JP5237891B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両の制御装置に関し、特に車両を駆動する内燃機関、及び内燃機関の出力軸に接続される変速機構の制御を行うものに関する。
特許文献1には、自動変速機のシフトダウン実行時におけるショックを低減する変速制御装置が示されている。この制御装置によれば、シフトダウン実行時にクラッチが開放され、機関回転数がシフトダウン完了後の目標回転数となるように機関出力が制御され、機関回転数が目標回転数に達したときにクラッチが締結される。そして、クラッチの締結動作を開始した後は、機関回転数を目標回転数に維持するために必要とされる維持トルクに、運転者の要求トルクを加算したトルクを目標トルクとして、機関出力トルクが制御される。
また2つのクラッチを備え、一方のクラッチには奇数段のギヤ(例えば1速、3速、5速)が固定されたシャフトが接続され、他方のクラッチには偶数段のギヤ(例えば2速、4速、6速)が固定されたシャフトが接続された、いわゆる二重クラッチ変速機("Dual Clutch Transmission"、以下「DCT」という)を備える車両は広く知られている。
特開2006−112247号公報
特許文献1に示された制御手法は、トルクコンバータ付の自動変速機を制御するものであるため、この制御方法をそのままDCTのシフトダウン制御に適用すると、以下のような問題が発生する。すなわち、クラッチの締結動作が行われる前にアクセルペダルが踏み込まれる(運転者要求トルクが増加する)と、機関回転数が過剰に増加することがあり、シフトダウンの完了が遅れる、あるいはクラッチ締結時にトルクショックが発生するという課題が発生する。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、複数のクラッチを備える変速機構のシフトダウン制御を適切に行い、機関回転数の過剰な増加及びトルクショックを回避しつつ、迅速なシフトダウンを行うことができる車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関(1)と、該機関の出力軸(8)に接続された複数のクラッチ(42,43)を備える変速機構(21)とを備える車両の制御装置において、前記複数のクラッチ(42,43)をすべて開放した状態でシフトダウンを実行する第1シフトダウン手段と、前記複数のクラッチ(42,43)の一つのクラッチの開放動作と、他の一つのクラッチの係合動作とを並行して実行することにより、前記車両の運転者の要求出力が変速動作中に前記変速機構(21)の出力軸(22)に伝達される状態でシフトダウンを実行する第2シフトダウン手段と、前記車両の運転状態に応じて前記第1シフトダウン手段と第2シフトダウン手段とを切り換えるシフトダウン切換手段と、前記シフトダウンを実行するときに、前記機関の回転数(NE)が目標回転数(NECMD)と一致するように前記機関の出力を制御する機関出力制御手段とを備え、前記機関出力制御手段は、前記機関回転数(NE)が前記目標回転数(NECMD)に到達するために必要なシフトダウン要求出力(TRQNE)を算出するシフトダウン要求出力算出手段と、前記クラッチ(42,43)を介して伝達される前記機関の出力であるクラッチ伝達出力(TRQCL)に、前記シフトダウン要求出力(TRQNE)を加算した値となるように、前記機関の出力を制御する第1制御パターンと、前記運転者要求出力(TRQDRV)に前記シフトダウン要求出力(TRQNE)を加算した値となるように、前記機関の出力を制御する第2制御パターンと、前記シフトダウン要求出力(TRQNE)となるように前記機関の出力を制御する第3制御パターンとを切り換える制御パターン切換手段と、前記シフトダウンが所定条件下で行われるとき成立する選択条件を判定する選択条件判定手段とを備え、前記制御パターン切換手段は、前記選択条件が成立しないときは(FEX=0)、前記第1制御パターンを選択し、前記選択条件が成立し(FEX=1)、かつ前記第1シフトダウン手段が作動しているときは(FAMT=1)、前記第3制御パターンを選択し、前記選択条件が成立し(FEX=1)、かつ前記第2シフトダウン手段が作動しているときは(FAMT=0)、前記第2制御パターンを選択することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制御装置において、前記機関出力制御手段は、前記シフトダウンの開始時点(tS)から、前記シフトダウンに要する時間に応じた所定時間(TSFT)が経過した時点(tE)において前記機関回転数(NE)が前記目標回転数(NECMD)と一致するように前記機関出力の制御を行うことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、複数のクラッチをすべて開放した状態でシフトダウン(以下「第1シフトダウン」という)と、一つのクラッチの開放動作と、他の一つのクラッチの係合動作とを並行して実行することにより、運転者の要求出力が変速動作中に変速機構の出力軸に伝達される状態でシフトダウン(以下「第2シフトダウン」という)のうちいずれか一方が車両運転状況に応じて選択される。またシフトダウンを実行するときに、機関回転数が目標回転数と一致するように機関出力が制御される。具体的には、機関回転数が目標回転数に到達するために必要なシフトダウン要求出力が算出されるとともに、第1及び第2シフトダウンのいずれが実行されているか、及びシフトダウンが所定条件下で行われるとき成立する選択条件が成立するか否かが判定され、その判定結果に応じて、シフトダウン時の機関出力制御パターンが選択される。