず)および第2ワープ入口308に遊技球を誘導する第2ワープ誘導片310が設けられている。この第2ワープ誘導片310は、枠状装飾体370から左方(即ち、センター役物300から遊技領域37)に向けて突出している。これにより、第2ワープ入口308が第1ワープ入口306よりも遊技球が導かれ易くなっている。従って、遊技球が第1ワープ入口306に導かれなかった場合であっても、第2ワープ入口308に受入れられる期待感が高まり、興趣が高められる。
第1ステージ330には、第1ワープ出口側端部336から第1ワープ反出口側端部338にかけて波状に形成された曲面が形成されている。詳しくは、上方向に膨らんだ山部332が第1ステージ330の左右方向の略中央部に形成されており、この山部332の左右両側には、山部332と連続的に連なった谷部334が形成されている。
なお、山部332の高さは、第1ワープ出口側端部336および第1ワープ反出口側端部338よりも低い位置となっている。これにより、第1ワープ出口312から排出された遊技球は、山部332を乗り越えることができ、第1ワープ出口側端部336と第1ワープ反出口側端部338との間を往復して転動することができる。
第2ステージ350の略中央部には、高台部352が形成されている。この高台部352は、第1ステージ330の山部332の前方に位置している。第2ステージ350は、高台部352の他、第2ワープ出口側端部356からこの高台部352にかけて曲面が形成された湾曲部354を有している。また、第2ワープ反出口側端部358から高台部352にかけて曲面が形成された湾曲部354を有している。これらの湾曲部354は、高台部352よりも下方に湾曲している。
なお、高台部352の高さは、第2ワープ出口側端部356および第2ワープ反出口側端部358よりも低い位置である。これにより、第2ワープ出口314から排出された遊技球は、高台部352を乗り越えることができ、第2ワープ出口側端部356と第2ワープ反出口側端部358との間を往復して転動することができる。
第1ワープ入口306および第2ワープ入口308に受入れられた遊技球は、それぞれ、第1ワープ出口312および第2ワープ出口314から排出されて、第1ステージ330および第2ステージ350に導かれる。
なお、第1ワープ316における遊技球の流下方向と第1ステージ330における遊技球の転動方向とが略同一線上にあるので、第1ワープ316を流下した遊技球は、運動エネルギーの損失が少ない。即ち、第1ワープ316を流下した遊技球がその進行方向を変えられると運動エネルギーが損失してしまう。従って、第1ワープ316を流下した遊技球は、第1ステージ330上を勢い良く転動する。同様に、第2ワープ318における遊技球の流下方向と第2ステージ350における遊技球の転動方向とが略同一線上にあるので、第2ワープ318を流下した遊技球も、運動エネルギーの損失が少ない。これにより、第1ステージ330に導かれた遊技球および第2ステージ350に導かれた遊技球は、いずれも、第1ステージ330上および第2ステージ350上を勢い良く転動し、各ステージ上330,350に滞在する時間が長くなり、その結果各ステージ330,350において遊技球が遊ぶこととなり、興趣が高められる。
また、本実施形態において、第1ステージ330および第2ステージ350には、センター役物300の右側からは遊技球が導かれない。即ち、第1ステージ330および第2ステージ350にはセンター役物300の左側からのみ遊技球が導かれるので、第1ステージ330上および第2ステージ350上を転動する遊技球が、反対方向から導かれた遊技球によって転動を阻害されることがない。これにより、各ステージ上330,350に滞在する時間が長くなり、その結果各ステージ330,350において遊技球が遊ぶこととなり、興趣が高められる。
枠状装飾体370の下枠370a付近であって且つ演出表示装置115と第1ステージ330との間には、演出表示装置115に隣接するセンター電飾部302が形成されている。このセンター電飾部302には、センター役物300の幅方向に沿って棚状の曲面が形成されており、この曲面には、複数のセンター装飾ランプ304が配置されている。
センター電飾部302の左右方向の略中央部であって且つ第1ステージ330の山部332に対応する位置には、遊技球を受入れ可能な第2始動口392が形成されている。即ち、第2始動口392は、遊技球の流下方向である第2ステージ350側ではなくその反対方向(第1ステージ330の後方側)に設けられている。これにより、遊技者から見て遊技球の第2始動口392への入賞を視認し易くなる。これは、第2ステージ350が第1ステージ330よりも下方に形成されており且つ第1ステージ330と第2ステージ350との間に後述するステージ仕切壁364が設けられているからである。
また、第1ステージ330の山部332には、第2始動口392に遊技球を導くための第2始動誘導口340が形成されている。この第2始動誘導口340は、山部332から第2始動口392にかけて下方に傾斜しており、これにより、第2始動口392に遊技球が導かれるようになっている。従って、第1ステージ330上を転動している遊技球が山部332付近で転動する勢いがなくなったとき、この第2始動誘導口340によって第2始動口392に導かれ易くなる。
なお、第2始動口392に入賞した遊技球は、遊技盤5の背後に連通する排出路(図示せず)を通って、遊技盤5の背後に排出される。
第1ステージ330の谷部334には、第2ステージ350に遊技球を流下させるための第1ステージ傾斜溝342が形成されている。この第1ステージ傾斜溝342は、谷部334から第2ステージ350にかけて(即ち、後方から前方に向けて)下方に傾斜しており、これにより、第2ステージ350に遊技球が導かれるようになっている。従って、第1ステージ330上を転動している遊技球が山部332を乗り越える勢いがなくなったとき、この第1ステージ傾斜溝342によって第2ステージ350に導かれ易くなる。第1ワープ出口側端部336と第1ワープ反出口側端部338との間を往復して転動するだけの勢いがなくなった遊技球は、山部332から第3始動口394に入賞する可能性よりも、谷部334から第2ステージ350に導かれる可能性の方が極めて高い。
第1ステージ330と第2ステージ350との間には、各ステージ330,350を仕切るための薄い板状のステージ仕切壁364が設けられている。このステージ仕切壁364は第1ステージ330上の面よりも上方向に突出するように配置されており、これにより、第1ステージ330上を転動する遊技球が第2ステージ350に流下しないようになっている。ただし、ステージ仕切壁364の第1ステージ330の谷部334に対応する位置には、第1ステージ330(具体的には谷部334)と第2ステージ350とが連通する連通部366が形成されている。連通部366付近で左右に転動する勢いがなくなった遊技球は、連通部366を通って第1ステージ330から第2ステージ350に流下する。
第2ステージ350の左右方向の略中央部(即ち、第1ステージ330の山部332に対応する部位)であって且つ高台部352に対応する位置には、第1始動口誘導路374を介して枠状装飾体370の下枠370aに形成された開口部372に連通する第1始動誘導口368が形成されている。即ち、第1始動誘導口368は、遊技球の流下方向側ではなくその反対方向(第2ステージ350の後方側)に設けられている。これにより、遊技者から見て遊技球が第1始動誘導口368に受入れられることを視認し易くなる。
第1始動誘導口368に導かれた遊技球は、第1始動口誘導路374を通って開口部372から遊技盤5上に排出される。ここで、第1始動口誘導路374は第1始動口390の真上方まで遊技球を導くように形成されているので、第1始動口誘導路374に導かれて遊技盤5面側に排出された遊技球が第1始動口390に入賞する期待感は非常に大きなものとなる。ただし、第1始動口390の真上には釘が配置(図示せず)されており、この釘によって第1始動口390への遊技球の入賞が阻害されることがある。従って、第1始動口誘導路374を通って開口部372から遊技盤5上に排出された遊技球が第1始動口390に入賞する確率は、概ね4分の1〜4分の3程度となる。
高台部352の左右方向の略中央部は第1始動誘導口368の位置に対応しており、高台部352の両端から略中央部にかけて(即ち、第1始動誘導口368側に向けて)下方に傾斜する傾斜部353を有している。また、高台部352の略中央部には、後述する第3棚部(以下、「第3ステージ376」と称する。)に遊技球を導くための前方傾斜溝360が形成されている。また、前方傾斜溝360の内側にはさらに、遊技球を第1始動誘導口368に導くための第1始動誘導口誘導溝362が形成されている。即ち、高台部352の略中央部には、後方から前方に向けて下方に傾斜する前方傾斜溝360が形成されていると共に、この前方傾斜溝360の内部にさらに、前方から後方にかけて下方に傾斜する第1始動誘導口誘導溝362が形成されていることとなる。これにより、前方傾斜溝360付近で左右に転動する勢いがなくなった遊技球は、第1始動誘導口誘導溝362に沿って第1始動誘導口368に導かれる場合と、前方傾斜溝360に沿って第3ステージ376に流下する場合とがある。
また、枠状装飾体370の下枠370aには、左右方向に円弧を描くように曲面が形成された第3ステージ376が形成されている。遊技球は、この第3ステージ376上を左右方向に転動可能となっている。第3ステージ376の左右方向の略中央部には、後方から前方にかけて下方に傾斜する前方誘導溝378が形成されている。この前方誘導溝378付近で左右に転動する勢いがなくなった遊技球は、前方誘導溝378に沿って遊技盤5上を流下する。
このように、高台部352の略中央部に第1始動誘導口誘導溝362が形成されているので、第1始動誘導口368に遊技球が導かれる期待感は、山部332から第2始動口392に入賞する期待感よりも極めて高くなる。また、第2始動口392には第1ワープ入口306からセンター役物300内に受入れられた遊技球のみが入賞可能である一方、第1始動口390には第1ワープ入口306または第2ワープ入口308からセンター役物300内に受入れられた遊技球のみでなく、センター役物300の左側を流下した遊技球が、釘によって誘導されて第1始動口390に入賞する場合もある。このように、第1始動口390に遊技球が入賞する確率は、第2始動口392に遊技球が入賞する確率よりも高いものとなる。
[センター役物における第1、第2ワープ、および光透過部材について]
図14〜図18を参照しつつ説明する。図14は、遊技盤を斜め前方から示す斜視図であって、装飾カバーを取り外すことによって第1ワープおよび第2ワープを視認可能とした斜視図である。図15は、第1ワープおよび第2ワープの周辺の構成を示す斜視図である。図16は、光透過部材と第1ワープおよび第2ワープとの位置関係を示した図である。図17は、図16とは異なる位置の光透過部材の構成を示す分解斜視図である。図18は、図17に係る光透過部材を含む断面図である。
図14に示すように、第1ワープ316および第2ワープ318は、互いに区画して形成されている。即ち、第1ワープ入口306から取り込まれた遊技球は第1ワープ316のみを流下し、第2ワープ入口308から取り込まれた遊技球は第2ワープ318のみを流下する。これにより、第1ワープ入口306から取り込まれた遊技球と第2ワープ入口308から取り込まれた遊技球とが互いに干渉することなく、それぞれ、第1ステージ330および第2ステージ350に導かれる。
また、第1ワープ316および第2ワープ318は、いずれも、内部を流下する遊技球を視認可能であるように透明部材で構成されている。これにより、第1ワープ入口306または第2ワープ入口308から受入れられた遊技球を視認できる。つまり、従来では遊技者は、センター役物300や演出表示装置115に注意を惹かれていることが多いため、第1ワープ入口306または第2ワープ入口308に遊技球が受入れられたことを見逃す場合が多く、これにより興趣が低下していた。そこで、第1ワープ316および第2ワープ318を透明部材とすることによって、第1ワープ入口306または第2ワープ入口308に遊技球が受入れられたことを見逃した場合であっても、第1ワープ316および第2ワープ318を流下する遊技球を視認できるので、興趣の低下を抑制できる。
さらに、第1ワープ316および第2ワープ318は、互いに前後方向に隣接してセンター役物300の開口部301に沿って配置されている。詳しくは、第1ワープ316が後方側、第2ワープ318が前方側となるように、互いに隣接すると共に、センター役物300の開口部301に沿って設けられている。これにより、狭いスペースであっても、両者を効率良く配置できる。
また、図15に示すように、第1ワープ316および第2ワープ318の後方には、演出用の光源380が配置される。光源380は、ベース382と複数個のLED384とを有しており、ベース382に複数個のLED384が配列されている。なお、光源380(ベース382およびLED384)、装飾カバー386および光透過部材388によって電飾部材379が構成される。
光源380から発光された光は、光透過部材388に入射し、平面部388aに沿って光透過部材388を透過して遊技盤5の前方に導かれる。光透過部材388は、湾曲された板状の部材であって、透明のプラスティック等の樹脂により構成されている。光透過部材388は平面部388aと、この平面部388aに交差する端部388bとを有している。光透過部材388は、この端部388bが前方側(遊技者側)となるように配置される。
第1ワープ316、第2ワープ318および光透過部材388は、着色された非透明の装飾カバー386によって被覆されている。光透過部材388を透過した光は、装飾カバー386まで導かれるので、装飾カバー386の前面部が発光する。このように、光透過部材388は、光源380から発光された光を前方に導いて線状に発光させることができる。しかも、この光透過部材388は平面部388aの幅方向長さ分だけ光を前方に導くことができるので、光源380を配置する位置の自由度が大きくなる。
また、装飾カバー386が着色されることによって、第1ワープ316および第2ワープ318が視認し難くなっている。従って、装飾カバー386の前面部には、第1ワープ316を流下する遊技球を視認できるように第1ワープ視認孔386aと、第2ワープ318を流下する遊技球を視認できるように第2ワープ視認孔386bとが形成されている。これにより、着色された光による演出を行うことができると共に、第1ワープ316および第2ワープ318を流下する遊技球を視認することができ、興趣が高められる。
更に、図16に示すように、第1ワープ316および第2ワープ318は、光透過部材388の平面部388aに沿って取り付けられる。ここで、光源380から発光された光は光透過部材388の端部388bから前方に導かれるので、遊技球が流下する経路を、光源380から発光された光によって容易に把握することができる。
また、第1ワープ316および第2ワープ318が互いに前後方向に隣接して配置されているので、第1ワープ316および第2ワープ318のそれぞれに光源380および光透過部材388を設けることなく、第1ワープ316および第2ワープ318のそれぞれを流下する遊技球を把握することができる。
また、光透過部材388を透過した光は端部388bから出射するので、線状に発光させることができる。これにより、センター役物300の周囲に沿う場所等、狭い場所であっても発光させることが可能になり、華やかな演出の実行が可能となる。さらに、センター役物300の開口部301に沿って発光させたい場合のように、枠状に発光させることも可能となる。
また、この光透過部材388の端部388bには、平面部388aが正面視となる方向から見て蒲鉾形に形成されている。これにより、平面部388aを透過した光が、直線的に前方に導き出されるのではなく端部388bの長手方向に沿う方向に分散されるので、発光領域が大きくなり、より華やかに見え、興趣が高められる。
本実施形態のセンター役物300における外周に配置された電飾部材379の内、センター役物300の正面視右下側の電飾部材379、つまり、各ステージ330,350,376よりも下方に延びだし、普通図柄表示器82、第1および第2特別図柄表示器84,86、第1および第2特別図柄保留表示器88,90、普通図柄保留表示器92の近傍(左側)に配置された電飾部材379では、図17および図18に示すような、形状に特徴のある光透過部材389が用いられている。
この光透過部材389は、上記の光透過部材388と同様に、所定厚さの透明板からなり、光源380のLED384からの光が直接照射される入射側端部389aと、入射側端部389aの反対側、つまり、装飾カバー386側に配置され、入射側端部389aから光透過部材389内に進入した光を外部へ放射する放射側端部389bとを備えている。この放射側端部389bの表面は、細かい凸状レンズが形成されており、放射される光が拡散するようになっている。
また、光透過部材389には、放射側端部389b側から、入射側端部389aに向かうV字形状の切欠き部389cが形成されており、この切欠き部389cにおける光透過部材389の長手方向先端部側(図中上側)の端面が第1光誘導部389dとされている。この第1光誘導部389dは、入射側端部389aから入射した光が、光透過部材389の長手方向に反射誘導するような面形状とされている。
この第1光誘導部389dによって、入射端部側389a側から入った光が光透過部材389の内部で第1光誘導部389dに到達すると、その光の一部が第1光誘導部389dで光透過部材389の長手方向に沿った方向に反射し、光透過部材389内部をその長手方向の先端部側に向かって光が進むこととなる。なお、第1光誘導部389dでは反射されずに、第1光誘導部389dから光透過部材389の外部へ放射される光があり、外部へ放射された光は、切欠き部389c前方の装飾カバー386を照射することとなる。
また、光透過部材389には、切欠き部389cにおける第1光誘導部389dが配置された側と同じ側の長手方向先端部(図中上側端部)には、光透過部材389の長手方向に沿ってその内を進んできた光を、放射側端部389b側に反射誘導させる第2光誘導部389eが形成されている。この第2光誘導部389eは、長手方向先端に向かう入射側端部389aの端面から鋭角となるような角度に形成された複数の傾斜面を有している。図示するように、これら傾斜面は夫々異なる角度とされており、本例では鋸形状とされている。この第2光誘導部389eによって、光透過部材389内を長手方向先端側に向かって進んできた光を放射側端部389bに向かって反射させて、放射側端部389bから放射できるようになっている。
本例の光透過部材389によると、所定位置に配置された光源380からの光を、入射側端部389aから内部に進入させた上で、第1光誘導部389dで反射させてその光軸をパチンコ機1の前後方向に対して略直角方向である光透過部材389の長手方向に向けさせて、第1光誘導部389dから所定距離離れた第2光誘導部389eへと送り、第2光誘導部389eでは長手方向に進んできた光を、パチンコ機1の前方向へ反射させることで第2光誘導部389eの前側にある放射側端部389bから放射して、その前方の装飾カバー386に照射することで、光装飾することができるようになっている。
つまり、本例の光透過部材389によると、装飾カバー386における光源380の真正面に配置されていない部位に対しても、光源380からの光を照射させることができるので、真後ろに光源380が配置できなくても装飾カバー386全体に光を照射して、装飾カバー386を良好に光装飾することができる。
[裏ユニットと演出表示装置との関係について]
図19〜図23を参照しつつ説明する。図19は、裏ユニットと演出表示装置とを組付けた状態で前方から示す斜視図である。図20は、図19を後方から示す斜視図である。図21は、裏ユニットを後方から示す斜視図である。図22は、演出表示装置の背面図である。図23は、裏ユニットと演出表示装置等とを分解して前方から示す斜視図である。
図示するように、本例では、裏ユニット270の後側に、演出表示装置115が着脱可能に取付けられるようになっている。具体的には、図21に示すように、裏ユニット270には、裏箱410における略矩形状に形成された開口部412の内周で、上下に延びる一方側(背面視で左側)に上下に離反して形成される二つの着脱溝414と、着脱溝414とは左右方向反対側(背面視で右側)で裏箱410の後面に配置され着脱レバー416を有した着脱機構418とを備えている。
着脱機構418の着脱レバー416は、裏箱410における開口部412の中心を向く側が開放された上下方向に長い断面箱型形状とされると共に、裏箱410の後面に上下方向にスライドできるように保持されている。この着脱レバー416の後面側には、上下方向の略中央で後側に突出するツマミ部416aと、ツマミ部416a下側の後面が切り欠かれて後側に開放された開放部416bとを備えている。
一方、演出表示装置115は、図22に示すように、その外形が略矩形状に形成されており、左右一方の側面(背面視左側の側面)で上下方向に互いに離反した位置に形成され、外方に向かって突出する二つの着脱突起420と、着脱突起420が形成された側面とは反対側の他方の側面(背面視右側の側面)で上下方向の略中央に形成され、外方に向かって突出する着脱係止部422とを備えている。これら、着脱突起420および着脱係止部422は、裏ユニット270の着脱溝414および着脱機構418と対応するように形成されている。
裏ユニット270への演出表示装置115の取付けは、裏箱410における着脱機構418の着脱レバー416を上側にスライドさせた状態で、演出表示装置115の表示画面を前側に向けて裏ユニット270の後側に配置し、二つの着脱突起420を着脱溝414に挿入すると共に、着脱係止部422を着脱レバー416の開放部416bから着脱機構418内に挿入する。そして、着脱レバー416を下側にスライドさせることで、着脱係止部422の後側が着脱レバー416の後面に覆われて、着脱係止部422が係止され演出表示装置115が裏ユニット270へ取付けられることとなる。
なお、演出表示装置115が裏ユニット270へ取付けられることにより、裏箱410の開口部412が演出表示装置115によって閉鎖されと共に、裏箱410の剛性が高くなるようになっている。
また、裏ユニット270における着脱溝414は、裏箱410と、裏箱410の後側に固定された演出用役物裏球経路上部材424(詳細な構成および作用は後述する)との協働によって形成されるようになっている。この演出用役物裏球経路上部材424は、後側から所定のビスによって裏箱410に固定されていると共に、裏ユニット270の裏箱410や、演出表示装置115とは明らかに異なる色に着色されており、それらと容易に識別できるようになっている(図20、図21等を参照)。
ところで、故障等により演出表示装置115を裏ユニット270からはずす場合、演出表示装置115を固定する着脱機構418においては着脱レバー416のツマミ部416aの存在により、そこに着脱するための着脱機構418があることを、容易に作業者に認識させることができる。しかしながら、着脱機構418で着脱係止部422の係止を解除しても、着脱突起420が着脱溝414に挿入嵌合されているので、演出表示装置115を後側へ引っ張っただけでは取り外すことができず、作業者に取り外し方法を考えさせてしまい作業にかかる時間が長くなったり、無理に取り外して破損したりする恐れがある。
しかしながら、本実施形態では、演出用役物裏球経路上部材424が、容易に識別できるようになっており、演出用役物裏球経路上部材424が別部材で取り外せることを即座に認識させることができるので、演出表示装置115を取り外す際に、演出用役物裏球経路上部材424を取り外させて、演出表示装置115の取り外しを容易に行わせることができ、取り外しにかかる時間を結果的に短くすることができると共に、無理な取り外しにより裏ユニット270等が破損するのを防止することができるようになっている。
[裏ユニットの全体構成について]
図24〜図28を参照しつつ説明する。図24は、演出用役物を含む遊技盤の構成を示す正面図である。図25は、遊技盤の後方に取り付けられる裏ユニットを、正面上前方から示す斜視図である。図26は、遊技盤の正面図である。図27は、図26に示されるA−A線断面図である。図28は、裏ユニットを主要な部材毎に分解して前方から示す斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1には、遊技領域37に配置され、遊技球を用いた演出を行うことが可能な演出用役物430が備えられている。この演出用役物430は、センター役物300の内側であって且つ枠状装飾体370の右枠370cに隣接する部位に配置されており、演出用大入賞口398aから受入れられた遊技球を用いて演出を行なうものである。
この演出用役物430は円筒状の役物回転体432を有しており、この役物回転体432の内部には、図24に示すようにフィギュア434が収容されている。この役物回転体432は、円周方向の一部が、内部を視認できる透明部材で構成されており、円周方向の一部とは異なる他の部が、内部を視認できない不透明部材で構成されている。ただし、透明部材に代えて開口部が形成されていても良い。内部に収容されたフィギュア434を視認できればその態様は限定されない。
なお、この明細書において、フィギュア434を視認できる側を演出側領域、フィギュア434を視認できない側を装飾側領域と称する。
この演出用役物430の役物回転体432は、長手方向に伸びる中心(即ち役物回転体432の長手方向を横切る断面の中心線)を回転中心として回転自在に構成されている。従って、その回転位置によって、遊技者からフィギュア434を視認できたりまたは視認できなかったりする。即ち、不透明部材が前方(遊技者側)となる場合にはフィギュア434を視認できず(図10参照)、透明部分が前方となる場合にはフィギュア434を視認することができるようになっている(図24参照)。
なお、「遊技盤5に対して回転自在」とは、遊技盤5に取り付けられていることを意味するのではなく、遊技盤5に取り付けられているか否かに拘わらず、遊技盤5に対して回転自在であれば良い。
このフィギュア434を視認できないとき、役物回転体432の前面には「歌姫伝説」の文字を視認することができる。詳細な構成は後述するが、この文字は光を透過可能な透明部材で構成されており、また、この文字の後方にはLED等の光源が配置されている。この光源から遊技盤5の前方に向けて発光させると、「歌姫伝説(装飾文字)」が点灯する。そして、光源の点灯態様を様々な態様とすることで、演出用役物430を装飾部材として用いることもできるようになっている。
つまり、この演出用役物430は、役物回転体432が、フィギュア434が視認できる演出位置と、フィギュア434が視認できず「歌姫伝説」の装飾文字が視認できる装飾位置との間を任意に回転可能な構成となっている。
従って、演出用役物430は、フィギュア434を視認できるときは演出用役物430として機能し、フィギュア434を視認できないとき(即ち装飾文字を視認できるとき)は装飾部材として機能するので、遊技盤5の領域を有効に活用できると共に、役物回転体432を回転させることによって遊技者に意外性を与えることができるので興趣が高められる。
また、図25および図27に示すように、演出用役物430と演出用開閉装置398との間には、演出用大入賞口398aから受入れられた遊技球を演出用役物430に向けて導く役物誘導路436が設けられている。
この役物誘導路436は、演出用開閉装置398から演出用役物430に向けて下方に傾斜している(図25参照)。これにより、演出用大入賞口398aに受入れられた遊技球は、演出用役物430に向けて役物誘導路436上を転動する。また、役物誘導路436は透明な樹脂部材で構成されており、これにより、役物誘導路436上を転動する遊技球を視認することができるようになっている。
ここで、上述した演出用役物430、役物誘導路436等は、裏箱410に夫々支持されるようになっており、裏ユニット270を構成する構成部材とされている。つまり、裏ユニット270は、演出用大入賞口398aを有した演出用開閉装置398と、演出用開閉装置398の演出用大入賞口398aに受入れられた遊技球を誘導する役物誘導路436と、役物誘導路436によって誘導された遊技球が内部に進入することで遊技球を用いた演出を行うことができる演出用役物430と、演出用開閉装置398、役物誘導路436、および演出用役物430等を夫々所定位置に保持すると共に前後方向に貫通する矩形状の開口部412を有した裏箱410とを主に備えている。
また、裏ユニット270には、演出用役物430の上部に配置され役物誘導路436により誘導された遊技球を、演出用役物430内、または外(演出用役物430内に進入させることなく外部へ排出する)の何れかに振分ける振分機構438と、振分機構438によって演出用役物430外へ振分けられた遊技球が流通する演出用役物裏球経路上部材424と、演出用役物裏球経路下部材426(図43参照)とを更に備えている。なお、図28中符号440は、後述のランプ駆動基板688を収容したランプ駆動基板ボックスである。
更に裏ユニット270には、上述したセンター役物300における枠状装飾体370を光装飾するための複数の光源380と、ステージ330,350,376近傍に配置されたセンター電飾部302の光源となるセンター装飾ランプ304等を有したセンター光源部442とを備えている(図25および図28等を参照)。このセンター光源部442は、図示は省略するが、複数のLEDを有したベース基板と、ベース基板の上側に配置されLEDからの光を拡散させる拡散レンズとを備えており、センター電飾部302の他に、各ステージ330,350,376等を光装飾できるようになっている。
この裏ユニット270では、図示するように、上部に振分機構438が備えられた演出用役物430、役物誘導路436、各光源380、およびセンター光源部442等が、前側から裏箱410に取付けられるようになっている。また、演出用開閉装置398、演出用役物裏球経路上部材424、演出用役物裏球経路下部材426、およびランプ駆動基板ボックス440等が、裏側から裏箱410に取付けられるようになっている。
[裏ユニットにおける演出用役物および振分機構の構成について]
図29〜図43を参照しつつ説明する。図29は、演出用役物に振分機構を備えた状態でフィギュアの正面から示す変則正面図である。図30は、演出用役物に振分機構を備えた状態で示す背面図である。図31は、図30における平面図である。図32は、図30における底面図である。図33は、演出用役物に振分機構を備えた状態で前方から示す斜視図である。図34は、演出用役物を主要な構成毎に分解して前方から示す斜視図である。図35は、役物回転体を示す斜視図である。図36は、役物回転体をフィギュアを正面として示す変則正面図である。図37は、役物回転体のフィギュア側を分解して示す斜視図である。図38は、役物回転体の装飾部材側を分解して示す斜視図である。図39は、役物回転体における第1演出樋の回動駆動機構を示す図である。図40は、図31におけるB−B断面図である。図41は、図31におけるC−C断面図である。図42は、図26におけるD−D断面図である。図43は、演出用役物における遊技球の排出経路を説明するための分解斜視図である。
図示するように、演出用役物430は、上下方向に延びる軸芯周りに回転可能とされた役物回転体432と、役物回転体432の周方向の所定範囲内が外部に露出するような開口部444を有した演出用役物ベース446と、演出用役物ベース446の下側に配置され役物回転体432を回転駆動させる回転駆動ユニット448と、演出用役物ベース446の開口部444を閉鎖し透明部材からなる第1閉鎖部材450、および第2閉鎖部材452とを主に備えている(図34参照)。
また、演出用役物430には、透明な第2閉鎖部材452を介してセンター役物300における枠状装飾体370の所定範囲(具体的には、右枠370c)に光を照射するための光源454が備えられている。この光源454は、上記の光源380と同様に、複数のLED456と、LED456が取付けられる光源基板458とから構成されており、役物回転体432の長さ(上下方向の長さ)と略同じ長さの光源基板458に、LED456が列状に取付けられている(図34参照)。
この演出用役物430における役物回転体432は、フィギュア434等を保持する役物回転体本体460を備えている。この役物回転体本体460は、上下に配置された円盤状の天板部462および底板部464と、天板部462と底板部464とで形成される円筒空間を、円周方向に分割して二つの空間(球流通空間460aと装飾空間460b)を形成する隔壁部466とを備えている(図37および図38参照)。
この役物回転体本体460の天板部462には、その上面中心に軸受溝462aが形成されていると共に、上下方向に貫通し遊技球が通過可能な長孔462bが形成されている。この長孔462bは、隔壁部466によって区画された一方の空間(球流通空間460a)と連通するように形成されていると共に、球流通空間460aの周方向端部(図36において左側端部)近傍に配置されている。
一方、役物回転体本体460の底板部464には、その略中心に配置される開口464aと、球流通空間460a側に配置され円弧状に列設された複数の通孔464bとが備えられており、開口464aおよび通孔464bは上下方向に貫通した形態とされている(図37および図38参照)。
また、役物回転体432には、隔壁部466によって区画された球流通空間460a内に、所定のキャラクタを立体的にデフォルメして造形したフィギュア434と、フィギュア434の略中心に向けて長孔462bを通過した遊技球を役物回転体432内に放出する球放出部材468と、球放出部材468の下方に配置され左右方向に延びると共に左右方向の略中心で水平方向に延びる軸(後述する支持軸474)周りに回動可能とされた第1演出樋470と、第1演出樋470の下方に配置された第2演出樋472とを更に備えている。
これら球放出部材468、第1演出樋470および第2演出樋472は、いずれも、遊技球が転動する態様を視認できるように透明部材で構成されている。
このフィギュア434は、片手434aを前方向に差し出した態様で配置されている。また、フィギュア434には、片手434aの真上に支持軸474が支持されている。この支持軸474は、前後方向を長手方向とする軸である。即ち、片手434aと支持軸474とが略平行となる。第1演出樋470は、フィギュア434の片手434aに支えられるように片手434aに固定して配置されていると共に、支持軸474に支持されている。
この支持軸474は、フィギュア434の片手434aおよび第1演出樋470と一体的に構成されていると共に、所定の角度範囲内で回転自在に構成されている(詳細は後述する)。なお、支持軸474は、隔壁部466によって軸支されると共に、片手434a側とは反対側の端部が隔壁部466を貫通して装飾空間460b側へ延びだしている(図38参照)。
また、第1演出樋470の下方に配置された第2演出樋472は、一方の端(本実施形態では右端472a)から他方の端(本実施形態では左端472b)にかけて傾斜している。なお、第1演出樋470および第2演出樋472は、平面視において役物回転体432の周方向に沿った円弧形状とされており、その外形が役物回転体本体460の円筒外周から突出しないような形態となっている(図35および図42等を参照)。
また、役物回転体432には、球流通空間460a内に、支持軸474の下方であって且つ左側には第1の演出口476が、支持軸474の下方であって且つ右側には第2演出樋472に連通する第2演出樋誘導口478が、それぞれ形成されている。支持軸474が反時計回りの方向に回転限界まで回転したとき、第1演出樋470の左端470bが第1の演出口476の上方に位置する。一方、支持軸474が時計回りの方向に回転限界まで回転したとき、第1演出樋470の右端470aが第2演出樋誘導口478の上方に位置する。
なお、この第1演出樋470は、その両端の右端470aと左端470bとを同じ高さ(水平状態)となるようにすると、中心部分が右端470aおよび左端470bよりも下方の位置となるような形状となっている。つまり、第1演出樋470は中央が下がった形状となっている。これにより、第1演出樋470が略水平状態の時に、球放出部材468から放出された遊技球が供給されると、第1演出樋470上を左右方向に揺動するような動きをさせることができるようになっている(図29参照)。
第1演出樋470での遊技球の動きを詳述すると、図29に示すように、第1演出樋470に供給される遊技球は、球放出部材468により右方向に向かう運動ベクトル(所定の初速度)を付与された上で第1演出樋470の略中央付近に落下供給されるため、第1演出樋470に供給された遊技球は、第1演出樋470の右端470aへ向かって転動することとなる。その際に、第1演出樋470は、左右両端470a,470bが中央よりも高くなっているので、右端470a向かって転動する遊技球は、坂を登るような状態となり重力の作用によって速度が徐々に減速し、遊技球の転動が停止すると今度は第1演出樋470の中央に向かって転動を開始して、左右よりも低い中央に遊技球が戻ってくる。なお、右方向の運動ベクトルが大きくて減速しきれずに遊技球が右端470aに到達した場合、第1演出樋470が略水平状態の時は、第1演出樋470の右端470aと第2演出樋誘導口478とが非連通状態となっているので、遊技球は第2演出樋誘導口478へと誘導されず隔壁部466に衝突して反射し、第1演出樋470の中央つまり左端470bに向かって転動することとなる。
そして、第1演出樋470の右端470a側から中央側に向かった遊技球は、坂を下るような状態となり、中央に向かうに従って転動速度が速くなるので、第1演出樋470の中央を通り過ぎて、今度は左端470bに向かって坂を登ることとなる。そして、中央から左端470bへ向かった遊技球は、重力の作用により転動速度が徐々に減速して停止すると、今度は左端470b側から中央側、つまり、右端470a側に向かって転動を開始する。なお、第1演出樋470が略水平状態の時は、第1演出樋470の左端470bと第1の演出口476とが非連通状態となっているので、遊技球は第1の演出口476へと誘導されず、遊技球の転動速度が速くて停止できず左端470bまで到達した場合は、隔壁部466に衝突して反射し、第1演出樋470の中央つまり右端470aに向かって転動するようになる。
このように、遊技球が上記の動作を繰り返すことで、第1演出樋470上を左右方向に揺動するように転動することとなり、第1演出樋470の右端470aと左端470bとの間を遊技球が行ったり来たりすることで、遊技者に対して何れの端から遊技球が落下するのかをハラハラ・ドキドキさせることができ、興趣の高められる動きができるようになっている。
また、第2演出樋472の左端472bの下方には、第2の演出口480が形成されている。即ち、第1の演出口476と第2の演出口480とが上下に並んで形成されている。これら、第1の演出口476および第2の演出口480は、隔壁部466を貫通して装飾空間460b側と連通しており、受入れた遊技球が装飾空間460b側へ送られるようになっている。なお、隔壁部466の装飾空間460b側には、第1の演出口476および第2の演出口480に受入れられた遊技球を、役物回転体本体460の円筒外周まで誘導する第1誘導部466aおよび第2誘導部466bが形成されている。
ここで、第1の演出口476は青色、第2演出樋誘導口478および第2の演出口480は赤色で構成されている。これにより、第1演出樋470による一球の遊技球を左右に振り分けつつ、当たりであるか外れであるかについては、上下に並んで形成された各演出口への遊技球の受入れによって判断できるようになっている。
ところで、役物回転体本体460では、図40に示すように、天板部462における長孔462bの後端が、隔壁部466の一般形状に対して装飾空間460b側に食込んだ位置に配置されていると共に、長孔462bが球流通空間460aのみと連通するように、長孔462bの下方所定範囲(第1演出樋470の略回動上端まで)において、隔壁部466が装飾空間460b側に突き出すことで球流通空間460a側が窪んだ凹部466cが形成されている。
一方、球放出部材468は、天板部462の下側に配置される扇形状の装飾部468aと、装飾部468aの一方の端部(左端部)から下方に延び役物回転体本体460における隔壁部466の凹部466c前側上部を覆う被覆部468bと、被覆部468bの下方で凹部466cの底面と略連続し第1演出樋470の中央部上方付近に延び出す放出部468cとを備えている。
この球放出部材468が、役物回転体本体460に取付けられることで、後述する演出用役物ベース446の落下口536bに落下した遊技球が、長孔462b内の前側部分から進入し、被覆部468bにより凹部466cへと誘導される。その際に、被覆部468bの上方で遊技球の移動に沿うように長孔462bが形成されている、つまり、長孔462bにより被覆部468bの上側部分が高くなっているので、遊技球が天板部462の裏側と当接することなく凹部466cへ良好に誘導されるようになっている。そして、被覆部468bと凹部466cとにより遊技球を凹部466cの底面まで降下させた上で、凹部466cの底面から放出部468cを介して第1演出樋470に供給させることができるようになっている(図40参照)。
更に、役物回転体432には、球流通空間460a内に、第2演出樋472の下方の隔壁部466に取付けられ回転軸482が隔壁部466を貫通して装飾空間460b側に突出する球振分部モータ484と、球振分部モータ484を覆うように前側に配置され表面がメッキ装飾されたモータカバー486とが備えられている。このモータカバー486によって球振分部モータ484が、遊技者から見えないようになっている。なお、本例では、球振分部モータ484がステッピングモータとされている。
また、モータカバー486の前側には、透明部材からなるシャンデリア状の装飾レンズ488と、装飾レンズ488の前面を覆うと共に外面が役物回転体本体460の外周面と略一致するような部分円筒面形状とされた透明部材からなるカバーレンズ490とが備えている。モータカバー486のメッキ装飾と、透明な装飾レンズ488とによって、煌びやかでゴージャスな印象を与えられるようにしている。
このカバーレンズ490は、上下方向に延びる部分円筒形状のカバー部490aと、カバー部490aの下端から役物回転体本体460の回転中心に向かって略水平に延びる板状の底部490bとを備え、断面が略L字形状とされている(図41参照)。なお、図示は省略するが、カバーレンズ490のカバー部490aには、文字等を図案化した磨り装飾が施されている。
このカバーレンズ490は、カバーレンズ490における底部490bの外側端部近傍の下側に配置される光入射部490cと、光入射部490cから底部490b内に入射した光をカバー部490aと底部490bとが接する方向に反射誘導させる第1光誘導部490dと、カバー部490aと底部490bとが接する位置に配置され第1光誘導部490dからの光をカバー部490aの上端面の方向に反射誘導させる第2光誘導部490eと、カバー部490aの上端面に配置され第2光誘導部490eからの光をカバーレンズ490の内側斜め上方に向けて外部に放射する光放射部490fとを更に備えている。
このカバーレンズ490における第1光誘導部490dは、底部490bの外側端部(役物回転体本体460の中心に向かう側の端部)を、その上側が面取り(C面取り)状に切り欠かれるような形状とすることで形成されている。また、第2光誘導部490eは、カバー部490aと底部490bとが接する部分を、内外共に面取り(C面取り)された形状とすることで形成されている。更に、光放射部490fは、カバー部490aの上端を、カバーレンズ490の内側が低くなるようにして、その垂直線がフィギュア434の方向を向くような面取り(C面取り)形状とすることで形成されている。
このカバーレンズ490によると、光入射部490cから内部に入射された光をカバー部490a上端の光放射部490fまで導いて、その光放射部490fから放射させて、カバーレンズ490の上方に配置されたフィギュア434、第1演出樋470、および第2演出樋472を下側から照明できるようになっている。
なお、カバーレンズ490の第1光誘導部490dに接するように、表面がメッキ処理されたモータカバー486の一部が配置されており、このモータカバー486においても光が反射することで第2光誘導部490e方向に反射される光を相対的に多くすることができるようになっている。
一方、図38に示すように、役物回転体432における隔壁部466によって区画された他方の空間、つまり、装飾空間460b内には、第1演出樋470を所定角度範囲内に回動させるための回動駆動機構492が備えられている。この回動駆動機構492は、第1演出樋470の支持軸474と一体回転する第1リンク部材494と、球振分部モータ484の回転軸482と一体回転する第2リンク部材496とを備えている。
この回動駆動機構492は、第1リンク部材494の先端側に形成されたスリット494a内に、第2リンク部材496の先端に突設されたピン496aを挿入することで第1リンク部材494と第2リンク部材496とが互いにリンクされて、球振分部モータ484の回転が第1演出樋470に伝達されるようになっている(図39参照)。詳述すると、球振分部モータ484の駆動により第2リンク部材496が回転すると、その先端のピン496aが、回転軸482を中心とした所定半径の円周上を移動することとなる。この移動するピン496aによって第1リンク部材494のスリット494aが内側から押されると共に、第1リンク部材494が支持軸474により回転以外の移動が規制されているので、スリット494a内でピン496aが摺動し、これにより、第1リンク部材494が支持軸474を中心として回動することとなる。
この回動駆動機構492は、図示するように、第1リンク部材494の長さが、第2リンク部材496の長さの約二倍の長さとされている。これにより、球振分部モータ484によって第2リンク部材496が所定角度回動させられると、第2リンク部材496および第1リンク部材494を介して支持軸474が所定角度の約半分の角度、回動するようになっている。つまり、球振分部モータ484の回転角度が約半分になって、第1演出樋470を軸支する支持軸474に伝達されるので、球振分部モータ484の回転誤差に対して第1演出樋470の回転誤差が約半分となり、第1演出樋470の回動制御をより綿密に制御できると共に、第1演出樋470を滑らかに回動させることができるようになっている。
なお、回動駆動機構492には、球振分部モータ484の回転軸482に対して第2リンク部材496とは異なる方向に延出すると共に、第2リンク部材496と一体に構成された検知片498と、検知片498を検知可能とされ球振分部モータ484における回転軸482の近傍で隔壁部466に支持される球振分部モータセンサ500とが備えられている。
この検知片498と、球振分部モータセンサ500とによって、球振分部モータ484の回転位置を検出することができ、その検出によって球振分部モータ484の原点調整を行って、第1演出樋470の回動が良好な状態で行うことができるようになっている。
また、役物回転体432には、装飾空間460b内に、「歌姫伝説」の文字を点灯・点滅する装飾部材502が備えられている。この装飾部材502は、役物回転体本体460における装飾空間460bの周方向全体ではなく、所定範囲内のみを覆う大きさとされている。詳しくは、装飾部材502の周方向の大きさが、隔壁部466から外周に向かって延びる第1誘導部466aおよび第2誘導部466bが、役物回転体432の外側に露出するような大きさとされている(図35参照)。
この装飾部材502は、役物回転体本体460の円筒外周と略一致するような部分円筒面形状とされ「歌姫伝説」の文字を備え透光性を有する部材からなる装飾レンズ504と、装飾レンズ504の裏側に配置される板状の拡散レンズ506と、拡散レンズ506の裏側に配置され基板508の所定位置に複数のLED510が備えられた光源基板512とを備えている。
この装飾部材502の拡散レンズ506は、装飾レンズ504と対向する面で装飾レンズ504における「歌姫伝説」の装飾と対応する位置に配置され上下方向に延びる複数の帯状凸レンズからなる光放射部506aと、光放射部506aとは反対側の面に備えられ上下方向に対して直交する方向に延びる複数のV溝からなる光反射部506bと、光反射部506bのV溝が延びる方向に対して直角方向(上下方向)に位置する端部に形成された平坦面からなる光入射部506cとを備えている(図38および図41参照)。
本例の拡散レンズ506は、上下方向の中間部で光放射部506aの形成された部位に貫通する所定幅の開口部506dが形成されており、この開口部506d内周の上面および下面が夫々光入射部506cとされている。
また、装飾部材502の光源基板512は、図示するように、その基板508が拡散レンズ506の裏面と接するぐらいに接近した位置に配置されると共に、LED510からの光が拡散レンズ506の光入射部506cに照射されるように、LED510の発光部が上下方向を向くように基板508に取付けられている。つまり、LED510が、拡散レンズ506の上下端部および開口部506dに形成された光入射部506cと夫々対面するように基板508に取付けられている。
この装飾部材502は、光源基板512のLED510によって上下方向に発せられた光が、拡散レンズ506の光放射部506aにより形成される面に対して直角方向に配置された光入射部506cに照射されると、その光入射部506cから拡散レンズ506内へと進入する。そして、拡散レンズ506内に進入した光のうち、装飾レンズ504が配置された側とは反対側(基板508が配置された側)に向かった光が、光反射部506bに到達してその複数のV溝により装飾レンズ504側(光放射部506a側)に反射して、光放射部506aから装飾レンズ504へと放射される。その際に、この光放射部506aには、上下方向に延びる複数の帯状凸レンズを備えているので、光放射部506aから放射される光が上下方向に対して直角方向に拡散するように放射される。
この装飾部材502によると、板状に形成された拡散レンズ506の端部に設けられた光入射部506cから光を入射させると、拡散レンズ506の一方の面に形成された複数のV溝からなる光反射部506bによって他方の面に形成された光放射部506a側に反射され、光放射部506a全体から光を放射することができ、装飾レンズ504全体を面状に光らせることができるようになっている。
ところで、装飾レンズの裏側に光源を配置した場合、光源と装飾レンズとの間が近すぎると、光源からの光が充分に拡散する前に装飾レンズに到達してしまい、光源が有るところと無いところで装飾レンズの光具合が異なって面状に発光しない問題がある。そのため、装飾レンズに対して光源を遠ざけることで、光を充分に拡散させて装飾レンズを面状に発光させるようにすることが考えられるが、この場合、装飾レンズと光源との距離が長くなるので、装飾部材全体の厚さが厚くなり、スペース等の関係により装飾レンズを面状に発光させることができなくなり、効果的な光装飾が行えない問題がある。
しかしながら、この装飾部材502によると、拡散レンズ506の面に沿うような方向から入射した光が、拡散レンズ506の面から面状に放射することができるので、拡散レンズ506の裏側にLED等の光源を配置する必要がなく、装飾部材502の厚さを可及的に薄くすることができ、装飾部材の設置スペースに関係なく装飾レンズ504を良好な状態で面状に発光させて、効果的な光装飾が行えるようになっている。
本例の役物回転体432には、図41に示すように、役物回転体本体460における天板部462と球放出部材468との間に配置される回転体上基板514が更に備えられいる。この回転体上基板514の下面には複数のLED516が取付けられており、このLED516の発光によって、球放出部材468を介してフィギュア434、第1演出樋470、および第2演出樋472等を上から照明するようになっている。
また、役物回転体432には、役物回転体本体460における底板部464の下側に配置される回転体下基板518が更に備えられている。この回転体下基板518は、その上面側で底板部464における通孔464bと対応した位置に光源としてのLED520が複数取付けられていると共に、その下面側の中央には役物回転体432に備えられた球振分部モータ484、球振分部モータセンサ500、光源基板512、回転体上基板514、回転体下基板518、および振分機構438を電気的に接続するための接続コネクタ522が複数(本例では三つ)備えられている。
なお、三つの接続コネクタ522のうち、役物回転体本体460の回転中心に位置する中央の接続コネクタ522は、球振分部モータ484や球振分部モータセンサ500等へ接続される回転体下基板518と接続しており、役物回転体432の回転に伴って接続コネクタ522が回転しても、接続コネクタ522と接続される接続プラグから延びる配線コードの捩れを可及的に少なくすることができ、捩れにより配線コードが断線するリスクを低減させることができるようになっている。
更に、役物回転体432には、回転体下基板518の下側に配置され回転駆動ユニット448からの回転駆動を役物回転体432に伝達させるための回転接続部材524が備えられている。この回転接続部材524を役物回転体本体460の底板部464に所定のビスを用いて固定することで、回転接続部材524と底板部464とにより回転体下基板518が挟持固定されるようになっている。
この回転接続部材524は、役物回転体本体460の軸芯と略同芯となり回転体下基板518に取付けられた複数の接続コネクタ522全体が下方から望める大きさの円形状に開口する開口部524aと、開口部524aの周縁近傍から下方に延び出した円筒部524bと、円筒部524bの内周に配置され上下方向に延びる複数(本例では二つ)の突起524cとを備えている(図32および図34参照)。この開口部524aは、その大きさが接続コネクタ522と接続する接続プラグ(図示しない)が通過可能な大きさとされ、開口部524aを通って回転する役物回転体432を電気的に接続できるようになっている。
本例の演出用役物430における回転駆動ユニット448は、役物回転体432を回転駆動させるための回転部モータ526と、回転部モータ526の回転軸に固定される第1ギア528と、第1ギア528と噛合する第2ギア530aを有し役物回転体432の回転接続部材524と接続すると共に役物回転体432を下側から支持する台座ギア530と、台座ギア530の回転位置を検出することで回転部モータ526の回転位置を検出する回転部モータセンサ532と、回転部モータ526、第1ギア528、台座ギア530、および回転部モータセンサ532を所定位置に支持する回転駆動ユニットケーシング534とを備えている(図34参照)。
この回転駆動ユニット448における台座ギア530には、上下が開放され回転接続部材524の円筒部524b内に挿入可能な円筒状の台座円筒部530bと、台座円筒部530bの上端部で円筒部524b内の突起524cが嵌合可能な切欠き部530cと、台座円筒部530bの下部外周に形成され第1ギアと噛合し外形が第1ギア528の約二倍の径とされた第2ギア530aと、第2ギアの下側外周に形成され半径方向外側に突出する略扇形状の検出片530dとを主に備えている。
また、回転駆動ユニット448の回転駆動ユニットケーシング534には、台座ギア530の台座円筒部530bの内部と連通するような大きさで円形の開口部534aと、開口部534aの外側で周方向所定間隔に備えられ台座ギア530を回転可能に支持する複数(本例では三つ)の支持ローラ534bとが備えられている(図32参照)。複数の支持ローラ534b上に台座ギア530が載置されることで、台座ギア530が回転可能に支持されるようになっている。
この回転駆動ユニット448は、台座ギア530の台座円筒部530bを回転接続部材524の円筒部524b内に挿入すると共に、台座円筒部530bの切欠き部530cと円筒部524b内の突起524cとを互いに嵌合させることで、台座ギア530と回転接続部材524とを一体回転可能に接続することができ、回転部モータ526の駆動により役物回転体432を回転させることができるようになっている。
また、回転駆動ユニット448の台座ギア530により、役物回転体432の下側を回転可能に軸支するようになっている。なお、回転駆動ユニット448は、役物回転体432を回転駆動させるだけでなく、台座ギア530を介して回転駆動ユニットケーシング534の支持ローラ534bにより役物回転体432の重量も良好に支持できるようになっている。
この回転駆動ユニット448における回転駆動ユニットケーシング534の開口部534aおよび台座ギア530の台座円筒部530bにより、役物回転体432下部に備えられた接続コネクタ522が下方から望めるようになっていると共に、図示しない接続プラグを回転駆動ユニット448の下側から通過させて接続コネクタ522に接続できるようになっている(図32参照)。
なお、具体的な構成については図示を省略するが、役物回転体432下部の接続コネクタ522に接続される接続プラグは、裏箱410の演出用役物430が固定支持される部位の下方に形成された回転体中継基板固定部410a(図25および図28参照)に取付けられる回転体中継基板(図示せず)から所定の弛みを持たせた長さの配線コードを介して接続されている。この接続コネクタ522と回転体中継基板との距離は、回転する接続コネクタ522と裏箱410に固定される回転体中継基板との間を、不具合が発生することなく配線コードが捩れることのできる距離となっているので、回転する役物回転体432と良好な状態で電気的に接続することができると共に、配線コードが断線するリスクが可及的に低くなるようになっている。
演出用役物430における演出用役物ベース446は、上側に配置され略円盤形状のベース天板部536と、下側に配置されるベース底板部538と、ベース天板部536とベース底板部538との外周縁同士を連結すると共にパチンコ機1に対して前側が開放されたベース外周壁部540とを主に備えている(図34参照)。
この演出用役物ベース446におけるベース天板部536には、その上面に役物誘導路436から供給された遊技球を演出用役物ベース446の後側に誘導する上部球誘導路536aと、上部球誘導路536aから外れた位置にベース天板部536を貫通するように穿設され遊技球が通過可能な大きさで円形の落下口536bとが備えられている(図31参照)。この上部球誘導路536aは、役物誘導路436によりベース天板部536の図中左側から供給された遊技球を、ベース天板部536の中心に対して周方向に遊技球を誘導した上で演出用役物ベース446の後側に誘導するようになっている。
ベース天板部536における落下口536bは、役物回転体432が、フィギュアが視認できる演出位置にある時に、役物回転体432における長孔462bの前端と略一致するような位置に配置されている。なお、ベース天板部536には、中心に役物回転体本体460の軸受溝462aよりも若干大きい径の通孔536cが備えられている(図34参照)。
演出用役物ベース446のベース底板部538には、その中心に役物回転体本体460の下側から下方に突出する回転接続部材524の円筒部524bが通過可能な通孔538aが形成されている(図34参照)。
本例の演出用役物ベース446におけるベース外周壁部540には、フィギュア434が視認可能となるように、役物回転体432が演出位置に位置した時に、役物回転体432の第1誘導部466aおよび第2誘導部466bと対応する位置にベース外周壁部540を貫通するように第1排出受入口540aおよび第2排出受入口540bが形成されており、役物回転体432の第1の演出口476または第2の演出口480に受入れた遊技球が、第1誘導部466aまたは第2誘導部466bに誘導されて第1排出受入口540aまたは第2排出受入口540bを通ってベース外周壁部540の裏側、つまり、演出用役物430の後側に排出されるようになっている。
また、このベース外周壁部540は、図30に示すように、その後側に、べース天板部536の上部球誘導路536aと連通する球排出流路542と、球排出流路542とは分離した流路とされ第1排出受入口540aおよび第2排出受入口540bと連通する演出球排出流路544とを備えている。これら球排出流路542および演出球排出流路544は、後側が開放された溝状に形成されており、演出用役物430が裏箱410に取付けられることで、それらの後側が裏箱410により閉鎖され、球排出流路542および演出球排出流路544内を遊技球が良好に流通できるようになっている。
この球排出流路542は、演出球排出流路544を挟むように球排出流路上542aと球排出流路下542bとに、上下に分割された構造となっており、図示は省略するが、裏箱410には、球排出流路上542aの下端と、球排出流路下542bの上端とに対応する位置に、遊技球が通過可能な通孔が形成されていると共に、裏箱410の裏側に配置される演出用役物裏球経路上部材424が、球排出流路上542aから裏箱410外へ排出された遊技球を球排出流路下542bへ戻すようになっている(図43参照)。なお、この球排出流路542には、流路内を通過する遊技球を検出するための球排出流路センサ546が備えられている。
また、演出球排出流路544は、図示するように、上下方向に異なる位置に配置された第1排出受入口540a、第2排出受入口540bを通過した遊技球が、流路内で合流して下方へ排出するような流路となっており、第1排出受入口540aからの遊技球のみが検出可能とされた第1演出球排出流路センサ548と、第1排出受入口540aおよび第2排出受入口540bからの遊技球を検出可能とされた第2演出球排出流路センサ550とを備えている。
この第1演出球排出流路センサ548と第2演出球排出流路センサ550とによって、所定時間内に第1演出球排出流路センサ548と第2演出球排出流路センサ550とで遊技球の通過が検出され場合は、第1の演出口476に受入れられて第1排出受入口540aを通った遊技球であり、第2演出球排出流路センサ550のみ遊技球の通過が検出された場合は、第2の演出口480に受入れられて第2排出受入口540bを通った遊技球であることが判るようになっている。つまり、役物回転体432における第1演出樋470上に供給された遊技球が、第1演出樋470の回動により何れの側に振分けられたかが判るようになっている。
これら球排出流路542および演出球排出流路544を流通した遊技球は、その下側に配置された演出用役物裏球経路下部材426へと流下し、この演出用役物裏球経路下部材426内で合流して、遊技盤5から外部へ排出されるようになっている(図43参照)。
また、ベース外周壁部540には、その右側端部内面に光源454を保持するための取付段部540cが備えられている。この取付段部540cに光源454が取付けられることで、光源454のLED456が発光部を略正面に向けた状態で上下方向に所定間隔で列設されるようになっている。
本例の演出用役物430における第1閉鎖部材450および第2閉鎖部材452は、演出用役物ベース446の外周と略沿うように部分円筒面形状に形成されており、演出用役物ベース446の開放された前側を覆って閉鎖することで、役物回転体432の球流通空間460a内に進入した遊技球が、第1の演出口476および第2の演出口480以外から排出されるのを防止するものである。
この第2閉鎖部材452は、部分円筒面形状の円筒部452aと、円筒部452aの周方向一端側に配置され左右方向外側に延びる平坦部452bと、平坦部452bとは反対側の円筒部452aの周方向他端側に配置され前後方向外側に延び正面視中央部が外側に湾曲した湾曲部452cとを備えている。
また、第2閉鎖部材452は、演出用役物430に備えられ遊技盤ベース266の裏側に配置された光源454からの光を、遊技盤5前面の所定位置に透過誘導させることのできる光透過部材としての機能が備えられている。詳述すると、この第2閉鎖部材452は、平坦部452bの後面側に配置され光源454からの光を内部に入射させる光入射部452dと、光入射部452dから入射した光を円筒部452aの周方向に沿って誘導されるように反射誘導する第1光誘導部452eと、第1光誘導部452eから誘導された光を湾曲部452cの延びる方向に沿うように反射誘導させる第2光誘導部452fと、第2光誘導部452fから誘導された光を湾曲部452c内を介して前面側へ放射する光放射部452gとを備えている(図42参照)。
この第2閉鎖部材452は、その光入射部452dが、円筒部452aと平坦部452bとが接する部位に配置されていると共に、光入射部452dの前側に第1光誘導部452eが配置されており、第1光誘導部452eは、湾曲部452cに向かうに従って円筒部452aの厚さが薄くなるように断面略直線状に形成された平面とされている。また、第2光誘導部452fは、円筒部452aと湾曲部452cとが接する後側の角部を断面略直線状のC面取り状に形成した曲面とされている。
この第2閉鎖部材452によると、光源454から発せられた光が、その内部を通って湾曲部452c前面の光放射部452gまで誘導されて光放射部452gの前側に放射すると共に、湾曲部452cの前方に配置された装飾カバー386(枠状装飾体370の右枠370c)を照射し、装飾カバー386を光装飾できるようになっている。
また、この第2閉鎖部材452によると、部分円筒面形状の円筒部452a内をその周方向に沿って光を誘導させて光放射部452gから放射させるようにしているので、光源454の光軸に対して光放射部452gから放射される光軸を所定方向にシフトさせたりずらしたりすることができ、光装飾したい装飾カバー386の直後に光源454を配置することができなくても装飾カバー386に良好に光を誘導して光装飾させることができるようになっている。
演出用役物ベース446の上部に取付けられる振分機構438は、図31に示すように、パチンコ機1に対して前後方向(図47に示すX方向およびY方向)に伸縮(移動)するプランジャー552aを有するソレノイド552と、演出用開閉装置398(図47参照)から受入れられた遊技球を、一球のみ保持できる遊技球保持部材554と、プランジャー552aと遊技球保持部材554とを連結する連結部材556と、連結部材556を支持するピン558とを有している。
振分機構438における遊技球保持部材554には、ピン558を中心として半径方向外側に開放され遊技球が一つのみ収容可能なU字形状の収容凹部554aと、収容凹部554aの後側端部からピン558を中心とした周方向に後方へ延出する延出部554bとを備えている。この遊技球保持部材554における延出部554bの外周が、上部球誘導路536aの周壁の一部を構成するようになっている。
振分機構438は、ソレノイド552の駆動により、遊技球保持部材554をピン558周りに回動させることができ、詳しくは、遊技球保持部材554の収容凹部554aが役物誘導路436の誘導方向と略一致する収容位置と、収容凹部554aがベース天板部536の落下口536bと略一致する落下位置との間を回動させることができるようになっている。なお、遊技球保持部材554が収容位置にある時には、収容凹部554aと落下口536bとが一致せず、収容凹部554aに収容された遊技球が落下口536bに落下しないようになっている。また、遊技球保持部材554が落下位置にある時には、役物誘導路436からの遊技球は収容凹部554aに収容されないようになっている。
この振分機構438は、遊技球保持部材554が収容位置にある時に、役物誘導路436から遊技球が供給されると、一つの遊技球のみを収容し、収容凹部554aに遊技球が収容されると、他に供給された遊技球を上部球誘導路536aを介して演出用役物ベース446の後側へ排出誘導するようになっている。また、収容凹部554aに遊技球が収容された状態で、ソレノイド552を駆動して遊技球保持部材554を収容位置から落下位置に回動させると、収容凹部554aに収容された遊技球を落下口536b内に落下させることができるようになっている。
この振分機構438には、その下側に下方に突出する突出ピン560が備えられている。この突出ピン560は、振分機構438を演出用役物ベース446のベース天板部536に取付けることで、ベース天板部536の中心に穿設された通孔536cを貫通してベース天板部536の下側に延び出すようになっており、この突出ピン560がベース天板部536の下側、つまり、演出用役物ベース446内に配置された役物回転体432(役物回転体本体460)の軸受溝462a内に挿入されることで、役物回転体432の上側を回転可能に軸支することができるようになっている。
[裏ユニットにおける演出用開閉装置について]
図44〜図46を参照しつつ説明する。図44は、演出用開閉装置を左前方から示す斜視図である。図45は、演出用開閉装置を右前方から示す斜視図である。図46は、演出用開閉装置を分解して示す分解斜視図である。
この演出用開閉装置398は、演出用大入賞口398aを有した下ケーシング562と、下ケーシング562の上側に組み付けられ演出用大入賞口398aを開閉する演出用大入賞口開閉扉398bを前後方向にスライド可能に保持する上ケーシング564と、上ケーシング564と下ケーシング562との協働により保持されると共に演出用大入賞口開閉扉398bを開閉駆動させる開閉駆動機構566とを備えている。
下ケーシング562は、上側が開放された形態とされ、その底部に演出用大入賞口398a内から遊技球を排出する排出口562aが形成されている。演出用大入賞口開閉扉398bは、後方に延びる支持部398baを有し全体として平面視T字形状とされていると共に、支持部に開閉駆動機構566と連結するための連結口398bbが形成されている。
開閉駆動機構566は、上下方向に進退可能とされたプランジャー568aを有した演出用開閉装置開閉ソレノイド568と、演出用開閉装置開閉ソレノイド568により上下方向に駆動されるプランジャー568aの動きを前後方向の動きに変換して演出用大入賞口開閉扉398bを前後方向にスライドさせる駆動伝達部材570とを備えている。なお、プランジャー568aは、演出用開閉装置開閉ソレノイド568の下側から進退するように配置されている。
駆動伝達部材570は、詳述すると、演出用開閉装置開閉ソレノイド568のプランジャー568a先端と係合されると共に略水平方向に延びプランジャー568aの進退方向および演出用大入賞口開閉扉398bのスライド方向の何れとも直交する支持軸570a周りに回転可能な第1片570bと、第1片570bと一体回転し支持軸570aから略上方に延びる先端が演出用大入賞口開閉扉398bの連結口398bb内に挿入係合される第2片570cとを備えている。
また、演出用開閉装置398には、下ケーシング562の排出口562aの下側に演出用開閉装置カウントセンサ572が備えられており、この演出用開閉装置カウントセンサ572によって、演出用大入賞口398aに入賞した遊技球を検出できるようになっている。
この演出用開閉装置398は、演出用大入賞口開閉扉398bによって演出用大入賞口398aの上側のみが閉鎖可能とされ、前側が常時開放された状態となっているが、演出用開閉装置398の直前にパチンコ機1の窓枠39に装着されたガラス板が配置されるようになっており(図示は省略する)、開放された前側から演出用大入賞口398a内へ遊技球が入らないようになっている。
また、演出用開閉装置398は、演出用大入賞口開閉扉398bを閉鎖位置にした時に、窓枠39のガラス板との間で遊技球を挟持して球詰まりが発生するのを防止できるように、その開閉力が弱くしてある。
[演出用開閉装置から振分機構までの遊技球の流れについて]
図47〜図50を参照しつつ説明する。図47は、演出用開閉装置、役物誘導路、振分機構および演出用役物を左上方から見た斜視図である。図48〜図50は、役物誘導路、振分機構および演出用役物の平面図であって、遊技球が振分機構によって振り分けられる態様を示す図である。
本例では、演出用開閉装置398から受入れられた遊技球は、演出用役物430の上方に設けられた振分機構438によって、演出用役物430に導かれる遊技球と遊技盤5の背後に排出される遊技球とに振り分けられるようになっている。なお、本例では演出用開閉装置398に遊技球が受入可能となる前に、演出用役物430内部のフィギュア434が遊技者から視認できる演出位置に、役物回転体432が回転するようになっている。
まず、演出用開閉装置398の演出用大入賞口398aに遊技球が受入れられると、下ケーシング562の排出口562aから排出されると同時に演出用開閉装置カウントセンサ572により検出されて入賞が確定し、ここから下流の遊技球は、遊技球の払い出しや、大当り遊技等の有利遊技状態の発生制御等の遊技者が有利となる遊技制御に関係しない遊技球(所謂、死球)となる。
演出用開閉装置カウントセンサ572によって検出された遊技球は、役物誘導路436へと供給され、演出用役物430の方向へ誘導される。この役物誘導路436は、図示するように、演出用開閉装置398からの遊技球を、左右方向右側へ所定距離誘導させた後に、略直角に後側へ所定距離遊技球を誘導させ、そして、再度遊技球の誘導方向を曲げることで斜め後方から演出用役物430の上部へ向けて遊技球を誘導するようになっている。
このように役物誘導路436には、複数の曲がり角が備えられているので、その角毎に遊技球の流通速度が減衰し、遊技球の流れる速度が速くなるのを防止することができるので、役物誘導路436を流通する遊技球を視認し易くすることができ、遊技球の動きを楽しませることができるようになっている。
