JP5233553B2 - ネットワーク経路設定システム、ネットワーク経路設定方法、及び、ネットワーク設定サーバ - Google Patents

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Description

本発明は、ネットワーク経路設定システム、ネットワーク経路設定方法、及び、ネットワーク設定サーバに関し、例えば、機器の移動が多い無線LANのバックボーンとなっている有線LANの経路設定に適用し得る。
一般に、LANでネットワークの可用性(稼働できる状態におくこと)を上げる方法として、L2(レイヤ2)スイッチングハブを物理的にループ状に接続し、非特許文献1で定義されているSTP(Spanning Tree Protocol)や非特許文献2で定義されているRSTP(Rapid STP)を使用することで、ループの一箇所を論理的に切断することでループを解消させて、異なる構成のネットワークとして成立させることも行われている。
IEEE802.1D IEEE802.1D−2004
しかしながら、STP、RSTPは、フレームがループ内を堂々巡りすることを防止するために物理的なループの解消を目的とするものであるため、各部分のトラフィックに拘わらず、ループを解消する設定はできるが、固定的に一箇所を切断するので、ネットワークの混雑度が頻繁に変わるようなネットワーク、例えば、端末の移動が多い無線LANのバックボーンとなっている有線LANのようなネットワークでは、ループの切断によって、各部分の帯域の使用量が最適にならない場合が多く、過度のトラフィックのために廃棄などが生じる恐れがあった。
例えば、図12に示すように、対応する無線アクセスポイント100−1〜100−4を介して、無線側ネットワーク101−1〜101−4をそれぞれ収容している各スイッチングハブ101−1〜102−4が物理的にループ状に接続されている状態において、点Pにおいて、STP又はRSTPによる論理的なループ切断がなされると、スイッチングハブ102−2及び102−4が処理していた大トラフィックが合算された極大トラフィックがスイッチングハブ102−3に流入し、極大トラフィックが流入するスイッチングハブ102−3や極大トラフィックを流出させるスイッチングハブ102−4において、一部トラフィックの廃棄などが生じる恐れがある。
そのため、ループの論理的な解消によってトラフィックが破棄されるような不都合を防止できるネットワーク経路設定システム、ネットワーク経路設定方法、及び、ネットワーク設定サーバが求められている。
第1の本発明は、複数のブリッジがリンクを介して物理的にはループを構成するように接続され、ループ/ツリートポロジー変換プロトコルに従った上記各ブリッジに割り当てられたパラメータに基づいて、上記各ブリッジが、上記ループにおけるいずれかのリンクで論理的な切断が行われていると認識するネットワーク経路設定システムにおいて、(1)現時点のツリートポロジーにおけるトラフィック情報を得る複数のモニタ装置と、(2)上記各モニタ装置が得た情報に基づいて、論理的な切断リンクを決定するネットワーク設定サーバとを備え、(3)上記ネットワーク設定サーバが、(3−1)上記各モニタ装置が得た情報に基づいて、上記各ブリッジでのトラフィックを反映させた評価値を得る評価値取得手段と、(3−2)上記各ブリッジの評価値に基づいて、所定の上記ブリッジから時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジが接続している機器数の総計情報を、所定の上記ブリッジから時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジと、所定の上記ブリッジとの間の第1のトラフィック量として推定すると共に、所定の上記ブリッジから反時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジが接続している機器数の総計情報を、所定の上記ブリッジから反時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジと、所定の上記ブリッジとの間の第2のトラフィック量として推定することを複数の切断リンク候補に対して実行し、第1及び第2のトラフィック量が最も均衡している切断リンク候補を、見直し先の切断リンク候補に決定する候補決定手段と、(3−3)上記ループ/ツリートポロジー変換プロトコルに従った論理的な切断が、見直し先の切断リンク候補で実行されるように、上記各ブリッジに割り当てられたパラメータを操作するブリッジパラメータ操作手段とを有することを特徴とする。