すなわち、1)選択条件が成立しないときは、クラッチを介して伝達される機関の出力である伝達出力に、シフトダウン要求出力を加算した値となるように、機関出力を制御する第1制御パターンが選択され、2)選択条件が成立し、かつ第1シフトダウンが実行されるときは、シフトダウン要求出力となるように前記機関の出力を制御する第3制御パターンが選択され、3)選択条件が成立し、かつ第2シフトダウンが実行されるときは、運転者要求出力にシフトダウン要求出力を加算した値となるように、機関出力を制御する第2制御パターンが選択される。このように機関出力制御パターンを切り換えることにより、シフトダウン手法及び選択条件の成否に応じて適切な機関出力制御を行い、機関回転数の過剰な増加及びトルクショックを回避しつつ、迅速なシフトダウンを行うことができる。また第2シフトダウンを実行するときは、シフトダウン実行中においても運転者が要求する出力が変速機構の出力軸に伝達されるので、車両運転性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、シフトダウンの開始時点から、シフトダウンに要する時間に応じた所定時間が経過した時点において機関回転数が目標回転数と一致するように機関出力の制御が行われるので、変速制御と機関出力制御を協調させ、機関回転数のオーバシュート、変速時の違和感(機関回転数は目標回転数に維持させているのに変速が完了しないことに起因する)あるいはトルクショックを防止することができる。
本発明の一実施形態にかかる車両に搭載された内燃機関、変速機構、及びそれらの制御装置の構成を示す図である。 図1に示す変速機構の構成を説明するための模式図である。 エンジン出力トルク、クラッチトルク、及び伝達トルクの関係を説明するための図である。 シフトダウン実行時におけるエンジン出力トルク制御を説明するためのタイムチャートである。 シフトダウン実行時におけるエンジン出力トルク制御を説明するためのタイムチャートである。 シフトダウン実行時におけるエンジン出力トルク制御を説明するためのタイムチャートである。 エンジン回転数制御トルク(TRQNEFF,TRQNEFB))の算出手法を説明するためのタイムチャートである。 エンジン回転数制御トルクのフィードフォワード制御項(TRQNEFF)の算出手法を説明するためのタイムチャートである。 エンジンの目標トルク(TRQCMD)を算出する処理のフローチャートである。 図9の処理で実行されるフィードフォワード制御項(TRQNEFF)算出処理のフローチャートである。 図9の処理で実行されるフィードバック制御項(TRQNEFB)算出処理のフローチャートである。 図9の処理で実行されるフィードバック制御項(TRQNEFB)算出処理のフローチャートである。 制御モードを判定する処理のフローチャートである。 エンジン回転数漸増制御を説明するためのタイムチャートである。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる車両を駆動する内燃機関及び変速機構と、それらの制御装置の構成を示す図である。内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、吸気管2を有し、吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。スロットル弁3には、スロットル弁3の開度THを検出するスロットル弁開度センサ4が設けられており、その検出信号がエンジン制御用電子制御ユニット(以下「EG−ECU」という)5に供給される。スロットル弁3には、スロットル弁3を駆動するアクチュエータ7が接続されており、アクチュエータ7は、EG−ECU5によりその作動が制御される。
燃料噴射弁6は図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にEG−ECU5に電気的に接続されて当該EG−ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。
エンジン1の本体にはエンジン冷却水温TWを検出する冷却水温センサ9が取り付けられており、その検出信号はEG−ECU5に供給される。
EG−ECU5には、エンジン1のクランク軸8の回転角度を検出するクランク角度位置センサ10が接続されており、クランク軸の回転角度に応じた信号がEG−ECU5に供給される。クランク角度位置センサ10は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置でTDCパルスを出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い一定クランク角周期(例えば6度周期)でCRKパルスを発生するCRKセンサから成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスがEG−ECU5に供給される。これらの信号パルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御及びエンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。
