JP5225027B2 - プロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うためのコンピュータ・システム、並びにその方法及びコンピュータ・プログラム - Google Patents

プロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うためのコンピュータ・システム、並びにその方法及びコンピュータ・プログラム Download PDF

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本発明は、リスク管理を有する複数のプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うためのコンピュータ・システム、並びにその方法及びコンピュータ・プログラムに関する。
プロジェクト管理システムに対する最近の要求の一つは、リスク・プロジェクトを早期に検知することである。ソフトウェアの規模が増加するにつれて、従来のプロジェクト管理システムにおけるリスク対応措置ではリスク検知のタイミングが遅く且つ影響規模が大きくなってしまうことが問題となっている。
下記特許文献1は、プロジェクト管理者の経験や主観に依存しない、客観的で精度の高い評価や予測を行うプロジェクト管理装置を記載する。しかし、該プロジェクト管理装置では、プロジェクトに応じた定性的な判断を盛り込む余地が少ない(例えば、第0020段落を参照)。
下記非特許文献1は、プロジェクトにおける状態及び環境を考慮して、潜在するリスク要因を予兆として捉えるための構造化された類推予測方法を記載する。該構造化された類推予測方法は、定性的なアンケートと定量的な分析とを混合した方法から構成されている。すなわち、アンケートを集計するだけの定性的なものから潜在的な予兆を見つける手法よりも、又は、プロジェクトが示す定量データだけから予兆を見つける手法よりも、両者を混合した手法の方がリスク要因の捕捉確率を向上させられることが報告されている。しかし、該構造化された類推予測方法では、複数の専門家からのアンケート結果を定量的に集計する部分に比べて、定性的な分析が占める部分が多く、最初にターゲットとする状況記述に結果が引きずられる可能性が大きい(例えば、3.5 Derive forecasts 第1行〜第3行を参照)。
特開2006−79555号公報 K.C. Green and J. S. Armstrong, "Structured analogies for forecasting", International Journal of Forecasting, pp.365-376, Vol.23, No.3, 2007
プロジェクトに潜在しているリスク要因を予兆検知するために、プロジェクトのアンケート回答などの状況記述に対して、プロジェクト特性に応じた定量的分析の特徴を定性的分析に混合し、定性的なアンケート回答で生じる主観的ぶれを適切に処理する手法が求められている。
本発明は、リスク管理を有する複数のプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うためのコンピュータ・システムを提供する。該コンピュータ・システムは、
上記各プロジェクトに関する複数の質問に対する回答データを収集する収集部であって、上記複数の質問それぞれは複数のキー項目のうちのいずれかのキー項目に分類されている、上記収集部と、
上記キー項目毎の上記各質問に対する回答データに基づいて、上記各キー項目にリスク度を付与するリスク度付与部であって、上記回答データは数値又は回答データから変換された数値である、上記リスク度付与部と、
上記キー項目毎に回答データをニューラルネットワークの入力データとして入力し、上記入力した回答データに対応するリスク度を該ニューラルネットワークの出力データとして入力し、該ニューラルネットワークにおいて上記回答データの複数と上記リスク度の複数との関係を学習する学習部と、
作為的な回答データを含む回答データを上記学習したニューラルネットワークに与えてリスク度を求め、該求めたリスク度が高い場合の作為的な回答データに対応する質問を重要質問として絞り込む絞込部と、
上記重要質問に対する回答データのリスク度を上げる回答データを含むプロジェクトを選択し、該選択したプロジェクトについて、所定期間のリスクの予兆検知を行う検知部と
を含む。
本発明の1つの実施形態では、上記検知部が、
第1の期間における上記各重要質問に対する回答データが該第1の期間直前の第2の期間における上記各重要質問に対する回答データよりもリスク度を上げる場合、該リスク度を上げる回答データを含むプロジェクトを選択し、
上記選択されたプロジェクトについて、第1〜nの期間それぞれにおける上記キー項目毎の上記各質問に対する回答データ(以下、第1の回答データ)が該第1〜nの期間直前の第2〜n+1の期間それぞれにおける上記キー項目毎の上記各質問に対する回答データ(以下、第2の回答データ)よりもリスク度を上げる場合、上記1〜nの期間における上記第1の回答データと上記第2の回答データのキー項目毎の差分の合計値が所定の閾値以上であるプロジェクトを、リスクを有しうるプロジェクトとして抽出する。ここでnは2以上の整数である。
本発明の1つの実施形態では、上記回答データが上記複数のプロジェクトの少なくとも2から、又は、同一のプロジェクトの異なる期間から収集される。
本発明の1つの実施形態では、上記リスク度付与部が、上記各質問に対する回答データの数値を合計し、該合計した値に基づいて上記リスク度を付与する。代替的には、上記リスク度付与部が、上記各質問に対する回答データの数値を非線形関数を用いてスコア化し、該スコアに基づいて上記リスク度を付与する。上記リスク度を付与することが、上記各キー項目にリスク度に関連付けられた色を付与することである。上記リスク度に関連付けられた色が、上記回答データの数値の合計に応じて定められている。
本発明の1つの実施形態では、上記ニューラルネットワークが多層パーセプトロンである。
本発明の1つの実施形態では、上記学習部が、上記ニューラルネットワークにおいて、上記入力データを第1のノードとし且つ上記出力データを第2のノードとし、上記第1のノードを多層の数(n)−1個に分け、上記第1のノードの多層間、及び上記第1のノードと上記第2のノードとの間を関連付ける。
本発明の1つの実施形態では、上記作為的な回答データが、上記複数の質問のうちの1個又は2個について人工的に与えられた回答データである。
本発明の1つの実施形態では、上記プロジェクトを選択することが、上記リスク度を上げる回答データの数に対応する質問の数をレベルの値とし、該レベルの値が1以上であるプロジェクトを選択することである。
本発明の1つの実施形態では、上記第1の期間の上記レベルの値が1である場合において、
上記合計値が第1の閾値以上である場合に、該プロジェクトをリスクを有しうるプロジェクトとして抽出し、
上記第1の期間の上記レベルの値が2以上である場合において、
上記合計値が第2の閾値以上である場合に、該プロジェクトをリスクを有しうるプロジェクトとして抽出する。
本発明の1つの実施形態では、上記第1及び第2の閾値が、
(上記リスクを有しうるプロジェクトの上記選択されたプロジェクトから抽出される希望数に関する減少関数)+(上記レベルの値に関する増加関数)
から求められる。
本発明の1つの実施形態では、上記閾値が、
7×exp(-5x/100)+0.5×exp(2.5/y)
である。ここで、xは、上記回答データに関連付けられたプロジェクトから選択するプロジェクトの選択比率(%)であり、yは、上記レベルの値である。
本発明はまた、リスク管理を有する複数のプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うための方法を提供する。該方法は、コンピュータ・システムに下記ステップを実行させるステップを含む。該ステップは、
上記各プロジェクトに関する複数の質問に対する回答データを記憶部に収集するステップであって、上記複数の質問それぞれは複数のキー項目のうちのいずれかのキー項目に分類されている、上記収集するステップと、
上記キー項目毎の上記各質問に対する回答データに基づいて、上記各キー項目にリスク度を付与するステップであって、上記回答データは数値又は回答データから変換された数値である、上記付与するステップと、
上記キー項目毎に回答データをニューラルネットワークの入力データとして入力し、上記入力した回答データに対応するリスク度を該ニューラルネットワークの出力データとして入力し、該ニューラルネットワークにおいて上記回答データの複数と上記リスク度の複数との関係を学習するステップと、
作為的な回答データを含む回答データを上記学習したニューラルネットワークに与えてリスク度を求め、該求めたリスク度が高い場合の作為的な回答データに対応する質問を重要質問として絞り込むステップと、
上記重要質問に対する回答データのリスク度を上げる回答データを含むプロジェクトを選択し、該選択したプロジェクトについて、所定期間のリスクの予兆検知を行うステップと
