JP5229707B2 - ガスセンサ用材料、ガスセンサ、ガスセンサの製造方法およびガス検出方法 - Google Patents

ガスセンサ用材料、ガスセンサ、ガスセンサの製造方法およびガス検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、センサの技術に関する。
従来、家庭用のプロパンガスや都市ガスが漏れた場合に警報を発するガス警報器が種々考案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このようなガス警報器は、半導体工場で使われるテトラクロロエチレンやトリクロロエチレンなどの非可燃性の揮発性有機化合物の検出には適していない。そのため、このような揮発性有機化合物の検出には、ガスクロマトグラフィーのような装置を用いる必要がある。
特開平08−271466号公報
しかしながら、ガスクロマトグラフィーのような装置では、ガス検出までに多くの工程や時間を要し、また装置自体も高価である。そのため、揮発性有機化合物、中でも非可燃性の揮発性有機塩素化合物のようなガスを迅速に、また簡易に検出する技術が求められている。
本発明はこうした状況に鑑みてなされており、その目的とするところは、有機化合物を簡易に検出する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のガスセンサ用材料は、有機化合物を取り込むと膨張する粘土鉱物と、導電性粒子とが混合されている。
この態様によると、検出対象となる有機化合物が存在すると、粘土鉱物が膨張することで、それまで形成されていた導電性粒子による導電パスの一部が切断され、電気抵抗が増大する。したがって、電気抵抗の変化に基づいて有機化合物の存在の有無や量が検出できる。
粘土鉱物は、ケイ酸塩鉱物であってもよい。ケイ酸塩鉱物は、スメクタイト、バーミキュライト、カオリナイトおよびアロフェンからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の物質を含んでもよい。また、ケイ酸塩鉱物は、モンモリロナイトおよびハロサイトの少なくともいずれかであってもよい。
粘土鉱物は、層間の陽イオンが、4級アンモニウム塩、アミノ基を有する化合物、アミノ酸、アルコール性水酸基を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物およびリン脂質からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の物質を用いて置換されていてもよい。これにより、例えば、第4級アンモニウムイオンの場合、モンモリロナイトやハロサイトをはじめとする粘土鉱物の結晶層間に存在する陽イオンと有機化合物とがイオン交換された、有機ベントナイトが形成される。この場合、検出対象である溶剤やガス状の有機化合物が層間に取り込まれやすくなる。
粘土鉱物の平均粒径が導電性粒子の平均粒径の5〜10倍の場合、混合される導電性粒子の体積比は5〜9vol%であってもよい。あるいは、粘土鉱物の平均粒径が導電性粒子の平均粒径の0.5〜3倍の場合、混合される導電性粒子の体積比は20〜35vol%であってもよい。このように、粘土鉱物と導電性粒子のそれぞれの平均粒径と体積比とを調整することで、有機化合物の存在や濃度を精度よく検出することができる。
本発明の別の態様は、ガスセンサである。このセンサは、上述のガスセンサ用材料と、ガスセンサ用材料に電流を流すための電極と、を備える。これにより、有機化合物を簡易に検出することができる。
本発明の別の態様は、ガスセンサの製造方法である。この製造方法は、上述のガスセンサ用材料を製造する工程と、ガスセンサ用材料を加圧成形してペレット状のセンサ部を作製する工程と、を有する。この態様によると、有機化合物を検出するガスセンサを簡易に製造することができる。
また、本発明の別の態様も、ガスセンサの製造方法である。この製造方法は、上述のガスセンサ用材料を溶媒中で分散させる工程と、粘土鉱物と導電性粒子とが分散されている溶媒を物体の表面に塗布し乾燥させることで膜状のセンサ部を作製する工程と、有する。この態様によると、有機化合物を検出するガスセンサを簡易に製造することができる。
本発明のさらに別の態様は、上述のガスセンサ用材料を用いたガス検出方法である。この検出方法は、有機化合物が取りこまれることで変化するガスセンサ用材料の電気抵抗に基づいて有機化合物を検出する。この態様によると、有機化合物を簡易に検出することができる。
有機化合物が検出された後に80〜200℃の範囲の温度で加熱を行ってもよい。これにより、粘土鉱物に取り込まれた有機化合物が外部に放出されやすくなり、有機化合物を精度よく繰り返し検出することができる。