EG−ECU5には、エンジン1により駆動される車両のアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセルペダル操作量」という)APを検出するアクセルセンサ11、及びエンジン1により駆動される車両の車速VPを検出する車速センサ12が接続されており、その検出信号がEG−ECU5に供給される。
EG−ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理回路(以下「CPU」という)、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、アクチュエータ7、燃料噴射弁6などに駆動信号を供給する出力回路から構成される。EG−ECU5は、上述したセンサの検出信号に基づいて、燃料噴射弁6の開弁時間の制御、及び点火時期制御を行うとともに、スロットル弁3の目標開度THCMDを算出し、検出したスロットル弁開度THが目標開度THCMDに一致するようにアクチュエータ7を駆動するスロットル弁開度制御を行う。目標開度THCMDは、エンジン1の目標トルクTRQCMDに応じて算出され、エンジン1の出力トルクが目標トルクTRQCMDと一致するように、スロットル弁開度TH(エンジン1の吸入空気量)が制御される。
クランク軸8は変速機構21に接続されており、変速機構21は、変速制御用電子制御ユニット(以下「TM−ECU」という)20により、油圧制御ユニット23を介して制御される。変速機構21は出力軸22を有し、出力軸22は図示しない動力伝達機構を介して当該車両の駆動輪を駆動する。
本実施形態では、変速機構21は2つのクラッチを備える2重クラッチ変速機構(Dual Clutch Transmission)であり、以下「DCT21」という。
TM−ECU20には、シフトレバースイッチ31、パドルスイッチ32、及びスポーツモードスイッチ33が接続されており、スイッチ31〜33の切換信号がTM−ECU20に供給される。シフトレバースイッチ31は、最適な変速段を自動的に選択するDレンジ、運転者の変速指示に応じた変速段を選択するMレンジ、後進時に使用するRレンジ、駐車時に使用するPレンジなどのうち、シフトレバー(図示せず)により選択されたレンジを示す信号を出力する。パドルスイッチ32は、シフトアップ指示用スイッチと、シフトダウン指示用スイッチとからなり、運転者の操作に応じてシフトアップを指示する信号またはびシフトダウンを指示する信号を出力する。スポーツモードスイッチ33は、オンオフスイッチであり、運転者がスポーツモードを選択するときオンされる。
TM−ECU20は、EG−ECU5と同様に、入力回路、CPU、記憶回路、及び出力回路を備えている。TM−ECU20は、EG−ECU5と接続されており、相互に必要な情報の伝達を行う。例えば検出されるアクセルペダル操作量AP、車速VP、エンジン回転数NEなどは、EG−ECU5からTM−ECU20に供給される一方、変速(シフトアップまたはシフトダウン)の実行を示す信号(変速時のエンジントルク制御指令信号)は、TM−ECU20からEG−ECU5に供給される。
TM−ECU20は、アクセルペダル操作量AP、車速VP、エンジン回転数NEなどに基づく自動変速制御、あるいは運転者の指示に応じた変速制御を行う。
図2は、DCT21の一部の構成を模式的に示す図であり、1速〜4速の変速ギヤが示されている。エンジン1のクランク軸8は、クラッチ機構41に接続されており、クラッチ機構41は、第1メインシャフト44に接続された第1クラッチ42と、第2メインシャフト45に接続された第2クラッチ43とを備えている。
第1メインシャフト44には、1速ドライブギヤ46及び3速ドライブギヤ47が支持されており、第2メインシャフト45には、2速ドライブギヤ48及び4速ドライブギヤ49が支持されている。また出力軸22には1速ドリブンギヤ51、2速ドリブンギヤ52、3速ドリブンギヤ53、及び4速ドリブンギヤ54が支持されている。
上述した第1及び第2クラッチ42,43の開放/係合、及び変速段の切換は、油圧制御ユニット23によって行われる。
本実施形態では、DCT21におけるシフトダウンを2つのモードで実行する。4速から3速へのシフトダウンを例にとって説明すると、第1シフトダウンモードでは、第2クラッチ43を開放し(4速が選択されているとき第1クラッチは開放されている)、4速ドライブギヤ49と4速ドリブンギヤの歯合を解除するとともに、3速ドライブギヤ47と3速ドリブンギヤ53を歯合させ、次いで第1クラッチ42を係合する。なお、4速が選択されているときは、第1クラッチ42は開放されているので、3速ドライブギヤ47と3速ドリブンギヤ53を、シフトダウンの開始前または開始直後に歯合させるようにしてもよい。第1シフトダウンモードでは、クラッチ機構41を介した動力伝達が一定時間遮断される。
第2シフトダウンモードでは、4速が選択されているときに、3速ドライブギヤ47と3速ドリブンギヤ53をシフトダウン開始前または開始直後に歯合させて、第1クラッチ42の係合力を徐々に増加させる係合動作と、第2クラッチ43の係合力を徐々に減少させる開放動作と並行して実行する。第2シフトダウンモードでは、シフトダウン実行中においてもクラッチ機構41を介した動力伝達を維持しつつシフトダウンを行うことができる。
図3は、クラッチの係合力FCLと、伝達トルクTTMとの関係を説明するための図であり、図3に示す実線L1及びL2は、それぞれエンジン出力トルクTEG及びクラッチトルクTRQCLを示し、破線L3が伝達トルクTTMを示す。ここで、クラッチトルクTRQCLは、クラッチが伝達し得る最大トルクを意味し、係合力FCLに比例する。破線L3は、正確には実線L1またはL2と重なるが、図3では見やすくするための僅かにずらして示している。