そして、役物誘導路436によって誘導された遊技球は、まず、振分機構438に到達する。この振分機構438では、そのソレノイド552のプランジャー552aが、通常状態(即ち消磁状態)のときはX方向側(収容位置)に位置している。そして、役物誘導路436上を振分機構438に向けて転動してきた遊技球は、遊技球保持部材554の収容凹部554aに収容保持される(図48参照)。
遊技球保持部材554に1球の遊技球が保持されると、その後に役物誘導路436上を転動してきた遊技球は、遊技球保持部材554の収容凹部554aによって収容保持できないので、上部球誘導路536aを通って遊技盤5の後方側(図中のY方向側)に排出される(図49参照)。
ところで、上部球誘導路536aには、役物誘導路436によって斜め後方から前方に向けて遊技球が供給されるため、遊技球の慣性力が上部球誘導路536aの前方側、つまり、遊技球保持部材554の収容凹部554a側に向いており、遊技球が収容凹部554aに収容され易いようになっている。
この収容凹部554aに遊技球が収容された状態でソレノイド552が励磁されると、プランジャー552aがY方向に移動する。このとき、連結部材556がピン558を支点として反時計回り(図中のα方向)に回転する。遊技球保持部材554は、連結部材556の反時計回りへの回転に伴って反時計回りに回転する。演出用役物430の役物回転体432の上面には、遊技球が落下できる落下口536bが形成されている。ソレノイド552が励磁して遊技球保持部材554が連結部材556を支点として反時計周りに回転すると、遊技球保持部材554の収容凹部554aに収容保持されている遊技球は、落下口536bから役物回転体432内に落下する(図50参照)。
この落下口536bに落下した遊技球は、役物回転体432の球流通空間460a内へと進入することとなるが、この際に役物回転体432がフィギュア434を視認できる演出位置に回転させられていて、落下口536bと役物回転体432の長孔462bとが一致しているので、落下口536bから役物回転体432内へ進入できるようになっている。なお、役物回転体本体460における天板部462の長孔462bと、球放出部材468の被覆部468bとにより、落下口536bからの遊技球を一旦後側に送ってから第1演出樋470へ供給するようになっている(図40参照)。
なお、ソレノイド552が消磁状態であれば、遊技球保持部材554によって保持された遊技球が落下口536bとずれた位置で保持されるので、遊技球保持部材554によって保持された遊技球が役物回転体432内に落下することはない。
このようにして、演出用開閉装置398に入賞した遊技球が複数であっても、振分機構438によって1球の遊技球のみが演出用役物430内に導かれることとなる。これにより、演出用役物430が、1球の遊技球を用いて演出を行うことが可能となる。
[主基板および周辺基板の制御的な構成について]
図51および図52に基づき説明する。図51は、制御構成を概略的に示すブロック図であって、主基板周辺の構成を主として示した図である。図52は、制御構成を概略的に示すブロック図であって、周辺基板周辺の構成を主として示した図である。なお、これらの図面において太線の矢印は電源の接続および方向を示し、細線の矢印は信号の接続および方向を示している。
本実施形態のパチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板600のグループ(図51に示す)と、周辺基板660のグループ(図52に示す)とで分担されている。主基板600のグループは遊技動作(入賞検出や当たり判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板660のグループは演出動作(発行装飾や音響出力、液晶表示および装飾体の動作等)を制御している。
図51に示すように、主基板600は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU602、読み出し専用メモリとしてのROM604および読み書き可能メモリとしてのRAM606を備えている。
CPU602は、ROM604に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板660や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。
ROM604には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主基板600は、電源中継端子板199を介して電源基板195に接続されており、電源基板195から作動用電力が供給されるようになっている。
この主制御基板131の入力インタフェースには、第1始動口390への入賞状態を検出する第1始動口センサ644、第2始動口392への入賞状態を検出する第2始動口センサ646、第3始動口394への入賞状態を検出する第3始動口センサ648および全ての入賞口に対する入賞数をカウントするための全入賞口入賞数検出センサ650が接続されている。
また、主制御基板131の入力インタフェースには、パネル中継端子板624を介して、通過ゲート402を遊技球が通過したことを検出するゲートセンサ630および一般入賞口404に遊技球が入賞したことを検出する一般入賞口センサ632が接続されている。
さらに、主制御基板131の入力インタフェースには、パネル中継端子板624に接続された演出用開閉装置中継端子板626を介して演出用開閉装置カウントセンサ572が接続され、パネル中継端子板624に接続された大当たり遊技用開閉装置中継端子板628を介して大当たり遊技用開閉装置カウントセンサ640が接続されている。
上記各センサからの検出信号は主制御基板131に入力されるようになっている。また、主制御基板131の入力インタフェースには、前枠体11の開放状態を検出する内枠開放スイッチ620および前面枠4の開放状態を検出する扉開放スイッチ622も接続されている。
一方、パネル中継端子板624の出力インタフェースには、図柄制限抵抗基板634を介して、普通図柄・特別図柄表示基板636が接続されており、主制御基板131から、普通図柄表示器82、第1特別図柄表示器84および第2特別図柄表示器86へ駆動信号を出力することが可能になっている。
また、演出用開閉装置中継端子板626の出力インタフェースには、演出用開閉装置398の演出用大入賞口開閉扉398bを駆動する演出用開閉装置開閉ソレノイド568が接続されており、主制御基板131から、これらの駆動信号が出力されるようになっている。
さらに、大当たり遊技用開閉装置中継端子板628の出力インタフェースには、第3始動口394の一対の可動片396を駆動する普通電動役物ソレノイド638および大当たり遊技用開閉装置400の大当たり遊技用大入賞口開閉扉400bを駆動する大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド642が接続されており、主制御基板131から、これらの駆動信号が出力されるようになっている。
一方、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU608、読み出し専用メモリとしてのROM610および読み書き可能メモリとしてのRAM612を備えている。
そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170や、発射制御基板616に接続された発射モータ192に対して、駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出し、発射モータ192は駆動信号に従って遊技球を発射させることが可能になる。
なお、主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、たとえば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
また、払出制御基板197には、下皿31に貯えられる遊技球が満タンになったことを検出する下皿満タンスイッチ614も接続されており、この検出に基づいて、「遊技球を下皿31から取り出して下さい」旨の報知がなされる。
また、主制御基板131および払出制御基板197には、外部端子板618が接続されており、各始動口390,392,394や各開閉装置398,400への入賞状態、普通図柄・特別図柄の変動状態および抽選結果に基づく遊技状態等の各種情報が、遊技施設に設けられたホールコンピュータ等へ出力されるようになっている。
一方、周辺基板660は、図52に示すように、周辺制御基板662と表示装置制御基板116とから構成されている。なお、上記の主制御基板131と周辺制御基板662との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131から周辺制御基板662へのコマンド送信はあっても、その逆は行われない。また、周辺基板660に対しても電源中継端子板199を介して電源基板195から作動用電力が供給されるようになっている。
周辺制御基板662もまた、CPU664をはじめROM666やRAM668等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することが可能となっている。
また、周辺制御基板662には、音声や音楽の基となる音源を記憶したROM672と、ROM672に記憶された音源を基に、演出内容等に応じた音声や音楽を出力する音源IC670とが設けられている。
なお、周辺制御基板662と表示装置制御基板116との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。
一方、表示装置制御基板116には、演出表示装置115としての液晶表示器(LCD)が接続されており、表示装置制御基板116には、周辺制御基板662から送信されたコマンド信号を処理し、演出表示装置115に対して駆動信号を出力する。詳しく説明すると、表示装置制御基板116には、CPU678、RAM680、ROM682、VDP684および画像ROM686が備えられている。
CPU678は、周辺制御基板662から送られてきたコマンド信号を入出力インタフェースを介して受信するとともに、そのコマンドを基に演算処理を行って、VDP684の制御を行う。RAM680は、CPU678の作業領域を提供すると共に、表示コマンドに含まれる情報を一時的に記憶する。また、ROM682は、CPU678用(表示制御用)のプログラムを保持する。
VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)684は、演出表示装置115に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する描画回路である。VDP684の内部には、レジスタが設けられており、VDP684の動作モードや各種表示機能の設定情報等を保持しておくことが可能となっている。そして、このレジスタに保持される各種情報をCPU678が書き換えることにより、演出表示装置115における表示態様を種々変化させることが可能となる。画像ROM686は、各種の画像データを記憶する不揮発性メモリであり、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データおよび背景画像用のJPEG形式画像データ等が記憶されている。
また、周辺制御基板662には、ランプ駆動基板688および枠装飾中継端子板674が接続されている。さらに、ランプ駆動基板688には、中継端子板として、センター装飾駆動部中継端子板694が接続されている。さらに、センター装飾駆動部中継端子板694には、回転体下基板518が接続されている。
回転体下基板518の入力インタフェースには、演出に用いられた遊技球(即ち、第1演出樋470を転動した遊技球)が、第1の演出口476および第2の演出口480のいずれに受入れられたかを検出するための球振分部モータセンサ500が接続されている。また、回転体下基板518の出力インタフェースには、支持軸474を時計回りと反時計回りとに繰り返し回転させる球振分部モータ484および電飾としてLEDが配列された回転部LED基板696が接続されている。なお、回転部LED基板696とは、回転体上基板514および光源基板512のことである。
また、ランプ駆動基板688の出力インタフェースには、パネル装飾ランプ690、センター装飾ランプ304、演出用役物430を回転させるための回転部モータ526および演出用役物430の回転位置を検出する回転部モータセンサ532が接続されている。これにより、ランプ駆動基板688は、これらの各ランプの点灯状態を切り替えることが可能であると共に、演出用役物430の回転動作および回転位置を検出可能となっている。さらに、ランプ駆動基板688の入力インタフェースには、遊技盤5の後方側に排出された遊技球を検出する排出口検出センサ692が接続されている。なお、排出口検出センサ692は、球排出流路センサ546、第1演出球排出流路センサ548および第2演出球排出流路センサ550により構成されている。
また、周辺制御基板662に接続された枠装飾中継端子板674には、前面枠4に接続されたスピーカー18,57、演出選択スイッチ60および枠装飾ランプ676等が接続されており、周辺制御基板662には、演出選択スイッチ60の操作状態に基づいて演出表示装置115に出力される演出態様を切り替えると共に、スピーカー18,57や枠装飾ランプ676に対して駆動信号を出力する。
[主制御基板および周辺制御基板の機能的な構成について]
図53に基づき説明する。図53は、主制御基板および周辺基板における周辺制御基板の機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図53に示すように、主制御基板131は、第1特別図柄抽選手段700と、第1特別図柄表示制御手段802と、第1特別図柄保留表示制御手段730と、第1特別図柄保留カウンタ703と、第2特別図柄抽選手段710と、第2特別図柄表示制御手段804と、第2特別図柄保留表示制御手段732と、第2特別図柄保留カウンタ713と、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄による抽選処理の保留および当該保留の解除を制御する保留制御手段790と、普通図柄抽選手段720と、大当たり遊技実行手段748と、小当たり遊技実行手段746と、開閉動作制御手段744と、確変遊技実行手段740と、普通図柄表示制御手段806と、普通図柄保留表示制御手段734と、普通図柄保留カウンタ723と、時短遊技実行手段742と、第3始動口開閉制御手段728と、コマンド送信手段749とを備えている。
第1特別図柄抽選手段700は、遊技球が第1始動口390に入賞して第1始動口センサ644により検出されると、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702により乱数を抽出する。この抽出した乱数は、保留制御手段790によって第1所定数(例えば4個)まで特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される(即ち、抽出された乱数についての当たりであるか否かの判定処理が保留される)。そして、かかる保留が保留制御手段790によって解除されると、第1特別図柄当否判定手段704によって、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選したか否かが判定される。この第1特別図柄当否判定手段704による判定は、通常遊技状態時または時短遊技状態時であれば第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって取得した乱数値とROM604に記憶された特別図柄通常時当たり判定用テーブル706とに基づいて行われ、確変遊技状態時であれば第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって取得した乱数値とROM604に記憶された特別図柄確変時当たり判定用テーブル708とに基づいて行われる。
特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶された保留は、当たり遊技(後述する長当たり遊技、短当たり遊技)が実行されているとき、および、特別図柄が変動状態であるときは解除されることなく、当たり遊技が実行されておらず且つ特別図柄が変動状態にないときに、保留制御手段790によって解除される。また、保留制御手段790は、特別図柄用乱数記憶領域6061に乱数を記憶するに際して、第1特別図柄の始動記憶についての抽選処理の保留であるか、第2特別図柄の始動記憶についての抽選処理の保留であるかについても記憶している。
なお、本実施形態において、「長当たり」に当選すると、大当たり遊技実行手段748によって開閉装置397の開閉動作が15ラウンド実行される長当たり遊技が実行され、「短当たり」に当選すると、大当たり遊技実行手段748によって開閉装置397の開閉動作が2ラウンド実行される短当たり遊技が実行される。また、「小当たり」に当選すると、小当たり遊技実行手段746によって開閉装置397の開閉動作が2回実行される小当たり遊技が実行される。なお、短当たり遊技と小当たり遊技とでは、開閉装置397の動作態様が同じであるが、短当たりに当選した場合には、確変遊技実行手段740によって確率変動機能が作動する(即ち、確変遊技状態が発生する)が、小当たりに当選した場合には、確率変動機能が作動しない点において異なる。
ところで、長当たりに当選すると、開閉装置397の開閉動作が15ラウンド継続して実行されることによって多量の遊技球の払い出しが期待できる長当たり遊技が行われる。また、短当たりに当選すると、演出用開閉装置398の開閉動作が2ラウンド継続して実行される短当たり遊技が行われる。短当たり遊技の終了後には、確変遊技実行手段740による確変遊技状態が発生する。
第2特別図柄抽選手段710は、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞して第2始動口センサ646または第3始動口センサ648により検出されると、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712により乱数を抽出する。この抽出した乱数は、第2特別図柄保留カウンタ713によって第2所定数(例えば4個)まで保留される。そして、第2特別図柄保留カウンタ713による保留が解除されると、第2特別図柄当否判定手段714によって、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選したか否かが判定される。この第2特別図柄当否判定手段714による判定は、通常遊技状態時または時短遊技状態時であれば第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって取得した乱数値とROM604に記憶された特別図柄通常時当たり判定用テーブル706とに基づいて行われ、確変遊技状態時であれば第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって取得した乱数値とROM604に記憶された特別図柄確変時当たり判定用テーブル708とに基づいて行われる。
なお、第1特別図柄抽選手段700により行われる抽選と、第2特別図柄抽選手段700により行われる抽選と、では同様の抽選処理が行われる。したがって、遊技球が第1始動口390に入賞した場合であっても、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞した場合であっても、予め定められた一の当選確率(ただし、遊技状態によって一の確率は変更しうる)により抽選が行われる。具体的には、通常遊技状態時または時短遊技状態時であれば、第1始動口390、第2始動口392および第3始動口394のうち遊技球の入賞先に拘らず、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702または第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって取得した乱数値とROM604に記憶された特別図柄通常時当たり判定用テーブル706とに基づいて抽選処理が行われる。そして確変遊技状態では、第1始動口390、第2始動口392および第3始動口394のうち遊技球の入賞先に拘らず、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702または第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって取得した乱数値とROM604に記憶された特別図柄確変時当たり判定用テーブル708とに基づいて抽選処理が行われる。
第1始動口センサ644、第2始動口センサ646および第3始動口センサ648によって遊技球が検出された順序は、保留制御手段790によって後述する特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される。そして、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710は、特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶された順序に基づいて一つずつ抽選を行う。即ち、特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶された順序に基づいて、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による判定によって、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選したか否かが一つずつ判定される。なお、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710による抽選は、例えば変動条件が成立する等、所定の解除条件が成立したときに第1特別図柄保留カウンタ703または第2特別図柄保留カウンタ713による保留が解除されることによって行われる。
本実施形態では、保留制御手段790は、遊技状態が通常遊技状態または時短遊技状態に制御されている場合、第1始動口390への入賞に基づく抽選処理(第1特別図柄の始動記憶についての抽選処理)の保留と第2始動口392または第3始動口394への入賞に基づく抽選処理(第2特別図柄の始動記憶についての抽選処理)の保留との両方が存在するときは、第1特別図柄抽選手段700による抽選処理(詳細には第1特別図柄当否判定手段704による当否判定)が、第2特別図柄抽選手段710による抽選処理(詳細には第2特別図柄当否判定手段714による当否判定)よりも優先して行なわれるように、保留の解除を制御する。
また、保留制御手段790は、遊技状態が確変遊技状態に制御されている場合、第1始動口390への入賞に基づく抽選処理(第1特別図柄の始動記憶についての抽選処理)の保留と第2始動口392または第3始動口394への入賞に基づく抽選処理(第2特別図柄の始動記憶についての抽選処理)の保留との両方が存在するときは、第2特別図柄抽選手段710による抽選処理(詳細には第2特別図柄当否判定手段714による当否判定)が、第1特別図柄抽選手段700による抽選処理(詳細には第1特別図柄当否判定手段704による当否判定)よりも優先して行なわれるように、保留の解除を制御する。
このように、第1特別図柄抽選手段700による抽選処理と第2特別図柄抽選手段710との関係においては、遊技状態に応じて、第1特別図柄抽選手段700による抽選処理および第2特別図柄抽選手段710による抽選処理のいずれかが他方に優先して行われる。ただし、第1特別図柄抽選手段700による抽選処理の保留が複数あるときは、第1始動口390に遊技球が入賞した順序で抽選処理が行われる。同様に、第2特別図柄抽選手段710による抽選処理の保留が複数あるときは、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞した順序で抽選処理が行われる。
第1特別図柄当否判定手段704による判定結果は、第1特別図柄表示制御手段802によって第1特別図柄表示器84に表示される。また、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数は、第1特別図柄保留表示制御手段730によって第1特別図柄保留表示器88に表示される。
第2特別図柄当否判定手段714による判定結果は、第2特別図柄表示制御手段804によって第2特別図柄表示器86に表示される。また、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数は、第2特別図柄保留表示制御手段732によって第2特別図柄保留表示器90に表示される。
大当たり遊技実行手段748および小当たり遊技実行手段746は、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による判定結果に基づいて、大当たり遊技または小当たり遊技を実行する。具体的には、長当たりに当選したと判定されると大当たり遊技実行手段748によって長当たり遊技が実行され、短当たりに当選したと判定されると大当たり遊技実行手段748によって短当たり遊技が実行され、小当たりに当選したと判定されると小当たり遊技実行手段746によって小当たり遊技が実行される。本実施形態において、「長当たりおよび短当たり」を「大当たり」と総称し、「長当たり遊技および短当たり遊技」を「大当たり遊技」と総称する。
本実施形態において、長当たり遊技は、演出用開閉装置398の開閉動作および大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作を計15ラウンドに亘って行う遊技である。詳しくは、演出用開閉装置398の開閉動作を開閉動作制御手段744によって2ラウンド行ったのちに、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作を開閉動作制御手段744によって12ラウンドに亘って継続ひいては連続して行い、さらにその後、再び演出用開閉装置398の開閉動作を開閉動作制御手段744によって1ラウンドのみ行う遊技である。短当たり遊技は、演出用開閉装置398の開閉動作のみを開閉動作制御手段744によって2ラウンド行う遊技であり、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作は行われない。小当たり遊技は、演出用開閉装置398の開閉動作のみを開閉動作制御手段744によって2回行う遊技である。
このように、長当たり遊技が実行されるときは、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作の回数が演出用開閉装置398の開閉動作よりも多く実行され、短当たり遊技および小当たり遊技が実行されるときは、演出用開閉装置398の開閉動作の回数が大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作よりも多く実行される。
なお、演出用開閉装置398の開閉動作は、開閉動作制御手段744によって演出用開閉装置開閉ソレノイド568を作動させることによって行われ、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作は、開閉動作制御手段744によって大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド642を作動させることによって行われる。
具体的には、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714により判定された抽選結果が長当たりであれば、2ラウンドまでを、開閉動作制御手段744によって演出用開閉装置開閉ソレノイド568を作動させて、演出用大入賞口開閉扉398bを開閉させる。そして、3ラウンドから14ラウンドまでを、開閉動作制御手段744によって大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド642を作動させて、大当たり遊技用大入賞口開閉扉400bを開閉させる。そしてさらに、15ラウンドのみを、開閉動作制御手段744によって演出用開閉装置開閉ソレノイド568を作動させて、演出用大入賞口開閉扉398bを開閉させる。一方、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714により判定された抽選結果が短当たりであれば、開閉動作制御手段744によって演出用開閉装置開閉ソレノイド568を作動させて、演出用大入賞口開閉扉398bを開閉させる動作を、2ラウンドのみ行う。
演出用開閉装置398または大当たり遊技用開閉装置400に遊技球が入賞すると、演出用開閉装置カウントセンサ572または大当たり遊技用開閉装置カウントセンサ640によって入賞球数がカウントされる。また、演出用開閉装置398または大当たり遊技用開閉装置400に遊技球が入賞することによって当該入賞した遊技球が演出用開閉装置カウントセンサ572または大当たり遊技用開閉装置カウントセンサ640に検出されたことに応じて、球払出装置170によって賞球として遊技球が払い出される。
小当たり遊技実行手段746は、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714により判定された抽選結果が小当たりであれば、開閉動作制御手段744によって演出用開閉装置開閉ソレノイド568を作動させて、大当たり遊技用大入賞口開閉扉400bを開閉させる動作を、2回行う。
なお、本実施形態では、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714により判定された抽選結果が短当たりの場合と小当たりの場合とで、演出用開閉装置398の開閉動作態様が同じである。ただし、通常遊技状態(すなわち、大当たり遊技状態、確変遊技状態および時短遊技状態のうちいずれの遊技状態)において、短当たりに当選した場合は当該短当たり遊技が終了したのちの遊技状態が、大当たりへの当選確率が高くなる所謂「確変遊技状態」に変動するが、小当たりに当選した場合は、小当たり遊技が終了したのちの遊技状態は変動しない(すなわち、通常遊技状態のままである)。従って、演出用大入賞口開閉扉398bの開閉動作が2ラウンドまたは2回行われたとき、遊技者は、短当たりであるのか小当たりであるのかを判別することが困難であるものの、その後、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710によって大当たりに当選する確率が異なることとなる。これにより、遊技者は、遊技状態が確変遊技状態であるのか通常遊技状態であるのか判別できず、興趣が高められる。
また、本実施形態では、長当たり遊技を実行する場合と、短当たり遊技を実行する場合と、小当たり遊技を実行する場合との演出用開閉装置398の開閉動作処理(詳しくは演出用開閉装置398の開閉動作回数)が共通化されている。これにより、主制御基板131のROM604のデータ量を低減できる。とくに、短当たり遊技を実行する場合と、小当たり遊技を実行する場合とでは、演出用開閉装置398の開閉時間も共通化されているため、短当たり遊技と小当たり遊技とのテーブルを共有させることにより、ROM604のデータ量を低減することができる。
ここで、「ラウンド」とは、長当たり遊技および短当たり遊技が実行されている場合において、所定時間(例えば30秒)経過することおよび所定数(例えば9球)の遊技球が入賞することのいずれかの条件を満たすことによって演出用開閉装置398または大当たり遊技用開閉装置400が開閉動作する単位を意味する。従って、小当たり遊技が実行されている場合における演出用開閉装置398の開閉動作については「ラウンド」と称さない。本実施形態においては、短当たり遊技における1ラウンド当たりの演出用開閉装置398の開放時間は、長当たり遊技における1ラウンド当たりの演出用開閉装置398および大当たり遊技用開閉装置400の開放時間よりも極めて短い時間となっている。なお、小当たり遊技における1回当たりの演出用開閉装置398の開放時間は、短当たり遊技における1ラウンド当たりの演出用開閉装置398の開放時間とほぼ同じ時間である。
確変遊技実行手段740は、長当たり遊技または短当たり遊技が実行されたのちの遊技において、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりへの当選確率を高める確変遊技を実行する。具体的には、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714による当否判定を、それぞれ、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708に基づいて行う。
本実施形態において、「確変遊技」とは、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714による当否判定が、それぞれ、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708および特別図柄確変時当たり判定用テーブル708に基づいて行われる遊技を意味する。また、確変遊技が行われている遊技状態を「確変遊技状態」と称する。ここで、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708は、特別図柄通常時当たり判定用テーブル706よりも長当たりおよび短当たりへの当選確率が高く設定されている。
なお、本実施形態においては、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって長当たりと判定された場合には、長当たり遊技が実行されたのちに例えば2分の1の確率で確変遊技状態となり、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって短当たりと判定された場合には、短当たり遊技が実行されたのち100%の確率で確変遊技状態となる。一方、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって小当たりと判定された場合には、小当たり遊技実行手段746によって小当たり遊技が実行されたのちに遊技状態が変わることはない。
普通図柄抽選手段720は、遊技球が通過ゲート402を通過してゲートセンサ630により検出されると、普通図柄当たり判定用乱数抽出手段722により乱数を抽出する。この抽出した乱数は、普通図柄保留カウンタ723によって所定の上限値(例えば4個)まで保留される。そして、普通図柄保留カウンタ723による保留が解除されると、普通図柄当否判定手段724によって当否が判定される。この普通図柄当否判定手段724による判定は、通常遊技状態時であれば普通図柄当たり判定用乱数抽出手段722によって取得した乱数値とROM604に記憶された普通図柄通常時当たり判定用テーブル726とに基づいて行われ、時短遊技状態時であれば普通図柄当たり判定用乱数抽出手段722によって取得した乱数値とROM604に記憶された普通図柄時短時当たり判定用テーブル727とに基づいて行われる。
普通図柄当否判定手段724による判定結果は、普通図柄表示制御手段806によって普通図柄表示器82に表示される。また、普通図柄保留カウンタ723による保留数は、普通図柄保留表示制御手段734によって普通図柄保留表示器92に表示される。
時短遊技実行手段742は、普通図柄抽選手段720による抽選において抽選時間を短くする時短遊技を実行する。なお、確変遊技状態のとき、確変遊技実行手段740による確変遊技と併せて時短遊技実行手段742による時短遊技が行われる場合もある。
本実施形態において、「時短遊技状態」とは、普通図柄当否判定手段724による当否判定が、普通図柄時短時当たり判定用テーブル727に基づいて行われる遊技状態を意味する。ここで、普通図柄時短時当たり判定用テーブル727は、普通図柄通常時当たり判定用テーブル726よりも抽選時間が短く設定されている。なお、普通図柄通常時当たり判定用テーブル726および普通図柄時短時当たり判定用テーブル727はいずれも当選確率が例えば90%と高く設定されている。従って、普通図柄当否判定手段724による当否判定が普通図柄時短時当たり判定用テーブル727に基づいて行われるとき、一対の可動片396の開閉動作が頻繁に行われることとなり、第3始動口394に遊技球が入賞し易くなる。第3始動口394に遊技球が入賞すると球払出装置170によって遊技球が払い出されるので、時短遊技状態中は、遊技球を極力減らすことなく遊技を行うことができる。
ここで、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714における抽選について、表1および表2に基づき説明する。表1は、当選確率および乱数を示すテーブルである。表2は、大当たりに当選した場合における大当たり遊技の種類を決定するためのテーブルである。
表1に示すとおり、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702および第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって、0〜630までの631個の乱数値から一つ抽出される。そして、先ず、この抽出した乱数値が大当たりに当選しているか否かが、表1に基づいて、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって判定される。具体的には、先ず遊技状態が判断され、遊技状態が通常遊技状態であれば7および317が当たり乱数であり、遊技状態が確変遊技状態であれば7,37,67,97,127,157,187,217,247,277,307,337,367,397,427,457,487,517,547,577が大当たりの乱数となる。なお、第1特別図柄当否判定手段704による当たり判定と第2特別図柄当否判定手段714による当たり判定とでは、遊技状態に応じて同じテーブルが用いられる。即ち、第1特別図柄当否判定手段704による当選の判定が特別図柄確変時当たり判定用テーブル708を用いて行われる場合には、第2特別図柄当否判定手段714による当選の判定も特別図柄確変時当たり判定用テーブル708を用いて行われ、第1特別図柄当否判定手段704による当選の判定が特別図柄通常時当たり判定用テーブル706を用いて行われる場合には、第2特別図柄当否判定手段714による当選の判定も特別図柄通常時当たり判定用テーブル706を用いて行われる。
そして、抽出した乱数が大当たり乱数であると判定されると、表2に基づいて、大当たりの種類が決定される。そして、決定された大当たりに対応する大当たり遊技が行われる。大当たりの種類には、大当たり遊技の時間が長く、多量の遊技球の払い出しが期待できる長当たりと、大当たり遊技の時間が短い短当たりとがある。長当たりには、大当たり遊技(以下、長当たりに対応する大当たり遊技を「長当たり遊技」と称する)の終了後に確変遊技状態および時短遊技状態の両方が発生する「確変時短付長当たり」と、長当たり遊技の終了後に時短遊技状態のみが発生する(確変遊技状態は発生しない)「通常長当たり」とがある。短当たりには、大当たり遊技(以下、短当たりに対応する大当たり遊技を「短当たり遊技」と称する)の終了後に確変遊技状態のみが発生する(時短遊技状態は発生しない)「通常短当たり」と、短当たり遊技の終了後に確変遊技状態および時短遊技状態の両方が発生する「確変時短付短当たり」とがある。
一方、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702および第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって抽出された乱数値が当たり乱数でなければ、小当たりに当選しているか否かが、表1に基づいて、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって判定される。具体的には、遊技状態に拘わらず、16,92,133,321,465,501,568,610が小当たりの乱数である。抽出した乱数が小当たり乱数であると判定されると、小当たり遊技実行手段746によって小当たり遊技が実行される。このように、表1によれば、大当たりの当選確率が631分の2となり、小当たりの当選確率が631分の8となる。
このように、大当たりに当選しなかった場合であっても小当たりに当選する期待感を持つことができる。しかも、小当たりへの当選確率は大当たりへの当選確率よりも高く設定されているので、遊技者は、小当たりに当選する毎に、大当たりに当選したのではないかといった期待感を遊技中常に持つことができ、興趣の低下を抑制できる。さらに、遊技者が遊技を継続して行うようになるので、パチンコ機の稼働率が向上するというホールにとっても利益がもたらされるようになる。また、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702または第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって乱数が抽出されたことに応じて、小当たり当選の判定に先立って大当たりの当選が判定される。即ち、小当たり当選の判定が先であれば、小当たりに当選した場合には大当たりの当選判定が行われないこととなるが、本実施形態のように小当たり当選の判定に先立って大当たりの当選が判定されれれば、大当たりの当選が常に行われることとなり、興趣の低下を抑制できる。しかも、大当たりに当選しなかったときにのみ小当たり当選の判定が行われるので、大当たりと小当たりとが重複して当選することがない。大当たりと小当たりとが重複して当選すると、いずれを優先して当選とするかを決めなければならず、制御的にも複雑となるが、本実施形態のように、大当たりに当選しなかったときにのみ小当たり当選の判定を行うことによって、制御的な負荷を軽減できる。さらには、大当たり判定および小当たり判定の二度の抽選機会が与えられ、興趣の低下も抑制できる。
なお、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714による当たり判定に用いられるテーブルは、必ずしも同じテーブルを用いる必要はなく、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714のそれぞれが異なるテーブルを用いても良い。このような場合であっても、確変遊技状態であれば第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714のいずれも確変遊技状態用のテーブルが用いられ、通常遊技状態であれば第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714のいずれも通常遊技状態用のテーブルが用いられることが好ましい。これにより、遊技球が入賞する始動口が異なっても同じ遊技状態となるので、遊技の複雑化を招くことがなく、ひいては、興趣の低下を抑制できる。
また、第1特別図柄当否判定手段704、第2特別図柄当否判定手段714および普通図柄当否判定手段724による当否判定結果には、必ずしも外れが含まれている必要はない。例えば、小当たり遊技が、演出用開閉装置398の開閉動作を極めて短い時間実行するような遊技であれば、大当たりに当選しなかったとき、全て小当たりに当選するようにしても良い。
また、本実施形態のように、大当たりに当選したか否かを先ず判定し、大当たりに当選していないときに小当たりに当選しているか否かを判定することによって顕著な効果がもたらされるが、大当たりおよび小当たりに当選しているか否かを一括で抽選しても良い。
また、本実施形態では、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選において、確変時短付長当たりに当選したときおよび確変時短付短当たりに当選したときは、確変時短付長当たり遊技および確変時短付短当たり遊技が終了したのちの遊技状態が確変遊技状態となるが、このときの遊技状態が確変遊技状態であることが、演出表示装置115における表示態様によって把握できる。一方、通常短当たりに当選したときは、通常短当たり遊技が終了したのちの遊技状態が確変遊技状態となるものの、このときの遊技状態が確変遊技状態であることが、演出表示装置115における表示態様からは把握できない。即ち、通常短当たり遊技が終了したのちの確変遊技状態において演出表示装置115に表示される表示態様と、通常遊技状態において演出表示装置115に表示される表示態様とが、互いに極似する表示態様となる。ここで、「極似する表示態様」とは、現在の遊技状態が通常遊技状態であるのか確変遊技状態であるのかを、遊技者が把握できない程度に同一または似ていればよい。
第3始動口開閉制御手段728は、普通図柄当否判定手段724によって判定された抽選結果が当たりであるときに、普通電動役物ソレノイド638を作動させて一対の可動片396を開閉動作させる。一対の可動片396が開閉動作すると、第3始動口394に遊技球が入賞し易くなる。なお、一対の可動片396が閉状態であるときは、第3始動口394への遊技球の入賞が不可能であるか、または、第3始動口394への遊技球の入賞が第1始動口390および第2始動口392への遊技球への入賞よりも困難であるものの、一対の可動片396が開状態であるときは、第3始動口394への遊技球の入賞は、第1始動口390および第2始動口392への遊技球の入賞よりも容易となる。なお、本実施形態においては、第2始動口392への遊技球の入賞は、第1始動口390への遊技球の入賞よりも困難に構成されている。
コマンド送信手段749は、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果およびこの抽選結果に拘わる情報を周辺基板660に送信する。「抽選結果に拘わる情報」とは、演出表示装置115において行われる演出時間等が相当する。
周辺制御基板662は、コマンド受信手段750と、演出抽選手段760と、演出用役物動作実行手段762と、演出用開閉装置状態表示制御手段764とを備えている。
コマンド受信手段750は、主制御基板131から送信された第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果およびこの抽選結果に拘わる情報を受信する。
演出抽選手段760は、演出用役物430による演出を行うか否かを抽選により決定する。演出抽選手段760による抽選の結果、演出用役物430による演出を行うと決定されると、演出抽選手段760は、ランプ駆動基板688およびセンター装飾駆動部中継端子板694を介して球振分部モータ484を作動させて、演出用役物430による演出を実行する。ただし、演出用役物430による演出は、演出用開閉装置398に入賞した遊技球を用いて行うため、演出用開閉装置398に遊技球が入賞しなかった場合には、かかる演出は行われない。
演出用役物動作実行手段762は、演出用役物430の回転駆動等、ランプ駆動基板688を介して演出用役物430を制御する。
演出用開閉装置状態表示制御手段764は、ランプ駆動基板688を介して演出用開閉装置状態表示ランプ651の表示態様を制御する。具体的には、開閉動作制御手段744が大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド642を作動させることによって演出用大入賞口開閉扉398bを開閉動作させるとき、かかる情報がコマンド送信手段749によって周辺制御基板662に送信される。コマンド送信手段749から周辺制御基板662に送信された情報はコマンド受信手段750によって受信される。
コマンド受信手段750が、演出用大入賞口開閉扉398bの開閉動作にかかる情報を受信すると、演出用開閉装置状態表示制御手段764が、ランプ駆動基板688を介して演出用開閉装置状態表示ランプ651の表示態様を制御する。
本実施形態においては、演出用大入賞口開閉扉398bの動作によって演出用開閉装置398が閉状態から開状態に変化したことを示す情報がコマンド送信手段749によって周辺制御基板662に送信されると、演出用開閉装置状態表示ランプ651が緑色で表示するように表示制御される。また、演出用大入賞口開閉扉398bの動作によって演出用開閉装置398が開状態から閉状態に変化したことを示す情報がコマンド送信手段749によって周辺制御基板662に送信されると、演出用開閉装置状態表示ランプ651が赤色で表示するように表示制御される。即ち、演出用大入賞口開閉扉398bが、開状態でれば緑色、閉状態であれば赤色に表示制御される。
このように、演出用開閉装置状態表示制御手段764は、演出用開閉装置状態表示ランプ651を、開閉動作制御手段744によって演出用開閉装置398が開状態であるときと閉状態であるときとで異なる表示態様で表示制御する。これにより、演出用開閉装置398の開閉状態を把握できるので、遊技者は、演出用開閉装置398が開状態であるにも拘わらず演出用開閉装置398が開状態であることを把握できず、演出用開閉装置398に遊技球を狙うことができないことによる興趣の低下を抑制できる。
とくに、本実施形態では、大当たり遊技中、大当たり遊技用開閉装置400が開閉動作する場合と演出用開閉装置398が開閉動作する場合とがあり、いずれに遊技球を入賞させれば良いか把握し難い。とくに、従来から設けられている大当たり遊技用開閉装置400の他に演出用開閉装置398が設けられている場合、遊技者は、大当たり遊技中であれば大当たり遊技用開閉装置400に遊技球を入賞させようとする。そこで、大当たり遊技用開閉装置400に代えて演出用開閉装置398が開放すると、遊技者は戸惑いを感じ、遊技球をどこに入賞させれば良いか分からなくなり、興趣が低下してしまう。しかも、遊技球の流下方向について演出表示装置115よりも上流側に演出用開閉装置398が設けられており、さらに、演出用大入賞口開閉扉398bが遊技盤5の盤面に対して交差する方向に可動するような場合には、遊技者から見て演出用大入賞口開閉扉398bの動作を把握し難い。従って、演出用開閉装置398が開状態であるにも拘わらず、遊技球を演出用開閉装置398に入賞させ損ねるといった事態が生じ得る。よって、演出用開閉装置状態表示ランプ651を、演出用開閉装置398が開状態であるときと閉状態であるときとで異なる表示態様で表示制御することによって、演出用開閉装置398が開状態であるにも拘わらず演出用開閉装置398に遊技球を入賞させ損ねることを回避でき、興趣の低下を抑制できる。
しかも、演出用開閉装置状態表示ランプ651が演出用開閉装置398内で表示可能に設けられているので、遊技者は、緑色に発光している場所を狙って遊技球を打ち込めば良い。これにより、本実施形態のように演出表示装置115の上方等、位置を把握し難い場所に演出用開閉装置398が設けられた場合であっても、遊技者は、どこを狙って遊技球を打ち込めば良いか把握できるので、興趣の低下を抑制できる。
なお、「演出用開閉装置状態表示ランプ651が演出用開閉装置398内で表示可能に設けられている」とは、演出用開閉装置状態表示ランプ651が演出用開閉装置398内に設けられている態様に限られず、例えば本実施形態のように、演出用開閉装置398内の奥側の壁が透明部材であると共にこの透明部材の背後から演出用開閉装置398内を点灯表示する態様であっても良い。即ち、演出用開閉装置398内を表示可能であれば良い。また、「演出用開閉装置398内」とは、遊技球の流下方向について演出用大入賞口開閉扉398bよりも下流側の領域を意味する。
さらに、遊技者から見て演出用大入賞口398aの手前側には開口部が形成さているので、演出用大入賞口398aに受け入れられた遊技球を、窓枠39に装着されたガラス板を介して視認することができる。これにより、演出用大入賞口398aに遊技球が受け入れられたことも確実に把握できる。このように、演出用大入賞口398aに遊技球が受け入れ可能であることを把握できることと演出用大入賞口398aに遊技球が受け入れられたことを把握できることとの相乗効果によって、大当たり遊技用開閉装置400とは別に演出用開閉装置398が設けられ且つ大当たり遊技用開閉装置400に代えて演出用開閉装置398が開放した場合であっても、興趣の低下を抑制できる。
なお、本実施形態では、演出用開閉装置状態表示ランプ651を、演出用開閉装置398が開状態であるときは緑色で表示制御し、閉状態であるときは赤色で表示制御しているが、これに限られず、演出用開閉装置398が開状態であるのか閉状態であるのかを把握できれば、その態様は限定されない。例えば、演出用開閉装置状態表示ランプ651を、演出用開閉装置398が閉状態であるときは消灯制御し、開状態であるときは点灯表示制御するようにしても良い。
[演出用役物の動作について]
図52〜図54に基づき説明する、図54(a)は、演出用役物の役物収容体の内部構成を示す正面図であって、第1演出樋が第1の演出口に向けて下方に傾斜していることを示す図である。図54(b)は、演出用役物の役物収容体の内部構成を示す正面図であって、第1演出樋が第2演出樋誘導口に向けて下方に傾斜していることを示す図である。
先ず、ランプ駆動基板688では、パチンコ機1の電源投入時や、リセット時において、演出用役物430の回転位置を検出する回転部モータセンサ532の検出信号の受信の有無を確認する。回転部モータセンサ532からの検出信号がなければ、演出用役物430の役物回転体432の内部を視認することができない位置に、演出用役物430を回転駆動させる。これにより、図10に示すように、演出用役物430の正面には「歌姫伝説」が表れる。
その後、遊技状態の変化に伴って、周辺制御基板662(具体的には演出用役物動作実行手段762)からランプ駆動基板688へ、演出用役物430を回転駆動制御する旨の制御コマンドが送信されると、ランプ駆動基板688では、図15に示すように演出用役物430の役物回転体432の内部のフィギュア434を視認することができるように、回転部モータ526を駆動させ、演出用役物430を回転駆動させる。これにより、遊技者は、演出用役物430の役物回転体432の内部に配置されたフィギュア434を視認することができる。また、演出用開閉装置398から受け入れられた遊技球が第1演出樋470に導かれた場合には、この遊技球を用いた演出を視認することができる。
なお、遊技球を用いた演出は、フィギュア434により演出駆動制御する旨の制御コマンドが周辺制御基板662からランプ駆動基板688へ送信されると、ランプ駆動基板688は、支持軸474を、β方向とγ方向とに繰り返し往復回転させる。
支持軸474がβ方向とγ方向とに繰り返し往復回転されると、フィギュア434の片手434aは、支持軸474の回転に伴って、フィギュア434に対して支持軸474を回転中心として回転する。即ち、支持軸474が時計回り(図中のβ方向)に回転すると、これに伴って片手434aおよび第1演出樋470が、支持軸474を回転中心として、フィギュア434に対してβ方向に回転する。また、支持軸474が反時計回り(図中のγ方向)に回転すると、これに伴って片手434aおよび第1演出樋470が、支持軸474を回転中心として、フィギュア434に対してγ方向に回転する。これにより、図54(a)に示されるように第1演出樋470が第1の演出口476に向けて下方に傾斜した態様と、図54(b)に示されるように第1演出樋470が第2演出樋誘導口478に向けて下方に傾斜した態様とが繰り返される。
なお、演出用開閉装置398に入賞した遊技球が第1演出樋470上に存在していれば、支持軸474が時計回りおよび反時計回りに繰り返し往復回転することによって、かかる遊技球は、第1演出樋470上を左右方向に転動する。換言すれば、第1演出樋470の遊技球が第1の演出口476または第2演出樋誘導口478に導かれる前に、支持軸474がそれまでの回転方向とは異なる反対方向に回転することによって、遊技球が第1演出樋470上を左右方向に転動することとなる。そして、支持軸474がγ方向について回転限界まで回転して一定時間保持されると(図54(a)の態様で一定時間保持されると)、遊技球は第1の演出口476に導かれる。一方、支持軸474が時計回りの方向について回転限界まで回転して一定時間保持されると(図54(b)の態様で一定時間保持されると)、遊技球は第2演出樋誘導口478に導かれる。
第1演出樋470上を転動する遊技球が第1の演出口476に導かれると、かかる遊技球は遊技盤5の背後に排出される。一方、第1演出樋470上を転動する遊技球が第2演出樋誘導口478に導かれると、かかる遊技球は、第2演出樋472の右端472a上に落下し、右端472aから左端472bに向けて転動する。そして、右端472aから左端472bに向けて転動した遊技球は、第2の演出口480に導かれる。
即ち、支持軸474がβ方向とγ方向とに繰り返し往復回転すると、第1演出樋470は、この第1演出樋470上を転動する遊技球が第1の演出口476または第2の演出口480のいずれかに導かれるようにシーソー状に揺動することとなる。これにより、1球の遊技球のみが、シーソー状に揺動される第1演出樋470上を転動するので、第1の演出口476または第2の演出口480に受け入れられそうになったとき、ドキドキハラハラ感を遊技者が感じることとなり、興趣が高められる。
なお、振分機構438は、演出用開閉装置398から複数の遊技球が受け入れられた場合であっても、1球の遊技球のみを演出用役物430に振り分けるので、第1演出樋470上をシーソー状に転動する遊技球は1球のみである。
また、遊技球を用いた演出用役物430による演出(即ち、遊技球が第1の演出口476に受け入れられるかまたは第2の演出口480に受け入れられるかといった演出)は、コマンド送信手段749から受信した第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果に基づいて行われる。
具体的には、演出用役物430による演出を行うとき、第1の演出口476および第2の演出口480のうちいずれの演出口を当たりの演出口(または外れの演出口)とするのかが、演出抽選手段760によって決定される。一方、演出表示装置115は、第1の演出口476および第2の演出口480のうちいずれに遊技球が導かれると当たりであるかを示唆する演出を行う。これにより、第1の演出口476および第2の演出口480のうちいずれの演出口に遊技球が導かれれば当たりであるかを容易に把握できる。従って、演出用役物430による演出が行われているとき、遊技者は、いずれの演出口が当たりの演出口であるかを容易に把握できるので、興趣の低下を抑制できる。
そして、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定が短当たりまたは小当たりである場合には、第1演出樋470上を転動する遊技球が当たりの演出口と決定された側の演出口に導かれるように演出を行う。一方、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定が外れである場合には、第1演出樋470上を転動する遊技球が外れの演出口と決定された側の演出口に導かれるように演出を行う。このようにして、演出用役物430による演出毎に、当たりの演出口と外れの演出口とが演出抽選手段760によって決定される。即ち、当たりの演出口と外れの演出口とが可変である。これにより、単調な遊技を回避でき、演出用役物430による演出が行われる際に遊技者は、いずれの演出口が当たりであるのかに注意を惹かれ、興趣が高められる。
なお、「当たりの演出口」とは、抽選手段による抽選結果が遊技者に有利な結果である可能性があることを示す演出口のことであり、「外れの演出口」とは、抽選手段による抽選結果が遊技者に有利な結果よりも不利な結果であることを示す演出口のことである。本実施形態において、「抽選手段による抽選結果が遊技者に有利な結果である可能性がある」とは、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選において「短当たりまたは小当たりに当選していること」を意味する。即ち、「可能性」とは、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が短当たりであれば、確変遊技状態が発生するので遊技者に有利な結果と言うことができる。また、小当たりであれば、通常遊技状態が継続するので遊技者に有利な結果とは言えないことに基づくものである。
また、演出用役物430による遊技球を用いた演出は、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定が短当たりまたは小当たりである場合には、開閉動作制御手段744による演出用開閉装置398の一連の開閉動作(本実施形態では2回の開閉動作)の実行が終了したのちに行われる。具体的には、短当たり遊技および小当たり遊技が実行されたのち、次の遊技状態が発生した以降の第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86の図柄変動中(第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86の点灯・点滅表示が開始されてから第1特別図柄当否判定手段704による判定結果が表示されるまで間)に行われる。なお、この明細書において、図柄変動に要する時間を変動時間と称する。
演出用開閉装置398の開閉動作が実行されたタイミングで演出用開閉装置398に入賞した遊技球は、演出用役物430による演出が行われるまで振分機構438によって保持され、演出用役物430による演出が行われるタイミングで落下口536bから役物回転体432に落下する。
なお、演出用役物430による遊技球を用いた演出を行うためには一定以上の時間を要する。一方、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714による判定結果が所謂リーチ演出を伴わない外れの場合、詳細は後述するが、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数や第2特別図柄保留カウンタ713による保留数などに応じて変動時間が異なる。例えば、変動開始直後の第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が2以上であれば比較的短い変動時間となり、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が1以下であれば、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が2以上の場合よりも時間が長い変動時間となる。同様に、変動開始直後の第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が2以上であれば比較的短い変動時間となり、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が1以下であれば、第2特別図柄保留カウンタ703による保留数が2以上の場合よりも時間が長い変動時間となる。本実施形態においては、リーチ演出における変動時間および各特別図柄保留カウンタ703、713による保留数が1以下の場合における変動時間は、演出用役物430による遊技球を用いた演出に要する時間よりも長くなっている。一方、各特別図柄保留カウンタ703、713による保留数が2以上の場合における変動時間は、演出用役物430による遊技球を用いた演出に要する時間よりも短くなっている。従って、演出用役物430による遊技球を用いた演出は、第1特別図柄表示器84に第1特別図柄当否判定手段704による判定結果が導出される場合、および、第2特別図柄表示器82に第2特別図柄当否判定手段714による判定結果が導出される場合であれば、リーチが発生するか各特別図柄保留カウンタ703、713による保留数が1以下であるかという条件を満たすときに実行される。
一方、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定が長当たりである場合には、演出用役物430による遊技球を用いた演出は、15ラウンド以降に行われる。ここで、開閉動作制御手段744によって演出用開閉装置398の開閉動作が2ラウンドまで実行されるが、この演出用開閉装置398の開閉動作が実行されたタイミングで演出用開閉装置398に入賞した遊技球は、振分機構438によって全てパチンコ機1の背後に排出される。演出用開閉装置398の開閉動作が2ラウンド実行されたのち、開閉動作制御手段744によって大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作が14ラウンド目まで継続して実行されるが、このとき、演出用開閉装置398の開閉動作は行われないため、演出用開閉装置398内に遊技球を受け入れることはできない。そして、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作が実行されたのち、再び、開閉動作制御手段744によって15ラウンド目の1ラウンドのみ演出用開閉装置398の開閉動作が実行される。この15ラウンド目に演出用開閉装置398内に受け入れられた遊技球は、演出用役物430による遊技球を用いた演出が開始されるまで振分機構438に保持され、演出用役物430による演出が行われるタイミングで落下口536bから役物回転体432に落下する。
ここで、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定が長当たりである場合において、演出用役物430による遊技球を用いた演出が行われるタイミングは、上述のとおり、長当たり遊技における15ラウンド目以降である。具体的には、演出用開閉装置398に遊技球が入賞してから長当たり遊技の終了後に発生する遊技状態が開始するまでのいずれかのタイミングで行われる。従って、長当たり遊技の終了後に例えば確変遊技状態が発生する場合であれば、少なくともこの確変遊技状態が発生するまでに、演出用役物430による遊技球を用いた演出が行われる。
また、演出表示装置115では、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定が短当たりまたは小当たりである場合、および、長当たり遊技状態発生後の次の遊技状態が発生するまでに、特別演出が行われる。これにより、遊技者は、演出表示装置115において特別演出が行われると大当たり遊技状態が発生する期待感が高まり、興趣が高められる。
このように、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定に応じて、第1演出樋470上を転動する遊技球が第1の演出口476または第2の演出口480に導かれるように演出を行う。そして、演出表示装置115において特別演出が行われる場合には、第1演出樋470上を転動する遊技球を、当たりの演出口に誘導し、演出表示装置115において特別演出が行われない場合には、外れの演出口に誘導する。従って、演出用役物430による演出が行われているとき、遊技者は、当たりの演出口に遊技球が受け入れられることに期待感を持って遊技を行うことになる。
しかも、本実施形態では、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定がたとえ短当たりまたは小当たりであったとしても、演出用開閉装置398に遊技球が受け入れられなかった場合には、遊技球を用いた演出が行われない。従って、遊技者は、演出用開閉装置398が開状態となったときには、何としても遊技球を演出用開閉装置398内に入賞させようという意思が働く。これにより、パチンコ機1から一方的に行われる演出を単に見るだけではなく、遊技者自身が遊技に参加しているといった感情を持つことができ、興趣が高められる。さらに、役物誘導路436、第1演出樋470および第2演出樋472はいずれも、これらの上を転動する遊技球を視認できるように透明部材で構成されているので、遊技球が演出用開閉装置398に入賞してから第1の演出口476または第2の演出口480に受け入れられるまでの一連の動向を把握できるので、さらに興趣が高められる。
なお、役物誘導路436、第1演出樋470および第2演出樋472の部材は、これらの上を転動する遊技球を視認できる程度に透明であれば良い。即ち、転動する遊技球を視認できれば、半透明部材であっても良い。
[演出表示装置の表示領域について]
図55および図56を参照しつつ説明する。図55および図56は、いずれも、演出表示装置を正面から見た図である。図55に示されるように、演出表示装置115には、第1判定結果表示領域115aと、第2判定結果表示領域115bと、共通図柄表示領域115cと、保留表示領域1150とを有している。
第1判定結果表示領域115aは、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果、より具体的には、第1特別図柄表示器84に表示される第1特別図柄抽選手段700による抽選結果に対応する結果が表示される領域である。
第2判定結果表示領域115bは、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果、より具体的には、第2特別図柄表示器86に表示される第2特別図柄抽選手段710による抽選結果に対応する結果が表示される領域である。
なお、第1判定結果表示領域115aおよび第2判定結果表示領域115bは、演出表示装置115の左下領域に配置されている。また、それぞれ、複数色を表示可能な表示部を有しており、所定の演出を行ったのちに表示された表示パターンによって、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が導出される。ただし、第1判定結果表示領域115aおよび第2判定結果表示領域115bにおいて同時に抽選結果が導出されることはなく、原則として各始動口390,392,394に遊技球が入賞した順序に基づいて導出される。
共通図柄表示領域115cは、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710のうちいずれかの抽選結果を導出する領域である。共通図柄表示領域115cには複数(例えば三つ)の図柄列から構成された一つの図柄群が表示されており、この一つの図柄群の変動演出が行われたのち、停止した図柄の組み合わせによって抽選結果が導出される。なお、一つの図柄群の変動演出時間は、上述の変動時間と同じかまたはほぼ同じ時間である。また、共通図柄表示領域115cは、演出表示装置115における全表示領域のうち少なくとも3分の2以上の領域を占めている。また、第1判定結果表示領域115a、第2判定結果表示領域115bおよび保留表示領域1150と明確に区画されている。これにより、遊技者は、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を、この共通図柄表示領域115cにおいて表示される一つの図柄群の組み合わせによって把握する。
この共通図柄表示領域115cに導出される抽選結果は、後述するように遊技状態に応じて第1特別図柄の始動記憶と第2特別図柄の始動記憶のいずれかを優先させつつ、原則として各始動口390,392,394に遊技球が入賞した順序で導出される。即ち、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果と第2特別図柄抽選手段710による抽選結果とを同時に導出することはないため、一つの図柄群は、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710における抽選結果を導出する共通図柄として機能する。これにより、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710の両方によって抽選が行われていながらも、遊技者から見れば非常に明瞭な構成となり、興趣の低下を抑制することができる。
保留表示領域1150は、演出表示装置115の右下領域に配置されている。この保留表示領域1150は、左右方向に一列に配列された第1の保留記憶表示部1150a〜第8の保留記憶表示部1150hの8つの保留記憶表示部を有している。また、第1の保留記憶表示部1150a、第2の保留記憶表示部1150b、第3の保留記憶表示部1150c、第4の保留記憶表示部1150d、第5の保留記憶表示部1150e、第6の保留記憶表示部1150f、第7の保留記憶表示部1150gおよび第8の保留記憶表示部1150hは、この順で左右方向に規則的に並んでおり、共通図柄表示領域115cへの導出は、このように並んだ順序で導出される。これにより、共通図柄表示領域115cに導出される順序を明確に把握することができる。
すなわち、保留表示領域1150における各保留記憶表示部1150a〜1150hは、それぞれ第1特別図柄抽選手段700による抽選の保留または第2特別図柄抽選手段710による抽選の保留を一つずつ表示可能な領域である。そして、保留表示領域1150は、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数および第2特別図柄保留カウンタ713による保留数を視覚的に容易に把握できる態様で表示するものである。よって、保留表示領域1150を参照することで、遊技者は現在の特別図柄の総保留数(総始動記憶数)を確認することができる。
なお、第1特別図柄保留カウンタ703により保留された乱数(第1特別図柄抽選手段900による抽選処理)を、第1特別図柄の始動記憶(あるいは、第1特図の保留)と称することがある。また、第2特別図柄保留カウンタ713により保留された乱数(第2特別図柄抽選手段910による抽選処理)を、第2特別図柄の始動記憶(あるいは、第2特図の保留)と称することがある。