を含む。
本発明の1つの実施形態では、上記予兆検知を行うステップが、
第1の期間における上記各重要質問に対する回答データが該第1の期間直前の第2の期間における上記各重要質問に対する回答データよりもリスク度を上げる場合、該リスク度を上げる回答データを含むプロジェクトを選択するステップと、
上記選択されたプロジェクトについて、第1〜nの期間それぞれにおける上記キー項目毎の上記各質問に対する回答データ(以下、第1の回答データ)が該第1〜nの期間直前の第2〜n+1の期間それぞれにおける上記キー項目毎の上記各質問に対する回答データ(以下、第2の回答データ)よりもリスク度を上げる場合、上記1〜nの期間における上記第1の回答データと上記第2の回答データのキー項目毎の差分の合計値が所定の閾値以上であるプロジェクトを、リスクを有しうるプロジェクトとして抽出するステップであって、nは2以上の整数である、上記抽出するステップと
を含む。
本発明の1つの実施形態では、上記方法は、コンピュータ・システムに下記ステップをさらに実行させるステップを含む。該ステップは、
上記回答データを収集するステップを繰り返すステップと、
上記リスク度を付与するステップを繰り返すステップと、
上記学習したニューラルネットワークにおいて上記回答データの複数と上記リスク度の複数との関係を学習するステップを繰り返すステップと、
上記絞り込むステップを繰り返して、上記重要質問を更新するステップと
を含む。
本発明の1つの実施形態では、上記予兆検知を行うステップにおいて、第1の期間における上記更新された各重要質問に対する回答データが該第1の期間直前の第2の期間における上記更新された各重要質問に対する回答データよりもリスク度を上げる場合、該リスク度をあげる回答データを含むプロジェクトを選択するステップをさらに含む。
本発明の1つの実施形態では、上記リスク度を上げる回答データの数に対応する質問の数をレベルの値とし、上記プロジェクトを選択するステップが、該レベルの値が1以上であるプロジェクトを選択するステップを含む。
本発明の1つの実施形態では、上記抽出するステップが、
上記第1の期間の上記レベルの値が1である場合において、
上記合計値が第1の閾値以上である場合に、該プロジェクトをリスクを有しうるプロジェクトとして抽出するステップと、
上記第1の期間の上記レベルの値が2以上である場合において、
上記合計値が第2の閾値以上である場合に、該プロジェクトをリスクを有しうるプロジェクトとして抽出するステップと、
を含む。
本発明の1つの実施形態では、上記方法は、コンピュータ・システムに下記ステップをさらに実行させるステップをさらに含む。該ステップは、上記第1及び第2の閾値を、
(上記選択されたプロジェクトから抽出される上記リスクを有しうるプロジェクトの希望数に関する減少関数)+(上記レベルの値に関する増加関数)
から求めるステップを含む。
本発明の1つの実施形態では、上記ニューラルネットワークが多層パーセプトロンであり、
上記学習するステップが、上記ニューラルネットワークにおいて、上記入力データを第1のノードとし且つ上記出力データを第2のノードとし、上記第1のノードを多層の数(n)−1個に分け、上記第1のノードの多層間、及び上記第1のノードと上記第2のノードとの間を関連付けるステップを含む。
本発明の1つの実施形態では、上記リスク度を付与するステップが、上記各質問に対する回答データの数値を合計し、該合計した値に基づいて上記リスク度を付与するステップを含む。
本発明はまた、リスク管理を有する複数のプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うための方法を提供する。該方法は、コンピュータ・システムに下記ステップを実行させるステップを含む。該ステップは、
上記各プロジェクトに関する複数の質問に対する回答データを記憶部に収集するステップであって、上記複数の質問それぞれは複数のキー項目のうちのいずれかのキー項目に分類されている、上記収集するステップと、
上記キー項目毎の上記各質問に対する回答データに基づいて、上記各キー項目にリスク度を付与するステップであって、上記回答データは数値又は回答データから変換された数値である、上記付与するステップと、
上記キー項目毎に回答データをニューラルネットワークの入力データとして入力し、上記入力した回答データに対応するリスク度を該ニューラルネットワークの出力データとして入力し、該ニューラルネットワークにおいて上記回答データの複数と上記リスク度の複数との関係を学習するステップと、
作為的な回答データを含む回答データを上記学習したニューラルネットワークに与えてリスク度を求め、該求めたリスク度が高い場合の作為的な回答データに対応する質問を重要質問として絞り込むステップと、
上記回答データを収集するステップを繰り返すステップと、
上記リスク度を付与するステップを繰り返すステップと、
上記学習したニューラルネットワークにおいて上記回答データの複数と上記リスク度の複数との関係を学習するステップを繰り返すステップと、
上記絞り込むステップを繰り返して、上記重要質問を更新するステップと、
所定期間のプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うステップであって、
第1の期間における上記更新された各重要質問に対する回答データが該第1の期間直前の第2の期間における上記更新された各重要質問に対する回答データよりもリスク度を上げる場合、該リスク度をあげる回答データを含むプロジェクトを選択するステップと、
上記選択されたプロジェクトについて、第1〜nの期間それぞれにおける上記キー項目毎の上記各質問に対する回答データ(以下、第1の回答データ)が該第1〜nの期間直前の第2〜n+1の期間それぞれにおける上記キー項目毎の上記各質問に対する回答データ(以下、第2の回答データ)よりもリスク度を上げる場合、上記1〜nの期間における上記第1の回答データと上記第2の回答データのキー項目毎の差分の合計値が所定の閾値以上であるプロジェクトを、リスクを有しうるプロジェクトとして抽出するステップであって、nは2以上の整数である、上記抽出するステップと
を含む、上記予兆検知を行うステップと
を含む。
本発明はさらに、リスク管理を有する複数のプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うためのコンピュータ・プログラムを提供する。該コンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システムに、上記のいずれか一つに記載の方法の各ステップを実行させる。
本発明の実施形態によれば、プロジェクトの管理者によってばらつきのあるプロジェクトに対する定性的な回答からでも、潜在的なリスクを含むプロジェクトを予兆検知することが可能である。
本発明の実施形態において、「プロジェクト」とは、リスク管理を有するプロジェクトである。本発明の実施形態では、複数のプロジェクトが対象である。本発明の実施形態では、複数のプロジェクトのうちからリスクを潜在的に有しうるプロジェクトを予兆検知する。
本発明の実施形態において、「リスク管理」とは、リスクを組織的に管理し、危害の発生源又は発生原因、損失などを回避し、又は、それらの低減をはかるプロセスをいう。「リスク管理」は、プロジェクトに潜在的に存在するリスク要因の予兆検知を含む。
本発明の実施形態において、「予兆検知」とは、プロジェクトにおいて将来的に発生するであろうリスクを含むプロジェクトを検知することをいう。
本発明の実施形態において、「プロジェクトに関する複数の質問」とは、例えばプロジェクト管理の当業者が経験的にプロジェクトの状況把握に重要であると考えられる内容に関する。該質問は、例えばアンケート形式であり、紙ベース又は電子ベースのいずれの形式であってもよい。質問の内容は、質問間で重複していても構わない。
本発明の実施形態において、プロジェクトに関する質問は、複数のキー項目に分類されている。複数のキー項目は、例えば、5個、7個、10個など任意の数からなる。1つのキー項目は、少なくとも1つの質問を含む。キー項目は、プロジェクトのリスク管理に必要な観点から設けられている項目である。キー項目は、例えば、ステークホルダー(利害関係者)項目、ビジネス上の利益項目、作業及びスケジュール項目、チーム項目、スコープ項目、リスク項目、及びサービス提供組織にとっての利益項目であるがこれに限定されない。
ステークホルダー項目とは、利害関係者がコミットしているかに関する項目であり、プロジェクトの影響を受ける、又は、プロジェクトに影響を与える個人及びグループを特定し、評価し、情報を提供し、感化することに関する質問を含む。
ビジネス上の利益項目とは、顧客のビジネス上の利益が実現されているかに関する項目であり、プロジェクトがクライアント企業に与える利益を予測し、測定し、モニターすることに関する質問を含む。利益とは、財務及び非財務の両方の側面における期待成果と関連コストを考慮したものである。