係合力FCLが所定値FCL0より小さい範囲では、エンジン出力トルクがクラッチトルクTRQCLより大きいため、クラッチに滑りが発生し、伝達トルクTTMはクラッチトルクTRQCLと等しくなる。係合力FCLが所定値FCL0以上の範囲では、エンジン出力トルクTEGがそのままクラッチによって伝達されるので、伝達トルクTTMはエンジン出力トルクTEGと等しくなる。
図4は、第1シフトダウンモードにおけるシフトダウン制御を説明するためのタイムチャートであり、時刻tSからtEの間でシフトダウンが行われた例が示されている。第1シフトダウンモードでは、2つのクラッチがともに開放されるため、クラッチトルクTCLは「0」となり、エンジン回転数NEが目標回転数NECMD(TM−ECU20からEG−ECU5に供給される)に一致させるためのエンジン回転数制御トルクTRQNEが得られるようにエンジンのトルク制御(スロットル弁開度制御)を行う。これによりシフトダウン完了時点tEにおいて、エンジン回転数NEが目標回転数NECMDと一致し、クラッチ係合時のトルクショックが防止される。図4に示すTRQDRVは、アクセルペダル操作量APに応じて算出されるドライバ要求トルクであり、TRQNEIはエンジン回転数NEを加速するために必要なイナーシャトルクであり、エンジン回転数制御トルクTRQNEは、イナーシャトルクTRQNEIを相殺するように算出される。
図5は、第2シフトダウンモードにおける通常シフトダウン制御を説明するためのタイムチャートである。第2シフトダウンモードでは、2つのクラッチの一方の係合力を減少させつつ他方のクラッチの係合力を増加させ、クラッチトルクTRQCLがドライバ要求トルクTRQDRVと一致するようにクラッチ係合力が制御される。エンジン回転数制御トルクTRQNEとイナーシャトルクTRQNEIとが相殺して、シフトダウン実行中の伝達トルクTTMはドライバ要求トルクTRQDRV(=TRQCL)と等しくなる。なお、エンジン回転数制御トルクTRQNEを発生させないと、伝達トルクTTMは一点鎖線で示すようにシフトダウン実行中低下する。
図6は、第2シフトダウンモードにおけるスロットル全開シフトダウン制御を説明するためのタイムチャートである。シフトダウン実行時にスロットル弁がほぼ全開の状態にあるときは、エンジン回転数NEを目標回転数NECMDに一致させるためのエンジン回転数制御トルクTRQNEを発生させることができない。そこで、クラッチトルクTRQCLをドライバ要求トルクTRQDRVより小さい値まで減少させ、エンジン回転数NEを目標回転数NECMDに一致させる制御を行う。この場合は、クラッチトルクTRQCLの減少によって、シフトダウン実行中の伝達トルクTTMが低下する。エンジン出力トルクが最大となっている状態は、EG−ECU5からTM−ECU20に伝達され、スロットル全開シフトダウン制御が実行される。なお、上記クラッチトルクを減少させる制御を行わない場合には、エンジン回転数NEを目標回転数NECMDまで上昇させることができず、第2シフトダウンモードにおけるスロットル全開シフトダウン制御を実行することができない。
次に図7を参照して、シフトダウン実行中におけるエンジン回転数制御(エンジントルク制御)の概要を説明する。本実施形態では、フィードフォワード制御項(以下「FF制御項」という)TRQNEFF(図7(c))と、フィードバック制御項(以下「FB制御項」という)TRQNEFB(図7(d))の和をエンジン回転数制御トルクTRQNE(図7(e))として算出し、シフトダウン開始時刻tSからシフトダウンに要する所定シフト時間TSFT(TM−ECU20からEG−ECU5に供給される)経過後の終了時刻tEにエンジン回転数NEが目標回転数NECMDと一致するようにエンジントルク制御を行う。
図7(a)は、ダウンカウントタイマTNEREQDCTの値を示しており、開始時点tSにおいて所定シフト時間TSFTが設定される。図7(b)は、実際のエンジン回転数NE、フィードフォワード制御用目標回転数(以下「FF目標回転数」という)NECMDFF及びフィードバック制御用目標回転数(以下「FB目標回転数」という)NECMDFBの推移を示す。FF目標回転数NECMDFFは、終了時刻tEよりエア反応時間TAD前の時刻t2において目標回転数NECMDに達するように設定される。FB目標回転数NECMDFBは、開始時刻tSからエア反応時間TAD経過した時刻t1に算出が開始され、終了時刻tEにおいて目標回転数NECMDに達するように設定される。エア反応時間TADは、目標トルク(スロットル弁開度TH)の変更が、実際のエンジン出力トルクに反映されるまでの遅れ時間である。
FF制御項TRQNEFFは、FF目標回転数NECMDFFが目標回転数NECMDに達するまでの間、演算周期毎に算出される回転数変化量DNEにエンジン1の回転部品の慣性モーメントを示す慣性モーメント係数KEINTIAFFを乗算することにより算出される。FB制御項TRQNEFBは、エンジン回転数NEがFB目標回転数NECMDFBと一致するようにスライディングモード制御を適用して算出される。これらの制御項の算出手法の詳細は、フローチャート(図10〜図12)を参照して後述する。
以上説明したエンジントルク制御によって、エンジン回転数NEは、図7(b)に示すように、終了時刻tEにおいて目標回転数NECMDと一致するように制御される。