有機化合物は、クロロホルム、トリクロロエチレン、四塩化炭素、ヘキサン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、テトラクロロエチレン、ベンゼン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,3−ジクロロプロペン、二硫化炭素、チウラムモノスルフィド、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア、ジクロロメタンおよびアセトンからなる群から選択される少なくとも一種以上の物質であってもよい。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、有機化合物を簡易に検出することができる。
図1(a)は、検出物質が存在していない場合の導電体と絶縁体との配列を模式的に示した図、図1(b)は、検出物質が存在している場合の導電体と絶縁体との配列を模式的に示した図である。 実施例1に係るガスセンサの抵抗変化を示した図である。 実施例2に係るガスセンサの抵抗変化を示した図である。 実施例3に係るガスセンサの抵抗変化(アセトン100μlずつ滴下)を示した図である。 実施例3に係るガスセンサの抵抗変化(アセトン10μlずつ滴下)を示した図である。 実施例4に係るガスセンサの抵抗変化を示した図である。 実施例5に係るガスセンサの抵抗変化を示した図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
導電体と絶縁体を混合して作製した材料の電気抵抗は、導電体と絶縁体の体積比に大きく依存する。つまり、絶縁体の体積が増加すると導電体による導電パスが減少し電気抵抗が急増する一方、絶縁体の体積が減少すると導電体による導電パスが増加し電気抵抗が減少する。このように、導電体と絶縁体の混合体の抵抗が、ある体積比を境に急変(厳密には急減)する現象をパーコレーションという。そこで、本発明者は、このような現象を利用してガスなどの物質を検出するセンサを実現すべく鋭意検討を行った。その結果、特定の物質(例えば、揮発性有機化合物)を取り込んで膨張する材料(例えば、粘土鉱物)と導電体とを混合することで、特定の物質を検出するガスセンサを実現できることに想到した。
(ガスセンサの検出原理)
はじめに、本実施の形態に係るガスセンサの検出原理について説明する。図1(a)は、検出物質が存在していない場合の導電体と絶縁体との配列を模式的に示した図、図1(b)は、検出物質が存在している場合の導電体と絶縁体との配列を模式的に示した図である。
図1(a)に示すように、導電体10と絶縁体12とを適当な比で混合すると、導電体10を介した導電パスが存在するため、抵抗(抵抗率)は小さくなる。しかしながら、絶縁体12がある特定の物質を取り込んで膨張する材料である場合、そのような特定の物質が存在すると、絶縁体12が膨張し、図1(b)に示すように、それまで導通していたパスの一部が切断され、抵抗が上昇することになる。なお、導電体10よりも抵抗の高い高抵抗体を絶縁体12の代わりに用いてもよい。
(粘土鉱物)
このように特定の物質を取り込むことで膨張する絶縁体(高抵抗体)の一つとして粘土鉱物が知られている。粘土鉱物は、主にケイ酸塩鉱物を含むものである。ケイ酸塩鉱物としては、スメクタイト、バーミキュライト、カオリナイト、アロフェン、イモゴライト、ヒシンゲライト等からなる群から選ばれる少なくとも一種以上の物質を含んでいる。
これら粘土鉱物に含まれる一部の物質は、層状の結晶構造を有しており、ケイ酸四面体層とアルミナ八面体層とが積層された単位層が複数積層されて構成されている。積層構造としては、四面体層が一層と八面体層が一層とで単位層を構成する1:1型構造(カオリナイト)と、四面体層が二層と八面体層が一層とで単位層を構成する2:1型構造(スメクタイト、バーミキュライト)がある。このような物質では、単位層と単位層との間に陽イオンが挟まれることで安定状態となっている。また、このような物質を水と接触させると、単位層間に存在していた陽イオンが水分子を引き寄せ、層間が押し広げられることで膨潤する。
一方、粘土鉱物は、そのままでは有機化合物を多く取り込むことはできない。そこで、本実施の形態では、粘土鉱物の層間が有機化合物で修飾されている材料が用いられている。層間を修飾する有機化合物としては、4級アンモニウム塩(例えば、アルキルアンモニウム、ピペリジン)、アミノ基を有する化合物(例えば、アニリン、ベンジジン)、アミノ酸(例えば、トリプトファン)、アルコール性水酸基を有する化合物(例えば、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール(グリセリン)等のアルコール)、カルボキシル基を有する化合物(例えば、クエン酸等のカルボン酸)、リン脂質(例えば、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジパルミトイルホスファチルジエタノールアミン(DPPE)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE))が挙げられる。
