JP5235828B2 - 画面測定のセンサユニット作動機構 - Google Patents
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Description
ここで、画面測定のセンサユニット作動機構とは、光センサ(測定センサ)を有するセンサユニットを所定の場所に適宜移動させる機構であり、測定の際には、画面測定のセンサユニット作動機構がモニター画面上の所定場所にセンサユニットを移動させて、光学特性を測定し、測定後には、画面測定のセンサユニット作動機構がモニター画面上からセンサユニットを退避させることで、センサユニットがモニター画面を遮らないようにする構造を言う。
しかしながら、特許文献1や特許文献2記載の機構では、フレーム内や測定機内から回動させて出し入れするセンサユニットのアームの長さに制約があるため、特に液晶画面が縦長の場合や液晶画面のサイズが大きい場合には、センサユニットを液晶画面上の中央や端等の任意の場所に移動させることは難しい。画面中央等へ移動可能にしようとすると、センサユニットのアームが長くなることで増大するトルクに対応可能な大型のモータ等を有する駆動機構が必要となるため、大掛かりな機構となってしまう。また、画面測定のセンサユニット作動機構が大きくなると、モニターのデザイン性にも悪影響を及ぼす。
特許文献4記載のセンサユニット作動機構は、モニターの上部から前後にかけてセンサユニット作動機構を配置した大掛かりな形状(三叉形状等)を呈しており、センサユニットが常に露出している構造であるため、デザイン性も好ましくない。また、センサユニットはセンサユニット作動機構からケーブルで吊り下げられた状態であるので、センサユニットをモニター画面前に移動させた際に、ケーブルの揺れによってセンサユニットがモニター画面に接触してモニター画面を損傷させる危険が高く、さらには、センサユニットをモニター画面上の任意の場所(特に測定者が望む測定場所)に移動させることも難しい。
前記スライドレールとスライダと構成されるスライド機構の配置としては、前記四周枠フレームの一辺側(上辺側、下辺側、左辺側、又は右辺側)のみに内蔵される構成(第1の実施の形態)と、前記フレームの対向する二辺側(上辺側及び下辺側、若しくは左辺側及び右辺側)にそれぞれ内蔵される構成(第2と第3の実施の形態)が考えられる。
前記引き出し・巻取り機構としては、ゼンマイバネ(渦巻きバネ)、コイルバネ、板バネ、モータ等が挙げられるが、特にゼンマイバネが好ましい。なお、前記ワイヤの材質としては、ピアノ線等を用いて、ワイヤを肉眼では認識し難くすることもできる。すなわち、前記センサユニットは小型化が進んでおり、この小型のセンサユニットよりも前記支持部材(ワイヤ)の方が視覚的に邪魔にならないようにするためである。そして、ワイヤを肉眼では認識し難くすることにより、あたかもモニター画面をセンサユニットのみが移動するかのように認識される構成とすることも可能である。
例えば、前記四周枠フレームの上辺側に前記スライド機構があり、前記フレームの下辺側の角隅付近に前記係留用ワイヤの係留地点、すなわち、前記引き出し・巻取り機構があり、前記フレームの左辺側のフレーム内にセンサユニットが格納されており、測定時には、スライダがスライダレールを左辺側から右辺側へ移動してフレーム内から画面中央の測定場所までセンサユニットを移動させる場合を考える。前記ワイヤが1本であるとすると、スライダと引き出し・巻取り機構との間のワイヤの長さは、非測定時は画面の左辺の長さよりも若干長くなり、測定時には画面の対角線の長さよりも若干長くなる。この測定時のワイヤ長さと非測定時のワイヤ長さとの差をワイヤ余長と定義する。本発明では、前記ワイヤ余長分だけワイヤを引き出したり巻き戻したりするための引き出し・巻取り機構が備わっているため、ワイヤの引っ張り調節ができる。そして、この引き出し・巻取り機構をゼンマイバネとすれば、小型で単純な構成でありながら、ワイヤの引っ張り調節が容易になる。
本発明によれば、センサユニットのワイヤに対する取り付け位置によっては、センサユニットを四周枠フレーム内の角隅付近からモニター画面上に引き出したり、四周枠フレームの一辺側付近からモニター画面上に引き出したりできるとともに、センサユニットをモニター画面の中央に向けて円弧を描くようにモニター画面上に引き出すことができる。したがって、モニター画面の中央を含めた任意の複数の場所を測定して、これらを比較することで、より精度の高い測定をする場合に好適な使用になる。