図8は、シフトダウン実行中にさらにシフトダウン要求がなされた例(例えば4速から3速へのシフトダウン中にさらに2速へのシフトダウンが要求された例)における制御を説明するためのタイムチャートである。図8(a)はフィードフォワード制御タイマ(以下「FF制御タイマ」という)TNEREQFFの値を示し、図8(b)は目標回転数NECMD及びFF目標回転数NECMDFFの推移を示す。この例では、目標回転数NECMDは、時刻tSにおいて第1回転数NE1に設定され、次のシフトダウン要求が行われる時刻t11において第2回転数NE2に変更される。それにともない、時刻t11においてFF制御タイマTNEREQFFの値が、次のシフトダウンが完了するまでの時間に応じて更新される。
FF制御タイマTNEREQFFは、上記タイマTNEREQDCTの値からエア反応時間TADを減算した値をとり、時刻t12において「0」となり、FF目標回転数NECMDFFが目標回転数NECMDと一致する。
図9は、エンジンの目標トルクTRQCMDを算出する処理のフローチャートである。この処理は、EG−ECU5のCPUで所定時間TCAL(例えば10msec)毎に実行される。
ステップS11では、図10に示すTRQNEFF算出処理を実行し、FF制御項TRQNEFFを算出する。ステップS12では、図11及び図12に示すTRQNEFB算出処理を実行し、FB制御項TRQNEFBを算出する。
ステップS14では、例外制御フラグFEXが「1」であるか否かを判別する。例外制御フラグFEXは、図13に示す制御モード判定処理において、例外制御選択条件が成立するとき「1」に設定される。ステップS14の答が否定(NO)であるときは、FF制御項TRQNEFF、FB制御項TRQNEFB、及びクラッチトルクTRQCLを下記式(1)に適用し、目標トルクTRQCMDを算出する(ステップS15)。クラッチトルクTRQCLは、クラッチ42及び43の係合力によって決まるものであり、TM−ECU20から供給される。
TRQCMD=TRQNEFF+TRQNEFB+TRQCL (1)
ステップS14でFEX=1であって例外制御選択条件が成立するときは、第1シフトダウンモードフラグFAMTが「1」であるか否かを判別する(ステップS16)。第1シフトダウンモードフラグFAMTは、図13に示す処理において、第1シフトダウンモードの選択条件が成立するとき「1」に設定される。
ステップS16の答が否定(NO)、すなわち第2シフトダウンモードが選択されているときは、下記式(2)により、目標トルクTRQCMDを算出する(ステップS17)。式(2)のTRQDRVは、アクセルペダル操作量APに応じて算出されるドライバ要求トルクである。式(2)は式(1)のクラッチトルクTRQCLをドライバ要求トルクTRQDRVに代えたものである。例外制御選択条件が成立するときは、クラッチトルクTRQCLが適正値からずれる可能性があるため、ドライバ要求トルクTRQDRVが適用される。
TRQCMD=TRQNEFF+TRQNEFB+TRQDRV (2)
ステップS16の答が肯定(YES)、すなわち第1シフトダウンモードが選択されているときは、下記式(3)により目標トルクTRQCMDを算出する(ステップS18)。
TRQCMD=TRQNEFF+TRQNEFB (3)
図10は、図9のステップS11で実行されるTRQNEFF算出処理のフローチャートである。
ステップS21では、第1初期化フラグFNEFFINIが「1」であるか否かを判別する。最初はこの答は否定(NO)であるので、ステップS22に進み、FF目標回転数の前回値NECMDFFZを、現在のエンジン回転数NEに設定するとともに、第1初期化フラグFNEFFINIを「1」に設定する。ステップS23では、ダウンカウントタイマTNEREQDCTに所定シフト時間TSFTを設定してスタートさせる。所定シフト時間TSFTは、DCT21におけるシフトロッド移動時間、クラッチ油圧応答時間、及びクラッチ係合時間を含み、変速動作の開始時点から終了時点までの時間に相当する(図7(a)参照)。
ステップS22を実行した後は、ステップS21の答が肯定(YES)となるので、ステップS24に進み、FF目標回転数の前回値NECMDFFZを今回値NECMDFFに設定する。ステップS25では、下記式(4)によりFF制御タイマTNEREQFFの値を算出する。式(4)のTNECNTDLは、制御遅れ時間であり、前述したエア反応時間TADに設定される。
TNEREQFF=TNEREQDCT−TNECNTDL (4)
ステップS26では、FF制御タイマTNEREQFFの値が「0」であるか否かを判別する。最初はこの答は否定(NO)であるので、ステップS27に進み、目標回転数NECMD、FF目標回転数の前回値NECMDFFZ、本処理の実行周期TCAL、及びタイマTNEREQFFの値を下記式(5)に適用し、FF目標回転数NECMDFFを算出する。
Figure 0005237891
ステップS28では、目標回転数NECMD、FF目標回転数NECMDFF、及びタイマTNEREQFFの値を下記式(6)に適用し、FF制御項TRQNEFFを算出する。式(6)のKEINTIAFFは、エンジン1の回転部品の慣性モーメントに相当する慣性モーメント係数である。
Figure 0005237891
ステップS26でタイマTNEREQFFの値が「0」であるときは、ステップS29に進み、FF制御項TRQNEFFを「0」に設定する。
図11及び図12は、図9のステップS12で実行されるTRQNEFB算出処理のフローチャートである。