作業及びスケジュール項目とは、作業及びスケジュールが予測可能であるかに関する項目であり、プロジェクトのサービスと成果物の提供及び受入を管理し、パフォーマンスの規定及び受入基準が確実に満たされているようにすることに関する質問を含む。
チーム項目とは、プロジェクトチームが高いパフォーマンスを出しているかに関する項目であり、プロジェクトチームに必要な人員を特定し、立ち上げ、教育することに関する質問を含む。
スコープ項目とは、スコープが現実的で的確に管理されているかに関する項目であり、プロジェクトの作業範囲を承認、維持管理することに関する質問を含む。
リスク項目とは、リスクが軽減されているかに関する項目であり、リスク及び課題を特定し、評価し、それらに対する回避、緩和、解決などのアクティビティを実行することに関する質問を含む。
サービス提供組織にとっての利益項目とは、サービス提供組織にとっての利益が実現されているかに関する項目であり、サービス提供組織がプロジェクトから得る利益を確定し、合意し、管理する。サービス提供組織にとっての利益とは、例えば、財務報酬、知識伝達、スキル開発である。
本発明の実施形態において、「質問に対する回答データ」は、数値又は回答データから変換された数値である。回答データが数値でない場合、所定の基準に従い数値化される。また、回答データが数値である場合であっても、該数値が、所定の基準に従い数値化される。数値化には、例えば離散化スコアリングが使用されてもよい。離散化スコアリングとして、例えば3段階の離散化スコアリングが使用されうる。
本発明の1の実施形態において、「質問に対する回答データ」は、例えば、3択又は5択の選択肢を各プロジェクトの管理者が選択することによって得られる。回答が選択肢形式である場合、得られる回答データは数値である。例えば3択の場合、回答データは1、2又は3の数値であり、5択の場合、回答データは1、2、3、4又は5の数値である。各プロジェクトの管理者は、回答を、例えばマークシート上に記入し、又はアプリケーションソフトの画面上に表示される選択肢をチェックするとこにより行う。マークシート上に記入された回答データは該マークシートをマークシートリーダーに通すことによって電子化される。
本発明の他の実施形態において、「質問に対する回答データ」は、百分率、割合、又は点数で表される数値である。該数値は、例えば、プロジェクトの進捗率、進捗割合、又は進捗に関する点数である。
本発明の他の実施形態において、「質問に対する回答データ」は、「はい」又は「いいえ」などの文字列である。
本発明の他の実施形態において、「回答データから変換された数値」とは、回答データが上記百分率、割合若しくは点数であり又は文字列である場合、該回答データを数値に変換した値をいう。
回答データが百分率である場合、百分率を所定の範囲毎に、例えば、1、2、3、4又は5の数値に変換する。例えば、0%以上〜20%未満の百分率であれば1に変換し、20%以上〜40%未満の百分率であれば2に変換し、40%以上〜60%未満の百分率であれば3に変換し、60%以上〜80%未満の百分率であれば4に変換し、及び80%以上〜100%以下の百分率であれば5に変換する。なお、離散化スコアリングを使用して、上記変換された数値値を、例えば、1、2、4、6又は8としてもよい。
回答データが割合である場合、割合を所定の範囲毎に、例えば、1、2、3、4又は5の数値に変換する。例えば0割以上〜2割未満の割合であれば1に変換し、2割以上〜4割未満の割合であれば2に変換し、4割以上〜6割未満の割合であれば3に変換し、6割以上〜8割未満の割合であれば4に変換し、及び8割以上〜10割以下の割合であれば5に変換する。なお、離散化スコアリングを使用して、上記変換された数値を、例えば、1、2、4、6又は8としてもよい。
回答データが点数である場合、点数を所定の範囲毎に、例えば、1、2、3、4又は5の数値に変換する。例えば、0点以上〜20点未満の点数であれば1に変換し、20点以上〜40点未満の点数であれば2に変換し、40点以上〜60点未満の点数であれば3に変換し、60点以上〜80点未満の点数であれば4に変換し、及び80点以上〜100点以下の点数であれば5に変換する。なお、離散化スコアリングを使用して、上記変換された数値を、例えば、1、2、4、6又は8としてもよい。
回答データが「はい」又は「いいえ」などの文字列である場合、「はい」の回答に対して低い数値を付与し又は数値を付与せず、「いいえ」の回答に対して「はい」で付与された数値よりも高い数値を付与する。該例は、数値が高いほど、プロジェクトのリスクが高くなるような場合である。例えば、「はい」の回答に対してスコア値0を付与し(すなわち、スコア値を付与しない)、一方、「いいえ」の回答に対してスコア値3を付与する。
本発明の実施形態において、「リスク度」とは、プロジェクトの健全状態の基準であり、例えばリスク度が高いほどプロジェクトにおいてリスクが大きいことになる。リスク度のレベルは、例えば、リスク度に関連付けられた色によって示される。色は、例えば、緑、黄、及び赤の3色である。緑、黄、及び赤である基準値は、キー項目毎に任意に設定されることができる。
緑は、プロジェクトが順調であり、例えば、プロジェクトが計画通りに進行していることを示す。プロジェクトが順調であるとは、プロジェクトの状況一般が順調であることである。
黄は、プロジェクトに対して警告を発する状態であり、状況改善のためのアクションが近々必要であることを示す。
赤は、プロジェクトに対して緊急を発する状態であり、即刻方向修正のためのアクションが必要であることを示す。
本発明の実施形態において、「リスク度の付与」とは、プロジェクトのキー項目毎の質問に対する回答データである数値に基づいて、該キー項目それぞれについてのリスク度を付与することをいう。
回答データが選択肢である場合、選択肢そのものの数値に基づいてリスク度を付与してもよいが、さらにキー項目毎に、該数値を合計した合計値に基づいてリスク度を付与してもよい。
回答データが百分率である場合、百分率そのものの数値に基づいてリスク度を付与してもよいが、さらに、百分率を所定の範囲毎に数値に変換し、該変換された数値にリスク度を付与してもよい。さらに、上記百分率そのものの数値又は変換した数値について、キー項目毎に、上記百分率そのものの数値を合計した合計値又は上記変換した数値を合計した合計値に基づいてリスク度を付与してもよい。
回答データが割合である場合、割合そのものの数値に基づいてリスク度を付与してもよいが、さらに、割合を所定の範囲毎に数値に変換し、該変換された数値にリスク度を付与してもよい。さらに、上記割合そのものの数値又は変換した数値について、キー項目毎に、上記割合そのものの数値を合計した合計値又は上記変換した数値を合計した合計値に基づいてリスク度を付与してもよい。
回答データが点数である場合、点数そのものの数値に基づいてリスク度を付与してもよいが、さらに、点数を所定の範囲毎に数値に変換し、該変換された数値にリスク度を付与してもよい。さらに、上記点数そのものの数値又は変換した数値について、キー項目毎に、上記点数そのものの数値を合計した合計値又は上記変換した数値を合計した合計値に基づいてリスク度を付与してもよい。
回答データが文字列である場合、該文字列を数値に変換し、該変換した数値にリスク度を付与する。
リスク度を付与する具体的な方法は、例えば次の通りである。あるキー項目に含まれる特定の質問に対する回答データの値が所定の閾値未満である場合、リスク度付与部(下記図1、103)は回答データの値が悪いとして、該特定の質問を含むキー項目の状態にリスクがあると判定する。そして、リスク度付与部(103)は、該キー項目に対して、黄又は赤のリスク度を付与する。一方、あるキー項目に含まれる全ての質問に対する回答データの値が所定の閾値以上である場合、リスク度付与部(103)は、回答データの値が良いとして、該全ての質問を含むキー項目の状態にリスクがないと判定する。そして、リスク度付与部(103)は、該キー項目に対して、緑のリスク度を付与する。
本発明の実施形態において、「ニューラルネットワーク」とは、脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデルである。本発明の実施形態において、誤差逆伝播法を用いた多層パーセプトロンが用いられうる。本発明の実施形態において、「多層パーセプトロン」とは、単純パーセプトロンを層状に繋ぎ合わせたネットワークであり、入力層及び出力層を含む。
本発明の実施形態において、「ニューラルネットワーク」は、プロジェクトのキー項目毎に作成される。ニューラルネットワークの入力データは、キー項目毎の回答データである。ニューラルネットワークの出力データは、キー項目毎の回答データに対応するリスク度である。
本発明の実施形態において、「ニューラルネットワーク」は、上記キー項目毎の入力した回答データと上記出力データであるリスク度との関係を学習する。本発明の実施形態において、「ニューラルネットワーク」は、上記学習後に、出力データに影響を与える入力データ、すなわち回答データに対応する質問を特定するために用いられる。