このように有機化合物、例えば、第4級アンモニウムイオンで層間が修飾される場合、モンモリロナイトやハロサイトをはじめとする粘土鉱物の結晶層間に存在する陽イオンと有機化合物とがイオン交換された、有機ベントナイトが形成される。この場合、検出対象である溶剤やガス状の有機化合物が層間に取り込まれやすくなる。
このような粘土鉱物は、水ではなく有機化合物を層間に取り込んで、体積増加(膨張)するという性質を有する。本発明者はこの性質を利用して有機化合物、特に揮発性の有機化合物を検出する化学センサに想到した。加えて、本実施の形態に基づく化学センサは、揮発性有機化合物、中でも非可燃性の揮発性有機塩素化合物を検出することができる点で、可燃性の物質しか検出できない従来のガスセンサと比較して、その用途が大きく広がるものである。
本実施の形態に係るガスセンサは、図1に示したように、有機化合物を取り込むと膨張する粘土鉱物(絶縁体12)と、導電性粒子(導電体10)とが混合されているガスセンサ用材料を備えている。このように構成されたセンサは、検出対象となる有機化合物が存在すると、粘土鉱物が膨張することで、それまで形成されていた導電性粒子による導電パスの一部が切断され、電気抵抗が増大する。したがって、電気抵抗の変化に基づいて有機化合物の存在の有無や量が検出できる。
このようなガスセンサ用材料およびガスセンサの製造方法としては、粘土鉱物と導電性粒子を均一に混合し、加圧成形してペレット状のセンサ部を作製する方法が挙げられる。また、他の製造方法としては、上述のガスセンサ用材料を溶媒中で分散させ、粘土鉱物と導電性粒子とが分散されている溶媒を物体の表面に塗布し乾燥させることで膜状のセンサ部を作製する方法が挙げられる。その後、センサ部に電極を形成しガスセンサが製造される。これらの方法によると、有機化合物を検出するガスセンサを簡易に製造することができる。また、このようなガスセンサは、特別複雑な構造を有しておらず、抵抗の変化を電流や電圧の変化に基づいて検出し、有機化合物の有無や量(濃度)を簡易に検出することができる。
本実施の形態に係るガスセンサが検出可能な有機化合物としては、クロロホルム、トリクロロエチレン、四塩化炭素、ヘキサン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、テトラクロロエチレン、ベンゼン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,3−ジクロロプロペン、二硫化炭素、チウラムモノスルフィド、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア、ジクロロメタン、アセトン、等の揮発性有機化合物が挙げられる。特に、従来のガスセンサでは検出できない非可燃性の揮発性有機塩素化合物、例えば、クロロホルム、トリクロロエチレン、ジクロロメタン等の検出に大きな効果を発揮することができる。
以下では、層間が4級アンモニウム塩で修飾されたモンモリロナイトをガスセンサ用材料の絶縁体として用いる場合について説明する。本実施例では、有機モンモリロナイト「エスベンNX80」(株式会社ホージュン製)が用いられており、層間は4級アンモニウム塩DMDO(ジメチルジオクタデシルアンモニウム、含有量49.9wt%)で修飾されている。なお、他の例としては、「エスベンE」(株式会社ホージュン製、層間はトリメチルステアリルアンモニウムで修飾されており、含有量は25.6wt%)、「NZ−70」(株式会社ホージュン製、ジメチルステアリルベンジルアンモニウムで修飾されており、含有量は51.4wt%)、カオリナイト(層間は酢酸カリウムで修飾されている)等、が挙げられる。
ガスセンサの製造方法としては、上述の有機モンモリロナイト(平均粒径40μm)と炭素(平均粒径5μm)を均一に混合し、一軸加圧成型(450MPa)により13mmφのペレットを作製した。上面と下面に金ペーストを塗布し、115℃で24時間乾燥した後、直流二端子法で抵抗率(抵抗)を測定した。
なお、有機モンモリロナイトと炭素との混合比率は、その混合比率の前後で急激に抵抗率が変化する閾値(p)を基準に設定する。粘土鉱物の平均粒径が導電性粒子の平均粒径の5〜10倍の場合、混合される導電性粒子の体積比は5〜9vol%が好ましい。あるいは、粘土鉱物の平均粒径が導電性粒子の平均粒径の0.5〜3倍の場合、混合される導電性粒子の体積比は20〜35vol%が好ましい。このように、粘土鉱物と導電性粒子のそれぞれの平均粒径と体積比とを調整することで、有機化合物の存在や濃度を精度よく検出することができる。