本実施形態では、第1特別図柄保留カウンタ703による保留の上限値(第1所定数)および第2特別図柄保留カウンタ713による保留の上限値(第2所定数)が同じである。具体的に言えば、第1所定数および第2所定数はともに保留消化前を基準として「4つ」(保留消化後を基準として「3つ」)である。そのため、保留表示領域1150も、両特別図柄保留カウンタ703,713を合わせた最大保留可能数(ここでは、8つ)を表示可能とするために、8つの保留記憶表示部1150a〜1150hを有している。
各保留記憶表示部1150a〜1150hは、この順で左右方向に、一列に連なる直線状に規則的に並んでおり、装飾図柄1153が表示される領域(共通図柄表示領域)における抽選結果の導出は、この並び順序に従って導出される。すなわち、先頭の保留(第1の保留記憶表示部1150aに対応する保留)から順に末尾の保留(例えば、第8の保留記憶表示部1150h)まで、各保留記憶表示部に対応する抽選の保留がその保留順に導出されることとなり、遊技者は共通図柄表示領域において抽選結果が導出される順序を明確に把握することができる。なお、各保留記憶表示部1150a〜1150hがこの順で左右方向に一列に連なる直線状に規則的に並んで表示されるのは、通常遊技状態時および確変遊技状態時である。時短遊技状態時については、後述するとおり、8個の保留記憶表示部1150a〜1150hが4個ずつ上下に並んで表示される。
そして、保留表示領域1150の各保留記憶表示部1150a〜1150hは、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを示す第1の表示態様、および、第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されていることを示す第2の表示態様、のうちいずれかの表示態様で表示される。この各保留記憶表示部1150a〜1150hは、規則的に一列に連なる直線状の表示部であるから、第1の表示態様および第2の表示態様の両方が表示される際には、第1の表示態様と第2の表示態様とが規則的に一列に連なる直線状に表示される。なお、各保留記憶表示部1150a〜1150hは、第1の表示態様および第2の表示態様のいずれも示されていないときは、第1特別図柄保留カウンタ703および第2特別図柄保留カウンタ713のいずれにも保留されていないことを示す非表示態様で表示される(即ち、保留にかかわる画像は何も表示されず、背景画像が表示される)。
各表示態様について説明すると、図55において、第1の保留記憶表示部1150aおよび第2の保留記憶表示部1150bの表示態様が、第1の表示態様である。また、第3の保留記憶表示部1150cが、第2の表示態様である。また、第4の保留記憶表示部1150d〜第8の保留記憶表示部1150hの表示態様が、非表示態様である。ただし、この非表示態様の第4の保留記憶表示部1150d〜第8の保留記憶表示部1150hを、便宜上、白色の二点鎖線で示しているが、実際は背景画像が表示されるだけの非表示態様である(図56、図58〜図60でも同様)。
本実施形態では、第1の表示態様は赤地枠内に白数字が表記された画像が示され、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを意味している。第2の表示態様はキャラクタが表示され、第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されていることを意味している。このように、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを意味する表示態様と第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されていることを意味する表示態様とで、表示態様が異なっている。
なお、図56では、第1の保留記憶表示部1150a〜第8の保留記憶表示部1150hの全てが非表示態様とされている。ここで、非表示態様とは、第1の表示態様および第2の表示態様のいずれも表示されないことを意味しており、本実施形態では各保留記憶表示部1150a〜1150hにて背景画像がそのまま表示される。即ち、各保留記憶表示部1150a〜1150の全てが非表示態様であるときは、第1特別図柄保留カウンタ703および第2特別図柄保留カウンタ713の保留数に関わる情報が表示されない。
[表示装置制御基板の機能的な構成について]
図57は、周辺基板における表示装置制御基板の機能的な構成を示すブロック図である。図57に示すように、表示装置制御基板116は、第1特別図柄画像表示制御手段851と、第2特別図柄画像表示制御手段852と、演出画像表示制御手段800と、併合保留表示制御手段860と、併合保留順記憶手段870と、第1特別図柄保留数記憶手段872と、第2特別図柄保留数記憶手段874と、演出保留カウント手段855とを有している。併合保留表示制御手段860は、さらに、保留可能情報画像表示制御手段8601、第1保留情報画像表示制御手段8602、第2保留情報画像表示制御手段8603、識別符号画像表示制御手段8604および併合保留順画像表示制御手段8605を含んでいる。なお、表示装置制御基板116は、周辺制御基板662のコマンド受信手段750を介して主制御基板131から送信されたコマンドを受信する。
第1特別図柄画像表示制御手段851は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を第1判定結果表示領域115aにおいて所定の演出を行ったのちに導出表示する。
第2特別図柄画像表示制御手段852は、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を第2判定結果表示領域115bにおいて所定の演出を行ったのちに導出表示する。
演出画像表示制御手段800は、コマンド受信手段750が主制御基板131から「第1始動口390に入賞したこと」および「第2、第3始動口392,394に入賞したこと」を特定するためのコマンドを受信した順番に基づいて、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果および第2特別図柄抽選手段710による抽選結果のうちいずれかの抽選結果を、共通図柄表示領域115cに導出表示する。ただし、演出画像表示制御手段800は、第1特別図柄抽選手段700による抽選処理および第2特別図柄抽選手段710による抽選処理の両方が保留されているときは、後述するように、遊技状態に応じて、第1特別図柄抽選手段700による抽選処理または第2特別図柄抽選手段710による抽選処理が優先して行われる。
なお、共通図柄表示領域115cにおいて、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を導出するための所定の演出(即ち、図柄の変動表示)を行っているときは、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出するための所定の演出は行われない。また、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出するための所定の演出を行っているときは、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を導出するための所定の演出は行われない。
併合保留表示制御手段860は、共通図柄表示領域115cにおいて導出される第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果の導出順序、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されている保留数情報および第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されている保留数情報を、保留表示領域1150において認識可能に表示制御する。本実施形態では遊技状態に応じて一の特別図柄の始動記憶を他の特別図柄の始動記憶よりも優先して導出されることから、保留表示領域1150において表示される抽選結果の導出順序および保留数情報も、当該一の特別図柄が他の特別図柄よりも保留表示領域1150における前方側に表示されるが、詳細は後述する。
また、併合保留表示制御手段860は、第1特別図柄保留カウンタ703および第2特別図柄保留カウンタ713にかかる保留関連情報を、保留表示領域1150において認識可能に表示制御する。
ここで、「保留関連情報」とは、例えば、第1特別図柄保留カウンタ703または第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されている数を示す保留数情報、第1特別図柄保留カウンタ703または第2特別図柄保留カウンタ713によって保留可能であることを示す保留可能情報並びに第1特別図柄保留カウンタ703による保留に基づく抽選結果(即ち、第1の特別図柄抽選手段700による抽選結果)および第2特別図柄保留カウンタ713による保留に基づく抽選結果(即ち、第2の特別図柄抽選手段710による抽選結果)が共通図柄表示領域115cに導出される順序を示す保留導出順序等が相当する。
また、保留可能情報画像表示制御手段8601は、保留関連情報の一つである保留可能情報について、第1特別図柄保留カウンタ703および第2特別図柄保留カウンタ713のそれぞれが、予め定められた第1所定数(例えば4個)および第2所定数(例えば4個)の上限まで保留可能であるにも拘わらず、第1特別図柄保留カウンタ703による保留が第1所定数まで保留可能であることのみを、保留表示領域1150に表示する。
第1保留情報画像表示制御手段8602および第2保留情報画像表示制御手段8603は、それぞれ、いずれも保留関連情報の一つである第1特別図柄保留カウンタ703にかかる保留数情報および第2特別図柄保留カウンタ713にかかる保留数情報を、保留表示領域1150に表示する。
識別符号画像表示制御手段8604は、第1保留情報画像表示制御手段8602によって表示される第1特別図柄保留カウンタ703にかかる保留数情報に、所定の識別符号を付して表示する。もちろん、第2保留情報画像表示制御手段8603によって表示される第2特別図柄保留カウンタ713にかかる保留数情報に、所定の識別符号を付して表示してもよい。
併合保留順画像表示制御手段8605は、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数および第2特別図柄保留カウンタ713による保留数のいずれもが1以上であるときに、共通図柄表示領域115cに導出される導出順序を認識可能に表示する。
併合保留順記憶手段870は、共通図柄表示領域115cに導出される第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果の導出順序を記憶する。具体的には、原則として、コマンド受信手段750が各始動口390,392,394に入賞したことを特定するための情報を主制御基板131から受信した順番に基づいて記憶する。ただし、この受信した順番に拘らず、遊技状態に応じて一の特別図柄に係る入賞情報(始動記憶)を他の特別図柄に係る入賞情報(始動記憶)よりも導出順序が先となるように記憶する。
第1特別図柄保留数記憶手段872は、コマンド受信手段750が「第1始動口390に入賞したこと」を特定するためのコマンドを主制御基板131から受信し且つ未だ共通図柄表示領域115cに抽選結果の導出表示が行われていない個数を記憶する。なお、この個数は、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数に対応する。
第2特別図柄保留数記憶手段874は、コマンド受信手段750が「第2、第3始動口392,394に入賞したこと」を特定するためのコマンドを主制御基板131から受信し且つ未だ共通図柄表示領域115cに抽選結果の導出表示が行われていない個数を記憶する。なお、この個数は、第2特別図柄保留カウンタ713における保留数に対応する。
演出保留カウント手段855については、詳細は後述するが、演出ポイントPが10ポイントに至ったとき、当該演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留に基づく変動が行われるまで、特殊演出の表示を保留するためのカウンタである。
[保留表示領域における表示態様について]
次に、本実施形態における演出表示装置115の保留表示領域1150において行われる具体的な演出について、図58〜図60を参照しつつ説明する。図58〜図60は、いずれも、保留表示領域における演出を示す図である。なお、図58〜図60では、各保留記憶表示部1150a〜1150hが非表示態様であるときは点線で示してある。
なお、以下では、各保留記憶表示部1150a〜1150hのうちで、抽選結果導出順序の上流側にあたる第1の保留記憶表示部1150aに向けた方向(ここでは、左側)を後述するシフト表示の「前方」とし、抽選結果導出順序の下流側にあたる第8の保留記憶表示部1150hに向けた方向(ここでは、右側)を後述するシフト表示の「後方」と称することがある。
図58(a)に示すように、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されている保留数および第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されている保留数のいずれもがゼロのとき、保留表示領域1150(保留記憶表示部1150a〜1150h)は全て非表示態様となる。
かかる状態において、第1始動口390に遊技球が入賞して第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されると(具体的には、コマンド受信手段750が「第1始動口602に入賞したこと」を特定するためのコマンドを主制御基板131から受信すると)、保留表示領域1150の最も左端に位置する第1の保留記憶表示部1150aが、非表示態様から第1の表示態様に表示制御される(図58(b)参照)。これにより、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数が「1」であることが認識できる。
さらに、第1始動口390に遊技球が引き続き入賞して第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されると、保留表示領域1150における第2の保留記憶表示部1150bが非表示態様から第1の表示態様に表示制御される(図58(c)参照)。以下、同様にして、第1始動口390に遊技球が引き続き入賞して第1特別図柄保留カウンタ703によって順に保留されるごとに、第3の保留記憶表示部1150cおよび第4の保留記憶表示部1150dが、順次、非表示態様から第1の表示態様に表示制御される。
このように、第1特別図柄の始動記憶は、保留表示領域1150において末尾側(図では右端)に向けて追加されるようにして蓄積表示される。そして、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数がN(Nは1以上且つ第1所定数以下の自然数)になったときは、保留表示領域1150において第1特別図柄の始動記憶数に応じた第1の表示態様が一列にN個(最大4個)隣接して表示される。
同様に、図示しないが、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されている保留数および第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されている保留数のいずれもがゼロのときに、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞して第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されるごと(具体的には、コマンド受信手段750が「第2始動口392または第3始動口394に入賞したこと」を特定するためのコマンドを主制御基板131から受信するごとに)、保留表示領域1150の最も左端に位置する第1の保留記憶表示部1150aから順に非表示態様が第2の表示態様に表示制御される。そして、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数がN(Nは1以上且つ第1所定数以下の自然数)になったときは、保留表示領域1150において第2特別図柄の始動記憶数に応じた第1の表示態様が一列にN個(最大4個)隣接して表示される。
なお、第1特別図柄の始動記憶が複数あるときに、当該始動記憶の抽選結果が共通図柄表示領域115cに導出される導出順序は、保留記憶表示部1150a〜1150hの順序で導出される。即ち、コマンド受信手段750が主制御基板131から受信した第1始動口390への入賞順序に基づいて共通図柄表示領域115cに導出される。同様に、第2特別図柄の始動記憶が複数あるときに、当該始動記憶の抽選結果が共通図柄表示領域115cに導出される導出順序は、保留記憶表示部1150a〜1150hの順序で導出される。即ち、コマンド受信手段750が主制御基板131から受信した第2始動口392または第3始動口394への入賞順序に基づいて共通図柄表示領域115cに導出される。
そして、第1の保留記憶表示部1150aに表示されている始動記憶に基づく抽選結果を導出するための変動が開始されると、各保留記憶表示部の表示態様が一つ前の各保留記憶表示部にシフト表示される。例えば、図58(c)に示す状態では、第1特別図柄の最先の保留に基づいて装飾図柄の変動が開始されると、第2の保留記憶表示部1150bの第1の表示態様がそれぞれ第1の保留記憶表示部1150aの第1の表示態様として前方にシフト表示されるとともに、第2の保留記憶表示部1150bの第1の表示態様が非表示態様とされる。ここで、「前方にシフト表示」とは、上記のように、一の保留記憶表示部を基準とした場合に、当該一の保留記憶表示部の表示態様が前の保留記憶表示部に移動して、当該保留記憶表示部における表示態様として表示されることをいう。
以下、保留表示領域1150においては、特別図柄の始動記憶が消化されること(特別図柄の始動記憶についての抽選処理が行われること)に応じて、先頭の保留記憶表示部(第1の保留記憶表示部1150a)の表示態様の削除と、他の保留記憶表示部における表示態様の前方へのシフト表示とが行われる。これにより、各特別図柄の始動記憶の消化に応じて保留数(始動記憶数)が減少したことや、各特別図柄の始動記憶に基づく図柄変動が行なわれたことを、遊技者は視覚的に把握することができる。
このように、第1特別図柄の始動記憶が複数存在する場合において、保留表示領域1150での表示順序(つまり、共通図柄表示領域115cでの抽選結果の導出順序)は、第1始動口390の入賞順序と一致する。また、第2特別図柄の始動記憶が複数存在する場合において、保留表示領域1150での表示順序(つまり、共通図柄表示領域115cでの抽選結果の導出順序)は、第2始動口392または第3始動口394の入賞順序と一致する。一方、第1特別図柄の始動記憶と第2特別図柄の始動記憶との双方が保留されている状態では、保留表示領域1150への表示順序(つまり、共通図柄表示領域115cでの抽選結果の導出順序)として、いずれの特別図柄の始動記憶を優先するかが遊技状態によって異なっている。
本実施形態では、確率変動機能および時短機能のいずれも作動しない通常遊技状態、および、確率変動機能が作動せずに時短機能のみが作動する時短遊技状態、のいずれかの遊技状態であるときは、第1特別図柄の始動記憶に基づく図柄変動のほうが第2特別図柄の始動記憶に基づく図柄変動よりも優先して実行される。一方、確率変動機能および時短機能が作動する確変遊技状態であるときは、第2特別図柄の始動記憶に基づく図柄変動のほうが第1特別図柄の始動記憶に基づく図柄変動よりも優先して実行される。そこで、以下では、通常遊技状態に制御されている場合と、確変遊技状態に制御されている場合と、時短遊技状態に制御されている場合とに分けて、第1特別図柄の始動記憶および第2特別図柄の始動記憶が存在する場合における保留表示領域1150の表示態様について説明する。
まず、図59を参照して、通常遊技状態に制御されているときに、第1特別図柄の始動記憶および第2特別図柄の始動記憶が併せて表示される態様を説明する。先述の図58(c)では、保留記憶表示部1150a、1150bが第1の表示態様となっていることから、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数が「2」であることが認識できる。
このように第1特別図柄の始動記憶が保留された状態で、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞して第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されると、保留表示領域1150において非表示態様となっている空き領域の保留記憶表示部のうちで最先のものが非表示態様から第2の表示態様に表示制御される。ここでは、第3の保留記憶表示部1150cが非表示態様から第2の表示態様とされる(図59(a)参照)。以下、同様にして、第1始動口390に遊技球が引き続き入賞して第1特別図柄保留カウンタ703によって順に保留されるごとに、最先の空き領域の保留記憶表示部から順に非表示態様が第2の表示態様とされる(図59(c)参照)。
一方、第1特別図柄の始動記憶が保留された状態で、第1始動口390に遊技球が入賞して第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されると、各保留記憶表示部のうちで第2の表示態様が一つ後の各保留記憶表示部の表示態様としてシフト表示されるとともに、当該第2の表示態様となる保留記憶表示部の直前に位置する保留記憶表示部の表示態様が第1の表示態様とされる。例えば、図59(a)に示す状態で第1始動口390に遊技球が入賞すると、第3の保留記憶表示部1150cの第2表示態様が第4の保留記憶表示部1150dの表示態様として後方にシフト表示されるとともに、この第3の保留記憶表示部1150cが第1の表示態様に表示制御される(図59(b)参照)。「後方にシフト表示」とは、上記のように、一の保留記憶表示部を基準とした場合に、当該一の保留記憶表示部の表示態様が後の保留記憶表示部に移動して、当該保留記憶表示部における表示態様として表示されることをいう。以下、同様にして、第1始動口390に遊技球が引き続き入賞して第1特別図柄保留カウンタ703によって順に保留されるごとに、保留記憶表示部における第2の表示態様の後方へのシフト表示がなされるとともに、第2の表示態様の直前に第1の表示態様が追加されるように表示制御が行われる。
なお、遊技状態に拘らず、各特別図柄の始動記憶の抽選結果が共通図柄表示領域115cに導出される導出順序は、保留記憶表示部1150a〜1150hの順序で導出される。すなわち、保留表示領域1150においては、特別図柄の始動記憶の消化に応じて、先頭の保留記憶表示部(第1の保留記憶表示部1150a)の表示態様の削除と、他の保留記憶表示部における表示態様の前方へのシフト表示とが行われる。そのため、通常遊技状態では、保留表示領域1150においては常に第1の表示態様が第2の表示態様よりも前の保留記憶表示部に表示されることからも明らかなように、第2特別図柄保留カウンタ713による保留が第1特別図柄保留カウンタ703による保留よりも先に行なわれたとしても、第1特別図柄の始動記憶が第2特別図柄の始動記憶よりも優先的に消化される。言い換えれば、第1特別図柄保留カウンタ703による保留が存在する限り、第2特別図柄保留カウンタ713による保留が解除されることない。そのため、第1特別図柄の始動記憶が全て消化されるまで、第2特別図柄の始動記憶が消化されることがなく、第1特別図柄の始動記憶のみが消化され続ける。
このように、通常遊技状態に制御されているときは、第2特別図柄の始動記憶が先に保留されていたとしても、第1特別図柄の始動記憶は保留表示領域1150において当該第2特別図柄の保留表示よりも前方側に追加されるように蓄積表示される。これにより、第1特別図柄の始動記憶が保留されたことに応じて始動記憶数が増加したことのみならず、第1特別図柄のほうが第2特別図柄よりも導出順序が優先されることを、遊技者は視覚的に把握することができる。
次に、図60を参照して、確変遊技状態に制御されているときに、第1特別図柄の始動記憶および第2特別図柄の始動記憶が併せて表示される態様を説明する。先述の図59(c)では、保留記憶表示部1150a、1150bが第1の表示態様となっていることから、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数が「2」であることが認識できる。また、保留記憶表示部1150c〜1150eが第2の表示態様となっていることから、第2特別図柄保留カウンタ713における保留数が「3」であることが認識できる。
確変遊技状態では、通常遊技状態および時短遊技状態とは異なり、第1特別図柄よりも第2特別図柄のほうが優先的に抽選結果の導出が実行される。そのため、図59(c)に第1特別図柄および第2特別図柄の各始動記憶が保留された状態で、遊技状態が通常遊技状態または時短遊技状態から確変遊技状態に移行すると、図60(a)に示すように保留表示領域1150における第1の表示態様および第2の表示態様の表示順序の入れ替え制御が行われる。その結果、通常遊技状態では保留表示領域1150において第1の表示態様が第2の表示態様よりも前方に表示されるところ、確変遊技状態では第2の表示態様が第1の表示態様よりも前方に表示される(図60(b)参照)。
そして、第2特別図柄の始動記憶が保留された状態で、第1始動口390に遊技球が入賞して第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されると、各保留記憶表示部のうちで第1の表示態様が一つ後の各保留記憶表示部の表示態様としてシフト表示されるとともに、当該第1の表示態様となる保留記憶表示部の直前に位置する保留記憶表示部の表示態様が第2の表示態様とされる。また、第1特別図柄の始動記憶が保留された状態で、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞して第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されると、保留表示領域1150において非表示態様となっている空き領域の保留記憶表示部のうちで最先のものが非表示態様から第1の表示態様に表示制御される。
なお、遊技状態に拘らず、各特別図柄の始動記憶の抽選結果が共通図柄表示領域115cに導出される導出順序は、保留記憶表示部1150a〜1150hの順序で導出される。すなわち、保留表示領域1150においては、特別図柄の始動記憶の消化に応じて、先頭の保留記憶表示部(第1の保留記憶表示部1150a)の表示態様の削除と、他の保留記憶表示部における表示態様の前方へのシフト表示とが行われる。そのため、確変遊技状態では、保留表示領域1150においては常に第2の表示態様が第1の表示態様よりも前の保留記憶表示部に表示されることからも明らかなように、第1特別図柄保留カウンタ703による保留が第2特別図柄保留カウンタ713による保留よりも先に行なわれたとしても、第2特別図柄の始動記憶が第1特別図柄の始動記憶よりも優先的に消化される。言い換えれば、第2特別図柄保留カウンタ713による保留が存在する限り、第1特別図柄保留カウンタ703による保留が解除されることがない。そのため、第2特別図柄の始動記憶が全て消化されるまで、第1特別図柄の始動記憶が消化されることがなく、第2特別図柄の始動記憶のみが消化され続ける。
このように、確変遊技状態に制御されているときは、第1特別図柄の始動記憶が先に保留されていたとしても、第2特別図柄の始動記憶は保留表示領域1150において当該第1特別図柄の保留表示よりも前方側に追加されるように蓄積表示される。これにより、第2特別図柄の始動記憶が保留されたことに応じて始動記憶数が増加したことのみならず、第2特別図柄のほうが第1特別図柄よりも導出順序が優先されることを、遊技者は視覚的に把握することができる。
なお、時短遊技状態では、先述のように通常遊技状態と同様に、第2特別図柄よりも第1特別図柄のほうが優先的に抽選結果の導出が実行されるが、保留表示領域1150の保留表示態様が通常遊技状態とは異なっている。つまり、遊技状態が通常遊技状態または確変遊技状態から時短遊技状態に移行すると、図60(c)に示すように保留表示領域1150において第1の表示態様と第2の表示態様とが上下に並んで配置されるように表示制御が行われる。そして、図示するような矢印画像を表示して、いずれの特別図柄の始動記憶に基づく図柄変動が行なわれるかを示す。これにより、通常遊技状態や確変遊技状態とは異なる遊技状態であることを視覚的に明確に把握できる。
なお、時短遊技状態も、通常遊技状態と同様に、第2特別図柄保留カウンタ713による保留が第1特別図柄保留カウンタ703による保留よりも先に行なわれたとしても、第1特別図柄の始動記憶が第2特別図柄の始動記憶よりも優先的に消化される。言い換えれば、第1特別図柄保留カウンタ703による保留が存在する限り、第2特別図柄保留カウンタ713による保留が解除されることない。そのため、第1特別図柄の始動記憶が全て消化されるまで、第2特別図柄の始動記憶が消化されることがなく、第1特別図柄の始動記憶のみが消化され続ける。
このように、時短遊技状態に制御されているときは、第1特別図柄よりも第2特別図柄のほうが優先的に抽選結果の導出がなされるところ、通常遊技状態および確変遊技状態とは保留表示領域1150の保留表示態様を異ならせることで、時短遊技状態が行なわれていることを遊技者は視覚的に把握することができる。また、図示するような矢印画像を参照することで、いずれの特別図柄の始動記憶に基づく図柄変動が行なわれるか視覚的に把握することができる。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主基板600で実行される種々の制御処理について説明する。
[メインシステム処理]
まず、図61に基づいて説明する。図61は、主基板の主制御基板に搭載されるCPUが実行するメインシステム処理の一例を示すフローチャートである。
図61に示すように、パチンコ機1へ電源が供給されると、CPU602(図51参照)は、まず電源投入時処理を実行する(ステップS10)。この電源投入時処理では、RAM606(図51参照)に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM606に記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM606に記憶されているバックアップデータを消去してCPU602に関連するデバイス設定(通常の初期設定や割込タイミングの設定等)を行う。なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM606に現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM606に記憶されているバックアップデータの消去を指示するRAM消去スイッチがオンであれば、RAM606をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理にて主制御基板131に搭載されるRAM606にバックアップデータが保存されていない場合には、RAM606をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行したときに周辺制御基板662(図52参照)に主制御基板131(図51参照)が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板131が起動したことを周辺制御基板662に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM606にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理(ステップS10)が終了すると、CPU602は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU602は、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判断する(ステップS20)。なお、この実施形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成される。即ち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に電源を供給している。そして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板131に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS20で主制御基板131に搭載されるCPU602により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS40)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧が(この実施の形態では24V)復旧した場合に(以下、「復電」と称する)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM606にバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS20で停電予告信号が検知されていない場合(ステップS20におけるNO)、即ち、外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる乱数を更新する非当落乱数更新処理を行う(ステップS30)。なお、非当落乱数更新処理にて更新される乱数については後述する。
[電源断発生処理]
図62は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理(ステップS40)は、メインシステム処理において、停電予告信号が検出された時に(ステップS20におけるYES)実行される処理である。CPU602は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS42)。そして、RAM606のチェックサムを算出し、RAM606の所定領域に保存する(ステップS44)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM606の内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
次いで、CPU602は、RAM606の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS46)。以上の処理を終えると、CPU602は、RAM606へのアクセスを禁止し(ステップS48)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることによって、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU602には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入ると、更新が行われなくなる。この結果、瞬停によって電源断発生時処理に入り、図62の無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU602が起動することになる。
[タイマ割込処理]
図63は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。本実施の形態においては、メインシステム処理の実行中に主基板600の主制御基板131に搭載されるCPU602により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU602は、レジスタの待機処理を実行した後(ステップS50)、ステップS60からステップS270の処理を実行する。
ステップS60のセンサ監視処理では、上述した各種のセンサ(ゲートセンサ630、第1始動口センサ644、第2始動口センサ646、第3始動口センサ648、演出用開閉装置カウントセンサ572、大当たり遊技用開閉装置カウントセンサ640等)の検出信号を監視する処理を実行する。
ステップS70の当落乱数更新処理では、遊技で用いられる乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施形態では、当落乱数更新処理にて更新される乱数と、上述した非当落乱数更新処理にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、当落乱数更新処理にて更新される乱数を非当落乱数更新処理でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS80の払出制御処理では、センサ監視処理(ステップS60)にて検出された信号に基づいて払出制御基板197に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。
ステップS90の普通図柄・普通電動役物制御処理では、センサ監視処理処理(ステップS60)にてゲートセンサ630から検出された信号に基づいて普通図柄表示器82に関わる制御処理を実行するとともに、一対の可動片396の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS100の特別図柄・特別電動役物制御処理では、特別図柄の変動開始から当たり遊技の開始までの一連の処理を実行するとともに、演出用大入賞口398aおよび大当たり遊技用大入賞口400a(いずれも図10参照)の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS260の出力データ設定処理では、特別図柄・特別電動役物制御処理(ステップS100)等において定まる情報に基づいて、主制御基板131から周辺制御基板662に送信するコマンドを生成する処理を実行する。
ステップS270のコマンド送信処理では、出力データ設定処理(ステップS260)において設定されたコマンドを周辺制御基板662に送信する処理が行われる。ステップS60からステップS270の処理を実行すると、レジスタ復帰処理(ステップS280)を実行して、タイマ割込処理を終了する。
ここで、上述した非当落乱数更新処理(ステップS30)および当落乱数更新処理(ステップS70)で主制御基板131に搭載されるCPU602により更新される各種乱数について説明する。本実施形態において、遊技にて用いられる各種乱数として、大当たり遊技の開始または小当たり遊技の開始をさせるか否かの判定に用いられる当否判定用乱数、大当たり遊技を開始させると判定されたときに確変大当たりとするか否かの判定に用いられる図柄乱数、大当たり判定にて確変大当たり遊技、非確変大当たり遊技および小当たり遊技を開始させないと判定されたときにリーチ変動とするか否かの判定に用いられるリーチ判定用乱数、第1特別図柄表示器84および第2特別図柄表示器86に表示されている特別図柄の変動パターンを決定するために用いられる変動パターン乱数、一対の可動片396を開放状態に制御するか否かの判定(普通図柄当たり判定)に用いられる普通図柄当たり判定用乱数、等がある。
なお、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動パターンを決定するとともに、演出表示装置115にて表示制御される装飾図柄の変動パターンを決定するようにしてもよい。
これらの乱数のうち、当落乱数更新処理では、大当たり遊技または小当たり遊技の開始に関わる当否判定用乱数、図柄乱数、および、一対の可動片396を、遊技球を受け入れやすい開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当たり判定用乱数の更新を行う。即ち、大当たり遊技の開始および一対の可動片396を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は一定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(当たり遊技を開始させると判定する確率、一対の可動片396を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者が不利な状態となることを防止できる。
一方、非当落乱数更新処理では、当たり遊技状態の発生および普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定用乱数、並びに、変動パターン乱数の更新を行う。なお、主制御基板131で更新される乱数は、上記したものに限られず、非当落乱数更新処理では、当否判定用乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる当否判定用乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
なお、本実施例においては当否判定用乱数を取得するための手段として、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702と第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712の2つの手段を設けるが、これを一つ設ける構成としてもよい。
[特別図柄・特別電動役物制御処理]
次に、図64に基づいて特別図柄・特別電動役物制御処理について説明する。図64は、特別図柄・特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄・特別電動役物制御処理では、まず、第1・第2・第3始動口入賞処理(ステップS110)を行う。具体的には後述するが、第1始動口390、第2始動口392、第3始動口394に遊技球が受け入れられたか否か判別し、これに基づいて一連の処理を行う。第1・第2・第3始動口入賞処理(ステップS110)を行うと、次に、処理フラグを確認し(ステップS120〜ステップS230)、処理フラグに対応する処理を行う。
第1・第2・第3始動口入賞処理(ステップS110)を終えると、先ず、処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS120)、処理フラグが0であれば(ステップS120におけるYES)変動開始処理(ステップS130)を実行する。変動開始処理(ステップS130)では、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが、大当たり遊技または小当たり遊技を開始させるか否かの判断を行い、処理フラグを「1」に更新する。一方、ステップS120において処理フラグが0でなければ(ステップS120におけるNO)ステップS140に進む。
ステップS140に進むと、処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS140)。処理フラグが1であれば(ステップS140におけるYES)変動パターン設定処理(ステップS150)を実行する。この変動パターン設定処理では、第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86に表示される特別図柄および演出表示装置115に表示される装飾図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンに対応して設定される変動時間(第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86のいずれかにおいて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットし、処理フラグを「2」に更新する。一方、ステップS140において処理フラグが1でなければ(ステップS140におけるNO)、ステップS170に進む。
ステップS170に進むと、処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS170)。処理フラグが2であれば(ステップS170におけるYES)変動中処理(ステップS180)を実行する。この変動中処理では、変動パターン設定処理(ステップS150)で設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86における特別図柄の変動表示を停止させる。このとき、変動開始処理(ステップS130)にて大当たりとする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、小当たりとする判定がなされていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、大当たりおよび小当たりとする判定のいずれもなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。一方、ステップS170において処理フラグが2でなければ(ステップS170におけるNO)、ステップS190に進む。
ステップS190に進むと、処理フラグが3かどうか判断する(ステップS190)。処理フラグが3であれば(ステップS190におけるYES)大当たり遊技開始処理(ステップS200)を実行する。この大当たり遊技開始処理では、大当たり種別(長当たりか短当たりか)を判断し、その大当たり種別に応じて演出用大入賞口398aおよび/または大当たり遊技用大入賞口400aの開閉動作を制御するためのラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数をセットし、処理フラグを「5」に更新する。一方、ステップS190において処理フラグが3でなければ(ステップS190におけるNO)、ステップS210に進む。
ステップS210に進むと、処理フラグが4かどうか判断する(ステップS210)。処理フラグが4であれば(ステップS210におけるYES)小当たり遊技処理(ステップS220)を実行する。この小当たり遊技処理では、演出用大入賞口398aの開放動作を制御するための開放回数および開放時間をセットし、処理フラグを「6」に更新する。一方、処理フラグが4でなければ(ステップS210におけるNO)、ステップS230に進む。
ステップS230に進むと、処理フラグが5かどうか判断する(ステップS230)。処理フラグが5であれば(ステップS230におけるYES)特別電動役物大当たり制御処理(ステップS240)を実行する。この特別電動役物大当たり制御処理では、大当たり遊技開始処理(ステップS200)においてセットしたラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数に基づいて演出用大入賞口398aおよび大当たり遊技用大入賞口400aの開閉動作を制御し、大当たり遊技が終了する場合には、確率変動機能および時短機能を作動させるか否か判断させるとともに処理フラグを「0」に更新する処理を行う。
一方、ステップS230において処理フラグが5でなければ(ステップS230におけるNO)特別電動役物小当たり制御処理(ステップS250)を実行する。この特別電動役物小当たり制御処理(ステップS250)では、小当たり遊技処理(ステップS220)においてセットした開放回数、開放時間および制限個数に基づいて、演出用大入賞口398aの開閉動作を制御し、小当たり遊技が終了する場合には、処理フラグを「0」に更新する処理を行う。
ステップS130からステップS250の各種処理のいずれかを実行すると特別図柄・特別電動役物制御処理を終了する。
[特別図柄用乱数記憶手段]
次に図65に基づいて、保留順記憶手段による特別図柄用乱数記憶制御について説明する。図65は、保留順に拘わる記憶領域の一例を示す図である。主制御基板131のCPU602に設けられたRAM606(図51参照)は、特別図柄用乱数記憶領域6061と処理領域6062とを有する。遊技球が第1始動口センサ644に検出されたことに基づいて取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)、および、第2始動口センサ646または第3始動口センサ648に検出されたことに基づいて取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)は、遊技球が検出された順序および後述する特別図柄の優先変動順序で、保留制御手段790によって特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される。この特別図柄用乱数記憶領域6061は、第1記憶領域6061aから第8記憶領域6061hまでの8つの記憶領域に分かれており、第1記憶領域6061a、第2記憶領域6061b、第3記憶領域6061c、第4記憶領域6061d、第5記憶領域6061e、第6記憶領域6061f、第7記憶領域6061g、第8記憶領域6061hの順に記憶させる。
第1記憶領域6061aから第8記憶領域6061hまでの8つの各記憶領域および処理領域6062は、いずれも、当否判定用乱数記憶領域、確変判定用乱数記憶領域および特別図柄種別記憶領域の3つの記憶領域を有している。当否判定用乱数記憶領域は、大当たり遊技または小当たり遊技を開始させるか否かの判定に用いる当否判定用乱数を記憶する領域である。また、確変判定用乱数記憶領域は、大当たりの場合に第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86の停止図柄の態様を確変図柄とするか否かの判定に用いる図柄乱数を記憶する領域である。また、特別図柄種別記憶領域は、当否判定用乱数および図柄乱数が、第1始動口センサ644に遊技球が検出されたことによって取得されたデータであるのか、第2始動口センサ646または第3始動口センサ648に遊技球が検出されたことによって取得されたデータであるのか、を記憶する領域である。本実施形態においては、当否判定用乱数および図柄乱数が第1始動口センサ644による遊技球の検出により抽出されたものである場合には第1特別図柄種別を、第2始動口センサ646または第3始動口センサ648による遊技球の検出により抽出されたものである場合には第2特別図柄種別を記憶する。
第1始動口センサ644による遊技球の検出があると、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702が当否判定用乱数および図柄乱数を抽出する。抽出された当否判定用乱数および図柄乱数は、それぞれ、保留制御手段790により当否判定用乱数記憶領域および確変判定用乱数記憶領域に記憶される。また、特別図柄種別記憶領域には、第1特別図柄種別が記憶される。
第2始動口センサ646または第3始動口センサ648による遊技球の検出があると、第1始動口センサ644による遊技球の検出があった場合と同様に、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712により当否判定用乱数および図柄乱数を抽出する。抽出された当否判定用乱数および図柄乱数は、それぞれ、当否判定用乱数記憶領域および確変判定用乱数記憶領域に記憶される。また、特別図柄種別記憶領域には、第2特別図柄種別が記憶される。
また、処理領域6062は、各種データの判定結果を第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86に導出する際に読み込まれる領域である。本実施形態においては、特別図柄用乱数記憶領域6061の各領域6061a〜6061hに記憶される各種データの読み込みが制限されており、処理領域6062に記憶されている各種データが判定され、その判定結果が、第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86に導出される。
なお、処理領域6062については必ずしも有している必要はない。例えば、特別図柄用乱数記憶領域6061の各記憶領域6061a〜6061hに記憶される各種データの読み込みを通常制限すると共に、特別図柄の変動を開始する際にのみ、第1記憶領域6061aに記憶される各種データのみを読み込み可能としても良い。
また、特別図柄の変動が開始される際には、各記憶領域に記憶されている各種データのシフト処理が行われる。このシフト処理の詳細については後述する。
ところで、本実施形態の保留制御手段790は、遊技状態に応じて上記の特別図柄用乱数記憶制御の詳細が異なる。まず、保留制御手段790は、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702または第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712により乱数抽出されると、遊技状態が通常遊技状態、時短遊技状態および確変遊技状態の何れであるかを判断する。そして、遊技状態が通常遊技状態または時短遊技状態であれば第1特図優先記憶制御を行なう一方、遊技状態が確変遊技状態であれば第2特図優先記憶制御を行なう。
第1特図優先記憶制御では、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702により抽出された各種乱数(第1乱数データとよぶ。)、および、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712により抽出された各種乱数(第2乱数データとよぶ。)を、特別図柄用乱数記憶領域6061の各領域6061a〜6061hの先頭側(つまり、第1記憶領域6061a側)から抽出順に記憶させていく。ただし、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702により第1乱数データが抽出されたときに、特別図柄用乱数記憶領域6061にすでに第2乱数データが記憶されている場合は、当該第2乱数データを1つずつ末尾側(つまり、第8記憶領域6061h側)の各領域にシフトさせて、当該第2乱数データよりも前の領域に当該第1乱数データを記憶させる。これにより、特別図柄用乱数記憶領域6061の各領域6061a〜6061hには、第1乱数データおよび第2乱数データのいずれが先に取得されたかに拘らず、第1乱数データが第2乱数データよりも先となるように記憶されるとともに、複数の第1乱数データおよび複数の第2乱数データについてはそれぞれ抽出順に並ぶように記憶される。
なお、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態または時短遊技状態に移行したとき、第1特図優先記憶制御として、特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される第1乱数データおよび第2乱数データの並び替え制御が行なわれる。この特別図柄用乱数記憶領域6061における乱数データの並び替え制御では、第1乱数データが第2乱数データよりも先に導出されるように、第1乱数データを第2乱数データよりも前側の領域に記憶させる(言い換えると、第2乱数データが第1乱数データよりも後側の領域に記憶されるように、第1乱数データおよび第2乱数データの記憶順を入れ替える)。これにより、先述したように、遊技状態が通常遊技状態または時短遊技状態に移行したことに応じて、保留表示領域1150に表示される保留表示態様も切り換えられることとなる。
第2特図優先記憶制御では、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702により抽出された各種乱数(第1乱数データとよぶ。)、および、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712により抽出された各種乱数(第2乱数データとよぶ。)を、特別図柄用乱数記憶領域6061の各領域6061a〜6061hの先頭側(つまり、第1記憶領域6061a側)から抽出順に記憶させていく。ただし、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712により第2乱数データが抽出されたときに、特別図柄用乱数記憶領域6061にすでに第1乱数データが記憶されている場合は、当該第1乱数データを1つずつ末尾側(つまり、第8記憶領域6061h側)の各領域にシフトさせて、当該第1乱数データよりも前の領域に当該第2乱数データを記憶させる。これにより、特別図柄用乱数記憶領域6061の各領域6061a〜6061hには、第1乱数データおよび第2乱数データのいずれが先に取得されたかに拘らず、第2乱数データが第1乱数データよりも先となるように記憶されるとともに、複数の第1乱数データおよび複数の第2乱数データについてはそれぞれ抽出順に並ぶように記憶される。
なお、遊技状態が通常遊技状態または時短遊技状態から確変遊技状態に移行したとき、第2特図優先記憶制御として、特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される第1乱数データおよび第2乱数データの並び替え制御が行なわれる。この特別図柄用乱数記憶領域6061における乱数データの並び替え制御では、第2乱数データが第1乱数データよりも先に導出されるように、第2乱数データを第1乱数データよりも前側の領域に記憶させる(言い換えると、第1乱数データが第2乱数データよりも後側の領域に記憶されるように、第1乱数データおよび第2乱数データの記憶順を入れ替える)。これにより、先述したように、遊技状態が確変遊技状態に移行したことに応じて、保留表示領域1150に表示される保留表示態様も切り換えられることとなる。
[第1・第2・第3始動口入賞処理]
次に、第1・第2・第3始動口入賞処理について図66に基づいて説明する。図66は、第1・第2・第3始動口入賞処理の一例を示すフローチャートである。
第1・第2・第3始動口入賞処理では、CPU602は、先ず、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS1101)。具体的には、第2始動口センサ646または第3始動口センサ648から検出信号が出力されたか否かを判断する。このとき、第2始動口センサ646から検出信号が出力された場合には第2始動口392に遊技球が入賞したと判断し、第3始動口センサ648から検出信号が出力された場合には第3始動口394に遊技球が入賞したと判断する。第2始動口センサ646および第3始動口センサ648のいずれからも検出信号が出力されていなければ、第2始動口392および第3始動口394のいずれにも遊技球が入賞していない(ステップS1101におけるNO)と判断する。
ステップS1101において第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したと判断したときには、各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を取得し、RAM606に設けられている第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限値である4未満であるか否かを判断する(ステップS1102)。なお、当否判定用乱数は、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって取得される。
ステップS1101において第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限の4未満であると判断すると(ステップS1102におけるYES)、CPU602は、第2保留記憶処理を行う(ステップS1103)。この第2保留記憶処理は、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことによって取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶すると共に、第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値に1を加算する処理である。より詳しくは、特別図柄用乱数記憶領域6061の当否判定用乱数記憶領域には当否判定用乱数を、確変判定用乱数記憶領域には図柄乱数を、特別図柄種別記憶領域には特別図柄種別を、それぞれ、記憶する。
ステップS1103の第2保留記憶処理において特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される各種データ(第2乱数データ)は、第1記憶領域6061a〜第n記憶領域(nは整数)の空き領域のうち最もnが小さい領域に記憶され、その後、ステップS1104に進む。例えば、第1記憶領域6061aが空き領域であれば第1記憶領域6061aに、第1記憶領域6061aが空き領域でなく且つ第2記憶領域6061bが空き領域であれば第2記憶領域6061bに、第1記憶領域6061aおよび第2記憶領域6061bが空き領域でなく且つ第3記憶領域6061cが空き領域であれば第3記憶領域6061cに、それぞれ、CPU602が各種データを記憶し、ステップS1104に進む。
ただし、先述したように、遊技状態が確変遊技状態であれば第2特図優先記憶制御が行なわれる。このとき、ステップS1103の第2保留記憶処理では、特別図柄用乱数記憶領域6061にすでに第1乱数データが記憶されていれば、当該第1乱数データを1つずつ末尾側(つまり、第8記憶領域6061h側)の各領域6061a〜6061hにシフトさせる。そして、このシフト制御によって形成された空き領域に、第2乱数データを記憶させる。これにより、特別図柄用乱数記憶領域6061では、第2乱数データが第1乱数データよりも先頭側の記憶領域に記憶されることとなる。
CPU602が、ステップS1101において第2始動口392および第3始動口394のいずれにも遊技球が入賞していないと判別したとき(ステップS1101におけるNO)、および、ステップS1102において第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限値の4に達していると判別したとき(ステップS1102におけるNO)は、いずれもステップS1104に進む。
ステップS1104では、CPU602は、第1始動口390に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS1104)。具体的には、第1始動口センサ644から検出信号が出力されたか否かを判断し、第1始動口センサ644から検出信号が出力された場合には第1始動口390に遊技球が入賞した(ステップS1104におけるYES)と判断する。第1始動口センサ644から検出信号が出力されていなければ第1始動口390に遊技球が入賞していない(ステップS1104におけるNO)と判断する。
ステップS1104において第1始動口390に遊技球が入賞したと判断したときには、各種乱数(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を取得し、RAM606に設けられている第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限値である4未満であるか否かを判断する(ステップS1105)。なお、当否判定用乱数は、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって取得される。
ステップS1104において第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限の4未満であると判別すると(ステップS1105におけるYES)、CPU602は、第1保留記憶処理を行う(ステップS1106)。この第1保留記憶処理は、第1始動口390に遊技球が入賞したことによって取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶すると共に、第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値に1を加算する処理である。より詳しくは、特別図柄用乱数記憶領域6061の当否判定用乱数記憶領域には当否判定用乱数を、確変判定用乱数記憶領域には図柄乱数を、特別図柄種別記憶領域には特別図柄種別を、それぞれ、記憶する。
ステップS1106の第1保留記憶処理において特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される各種データ(第1乱数データ)は、第1記憶領域6061a〜第n記憶領域(nは整数)の空き領域のうち最もnが小さい領域に記憶され、その後、ステップS1104に進む。例えば、第1記憶領域6061aが空き領域であれば第1記憶領域6061aに、第1記憶領域6061aが空き領域でなく且つ第2記憶領域6061bが空き領域であれば第2記憶領域6061bに、第1記憶領域6061aおよび第2記憶領域6061bが空き領域でなく且つ第3記憶領域6061cが空き領域であれば第3記憶領域6061cに、それぞれ、CPU602が各種データを記憶し、処理を終了する。
ただし、先述したように、遊技状態が通常遊技状態または時短遊技状態であれば第1特図優先記憶制御が行なわれる。このとき、ステップS1106の第1保留記憶処理では、特別図柄用乱数記憶領域6061にすでに第2乱数データが記憶されていれば、当該第2乱数データを1つずつ末尾側(つまり、第8記憶領域6061h側)の各領域6061a〜6061hにシフトさせる。そして、このシフト制御によって形成された空き領域に、第1乱数データを記憶させる。これにより、特別図柄用乱数記憶領域6061では、第1乱数データが第2乱数データよりも先頭側の記憶領域に記憶されることとなる。
CPU602が、ステップS1104において第1始動口390に遊技球が入賞していないと判断したとき(ステップS1104におけるNO)、および、ステップS1105において第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限値の4に達していると判断したとき(ステップS1105におけるNO)は、いずれも処理を終了する。
なお、第1特別図柄保留カウンタ703または第2特別図柄保留カウンタ713に記憶されるカウンタ値は、ステップS1104またはステップS1101で取得した特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される各種データの数(即ち、8の記憶領域6061a〜6061hのうち各種データが記憶されている記憶領域の数)を示すカウンタ値である。
また、ステップS1102およびステップS1105において、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したときに第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限値であるとき、および、第1始動口390に遊技球が入賞したときに第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限値であるときは、いずれも、ステップS1101またはステップS1104で取得した各種データを破棄する(第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限値であるときに第1始動口390に入賞した遊技球、および、第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限値であるときに第2始動口392に入賞した遊技球を、無効球と称する)。
なお、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したと判断したとき、各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)の取得は、必ずしもステップS1101で行う必要はなく、ステップS1101〜ステップS1103の間で行えばよい。例えば、ステップS1101で各種データを取得せずに、ステップS1102で第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限値未満であることを判定した後に各種データを取得してもよいし、ステップS1103の第2保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
同様に、第1始動口390に遊技球が入賞したと判定したとき、各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)の取得は、必ずしもステップS1104で行う必要はなく、ステップS1104〜ステップS1106の間で行えばよい。例えば、ステップS1104で各種データを取得せずに、ステップS1102で第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限値未満であることを判別した後に各種データを取得してもよいし、ステップS1106の第1保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
このように、第1・第2・第3始動口入賞処理では、CPU602は、先ず、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したか否かを判断し、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウント値が上限未満であれば、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことによって取得した各種データの記憶処理を行う。そして、その後、第1始動口390に遊技球が入賞したか否かを判断し、第1特別図柄保留カウンタ703によるカウント値が上限未満であれば、第1始動口390に遊技球が入賞したことによって取得した各種データの記憶処理を行い、一連の処理を終了する。従って、第1始動口390への遊技球の入賞と、第2始動口392または第3始動口394への遊技球の入賞とがほぼ同時(同じ4ms割込処理内)に行われた場合には、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことによって取得した各種データが、第1始動口390に遊技球が入賞したことによって取得した各種データよりも先に特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される。即ち、第1始動口390への遊技球の入賞と、第2始動口392または第3始動口394への遊技球の入賞とがほぼ同時に行われた場合には、第2特別図柄当否判定手段714による大当たり判定が、第1特別図柄当否判定手段704による大当たり判定よりも先に行われ、その結果、第2特別図柄当否判定手段714による判定結果が第1特別図柄当否判定手段704による判定結果よりも先に第2特別図柄表示器86および共通図柄表示領域115cに表示される。とくに、時短遊技中、普通図柄抽選手段720による抽選が遊技者に有利な抽選が行われるので、一対の可動片396の開閉動作が頻繁に行われ、第3始動口394に遊技球が入賞しやすくなる。しかし、第1始動口390への遊技球の入賞と、第2始動口392または第3始動口394への遊技球の入賞とがほぼ同時に行われた場合に、第2特別図柄当否判定手段714による大当たり判定を第1特別図柄当否判定手段704による大当たり判定よりも先に行うことによって、時短遊技中、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したにも拘わらず、取得した各種データが破棄されるといったことを極力回避でき、興趣の低下を抑制できる。
なお、本実施形態では、CPU602が、ステップS1101〜ステップS1103の一連の処理を実行したのちに、ステップS1104〜1106の一連の処理を実行しているが、これに代えて、ステップS1104〜ステップS1106の一連の処理を実行したのちに、ステップS1101〜ステップS1103の一連の処理を実行する態様であっても良い。
また、本実施形態において、特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される各種データの数(即ち、第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値と第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値との和)を「始動記憶数」と称する。
[変動開始処理]
次に、変動開始処理について図67に基づいて説明する。図67は、変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS130)では、CPU602は、先ず、始動記憶数が0であるか否かを判断する(ステップS1301)。始動記憶数が0でなければ(ステップS1301におけるNO)、特別図柄用乱数記憶領域6061のシフト処理を行う(ステップS1302)。このシフト処理は、第1記憶領域6061aに記憶されている各種データ(先述の第1乱数データまたは第2乱数データに相当)を処理領域6062に記憶させると共に、第n記憶領域(2≦n≦8)に記憶されている各種データを、それぞれ、第(n−1)記憶領域(2≦n≦8)に記憶させる処理である。なお、第1記憶領域6061aのみに各種データが記憶されている場合(第2記憶領域6061b〜第8記憶領域6061hが空き領域の場合)には、第1記憶領域6061aに記憶されている各種データを処理領域6062に記憶させる処理のみが行われる。なお、ステップS1301において始動記憶が0であれば(ステップS1301におけるYES)処理を終了する。