ステップS31では、第2初期化フラグFNEFBINIが「1」であるか否かを判別する。最初はこの答は否定(NO)であるので、ステップS32に進み、ダウンカウントタイマTMDLYNEFBを制御遅れ時間TNECNTDLにセットしてスタートさせる。ステップS33では、FB目標回転数の前回値NECMDFBZを現在のエンジン回転数NEに設定するとともに、制御偏差の前回値DLTNETGTZ及び切換関数積算値の前回値SGMDLTNEZを「0」に設定する。ステップS34では、第2初期化フラグFNEFBINIを「1」に設定する。
ステップS34を実行した後は、ステップS31の答が肯定(YES)となるので、ステップS35に進み、FB目標回転数の前回値NECMDFBZを今回値NECMDFBに設定するとともに、制御偏差の前回値DLTNETGTZ及び切換関数積算値の前回値SGMDLTNEZを、それぞれ今回値DLTNETGT及びSGMDLTNEに設定する。
ステップS36では、タイマTMDLYNEFBの値が「0」であるか否かを判別する。最初はこの答は否定(NO)であるので、ステップS37に進み、FB目標回転数の前回値NECMDFBを現時点のエンジン回転数NEに設定する。
ステップS36の答が肯定(YES)となると、ステップS38に進み、タイマTNEREQDCTの値が「0」であるか否かを判別する。最初のこの答は否定(NO)であるので、ステップS39に進み、目標回転数NECMD、FB目標回転数の前回値NECMDFBZ、本処理の実行周期TCAL、及びタイマTNEREQDCTの値を下記式(7)に適用し、FB目標回転数NECMDFBを算出する。
Figure 0005237891
ステップS38の答が肯定(YES)となるとステップS40に進み、FB目標回転数NECMDFBを目標回転数NECMDに設定する。
ステップS41(図12)では、FB目標回転数NECMDFBからエンジン回転数NEを減算することにより、制御偏差DLTNETGTを算出する。ステップS42では、下記式(8)にステップS41で算出した制御偏差DLTNETGT及び前回値DLTNETGTZを適用し、切換関数値ETDLTNEを算出する。式(8)のVPOLETMNEは、収束特性設定パラメータであり、「−1」から「0」の間の値に設定される。収束特性設定パラメータVPOLETMNEの値を変更することにより、時間経過に伴う制御偏差DLTNETGTの減衰特性を変更することができる。
ETDLTNE=DLTNETGT
+VPOLETMNE×DLTNETGTZ (8)
ステップS43では、最大トルクフラグFLMTTRQNEが「1」であるか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは直ちにステップS45に進む。最大トルクフラグFLMTTRQNEは、図9の処理で算出される目標トルクTRQCMDがエンジンの最大トルクTRQENGMAXを超えると「1」に設定される。
なお、最大トルクフラグFLMTTRQNEは、目標トルクTRQCMDが、最大トルクTRQENGMAXより若干小さい制御リミットTRQDCTNELMHを超えたときに「1」に設定するようにしてもよい。そのような最大トルクフラグFLMTTRQNEの設定を行うことにより、スロットル弁を全開とする高負荷運転時において空燃比が所望値よりリッチ化することを防止できる。
最大トルクフラグFLMTTRQNEが「0」であるときは、切換関数値ETDLTNEの積算値SGMDLTNEを下記式(9)により算出する(ステップS44)。
SGMDLTNE=SGMDLTNEZ+ETDLTNE (9)
ステップS45では、下記式(12)に切換関数値ETDLTNE及び切換関数積算値SGMDLTNEを適用し、FB制御項TRQNEFBを算出する。式(12)のKRCHTMNEは、到達則制御ゲインであり、KADPTMNEは、適応則制御ゲインである。
TRQNEFB=KRCHTMNE×ETDLTNE
+KADPTMNE×SGMDLTNE (12)
図11及び図12の処理では、シフトダウン開始時点から制御遅れ時間TNECNTDLが経過した時点においてFB制御項TRQNEFBの算出が開始され、スライディングモード制御によってエンジン回転数NEがFF目標回転数NECMDFBと一致するように、FB制御項TRQNEFBが算出される。
図13は、TM−ECU20のCPUで所定時間TCAL毎に実行される、シフトダウン用制御モード判定処理のフローチャートである。
ステップS51では、アクセルオフフラグFAPOFFが「1」であるか否かを判別する。アクセルオフフラグFAPOFFは、アクセルペダル操作量APが「0」であるとき「1」に設定される。ステップS51の答が肯定(YES)であるときは、パドルダウンフラグFPDが「1」であるか否かを判別する(ステップS52)。パドルダウンフラグFPDは、運転者がパドルスイッチ32を操作してシフトダウンを指示したとき「1」に設定される。
ステップS52の答が肯定(YES)、すなわちアクセルペダル操作量APが「0」でかつ運転者がシフトダウンを指示したときは、第1シフトダウンモードフラグFAMTを「1」に設定する(ステップS54)。したがって、第1シフトダウンモードが選択される。
ステップS52でFPD=0であるときは、第1シフトダウンモードフラグFAMTを「0」に設定する(ステップS55)。したがって、第2シフトダウンモードが選択される。