また、ガスセンサの応答速度を高めるため、以下の方法によってガスセンサを製造することもできる。具体的には、上述の有機モンモリロナイトと炭素を混合した粉体を溶媒であるアセトンに分散させ、上澄み液をスライドガラス上に塗布、乾燥させて、モンモリロナイト・炭素複合体厚膜が作製される。その後、厚膜に電極が形成され、抵抗率変化が測定される。なお、有機モンモリロナイトをはじめとする粘土鉱物の平均粒径は、より小さい方が繰り返し有機化合物を検出する際の可逆性がよい。そのため、粘土鉱物の平均粒径は10μm以下であるとよい。その場合、有機モンモリロナイトを溶媒中で分散し、沈降の遅い微細粒子を捕集して使用するとよい。以下の各実施例では、溶媒を用いた製造方法によって製造された厚膜状のセンサを用いた揮発性有機化合物の検出結果について説明する。
(実施例1)
実施例1では、「エスベンNX80」と炭素を6:4の割合で混合した粉体をアセトンに分散させ、上澄み液をスライドガラス上に塗布、乾燥させて製造された厚膜を用いてガスセンサを作製した。このガスセンサをクロロホルムを含む空気で満たされた環境(25℃)に設置し、クロロホルムの分圧が0→40→80→120→80→40→0(mmHg)となるように変化させた。図2は、実施例1に係るガスセンサの抵抗変化を示した図である。図2に示すように、クロロホルムの分圧の上昇と共に抵抗が増加し、クロロホルムの分圧の低下と共に抵抗が減少していることがわかる。また、抵抗変化の程度は、分圧の変化量に比例しており、検出対象である有機化合物の存在の有無だけではなく、濃度についても検出することができる。また、図2に示すように、本実施例に係るガスセンサは繰り返しクロロホルムの検出が可能である。
(実施例2)
実施例2では、実施例1と同様の製造方法で製造したガスセンサを用いてトリクロロエチレンの検出を行った。このガスセンサをトリクロロエチレンを含む空気で満たされた環境(25℃)に設置し、トリクロロエチレンの分圧が0→12→23→35→23→12→0(mmHg)となるように変化させた。図3は、実施例2に係るガスセンサの抵抗変化を示した図である。図3に示すように、クロロホルムの分圧の上昇と共に抵抗が増加し、クロロホルムの分圧の低下と共に抵抗が減少していることがわかる。また、抵抗変化の程度は、分圧の変化量に比例しており、検出対象である有機化合物の存在の有無だけではなく、濃度についても検出することができる。また、図3に示すように、本実施例に係るガスセンサは繰り返しトリクロロエチレンの検出が可能である。
なお、図2や図3に示すように、繰り返し揮発性有機化合物ガスを検出する場合、検出対象である揮発性有機化合物が検出された後に80〜200℃の範囲の温度で加熱を行うとよい。加熱温度が80℃以上であれば、吸着した有機化合物が比較的容易にかつ早く粘土鉱物から脱離する。また、加熱温度が200℃以下であれば、加熱により粘土鉱物自体が分解することが抑制される。このような温度範囲で加熱することにより、モンモリロナイトに取り込まれた揮発性有機化合物が外部に放出されやすくなり、その後の検出時においても揮発性有機化合物を精度よく繰り返し検出することができる。
(実施例3)
実施例3では、実施例1と同様の製造方法で製造したガスセンサを用いてアセトンの検出を行った。このガスセンサを25.5cm×25.5cm×10cmの恒温恒湿室に設置した。恒温恒湿室の温度は20.0℃、湿度は60%前後に保たれている。アセトンを30分おきに所定量ずつ恒温恒湿室内に滴下し、そのときのセンサの抵抗変化を測定した。図4は、実施例3に係るガスセンサの抵抗変化(アセトン100μlずつ滴下)を示した図である。図5は、実施例3に係るガスセンサの抵抗変化(アセトン10μlずつ滴下)を示した図である。
図4、図5に示すように、アセトンの滴加量の増加と共に抵抗が増加していることがわかる。また、抵抗変化の程度は、滴下するアセトンの総量に比例しており、検出対象である有機化合物の存在の有無だけではなく、濃度についても検出することができる。
(実施例4)
実施例4では、実施例1と同様の製造方法で製造したガスセンサを用いてトリクロロエチレンの検出を行った。このガスセンサを実施例3で説明した恒温恒湿室に設置した。恒温恒湿室の温度は20.0℃、湿度は60%前後に保たれている。トリクロロエチレンの検出を30分おきに10μlずつ恒温恒湿室内に滴下し、そのときのセンサの抵抗変化を測定した。図6は、実施例4に係るガスセンサの抵抗変化を示した図である。
図6に示すように、トリクロロエチレンの滴加量の増加と共に抵抗が増加していることがわかる。また、抵抗変化の程度は、滴下するトリクロロエチレンの総量に比例しており、検出対象である有機化合物の存在の有無だけではなく、濃度についても検出することができる。
(実施例5)
実施例5では、「エスベンNX80」と炭素を5:5の割合で混合し、その他は実施例1と同様の製造方法で製造したガスセンサを用いてジクロロメタンの検出を行った。なお、このガスセンサを実施例3で説明した恒温恒湿室に設置した。恒温恒湿室の温度は20.0℃、湿度は60%前後に保たれている。ジクロロメタンの検出を30分おきに100μlずつ恒温恒湿室内に滴下し、そのときのセンサの抵抗変化を測定した。図7は、実施例5に係るガスセンサの抵抗変化を示した図である。