より具体的には、遊技状態が通常遊技状態または時短遊技状態であるときは、先述の第1特図優先記憶制御が実行されるため、特別図柄用乱数記憶領域6061には第1乱数データが先、第2乱数データが後となるように記憶されている。そのため、上記のシフト処理(ステップS1302)では、常に第1乱数データが第2乱数データよりも先に処理領域6062に記憶される。これにより、第1始動口390への遊技球の入賞に基づいて取得された乱数(第1乱数データ)は、第2始動口392または第3始動口394への遊技球の入賞に基づいて取得された乱数(第2乱数データ)よりも後に取得されたとしても、優先的に特別図柄用乱数記憶領域6061から処理領域6062に読み出され、さらには後述の大当たりに当選したか否かの判定処理などに供されるようになる。
また、遊技状態が確変遊技状態であるときは、先述の第2特図優先記憶制御が実行されるため、特別図柄用乱数記憶領域6061には第2乱数データが先、第1乱数データが後となるように記憶されている。そのため、上記のシフト処理(ステップS1302)では、常に第2乱数データが第1乱数データよりも先に処理領域6062に記憶される。これにより、第2始動口392または第3始動口394への遊技球の入賞に基づいて取得された乱数(第2乱数データ)は、第1始動口390への遊技球の入賞に基づいて取得された乱数(第1乱数データ)よりも後に取得されたとしても、優先的に特別図柄用乱数記憶領域6061から処理領域6062に読み出され、さらには後述の大当たりに当選したか否かの判定処理などに供されるようになる。
ステップS1302においてシフト処理を行ったのち、CPU602は、処理領域6062の特別図柄種別記憶領域に記憶されている種別が第2特別図柄種別であるか否かを判別する(ステップS1303)。このとき、第2特別図柄種別であれば(ステップS1303におけるYES)、第2特別図柄フラグをON状態にする(ステップS1303)と共に、第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値を1減算して(ステップS1305)、ステップS1308に進む。また、ステップS1303において判定した処理領域6062の特別図柄種別記憶領域に記憶されている種別が第1特別図柄種別であれば(ステップS1303におけるNO)、第1特別図柄フラグをON状態にする(ステップS1306)と共に、第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値を1減算して(ステップS1307)、ステップS1308に進む。
ステップS1308では、CPU602は、確率変動機能が作動中であるか否か、即ち、確変遊技実行手段740による確変遊技が実行されているか否かを判別する(ステップS1308)。確率変動機能が作動中であれば(ステップS1308におけるYES)、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708が選択され(ステップS1309)、確率変動機能が未作動であれば(ステップS1308におけるNO)、特別図柄通常時当たり判定用テーブル706が選択される(ステップS1310)。そして、ステップS1309またはステップS1310において選択された判定テーブルと、処理領域6062に記憶されている当否判定用乱数とを参照して大当たり判定が行われる(ステップS1311)。
なお、ステップS1311における大当たり判定は、第1特別図柄フラグがON状態であれば第1特別図柄当否判定手段704によって行われ、第2特別図柄フラグがON状態であれば第2特別図柄当否判定手段714によって行われる。
CPU602が、ステップS1311における大当たり判定にて大当たりであると判定すると(ステップS1311におけるYES)、大当たりフラグをON状態にして(ステップS1311)、次に、長当たりか否かの判定を行う(ステップS1313)。具体的には、ステップS1309またはステップS1310において選択された判定テーブルと当否判定用乱数とを参照して大当たり判定の結果が長当たりであるか否か判定する。長当たりであると判定されると(ステップS1313におけるYES)、長当たりフラグをONして(ステップS1314)、その後、処理フラグを「1」に更新し(ステップS1318)、処理を終了する。また、ステップS1313において長当たりでないと判定されると(ステップS1313におけるNO)、短当たりフラグをONして(ステップS1315)、その後、処理フラグを「1」に更新し(ステップS1318)、処理を終了する。また、ステップS1311における大当たり判定にて大当たりでないと判定すると(ステップS1311におけるNO)、小当たり判定が表1に基づいて行われる(ステップS1316)。小当たり判定において小当たりであると判定すると(ステップS1316におけるYES)、小当たりフラグをON状態にして(ステップS1317)、ステップS1318に進み、処理フラグを「1」に更新し、処理を終了する。小当たり判定において小当たりでないと判定すると(ステップS1316におけるNO)、ステップS1318に進み、処理フラグを「1」に更新し、処理を終了する。
なお、本実施形態では、ステップS1302において特別図柄用乱数記憶領域6061のシフト処理を行ったのち、ステップS1310において選択された判定テーブル(特別図柄通常時当たり判定用テーブル706または特別図柄確変時当たり判定用テーブル708)と、処理領域6062に記憶されている当否判定用乱数とを参照して大当たり判定が行われる(ステップS1311)が、これに限られない。例えば、判定テーブル(特別図柄通常時当たり判定用テーブル706または特別図柄確変時当たり判定用テーブル708)と第1記憶領域6061aに記憶されている当否判定用乱数とを参照して大当たり判定を行い、その後、特別図柄用乱数記憶領域6061のシフト処理を行っても良い。このとき、第1記憶領域6061aに記憶されている当否判定用乱数を参照できるのは、変動開始時のみである。
また、大当たり判定および小当たり判定についての詳細は、表1および表2を参照して上述したとおりである。
[変動パターン設定処理]
次に、変動パターン設定処理について図68〜図80に基づいて説明する。図68は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図69は、第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図70は、第1特別図柄長当たり時パターンテーブル設定処理において選択される変動パターンを示す一覧表図である。図71は、第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図72は、第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理において選択される変動パターンを示す一覧表図である。図73は、短当たり時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図74は、小当たり時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図75は、短当たり時変動パターンテーブル設定処理および小当たり時変動パターンテーブル設定処理において選択される変動パターンを示す一覧表図である。図76は、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図77は、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてリーチと判断された場合に選択される変動パターンを示す一覧表図である。図78は、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図79は、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてリーチと判断された場合に選択される変動パターンを示す一覧表図である。図80は、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理および第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてリーチと判断されない場合に選択される変動パターンを示す一覧表図である。
なお、以下に示す各変動テーブルには、変動番号に対応させて、コマンド、抽選結果、変動時間、変動名称(変動内容)および当該変動番号の変動内容が選択される確率が記憶されている。また、「変動内容」とは、演出表示装置115に表示される演出の内容およびこの演出内容に対応させてスピーカー18,57から出力される効果音や楽曲のことである。
図68の変動パターン設定処理では、先ず、大当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS1510)。即ち、今回の特別図柄の変動によって大当たりを導出するか否かを判断する。大当たりフラグがONであると判断すると(ステップS1510におけるYES)、次に、長当たりフラグONか否か判断する(ステップS1520)。即ちステップS1510で判断した大当たりが長当たりであるか否かを判断する。長当たりフラグONであると判断すると(ステップS1520におけるYES)、次に第1特別図柄フラグがONか否か判断する(ステップS1530)。即ち、今回の変動が第1始動口センサ644により遊技球が検出されたことに基づいて抽出された当否判定乱数にもとづくものであるか否か判断する。第1特別図柄フラグがONであると判断すると(ステップS1530におけるYES)、第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1540)を行う。第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1540)では、時短機能作動中であるか否か(即ち、時短遊技実行手段742により時短遊技が実行されているか否か)、確率変動機能作動中であるか否か(即ち、確変遊技実行手段740により確変遊技が実行されているか否か)、および、確変図柄での長当たりであるか否かに応じて、第1特別図柄長当たり時の変動パターンテーブルを選択する。
第1特別図柄フラグがONでないと判断すると(ステップS1530におけるNO)、第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1550)を行う。第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1550)では、時短機能作動中であるか否か、確率変動機能作動中であるか否か、および、確変図柄での長当たりであるか否かに応じて、第2特別図柄長当たり時の変動パターンテーブルを選択する。
ステップS1520において、長当たりフラグONでない(即ち、短当たりである)と判断すると(ステップS1520におけるNO)、短当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1560)を行う。短当たり時変動パターンテーブル設定処理では、時短機能作動中であるか否かおよび確率変動機能作動中であるか否かを判断し、それぞれの遊技状態に応じた短当たり時の変動パターンテーブルを選択する。
なお、ステップS1520において長当たりでない(即ち短当たり)と判断した場合には、今回の変動が第1始動口センサ644により遊技球が検出されたことにもとづくものであるのか否かは判断しない。従って、第1始動口390に遊技球が入賞したことに応じて短当たりが発生した場合、および、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことに応じて短当たりが発生した場合、のいずれであっても、同じ変動パターンテーブルが選択されることになる。
ステップS1510において大当たりフラグONでないと判断すると(ステップS1510におけるNO)、小当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS1570)。小当たりフラグがONであると判断すると(ステップS1570におけるYES)、小当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1580)を行う。小当たり時変動パターン設定処理では、時短機能作動中であるか否かおよび確率変動機能作動中であるか否かを判断し、それぞれの遊技状態に応じた小当たり時の変動パターンテーブルを選択する。
なお、ステップS1570において小当たりであると判断した場合には、ステップS1520において長当たりでないと判断した場合と同様に、今回の変動が第1始動口センサ644により遊技球が検出されたことにもとづくものであるのか否かは判断しない。従って、第1始動口390に遊技球が入賞したことに応じて小当たりが発生した場合、および、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことに応じて小当たりが発生した場合、のいずれであっても、同じ変動パターンテーブルが選択されることになる。
小当たりフラグがONでないと判断すると(ステップS1570におけるNO)、第1特別図柄フラグがONであるか否かを判断する(ステップS1590)。第1特別図柄フラグがONであると判断すると(ステップS1590におけるYES)、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1600)を行う。第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理では、まず時短機能作動中であるか否かおよび確率変動機能作動中であるか否かを判断したのち、リーチ変動を行うか否かを抽選する(以下、この抽選を「リーチ抽選」と称する)。リーチ抽選では、リーチ判定用乱数を取得し、取得したリーチ判定用乱数をRAM606に記憶するとともに、予め定められたリーチ判定テーブルに設定されている判定値と取得したリーチ判定用乱数とが一致するか否かによって、リーチ変動を行うか否かを判断する。そして判断された時短機能作動中であるか否かと、確率変動機能作動中であるか否かと、リーチ変動を行うか否かと、第1特別図柄保留カウンタ703(図53参照)によるカウンタ値とに基づいて、第1特別図柄外れ時の変動パターンテーブルを選択する。
ステップS1590において第1特別図柄フラグがONでないと判断すると(ステップS1590におけるNO)、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1610)を行う。第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理では、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理では、まず時短機能作動中であるか否かおよび確率変動機能作動中であるか否かを判断したのち、リーチ変動を行うか否かを抽選する(以下、この抽選を「リーチ抽選」と称する)。リーチ抽選では、リーチ判定用乱数を取得し、取得したリーチ判定用乱数をRAM606に記憶するとともに、予め定められたリーチ判定テーブルに設定されている判定値と取得したリーチ判定用乱数とが一致するか否かによって、リーチ変動を行うか否かを判断する。そして判断された時短機能作動中であるか否かと、確率変動機能作動中であるか否かと、リーチ変動を行うか否かと、第2特別図柄保留カウンタ713(図53参照)によるカウンタ値とに基づいて、第2特別図柄外れ時の変動パターンテーブルを選択する。
各変動パターンテーブルを設定するとステップS1620に進み、変動パターンを決定する。変動パターンの決定では、先ず、変動表示乱数を取得する。そして、この取得した変動表示乱数に基づいて、ステップS1540、ステップS1550、ステップS1560、ステップS1580、ステップS1600またはステップS1610で設定された変動パターンテーブルに設定されている変動パターンのなかからいずれか一つの変動パターンを決定する(ステップS1620)。
各変動パターンには、変動時間およびコマンドが対応して設定されており、変動パターンを決定すると(ステップS1620)、この決定された変動パターンを選択値としてセットする(ステップS1630)。そして、選択値としてセットされた変動パターンに対応するコマンドを、周辺制御基板662に送信される演出コマンドとしてセットする。変動パターンを選択値としてセットすると(ステップS1630)、セットされた変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする(ステップS1640)。即ち、特別図柄の変動時間を、主制御基板131に搭載されるRAM606に設けられたタイマにセットする。その後、処理フラグを「2」に更新して(ステップS1650)変動パターン設定処理を終了する。
次に、図69および図70に基づいて第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図69の第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理において、CPU602は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15401)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS15401におけるYES)、時短機能が未作動の場合における長当たり図柄の種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15402)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル1を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル2を選択する(図70参照)。
ステップS15401において時短機能が未作動でない、即ち時短遊技状態であると判断すると(ステップS15401におけるNO)、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15403)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS15403におけるYES)、時短機能作動時であって且つ低確率時における長当たり種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15404)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル3を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル4を選択する。
ステップS15403において確率変動機能が未作動でない、即ち確変遊技状態であると判断すると(ステップS15403におけるNO)、時短機能作動時であって且つ高確率時における長当たり種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15405)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル5を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル6を選択する。
ステップS15402、ステップS15404、ステップS15405においてそれぞれの変動パターンテーブルを選択すると、第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理を終了する。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル1が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号10のノーマル長当たり、変動番号13の歌リーチAノーマル長当たり、変動番号15の歌リーチAロング長当たり、変動番号17の歌リーチB(歌リーチA経由)長当たり、変動番号19の歌リーチC(歌リーチA経由)長当たり、変動番号21の歌リーチD(歌リーチA経由)長当たり、変動番号26の歌リーチB前半長当たり、変動番号28の歌リーチB後半長当たり、変動番号33の歌リーチC前半長当たり、変動番号35の歌リーチC後半長当たり、変動番号40の歌リーチD前半長当たり、変動番号42の歌リーチD後半長当たり、および、変動番号45のチャンス目(確変長当たり)、のうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の500、64000分の3500、64000分の5000、64000分の8000、64000分の10000、64000分の10000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、および、64000分の3000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとしてノーマル長当たりを64000分の500の確率で選択したとき、ノーマル長当たりの変動パターンに対応するコマンド0AHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21500msをタイマにセットする。このノーマル長当たりを選択すると、演出表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ変動を実行し、その後、スーパーリーチ演出を実行することなく、停止図柄が長当たり態様となるように表示する。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてし、さらに選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル2が選択されると、テーブル1と同じ変動パターンを同じ確率で選択する。ただし、変動番号26、28、33、35、40、42が選択される確率は、テーブル1では64000分の4000であるのに対し、テーブル2では64000分の4500である。また、変動番号45が選択される確率は、テーブル1では64000分の3000であるのに対し、テーブル2では選択されない。そして、テーブル1が選択された場合と同様に、選択した変動パターンに対応するコマンドをセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル3が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号26の歌リーチB前半長当たり、変動番号28の歌リーチB後半長当たり、変動番号33の歌リーチC前半長当たり、変動番号35の歌リーチC後半長当たり、変動番号40の歌リーチD前半長当たり、および、変動番号42の歌リーチD後半長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の10500、64000分の10500、64000分の10500、64000分の10500、64000分の11000、および、64000分の11000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして歌リーチB前半長当たりを64000分の10500の確率で選択したとき、歌リーチB前半長当たりの変動パターンに対応するコマンド1AHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として41100msをタイマにセットする。この歌リーチB前半長当たりを選択すると、演出表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ変動を実行すると共に、歌(B)演奏に伴ってキャラクタがステージ上で歌っている態様のスーパーリーチ演出をし、その後、停止図柄が長当たり態様となるように表示する。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル4が選択されると、テーブル3と同じ変動パターンを同じ確率で選択する。そして、テーブル3が選択された場合と同様に、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル5が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号51の歌リーチB完走当たり(共通)、変動番号52の歌リーチB扉1枚目復活長当たり、変動番号53の歌リーチB扉2枚目復活長当たり、変動番号54の歌リーチB扉3枚目復活長当たり、変動番号60の歌リーチC完走当たり(確変)、変動番号61の歌リーチC扉1枚目復活長当たり、変動番号62の歌リーチC扉2枚目復活長当たり、および、変動番号63の歌リーチC扉3枚目復活長当たり、変動番号69の歌リーチD完走当たり(確変)、変動番号70の歌リーチD扉1枚目復活長当たり、変動番号71の歌リーチD扉2枚目復活長当たり、および、変動番号72の歌リーチD扉3枚目復活長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の30000、64000分の500、64000分の500、64000分の1000、64000分の10000、64000分の250、64000分の250、、64000分の5500、64000分の10000、64000分の250、64000分の250、および、64000分の5500の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして歌リーチB完走長当たりを64000分の30000の確率で選択したとき、歌リーチB完走長当たりの変動パターンに対応するコマンド33Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として55000msをタイマにセットする。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル6が選択されると、変動パターン乱数を取得することなく、常に変動番号51の歌リーチB完走当たりの変動パターンを選択する。そして、歌リーチB完走長当たりの変動パターンに対応するコマンド33Hを演出コマンドとしてとしてセットすると共に、変動時間値として55000msをタイマにセットする。この歌リーチB完走当たりは、演出表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、歌(B)に伴ってキャラクタがステージ上で歌っている態様のスーパーリーチを表示し、その後、ステージの扉が閉まるものの、演奏およびキャラクタ表示が中断されない演出を3回繰り返し、歌(B)を演奏し終わった後に停止図柄が長当たり態様となるように表示する。
このように、テーブル6が選択された場合の変動パターンの内容は、テーブル5が選択された場合の変動パターンの内容と異なる。即ち、テーブル5で選択される可能性がある歌リーチB扉1枚目復活長当たり、歌リーチB扉2枚目復活長当たり、歌リーチB扉3枚目復活長当たり、歌リーチC完走当たり、歌リーチC扉1枚目復活長当たり、歌リーチC扉2枚目復活長当たり、歌リーチC扉3枚目復活長当たり、歌リーチD完走当たり、歌リーチD扉1枚目復活長当たり、歌リーチD扉2枚目復活長当たり、および、歌リーチD扉3枚目復活長当たりは、いずれもテーブル6で選択されることはないので、これらの変動パターンが演出表示装置115において表示された場合には、確変時短付長当たりが確定する。
次に、図71および図72に基づいて第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図71の第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理において、CPU602は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15501)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS15501におけるYES)、時短機能が未作動である場合における長当たり図柄の種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15502)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル7を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル8を選択する(図72参照)。
ステップS15501において時短機能が未作動でない、即ち時短遊技状態であると判断すると(ステップS15501におけるNO)、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15503)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS15503におけるYES)、時短機能作動時であって且つ低確率時における長当たり種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15504)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル9を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル10を選択する。
ステップS15503において確率変動機能が未作動でない、即ち確変遊技状態であると判断すると(ステップS15503におけるNO)、時短機能作動時であって且つ高確率時における長当たり種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15505)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル11を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル12を選択する。
ステップS15502、ステップS15504、ステップS15505においてそれぞれの変動パターンテーブルを選択すると、第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理を終了する。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル7が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号75のノーマル長当たり、変動番号78の歌リーチAノーマル長当たり、変動番号80の歌リーチAロング長当たり、変動番号82の歌リーチB(歌リーチA経由)長当たり、変動番号84の歌リーチC(歌リーチA経由)長当たり、および、変動番号86の歌リーチD(歌リーチA経由)長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の900、64000分の3800、64000分の6000、64000分の12000、64000分の20000、および、64000分の21300の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとしてノーマル長当たりを64000分の900の確率で選択したとき、ノーマル長当たりの変動パターンに対応するコマンド51Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として15400msをタイマにセットする。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル8が選択されると、テーブル7と同じ変動パターンを同じ確率で選択する。ただし、変動番号82が選択される確率は、テーブル7では64000分の12000であるのに対し、テーブル8では64000分の15000である。また、変動番号86が選択される確率は、テーブル7では64000分の21300であるのに対し、テーブル8では64000分の18300である。そして、テーブル7が選択された場合と同様に、選択した変動パターンに対応するコマンドをセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル9が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号51の歌リーチB完走当たり(共通)、変動番号52の歌リーチB扉1枚目復活長当たり、変動番号53の歌リーチB扉2枚目復活長当たり、変動番号54の歌リーチB扉3枚目復活長当たり、変動番号60の歌リーチC完走当たり(確変)、変動番号61の歌リーチC扉1枚目復活長当たり、変動番号62の歌リーチC扉2枚目復活長当たり、変動番号63の歌リーチC扉3枚目復活長当たり、変動番号69の歌リーチD完走当たり(確変)、変動番号70の歌リーチD扉1枚目復活長当たり、変動番号71の歌リーチD扉2枚目復活長当たり、および、変動番号72の歌リーチD扉3枚目復活長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の26500、64000分の500、64000分の500、64000分の1000、64000分の15000、64000分の250、64000分の500、64000分の2000、64000分の15000、64000分の250、64000分の500、および、64000分の2000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドをセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、歌リーチB完走長当たりを64000分の26500の確率で選択し、選択した歌リーチB完走長当たりの変動パターンに対応するコマンド33Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として55000msをタイマにセットする。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル11が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号26の歌リーチB前半長当たり、変動番号28の歌リーチB後半長当たり、変動番号33の歌リーチC前半長当たり、変動番号35の歌リーチC後半長当たり、変動番号40の歌リーチD前半長当たり、および、変動番号42の歌リーチD後半長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の13750、64000分の13750、64000分の10000、64000分の10000、64000分の8250、および、64000分の8250の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドをセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして歌リーチB長当たりを64000分の13750の確率で選択したとき、歌リーチB長当たりの変動パターンに対応するコマンド1AHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として41100msをタイマにセットする。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル10が選択されると、変動パターン乱数を取得することなく、常に変動番号51の歌リーチB完走長当たりの変動パターンを選択する。そして、歌リーチB完走長当たりの変動パターンに対応するコマンド33Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として55000msをタイマにセットする。
このように、テーブル10が選択された場合の変動パターンの内容は、テーブル9が選択された場合の変動パターンの内容と異なる。即ち、テーブル9で選択される可能性がある歌リーチB扉1枚目復活長当たり、歌リーチB扉2枚目復活長当たり、歌リーチB扉3枚目復活長当たり、歌リーチC完走当たり、歌リーチC扉1枚目復活長当たり、歌リーチC扉2枚目復活長当たり、歌リーチC扉3枚目復活長当たり、歌リーチD完走当たり、歌リーチD扉1枚目復活長当たり、歌リーチD扉2枚目復活長当たり、および、歌リーチD扉3枚目復活長当たりは、いずれもテーブル10で選択されることはないので、これらの変動パターンが演出表示装置115において表示された場合には、確変時短付長当たりが確定する。
次に、図73および図75に基づいて短当たり時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図73の短当たり時変動パターンテーブル設定処理において、CPU602は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15601)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS15601におけるYES)、時短機能が未作動である場合における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15602)。即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されていない場合には、確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されているか否かに拘わらず、テーブル13を選択する(図75参照)。
ステップS15601において時短機能が未作動でない、即ち時短遊技状態であると判断すると(ステップS15601におけるNO)、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されていない状態であるか否かを判断する(ステップS15603)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS15603におけるYES)、時短機能作動時且つ確率変動機能が未作動の場合における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15604)。即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されており且つ確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されていない場合には、テーブル14を選択する(図75参照)。
ステップS15601において時短機能が未作動でないと判断すると(ステップS15603におけるNO)、時短機能作動且つ確率変動機能作動時における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15605)。即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されており且つ確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されている場合には、テーブル15を選択する(図75参照)。
短当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル13が選択されると、変動番号43のチャンス目の変動パターンを100%の確率で(即ち常に)選択する。そして、コマンド2BHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として24600msをタイマにセットする。チャンス目(短当たり)では、演出表示装置115に装飾図柄を変動表示した後、リーチ演出を伴わずに長当たりとは異なる短当たりの態様で装飾図柄を停止表示する。このように、時短機能未作動および確変機能未作動の通常遊技状態時においては、チャンス目の1種類の短当たり表示態様のみが、後述する表示態様記憶手段830に記憶されている。
短当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル14が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号23の歌リーチBイントロ外れ、変動番号30の歌リーチCイントロ外れ、および、変動番号37の歌リーチDイントロ外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の24000、64000分の20000、および、64000分の20000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、歌リーチBイントロ外れを64000分の24000の確率で選択したとき、歌リーチBイントロ外れの変動パターンに対応するコマンド17Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として25700msをタイマにセットする。この歌リーチBイントロ外れを選択すると、演出表示装置115に装飾図柄を変動表示した後、リーチ演出を伴って歌(B)のイントロを演奏するものの、歌い始める前に、装飾図柄を、長当たりとは異なる短当たりの態様で停止表示する。また、歌リーチCイントロ外れおよび歌リーチDイントロ外れの変動パターンも同様に64000分の20000の確率で選択し、選択した変動パターンのコマンド1EHおよび25Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として24100msをタイマにセットする。
短当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル15が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号47の歌リーチB扉1枚目短当たり、変動番号48の歌リーチB扉3枚目短当たり、変動番号56の歌リーチC扉1枚目短当たり、変動番号57の歌リーチC扉3枚目短当たり、変動番号65の歌リーチD扉1枚目短当たり、および、変動番号66の歌リーチD扉3枚目短当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の14000、64000分の4000、64000分の19000、64000分の4000、64000分の19000、および、64000分の4000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、歌リーチB扉1枚目短当たりを64000分の14000の確率で選択したとき、歌リーチB扉1枚目短当たりの変動パターンに対応するコマンド2FHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21800msをタイマにセットする。この歌リーチB扉1枚目短当たりを選択すると、演出表示装置115に装飾図柄を変動表示した後、歌(B)を演奏するとともにキャラクタがステージ上で歌っている態様のスーパーリーチを表示し、その後ステージの扉が閉まり、装飾図柄を長当たりとは異なる短当たりの態様で停止表示する。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、対応する変動時間値をタイマにセットする。
次に、図74および図75に基づいて小当たり時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図74の小当たり時変動パターンテーブル設定処理において、CPU602は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15801)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS15801におけるYES)、時短機能が未作動の場合における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15802)。即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されていない場合には、確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されているか否かに拘わらず、テーブル16を選択する(図75参照)。
ステップS15801において時短機能が未作動でないと判断すると(ステップS15801におけるNO)、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されていない状態か否かを判断する(ステップS15803)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS15803におけるYES)、時短機能作動時且つ確率変動機能が未作動の場合における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15804)。即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されており且つ確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されていない場合には、テーブル17を選択する(図75参照)。
ステップS15801において時短機能が未作動でないと判断すると(ステップS15803におけるNO)、時短機能作動且つ確率変動機能作動時における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15805)。即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されており且つ確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されている場合には、テーブル18を選択する(図75参照)。
小当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル16が選択されると、変動番号44のチャンス目の変動パターンを100%の確率で(即ち常に)選択する。そして、コマンド2CHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として24600msをタイマにセットする。なお、本実施形態において、変動番号44のチャンス目の変動パターンは、変動番号43のチャンス目の変動パターンと同じ態様である。このように、時短機能未作動および確変機能未作動の通常遊技状態時においては、チャンス目の1種類の小当たり表示態様のみが、後述する表示態様記憶手段830に記憶されている。
小当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル17が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号24の歌リーチBイントロ外れ、変動番号31の歌リーチCイントロ外れ、および、変動番号38の歌リーチDイントロ外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の40000、64000分の12000、および、64000分の12000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、歌リーチBイントロ外れを64000分の40000の確率で選択したとき、選択した歌リーチBイントロ外れの変動パターンに対応するコマンド18Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として25700msをタイマにセットする。なお、本実施形態において、変動番号24の歌リーチBイントロ外れ、変動番号31の歌リーチCイントロ外れ、および、変動番号38の歌リーチDイントロ外れは、それぞれ、変動番号23の歌リーチBイントロ外れ、変動番号30の歌リーチCイントロ外れ、および、変動番号37の歌リーチDイントロ外れの変動パターンと同じ態様である。
短当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル18が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号49の歌リーチB扉1枚目小当たり、変動番号50の歌リーチB扉2枚小当たり、変動番号58の歌リーチC扉1枚目小当たり、変動番号59の歌リーチC扉2枚目小当たり、変動番号67の歌リーチD扉1枚目小当たり、および、変動番号68の歌リーチD扉2枚目小当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の17000、64000分の14500、64000分の5000、64000分の11250、64000分の5000、および、64000分の11250の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、歌リーチB扉1枚目小当たりを64000分の17000の確率で選択したとき、歌リーチB扉1枚目小当たりの変動パターンに対応するコマンド31Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21800msをタイマにセットする。なお、本実施形態において、変動番号49の歌リーチB扉1枚目小当たり、変動番号50の歌リーチB扉2枚小当たり、変動番号58の歌リーチC扉1枚目小当たり、変動番号59の歌リーチC扉2枚目小当たり、変動番号67の歌リーチD扉1枚目小当たり、および、変動番号68の歌リーチD扉2枚目小当たりの変動パターンは、それぞれ、変動番号47の歌リーチB扉1枚目短当たり、変動番号48の歌リーチB扉3枚目短当たり、変動番号56の歌リーチC扉1枚目短当たり、変動番号57の歌リーチC扉3枚目短当たり、変動番号65の歌リーチD扉1枚目短当たり、および、変動番号66の歌リーチD扉3枚目短当たりの変動パターンと同じ態様である。
次に、図76、図77および図80に基づいて第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図76の第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、CPU602は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS16001)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS16001におけるYES)、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16003)。具体的には、0から240までのリーチ乱数のなかからリーチ乱数を一つ取得し、当該取得したリーチ乱数が予め定められたリーチ判定値に該当するか否かを判定する所謂リーチ抽選を行う。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16003におけるYES)、テーブル19(図77参照)を選択する(ステップS16004)。
本実施形態では、第1特別図柄の保留数が「0」の場合におけるリーチ判定値は0から25までである。ここで、第1特別図柄の保留数が「1」の場合におけるリーチ判定値は0から23までなので、第1特別図柄の保留数が0の場合(リーチ判定値は0から25)に比べてリーチ抽選における当選確率が低い。また、第1特別図柄の保留数が「2」の場合におけるリーチ判定値は0から21までなので、第1特別図柄の保留数が0および1の場合に比べてリーチ抽選における当選確率が低い。また、第1特別図柄の保留数が「3」の場合におけるリーチ判定値は0から15までなので、第1特別図柄の保留数が0、1および2の場合に比べてリーチ抽選における当選確率が低い。
ステップS16003においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16003におけるNO)、変動開始直後の第1特別図柄の保留数(即ち第1特別図柄保留カウンタ703(図53参照)によるカウンタ値)に応じて、テーブル25〜27(図80参照)のいずれかを選択する(ステップS16005)。具体的には、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が「0」または「1」であれば、テーブル25を選択する。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が「2」であれば、テーブル26を選択する。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が「3」であれば、テーブル27を選択する。
なお、「第1特別図柄の保留数」とは、本実施形態では、第1特別図柄抽選手段700による抽選の保留数を意味する。即ち、本実施形態では、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって当否判定用乱数を取得するものの第1特別図柄当否判定手段704による当否判定を保留しているため、この第1特別図柄当否判定手段704による当否判定の保留数が、第1特別図柄の保留数に相当する。なお、これに代えて、第1始動口390に遊技球が入賞したときに第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702による当否判定用乱数の取得を保留しても良い。この場合、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702による当否判定用乱数の取得の保留数が、第1特別図柄の保留数に相当する。さらに、第1始動口390に遊技球が入賞したときに第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって当否判定用乱数を取得すると共に第1特別図柄当否判定手段704によって取得した当否判定用乱数の当否判定を行うものの、当該判定結果を第1特別図柄表示器88に表示することを保留しても良い。この場合、第1特別図柄当否判定手段704による判定結果の第1特別図柄表示器88への表示の保留数が、第1特別図柄の保留数に相当する。
このように、時短機能が未作動である場合、第1特別図柄の保留数とリーチ抽選における当選確率との間には、第1特別図柄の保留数が少ないほどリーチ抽選に当選しやすく、第1特別図柄の保留数が多いほどリーチ抽選に当選し難いといった相関関係がある。これにより、第1特別図柄の保留数が例えば3であるときにリーチ変動が実行されると、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選している期待感が高まるので、興趣の低下を抑制できる。
ステップS16001において時短機能が未作動でない、即ち時短遊技状態であると判断すると(ステップS16001におけるNO)、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段740による確変遊技が実行されていない状態か否かを判断する(ステップS16017)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS16017におけるYES)、リーチ変動を実施する否かを判断する(ステップS16018)。このリーチ変動を実行するか否かの判断は、時短機能が未作動の場合におけるリーチ変動を実行するか否かの判断(ステップS16003、ステップS16007、ステップS16011、ステップS16014)と同様にリーチ抽選の結果により行う。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16018におけるYES)、テーブル20(図77参照)を選択する(ステップS16019)。
ステップS16018においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16018におけるNO)、変動開始直後の第1特別図柄の保留数(即ち第1特別図柄保留カウンタ703(図53参照)によるカウンタ値)に応じて、テーブル28または29(図80参照)を選択する(ステップS16020)。具体的には、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が「0」または「1」であれば、テーブル28を選択する。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が「2」または「3」であれば、テーブル29を選択する。
また、ステップS16017において確率変動機能が未作動でない、即ち確変遊技状態であると判断すると(ステップS16017におけるNO)、時短機能が未作動の場合と同様に、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16021)。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16021におけるYES)、テーブル21(図77参照)を選択する(ステップS16022)。ただし、時短機能作動時且つ確変機構未作動、即ち、確変遊技状態でない時短遊技状態の場合にはリーチ判定値が0および1のみでなので、時短機能が未作動の場合と比べると、リーチ変動が実行される確率が極めて低い。これにより、時短機能作動時且つ確変機構未作動である場合にリーチ変動が実行されると、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選している期待感が高まり、興趣の低下を抑制できる。
ステップS16021においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16021におけるNO)、変動開始直後の第1特別図柄の保留数(即ち第1特別図柄保留カウンタ703(図53参照)によるカウンタ値)、および、変動開始直後の第2特別図柄の保留数(即ち第2特別図柄保留カウンタ713(図53参照)によるカウンタ値であり、詳細は後述する)、を合算した総保留数に応じて、テーブル35〜37(図80参照)のいずれかを選択する(ステップS16023)。具体的には、変動開始直後の第1特別図柄および第2特別図柄の総保留数が「0」または「1」であれば、テーブル35を選択する。変動開始直後の第1特別図柄および第2特別図柄の総保留数が「2」であれば、テーブル36を選択する。変動開始直後の第1特別図柄および第2特別図柄の総保留数が「3」〜「7」であれば、テーブル37を選択する。
ステップS16004、ステップS16005、ステップS16019、ステップS16020、ステップS16022およびステップS16023においてそれぞれの変動パターンテーブルを選択すると、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理を終了する。
第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル19(図77参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号8のノーマル外れ(1図柄前)、変動番号9のノーマル外れ(1図柄後)、変動番号11の歌リーチA外れ(アンコール前)、変動番号12の歌リーチA外れ(アンコール後)、変動番号14の歌リーチAロング外れ、変動番号16の歌リーチB(歌リーチA経由)外れ、変動番号18の歌リーチC(歌リーチA経由)外れ、変動番号20の歌リーチD(歌リーチA経由)外れ、変動番号22の歌リーチBイントロ外れ、変動番号25の歌リーチB前半外れ、変動番号27の歌リーチB後半外れ、変動番号29の歌リーチCイントロ外れ、変動番号32の歌リーチC前半外れ、変動番号34の歌リーチC後半外れ、変動番号36の歌リーチDイントロ外れ、変動番号39の歌リーチD前半外れ、および、変動番号41の歌リーチD後半外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の19000、64000分の14000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の300、64000分の300、64000分の300、64000分の7000、64000分の2100、64000分の2100、64000分の3000、64000分の225、64000分の225、64000分の3000、64000分の225、および、64000分の225の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動番号8のノーマル外れ(1図柄前)を64000分の19000の確率で選択したとき、ノーマル外れ(1図柄前)の変動パターンに対応するコマンド08Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として15600msをタイマにセットする。このノーマル外れ(1図柄前)の変動パターンを選択すると、演出表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ変動を実行し、その後、長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれでもない態様であって、リーチ図柄の1つ前の図柄(例えば図柄7でリーチとなっている場合は図柄6)で装飾図柄を停止表示する。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンを対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル20(図77参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号22の歌リーチBイントロ外れ、変動番号25の歌リーチB前半外れ、変動番号27の歌リーチB後半外れ、変動番号29の歌リーチCイントロ外れ、変動番号32の歌リーチC前半外れ、変動番号34の歌リーチC後半外れ、変動番号36の歌リーチDイントロ外れ、変動番号39の歌リーチD前半外れ、および、変動番号41の歌リーチD後半外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ64000分の100、64000分の25000、64000分の25000、64000分の50、64000分の3450、64000分の3450、64000分の50、64000分の3450、および、64000分の3450の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして歌リーチBイントロ外れを64000分の100の確率で選択したとき、歌リーチBイントロ外れの変動パターンに対応するコマンド16Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として25700msをタイマにセットする。この歌リーチBイントロ外れを選択すると、演出表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ演出を伴って歌(B)のイントロを演奏するものの、歌い始める前に、装飾図柄を、大当たりおよび小当たりのいずれとも異なる所謂リーチ外れの態様で停止表示する。また、他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンのコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターン対応する変動時間値をタイマにセットする。
第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル21(図77参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号46の歌リーチB扉1枚目外れ、変動番号55の歌リーチC扉1枚目外れ、および、変動番号64の歌リーチD扉1枚目外れのいずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の40000、64000分の12000、および、64000分の12000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして歌リーチB扉1枚目外れを64000分の40000の確率で選択したとき、歌リーチB扉1枚目外れの変動パターンに対応するコマンド2EHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21800msをタイマにセットする。この歌リーチB扉1枚目外れを選択すると、演出表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、歌(B)を演奏するとともにキャラクタがステージ上で歌っている態様のスーパーリーチを表示し、その後ステージの扉が閉まり、装飾図柄を長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれ異なる所謂リーチ外れの態様で停止表示する。また、歌リーチC扉1枚目外れおよび歌リーチD扉1枚目外れの変動パターンも同様に64000分の12000の確率で選択し、選択した変動パターンのコマンド37Hおよび40Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として18600msをタイマにセットする。
第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、テーブル25(図80参照)が選択されると常に変動番号1の通常変動の変動パターンを選択し、テーブル26(図80参照)が選択されると常に変動番号2の短縮変動1の変動パターンを選択し、テーブル27(図80参照)が選択されると常に変動番号3の短縮変動2の変動パターンを選択する。また、テーブル28(図80参照)が選択されると常に変動番号6の確変短縮変動1の変動パターンを選択し、テーブル29(図80参照)が選択されると常に変動番号7の確変短縮変動2の変動パターンを選択する。また、テーブル35(図80参照)が選択されると常に変動番号8の時短変動の変動パターンを選択し、テーブル36(図80参照)が選択されると常に変動番号9の時短短縮変動1の変動パターンを選択し、テーブル37(図80参照)が選択されると常に変動番号10の時短短縮変動2の変動パターンを選択する。
即ち、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、リーチ変動を行なわないときは、第1特別図柄の保留数(即ち、第1特別図柄保留カウンタ703によるカウンタ値)に応じて変動パターンを選択することとなる。なお、上記の変動パターンでは、演出表示装置115に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ演出を伴わずに、長当たり、短当たりおよび小当たりと異なる態様で装飾図柄を停止表示する。
従って、通常遊技状態において、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が0または1である場合は、変動番号1の通常変動を選択し、コマンド01Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として11000msをタイマにセットする。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が2である場合は、変動番号2の短縮変動1の変動パターンを選択し、コマンド02Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として9500msをタイマにセットする。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が3である場合は、変動番号3の短縮変動2の変動パターンを選択し、コマンド03Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として7500msをタイマにセットする。
また、確変遊技状態において、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が0または1である場合は、変動番号6の確変短縮変動1を選択し、コマンド06Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として7500msをタイマにセットする。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が2または3である場合は、変動番号7の確変短縮変動2を選択し、コマンド07Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として5500msをタイマにセットする。
ただし、時短遊技状態にてリーチ変動を行なわないときは、第1特別図柄および第2特別図柄の総保留数に応じて変動パターンを選択することとなる。従って、時短遊技状態において、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が0または1である場合は、変動番号8の時短変動を選択し、コマンド08Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として11000msをタイマにセットする。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が2である場合は、変動番号9の時短短縮変動1を選択し、コマンド09Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として7500msをタイマにセットする。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が3である場合は、変動番号9の時短短縮変動2を選択し、コマンド10Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として5500msをタイマにセットする。
次に、図78、図79および図80に基づいて第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図78の第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、CPU602は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS16101)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS16101におけるYES)、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16103)。具体的には、0から240までのリーチ乱数のなかからリーチ乱数を一つ取得し、当該取得したリーチ乱数が予め定められたリーチ判定値に該当するか否かを判定する所謂リーチ抽選を行う。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16103におけるYES)、テーブル22(図79参照)を選択する(ステップS16104)。
本実施形態では、第2特別図柄の保留数が「0」の場合におけるリーチ判定値は0から25までである。ここで、第2特別図柄の保留数が「1」の場合におけるリーチ判定値は0から23までなので、第2特別図柄の保留数が0の場合(リーチ判定値は0から25)に比べてリーチ抽選における当選確率が低い。また、第2特別図柄の保留数が「2」の場合におけるリーチ判定値は0から21までなので、第2特別図柄の保留数が0および1の場合に比べてリーチ抽選における当選確率が低い。また、第2特別図柄の保留数が「3」の場合におけるリーチ判定値は0から15までなので、第2特別図柄の保留数が0、1および2の場合に比べてリーチ抽選における当選確率が低い。
ステップS16103においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16103におけるNO)、変動開始直後の第2特別図柄の保留数(即ち第2特別図柄保留カウンタ713(図53参照)によるカウンタ値)に応じて、テーブル30または31(図80参照)を選択する(ステップS16105)。具体的には、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が「0」または「1」であれば、テーブル30を選択する。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が「2」または「3」であれば、テーブル31を選択する。