本発明によれば、前記支持部材をワイヤとすることで、前記四周枠フレームの厚みを特別厚くしなくとも良くなると共に、前記支持部材の厚み(直径)をセンサユニットに比べて充分に小さくすることができ、前記ワイヤを前記スライダが引っ張ってセンサユニットを移動させるので、センサユニットの表示画面に対する距離を常に一定に維持するとともに、測定の際にはセンサユニットを画面周囲のフレーム内から画面上の測定場所まで安定した姿勢でスムーズに移動させ、測定後にはセンサユニットをフレーム内に安定した姿勢でスムーズに格納することができる。
本発明を適用した第1の実施の形態の画面測定のセンサユニット作動機構1を備えたモニターを例示する斜視図を図1に示し、その正面図を図2に示す。本実施形態の画面測定のセンサユニット作動機構1は、液晶表示装置(液晶モニター)のモニター画面(液晶画面)101周囲に配された四周枠フレーム(ベゼル)2に一体的に組み込まれており、支持部材4であるワイヤの中央付近にセンサユニット3が係止されている。センサユニット3は、モニター画面101上の輝度や色度等の測定をする小型の棒状(スティック状)のものである。本実施形態の画面測定のセンサユニット作動機構1は、所定周期でモニター画面101のキャリブレーション(校正)を行うために、測定の際にはセンサユニット3を四周枠フレーム2内からモニター画面101上の測定場所まで移動させ、測定後にはセンサユニット3を四周枠フレーム2内に格納する仕組みとなっている。
本実施形態のセンサユニット作動機構1は、液晶モニターを使用するときには、センサユニット3をフレーム2内の格納場所103に格納する(図5)。センサユニット3を出し入れするため、格納場所103の内側(画面中央側)のフレーム部分は部分的に切り取られた状態となっている。また、ワイヤ4や信号線5を出し入れするため、格納場所103の内側(画面中央側)のフレーム部分はワイヤ4や信号線5が出し入れできるようにモニター画面との間に隙間が設けられている。本実施形態では、センサユニット3と制御回路との間で信号線5を取り付ける有線方式としているが(図10(a)〜(c)を参照)、信号線5の配置については後述することとし、一部の図面では省略して表している。なお、センサユニット作動機構の背面側からの構造図(図5から図8等)では、モニター画面101は図示されないが、センサユニット作動機構の手前側に配されている。
モータ96が停止した後、センサユニット3が作動して、モニター画面101の輝度、色度、光量等の光学特性を測定し、得られた測定データがパソコンに送出され、パソコンによってモニター画面101のキャリブレーション(校正)が行われる。そして、センサユニット3が作動して、キャリブレーション後のモニター画面101の光学特性を測定し、得られた測定データが再度パソコンに送出され、パソコンによってモニター画面101のキャリブレーションが正常に実行されたことが確認される。
さらには、上記のセンサユニット3と制御回路との間で信号線5を取り付ける有線方式を、センサユニット3と制御回路との間で信号を無線でやりとりする無線方式とすることも可能である。
図11は、本発明を適用した第2の実施の形態の画面測定のセンサユニット作動機構11を正面側から示す構造図である。なお、上述した実施の形態と重複する箇所の説明については、同一の符号を用いることでその説明を省略する。
本実施形態では、スライドレール8の両側付近の後方側(フレーム2内の背面側)に、所定間隔で2つの軸93,94が四周枠フレーム2の左辺(右辺)を超える長さで四周枠フレーム2の左辺(右辺)と平行に立設しており、それぞれの軸93,94にはプーリ91,92が2つずつ回転自在に取り付けられている。四周枠フレーム2の上辺側に配されたプーリ91,92と、四周枠フレーム2の下辺側に配されたプーリ91,92とには、それぞれ無端状ベルト95が架け渡されている。四周枠フレーム2の上辺側に配されたプーリ92にはモータ96が接続され、モータ96によって合計4つのプーリ91と92が回転し、2本の無端状ベルト95が同期動作する。四周枠フレーム2の上辺側に配された無端状ベルト95と四周枠フレーム2の上辺側に配されたスライダ71とが繋がっており、四周枠フレーム2の下辺側に配された無端状ベルト95と四周枠フレーム2の下辺側に配されたスライダ72とが繋がっているため、2本の無端状ベルト95が同期動作することによって2つのスライダ71,72が同期して左右に水平移動する。2つのスライダ71,72とセンサユニット3とは、棒状部材41にて連結されており、2つのスライダ71,72が左右に水平移動することで、センサユニット3が左右に水平移動する。
また、本実施形態によれば、棒状部材41に2つのスライダ71,72とセンサユニット3とが連結されているので、センサユニット3の安定した移動が可能である。また、センサユニット3の光センサ34からのケーブルが配される場合、このケーブルを上記棒状部材41に隠すように配することが可能である。