本発明の実施形態において、「多層パーセプトロン」として、例えば3層パーセプトロンが用いられる。3層パーセプトロンは、2層の入力層と1層の出力層を含む。
本発明の実施形態において、「作為的な回答データ」とは、複数の質問のうちからプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うために重要である重要質問を絞り込むために、人工的に与えられる回答データである。作為的な回答データの入力は、影響力を調査したい質問に対応する回答のみを意図的に良くしたり、悪くしたりする回答データを入力することである。
本発明の1つの実施形態において、「作為的な回答データを含む各質問に対する回答データ」を入力することは、例えば、1つの質問に対する回答データの値が悪くなるような値、すなわち1つの質問に対する回答の内容がリスクを増大させる値を入力し、且つそれ以外の質問に対する回答データの値が良くなるような又は変化しない値、すなわちそれ以外の質問に対する回答の内容がリスクを増大させない値を入力する。
本発明の他の実施形態において、「作為的な回答データを含む各質問に対する回答データ」を入力することは、例えば、1つの入力ノードのみに出力結果が悪くなるような値、すなわちリスク度が高い値を入力し、且つそれ以外の入力データに出力結果が良くなるような又は変化しない値、すなわちリスク度が低い値を入力することである。
本発明の1つの実施形態において、「作為的な回答データを含む各質問に対する回答データ」を入力することは、例えば、2つの質問それぞれに対する回答データの値が悪くなるような値、すなわち2つの質問それぞれに対する回答の内容がリスクを増大させる値を入力し、且つそれ以外の質問に対する回答データの値が良くなるような又は変化しない値、すなわちそれ以外の質問に対する回答の内容がリスクを増大させない値を入力する。
本発明の他の実施形態において、「作為的な回答データを含む各質問に対する回答データ」を入力することは、例えば、2つの入力ノードの組み合わせの全てにおいて、1つの組み合わせのみに出力結果が悪くなるような値を入力し、且つそれ以外の入力ノードに出力結果が良くなるような又は変化しない値を入力することである。
本発明の実施形態において、「重要質問」とは、複数の質問のうちからプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うために重要である質問である。本発明の実記形態では、重要質問を絞り込むことによって、定性的な回答データを効果的に定量化することが可能である。
本発明の実施形態において、「所定期間」とは、例えば、日数、週、月、又は年単位の期間である。
以下、図面に従って、本発明の実施形態を説明する。本実施形態は、本発明の好適な態様を説明するためのものであり、本発明の範囲をここで示すものに限定する意図はないことを理解されたい。また、以下の図を通して、特に断らない限り、同一符号は、同一の対象を指す。
図1は、本発明の実施形態における、コンピュータ・システムの構成図を示す。
コンピュータ・システム(101)は、収集部(102)、リスク度付与部(103)、学習部(104)、絞込部(105)、検知部(106)、中央演算処理装置(以下、CPU)(107)、記憶部(108)、及びメモリー(109)を含む。コンピュータ・システム(101)はまた、ニューラルネットワーク(110)を実装するソフトウェアを記憶部(108)に保存する。代替的に、コンピュータ・システム(101)は、ニューラルネットワーク(110)を実装するソフトウェアを含む他のコンピュータ(図示せず)に接続されている。
収集部(102)は、プロジェクトに関する複数の質問に対する回答データをプロジェクトの管理者からの入力に応答して収集する。該回答データは、複数のプロジェクトから、又は、同一のプロジェクトの異なる期間から収集される。回答データは、収集部(102)が収集する前に、必要に応じて電子化される。
リスク度付与部(103)は、各プロジェクトのキー項目毎の各質問に対する回答データに基づいて、各キー項目についてのリスク度を付与する。特には、リスク度付与部(103)は、回答データの値をキー項目毎に合計し、該合計値に基づいてキー項目それぞれにリスク度を付与する。回答データは、数値又は回答データから変換された数値である。
学習部(104)は、ニューラルネットワークの入力データとしてキー項目毎に回答データを入力し、該ニューラルネットワークの出力データとして入力した回答データに対応するリスク度を入力し、該ニューラルネットワークにおいてキー項目毎の入力した回答データと上記リスク度との関係を学習する。学習部(104)はまた、ニューラルネットワークにおいて、キー項目毎の入力データを第1のノードとし且つ出力データを第2のノードとし、第1のノードを多層の数(n)−1個に分け、第1のノードの多層間、及び第1のノードと第2のノードとの間を関連付ける。
絞込部(105)は、作為的な回答データを含む各質問に対する回答データを学習したニューラルネットワークに与えて出力データであるリスク度を求め、該求めたリスク度が高い場合の作為的な回答データに対応する質問を重要質問として絞り込む。
検知部(106)は、所定期間の各プロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行う。検知部(106)はまた、第1の期間における各重要質問に対する回答データが該第1の期間直前の第2の期間における各重要質問に対する回答データよりも悪い回答データ、すなわちリスク度をあげる場合、該リスク度を上げる回答データを含むプロジェクトを選択する。検知部(106)はさらに、選択されたプロジェクトについて、第1〜n(但し、nは2以上の整数である)の期間それぞれにおけるキー項目毎の各質問に対する回答データが該第1〜nの期間直前の第2〜n+1の期間それぞれにおけるキー項目毎の各質問に対する回答データよりも悪い回答データ、すなわちリスク度を上げる場合、該リスク度を上げる回答データの数を1〜nの期間毎に合計し、該合計した値が所定の閾値以上であるプロジェクトを、リスクを有しうるプロジェクトとして抽出する。
CPU(107)は、本発明の実施形態であるリスクの予兆検知を行うためのコンピュータ・プログラムを実行する。
メモリー(109)は、上記コンピュータ・プログラムを実行するために使用される。
図2は、本発明の実施形態における、キー項目の一覧の例を示す。
該例では、キー項目は、ステークホルダー、ビジネス上の利益、作業及びスケジュール、チーム、スコープ、リスク、及びサービス提供組織にとっての利益を含む。キー項目は、これらのうちのいずれかから選択されてもよく、或いはその他のキー項目を該例のキー項目に追加してもよい。
キー項目のそれぞれは、少なくとも1の質問を含み、質問の数は任意である。例えば、キー項目1つについて、5〜20の質問を含みうる。
図3Aは、本発明の実施形態における、ニューラルネットワークの学習の例を示す。
ニューラルネットワーク(302)は、3層パーセプトロンである。ニューラルネットワーク(302)は、1個のキー項目について1個のニューラルネットワークが用意される。よって、キー項目が例えば7個である場合、用意されるニューラルネットワーク(302)の数は7個である。
ニューラルネットワーク(302)の入力データは、質問に対する回答データである。よって、例えばキー項目がステークホルダーについてのニューラルネットワークの入力データは、ステークホルダーに分類されている質問に対する回答データである。
ニューラルネットワーク(302)の出力データは、該回答データに基づいて付与されたリスク度である。リスク度は、数値によって表されうる。
なお、リスク度は、プロジェクトの管理者がリスク度を容易に把握できるようにするために、リスク度の数値に応じてリスク度の判定色に変換される。判定色は、緑、黄及び赤で表される。なお、リスク度の判定色の色に対応する数値は任意に決められうる。例えば、緑は1、黄は2、赤は3である。
上記回答データと上記リスク度との関係を学習するために、上記回答データ及び上記リスク度の組み合わせのデータ(301)が、キー項目毎にニューラルネットワーク(302)に入力される。上記組み合わせ(301)のデータは、上記学習前に過去に収集されたデータである。過去に収集されたデータは、複数のプロジェクトそれぞれの所定期間ごと、例えば月ごとのデータである。例えば3層パーセプトロンでは、3層のうちの第1層及び第2層が入力データであり、第3層が出力データである。
ニューラルネットワーク(302)は、上記回答データ及び上記リスク度の組み合わせのデータに基づいて、回答データとリスク度との関係を学習する。学習結果は、入出力データ間の関係として表される。
図3Bは、本発明の実施形態における、学習したニューラルネットワークを用いてリスク度が高くなるような作為的な回答データに対応する質問を重要質問として絞り込むことを示す。