なお、「第2特別図柄の保留数」とは、本実施形態では、第2特別図柄抽選手段710による抽選の保留数を意味する。即ち、本実施形態では、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって当否判定用乱数を取得するものの第2特別図柄当否判定手段714による当否判定を保留しているため、この第2特別図柄当否判定手段714による当否判定の保留数が、第2特別図柄の保留数に相当する。なお、これに代えて、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したときに第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712による当否判定用乱数の取得を保留しても良い。この場合、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712による当否判定用乱数の取得の保留数が、第2特別図柄の保留数に相当する。さらに、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したときに第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって当否判定用乱数を取得すると共に第2特別図柄当否判定手段714によって取得した当否判定用乱数の当否判定を行うものの、当該判定結果を第2特別図柄表示器86に表示することを保留しても良い。この場合、第2特別図柄当否判定手段714による判定結果の第2特別図柄表示器86への表示の保留数が、第2特別図柄の保留数に相当する。
このように、時短機能が未作動である場合、第2特別図柄の保留数とリーチ抽選における当選確率との間には、第2特別図柄の保留数が少ないほどリーチ抽選に当選しやすく、第2特別図柄の保留数が多いほどリーチ抽選に当選し難いといった相関関係がある。これにより、第2特別図柄の保留数が例えば3であるときにリーチ変動が実行されると、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選している期待感が高まるので、興趣の低下を抑制できる。
ステップS16101において時短機能が未作動でない、即ち時短遊技状態であると判断すると(ステップS16101におけるNO)、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段740による確変遊技が実行されていない状態か否かを判断する(ステップS16117)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS16117におけるYES)、リーチ変動を実施する否かを判断する(ステップS16118)。このリーチ変動を実行するか否かの判断は、時短機能が未作動の場合におけるリーチ変動を実行するか否かの判断(ステップS16103、ステップS16107、ステップS16111、ステップS16114)と同様にリーチ抽選の結果により行う。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16118におけるYES)、テーブル23(図79参照)を選択する(ステップS16119)。
ステップS16118においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16118におけるNO)、変動開始直後の第2特別図柄の保留数(即ち第2特別図柄保留カウンタ713(図53参照)によるカウンタ値)に応じて、テーブル32〜34(図80参照)のいずれかを選択する(ステップS16120)。具体的には、変動開始直後の第2特別図柄の保留数が「0」または「1」であれば、テーブル33を選択する。変動開始直後の第2特別図柄の保留数が「3」であれば、テーブル34を選択する。
また、ステップS16117において確率変動機能が未作動でない、即ち確変遊技状態であると判断すると(ステップS16117におけるNO)、時短機能が未作動の場合と同様に、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16121)。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16121におけるYES)、テーブル24(図79参照)を選択する(ステップS16122)。ただし、時短機能作動時且つ確変機構未作動、即ち、確変遊技状態でない時短遊技状態の場合にはリーチ判定値が0および1のみでなので、時短機能が未作動の場合と比べると、リーチ変動が実行される確率が極めて低い。これにより、時短機能作動時且つ確変機構未作動である場合にリーチ変動が実行されると、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選している期待感が高まり、興趣の低下を抑制できる。
ステップS16121においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16121におけるNO)、変動開始直後の第1特別図柄の保留数(即ち第1特別図柄保留カウンタ703(図53参照)によるカウンタ値)、および、変動開始直後の第2特別図柄の保留数(即ち第2特別図柄保留カウンタ713(図53参照)によるカウンタ値)、を合算した総保留数に応じて、テーブル35〜37(図80参照)のいずれかを選択する(ステップS16123)。具体的には、変動開始直後の第1特別図柄および第2特別図柄の総保留数が「0」または「1」であれば、テーブル35を選択する。変動開始直後の第1特別図柄および第2特別図柄の総保留数が「2」であれば、テーブル36を選択する。変動開始直後の第1特別図柄および第2特別図柄の総保留数が「3」〜「7」であれば、テーブル37を選択する。
ステップS16104、ステップS16105、ステップS16119、ステップS16120、ステップS16122およびステップS16123においてそれぞれの変動パターンテーブルを選択すると、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理を終了する。
第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル22(図79参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号73のノーマル外れ(1図柄前)、変動番号74のノーマル外れ(1図柄後)、変動番号76の歌リーチA外れ(アンコール前)、変動番号77の歌リーチA外れ(アンコール後)、変動番号79の歌リーチAロング外れ、変動番号81の歌リーチB(歌リーチA経由)外れ、変動番号83の歌リーチC(歌リーチA経由)外れ、変動番号85の歌リーチD(歌リーチA経由)外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の27500、64000分の27500、64000分の2000、64000分の2000、64000分の4400、64000分の400、64000分の100、および、64000分の100の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、ノーマル外れ(1図柄前)を64000分の27500の確率で選択したとき、ノーマル外れ(1図柄前)の変動パターンに対応するコマンド49Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として9500msをタイマにセットする。このノーマル外れ(1図柄前)の変動パターンを選択すると、演出表示装置115に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ変動を実行し、その後、長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれでもない態様であって、リーチ図柄の1つ前の図柄(例えば図柄7でリーチとなっている場合は図柄6)で装飾図柄を停止表示する。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンを対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル23(図79参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号22の歌リーチBイントロ外れ、変動番号25の歌リーチB前半外れ、変動番号27の歌リーチB後半外れ、変動番号29の歌リーチCイントロ外れ、変動番号32の歌リーチC前半外れ、変動番号34の歌リーチC後半外れ、変動番号36の歌リーチDイントロ外れ、変動番号39の歌リーチD前半外れ、および、変動番号41の歌リーチD後半外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ64000分の100、64000分の25000、64000分の25000、64000分の50、64000分の3450、64000分の3450、64000分の50、64000分の3450、および、64000分の3450の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、歌リーチBイントロ外れを64000分の100の確率で選択したとき、歌リーチBイントロ外れの変動パターンに対応するコマンド16Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として25700msをタイマにセットする。この歌リーチBイントロ外れの変動パターンを選択すると、演出表示装置115に表示される装飾図柄を変動表示した後、リーチ演出を伴って歌(B)のイントロを演奏するものの、歌い始める前に、装飾図柄を、長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれとも異なる態様で停止表示する。また、他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンを対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル24(図79参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号46の歌リーチB扉1枚目外れ、変動番号55の歌リーチC扉1枚目外れ、および、変動番号64の歌リーチD扉1枚目外れのいずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の40000、64000分の12000、および、64000分の12000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして歌リーチB扉1枚目外れを64000分の40000の確率で選択したとき、選択した歌リーチB扉1枚目外れの変動パターンに対応するコマンド2EHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21800msをタイマにセットする。この歌リーチB扉1枚目外れを選択すると、演出表示装置115に表示される装飾図柄を変動表示した後、歌(B)を演奏するとともにキャラクタがステージ上で歌っている態様のスーパーリーチを表示し、その後、ステージの扉が閉まり、装飾図柄を、長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれとも異なる態様で停止表示する。また、歌リーチC扉1枚目外れおよび歌リーチD扉1枚目外れの変動パターンも同様に64000分の12000の確率で選択し、変動パターンに対応するコマンド37Hおよび40Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として18600msをタイマにセットする。
第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、テーブル30(図80参照)が選択されると常に変動番号1の通常変動の変動パターンを選択し、テーブル31(図80参照)が選択されると常に変動番号4の短縮変動3の変動パターンを選択する。また、テーブル32(図80参照)が選択されると常に変動番号5の確変変動の変動パターンを選択し、テーブル33(図80参照)が選択されると常に変動番号6の確変短縮変動1の変動パターンを選択し、テーブル34(図80参照)が選択されると常に変動番号7の確変短縮変動2の変動パターンを選択する。また、テーブル35(図80参照)が選択されると常に変動番号8の時短変動の変動パターンを選択し、テーブル36(図80参照)が選択されると常に変動番号9の時短短縮変動1の変動パターンを選択し、テーブル37(図80参照)が選択されると常に変動番号10の時短短縮変動2の変動パターンを選択する。
即ち、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、リーチ変動を行なわないときは、第2特別図柄の保留数(即ち、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウンタ値)に応じて変動パターンを選択することとなる。なお、上記の変動パターンでは、演出表示装置115に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ演出を伴わずに、長当たり、短当たりおよび小当たりと異なる態様で装飾図柄を停止表示する。
従って、通常遊技状態において、変動開始直後の第2特別図柄の保留数が0または1である場合は、変動番号1の通常変動を選択し、コマンド01Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として11000msをタイマにセットする。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が2または3である場合は、変動番号4の短縮変動3の変動パターンを選択し、コマンド04Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として5500msをタイマにセットする。
また、確変遊技状態において、変動開始直後の第2特別図柄の保留数が0または1である場合は、変動番号5の確変変動を選択し、コマンド05Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として9500msをタイマにセットする。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が2である場合は、変動番号6の確変短縮変動1を選択し、コマンド06Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として7500msをタイマにセットする。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が3である場合は、変動番号7の確変短縮変動2を選択し、コマンド07Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として5500msをタイマにセットする。
ただし、時短遊技状態にてリーチ変動を行なわないときは、第1特別図柄および第2特別図柄の総保留数に応じて変動パターンを選択することとなる。従って、時短遊技状態において、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が0または1である場合は、変動番号8の時短変動を選択し、コマンド08Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として11000msをタイマにセットする。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が2である場合は、変動番号9の時短短縮変動1を選択し、コマンド09Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として7500msをタイマにセットする。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が3である場合は、変動番号9の時短短縮変動2を選択し、コマンド10Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として5500msをタイマにセットする。
このように、図71〜図85を参照して説明した変動パターン設定処理についてまとめると、後述する第1表示態様決定手段810および第2表示態様決定手段820がそれぞれ行う処理は以下の通りである。
第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに当選し、この当選した大当たりが長当たりであるとき、第1表示態様決定手段810は、第1特別図柄画像表示制御手段851によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、長当たりに当選したときの遊技状態と長当たりの種別(確変時短付長当たりまたは通常長当たり)とに基づいて決定されたテーブル(テーブル1〜6のうちいずれかのテーブル)に記憶された長当たり表示態様のなかから所定の長当たり表示態様に選択決定する(ステップS1540)。なお、テーブル1〜6には、いずれも複数の長当たり表示態様が記憶されている。
第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに当選し、この当選した大当たりが短当たりであるとき、第1表示態様決定手段810は、第1特別図柄画像表示制御手段851によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、短当たりに当選したときの遊技状態に基づいて決定されたテーブル(テーブル13〜15のうちいずれかのテーブル)に記憶された短当たり表示態様のなかから所定の短当たり表示態様に選択決定する(ステップS1560)。なお、テーブル13〜15には、いずれも複数の短当たり表示態様が記憶されている。
第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりに当選したとき、第1表示態様決定手段810は、第1特別図柄画像表示制御手段851によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、小当たりに当選したときの遊技状態に基づいて決定されたテーブル(テーブル16〜18のうちいずれかのテーブル)に記憶された小当たり表示態様のなかから所定の小当たり表示態様に選択決定する(ステップS1580)。なお、テーブル16〜18には、いずれも複数の小当たり表示態様が記憶されている。
第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりにも落選したときは、第1特別図柄画像表示制御手段851によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、当該抽選が行われたとき(即ち抽選結果が外れとなったとき)の遊技状態に基づいて決定されたテーブル(テーブル19〜21、25〜29、35〜37のうちいずれかのテーブル)に記憶された外れ表示態様またはリーチ外れ表示態様のなかから所定の外れ表示態様またはリーチ外れ表示態様に決定する(ステップS1600)。具体的には、第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりにも落選したとき、リーチ演出を行うか否かの抽選(ステップS16003、ステップS16018、ステップS16021)を行い、このリーチ抽選に外れたときは、第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値に基づいてテーブル25〜29、35〜37のうちいずれかのテーブルが選択され(ステップS16005、ステップS16020、ステップS16023)、リーチ抽選に当選したときはテーブル19〜21が選択される(ステップS16004、ステップS16019、ステップS16022)。即ち、リーチ抽選に落選したときは、保留数に基づいてテーブル25〜29、35〜37のいずれかが選択され、当該選択されたテーブルに記憶された外れ表示態様が表示される。そして、リーチ抽選に当選したときは、テーブル19〜21に記憶された複数のリーチ外れ表示態様のなかから所定のリーチ外れ表示態様に選択決定される。
第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりに当選し、この当選した大当たりが長当たりであるとき、第2表示態様決定手段820は、第2特別図柄画像表示制御手段852によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、長当たりに当選したときの遊技状態と長当たりの種別(確変時短付長当たりまたは通常長当たり)とに基づいて決定されたテーブル(テーブル7〜12のうちいずれかのテーブル)に記憶された長当たり特別表示態様のなかから所定の長当たり特別表示態様に選択決定する(ステップS1550)。なお、テーブル7〜12には、いずれも複数の長当たり特別表示態様が記憶されている。
第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりに当選し、この当選した大当たりが短当たりであるときは、第2特別図柄画像表示制御手段852によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が短当たりとのきに第1特別図柄画像表示制御手段851によって共通図柄表示領域115cに表示される表示態様と同様に、短当たりに当選したときの遊技状態に基づいてテーブル13〜15のうちいずれかのテーブルに決定され、この決定されたテーブルのなかから所定の短当たり表示態様に選択決定する(ステップS1560)。
第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりに当選したときは、第2特別図柄画像表示制御手段852によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が小当たりとのきに第1特別図柄画像表示制御手段851によって共通図柄表示領域115cに表示される表示態様と同様に、小当たりに当選したときの遊技状態に基づいてテーブル16〜18のうちいずれかのテーブルに決定され、この決定されたテーブルのなかから所定の小当たり表示態様に選択決定する(ステップS1580)。
第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりにも落選したときは、第2特別図柄画像表示制御手段852によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、当該抽選が行われたとき(即ち抽選結果が外れとなったとき)の遊技状態に基づいて決定されたテーブル(テーブル22〜24、30〜37のうちいずれかのテーブル)に記憶された外れ表示態様またはリーチ外れ表示態様のなかから所定の外れ表示態様またはリーチ外れ表示態様に決定する(ステップS1600)。具体的には、第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりにも落選したとき、リーチ演出を行うか否かの抽選(ステップS16103、ステップS16118、ステップS16121)を行い、このリーチ抽選に外れたときは、第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値に基づいてテーブル30〜37のうちいずれかのテーブルが選択され(ステップS16105、ステップS16120、ステップS16123)、リーチ抽選に当選したときはテーブル22〜24が選択される(ステップS16104、ステップS16119、ステップS16122)。即ち、リーチ抽選に落選したときは、保留数に基づいてテーブル30〜37のいずれかが選択され、当該選択されたテーブルに記憶された外れ表示態様が表示される。そして、リーチ抽選に当選したときは、テーブル22〜24に記憶された複数のリーチ外れ表示態様のなかから所定のリーチ外れ表示態様に選択決定される。
なお、短当たり表示態様および小当たり表示態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選に基づく場合と第2特別図柄抽選手段710による抽選に基づく場合とで全く同一の表示態様であることに限られず、例えば変動時間が僅かに異なるにすぎない等、互いに極似する表示態様であっても良い。
なお、本実施例において変動開始直後とは、変動開始処理(ステップS130)において第1特別図柄カウンタまたは第2特別図柄カウンタを減算処理した直後を意味する。
[変動中処理]
次に、図81に基づいて、変動中処理について説明する。図81は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。変動中処理では、先ず、特別図柄が変動中であるか否かを判断する(ステップS1801)。即ち、第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86のいずれかが変動中であるか否かを判断する。特別図柄が変動中でないと判断すると(ステップS1801におけるNO)、そのまま、変動中処理を終了する。
ステップS1801において特別図柄が変動中であると判断すると(ステップS1801におけるYES)、ステップS1802に進み、変動時間が終了しているか否かを判断する。即ち、変動パターン設定処理においてタイマにセットした変動時間が経過したか否かを判断する。変動時間が経過していないと判断すると(ステップS1802におけるNO)、そのまま、変動中処理を終了する。変動時間が経過したと判断すると(ステップS1802におけるYES)、特別図柄の変動を停止する(ステップS1803)。即ち、第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86のうち変動中の表示器において、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710(いずれも図53参照)の抽選結果を導出表示するとともに、周辺制御基板662に変動停止コマンドを出力する。
特別図柄の変動を停止すると(ステップS1803)、大当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS1804)。即ち、今回の変動が停止して抽選結果が導出された結果、大当たり遊技を開始するか否を判断する。大当たりフラグがONであると判断すると(ステップS1804におけるYES)、処理フラグを「3」に更新し(ステップS1805)、変動中処理を終了する。大当たりフラグがONでないと判断すると(ステップS1804におけるNO)、次に小当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS1806)。即ち、今回の変動が停止して抽選結果が導出された結果、小当たり遊技を開始するか否かを判断する。小当たりフラグがONであると判断すると(ステップS1806におけるYES)、処理フラグを「4」に更新し(ステップS1807)、変動中処理を終了する。小当たりフラグONでないと判断すると(ステップS1806におけるNO)、処理フラグを「0」に更新し(ステップS1808)、変動中処理を終了する。
[大当たり遊技開始処理]
次に、図82に基づいて、大当たり遊技開始処理の一例について説明する。図82は、大当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。この大当たり遊技開始処理では、先ず、確率変動機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS2001)。具体的には、確変遊技実行手段740が第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714を制御しているか否か、即ち、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714(いずれも図53参照)による当否判定が、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708に基づいて判定するか否かを判断する。ここで、確率変動機能が作動中であると判断すると(ステップS2001におけるYES)、確率変動機能の作動を停止して(ステップS2002)、ステップS2003に進む。一方、確率変動機能が作動中でないと判断すると(ステップS2001におけるNO)、そのままステップS2003に進む。
ステップS2003では、時短機能作動中であるか否かを判断する。具体的には、時短遊技実行手段742が普通図柄当否判定手段724(いずれも図53参照)を制御しているか否か、即ち、普通図柄当否判定手段724による当否判定が、普通図柄時短時当たり判定用テーブルに基づいて判定するか否かを判断する。ここで、時短機能作動中であると判断すると(ステップS2003におけるYES)、時短機能の作動を停止して(ステップS2004)、ステップS2005に進む。一方、時短機能作動中でないと判断すると(ステップS2003におけるNO)、そのまま、ステップS2005に進む。
ステップS2005では、長当たりであるか否かを判断する。具体的には、長当たりフラグがONか否か確認して、ONであれば長当たりであると判断する。長当たりであると判断すると(ステップS2005におけるYES)、長当たり用のラウンド回数、1ラウンド当たりの開放時間、制限個数をセットするとともに、開放する開閉装置をセットする。具体的には、ラウンド回数が例えば15ラウンド、1ラウンド当たりの開放時間が例えば30秒、制限個数が例えば9個とセットすると共に、開放する開閉装置を例えば1ラウンド目および2ラウンド目は演出用開閉装置398をセットし、3ラウンド目から14ラウンド目は大当たり遊技用開閉装置400をセットし、15ラウンド目は演出用開閉装置398(いずれも図10参照)をセットする。長当たりでないと判断すると短当たり用ラウンド回数、1ラウンド当たりの開放時間、制限個数をセットするとともに、開放する開閉装置をセットする。具体的には、ラウンド回数が例えば2ラウンド、1ラウンド当たりの開放時間が例えば0.3秒、制限個数が例えば9個とセットすると共に、開放する開閉装置を例えば演出用開閉装置398にセットする。
ステップS2006およびステップS2007のいずれかでラウンド回数、1ラウンド当たりの開放時間、制限個数および開放する開閉装置をセットすると、その後、処理フラグを「5」に更新して(ステップS2008)、大当たり遊技開始処理を終了する。
[小当たり遊技開始処理]
次に、図83に基づいて、小当たり遊技開始処理の一例について説明する。図83は、小当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。この小当たり遊技開始処理では、先ず、小当たり用の開放回数、1回当たりの開放時間、制限個数をセットすると共に、開放する開放装置をセットする(ステップS2201)。具体的には、開放回数が例えば2回、1回当たりの開放時間が例えば0.3秒、制限個数が例えば9個とセットすると共に、開放する開放装置を演出用開閉装置398にセットする。その後、処理フラグを「6」に更新して小当たり遊技開始処理を終了する。
[特別電動役物大当たり制御処理]
次に、図84に基づいて、特別電動役物大当たり制御処理の一例について説明する。図84は、特別電動役物大当たり制御処理の一例を示すフローチャートである。先ず、特別電動役物大当たり制御処理においては、開閉装置397が開放中であるか否かを判断する(ステップS2401)。具体的には、演出用開閉装置398または大当たり遊技用開閉装置400が開放中であるか否かを判断する。開閉装置397が開放中であると判断すると(ステップS2401におけるYES)、次に、予め定められた開閉装置397(演出用開閉装置398または大当たり遊技用開閉装置400)の開放時間が経過したか否かを判断する(ステップS2402)。具体的には、大当たり遊技開始処理においてセットされた開放時間に達したか否かを判断する。開閉装置397の開放時間が経過したと判断すると(ステップS2402におけるYES)、開閉装置397を閉鎖して(ステップS2404)、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
ステップS2402において開閉装置397の開放時間が経過していないと判断すると(ステップS2402におけるNO)、予め定められた制限個数の遊技球が開閉装置397に受け入れられたか否かを判断する(ステップS2403)。具体的には、大当たり遊技開始処理においてセットされた制限個数の遊技球が、開放動作が実行されている開閉装置397(演出用開閉装置398の開閉動作が実行されているときは演出用開閉装置398、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作が実行されているときは大当たり遊技用開閉装置400)に受け入れられたか否かを判断する。開放動作が実行されている開閉装置397に制限個数の遊技球が受け入れられたと判断すると(ステップS2403におけるYES)、当該開閉装置397を閉鎖して(ステップS2404)、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。また、開閉装置397に制限個数の遊技球が受け入れられていないと判断すると(ステップS2403におけるNO)、そのまま、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
ステップS2401において開閉装置397が開放中でないと判断すると(ステップS2401におけるNO)、予め定められたラウンド回数に達したか否かを判断する(ステップS2405)。具体的には、大当たり遊技開始処理においてセットされたラウンド回数に達したか否かを判断する。予め定められたラウンド回数に達していないと判断されると(ステップS2405におけるNO)、演出用開閉装置398および大当たり遊技用開閉装置400のうち予め定められた開放装置を開放し(ステップS2406)、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
ステップS2405において予め定められたラウンド回数に達したと判断すると(ステップS2405におけるYES)、大当たりフラグをOFFにし(ステップS2407)、今回の大当たりが確率変動を伴うものであるか否かを判断する(ステップS2408)。具体的には、図柄乱数を用いて判定した結果が確率変動であると判定した場合には確率変動を伴うものであると判断する。確率変動を伴う大当たりであると判断すると(ステップS2408におけるYES)確率変動機能を作動し(ステップS2409)、次に、長当たりであるか否かを判断する。具体的には、長当たりフラグがONであれば長当たりであると判断する。長当たりであると判断すると(ステップS2410におけるYES)、長当たりフラグをOFFにして(ステップS2411)、その後、時短機能を作動し(ステップS2412)、ステップS2418に進む。
ステップS2401において長当たりでないと判断すると(ステップS2410におけるNO)、短当たりフラグをOFFして(ステップS2413)、その後、時短機能作動中の当選であるか否かを判断する(ステップS2414)。即ち、短当たりであるときには短当たりフラグをOFFにして、ステップS2414に進んで時短機能作動中であるか否かを判断する。時短機能作動中の当選であると判断すると(ステップS2414におけるYES)、時短機能の作動を開始し(ステップS2412)、ステップS2418に進む。
ステップS2408に戻って、確率変動を伴わない大当たりであると判断すると(ステップS2408におけるNO)、長当たりフラグをOFFにし(ステップS2415)、時短機能の作動を開始し(ステップS2416)、時短機能の作動規定回数(例えば100回)を設定して(ステップS2417)、ステップS2418に進む。
ステップS2418に進むと処理フラグを「0」に更新して、特別図柄電動役物大当たり制御処理を終了する。なお、特別電動役物は、演出用開閉装置398、大当たり遊技用開閉装置400、演出用開閉装置開閉ソレノイド568、大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド642を含む概念である。
[特別電動役物小当たり制御処理]
次に、図85に基づいて、特別電動役物小当たり制御処理の一例について説明する。図85は、特別電動役物小当たり制御処理の一例を示すフローチャートである。この特別電動役物小当たり制御処理では、まず、予め定められた制限個数の遊技球が開閉装置397に受け入れられたか否かを判断する(ステップS2501)。具体的には、小当たり遊技開始処理においてセットされた制限個数(例えば9個)の遊技球が開閉装置397に受け入れられたか否かを判断する。制限個数の遊技球が開閉装置397に受け入れられていないと判断すると(ステップS2501におけるNO)、開閉装置397が開放中であるか否かを判断する(ステップS2502)。開閉装置397が開放中でないと判断すると(ステップS2502におけるNO)、演出用開閉装置398および大当たり遊技用開閉装置400のうち予め定めた開閉装置(例えば演出用開閉装置398)を開放し(ステップS2503)、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
ステップS2502において開閉装置397が開放中であると判断すると(ステップS2502におけるYES)、予め定められた開閉装置(例えば演出用開閉装置398)の開放時間が経過したか否か判断する(ステップS2504)。具体的には小当たり遊技開始処理においてセットされた開放時間(例えば0.3秒)が経過したか否かを判断する。予め定められた開閉装置397の開放時間が経過していないと判断すると(ステップS2504におけるNO)、そのまま、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
ステップS2504において予め定められた開閉装置397の開放時間が経過したと判断すると(ステップS2504におけるYES)、開閉装置397を閉鎖し(ステップS2505)、予め定めた開放回数に達したか否かを判断する(ステップS2506)。具体的には開閉装置397を開放した回数が小当たり遊技開始処置においてセットされた開放回数(例えば2回)に達したか否かを判断する。このとき、予め定められた開放回数に達していないと判断すると(ステップS2506におけるNO)、そのまま、電動役物小当たり制御処理を終了する。一方、開閉装置397を開放した回数が予め定めた開放回数に達したと判断すると(ステップS2506におけるYES)、ステップS2509に進む。
ステップS2501に戻って、開閉装置397に制限個数の遊技球が受け入れられたと判断すると(ステップS2501におけるYES)、開閉装置397が開放中であるか否かを判断する(ステップS2507)。開閉装置397が開放中であると判断すると(ステップS2507におけるYES)、開閉装置397を閉鎖して(ステップS2508)、ステップS2509に進む。ステップS2507に戻って、開閉装置397が開放中でないと判断すると(ステップS2507におけるNO)、そのままステップS2509に進む。
ステップS2509に進むと処理フラグを「0」に更新して、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
なお、本実施例において開閉装置の開放時間は例えば0.3秒が設定されている。ステップS2501において開閉装置に最大入賞数(例えば9個)入賞したか否か判断し、最大入賞数入賞している場合には予め定められた開放回数(例えば2回)に達していなくても小当たり遊技を終了する。しかし、小当たり遊技における開閉装置の開放時間は最大入賞数入賞することが極めて困難となるように設定されているので、ほとんどの場合には、最大入賞数入賞せずに予め定められた開放回数(例えば2回)開閉装置が開放することとなる。
[優先変動と変動時間について]
ここで、各遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態)の特徴について説明する。特に、本実施形態では、第1特別図柄についての始動記憶および第2特別図柄についての始動記憶の両方が保留されているとき、これら第1始動記憶および第2始動記憶の抽選処理が行われる順が遊技状態に応じて異なるとともに、抽選結果が外れでリーチ演出を行なわない場合の変動時間も異なっており、これらの要素が各遊技状態に特有の遊技性を奏している。
まず、時短機能および確変機能のいずれもが未作動となる通常遊技状態に制御されている場合について説明する。通常遊技状態では、第1特別図柄の始動記憶および第2特別図柄の始動記憶が保留されているとき、保留状態にある第1特別図柄の抽選処理が全て行われるまで、第2特別図柄の抽選処理が行われずに保留状態が維持される。言い換えると、第1特別図柄の抽選処理が第2特別図柄の抽選処理よりも優先して行われることとなる。また、通常遊技状態では時短機能が作動しないため、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球は、第1始動口390に入賞することよりも第2始動口392または第3始動口394に入賞することの方が困難とされる。
かかる通常遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果が外れでリーチ演出を行なわない場合は、保留数が0または1のときの変動時間は11000ms(変動番号1の通常変動)、保留数が2のときの変動時間は9500ms(変動番号2の通常短縮変動1)、保留数が3のときの変動時間は7500ms(変動番号3の通常短縮変動2)である。また、第2特別図柄の抽選結果が外れでリーチ演出を行なわない場合は、保留数が0または1のときの変動時間は11000ms(変動番号1の通常変動)、保留数が2または3のときの変動時間は5500ms(変動番号3の通常短縮変動2)である。つまり、リーチ演出を伴わない外れの場合、第1特別図柄の変動時間は第1特別図柄の保留数が少ないほど長くなり、第2特別図柄の変動時間は第2特別図柄の保留数が少ないほど長くなる。ここで、第1特別図柄の保留および第2特別図柄の保留のいずれも0になってしまうと、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動も行われなくなってしまい、興趣が低下する。従って、リーチ演出を伴わない外れの場合、第1特別図柄および第2特別図柄の変動時間を各保留数が少ないほど長くすることによって、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかの始動記憶が保留された状態が発生しやすくして興趣の低下を抑制できる。
さらに、通常遊技状態では、第1始動口390よりも第2始動口392または第3始動口394のほうが入賞困難であるところ、第2特別図柄の始動記憶についての抽選処理が第1特別図柄の始動記憶についての抽選処理よりも優先的に行われるとすると、せっかく第2始動口392または第3始動口394に入賞したにも拘らず第2特別図柄の始動記憶についての抽選処理が早々に行われてしまい、第2特別図柄の始動記憶が蓄積されにくい(即ち、第2特別図柄の始動記憶についての保留状態が維持されにくい)状態となってしまう。すると、保留表示領域1150にて第2特別図柄の保留数(第2の表示態様)がなかなか蓄積表示されず、保留数を上限いっぱい(ここでは、8つ)まで蓄積させて遊技者に満足感を与えるといったことが困難となる。
その点、本実施形態に係る通常遊技状態では、第1特別図柄の始動記憶についての抽選処理が第2特別図柄の始動記憶についての抽選処理よりも優先して行われるようにしたので、保留表示領域1150にて第2特別図柄の始動記憶についての保留数(第2の表示態様)が蓄積されやすくなり(即ち、第2特別図柄の始動記憶の保留状態が維持されやすくなり)、遊技者に満足感を与えることができる。一方、相対的に入賞容易な第1始動口390に入賞したことに基づく第1特別図柄の始動記憶についての抽選処理が行われやすくして、第1特別図柄について無効球の発生を抑制して遊技者の興趣の低下を抑制できる。
次に、時短機能および確変機能のいずれもが作動する確変遊技状態に制御されている場合について説明する。確変遊技状態では、第1特別図柄の始動記憶および第2特別図柄の始動記憶の両方が保留されているとき、保留状態にある第2特別図柄の抽選処理が全て行われるまで、第1特別図柄の抽選処理が行われずに保留状態が維持される。言い換えると、第2特別図柄の抽選処理が第1特別図柄の抽選処理よりも優先して行われることとなる。また、確変遊技状態では確変機能が作動するため、通常遊技状態および時短遊技状態よりも大当りに当選しやすい。さらに、確変遊技状態では時短機能が作動するため、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球は、第1始動口390よりも第2始動口392の方が入賞しやすく、その結果、第2始動口392への入賞頻度が通常遊技状態よりも高くなる。なお、第1始動口390および第3始動口394への入賞のしやすさは、時短機能が作動しているか否かにかかわらず不変である。
かかる確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果が外れでリーチ演出を行なわない場合は、保留数が0または1のときの変動時間は7500ms(変動番号6の確変短縮変動1)、保留数が2または3のときの変動時間は5500ms(変動番号7の確変短縮変動2)である。また、第2特別図柄の抽選結果が外れでリーチ演出を行なわない場合は、保留数が0または1のときの変動時間は9500ms(変動番号5の確変変動)、保留数が2のときの変動時間は7500ms(変動番号6の確変短縮変動1)、保留数が3のときの変動時間は5500ms(変動番号7の確変短縮変動2)である。つまり、リーチ演出を伴わない外れの場合、第1特別図柄の変動時間は第1特別図柄の保留数が少ないほど長くなり、第2特別図柄の変動時間は第2特別図柄の保留数が少ないほど長くなる。ここで、第1特別図柄の保留および第2特別図柄の保留のいずれも0になってしまうと、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動も行われなくなってしまい、興趣が低下する。従って、リーチ演出を伴わない外れの場合、第1特別図柄および第2特別図柄の変動時間を各保留数が少ないほど長くすることによって、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかの始動記憶の保留状態が維持されやすくして興趣の低下を抑制できる。
さらに、確変遊技状態では、確変機能が作動しているため大当りに当選しやすいことから、単位時間当たりの抽選回数を増加させて保留を迅速に消化することで、無効球の発生を抑制しつつ早い段階で大当り遊技を発生させることが好適である。そこで、確変遊技状態では、時短機能の作動により第1始動口390よりも第2始動口392または第3始動口394のほうが入賞容易であるため、第2特別図柄の始動記憶を第1特別図柄の始動記憶よりも優先的に消化するようにした。また、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれについてもリーチ演出を伴わない外れの場合には、通常遊技状態および時短遊技状態と比較して同じ保留数であれば変動時間が相対的に短くなるようにした。これにより、確変遊技状態では、通常遊技状態および時短遊技状態と比較して単位時間当たりの抽選回数が増加するため、特に第2特別図柄について無効球を抑制しつつ、より早い段階で大当りを発生させることができる。そして、遊技者が確変遊技状態の醍醐味を存分に味わうことができるようにして、興趣を向上させることができる。
なお、第2特別図柄に基づく抽選処理のほうが、第1特別図柄に基づく抽選処理よりも、大当りのうち確変機能の作動を伴う確変大当りに当選する割合が高くなるように設定されることが好適である。これにより、確変遊技状態では、第2特別図柄の始動記憶を第1特別図柄の始動記憶よりも優先的に消化することで確変大当りに当選する確率が高まり、確変遊技状態が連続的に発生する確率を高めることが可能となるためである。
次に、時短機能が作動するものの確変機能が未作動となる時短遊技状態に制御されている場合について説明する。時短遊技状態では、第1特別図柄の始動記憶および第2特別図柄の始動記憶の両方が保留されているときは、保留状態にある第1特別図柄の抽選処理が全て行われるまで、第2特別図柄の抽選処理が行われずに保留状態が維持される。言い換えると、第1特別図柄の抽選処理が第2特別図柄の抽選処理よりも優先して行われることとなる。ただし、時短遊技状態では時短機能が作動するため、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球は、第1始動口390よりも第2始動口392の方が入賞しやすく、その結果、第2始動口392への入賞頻度が通常遊技状態よりも高くなる。なお、第1始動口390および第3始動口394への入賞のしやすさは、時短機能が作動しているか否かにかかわらず不変である。
かかる時短遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果が外れでリーチ演出を行なわない場合、および、第2特別図柄の抽選結果が外れでリーチ演出を行なわない場合は、保留数が0または1のときの変動時間は11000ms(変動番号8の時短変動)、保留数が2のときの変動時間は7500ms(変動番号9の時短短縮変動1)、保留数が3のときの変動時間は5500ms(変動番号10の時短短縮変動2)である。つまり、リーチ演出を伴わない外れの場合、第1特別図柄の変動時間は第1特別図柄の保留数が少ないほど長くなり、第2特別図柄の変動時間は第2特別図柄の保留数が少ないほど長くなる。ここで、第1特別図柄の保留および第2特別図柄の保留のいずれも0になってしまうと、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動も行われなくなってしまい、興趣が低下する。従って、リーチ演出を伴わない外れの場合、第1特別図柄および第2特別図柄の変動時間を各保留数が少ないほど長くすることによって、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかの始動記憶が保留された状態が発生しやすくして興趣の低下を抑制できる。
さらに、時短遊技状態では、第1始動口390よりも第3始動口394のほうが入賞容易であるところ、第2特別図柄の始動記憶が第1特別図柄の始動記憶よりも優先的に消化されるとすると、時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行した時点では、第1特別図柄の始動記憶の保留数がほぼ上限値(ここでは、4つ)まで保留されている一方、第2特別図柄の始動記憶の保留数が少ない(例えば、1つや2つ)といった保留状態になりがちである。このように、時短遊技状態から通常遊技状態に移行した際に、第1特別図柄の始動記憶の保留数がほぼ上限値であって且つ第2特別図柄の始動記憶の保留数が少ないと、遊技球を遊技領域に向けて発射させたとしても無効球が増えるだけになりがちである。なぜなら、通常遊技状態では第1始動口390よりも第3始動口394への入賞が困難となり、ひいては第1特別図柄の始動記憶よりも第2特別図柄の始動記憶を保留状態とすることが困難となるからである。それ故、第1特別図柄の始動記憶の保留数がほぼ上限値であって且つ第2特別図柄の始動記憶の保留数が少ないといった場合、遊技者のなかには所謂止め打ちを行う者が多くなり、稼働率が低下する。さらには、遊技者にとっても、第2特別図柄の始動記憶の保留が少ないにもかかわらず止め打ちを行うことに対する苛立ちが生じてしまう。以上を鑑みると、時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行した際には、第2特別図柄の始動記憶がほぼ上限値(ここでは4つ)まで保留されている方が好ましい。
その点、本実施形態に係る時短遊技状態では、第1特別図柄の始動記憶についての抽選処理が第2特別図柄の始動記憶についての抽選処理よりも優先して行われるので、時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行した際に、第2特別図柄の始動記憶の保留が極力蓄積された状態(場合によっては上限値まで蓄積された状態)とすることができる。これにより、時短遊技状態が終了して通常遊技状態に移行した際に、第1特別図柄および第2特別図柄の総保留球がほぼ上限値(ここでは8つ)まで保留された状態で通常遊技状態が開始されることも可能となり、遊技の低下を抑制できる。少なくとも通常遊技状態では保留されがたい第2特別図柄の保留球がほぼ上限値(ここでは4つ)まで保留された状態で通常遊技状態が開始されることになるため、興趣の低下が抑制される。
また、時短遊技状態では、通常遊技状態の場合と同様に、第1特別図柄の始動記憶(第1特別図柄保留カウンタ703による保留)が存在する限り、第2特別図柄の始動記憶(第2特別図柄保留カウンタ713による保留)が解除されることがないが、通常遊技状態の場合のように第1の表示態様と第2の表示態様とが連続的に一列に並べて表示されることなく、第1の表示態様と第2の表示態様とが上下に並んで配置されるように表示される。これは、時短遊技状態において、第1特別図柄の始動記憶数(所謂保留数)と、第2特別図柄の始動記憶数とを、遊技者が把握しやすいようにするためである。即ち、時短遊技状態では、遊技者の注意が第2特別図柄の始動記憶数に惹かれる傾向にあることから、第1特別図柄の始動記憶数と第2特別図柄の始動記憶数とを明確に把握できた方が、遊技者にとって好ましい。時短遊技状態において遊技者の注意が第2特別図柄の始動記憶数に惹かれるのは、時短遊技状態では、第2特別図柄の始動記憶数の上限値を維持しつつ第1特別図柄の始動記憶についての抽選処理が優先して行われる方が、時短遊技状態から通常遊技状態に移行した際に第2特別図柄の始動記憶数が上限となりやすいからである。これに対し、通常遊技状態および確変遊技状態では、第1特別図柄の始動記憶数と第2特別図柄の始動記憶数とを明確に把握できる必要性に乏しい。
なお、時短遊技状態では第3始動口394よりも第1始動口390の方が遊技球が入賞し難いため、第1特別図柄の抽選処理を第2特別図柄の抽選処理よりも優先して行うと、抽選処理ひいては特別図柄の変動が途切れるのではないかといった議論が生じうる。しかし、時短遊技状態では、第1特別図柄の始動記憶の保留がなくなったとしても第2始動口392への遊技球の入賞が促進されることから、第2特別図柄の始動記憶についての抽選処理が途切れることなく行われうるので、かかる議論が生じる余地はない。
[演出表示装置に表示される装飾図柄の変動態様について]
次に、図86〜図88を参照しつつ、演出表示装置115に表示される装飾図柄1153の変動態様について説明する。なお、装飾図柄は複数の図柄列で構成されており、本実施形態では、遊技者から見て左側に表示される左図柄列1153a、遊技者から見て真ん中に表示される中図柄列1153b、および、遊技者から見て右側に表示される右図柄列1153cの3列の図柄列で構成されている。
図86は、第1特別図柄抽選手段による抽選結果を演出表示装置に導出する場合の装飾図柄を示す図である。すなわち、図86(A)が、装飾図柄1153の変動開始前の態様を示す図、図86(B)が、装飾図柄1153の変動中の態様を示す図、図86(C)が、装飾図柄1153の変動停止後の態様を示す図、図86(D)が、リーチであることを導出する態様を示す図、図86(E)が、リーチ後の装飾図柄1153の変動中の態様を示す図である。装飾図柄1153の変動は、図86(B)に示すように、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cのいずれも縦方向(より詳しくは、遊技者から見て上から下に向かう方向)にスクロールするスクロール変動である。そして、左図柄列1153a、右図柄列1153c、中図柄列1153bの順で停止する。
そして、図86(C)に示すように、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cの各停止図柄が全く関連性のない異なる図柄で停止する変動が、本実施形態における「リーチ演出を伴わない外れ変動」である。一方、図86(D)に示すように、左図柄列1153aの停止図柄と右図柄列1153cの停止図柄とが同じとなった場合はリーチが導出され、さらに図86(E)に示すように、中図柄列1153bのみがスクロール変動する。その結果、中図柄列1153bの停止図柄のみが異なる場合における装飾図柄1153の変動が、本実施形態における「リーチ演出を伴う外れ変動」であり、また、左図柄列1153a、右図柄列1153cおよび中図柄列1153bの全てが同じ図柄で停止する場合における装飾図柄1153の変動が、本実施形態における「大当たり変動」である。
また、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様は、時短機能が作動しているか否かに拘わらず、縦方向にスクロールするスクロール変動である。
図87は、時短機能未作動時に第2特別図柄抽選手段による抽選結果が外れの場合において、当該抽選結果を演出表示装置に導出する場合の装飾図柄の変動態様を示す図である。すなわち、図87(A)が、装飾図柄1153の変動開始前の態様を示す図、図87(B)が、装飾図柄1153の変動中の態様を示す図、図87(C)が、リーチであることを導出する態様を示す図、図87(D)が、装飾図柄1153の変動停止後の態様を示す図である。装飾図柄1153の変動は、図87(B)に示すように、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cが、変動開始前の停止位置(図87(A)に示される位置)とほぼ同じ位置にとどまりつつ表裏面を交互に表示するように回転表示すると共に、中図柄列1153bが、図86(B)に示す態様と同様に縦方向にスクロールするスクロール変動である。そして、左図柄列1153aと右図柄列1153cとがほぼ同時に回転停止し、その後、中図柄列1153bが停止する。
そして、図示しないが、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cの各停止図柄が全く関連性のない異なる図柄で停止する変動が、本実施形態における「リーチ演出を伴わない外れ変動」である。一方、左図柄列1153aの停止図柄と右図柄列1153cの停止図柄とが常に同じ図柄となると、図87(C)に示すようにリーチが導出され、さらに図87(D)に示すように中図柄列1153bのみがスクロール変動する。その結果、図87(E)に示すように、中図柄列1153bの停止図柄のみが異なる場合は、当該装飾図柄1153の変動は本実施形態における「リーチ演出を伴う外れ変動」である。なお、図87(D)に示すスクロール変動によって、左図柄列1153a、右図柄列1153cおよび中図柄列1153bの全てが同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は本実施形態における「大当たり変動」である。
ここで、時短機能作動時における第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様とほぼ同様である。即ち、装飾図柄1153の変動が、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cのいずれも縦方向(より詳しくは、遊技者から見て上から下に向かう方向)にスクロールするスクロール変動である。そして、左図柄列1153a、右図柄列1153c、中図柄列1153bの順で停止する。
このように、時短機能が未作動であれば、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様とが異なる。一方、時短機能が作動していれば、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様とが、ほぼ同じ態様となる。
以上より、時短機能が未作動であれば、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合とで、装飾図柄1153の変動態様が異なる。また、保留表示領域1150に表示される第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを示す情報の表示態様と、保留表示領域1150に表示される第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されていることを示す情報の表示態様とも異なる。
図88は、各特別図柄抽選手段による抽選結果が短当たりまたは小当たりの場合において、当該抽選結果を演出表示装置に導出する場合の装飾図柄の変動態様を示す図である。即ち、抽選結果が短当たりまたは小当たりの場合には、当該抽選が第1特別図柄抽選手段700によるものであっても第2特別図柄抽選手段710によるものであっても両者は同じテーブル13を選択するので、同様の変動態様を行う。
図88(A)は、装飾図柄1153の変動開始前の態様を示す図、図88(B)〜(G)が、装飾図柄1153の変動中の態様を示す図、図88(H)が、装飾図柄1153の変動停止後の態様を示す図である。
装飾図柄1153の変動は、図88(B)に示すように、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cのいずれも縦方向(より詳しくは、遊技者から見て上から下に向かう方向)にスクロールするスクロール変動である。そして、図88(D)に示すように、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cが中図柄列1153bの表示よりも大きく表示されたのち、左図柄列1153aに否妻が走って停止し(図88(E)参照)、その後、右図柄列1153cに否妻が走って(図88(F)参照)停止する(図88(G))。なお、図88(G)に示すように、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止表示し、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止表示し、中図柄列1153bのみが縦方向にスクロールする態様は、短当たり、小当たりまたは確変長当たりに当選している可能性があるリーチ変動である。そして、図88(H)に示すように、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止すると、短当たり遊技状態、小当たり遊技状態または長当たり遊技状態の発生が確定する。
[サブメイン処理について]
次に、周辺制御基板662に搭載されるCPU664によって実行される処理について、図89〜図94を参照しつつ説明する。図89は、サブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図90は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。
図89に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御基板662は、初期設定処理を行う(ステップS310)。この初期設定処理では、周辺制御基板662に搭載されるRAM668をクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS310)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS312)。
この実施形態では、CPU664は、2ms毎に割込を発生させ、2ms定常処置を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、即ち、16msを経過したときに16ms経過フラグTをセットすると共に、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS312で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS314)、16ms定常処理を行う(ステップS316)。
この16ms定常処理では、主制御基板131から受信したコマンドに基いて、演出表示装置115およびパネル装飾ランプ690等を、それぞれ、表示装置制御基板116およびランプ駆動基板688を介して制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS312に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に(即ち16ms毎に)、上述したステップS314およびステップS316を繰り返し行う。一方、ステップS312で16ms経過フラグTがセットされていないとき(16ms経過フラグTが「0」のとき)には、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図90は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、CPU664は、ステップS320〜ステップS420の処理を実行する。ステップS320のコマンド解析処理では、主制御基板131から受信したコマンドを解析する。ステップS340の演出制御処理では、コマンド受信手段750により受信した変動パターンにかかる演出コマンドに基いて演出表示装置115に関わる制御処理を実行する。
また、ステップ360の音制御処理では、効果音(例えばBGMや音声)を発生させるための、スピーカー18,57に関わる制御処理を実行する。なお、この音制御処理では、遊技状態または演出表示装置115に表示される演出の態様に応じてBGMを変更する処理が行われる。
ステップS380のランプ制御処理では、パネル装飾ランプ690、センター装飾ランプ304に関わる制御処理が行われる。ステップS400の情報出力処理では、変動パターンにかかるコマンド、各始動口390,392,394への始動入賞にかかるコマンド
その他の表示コマンドを、表示装置制御基板116に送信すると共に、各ランプの点灯・消灯コマンドをランプ駆動基板688に送信する。ステップS420の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS340)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS320〜ステップS420の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上要したとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときにすぐに16ms定常処理を最初(ステップS320のコマンド解析処理)から実行しない。即ち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS312で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS330)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図91は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、CPU664は、先ず、主制御基板131からコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS321)。この実施形態では、主制御基板131からコマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込を発生させ、受信したコマンドを、周辺制御基板662に搭載されるRAM668における受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。そして、受信コマンド格納領域の内容を確認し、受信コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の受信コマンドを読み出す(ステップS322)。
読み出した受信コマンドが始動口入賞コマンドであるか判別し(ステップS323)、読み出した受信コマンドが始動口入賞コマンドであれば(ステップS323におけるYES)、第1始動口有効入賞か否か判別される(ステップS324)。第1始動口有効入賞であれば(ステップS324におけるYES)、第1始動口有効入賞フラグをONする(ステップS325)。そして、コマンド解析処理を終了する。
ステップS324において、第1始動口有効入賞でなければ(ステップS324におけるNO)、第2・第3始動口有効入賞か否かを判別し(ステップS326)、第2・第3始動口有効入賞であれば(ステップS326におけるYES)、第2・第3始動口有効入賞フラグをONする(ステップS327)。そして、コマンド解析処理を終了する。
なお、第1始動口有効入賞と判断されるのは、主制御基板131から受信した始動口入賞コマンド(ステップS323参照)が第1始動口390に入賞したことを示すコマンドであるか否かを判断し、当該主制御基板131から受信した始動口入賞コマンドが第1始動口390に入賞したことを示すコマンドであるときに、第1特別図柄保留数記憶手段872(図57参照)によって記憶されている第1特別図柄の保留数が上限の第1所定数(本実施形態では4)未満であると判断されたときである。即ち、第1始動口390に遊技球が受け入れられると、コマンド受信手段750は、第1特別図柄保留カウンタ703によってカウントされたか否か(即ち、第1特別図柄保留カウンタ703によるカウント数が第1所定数に達しているか否か)に拘わらず、主制御基板131(コマンド送信手段749)から送信された第1始動口390に遊技球が受け入れられたこと(入賞したこと)を示すコマンドを受信する。このとき、第1特別図柄保留数記憶手段872に記憶されている第1特別図柄の保留数が第1所定数未満であれば、第1特別図柄保留数記憶手段872によって記憶されている第1特別図柄の保留数に1加算され、第1始動口有効入賞となる。一方、第1特別図柄保留数記憶手段872に記憶されている第1特別図柄の保留数が第1所定数に達していれば、第1特別図柄保留数記憶手段872によって記憶されている第1特別図柄の保留数をそのまま維持する(即ち加算しない)。このとき、第1始動口390に遊技球が受け入れられたことを示すコマンドを受信したとしても、第1始動口有効入賞とはならない。このように、周辺制御基板662(コマンド受信手段750)は、第1始動口有効入賞であるか否かに拘わらず、第1始動口390に遊技球が入賞したことを示すコマンドを受信する。そして、第1特別図柄保留数記憶手段872によって記憶されている第1特別図柄の保留数が第1所定数未満であると(即ち1加算されると)第1始動口有効入賞となり、第1特別図柄保留数記憶手段872によって記憶されている第1特別図柄の保留数が第1所定数に達していると(即ち加算されなければ)有効入賞とならない。また、第1特別図柄保留カウンタ703によるカウンタ値と第1特別図柄保留数記憶手段872による保留数とは同じ値である。
同様に、第2・第3始動口有効入賞とは、第1始動口有効入賞と同様に、主制御基板131から受信した始動口入賞コマンド(ステップS323参照)が第2始動口392または第3始動口394に入賞したことを示すコマンドであって、且つ第2特別図柄保留数記憶手段874(図57参照)によって記憶される第2特別図柄の保留数が加算されることを意味する。即ち、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が受け入れられると、コマンド受信手段750は、第2特別図柄保留カウンタ713によってカウントされたか否か(即ち、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウント数が第2所定数(本実施形態では4)に達しているか否か)に拘わらず、主制御基板131(コマンド送信手段749)から送信された第2始動口392または第3始動口394に遊技球が受け入れられたこと(入賞したこと)を示すコマンドを受信する。このとき、第2特別図柄保留数記憶手段874に記憶されている第2特別図柄の保留数が第2所定数未満であれば、第2特別図柄保留数記憶手段874によって記憶されている第2特別図柄の保留数に1加算され、第2始動口有効入賞となる。一方、第2特別図柄保留数記憶手段874に記憶されている第2特別図柄の保留数が第2所定数に達していれば、第2特別図柄保留数記憶手段874によって記憶されている第2特別図柄の保留数をそのまま維持する(即ち加算しない)。このとき、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が受け入れられたことを示すコマンドを受信したとしても、第2始動口有効入賞とはならない。このように、周辺制御基板662(コマンド受信手段750)は、第2始動口有効入賞であるか否かに拘わらず、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことを示すコマンドを受信する。そして、第2特別図柄保留数記憶手段874によって記憶されている第2特別図柄の保留数が第2所定数未満であると(即ち1加算されると)第2始動口有効入賞となり、第2特別図柄保留数記憶手段874によって記憶されている第2特別図柄の保留数が第2所定数に達していると(即ち加算されなければ)有効入賞とならない。また、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウンタ値と第2特別図柄保留数記憶手段874による保留数とは同じ値である。