第2の本発明は、複数のブリッジがリンクを介して物理的にはループを構成するように接続され、ループ/ツリートポロジー変換プロトコルに従った上記各ブリッジに割り当てられたパラメータに基づいて、上記各ブリッジが、上記ループにおけるいずれかのリンクで論理的な切断が行われていると認識するネットワークに関し、経路を設定させるネットワーク設定サーバであって、(1)現時点のツリートポロジーにおけるトラフィック情報を得る複数のモニタ装置が得た情報に基づいて、上記各ブリッジでのトラフィックを反映させた評価値を得る評価値取得手段と、(2)上記各ブリッジの評価値に基づいて、所定の上記ブリッジから時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジが接続している機器数の総計情報を、所定の上記ブリッジから時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジと、所定の上記ブリッジとの間の第1のトラフィック量として推定すると共に、所定の上記ブリッジから反時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジが接続している機器数の総計情報を、所定の上記ブリッジから反時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジと、所定の上記ブリッジとの間の第2のトラフィック量として推定することを複数の切断リンク候補に対して実行し、第1及び第2のトラフィック量が最も均衡している切断リンク候補を、見直し先の切断リンク候補に決定する候補決定手段と、(3)上記ループ/ツリートポロジー変換プロトコルに従った論理的な切断が、見直し先の切断リンク候補で実行されるように、上記各ブリッジに割り当てられたパラメータを操作するブリッジパラメータ操作手段とを有することを特徴とする。
第3の本発明は、複数のブリッジがリンクを介して物理的にはループを構成するように接続され、ループ/ツリートポロジー変換プロトコルに従った上記各ブリッジに割り当てられたパラメータに基づいて、上記各ブリッジが、上記ループにおけるいずれかのリンクで論理的な切断が行われていると認識するネットワーク経路設定方法において、(1)現時点のツリートポロジーにおけるトラフィック情報を得る複数のモニタ装置と、(2)上記各モニタ装置が得た情報に基づいて、論理的な切断リンクを決定するネットワーク設定サーバとを備え、(3)上記ネットワーク設定サーバにおいて、(3−1)評価値取得手段が、上記各モニタ装置が得た情報に基づいて、上記各ブリッジでのトラフィックを反映させた評価値を得、(3−2)候補決定手段が、上記各ブリッジの評価値に基づいて、所定の上記ブリッジから時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジが接続している機器数の総計情報を、所定の上記ブリッジから時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジと、所定の上記ブリッジとの間の第1のトラフィック量として推定すると共に、所定の上記ブリッジから反時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジが接続している機器数の総計情報を、所定の上記ブリッジから反時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジと、所定の上記ブリッジとの間の第2のトラフィック量として推定することを複数の切断リンク候補に対して実行し、第1及び第2のトラフィック量が最も均衡している切断リンク候補を、見直し先の切断リンク候補に決定し、(3−3)ブリッジパラメータ操作手段が、上記ループ/ツリートポロジー変換プロトコルに従った論理的な切断が、見直し先の切断リンク候補で実行されるように、上記各ブリッジに割り当てられたパラメータを操作することを特徴とする。
本発明によれば、ループの論理的な解消によってトラフィックが破棄されるような不都合を防止することができる。
(A)主たる実施形態
以下、本発明によるネットワーク経路設定システム、ネットワーク経路設定方法、及び、ネットワーク設定サーバの一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(A−1)実施形態の構成
図1は、実施形態に係るネットワーク経路設定システムの構成を示すブロック図である。