重要質問を選択するために、学習したニューラルネットワーク(303)の入力データとして作為的な回答データを含む各質問に対する回答データが入力される。その結果、学習したニューラルネットワーク(303)は、出力データであるリスク度を出力する。リスク度は、例えば、数値で表される。また、リスク度は、プロジェクトの管理者が視認することを容易にするために、リスク度に対応する色、例えば緑、黄又は赤の3段階で表示装置上に示されうる。
作為的な回答データは、複数の質問のうちからプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うために重要である重要質問を絞り込むために、人工的に与えられる回答データである。図3Bの例では、以下の2種類の作為的な回答データを含む各質問に対する回答データの組み合わせを用意した。
第1の回答データの組み合わせは、1つの質問に対する回答データの値が悪くなるような値である回答データと、且つそれ以外の質問に対する回答データの値が良くなるような又は変化しない値である回答データである。
第2の回答データの組み合わせは、2つの質問それぞれに対する回答データの値が悪くなるような値である回答データと、且つそれ以外の質問に対する回答データの値が良くなるような又は変化しない値である回答データである。
その結果、出力データが降順で出力される(304)。図3Bの出力データは、ステークホルダーについての出力データの例である。
出力データ(304)では、第1の回答データの組み合わせに対する出力データは大きい値を有しなかったので、第2の回答データの組み合わせに対する出力データが降順に一部示されている。出力データ(304)の質問(Q)の組み合わせは、第2の回答データの組み合わせにおける作為的な回答データの組み合わせを示す。例えば、(Q1,Q3)は、作為的な回答データの組み合わせに対応する質問1及び質問3を示す。図3Bの例では、上位5個が重要質問の組み合わせであることを示す。よって、重要質問は、Q1、Q3、Q2、Q4、Q6、及びQ8である。
図4は、本発明の実施形態における、プロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うためのフローチャートを示す。
ステップ401では、収集部(図1、102)は、各プロジェクトに関する複数の質問に対する回答データを収集する。質問に対する回答は、各プロジェクトのプロジェクト・マネージャが主に行う。プロジェクト・マネージャは、質問に対する現状を回答する。複数のプロジェクトについて、プロジェクト毎に回答データが収集される。また、同一のプロジェクトについて、所定の期間毎、例えば月毎に回答データが収集される。収集部(102)は、収集した回答データを記憶部(図1、108)に格納する。回答データは、数値又は回答データから変換された数値である。
ステップ402では、リスク度付与部(図1、103)は、各プロジェクトのキー項目毎の各質問に対する回答データに基づいて、該各キー項目についてのリスク度を付与する。
ステップ403では、学習部(図1、104)は、上記回答データ及び上記リスク度の組み合わせをニューラルネットワークに入力する。回答データは、ニューラルネットワークの入力データである。リスク度は、ニューラルネットワークの出力データである。学習部(104)は、ニューラルネットワークに、上記入力データと上記出力データとの関係、すなわち上記入力データと上記出力データとの因果関係を学習させる。ニューラルネットワークに入力データと出力データとの関係を学習させる理由は、プロジェクトの管理者による回答データのばらつきをノイズと考え、上記学習後に、出力データとして影響を与える入力データ、すなわち回答データに対応する質問を特定するためである。回答データのばらつきとは、例えば、プロジェクトの管理者が変更になったときに管理者に由来する回答データのばらつき、又は、プロジェクトの内容が変更になったときに該内容の変更に由来する回答のばらつきを含む。
ステップ404では、リスク度が高くなるような作為的な回答データに対応する質問を重要質問として絞り込む。
質問の絞り込みは、学習したニューラルネットワークを使用して行われる。絞込部(図1、105)は、学習したニューラルネットワークに作為的な回答データを含む各質問に対する回答データを入力する。その結果、絞込部(105)は、学習したニューラルネットワークを用いて、出力データであるリスク度を出力する。絞込部(105)は、リスク度が高いような出力結果となったときの回答データに対応する質問を重要質問であるとして絞り込む。リスク度が高くなるような出力データとは、例えば、出力データが所定の値以上である場合(値が大きいほどリスクが大きいことが前提である)、又はリスク度が赤又は黄で表される場合である。
学習したニューラルネットワークを用いてプロジェクトにおける潜在的なリスクを予兆検知するに際して、この絞り込まれた重要質問が出力データに与える影響は大きい。該絞り込みは、アンケートによる定性的な回答データに基づいてプロジェクトに応じた定量的な重要質問に絞り込むことを可能にする。重要質問の絞り込みは、回答データ(高次元回答データの空間)の次元圧縮及びプロジェクトの管理者による回答データのばらつきであるノイズの除去を可能にする。ノイズとは、客観的には同じ進捗状態であっても、プロジェクトの管理者である回答者Aさんとプロジェクトの管理者である回答者Bさんとでは、異なる回答になるような回答データをいう。
ステップ405では、上記重要質問の傾向判定を行う。
検知部(106)は、第1の期間における各重要質問に対する回答データが該第1の期間直前の第2の期間における各重要質問に対する回答データよりもリスク度を上げる場合、該リスク度を上げる回答データを含むプロジェクトを選択する。
第1の期間はプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行いたい期間の直前の期間であり、第2の期間は該第1の期間の直前の期間である。プロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行いたい期間が例えば2008年1月であるとすれば、第1の期間は2007年12月であり、第2の期間は2007年11月である。
検知部(106)は、上記リスク度を上げる回答データの数に対応する重要質問の数をリスク度レベルとする。検知部(106)は、例えば、リスク度レベルが1以上であれば、上記重要質問に対する回答データのリスク度が上がっているので、該リスク度が上がった回答データに対応するプロジェクトを第1基準リスクプロジェクトとして選択する。リスク度レベルが1以上とは、重要質問に対する回答の1つでもそのリスク度が上がっている場合である。ただし、第1の期間における重要質問に対する回答が第2の期間における重要質問に対する回答よりもリスク度が下がっているか又は変化のない場合には、離散化スコアにより、リスク度が上がった回答データに対応するプロジェクトのみを考慮し、リスク度が下がっている及び変化のない回答データに対応するプロジェクトは第1基準リスクプロジェクトとして考慮しない。なぜならば、第一基準では、良くなったスコアは一時的なものかもしれないし、逆に、悪くなっているスコアも一時的なものかもしれないので、少しでもリスク可能性があるプロジェクトを網羅するためである。そこで、第2基準でさらにプロジェクトの選別を行うのである。
上記のようにして、重要質問に基づいて第1基準リスクプロジェクトを選択することによって、プロジェクト・マネージャの質問に対する回答についての主観的印象を考慮しつつ、同一のプロジェクト間でプロジェクト・マネージャが変更になった場合又はプロジェクト・マネージャがプロジェクト間で異なる場合の回答のばらつきを抑えることが可能になる。
ステップ406では、プロジェクトの履歴判定を行う。
検知部(106)は、第1基準リスクプロジェクトのうちから、各キー項目のスコア差分(悪化している値)を計算する。そして、過去数ヶ月、例えば3ヶ月の間に上記スコア差分の合計値が増えたかどうかを検討する。具体的には、検知部(106)は、過去数ヶ月分のスコアについて、月単位でスコア差分を蓄積加算して総差分値を求める。次に、過去数ヶ月分、例えば3ヶ月分の総差分値の合計値を求める。そして、基準関数の考え方による閾値を用いた分類ルールを使用して、第1基準リスクプロジェクトのうちからさらに第2基準リスクプロジェクトを、上記総差分値の合計値に基づいて抽出する。
第2基準リスクプロジェクトを第1基準リスクプロジェクトのうちから選択する式は下記の通りである。
t月(t=1〜12の整数である)におけるプロジェクトXを考える。危険度が1又は2以上によって、上記選択する式は異なる。
・リスク度レベルが1であり且つ前月の回答データのキー項目毎のスコアと今月の回答データのキー項目毎のスコアとの差分が正の整数で表される場合(但し、スコアが高いほどリスク度が高い場合である)に、該差分を月毎に蓄積加算し、総差分値を求める。代替的には、リスク度レベルが1であり且つ前月の回答データのスコアと今月の回答データのスコアとの差が正の整数で表される場合(但し、スコアが高いほどリスク度が高い場合である)に、該差を月毎に蓄積加算して総差分値を求める。そして、過去数ヶ月分の上記総差分値の合計値が閾値以上であれば、該プロジェクトXは第2基準リスクプロジェクトであるとして抽出される。閾値は、例えば10である。