ステップS323において、受信したコマンドが始動口入賞コマンドでなければ(ステップS323におけるNO)、ステップS321において受信したコマンドが演出コマンドであるか否かが判別される(ステップS328)。ステップS321において受信したコマンドが演出コマンドであれば(ステップS328におけるYES)、変動パターン受信フラグをONし(ステップS329)、コマンド解析処理を終了する。一方、ステップS321において受信したコマンドが演出コマンドでなければ(ステップS328におけるNO)、受信したコマンドに対応するフラグをONし(ステップS330)、コマンド解析処理を終了する。
図92は、演出制御処理の一例を示すフローチャートである。演出制御処理において、CPU664は、ステップS342〜ステップS348の処理を実行する。
ステップS342の第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理では、第1始動口390への有効入賞の有無に基いて第1特別図柄保留数を記憶し、第2始動口392または第3始動口394への有効入賞の有無に基づいて第2特別図柄保留数を記憶すると共に第2、第3始動口有効入賞に関わる演出処理を実行する。なお、詳細は後述する。
ステップS344の装飾図柄変動開始処理では、演出コマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、演出コマンドに応じて装飾図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定する。なお、詳細は後述する。
ステップS346の装飾図柄変動停止処理では、主制御基板131から変動確定コマンドを受信したときに、表示装置制御基板116に表示コマンドを送信して演出表示装置115における装飾図柄の変動表示を確定させる制御を行う。
ステップS348の大当たり表示処理では、主制御基板131から送信される大当たり開始コマンドに応じて、演出表示装置115に大当たり遊技状態の開始を示す表示や大当たり遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)をさせる制御を行う。
図93は、第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理の一例を示すフローチャートである。図93の第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理において、CPU664は、先ず、第1始動口有効入賞フラグがONであるか否かを判別する(ステップS3421)。即ち、ステップS325において、第1始動口有効入賞フラグがONされていれば第1始動口有効入賞フラグがONと判別される。第1始動口有効入賞フラグがONであれば(ステップS3421におけるYES)、第1特別図柄保留数を1つ加算し(ステップS3422)、第1特別図柄保留数表示コマンド、即ち、第1特別図柄保留数記憶手段872(図29参照)に記憶される第1特別図柄の保留数をセットする(ステップS3423)。そして、第1始動口有効入賞フラグをOFFにする(ステップS3424)。
ステップS3424において第1始動口有効入賞フラグをOFFにしたのち、または、ステップS3421において第1始動口有効入賞フラグがOFFであれば(ステップS3421におけるOFF)、次に、第2・第3始動口入賞フラグがONであるか否かを判別する(ステップS3425)。即ち、ステップS327において、第2・第3始動口有効入賞フラグがONされていれば第2・第3始動口有効入賞フラグがONと判別される。第2・第3始動口有効入賞フラグがONであれば(ステップS3425におけるYES)、第2特別図柄保留数を1つ加算し(ステップS3426)、第2特別図柄保留数表示コマンド、即ち、第2特別図柄保留数記憶手段874(図57参照)に記憶される第2特別図柄の保留数をセットする(ステップS3427)。そして、第2・第3始動口有効入賞演出処理(ステップS3428)を行ったのち、第2・第3始動口有効入賞フラグをOFFにして(ステップS3429)、第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理を終了する。なお、ステップS3425において、第2・第3始動口有効入賞フラグがOFFであるときも(ステップS3425におけるNO)、第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理を終了する。
ここで、ステップS3428の第2・第3始動口有効入賞演出処理について、図94を参照しつつ説明する。図94は、第2・第3始動口有効入賞演出処理の一例を示すフローチャートである。
第2・第3始動口有効入賞演出処理では、先ず、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判別する(ステップS34281)。現在の遊技状態が時短遊技状態でなければ(ステップS34281におけるYES)、演出ポイントPが上限の10ポイント未満であるか否かを判別する(ステップS34282)。このとき、演出ポイントPが10ポイント未満であれば(ステップS34282におけるYES)、現在の演出ポイントPに1ポイントをさらに貯留(即ち演出ポイントPを1ポイント加算または蓄積)する(ステップS34283)と共に、演出ポイントPの表示をセットする(ステップS34284)。なお、時短遊技状態でない遊技状態とは、本実施形態では、通常遊技状態および確変機能のみが作動し時短機能が作動していない遊技状態(例えば短当たり遊技終了後の遊技状態)が相当する。
ところで、先述のように、時短遊技状態でない遊技状態では、第2始動口392および第3始動口394よりも第1始動口390の方に遊技球が入賞しやすい一方、時短遊技状態中は第1始動口390よりも第3始動口394に遊技球が入賞しやすくなる。そして、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合は、第2始動口392および第3始動口394に遊技球が入賞しても演出ポイントPを貯留しないようにしている(ステップS34281におけるNO)。これは、かかる時短遊技状態中における第2始動口392および第3始動口394への入賞まで演出ポイントPの付与対象とすると、後述するように遊技球が入賞しにくい始動口への入賞に対する特典としての演出ポイントPの意味が没却するためである。
なお、演出ポイントPとは、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞することに応じて貯留されるポイントである。本実施形態では、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が1球入賞する毎に1ポイント貯留される。即ち、演出ポイントPは、特殊演出が表示されるための期待値を定量的に表したものである。言い換えれば、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞するごとに演出ポイントPが1ずつ加算されて増加していき、貯留後の演出ポイントPは所定の上限値(本実施形態では、10ポイント)まで貯留可能である。
ここで、特殊演出は、特殊第1演出と特殊第2演出とから構成されており、本発明における特別演出遊技態様に相当する。特殊第1演出は、演出ポイントPが10ポイントになったときに演出表示装置115に表示される演出であり、特殊第2演出は、演出ポイントPが10ポイント貯留される基となった(言い換えれば、貯留後の演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった)第2・第3始動口有効入賞の変動表示が行われるタイミングで表示される演出である。即ち、特殊第2演出は、第2・第3始動口有効入賞によって演出ポイントPが10ポイントになったとき、当該第2・第3始動口有効入賞に基づく変動パターンが表示されるタイミングで特殊演出を行うためである。従って、第2・第3始動口有効入賞したときに、第1特別図柄保留数記憶手段872または第2特別図柄保留数記憶手段874による保留数が1以上であって且つ演出ポイントPが10ポイントになった場合には、特殊第1演出は、演出ポイントPが10ポイントになったときにすぐに表示される一方、特殊第2演出は、第2・第3始動口有効入賞したときに保留されていた変動表示が終了したのちに表示される。これにより、演出ポイントPが10ポイント貯留された時点で、ステップS3201において受信した当該演出コマンドよりも先に受信した演出コマンドが受信コマンド格納領域に保存されている場合には、当該先に受信した演出コマンドにかかる変動表示が行われている間、特殊第1演出が継続して行われることとなる。
ステップS34284において演出ポイントPの表示をセットしたのち、演出ポイントPが10ポイント貯留されたか否かを判別する(ステップS34285)。ここで、演出ポイントPが10ポイント貯留されていれば(ステップS34285におけるYES)、演出保留カウンタに第2特別図柄保留数をセットする(ステップS34286)と共に、特殊第1演出フラグをONにして(ステップS34287)、第2・第3始動口有効入賞演出処理を終了する。
なお、ステップS34286において演出保留カウンタに第2特別図柄保留数をセットするのは、演出ポイントPが10ポイント貯留される基となった第2・第3始動口有効入賞の変動表示が行われるタイミングで特殊第2演出を行うようにするためである。
また、ステップS34281において時短遊技状態であると判別されたとき(ステップS34281におけるNO)、ステップS34282において演出ポイントPが10であると判別されたとき(ステップS34282におけるNO)、ステップS34285において演出ポイントPが10でないと判別されたとき(ステップS34285におけるNO)は、いずれも、第2・第3始動口有効入賞演出処理を終了する。
[装飾図柄変動開始処理]
次に図95〜図107に基づいて、装飾図柄変動開始処理および当該処理において実行される処理について説明する。
図95は、装飾図柄変動開始処理の一例を示すフローチャートである。図96は、装飾図柄変動開始処理における変動パターン決定およびAモード設定処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、チャンス目を停止表示させる変動パターンに基づき、装飾図柄1153の一部にオールマイティー図柄(A図柄)に設定する処理を行っている。ここでオールマイティー図柄(A図柄)を設定するとは、装飾図柄1153の一部をオールマイティー図柄(A図柄)に置換することを意味する。このオールマイティー図柄(A図柄)に関連する処理がAモード設定処理である。図97は、変動パターン決定およびAモード設定処理における小当たり時A図柄使用数設定処理の一例を示すフローチャートである。図98は、変動パターン決定およびAモード設定処理における2R当たり時A図柄使用数設定処理の一例を示すフローチャートである。図99は、変動パターン決定およびAモード設定処理における15R当たり時A図柄使用数設定処理の一例を示すフローチャートである。図100は、変動パターン決定およびAモード設定処理におけるA図柄消費処理の一例を示すフローチャートである。図101は、チャンス時A図柄消費処理の一例を示すフローチャートである。また、図102および図103は、チャンス目停止時に設定されるA図柄の個数を決定するためのテーブルの一例を示す図である。図104は、A図柄の消費数を決定するためのテーブルの一例を示す図である。図105は、装飾図柄1153の一部に対するオールマイティー図柄(A図柄)の設定を例示する説明図である。図106は、装飾図柄変動開始処理における特殊演出抽選処理の一例を示すフローチャートである。図107は、演出ポイント貯留処理を実行するか否かを決定するためのテーブルの一例を示す図である。本実施形態では、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることに応じて演出ポイントPを1つ加算する態様(図94のステップS34283参照)の他、装飾図柄変動開始処理においても演出ポイントPが加算されることがある。
図95の装飾図柄変動開始処理において、CPU664は、先ず、変動パターン受信フラグがONであるか否かを判別する(ステップS3441)。変動パターン受信フラグがONであれば(ステップS3441におけるYES)、時短遊技状態でないか否かを判別する(ステップS3442)。
ステップS3442において時短遊技状態でないと判別すると(ステップS3442におけるYES)特殊演出抽選処理を行い(ステップS3443)、ステップS321において受信した演出コマンドにかかる変動パターンが、当たりの変動パターンであるか否かを判別する(ステップS3444)。
一方、ステップS3442において時短遊技状態であると判別すると(ステップS3442におけるNO)、特殊演出抽選処理を省略してステップS3444に進む。特殊演出抽選処理についての詳細は後述する。なお、先述のように、時短遊技状態中は第2始動口392および第3始動口394に遊技球が入賞しても演出ポイントPを貯留しないため、ステップS3442において時短遊技状態である場合は、演出ポイントPに関する各種演出を行うための特殊演出抽選処理を省略するようにしている。なお、時短遊技状態中は演出ポイントPを貯留しないばかりでなく、演出ポイントPの貯留状況の表示すらも行わない。これにより、第2始動口392に遊技球が入賞しても演出ポイントPが貯留されないことによる興趣の低下を抑制できる。
ステップS3444において、当たりの変動パターンであると判別すれば(ステップS3444におけるYES)対応する当たりの停止図柄決定処理を行う(ステップS3445)。この停止図柄決定処理では、長当たりであれば確変大当たりフラグがセットされているか否かを判別し、確変大当たりフラグがセットされていれば所定の確率で確変図柄用の停止図柄に決定し、確変大当たりフラグがセットされていなければ常に非確変図柄用の停止図柄に決定する。また、短当たりまたは小当たりであれば、短当たり・小当たり用の停止図柄に決定する。一方、外れの変動パターンであると判別すれば(ステップS3444におけるNO)外れ図柄の停止図柄を決定する(ステップS3446)。
ステップS3445またはステップS3446において停止図柄を決定すると、変動パターン決定およびAモード設定処理を実行する(ステップS3447)。この変動パターン決定およびAモード設定処理については後述する。続いて、変動パターン受信フラグをOFFにする(ステップS3448)。その後、演出保留カウンタが0であるか否かを判別し(ステップS3449)、演出保留カウンタが0でなければ(ステップS3449におけるYES)、当該変動表示(即ち、これから開始される変動表示)が第2・第3始動口有効入賞に基づく変動であるか否かを判別する(ステップS3450)。
ステップS3450において、これから開始される変動表示が第2・第3始動口有効入賞に基づく変動であれば(ステップS3450におけるYES)、演出保留カウンタから1つ減算して(ステップS3451)、装飾図柄変動開始処理を終了する。
一方、ステップS3449において演出保留カウンタが0であると判別したとき(ステップS3449におけるNO)、および、ステップS3450において当該変動が第1始動口有効入賞に基づく変動であると判断されたとき(ステップS3450におけるNO
は、演出保留カウンタの減算処理(ステップS3451)を行うことなく、装飾図柄変動開始処理を終了する。
なお、ステップS3441において変動パターン受信フラグがOFFであれば(ステップS3441におけるNO)、そのまま装飾図柄変動開始処理を終了する。
[変動パターン決定およびAモード設定処理]
図96の変動パターン決定およびAモード設定処理において、CPU664は、先ず、非時短中であるか否かを判別する(ステップS34471)。ここで非時短中、すなわち時短遊技状態でなければ(ステップS34471におけるYES)、ステップS34472へ移行する。一方、時短中、すなわち時短遊技状態である場合、ステップS34479へ移行する。
非時短中と判別された場合には、変動パターンが小当たりチャンス目であるか否かを判別する(ステップS34472)。この判別処理は、変動パターンが変動番号44のチャンス目(小当たり)であるか否かを判別するものである。ここで変動パターンが小当たりチャンス目であると判別された場合(ステップS34472におけるYES)、小当たり時A図柄使用数設定処理を実行し(ステップS34473)、ステップS34479へ移行する。小当たり時A図柄使用数設定処理については後述する。一方、変動パターンが小当たりチャンス目でないと判別された場合(ステップS34472におけるNO)、ステップS34474へ移行する。
ステップS34474では、変動パターンが2R当たりチャンス目であるか否かを判別する(ステップS34474)。この判別処理は、変動パターンが変動番号43のチャンス目(短当たり)であるか否かを判別するものである。ここで変動パターンが2R当たりチャンス目であると判別された場合(ステップS34474におけるYES)、2R当たり時A図柄使用数設定処理を実行し(ステップS34475)、ステップS34479へ移行する。2R当たり時A図柄使用数設定処理については後述する。一方、変動パターンが2R当たりチャンス目でないと判別された場合(ステップS34474におけるNO)、ステップS34476へ移行する。
ステップS34476では、変動パターンが15R当たりチャンス目であるか否かを判別する(ステップS34476)。この判別処理は、変動パターンが変動番号45のチャンス目(確変長当たり)であるか否かを判別するものである。ここで変動パターンが15R当たりチャンス目であると判別された場合(ステップS34476におけるYES)、15R当たり時A図柄使用数設定処理を実行し(ステップS34477)、ステップS34479へ移行する。一方、変動パターンが15R当たりチャンス目でないと判別された場合(ステップS34476におけるNO)、A図柄消費処理を実行し(ステップS34478)、ステップS34479へ移行する。なお、15R当たり時A図柄使用数設定処理およびA図柄消費処理については後述する。
ステップS34479では、受信した変動パターンをセットする。その後、変動パターン決定およびAモード設定処理を終了する。
このように本実施形態では、チャンス目の変動パターンを受信したか否かを判別し(ステップS34472,ステップS34474,ステップS34476)、チャンス目の変動パターンを受信した場合には、各A図柄使用数設定処理を行うようになっている。
上述のように、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止表示され、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止表示され、中図柄列1153bのみが縦方向にスクロールする態様は、短当たり、小当たりまたは確変長当たりに当選している可能性があるリーチ変動である(図88(G)参照)。そして、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止表示されると、短当たり遊技状態、小当たり遊技状態、または、長当たり遊技状態の発生が確定する(図88(H)参照)。
本実施形態では、上記中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止表示された後、装飾図柄1153が再びスクロール変動を開始し、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの一部がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される。具体的には、装飾図柄1153は、図86等に示したように、「1」〜「8」の数字図柄と、当該数字図柄に対応する絵柄とで構成されている。数字図柄「1」〜「5」にはそれぞれ、歌姫のキャラクタ画像等で構成される絵柄が対応し、数字図柄「6」〜「8」にはそれぞれ、「歌」、「姫」、「伝説」という文字画像等で構成される絵柄が対応している。数字図柄に対する絵柄の縦横比は約2.7倍となっており、数字図柄に対する絵柄の面積比は、約7倍となっている。本実施形態では、数字図柄「6」〜「8」に対応する「歌」、「姫」、「伝説」の絵柄のいくつかが、文字画像等で構成される「A」という絵柄に置換されることで、装飾図柄1153の一部がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)であっても元の絵柄と同一の数字図柄を有することになり、オールマイティー図柄(A図柄)を含む図柄列の順序が把握可能となっている。その結果、停止表示にあたって行われる低速のスクロール変動において、リーチ態様の形成を予測し易くなる。また、数字図柄に対して絵柄が大きくなっているため、オールマイティー図柄(A図柄)への置換が分かり易いものとなる。その結果、オールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示が興趣の高いものとなる。なお、本実施形態では、絵柄のみが置換される構成としたが、数字図柄の示す数値情報を変更しなければ、例えば見た目を変更するような数字図柄の置換を行うようにしてもよい。
そして、装飾図柄1153の一部がオールマイティー図柄(A図柄)に置換された後の変動において、左図柄列1153aの停止図柄および右図柄列1153cの停止図柄のいずれか一方がオールマイティー図柄(A図柄)となる場合は、必ずリーチ態様が発生するように制御される。また、左図柄列1153aの停止図柄および右図柄列1153cの停止図柄の双方がオールマイティー図柄(A図柄)となる場合は、必ず長当たりが発生するように制御される。そのため、オールマイティー図柄(A図柄)に置換される装飾図柄1153の数量が多いほど、遊技者のリーチまたは当たりに対する期待感が高まり、興趣の低下を抑制することができる。なお、確変長当たり遊技状態の発生が確定している場合は、オールマイティー図柄(A図柄)への置換が導出される変動表示における停止図柄が、所定の確変大当たり図柄(本実施形態では「1」、「1」、「1」)となる。
このオールマイティー図柄(A図柄)に置換される装飾図柄1153の数量の設定を行うのが、A図柄使用数設定処理である。なお、本実施形態では、装飾図柄1153(詳細には、左図柄列1153aおよび右図柄列1153c)のうち、最大6個までオールマイティー図柄(A図柄)に置換されるようになっている。
ここでA図柄使用数設定処理について説明する。A図柄使用数設定処理には、上述したように、図97の小当たり時A図柄使用数設定処理、図98の2R当たり時A図柄使用数設定処理、および、図99の15R当たり時A図柄使用数設定処理が含まれる。
[小当たり時A図柄使用数設定処理]
図97の小当たり時A図柄使用数設定処理において、CPU664は、先ず、チャンス時A図柄消費処理を実行する(ステップS344731)。このチャンス時A図柄消費処理については後述する。
次に低確率状態か否かを判別する(ステップS344732)。低確率状態とは、確変遊技状態(非報知の確変遊技状態)でないことをいう。ここで低確率状態であると判別された場合(ステップS344732におけるYES)、A図柄の残数に基づいて低確率→小当たり時テーブルから抽選を行い(ステップS344733)、A図柄数をセットする(ステップS344735)。一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344732におけるNO)、すなわち確変遊技状態(非報知の確変遊技状態)である場合には、A図柄の残数に基づいて高確率→小当たり時テーブルから抽選を行い(ステップS344734)、A図柄数をセットする(ステップS344735)。A図柄数をセットすると、小当たり時A図柄数設定処理を終了する。なお、低確率→小当たり時テーブルの一例を、図102(a)に示す。また、高確率→小当たり時テーブルの一例を、図102(b)に示す。
[2R当たり時A図柄使用数設定処理]
図98の2R当たり時A図柄使用数設定処理において、CPU664は、先ず、チャンス時A図柄消費処理を実行する(ステップS344751)。このチャンス時A図柄消費処理については後述する。
次に低確率状態か否かを判別する(ステップS344752)。ここで低確率状態であると判別された場合(ステップS344752におけるYES)、A図柄の残数に基づいて低確率→2R当たり時テーブルから抽選を行い(ステップS344753)、A図柄数をセットする(ステップS344755)。一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344752におけるNO)、A図柄の残数に基づいて高確率→2R当たり時テーブルから抽選を行い(ステップS344754)、A図柄数をセットする(ステップS344755)。A図柄数をセットすると、2R当たり時A図柄数設定処理を終了する。なお、低確率→2R当たり時テーブルの一例を、図102(c)に示す。また、高確率→2R当たり時テーブルの一例を、図102(d)に示す。
[15R当たり時A図柄使用数設定処理]
図99の15R当たり時A図柄使用数設定処理において、CPU664は、先ず、チャンス時A図柄消費処理を実行する(ステップS344771)。このチャンス時A図柄消費処理については後述する。
次に低確率状態か否かを判別する(ステップS344772)。ここで低確率状態であると判別された場合(ステップS344772におけるYES)、A図柄の残数に基づいて低確率→15R当たり時テーブルから抽選を行い(ステップS344773)、A図柄数をセットする(ステップS344775)。一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344772におけるNO)、A図柄の残数に基づいて高確率→15R当たり時テーブルから抽選を行い(ステップS344774)、A図柄数をセットする(ステップS344775)。A図柄数をセットすると、15R当たり時A図柄数設定処理を終了する。なお、低確率→15R当たり時テーブルの一例を、図103(a)に示す。また、高確率→15R当たり時テーブルの一例を、図103(b)に示す。
以上説明したように、本実施形態では、A図柄使用数設定処理を実行することにより(図97〜図99参照)、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数をセットする。ここでオールマイティー図柄(A図柄)の設定数は、遊技状態に基づきテーブル(図102および図103)を参照して決定される。そして、これらのテーブルでは、遊技者に有利な遊技状態にある場合、概して、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が多くなっている。したがって、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数によって、例えば確変遊技状態(短当たり)への期待を持たせることができ、興趣の低下の抑制に寄与する。
また、A図柄使用数設定処理では、テーブルにて決定された設定数分だけ、予め定められた装飾図柄1153をオールマイティー図柄(A図柄)へ置換する。つまり、オールマイティー図柄(A図柄)への置換にあたり、その設定個数だけを決定することで置換が行われる構成となっている。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の置換が比較的簡単になり、処理負荷が軽減される。また、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が一律でないため、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数は、テーブル(図102及び図103参照)を参照して決定されるため、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数の決定処理が比較的容易になる。その結果、遊技状態などに応じたオールマイティー図柄(A図柄)の設定数の振り分けが比較的簡単になる。
さらにまた、A図柄使用数設定処理には、上述したように、図97の小当たり時A図柄使用数設定処理、図98の2R当たり時A図柄使用数設定処理、及び、図99の15R当たり時A図柄使用数設定処理が含まれる。そして、各処理において、低確率状態か否かが判別されて、テーブルが選択される。具体的に、小当たり時A図柄使用数設定処理では、低確率状態であると判別された場合(ステップS344732におけるYES)、低確率→小当たり時テーブル(図102(a)参照)から抽選が行われ(ステップS344733)、一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344732におけるNO)、高確率→小当たり時テーブル(図102(b)参照)から抽選が行われる(ステップS344734)。また、2R当たり時A図柄使用数設定処理では、低確率状態であると判別された場合(ステップS344752におけるYES)、低確率→突確時テーブル(図102(c)参照)から抽選が行われ(ステップS344753)、一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344752におけるNO)、高確率→2R当たり時テーブル(図102(d)参照)から抽選が行われる(ステップS344754)。さらに、15R当たり時A図柄使用数設定処理では、低確率状態であると判別された場合(ステップS344772におけるYES)、低確率→15R当たり時テーブル(図103(a)参照)から抽選が行われ(ステップS344773)、一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344772におけるNO)、高確率→15R当たり時テーブル(図103(b)参照)から抽選が行われる。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数から、ある程度は、遊技状態を推測可能となる。その結果、オールマイティー図柄(A図柄)への置換自体が興趣の高いものとなり、遊技者に対して、大当たり遊技への期待感を芽生えさせることができる。
また、上述したように、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止表示され、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止表示され、中図柄列1153bのみが縦方向にスクロールする態様は、短当たり、小当たり又は確変長当たりに当選している可能性があるリーチ変動である(図88(G)参照)。そして、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止表示されると、短当たり遊技状態、小当たり遊技状態、又は、長当たり遊技状態の発生が確定する(図88(H)参照)。そして、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止表示された後、装飾図柄1153が再びスクロール変動を開始し、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの一部がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される。このように、短当たり遊技の実行確定や小当たり遊技の実行確定を契機としてオールマイティー図柄(A図柄)への置換が行われる。すなわち、低確率状態から高確率状態への移行を契機としてオールマイティー図柄(A図柄)への置換が行われる場合がある。したがって、遊技者にとって、オールマイティー図柄(A図柄)への置換及びオールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示が興趣の高いものとなり、図柄の変動表示が単調なものとなることを確実に抑止できる。
さらにまた、図96に示したように、小当たり遊技の実行が確定された場合、すなわち変動パターンが小当たりチャンス目である場合(ステップS34472においてYES)、小当たり時A図柄使用数設定処理が実行される(ステップS34473)。一方、短当たり遊技の実行が確定された場合、すなわち変動パターンが2R当たりチャンス目である場合(ステップS34474においてYES)、2R当たり時A図柄使用数設定処理が実行される(ステップS34475)。そして、いずれの処理が実行されるかにより、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が決定される。これにより、有利な状態(短当たりによる高確率状態)であるか否かを推測することが可能になり、オールマイティー図柄(A図柄)への置換演出によっても遊技者は「アツさ」を感じることが可能となる。
例えば、A図柄使用数設定処理では、低確率状態にある場合に参照されるテーブルについて見ると、図102(a)の低確率→小当たり時テーブルでは、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「0」であるとき、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が「6」とはならないようになっている。これに対し、図102(c)の低確率→突確時テーブルでは、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「0」であるとき、100分の5の確率で、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が「6」となるようになっている。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「0」の低確率状態において6個のオールマイティー図柄(A図柄)が設定された場合、短当たり(2R当たり)であることが演出態様から確定する。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数によって遊技状態(高確率状態)を判別することができ、遊技者に優越感を与えることができる。そして、短当たり遊技の実行確定をいち早く把握できることで、安心感を持って遊技を楽しむことができる。
また、図96に示したように、長当たり遊技の実行が確定された場合、すなわち変動パターンが15R当たりチャンス目である場合には(ステップS34476においてYES)、15R当たり時A図柄使用数設定処理が実行される(ステップS34477)。これにより、長当たり遊技の実行確定に対応させてオールマイティー図柄(A図柄)の設定数が決定されるため、短当たり遊技や小当たり遊技と同様の演出から、いきなり確変長当たりが導出されることになる。その結果、遊技者を歓喜させることが可能となる。また、短当たり遊技や小当たり遊技とは設定数の選択確率に差をつけるようにすれば、有利な状態(長当たり遊技の確定状態)であるか否かを推測することが可能になり、オールマイティー図柄(A図柄)への置換演出に際し、「既に当たっているのではないか」という大当たりへの期待感を生じさせることができる。
例えば、図102及び図103のテーブルのうち、図103(a)に示す低確率→15R当たり時テーブルだけ、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「4」であるとき、100分の10の確率で、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が「5」となるようになっている。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「4」の低確率状態において5個のオールマイティー図柄(A図柄)が設定された場合、確変長当たり(15R当たり)であることが演出態様から確定する。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数によって長当たり遊技の実行確定をいち早く把握でき、優越感・安心感を持って遊技を楽しむことができる。
[A図柄消費処理]
図100のA図柄消費処理において、CPU664は、先ず、A図柄数が0であるか否かを判別する(ステップS344781)。このA図柄数は、以前に設定されたオールマイティー図柄(A図柄)の残数である。ここでA図柄数が0であると判別された場合(ステップS344781におけるYES)、A図柄使用個数振分テーブルA(図104参照)を選択し(ステップS344782)、ステップS344791へ移行する。一方、A図柄数が0でないと判別された場合(ステップS344781におけるNO)、ステップS344783へ移行する。
ステップS344783では、A図柄数が1であるか否かを判別する。ここでA図柄数が1であると判別された場合(ステップS344783におけるYES)、高確率状態(非報知の確変遊技状態)であるか否かを判別し(ステップS344784)、高確率状態であれば(ステップS344784におけるYES)、A図柄使用個数振分テーブルC(図104参照)を選択して(ステップS344785)、ステップS344791へ移行する。高確率状態でなければ(ステップS344784におけるNO)、A図柄使用個数振分テーブルB(図104参照)を選択して(ステップS344786)、ステップS344791へ移行する。
一方、ステップS344783にてA図柄数が1でないと判別された場合(ステップS344783におけるNO、すなわちA図柄数が2以上である場合)、A図柄数が2であるか否かを判別する(ステップS344787)。ここでA図柄数が2であると判別された場合(ステップS344787におけるYES)、高確率状態(非報知の確変遊技状態)であるか否かを判別し(ステップS344788)、高確率状態であれば(ステップS344788におけるYES)、A図柄使用個数振分テーブルD(図104参照)を選択して(ステップS344789)、ステップS344791へ移行する。一方、A図柄数が2でないと判別された場合(ステップS344787におけるNO、すなわちA図柄数が3以上である場合)あるいは高確率状態でないと判別された場合(ステップS344788におけるNO)、A図柄使用個数振分テーブルE(図104参照)を選択して(ステップS344790)、ステップS344791へ移行する。
ステップS344791では、変動パターンに基づいて各A図柄使用個数振分テーブル(すなわち、A図柄使用個数振分テーブルA〜Eのうち、上記ステップS344782、ステップS344785、ステップS344786、ステップS344789、ステップS344790のいずれかで選択されたもの)からA図柄使用数(消費数)を抽選する。次に、A図柄使用数をセットし(ステップS344792)、A図柄数からA図柄使用数を減じて、A図柄数を更新する(ステップS344793)。そして、A図柄消費処理を終了する。
[チャンス時A図柄消費処理]
図101のチャンス時A図柄消費処理において、CPU664は、先ず、A図柄数(残数)が0であるか否かを判別する(ステップS3447311)。ここでA図柄数が0であると判別された場合(ステップS3447311におけるYES)、A図柄使用数(消費数)を0とし(ステップS3447312)、ステップS3447316へ移行する。一方、A図柄数が0でないと判別された場合(ステップS3447311におけるNO)、ステップS3447313へ移行する。
ステップS3447313では、A図柄数(残数)が1〜3のいずれかか否かを判別する。ここで、A図柄数が1〜3のいずれかであると判別された場合(ステップS3447313におけるYES)、A図柄使用数(消費数)を1とし(ステップS3447314)、ステップS3447316へ移行する。一方、A図柄数が1〜3のいずれでもないと判別された場合(ステップS3447313におけるNO)、すなわちA図柄数が4〜6のいずれかである場合には、A図柄使用数(消費数)を2とし(ステップS3447315)、ステップS3447316へ移行する。
ステップS3447316では、A図柄数からA図柄使用数を減じて、A図柄数を更新する。そして、A図柄消費処理を終了する。
このようにA図柄消費処理では、変動パターンに基づいてA図柄使用数(消費数)が抽選される(ステップS344791)。ここで、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数は、遊技状態に基づきテーブル(図104参照)を参照して決定される。そして、決定された消費数分だけ、オールマイティー図柄(A図柄)が元の装飾図柄1153へ置換される。つまり、オールマイティー図柄(A図柄)を消費するにあたり、その消費数だけを決定することで置換が行われる構成となっている。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の消費に係る処理が比較的簡単になる。また、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数が一律でないため、オールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示自体が興趣の高いものとなる。さらに、テーブル(図104参照)を用いてオールマイティー図柄(A図柄)の消費数が決定されるため、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数の決定処理が比較的容易になり、遊技状態などに応じたオールマイティー図柄(A図柄)の消費数の振り分けが比較的簡単になる。
また、A図柄消費処理では、変動パターンに基づいてA図柄使用数(消費数)が抽選される(ステップS344791)。具体的には、変動番号8〜15,27,28,34,35,41,42の変動パターンコマンドに対応してオールマイティー図柄(A図柄)の消費数が決定される(図104参照)。これにより、遊技に応じてオールマイティー図柄(A図柄)を使用(消費)することができ、オールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示が興趣の高いものとなる。
さらにまた、A図柄消費処理では、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「0」の場合(ステップS344781)、「1」の場合(ステップS344783)、「2」以上の場合(ステップS344787)、という場合分けをして、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数を決定している。具体的には、この場合分けによって、参照するA図柄使用個数振分テーブルA〜Eが決定されている(ステップS344782,ステップS344785,ステップS344786,ステップS344789,ステップS344790)。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示の中で適切にオールマイティー図柄(A図柄)が消費されていき、オールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示の興趣を低下させることがない。
また、残数が「1」以上となる場合、A図柄消費処理では、高確率状態か否かを判別して(ステップS344784,ステップS344788)、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数を決定している。具体的には、高確率状態である場合(ステップS344784においてYES,ステップS344788においてYES)、A図柄使用個数振分テーブルC,Dを参照し、一方、高確率状態でない場合(ステップS344784においてNO,ステップS344788においてNO)、A図柄使用個数振分テーブルB,Eを参照する。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数から、ある程度、遊技状態を推測することが可能となり、オールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示自体が興趣の高いものとなる。
さらにまた、A図柄消費処理では、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「1」となった場合で、かつ、高確率状態である場合には(ステップS344783においてYES,ステップS344784においてYES)、A図柄使用個数振分テーブルCが選択される(ステップS344785)。このA図柄使用個数振分テーブルCは、図113に示したように、「外れ」の変動パターンに対してはオールマイティー図柄(A図柄)の消費数が必ず「0」に振り分けられる。これにより、高確率状態である場合には、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「0」となることがなくなっている。そのため、オールマイティー図柄(A図柄)が残っているうちは、高確率状態である可能性があり、遊技者の期待感を確実に持続させることが可能となる。
[オールマイティー図柄(A図柄)の設定および消費態様]
本実施形態においてオールマイティー図柄(A図柄)は、図105に示すような態様で設定される。すなわち、図105(a)に示す左図柄列1153aの「歌」図柄、「姫」図柄および「伝説」図柄、右図柄列1153cの「歌」図柄、「姫」図柄および「伝説」図柄がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される可能性のある図柄である。具体的には、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が1のときは、左図柄列1153aの「歌」図柄がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される(図105(b)参照)。また、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が2のときは、左図柄列1153aの「歌」図柄および右図柄列1153cの「歌」図柄がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される(図105(c)参照)。同様に、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が3であればさらに左図柄列の「姫」図柄が、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が4であればさらに右図柄列1153cの「姫」図柄が、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が5であればさらに左図柄列1153aの「伝説」図柄が、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が6であればさらに右図柄列1153cの「伝説」図柄が、オールマイティー図柄(A図柄)に置換される(図105(d)〜(g)参照)。
そして、オールマイティー図柄(A図柄)が停止表示されると、当該オールマイティー図柄(A図柄)は、元の図柄に戻される。これが、オールマイティー図柄(A図柄)の消費である。オールマイティー図柄(A図柄)の消費順序は、基本的に、次に示すごとくとなっている。例えば6個のオールマイティー図柄(A図柄)が設定されている場合(図114(g)参照)、最初に右図柄列1153cの「A(8)」図柄が停止表示されて、元の「伝説」図柄に戻る(図105(f)参照)。次に、左図柄列1153aの「A(8)」図柄が停止表示されて、元の図柄に戻る(図105(e)参照)。同様に、右図柄列1153cの「A(7)」図柄→左図柄列1153aの「A(7)」図柄→右図柄列1153cの「A(6)」図柄→左図柄列1153aの「A(6)」図柄、という順序でオールマイティー図柄(A図柄)が消費される。上述したように、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数は、図104に示したテーブルで決定される。すなわち、A〜Eのうち選択されたテーブルによる抽選によって、ここに示した順序で、1個または2個のオールマイティー図柄(A図柄)が消費されることになる。なお、このような順序で2個のオールマイティー図柄(A図柄)が消費される可能性があるのは、変動番号10,13,15,28,35,42の長当たりの変動パターンに基づく場合である(図104参照)。
一方、上記順序とは別にオールマイティー図柄(A図柄)が消費される場合がある。これは、変動番号43,44,45のチャンス目の変動パターンによる場合である。この場合の処理が、上記チャンス時A図柄消費処理である。チャンス目の変動パターンによれば、最初に、左図柄列1153aには「歌」図柄が、また、右図柄列1153cには「姫」図柄が停止表示される。したがって、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が4以上の場合(図105(e)〜(f)参照)、左図柄列1153a中の「A(6)」図柄、及び、右図柄列1153c中の「A(7)」図柄が消費される。なお、このチャンス目の変動パターンによる場合、左図柄列1153a及び右図柄列1153cにオールマイティー図柄(A図柄)が停止表示されても、各オールマイティー図柄(A図柄)の停止時に消費処理が実行されるようになっており、リーチ態様は形成されず、上述した確変長当たり遊技は実行されない。
したがって、チャンス時A図柄消費処理では、A図柄数が0〜3でない場合(ステップS3447311におけるNO,ステップS3447313におけるNO)、すなわちA図柄数が4〜6の場合には、A図柄使用数を2としている(ステップS3447315)。また、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が1〜3の場合(図86(b)〜(d)参照)、左図柄列1153a中の「A(6)」図柄が消費される。したがって、チャンス時A図柄消費処理では、A図柄数が1〜3である場合(ステップS3447311におけるNO,ステップS3447313におけるYES)、すなわちA図柄数が1〜3の場合には、A図柄使用数を1としている(ステップS3447315)。なお、この場合は、「A」図柄が停止とともに元の図柄に変化し、リーチ態様を形成するオールマイティー図柄(A図柄)の機能は発揮されない。
このようなチャンス目の変動パターンによるオールマイティー図柄(A図柄)の消費数(最大で2個)から、図111および図112において、オールマイティー図柄(A図柄)の残数(図中の仮停止時A個数)は、最大で4となっている。
[特殊演出抽選処理]
図106の特殊演出抽選処理において、CPU664は、先ず、演出保留カウンタが1でないか否かを判別する(ステップS34431)。ここで、演出保留カウンタが1でないと判別されれば(ステップS34431におけるYES)、演出ポイントが6ポイントより大きく且つ10ポイント未満であるか否か、即ち、7ポイント以上且つ9ポイント以下であるか否かを判別する(ステップS34432)。なお、演出保留カウンタが1より大きければ演出ポイントが10ポイントであり、演出保留カウンタが0であれば演出ポイントが10未満である。
ステップS34432において、演出ポイントPが6ポイントより大きく且つ10ポイント未満であると判別されると(ステップS34432におけるYES)、特殊演出条件が成立しているか否かを判別する(ステップS34433)。一方、演出ポイントPが0ポイント〜6ポイントまでの範囲内であるとき(0ポイントおよび6ポイントを含む)、または、10ポイントであるとき(ステップS34432におけるNO)は、特殊演出条件が成立しているか否かを判別することなく特殊演出抽選処理を終了する。即ち、演出ポイントが10ポイントに至っていれば、当該10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留カウンタ713によるカウント(第2特別図柄保留数記憶手段874のよる第2特別図柄の保留)に基づく変動表示が行われるよりも先に行われる変動表示においては、特殊演出条件が成立しているか否かを判別することなく特殊演出抽選処理を終了する。これにより、当該10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留カウンタ713によるカウント(第2特別図柄保留数記憶手段874のよる第2特別図柄の保留)に基づく変動表示における特殊演出を無駄にすることなく、複数の変動表示に跨って、遊技者に期待感を与え続けることが可能となる。
なお、特殊演出条件とは、ステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターンであること、および、ステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターンであることに応じて行われる演出ポイントP貯留抽選に当選することである。本実施形態では、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が、長当たりである場合、または、外れではあるもののリーチとなる場合に、演出ポイントP貯留抽選を行う。具体的には、図107に示すように、変動番号11〜21,25〜28,32〜35,39〜42,76〜86の場合に、演出ポイントP貯留抽選を行う。このとき、演出ポイントP貯留抽選に当選する確率は、図107に示されるように、例えば2分の1に設定されている。
このように、演出ポイントが所定の閾値(本実施形態では7ポイント)以上であって且つステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターン(即ち、第1特別図柄画像表示制御手段851または第2特別図柄画像表示制御手段852によって表示される変動パターン)が特定の変動パターンであるときに、選択的に(即ち演出ポイントP貯留抽選に当選したときに)、特殊演出条件が成立する。よって、第2始動口392に遊技球が入賞することに基づいて演出ポイントが貯留され、当該貯留された演出ポイントが10ポイントに至ることよりも、特殊演出条件が成立して演出ポイントが10ポイントに至る頻度の方が少なくなる。
ステップS34433において特殊演出条件が成立すると(ステップS34433におけるYES)、演出ポイントP貯留処理を行う(ステップS34444)。
演出ポイントP貯留処理(ステップS34444)では、貯留後の演出ポイントPが上限の10ポイントになるように貯留処理される。即ち、貯留前の演出ポイントPが7ポイントであれば3ポイント貯留され、貯留前の演出ポイントPが8ポイントであれば2ポイント貯留され、貯留前の演出ポイントPが9ポイントであれば1ポイント貯留される。言い換えれば、先述の特殊演出条件を満たすと、演出ポイントPが所定の上限値(本実施形態では、10ポイント)に至るのに必要な数量が加算されて、貯留後の演出ポイントPは当該所定の上限値まで増加する。
そして、演出ポイント貯留処理(ステップS34444)が行われたのち、特殊第1演出フラグおよび特殊第2演出フラグをONにして(ステップS34445)、特殊演出抽選処理を終了する。
なお、ステップS34432において演出ポイントが7ポイント未満または10ポイントであると判別されたとき(ステップS34432におけるNO)、および、ステップS34433において特殊演出条件が不成立であると判別されたとき(ステップS34433におけるNO)、特殊演出抽選処理を終了する。
一方、ステップS34431において演出保留カウンタが1であると判別されたとき(ステップS34431におけるNO)、当該変動表示(即ち、これから開始される変動表示)が第2・第3始動口有効入賞に基づく変動であるか否かを判別する(ステップS34446)。ここで、当該変動表示が第2・第3始動口有効入賞に基づく変動であると判別すると(ステップS34446におけるYES)、特殊第2演出フラグをONする(ステップS34447)と共に、演出保留カウンタをリセットする(ステップS34448)。なお、ステップS34446において当該変動表示が第1始動口有効入賞に基づく変動であるときは(ステップS34446におけるNO)、特殊演出抽選処理を終了する。
このように、図106の特殊演出抽選処理では、演出保留カウンタが1である場合は(S34431におけるYES)、演出ポイントPが10ポイントまで貯留されているから、当該演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づき変動表示が行われるときは(S34446におけるYES)、特殊第2演出を行うためのフラグがONにセットされて演出保留カウンタがリセットされる(S34447およびS34448)。
一方、演出保留カウンタが0である場合(つまり、演出ポイントPが10ポイントまで貯留されていない場合)であっても(S34431におけるNO)、演出ポイントPが6ポイントより大きく且つ10ポイント未満であれば(S34432におけるYES)、第1・第2・第3有効入賞に基づいて特殊演出条件が成立する場合(すなわち、所定の長当たりやリーチに基づく変動表示がなされる場合)に(S34433におけるYES)、特殊第1演出および特殊第2演出を行うために演出ポイントPが上限値まで貯留されて特殊演出フラグがONにセットされる(S34444およびS34445)。
また、演出保留カウンタが2以上である場合(つまり、演出ポイントPが10ポイントまで貯留されているが、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞よりも先に第1・第2・第3有効入賞が保留されており、且つ、当該先に保留された有効入賞に基づく変動表示がまだ行われていない場合)であれば(S34431におけるYES)、演出ポイントPが10ポイントであるから(S34432におけるNO)、各特殊演出フラグはONにセットされることなくOFFのままとなる。そして、当該既に保留されている他の第1・第2・第3有効入賞の全てについて変動表示がなされると演出保留カウンタが1となり(S34431におけるNO)、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づく変動表示が行われるのに対応して、特殊第2演出がONにセットされる(S34436におけるYES〜S34448)。
言い換えれば、当該既に保留されている他の第1・第2・第3有効入賞の全てについて変動表示がなされるまで、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づく変動表示およびこれに対応する特殊第2演出の実行が留保(待機)される。そのため、先述のように演出ポイントPが10ポイントに達すると特殊第1演出が行われるところ(図94のS34287)、演出ポイントPが10ポイントまで貯留された時点で既に他の有効入賞が保留されている場合は、その保留されている他の有効入賞について全て変動表示(いわゆる、保留の消化)されるまで特殊第2演出が実行されないため、特殊第1演出の表示と特殊第2演出の表示とに時間差が発生することになる。これにより、先の保留が全て消化されるまでの間は複数の変動表示間に亘って特殊第1演出のみが表示されることになるため、遊技者はこの特殊第1演出によって演出ポイントPが上限値に達したことを余裕をもって正確に確認でき、また特殊第2演出が実行されるまでの間は期待感をもって遊技できるため、興趣の低下を抑制することができる。
さらに、第2・第3有効入賞に基づいて演出ポイントPが10ポイントまで貯留されたときに、既に他の第1・第2・第3有効入賞が保留されている場合は、当該先に保留された有効入賞に基づいて特殊演出条件が成立する場合(すなわち、所定の長当たりやリーチに基づく変動表示がなされる場合)であっても、演出ポイントPの貯留や特殊演出フラグのONセットは実行されない。そのため、先に保留された有効入賞が特殊演出条件を成立させるものであっても、特殊第2演出は当該先に保留された有効入賞に基づいて行われるのではなく、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づいて実行される。これにより、先の保留が全て消化されるまでの間は複数の変動表示間に亘って特殊第1演出のみが表示されることになるため、遊技者はこの特殊第1演出によって演出ポイントPが上限値に達したことを余裕をもって正確に確認でき、また特殊第2演出が実行されるまでの間は期待感をもって遊技できるため、興趣の低下を抑制することができる。
以上より、演出ポイントP貯留抽選に当選した場合には、当該演出ポイントP貯留抽選が行われる基となった有効入賞が第1始動口有効入賞または第2・第3始動口有効入賞に拘わらず特殊演出が行われる。一方、演出ポイントP貯留抽選が行わることなく演出ポイントPが10ポイントに達したことによって特殊演出が行われるときは、有効入賞が第2・第3始動口有効入賞であるときにのみ特殊演出が行われる。
しかも、特殊第1演出および特殊第2演出が行われるタイミングは、演出ポイントP貯留抽選に当選した場合には両演出が同一変動において表示されるのに対し、演出ポイントP貯留抽選が行わることなく演出ポイントPが10ポイントに達したことによって特殊演出が行われる場合には、演出ポイントPが10ポイントに達したときの第1特別図柄保留数記憶手段872および第2特別図柄保留数記憶手段874によって保留される保留数如何によって、両演出が同一変動において表示されるとは限らない。具体的には、演出ポイントPが10ポイントに達したときに特殊第1演出の表示が開始され、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づく変動表示が行われるときに特殊第2演出が開始される。
上述のように、本実施形態では、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることまたは演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じて演出ポイントPを貯留(加算)し、この演出ポイントPが上限値に達したときに特殊演出フラグ(特殊第1演出フラグおよび/または特殊第2演出フラグ)をONにしているが、これに限られない。例えば、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることまたは演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じてパズルを組み合わせていき、このパズルが完成したときに特殊演出フラグをセットするようにしてもよい。また、第2・第3始動口有効入賞フラグがセットされていることまたは演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じて複数ある所定のミッションを一つずつクリアしていき、当該所定のミッション全てをクリアしたときに特殊演出フラグをONするようにしてもよい。即ち、特殊演出フラグがセットされるための条件が設定されており、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることまたは演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じてこの条件をクリアする方向に近づいていく構成であればよい。
なお、本実施形態では、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果の導出は変動表示によって行い、この変動表示とは別個に特殊演出を別個に表示しているが、これに限られない。例えば、特殊演出によって、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出するようにしてもよい。
次に、演出表示装置115において演出ポイントPが貯留表示される態様について説明する。図108は、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることに応じて行われる演出ポイントPの貯留表示態様の一例を示す図である。図109は、演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じて行われる演出ポイントPの貯留表示態様の一例を示す図である。
演出表示装置115は、図108および図109に示されるように、演出ポイント表示領域1154を有している。演出ポイント表示領域1154には、10個の枠からなる演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント10表示部1154jが表示されており、演出ポイントPが貯留される毎に枠内の表示色が変化する。そのため、遊技者は演出ポイント表示領域1154を参照することで、演出ポイントPを貯留可能な最大値である達成上限と、現在貯留されている演出ポイントPの累計値である進捗状況との両方を同時に把握できるようになっている。例えば、演出ポイントPが0の場合は、図108(a)に示すように、10個の表示部1154a〜1154jの枠内が全て背景色と同じ色に表示されている(図面では便宜上、白色で表示している)。
この演出ポイント表示領域1154には、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞するのに応じて演出ポイントPが1ポイントずつ貯留表示されるが、第2特別図柄保留数記憶手段874の保留数およびその最大保留数(ここでは、4個)とは関係なく、演出ポイントPを表示部1154a〜1154jに表示可能な10個まで貯留表示可能である。
先ず、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることに応じて行われる演出ポイントPの貯留表示態様について、図108を参照しつつ説明する。図108(a)は、初期状態(即ち、保留数および演出ポイントPのいずれもが0である状態)を示している。
遊技球が第1始動口390に入賞すると、図108(b)に示されるように、第1の保留記憶表示部1150aが、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを示す第3の表示態様に表示される。一方、演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント10表示部1154jの枠内は全て表示色が維持される。これは、演出ポイントPが0に維持されることを示す。
遊技球が第2始動口392または第3始動口394に有効入賞すると、図108(c)に示されるように、保留表示領域1150では、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が加算されて第2の表示態様が表示されると共に、演出ポイント1表示部1154aの枠内の表示色が変化する。なお、演出ポイント2表示部1154b〜演出ポイント10表示部1154jの枠内の表示色は維持されたままである。これにより、遊技者は、演出ポイントPが1であることを把握できる。
このように、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞した場合には演出ポイントPが1ポイントずつ貯留され、貯留された演出ポイントPをインジケータで表示する。一方、遊技球が第1始動口390に入賞した場合には演出ポイントPは貯留されない。すなわち、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞した場合には、所定の特殊演出を表示させるための演出ポイントPが貯留されるように構成されている。そして、この貯留された演出ポイントPは、演出ポイント表示領域1154において遊技者が視認できるインジケータで、所定の達成上限に向けて近づく態様で貯留表示される。
そのため、遊技者は所定の特殊演出まで必要な残りのポイント数を確認することができ、また第2始動口392または第3始動口394に入賞したことを目で確認できる。つまり、遊技者が第2始動口392または第3始動口394へ遊技球を入賞させると、その入賞が当たり判定や変動表示などの内部処理の契機となるだけでなく、遊技者自らが遊技球を入賞させて貯留させた演出ポイントPを視覚的に把握可能であるため、遊技者の期待感や安心感を維持することができる。
さらに、第2始動口392または第3始動口394には第1始動口390よりも遊技球が入賞しにくいため(時短遊技状態を除く。)、これらの第2始動口392または第3始動口394に遊技球を入賞させた場合に、遊技者に対する特典として演出ポイントPが貯留されるようにしている。これにより、遊技球が入賞しにくい第2始動口392または第3始動口394に入賞した場合の期待感を向上させることができる。
なお、演出ポイント表示領域1154の表示は、始動口390、392、394への遊技球の入賞に応じて演出ポイントPの貯留状況(特殊演出が行われるための進捗状況)が、特殊演出が行われる所定の達成上限まで表示されればよい。そのため、第1始動口390に遊技球が入賞すると演出ポイントPが増加するようにしてもよいし、特別図柄保留数記憶手段872、874によって保留されなくても演出ポイントPが増加するようにしてもよい。
図108(d)は、演出ポイントPが9ポイントであることを示す図である。即ち、演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント9表示部1154iの枠内の表示色が変化しており、演出ポイント10表示部1154jのみ枠内の表示色が背景色と同じ色である。このとき、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に有効入賞すると、図108(e)に示すように、演出ポイント10表示部1154jの枠内の表示色が変化する。これにより、遊技者は、演出ポイントPが上限値である10ポイントに達したことを把握できる。また、保留表示領域1150では、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が貯留された態様で表示される。図108(e)では、第3の保留記憶表示部1150cが、第1の表示態様から第2の表示態様に変化する。
なお、演出ポイントPが10ポイントに達すると、演出ポイント表示領域1154の上方にキャラクタが出現する。そして、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留(図108(e)では第3の保留記憶表示部1101cに表示される保留)の変動表示が行われるまで、演出ポイント表示領域1154の上方でキャラクタが踊り続ける。また、演出ポイント表示領域1154の上方でキャラクタが踊り続けている間、演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント10表示部1154jの枠内の表示色が変化した表示態様となる。即ち、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留の変動表示が行われるまでの間、特殊演出が未だ表示されていないにも拘わらず、特殊演出が導出されるための導出進捗状況(即ち、演出ポイント数)の表示が継続される。換言すれば、演出ポイントPが10ポイントに至ったときに、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウンタ値が1以上であったとしても(即ち第2特別図柄保留数記憶手段874によって記憶されている第2特別図柄の保留数が1以上であったとしても)、演出ポイント数の表示が維持されつつ、当該カウンタ値(当該保留)に基づく変動表示が行われる。これにより、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留の変動表示が行われるまでの複数の変動表示に跨って、遊技者に期待感を与え続けることが可能となり、興趣の低下を抑制できる。
そして、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留の変動表示が開始されると、図108(f)に示すように、演出ポイント表示領域1154の上方で踊っていたキャラクタが演出表示装置115のほぼ中央部に移動して拡大表示される。このようなキャラクタによる一連の演出表示が、本実施形態の特殊演出に相当する。
なお、本実施形態では、演出ポイント表示領域1154の上方でキャラクタが踊り続ける態様が特殊第1演出に相当し、演出ポイント表示領域1154の上方で踊っていたキャラクタが演出表示装置115のほぼ中央部に拡大表示される態様が特殊第2演出に相当する。従って、特殊第1演出は、第2始動口392または第3始動口394への有効入賞によって演出ポイントPが10ポイントに達したときの保留数に拘わらずすぐに表示される。一方、特殊第2演出は、第2始動口392または第3始動口394への有効入賞によって演出ポイントPが10ポイントに達したときに当該第2始動口392または第3始動口394への有効入賞の他に有効入賞が保留されていれば、当該保留に基づく変動表示が終了したのちに表示されることとなる。