図1において、実施形態に係るネットワーク経路設定システム1は、複数(図1では4個の例を示している)のスイッチングハブ2−1〜2−4を有する。各スイッチングハブ2−1〜2−4は、対応するアクセスポイント3−1〜3−4を介して、無線ネットワーク4−1〜4−4を収容している。無線ネットワーク4−1〜4−4は、アクセスポイント3−1〜3−4の管理エリアに関わり、この管理エリア内に存在する無線移動端末を一方のエンドノードとするネットワークである。
全てのスイッチングハブ2−1、2−2、2−4、2−3は、ケーブル(以下、リンクと呼ぶ)5−12、5−24、5−43、5−31を介して物理的にループ状に接続されている。このループ状ネットワークは、RSTPを動作させることにより、ループを論理的に切断することが可能なものである。なお、この実施形態は、RSTPを適用しているとして説明する。
スイッチングハブ2(2−1〜2−4)は、機能的には、図2に示すように、複数のポート20a〜20nと、これらポート20a〜20nの間でデータフレームなどを交換するスイッチング部21と、スイッチング部21から制御フレームを取り込んだり、スイッチング部21へ制御フレームを送信したり、スイッチング部21に対する経路の設定を行ったりするハブ内制御部22とを有する。
今までのシステムと同様な以上の構成に加え、実施形態に係るネットワーク経路設定システム1は、各スイッチングハブ2−1〜2−4にそれぞれ接続されたモニタ装置10−1〜10−4と、少なくとも1つのスイッチングハブ(図1の例ではスイッチングハブ2−1)に接続されたネットワーク設定サーバ11とを有する。
モニタ装置10−1〜10−4は、より具体的には、RSTPのループをモニタポートに設定したスイッチングハブ2−1〜2−4の当該モニタポートに接続されたものである。モニタするポートは、RSTPを使用しているスイッチングハブ2−1〜2−4を含む物理的なループの部分のトラフィックを全て監視できるようになっていれば良い。例えば、図1に示すように、RSTPのループに係るポート20a及びポート20nの一方若しくは両方に入力若しくは出力されたデータフレームが、スイッチング部21によってコピー処理され、モニタ装置10−1〜10−4が接続されているモニタポート20cに与えられる。また、図示は省略するが(図1とは異なる)、半分のスイッチングハブだけにモニタ装置を接続することとし、モニタ装置を接続する各スイッチングハブについては、ループを構成するネットワークの両側をモニタすることとし、半分のスイッチングハブのポートを監視することにより、RSTPを使用しているスイッチングハブ2−1〜2−4を含むループの部分を全て監視するようにしても良い。以下では、モニタ装置10−1〜10−4が全てのスイッチングハブ2−1〜2−4に接続されている図1に示す場合を説明する。
各モニタ装置10−1〜10−4はそれぞれ、自装置は通っているデータフレームの送信元MACアドレス、宛先MACアドレス及びフレーム数などの情報を取得し、例えば、定期的に、又は、上述した所定情報を取得したデータフレーム数が所定のフレーム数になるごとに、ネットワーク設定サーバ11へ送信するものである。
モニタ装置10(10−1〜10−4)は、機能的には、図3に示すように、モニタして情報を得るモニタ情報取得部30と、モニタにより得た情報を送信するモニタ情報送信部31とを有する。
ネットワーク設定サーバ11は、モニタ装置10−1〜10−4から受信した情報(送信元MACアドレス、宛先MACアドレス及びデータフレームなど)に基づいて、ループを構成しているスイッチングハブ2−1〜2−4に対し、論理的なトポロジーに関する設定を行うものである。
ネットワーク設定サーバ11は、機能的には、図4に示すように、モニタ装置10−1〜10−4からのモニタ情報を受信するモニタ情報受信部40と、受信したモニタ情報を分析してどの機器がどのスイッチングハブに接続されているかを判断するモニタ情報分析部41と、得られた分析情報に基づいて論理的なトポロジー(すなわち経路)を決定するトポロジー決定部42と、各スイッチングハブ2−1〜2−4に対して、決定したトポロジーに従うそのスイッチングハブに係る経路の情報を送信する経路情報送信部43とを有する。
(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態に係るネットワーク経路設定システム1の動作(ネットワーク経路設定方法)を説明する。
ここで、ループを構成する全てのスイッチングハブ2−1〜2−4がRSTPを使用しており、スイッチングハブ2−1〜2−4についてのプライオリティが全て等しく設定されており、全てのスイッチングハブ2−1〜2−4の電源が投入されているとして、動作を説明する。
図5は、各モニタ装置10−1〜10−4でのモニタ動作を示すフローチャートである。モニタ装置10−1〜10−4はそれぞれ、例えば、ネットワーク設定サーバ11によってモニタの開始が指示されたとき(又は、オペレータによってモニタの開始が指示されたとき)に図5に示す処理を開始する。