・リスク度レベルが2以上であり且つ前月の回答データのキー項目毎のスコアと今月の回答データのキー項目毎のスコアとの差分が正の整数で表される場合(但し、スコアが高いほどリスク度が高い場合である)に、該差分を月毎に蓄積加算し、総差分値を求める。代替的には、リスク度レベルが2以上であり且つ前月の回答データのスコアと今月の回答データのスコアとの差が正の整数で表される場合(但し、スコアが高いほどリスク度が高い場合である)に、該差を月毎に蓄積加算して総差分値を求める。そして、過去数ヶ月分の上記総差分値の合計値が閾値以上であれば、該プロジェクトXは第2基準リスクプロジェクトであるとして抽出される。閾値は、例えば5である。
上記式は、下記の通り表される。
プロジェクトXについて、
リスク度レベルkが1であり、且つ
Figure 0005225027

である場合、
又は
リスク度レベルkが2以上であり、且つ
Figure 0005225027
である場合、
プロジェクトXは、第2基準リスクプロジェクトであるとして抽出される。
(ここで、リスク度レベルkは、プロジェクトXにおいて、リスク度を上げる回答データの数に対応する重要質問の数である。
Figure 0005225027
は、キー項目毎の差分(Si,t)の総差分値である。但し、差分は正の整数の場合である。差分が0又は負の場合、差分は0である。
7は、キー項目の数が7であることを示す。
Si,tは、キー項目毎の今月(t)と前月(t−1)の差分を示す。
iは、キー項目を示す。)
次に、閾値は、下記の基準関数の考え方を用いて下記式により決定されうる。
閾値は、
閾値=(リスクを有しうる第2基準リスクプロジェクトの第1基準リスクプロジェクトから抽出される希望数に関する減少関数)+(上記リスク度レベルの値に関する増加関数)
で求められる。リスク度レベルは重要質問の下降該当数を表しているので、リスク度レベルだけでも、第1基準リスクプロジェクトのうちから第2基準リスクプロジェクトを抽出する効果がある。
上記式により、最終的に選択する第2基準リスクプロジェクトの数を少なくする場合には閾値は大きくなり、一方、最終的に選択する第2基準リスクプロジェクトの数を多くする場合には閾値は小さくなる。
場合によっては、閾値の最適値を求めることも可能である。しかしながら、一般に、最終的な第2基準リスクプロジェクトの数はおおよそ決まっているので、リスク度レベルが小さいときの閾値は大きく、リスク度レベルが大きいときの閾値は小さくなる。例えば、リスク度レベルが1であるときの閾値は10であり、リスク度レベルが2以上であるときの閾値は5である。
様々な基準関数が、閾値を求めるために用いられうる。実験的には、例えば、下記の指数関数によって閾値を決定することが分かっている。
閾値が、7×exp(-5x/100)+0.5×exp(2.5/y)で表される。
ここで、xは、上記回答に関連付けられたプロジェクトから選択するプロジェクトの選択比率(%)であり、yは、上記レベルの値である。
例えば、第2基準リスクプロジェクトが選択されうる希望数を第1基準リスクプロジェクトの10%に絞り込む場合、閾値はリスク度レベルが1の場合10.3であり、リスク度レベルが2の場合5.9であり、それ以上のリスク度レベルでは飽和する。よって、上記した選択する式において、リスク度レベルが1の場合の閾値が10であり、リスク度レベルが2以上の場合の閾値が5である。
ステップ407では、リスクを有しうるプロジェクトを判定する。
過去数ヶ月分の上記総差分値の合計値が閾値以上であれば、該プロジェクトは第2基準リスクプロジェクトであるとして抽出される。該第2基準リスクプロジェクトが、予兆検知を行いたい期間において潜在的なリスクを含みうるプロジェクトである。該潜在的なリスクを含みうるプロジェクトが、最終的な予兆検知の結果である。
図5は、図4のステップ405、406及び407の具体例を示す。
図5は、2つのプロジェクト AB-123(501)及びAB-456(502)を示す。
・ステップ406
プロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行いたい期間が例えば2008年1月であるとする。そうすると、該期間の直前の期間は、2007年12月である。
プロジェクト AB-123(501)では、2007年12月の重要質問(キー項目に関係ない)に対してリスク度を上げる回答データがあったため(図5に結果は示されてない)、リスク度レベルが1である(矢印で示されている)。よって、プロジェクト AB-123(501)は、第1基準リスクプロジェクトとして選択される。
同様に、プロジェクト AB-456(502)では、2007年12月の重要質問(キー項目に関係ない)に対してリスク度を上げる回答データがあったため(図5に結果は示されてない)、リスク度レベルが1である(矢印で示されている)。よって、プロジェクト AB-456(502)は、第1基準リスクプロジェクトとして選択される。
・ステップ407、ステップ408
差1、差2、差3、差4、差5、差6及び差7は、図5に示す各キー項目の前の月との差分である。各キー項目についての前の月との差分とは、各キー項目に含まれる各質問についての回答データの前の月との差分を合計したものである。
例えば、プロジェクト AB-123(501)の2007年9月における差1の値は1である。従って、2007年9月におけるキー項目「ステークホルダー」に含まれる各質問に対する回答データと、その前月である2007年8月におけるキー項目「ステークホルダー」に含まれる各質問に対する回答データとの差分の合計が1であることを示す。また、プロジェクト AB-123(501)の2007年9月における差1、差2、差3、差4、差5、差6及び差7の値がそれぞれ0、2、1、2、2、0及び0であるので、総差分値は7である。
プロジェクト AB-123(501)では、過去3ヶ月(2007年10月、11月、12月)の間におけるキー項目毎の総差分値がそれぞれ7、1及び2である。よって、プロジェクト AB-123(501)の過去3ヶ月分の総差分値の合計値は10である。プロジェクト AB-123(501)では、上記に述べたように、リスク度レベルが予兆月(2008年1月)の前月(2007年12月)に1であるので、第2基準リスクプロジェクトとして使用される閾値は10である。よって、過去3ヶ月における総差分値の合計値10は、上記閾値10と同じである。従って、プロジェクト AB-123(501)は、第2基準リスクプロジェクトであると判定される。
プロジェクト AB-456(502)では、過去3ヶ月(2007年10月、11月、12月)の間におけるキー項目毎の総差分値がそれぞれ1、0及び1である。よって、プロジェクト AB-456(502)の上記過去3ヶ月分の総差分値の合計値は2である。プロジェクト AB-456(502)では、上記に述べたように、リスク度レベルが予兆月(2008年1月)の前月(2007年12月)に1であるので、第2基準リスクプロジェクトとして使用される閾値は10である。よって、過去3ヶ月における総差分値の合計値2は、上記閾値10に満たない。従って、プロジェクト AB-456(502)は、第2基準リスクプロジェクトであると判定されない。
実施例1
本発明の実施形態に従い、実在するデータを用いて、プロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行った。ある範囲からなる月の回答データの複数及びリスク度の複数との関係データをニューラルネットワークに学習させ、ある月の予兆検出を行った結果を示す。
図4に従う方法により、第2基準リスクプロジェクトの数は、全体の16%であった。従って、翌月悪化の可能性有りとしてフォーカスするべきリスクプロジェクトへの削減率は、84%である。その16%にフォーカスしたリスト中には、翌月のリスク度が実際に黄になったプロジェクトが含まれていた。従って、第2基準リスクプロジェクトの予兆検知は、100%のカバー率を示した。
本発明の上記実施形態の効果を算定するために、上記削減率とカバー率との調和平均(=2/((1/削減率)+(1/カバー率)))を取る。この場合、91.3%である。
なお、いわゆる的中率から、本発明の上記実施形態の効果を正確に知ることは難しい。なぜならば、プロジェクトの管理者が意図的にリスクを取っているケースがあることで、キー項目のスコアが悪くなっていたり、又は、プロジェクトの管理者が潜在的なリスクがあることに気が付いて、質問に対する回答の翌月の報告時までにアクションを打つ、例えば、スコアの悪化原因を取り除く施策をとることでデータ(回答データの前月と今月との差分)上は落ち込みが無かった可能性が存在するためである。プロジェクトの管理者が意図的にリスクを取っているとは、例えば、最終的なプロジェクト成功のために、一時的に回答データのスコアを意図的に落とすことであり、例えば、人員を一時的に増加することである。この場合のキー項目は、例えば、利益に関するキー項目、又はチームに関するキー項目である。