ステップS51でFAPOFF=0であってアクセルペダルが踏み込まれているときは、スポーツモードフラグFSPが「1」であるか否かを判別する(ステップS53)。スポーツモードフラグFSPは、スポーツモードスイッチ33がオンされると「1」に設定される。ステップS53の答が肯定(YES)であるときは、ステップS55に進み、第2シフトダウンモードを選択する。
ステップS53でFSP=0であってスポーツモードが選択されていないとき(ノーマルモードであるとき)は、ステップS54に進み、第1シフトダウンモードを選択する。
ステップS56では、エンジン冷却水温TWが所定水温TWL(例えば60℃)より低いか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは、例外制御フラグFEXを「1」に設定する(ステップS58)。ステップS56の答が否定(NO)であるときは、リセットフラグFRSTが「1」であるか否かを判別する。リセットフラグFRSTは、TM−ECU20がリセットされた直後であるとき「1」に設定される。TM−ECU20は、修理や部品交換時にバッテリが外されるとリセットされる。
ステップS57の答が肯定(YES)であるときは、ステップS58に進み、例外制御フラグFEXを「1」に設定する。ステップS57の答が否定(NO)、すなわちエンジン冷却水温TWが所定水温TWL以上であり、かつTM−ECU20のリセット直後でないときは、例外制御フラグFEXを「0」に設定する(ステップS59)。
エンジン冷却水温TWが低いときは、クラッチの開放/係合動作が完全暖機時と比べて遅くなること、及びクラッチ自体の温度も低いために完全暖機時と比べて摩擦係数が大きくなることに起因して、クラッチトルクTRQCLが想定値からずれる可能性がある。またクラッチトルクTRQCLと、クラッチの係合力FCLとの関係は、TM−ECU20において学習され、その学習結果を用いてシフトダウン実行時のクラッチトルクTRQCLが算出されるので、TM−ECU20がリセットされると学習、記憶されたデータが失われ、リセット直後におけるクラッチトルクTRQCLの算出精度が低下する。したがって、図9のステップS15に代えて、ステップS17またはS18の例外制御を実行することにより、クラッチトルクTRQCLを用いることによる制御精度の低下を防止することができる。
本実施形態では、シフトダウン終了時刻tEにおいて、エンジン回転数NEが目標回転数NECMDと一致するように、目標トルクTRQCMDが算出されるので、エンジン回転数NEは目標回転数NECMDに向かって徐々の上昇するように制御される(以下「エンジン回転数漸増制御」という)。
図14は、このエンジン回転数漸増制御を行わない例と、本実施形態とを対比して説明するためのタイムチャートであり、シフトダウン実行中に目標回転数NECMDが変更された例が示されている。図14(a)(b)がエンジン回転数漸増制御を行わない例を示し、図14(c)(d)がエンジン回転数漸増制御を行った例を示す。
エンジン回転数漸増制御を行わない場合には、シフトダウン実行期間の比較的早い時点から、エンジン回転数NEが目標回転数NECMDに一致するように目標トルクTRQCMDが算出されるため、目標トルクTRQCMDが急激に増加し、それによってエンジン回転数NEも急激に増加する。オーバシュートが発生し、そのために目標トルクTRQCMDが急減している。
これに対しエンジン回転数漸増制御を行った場合には、上述したようにFF目標回転数NECMDFF及びFB目標回転数NECMDFBが漸増するように設定されるので、目標トルクTRQCMDの変動が小さく、エンジン回転数NEが徐々に増加してシフトダウン実行期間の終了直前に目標回転数NECMDに達する。したがって、エンジン回転数漸増制御を行わない場合に比べて、トルクショックの発生する可能性が低くなり、かつエンジン回転数NEの増加終了とシフトダウンの終了とが同期し、運転者は良好なシフト操作感覚を得ることができる。
また本実施形態では、2つのクラッチ42,43をともに開放した状態でシフトダウンを実行する第1シフトダウンモードと、一方のクラッチの開放動作と、他方の一つのクラッチの係合動作とを並行して実行することにより、ドライバ要求トルクが変速動作中にDCT21の出力軸22に伝達される状態でシフトダウンを実行する第2シフトダウンモードの何れか一方が、車両運転状態に応じて選択される。またシフトダウンを実行するときに、エンジン回転数NEが目標回転数NECMDと一致するように、目標トルクTRQCMDが算出され、目標トルクTRQCMDが得られるようにスロットル弁開度THが制御される。具体的には、エンジン回転数NEが目標回転数NECMDに到達するために必要なエンジン回転数制御トルクTRQNE(=TRQNEFF+TRQNEFB)が算出されるとともに、第1及び第2シフトダウンモードのいずれが選択されているか、及び例外制御選択条件が成立するか否かが、図13に示す処理で判定され、その判定結果に応じて、シフトダウン実行時の目標トルク算出手法が選択される(図9、ステップS14〜S18)。