モニタ装置10−1〜10−4はそれぞれ、監視しているポートのデータフレームを集め、データフレームの送信元MACアドレス、宛先MACアドレス及びフレーム数などを取得し(S100)、定期的に(あるいはモニタしているポートの状況をもとにしてネットワークが空いている状態を判断して)、取得したデータをネットワーク設定サーバ11へ送信する(S101)。モニタ装置10−1〜10−4はそれぞれ、例えば、ネットワーク設定サーバ11によってモニタの終了が指示されたか(又は、オペレータによってモニタの終了が指示されたか)を確認しており(S102)、モニタの終了が指示されていない限り、ステップS100及びS101でなるモニタ動作を繰り返す。
図6は、ネットワーク設定サーバ11の概略動作を示すフローチャートである。ネットワーク設定サーバ11は、例えば、ネットワーク管理者によって設定動作の開始が指示されたときに図6に示す処理を開始する。又は、定期的に図6に示す処理を開始するようにしても良い。なお、図6では省略しているが、ネットワーク設定サーバ11は、例えば、図6の処理を開始したときに、モニタ装置10−1〜10−4によるモニタ動作の開始を指示する。
以下、ネットワーク設定サーバ11の動作を詳細に説明する前に、図6を参照して、ネットワーク設定サーバ11の動作の概要を説明する。
ネットワーク設定サーバ11は、図6に示す処理を開始すると、各モニタ装置10−1〜10−4が送信したモニタ情報を受信し(S200)、受信したモニタ情報に基づいて各スイッチングハブ2−1〜2−4の下に接続されている機器数(無線移動端末の数)を推定する(S201)。その後、各スイッチングハブ2−1〜2−4の接続機器数に基づいて、ループを構成する複数のリンクの中から、予め定められたスイッチングハブの両端のリンクに接続されている機器数が平衡するようなリンクを、切断するリンクに決定する(S202)。その後、決定された新たな切断リンクを採用したツリー構造で最も利用機器数が多いリンクの利用機器数と、決定される前の切断リンクのツリー構造で最も利用機器数が多いリンクの利用機器数との差が閾値以上あるか否かを判別する(S203)。差が閾値以上あると、各スイッチング機器2−1〜2−4に対し、決定された新たな切断リンクを、RSTPでの切断点にするような設定動作を行った後(S204)、差が閾値より小さいならば、直ちに、動作の終了条件(例えば、ネットワーク管理者による設定動作の終了の指示操作や、図6を開始してから所定時間が経過した場合や、予め設定されている終了時刻になった場合など)が成立した否かを確認する(S205)。終了条件が成立していなければ図6の処理を継続し、終了条件が成立していれば図6の処理を終了する。なお、図6の処理の終了時には、ネットワーク設定サーバ11は、モニタ装置10−1〜10−4によるモニタ動作の終了を指示するようにしても良い。
以下では、ネットワーク設定サーバ11の上述した図6に示す設定動作のうち、その一部について詳細に説明する。
T1;各スイッチングハブに接続している機器数の推定(S201)
(T1−1)複数のモニタ装置10−1〜10−4のモニタ情報より、送信元MACアドレス又は宛先MACアドレスを有する機器が、どのスイッチングハブ2−1〜2−4に接続されているかを仮決定する。例えば、モニタ装置10−1からのモニタ情報に含まれている送信元MACアドレスや宛先MACアドレスを有する機器は、モニタ装置10−1が接続されているスイッチングハブ2−1に接続されていると仮決定する。この仮決定では、MACアドレスを仮決定されたスイッチングハブに対応付ける。なお、スイッチングハブ2−1〜2−4がMACアドレスの接続先を学習していない場合には、データフレームなどはブロードキャストされるので、ブロードキャストされたデータフレームに係る情報は無視する。
(T1−2)同一のMACアドレスが仮決定により対応付けられた2種類以上のスイッチングハブの組みあわせを参照し、そのMACアドレスを送信元アドレスとするデータフレームや、そのMACアドレスを宛先アドレスとするデータフレームの少なくとも一方が通過するリンクを特定し、また、そのような伝送方向が逆である2種類のデータフレームが共に通過しないリンクを特定し、自己と接続している2つのリンクのうち、一方がデータフレームを通過させるリンクであり、他方が両方向のデータフレームを通過させないリンクとなっているスイッチングハブを、そのMACアドレスが付与されている機器が接続されているスイッチングハブと判断する。