したがって、数百ある対象プロジェクトの何割を削減して、かつ何割のカバー比率を取ることができたかといったトレードオフ関係にある両者の調和平均によって、本発明の効果を算定することとした。
同様に他の月の調和平均の結果を以下に示す。
a月予測 93.6%
b月予測 92.9%
c月予測 92.6%
d月予測 70.7%
以上の通り、d月以外は、90%以上の結果を示した。d月では、アンケートに対する回答データが不適切であったプロジェクトが当月より正確な申告を行い始めたことの影響があったためであることを付け加える。
従来、プロジェクト管理で計測されるデータ(例えば、進捗など)からリスクを潜在的に有するプロジェクトを予兆することはあまり定量的行われておらず、また明確な指標もない。しかし、上記のようにアンケート結果だけから、ほぼ瞬時に翌月のリスクを潜在的に有する第2基準リスクプロジェクトを抽出することが可能である。よって、上記リスクを潜在的に有する第2基準プロジェクトに対して、危険度に対するアクションをより迅速に打つことが可能となる効果は極めて大きいと考えられる。
以上の通り、本願発明の実施態様によると、プロジェクトの管理者によってばらつきのある定性的な回答データからでも、潜在的なリスクを含むプロジェクトを予兆検知することが可能である。
図6は、本発明の実施態様における、コンピュータ・ハードウェアのブロック図を示す。
上記実施態様のコンピュータ・システム(601)は、CPU(603)とメイン・メモリ(602)と含み、これらはバス(604)に接続されている。CPU(603)は好ましくは、32ビットまたは64ビットのアーキテクチャに基づくものであり、例えば、インテル社のXeon(商標)シリーズ、Core(商標)シリーズ、ATOM(商標)シリーズ、Pentium(商標)シリーズ、Celeron(商標)シリーズ、AMD社のPhenom(商標)シリーズ、Athlon(商標)シリーズ、Turion(商標)シリーズ及びSempron(商標)を使用することができる。バス(604)には、ディスプレイ・コントローラ(605)を介して、LCDモニターなどのディスプレイ(606)が接続される。ディスプレイ(606)は、コンピュータ・システムの管理のために、通信回線を介してネットワークに接続されたコンピュータについての情報と、そのコンピュータ上で動作中のソフトウェアについての情報を、適当なグラフィック・インターフェースで表示するために使用される。バス(604)にはまた、IDE又はSATAコントローラ(607)を介して、ハードディスク又はシリコン・ディスク(608)と、CD−ROM、DVDドライブ又はBDドライブ(609)が接続される。
ハードディスクには、オペレーティング・システム、本発明の実施態様に従うコンピュータ・プログラム、その他のプログラム及びデータが、メイン・メモリにロード可能に記憶されている。
CD−ROM、DVD又はBDドライブ(609)は、必要に応じて、CD−ROM、DVD−ROM又はBDからプログラムをハードディスクに追加導入するために使用される。バス(604)には更に、キーボード・マウスコントローラ(610)を介して、キーボード(611)及びマウス(612)が接続されている。
通信インタフェース(614)は、例えばイーサネット(商標)プロトコルに従うものであり、通信コントローラ(613)を介してバス(604)に接続され、コンピュータ及び通信回線(615)を物理的に接続する役割を担い、コンピュータのオペレーティング・システムの通信機能のTCP/IP通信プロトコルに対して、ネットワーク・インターフェース層を提供する。尚、通信回線は、有線LAN環境、或いは例えばIEEE802.11a/b/g/nなどの無線LAN接続規格に基づく無線LAN環境であってもよい。
以上、実施形態に基づき本発明を説明してきたが、本実施形態に記載されている内容は、本発明の一例であり、当業者なら、本発明の技術的範囲を逸脱することなく、さまざまな変形例に想到できることが、明らかであろう
本発明の実施形態における、コンピュータ・システムの構成図を示す。 本発明の実施形態における、キー項目の一覧の例を示す。 本発明の実施形態における、ニューラルネットワークの学習の例を示す。 本発明の実施形態における、学習したニューラルネットワークを用いてリスク度が高くなるような作為的な回答データに対応する質問を重要質問として絞り込むことを示す。 本発明の実施形態における、プロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うためのフローチャートを示す。 図4のステップ405、406及び407の具体例を示す。 本発明の実施態様における、コンピュータ・ハードウェアのブロック図を示す。

Claims (22)

  1. リスク管理を有する複数のプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うためのコンピュータ・システムであって、
    前記各プロジェクトに関する複数の質問に対する回答データを収集する収集部であって、前記複数の質問それぞれは複数のキー項目のうちのいずれかのキー項目に分類されている、前記収集部と、
    前記キー項目毎の前記各質問に対する回答データに基づいて、前記各キー項目にリスク度を付与するリスク度付与部であって、前記回答データは数値又は回答データから変換された数値である、前記リスク度付与部と、
    前記キー項目毎に回答データをニューラルネットワークの入力データとして入力し、前記入力した回答データに対応するリスク度を該ニューラルネットワークの出力データとして入力し、該ニューラルネットワークにおいて前記回答データの複数と前記リスク度の複数との関係を学習する学習部と、
    作為的な回答データを含む回答データを前記学習したニューラルネットワークに与えてリスク度を求め、該求めたリスク度が高い場合の作為的な回答データに対応する質問を重要質問として絞り込む絞込部と、
    前記重要質問に対する回答データのリスク度を上げる回答データを含むプロジェクトを選択し、該選択したプロジェクトについて、所定期間のリスクの予兆検知を行う検知部と
    を含む、前記コンピュータ・システム。
  2. 前記検知部が、
    第1の期間における前記各重要質問に対する回答データが該第1の期間直前の第2の期間における前記各重要質問に対する回答データよりもリスク度を上げる場合、該リスク度を上げる回答データを含むプロジェクトを選択し、
    前記選択されたプロジェクトについて、第1〜nの期間それぞれにおける前記キー項目毎の前記各質問に対する回答データ(以下、第1の回答データ)が該第1〜nの期間直前の第2〜n+1の期間それぞれにおける前記キー項目毎の前記各質問に対する回答データ(以下、第2の回答データ)よりもリスク度を上げる場合、前記1〜nの期間における前記第1の回答データと前記第2の回答データのキー項目毎の差分の合計値が所定の閾値以上であるプロジェクトを、リスクを有しうるプロジェクトとして抽出する、ここでnは2以上の整数である、
    請求項1に記載のコンピュータ・システム。
  3. 前記作為的な回答データが、前記複数の質問のうちの1個又は2個について人工的に与えられた回答データである、請求項1に記載のコンピュータ・システム。
  4. 前記プロジェクトを選択することが、前記リスク度を上げる回答データの数に対応する質問の数をレベルの値とし、該レベルの値が1以上であるプロジェクトを選択することである、請求項2に記載のコンピュータ・システム。
  5. 前記第1の期間の前記レベルの値が1である場合において、
    前記合計値が第1の閾値以上である場合に、該プロジェクトをリスクを有しうるプロジェクトとして抽出し、
    前記第1の期間の前記レベルの値が2以上である場合において、
    前記合計値が第2の閾値以上である場合に、該プロジェクトをリスクを有しうるプロジェクトとして抽出する、
    請求項4に記載のコンピュータ・システム。
  6. 前記第1及び第2の閾値が、
    (前記リスクを有しうるプロジェクトの前記選択されたプロジェクトから抽出される希望数に関する減少関数)+(前記レベルの値に関する増加関数)
    から求められる、請求項5に記載のコンピュータ・システム。
  7. 前記閾値が、
    7×exp(-5x/100)+0.5×exp(2.5/y)
    であり、
    ここで、xは、前記回答データに関連付けられたプロジェクトから選択するプロジェクトの選択比率(%)であり、
    yは、前記レベルの値である、
    請求項6に記載のコンピュータ・システム。
  8. 前記ニューラルネットワークが多層パーセプトロンである、請求項1に記載のコンピュータ・システム。