すなわち、1)例外制御選択条件が成立しないときは、クラッチトルクTRQCLに、エンジン回転数制御トルクTRQNEを加算することにより、目標トルクTRQCMDが算出され(ステップS15)、2)例外制御選択条件が成立し、かつ第1シフトダウンモードが選択されているときは、目標トルクTRQCMDがエンジン回転数制御トルクTRQNEに設定され(ステップS18)、3)例外制御選択条件が成立し、かつ第2シフトダウンモードが選択されているときは、ドライバ要求トルクTRQDRVにエンジン回転数制御トルクTRQNEを加算することにより、目標トルクTRQCMDが算出される(ステップS17)。このように目標トルクTRQCMDの算出手法(算出式)を切り換えることにより、シフトダウン手法、及び例外制御選択条件の成否に応じて適切なエンジン出力制御を行い、エンジン回転数NEの過剰な増加及びトルクショックを回避しつつ、迅速なシフトダウンを行うことができる。また第2シフトダウンモードを選択するときは、シフトダウン実行中においても、ドライバ要求トルクTRQDRVがDCT21の出力軸22に伝達されるので、車両運転性を向上させることができる。
ドライバ要求トルクTRQDRVにエンジン回転数制御トルクTRQNEを加算することにより、目標トルクTRQCMDを算出する手法では、シフトダウン実行中にアクセルペダルが踏み込まれると、ドライバ要求トルクTRQDRVが急激に増加し、エンジン回転数NEの過剰な増加が発生する可能性がある。そこで、本実施形態では、通常制御においては、クラッチトルクTRQCLにエンジン回転数制御トルクTRQNEを加算することにより、目標トルクTRQCMDを算出する手法を採用し、エンジン回転数NEの過剰な増加を確実に防止するようにしている。
本実施形態では、スロットル弁3及びアクチュエータ7が機関出力制御手段の一部を構成し、TM−ECU20が第1シフトダウン手段、第2シフトダウン手段、シフトダウン切換手段、及び選択条件判定手段(機関出力制御手段の一部)を構成し、EG−ECU5が機関出力制御手段の一部、シフトダウン要求出力算出手段、及び制御パターン切換手段を構成する。具体的には、図13の処理がシフトダウン切換手段及び選択条件判定手段に相当し、図9の処理が制御パターン切換手段を含む機関出力制御手段に相当し、図10〜図12の処理がシフトダウン要求出力算出手段に相当する。またエンジン回転数制御トルクTRQNEが、「シフトダウン要求出力」に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では制御遅れ時間TNECNTDL(エア反応時間TAD)を所定値に設定しているが、例えばシフトダウン開始時点におけるエンジン回転数NEに応じて設定するようにしてもよい。
また上述した実施形態では、2つのクラッチを備える変速機構を使用したが、本願発明は、3つ以上のクラッチを備える変速機構の制御にも適用可能である。
また上述した実施形態では、FB制御項TRQNEFBの算出にスライディングモード制御を適用したが、PID制御(比例積分微分制御)により算出するようにしてもよい。
1 内燃機関
3 スロットル弁(機関出力制御手段)
5 エンジン制御用電子制御ユニット(機関出力制御手段、シフトダウン要求出力算出手段、制御パターン切換手段)
7 アクチュエータ(機関出力制御手段)
8 クランク軸
20 変速制御用電子制御ユニット(第1シフトダウン手段、第2シフトダウン手段、シフトダウン切換手段、選択条件判定手段、機関出力制御手段)
21 変速機構
22 出力軸

Claims (2)

  1. 内燃機関と、該機関の出力軸に接続された複数のクラッチを備える変速機構とを備える車両の制御装置において、
    前記複数のクラッチをすべて開放した状態でシフトダウンを実行する第1シフトダウン手段と、
    前記複数のクラッチの一つのクラッチの開放動作と、他の一つのクラッチの係合動作とを並行して実行することにより、前記車両の運転者の要求出力が変速動作中に前記変速機構の出力軸に伝達される状態でシフトダウンを実行する第2シフトダウン手段と、
    前記車両の運転状態に応じて前記第1シフトダウン手段と第2シフトダウン手段とを切り換えるシフトダウン切換手段と、
    前記シフトダウンを実行するときに、前記機関の回転数が目標回転数と一致するように前記機関の出力を制御する機関出力制御手段とを備え、
    前記機関出力制御手段は、
    前記機関回転数が前記目標回転数に到達するために必要なシフトダウン要求出力を算出するシフトダウン要求出力算出手段と、
    前記クラッチを介して伝達される前記機関の出力であるクラッチ伝達出力に、前記シフトダウン要求出力を加算した値となるように、前記機関の出力を制御する第1制御パターンと、前記運転者要求出力に前記シフトダウン要求出力を加算した値となるように、前記機関の出力を制御する第2制御パターンと、前記シフトダウン要求出力となるように前記機関の出力を制御する第3制御パターンとを切り換える制御パターン切換手段と、
    前記シフトダウンが所定条件下で行われるとき成立する選択条件を判定する選択条件判定手段とを備え、
    前記制御パターン切換手段は、
    前記選択条件が成立しないときは、前記第1制御パターンを選択し、
    前記選択条件が成立し、かつ前記第1シフトダウン手段が作動しているときは、前記第3制御パターンを選択し、
    前記選択条件が成立し、かつ前記第2シフトダウン手段が作動しているときは、前記第2制御パターンを選択する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記機関出力制御手段は、前記シフトダウンの開始時点から、前記シフトダウンに要する時間に応じた所定時間が経過した時点において前記機関回転数が前記目標回転数と一致するように前記機関出力の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
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