図7に示すように、ジクロロメタンの滴加量の増加と共に抵抗が増加していることがわかる。また、抵抗変化の程度は、滴下するジクロロメタンの総量に比例しており、検出対象である有機化合物の存在の有無だけではなく、濃度についても検出することができる。
以上、本発明を上述の実施の形態や各実施例を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態や各実施例に限定されるものではなく、実施の形態や各実施例の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施の形態や各実施例における組合せや工程の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態や各実施例も本発明の範囲に含まれうる。
10 導電体、 12 絶縁体。

Claims (13)

  1. 有機化合物を取り込むと膨張する粘土鉱物と、導電性粒子とが混合されたガスセンサ用材料。
  2. 前記粘土鉱物は、ケイ酸塩鉱物であることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ用材料。
  3. 前記ケイ酸塩鉱物は、スメクタイト、バーミキュライト、カオリナイトおよびアロフェンからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の物質を含む請求項2に記載のガスセンサ用材料。
  4. 前記ケイ酸塩鉱物は、モンモリロナイトおよびハロサイトの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のガスセンサ用材料。
  5. 前記粘土鉱物は、層間の陽イオンが、4級アンモニウム塩、アミノ基を有する化合物、アミノ酸、アルコール性水酸基を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物およびリン脂質からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の物質を用いて置換されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のガスセンサ用材料。
  6. 前記粘土鉱物の平均粒径が前記導電性粒子の平均粒径の5〜10倍の場合、混合される前記導電性粒子の体積比は5〜9vol%であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のガスセンサ用材料。
  7. 前記粘土鉱物の平均粒径が前記導電性粒子の平均粒径の0.5〜3倍の場合、混合される前記導電性粒子の体積比は20〜35vol%であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のガスセンサ用材料。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のガスセンサ用材料と、
    前記ガスセンサ用材料に電流を流すための電極と、
    を備えることを特徴とするガスセンサ。
  9. 請求項1乃至7のいずれかに記載のガスセンサ用材料を製造する工程と、
    前記ガスセンサ用材料を加圧成形してペレット状のセンサ部を作製する工程と、
    を有するガスセンサの製造方法。
  10. 請求項1乃至7のいずれかに記載のガスセンサ用材料を溶媒中で分散させる工程と、
    前記粘土鉱物と前記導電性粒子とが分散されている溶媒を物体の表面に塗布し乾燥させることで膜状のセンサ部を作製する工程と、
    有するガスセンサの製造方法。
  11. 請求項1乃至7のいずれかに記載のガスセンサ用材料を用いたガス検出方法であって、
    前記有機化合物が取りこまれることで変化するガスセンサ用材料の電気抵抗に基づいて有機化合物を検出するガス検出方法。
  12. 有機化合物が検出された後に80〜200℃の範囲の温度で加熱を行うことを特徴とする請求項11に記載のガス検出方法。
  13. 前記有機化合物は、クロロホルム、トリクロロエチレン、四塩化炭素、ヘキサン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、テトラクロロエチレン、ベンゼン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,3−ジクロロプロペン、二硫化炭素、チウラムモノスルフィド、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア、ジクロロメタンおよびアセトンからなる群から選択される少なくとも一種以上の物質であることを特徴とする請求項11または12に記載のガス検出方法。
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