(T1−3)また、接続先のスイッチングハブが判断された機器の情報を利用して他の機器が接続されているスイッチングハブを特定する。すなわち、接続されているスイッチングハブが推定された機器と、通信を行う相手先になっているMACアドレスを持つ機器については、スイッチングハブが推定された機器のMACアドレスが送信元MACアドレスとなっているデータフレームが通過しなくなるリンクの直前のスイッチングハブを、通信を行う相手先になっている機器が接続しているスイッチングハブに決定する。
上記のT1−1〜T1−3の動作を行うことにより、ネットワーク設定サーバ11は、それぞれのスイッチングハブ2−1〜2−4に接続されている機器の情報を得て保持する。図7は、ネットワーク設定サーバ11が保持する、スイッチングハブと接続機器との関係を表す説明図である。図7に示す例は、スイッチングハブの識別情報(例えばMACアドレス)と接続機器の識別情報(例えばMACアドレス)とを対応付けたものであり、スイッチングハブの識別情報でソーティングがなされている。このソーティングにより、同一のスイッチングハブに接続されている機器数を容易に把握することができる。仮に、スイッチングハブ2−1のMACアドレスを「001100110011」とすると、図7からは、スイッチングハブ2−1には、MACアドレスがそれぞれ、「002200110022」、「002200110023」、「002200110024」の3台の機器が接続されていることが分かる。
T2;切断リンクの仮決定及び見直し(S202、S203)
ネットワーク設定サーバ11は、RSTPの制御フレーム(BPDU)を除いたデータフレームが通らなくなるリンク、すなわち、現在、論理的に切断されているRSTPのリンクを認識する。この認識は、その時点の各スイッチングハブ2−1〜2−4に割り当てられているブリッジプライオリティと、スイッチングハブのMACアドレスとで定まるブリッジIDを参照することで認識することができる。
また、ネットワーク設定サーバ11は、図7に示したようなスイッチングハブと接続機器との関係情報と、外部ネットワークとのゲートウェイとなるスイッチングハブがどれであるかという情報を基にして、切断リンクの新たな候補を決定する。物理的なループがLANの有線部分であれば、いずれかのスイッチングハブを介して、外部ネットワークと接続することになり、そこで、外部ネットワークとのゲートウェイとなるスイッチングハブを基準に切断リンクの新たな候補を決定することとした。なお、切断リンクの新たな候補を決定するための基準となるスイッチングハブは、他の観点から定めるようにしても良い。例えば、接続する機器数が最も多いスイッチングハブを基準に切断リンクの新たな候補を決定するようにしても良い。ネットワーク設定サーバ11は、どのリンクを切断すると、各スイッチングハブからゲートウェイとなる基準のスイッチングハブに対しての通信を行う際に、同一のリンクを使用する機器の台数の最大数が最も小さくなるかを判断し、切断リンクの新たな候補を決定する。
今、各スイッチングハブ2−1〜2−4には図8に示すような機器数の機器が接続されており、また、スイッチングハブ2−4が、外部ネットワークとのゲートウェイとなっているとする。
図8に示す例では、スイッチングハブ2−1とスイッチングハブ2−3の間のリンク5−31をRSTPによって論理的に切断すると、基準のスイッチングハブ2−4に接続している一方のリンク5−43には機器15台分のデータフレームが流れ、また、基準のスイッチングハブ2−4に接続している他方のリンク5−24には機器12台分のデータフレームが流れるので、同一のリンクを使用する機器の台数の最大数は15台となる。また、図8に示す例で、スイッチングハブ2−1とスイッチングハブ2−2の間のリンク5−12をRSTPによって論理的に切断すると、基準のスイッチングハブ2−4に接続している一方のリンク5−43には機器25台分のデータフレームが流れ、また、基準のスイッチングハブ2−4に接続している他方のリンク5−24には機器2台分のデータフレームが流れるので、同一のリンクを使用する機器の台数の最大数は25台となる。リンク5−23や5−43をRSTPによって論理的に切断したとした場合の最大数は27台となる。最大数15台、25台、27台、27台の中の最小数は15台であるので、リンク5−31が切断リンクの新たな候補となる。
無線LANのような場合には、無線移動端末が移動するので、各スイッチングハブ2−1〜2−4に接続する機器数も変化する。すなわち、切断リンクの新たな候補も変化し得る。