このように、第2始動口392または第3始動口394への有効入賞によって演出ポイントPが所定の上限値(ここでは、10ポイント)まで貯留されたときに、演出ポイントPが所定の達成上限に至ったことを教唆する特殊第1演出を表示するようにしたので、遊技者は特殊演出の特典を獲得したことを容易に把握することができ、遊技の興趣を維持することができる。さらに、演出ポイントPが所定の達成上限に至ったことに基づいて、抽選結果の導出に関する特殊な演出特典である特殊第2演出が行われるため、興趣の低下を抑制できる。
そして、特殊第1演出および特殊第2演出の両方が終了すると、即ち、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留の変動表示が終了すると、演出ポイントPがリセットされて0になると共に、演出ポイント表示領域1154に演出ポイントPが0である態様で表示される。
また、本実施形態では、大当たり遊技(より詳しくは長当たり遊技)が開始されたときにも演出ポイントPがリセットされ、当該大当たり遊技終了後には、演出ポイントPの貯留が0から開始される。これにより、大当たり遊技を契機として、遊技者は、新たな気持ちで遊技に臨むことが可能となる。また、大当たり遊技中は、第2始動口392に遊技球が入賞しても演出ポイントの貯留を行わないため、演出ポイントの貯留状況の表示も行わない。従って、大当たり遊技終了後に新たに表示される演出ポイントが0となるため、大当たり遊技終了後は遊技者が気分を一新して遊技を再スタートすることができる。
次に、演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じて行われる演出ポイントPの貯留表示態様について、図109を参照しつつ説明する。図109(a)は、演出ポイント表示領域1154に表示される演出ポイントPが7ポイントである状態を示している。すなわち、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に有効入賞し、第1の保留記憶表示部1150aが第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されていることを示す第2の表示態様に表示されるとともに、演出ポイント7表示部1154gの枠内の表示色が変化して演出ポイントPの加算表示が行われる。その結果、演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント7表示部1154gの枠内の表示色が変化しており、演出ポイント8表示部1154h〜演出ポイント10表示部1154jの枠内の表示色が背景色と同じ色となっている。
一方、図109(a)に示す状態で、第2特別図柄の始動記憶が消化されたのちに遊技球が第1始動口390に有効入賞すると、図109(b)に示されるように、保留表示領域1150では、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数(第1特別図柄保留数記憶手段872による保留数)が第1の保留記憶表示部1150aにおける第1の表示態様として表示される一方、演出ポイント表示領域1154における演出ポイントPの加算表示は行われない。なお、遊技球が第1始動口390に有効入賞すると、CPU664は主制御基板131から演出コマンドを受信して変動パターン受信フラグがONされるが(図91のステップS329を参照)、このとき、特殊演出条件が成立すれば、演出ポイントP貯留処理(図106のステップS34444参照)を行う。ここで、特殊演出条件とは、ステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターンであること、および、ステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターンであることに応じて行われる演出ポイントP貯留抽選に当選することである。なお、演出ポイントが所定の閾値(本実施形態では7ポイント)以上であって且つ達成上限値(10ポイント)未満であることは、特殊演出条件が成立するための前提条件である。
ここで、「所定の閾値以上」とは、第2始動口392にあと僅かに遊技球が入賞すれば、所定の達成上限値に至る程度の値を意味する。本実施形態では、達成上限値が10ポイントであるため、3球程度の遊技球が第2始動口392に入賞することによって達成上限値に至る値、即ち、7ポイントが所定の閾値となる。また、所定の達成上限が例えば100ポイントであるときは、3〜5球程度の遊技球が第2始動口392に入賞することによって達成上限に至る値、即ち、95〜97ポイント程度が所定の閾値となる。即ち、貯留されている演出ポイントと所定の達成上限との差があまりにも大きい場合には、遊技者は、所定の達成上限に至ることがないと思って遊技を行っているが、あと少しで所定の達成上限に至るというときであれば、第2始動口392に遊技球が入賞することに注意が惹かれ、遊技球の動向に興味が惹かれる。このとき、第2始動口392に1球が入賞したのみでは所定の達成上限に至らないと感じるのが常であるが、このようなときに演出ポイントが2ポイントや3ポイントといったまとめて貯留されることにより、遊技者に不意打ちとなる喜びを与え、これにより、大きな期待感を遊技者に与えることが可能となり、興趣の低下を抑制できる。
演出ポイントP貯留処理では、図109(c)に示されるように、演出ポイントP貯留処理が行われる基となった第1始動口390への入賞に基づく保留(本実施形態では図109(b)の第1の保留記憶表示部1150aに表示される保留が相当する)の変動表示を開始する際に、演出ポイントPが上限値である10ポイントに至るまで貯留表示されると共に、特殊第1演出が行われる。そして、この同じ変動表示において、図109(d)に示すように、特殊第1演出に引き続いて特殊第2演出が行われる。なお、演出ポイント表示領域1154における演出ポイントPの表示は、演出特典としての最終態様である特殊第2演出まで表示される。
このように、演出ポイントPが所定の上限値(ここでは、10ポイント)まで貯留されていないときであっても、演出ポイントPが所定値(ここでは、7ポイント)以上であって、且つ、特殊演出条件が成立する場合(すなわち、所定の長当たりやリーチに基づく変動表示がなされる場合)には、所定の特殊演出を表示させるための演出ポイントPが貯留されるように構成されている。言い換えれば、貯留された演出ポイントPと所定の上限値(ここでは、10ポイント)との差が2以上であっても、その差が3以下という微差の範囲内であれば、特殊演出条件が成立すれば演出ポイントPが貯留されることを意味する。そして、この貯留された演出ポイントPは、演出ポイント表示領域1154において遊技者が視認できるインジケータで、所定の達成上限に向けて近づく態様で貯留表示される。
そのため、遊技者は所定の特殊演出まで必要な残りのポイント数を確認することができ、また始動口390、392、394への遊技球の入賞に基づいて特殊演出条件が成立したことを目で確認できる。そして、演出ポイントPが所定の達成上限に至ったことを教唆する特殊第1演出と、抽選結果の導出に関する特殊な演出特典である特殊第2演出とが一連の特殊演出として表示される。よって、遊技者は演出ポイントPが所定の上限値まで貯留されていなくても一連の特殊演出(第1特殊演出および特殊第2演出)の特典を獲得する期待感を有することができるので、遊技の興趣を維持および向上させることができる。
なお、演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じて行われる演出ポイントP貯留処理について、本実施形態では、遊技球が第1始動口390に有効入賞したことに基づいて受信した演出コマンドが特定の変動パターンを示す演出コマンドであるときに演出ポイントP貯留抽選を行っているが、これに限られない。例えば、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に有効入賞したことに基づく演出コマンドが特定の変動パターンを示すコマンドであるときに、演出ポイントP貯留抽選を行うことなく常に演出ポイント貯留処理を行うようにしてもよい。
また、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が短当たりまたは小当たりであるとき、短当たり遊技または小当たり遊技が実行されたのちの遊技状態において演出用役物430による遊技球を用いた演出が行われる。この演出用役物430による遊技球を用いた演出は、短当たり遊技または小当たり遊技が終了したのち、すぐに行われるとは限らない。従って、短当たり遊技または小当たり遊技が終了してから演出用役物430による遊技球を用いた演出が行われるまでの間に、演出ポイントPが10ポイントになった場合、または、演出ポイントP貯留抽選に当選した場合であっても、特殊演出が行われる。
なお、上述のとおり、演出ポイントPが10ポイントに至ったとき、当該演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留数記憶手段874による保留に基づく変動表示が行われるまで、特殊演出の表示が保留される。
このように、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留数記憶手段874による保留に基づく変動表示は、演出保留カウント手段855により管理されている。詳述すると、演出ポイントPが10ポイントに至ったとき、このときに第2特別図柄保留数記憶手段874(図57参照)に記憶されている第2特別図柄の保留数を演出保留カウンタ値として記憶する。そして、第2特別図柄画像表示制御手段852(図57参照)による変動表示が行われる毎に、演出保留カウンタ値から1ずつ減算する。そして、演出保留カウンタ値が1になると、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留数記憶手段874によって記憶されている第2特別図柄の保留に基づく変動表示が行われると認識し、第2特殊演出の表示を行う。なお、第1特殊演出は、演出ポイントPが10ポイントに至ったときに行う。
[遊技演出態様について]
次に、本実施形態のパチンコ機1において実行される遊技演出態様(装飾図柄1153の変動態様を含む。)のうちで代表的なものを、図面を参照して説明する。なお、「遊技演出態様」とは、演出表示装置115による演出(装飾図柄1153の変動態様を含む。)、演出用役物430による演出、スピーカー18,57から出力される効果音等の音声、開閉装置397の開閉動作など、遊技状態に応じて実行される各種演出態様を含む概念である。
なお、「遊技演出態様」では、人物に模したキャラクタが楽曲を歌唱する演出(以下、キャラクタの歌唱演出)が実行されることがある。本実施形態では、特定の人物について髪形や服装などが異なる4つのキャラクタ(ここでは、第1のキャラクタ〜第4のキャラクタ)を有する。そして、「キャラクタの歌唱演出」では、演出表示装置115で第1〜第4のキャラクタに応じた歌唱動作を表す画像(動画を含む)が表示されるとともに、スピーカー18,57から各キャラクタに固有の楽曲(ここでは、楽曲A〜楽曲D)が音声出力される。
また、本実施形態における「楽曲」は、導入部(イントロ部)、前半部、後半部の3つのパートを含み、各パートを組み合わせた全体として一つの楽曲が構成される。具体的には、「導入部(イントロ部)」は楽曲の出だし部分の楽音であって、当該楽曲名や後続する楽音などを遊技者に想到させるものである。「前半部」は楽曲のイントロ部に後続する部分の楽音であって、少なくとも楽曲の主要部(所謂サビ部)の前半を含む。「後半部」は楽曲の前半部に後続する部分の楽音であって、少なくとも楽曲の主要部(所謂サビ部)の後半を含む。
なお、「楽曲」は、本実施形態では、導入部(イントロ部)と主要部(サビ部)とから構成されているが、導入部から曲の最後までの一連の曲であっても良い。また、「楽音」とは、楽曲の一部分を意味する。従って、導入部(イントロ部)のみ、前半部のみ、後半部のみは、いずれも楽音に相当する。また、楽音は、1フレーズに限られるものではなく、複数のフレーズであってもよい。
[通常変動態様について]
まず、本実施形態のパチンコ機1において、最も基本的な遊技演出態様である「通常変動態様」について説明する。この「通常変動態様」はリーチ発生まで特殊演出(例えば、後述のイントロ演出やチャンス目演出など)を行わずに抽選結果の当たりまたは外れを導出する態様であり、以下の「通常外れ」,「ノーマルリーチ外れ」,「ノーマル長当たり」の3パターンを含んでいる。
「通常外れ」は、図86を参照して説明したように、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cの各停止図柄が全く関連性のない異なる図柄で停止する演出態様(すなわち、リーチ演出を伴わない外れ変動)である。なお、上述のように、この「通常外れ」は、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動であるか,時短作動の有無,確変作動の有無,保留数によって、変動番号1〜10のいずれかの変動パターンが選択される(図80参照)。
「ノーマルリーチ外れ」は、図86および図87を参照して説明したように、左図柄列1153aの停止図柄と右図柄列1153cの停止図柄とが同じであって中図柄列1153bの停止図柄のみが異なる図柄で停止する演出態様(すなわち、リーチ演出を伴った外れ変動)である。なお、図86における「ノーマルリーチ外れ」は変動番号8,9の「ノーマル外れ」に基づく変動に相当し(図77参照)、図87における「ノーマルリーチ外れ」は変動番号73,74の「ノーマル外れ」に基づく変動に相当する(図79参照)。
「ノーマル長当たり」は、図86および図87を参照して説明したように、左図柄列1153a、右図柄列1153cおよび中図柄列1153bの全てが同じ図柄で停止する演出態様(すなわち、大当たり変動)である。なお、図86における「ノーマル長当たり」は、変動番号10の「ノーマル長当たり」に基づく変動に相当し(図70参照)、図87における「ノーマル長当たり」は、変動番号75の「ノーマル長当たり」に基づく変動に相当する(図72参照)。
なお、「ノーマルリーチ外れ」および「ノーマル長当たり」は、いずれも、全図柄列1153a〜1153cの変動表示が行われる全図柄変動期間と、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cが同じ図柄で停止し、中図柄1153bのみが変動するリーチ変動期間とから構成されている。また、「ノーマルリーチ外れ」および「ノーマル長当たり」に限らず、以下に説明するリーチが発生する変動表示においても、少なくとも全図柄変動期間と、リーチ変動期間とから構成されている。全図柄変動期間では、全図柄の変動表示が行われると共に所定の効果音がスピーカー18,57から出力される。リーチ変動期間は、全図柄変動期間を経たのちにリーチとなり、所定の楽曲の特定楽音(サビ部を含む特定の部分)がスピーカー18,57から出力される。
[ノーマル特殊態様について]
次に、本実施形態のパチンコ機1において、上記の「通常変動態様」でノーマルリーチが成立した場合(図86(D)または図87(C)参照)、当該ノーマルリーチの当たりへの期待感を促す特殊演出を伴う遊技演出態様である「ノーマル特殊態様」について、図110を参照して説明する。図110は、「ノーマル特殊態様」の実行時に演出表示装置で表示される態様を示す図である。すなわち、図110(A)が、ノーマルリーチ成立後に表示されるキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、図110(B)が、アンコール演出時の態様を示す図、図110(C)〜(F)が、アンコール演出後に表示されるキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、である。
図110(A)に示すように、ノーマルリーチの成立後、中図柄列1153bがスクロール変動するとともに、キャラクタの歌唱演出が実行される。すなわち、演出表示装置115では第1のキャラクタによる歌唱動作が表示され、その動作に合わせて当該キャラクタに固有の楽曲(ここでは、楽曲A)の前半部がスピーカー18,57から出力される。そして、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号11,76の「歌リーチA外れ(アンコール前)」に基づく変動に相当する(図77および図79参照)。一方、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄と同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「大当たり変動」であって、変動番号13,78の「歌リーチAノーマル長当たり」に基づく変動に相当する(図70および図72参照)。
一方、図110(B)に示すように、左右方向から閉じられるカーテンによって第1のキャラクタが当該カーテンの背後に隠されると、さらに、遊技者に対して演出選択スイッチ60の押下を促す表示がなされるとともに、手拍子を模した音声がスピーカー18,57から出力される。すなわち、カーテンの背後に隠された第1のキャラクタに対して、さらなる楽曲の歌唱をリクエストするアンコール演出が行われる。そして、演出選択スイッチ60が押下され、または所定時間の経過後に、以下の図110(C)〜(F)に示す演出のいずれかが表示される。なお、図110(C)〜(F)の演出が実行されずに、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号12,77の「歌リーチA外れ(アンコール後)」に基づく変動に相当する(図77および図79参照)。
図110(C)では、図110(B)においてカーテンの背後に隠された第1のキャラクタが再び表示され、その第1のキャラクタが歌唱する動作に合わせて楽曲Aの後半部がスピーカー18,57から出力される。そして、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号14,79の「歌リーチAロング外れ」に基づく変動に相当する(図77および図79参照)。一方、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄と同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「大当たり変動」であって、変動番号15,80の「歌リーチAロング長当たり」に基づく変動に相当する(図70および図72参照)。
図110(D)では、第1のキャラクタとは髪形や服装などが異なる第2のキャラクタが表示され、その第2のキャラクタが歌唱する動作に合わせて、当該キャラクタに固有の楽曲(ここでは、楽曲B)の後半部がスピーカー18,57から出力される。そして、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号16,81の「歌リーチB(歌リーチA経由)外れ」に基づく変動に相当する(図77および図79参照)。一方、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄と同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「大当たり変動」であって、変動番号17,82の「歌リーチB(歌リーチA経由)長当たり」に基づく変動に相当する(図70および図72参照)。
図110(E)では、第1および第2のキャラクタとは髪形や服装などが異なる第3のキャラクタが表示され、その第3のキャラクタが歌唱する動作に合わせて、当該キャラクタに固有の楽曲(ここでは、楽曲C)の後半部がスピーカー18,57から出力される。そして、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号18,83の「歌リーチC(歌リーチA経由)外れ」に基づく変動に相当する(図77および図79参照)。一方、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄と同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「大当たり変動」であって、変動番号19,84の「歌リーチC(歌リーチA経由)長当たり」に基づく変動に相当する(図70および図72参照)。
図110(F)では、第1〜第3のキャラクタとは髪形や服装などが異なる第4のキャラクタが表示され、その第4のキャラクタが歌唱する動作に合わせて、当該キャラクタに固有の楽曲(ここでは、楽曲D)の後半部がスピーカー18,57から出力される。そして、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号20,85の「歌リーチD(歌リーチA経由)外れ」に基づく変動に相当する(図77および図79参照)。一方、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄と同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「大当たり変動」であって、変動番号21,86の「歌リーチD(歌リーチA経由)長当たり」に基づく変動に相当する(図70および図72参照)。
このように、本実施形態の「ノーマル特殊態様」では、キャラクタの歌唱演出やアンコール演出などにより、ノーマルリーチへの期待感を向上させて興趣の低下を抑制することができる。
[イントロ特殊態様について]
次に、本実施形態のパチンコ機1において、図柄変動中においてリーチが発生するよりも前(即ち、全図柄変動期間)にキャラクタの歌唱演出を実行することでリーチへの期待感を促す特殊演出を伴う遊技演出態様である「イントロ特殊態様」について、図111〜図113を参照して説明する。本実施形態では、第2のキャラクタ(楽曲B)、第3のキャラクタ(楽曲C)および第4のキャラクタ(楽曲D)の各々について「イントロ特殊態様」が設けられている。
まず、第2のキャラクタ(楽曲B)の「イントロ特殊態様」について、図111を参照しつつ説明する。図111は、第2のキャラクタ(楽曲B)の「イントロ特殊態様」の実行時に、演出表示装置で表示される態様を示す図である。すなわち、図111(A)は、装飾図柄1153の変動開始前の態様を示す図、図111(B)が、リーチ前の装飾図柄1153の変動中の態様を示す図、図111(C)が、フラッシュライト演出時の態様を示す図、図111(D)が、リーチ前における第2のキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、図111(E)〜(F)が、リーチ後における第2のキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、である。
図111(B)に示すように、この「イントロ特殊態様」では、上述の「通常変動態様」と同様に、まず左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cのスクロール変動が開始され、当該スクロール変動中に演出表示装置115の表示画面が突然暗くなる。そして、図111(C)に示すように、閃光(フラッシュライト)を模した演出が表示された後、図111(D)に示すように、第2のキャラクタによる楽曲の歌唱動作が表示され、その歌唱動作に合わせて楽曲Bのうちで導入部(イントロ部)のみがスピーカー18,57から出力される。このように、「イントロ特殊態様」では、全図柄変動期間において出力される効果音に代えて、楽曲Bの導入部(イントロ部)が出力される。この第2のキャラクタによるイントロ部の歌唱演出(すなわち、イントロ演出)の後に、左図柄列1153aの停止図柄と右図柄列1153cの停止図柄とが異なる図柄で停止すれば(すなわち、リーチが発生しなければ)、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴わない外れ変動」であって、変動番号22の「歌リーチBイントロ外れ」に基づく変動に相当する(図77および図79参照)。
ただし、この楽曲Bの全図柄変動期間に行われるイントロ演出の後にリーチが発生しなかった場合(即ち、リーチ変動期間に移行しなかった場合)でも、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cがスクロール変動後に所定の関連性ある図柄で停止した場合には短当たりまたは小当たりに当選しているため、上述の短当たり遊技状態または小当たり遊技状態が発生する。これにより、全図柄変動期間において効果音に代えて楽曲Bの導入部(イントロ部)が出力された場合には、たとえリーチに至らなかったとしても、短当たりに当選している可能性があるので、遊技者の落胆を軽減することができ、興趣の低下を抑制できる。なお、この装飾図柄1153の変動が、変動番号23の「歌リーチBイントロ外れ(短当たり)」または変動番号24の「歌リーチBイントロ外れ(小当たり)」に基づく変動に相当する(図75参照)。
一方、図111(E)に示すように、イントロ演出の後に左図柄列1153aの停止図柄と右図柄列1153cの停止図柄とが同じになれば(すなわち、リーチ変動期間に移行すれば)、常に、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選において当選している期待値がノーマルリーチよりも相対的に高いリーチ(以下、「スーパーリーチ」と称する。)が発生する。これにより、全図柄変動期間においてイントロ演出が行われたとき(即ち、効果音に代えて楽曲の導入部(イントロ部)が出力されたとき)、この全図柄変動期間を経たのちにリーチ変動期間に至ると、常に、ノーマルリーチよりも期待値が高いスーパーリーチが導出されるので、遊技者は、リーチ変動期間に移行することを願って遊技を行うこととなり、興趣の低下を抑制できる。また、イントロ演出が行われると、全図柄変動期間においても効果音に代えて楽曲の導入部(イントロ部)が出力されるので、図柄の変動を単に視認するしかなかった全図柄変動期間においても、リーチ変動期間に移行するかどうかといった楽しみが増え、興趣の低下を抑制できる。
なお、スーパーリーチは、ノーマルリーチを経由して行われる。従って、スーパーリーチが行われるときは、ノーマルリーチが行われたのちにスーパーリーチに移行するので、ノーマルリーチのみが行われる場合よりも、リーチ変動期間が長くなっている。
なお、「期待値」とは、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果(以下、この段落において単に「抽選結果」と称する)が外れの場合に選択される確率と、当たりの場合に選択される確率とから導出されるものであって、期待値が高いと、当選している期待感が高くなる。具体的には、例えば、リーチ態様としてリーチ態様Aとリーチ態様Bとがあるとき、抽選結果が外れの場合にリーチAおよびリーチBが選択される確率がいずれも2分の1であって、抽選結果が当たりの場合にリーチAおよびリーチBが選択される確率が、それぞれ、10分の9および10分の1であるとき、リーチAの方がリーチBよりも期待値が高くなる。また、抽選結果が外れの場合にリーチAおよびリーチBが選択される確率が、それぞれ、10分の9および10分の1であって、抽選結果が当たりの場合にリーチAおよびリーチBが選択される確率がいずれも2分の1であるとき、リーチBの方がリーチAよりも期待値が高くなる。
そして、全図柄変動期間において行われたイントロ演出の後にリーチ変動期間に移行すると、第2のキャラクタによる歌唱動作に合わせて楽曲Bの前半部がスピーカー18,57から出力される。ここで、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号25の「歌リーチB前半外れ」に基づく変動に相当する(図77および図79参照)。一方、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄と同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「大当たり変動」であって、変動番号26の「歌リーチB後半長当たり」に基づく変動に相当する(図70および図72参照)。
さらに、図111(E)に示す第2のキャラクタの歌唱演出(楽曲Bの前半部)で抽選結果が導出されない場合は、図111(F)に示すように、第2のキャラクタによる歌唱動作に合わせて楽曲Bの後半部がスピーカー18,57から出力される。そして、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号27の「歌リーチB後半外れ」に基づく変動に相当する(図77および図79参照)。一方、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄と同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「大当たり変動」であって、変動番号28の「歌リーチB後半長当たり」に基づく変動に相当する(図70および図72参照)。
次に、第3のキャラクタ(楽曲C)の「イントロ特殊態様」について、図112を参照しつつ説明する。図112は、第3のキャラクタ(楽曲C)の「イントロ特殊態様」の実行時に、演出表示装置で表示される態様を示す図である。すなわち、図112(A)は、装飾図柄1153の変動開始前の態様を示す図、図112(B)が、リーチ前の装飾図柄1153の変動中の態様を示す図、図112(C)が、フラッシュライト演出時の態様を示す図、図112(D)が、リーチ前における第3のキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、図112(E)〜(F)が、リーチ後における第3のキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、である。
第3のキャラクタ(楽曲C)の「イントロ特殊態様」の流れ(図112(A)〜(F)参照)は、第2のキャラクタ(楽曲B)の「イントロ特殊態様」の流れ(図111(A)〜(F)参照)と基本的に同じである。すなわち、この「イントロ特殊態様」では、図112(B)に示すように、演出表示装置115では装飾図柄1153のスクロール変動中に表示画面が突然暗くなり、図112(C)に示すように、閃光(フラッシュライト)を模した演出が表示される。その後、図112(D)に示すように、第3のキャラクタによる楽曲の歌唱動作が表示され、その歌唱動作に合わせて楽曲Cのうちで導入部(イントロ)のみがスピーカー18,57から出力される。そして、図112(E)に示すように、イントロ演出の後にリーチが発生すれば、第3のキャラクタによる歌唱動作に合わせて楽曲Cの前半部がスピーカー18,57から出力される。さらに、第3のキャラクタの歌唱演出(楽曲Cの前半部)で抽選結果が導出されない場合は、図112(F)に示すように、第3のキャラクタによる歌唱動作に合わせて楽曲Cの後半部がスピーカー18,57から出力される。
そのため、第3のキャラクタ(楽曲C)の「イントロ特殊態様」についての各変動コマンド(変動番号29〜35)も、第2のキャラクタ(楽曲B)の「イントロ特殊態様」についての各変動コマンド(変動番号22〜28)と同様である。ただし、先述のフラッシュライト演出は、その後にキャラクタが歌唱演出する楽曲に応じて表示態様が異なるため、図111(C)と図112(C)とでは異なる態様で表示される。また、第3のキャラクタの歌唱演出(図112(D)〜(F)参照)は、第2のキャラクタの歌唱演出(図111(D)〜(F)参照)とは異なる演出画像や効果音などで実行される。
次に、第4のキャラクタ(楽曲D)の「イントロ特殊態様」について、図113を参照しつつ説明する。図113は、第4のキャラクタ(楽曲D)の「イントロ特殊態様」の実行時に、演出表示装置で表示される態様を示す図である。すなわち、図113(A)は、装飾図柄1153の変動開始前の態様を示す図、図113(B)が、リーチ前の装飾図柄1153の変動中の態様を示す図、図113(C)が、フラッシュライト演出時の態様を示す図、図113(D)が、リーチ前における第4のキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、図113(E)〜(F)が、リーチ後における第4のキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、である。
第4のキャラクタ(楽曲D)の「イントロ特殊態様」の流れ(図113(A)〜(F)参照)も、第2のキャラクタ(楽曲B)の「イントロ特殊態様」の流れ(図111(A)〜(F)参照)と基本的に同じである。すなわち、この「イントロ特殊態様」では、図113(B)に示すように、演出表示装置115では装飾図柄1153のスクロール変動中に表示画面が突然暗くなり、図113(C)に示すように、閃光(フラッシュライト)を模した演出が表示される。その後、図113(D)に示すように、第4のキャラクタによる楽曲の歌唱動作が表示され、その歌唱動作に合わせて楽曲Dのうちで導入部(イントロ)のみがスピーカー18,57から出力される。そして、図113(E)に示すように、イントロ演出の後にリーチが発生すれば、第4のキャラクタが歌唱する動作に合わせて楽曲Dの前半部がスピーカー18,57から出力される。さらに、第4のキャラクタの歌唱演出(楽曲Dの前半部)で抽選結果が導出されない場合は、図113(F)に示すように、第4のキャラクタが歌唱する動作に合わせて楽曲Dの後半部がスピーカー18,57から出力される。
そのため、第4のキャラクタ(楽曲D)の「イントロ特殊態様」についての各変動コマンド(変動番号36〜42)も、第2のキャラクタ(楽曲B)の「イントロ特殊態様」についての各変動コマンド(変動番号22〜28)と同様である。ただし、先述のフラッシュライト演出は、その後にキャラクタが歌唱演出する楽曲に応じて表示態様が異なるため、図111(C)と図113(C)とでは異なる態様で表示される。また、第4のキャラクタの歌唱演出(図113(D)〜(F)参照)は、第2のキャラクタの歌唱演出(図111(D)〜(F)参照)および第3のキャラクタの歌唱演出(図112(D)〜(F)参照)とは異なる演出画像や効果音などで実行される。
このように、本実施形態の「イントロ特殊態様」では、図柄変動中においてリーチが発生するよりも前(即ち、全図柄変動期間)に、キャラクタの歌唱動作が表示されるとともに楽曲の導入部(イントロ部)が出力される。そして、このイントロ演出によってリーチが成立すると、当該楽曲におけるイントロ部の続き(前半部や後半部)がキャラクタの歌唱動作とともに出力される。なお、このとき、ノーマルリーチを経由せずにいきなりスーパーリーチが表示される。即ち、全図柄変動期間において出力された楽曲におけるイントロ部の続き(前半部や後半部)がキャラクタの歌唱動作とともに出力されるリーチ態様がスーパーリーチに相当する。このように、いきなりスーパーリーチが表示されることによって遊技者に驚きを与えることができ、興趣の低下を抑制できる。
また、全図柄変動期間においてイントロ演出が行われる場合(即ち、所定の効果音に代えて楽曲の導入部(イントロ部)が出力された場合)、全図柄変動期間における所定の効果音に代えてリーチ変動期間に出力される特定楽音(サビ部)と同一の楽曲であって且つこの特定楽音(サビ部)とは異なる部分(イントロ部)を含む一般楽音が出力されるので、全図柄変動期間において楽曲のイントロ部が出力された場合には、ノーマルリーチよりも期待値が高いリーチ態様が導出される期待感が高まり、興趣の低下を抑制できる。
また、リーチ変動期間において出力される楽音は、楽曲のなかで最も盛り上がるサビ部のフレーズを含んでいる。これにより、演出表示装置115における演出表示とスピーカー18,57から出力される楽音との組み合わせにより、遊技者の気分を高揚させることができ、興趣の低下を抑制できる。
また、全図柄変動期間において所定の効果音に代えて出力される一般楽音は、リーチ変動期間において出力される楽曲にかかるフレーズを含む楽音なので、リーチ変動期間に移行したときに何の楽曲が出力されるかを遊技者に想起させることができ、興趣の低下を抑制できる。
しかも、全図柄変動期間において所定の効果音に代えて出力される一般楽音は、リーチ変動期間において出力される楽曲の導入部(イントロ部)にかかるフレーズを含む楽音なので、リーチ変動期間に移行したとすれば何の楽曲が出力されるかを予想させる「イントロクイズ」のような面白みを遊技者に与えることができるので、全図柄変動期間における興趣の低下を抑制できる。
[チャンス目特殊態様について]
次に、本実施形態のパチンコ機1において、小当たりまたは短当たりを導出するとともに、遊技者に有利である可能性が高いモードへの移行を演出する特殊演出を伴う遊技演出態様である「チャンス目特殊態様」について、図114を参照して説明する。図114は、「チャンス目特殊態様」の実行時に演出表示装置で表示される態様を示す図である。すなわち、図114(A)は、装飾図柄1153が小当たりまたは短当たりを表す態様を示す図、図114(B)は、装飾図柄1153の一部がオールマイティー図柄(A図柄)に変化する態様を示す図、図114(C)が、演出用開閉装置398が開放されることを導出する態様を示す図、図114(D)〜(E)が、モード移行チャンス時の態様を示す図、図114(F)〜(G)が、第1モードの態様を示す図、図114(H)〜(I)が、第2モードの態様を示す図、である。
なお、以下の「チャンス目特殊態様」は、変動番号43の「チャンス目(短当たり)」または変動番号44の「チャンス目(小当たり)」に基づく変動時に実行される。
図114(A)に示すように、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止表示し、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止表示し、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止すると、当該装飾図柄1153は短当たりまたは小当たりを導出するものである。そして、図123(B)に示すように、装飾図柄1153は再びスクロール変動を開始し、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの一部がオールマイティー図柄(A図柄)に変化する。詳しくは、装飾図柄1153のスクロール変動に並行して、左図柄列1153aの「歌」図柄→右図柄列1153cの「歌」図柄→左図柄列1153aの「姫」図柄→右図柄列1153cの「姫」図柄→左図柄列1153aの「伝説」図柄→右図柄列1153cの「伝説」図柄という順序で設定された個数分(本実施形態では、2〜6個)だけ装飾図柄1153がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される。
ここで、オールマイティー図柄(A図柄)について繰り返し説明する。装飾図柄1153の一部がオールマイティー図柄(A図柄)に変化した後の変動において、左図柄列1153aの停止図柄および右図柄列1153cの停止図柄のいずれか一方がオールマイティー図柄(A図柄)となる場合は、必ずリーチが発生するように制御される。また、左図柄列1153aの停止図柄および右図柄列1153cの停止図柄の双方がオールマイティー図柄(A図柄)となる場合は、必ず長当たりが発生するように制御される。そのため、図114(B)において、オールマイティー図柄(A図柄)に変化する装飾図柄1153の数量が多いほど、遊技者のリーチまたは当たりに対する期待感が高まり、興趣の低下を抑制することができる。
また、オールマイティー図柄(A図柄)の数量は、演出表示装置115における左下部分に表示されており(図114(B)参照)、当該オールマイティー図柄(A図柄)がリーチ発生の契機となるごとに(すなわち、停止図柄となるごとに)変化前の通常図柄に戻るとともに、オールマイティー図柄(A図柄)の数量が減算される。そのため、遊技者はオールマイティー図柄(A図柄)の残量を容易に把握できるので、遊技の興趣の低下を抑制することができる。なお、本実施形態では、装飾図柄1153(詳細には、左図柄列1153aおよび右図柄列1153c)のうち、最大6個までオールマイティー図柄(A図柄)に変化可能となっている。従来、装飾図柄をオールマイティー図柄に変更するものはあったが、あくまでも、ある図柄列の装飾図柄全てがオールマイティー図柄に変更される構成であった。これは、例えばリーチ態様の形成される当該変動でのみ、オールマイティー図柄を利用した演出を行うためである。本実施形態のように以降の複数の変動に渡ってオールマイティー図柄(A図柄)を使用する場合、図柄列の全てをオールマイティー図柄(A図柄)に変更すると、リーチ演出を頻繁に行う必要が生じると共に、過度の期待を遊技者に与えてしまうことになりかねない。そこで、本実施形態では、最大でも6個の装飾図柄1153をオールマイティー図柄(A図柄)に変更するようにしたことにより、オールマイティー図柄(A図柄)を使用しない外れを演出することが可能となり、制御負荷が軽減される。また、遊技者に過度の期待を与えることなく、遊技の適正を図ることができる。
そして、図114(B)に示す装飾図柄1153の変動停止後、短当たり遊技状態または小当たり遊技状態が実行される。すなわち、図114(C)に示すように、演出用開閉装置398に向けて遊技球を射出することを促す演出(例えば、「上を狙ってね!」)が表示される。それとともに、先述のように、「短当たり」または「小当たり」として演出用開閉装置398の開閉動作が2回実行される。演出用開閉装置398に入賞した遊技球の一つは、後述の演出用役物430による演出が行われるまで振分機構438によって保持される。
ここで、短当たりまたは小当たりによる演出用開閉装置398への入賞態様について、図115および図116を参照しつつ説明する。図115は、演出用開閉装置に入賞する前の演出表示装置および演出用役物の正面図であり、図116は、演出用開閉装置に入賞した後の演出表示装置および演出用役物の正面図である。
図115に示すように、短当たりまたは小当たりの実行前では、演出用開閉装置398に遊技球が入賞していない状態であるため、振分機構438に遊技球は保持されていない。なお、先述のように、演出用開閉装置398から遊技球が誘導される役物誘導路436は透明部材で構成されているため、パチンコ機1の正面側(すなわち、遊技者側)からは、振分機構438に遊技球が保持されていないことを視認可能である。
一方、図116に示すように、短当たりまたは小当たりの実行により演出用開閉装置398に遊技球が入賞すると、振分機構438により当該遊技球が保持される。そして、パチンコ機1の正面側(すなわち、遊技者側)からは、役物誘導路436において遊技球が転動する態様を視認でき、また、振分機構438に遊技球が保持されていることを視認可能となっている。そして、振分機構438に遊技球が保持された後の変動からは、振分機構438に遊技球が保持されていること(言い換えれば、後述のモード移行チャンスが発動される可能性があること)を遊技者に教唆する演出(具体的には、図116に示す「CHANCE」)が、演出表示装置115に表示される。
図114に戻り、振分機構438に遊技球が保持されたのを契機として、モード移行チャンス(本実施形態では、「歌姫チャンス」)を実行するか否かの抽選が行われる。そして、モード移行チャンスを実行することが決定された場合は、以下の演出用役物430による演出を伴うモード移行チャンスが実行される。なお、本実施形態のモード移行チャンスは、必ずしも次変動によって実行されるわけではなく、上記抽選により選択された回数分の保留変動の実行後に発動される。一方、モード移行チャンスを実行しないことが決定された場合は、モード移行チャンスは実行されないため、演出用役物430による演出も実行されない。
ここで、モード移行チャンスについて説明する。遊技者は演出用役物430の開閉動作のみでは小当たりまたは短当たりのいずれに該当するかを判断できないところ、本実施形態における「モード移行チャンス」によって、短当たりによって確変遊技状態に移行したか(言い換えれば、小当たりによって通常遊技状態のままか)を、ある程度判断できるようにして遊技者の期待感を向上させている。
まず、モード移行チャンスが発動されると、図114(D)に示すように、モード移行チャンスの発動を導出する演出が表示される。そして、図114(E)に示すように、後述の演出用役物430による演出とともに、複数のモードのうちでいずれのモードに移行するかを抽選する演出が表示される。本実施形態では、移行先の複数のモードとして、確変遊技状態である可能性が高い第1モード(本実施形態では、「歌姫モード」)と、第1モードよりも確変遊技状態である可能性が高い第2のモード(本実施形態では、「SUPER歌姫モード」)とを有する。また、このモード移行チャンスでは、モードが移行せずに通常遊技状態である場合(本実施の形態では、「外れ」)が選択される場合もあるが、ここでは「第1モード」と「第2のモード」のいずれかをモード移行先として抽選する場合を例示して説明する。
ここで、モード移行チャンスに実行される演出用役物430によるモード抽選演出について、図117を参照しつつ説明する。図117は、モード抽選演出時の演出表示装置および演出用役物の正面図である。図117に示すように、演出用役物430によるモード抽選演出では、演出用役物430が回転駆動されて役物回転体432の内部に配置されたフィギュア434が正面側(すなわち、遊技者側)に向けられ、振分機構438に保持された遊技球が第1演出樋470に導かれる。そして、第1演出樋470が第1の演出口476に向けて下方に傾斜した態様(図54(a)参照)と、第1演出樋470が第2演出樋誘導口478に向けて下方に傾斜した態様(図54(b)参照))とが繰り返されて、当該遊技球が第1演出樋470上を左右方向に転動する演出動作が行われる。なお、本実施形態においては、遊技球を左右方向に転動させるにあたって、第1演出樋470の傾斜態様(例えば傾き度合い)を変えることにより、遊技球の入賞する演出口476,480を、入賞以前にも示唆可能な構成となっている。これにより、後述する抽選結果を抽選途中においてもある程度は示唆することができ、モード抽選演出が単調となることがない。その結果、モード抽選演出の興趣を向上させることができる。
そして、図117に示すように、図114(E)の演出画面に表示された「第1モード」(歌姫モード)の矢印は第1の演出口476を指しており、「第2モード」(SUPER歌姫モード)の矢印は第2の演出口480を指している。そのため、第1演出樋470が第1の演出口476に向けて傾斜して遊技球が第1の演出口476に入賞すると、モード移行先として「第1モード」が選択される。一方、第1演出樋470が第2演出樋誘導口478に向けて傾斜して、遊技球が第2演出樋472上を転動して第2の演出口480に入賞すると、モード移行先として「第2モード」が選択される。
図114に戻り、演出用役物430のモード抽選演出により「第1モード」が選択されると、図114(F)に示すように、「第1モード」に移行したことを導出する演出が表示される。図114(G)に示すように、「第1モード」では、演出表示装置115に表示される背景演出が通常モード(図86等参照)とは異なっており、以降はかかる表示状態のもとで装飾図柄1153のスクロール変動が実行される。よって、確変遊技状態である可能性が高い「第1モード」を実行することで、遊技者に当たりへの期待感を向上させることができる。
一方、演出用役物430のモード抽選演出により「第2モード」が選択されると、図114(H)に示すように、「第2モード」に移行したことを導出する演出が表示される。図114(I)に示すように、「第2モード」では、演出表示装置115に表示される背景演出が通常モードおよび「第1モード」とは異なっており、以降はかかる表示状態のもとで装飾図柄1153のスクロール変動が実行される。よって、確変遊技状態である可能性がより高い「第2モード」を実行することで、遊技者に当たりへの期待感を向上させることができる。
なお、上述したように、振分機構438に遊技球が保持されたのを契機として、モード移行チャンス(本実施形態では、「歌姫チャンス」)を実行するか否かの抽選が行われるのであるが、振分機構438に遊技球が保持されない場合にも、「第1モード」または「第2モード」への移行抽選が行われる。そして、「第1モード」または「第2モード」への移行が決定された後、次変動から変動パターンに基づく実行抽選が行われる。そして、この実行抽選における当選によってはじめて、「第1モード」または「第2モード」へ移行させられるようになっている。ただし、振分機構438に遊技球が保持されない場合は、保持された場合と比べて、「第1モード」または「第2モード」へ移行する確率が低くなっている。
このように、本実施形態の「チャンス目特殊態様」では、小当たりまたは短当たりが導出されるのみならず、オールマイティー図柄(A図柄)による演出や演出用役物430のモード抽選演出が行われるため、当たりやモード移行への期待感を向上させて興趣の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、遊技領域37に向けて遊技者が自ら打ち込んだ遊技球が演出用開閉装置398に受け入れられ、この受け入れられた遊技球を用いてフィギュア434によるモード移行の演出が行われる。これにより、第一種の遊技機でありながらも、第二種の遊技機のような感覚(即ち、自ら打ち込んだ遊技球を用いて遊技結果が決まる感覚)で遊技を行うことができるので、ひいては興趣の低下を抑制できる。
なお、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止表示し、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止表示し、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止した後、装飾図柄1153が再びスクロールして、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの一部がオールマイティー図柄(A図柄)に変化することは既に述べた。このオールマイティー図柄(A図柄)への置換を演出する変動において、上記「チャンス目特殊態様」では、装飾図柄1153が所定の図柄(本実施形態では「1」,「3」,「2」)で停止表示される。これに対し、本実施形態には、オールマイティー図柄(A図柄)への置換を演出する変動において、装飾図柄1153が所定の確変大当たり図柄(本実施形態では「1」,「1」,「1」)で停止表示される態様が含まれる。この態様は、変動番号45の「チャンス目(確変長当たり)」に基づく変動時に実行される。この場合、オールマイティー図柄(A図柄)への置換は実質的に意味をなさないものとなるが、いきなり確変長当たりが導出されるため、遊技者に驚きを与え、遊技者を歓喜させることが可能となる。結果として、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、移行先のモードが予め決定されるようになっている。そして、予め決定されたモードへの移行を、遊技球によりあたかも抽選されているかのごとく見せかけるのが、上記モード移行チャンスである。そこで次に、モード移行チャンスにおける具体的な処理について説明する。
[移行先のモードの決定]
移行先となるモードは、図118(a)及び(b)に示すモード移行先抽選テーブルを参照することで決定される。モード移行先抽選テーブルは、小当たりに対応する小当たり時モード移行先抽選テーブル(図118(a)参照)と、短当たりに対応する短当たり時モード移行先抽選テーブル(図118(b)参照)とが用意されている。各モード移行先抽選テーブルには、「遊技状態」、「現在のモード」、及び「モード移行先」が示されている。「遊技状態」は、短当たり又は小当たりに当選する前の遊技状態を示している。この遊技状態には、低確率、低確率(UP)、高確率の3つの状態がある。高確率は、時短制御が行われない内部的な確率変動状態(確変状態)である。低確率は、確率変動状態でない通常状態(非確変状態)である。低確率(UP)は、通常状態であって、かつ、長当たり後の変動回数が所定範囲(本実施形態では、200〜299,400〜499,600〜699)にある場合である。「現在のモード」は、小当たり又は短当たりの当選時に滞在しているモードを示している。そして、「モード移行先」には、「通常モード」、「「第1モード」(本実施形態では歌姫モード)」、「「第2モード」(本実施形態ではSUPER歌姫モード)」、及び、「「ライブモード」(後述する確変モード)」が用意されており、遊技状態と現在のモードに対応させて、移行先の割り振りが行われ、移行先のモードが決定されるようになっている。例えば、小当たり時モード移行先抽選テーブルでは(図118(a)参照)、その上段に示すように、「通常モード」滞在中に低確率状態から小当たりとなった場合、100分の60の確率で移行先のモードが「通常モード」と決定される(移行しない)。また、100分の35の確率で移行先のモードが「第1モード」に決定され、100分の5の確率で移行先のモードが「第2モード」に決定される。この場合は、移行先のモードが「ライブモード」に決定されることはない。
このように、本実施形態では、短当たりと小当たりとで異なるテーブルを参照し、さらに、短当たり遊技又は小当たり遊技の実行前の遊技状態に基づいて、移行先のモードを決定する(図118(a),図118(b))。これにより、短当たりや小当たりによる遊技状態の変化に応じた移行先のモードを、適切にかつ容易に決定することができる。そして、実行後に以前の遊技状態にかかわらず高確率状態に制御される短当たりにおいては、移行先のモードとして、「第1モード」や「第2モード」が選択される確率が、「通常モード」が選択される確率よりも高くなっている。したがって、「第1モード」や「第2モード」への移行により、高確率状態への遊技状態の変化を推測することが可能となり、遊技者の当たりへの期待感を向上させることができる。
また、本実施形態では、移行先のモードとして、「通常モード」以外に、「第1モード」、「第2モード」、および「ライブモード」を用意している。これにより、モード移行が単調なものとならず、遊技の興趣の低下を抑制することができる。また、「第1モード」は高確率状態である可能性が「通常モード」と比べて高なっており、「第2モード」は高確率状態である可能性が「第1モード」よりも高くなっている。これにより、モード移行による遊技者の期待度を変えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらにまた、本実施形態では、短当たり時又は小当たり時のモード(現在のモード)に基づいて、移行先のモードを決定している(図118(a),図118(b)参照)。これにより、チャンス目の出現時においては、「第2モード」滞在中の「第1モード」移行や、「第1モード」滞在中の「通常モード」移行といったモードの転落がなく、遊技者をがっかりさせることがない。
また、本実施形態では、通常状態であって、かつ、長当たり後の変動回数が所定範囲にある場合(低確率(UP))、変動回数が所定範囲にない場合と比べて、移行先として決定されるモードの振り分けが異なっている(図118(a),図118(b)参照)。具体的には、低確率(UP)では、小当たり時においては、「通常モード」滞在中に100分の80という高確率でモードの移行が行われない(すなわち移行先のモードが「通常モード」に決定される)のに対し(図118(a)参照)、短当たり時においては、ほぼ「第1モード」又は「第2モード」へ移行するようになっている。詳しくは、100分の55の確率で移行先のモードが「第1モード」に決定され、100分の40の確率で移行先のモードが「第2モード」に決定される(図118(b)参照)。これにより、変動回数が所定範囲にある場合、低確率状態からのモード移行があれば、短当たりである可能性が極めて高くなる。その結果、変動回数が所定範囲にある場合のモード移行によって、遊技者の当たりへの期待感をより向上させることができ、遊技者をハラハラ、ドキドキさせることができる。
このように移行先のモードが決定された後、実際のモード移行は、所定条件の成立を待って行われる。上述したように、振分機構438に遊技球が保持されている場合、モード移行チャンス(本実施形態では、「歌姫チャンス」)の実行を契機として、モード移行が行われる。一方、振分機構438に遊技球が保持されていない場合、所定条件の成立時に突然、モード移行が行われる。そこで次に、モード移行条件について説明する。
[モード移行条件(遊技球が保持されている場合)]
振分機構438に遊技球が保持されている場合、必ず、上記モード移行チャンスが実行される。そして、モード移行チャンスを実行するか否かは、変動パターンおよび発動条件としての発動確率によって判定される。
本実施形態では、主制御基板131のROM604から所定の変動パターンが送出され、かつ、発動条件を満たしたときに、モード移行チャンスが実行されるようになっている。具体的には、表3に示すように、変動番号8〜21の変動パターンが記憶された場合にはモード移行チャンスが実行される可能性があり、変動番号22〜72の変動パターンが記憶された場合にはモード移行チャンスが実行される可能性がない。そして、変動番号8〜21の変動パターンによる変動表示に差し替えて、モード移行チャンスを実行するようになっている。また、変動番号8〜21の変動パターンが記憶された場合でも、即座にモード移行チャンスが実行されるわけではなく、表4に示すように、最初(1回目)に変動番号8〜21の変動パターンが記憶されると、5分の2の確率でモード移行チャンスが実行される。1回目にモード移行チャンスが実行されなかった場合、次(2回目)に、変動番号8〜21の変動パターンが記憶されると、2分の1の確率でモード移行チャンスが実行される。同様に、2回目にモード移行チャンスが実行されなかった場合、次(3回目)に、変動番号8〜21の変動パターンが記憶されると、3分の2の確率でモード移行チャンスが実行される。3回目にモード移行チャンスが実行されなかった場合、次(4回目)に、変動番号8〜21の変動パターンが記憶されると、1の確率で(必ず)モード移行チャンスが実行される。
このように、本実施形態では、所定の変動パターン(すなわち変動番号8〜21の変動パターン)が主制御基板131のROM604から送出された場合に、モード移行チャンスが実行されるようになっている。そして、変動パターンによる変動表示に差し替えてモード移行チャンスを実行する。かかる構成により、モード移行チャンスで実行される演出用役物430によるモード抽選演出は、変動パターンに基づく変動時間に合わせて実行される。これにより、上記所定の変動パターンを予め適切に選択しておけば、モード抽選演出の時間を十分に確保することができ、興趣の高い、また、遊技者にとって分かり易いモード抽選演出を実行することができる。また、上記所定の変動パターンを予め適切に選択しておけば、例えば遊技者にとって期待度の高い変動表示がモード抽選演出に差し替えられることがなく、モード抽選演出の実行が却って遊技の興趣を低下させてしまうという事態を回避できる。さらに、変動パターンによる変動表示に差し替えることで、モード抽選演出の制御を比較的容易に実現することができる。
また、本実施形態では、変動番号8〜21の変動パターンが記憶された場合でも、モード移行チャンスが即座に実行されるわけではなく、表4に示した発動確率で、モード移行チャンスが実行される。これにより、変動パターンによりモード移行チャンスの実行が判定されることと相俟って、モード移行チャンスの実行タイミングが不確定なものとなる。その結果、例えば短当たりや小当たりの終了後に即座にあるいは所定回数の変動後にモード移行を行う構成と比べ、遊技の興趣を向上させることができる。また、表4に示した発動確率により実行するか否かを判定するため、実行判定処理が比較的簡単なものとなる。
さらにまた、本実施形態では、変動番号8〜21の変動パターンの記憶でモード移行チャンスが実行される場合、表4に示したように、最初(1回目)は5分の2の確率となっており、2回目は2分の1の確率となっており、3回目は3分の2の確率となっている。すなわち、変動番号8〜21の変動パターンが記憶される度に、発動確率が徐々に高くなっている。これにより、モード移行チャンスの実行される確率が段階的に高くなっていくため、モード移行チャンスの実行遅延による遊技の興趣の低下を抑制することができる。しかも、表4に示したように、4回目は発動確率が1となっており必ず実行されるため、モード移行チャンスの実行遅延を確実に防止することができる。
[モード移行条件(遊技球が保持されていない場合)]
振分機構438に遊技球が保持されていない場合、上記モード移行チャンスは実行されないが、あるタイミングでモード移行が行われる場合がある。モード移行を実行するか否かは、移行先のモード、変動パターン、及び突入条件としての突入確率によって判定される。
本実施形態では、決定された移行先のモードに基づいてモード移行を実行するか否かを決定する。そして、実行が決定された場合でも即座にモード移行が行われるわけではなく、さらに、主制御基板131のROM604から所定の変動パターンが送出され、かつ、突入条件を満たしたときに、モード移行が実行されるようになっている。具体的には、表5に示すように、決定された移行先のモードが「第1モード」である場合には、2分の1の確率で実行が決定される。そして、その後に繰り返される変動表示においてリーチ変動を示す変動パターンが記憶されると、2分の1の確率で、モード移行を実行する。一方、表5に示すように、決定された移行先のモードが「第2モード」である場合には、必ず実行が決定される。そして、その後に繰り返される変動表示においてリーチ変動を示す変動パターンが記憶されると、10分の9の確率で、モード移行を実行する。なお、各場合において、リーチ変動を示す変動パターンが3回記憶されるうちにモード移行が実行されない場合、たとえモード移行の実行が決定されているときであっても、モード移行は実行されない。
このように、本実施形態では、最初に、移行先のモードに対応する実行条件に基づいて、モード移行を実行するか否かを決定する(表5参照)。これにより、移行先のモードが「第1モード」であるか「第2モード」であるかによってモード移行の実行が左右されることになり、遊技の興趣の向上に寄与する。さらに、モード移行を実行することが決定されても即座にモード移行が実行されるわけではない。具体的には、表5に示したように、所定の変動パターン(すなわちリーチ変動を示す変動パターン)が主制御基板131のROM604から送出された場合、移行先のモードに対応する突入確率で、モード移行が実行される。これにより、変動パターンによりモード移行の実行が判定されることと相俟って、モード移行の実行タイミングが不確定なものとなる。その結果、例えば短当たりや小当たりの終了後に即座にあるいは所定回数の変動後にモード移行を行う構成と比べ、モード移行が突然実行されたように見えるため、遊技者に驚きと大当たりへの期待を生じさせることができる。また、表5に示した突入確率によりモード移行を実行するか否かを判定する。したがって、実行判定処理が比較的簡単なものとなる。
また、本実施形態では、モード移行の実行が決定された場合であっても、リーチ変動を示す変動パターンの記憶回数が上限回数(本実施形態では3回)に達すると、モード移行の不実行を確定する。これによって、モード移行の実行が必要以上に遅延することを確実に防止することができる。
[モード移行条件(モード移行チャンスの実行で「外れ」となった場合)]
振分機構438に遊技球が保持されている場合に上記モード移行チャンスが必ず実行されることは既に述べたが、モード移行チャンスの実行によって必ずモード移行が実行されるとは限らない。つまり、モード移行チャンスにおいてモードが移行せず通常遊技状態(「通常モード」)に制御される場合(本実施の形態では、「外れ」)がある。このとき、その後、あるタイミングでモード移行が突然実行されることがある。モード移行を実行するか否かは、遊技状態、変動パターン、及び突入条件としての突入確率によって判定される。
本実施形態では、モード移行チャンスにおいてモード移行が行われず通常モードとなった場合、遊技状態が低確率状態であるか高確率状態であるかに基づいて、モード移行を実行するか否かを決定する。そして、実行が決定された場合でも即座に実行されるわけではなく、さらに、主制御基板131のROM604から所定の変動パターンが送出され、かつ、突入条件を満たしたときに、モード移行が実行されるようになっている。具体的には、表6に示すように、遊技状態が低確率状態である場合、モード移行は実行されない。これは、遊技者に過度の期待を持たせることを防止するためである。一方、遊技状態が高確率状態である場合には、2分の1の確率でモード移行の実行が決定される。そして、その後に繰り返される変動表示においてリーチ変動を示す変動パターンが記憶されると、10分の9の確率で、モード移行を実行する。なお、リーチ変動を示す変動パターンが2回記憶されるうちにモード移行が実行されない場合、たとえモード移行の実行が決定されているときであっても、モード移行は実行されない。
このように、本実施形態では、最初に、遊技状態に対応する実行条件に基づいて、モード移行を実行するか否かを決定する(表6参照)。これにより、遊技状態によってモード移行の実行が左右されることになり、低確率状態にあってはモード移行を実行しないことで、遊技者に過度の期待を抱かせることを防止できる。そして、その後、表6に示したように、所定の変動パターン(すなわちリーチ変動を示す変動パターン)が主制御基板131のROM604から送出された場合、予め定められた突入確率(本実施形態では10分の9)で、モード移行が実行される。これにより、変動パターンによりモード移行の実行が判定されることと相俟って、モード移行の実行タイミングが不確定なものとなる。その結果、モード移行チャンスでモード移行が行われなかった場合であっても、その後、モード移行が突然実行されたように見えるため、遊技者に驚きと大当たりへの期待を生じさせることができる。また、表6に示した突入確率によりモード移行を実行するか否かを判定する。したがって、実行判定処理が比較的簡単なものとなる。
また、本実施形態では、モード移行の実行が決定された場合であっても、リーチ変動を示す変動パターンの記憶回数が上限回数(本実施形態では2回)に達すると、モード移行の不実行を確定する。これによって、モード移行の実行が必要以上に遅延することを確実に防止することができる。
[モード転落について]
上述したモード移行が行われると、その後、モード転落抽選が行われる。そして、モード転落抽選に当選した場合には、第1モード又は第2モードから通常モードへ戻るようになっている。具体的に、本実施形態では、変動数による転落、第1特別図柄のリーチ回数による転落、および、第2特別図柄のリーチ回数による転落が存在する。
[変動数による転落]
変動数による転落では、第1モード又は第2モードへの突入時からの変動数によって抽選が行われる。具体的には、突入後、変動回数が上限回数(本実施形態では50回)となると、転落抽選に当選したものとしている。
[第1特別図柄のリーチ回数による転落]
第1特別図柄のリーチ回数による転落は、第1モード又は第2モードへの突入後、所定回数の変動(本実施形態では15回)を経て、抽選される。具体的には、所定回数の変動後における第1特別図柄のリーチ回数に応じ、次の表7に示す確率で転落抽選が行われる。この場合、通常遊技状態(低確率)では、確変遊技状態(高確率)よりも転落しやすくなっている。また、第1モードでは、第2モードよりも転落しやすくなっている。なお、第1特別図柄のリーチ回数が上限回数(本実施形態では4回)に達すると、必ず転落するようになっている。
[第2特別図柄のリーチ回数による転落]
第2特別図柄のリーチ回数による転落は、第1モード又は第2モードへの突入後、所定回数の変動(本実施形態では15回)を経て、抽選される。具体的には、所定回数の変動後における第2特別図柄のリーチ回数に応じ、次の表8に示す確率で転落抽選が行われる。この場合も、通常遊技状態(低確率)では、確変遊技状態(高確率)よりも転落しやすくなっている。また、第1モードでは、第2モードよりも転落しやすくなっている。なお、第2特別図柄のリーチ回数が上限回数(本実施形態では10回)に達すると、必ず転落するようになっている。
本実施形態では、このような転落抽選により、モード演出(第1モード又は第2モードの演出)が長期間に渡って実行されることを抑制でき、遊技者に過度の期待をさせることがない。また、上述したように、第1特別図柄のリーチ回数、および、第2特別図柄のリーチ回数を用いた転落抽選を行っている。すなわち、リーチ態様を形成する変動パターンが送出されると、表7、表8に示した確率で終了条件の成立が判定される。これにより、第1モード又は第2モードの終了タイミング(通常モードへの転落タイミング)を不確定なものとすることができ、遊技の興趣を向上させることに寄与する。
また、本実施形態では、表7、表8に示したように、低確率抽選遊技状態(低確率)では、高確率抽選遊技状態(高確率)よりも転落確率が高くなっている。これにより、低確率抽選遊技状態であるにもかかわらずモード演出が長期間に渡って実行されることを抑制でき、遊技者に過度の期待を抱かせることを確実に抑制できる。
さらにまた、本実施形態では、表7、表8に示したように、転落確率が、変動パターンの送出回数に応じて徐々に高くなるよう設定されている。特に、変動パターンの送出回数が上限回数に達すると、転落確率が1とされている。これにより、モード演出が長期間に渡って実行されることを確実に抑制できるとともに、ある程度は当該モード演出が継続されるため、モード演出の興趣の向上に寄与する。
[長当たり演出態様について]
次に、本実施形態のパチンコ機1における長当たり遊技を演出する特殊演出を伴う遊技演出態様である「長当たり演出態様」について、図119を参照して説明する。図119は、「長当たり演出態様」の実行時に演出表示装置で表示される態様を示す図である。すなわち、図119(A)は、長当たりを導出する態様を示す図、図119(B)〜(E)が、長当たり遊技中の態様を示す図、図119(F)〜(H)が、長当たり遊技終了後のモード抽選時の態様を示す図、図119(I)〜(J)が、長当たり遊技終了後の態様を示す図、である。
まず、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cが同一の停止図柄となると(すなわち、大当たり変動が終了すると)、図119(A)に示すように、長当たり遊技の開始を導出する演出が表示され、以下、開閉装置397の開閉動作が15ラウンド実行され、それに伴って演出表示装置115の演出画像(キャラクタを含む。)やスピーカー18,57の音声(楽曲を含む。)による当たり演出が行われる。そして、図119(B)に示すように、演出用開閉装置398に向けて遊技球を射出することを促す演出(例えば、上方向に向いた矢印画像)が表示されるとともに、演出用開閉装置398の開閉動作が2ラウンド行われる。次に、図119(C)に示すように、大当たり遊技用開閉装置400に向けて遊技球を射出することを促す演出(例えば、下方向に向いた矢印画像)が表示されるとともに、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作が12ラウンドに亘って行われる。
ここで、装飾図柄1153の停止図柄は、長当たり遊技後に後述する時短モード(プライベートモード)に移行する通常長当たりを告知する図柄(所謂、通常図柄)である場合と、長当たり遊技後に後述する確変モード(ライブモード)に移行する確変長当たりを告知する図柄(所謂、確変図柄)である場合と、が存在する。そして、装飾図柄1153の停止図柄が「通常図柄」である場合(すなわち、抽選結果が通常長当たりである場合と、抽選結果が確変長当たりであって、かつ、装飾図柄1153の停止図柄が「通常図柄」である場合)は、以下の図119(D)〜(I)に示すようなモード抽選演出が実行される。なお、装飾図柄1153の停止図柄が「確変図柄」である場合(すなわち、抽選結果が確変長当たりであって、かつ、装飾図柄1153の停止図柄が「確変図柄」である場合)は、長当たり遊技の終了後はモード抽選演出を行わずに後述する確変モード(ライブモード)に移行する(図119(I)参照)。
装飾図柄1153の停止図柄が「通常図柄」である場合、本実施形態では14ラウンド目に、図119(D)に示すように、演出表示装置115に複数のキャラクタ(ここでは、第2〜第4のキャラクタ)が選択可能に表示され、遊技者が演出選択スイッチ60を押下することで任意のキャラクタを選択できるようになっている。そして、図119(D)の演出画面で選択されたキャラクタに対応して、後述する長当たり後モード抽選演出が実行される。
最後に、図119(E)に示すように、演出用開閉装置398に向けて遊技球を射出することを促す演出(例えば、上方向に向いた矢印画像)が表示されるとともに、演出用開閉装置398の開閉動作が1ラウンドのみ行われる。以上により、計15ラウンドの長当たり遊技が終了する。そして、長当たり遊技の終了に際して、図119(D)の演出画面で選択されたキャラクタに応じて各々異なる長当たり後モード抽選演出が実行される。