  9. 前記学習部が、前記ニューラルネットワークにおいて、前記入力データを第1のノードとし且つ前記出力データを第2のノードとし、前記第1のノードを多層の数(n)−1個に分け、前記第1のノードの多層間、及び前記第1のノードと前記第2のノードとの間を関連付ける、請求項8に記載のコンピュータ・システム。
  10. 前記回答データが前記複数のプロジェクトの少なくとも2から、又は、同一のプロジェクトの異なる期間から収集される、請求項1に記載のコンピュータ・システム。
  11. 前記リスク度付与部が、前記各質問に対する回答データの数値を合計し、該合計した値に基づいて前記リスク度を付与する、請求項1に記載のコンピュータ・システム。
  12. リスク管理を有する複数のプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うための方法において、コンピュータ・システムに下記ステップを実行させる方法であって、
    前記各プロジェクトに関する複数の質問に対する回答データを記憶部に収集するステップであって、前記複数の質問それぞれは複数のキー項目のうちのいずれかのキー項目に分類されている、前記収集するステップと、
    前記キー項目毎の前記各質問に対する回答データに基づいて、前記各キー項目にリスク度を付与するステップであって、前記回答データは数値又は回答データから変換された数値である、前記付与するステップと、
    前記キー項目毎に回答データをニューラルネットワークの入力データとして入力し、前記入力した回答データに対応するリスク度を該ニューラルネットワークの出力データとして入力し、該ニューラルネットワークにおいて前記回答データの複数と前記リスク度の複数との関係を学習するステップと、
    作為的な回答データを含む回答データを前記学習したニューラルネットワークに与えてリスク度を求め、該求めたリスク度が高い場合の作為的な回答データに対応する質問を重要質問として絞り込むステップと、
    前記重要質問に対する回答データのリスク度を上げる回答データを含むプロジェクトを選択し、該選択したプロジェクトについて、所定期間のリスクの予兆検知を行うステップと
    を含む、前記方法。
  13. 前記予兆検知を行うステップが、
    第1の期間における前記各重要質問に対する回答データが該第1の期間直前の第2の期間における前記各重要質問に対する回答データよりもリスク度を上げる場合、該リスク度を上げる回答データを含むプロジェクトを選択するステップと、
    前記選択されたプロジェクトについて、第1〜nの期間それぞれにおける前記キー項目毎の前記各質問に対する回答データ(以下、第1の回答データ)が該第1〜nの期間直前の第2〜n+1の期間それぞれにおける前記キー項目毎の前記各質問に対する回答データ(以下、第2の回答データ)よりもリスク度を上げる場合、前記1〜nの期間における前記第1の回答データと前記第2の回答データのキー項目毎の差分の合計値が所定の閾値以上であるプロジェクトを、リスクを有しうるプロジェクトとして抽出するステップであって、nは2以上の整数である、前記抽出するステップと
    を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記回答データを収集するステップを繰り返すステップと、
    前記リスク度を付与するステップを繰り返すステップと、
    前記学習したニューラルネットワークにおいて前記回答データの複数と前記リスク度の複数との関係を学習するステップを繰り返すステップと、
    前記絞り込むステップを繰り返して、前記重要質問を更新するステップと
    をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記予兆検知を行うステップにおいて、第1の期間における前記更新された各重要質問に対する回答データが該第1の期間直前の第2の期間における前記更新された各重要質問に対する回答データよりもリスク度を上げる場合、該リスク度をあげる回答データを含むプロジェクトを選択するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記リスク度を上げる回答データの数に対応する質問の数をレベルの値とし、前記プロジェクトを選択するステップが、該レベルの値が1以上であるプロジェクトを選択するステップを含む、請求項13に記載の方法。
  17. 前記抽出するステップが、
    前記第1の期間の前記レベルの値が1である場合において、
    前記合計値が第1の閾値以上である場合に、該プロジェクトをリスクを有しうるプロジェクトとして抽出するステップと、
    前記第1の期間の前記レベルの値が2以上である場合において、
    前記合計値が第2の閾値以上である場合に、該プロジェクトをリスクを有しうるプロジェクトとして抽出するステップと、
    を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第1及び第2の閾値が、
    (前記選択されたプロジェクトから抽出される前記リスクを有しうるプロジェクトの希望数に関する減少関数)+(前記レベルの値に関する増加関数)
    から求められる、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ニューラルネットワークが多層パーセプトロンであり、
    前記学習するステップが、前記ニューラルネットワークにおいて、前記入力データを第1のノードとし且つ前記出力データを第2のノードとし、前記第1のノードを多層の数(n)−1個に分け、前記第1のノードの多層間、及び前記第1のノードと前記第2のノードとの間を関連付けるステップを含む、請求項12に記載の方法。
  20. 前記リスク度を付与するステップが、前記各質問に対する回答データの数値を合計し、該合計した値に基づいて前記リスク度を付与するステップを含む、請求項12に記載の方法。
  21. リスク管理を有する複数のプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うための方法において、コンピュータ・システムに下記ステップを実行させる方法であって、
    前記各プロジェクトに関する複数の質問に対する回答データを記憶部に収集するステップであって、前記複数の質問それぞれは複数のキー項目のうちのいずれかのキー項目に分類されている、前記収集するステップと、
    前記キー項目毎の前記各質問に対する回答データに基づいて、前記各キー項目にリスク度を付与するステップであって、前記回答データは数値又は回答データから変換された数値である、前記付与するステップと、
    前記キー項目毎に回答データをニューラルネットワークの入力データとして入力し、前記入力した回答データに対応するリスク度を該ニューラルネットワークの出力データとして入力し、該ニューラルネットワークにおいて前記回答データの複数と前記リスク度の複数との関係を学習するステップと、
    作為的な回答データを含む回答データを前記学習したニューラルネットワークに与えてリスク度を求め、該求めたリスク度が高い場合の作為的な回答データに対応する質問を重要質問として絞り込むステップと、
    前記回答データを収集するステップを繰り返すステップと、
    前記リスク度を付与するステップを繰り返すステップと、
    前記学習したニューラルネットワークにおいて前記回答データの複数と前記リスク度の複数との関係を学習するステップを繰り返すステップと、
    前記絞り込むステップを繰り返して、前記重要質問を更新するステップと、
    所定期間のプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うステップであって、
    第1の期間における前記更新された各重要質問に対する回答データが該第1の期間直前の第2の期間における前記更新された各重要質問に対する回答データよりもリスク度を上げる場合、該リスク度をあげる回答データを含むプロジェクトを選択するステップと、
    前記選択されたプロジェクトについて、第1〜nの期間それぞれにおける前記キー項目毎の前記各質問に対する回答データ(以下、第1の回答データ)が該第1〜nの期間直前の第2〜n+1の期間それぞれにおける前記キー項目毎の前記各質問に対する回答データ(以下、第2の回答データ)よりもリスク度を上げる場合、前記1〜nの期間における前記第1の回答データと前記第2の回答データのキー項目毎の差分の合計値が所定の閾値以上であるプロジェクトを、リスクを有しうるプロジェクトとして抽出するステップであって、nは2以上の整数である、前記抽出するステップと
    を含む、前記予兆検知を行うステップと
    を含む、前記方法。
  22. リスク管理を有する複数のプロジェクトにおけるリスクの予兆検知を行うためのコンピュータ・プログラムであって、コンピュータ・システムに、請求項12〜21のいずれか一項に記載の方法の各ステップを実行させる、前記コンピュータ・プログラム。
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