各スイッチングハブ2−1〜2−4に図9に示すような機器数の機器が接続されており、また、スイッチングハブ2−4が、外部ネットワークとのゲートウェイとなっているとする。詳述を避けるが、この場合には、各リンク5−12、5−24、5−43、5−31をそれぞれ論理的に切断したとした場合の同一のリンクを使用する機器台数の最大数は、13台、18台、18台、25台となり、その中の最小数は13台であるので、リンク5−12が切断リンクの新たな候補となる。
以上のようにして、ネットワーク設定サーバ11は、切断リンクの新たな候補を定めた場合には、切断リンクの新たな候補を採用するか、いままでの切断リンクを維持するか、言い換えると、RSTPのリンク切断でのトポロジー変更を行った方が良いか否かを決定する。この決定は、例えば、いままでの切断リンクで切断した場合の各リンクで使用する機器台数の中の最小数と、切断リンクの新たな候補で切断した場合の各リンクで使用する機器台数の中の最小数との差を、閾値と比較することで行う。例えば、切替コストを考慮し、閾値(例えば10台)を選定する。仮に、図8から図9へのスイッチングハブの接続機器数の変化のような場合には、差が2台であるので、切断リンクの更新を実行しないと判断する。
T3;切断リンクの更新(S204)
ネットワーク設定サーバ11は、切断リンクの新たな候補へ、切断リンクを更新する際には、全てのスイッチングハブ2−1〜2−4のプライオリティを算出し直すことを通じて、RSTPがそのリンクを論理的な切断リンクにするようにする。
この際のプライオリティの算出方法としては、例えば、以下の方法を適用できる。
(T3−1)RSTP(STP)でループを構成するスイッチングハブが、図10に示すような奇数の場合には、切断したいリンクから最も遠いスイッチングハブ(ゲートウェイになっているか否かに関係しない)のプライオリティを「8192」、それ以外のスイッチングハブのプライオリティを「8192」より大きい「32768」とする。
図10は、図1とは異なりスイッチングハブが5台の場合であるが、リンク5−12が切断リンクの場合、スイッチングハブ2−4が最も遠いスイッチングハブであるので、スイッチングハブ2−4のプライオリティを「8192」とし、他のスイッチングハブ2−1〜2−3、2−5のプライオリティを「32768」とする。これにより、プライオリティが最小値のスイッチングハブ2−4がRSTP(STP)トポロジーのルートブリッジとなり、他のスイッチングハブ2−1〜2−3、2−5が、ルートパスコストの計算によって、ルートブリッジの左右に振り分けられることになり、RSTPにおいて、リンク5−12が論理的な切断箇所となる。
(T3−2)RSTP(STP)でループを構成するスイッチングハブが、図11に示すような偶数の場合には、切断したいリンクから最も遠いリンクの両側のスイッチングハブのプライオリティを「8192」とし、切断したいリンクの両側のスイッチングハブのプライオリティを「8192」より大きい「32768」とし、それ以外のスイッチングハブのプライオリティを「8192」及び「32768」の中間値である「16384とする。
図11は、図1とは異なりスイッチングハブが6台の場合であるが、リンク5−12が切断リンクの場合、リンク5−45が、切断したいリンク5−12から最も遠いリンクであるので、リンク5−45の両側のスイッチングハブ2−4及び2−5のプライオリティを「8192」とし、切断したいリンク5−12の両側のスイッチングハブ2−1及び2−2のプライオリティを「32768」とし、それ以外のスイッチングハブ2−3及び2−6のプライオリティを「16384とする。これにより、プライオリティが最小値のスイッチングハブ2−4(又は2−5)がRSTP(STP)トポロジーのルートブリッジとなり、他のスイッチングハブが、ルートパスコストの計算によって、ルートブリッジの左右に振り分けられることになり、RSTPにおいて、リンク5−12が論理的な切断箇所となる。
(T3−3)ネットワーク設定サーバ11は、プライオリティを決定したら、各スイッチングハブ2−1〜2−4(図1参照)に対し、決定したブリッジプライオリティへの設定変更命令を出す。各スイッチングハブ2−1〜2−4は、受信したブリッジプライオリティの設定変更命令の内容に設定を変更することで、RSTPのトポロジーを再構築する。
(A−3)実施形態の効果
上記実施形態によれば、各スイッチングハブに接続する機器数に基づいて、動的にRSTPのプライオリティ値を変更し、RSTPのトポロジーを変更させるようにしたので、スイッチングハブの接続機器が移動通信端末(モバイル機器)のように移動する状態でも、通信経路の最適化を図ることができ、ループの論理的な解消によってトラフィックが破棄されるような不都合を防止することができる。
(B)他の実施形態
上記実施形態においては、RSTPのブリッジがスイッチングハブであるものを示したが、一部又は全てのブリッジがスイッチングハブ以外であっても良い。