具体的には、第2のキャラクタが選択された場合は、図119(F)に示す長当たり後モード抽選演出(プレート演出)が実行される。このプレート演出では、第2のキャラクタが移動しながらモード移行先を表した複数のパネルを順に指定していき、第2のキャラクタが停止して最後に指定したパネルに表されたモードに移行する。また、第3のキャラクタが選択された場合は、図119(G)に示す長当たり後モード抽選演出(一発告知演出)が実行される。この一発告知演出では、第3のキャラクタの動作に合わせて移行先のモードのみが表示され、当該モードに移行する。また、第4のキャラクタが選択された場合は、図119(H)に示す長当たり後モード抽選演出(役物抽選演出)が実行されるが、この役物抽選演出の詳細は後述する。
そして、本実施形態における長当たり遊技の終了後は、図119(F)〜(H)の長当たり後モード抽選演出によって、当該長当たりが「確変時短付長当たり」であれば、図119(I)に示すように、確変遊技状態および時短遊技状態の両方が発生する確変モード(ライブモード)に移行する。一方、当該長当たりが「通常長当たり」であれば、図119(J)に示すように、長当たり遊技の終了後に時短遊技状態のみが発生する時短モード(プライベートモード)に移行する。
ここで、長当たり後モード抽選演出(役物抽選演出)について、図120を参照しつつ説明する。図120は、長当たり後モード抽選演出(役物抽選演出)時の演出表示装置および演出用役物の正面図である。この役物抽選演出では、15ラウンド目の演出用開閉装置398の開閉動作によって振分機構438に保持された遊技球を用いて、演出用役物430によるモード抽選演出が行われる。
すなわち、図119(D)の演出画面で第4のキャラクタが選択されると、図116と同様に、15ラウンド目に演出用開閉装置398へ遊技球が入賞すると振分機構438により当該遊技球が保持される。なお、振分機構438により遊技球が保持されると、それ以降に演出用開閉装置398に入賞した遊技球は、振分機構438により遊技盤5の背後に排出される。そして、パチンコ機1の正面側(すなわち、遊技者側)からは、役物誘導路436において遊技球が転動する態様を視認でき、また、振分機構438に遊技球が保持されていることを視認可能である。なお、1〜2ラウンド目の演出用開閉装置398の開閉動作では、遊技球が入賞しても振分機構438は当該遊技球を保持せずに遊技盤5の背後に排出する。これは、演出用役物430によるモード抽選演出を、あくまで遊技者がその直前(すなわち、15ラウンド目)に演出用開閉装置398へ入賞させた遊技球を用いて実行するためである。これにより、遊技者はモード抽選演出に用いられる遊技球が自ら入賞させたものであることを確実に把握できるため、興趣の低下を抑制することができる。なお、15ラウンド目に演出用開閉装置398へ遊技球が入賞しなかった場合は、演出用役物430によるモード抽選演出を行うための遊技球が確保できないため、他のモード抽選演出(先述のプレート演出等)が実行される。
従って、第一種の遊技機でありながらも、第二種の遊技機のように、自ら打ち込んだ遊技球を用いて遊技結果が決まる感覚で遊技を行うことができるので、興趣の低下を抑制できる。
また、図119(D)の演出画面で第2または第3のキャラクタが選択された場合は演出用役物430による演出は行われないため、15ラウンド目に演出用開閉装置398へ遊技球が入賞しても、振分機構438に当該遊技球は保持されない。また、第4のキャラクタが選択されると演出用役物430による演出が必ず実行されるため、振分機構438に遊技球が保持されていることを導出する演出(具体的には、図116に示す「CHANCE」)は表示されない。
そして、図120に示すように、演出用役物430によるモード抽選演出では、演出用役物430が回転駆動されて、役物回転体432の内部に配置されたフィギュア434が正面側(すなわち、遊技者側)に向けられる。そして、振分機構438に保持された遊技球が第1演出樋470に導かれる。そして、第1演出樋470が第1の演出口476に向けて下方に傾斜した態様(図54(a)参照)と、第1演出樋470が第2演出樋誘導口478に向けて下方に傾斜した態様(図54(b)参照)とが繰り返されて、当該遊技球が第1演出樋470上を左右方向に転動する演出動作が行われる。
ここで、図120に示すように、図119(H)の演出画面に表示された「時短モード」(プライベートモード)の矢印は第1の演出口476を指しており、「確変モード」(ライブモード)の矢印は第2の演出口480を指している。そのため、第1演出樋470が第1の演出口476に向けて傾斜して遊技球が第1の演出口476に入賞すると、モード移行先として「時短モード」が選択される。一方、第1演出樋470が第2演出樋誘導口478に向けて傾斜して、遊技球が第2演出樋472上を転動して第2の演出口480に入賞すると、モード移行先として「確変モード」が選択される。
図119に戻り、演出用役物430のモード抽選演出により「確変モード」が選択されると、図119(I)に示すように「確変モード」に移行する。「確変モード」では、次回の大当たりまで確変遊技状態および時短遊技状態が実行され、演出表示装置115に表示される演出画像の背景が通常モードおよび「時短モード」とは異なっている。よって、遊技者にとってきわめて有利な遊技状態である「確変モード」を実行することで、遊技者に当たりへの期待感を向上させることができる。
一方、演出用役物430のモード抽選演出により「時短モード」が選択されると、図119(J)に示すように「時短モード」に移行する。「時短モード」では、所定回数(ここでは、100回)の変動がなされるまで時短遊技状態が実行され、演出表示装置115に表示される演出画像の背景が通常モードとは異なっている。よって、遊技者にとって有利な遊技状態である「時短モード」を実行することで、遊技者に当たりへの期待感を向上させることができる。
このように、本実施形態の「長当たり演出態様」では、長当たり遊技が各種の画像や音声などで演出されるのみならず、長当たり後モード抽選演出の態様を遊技者が任意に選択できるので、遊技の興趣の低下を抑制することができる。特に、長当たり後モード抽選演出(役物抽選演出)では、長当たり遊技終了直前(すなわち、15ラウンド目)に演出用開閉装置398へ入賞した遊技球を使用して演出用役物430による演出が行われるため、長当たり遊技の発生前に「通常長当たり」が告知されても、長当たり遊技の終了後に遊技者に有利な「確変モード」に移行する期待感を維持して、興趣の低下を抑制することができる。
[確変遊技演出態様について]
次に、本実施形態のパチンコ機1における確変遊技を演出する特殊演出を伴う遊技演出態様である「確変遊技演出態様」について、図121〜図123を参照して説明する。本実施形態では、長当たり遊技後の確変遊技状態において、以下に説明するような第2〜第4のキャラクタ(楽曲B〜楽曲D)の歌唱演出(すなわち、確変遊技演出態様)が、次の長当たりの導出に至るまで実行される。以下では、各キャラクタ(楽曲)ごとの「確変遊技演出態様」について説明する。
まず、第2のキャラクタ(楽曲B)の「確変遊技演出態様」について、図121を参照しつつ説明する。図121は、第2のキャラクタ(楽曲B)の「確変遊技演出態様」の実行時に演出表示装置で表示される態様を示す図である。すなわち、図121(A)は、確変遊技を導出する態様を示す図、図121(B)〜(H)が、確変遊技中の態様を示す図である。
図121(A)に示すように、長当たり遊技が終了した後に「確変モード」へ移行し(即ち、確変遊技状態に移行し)、変動番号46〜54の変動コマンドのいずれかが選択された場合は、以下の第2のキャラクタ(楽曲B)の歌唱演出が当該変動コマンドに基いて実行される。すなわち、図121(B)〜(E)に示すように、4枚の扉が左右方向から順に閉まっていく演出(すなわち、最大4回の扉演出)が行われるとともに、それに応じて楽曲Bの各パーツがキャラクタの歌唱演出とともに出力される。ここで、この楽曲Bは連続する5つのパーツ(第1パーツ〜第5パーツ)から構成されており、先頭の第1パーツはいわゆる楽曲Bの前奏である(他の楽曲C,Dについても同様)。なお、確変遊技状態では、通常遊技状態のように、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が複数の図柄列によってリーチ演出を行うのではなく(形式的には、抽選結果が導出されるまで変動表示を行っている)、キャラクタによる歌唱演出そのものがリーチ演出となる。
詳細には、第2のキャラクタ(楽曲B)の歌唱演出の開始から1枚目の扉が閉まるまで、先頭の第1パーツがキャラクタの歌唱演出とともに出力される(図121(B)参照)。第2のキャラクタが閉まっていく1枚目の扉の正面側に抜け出す演出がなされれば、当該キャラクタの歌唱演出が継続して2枚目の扉が閉まるまで次の第2パーツが出力される(図121(C)参照)。第2のキャラクタが閉まっていく2枚目の扉の正面側に抜け出す演出がなされれば、当該キャラクタの歌唱演出が継続して3枚目の扉が閉まるまで次の第3パーツが出力される(図121(D)参照)。第2のキャラクタが閉まっていく3枚目の扉の正面側に抜け出す演出がなされれば、当該キャラクタの歌唱演出が継続されて4枚目の扉が閉まるまで次の第4パーツが出力される(図121(E)参照)。最後に、第2のキャラクタが閉まっていく4枚目の扉の正面側に抜け出す演出がなされれば、当該キャラクタの歌唱演出が継続して最終パーツ(第5パーツ)が出力される(図121(G)参照)。つまり、第2のキャラクタが閉まっていく扉の正面側に順次抜け出すことができれば、当該キャラクタの歌唱演出が継続して楽曲Bにおける続き部分がスピーカー18,57から出力される。一方、図121(F)に示すように、第2のキャラクタが閉まっていく扉の背面側に隠蔽されると、当該キャラクタの歌唱演出が終了して楽曲Bの出力も中断される。このように、扉演出によって第2のキャラクタの歌唱演出が中断されて外れとなる場合が、変動番号46の「歌リーチB扉n枚目外れ」に基づく変動に相当する。
なお、「n枚目」とは、確変遊技演出態様では上述のように最大4回まで扉演出が連続して行われるところ、何番目(n番目)の扉演出で当該変動が確定されるかを示す。以下についても同様である。
そして、図121(G)に示すように、第2のキャラクタが4枚の扉のいずれにも隠蔽されずに歌唱演出が継続すると、当該キャラクタに対応する楽曲B全体が中断されずに出力されたことになる。これにより、図121(H)に示すように、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cが全て同じ停止図柄となる大当たり変動が実行されるとともに、第2のキャラクタが大当たりを導出する所定のポーズをとる演出が行われる。以降は、先述と同様に、長当たり遊技および長当たり演出態様が実行される。
このように、第2のキャラクタによる楽曲Bの歌唱演出が完遂されて当たりとなる場合が、変動番号51の「歌リーチB完走長当たり」に基づく変動に相当する。なお、扉演出によって楽曲Bの歌唱演出が中断されても、第2のキャラクタの歌唱演出が復活して当たりとなる場合がある。これが、変動番号52〜54の「歌リーチB扉n枚目復活長当たり」に基づく変動に相当する。また、扉演出によって楽曲Bの歌唱演出が中断されたが小当たりまたは短当たりに当選する場合が、変動番号47〜48の「歌リーチB扉n枚目短当たり」および変動番号49〜50の「歌リーチB扉n枚目小当たり」に基づく変動に相当する。
次に、第3のキャラクタ(楽曲C)の「確変遊技演出態様」について、図122を参照しつつ説明する。図122は、第3のキャラクタ(楽曲C)の「確変遊技演出態様」の実行時に演出表示装置で表示される態様を示す図である。すなわち、図122(A)は、確変遊技を導出する態様を示す図、図122(B)〜(H)が、確変遊技中の態様を示す図である。
第3のキャラクタ(楽曲C)の「確変遊技演出態様」の流れ(図122(A)〜(H)参照)は、第2のキャラクタ(楽曲B)の「確変遊技演出態様」の流れ(図121(A)〜(H)参照)と基本的に同じである。図122(A)に示すように、長当たり遊技が終了した後に「確変モード」へ移行し、変動番号55〜63の変動コマンドのいずれかが選択された場合は、以下の第3のキャラクタ(楽曲C)の歌唱演出が当該変動コマンドに基いて実行される。すなわち、図122(B)〜(E)に示すように最大4回の扉演出が行われ、第3のキャラクタが閉まっていく扉の正面側に順次抜け出すことができれば、当該キャラクタの歌唱演出が継続して楽曲Cの続きがスピーカー18,57から出力される。一方、図122(F)に示すように、第3のキャラクタが閉まっていく扉の背面側に隠蔽されると、当該キャラクタの歌唱演出が終了して楽曲Cの出力も中断される。そして、図122(G)に示すように、第3のキャラクタが4枚の扉のいずれにも隠蔽されずに歌唱演出が継続すると、当該キャラクタに対応する楽曲C全体が中断されずに出力されたことになる。これにより、図122(H)に示すように大当たり変動が実行されるとともに、第3のキャラクタが大当たりを導出する所定のポーズをとる演出が行われ、以降は長当たり遊技および長当たり演出態様が実行される。
そのため、第3のキャラクタ(楽曲C)の「確変遊技演出態様」についての各変動コマンド(変動番号55〜63)も、第2のキャラクタ(楽曲B)の「確変遊技演出態様」についての各変動コマンド(変動番号46〜54)と同様である。ただし、第3のキャラクタの歌唱演出(図122(B)〜(G)参照)は、第2のキャラクタの歌唱演出(図121(B)〜(G)参照)とは異なる演出画像や効果音などで実行される。
次に、第4のキャラクタ(楽曲D)の「確変遊技演出態様」について、図132を参照しつつ説明する。図123は、第4のキャラクタ(楽曲D)の「確変遊技演出態様」の実行時に演出表示装置で表示される態様を示す図である。すなわち、図123(A)は、確変遊技を導出する態様を示す図、図123(B)〜(H)が、確変遊技中の態様を示す図である。
第4のキャラクタ(楽曲D)の「確変遊技演出態様」の流れ(図123(A)〜(H)参照)は、第2のキャラクタ(楽曲B)の「確変遊技演出態様」の流れ(図121(A)〜(H)参照)と基本的に同じである。図123(A)に示すように、長当たり遊技が終了した後に「確変モード」へ移行し、変動番号64〜72の変動コマンドのいずれかが選択された場合は、以下の第4のキャラクタ(楽曲D)の歌唱演出が当該変動コマンドに基いて実行される。すなわち、図123(B)〜(E)に示すように最大4回の扉演出が行われ、第4のキャラクタが閉まっていく扉の正面側に抜け出すことができれば、当該キャラクタの歌唱演出が継続して楽曲Dの続きがスピーカー18,57から出力される。一方、図123(F)に示すように、第4のキャラクタが閉まっていく扉の背面側に隠蔽されると、当該キャラクタの歌唱演出が終了して楽曲Dの出力も中断される。そして、図123(G)に示すように、第4のキャラクタが4枚の扉のいずれにも隠蔽されずに歌唱演出が継続すると、当該キャラクタに対応する楽曲D全体が中断されずに出力されたことになる。これにより、図123(H)に示すように大当たり変動が実行されるとともに、第4のキャラクタが大当たりを導出する所定のポーズをとる演出が行われ、以降は長当たり遊技および長当たり演出態様が実行される。
そのため、第4のキャラクタ(楽曲D)の「確変遊技演出態様」についての各変動コマンド(変動番号64〜72)も、第2のキャラクタ(楽曲B)の「確変遊技演出態様」についての各変動コマンド(変動番号46〜54)と同様である。ただし、第4のキャラクタの歌唱演出(図123(B)〜(G)参照)は、第2のキャラクタの歌唱演出(図121(B)〜(G)参照)および第3のキャラクタの歌唱演出(図122(B)〜(G)参照)とは異なる演出画像や効果音などで実行される。
このように、本実施形態の「確変遊技演出態様」では、確率変動遊技がキャラクタの歌唱演出および扉演出によって演出されるのみならず、キャラクタの歌唱演出(すなわち、楽曲の出力)が継続すればするほど当たりへの期待感が向上するため、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、従来のように複数の図柄列によってリーチ演出を行うことなく、キャラクタの歌唱演出および扉演出によって(即ち、演出表示装置115における画像演出およびスピーカー18,57による音声出力によって)、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選に当選している期待感を遊技者に抱かせるリーチ演出を行っている。本来、演出表示装置115における画像演出は、複数の図柄列によるリーチ態様を盛り上げるために行われるものであるが、本実施形態のように、複数の図柄列によってリーチ演出を行うことなく画像演出およびスピーカー18,57による音声出力のみでリーチ演出を行うことによって、遊技者は、図柄列の変動表示に注意を払うことなくキャラクタによる歌唱に聞き入ることができるので、興趣の低下を抑制できる。
ところで、上述の実施形態においては、第1始動口390に遊技球が入賞した場合に行われる抽選の結果と、第2始動口392または第3始動口394に入賞した場合に行われる抽選の結果とが同じであるが、これに限られない。
例えば、始動口を、不利付けされた遊技に対応させる第1始動口390と、有利付けされた遊技に対応させる第2始動口392および/または第3始動口394とに区別した上で、予め定められた一の抽選確率にて大当たり判定が行われるそれら第1始動口390と第2始動口392または/および第3始動口394とに対し、大当たり判定されたことを契機に付与され得る遊技球数の期待値に高低を付ける(第1始動口390の期待値を低くして不利付けし、第2始動口392または/および第3始動口394側の期待値を高くして有利付けする)ようにしてもよい。具体例として、第1始動口390に遊技球が入賞したことに基づいて大当たりに当選した場合には、第2始動口392または/および第3始動口394に遊技球が入賞したことに基づいて大当たりに当選した場合よりも、短当たり遊技が実行される頻度が高いような場合が相当する。
このように、特定の始動口(例えば第1始動口390)を不利付け(予め定められた一の抽選確率に見合った分の大当り賞球数を払い出さない)するようにすれば、一の遊技機として、上述の大前提の構成(遊技球が入賞した始動口にかかわらず予め定められた一の抽選確率にて大当りについての判定を行う構成)を採用するものでありながらも、別の始動口(第2始動口392および/または第3始動口394)を有利付けすることが可能となり、ひいては不利付けされた遊技と有利付けされた遊技とのいずれかが、上記遊技球の入賞先となった始動口に応じて選択的に行われる遊技を実現できるようになる。
そして本来は、本願の発明にかかる遊技機は、このように有利付け、不利付けされた遊技が採用されたものに適用されて特に有効なものである。例えば、第1始動口390側の遊技が不利付けされており、第2始動口392または/および第3始動口394側の遊技が有利付けされているような場合、第2始動口392または/および第3始動口394側の遊技が第1始動口390側の遊技よりも先に消化される確変遊技状態においては、不利付けされた第1始動口390側の遊技が行われないように第2始動口392または/および第3始動口394側の遊技の保留数を維持することが重要となるが、本願発明に記載の遊技機によれば、遊技者は、こうした遊技性に素早く対応し、損を被ることなく遊技できるようになる。
ところで、上述した本実施形態の遊技機からは、以下の技術思想を抽出できる。なお、以下の各技術思想は単独で、若しくは、適宜組み合わされて備えられている。また、以下の各技術思想は、本実施形態を技術思想として表現しているため、本実施形態に記載の用語を上位概念化された用語で表現し、当該上位概念化された用語に対応する実施形態の
構成を括弧内に記載する。ただし、上位概念化された用語については、括弧内に記載のものに限定されるものではない。
[技術思想1]
技術思想1に記載の遊技機は、
遊技領域を流下する遊技球を受け入れ可能な第1受入口と、
常には前記第1受入口よりも遊技球の受け入れが困難な第2受入口と、
少なくとも前記第2受入口への遊技球の受け入れに応じて遊技球が付与される遊技球付与手段と、
前記第1受入口および前記第2受入口のうちいずれかへの遊技球の受け入れに基づいて抽選情報を取得し、遊技球の受け入れ先の別に蓄積しうる第1抽選情報蓄積手段および第2抽選情報蓄積手段と、
所定条件の成立に基づいて、常には前記第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている一の抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を許容し、当該第1抽選情報蓄積手段により前記抽選情報が蓄積されていない場合に限り、前記第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている一の抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を許容しうる抽選制御手段と、
前記抽選制御手段により許容された抽選情報について、当該抽選情報の蓄積先にかかわらず、常には第1の確率で当たりとなりうる抽選処理を行う抽選手段と、
前記抽選手段による抽選処理の結果に応じて、遊技者に有利な特典遊技を実行しうる特典遊技実行手段と、
特別条件が成立したことに基づいて、前記第1の確率よりも当選確率が高い第2の確率で当たりとなりうる抽選処理が前記抽選手段により行われるとともに、当該第2の確率で当たりとなりうる抽選処理の機会が促進されるように、前記第2受入口への遊技球の受け入れが前記第1受入口よりも容易化される特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、
特定条件が成立したことに基づいて、前記第1の確率で当たりとなりうる抽選処理が前記抽選手段により行われるものの、所定の期間に限って、遊技球の減少が抑制されつつ前記抽選手段による抽選処理の機会が付与されるように、前記第2受入口への遊技球の受け入れが前記第1受入口よりも容易化される有利遊技状態に制御する有利遊技状態制御手段と、を備え、
前記抽選制御手段は、
前記特別遊技状態に制御されている場合には、
前記第2抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されている限り、当該第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている一の抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を許容し、
前記有利遊技状態に制御されている場合には、
前記第1抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されている限り、当該第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている一の抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を許容する
ことを特徴とする遊技機である。
上記技術思想に記載の遊技機によれば、遊技球が流下する遊技領域には、第1受入口(第1始動口390)と第2受入口(第3始動口394)とが設けられている。第2受入口は、常には(即ち、通常遊技状態では)第1受入口よりも遊技球の受け入れが困難となっている。なお、「受け入れが困難」には、「受け入れが不可能」も含まれる。
本実施形態では、第2受入口(第3始動口394)の近傍に一対の可動片396が配設されており、この一対の可動片が閉状態であるときは第1受入口(第1始動口390)よりも遊技球の受け入れが困難となる一方、この一対の可動片が開状態であるときは第1受入口よりも遊技球の受け入れが容易となる。この一対の可動片396は、常には(通常遊技状態では)、閉状態に維持されていることから(稀に開状態となる場合もある)、第2受入口のほうが第1受入口よりも遊技球の受け入れが困難となる。なお、第1受入口および第2受入口の数はいずれも1つに限られず、第1受入口の全体と第2受入口の全体とを比べて、常には第1受入口よりも第2受入口の方が遊技球の受け入れが困難であればよい。本実施形態では、第1受入口の数が1つ(第1始動口390)、第2受入口の数が2つ(第2始動口392および第3始動口394)であるが、通常遊技状態では、第2始動口392および第3始動口394の2つをもってしても、第1始動口390よりも遊技球の受け入れが困難となっている。
なお、少なくとも第2受入口に遊技球が受け入れられると、遊技球付与手段(払出制御基板197およびステップS80の払出制御処理を実行するCPU602)によって所定数の遊技球が付与される。もちろん、この遊技球付与手段は、第1受入口に遊技球が受け入れられたときに遊技球を付与してもよいし、他の受入口(例えば、一般入賞口404など)に遊技球が受け入れられたときに遊技球を付与してもよい。
第1受入口および第2受入口のうちいずれかへ遊技球が受け入れられると、第1抽選情報蓄積手段(第1特別図柄保留カウンタ703)および第2抽選情報蓄積手段(第2特別図柄保留カウンタ713)のいずれかによって抽選情報(当否判定用乱数、すなわち第1特別図柄の始動記憶または第2特別図柄の始動記憶)が取得されるとともに、遊技球の受け入れ先の別に、各々の上限まで蓄積される。詳細には、第1抽選情報蓄積手段は、第1受入口への遊技球の受け入れに基づいて抽選情報(第1特別図柄の始動記憶)を取得し、この第1受入口への入賞に基づく抽選情報を第1の上限(例えば4つ)まで取得順に記憶する。また、第2抽選情報蓄積手段は、第2受入口への遊技球の受け入れに基づいて抽選情報(第2特別図柄の始動記憶)を取得し、この第2受入口への入賞に基づく抽選情報を第2の上限(例えば4つ)まで取得順に記憶する。
そして、所定条件が成立すると(例えば、前回の抽選処理結果が導出されたこと等)、抽選制御手段(保留制御手段790)によって一の抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出が許容される。抽選制御手段は、常には(通常遊技状態では)第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている一の抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を許容する。そして、第1抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されていない場合に限り、第2抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されていれば、当該第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている一の抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を許容する。
本遊技機では、常には通常遊技状態に制御されて第1受入口よりも第2受入口への遊技球の受け入れが困難とされるから、第2抽選情報蓄積手段による抽選情報(第2特別図柄の始動記憶)の取得・蓄積よりも第1抽選情報蓄積手段による抽選情報(第1特別図柄の始動記憶)の取得・蓄積のほうが実行されやすい。そして、常には(通常遊技状態では)、第2抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されていたとしても、第1抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されていれば、当該第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出が、第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出よりも優先して許容される。
これにより、常には(通常遊技状態では)、第2受入口よりも相対的に遊技球の受け入れが容易な第1受入口に入賞したことに基づいて蓄積された抽選情報(第1特別図柄の始動記憶)についての抽選処理が許容されやすくして、第1受入口に入賞したにも拘らず抽選情報(第1特別図柄の始動記憶)が蓄積されない所謂無効球の発生が抑制される。また、抽選情報の蓄積数(所謂保留数)を所定の保留表示領域にて表示する場合には、当該保留表示領域にて第1受入口よりも相対的に遊技球の受け入れが困難な第2受入口に遊技球が受け入れられたことに基づく抽選情報(第2特別図柄の始動記憶)の蓄積数が表示されやすくなり、遊技者に満足感が与えられる。
また、抽選制御手段により許容された抽選情報について、所定の確率で当たりとなりうる内部的な抽選処理が、1つずつ順に、抽選手段(第1特別図柄抽選手段700、第2特別図柄抽選手段710)によって行われる。ここで、抽選手段は、抽選情報の蓄積先(第1抽選情報蓄積手段および第2抽選情報蓄積手段のいずれに蓄積されているか)に拘らず、常には(通常遊技状態では)第1の確率で当たりとなりうる抽選処理を行い、後述の有利遊技状態(時短遊技状態)においても第1の確率で当たりとなりうる抽選処理を行なう。一方、後述する特別遊技状態(確変遊技状態)では、第1の確率よりも当選確率が高い第2の確率で当たりとなりうる抽選処理を行なう。
このような抽選手段による抽選処理の結果に応じて(具体的には、抽選処理の結果が当たりであると)、特典遊技実行手段(大当たり遊技実行手段748)によって遊技者に有利な特典遊技(所謂大当たり遊技)が実行される。
なお、本遊技機では、内部的な抽選処理の結果に応じて所定の変動演出が行なわれるが、前回の抽選処理の結果に応じた変動演出が終了したことに基づいて、蓄積状態にある抽選情報(第1特別図柄の始動記憶または第2特別図柄の始動記憶)に基づく内部的な抽選処理または当該抽選処理の導出が抽選制御手段により許容される。本実施形態では、第1抽選情報蓄積手段による抽選情報は、抽選制御手段により内部的な抽選処理の実行を許容されると、第1の抽選手段(第1特別図柄抽選手段700)によって記憶順に内部的な抽選処理が行なわれる。また、第2抽選情報蓄積手段による抽選情報は、抽選制御手段により内部的な抽選処理の実行を許容されると、第2の抽選手段(第2特別図柄抽選手段710)によって記憶順に内部的な抽選処理が行なわれる。
ところで、本遊技機では、特別条件が成立したことに基づいて、特別遊技状態制御手段(確変遊技実行手段740)によって、抽選手段により第2の確率で当たりとなりうる抽選処理が行なわれる特別遊技状態(確変遊技状態)に制御される。さらに、この特別遊技状態では、例えば一対の可動片が開状態に制御される頻度が高くなるため、第2受入口への遊技球の受け入れが第1受入口よりも容易化され、第2の確率で当たりとなりうる抽選処理の機会が促進される。なお、「特別条件が成立」とは、抽選処理の結果として所謂確変当たりに当選し、当該確変当たりに基づく大当り遊技が終了したことが例示される。
また、特定条件が成立したことに基づいて、有利遊技状態制御手段(時短遊技実行手段742)によって、有利遊技状態(時短遊技状態)に制御される。この有利遊技状態では、抽選手段により第1の確率で当たりとなりうる抽選処理が行なわれるものの、例えば一対の可動片が開状態に制御される頻度が高くなることにより、第2受入口への遊技球の受け入れが第1受入口よりも容易化される。これにより、遊技球の減少が抑制されつつ(漸増する場合もある)抽選手段による抽選処理の機会が付与されるが、かかる有利遊技状態は所定の期間(例えば、抽選処理が行われた回数が規定数に至るまで)に限って付与され、当該所定の期間を経過したのちは、第1受入口よりも第2受入口の方が遊技球の受け入れが困難な遊技状態(通常遊技状態)に戻る。なお、「特定条件が成立」とは、抽選処理の結果として所謂通常当たりに当選し、当該当たりに基づく大当り遊技が終了したことが例示される。
ここで、抽選制御手段は、特別遊技状態に制御されている場合には、第2抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されている限り、第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を許容することなく、第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている一の抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を、第2抽選情報蓄積手段により蓄積された順に許容する。そして、第2抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されていない場合に、第1抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されていれば、第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている一の抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を、第1抽選情報蓄積手段により蓄積された順に許容する。つまり、抽選制御手段は、第1抽選情報蓄積手段により蓄積された抽選情報および第2抽選情報蓄積手段により蓄積された抽選情報の抽選許容順序が、通常遊技状態に制御されているときと比べて逆となるような制御を行なう。
また、抽選制御手段は、有利遊技状態に制御されている場合には、第1抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されている限り、第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を許容することなく、第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている一の抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を、第1抽選情報蓄積手段により蓄積された順に許容する。そして、第1抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されていない場合に、第2抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されていれば、第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている一の抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を、第2抽選情報蓄積手段により蓄積された順に許容する。つまり、抽選制御手段は、第1抽選情報蓄積手段により蓄積された抽選情報および第2抽選情報蓄積手段により蓄積された抽選情報の抽選許容順序が、通常遊技状態に制御されているときと同様となるような制御を行なう。
上記の構成を備えた本遊技機では、特別遊技状態に制御されると第2受入口への遊技球の受け入れが第1受入口よりも容易化されるから、第1抽選情報蓄積手段による抽選情報(第1特別図柄の始動記憶)の取得・蓄積よりも第2抽選情報蓄積手段による抽選情報(第2特別図柄の始動記憶)の取得・蓄積のほうが実行されやすい。そして、特別遊技状態では、第1抽選情報蓄積手段により抽選情報(第1特別図柄の始動記憶)が蓄積されていたとしても、第2抽選情報蓄積手段により抽選情報(第2特別図柄の始動記憶)が蓄積されていれば、当該第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出が、第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出よりも優先して許容される。
ここで、特別遊技状態は、抽選処理にて当たりに当選しやすい遊技状態であるから、特典遊技が実行されることを単に待つだけの遊技状態であるといえる。そこで、抽選処理の機会を増やすべく、第1受入口よりも第2受入口への遊技球の受け入れを容易化することで第2受入口への遊技球の受け入れを促進させ、比較的早い段階で特典遊技が実行されるようにした。また、第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を、第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出よりも優先的に行うことで所謂無効球の発生が抑制されるので、遊技者が感じうるストレスを軽減することができる。また、特別遊技状態では、単位時間において第2抽選情報蓄積手段により蓄積されうる抽選情報の数を増やすことで抽選処理の機会を増やすとともに、第2抽選情報蓄積手段により蓄積されうる抽選情報についての抽選処理を、第1抽選情報蓄積手段により蓄積されうる抽選情報についての抽選処理よりも優先的に許容することで、間延びしがちな特別遊技状態における興趣の低下を抑制できる。さらには、第1受入口側の遊技を不利付けし、且つ第2受入口側の遊技を有利付けすることによって特別遊技状態を通常遊技状態よりも有利な遊技とするような場合もあり、このような場合には、特別遊技状態にて第1受入口側の遊技が行われないように上記第2受入口側の遊技が促進されることが重要となる。この点、上記技術思想によれば、特別遊技状態にて第1受入口側の遊技が抑制されるとともに第2受入口側の遊技が促進されるので、通常遊技状態に比べて特別遊技状態の有利性を維持できる。なお、第1受入口側の遊技を不利付けし、且つ第2受入口側の遊技を有利付けする遊技の具体例としては、第1受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報についての抽選処理の結果よりも、第2受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報についての抽選処理の結果の方が、遊技者に付与される賞としての遊技球数が多くなるような場合(例えば、第1受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報についての抽選処理の結果として実行される特典遊技が2R大当たり遊技であるのに対し、第2受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報についての抽選処理の結果として実行される特典遊技が15R大当たり遊技であるような場合)である。
一方、有利遊技状態では、特別遊技状態と同様に第2受入口への遊技球の受け入れが第1受入口よりも容易化されるものの、その意義は全く異にするものである。有利遊技状態では、特別遊技状態のように抽選処理にて当たりに当選しやすいわけではない(通常遊技状態と同様の抽選処理が行われる)ので、特別遊技状態のように早い段階で特典遊技が実行されることを目的として第2受入口への遊技球の受け入れを促進させるものではない。それよりも、第2受入口に遊技球が受け入れられると所定量の遊技球が付与されることから、第1受入口よりも第2受入口への遊技球の受け入れを容易とすることで遊技球の減少を抑制しつつ遊技を行うことができる遊技状態であるといえる。即ち、有利遊技状態では、遊技者は、比較的早い段階で特典遊技が実行されることに対する期待感を持って遊技を行うわけではないから、遊技球の減少を抑制できればよい。したがって、第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を、第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出よりも優先的に行う必要性に乏しいと考えられる。
そこで、有利遊技状態では、特別遊技状態と同様に第2受入口への遊技球の受け入れが第1受入口よりも容易化されるものの、第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出を、第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出よりも優先的に行うこととした。ここで、有利遊技状態としての所定期間が経過して通常遊技状態に移行した際に、第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報がほぼ上限値であって且つ第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報が少ないと、遊技球を遊技領域に向けて発射させたとしても所謂無効球が発生しがちである。なぜなら、有利遊技状態が終了すると第1受入口(第1始動口390)よりも第2受入口(第3始動口394)への入賞が困難となるので、遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球の受け入れ先は、第2受入口よりも第1受入口である頻度の方が高いからである。それ故、第1抽選情報蓄積手段により蓄積される抽選情報の数がほぼ上限値であって且つ第2抽選情報蓄積手段により蓄積される抽選情報の数が少ないといった場合、遊技者のなかには所謂止め打ちを行う者が多くなり、稼働率が低下する。さらには、遊技者にとっても、第2抽選情報蓄積手段によって蓄積されている抽選情報が少ないにもかかわらず止め打ちを行うことに対するストレスが生じる虞がある。この点、上記技術思想によると、有利遊技状態では、第2抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されていたとしても、第1抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されていれば、当該第1抽選情報蓄積手により蓄積されている抽選情報についての抽選処理または当該抽選処理の結果の導出が優先して許容される。これにより、有利遊技状態としての所定期間が経過した際に、第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報の数がほぼ上限値であることが多くなり、稼働率の低下や遊技者の苛立ちが発生する虞が軽減され、興趣の低下が抑制される。
また、上記技術思想によると、第1受入口側の遊技と第2受入口側の遊技とのいずれにおいても第1の確率または第2の確率にて抽選処理が行われるものの、複雑な制御を行うことなく、第2受入口側の遊技が第1受入口の遊技よりも有利性が高いといった印象を遊技者に与えることができる。例えば、第1受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報と、第2受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報とで、互いに異なる抽選処理(例えば、第1受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報については300分の1の確率で当選する抽選処理が行われ、第2受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報については30分の1の確率で当選する抽選処理が行われる等)を行うことによって、第2受入口側の遊技を第1受入口の遊技よりも有利性を高めることも可能である。しかしながら、このような手法によると、一つの遊技機としての出玉率の数値算出等が複雑化してしまう。この点、上記技術思想によると、遊技球の受け入れ先が第1受入口および第2受入口のうちいずれであるかにかかわらず、同じ確率にて抽選処理が行われるといった遊技性を維持しつつ、第1受入口側の遊技については、第2受入口側の遊技と比べて低い当選確率によって不利付けされているかのような印象を遊技者に与えることが可能となり、第2受入口側の遊技については、第1受入口側の遊技と比べて高い当選確率によって有利付けされているかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。
[技術思想2]
技術思想2に記載の遊技機は、
技術思想1に記載の遊技機において、
所定の画像を表示しうる画像表示手段と、
前記画像表示手段に表示される画像を制御する画像表示制御手段と、をさらに備えており、
前記画像表示制御手段は、
前記第1抽選情報蓄積手段により蓄積状態にある抽選情報を、その蓄積数にかかわらず全て第1態様で表示する第1蓄積情報表示制御手段と、
前記第2抽選情報蓄積手段により蓄積状態にある抽選情報を、その蓄積数にかかわらず全て第2態様で表示する第2蓄積情報表示制御手段と、を有しており、
常には、前記第1抽選情報蓄積手段により前記抽選情報が蓄積されている限り、前記抽選制御手段により前記抽選処理または当該抽選処理の結果の導出が最先で許容されることを把握可能な最先表示位置には、前記第1蓄積情報表示制御手段により前記第1態様が表示され、
前記特別遊技状態に移行するに際しては、遊技球の受け入れが容易化される前記第2受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報が前記第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている限り、当該第2抽選情報蓄積手段により蓄積状態にある抽選情報についての前記抽選処理または当該抽選処理の結果の導出が最先で許容されることを把握しうるよう前記最先表示位置には、第2蓄積情報表示制御手段により前記第2態様が表示され、
前記有利遊技状態に移行するに際しては、前記第2受入口への遊技球の受け入れが前記第1受入口よりも容易化されるにもかかわらず、前記第1抽選情報蓄積手段により前記抽選情報が蓄積されている限り、当該第1抽選情報蓄積手段により蓄積状態にある抽選情報についての前記抽選処理または当該抽選処理の結果の導出が最先で許容されることを把握しうるよう前記最先表示位置には、第1蓄積情報表示制御手段により前記第1態様が表示される
ことを特徴とする遊技機である。
上記技術思想に記載の遊技機によれば、所定の画像を表示しうる画像表示手段(演出表示装置115)と、画像表示手段に表示される画像を制御する画像表示制御手段(表示装置制御基板116および周辺制御基板662、詳細には併合保留表示制御手段860)と、をさらに備えている。この画像表示制御手段は、第1抽選情報蓄積手段により蓄積状態にある抽選情報(第1特別図柄の始動記憶)を表示する第1蓄積情報表示制御手段(第1保留情報画像表示制御手段8602)と、第2抽選情報蓄積手段により蓄積状態(第2特別図柄の始動記憶)にある抽選情報を表示する第2蓄積情報表示制御手段(第2保留情報画像表示制御手段8603)と、を有している。
そして、第1蓄積情報表示制御手段は、第1特別図柄の始動記憶をその蓄積数(いわゆる、保留数)にかかわらず全て第1態様で表示するとともに、第2蓄積情報表示制御手段は、第2特別図柄の始動記憶をその蓄積数(いわゆる、保留数)にかかわらず全て第2態様で表示する。「蓄積数にかかわらず」とは、第1特別図柄の始動記憶の蓄積数が、例えば1〜3個のいずれであっても、当該第1特別図柄の始動記憶の蓄積数を第1態様によって表示すること、および、第2特別図柄の始動記憶の蓄積数が、例えば1〜3個のいずれであっても、当該第2特別図柄の始動記憶の蓄積数を第2態様によって表示することを意味する。
本実施形態では、保留表示領域1150(詳細には、保留記憶表示部1150a〜1150h)において、第1特別図柄の始動記憶の蓄積数に対応する保留記憶表示部に第1の表示態様を表示するとともに、第2特別図柄の始動記憶の蓄積数に対応する保留記憶表示部に第2の表示態様を表示し、第1の表示態様および第2の表示態様が表示されない保留記憶表示部には非表示態様が表示される。そして、遊技者は、保留表示領域1150に表示される第1の表示態様の数量によって第1特別図柄の始動記憶の蓄積数を把握可能であり、保留表示領域1150に表示される第2の表示態様の数量によって第2特別図柄の始動記憶の蓄積数を把握可能である。
ここで、例えば、第1の表示態様および第2の表示態様などが表示される領域(いわゆる、保留表示領域)には、第1特別図柄の始動記憶について抽選処理または当該抽選処理の結果の導出が許容される順序(言い換えると、第1抽選情報蓄積手段により抽選情報が取得された順序)が把握可能となるように、第1の表示態様が並んで表示される。また、第2特別図柄の始動記憶について抽選処理または当該抽選処理の結果の導出が許容される順序(言い換えると、第2抽選情報蓄積手段により抽選情報が取得された順序)が把握可能となるように、第2の表示態様が並んで表示される。そして、この一の保留表示領域において第1の表示態様および第2の表示態様が並んで表示される場合には、当該保留表示領域における最先表示位置(第1の保留記憶表示部1150a)に表示されている表示態様に対応する特別図柄の始動記憶が、抽選制御手段により抽選処理または当該抽選処理の結果の導出が最先で許容されることが示される。
本遊技機では、常には(通常遊技状態では)、第1抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されている限り、上記のような保留表示領域における最先表示位置(第1の保留記憶表示部1150a)には、第1蓄積情報表示制御手段により第1態様が表示される。つまり、通常遊技状態では、第2特別図柄の始動記憶が蓄積されているか否かに拘らず、第1特別図柄の始動記憶が蓄積されている場合には最先表示位置に第1態様が表示される。そのため、この最先表示位置に表示される第1態様に対応する第1特別図柄の始動記憶について、抽選処理または当該抽選処理の結果の導出が最先で許容されることが示されることになる。
そして、遊技状態が特別遊技状態に移行するに際しては、遊技球の受け入れが容易化される第2受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報が第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている限り、最先表示位置(第1の保留記憶表示部1150a)には第2蓄積情報表示制御手段により第2態様が表示される。なお、遊技状態が特別遊技状態に移行するときに最先表示位置に第1態様が表示されていた場合には、当該第1態様に代えて第2態様が表示される。そして、第2態様は、第1態様に続いて(第1態様の後方に)表示される。言い換えると、遊技状態が特別遊技状態に移行するときに最先表示位置に第1態様が表示され且つ第2態様が第1態様の後方に表示されていた場合には、最先表示位置に第2態様が表示され且つ第1態様が第2態様の後方に表示されるように、第1態様および第2態様の表示位置の切替処理が行われる。これにより、特別遊技状態では、第1特別図柄の始動記憶が蓄積されているか否かに拘らず、第2特別図柄の始動記憶が蓄積されている場合には最先表示位置に第2態様が表示される。そのため、この最先表示位置に表示される第2態様に対応する第2特別図柄の始動記憶について、抽選処理または当該抽選処理の結果の導出が最先で許容されることが示されることになる。
さらに、遊技状態が有利遊技状態に移行するに際しては、第2受入口への遊技球の受け入れが第1受入口よりも容易化されるにもかかわらず、第1抽選情報蓄積手段により抽選情報が蓄積されている限り、最先表示位置(第1の保留記憶表示部1150a)には第1蓄積情報表示制御手段により第1態様が表示される。つまり、有利遊技状態では、特別遊技状態と同様に第2受入口への遊技球の受け入れが促進されるにもかかわらず、通常遊技状態と同様に第2特別図柄の始動記憶が蓄積されていても第1特別図柄の始動記憶が蓄積されている場合には最先表示位置に第1態様が表示される。そのため、この最先表示位置に表示される第1態様に対応する第1特別図柄の始動記憶について、抽選処理または当該抽選処理の結果の導出が最先で許容されることが示されることになる。
このような上記技術思想に記載の遊技機によると、最先表示位置に表示されている態様を視認することによって、第1抽選情報蓄積手段により蓄積状態にある抽選情報および第2抽選情報蓄積手段により蓄積状態にある抽選情報のうち、いずれの抽選情報についての抽選処理または抽選処理の結果の導出が優先されるかを容易に把握できる。さらには、第1態様および第2態様の両方が表示されている場合に、これらのうちいずれが最先表示位置に表示されているかによって、現在の遊技状態をも把握できる。しかも、遊技状態が特別遊技状態に移行するときに最先表示位置に第1態様が表示され且つ第2態様が第1態様の後方に表示されていた場合には、第1態様および第2態様の表示位置の切替処理により画像が変化することから、かかる画像の変化により、遊技状態が変更されることを遊技者に訴えることもできる。
[技術思想3]
技術思想3に記載の遊技機は、
技術思想2に記載の遊技機において、
常には、または、前記特別遊技状態では、前記第1態様と前記第2態様とが互いに連続的に表示されるように第1蓄積情報表示制御手段および/または第2蓄積情報表示制御手段制御によって制御されるとともに、
前記有利遊技状態に移行するに際しては、
第1蓄積情報表示制御手段により蓄積状態にある抽選情報の数、および、第2蓄積情報表示制御手段により蓄積状態にある抽選情報の数、の両方を把握可能であるように、連続的に表示されている前記第1態様および前記第2態様のうち少なくともいずれか一方の表示位置を変えることで、当該第1態様と当該第2態様とが互いに独立して表示されるように、第1蓄積情報表示制御手段および/または第2蓄積情報表示制御手段制御によって制御される
ことを特徴とする遊技機である。
上記技術思想に記載の遊技機によれば、常には(通常遊技状態では)、または、特別遊技状態では、第1態様と第2態様とが互いに連続的に表示されるように、第1蓄積情報表示制御手段および/または第2蓄積情報表示制御手段によって制御される。「連続的に表示される」とは、第1態様(第1の表示態様)と第2態様(第2の表示態様)とが例えば一列に連なって表示されている態様が相当する。そのため、第1特別図柄の始動記憶および第2特別図柄の始動記憶がいずれも蓄積されていれば、例えば共通の保留表示領域において第1態様と第2態様とが一列に並んで表示されることとなる。
一方、遊技状態が有利遊技状態に移行するに際しては、連続的に表示されている第1態様および第2態様のうち少なくともいずれか一方の表示位置を変えることで、当該第1態様と当該第2態様とが互いに独立して表示されるように、第1蓄積情報表示制御手段および/または第2蓄積情報表示制御手段制御によって制御される。例えば、第1態様を表示領域の例えば左端に表示し且つ第2態様を表示領域の例えば右端に表示する態様、第1態様と第2態様とが互いに上下位置となるように表示する態様、等が相当する。とくに有利遊技状態では遊技者の注意が第2態様ひいては第2蓄積情報表示制御手段による抽選情報の蓄積数に惹かれる傾向にあるが、これにより、第1蓄積情報表示制御手段による抽選情報の蓄積数(第1特別図柄の始動記憶数)と、第2蓄積情報表示制御手段による抽選情報の蓄積数(第2特別図柄の始動記憶数)とを区別して把握可能となる。そのため、第1蓄積情報表示制御手段による抽選情報の蓄積数(第1特別図柄の始動記憶)および第2蓄積情報表示制御手段による抽選情報の蓄積数(第2特別図柄の始動記憶)がいずれも蓄積されていれば、例えば異なる保留表示領域において第1態様と第2態様とが各々表示されるような外観を呈することとなる。なお、有利遊技状態において遊技者の注意が第2態様に惹かれるのは、有利遊技状態では、第2蓄積情報表示制御手段による抽選情報の蓄積数の上限値を維持しつつ第1蓄積情報表示制御手段による抽選情報についての抽選処理が優先して行われる方が、有利遊技状態から通常遊技状態に移行した際に、第2蓄積情報表示制御手段による抽選情報数が上限となりやすいからである。
また、通常遊技状態、確変遊技状態および有利遊技状態のうちいずれの遊技状態にあるかを、第1態様と第2態様の表示により明確に把握できる。
[技術思想4]
技術思想4に記載の遊技機は、
遊技領域を流下する遊技球を受け入れ可能な第1受入口と、
前記第1受入口への遊技球の受け入れに基づいて抽選情報を取得し、蓄積しうる第1抽選情報蓄積手段と、
常には前記第1受入口よりも遊技球の受け入れが困難な第2受入口と、
前記第2受入口への遊技球の受け入れに基づいて抽選情報を取得し、蓄積しうる第2抽選情報蓄積手段と、
所定条件の成立に基づいて、前記第2受入口よりも遊技球の受け入れ頻度が高い前記第1受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報が蓄積されている限り、常には当該蓄積されている抽選情報についての蓄積を解除する蓄積解除手段と、
前記蓄積解除手段により前記抽選情報が解除されたことに基づいて、当該解除された抽選情報が前記第1抽選情報蓄積手段および前記第2抽選情報蓄積手段のうちいずれに蓄積されていたかにかかわらず、予め定められた第1の確率または当該第1の確率よりも当選確率が高められた第2の確率にて抽選処理を行いうる抽選手段と、
前記抽選処理の結果が当たりであることに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、を備え、
前記特典遊技が付与されたのちの遊技状態が、
前記第2の確率にて前記抽選処理が行われ、前記第2受入口への遊技球の受け入れが前記第1受入口よりも容易化されるとともに、遊技球の受け入れが容易化された当該第2受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報が蓄積されている限り、前記第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての蓄積が維持される特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、
前記第1の確率にて前記抽選処理が行われるとともに、所定の期間に限って前記第2受入口への遊技球の受け入れが前記第1受入口よりも容易化される有利遊技状態に制御する有利遊技状態制御手段と、
のいずれかによって遊技状態が制御され、
前記蓄積解除手段は、
前記有利遊技状態に制御されているとき、前記第1受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報が蓄積されている限り、
前記第2受入口への遊技球の受け入れが当該第1受入口よりも容易化されるにもかかわらず、当該第2受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報についての蓄積を維持しつつ、前記第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての前記抽選処理が促進されるよう蓄積を解除する
ことを特徴とする遊技機である。
上記技術思想に記載の遊技機によれば、遊技球が流下する遊技領域には、第1受入口(第1始動口390)と第2受入口(第3始動口394)とが設けられている。第2受入口には、一対の可動片(一対の可動片396)が配設されており、この一対の可動片が閉状態であるときは遊技球を受入れることが不可能または受入れ困難となる一方、この一対の可動片が開状態であるときは第1受入口よりも遊技球の受入れが容易となる。そして、常には(すなわち、通常遊技状態では)、例えば一対の可動片が閉状態に制御される頻度が高くなるため、第2受入口のほうが第1受入口よりも遊技球の受け入れが困難となる。
また、第1受入口への遊技球の受け入れに基づいて抽選情報(第1特別図柄の始動記憶)を取得し、この第1受入口への入賞に基づく抽選情報を取得順に蓄積しうる第1抽選情報蓄積手段(第1特別図柄保留カウンタ703)と、第2受入口への遊技球の受け入れに基づいて抽選情報(第2特別図柄の始動記憶)を取得し、この第2受入口への入賞に基づく抽選情報を取得順に蓄積しうる第2抽選情報蓄積手段(第2特別図柄保留カウンタ713)と、を備えている。
そして、所定条件(具体的には、前回の抽選処理結果が導出されたこと等)が成立すると、蓄積解除手段(保留制御手段790)によって蓄積されている抽選情報についての蓄積が解除される。詳細には、蓄積解除手段は、常には(すなわち、通常遊技状態では)、第2受入口よりも遊技球の受け入れ頻度が高い第1受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報が第1抽選情報蓄積手段によって蓄積されている限り、当該第1抽選情報蓄積手段により蓄積される抽選情報についての蓄積解除を行なう。
本遊技機では、常には通常遊技状態に制御されて第1受入口よりも第2受入口への遊技球の入賞が困難とされるから、第2抽選情報蓄積手段による抽選情報(第2特別図柄の始動記憶)の取得・蓄積よりも第1抽選情報蓄積手段による抽選情報(第1特別図柄の始動記憶)の取得・蓄積のほうが実行されやすい。そして、常には(通常遊技状態では)、第2特別図柄の始動記憶が蓄積されているか否かに拘らず、第1特別図柄の始動記憶が蓄積されていれば当該抽選情報についての蓄積解除が優先して実行される。
これにより、常には(つまり、通常遊技状態では)、相対的に入賞容易な第1受入口に入賞したことに基づく第1特別図柄の始動記憶の蓄積解除がされやすくして、第1受入口に入賞したにも拘らず第1特別図柄の始動記憶が蓄積されない状態(いわゆる無効球の発生)が抑制される。また、抽選情報の蓄積数(いわゆる、保留数)を所定の保留表示領域にて表示する場合には、当該保留表示領域にて相対的に入賞困難な第2受入口に入賞したことに基づく第2特別図柄の始動記憶の蓄積数が表示されやすくなり、遊技者に満足感が与えられる。
また、蓄積解除手段により蓄積解除された抽選情報について、1つずつ順に所定の確率で当たりとなりうる内部的な抽選処理が、抽選手段(第1特別図柄抽選手段700、第2特別図柄抽選手段710)によって行われる。ここで、抽選手段は、抽選情報の蓄積先(つまり、第1抽選情報蓄積手段および第2抽選情報蓄積手段のいずれに蓄積されているか)に拘らず、常には(つまり、通常遊技状態では)第1の確率で当たりとなりうる抽選処理を行い、後述の有利遊技状態(時短遊技状態)においても第1の確率で当たりとなりうる抽選処理を行なう。一方、後述する特別遊技状態(確変遊技状態)では、第1の確率よりも当選確率が高い第2の確率で当たりとなりうる抽選処理を行なう。
なお、本遊技機では、内部的な抽選処理の結果に応じて所定の変動演出が行なわれ、この所定の変動演出(すなわち、前回の抽選処理の結果に応じた変動演出)が終了しているとき、蓄積解除手段が、抽選情報(つまり、第1特別図柄の始動記憶、第2特別図柄の始動記憶)の蓄積を解除する。詳細には、第1抽選情報蓄積手段による抽選情報は、蓄積解除手段により蓄積解除されると、第1の抽選手段(第1特別図柄抽選手段700)によって記憶順に内部的な抽選処理が行なわれる。また、第2抽選情報蓄積手段による抽選情報は、蓄積解除手段により蓄積解除されると、第2の抽選手段(第2特別図柄抽選手段710)によって記憶順に内部的な抽選処理が行なわれる。
このような抽選手段による抽選処理の結果に応じて(具体的には、当たりに当選すると)、特典遊技実行手段(大当たり遊技実行手段748)によって遊技者に有利な特典遊技(所謂、大当り遊技)が実行されうる。そして、特典遊技が付与されたのちの遊技状態が、以下のように特別遊技状態または有利遊技状態に制御される。
まず、特典遊技の付与によって特別条件が成立したときは、特別遊技状態制御手段(確変遊技実行手段740)によって、抽選手段により第2の確率で当たりとなりうる抽選処理が行なわれる特別遊技状態(確変遊技状態)に制御される。さらに、この特別遊技状態では、例えば一対の可動片が開状態に制御される頻度が高くなるため、第2受入口への遊技球の受け入れが第1受入口よりも容易化され、第2の確率で当たりとなりうる抽選処理の機会が促進される。なお、「特別条件が成立」とは、抽選処理の結果として確率変動機能の作動を伴う当たり(所謂、確変当り)に当選し、当該当たりに基づく大当り遊技が終了したことが例示される。
そして、特別遊技状態に制御されている場合には、遊技球の受け入れが容易化された第2受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報が第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている限り、第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての蓄積が維持される。そして、第2抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報が、第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報よりも先に蓄積解除される。つまり、蓄積解除手段は、第1抽選情報蓄積手段による抽選情報および第2抽選情報蓄積手段による抽選情報の蓄積解除順序が、通常遊技状態に制御されているときと比べて逆となるような制御を行なう。
また、特典遊技の付与によって特定条件が成立したときは、有利遊技状態制御手段(時短遊技実行手段742)によって、有利遊技状態(時短遊技状態)に制御される。この有利遊技状態では、抽選手段により第1の確率で当たりとなりうる抽選処理が行なわれるものの、例えば一対の可動片が開状態に制御される頻度が高くなるため、第2受入口への遊技球の受け入れが第1受入口よりも容易化される。これにより、遊技球の減少が抑制されつつ抽選手段による抽選処理の機会が付与されるが、かかる有利遊技状態は所定の期間(例えば、特別図柄の変動回数が規定数に至るまで)に限って付与されるものとしている。なお、「特定条件が成立」とは、抽選処理の結果として確率変動機能の作動を伴わない当たり(所謂、通常当り)に当選し、当該当たりに基づく大当り遊技が終了したことが例示される。
ここで、蓄積解除手段は、有利遊技状態に制御されているときは、第1受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報が第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている限り、当該第2受入口への遊技球の受け入れに基づいて取得された抽選情報についての第2抽選情報蓄積手段による蓄積を維持しつつ(つまり、蓄積を解除することなく)、第1抽選情報蓄積手段により蓄積されている抽選情報についての抽選処理が促進されるよう蓄積を解除する。つまり、蓄積解除手段は、有利遊技状態では第2受入口への遊技球の受け入れが第1受入口よりも容易化されるにも拘らず、第1抽選情報蓄積手段による抽選情報および第2抽選情報蓄積手段による抽選情報の蓄積解除順序が、通常遊技状態に制御されているときと同様となるような制御を行なう。
上記の構成を備えた本遊技機では、特別遊技状態に制御されると第2受入口への遊技球の受け入れが第1受入口よりも容易化されるから、第1抽選情報蓄積手段による抽選情報(第1特別図柄の始動記憶)の取得・蓄積よりも第2抽選情報蓄積手段による抽選情報(第2特別図柄の始動記憶)の取得・蓄積のほうが実行されやすい。そして、特別遊技状態では、第1特別図柄の始動記憶が蓄積されているか否かに拘らず、第2特別図柄の始動記憶が蓄積されていれば当該抽選情報についての蓄積解除が優先して実行されうる。
ここで、特別遊技状態では、抽選処理にて当たりに当選しやすいことから、単位時間当たりの抽選回数を増加させて蓄積された抽選情報を迅速に解除することで、無効球の発生を抑制しつつ早い段階で大当り遊技を発生させることが好適である。そこで、特別遊技状態では、第1受入口よりも第2受入口のほうが入賞容易であるため、第2特別図柄の始動記憶のほうを第1特別図柄の始動記憶よりも優先的に蓄積解除するようにした。これにより、特別遊技状態では、通常遊技状態と比較して単位時間当たりの抽選回数が増加するため、特に第2受入口に入賞したにも拘らず第2特別図柄の始動記憶が蓄積されない状態(いわゆる無効球の発生)を抑制しつつ、より早い段階で当りを発生させることができる。そして、遊技者が特別遊技状態の醍醐味を存分に味わうことができるようにして、興趣を向上させることができる。
なお、第2特別図柄の始動記憶に基づく抽選処理のほうが、第1特別図柄の始動記憶に基づく抽選処理よりも、当りのうちで確変機能の作動を伴う確変当りに当選する割合が高くなるように設定されることが好適である。これにより、特別遊技状態では、第2特別図柄の始動記憶を第1特別図柄の始動記憶よりも優先的に蓄積解除することで確変当りに当選する確率が高まり、特別遊技状態が連続的に発生する確率を高めることが可能となるためである。
一方、有利遊技状態では、特別遊技状態と同様に第2受入口への遊技球の受け入れが第1受入口よりも容易化されるものの、第2抽選情報蓄積手段による抽選情報(第2特別図柄の始動記憶)の取得・蓄積よりも第1抽選情報蓄積手段による抽選情報(第1特別図柄の始動記憶)の取得・蓄積のほうが実行されやすい。そのため、有利遊技状態では、第2特別図柄の始動記憶が蓄積されているか否かに拘らず、第1特別図柄の始動記憶が蓄積されていれば当該抽選情報についての蓄積解除が優先して実行されうる。
ここで、有利遊技状態では、第1受入口よりも第2受入口のほうが入賞容易であるところ、第2特別図柄の始動記憶のほうが第1特別図柄の始動記憶よりも優先的に蓄積解除されるとすると、有利遊技状態が終了して通常遊技状態に移行した時点では、蓄積解除されにくい第1特別図柄の始動記憶の蓄積数がほぼ上限値(ここでは、4つ)まで蓄積されている一方、蓄積解除されやすい第2特別図柄の始動記憶の蓄積数が少ない(例えば、1つや2つ)といった抽選情報の蓄積状態になりがちである。ところが、有利遊技状態では第2受入口に入賞しやすいものの、通常遊技状態では第2受入口への入賞が困難となる。それ故、有利遊技状態から通常遊技状態に移行した際に、第2特別図柄の始動記憶が少ないと遊技者はストレスを感じることとなる。
その点、本遊技機における有利遊技状態では、第1特別図柄の始動記憶のほうが第2特別図柄の始動記憶より優先して蓄積解除されるので、通常遊技状態でも入賞しやすい第1受入口への入賞に基づく第1特別図柄の始動記憶が蓄積されやすくする一方、通常遊技状態では入賞困難な第2受入口への入賞に基づく第2特別図柄の始動記憶が所謂消化されにくい。そのため、有利遊技状態が終了して通常遊技状態に移行したとしても、第1特別図柄の始動記憶および第2特別図柄の始動記憶についての総蓄積数がほぼ上限値(ここでは8つ)まで蓄積された状態で通常遊技状態が開始されやすくなり、遊技者にかかるストレスを軽減することが可能となる。少なくとも通常遊技状態では獲得しがたい第2特別図柄の始動記憶がほぼ上限値(ここでは4つ)まで蓄積された状態で通常遊技状態が開始されることになるため、興趣の低下が抑制される。
また、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が可能である。
例えば、上述の実施形態における演出画像表示装置は、液晶表示装置に限られず、EL表示装置、プラズマ表示装置およびCRT等の表示装置等であってもよい。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等であっても、本発明を適用することができる。なお、パチスロ機への本発明の適用を考え、上記各構成にある「遊技球」を「遊技媒体」としてもよい。
即ち、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である遊技球等の投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、センター役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを備えるもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(即ち、遊技状態検出手段)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出画像表示手段をさらに備えるもの」、一般に「複合機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段と始動口に入賞することによって抽選を行う抽選手段とを備えたもの」、一般に「アレパチ」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
一方、パチスロ機とは、遊技媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させると共に、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させる、といった実質的な遊技を行うものであり、停止操作機能付きのスロットマシンである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
また、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合せが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
また、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等のように、投入する媒体によっては実質的な遊技が行われない遊技機では、一見、遊技媒体が存在しないかのように思われるが、このような遊技機であっても、遊技内容の全体において、遊技球やその他の適宜の物品を用いて行われる遊技を含ませることが想定できる。よって、このような遊技機であっても、遊技媒体を用いて遊技が行われる遊技機の対象とすることができる。
また、上述の実施形態における演出表示装置は、液晶表示装置であることが好ましいが、必ずしも液晶表示装置に限られない。EL表示装置、プラズマ表示装置およびCRT等の表示装置等であってもよい。即ち、第1の表示態様、第3の表示態様および第2の表示態様を表示可能であると共に、これらのいずれの態様も非表示可能であれば、その態様は限られない。