図12は、本発明を適用した第3の実施の形態の画面測定のセンサユニット作動機構12を正面側から示す構造図である。なお、上述した実施の形態と重複する箇所の説明については、同一の符号を用いることでその説明を省略する。
本実施形態では、スライドレール8の両側付近の後方側(フレーム2内の背面側)に、所定間隔で2つの軸93,94が四周枠フレーム2の上辺(下辺)を超える長さで四周枠フレーム2の上辺(下辺)と平行に立設しており、それぞれの軸93,94にはプーリ91,92が2つずつ回転自在に取り付けられている。四周枠フレーム2の左辺側に配されたプーリ91,92と、四周枠フレーム2の右辺側に配されたプーリ91,92とには、それぞれ無端状ベルト95が架け渡されている。四周枠フレーム2の左上側に配されたプーリ92にはモータ96が接続され、モータ96によって合計4つのプーリ91と92が回転し、2本の無端状ベルト95が同期動作する。四周枠フレーム2の左辺側に配された無端状ベルト95と四周枠フレーム2の左辺側に配されたスライダ73とが繋がっており、四周枠フレーム2の右辺側に配された無端状ベルト95と四周枠フレーム2の右辺側に配されたスライダ74とが繋がっているため、2本の無端状ベルト95が同期動作することによって2つのスライダ73,74が同期して上下に水平移動することとなる。
また、スライダ73,74の前面にはそれぞれプーリ991,992が取り付けられており、プーリ991,992には、無端状ベルト42が架け渡されている。無端状ベルト42はワイヤ状であり、センサユニット3の上辺側に固定されており、センサユニット3の下辺側に形成された貫通穴を貫通している。そして、プーリ991(又はプーリ992)と小型モータ(図示せず)とが接続され、該小型モータによってプーリ991と992が回転し、無端状ベルト42が動作してセンサユニット3が左右に水平移動することとなる。
2 四周枠フレーム、
3 センサユニット、
32,34 測定センサ(光センサ)、
4 支持部材(ワイヤ)、
5 信号線、
6 引き出し・巻取り機構、
62 ゼンマイバネ、
7 スライダ、
8 スライドレール、
95 無端状ベルト、
97,98 位置検出センサ、
101 モニター画面(液晶画面)、
103 格納場所
Claims (5)
- モニター画面上の輝度や色度等の測定に用いられる測定センサを有するセンサユニットを備え、測定センサによる測定の際にはセンサユニットを画面周囲の四周枠フレーム内から画面上の測定場所まで移動させ、測定後にはセンサユニットを四周枠フレーム内に格納する画面測定のセンサユニット作動機構において、前記四周枠フレームの少なくとも一辺側に、スライドレールと、スライドレールに取り付けられて移動するスライダとが配されるとともに、スライダに連結される支持部材としてワイヤが配され、当該ワイヤに前記センサユニットが取り付けられて、前記スライダのスライドレールに沿った移動により、前記センサユニットを前記四周枠フレームの一辺側から少なくともモニター画面の略中央までは移動可能に構成されており、前記ワイヤの一方が前記スライダに連結され、前記ワイヤの他方が該ワイヤを引き出すとともに巻き戻し可能な引き出し・巻取り機構に係留され、該ワイヤは巻き戻し力に抗して引き出されることを特徴とする画面測定のセンサユニット作動機構。
- 前記ワイヤの他方の係留地点が前記スライドレールとスライダが配されている側と対向する側の四周枠フレーム内の角隅付近であることを特徴とする請求項1記載の画面測定のセンサユニット作動機構。
- 前記スライドレールとスライダと前記引き出し・巻取り機構が前記四周枠フレームに外部から認識されないように内蔵されるとともに、前記支持部材とセンサユニットは、前記スライダによる移動前の初期状態では、前記四周枠フレームに外部から認識されないように格納されることを特徴とする請求項1または2記載の画面測定のセンサユニット作動機構。
- 前記スライドレールの両側付近にはプーリが配され、これらプーリに架け渡された無端状ベルトが前記スライダに連結されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の画面測定のセンサユニット作動機構。
- 前記スライダの位置を検出するための位置検出センサが前記スライドレールの両端側付近にそれぞれ配されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の画面測定のセンサユニット作動機構。
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