また、上記実施形態では、スイッチングハブに接続されている機器数を評価値として、切断リンクの候補を決定するものを示したが、機器数に代えて、他のトラフィックを表す評価値を適用するようにしても良い。あるスイッチングハブに接続されているある機器を決定したときには、その機器のMACアドレスを含むデータフレーム数の、全てのスイッチングハブに係る総データフレーム数に対する割合を重み係数とし、あるスイッチングハブに接続されている機器の重み係数の総和を、そのスイッチングハブに関する評価値とし、機器数に代えて適用するようにしても良い。
さらに、上記実施形態においては、ネットワーク設定サーバ11がスイッチングハブに直結されたものを示したが、ネットワーク設定サーバ11は、いずれの箇所に設けられていても良いものである。
また、上記実施形態においては、新たな切断リンクの候補を決定しても、切断コストを考慮すると、今までの切断リンクからの切替にメリットが少ない場合には、切断リンクの更新を実行しないものを示したが、新たな切断リンクの候補を決定した場合には常に更新を実行するようにしても良い(当然に今までのものと異なっていることを要する)。
実施形態に係るネットワーク経路設定システムの構成を示すブロック図である。 実施形態におけるスイッチングハブの機能的な内部構成を示す図路図である。 実施形態におけるモニタ装置の機能的な内部構成を示す図路図である。 実施形態におけるネットワーク設定サーバの機能的な内部構成を示す図路図である。 実施形態におけるモニタ装置の動作を示すフローチャートである。 実施形態におけるネットワーク設定サーバの概略動作を示すフローチャートである。 実施形態におけるネットワーク設定サーバが保持する、スイッチングハブと接続機器との関係を表す説明図である。 実施形態におけるネットワーク設定サーバが新たな切断リンクの候補を決定する方法の説明図(その1)である。 実施形態におけるネットワーク設定サーバが新たな切断リンクの候補を決定する方法の説明図(その2)である。 実施形態のネットワーク設定サーバによるプライオリティの見直し方法の説明図(その1)である。 実施形態のネットワーク設定サーバによるプライオリティの見直し方法の説明図(その2)である。 従来の課題の説明図である。
符号の説明
1…ネットワーク経路設定システム、2−1〜2−4…スイッチングハブ、5−12、5−24、5−43、5−31…ケーブル(リンク)、10−1〜10−4…モニタ装置、11…ネットワーク設定サーバ。

Claims (4)

  1. 複数のブリッジがリンクを介して物理的にはループを構成するように接続され、ループ/ツリートポロジー変換プロトコルに従った上記各ブリッジに割り当てられたパラメータに基づいて、上記各ブリッジが、上記ループにおけるいずれかのリンクで論理的な切断が行われていると認識するネットワーク経路設定システムにおいて、
    現時点のツリートポロジーにおけるトラフィック情報を得る複数のモニタ装置と、
    上記各モニタ装置が得た情報に基づいて、論理的な切断リンクを決定するネットワーク設定サーバとを備え、
    上記ネットワーク設定サーバが、
    上記各モニタ装置が得た情報に基づいて、上記各ブリッジでのトラフィックを反映させた評価値を得る評価値取得手段と、
    上記各ブリッジの評価値に基づいて、所定の上記ブリッジから時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジが接続している機器数の総計情報を、所定の上記ブリッジから時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジと、所定の上記ブリッジとの間の第1のトラフィック量として推定すると共に、所定の上記ブリッジから反時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジが接続している機器数の総計情報を、所定の上記ブリッジから反時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジと、所定の上記ブリッジとの間の第2のトラフィック量として推定することを複数の切断リンク候補に対して実行し、第1及び第2のトラフィック量が最も均衡している切断リンク候補を、見直し先の切断リンク候補に決定する候補決定手段と、
    上記ループ/ツリートポロジー変換プロトコルに従った論理的な切断が、見直し先の切断リンク候補で実行されるように、上記各ブリッジに割り当てられたパラメータを操作するブリッジパラメータ操作手段とを有する
    ことを特徴とするネットワーク経路設定システム。
  2. 上記ネットワーク設定サーバが、上記候補決定手段が決定した見直し先の切断リンク候補を適用した場合におけるトラフィックの分散量と、現状の切断リンクによるトラフィックの分散量との差が、閾値以上のときに、上記ブリッジパラメータ操作手段を起動し、閾値より小さいときに上記ブリッジパラメータ操作手段を停止させたままとする切替有無判定手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク経路設定システム。
  3. 複数のブリッジがリンクを介して物理的にはループを構成するように接続され、ループ/ツリートポロジー変換プロトコルに従った上記各ブリッジに割り当てられたパラメータに基づいて、上記各ブリッジが、上記ループにおけるいずれかのリンクで論理的な切断が行われていると認識するネットワークに関し、経路を設定させるネットワーク設定サーバであって、
    現時点のツリートポロジーにおけるトラフィック情報を得る複数のモニタ装置が得た情報に基づいて、上記各ブリッジでのトラフィックを反映させた評価値を得る評価値取得手段と、
    上記各ブリッジの評価値に基づいて、所定の上記ブリッジから時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジが接続している機器数の総計情報を、所定の上記ブリッジから時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジと、所定の上記ブリッジとの間の第1のトラフィック量として推定すると共に、所定の上記ブリッジから反時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジが接続している機器数の総計情報を、所定の上記ブリッジから反時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジと、所定の上記ブリッジとの間の第2のトラフィック量として推定することを複数の切断リンク候補に対して実行し、第1及び第2のトラフィック量が最も均衡している切断リンク候補を、見直し先の切断リンク候補に決定する候補決定手段と、
    上記ループ/ツリートポロジー変換プロトコルに従った論理的な切断が、見直し先の切断リンク候補で実行されるように、上記各ブリッジに割り当てられたパラメータを操作するブリッジパラメータ操作手段と
    を有することを特徴とするネットワーク設定サーバ。
  4. 複数のブリッジがリンクを介して物理的にはループを構成するように接続され、ループ/ツリートポロジー変換プロトコルに従った上記各ブリッジに割り当てられたパラメータに基づいて、上記各ブリッジが、上記ループにおけるいずれかのリンクで論理的な切断が行われていると認識するネットワーク経路設定方法において、
    現時点のツリートポロジーにおけるトラフィック情報を得る複数のモニタ装置と、
    上記各モニタ装置が得た情報に基づいて、論理的な切断リンクを決定するネットワーク設定サーバとを備え、
    上記ネットワーク設定サーバにおいて、
    評価値取得手段が、上記各モニタ装置が得た情報に基づいて、上記各ブリッジでのトラフィックを反映させた評価値を得、
    候補決定手段が、上記各ブリッジの評価値に基づいて、所定の上記ブリッジから時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジが接続している機器数の総計情報を、所定の上記ブリッジから時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジと、所定の上記ブリッジとの間の第1のトラフィック量として推定すると共に、所定の上記ブリッジから反時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジが接続している機器数の総計情報を、所定の上記ブリッジから反時計回りに切断リンク候補までに存在する全ての他の上記ブリッジと、所定の上記ブリッジとの間の第2のトラフィック量として推定することを複数の切断リンク候補に対して実行し、第1及び第2のトラフィック量が最も均衡している切断リンク候補を、見直し先の切断リンク候補に決定し、
    ブリッジパラメータ操作手段が、上記ループ/ツリートポロジー変換プロトコルに従った論理的な切断が、見直し先の切断リンク候補で実行されるように、上記各ブリッジに割り当てられたパラメータを操作する
    ことを特徴とするネットワーク経路設定方法。
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